一側面では、発明は、試験システムでの使用に好適な介在器に関する。介在器は、近接して間隔を空けられた導電性パスを有していても良く、その各々は、インピーダンスミスマッチと関連付けられた顕著な腐敗無しに高速信号が介在器を通過することを許容するインピーダンスを有する。
いくつかの実施形態では、介在器は、第一の側面と第二の側面を備えた導電性ハウジングを有する。導電性ハウジングは、第一の側面と第二の側面の両方を通過している複数の孔を有する。複数の絶縁体が、導電性ハウジング中に、各々が対応する孔中にあるように、少なくとも部分的に埋め込まれている。介在器は更に、複数の導電性ばねからなる。各ばねは、第一の接点と第二の接点を有する。各ばねは、導電性ばねの第一の接点が導電性ハウジングの第一の側面から露出し導電性ばねの第二の接点が導電性ハウジングの第二の側面から露出するように、複数の絶縁体の少なくとも一つの中に部分的に埋め込まれている。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ハウジングはダイカストである。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ハウジングの第一と第二の側面は平行である。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ハウジング中の孔は第一の表面に垂直である。
介在器のいくつかの実施形態では、各絶縁体は、第一の表面と、第一の表面に対向する第二の表面を有する。各絶縁体の第一の表面が導電性ハウジングの第一の側面上に露出し各絶縁体の第二の表面が導電性ハウジングの第二の側面上に露出するようなやり方で、絶縁体が配置されている。更に、複数の導電性ばねの各ばねの第一の接点は、対応する絶縁体の第一の表面を貫通し、複数の導電性ばねの各ばねの第二の接点は、対応する絶縁体の第二の表面を貫通する。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ばねの各々の第一の接点はU字型曲線を有し、U字型の底は対応する絶縁体中に埋め込まれていない。
介在器のいくつかの実施形態では、複数の絶縁体の各々は、導電性ハウジングに隣接した側表面を有する。この側表面は導電性ばねによって貫通されていない。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ばねの一つは、複数の導電性ばねの内の一つの導電性ばねの少なくとも一部分上の金又は銀メッキを有する。
介在器のいくつかの実施形態では、介在器は、導電性ハウジングをグラウンドするための接点を有する。
介在器のいくつかの実施形態では、複数の絶縁体の各々は、導電性ハウジングに隣接した側表面を有する。側表面は導電性ばねによって貫通されていない。
介在器のいくつかの実施形態では、複数の導電性ばねの一つと導電性ハウジングの間で測定されたインピーダンスは、2.5から10Gbpsのデータ転送レートと関連付けられた周波数レンジ内では40から60オームの間である。
別の実施形態は、第一の側面と第二の側面を有する導電性ハウジングを備えた介在器である。導電性ハウジングは、第一の側面と第二の側面を通過する孔を有する。複数の絶縁体の各々が、導電性ハウジングの対応する孔中に少なくとも部分的に埋め込まれている。各絶縁体は、第一の表面と第二の表面を有する。各絶縁体の第一の表面が導電性ハウジングの第一の側面から露出している。各絶縁体の第二の表面が導電性ハウジングの第二の側面から露出している。介在器は更に、各々が第一の端点と第二の端点を有する複数の導電性部材からなる。各導電性部材は、各導電性部材の第一の端点が少なくとも一つの絶縁体の第一の表面上に露出し各導電性部材の第二の端点が少なくとも一つの絶縁体の第二の表面上に露出するように、少なくとも一つの絶縁体中に部分的に埋め込まれている。介在器は加えて、第一の複数の接点と第二の複数の接点を有する。第一の複数の接点の各々は対応する導電性部材の第一の端点と接触している。第二の複数の接点は対応する導電性部材の第二の端点と接触している。
介在器のいくつかの実施形態では、第一の複数の接点はエラストマー接点である。
