JP2016048292A - レンズ鏡筒、及びレンズ枠の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズを高い精度で保持することができるレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒1は、レンズを保持するレンズ枠2と、レンズL1とレンズ枠2との間に配置され、レンズ枠2に保持されたレンズL1の光軸Aと交差する方向の位置を規定する複数の中間部材14と、を備え、複数の中間部材14は、成型された樹脂材料により構成され、レンズL1の外周部と接する保持面142aを有する。
【選択図】図3
【解決手段】レンズ鏡筒1は、レンズを保持するレンズ枠2と、レンズL1とレンズ枠2との間に配置され、レンズ枠2に保持されたレンズL1の光軸Aと交差する方向の位置を規定する複数の中間部材14と、を備え、複数の中間部材14は、成型された樹脂材料により構成され、レンズL1の外周部と接する保持面142aを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、レンズ鏡筒、及びレンズ枠の製造方法に関する。
従来、レンズ枠とレンズとの間にダンパを取り付け、温度変化によりレンズが膨張又は収縮した場合でも、レンズの光学性能を維持できるようにした光学装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記従来例のダンパは、レンズの光軸からレンズ保持面までの位置にばらつきがあるため、レンズ枠の中でレンズを高い精度で保持することは困難であった。
本発明の目的は、レンズを高い精度で保持することができるレンズ鏡筒、及びレンズ枠の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズとレンズ枠との間に配置され、前記レンズ枠に保持された前記レンズの光軸と交差する方向の位置を規定する複数の中間部材と、を備え、複数の前記中間部材は、成型された樹脂材料により構成され、前記レンズの外周部と接する保持面を有すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記レンズ枠は、前記レンズを保持する位置に前記樹脂材料が注入される注入部を備えること、を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のレンズ鏡筒において、前記中間部材は、前記注入部に配置される樹脂材料により構成される位置決め部と、前記レンズと前記レンズ枠との間に配置される樹脂材料により構成されるレンズ押え部とを備え、前記位置決め部と前記レンズ押え部とが一体に成型されていること、を特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のレンズ鏡筒において、前記注入部は、前記レンズの光軸と交差する方向に沿って設けられる開口した注入孔であること、を特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、複数の前記中間部材は、前記レンズ枠の周方向に沿って等間隔に配置されること、を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、複数の前記中間部材の保持面は、それぞれ前記レンズの光軸から等しい位置に設けられること、を特徴とする。
請求項7に記載の発明は、周方向に沿って配置された複数の中間部材を備え、圧入されたレンズを複数の前記中間部材により保持するレンズ枠の製造方法であって、前記レンズ枠は、樹脂材料を注入するための複数の注入部が周方向に沿って配置され、円筒状の成型面を有する成型部材を前記レンズ枠に挿入する工程と、前記注入部から樹脂材料を注入して、前記注入部に充填された前記樹脂材料からなる部分と、前記成型部材の成型面と前記レンズ枠との間に拡散した前記樹脂材料からなる部分とを一体に成型する工程と、前記レンズ枠に挿入された前記成型部材を、前記レンズ枠から取り外す工程と、を備えることを特徴とするレンズ枠の製造方法である。
請求項1に記載の発明は、レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズとレンズ枠との間に配置され、前記レンズ枠に保持された前記レンズの光軸と交差する方向の位置を規定する複数の中間部材と、を備え、複数の前記中間部材は、成型された樹脂材料により構成され、前記レンズの外周部と接する保持面を有すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記レンズ枠は、前記レンズを保持する位置に前記樹脂材料が注入される注入部を備えること、を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のレンズ鏡筒において、前記中間部材は、前記注入部に配置される樹脂材料により構成される位置決め部と、前記レンズと前記レンズ枠との間に配置される樹脂材料により構成されるレンズ押え部とを備え、前記位置決め部と前記レンズ押え部とが一体に成型されていること、を特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のレンズ鏡筒において、前記注入部は、前記レンズの光軸と交差する方向に沿って設けられる開口した注入孔であること、を特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、複数の前記中間部材は、前記レンズ枠の周方向に沿って等間隔に配置されること、を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、複数の前記中間部材の保持面は、それぞれ前記レンズの光軸から等しい位置に設けられること、を特徴とする。
請求項7に記載の発明は、周方向に沿って配置された複数の中間部材を備え、圧入されたレンズを複数の前記中間部材により保持するレンズ枠の製造方法であって、前記レンズ枠は、樹脂材料を注入するための複数の注入部が周方向に沿って配置され、円筒状の成型面を有する成型部材を前記レンズ枠に挿入する工程と、前記注入部から樹脂材料を注入して、前記注入部に充填された前記樹脂材料からなる部分と、前記成型部材の成型面と前記レンズ枠との間に拡散した前記樹脂材料からなる部分とを一体に成型する工程と、前記レンズ枠に挿入された前記成型部材を、前記レンズ枠から取り外す工程と、を備えることを特徴とするレンズ枠の製造方法である。
本発明によれば、レンズを高い精度で保持することができるレンズ鏡筒、及びレンズ枠の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係るレンズ鏡筒、及びレンズ枠の製造方法の実施形態について説明する。
まず、図1〜図3を参照しながら、本実施形態におけるレンズ鏡筒1の構成について説明する。図1は、本実施形態におけるレンズ鏡筒1の光軸を含む断面図である。なお、本実施形態では、光軸Aを中心として略対称な断面形状については、適宜に半分のみを図示する。
まず、図1〜図3を参照しながら、本実施形態におけるレンズ鏡筒1の構成について説明する。図1は、本実施形態におけるレンズ鏡筒1の光軸を含む断面図である。なお、本実施形態では、光軸Aを中心として略対称な断面形状については、適宜に半分のみを図示する。
図1に示すように、レンズ鏡筒1は、第1レンズ枠2と、第2レンズ枠3と、レンズL1〜L3と、を備える。
レンズL1〜L3は、被写体像を形成する光学系である。レンズL1〜L3は、この順に、被写体側(図中、左側)から光軸Aに沿って配置されている。
レンズL1〜L3は、被写体像を形成する光学系である。レンズL1〜L3は、この順に、被写体側(図中、左側)から光軸Aに沿って配置されている。
第1レンズ枠2は、最も被写体側に配置されるレンズL1を保持する固定筒である。第1レンズ枠2は、被写体側にレンズ保持部10(後述)を備える。
第2レンズ枠3は、レンズL2及びレンズL3を保持する移動筒である。第2レンズ枠3は、第1レンズ枠2の内部において、光軸Aに沿って移動自在に構成されている。第1レンズ枠2の内部において、第2レンズ枠3が光軸Aに沿って被写体側又は反被写体側に移動することにより、被写体像のピント調節が行われる。なお、図1では、ピント調節のための操作リング、カム機構、光量調節のための絞り機構等についての図示及び説明を省略する。
次に、レンズ保持部10の構成について説明する。図2は、レンズ保持部10の拡大断面図である。図2では、押え環16(後述)を取り付けていない断面形状を示す。また、図3は、図1のA−A線断面図である。図3では、レンズL1を二点鎖線で示す。
図2に示すように、レンズ保持部10は、レンズ枠部11と、側壁部12と、注入孔13(注入部)と、中間部材14と、開口部15と、押え環16と、を備える。
レンズ枠部11は、レンズL1のレンズ面の外周部を保持する部分である(図1参照)。レンズ枠部11は、第1レンズ枠2の内周面において、周方向の全周に亘って設けられている。また、レンズ枠部11は、第1レンズ枠2に挿入された成型部材20(後述)の光軸A方向の位置を規定する機能を有する。後述するように、第1レンズ枠2に成型部材20を挿入すると、成型部材20の突き当て部23がレンズ枠部11に突き当たり、成型部材20の光軸A方向の位置が規定される。
側壁部12は、レンズL1の側面部を保持する部分である。側壁部12は、第1レンズ枠2の内周面において、周方向の全周に亘って設けられている。側壁部12には、中間部材14のレンズ押え部142(後述)が配置される。
側壁部12には、複数の注入孔13が設けられている。注入孔13は、シリコン樹脂(後述)を注入するための孔であり、第1レンズ枠2の外周面から側壁部12の内周面まで貫通している。注入孔13は、図3に示すように、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に設けられている。また、注入孔13は、図2に示すように、レンズL1の光軸Aと交差する方向(本実施形態では光軸Aと略直交する方向)に沿って設けられ、第1レンズ枠2の外周面側及び側壁部12の内周面側に開口している。
