JP2016053643A - 偏光子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非偏光部のキズが抑制され、外観に優れた偏光子を低コストおよび高生産性で製造し得る方法を提供すること。
【解決手段】本発明の非偏光部を有する長尺状の偏光子の製造方法は、偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された表面保護フィルムとを備え、該表面保護フィルム側に該偏光子が露出した露出部を有する偏光フィルム積層体を準備すること;該露出部を脱色して非偏光部を形成すること;該偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送しながら該搬送ロール表面の異物を除去すること;および該表面保護フィルムを除去すること;を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、偏光子の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、非偏光部を有する長尺状の偏光子の製造方法に関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピューター(PC)等の画像表示装置には、カメラ等の内部電子部品が搭載されているものがある。このような画像表示装置のカメラ性能等の向上を目的として、種々の検討がなされている(例えば、特許文献1〜6)。しかし、スマートフォン、タッチパネル式の情報処理装置の急速な普及により、カメラ性能等のさらなる向上が望まれている。また、画像表示装置の形状の多様化および高機能化に対応するために、部分的に偏光性能を有する偏光板が求められている。これらの要望を工業的および商業的に実現するためには許容可能なコストで画像表示装置および/またはその部品を製造することが望まれるところ、そのような技術を確立するためには種々の検討事項が残されている。
特開2011−81315号公報 特開2007−241314号公報 米国特許出願公開第2004/0212555号明細書 韓国公開特許第10−2012−0118205号公報 韓国特許第10−1293210号公報 特開2012−137738号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、非偏光部のキズが抑制され、外観に優れた偏光子を低コストおよび高生産性で製造し得る方法を提供することにある。
本発明の非偏光部を有する長尺状の偏光子の製造方法は、偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された表面保護フィルムとを備え、該表面保護フィルム側に該偏光子が露出した露出部を有する偏光フィルム積層体を準備すること;該露出部を脱色して非偏光部を形成すること;該偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送しながら該搬送ロール表面の異物を除去すること;および該表面保護フィルムを除去すること;を含む。
1つの実施形態においては、上記異物を除去される搬送ロールは上記表面保護フィルムに接触している。
1つの実施形態においては、上記製造方法において、上記搬送ロールに接触する粘着ロールにより上記搬送ロール表面の異物が除去される。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記脱色前に上記搬送ロール表面の異物を除去することを含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法において、上記脱色が、上記偏光子を処理液に浸漬することにより行われ、該処理液除去後に上記搬送ロール表面の異物を除去することを含む。
本発明によれば、非偏光部を有する長尺状の偏光子の製造方法が提供される。当該方法において、偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送することにより、連続的な脱色処理が可能となるので、非偏光部を有する偏光子を低コストおよび高生産性で製造することが可能である。さらに、該搬送ロール表面の異物を除去することにより、搬送時に混入した異物により非偏光部にキズが生じることを防止することができるので、偏光子を得る際の歩留りが顕著に向上し、品質のばらつきを顕著に抑制することができる。さらに、外観に優れた偏光子を低コストおよび高生産性で製造することができる。
本発明の実施形態による偏光子の製造方法における偏光フィルム積層体を準備する工程を説明する概略図である。 本発明の実施形態に用いられる第1の表面保護フィルムにおける貫通孔の配置パターンの一例を説明する概略平面図である。 本発明の実施形態に用いられる偏光フィルム積層体の概略断面図である。 本発明の実施形態による偏光子の製造方法を説明する概略図である。 本発明の実施形態により得られた偏光子の概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