介在器のいくつかの実施形態では、第一の複数の接点はエラストマー接点であり、エラストマー接点の各々は導電性ハウジングから絶縁されている。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ハウジングはダイカストである。
介在器のいくつかの実施形態では、導電性ハウジングの第一と第二の側面は平行である。
介在器のいくつかの実施形態では、介在器は、導電性ハウジングをグラウンドするための接点を有する。
介在器のいくつかの実施形態では、介在器は、導電性ハウジングをグラウンドするためのエラストマー接点を有する。
別の実施形態は、複数の計器と、第一のインタフェイスボードと、第二のインタフェイスボードと、介在器からなる試験システムである。複数の計器は、試験信号を発生及び/又は測定するように適応されている。第一のインタフェイスボードは、第一の表面上の第一の複数のパッドからなる。第一のインタフェイスボードは、第一の複数のパッドの一つのパッドと複数の計器の一つの計器の間の試験信号を結合するように適応されている。第二のインタフェイスボードは、第二の表面上の第二の複数のパッドからなる。第二のインタフェイスボードは、第二の複数のパッドの一つのパッドと被試験デバイス上の試験ポイントの間の試験信号を結合するように適応されている。介在器は、第一のインタフェイスボードと第二のインタフェイスボードの間に配置されている。介在器は、第一の側面と、第一の側面に対向する第二の側面を有した導電性ハウジングを有する。導電性ハウジングは、第一の側面と第二の側面を通過する複数の孔を有する。介在器は複数の絶縁体を有し、各絶縁体は導電性ハウジングの対応する孔中に少なくとも部分的に埋め込まれている。介在器は更に、各々が第一の端点と第二の端点を有する複数の導電性部材からなる。各導電性部材は、導電性部材の第一の端点が導電性ハウジングの第一の側面から露出し導電性部材の第二の端点が導電性ハウジングの第二の側面から露出するように、複数の絶縁体の少なくとも一つの中に部分的に埋め込まれている。各導電性部材の第一の端点は第一の複数のパッドの一つのパッドと結合されており、各導電性部材の第二の端点は第二の複数のパッドの一つのパッドと結合されている。
試験システムのいくつかの実施形態では、介在器の導電性ハウジングはダイカスト金属である。
試験システムのいくつかの実施形態では、試験システムは更に、第一の複数の接点と、第二の複数の接点と、グラウンド接点からなる。第一の複数の接点の各々は、複数の導電性部材の一つの導電性部材の第一の端点を第一の複数のパッドの一つのパッドに結合する。第二の複数の接点の各々は、複数の導電性部材の一つの導電性部材の第二の端点を第二の複数のパッドの一つのパッドに結合する。グラウンド接点は、導電性ハウジングを、第一のインタフェイスボードと第二のインタフェイスボードの少なくとも一つの上のグラウンドパッドに結合する。
発明とその実施形態は、以下の詳細な記載が添付の図面と共に読まれた時により良く理解されるであろう。図中では、要素は必ずしも実寸大に描かれていない。一般に、複数の図中に現れる同様の要素は、同様の参照符号によって同定される。
発明者は、高速信号について良好な信号完全性を提供する介在器で試験システムを向上させることができることを察知した。従来技術の介在器は、2.5Gbps(ギガビット/秒)より上のデータレートにおいて信号を劣化させた。発明の実施形態は、2.5Gbpsより上のデータレートにおいて受け入れ可能な性能をもって製造することができ、いくつかの実施形態では10Gbpsを超える。
発明者は、介在器中の信号導電体と、介在器によって繋がれた試験器インタフェイスボード及び/又はデバイスインタフェイスボードのような電子的アセンブリとの間のインピーダンスミスマッチによって介在器性能が制限されていたことを察知した。例えば、これらの電子的アセンブリ内の信号トレースは、50オームのインピーダンスを有し得る。もし介在器を通して信号を搬送している信号導電体が同様に約50オームのインピーダンスを有していれば、反射と信号歪みを削減できる。