図3に示すように、側壁部12の内径D1は、レンズL1の外径D2よりも僅かに大きく設定されている。中間部材14のレンズ押え部142(後述)は、側壁部12の内周面と、レンズL1の外周面との間に配置される。
中間部材14は、第1レンズ枠2に保持されたレンズL1の光軸Aと交差する方向(本実施形態では略直交する方向)の位置を規定する部材である。中間部材14は、図3に示すように、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に配置される。図3では、中間部材14を、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に6箇所配置した例を示す。中間部材14は、図2に示すように、位置決め部141と、レンズ押え部142と、を備える。
位置決め部141は、注入孔13に配置される部分である。レンズ押え部142は、レンズL1の外周部と第1レンズ枠2の側壁部12との間に配置される部分である。位置決め部141及びレンズ押え部142は、一体に成型されている。
位置決め部141及びレンズ押え部142は、レンズL1の光軸Aからそれぞれ等しい位置で成型されたシリコン樹脂により成型される。また、レンズ押え部142は、図3に示すように、レンズL1の光軸Aから、それぞれ等しい位置にレンズ保持面142aを有する。レンズ保持面142aは、レンズL1の側面部が圧入される部分である。レンズL1を第1レンズ枠2に挿入していない状態において、それぞれのレンズ保持面142aと接する仮想的な円の直径は、レンズL1の直径よりも僅かに小さく設定される。これによれば、レンズL1を第1レンズ枠2に挿入した際に、レンズL1は、それぞれの中間部材14に対して軽く圧入された状態となる。
開口部15は、レンズ鏡筒1の内部にレンズL1、押え環16、第2レンズ枠3等を挿入するための開口である。図2に示すように、開口部15の内周面には、ネジ部151が設けられている。ネジ部151は、押え環16のネジ部161(後述)と螺合する部分である。ネジ部151は、開口部15(第1レンズ枠2)の内周面において、周方向の全周に亘って設けられている。なお、開口部15の反被写体側の端部には、段差部17が形成されている。
押え環16は、レンズ枠部11と側壁部12とに保持されたレンズL1を、被写体側から押圧する環状の部材である。押え環16の外周面には、ネジ部161が設けられている。ネジ部161は、上述した開口部15のネジ部151と螺合する部分である。また、押え環16には、レンズL1の押え面16aが形成されている。後述するように、押え環16のネジ部161と開口部15のネジ部151とを螺合させ、押え環16を第1レンズ枠2にねじ込むことにより、押え環16の押え面16aでレンズL1の外周部を固定することができる。
次に、図4〜図8を参照しながら、中間部材14を備えた第1レンズ枠2の製造方法について説明する。図4は、第1レンズ枠2及び成型部材20を示す断面図である。図5は、第1レンズ枠2に成型部材20を挿入した状態を示す断面図である。図6は、シリコン樹脂により中間部材14を成型する過程を示す断面図である。図7は、第1レンズ枠2、レンズL1及び押え環16を示す断面図である。図8は、レンズL1が固定された第1レンズ枠2を示す断面図である。
まず、図4に示すように、第1レンズ枠2にレンズL1が圧入されていない状態で、成型部材20を第1レンズ枠2に挿入する(図中、矢印方向)。成型部材20は、中間部材14を成型するための環状の部材である。成型部材20の表面には、成型後の離型性を高めるために、テフロン(登録商標)メッキが施されている。成型部材20は、成型面21と、ネジ部22と、突き当て部23及び24と、を備える。
成型面21は、中間部材14のレンズ押え部142を成型する部分であり、円筒状に形成されている。後述するように、成型面21の外径は、レンズL1の外径D2(図3参照)よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
ネジ部22は、第1レンズ枠2の開口部15に設けられたネジ部151と螺合する部分である。ネジ部22は、成型部材20の外周面において、周方向の全周に亘って設けられている。成型部材20のネジ部22と開口部15のネジ部151とを螺合させ、成型部材20を第1レンズ枠2に対してねじ込み方向(例えば、時計回り)に回転させることにより、成型部材20の中心軸(光軸Aと同じ)と、第1レンズ枠2の中心軸(光軸Aと同じ)とを一致させた状態で成型部材20を第1レンズ枠2に挿入することができる。
