JP2016043298A - アルミニウム酸化物膜塗布形成用組成物、アルミニウム酸化物膜を有する物品の製造方法、及びアルミニウム酸化物膜を有する物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒に溶解した溶液に、前記有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.40〜1.30の範囲で水を添加して部分的に加水分解して得られる部分加水分解物を含有した組成物を、不活性ガス雰囲気下で基材表面に塗布し、得られた塗布物を400℃以下で加熱するアルミニウム酸化物膜の製造方法。
(式中、R1は水素、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐したアルキル基、R2 、R3 は独立に、水素、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基を表す。)
【選択図】なし
Description
[1]
(A)下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒中で部分的に加水分解して、前記有機アルミニウム化合物の部分加水分解物を含有する組成物を得る工程、但し、前記部分加水分解は、前記有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.4〜1.3の範囲で水を用いて行う、
(B)前記部分加水分解物含有組成物を不活性ガス雰囲気下で基材の少なくとも一部の表面に塗布して塗布膜を形成する工程、
(C)前記塗布膜を形成した基材を不活性ガス雰囲気下、400℃以下の温度で加熱して、アルミニウム酸化物膜を形成する工程
を含むアルミニウム酸化物膜を有する物品の製造方法。
[2]
前記工程(B)および(C)で用いる不活性ガス雰囲気は、実質的に水分を含有しない、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記工程(B)における前記部分加水分解物含有組成物の塗布を20〜350℃の範囲の温度で行う、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
前記工程(C)おける加熱温度は、40〜400℃の範囲である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
前記工程(B)で得られた塗布基材を不活性ガス雰囲気下、20〜200℃の温度で加熱して、塗布膜中の少なくとも一部の有機溶媒を除去した後に、工程(C)に供してアルミニウム酸化物膜を形成する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記工程(A)において、前記有機アルミニウム化合物と水を混合した後に、混合物を30〜80℃の温度で加熱して部分加水分解物を含有する組成物を得る、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記工程(A)で調製した部分加水分解物含有組成物をろ過して不溶物を除去した後に、工程(B)に用いる、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
スプレー塗布法、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、スロットコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、静電塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法による方法で、組成物を基材に塗布する[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
前記部分加水分解物調製に用いる有機溶媒が、炭化水素化合物および/または電子供与性溶媒を含有する有機溶媒である[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]
前記工程(A)で調製した部分加水分解物含有組成物中の部分加水分解物の濃度が0.1〜30質量%の範囲である[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]
前記工程(A)で用いる前記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物は、式中のR1がメチル基またはエチル基である、[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]
前記工程(A)で用いる前記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物がトリエチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムを含有する有機アルミニウム化合物の混合物である、[1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]
前記工程(B)で用いる前記基板がガラス製基板または樹脂製基板である、[1]〜[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14]
下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒中で部分的に加水分解して得られた、前記有機アルミニウム化合物の部分加水分解物を含有する組成物であって、
(a)前記部分加水分解は、前記有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.4〜1.3の範囲で水を用いて行われ、かつ
(b)前記組成物は、膜塗布形成が不活性ガス雰囲気下で行われるアルミニウム酸化物膜の形成に用いるための物である、前記組成物。
[15]
前記不活性ガス雰囲気下で行われる膜塗布形成は、(b1)前記部分加水分解物含有組成物を不活性ガス雰囲気下で基材の少なくとも一部の表面に塗布して塗布膜を形成する工程、および
(b2)前記塗布膜を形成した基材を不活性ガス雰囲気下、400℃以下の温度で加熱して、アルミニウム酸化物膜を形成する工程、を含む、[14]に記載の組成物。
[16]
細孔径が3μm以下であるフィルターを用いてろ過した、不溶物を実質的に含有しない、[14]または15に記載の組成物。
[17]
基材に密着した透明なアルミニウム酸化物膜を形成するための[14]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]
請求項1〜13のいずれかに記載の方法、または[14]〜[17]のいずれかに記載の組成物を用いて不活性ガス雰囲気下で製造した、アルミニウム酸化物膜を有する物品。
[19]
前記物品がアルミニウム酸化物膜を基材に付着した複合体またはアルミニウム酸化物膜とアルミニウム酸化物膜以外の層とを有する複合膜を基材に付着した複合体である[18]に記載のアルミニウム酸化物膜を有する物品。