以前は、インピーダンスミスマッチを削減するのに、介在器内の導電体はグラウンドされていた。信号導電体に対するグラウンドされた導電体の数と位置が、信号導電体のインピーダンスを確立した。インピーダンスはしかし、信号導電体を通過する信号の周波数と、信号導電体及び近隣のグラウンド構造のジオメトリーの関数である。従って、高周波数試験システムで使用される介在器は、低周波数試験システム又はその他の低周波数応用で使用される同様の介在器とは異なる信号及びグラウンド導電体の構成を要求する。特定には、信号周波数が増加するにつれて、信号導電体の望ましいインピーダンスを維持するためにグラウンドされた導電体は信号導電体により近くならなければならない。
発明者は、約2.5Gbps以上のデータレートは、グラウンドされた導電体が、従来の介在器設計技術を使って容易に製造することができるよりも信号導電体により近くになることを要求するであろう信号周波数に結果としてなることを察知した。
発明のいくつかの実施形態による介在器は、比較的高周波数においてでも、より良いインピーダンスマッチングとクロストークの削減を提供する。図2は、発明の実施形態による介在器を描いている。図2の介在器は、試験器インタフェイスボード3とデバイスインタフェイスボード4の間に電気的接続を作るのに図1に描かれた試験システム中で使用され得る。但し、介在器を通して接続された電子的アセンブリの性質は発明の限定要件ではなく、発明の実施形態による介在器はあらゆる好適な電子的アセンブリを繋ぐためにあらゆる好適な電子システムに組み込まれても良い。
いくつかの実施形態では、介在器2は、導電性ハウジング18と、導電性部材(簡単のためその内の導電性部材10だけに数字が振られている)と、絶縁性部材(簡単のためその内の絶縁性部材14だけに数字が振られている)と、接点(簡単のためその内の導電性部材10上の接点11と12だけに数字が振られている)からなる。介在器2は、各々が介在器2を通して信号を搬送し得る、多数の導電性部材を含んでも良い。図2に描かれた実施形態では、多数の導電性部材は並列した行に配置されて、導電性部材の長方形のアレイを形成している。但し、介在器2内の導電性部材の配置は発明にとって決定的に重要ではなく、導電性部材のあらゆる好適な配列が使用されても良い。
描かれた実施形態では、導電性部材の各々は同様の形状と同様の介在器2内での載置配列を有する。この特徴は、介在器2の構築と使用を簡略化し得るが、発明の要求事項ではない。導電性部材の各々は、あらゆる好適な形状を有し、あらゆる好適なやり方で介在器2内に載置されても良い。
図2に描かれた実施形態は導電性部材の多数の同様の行を含むので、いずれか一つの行がその他の行の代表となり得る。同様に各導電性部材は同様の形状と載置配列を有するので、いずれか一つの導電性部材が全ての導電性部材の代表となり得る。従って、簡単のために、図2は介在器2中の導電性部材の単一の行を通した断面を描いており、それは導電性部材の一部分だけを露にしている。
導電性ハウジング18は、介在器のための構造的サポートを提供し、多数の通過孔を含む。描かれた実施形態では、各孔は上方表面から下方表面まで導電性ハウジング18を通過する。この構成では、孔の各々は、導電性部材を受け取るように導電性ハウジング18を通じたチャネルを提供する。
絶縁性部材14は、孔の各々の中に配置されても良い。導電性部材10は、絶縁性部材14の各々を通過する。従って、絶縁性部材14の挿入により、導電性部材は、導電性ハウジング18を通じた孔内に配置される。導電性部材の各々は、導電性部材10の上方表面中に露出された第一の端点と、導電性部材10の下方表面中に露出された第二の端点を有していても良い。このようにして、各導電性部材は、介在器2を通して信号パスを提供し得る。
動作では、導電性ハウジング18はグラウンドされても良い。従って、導電性部材10のような導電性部材の各々は、導電性ハウジング18を通じた孔の壁によって形成されたグラウンド導電体に比較的近接していても良い。図2の断面中に見ることができるように、導電性部材10のような各導電性部材は、それがその中に存する孔の壁から、孔の半径rにおよそ等しい距離によって間隔を空けられている。この距離rは、隣接する導電性部材を分離している距離dよりも小さくても良い。従って、導電性ハウジング18をグラウンドすることは、信号からグラウンドまでの間隔が、信号導電体を取り囲んでいる隣接する導電性部材をグラウンドすることによって可能であるよりも小さくなることを許容する。従って、発明の実施形態による介在器は、比較的高周波数においてでも、信号導電体のインピーダンスが導電性部材をグラウンドすることによって制御されていた従来技術の介在器よりも低いインピーダンスを提供し得る。