突き当て部23及び24は、第1レンズ枠2に挿入された成型部材20の光軸A方向の位置を規定する部分である。即ち、成型部材20のネジ部22と開口部15のネジ部151とを螺合させ、成型部材20を第1レンズ枠2にねじ込むと、成型部材20の突き当て部23は、第1レンズ枠2のレンズ枠部11に突き当たる。また、成型部材20の突き当て部24は、第1レンズ枠2の段差部17に突き当たる。この結果、図5に示すように、第1レンズ枠2に挿入された成型部材20の光軸A方向の位置が定まる。
また、図5に示すように、第1レンズ枠2に挿入された成型部材20の光軸A方向の位置が定まると、第1レンズ枠2のレンズ枠部11と成型部材20の突き当て部23との間が隙間なく密着すると共に、第1レンズ枠2の段差部17と成型部材20の突き当て部24との間が隙間なく密着する。その結果、第1レンズ枠2の側壁部12と成型部材20の成型面21との間に、環状の隙間Sが形成される。
ここで、第1レンズ枠2の側壁部12と成型部材20の成型面21との間に形成される隙間Sの間隔について説明する。
レンズの元になる一般的な光学ガラスの線膨張係数は、BK7(SCOTT GLAS社商品名)で7.1×10−6となる。一方、レンズ枠となる金属の線膨張係数は、快削アルミニウム(A5056BD)で2.31×10−5となる。これら材料で製作された、直径140mmのレンズと、内径が同寸法のレンズ枠とにおいて、環境温度が−10℃〜+70℃で変化したとする。その場合、レンズの直径は最大で0.11mm変動し、レンズ枠の内径は最大で0.36mm変動する。
また、一般的なレンズ枠の嵌め合い公差は、H7級で+0.02/0(mm)となる。また、このレンズ枠に挿入されるレンズの嵌め合い公差は、一般的に−0.01/−0.02(mm)程度となる。そのため、両者を組み合わせた場合、最大で0.04mmの寸法誤差を生じる。
そのため、第1レンズ枠2の側壁部12と成型部材20の成型面21との間に形成される隙間Sの間隔(光軸Aと直交する方向の間隔)は、レンズL1と第1レンズ枠2のそれぞれの線膨張係数の差、及び嵌め合い公差を考慮して決める必要がある。図3に示す側壁部12の内径D1は、レンズL1の外径D2よりも、隙間Sの間隔×2の分だけ大きく設定される。
再び、中間部材14を備えた第1レンズ枠2の製造方法について説明する。
図5に示すように、第1レンズ枠2に挿入された成型部材20の光軸A方向の位置が定まった状態で、第1レンズ枠2の注入孔13に、シリコン樹脂Rを注入する。シリコン樹脂Rは、中間部材14を成型するための樹脂材料である。
図5に示すように、第1レンズ枠2に挿入された成型部材20の光軸A方向の位置が定まった状態で、第1レンズ枠2の注入孔13に、シリコン樹脂Rを注入する。シリコン樹脂Rは、中間部材14を成型するための樹脂材料である。
中間部材14を成型するための樹脂材料としては、シリコン樹脂に限らず、アクリル樹脂、エポキシ系樹脂等を用いることができる。中間部材14を成型するための樹脂材料としては、硬化の際にアウトガスを発生せず、且つ硬化後の弾性力が変化しにくいことが望ましい。
第1レンズ枠2の注入孔13にシリコン樹脂Rを注入することにより、図6に示すように、注入孔13に充填されたシリコン樹脂Rからなる位置決め部141と、成型部材20の成型面21と第1レンズ枠2の側壁部12との間に拡散したシリコン樹脂Rからなるレンズ押え部142と、を一体に成型することができる。
第1レンズ枠2の注入孔13に注入するシリコン樹脂Rの量は、注入孔13の内部に位置決め部141を成型することができ、且つ第1レンズ枠2の側壁部12と成型部材20の成型面21との間に形成された隙間Sに、所定形状(例えば、略円形)のレンズ押え部142を成型することができる量に設定される。シリコン樹脂Rは、第1レンズ枠2に形成された各注入孔13に注入される。
ここで、隙間Sにおいて成型されるレンズ押え部142の厚みについて説明する。
レンズ押え部142の厚み(光軸Aと直交する方向の厚み)は、レンズL1の寸法公差(直径)に基づいて設定される。例えば、レンズL1の寸法公差が−0.01/−0.02(mm)の場合、それぞれのレンズ押え部142のレンズ保持面142aと接する仮想的な円の直径が、レンズL1の直径(設計値)に対して0〜0.02mm程度小さくなるように設定する。そのために、成型部材20の成型面21の外径を、レンズL1の外径D2(図3参照)よりも0〜0.02mm程度小さくなるように設定する。これにより、レンズL1に上記のような寸法公差が生じたとしても、第1レンズ枠2にレンズL1を挿入したときに、レンズL1は、それぞれの中間部材14に対して軽く圧入された状態となる。
レンズ押え部142の厚み(光軸Aと直交する方向の厚み)は、レンズL1の寸法公差(直径)に基づいて設定される。例えば、レンズL1の寸法公差が−0.01/−0.02(mm)の場合、それぞれのレンズ押え部142のレンズ保持面142aと接する仮想的な円の直径が、レンズL1の直径(設計値)に対して0〜0.02mm程度小さくなるように設定する。そのために、成型部材20の成型面21の外径を、レンズL1の外径D2(図3参照)よりも0〜0.02mm程度小さくなるように設定する。これにより、レンズL1に上記のような寸法公差が生じたとしても、第1レンズ枠2にレンズL1を挿入したときに、レンズL1は、それぞれの中間部材14に対して軽く圧入された状態となる。