本発明の実施形態による製造方法は、偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された表面保護フィルムとを備え、該表面保護フィルム側に該偏光子が露出した露出部を有する偏光フィルム積層体を準備すること;該露出部を脱色して非偏光部を形成すること;該偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送しながら該搬送ロール表面の異物を除去すること;および、該表面保護フィルムを除去すること;を含む。以下、具体的に説明する。なお、非偏光部を形成する前の偏光子は、厳密には本発明の製造方法により得られる非偏光部を有する偏光子の中間体であるが、本明細書においては単に偏光子と称する。当業者であれば、本明細書の記載を見れば、「偏光子」が中間体を意味するか本発明の製造方法により得られる非偏光部を有する偏光子を意味するかを容易に理解することができる。
A.偏光フィルム積層体の準備
以下、偏光フィルム積層体を準備する方法の一例について説明する。
A−1.偏光子の準備
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。偏光子は、代表的には樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムは、代表的には、ヨウ素や有機染料等の二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と言う)フィルムである。偏光子を構成する樹脂フィルム(代表的には、PVA系樹脂フィルム)は、単一のフィルムであってもよく、樹脂基材上に形成された樹脂層(代表的には、PVA系樹脂層)であってもよい。
偏光子は、任意の適切な方法により作製され得る。偏光子が単一のPVA系樹脂フィルムである場合には、偏光子は当業界で周知慣用されている方法により作製され得る。偏光子が樹脂基材上に形成されたPVA系樹脂層である場合には、偏光子は、例えば、特開2012−73580号公報に記載の方法により作製され得る。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。厚みは、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm未満である。一方で、厚みは、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。このような厚みであれば、優れた耐久性と光学特性とを有する偏光子が得られ得る。また、湿式処理としてアルカリ処理を含む場合、厚みが薄いほど、非偏光部が良好に形成され得る。例えば、アルカリ処理による脱色により非偏光部を形成する場合に、処理液と樹脂フィルム(偏光子)との接触時間を短くすることができる。
偏光板を用いて偏光フィルム積層体を作製する場合、1つの実施形態においては、単一の樹脂フィルムである偏光子の片面または両面に保護フィルムが貼り合わせられる。別の実施形態においては、樹脂基材/偏光子の積層体の偏光子表面に保護フィルムが貼り合わせられ、次いで樹脂基材が剥離され、さらに、必要に応じて樹脂基材の剥離面に別の保護フィルムが貼り合わせられ得る。なお、本明細書において単に保護フィルムというときは、上記のような偏光子保護フィルムを意味し、表面保護フィルム(作業時に偏光板を一時的に保護するフィルム)とは異なるものである。保護フィルムの貼り合わせは、代表的にはロールトゥロールにより行われ得る。なお、本明細書において「ロールトゥロール」とは、ロール状のフィルムを搬送しながら互いの長尺方向を揃えて貼り合わせることをいう。
保護フィルムの形成材料としては、例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。
保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。保護フィルムは、代表的には、接着層(具体的には、接着剤層、粘着剤層)を介して偏光子に積層される。接着剤層は、代表的にはPVA系接着剤や活性化エネルギー線硬化型接着剤で形成される。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。
また、偏光板は、目的に応じて任意の適切な光学機能層をさらに有していてもよい。光学機能層の代表例としては、位相差フィルム(光学補償フィルム)、表面処理層が挙げられる。
A−2.偏光フィルム積層体の作製
以下、一例として、偏光子/保護フィルムの構成を有する偏光板を用いて偏光フィルム積層体を作製する場合について説明する。図1に示す例では、偏光子30/保護フィルム40の積層体(以下、単に偏光板と称する。)の偏光子30表面に表面保護フィルム20を積層して、偏光フィルム積層体10を形成している。積層は、代表的には図1に示すようにロールトゥロールにより行われ得る。偏光板は、搬送ロール71および72の間を搬送される。搬送ロール71は偏光板の偏光子30表面に接触している。搬送ロール72は偏光板の保護フィルム40側の面に接触している。表面保護フィルム20は搬送ロール61および62の間を搬送される。偏光板と表面保護フィルム20とは、搬送ロール63および73の間で偏光子30表面に表面保護フィルム20が貼り合わされて積層され、その結果、偏光フィルム積層体10が形成されている。搬送ロール63は表面保護フィルム20に接触しており、搬送ロール73は偏光フィルム積層体10の保護フィルム40側の面に接触している。表面保護フィルム20は、任意の適切な粘着剤を介して偏光板(実質的には、偏光子30)に剥離可能に積層され得る。なお、偏光板の形態以外の形態を有する偏光子(例えば、単一の樹脂フィルムである偏光子、樹脂基材/偏光子の積層体)についても同様の手順が適用され得ることは言うまでもない。