導電性部材10のような導電性部材と、介在器2によって相互接続されるべき電子的アセンブリの間の電気接続は、あらゆる好適なやり方で作られても良い。例えば、接点11と12のような接点は、ばね接点、樹枝状(ファズボタン)、エラストマー接点、及び直接接点であっても良い。
いくつかの実施形態では、電気的接点11と12は、導電性部材10の一体的部分であっても良い。図3Aに示された実施形態では、導電性部材10はそれぞれの端点においてばね接点A11とA12を有する導電性ばねA10である。ばね接点A11とA12のばねレートは、導電性部材A10を含んだ介在器が電子的アセンブリに対して押された時に望ましい接触力を提供するように設定されても良い。導電性ばねA10を形成するのに使われる材料と導電性ばねA10の形状は、望ましいばねレートを提供するように選択されても良い。描かれた実施形態では、導電性部材A10は多数の曲がりを備えた蛇状形状を有する。そのような形状は、導電性部材が、導電性ハウジング18に電気的接続を作ること無しに、導電性ハウジング18中の孔内にフィットすることを確かなものとし得る。蛇状形状は、ばね接点A11とA12の各々の長さが距離r(図2)よりも長くなることを許容する。但し、この形状は発明にとって決定的に重要ではなく、あらゆる好適な形状が使用されても良い。
他の実施形態では、接点11と12は、導電性部材10に電気的に接続された別々のコンポーネントであっても良い。例えば、導電性部材は、図3Bに示されるような導電性ポストB10であっても良い。導電性ポストB10の対向端は、介在器2によって繋がれるべき電子的アセンブリ上の導電表面を係合するように配置されても良い。導電性ポストB10の一方又は両方の端の電子的アセンブリへの直接接続が可能であっても良いが、いくつかの実施形態では、中間的伸展性部材が、導電性ポストB10の端と介在器2によって相互接続された導電性構造の間に挿入されても良い。伸展性部材は、ばね接点、樹枝状接点、「ファズボタン」、又はエラストマー接点のような接点であっても良い。
導電性ばねA10の例では、ばね接点A11とA12は、図4Aと4Bに示されるように、絶縁性部材A14の表面を通して露出されても良い。描かれた実施形態では、絶縁性部材A14は長方形である。導電性ばねA10と絶縁体A14は一緒に長方形インサートA16を形成する。描かれた実施形態では、絶縁性部材A14は、導電性ハウジング18中の孔内にフィットするようなサイズにされていても良い。絶縁性部材A14は干渉フィットを通して導電性ハウジング18内に保持されるような形状又はサイズにされていても良いが、あらゆる好適な取り付け機構が使用されても良い。しかも、絶縁性部材A14が導電性ハウジング18中の孔を完全に満たすことは必要ではない。導電性部材A10のために好適なサポートを提供するようなサイズ及び形状にされたあらゆる一つ以上の絶縁性部材が使用されても良い。
図4Cと4Dの実施形態では、導電性ポストB10は円筒形の絶縁性部材B14中に部分的に埋め込まれている。導電性ポストB10と絶縁性部材B14は一緒に円筒形インサートB16を形成する。インサートA16とB16は、あらゆる好適なやり方で導電性ハウジング18によってその位置に保たれても良い。図5Aは、薄壁付き導電性ハウジングA18中に挿入されている長方形インサートを示す。図5Bは、代替的実施形態の長方形インサートのための厚壁付き導電性ハウジングA19を示す。壁の厚さは、各信号導電体と隣接するグラウンドの間の間隔が好適なインピーダンスを提供することを確かなものとする一方で、導電性部材の間に好適な間隔を提供するように選択されても良い。但し、あらゆる好適な壁厚が使用されても良く、壁厚は発明にとって決定的に重要ではない。
