JP2016041821A - 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、該インク組成物の総質量に対して20〜70質量%の、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表される化合物と、該インク組成物の総質量に対して10〜20質量%の、分子内に脂環構造を有する重合性化合物及び分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物のうち少なくともいずれかと、を含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物である。
【選択図】なし
Description
[1]
紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、該インク組成物の総質量に対して20〜70質量%の、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表される化合物と、該インク組成物の総質量に対して10〜20質量%の、分子内に脂環構造を有する重合性化合物及び分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物のうち少なくともいずれかと、を含む、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[2]
前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物が、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、アダマンチルアクリレート、及びシクロヘキサンジメタノールモノアクリレートからなる群より選択される一種以上である、[1]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[3]
前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物が、テトラヒドロフルフリルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、ジオキソランアクリレート、及びジオキサングリコールジアクリレートからなる群より選択される一種以上である、[1]又は[2]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[4]
前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物と、前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物と、を共に含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[5]
前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して5質量%以上含まれ、かつ、前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して5質量%以上含まれる、[4]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[6]
前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物及び前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物のうち少なくともいずれかが、(メタ)アクリレート化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[7]
20℃における粘度が30mPa・s以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[8]
前記一般式(I)で表される化合物が、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、[1]〜[7]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
本発明の一実施形態に係る紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表される化合物(以下、「モノマーA」という。)と、分子内に脂環構造を有する重合性化合物及び分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物のうち少なくともいずれかと、をそれぞれ所定の含有量で含む。
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、単独で、又は後述する光重合開始剤の作用により、光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態において必須の重合性化合物であるモノマーAは、分子中にビニル基及び(メタ)アクリル基を共に有する化合物であり、上記一般式(I)で示される。このモノマーAは、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と換言することができる。
本実施形態のインク組成物は、分子内に脂環構造を有する重合性化合物を含み得る。
本実施形態のインク組成物は、分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物を含み得る。
上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸、並びにそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記その他の重合性化合物は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、50〜85質量%含まれるとよい。
本実施形態のインク組成物は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤として、以下に限定されないが、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物、p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジーブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、及び2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物、フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、及びジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、及びピクリン酸などのニトロ化合物、キノンジオキシム及びシクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物、フェノチアジン等の硫黄化合物が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。上述の重合性化合物として光重合性の化合物を用いることにより、光重合開始剤の添加を省略することが可能である。しかし、光重合開始剤を用いた方が、重合の開始を容易に調整することができ、好適である。
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含むことが好ましい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、LUBRIZOL社製のソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、スリップ剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−377、BYK−UV3500(以上、BYK社製)、KF−615A(信越化学社製)を挙げることができる。
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
被記録媒体とは、本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物が、後述するインクジェット記録方法を利用して、吐出される対象物のことを言う。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。後述のインクジェット記録方法は、水溶性インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水溶性インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該インク組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
インクジェット記録方法は、本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を用いるものである。当該インクジェット記録方法は、被記録媒体上に、上記実施形態のインク組成物を吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
上記吐出工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。インク組成物の吐出の際、インク組成物の20℃における粘度を、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは10〜20mPa・sとすることが好ましい。インク組成物の20℃下での粘度が上記範囲内であれば、インク組成物の温度を室温で、あるいはインク組成物を加熱せずに吐出させたとしても、吐出不良を防止することができる。
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、紫外線(光)の照射によって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、光重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、光重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
なお、上記の際、照射エネルギーは、500mJ/cm2以下が好ましく、300〜100mJ/cm2がより好ましい。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。
下記の実施例及び比較例において使用した原料は、以下の通りである。
〔重合性化合物〕
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA〔商品名〕、日本触媒社(Nippon Shokubai Co., Ltd.)製商品名、以下では「VEEA」と略記した。)