表面保護フィルム(以下、便宜上、第1の表面保護フィルムと称する場合がある)20は、代表的には、長尺方向および/または幅方向に所定の間隔で(すなわち、所定のパターンで)配置された貫通孔21を有する。貫通孔を有する表面保護フィルムを用いることにより、後述のように処理液への浸漬による脱色処理がより容易になるので、非常に高い製造効率で非偏光部を有する偏光子を得ることができる。貫通孔21の配置パターンは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、貫通孔21は、図1に示すように、長尺方向および幅方向のいずれにおいても実質的に等間隔で配置され得る。なお、「長尺方向および幅方向のいずれにおいても実質的に等間隔」とは、長尺方向の間隔が等間隔であり、かつ、幅方向の間隔が等間隔であることを意味し、長尺方向の間隔と幅方向の間隔とが等しい必要はない。例えば、長尺方向の間隔をL1とし、幅方向の間隔をL2としたとき、L1=L2でもよく、L1≠L2であってもよい。あるいは、貫通孔21は、長尺方向に実質的に等間隔で配置され、かつ、幅方向に異なる間隔で配置されてもよく;長尺方向に異なる間隔で配置され、かつ、幅方向に実質的に等間隔で配置されてもよい(いずれも図示せず)。長尺方向または幅方向において貫通孔が異なる間隔で配置される場合、隣接する貫通孔の間隔はすべて異なっていてもよく、一部(特定の隣接する貫通孔の間隔)のみが異なっていてもよい。また、第1の表面保護フィルム20の長尺方向に複数の領域を規定し、それぞれの領域ごとに長尺方向および/または幅方向における貫通孔21の間隔を設定してもよい。
図2は、第1の表面保護フィルムにおける貫通孔の配置パターンの一例を説明する概略平面図である。1つの実施形態においては、貫通孔21は、図2に示すように、長尺方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、長尺方向に対して実質的に平行であり、ならびに、幅方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、幅方向に対して実質的に平行であるように配置される。本実施形態は、図1に示す第1の表面保護フィルムにおける貫通孔の配置パターンに対応する。別の実施形態においては、貫通孔21は、長尺方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、長尺方向に対して実質的に平行であり、ならびに、幅方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、幅方向に対して所定の角度θを有するように配置される。さらに別の実施形態においては、貫通孔21は、長尺方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、長尺方向に対して所定の角度θを有し、ならびに、幅方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、幅方向に対して所定の角度θを有するように配置される。θおよび/またはθは、好ましくは0°を超えて±10°以下である。ここで、「±」は、基準方向(長尺方向または幅方向)に対して時計回りおよび反時計回りのいずれの方向も含むことを意味する。なお、貫通孔の配置パターンが図示例に限定されないことは言うまでもない。例えば、貫通孔21は、長尺方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、長尺方向に対して所定の角度θを有し、ならびに、幅方向において隣接する貫通孔を結ぶ直線が、幅方向に対して実質的に平行であるように配置されてもよい。また、第1の表面保護フィルム20の長尺方向に複数の領域を規定し、それぞれの領域ごとにθおよび/またはθを設定してもよい。上記別の実施形態および上記さらに別の実施形態の配置パターンは、以下のような利点を有する:画像表示装置によっては表示特性を向上させるために偏光子の吸収軸を当該装置の長辺または短辺に対して最大で10°程度ずらして配置することを要求される場合がある。偏光子の吸収軸は長尺方向または幅方向に発現するので、上記のような構成であれば、このような場合において、裁断された枚葉の偏光子の吸収軸の方向を所望の角度に精密に制御することができ、かつ、偏光子ごとの吸収軸の方向のばらつきを顕著に抑制することができる。
貫通孔21の平面視形状は、目的に応じて任意の適切な形状が採用され得る。具体例としては、円形、楕円形、正方形、矩形、ひし形が挙げられる。