(A)下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒中で部分的に加水分解して、前記有機アルミニウム化合物の部分加水分解物を含有する組成物を得る工程、但し、前記部分加水分解は、前記有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.4〜1.3の範囲で水を用いて行う、
(B)前記部分加水分解物含有組成物を不活性ガス雰囲気下で基材の少なくとも一部の表面に塗布して塗布膜を形成する工程、
(C)前記塗布膜を形成した基材を不活性ガス雰囲気下、400℃以下の温度で加熱して、アルミニウム酸化物膜を形成する工程
工程(A)では、一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒中で部分的に加水分解して、前記有機アルミニウム化合物の部分加水分解物を含有する組成物を得る。
工程(A)で得られた部分加水分解物含有組成物を不活性ガス雰囲気下で基材の少なくとも一部の表面に塗布して塗布膜を形成する。
一方、水分や酸素が完全にない場合には、一般式(2)に示される部分加水分解物の構造において、Al−Qの部位が未反応となり膜に残存する場合があるため、得られた膜の均質性等、所望の物性が損なわれない範囲での水分及び酸素の共存は許容される。具体的には、不活性ガス雰囲気中の水分及び酸素として、それぞれ1000ppm以下、好ましくは400ppm以下とすることができる。
この塗布やその後の溶媒乾燥の際に、特に溶媒が残存している状況において、不活性ガス雰囲気中の水分や酸素が前述の数値よりも大きい場合、部分加水分解物と水分および酸素との反応が過剰に進行し、膜形成の前に付着物が粉状化したり、膜の透明性が損なわれるなど、得らえたアルミニウム酸化物膜の均質性や密着性が悪くなるため好ましくない。
さらに、これら機材は透明、半透明、不透明のいずれでもよい。
基材がプラスチックフィルムの場合には、ポリマーの種類によって無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。例えば、ポリエステルフィルム例えばPETフィルムは、通常、二軸延伸フィルムであり、またPCフィルム、トリアセテートフィルム、セロファンフィルム等は、通常、無延伸フィルムである。
工程(C)では、前記塗布膜を形成した基材を不活性ガス雰囲気下、400℃以下の温度で加熱して、アルミニウム酸化物膜を形成する。
基材表面へ塗布液を塗布した後、基材を所定の温度とし、溶媒を乾燥した後、または乾燥と同時に、所定の温度で加熱することによりアルミニウム酸化物膜を形成させる。但し、溶媒の乾燥は、工程(B)においても実質的には既に一部進行している。特に、工程(B)の塗布を比較的高温で行う場合には、工程(B)において溶媒の乾燥がほぼ完了している場合もある。
工程(B)と同様、工程(C)においても、水分や酸素が完全にない場合には、一般式(2)に示される部分加水分解物の構造において、Al−Qの部位が未反応となり膜に残存する場合があるため、得られた膜の均質性等、所望の物性が損なわれない範囲での水分及び酸素の共存は許容される。具体的には、不活性ガス雰囲気中の水分及び酸素として、それぞれ1000ppm以下、好ましくは400ppm以下とすることができる。
工程(C)においても、加熱の際に溶媒が残存している状況において、不活性ガス雰囲気中の水分や酸素が前述の数値よりも大きい場合、部分加水分解物と水分および酸素との反応が過剰に進行し、膜形成の前に付着物が粉状化したり、膜の透明性が損なわれるなど、得らえたアルミニウム酸化物膜の均質性や密着性が悪くなるため好ましくない。
本発明のアルミニウム酸化物膜膜塗布形成用組成物を用いれば、前述の不活性ガス雰囲気で塗布および加熱を行うだけで成膜温度が低温でも、基材への密着性に優れ、酸化物の形成状態が良好なアルミニウム酸化物膜を形成することができる。
これらアルミニウム酸化物膜は基板等の耐熱温度が許容されれば、成膜後の後処理によって一般的に知られている1000℃以上での高い温度での加熱等の手法により結晶化させることも可能である。
製造されたアルミニウム酸化物膜は基材への密着性に優れ、酸化物の形成状態が良好である。そのため、アルミニウム酸化物膜を基材に付着した複合体(物品)や、アルミニウム酸化物膜とアルミニウム酸化物膜以外の層とを有する複合膜を基材に付着した複合体(物品)とすることができる。複合膜は、アルミニウム酸化物を含む機能膜として用いることが出来る。例えば、電子材料用アルミナシート、アルミニウム酸化物膜の作製、触媒担体の作製、耐熱性付与、空気、水分に対するバリア性付与、反射防止効果付与、帯電防止効果付与、防曇効果付与、耐摩耗性等の付与、セラミック製造用バインダー等の用途に供することが出来る。具体的には、機械部品や切削工具の保護膜、半導体、磁性体、太陽電池等の絶縁膜、誘電体膜、反射防止膜、表面デバイス、磁気ヘッド、赤外線等のセンサー素子、食品、薬品、医療器材等の包装材料における空気・水分等へのバリア膜、各種粉体、フィルム、ガラスやプラスチックを素材としたフィルムや成形体等の基材へのコーティング膜およびこれらを用いた耐熱材料や高硬度フィルム、光学部材、セラミック製造用バインダー等の用途に使用されるアルミニウム酸化物膜などの、基材に対して種々の機能性を付与することができる機能膜の一部又は全部として適用することができる。
さらにこれらのアルミニウム酸化物膜やアルミニウム酸化物を含む機能膜を有する基材は、耐熱フィルム等の耐熱材料、絶縁材料、水分や酸素等へのバリアフィルム等の材料、反射防止フィルム、ガラス等の反射防止材料、高硬度フィルムや材料として利用が可能である。
トリエチルアルミニウムのモル数=トリエチルアルミニウムのモル数=〔使用したトリエチルアルミニウム(市販品)の重量(g)〕/〔トリエチルアルミニウムの分子量(114.16)〕
−アルミニウム酸化物膜の膜厚は、触針式表面形状測定器による測定または薄膜断面のSEM測定により行った。
−成膜したアルミニウム酸化物膜の基材への密着性は、、JIS K 5600−5−6「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」またはスコッチテープR(3M社製)、セロハンテープ等の粘着テープを用いた基材に塗布製膜したアルミニウム酸化物膜へのテープ貼り・剥がしによる剥離試験により確認した。
−薬液の反応性は、温度(20℃)および湿度(50%)が一定な無風大気中において濾紙に薬液を滴下し、濾紙上での反応性を目視で確認した。
−窒素雰囲気中の水分値は、露点測定を行い、体積%に換算した値とした。
−成膜時の塗布および溶媒乾燥や加熱における窒素雰囲気は、特に断りのない場合以外は、窒素ガス中の水分が100ppm(露点温度−42℃)〜375ppm(露点温度−30℃)の範囲となるように制御した。なお、設定を調整することで、5ppm(露点温度−66℃)〜375ppm(露点温度−30℃)の範囲内に調整とすることも可能である。