導電性ハウジング中の孔の形状も発明にとって決定的に重要ではない。図5Cは、導電性ハウジングB18中の円筒形の孔中に挿入されている円筒形インサートを示す。
発明の実施形態による介在器は、あらゆる好適なやり方で製造されても良い。図5Aと図5Cに描かれているように、導電性ハウジングは、インサートA16やB16のようなインサートとは別に形成されても良い。インサートはそれから、あらゆる好適な製造技術を使ってハウジングを通過する孔内にしっかり取り付けられても良い。しかし、別の実施形態では、導電性ハウジングの孔中に絶縁性材料を注入することによって、絶縁性部材がその場で鋳造されても良い。導電性部材は、絶縁性材料の注入の前に孔内に配置されても良く、あるいは後から挿入されても良い。
図5A、5B、5Cは、製造のステージ中の介在器を表している。図6Aと6Bは、それぞれ薄壁付き導電性ハウジングA18と厚壁付き導電性ハウジングA19を使った完成された介在器A20とA21を描いている。両例示的介在器A20とA21では、インサートA16は、導電性ばねA10の形の導電性ばねA10とインサートA14の形の長方形の絶縁性部材を含む。この例では、それが絶縁体に埋め込まれておらず自由に動けるように、接点部分はU字型でUの底が絶縁体の表面から伸びて離れている。
図6Cは、インサートB16と導電性ハウジングB18を備えた介在器B20の一部を示している。描かれた実施形態では、インサートB16は、導電性ポストB10(図3B)の形の導電性部材を含む。そのような導電性部材は、いくつかの実施形態については十分な伸展性を提供しないかも知れず、導電性ポストの一方又は両方の端点において接点を形成している伸展性部材と共に使用されても良い。伸展性部材は、この例の介在器を完成するように追加されても良い。
図7は、伸展性部材が追加される製造の後続のステージにおける介在器B20を表しても良い。図7は、これから施されようとしているエラストマー接点B22を備えた部分的に完成された介在器B20を示している。一実施形態では、エラストマー接点B22は、当業界で知られているようなエラストマー接点シートB24で提供されている。接点は導電性部材と揃えられ、完成された介在器B30を示す図8に示されるように取り付けられる。エラストマー接点は、導電性接着剤又はあらゆるその他の好適なやり方で取り付けられても良い。いくつかの実施形態では、シートB24は、導電性接点が要求されていない位置に施された非導電性接着剤を使ってハウジングに取り付けられても良い。別の実施形態では、エラストマー接点を絶縁体部材に取り付けるのに非導電性接着剤が使用されても良い。
示されるように、エラストマー接点B22は導電性ハウジングB18に接触しない。介在器の使用中に圧縮によるあらゆる拡張が2つの間の接触を導かないことを確かなものとするように十分な空隙が提供されている。上に描かれた実施形態では、介在器2を通過している導電性部材と介在器2の導電性ハウジングの間に電気的分離が提供されている。この構成では、導電性部材の各々は、介在器2を通して信号を搬送するのに使用されても良い。
いくつかの実施形態では、介在器2を通過している一つ以上の導電性部材は、導電性ハウジング18に電気的に接続されても良い。従って、いくつかの実施形態では、導電性ハウジング18と選択された導電性部材10は短絡されて、それらのチャネルをグラウンド専用にしている。図9A−9Dの各々は、例示的なやり方で導電性ハウジングに電気的に接続された導電性部材の断面図を描いている。対角線が導電性ハウジングを表す。電気的接続は、導電性部材と導電性ハウジングの間に十分に導電するパスを提供するあらゆる好適なやり方で達成されても良い。例えば、絶縁性部材14(図2)ではなく導電性材料15(図9A)が使用されても良く、導電性部材A10(重ね合わされている)の所に広い導電性部材A13(図9B)が使用されても良く、導電性部材18の孔のサイズが削減されても良く(図9C)、又は導電性部材10がショート19を介して導電性部材18に接続されても良い。
