JP2016043845A - 車両の制動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの変化を直接的に検出する検出系をパーキングブレーキに設けることなく、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる車両の制動システムを提供する。【解決手段】車両の制動システム10は、電動式のパーキングブレーキ30と、制御装置100とを備える。この制御装置100は、ドラムブレーキ31が車輪11に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中に、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化が検出されたときに、モータ32を駆動させ、同ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能な制動トルクを増大させるトルク増大処理を実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動式のパーキングブレーキと、同パーキングブレーキを制御する制御装置とを備える車両の制動システムに関する。
車両の制動システムとして、サービスブレーキと、電動式のパーキングブレーキとを備えたシステムが知られている(特許文献1参照)。同文献1に記載されるサービスブレーキはディスクブレーキを有しており、このディスクブレーキには、車輪と一体回転するブレーキロータと車体に取り付けられているキャリパとが設けられている。こうしたディスクブレーキでは、例えば運転者によるブレーキペダルの操作量が増大されると、キャリパを構成するブレーキパッドがブレーキロータに押し付けられ、車輪への制動トルク(以下、「第1の制動トルク」ともいう。)の付与が可能となる。
パーキングブレーキは、ドラムブレーキと、動力源であるモータと、このモータからの動力をドラムブレーキに伝達する動力伝達機構とを有している。ドラムブレーキには、ブレーキロータよりも径方向内側に配置されるドラムと、ドラムの内側に配置される一対のブレーキシューとが設けられている。また、ドラムの内側には、一対のブレーキシューの間隔を広げることにより同両ブレーキシューをドラムに押し付けるための拡張機構が設けられている。この拡張機構には、動力伝達機構から延びているワイヤが接続されており、ワイヤを通じてモータからの動力が伝達される。そして、モータからの動力が拡張機構に伝達されると、拡張機構が作動し、ブレーキシューがドラムの内周面に押し付けられる。これにより、ドラムブレーキは、ブレーキシューをドラムに押し付ける力に応じた制動トルク(以下、「第2の制動トルク」ともいう。)を車輪に付与可能となる。
なお、こうしたパーキングブレーキにあっては、上記のワイヤの張力が減少されると、ブレーキシューをドラムに押し付ける力が減少され、結果として、車輪に付与可能な第2の制動トルクが低下する。そのため、上記のパーキングブレーキでは、ワイヤの張力を検出するための張力センサを動力伝達機構に設け、同張力センサによって検出されるワイヤの張力に基づき、モータの駆動を制御することが可能となっている。
ところで、上記の制動システムを備える車両にあっては、ディスクブレーキの作動によって車輪に第1の制動トルクが付与されて車両が停止した後に、パーキングブレーキが作動され、ブレーキシューがドラムに押し付けられることがある。この場合、ドラムブレーキが車輪に第2の制動トルクを付与可能な状態になるものの、車輪の回転はディスクブレーキによって規制されており、車輪の回転トルクはドラムブレーキにはほとんど付与されていない。しかし、この状態で、例えば運転者によるブレーキペダルの操作が解消され、第1の制動トルクが減少されると、ディスクブレーキでは車輪の回転を規制しきれなくなり、ドラムブレーキに付与される上記回転トルクが大きくなる。すると、ドラムブレーキの構成部品のうち、ブレーキシューなどの弾性部材が弾性変形したり、拡張機構でがたつきなどが発生したりすることにより、ワイヤの張力が小さくなる。その結果、ブレーキシューをドラムに押し付ける力が小さくなり、ドラムブレーキが車輪に実際に付与する第2の制動トルクが、予定していた制動トルクよりも小さくなってしまう。
この点、上記の制動システムにあっては、張力センサによって、ワイヤの張力が小さくなったか否かを監視することができる。そのため、例えばワイヤの張力の減少量が所定量以上になったときにモータを駆動させるトルク増大処理を実施させることができる。このようにトルク増大処理が実施されると、ワイヤの張力が大きくなり、ブレーキシューをドラムに押し付ける力が大きくなる。これにより、車輪に付与可能な第2の制動トルクの減少が抑制される。その結果、車輪に対する第1の制動トルクが減少したとしても、ドラムブレーキによって車輪の回転を規制することができるため、第1の制動トルクの減少に起因する車両の不用意な移動が抑制される。
特開2008−68836号公報
ところで、上記のパーキングブレーキにあっては、張力センサを動力伝達機構に設けることにより、車輪に付与可能な第2の制動トルクの減少を抑制することができる。しかし、張力センサなどのように、車輪に付与可能な第2の制動トルクの変化を直接的に検出する検出系をパーキングブレーキに設けると、パーキングブレーキの構造の複雑化や製造コストの増大を招くこととなる。
本発明の目的は、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの変化を直接的に検出する検出系をパーキングブレーキに設けることなく、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる車両の制動システムを提供することにある。
上記課題を解決するための車両の制動システムは、電動式のパーキングブレーキと、同パーキングブレーキを制御する制御装置と、を備えている。また、この車両の制動システムを構成するパーキングブレーキは、車輪に対して設けられているドラムブレーキと、同ドラムブレーキの動力源であるモータと、を有している。車両には、停車中においてドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化を検出する車両状態検出手段が、パーキングブレーキの外部に設けられている。そして、車両の制動システムにおいて、制御装置は、ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、上記車両状態検出手段によって上記車両の状態変化が検出されたときに、モータを駆動させ、同ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクを増大させるトルク増大処理を実施する。
なお、「ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態」とは、ドラムにブレーキシューが押し付けられている状態のことを示している。そして、上記構成では、このようにドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態で車両が停止しているときに、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化が車両状態検出手段によって検出されると、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクが減少するおそれがあるため、トルク増大処理が実施される。すると、ドラムブレーキの作動によって、ドラムにブレーキシューを押し付ける力が大きくなる。その結果、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの減少が抑制され、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる。
