JP2016038965A - X線装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線管装置の負担の軽減。
【解決手段】回転陽極を回転駆動するモータを有するX線管装置と、被検者を透過したX線を検出するX線検出器と、X線画像を表示する表示部と、X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流を入力する入力部と、上記モータの回転速度を制御する制御装置と、上記モータに交流電力を供給する回転駆動部と、を備え、上記制御装置は、上記X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流に従って目標回転速度あるいは目標トルクを演算し、上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに従ってd軸電流とq軸電流を演算し、上記制御装置はさらに上記ベクトル演算出力と上記モータの回転速度に基づき上記回転駆動部を制御する制御信号を出力し、上記回転駆動部は上記制御装置からの上記制御信号に従って上記モータを駆動する、X線装置。
【選択図】図5

Description

本発明は被検者にX線を照射して被検者のX線画像を得るX線装置に関する。
X線装置は、被検体にX線を照射して被検体の断層画像などを取得する装置であり、被検体にX線を照射するためのX線源を有している。またX線源にはX線を発生するためのX線管が設けられている。X線管には色々なタイプが存在し、その一つとして、回転陽極を備えた回転陽極型X線管が知られている。
回転陽極型X線管では、陰極によって発生した電子ビームが回転する陽極と衝突し、X線を発生する。しかし電子ビームの運動エネルギがX線に変換されるだけでなく熱に変換され、しかもX線に変換される割合より熱に変換される割合がはるかに高いのが実態である。電子ビームが陽極の一点に集中し続けると陽極の該集中点が熱により溶融するため、電子ビームの衝突する位置が徐々に移動するように陽極を回転させる構造を備えている。このような技術が例えば特許文献1に記載されている。
特開2013−182764号公報
回転陽極型X線管(以下X線管装置と記す)では、上述のように電子ビームの衝突位置を移動する目的で陽極を回転自在に支持し、電子ビームの衝突する位置が移動するように該陽極を回転させる。上述したように陽極は高温に熱せられると共に真空中に配置されているため、回転支持機構などは大変厳しい条件で動作している。このため回転支持機構の負担をできるだけ低減することが望ましく、X線管装置の長寿命化にも繋がる。またX線管装置に関し長寿命化を望むニーズが大きい。なお特許文献1では回転陽極型X線管の負担低減について触れられていない。
本発明の目的は、X線装置が有するX線管装置の負担をより低減することが可能なX線装置およびその制御方法を提供することである。
本発明に係るX線装置は、回転陽極と上記回転陽極を回転駆動するモータを有し被検者に照射するX線を発生するX線管装置と、上記被検者を透過したX線を検出するX線検出器と、上記X線検出器によって検出された画像情報に基づく画像を表示する表示部と、X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流を入力する入力部と、上記モータの回転速度を制御する制御装置と、上記モータに交流電力を供給する回転駆動部と、を備え、上記制御装置は、上記X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流に従って目標回転速度あるいは目標トルクを演算し、上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに従ってd軸電流とq軸電流を演算するベクトル演算部を有し、上記制御装置は、上記ベクトル演算部の出力と上記モータの回転速度に基づき上記回転駆動部を制御する制御信号を出力し、上記回転駆動部は上記制御装置からの上記制御信号に従って上記モータを駆動する、ことを特徴とする。
本発明によれば、X線管装置の負担をより低減することが可能なX線装置およびその制御方法を得ることができる。
本発明の一実施例であるX線装置の構成を説明するための説明図である。 本発明の一実施例であるX線制御装置およびX線管装置の概要を説明する説明図である。 X線管装置の構造の一例を説明する説明図である。 X線管装置の回転支持部の構造の一例を説明する説明図である。 X線制御装置のX線制御部の構成を説明する制御ブロック図である。 X線撮影の手順を説明するフローチャートである。 応答性を改善したX線撮影の手順を説明するフローチャートである。
本発明が適用されたX線装置の一実施形態(以下実施例と記す)を、図面を用いて以下説明する。なお図面に記載した構成や手順に関し、略同じ作用を為す構成や手順に対して同一の符号を付すようにしており、同一符号の構成や手順に対しては説明の繰り返しを省略する場合がある。本発明に関する代表的な解決しようとする課題や代表的な効果を、上記発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄に記載したが、以下説明する実施例は上記発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄の内容に止まらず、それ以外の課題に付いても解決することができ、また上記以外の効果に付いても奏することができる。実施例により解決されるこれらの課題や実施例により達成されるこれら効果に付いては以下の実施例の説明の中で述べる。
本明細書では、演算の用語は、単なる代数計算だけでなく、例えば予めデータベースとしてデータを記憶しておき、パラメータに従って上記データベースを検索することにより、好ましい値を得る手法も含んでいる。
1.本発明が適用されたX線装置の一実施例の全体構成に関する説明