テトラヒドロフラン(THF)73.2gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)11.35g を室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20℃前後となるように反応による発熱を除熱しながら、水1.08gを含有したTHF溶液36.6gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.6になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
実施例1において、塗布成膜の操作を3回繰り返し、300℃において同様に膜を得た。300℃において加熱して得られたアルミニウム酸化物膜の550nmにおける垂直透過率は94%であった。
テトラヒドロフラン(THF)74.18gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)27.94gを室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20℃前後となるように反応による発熱を除熱しながら、水4.41gを含有したTHF溶液38.04gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
実施例1において、塗布後の加熱温度を450℃又は500℃で行って得られたアルミニウム酸化物膜の550nmにおける垂直透過率は、それぞれ、79および78%の値を得た。塗布膜の加熱温度は400℃以下が好ましいことが明らかになった。
実施例3において、塗布成膜の操作を3回繰り返し、350℃において同様に膜を得た。350℃において加熱して得られたアルミニウム酸化物膜の550nmにおける垂直透過率は84%の値を得た。
テトラヒドロフラン(THF)150gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)15.0gを室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液(組成物1)を得た。
実施例3において、水4.41gを加えないこと以外は、実施例3と同様にして、TEALの部分加水分解を行っていないTEAL/THF溶液(組成物2)を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙に焦げが見られ、部分加水分解を行っていないTEAL/THF溶液は、高いAl濃度の溶液の取扱いが困難であることが判明した。
実施例2において、テトラヒドロフラン(THF)の使用量を70.0g、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)27.94gの代わりにアルミニウムトリイソプロポキシド32.9g、および水4.41gを含有したTHF溶液38.04gの代わりに水2.9gを含有したTHF溶液11.6gを、水のアルミニウムトリイソプロポキシドが含有するAlに対するモル比(水/Al)が1になるように滴下すること以外は、実施例2と同様の手法を用いてアルミニウムトリイソプロポキシドを部分加水分解した溶液を得ることを試みたが、大量の白色の不溶物が析出し、均一な塗布溶液として十分なAl濃度を含有しているものを得ることが出来なかった。
実施例2において、テトラヒドロフラン(THF)74.18gの代わりにトルエン70.0g、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)27.94g の代わりにアルミニウムトリイソプロポキシド32.3g、水4.41gを含有したTHF溶液38.04gの代わりに水2.84gを含有したTHF溶液11.4gを、水のアルミニウムトリイソプロポキシドに対するモル比が1になるように滴下すること以外は、実施例2と同様の手法を用いてアルミニウムトリイソプロポキシドを部分加水分解した溶液を得ることを試みた。得られた反応生成物からは、大量の白色の不溶物が析出し、均一な塗布溶液として十分なAl濃度を含有しているものを得ることが出来なかった。
テトラヒドロフラン(THF)73.21gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)11.35gを室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20〜26℃の温度の範囲で反応による発熱を除熱しながら、水2.09gを含有したTHF溶液36.60gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.17になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
実施例5において、塗布成膜の操作を3回繰り返し、300℃において同様に膜を得た。300℃において加熱して得られたアルミニウム酸化物膜の550nmにおける垂直透過率は98%であった。
トルエン166.7gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)23.5g を室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、16〜27℃で発熱を除熱により制御しながら、水3.92gを含有したTHF溶液19.54gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.06になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
実施例7において、ポリプロピレン(PP)フィルム板の代わりに、アクリル板を用いて、加熱温度を50℃として、実施例3と同様の手法でアクリル板に膜を成膜した。得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、組成物D中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認した。得られた膜の密着性について、実施例7と同様の試験で確認したところ、クロスカット法による試験からは「分類1」であり、強い膜の剥がれは確認されず、本組成物によって成膜した膜の密着性が高いことを確認した。
実施例1において、テトラヒドロフラン(THF)の使用量を108.45g、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)の使用量を15.13g、水1.08gを含有したTHF溶液36.6gの代わりに水0.95gを含有したTHF溶液48.8gとし、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.4になるように滴下すること以外は、実施例1と同様の手法を用いて反応を行い、無色透明溶液を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
実施例9において、水0.95gの代わりに水1.44gとし、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.6になるように滴下すること以外は、実施例9と同様の手法を用いて、無色透明溶液を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物F)を得た。