また、上記構成では、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクを直接的に検出する検出系をパーキングブレーキに設けることなく、トルク増大処理を、適切なタイミングから開始させることが可能となる。したがって、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの変化を直接的に検出する検出系をパーキングブレーキに設けることなく、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができるようになる。
例えば、停車中における運転者による車両操作によっても、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すことがある。そこで、車両状態検出手段は、停車中においてドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両操作を、上記車両の状態変化として検出する車両操作検出手段を含むことが好ましい。そして、この場合、制御装置は、ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、車両操作検出手段によって上記車両操作が検知されたときに、トルク増大処理を実施するようにしてもよい。この構成によれば、上記車両操作を監視することにより、トルク増大処理を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
なお、車両の制動システムとしては、ドラムブレーキよりも径方向外側に配置されているディスクブレーキを備えるシステムが知られている。そして、ディスクブレーキが車輪に付与している制動トルクをサービス制動トルクとした場合、こうした制動システムにあっては、運転者によるブレーキ操作態様の変化によって上記サービス制動トルクが減少されると、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大され、ドラムブレーキによって車輪に付与可能な制動トルクが減少するおそれがある。
また、こうした制動システムを搭載する車両にあっては、一般に、上記サービス制動トルクの変化を検出する変化検出センサが設けられている。そのため、車両操作検出手段は、上記サービス制動トルクの変化を、上記車両操作として検出する変化検出センサを含んでいることが好ましい。そして、この場合、制御装置は、ドラムブレーキの作動を伴う車両の停止中において、変化検出センサによって上記サービス制動トルクの減少が検知されたときに、トルク増大処理を実施するようにしてもよい。
上記構成によれば、上記サービス制動トルクが減少されると、トルク増大処理が実施され、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの減少が抑制される。すなわち、車両に設けられている既存のセンサによる検出結果を用いることにより、トルク増大処理を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
ちなみに、ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中では、上記サービス制動トルクの低下量が多いほど、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大されやすい。そこで、上記車両の制動システムにおいて、制御装置は、トルク増大処理の実施時に、上記サービス制動トルクの減少量が多いほどモータの駆動量を多くすることが好ましい。この構成によれば、上記サービス制動トルクの低下量に応じ、パーキングブレーキのモータの駆動量が適宜設定される。そのため、トルク増大処理を実施することにより、停止中の車両の不用意な移動の抑制効果をより高めることができる。
また、車両の停止を維持させるために必要な制動トルクである目標制動トルクは、車両の停止している路面の勾配などによって決まる。そして、上記サービス制動トルクが減少されても同サービス制動トルクが目標制動トルク以上であるときには、たとえ上記サービス制動トルクの減少によってドラムブレーキに付与される回転トルクが増大されても、車両の停止状態をディスクブレーキによって維持することができる。
そこで、上記車両の制動システムにおいて、制御装置は、上記目標制動トルクを算出し、上記サービス制動トルクの減少によって同サービス制動トルクが目標制動トルク未満になるときには、トルク増大処理を実施することが好ましい。この構成によれば、サービス制動トルクの減少によって車両の停止状態をディスクブレーキでは維持しにくくなると判断されると、トルク増大処理が実施される。その結果、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる。
その一方で、制御装置は、サービス制動トルクが減少されても同サービス制動トルクが目標制動トルク以上であるときには、トルク増大処理を実施しないことが好ましい。この構成によれば、サービス制動トルクが減少しても車両の停止状態をディスクブレーキによって維持することができると判断されるときには、トルク増大処理が実施されない。その結果、減少している又は減少後のサービス制動トルクの大きさに拘わらず、サービス制動トルクの減少を契機にトルク増大処理を実施する場合と比較して、モータの駆動機会が少なくなる。その結果、パーキングブレーキの長寿命化に貢献することが可能となる。
ところで、車両には、一般的に、車両の加速度を検出する加速度センサが設けられている。そして、例えば車両が坂路上で停止している場合において、車両の積載量が増え、車両重量が増えると、当該加速度センサによって検出される車両の加速度が変化することがある。この場合、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すことがある。
そのため、上記車両状態検出手段は、車両の加速度を、上記車両の状態変化として検出する加速度センサを含むことが好ましい。そして、この場合、制御装置は、ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、加速度センサによって車両の加速度の変化が検出されたときに、トルク増大処理を実施するようにしてもよい。
上記構成によれば、車両の加速度の絶対値の増大が検知され、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すようになると、トルク増大処理が実施される。その結果、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの減少が抑制される。すなわち、車両に設けられている既存のセンサによる検出結果を用いることにより、トルク増大処理を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
ちなみに、停止中における車両の加速度の絶対値の増大量が多いほど、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大されやすい。そこで、上記車両の制動システムにおいて、制御装置は、トルク増大処理の実施時に、加速度センサによって検出される車両の加速度の変化量が多いほどモータの駆動量を多くすることが好ましい。この構成によれば、停止中における車両の加速度の変化量に応じ、パーキングブレーキのモータの駆動量が適宜設定される。そのため、トルク増大処理を実施することにより、停止中の車両の不用意な移動の抑制効果をより高めることができる。
ただし、車両の停止している路面が坂路ではない場合、上記車両の状態変化が検知されても、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大されにくい。又は、ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大されても、車両の不用意な移動は生じにくい。そして、このように車両の不用意な移動が生じないときには、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクを増大させなくてもよい。
そこで、上記車両の制動システムにおいて、制御装置は、車両の停止している路面が坂路ではないときには、車両状態検出手段によって上記車両の状態変化が検出されても、トルク増大処理を実施しないことが好ましい。この構成によれば、パーキングブレーキのモータの駆動機会の増大が抑制される。その結果、パーキングブレーキの長寿命化に貢献することが可能となる。