貫通孔21は、例えば、機械的打ち抜き(例えば、パンチング、彫刻刃打抜き、プロッター、ウォータージェット)または第1の表面保護フィルムの所定部分の除去(例えば、レーザーアブレーションまたは化学的溶解)により形成され得る。
第1の表面保護フィルムは、硬度(例えば、弾性率)が高いフィルムが好ましい。搬送および/または貼り合わせ時の貫通孔の変形が防止され得るからである。第1の表面保護フィルムの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。好ましくは、エステル系樹脂(特に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂)である。このような材料であれば、弾性率が十分に高く、搬送および/または貼り合わせ時に張力をかけても貫通孔の変形が生じにくいという利点がある。
第1の表面保護フィルムの厚みは、代表的には20μm〜250μmであり、好ましくは30μm〜150μmである。このような厚みであれば、搬送および/または貼り合わせ時に張力をかけても貫通孔の変形が生じにくいという利点を有する。
第1の表面保護フィルムの弾性率は、好ましくは2.2kN/mm〜4.8kN/mmである。第1の表面保護フィルムの弾性率がこのような範囲であれば、搬送および/または貼り合わせ時に張力をかけても貫通孔の変形が生じにくいという利点を有する。なお、弾性率は、JIS K 6781に準拠して測定される。
第1の表面保護フィルムの引張伸度は、好ましくは90%〜170%である。第1の表面保護フィルムの引張伸度がこのような範囲であれば、搬送中に破断しにくいという利点を有する。なお、引張伸度は、JIS K 6781に準拠して測定される。
好ましくは、偏光板(偏光子30/保護フィルム40の積層体)の保護フィルム40側の面に、第2の表面保護フィルム50を積層する。積層は、代表的にはロールトゥロールにより行われ得る。図1に示す例では、偏光板の保護フィルム40表面に第2の表面保護フィルム50を積層して、偏光板/第2の表面保護フィルム50の積層体を形成している。偏光板と第2の表面保護フィルム50とは、搬送ロール71および72によって保護フィルム40表面に第2の表面保護フィルム50が貼り合わされて積層される。第2の表面保護フィルムは、任意の適切な粘着剤を介して偏光板(実質的には、保護フィルム40)に剥離可能に積層され得る。第2の表面保護フィルムは、貫通孔が設けられていないこと以外は第1の表面保護フィルムと同様のフィルムが用いられ得る。さらに、第2の表面保護フィルムとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)フィルムのような柔らかい(例えば、弾性率が低い)フィルムも好適に用いることができる。第2の表面保護フィルムを用いることにより、後述の脱色処理において偏光板(偏光子/保護フィルム)をさらに適切に保護することが可能となり、結果として、浸漬による脱色をより良好に行うことができる。第2の表面保護フィルムは、第1の表面保護フィルムと同時に貼り合わせてもよく、第1の表面保護フィルムを貼り合わせる前に貼り合わせてもよく、第1の表面保護フィルムを貼り合わせた後に貼り合わせてもよい。好ましくは、第2の表面保護フィルム50は、図1に示すように第1の表面保護フィルム20を貼り合わせる前に貼り合わせられる。このような手順であれば、保護フィルムの傷つきが防止される、および、巻き取り時において第1の表面保護フィルムに形成した貫通孔が痕として偏光子に転写されるのが防止されるという利点を有する。第1の表面保護フィルムを貼り合わせる前に第2の表面保護フィルムを貼り合わせる場合には、例えば、偏光子保護フィルムと第2の表面保護フィルムとの積層体を作製し、当該積層体を樹脂基材/偏光子の積層体に貼り合わせた後樹脂基材を剥離し、当該剥離面に第1の表面保護フィルムを貼り合わせることができる。
以上のようにして、図1に示すように偏光フィルム積層体10が得られ得る。図3は、上記のようにして得られた偏光フィルム積層体の概略断面図である。図示例の偏光フィルム積層体10においては、第1の表面保護フィルム20の貫通孔21により露出部11が規定されている。
B.偏光フィルム積層体の露出部の脱色による非偏光部の形成
図4に示すように、偏光フィルム積層体の露出部を脱色処理に供する。露出部の脱色により偏光子に非偏光部が形成され得る。代表的には、脱色処理は偏光フィルム積層体を塩基性溶液と接触させることを含む。脱色処理は、必要に応じて、塩基性溶液を除去すること、偏光フィルム積層体を酸性溶液と接触させること、および/または、酸性溶液を除去することをさらに含み得る。以下、具体的に説明する。なお、塩基性溶液および酸性溶液を処理液と称する場合がある。