一つ以上の導電性部材を導電性ハウジングに接続することは、それらの導電性部材の一つ以上の端点上の伸展性部材が、導電性ハウジング18と介在器2によって繋がれた電子的アセンブリのどちら一方又は両方の上のグラウンド構造の間に接続を形成することを許容する。だが、電気的分離を提供するのにその他のアプローチが使用されても良い。いくつかの実施形態では、エラストマー接点シートB24を形成するのに使用されたエラストマー材料が、方向性のある導電特性を有していても良い。そのような材料は、例えば、シートB24の表面に概ね垂直に向き付けされた多数の導電スレッドを含んだエラストマー材料のシートから形成されても良い。そのような構成では、介在器B20を通して信号を搬送している導電性部材と揃えられた別々の接点を有している必要は無い。寧ろ、エラストマーシートの方向性のある導電特性に基づいて、導電性部材をお互いに対して又は導電性ハウジングに対して短絡すること無く、適切な接続が作られても良い。
代替的に、いくつかの実施形態では導電性ハウジングA18、A19、B18をグラウンドするための構造が実装されても良い。例えば、図7では、エラストマーグラウンド接点B26が、介在器B30によって繋がれた電子的アセンブリの表面上のグラウンドパッドと導電性ハウジングB18の間に接点を提供するのに使用されても良い。
代替的に、導電性ハウジング18をグラウンドするためのその他の機構が使用されても良い。例えば、伸展性ピン、ばねリード、又はその他の接点構造が、導電性ハウジング18を介在器2によって繋がれた電子的アセンブリのどちらか一方又は両方の上の一つ以上のグラウンドされた構造に接続するのに使用されても良い。そのような接続構造は、電子的アセンブリ又は介在器2の導電性ハウジング上に位置していても良い。他の実施形態では、導電性ハウジング18は、それをグラウンド構造に押しつけるか又はあらゆるその他の好適なやり方で、グラウンドに接続されても良い。
介在器2は、あらゆる好適な材料であらゆる好適な寸法を有するものとして構築されても良い。例えば、導電性ハウジング18は、金属又は金属化されたコンポーネンツで形成されても良い。一例として、導電性ハウジング18は、既知のダイカスト技術を使ったダイカストであっても良い。
絶縁性部材14のような絶縁性部材もまた、あらゆる好適な材料で作られても良い。例えば、絶縁性部材は、エラストマーのような伸展性材料で形成されても良い。但し、プラスチックのようなその他の材料が代替的に又は追加的に使用されても良い。
同様に、あらゆる好適な材料が導電性部材を形成するのに使用されても良い。いくつかの実施形態では、導電性部材は、金属又は金属化されたコンポーネンツで形成されても良い。しかし導電性ハウジングは、金属のような導電性の高い材料である必要はなく、いくつかの実施形態では、わずか数百シーメンス/メーターの導電性を有するハウジングで満足のいく性能が達成され得る。例えば、いくつかの実施形態は、300シーメンス/メーター以上の導電性を提供している材料を採用しても良い。別の実施形態では、500シーメンス/メーター以上の導電性を備えた材料が使用されても良い。だが、別の実施形態では、1.0×106〜2.0×107シーメンス/メーターの範囲内の導電性を備えたダイカスト金属のような、実質的により高い導電性の材料が使用されても良い。
ばね接点を組み込んだ導電性部材については、好適なばね材料が使用されても良い。好適な材料の例には、ベリリウム銅と燐青銅を含んだ銅合金が含まれる。
例として、発明の一実施形態は、ダイカスト金属から形成された導電性ハウジングを有しても良い。ハウジングとインサートは、2.75mmの高さhを有しても良い。いくつかの実施形態では、絶縁性部材14は、2.7−3.6の範囲にある相対的誘電率εrを有する。導電性部材の中心の間隔dは、0.8〜0.9mmである。導電性ハウジングの隣接するインサート間の間隙gは、少なくとも0.75mmである。従って、最大密度構成では、インサートの半径rは0.05〜0.15mmである。寸法h、d、g、rは図2上にラベル付けされている。
発明の少なくとも一つの描写的実施形態をこのように記載してきたが、様々な変更、変形及び改良が当業者には容易に想起されるであろう。
そのような変更、変形及び改良は、発明の範囲内であることが意図されている。従って、前述した記載は例としてだけのものであり、限定的なものとは意図されていない。発明は、以下の請求項とその等価物で規定されるものとしてのみ限定される。