車両の制動システムの一実施形態の概略を示す構成図。 車輪に設けられているディスクブレーキとドラムブレーキとの概略構成を示す模式図。 ドラムブレーキの一部の構成を説明する平面図。 ドラムブレーキにおいて、拡張機構とその周辺部材の構成を示す断面図。 パーキングブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態で車両が停止しているときに、制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 サービスブレーキが車輪に付与する制動トルクが減少しているか否かを判定する際に実行されるサービスブレーキ判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 加速度センサによって検出されているGセンサ値が変化しているか否かを判定する際に実行されるGセンサ値判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクを増大させる際に実行されるトルク増大処理ルーチンを説明するフローチャート。 同車両の制動システムのタイミングチャートであって、(a)は車体速度の推移を示し、(b)はブレーキ液圧の推移を示し、(c)はパーキング制動トルクの推移を示し、(d)はGセンサ値の推移を示し、(e)は自動変速機のレンジの推移を示し、(f)はトルク増大処理の開始タイミングを示す。
以下、車両の制動システムを具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1には、本実施形態の車両の制動システム10が図示されている。図1に示すように、車両の制動システム10には、サービスブレーキ20と、パーキングブレーキ30と、同システムを統括して制御する制御装置100とを備えている。
サービスブレーキ20は、車両の運転者によって操作されるブレーキペダル21が連結されている液圧発生部22と、同液圧発生部22と液路を通じて接続されているブレーキアクチュエータ23と、車輪11に対して設けられているディスクブレーキ24とを有している。液圧発生部22には、ブレーキペダル21の操作量に応じた液圧であるブレーキ液圧Pmcを発生させるマスタシリンダ221が設けられている。そして、運転者によってブレーキペダル21が操作されると、マスタシリンダ221内ではブレーキ液圧Pmcが増圧され、このブレーキ液圧Pmcに応じた量のブレーキ液が、ブレーキアクチュエータ23を通じてディスクブレーキ24に供給される。すると、ディスクブレーキ24は、供給された液量に応じた制動トルクであるサービス制動トルクを車輪11に付与する。すなわち、サービス制動トルクはブレーキ液圧Pmcと相関している。そして、ブレーキペダル21が操作されており、ブレーキアクチュエータ23の非作動時にあっては、ブレーキ液圧Pmcが高いほどサービス制動トルクが大きくなる。
ブレーキアクチュエータ23は、ディスクブレーキ24に設けられているホイールシリンダ内のブレーキ液圧を調整する機能を有している。このブレーキアクチュエータ23は、運転者によるブレーキペダル21の操作中でのホイールシリンダ内のブレーキ液圧の調整機能に加え、ブレーキペダル21の非操作中でのホイールシリンダ内のブレーキ液圧の調整機能も有している。すなわち、このブレーキアクチュエータ23を有するサービスブレーキ20は、自動ブレーキ機能を有している。
パーキングブレーキ30は、車輪11に対して設けられているドラムブレーキ31と、ドラムブレーキ31の動力源であるモータ32と、モータ32からの動力をドラムブレーキ31に伝達する動力伝達機構33とを有している。動力伝達機構33は、ワイヤ34を通じてドラムブレーキ31に駆動連結されている。そして、こうした動力伝達機構33によってワイヤ34の張力が調整されることにより、ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能な制動トルクであるパーキング制動トルクが調整される。
制御装置100には、各種の検出系として、ブレーキスイッチ101、液圧センサ102、車輪速度センサ103、シフトポジションセンサ104及び加速度センサ105が電気的に接続されている。ブレーキスイッチ101は、ブレーキペダル21の操作の有無を検知する。液圧センサ102は、サービス制動トルクと相関するブレーキ液圧Pmcを検出する。すなわち、この液圧センサ102により、サービス制動トルクの変化を検出する「変化検出センサ」の一例が構成される。車輪速度センサ103は、車輪11の回転速度である車輪速度VWを検出する。シフトポジションセンサ104は、車両のシフト装置12において選択可能な走行レンジ、ニュートラルレンジ、パーキングレンジのうち、選択されているレンジを検出する。そして、加速度センサ105は、車両の加速度であるGセンサ値Gxを検出する。
なお、加速度センサ105によって検出されるGセンサ値Gxは、車両が加速しているときには正の値となる一方、車両が減速しているときには負の値となる。また、車両が停止中であっても、同車両が登坂路で停止している場合のGセンサ値Gxは正の値となり、同車両が降坂路で停止している場合のGセンサ値Gxは負の値となる。
また、制御装置100には、パーキングブレーキ30のオン・オフを指令すべく運転者に操作される操作ボタン13が電気的に接続されている。すなわち、パーキングブレーキ30の作動を開始させるべく運転者が操作ボタン13を操作すると、制御装置100は、モータ32を駆動させてドラムブレーキ31を作動させるようにしている。すると、ドラムブレーキ31は、パーキング制動トルクを付与可能な状態となる。
次に、図2〜図4を参照し、ディスクブレーキ24及びドラムブレーキ31について説明する。
図2に示すように、ディスクブレーキ24は、車輪11と一体回転する円盤状のブレーキロータ40と、車体に設けられているキャリパ41とを備えている。キャリパ41は、ブレーキアクチュエータ23と液路を通じて接続されているホイールシリンダ42と、ブレーキロータ40を挟んで配置される一対のブレーキパッド43とを有している。そして、ホイールシリンダ42内の液圧が増圧されると、一対のブレーキパッド43がブレーキロータ40に押し付けられ、車輪11にサービス制動トルクが付与される。
図2に示すように、ドラムブレーキ31は、いわゆるDIH(Drum In Hat)式のドラムブレーキである。すなわち、ドラムブレーキ31のドラム50は、ブレーキロータ40の内周縁に設けられており、車輪11と一体回転するようになっている。
また、図3に示すように、ドラムブレーキ31には、車体に設けられているバッキングプレート70と、ドラム50の内側に配置されている一対のブレーキシュー51A,51Bとが設けられている。これら各ブレーキシュー51A,51Bは、略円弧状をなすウェブ52と、ウェブ52の径方向外側の端部に設けられているリム53と、リム53の外周面に設けられているライニング54とを有している。そして、ライニング54がドラム50の内周面と対向しており、ライニング54をドラム50の内周面に押し付けることにより、車輪11にパーキング制動トルクが付与可能となる。
こうした各ブレーキシュー51A,51Bは、シューホールドダウン装置55を通じてバッキングプレート70に取り付けられている。そして、ブレーキシュー51A,51Bは、バッキングプレート70の一面に沿って変位可能となっている。
各ブレーキシュー51A,51Bの周方向における一端部(図3では下端部)を第1の端部511とし、各ブレーキシュー51A,51Bの周方向における他端部(図3では上端部)を第2の端部512としたとする。この場合、各ブレーキシュー51A,51Bの第1の端部511同士は、アジャスタ56を介して連結されている。また、各ブレーキシュー51A,51Bの第1の端部511同士の間には、アジャスタスプリング57が介在している。このアジャスタスプリング57は、各第1の端部511を互いに近づける方向への付勢力を各ブレーキシュー51A,51Bに付与している。なお、アジャスタ56は、ブレーキシューのライニング54とドラム50の内周面との間の間隔を調整する際に操作されるものである。