・トリプロピレングリコールジアクリレート(APG−200〔商品名〕、新中村化学社(SHIN-NAKAMURA CHEMICAL CO., LTD.)製、表1〜4では「TPGDA」と略記した。)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(APG−100〔商品名〕、新中村化学社製、表1〜4では「DPGDA」と略記した。)
・シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(CD406〔商品名〕、SARTOMER社製、表1〜4では「CHDMDA」と略記した。)
・トリメチルシクロヘキシルアクリレート(CD420〔商品名〕、SARTOMER社製、表1〜4では「TMCHA」と略記した。)
・テトラヒドロフルフリルメタクリレート(SR230〔商品名〕、SARTOMER社製、表1〜4では「THFMA」と略記した。)
・イソボルニルアクリレート(IBXA〔商品名〕、大阪有機化学工業社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製、表1〜4では「IBXA」と略記した。)
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(SR833〔商品名〕、SARTOMER社製、表1〜4では「TCDDMDA」と略記した。)
・アダマンチルアクリレート(アダマンテートHA〔商品名〕、出光興産社(Idemitsu Kosan Co.,Ltd.)製、表1〜4では「AdA」と略記した。)
・シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(CHDMMA〔商品名〕、日本化成社製、表1〜4では「CHDMMA」と略記した。)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート(V#150〔商品名〕、大阪有機化学工業社製、表1〜4では「THFA」と略記した。)
・γ−ブチロラクトンアクリレート(GBLA〔商品名〕、大阪有機化学工業社製、表1〜4では「GBLA」と略記した。)
・ジオキソランアクリレート(MEDOL−10〔商品名〕、大阪有機化学工業社製、表1〜4では「DOLA」と略記した。)
・ジオキサングリコールジアクリレート(SR508〔商品名〕、SARTOMER社製、表1〜4では「DOGDA」と略記した。)
・オキセタンアクリレート(OXE−10〔商品名〕、大阪有機化学工業社製、表1〜4では「OXE−10」と略記した。)
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(SR531〔商品名〕、SARTOMER社製、表1〜4では「CTFA」と略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、固形分100%、表1〜4では「819」と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、固形分100%、表1〜4では「TPO」と略記した。)
〔スリップ剤〕
・シリコーン系表面調整剤 BYK−UV3500(ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、BYK社製商品名、表1〜4では「UV3500」と略記した。)
〔重合禁止剤〕
・p−メトキシフェノール(関東化学社製商品名、表1〜表4では「MEHQ」と略記した。)
〔顔料〕
・CR60−2(酸化チタン、石原産業社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製商品名、以下では「酸化Ti」と略記した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名、以下では「Sol36000」と略記した。)
〔顔料分散物の作製〕
インク組成物の作製に先立ち、顔料分散物を作製した。顔料(酸化Ti)を60質量%、分散剤(Sol36000)を5質量%、重合性化合物としてのVEEAを35質量%の割合でそれぞれ混合し、1時間スターラーで撹拌した。撹拌後の混合液をビーズミルで分散し、顔料分散物を得た。なお、分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を2〜4時間とした。
下記表1〜4に記載の成分を、表1〜4に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し(表1〜4中、顔料とVEEAの一部とは上記顔料分散物として添加)、これを常温で1時間混合撹拌して完全に溶解させた。これを、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、各紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
各実施例及び比較例で調製した紫外線硬化型インクジェット用インク組成物について、以下の方法により粘度、密着性、及び収縮性を評価した。下記のベタ印刷は、インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製)を改造したものを使用して、記録解像度720dpi×720dpi、塗布厚(硬化後の最終膜厚)10μmで塗布を行った。
各インク組成物の粘度を、E型粘度計(東機産業社(TOKI SANGYO CO.,LTD.)製)を用いて、温度20℃、回転数10rpmの条件下で測定した。○が実用上許容できる評価基準である。評価結果を表5に示す。
○:20mPa・s以下、
×:20mPa・s超。
JIS K−5600−5−6(ISO2409)(塗料一般試験法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法))に準じて、被記録媒体であるPET50A(リンテック社(Lintec Corporation)製PETフィルム)とベタ印刷により形成された画像との密着性の評価を行った。ここで、上記クロスカット法について説明する。
切込み工具として単一刃切り込み工具(一般に市販されているカッター)と、単一刃切り込み工具を用いて等間隔に切り込むためのガイドと、を用意した。
まず、塗膜に対して垂直になるように切込み工具の刃を当てて、記録物に6本の切り込みを入れた。この6本の切込みを入れた後、90°方向を変え、既に入れた切り込みと直行するよう、さらに6本の切り込みを入れた。
次に、約75mmの長さになるよう透明付着テープ(幅25±1mm)を取り出し、塗膜に形成された格子状にカットした部分にテープを貼り、塗膜が透けて見えるように十分指でテープを擦った。次に、付着して5分以内に60°に近い角度で、0.5〜1.0秒で確実に引き離した。
評価基準は以下のとおりである。◎及び○が実用上許容できる評価基準である。評価結果を表5に示す。
◎:どの格子の目にも剥がれが殆ど見られない(JIS K−5600−5−6におけるランク0又はランク1)。
○:格子の一部(50%未満)に剥がれが認められる(JIS K−5600−5−6におけるランク2又はランク3)。
×:格子の50%以上に剥がれが認められる(JIS K−5600−5−6におけるランク4又はランク5)。
収縮性評価(カール試験)を行った。被記録媒体としてのルミラー(登録商標)E20#125(東レ社(TORAY INDUSTRIES, INC.)製商品名、二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム、白色グレード、厚み125μm)から、幅7mm及び縦44mmのサイズの試験片を作製した。この試験片の中心部に、幅5mm及び縦40mmの範囲でベタ印刷を行った。その後、以下の条件で紫外線を照射させることでインクを硬化させた。紫外線の照射条件は、波長395nm、照射強度1,000mW/cm2、最大積算照射量500mJ/cm2であった。
硬化後の試験片の端部における持ち上がり(カール)の程度を測定することで、収縮性を評価した。評価基準は以下のとおりである。◎及び○が実用上許容できる評価基準である。評価結果を表5に示す。
◎:5mm未満、
○:5mm以上10mm未満、
×:10mm以上。
Claims (8)
- 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、
該インク組成物の総質量に対して20〜70質量%の、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表される化合物と、
該インク組成物の総質量に対して10〜20質量%の、分子内に脂環構造を有する重合性化合物及び分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物のうち少なくともいずれかと、を含む、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。 - 前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物が、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、アダマンチルアクリレート、及びシクロヘキサンジメタノールモノアクリレートからなる群より選択される一種以上である、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物が、テトラヒドロフルフリルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、ジオキソランアクリレート、及びジオキサングリコールジアクリレートからなる群より選択される一種以上である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物と、前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物と、を共に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して5質量%以上含まれ、かつ、
前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して5質量%以上含まれる、請求項4に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。 - 前記分子内に脂環構造を有する重合性化合物及び前記分子内に環状エーテル構造を有する重合性化合物のうち少なくともいずれかが、(メタ)アクリレート化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 20℃における粘度が30mPa・s以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
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