実施例9において、水0.95gの代わりに水1.91gとし、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.8になるように滴下すること以外は、実施例9と同様の手法を用いて、無色透明溶液を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物G)を得た。
実施例9において、水0.95gの代わりに水2.79gとし、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.17になるように滴下すること以外は、実施例9と同様の手法を用いて、無色透明溶液を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物H)を得た。
実施例9において、水0.95gの代わりに水2.98gとし、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.25になるように滴下すること以外は、実施例9と同様の手法を用いて、無色透明溶液を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物I)を得た。
テトラヒドロフラン(THF)79.92gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)11.35gを室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20℃前後となるように反応による発熱を除熱しながら、水1.79gを含有したTHF溶液36.60gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物J)を得た。
テトラヒドロフラン(THF)67.5gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)24.07g を室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20〜27℃において反応による発熱を除熱しながら、イソプロパノール12.67gを撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、18℃まで冷却し、20℃前後となるように反応による発熱を除熱しながら、水3.8gを含有したTHF溶液30.05gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。また、得られた溶液の一部を真空乾燥により溶媒等を除去した後の残存物について、1H-NMR(図7)および27Al−NMR(図8)(いずれもBenzene−d6,ppm)により分析し、生成物の構造中にイソプロポキシ基が存在していることを確認した。
このようにして、構造中にイソプロポキシ基を有したトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物K)を得た。
このイソプロポキシ基を有したトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物K)5g分取し、イソプロパノール5gを加えて十分に混合したが均一溶液のままであった。このように構造中にイソプロポキシ基を有したトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物K)はイソプロパノールのようなアルコールを溶媒とすることができる。
実施例15で得られた構造中にイソプロポキシ基を有したトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物K)を2.14g分取し、これからTHFを除去し、0.943gまで溶液を濃縮した。得られた濃縮物は透明のゲル状固形物であった。この濃縮物に0.25gトルエンを加えて混合したところ、固形物は溶解して均一溶液となった。このように、アルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物K)に含まれるイソプロポキシ基を有したトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物は、有機溶媒に不溶なアルミニウム酸化物や水酸化物等の無機物質を含んでいない。
実施例2で得らえたトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物B)を5g分取し、これに撹拌しながら室温(20℃)でイソプロパノール5gを添加し、反応で生成するエタンが発生しなくなるまで反応を行った。得られた溶液は均一であり、また、得られた溶液の一部を真空乾燥により溶媒等を除去した後の1H-NMR(Benzene−d6,ppm)を分析し、生成物の構造中にイソプロポキシ基が存在していることを確認した。
1,2−ジエトキシエタン74.1gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)27.91gを室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20℃前後となるように反応による発熱を除熱しながら、水4.41gを含有したTHF溶液38gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は薄い黄色の透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物M)を得た。
テトラヒドロフラン(THF)74.1gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)27.91g を室温で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、20〜27℃において反応による発熱を除熱しながら、水4.41gを含有したTHF溶液38gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を18℃まで冷却し、18〜20℃で反応による発熱を除熱しながら、イソプロパノール14.69gを撹拌しながら滴下した。その後、65℃まで加熱して65℃で2.5時間反応させた。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
トルエン10.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)1.31g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.21gを含有したTHF溶液1.03gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、25℃で18時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。た、得られた溶液の一部を真空乾燥により溶媒等を除去して得られたトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を主成分とする残存物について、1H-NMRおよび27Al−NMR(いずれもBenzene−d6,ppm)により分析し、図10(1H-NMR)および図11(27Al−NMR)の各スペクトルを得た。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物O)を得た。