一方、各ブレーキシュー51A,51Bの第2の端部512同士の間には、拡張機構60が介在している。また、各ブレーキシュー51A,51Bの第2の端部512同士は、リターンスプリング58を介して連結されている。そして、このリターンスプリング58は、各第2の端部512を互いに近づける方向への付勢力を各ブレーキシュー51A,51Bに付与している。
図3及び図4に示すように、拡張機構60は、一対のストラット61と、両ストラット61の間に配置されているブレーキレバー62を有している。なお、図4では、ブレーキレバー62よりも紙面手前側に配置されるストラット61が省略されている。そして、各ストラット61及びブレーキレバー62の基端部(図4では右端部)が、回動可能な状態で連結軸63に連結されている。
ブレーキレバー62には、一対のブレーキシュー51A,51Bのうち第1のブレーキシュー51Aが係合されている。すなわち、ブレーキレバー62の基端部には、第1のブレーキシュー51Aのウェブ52の径方向内側の端部が係合されている係合凹部621が設けられている。この係合凹部621は、連結軸63よりもバッキングプレート70の近くに位置している。また、ブレーキレバー62の先端部(図4では左端部)は、動力伝達機構33から延びているワイヤ34が係止されている係止部622となっている。
また、ストラット61には、一対のブレーキシュー51A,51Bのうち第2のブレーキシュー51Bが係合されている。すなわち、ストラット61の先端部(図4では左端部)には、第2のブレーキシュー51Bのウェブ52の径方向内側の端部が係合されている係合凹部611が設けられている。
また、拡張機構60の近傍には、バッキングプレート70を両側から挟み込む一対のアンカ部材64,65が設けられている。これら各アンカ部材64,65は、2つボルト66A,66Bによってバッキングプレート70に固定されている。これら各ボルト66A,66Bは、図4における左右方向でもある車両前後方向に並んでおり、各ボルト66A,66Bの頭部661が、拡張機構60を支持している。すなわち、図4における右側に位置するボルト66Aの頭部661はブレーキレバー62を支持しており、図4における左側に位置するボルト66Bの頭部661はストラット61を支持している。
そして、ワイヤ34が引っ張られ、ワイヤ34の張力が大きくなると、拡張機構60が作動することとなる。すなわち、ブレーキレバー62は、そのボルト66Aの頭部661との接点を中心として回動される。すると、連結軸63及びストラット61が図4における左方に移動され、同ストラット61が第2のブレーキシュー51Bを図4における左方に押すこととなる。そして、第2のブレーキシュー51Bがドラム50に押し付けられるようになると、その際に生じた反力が、ストラット61及び連結軸63を通じてブレーキレバー62に伝達される。すると、ブレーキレバー62が、第1のブレーキシュー51Aを図4における右方に押すことにより、第1のブレーキシュー51Aがドラム50に押し付けられる。すなわち、拡張機構60によって、各ブレーキシュー51A,51Bはそれらの間の間隔が広がるように変位され、各ブレーキシュー51A,51Bのライニング54がドラム50の内周面に押し付けられる。
一方、ワイヤ34の張力が小さくなると、拡張機構60によってブレーキシュー51A,51Bをドラム50に押し付ける力が弱くなる。すると、リターンスプリング58からの付勢力によって、ブレーキシュー51A,51Bがドラム50の内周面から離され、結果として、ドラムブレーキ31は、車輪11にパーキング制動トルクを付与不能となる。
本明細書では、ブレーキシュー51A,51Bがドラム50の内周面に押し付けられている状態を、「ドラムブレーキ31が車輪11にパーキング制動トルクを付与可能な状態」であるという。そのため、ブレーキシュー51A,51Bがドラム50の内周面から離れている状態のことは、「ドラムブレーキ31が車輪11にパーキング制動トルクを付与不能な状態」であるということができる。
なお、パーキングブレーキ30は、運転者による上記の操作ボタン13の操作を契機に作動される。そして、上記のパーキングブレーキ30では、ブレーキシュー51A,51Bをドラム50に押し付ける力が所望する値に達したと判断されると、モータ32の駆動が停止される。また、パーキングブレーキ30の動力伝達機構33には、ブレーキシュー51A,51Bをドラム50に押し付ける力を保持するための保持機構が設けられている。そのため、このようにモータ32の駆動が停止されても、ブレーキシュー51A,51Bをドラム50に押し付ける力、すなわちドラムブレーキ31が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクは保持される。
ところで、こうした制動システム10を備える車両においては、運転者によるブレーキペダル21の操作によってディスクブレーキ24が車輪11にサービス制動トルクを付与することにより、車両が減速されて停止される。そして、こうした車両停止中に操作ボタン13が操作され、パーキングブレーキ30のモータ32が駆動されることがある。この場合、ドラムブレーキ31では、拡張機構60の作動によって一対のブレーキシュー51A,51Bがドラム50に押し付けられ、パーキング制動トルクを車輪11に付与可能となる。
サービス制動トルクによって車両の停止を十分に保持可能な場合、車輪11の回転はディスクブレーキ24によって規制されているため、車輪11を回転させるトルクである回転トルクはドラムブレーキ31にほとんど付与されない。しかし、運転者によるブレーキペダル21の操作量が少なくなり、サービス制動トルクが減少されると、ディスクブレーキ24では車輪11の回転停止を維持しきれなくなる。その結果、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが大きくなる。
すると、ドラム50がブレーキシュー51A,51Bに対して相対回転しようとするため、ブレーキシュー51A,51Bが弾性変形し、ブレーキシュー51Aとブレーキレバー62との係合部分、及びブレーキシュー51Bとストラット61との係合部分に僅かな隙間が形成されることがある。また、回転しようとするドラム50によって、各ブレーキシュー51A,51Bが互いに近づく方向に押され、各ブレーキシュー51A,51Bの間隔が僅かに狭くなることがある。こうした場合、ワイヤ34の張力が小さくなり、ブレーキシュー51A,51Bをドラム50に押し付ける力が小さくなる。すると、ドラムブレーキ31、すなわちパーキングブレーキ30が車輪11に付与するパーキング制動トルクが、想定していたトルクよりも小さくなり、ドラムブレーキ31によって車輪11の回転を規制できなくなることがある。
そこで、本実施形態の車両の制動システム10にあっては、ドラムブレーキ31が車輪11にパーキング制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、液圧センサ102によってブレーキ液圧Pmcの減少が検知されたときには、パーキングブレーキ30のモータ32を駆動させるトルク増大制御が実施されるようにした。このトルク増大処理が実施されることにより、ブレーキシュー51A,51Bをドラム50に押し付ける力が大きくなり、ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクを増大させることができる。
液圧センサ102は、一般的に、車両に標準装備されている既存のセンサである。そして、本実施形態の車両の制動システム10では、こうした既存の液圧センサ102によって検出されるブレーキ液圧Pmcの変化によって、停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクの増大傾向を示す可能性があるか否かが判断される。すなわち、液圧センサ102によって検出されるブレーキ液圧Pmcの減少が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化」の一例である。また、ブレーキ液圧Pmcを減少させるようなブレーキ操作が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両操作」の一例である。また、パーキングブレーキ30の外部に設けられ、ブレーキ液圧Pmcの変化を検出する液圧センサ102により、「車両状態検出手段」及び「車両操作検出手段」の一例が構成される。