再び、中間部材14を備えた第1レンズ枠2の製造方法について説明する。
図6に示すように、第1レンズ枠2の注入孔13にシリコン樹脂Rを注入した後、所定時間放置して、シリコン樹脂Rを硬化させる。そして、シリコン樹脂Rが硬化した後、成型部材20を、第1レンズ枠2に対して反ねじ込み方向に回転させることにより、第1レンズ枠2から成型部材20を取り外す(図中、矢印方向)。上述したように、成型部材20の表面には、テフロン(登録商標)メッキが施されているため、成型部材20を第1レンズ枠2から容易に取り外すことができる。また、成型部材20を第1レンズ枠2から取り外した際に、成型された中間部材14の変形、損傷を抑制することができる。ここまでの工程を経ることにより、中間部材14を備えた第1レンズ枠2を得ることができる。
図6に示すように、第1レンズ枠2の注入孔13にシリコン樹脂Rを注入した後、所定時間放置して、シリコン樹脂Rを硬化させる。そして、シリコン樹脂Rが硬化した後、成型部材20を、第1レンズ枠2に対して反ねじ込み方向に回転させることにより、第1レンズ枠2から成型部材20を取り外す(図中、矢印方向)。上述したように、成型部材20の表面には、テフロン(登録商標)メッキが施されているため、成型部材20を第1レンズ枠2から容易に取り外すことができる。また、成型部材20を第1レンズ枠2から取り外した際に、成型された中間部材14の変形、損傷を抑制することができる。ここまでの工程を経ることにより、中間部材14を備えた第1レンズ枠2を得ることができる。
次に、図7に示すように、第1レンズ枠2にレンズL1を挿入する(図中、矢印方向)。レンズL1は、レンズ保持部10において、中間部材14のレンズ押え部142に対して軽く圧入された状態で保持される。更に、レンズL1の保持された第1レンズ枠2に、押え環16を第1レンズ枠2にねじ込み(図中、矢印方向)、押え環16の押え面16aでレンズL1の外周部を固定する。
以上の工程を経ることにより、図8に示すように、第1レンズ枠2にレンズL1を固定することができる。
以上の工程を経ることにより、図8に示すように、第1レンズ枠2にレンズL1を固定することができる。
上述した本実施形態のレンズ鏡筒1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)第1レンズ枠2に配置された各中間部材14は、レンズL1の光軸Aから、それぞれ等しい位置にレンズ保持面142aを有する。そのため、第1レンズ枠2に挿入されたレンズL1を高い精度で保持することができる。
(1)第1レンズ枠2に配置された各中間部材14は、レンズL1の光軸Aから、それぞれ等しい位置にレンズ保持面142aを有する。そのため、第1レンズ枠2に挿入されたレンズL1を高い精度で保持することができる。
(2)中間部材14の成型時に、第1レンズ枠2の側壁部12と成型部材20の成型面21との間に形成される隙間Sの間隔は、レンズL1と第1レンズ枠2のそれぞれの線膨張係数の差及び嵌め合い公差を考慮して設定される。そのため、隙間Sに成型されるレンズ押え部142の厚みは、温度変化による径寸法の変動、及び製造時の嵌め合い公差を許容可能な寸法となる。従って、第1レンズ枠2に挿入されたレンズL1を、より高い精度で保持することができる。
(3)各中間部材14は、位置決め部141とレンズ押え部142とが一体に成型される。位置決め部141は、注入孔13に配置され、光軸方向及び周方向の移動が規制されている。そのため、成型時に成型部材20を第1レンズ枠2から取り外す際、及び第1レンズ枠2にレンズL1を挿入する際において、レンズ押え部142の位置ずれを抑制することができる。
(4)各中間部材14は、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に配置される。そのため、第1レンズ枠2において、レンズL1をより安定して保持させることができる。
(5)各注入孔13は、第1レンズ枠2において、レンズL1の光軸Aと直交する方向に開口しているため、シリコン樹脂Rを成型位置まで容易に注入することができる。
(5)各注入孔13は、第1レンズ枠2において、レンズL1の光軸Aと直交する方向に開口しているため、シリコン樹脂Rを成型位置まで容易に注入することができる。
(6)成型部材20は、ネジ部22を、第1レンズ枠2のネジ部151と螺合させてねじ込むことにより、第1レンズ枠2に挿入される。これによれば、冶具等を用いることなしに、レンズL1の光軸Aと成型部材20の中心軸とを一致させた状態で成型部材20を第1レンズ枠2に挿入することができる。また、成型部材20のネジ部22と螺合する第1レンズ枠2のネジ部151は、押え環16をねじ込むために設けられたネジ部である。これによれば、第1レンズ枠2の内周面に、成型部材20をねじ込むための専用のネジ部を設ける必要がないため、第1レンズ枠2の構造を簡略化することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明は以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