実施例21において、50℃で10分間加熱する雰囲気を窒素雰囲気から空気中で行ったこと以外は実施例22と同様の手法でポリプロピレン(PP)フィルムに膜を成膜した。
得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、組成物O中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認した。得らえた膜は透明であった。
得られた膜の密着性について、実施例21と同様の試験で確認したところ、強い膜の剥がれは確認されず、本組成物によって成膜した膜の密着性が高いことを確認した。
実施例21において、ポリプロピレン(PP)フィルム(15mm角(厚さ30μm)の代わりに、多孔質ポリプロピレン(PP)フィルム(2次電池セパレータ用:15mm角(厚さ20μm))を用いて、実施例21および22と同様の手法で多孔質ポリプロピレン(PP)フィルムに膜を成膜した。
得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、組成物O中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認した。図12に窒素雰囲気中において50℃の加熱によって得られた膜、図13に空気雰囲気中において50℃の加熱によって得られた膜、図14に膜を成膜していない多孔質ポリプロピレン(PP)フィルムのみのそれぞれのATR−IR分析結果をそれぞれ示した。表面をEPMAで分析したところ、AlおよびO(酸素)の存在を確認した。
得られた膜の密着性について、実施例21と同様の試験で確認したところ、強い膜の剥がれは確認されず、本組成物によって成膜した膜の密着性が高いことを確認した。
実施例21において、ポリプロピレン(PP)フィルム(15mm角(厚さ30μm)の代わりに、18mm角(厚さ0.7mm)のガラス基板(コーニング社製、EagleXG(R))を用いて、実施例21および22と同様の手法でガラス基板に膜を成膜した。塗布後の加熱温度は、室温(加熱なし)、50、100、200、300、400、500℃の各温度で行った。
得られた膜の密着性について、実施例21と同様の試験で確認したところ、強い膜の剥がれは確認されず、本組成物によって成膜した膜の密着性が高いことを確認した。
実施例21において、ポリプロピレン(PP)フィルム(15mm角(厚さ30μm)の代わりに、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(15mm角(厚さ25μm)および30mm角(188μm))を用いて、実施例21および22と同様の手法でPETフィルムに膜を成膜した。塗布・乾燥後の加熱は、室温(加熱なし)、50、100、130℃の各温度で各々について2分間行った。
得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、組成物O中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認した。
100℃および130℃で得られた膜の密着性について、実施例21と同様の試験で確認したところ、強い膜の剥がれは確認されず、本組成物によって成膜した膜の密着性が高いことを確認した。
実施例21で調製した組成物Oを窒素雰囲気下で3.43g秤取し、トルエン2.29gを加えて撹拌して均一な溶液を得た。この均一溶液をトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物P)とした。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
トルエン10.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)3.13g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.49gを含有したTHF溶液2.46gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、25℃で18時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物Q)を得た。
トルエン10.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)5.83g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.91gを含有したTHF溶液4.55gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、25℃で18時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は白色の不溶物を含む無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる白色の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物R)を得た。
トルエン10.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)12.3g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水1.63gを含有したTHF溶液8.13gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、25℃で18時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は白色の不溶物を含む無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる白色の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物S)を得た。
テトラヒドロフラン(THF)10.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)1.31g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.21gを含有したTHF溶液1.03gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、25℃で18時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は白色の不溶物を含む無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる白色の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物T)を得た。