また、登坂路及び降坂路の双方を含む坂路で車両が停止している場合、車両の積載量が増えたり、車両乗員が増えたりすると、車両重量が増え、停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクの増大傾向を示す可能性がある。そのため、坂路での車両停止中において車両重量の増大が検知された場合にも、上記トルク増大処理を実施することが好ましい。
なお、坂路での車両停止中に車両重量が増大されると、パーキングブレーキ30の外部に設けられている加速度センサ105によって検出されているGセンサ値Gxが変化することがある。そこで、車両停止中にGセンサ値Gxの変化が検知されたときには、車両重量が増大された可能性があるため、上記トルク増大処理を実施するようにした。すなわち、加速度センサ105によって検出されるGセンサ値Gxの変化が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化」の一例である。また、パーキングブレーキ30の外部に設けられている加速度センサ105により、「車両状態検出手段」の一例が構成されている。
さらに、登坂路で車両が停止している場合に、シフト装置12が運転者に操作され、自動変速機のレンジが、走行レンジからニュートラルレンジに変更されることがある。そして、走行レンジが選択されているときにクリープトルクが車輪11に伝達される車両にあっては、レンジがニュートラルレンジに変更されると、停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクの増大傾向を示す可能性がある。そのため、本実施形態の制動システム10では、車両停止中にレンジが走行レンジからニュートラルレンジに変更されたときには、上記トルク増大処理を実施するようにした。すなわち、自動変速機のレンジの変化が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化」の一例である。また、自動変速機のレンジを変化させるようなシフト操作が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両操作」の一例である。また、パーキングブレーキ30の外部に設けられ、自動変速機のレンジの変化を検出するシフトポジションセンサ104により、「車両状態検出手段」及び「車両操作検出手段」の一例が構成されている。
次に、図5を参照し、制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、パーキングブレーキ30によって車輪11にパーキング制動トルクを付与可能な状態で車両が停止しているときに、予め設定されている制御サイクル毎に実行されるルーチンである。
図5に示すように、制御装置100は、液圧センサ102によって検出されているブレーキ液圧Pmcを取得する(ステップS11)。続いて、制御装置100は、加速度センサ105によって検出されているGセンサ値Gxを検出し(ステップS12)、シフトポジションセンサ104によってシフト装置12で選択されている自動変速機のレンジを検出する(ステップS13)。
そして、制御装置100は、車両の停止している路面が坂路であるか否かを判定する(ステップS14)。なお、車両の停止中にあっては、加速度センサ105によって検出されるGセンサ値Gxに基づき、坂路であるか否かを判断することができる。すなわち、制御装置100は、Gセンサ値の絶対値|Gx|が坂路判定値以上であるときには路面が坂路であると判定し、Gセンサ値の絶対値|Gx|が坂路判定値未満であるときには路面が坂路ではないと判定することができる。
路面が坂路ではない場合、パーキングブレーキ30が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクが減少されても、車両の意図しない移動、いわゆるずり下がりが発生しにくい。一方、路面が坂路である場合、パーキングブレーキ30が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクが減少されると、車両の意図しない移動、いわゆるずり下がりが発生しやすい。そのため、路面が坂路ではない場合(ステップS14:NO)、制御装置100は、トルク増大処理を実施することなく、本処理ルーチンを一旦終了する。
一方、路面が坂路である場合(ステップS14:YES)、制御装置100は、図6を用いて後述するサービスブレーキ判定処理を実施する(ステップS15)。このサービスブレーキ判定処理では、ブレーキ液圧Pmcの減少が検知されときに、トルク増大処理の実施条件(後述する第1の条件)が成立したと判断される。
続いて、制御装置100は、図7を用いて後述するGセンサ値判定処理を実施する(ステップS16)。このGセンサ値判定処理では、車両停止中にGセンサ値Gxが変化したときには、車両重量が変化した可能性有りと判断し、トルク増大処理の実施条件(後述する第2の条件)が成立したと判断される。
そして、制御装置100は、レンジ判定処理を実施する(ステップS17)。このレンジ判定処理では、車両停止中に、自動変速機のレンジが走行レンジからニュートラルレンジに変更されたときに、トルク増大処理の実施条件(第3の条件)が成立したと判断される。
続いて、制御装置100は、第1〜第3の各条件のうち少なくとも1つの実施条件が成立しているか否かを判定する(ステップS18)。各実施条件の全てが成立していない場合(ステップS18:NO)、制御装置100は、トルク増大処理を実施することなく、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、各実施条件のうち少なくとも1つの実施条件が成立している場合(ステップS18:YES)、制御装置100は、図8を用いて後述するトルク増大処理を実施する(ステップS19)。そして、トルク増大処理が終了されると、制御装置100は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図6を参照し、上記ステップS15のサービスブレーキ判定処理を説明する。
図6に示すように、制御装置100は、現時点のブレーキ液圧Pmcがブレーキ液圧の前回値Pmc0未満であるか否かを判定する(ステップS31)。なお、「ブレーキ液圧の前回値Pmc0」とは、前回の制御サイクルで検出されたブレーキ液圧Pmcのことである。そして、現時点のブレーキ液圧Pmcがブレーキ液圧の前回値Pmc0以上である場合(ステップS31:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS35に移行する。一方、現時点のブレーキ液圧Pmcがブレーキ液圧の前回値Pmc0未満である場合(ステップS31:YES)、制御装置100は、車両の停止を維持させるために必要な制動トルクである目標制動トルクとしての停止維持ブレーキ液圧PmcThを算出する(ステップS32)。
例えば、この停止維持ブレーキ液圧PmcThは、車両の停止している路面の路面勾配が大きいほど大きくされる。また、停止維持ブレーキ液圧PmcThは、停止している路面が登坂路である場合、自動変速機のレンジが走行レンジ(具体的には、前進レンジ)であるときよりもニュートラルレンジであるときのほうが大きくされる。一方、停止維持ブレーキ液圧PmcThは、停止している路面が降坂路である場合、自動変速機のレンジがニュートラルレンジであるときよりも走行レンジ(具体的には、前進レンジ)であるときのほうが大きくされる。
そして、制御装置100は、現時点のブレーキ液圧Pmcが、算出した停止維持ブレーキ液圧PmcTh未満であるか否かを判定する(ステップS33)。現時点のブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh以上である場合、ブレーキ液圧Pmcが減少されても、ディスクブレーキ24によって車両の停止を未だ維持することができると判断することができる。一方、現時点のブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh未満である場合、ブレーキ液圧Pmcの減少によって、ディスクブレーキ24では車両の停止を維持できないおそれがあると判断することができる。