偏光フィルム積層体と塩基性溶液との接触は、任意の適切な手段により行われ得る。代表例としては、偏光フィルム積層体の塩基性溶液への浸漬、あるいは、塩基性溶液の偏光フィルム積層体への塗布または噴霧が挙げられる。浸漬が好ましい。図4に示すように偏光フィルム積層体を搬送しながら脱色処理を行うことができるので、製造効率が顕著に向上するからである。上記のとおり、第1の表面保護フィルム(および、必要に応じて第2の表面保護フィルム)を用いることにより、浸漬が可能となる。具体的には、塩基性溶液に浸漬することにより、偏光フィルム積層体における露出部のみが塩基性溶液と接触する。例えば、偏光子が二色性物質としてヨウ素を含む場合、露出部と塩基性溶液とを接触させることにより、露出部のヨウ素濃度を低減させ、結果として、露出部のみに選択的に非偏光部を形成することができる。このように、本実施形態によれば、複雑な操作を伴うことなく非常に高い製造効率で、偏光子の所定部分に選択的に非偏光部を形成することができる。なお、偏光子にヨウ素が残存している場合、ヨウ素錯体を破壊して非偏光部を形成したとしても、偏光子の使用に伴い再度ヨウ素錯体が形成され、非偏光部が所望の特性を有さなくなるおそれがある。本実施形態では、後述の塩基性溶液の除去によって、ヨウ素自体が偏光子(実質的には、非偏光部)から除去される。その結果、偏光子の使用に伴う非偏光部の特性変化を防止し得る。
塩基性溶液による非偏光部の形成について、より詳細に説明する。偏光フィルム積層体における露出部との接触後、塩基性溶液は露出部から内部へと浸透する。当該部分に含まれるヨウ素錯体は塩基性溶液に含まれる塩基により還元され、ヨウ素イオンとなる。ヨウ素錯体がヨウ素イオンに還元されることにより、露出部に対応する偏光子の所定部分の偏光性能が実質的に消失し、非偏光部が形成される。また、ヨウ素錯体の還元により、露出部の透過率が向上する。ヨウ素イオンとなったヨウ素は、露出部から塩基性溶液の溶媒中に移動する。その結果、後述の塩基性溶液の除去により、塩基性溶液と共にヨウ素イオンも露出部から取り除かれる。このようにして、露出部に対応する偏光子の所定部分に選択的に非偏光部が形成され、さらに、当該非偏光部は経時変化のない安定なものとなる。なお、第1の表面保護フィルムの材料、厚みおよび機械的特性、塩基性溶液の濃度、ならびに偏光フィルム積層体の塩基性溶液への浸漬時間等を調整することにより、塩基性溶液が所望でない部分まで浸透すること(結果として、所望でない部分に非偏光部が形成されること)を防止することができる。
上記塩基性溶液に含まれる塩基性化合物としては、任意の適切な塩基性化合物を用いることができる。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム等の有機アルカリ金属塩、アンモニア水等が挙げられる。塩基性溶液に含まれる塩基性化合物は、好ましくはアルカリ金属の水酸化物であり、さらに好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムである。アルカリ金属の水酸化物を含む塩基性溶液を用いることにより、ヨウ素錯体を効率良くイオン化することができ、より簡便に非偏光部を形成することができる。これらの塩基性化合物は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩基性溶液の溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができる。具体的には、水、エタノール、メタノール等のアルコール、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、および、これらの混合溶媒が挙げられる。ヨウ素イオンが良好に溶媒へと移行し、後の塩基性溶液の除去において容易にヨウ素イオンを除去できることから、溶媒は水、アルコールが好ましい。
上記塩基性溶液の濃度は、例えば、0.01N〜5Nであり、好ましくは0.05N〜3Nであり、より好ましくは0.1N〜2.5Nである。塩基性溶液の濃度がこのような範囲であれば、効率よく偏光子内部のヨウ素濃度を低減させることができ、かつ、露出部以外の部分におけるヨウ素錯体のイオン化を防止することができる。
上記塩基性溶液の液温は、例えば、20℃〜50℃である。偏光フィルム積層体(実質的には、露出部)と塩基性溶液との接触時間は、偏光子の厚みや、用いる塩基性溶液に含まれる塩基性化合物の種類、および、塩基性化合物の濃度に応じて設定することができ、例えば、5秒間〜30分間である。
上記塩基性溶液は、露出部と接触後(非偏光部の形成後)、必要に応じて任意の適切な手段により除去され得る。塩基性溶液の除去方法の具体例としては、洗浄、ウエス等による拭き取り除去、吸引除去、自然乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。洗浄が好ましい。塩基性溶液の除去性能に優れ、複雑な装置を必要とせず、かつ、製造効率に優れるからである。洗浄に使用する液は、例えば、水(純水)、メタノール、エタノール等のアルコール、酸性水溶液、および、これらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくは、水である。洗浄は、代表的には、図4に示すように偏光フィルム積層体を搬送しながら行われる。洗浄は複数回行ってもよい。塩基性溶液を乾燥により除去する場合の乾燥温度は、例えば、20℃〜100℃である。