テトラヒドロフラン(THF)10.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)5.83gを室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.92gを含有したTHF溶液4.58gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0になるように撹拌しながら滴下した。その後、25℃で18時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は白色の不溶物を含む無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる白色の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物U)を得た。
テトラヒドロフラン(THF)20.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)2.22g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.42gを含有したTHF溶液3.50gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.2になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃に昇温し、65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は微量のゲル状の不溶物を含む無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物V)を得た。
この組成物Vをスピンコート法により18mm角(厚さ0.7mm)のガラス基板(コーニング社製、EagleXGR)表面上に塗布した。窒素雰囲気下、室温において、前記溶液50μlを前記ガラス基板に滴下し、回転数1000rpmで20秒間基板を回転させて溶液をガラス基板全体に塗布し、室温で乾燥の後、基板を所定の各温度で2分加熱することで溶媒を乾燥させると同時に膜を形成させた。
この膜のついた基板を大気中に取り出して、得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、アルミニウム酸化物膜の形成を確認した。得らえた膜はいずれも透過率が高く透明であり、各温度における加熱で得られた膜の550nmにおける垂直透過率は表6の値を得た。また、130℃で加熱した膜の膜厚を触針式表面形状測定器で測定したところ、178nmであった。
実施例32において、塗布成膜の操作を3回繰り返し、300℃において同様に膜を得た。300℃において加熱して得られたアルミニウム酸化物膜の550nmにおける垂直透過率は85%の値を得た。
テトラヒドロフラン(THF)20.0gに、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)1.05g を室温(25℃)で加えた。十分攪拌して得られたTEAL/THF溶液に、発熱に注意しながら、水0.20gを含有したTHF溶液1.66gを、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.2になるように撹拌しながら滴下した。その後、65℃に昇温し、65℃で2.5時間反応させた。反応終了後、放冷して反応生成物を回収した。反応後の生成物は微量のゲル状の不溶物を含む無色透明溶液であった。この生成物中に含まれる微量のゲル状の不溶物をフィルター(細孔:3μm以下)でろ過を行い、無色透明溶液を回収した。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物W)を得た。
この組成物Wを用いて、実施例33と同様の手法でガラス基板に塗布成膜を行い、表7の結果を得た。また、130℃で加熱した膜の膜厚を触針式表面形状測定器で測定したところ、146nmであった。
実施例34において、塗布成膜の操作を3回繰り返し、300℃において同様に膜を得た。300℃において加熱して得られたアルミニウム酸化物膜の550nmにおける垂直透過率は92%の値を得た。
実施例7で得られた、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.06になるようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物D)を用いて、アルミニウム酸化物膜を成膜する基材として、ポリプロピレン(PP)フィルム(30mm角(厚さ0.2mm))を用い、窒素雰囲気下、室温で前記溶液200μlを前記フィルムに滴下し、回転数500rpmで20秒間基板を回転させて溶液をフィルム全体に塗布し、溶媒の乾燥の後、基板を50、100および130℃の各温度で2分加熱することで溶媒を乾燥させると同時に膜を形成させた。
実施例21で得られた組成物O、実施例26で得られた組成物P、実施例27で得られた組成物Q、実施例28で得られた組成物R、実施例30で得られた組成物T、実施例31で得られた組成物U(組成物O、P、Q、R、TおよびUは、いずれも水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.0)の各トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物をそれぞれ用いて、実施例36と同様の手法でスピンコートにより膜を塗布成膜し、溶媒の乾燥の後、50、100、130℃の各温度で2分間加熱して、ポリプロピレン(PP)フィルム(30mm角(厚さ0.2mm))上に膜を形成した。
これらの膜のついた基板を大気中に取り出して、得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、各組成物中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認した。
実施例7で得られた組成物D(水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.06)、実施例9で得られた組成物E(同(水/TEAL)が0.4)、実施例10で得られた組成物F(同(水/TEAL)が0.6)、実施例11で得られた組成物G(同(水/TEAL)が0.8)、実施例12で得られた組成物H(同(水/TEAL)が1.17)、実施例13で得られた組成物I(同(水/TEAL)が1.25)の各トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物をそれぞれ用いて、実施例36と同様の手法でスピンコートにより膜を塗布成膜し、溶媒の乾燥の後、50、100、130℃の各温度で2分間加熱して、ポリプロピレン(PP)フィルム(30mm角(厚さ0.2mm))上に膜を形成した。