そのため、現時点のブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh未満である場合(ステップS33:YES)、制御装置100は、第1の条件が成立したと判定し(ステップS34)、その後、その処理を後述するステップS36に移行する。一方、現時点のブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh以上である場合(ステップS33:NO)、制御装置100は、その処理を次のステップS35に移行する。
ステップS35において、制御装置100は、第1の条件が非成立であると判定する。そして、制御装置100は、その処理を次のステップS36に移行する。
ステップS36において、制御装置100は、ブレーキ液圧の前回値Pmc0に現時点のブレーキ液圧Pmcを代入する。その後、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図7を参照し、上記ステップS16のGセンサ値判定処理を説明する。
図7に示すように、制御装置100は、Gセンサ値の前回値Gx0と現時点のGセンサ値Gxとの差分(=|Gx0−Gx|)を算出し、この算出値が予め設定された判定値ΔGxThを超えているか否かを判定する(ステップS41)。この判定値ΔGxThは、Gセンサ値Gxが変化しているか否かを判断するための基準値である。なお、「Gセンサ値の前回値Gx0」とは、前回の制御サイクルで検出されたGセンサ値Gxのことである。
そして、上記の算出値(=|Gx0−Gx|)が判定値ΔGxThを超えている場合(ステップS41:YES)、制御装置100は、第2の条件が成立したと判定し(ステップS42)、その処理を後述するステップS44に移行する。一方、上記の算出値(=|Gx0−Gx|)が判定値ΔGxTh以下である場合(ステップS41:NO)、制御装置100は、第2の条件が非成立であると判定し(ステップS43)、その処理を次のステップS44に移行する。
ステップS44において、制御装置100は、Gセンサ値の前回値Gx0に現時点のGセンサ値Gxを代入する。その後、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図8を参照し、上記ステップS19のトルク増大処理を説明する。
図8に示すように、制御装置100は、パーキングブレーキ30のモータ32の駆動を開始させる(ステップS51)。続いて、制御装置100は、モータの目標駆動量XThを算出する(ステップS52)。すなわち、制御装置100は、ブレーキ液圧Pmcの低下を契機にトルク増大処理を実施する場合、ブレーキ液圧Pmcの減少量が多いほど目標駆動量XThを大きくする。また、制御装置100は、Gセンサ値Gxの変化を契機にトルク増大処理を実施する場合、Gセンサ値Gxの変化量が多いほど目標駆動量XThを大きくする。また、制御装置100は、自動変速機のレンジの走行レンジからニュートラルレンジへの変更を契機にトルク増大処理を実施する場合、予め設定されている所定量を目標駆動量XThとする。この所定量は、車両のアイドル運転時に車輪11に伝達されるクリープトルクに応じた値である。
そして、制御装置100は、制御装置100は、上記ステップS51の実行時点からのモータ32の駆動量であるモータ32の実駆動量Xを求める(ステップS53)。続いて、制御装置100は、モータ32の実駆動量Xが目標駆動量XTh以上であるか否かを判定する(ステップS54)。実駆動量Xが目標駆動量XTh未満である場合(ステップS54:NO)、制御装置100は、その処理を前述したステップS52に移行する。一方、実駆動量Xが目標駆動量XTh以上である場合(ステップS54:YES)、制御装置100は、モータ32の駆動を停止させ(ステップS55)、本処理ルーチンを終了する。
次に、図9を参照し、本実施形態の車両の制動システム10の作用について説明する。前提として、車両の停止する路面は登坂路であるものとする。
図9(a),(b),(c),(d),(e),(f)に示すように、運転者によるブレーキペダル21の操作によってブレーキ液圧Pmcが増圧されており、ディスクブレーキ24による車輪11へのサービス制動トルクの付与によって車両が減速されている。そして、第1のタイミングt1で、車体速度VSが「0(零)」となり、車両が停止される。このとき、ブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh以上であるため、車両の停止がディスクブレーキ24によって保持される。
そして、車両が停止している第2のタイミングt2で操作ボタン13が操作されると、パーキングブレーキ30が作動する。すなわち、パーキングブレーキ30のモータ32が駆動される。これにより、ドラムブレーキ31において、ドラム50にブレーキシュー51A,51Bを押し付ける力が大きくなる。その結果、図9(c)に二点鎖線で示すように、ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクBPP1が大きくなる。そして、パーキング制動トルクBPP1が停止維持パーキングトルクBPPTを超えると、こうしたモータ32の駆動が停止される。なお、パーキング制動トルクBPP1は、実際に車輪11には付与されていないものの、現時点の状態でドラムブレーキ31が車輪11に付与可能な制動トルクの大きさであり、「仮想パーキング制動トルクBPP1」ということもある。
その後の第3のタイミングt3で運転者によるブレーキペダル21の操作量が減少され始めると、ブレーキ液圧Pmcが減少され始める。ただし、ブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh以上であるときには(ステップS33:NO)、ディスクブレーキ24によって車輪11の回転を未だ規制することができるため、トルク増大処理が開始されない。
しかし、第4のタイミングt4でブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh未満になると(ステップS33:YES)、ディスクブレーキ24では車輪11の回転を規制しきれなくなる。その結果、ドラムブレーキ31に付与される車輪11の回転トルクが大きくなる。すると、車輪11には、パーキング制動トルクBPPが実際に付与され始める。
ここで、もし仮に第4のタイミングt4でトルク増大処理が開始されない比較例の場合にあっては、パーキング制動トルクBPPが、仮想パーキング制動トルクBPP1未満となる。そして、パーキング制動トルクBPPが停止維持パーキングトルクBPPTをも下回ってしまうと、車輪11の回転をドラムブレーキ31でも規制しきれず、運転手の意図しない車両の移動、すなわち車両のずり下がりが発生するおそれがある。
この点、本実施形態の車両の制動システム10では、ブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh未満となる第4のタイミングt4から、トルク増大処理が開始される(ステップS19)。その結果、ドラムブレーキ31が車輪11に実際に付与するパーキング制動トルクBPPが、上記のパーキング制動トルクBPP1に達するようになる。これにより、車輪11の回転をドラムブレーキ31によって十分に規制することができ、車両のずり下がりが抑制される。
また、その後の第5のタイミングt5で、運転者がシフト装置12を操作し、自動変速機のレンジが走行レンジ(D)からニュートラルレンジ(N)に変更されると(ステップS18:YES)、車輪11にクリープトルクが伝達されなくなる。この「クリープトルク」とは、アクセルペダルが操作されていない場合に車両のパワートレーンから車輪11に伝達される駆動トルクのことである。車両停止時にあっては、クリープトルクは、車両のずり下がりを抑制する方向に作用するトルクである。そのため、このように車輪11にクリープトルクが伝達されなくなると、Gセンサ値Gxが僅かに大きくなる。
そこで、本実施形態の車両の制動システム10では、自動変速機のレンジがニュートラルレンジになる第5のタイミングt5から、トルク増大処理が再び実施される(ステップS19)。これにより、ドラムブレーキ31が車輪11に実際に付与するパーキング制動トルクBPPが大きくなる。その結果、車輪11にクリープトルクが付与されなくなっても、車両のずり下がりが抑制される。