必要に応じて、塩基性溶液と接触した偏光フィルム積層体(実質的には、露出部)を酸性溶液とさらに接触させることができる。偏光フィルム積層体と酸性溶液との接触は、任意の適切な手段により行われ得る。塩基性溶液との接触の場合と同様に、浸漬が好ましい。酸性溶液と接触させることにより、露出部に残存する塩基性溶液をさらに良好なレベルまで除去することができる。また、酸性溶液と接触させることにより、非偏光部の寸法安定性および耐久性が向上し得る。酸性溶液との接触は、塩基性溶液の除去を行った後に行ってもよく、塩基性溶液を除去することなく行ってもよい。
上記酸性溶液に含まれる酸性化合物としては、任意の適切な酸性化合物を用いることができる。酸性化合物としては、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素等の無機酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、安息香酸等の有機酸等が挙げられる。酸性溶液に含まれる酸性化合物は、好ましくは無機酸であり、さらに好ましくは塩酸、硫酸、硝酸である。これらの酸性化合物は単独で使用しても、混合して使用しても良い。
上記酸性溶液の溶媒としては、上記塩基性溶液の溶媒として例示したものを用いることができる。上記酸性溶液の濃度は、例えば、0.01N〜5Nであり、好ましくは0.05N〜3Nであり、より好ましくは0.1N〜2.5Nである。
上記酸性溶液の液温は、例えば、20℃〜50℃である。偏光フィルム積層体(実質的には、露出部)と酸性溶液との接触時間は、樹脂フィルム(偏光子)の厚みや、用いる酸性溶液に含まれる酸性化合物の種類、および、酸性化合物の濃度に応じて設定することができ、例えば、5秒間〜30分間である。必要に応じて、偏光フィルム積層体と酸性溶液とを接触させた後、直ちに拭き取り等により除去してもよい。
上記酸性溶液は、露出部と接触後、必要に応じて任意の適切な手段により除去され得る。塩基性溶液の除去の場合と同様に、洗浄が好ましい。洗浄に使用する液は、例えば、水(純水)、メタノール、エタノール等のアルコール、酸性水溶液、および、これらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくは、水である。洗浄は、代表的には、図4に示すように偏光フィルム積層体を搬送しながら行われる。洗浄は複数回行ってもよい。
本実施形態において酸性溶液を洗浄により除去する場合、酸性溶液除去後の偏光フィルム積層体は、必要に応じて、洗浄液除去および乾燥に供される(図示せず)。洗浄液(代表的には水)除去は、任意の適切な手段により行われ得る。具体例としては、ブロワーによる吹きとばし、偏光フィルム積層体をスポンジロールに通過させること、およびこれらの組み合わせが挙げられる。洗浄液除去により、偏光フィルム積層体の露出部に残存する洗浄液をさらに良好なレベルまで除去することができるので、残存洗浄液による偏光子への悪影響を防止することができる。乾燥は、例えば偏光フィルム積層体をオーブン内で搬送することにより行われ得る。乾燥温度は、例えば20℃〜100℃であり、乾燥時間は、例えば5秒〜600秒である。
上記脱色処理は、代表的には、偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送しながら行われる。偏光フィルム積層体10は搬送ロール64および74の間を搬送されて塩基性溶液に浸漬される。塩基性溶液に浸漬された偏光フィルム積層体10は搬送ロール81、81’および91により塩基性溶液中を搬送される。次に、偏光フィルム積層体10は塩基性溶液から引き揚げられ、搬送ロール65および75の間を搬送されて洗浄液(図示例では水)に浸漬される。洗浄液に浸漬された偏光フィルム積層体10は搬送ロール82、82’および92により洗浄液中を搬送される。次に、偏光フィルム積層体10は洗浄液から引き揚げられ、搬送ロール66および76の間を搬送されて酸性溶液に浸漬される。酸性溶液に浸漬された偏光フィルム積層体10は搬送ロール83、83’および93により酸性溶液中を搬送される。次に、偏光フィルム積層体10は酸性溶液から引き揚げられ、搬送ロール67および77の間を搬送されて洗浄液(図示例では水)に浸漬される。洗浄液に浸漬された偏光フィルム積層体10は搬送ロール84、84’および94により洗浄液中を搬送される。次に、偏光フィルム積層体10は洗浄液から引き揚げられ、搬送ロール68および78の間を搬送されて搬送ロール(巻き取りロール)99に巻き取られる。
C.搬送ロール表面の異物除去
本発明の製造方法においては、偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送しながら搬送ロール表面の異物を除去する。
搬送ロール表面の異物を除去する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。上記方法は、代表的には、上記異物を除去する搬送ロールに接触する粘着ロールを用いる方法である。上記粘着ロールとしては、粘着性の表面を有する任意の適切な粘着ロールを採用し得る。図示例では、粘着ロール100が搬送ロール64に接触して搬送ロール64表面の異物を除去している。さらに、粘着ロール100’が搬送ロール68に接触して搬送ロール68表面の異物を除去している。粘着ロールにより搬送ロール表面の異物を除去することにより、上記異物除去をより効率的に行うことができる。その結果、非偏光部にキズが生じることをより効果的に防止することができるので、偏光子を得る際の歩留りがさらに向上し、品質のばらつきをさらに抑制することができる。さらに、外観に優れた偏光子の製造コストが一層低減され、生産性が一層向上する。