実施例1において、テトラヒドロフラン(THF)の使用量を108.45g、トリエチルアルミニウム(TEAL:東ソー・ファインケム株式会社製)の使用量を15.13g、水1.08gを含有したTHF溶液36.6gの代わりに水0.48gを含有したTHF溶液48.8gとし、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.2になるように滴下すること以外は、実施例1と同様の手法を用いて反応を行い、無色透明溶液を得た。薬液の反応性について、濾紙上での反応性を目視で確認したところ、濾紙の焦げ等は確認されなかった。
このようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物3)を得た。
このように、本比較例で使用した水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.2になるようにトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物は、実施例38で使用した水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.4〜1.25で得られた組成物に比べて、膜の成膜性・密着性が劣っていることを確認した。
アルミニウムトリイソプロポキシド18.38gにイソプロパノール90mlを加え、水1.62gを用いてアルミニウムトリイソプロポキシドに対するモル比が1になるように撹拌しながら室温で滴下した。その後、80℃に昇温し、80℃で3時間反応させた。反応終了後、冷却して内容物を回収したが、アルミニウムトリイソプロポキシドのほとんどが未反応物として回収された。
水109.25gを72℃に加熱し、アルミニウムトリイソプロポキシド41.8gを撹拌しながら加えた。85℃で4時間加熱し、その後、室温まで放冷した。溶液はゲル状であり、撹拌が困難であった。さらに60重量%硝酸を1.89g加えたところ白っぽいゲル状の物質を得た。この溶液を91℃で3時間加熱した。その後、室温まで放冷しゲル状の物質を得た。このゲル状物質の液中の分散が悪いため、水200gを加えて希釈し、乳白色に濁った半透明の液体とし、これを回収した(組成物4)。
実施例13において、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.27または1.29とになるように水/THF溶液を追加滴下したところ白色の不溶物が発生した(溶液中に占める固形物の体積で10%以下)。溶液を室温(20〜25℃)で3日放置後の組成物の外観を観察したところ、水/THF溶液を追加添加した際に発生した白色の不溶物の増加はほとんどなく、これらの不溶物を除去することでトリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含む均一な溶液としてアルミニウム酸化物膜製造用組成物を得ることが出来た(組成物X(水/TEAL=1.27)および組成物Y(水/TEAL=1.29)。これらの組成物は、本発明の実施例記載のスピンコート成膜やディップコート成膜により、ガラスや樹脂などの基材に塗布し、さらに加熱を行うことでアルミニウム酸化物膜を形成出来た。実施例9〜13で得た、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が0.4〜1.25でそれぞれ、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物についても、溶液を室温(20〜25℃)で3日放置後の組成物の外観を目視で観察したところ、溶液に変化は見られなかった。
実施例13において、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.31、1.33または1.35とになるように水/THF溶液を追加滴下したところ、白色の不溶物が大量に発生した(溶液中に占める体積で15%以上)。溶液を3日放置後の組成物の外観を観察したところ、溶液全体がゲル状化し、均一溶液部分がほとんどなく、溶液としての流動性がほとんどなくなった。このように水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が多い場合には、均一な溶液として組成物を得ることが出来なくなり、塗布剤としての使用が困難となった。
実施例39および比較例9において各水/TEAL(モル比)でのTEALの部分加水分解で得た反応生成物の外観と不溶物であるゲルの発生状況(調製直後および3日放置後)について表10および表11に結果を示す。
実施例7で得られた、水のTEALに対するモル比(水/TEAL)が1.06になるようにして、トリエチルアルミニウムを部分的に加水分解した生成物を含むアルミニウム酸化物膜製造用組成物(組成物D)を用いて、アルミニウム酸化物膜を成膜する基材として紙(薬包紙:(20mm角(厚さ31μm))を用いて、ディップコート法によって塗布を行った。窒素雰囲気下、紙を組成物Dに1秒間浸漬し紙を引き上げた後、紙に溜まった液を切り落とした。溶媒を室温乾燥後、200℃で2分間加熱し、紙に膜を成膜した。
得られた膜のついた紙を大気中に取り出して、得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、組成物D中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認した。得らえた膜をSEM分析を行ったところ、図21が得られ、紙の繊維の表面をアルミニウム酸化物がコートされていることが確認された。
実施例40において、アルミニウム酸化物膜を成膜する基材として紙(薬包紙:(20mm角(厚さ31μm))の代わりにを18mm角(厚さ0.7mm)のガラス基板(コーニング社製、EagleXG(R))を用いて、ディップコート法によって塗布を行った。窒素雰囲気下、ガラス基板を組成物Dに1秒間浸漬し、ガラス基板を引き上げた後、基板に溜まった液を切り落とした。溶媒を室温乾燥後、130℃で2分間加熱し、基板に膜を成膜した。この塗布・溶媒乾燥・加熱の一連の成膜操作時における窒素ガス雰囲気において、水分含有率は246〜304ppm(露点温度−32〜34℃)であった。
実施例41において、塗布・溶媒乾燥・加熱の一連の成膜操作時における窒素ガス雰囲気において、水分含有率を9312モルppm〜9778ppm(約1%)(露点温度−6〜−7℃)で行ったこと以外は実施例41と同様にして、ガラス基板に膜を成膜した。
得られた膜のついた基板を大気中に取り出して、得らえた膜をATR−IRにより分析を行い、組成物D中に含まれる溶媒やトリエチルアルミニウムの部分加水分解物に含まれるエチル基等の有機物由来のピークが確認されないことおよびアルミニウム酸化物膜の形成を確認したが、得らえたアルミニウム酸化物膜の一部が粉状となり、均質な膜として得ることが出来なかった。