その後の第6のタイミングt6で、車両に積載される荷物の量が大幅に増えると、加速度センサ105によって検出されるGセンサ値Gxが大きくなる。その結果、第6のタイミングt6で、Gセンサ値Gxの変化が検知される(ステップS41:YES)。
ここで、もし仮に第6のタイミングt6でトルク増大処理が開始されないと、車両重量の増大によって、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大され、ドラムブレーキ31が車輪11に付与するパーキング制動トルクBPPが減少されるおそれがある。この点、本実施形態の車両の制動システム10では、Gセンサ値Gxの増大が検知された第6のタイミングt6から、トルク増大処理が開始される(ステップS19)。その結果、ドラムブレーキ31が車輪11に実際に付与するパーキング制動トルクBPPが増大される。これにより、車輪11の回転をドラムブレーキ31によって十分に規制することができ、車両のずり下がりが抑制される。
以上、上記構成及び作用によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ドラムブレーキ31が車輪11にパーキング制動トルクを付与可能な状態で車両が停止しているときに、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化が検出されると、トルク増大処理が実施される。すると、ドラムブレーキ31の作動によって、ドラム50にブレーキシュー51A,51Bを押し付ける力が大きくなる。その結果、ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクの減少が抑制され、停止中の車両が不用意に移動しにくくなる。
しかも、本実施形態の車両の制動システム10にあっては、上記車両の状態変化を、一般的に車両に設けられている既存のセンサを用いて検出している。したがって、ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクの変化を直接的に検出する検出系をパーキングブレーキ30に設けることなく、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる。
(2)具体的には、液圧センサ102によってブレーキ液圧Pmcの減少が検知されたことを契機に、トルク増大処理が実施される。すなわち、サービス制動トルクの減少が検知されると、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示す可能性があると判断されるため、トルク増大処理が実施される。したがって、車両に設けられている既存のセンサの1つである液圧センサ102による検出結果を用いることにより、トルク増大処理を適切なタイミングで開始させることができる。
(3)ドラムブレーキ31に付与される回転トルクは、ブレーキ液圧Pmcの減少量が多いほど大きくなりやすい。そこで、ブレーキ液圧Pmcの減少を契機にトルク増大処理を実施する際、パーキングブレーキ30のモータ32の駆動量は、ブレーキ液圧Pmcの減少量が多いほど多くされる。そのため、トルク増大処理を実施することにより、停止中の車両の不用意な移動の抑制効果を高めることができる。
(4)また、ブレーキ液圧Pmcが減少されても、ブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh以上であるときには、たとえサービス制動トルクの減少によってドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大されても、車両の停止状態を維持することができるため、トルク増大処理が実施されない。したがって、ドラムブレーキ31のモータ32の駆動機会の増大が抑制され、パーキングブレーキ30の長寿命化に貢献することができる。
(5)本実施形態の車両の制動システム10では、ドラムブレーキ31が車輪11にパーキング制動トルクを付与可能な状態で車両が登坂路で停止しているときに、自動変速機のレンジが走行レンジからニュートラルレンジに変更されると、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示す可能性があるため、トルク増大処理が実施される。そして、このようにトルク増大処理を実施することにより、パーキング制動トルクBPPの減少が抑制され、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる。
(6)また、本実施形態の車両の制動システム10では、ドラムブレーキ31が車輪11にパーキング制動トルクを付与可能な状態で車両停止しているときに、Gセンサ値Gxの変化が検知されると、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示す可能性があるため、トルク増大処理が実施される。そのため、例えば停車中に車両重量が増えたとしても、車両重量の増加に起因するGセンサ値Gxの変化をトリガーとしてトルク増大処理が実施されることにより、パーキング制動トルクBPP減少が抑制され、停止中の車両の不用意な移動を抑制することができる。
(7)ドラムブレーキ31に付与される回転トルクは、Gセンサ値Gxの増大量が多いほど大きくなりやすい。そこで、Gセンサ値Gxの増大を契機にトルク増大処理を実施する際、パーキングブレーキ30のモータ32の駆動量は、Gセンサ値Gxの増大量が多いほど多くされる。そのため、トルク増大処理を実施することにより、停止中の車両の不用意な移動の抑制効果を高めることができる。
(8)ただし、車両の停止している路面が坂路ではない場合、ドラムブレーキ31が車輪11に付与可能なパーキング制動トルクが減少されても停止中の車両の不用意な移動が生じにくいため、トルク増大処理が実施されない。したがって、ドラムブレーキ31のモータ32の駆動機会の増大が抑制され、パーキングブレーキ30の長寿命化に貢献することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・車両の停止している路面が坂路ではない場合であっても、ブレーキ液圧Pmcの減少、Gセンサ値Gxの変化及び自動変速機のレンジの変更によって、ドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示す可能性があると判断されたときには、トルク増大処理を実施するようにしてもよい。
・Gセンサ値Gxの変化を契機にトルク増大処理を実施する場合、Gセンサ値Gxの変化量によらず、トルク増大処理の実施時におけるモータ32の駆動量を一定としてもよい。
・ブレーキ液圧Pmcの減少を契機にトルク増大処理を実施するのであれば、Gセンサ値Gxが変化してもトルク増大処理を実施しなくてもよい。
・上記実施形態では、自動変速機のレンジが走行レンジからニュートラルレンジに変更された際、Gセンサ値Gxの変化の有無に拘わらず、トルク増大処理を実施するようにしていた。しかし、これに限らず、自動変速機のレンジが走行レンジからニュートラルレンジに変更されてもGセンサ値Gxの変化が検知されないときには、トルク増大処理を実施しなくてもよい。
・ブレーキ液圧Pmcの減少やGセンサ値Gxの変化を契機にトルク増大処理を実施するのであれば、自動変速機のレンジが走行レンジからニュートラルレンジに変更されてもトルク増大処理を実施しなくてもよい。
・ブレーキ液圧Pmcの減少が検知されたときには、同ブレーキ液圧Pmcが停止維持ブレーキ液圧PmcTh以上であってもトルク増大処理を実施するようにしてもよい。
・ブレーキ液圧Pmcの減少を契機にトルク増大処理を実施する場合、ブレーキ液圧Pmcの減少量によらず、トルク増大処理の実施時におけるモータ32の駆動量を一定としてもよい。
・Gセンサ値Gxの変化を契機にトルク増大処理を実施するのであれば、ブレーキ液圧Pmcが減少してもトルク増大処理を実施しなくてもよい。