本実施形態では、中間部材14を、レンズL1を保持する第1レンズ枠2に配置した例について説明した。これに限らず、中間部材14を、レンズL2及びレンズL3を保持する第2レンズ枠3に配置してもよい。
また、1つのレンズ枠に複数のレンズを保持するレンズ枠において、特定のレンズを保持する部分にのみ中間部材14を配置してもよい。例えば、線膨張係数の大きい光学ガラスからなるレンズでは、温度変化が光学性能に大きな影響を与える。また、曲率が大きなレンズ及び屈折率の高いレンズでは、わずかな誤差が光学性能に大きな影響を与える。そのため、これらのレンズを保持する部分にのみ中間部材14を配置することにより、光学性能の低下をより効果的に抑制することができる。
本実施形態では、中間部材14を、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に6箇所配置した例について説明した(図3参照)。これに限らず、中間部材14を、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に7箇所以上配置した構成としてもよい。中間部材14は、第1レンズ枠2の周方向に沿って等間隔に少なくとも3箇所配置されていればよい。
また、上記実施形態及び変形形態は適宜に組み合わせて用いることができるが、各実施形態の構成は図示と説明により明らかであるため、詳細な説明を省略する。更に、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:レンズ鏡筒、2:第1レンズ枠、10:レンズ保持部、11:レンズ枠、12:側壁部、13:注入孔、14:中間部材、16:押え環、20:成型部材、21:成型面、141:位置決め部、142:レンズ押え部、142a:レンズ保持面
Claims (7)
- レンズを保持するレンズ枠と、
前記レンズとレンズ枠との間に配置され、前記レンズ枠に保持された前記レンズの光軸と交差する方向の位置を規定する複数の中間部材と、を備え、
複数の前記中間部材は、成型された樹脂材料により構成され、前記レンズの外周部と接する保持面を有すること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記レンズ枠は、前記レンズを保持する位置に前記樹脂材料が注入される注入部を備えること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
前記中間部材は、前記注入部に配置される樹脂材料により構成される位置決め部と、前記レンズと前記レンズ枠との間に配置される樹脂材料により構成されるレンズ押え部とを備え、前記位置決め部と前記レンズ押え部とが一体に成型されていること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項2又は3に記載のレンズ鏡筒において、
前記注入部は、前記レンズの光軸と交差する方向に沿って設けられる開口した注入孔であること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
複数の前記中間部材は、前記レンズ枠の周方向に沿って等間隔に配置されること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
複数の前記中間部材の保持面は、それぞれ前記レンズの光軸から等しい位置に設けられること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 周方向に沿って配置された複数の中間部材を備え、圧入されたレンズを複数の前記中間部材により保持するレンズ枠の製造方法であって、
前記レンズ枠は、樹脂材料を注入するための複数の注入部が周方向に沿って配置され、
円筒状の成型面を有する成型部材を前記レンズ枠に挿入する工程と、
前記注入部から樹脂材料を注入して、前記注入部に充填された前記樹脂材料からなる部分と、前記成型部材の成型面と前記レンズ枠との間に拡散した前記樹脂材料からなる部分とを一体に成型する工程と、
前記レンズ枠に挿入された前記成型部材を、前記レンズ枠から取り外す工程と、
を備えることを特徴とするレンズ枠の製造方法。
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JP2014172725A JP2016048292A (ja) | 2014-08-27 | 2014-08-27 | レンズ鏡筒、及びレンズ枠の製造方法 |
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