本発明の製造方法においては、任意の適切な搬送ロールの異物を除去し得る。上記異物を除去される搬送ロールは、好ましくは、第1の表面保護フィルムに接触している搬送ロールを含む。第1の表面保護フィルムに接触している搬送ロールの異物を除去することにより、偏光フィルム積層体の露出部に異物が転写しにくくなるので、非偏光部にキズが生じることをより効果的に防止することができる。
本発明の製造方法においては、搬送ロール表面の異物除去は任意の適切な時点で行われ得る。例えば、搬送ロール表面の異物除去は、表面保護フィルム20の貼り合わせ前でもよく、表面保護フィルム20の貼り合わせ後かつ脱色処理前でもよく、脱色処理における塩基性溶液との接触後かつ酸性溶液との接触前でもよく、脱色処理後であってもよい。
本発明の製造方法は、1つの実施形態においては、脱色処理前に搬送ロール表面の異物を除去することを含む。脱色前に搬送ロール表面の異物を除去することにより、脱色処理中の搬送時に異物によるキズ(押し跡など)が生じにくくなるので、非偏光部にキズが生じることをより効果的に防止することができる。
本発明の製造方法は、1つの実施形態においては脱色処理後、実質的には処理液除去後(例えば、洗浄後)に搬送ロール表面の異物を除去することを含む。処理液除去後に搬送ロール表面の異物を除去することにより、偏光フィルム積層体の巻き取り時に異物によるキズが生じることを効果的に防止することができるので、非偏光部にキズが生じることをより効果的に防止することができる。
本発明の製造方法は、1つの実施形態においては、処理液外かつ洗浄液外で偏光フィルム積層体を搬送している時点で搬送ロール表面の異物を除去することを含む。処理液外かつ洗浄液外では、搬送ロール表面の異物がより効率よく除去できるので、非偏光部にキズが生じることをより効果的に防止することができる。
D.第1の表面保護フィルムの除去
第1の表面保護フィルムは除去される。代表的には、上記のようにして非偏光部が形成された後、第1の表面保護フィルムは剥離除去される。代表的には、第2の表面保護フィルムも非偏光部が形成された後に除去(例えば、剥離除去)される。
以上のようにして、長尺状の偏光子の所定の位置に所定の配置パターンで非偏光部が形成され得る。
E.非偏光部を有する偏光子
図5は、本発明の実施形態による製造方法により得られた非偏光部を有する長尺状偏光子の概略斜視図である。偏光子30は、長尺方向および/または幅方向に所定の間隔で(すなわち、所定のパターンで)配置された非偏光部31を有する。非偏光部31は、代表的には、偏光子を所定サイズの画像表示装置に取り付けるために所定サイズに裁断(例えば、長尺方向および/または幅方向への切断、打ち抜き)した際に、該画像表示装置のカメラ部に対応する位置に配置されている。非偏光部31の配置パターンは、偏光フィルム積層体の露出部の配置パターンに対応する。図示例における非偏光部の配置パターンは、図1および図2に示した貫通孔21の配置パターンに対応している。すなわち、非偏光部31は、長尺方向および幅方向のいずれにおいても実質的に等間隔で配置されている。このような構成であれば、画像表示装置のサイズに合わせた偏光子の所定サイズへの裁断の制御が容易であり、歩留まりを向上させることができる。さらに、裁断された枚葉の偏光子における非偏光部の位置のばらつきを抑制することができる。上記のとおり、非偏光部の配置パターンは、偏光フィルム積層体の露出部の配置パターンを設定することにより容易に設定され得る。例えば、1つの長尺状偏光子から複数のサイズの偏光子を裁断する場合には、長尺方向および/または幅方向における非偏光部31の間隔を裁断すべき偏光子のサイズに応じて変更することができる。
非偏光部31の透過率(例えば、23℃における波長550nmの光で測定した透過率)は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは75%以上であり、特に好ましくは90%以上である。このような透過率であれば、非偏光部としての所望の透明性を確保することができる。その結果、非偏光部が画像表示装置のカメラ部に対応するよう偏光子を配置した場合に、カメラの撮影性能に対する悪影響を防止することができる。
非偏光部31の平面視形状は、偏光子が用いられる画像表示装置のカメラ性能に悪影響を与えない限りにおいて、任意の適切な形状が採用され得る。非偏光部31の平面視形状は、偏光フィルム積層体の露出部の形状に対応する。
1つの実施形態においては、偏光子の吸収軸は長尺方向または幅方向に実質的に平行であり、かつ、偏光子の両端部は長尺方向に平行にスリット加工されている。このような構成であれば、偏光子の端面を基準にして裁断作業を行うことにより、非偏光部を有しかつ適切な方向に吸収軸を有する複数の偏光子を容易に製造することができる。