・車両の中には、サービス制動トルクの変化を検出することのできるセンサとして、ブレーキペダル21の操作量を検知する操作量センサを備える車両も知られている。こうした車両にあっては、操作量センサによってブレーキペダル21の操作量の減少が検知されたときには、サービス制動トルクが減少されるため、トルク増大処理を実施するようにしてもよい。この場合、「ブレーキペダル21の操作量の減少」が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両操作」の一例であり、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化」の一例である。すなわち、操作量センサにより、「車両操作検出手段」及び「車両状態検出手段」の一例が構成される。また、操作量センサが、「変化検出センサ」としても機能することとなる。
・また、ブレーキスイッチ101によって運転者によるブレーキ操作の解消が検知されたときに、トルク増大処理を実施するようにしてもよい。この場合、「ブレーキペダル21の操作量の減少」が、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両操作」の一例であり、「停車中においてドラムブレーキ31に付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化」の一例である。すなわち、ブレーキスイッチ101により、「車両操作検出手段」及び「車両状態検出手段」の一例が構成される。また、ブレーキスイッチ101が、「変化検出センサ」としても機能することとなる。
・車両に、前輪の接地荷重と後輪の接地荷重との変化に起因する車両の傾斜度合いを検出するセンサが設けられている場合、当該センサによる検出結果に基づいてトルク増大処理を実施するようにしてもよい。
・車両の中には、運転者によってブレーキペダル21が操作されていないときでも車両を停止させるべくブレーキアクチュエータ23を作動させる自動ブレーキ機能を有する車両も知られている。そして、こうした車両にあっては、自動ブレーキ機能によるブレーキアクチュエータ23の作動によって車両が停止された後に、パーキングブレーキ30が作動されることがある。この場合、パーキングブレーキ30の作動終了後に、ブレーキアクチュエータ23がサービス制動トルクを減少させるべくブレーキアクチュエータ23が作動されることがある。こうした場合であっても、サービス制動トルクの減少を契機にトルク増大処理を実施させるようにしてもよい。なお、こうした構成を採用した場合、ブレーキアクチュエータ23の作動を検知する検出系により、「車両状態検出手段」の一例が構成されることとなる。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記ドラムブレーキよりも径方向外側に配置されているディスクブレーキを備え、
前記ディスクブレーキが車輪に付与している制動トルクをサービス制動トルクとした場合、
前記車両状態検出手段は、前記サービス制動トルクの変化を検出する手段を含んでおり、
前記制御装置は、前記ドラムブレーキの作動を伴う車両の停止中において、前記車両状態検出手段によって前記サービス制動トルクの減少が検知されたときに、前記トルク増大処理を実施することが好ましい。
この構成によれば、ドラムブレーキの作動を伴う車両の停止中に、上記サービス制動トルクが自動的に減少された場合であっても、トルク増大処理の実施によって、ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクの減少を抑制することができる。
10…制動システム、11…車輪、24…ディスクブレーキ、30…パーキングブレーキ、31…ドラムブレーキ、32…モータ、100…制御装置、101…車両状態検出手段及び車両操作検出手段の一例であるブレーキスイッチ(変化検出センサ)、102…車両状態検出手段及び車両操作検出手段の一例である液圧センサ(変化検出センサ)、104…車両状態検出手段及び車両操作検出手段の一例であるシフトポジションセンサ、105…車両状態検出手段の一例である加速度センサ、BPP…パーキング制動トルク、Gx…車両の加速度であるGセンサ値、Pmc…サービス制動トルクと相関するブレーキ液圧、PmcTh…目標制動トルクと相関する停止維持ブレーキ液圧。

Claims (8)

  1. 電動式のパーキングブレーキと、同パーキングブレーキを制御する制御装置と、を備え、
    前記パーキングブレーキは、車輪に対して設けられているドラムブレーキと、同ドラムブレーキの動力源であるモータと、を有する車両の制動システムであって、
    車両には、停車中において前記ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両の状態変化を検出する車両状態検出手段が、前記パーキングブレーキの外部に設けられており、
    前記制御装置は、
    前記ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、前記車両状態検出手段によって前記車両の状態変化が検出されたときに、
    前記モータを駆動させ、同ドラムブレーキが車輪に付与可能な制動トルクを増大させるトルク増大処理を実施する
    ことを特徴とする車両の制動システム。
  2. 前記車両状態検出手段は、停車中において前記ドラムブレーキに付与される回転トルクが増大傾向を示すような車両操作を、前記車両の状態変化として検出する車両操作検出手段を含んでおり、
    前記制御装置は、前記ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、前記車両操作検出手段によって前記車両操作が検知されたときに、前記トルク増大処理を実施する
    請求項1に記載の車両の制動システム。
  3. 前記ドラムブレーキよりも径方向外側に配置されているディスクブレーキを備え、
    前記ディスクブレーキが車輪に付与している制動トルクをサービス制動トルクとした場合、
    前記車両操作検出手段は、前記サービス制動トルクの変化を、前記車両操作として検出する変化検出センサを含んでおり、
    前記制御装置は、前記ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、前記変化検出センサによって前記サービス制動トルクの減少が検知されたときに、前記トルク増大処理を実施する
    請求項2に記載の車両の制動システム。
  4. 前記制御装置は、前記トルク増大処理の実施時に、前記サービス制動トルクの減少量が多いほど前記モータの駆動量を多くする
    請求項3に記載の車両の制動システム。
  5. 前記制御装置は、
    車両の停止を維持させるための制動トルクである目標制動トルクを算出し、
    前記サービス制動トルクの減少によって同サービス制動トルクが前記目標制動トルク未満になるときには、前記トルク増大処理を実施する一方、
    前記サービス制動トルクが減少されても同サービス制動トルクが前記目標制動トルク以上であるときには、前記トルク増大処理を実施しない
    請求項3又は請求項4に記載の車両の制動システム。
  6. 前記車両状態検出手段は、車両の加速度を、前記車両の状態変化として検出する加速度センサを含んでおり、
    前記制御装置は、前記ドラムブレーキが車輪に制動トルクを付与可能な状態での車両停止中において、前記加速度センサによって車両の加速度の変化が検出されたときに、前記トルク増大処理を実施する
    請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制動システム。
  7. 前記制御装置は、前記トルク増大処理の実施時に、前記加速度センサによって検出される車両の加速度の変化量が多いほど前記モータの駆動量を多くする
    請求項6に記載の車両の制動システム。
  8. 前記制御装置は、車両の停止している路面が坂路ではないときには、前記車両状態検出手段によって前記車両の状態変化が検出されても、前記トルク増大処理を実施しない
    請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の車両の制動システム。
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