実施例1、2、3、4、5、15、32、33、34において得られたアルミニウム酸化物膜のついたいずれの基材も、550nmでの垂直透過率が80%以上と高く、光学材料として利用が可能である。また、ガラス基板に成膜したアルミニウム酸化物膜は、成膜後にさらに500℃で加熱を行っても変質が見られず、耐熱材料としての利用が可能である。これらの膜の表面抵抗値を測定したところ、抵抗値が得られず導電性がないことから、絶縁材料としての利用が可能である。実施例24のアルミニウム酸化物膜のついた基材は成膜で得らえた膜表面に微小な凹凸を有することが確認され、反射防止効果、触媒担体としての利用が可能である。実施例7、8、21、22、23、24、25、36、37、38、40において、本発明の組成物で成膜したアルミニウム酸化物膜はガラスや樹脂および紙等の基材への密着性が高いことから、各種基材の保護膜や塗装や積層膜の下地等、アンダーコート膜、基材に積層可能な電子デバイス用膜等の利用が可能である。このように、本発明のアルミニウム酸化物膜のついた基材は、アルミニウム酸化物機能膜としての利用が可能である。
実施例1、2、3、4、5、6、15、24、32、33、34、35および39に記載のアルミニウム酸化物膜を有するガラス基板や、実施例7、8、21、22、23、25、36、37、38、39および40において得られたアルミニウム酸化物膜を有するポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリルといった樹脂の板およびフィルムや紙は、いずれも実施例42記載の機能を有するアルミニウム酸化物機能膜を有する基材として利用が可能である。
2・・・基材ホルダ(ヒーター付)、
3・・・スプレーノズル、
4・・・コンプレッサ−、
5・・・基材、
Claims (19)
- (A)下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒中で部分的に加水分解して、前記有機アルミニウム化合物の部分加水分解物を含有する組成物を得る工程、但し、前記部分加水分解は、前記有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.4〜1.3の範囲で水を用いて行う、
(B)前記部分加水分解物含有組成物を不活性ガス雰囲気下で基材の少なくとも一部の表面に塗布して塗布膜を形成する工程、
(C)前記塗布膜を形成した基材を不活性ガス雰囲気下、400℃以下の温度で加熱して、アルミニウム酸化物膜を形成する工程
を含むアルミニウム酸化物膜を有する物品の製造方法。
- 前記工程(B)および(C)で用いる不活性ガス雰囲気は、実質的に水分を含有しない、請求項1に記載の製造方法。
- 前記工程(B)における前記部分加水分解物含有組成物の塗布を20〜350℃の範囲の温度で行う、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記工程(C)おける加熱温度は、40〜400℃の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(B)で得られた塗布基材を不活性ガス雰囲気下、20〜200℃の温度で加熱して、塗布膜中の少なくとも一部の有機溶媒を除去した後に、工程(C)に供してアルミニウム酸化物膜を形成する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(A)において、前記有機アルミニウム化合物と水を混合した後に、混合物を30〜80℃の温度で加熱して部分加水分解物を含有する組成物を得る、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(A)で調製した部分加水分解物含有組成物をろ過して不溶物を除去した後に、工程(B)に用いる、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(B)での塗布膜形成は、スプレー塗布法、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、スロットコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、静電塗布法、インクジェット法、またはスクリーン印刷法により実施する請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(A)において部分加水分解物調製に用いる有機溶媒が、炭化水素化合物および/または電子供与性溶媒を含有する有機溶媒である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(A)で調製した部分加水分解物含有組成物中の部分加水分解物の濃度が0.1〜30質量%の範囲である請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(A)で用いる前記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物は、式中のR1がメチル基またはエチル基である、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(A)で用いる前記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物がトリエチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムを含有する有機アルミニウム化合物の混合物である、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(B)で用いる前記基板がガラス製基板または樹脂製基板である、請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
- 下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物を有機溶媒中で部分的に加水分解して得られた、前記有機アルミニウム化合物の部分加水分解物を含有する組成物であって、
(a)前記部分加水分解は、前記有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.4〜1.3の範囲で水を用いて行われ、かつ
(b)前記組成物は、膜塗布形成が不活性ガス雰囲気下で行われるアルミニウム酸化物膜の形成に用いるための物である、前記組成物。
- 前記不活性ガス雰囲気下で行われる膜塗布形成は、(b1)前記部分加水分解物含有組成物を不活性ガス雰囲気下で基材の少なくとも一部の表面に塗布して塗布膜を形成する工程、および
(b2)前記塗布膜を形成した基材を不活性ガス雰囲気下、400℃以下の温度で加熱して、アルミニウム酸化物膜を形成する工程、を含む、請求項14に記載の組成物。 - 細孔径が3μm以下であるフィルターを用いてろ過した、不溶物を実質的に含有しない、請求項14または15に記載の組成物。
- 基材に密着した透明なアルミニウム酸化物膜を形成するための請求項14〜16のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の方法、または請求項14〜17のいずれかに記載の組成物を用いて不活性ガス雰囲気下で製造した、アルミニウム酸化物膜を有する物品。
- 前記物品がアルミニウム酸化物膜を基材に付着した複合体またはアルミニウム酸化物膜とアルミニウム酸化物膜以外の層とを有する複合膜を基材に付着した複合体である請求項18に記載のアルミニウム酸化物膜を有する物品。
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