偏光子は、実用的には偏光板として提供され得る。偏光板は、偏光子と偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護フィルムとを有する(図示せず)。実用的には、偏光板は、最外層として粘着剤層を有する。粘着剤層は、代表的には画像表示装置側の最外層となる。粘着剤層には、セパレーターが剥離可能に仮着され、実際の使用まで粘着剤層を保護するとともに、ロール形成を可能としている。
偏光板は、目的に応じて任意の適切な光学機能層をさらに有していてもよい。光学機能層の代表例としては、位相差フィルム(光学補償フィルム)、表面処理層が挙げられる。例えば、保護フィルムと粘着剤層との間に位相差フィルムが配置され得る。位相差フィルムの光学特性(例えば、屈折率楕円体、面内位相差、厚み方向位相差)は、目的、画像表示装置の特性等に応じて適切に設定され得る。例えば、画像表示装置がIPSモードの液晶表示装置である場合には、屈折率楕円体がnx>ny>nzである位相差フィルムおよび屈折率楕円体がnz>nx>nyである位相差フィルムが配置され得る。位相差フィルムが保護フィルムを兼ねてもよい。この場合、保護フィルムは省略され得る。逆に、保護フィルムが、光学補償機能を有していてもよい(すなわち、目的に応じた適切な屈折率楕円体、面内位相差および厚み方向位相差を有していてもよい)。なお、「nx」はフィルム面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」はフィルム面内で遅相軸と直交する方向の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
表面処理層は、偏光板の視認側に配置され得る。表面処理層の代表例としては、ハードコート層、反射防止層、アンチグレア層が挙げられる。表面処理層は、例えば、偏光子の加湿耐久性を向上させる目的で透湿度の低い層であることが好ましい。ハードコート層は、偏光板表面の傷付き防止などを目的に設けられる。ハードコート層は、例えば、アクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を表面に付加する方式などにて形成することができる。ハードコート層としては、鉛筆硬度が2H以上であることが好ましい。反射防止層は、偏光板表面での外光の反射防止を目的に設けられる低反射層である。反射防止層としては、例えば、特開2005−248173号公報に開示されるような光の干渉作用による反射光の打ち消し効果を利用して反射を防止する薄層タイプ、特開2011−2759号公報に開示されるような表面に微細構造を付与することにより低反射率を発現させる表面構造タイプが挙げられる。アンチグレア層は、偏光板表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に設けられる。アンチグレア層は、例えば、サンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式、透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて表面に微細凹凸構造を付与することにより形成される。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。表面処理層を設ける代わりに、視認側の保護フィルムの表面に同様の表面処理を施してもよい。
本発明の製造方法により得られる偏光子は、スマートフォン等の携帯電話、ノート型PC、タブレットPC等のカメラ付き画像表示装置(液晶表示装置、有機ELデバイス)に好適に用いられる。
10 偏光フィルム積層体
11 露出部
20 第1の表面保護フィルム
21 貫通孔
30 偏光子
31 非偏光部
40 保護フィルム
50 第2の表面保護フィルム
100、100’ 粘着ロール

Claims (5)

  1. 偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された表面保護フィルムとを備え、該表面保護フィルム側に該偏光子が露出した露出部を有する偏光フィルム積層体を準備すること、
    該露出部を脱色して非偏光部を形成すること、
    該偏光フィルム積層体を搬送ロールにより搬送しながら該搬送ロール表面の異物を除去すること、および
    該表面保護フィルムを除去すること
    を含む、非偏光部を有する長尺状の偏光子の製造方法。
  2. 前記異物を除去される搬送ロールが前記表面保護フィルムに接触している、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記搬送ロールに接触する粘着ロールにより前記搬送ロール表面の異物を除去する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記脱色前に前記搬送ロール表面の異物を除去することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記脱色が、前記偏光子を処理液に浸漬することにより行われ、
    該処理液除去後に前記搬送ロール表面の異物を除去することを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
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