本発明は、X線Computed Tomography(以下X線CTと記す)などの医療機器におけるX線装置だけでなく工業製品などを検査するための医療機器以外のX線装置にも適用できる。本発明を医療機器用X線装置に適用した場合により大きな効果がえられ、さらに医療機器用X線装置に関する市場ニーズがたいへん大きいので、医療機器用X線装置、特にX線CTに適用した例を以下説明する。
図1は本発明が適用された一実施例であるX線CT装置100の構成を説明する説明図である。X線CT装置100は被検者102にX線を照射し、被検者102を透過したX線の強度を検出して被検者102の断層画像などを生成する装置である。X線CT装置100は、被検者102に対してX線を照射して被検者102を透過したX線を検出するガントリ120と、ガントリ120を含むX線CT装置100の全体に対する操作を行い、X線撮影を行うための様々な処理や制御を行うためのシステム制御装置212を有する制御卓200と、被検者102を載置しX線撮影スケジュールに従って被検者102を移動する寝台150を備えている。なおガントリ120に設けられたX線検出器140で検出された検出結果は画像情報348として制御卓200に設けられた画像処理部214へ送られて画像処理部214で処理され、X線画像が生成される。該X線画像は例えば入出力装置218の表示部224により表示される。
ガントリ120は、寝台150に載置された被検者102が配置されるための開口122が形成された回転盤124を有している。該回転盤124には、被検者102へ照射するX線を発生するためのX線管装置400や、X線管装置400が発生したX線を角度αの扇状X線ビームの状態にして被検者102に照射するコリメータ130や、被検者102を透過したX線を検出するX線検出器140を備えている。X線検出器140は、X線管装置400やコリメータ130に対して被検者102を挟んで反対の位置に固定されている。回転盤124が回転すると被検者102に照射するX線ビームの角度や位置が変わる。被検者102を所定の速度で体軸方向に移動すると共に回転盤124を回転しながらX線ビームを照射することにより、立体的なX線画像を生成することができる。なお図1では各構成を模式的に記載しているため、X線制御装置302全体が回転盤124ではなくガントリ120の回転しない部分に配置されているかのように記載されているが、X線制御装置302の内のX線管装置400に関する駆動部は、X線管装置400の近傍に配置することが望ましい。このため前記駆動部は回転盤124に設けられている。
操作者が制御卓200の入出力装置218の入力部222から撮影スケジュールや被検者102に照射するX線強度に関係するX線管装置400の管電流や管電圧のパラメータを設定すると、これらの設定値はシステム制御装置212が有する記憶装置あるいは記憶装置216に記憶される。制御卓200に設けられたシステム制御装置212は上記撮影スケジュールや管電流や管電圧のパラメータに基づきX線管装置400の制御情報342をX線制御装置302へ送る。X線制御装置302はシステム制御装置212からの制御情報342に従い、X線管装置400の管電流や管電圧や、X線管装置400のフィラメント電流や、X線管装置400の回転陽極432の回転速度、などを制御する。
システム制御装置212は上記撮影スケジュールや操作者による操作に従って回転盤124の回転位置や回転速度を制御するための制御情報344をガントリ制御装置126へ送り、ガントリ制御装置126は回転盤124の回転位置や回転速度の制御を行う。また上記撮影スケジュールに従ってシステム制御装置212は、被検者102を移動するための制御情報346を寝台制御装置152へ送る。寝台制御装置152は、例えば被検者102を体軸方向に指示された速度で移動するように寝台150の位置を制御する。被検者102の移動速度と回転盤124の回転速度が制御され、さらにX線管装置400が制御されることにより、被検者102に対してスパイラル上にX線を照射し、被検者102に対して3次元的な画像情報348を得ることができ、3次元のX線画像を生成することができる。
被検者102に照射されて被検者102を透過したX線はX線検出器140により検出され、その検出結果はデータ収集装置142に送られ、データ収集装置142から画像情報348として制御卓200に設けられた画像処理部214に送られ、画像処理部214において画像が生成され、制御卓200に設けられた入出力装置218の例えば表示部224に表示されたり、あるいは記憶装置216に記憶されたりする。
制御卓200は入出力装置218を有し、入出力装置218は撮影スケジュールや撮影条件などを入力したり、あるいはいろいろな指示をしたりするための入力部222を有し、さらに入力結果の表示や入力操作を支援する表示、撮影結果などのX線画像の表示、などの表示を行うために表示部224を有している。制御卓200はまたシステム制御装置212や画像処理部214や記憶装置216を有している。システム制御装置212は、入出力装置218への入力の支援や必要な表示などの処理、さらに入力された撮影スケジュールや撮影条件などに従ってX線制御装置302やガントリ制御装置126、寝台制御装置152、データ収集装置142、画像処理部214、記憶装置216、などを制御するための処理や指示を行う。システム制御装置212は、このような処理を行うことにより、操作者が制御卓200において行ったいろいろな指示や設定などに基づき、X線CT装置100全体に対する動作を制御し、X線撮影作業を遂行する。
2.X線の照射およびX線の検出
操作者が制御卓200に、X線撮影を行うための撮影スケジュールおよび撮影条件を入力すると、入力された撮影スケジュールおよび撮影条件に基づいて、システム制御装置212からX線制御装置302へX線管装置400を制御するための指示が送られ、X線制御装置302によりX線管装置400へX線を発生するための高電圧および電流が供給され、X線管装置400によりX線が発生する。X線管装置400が発生したX線は、コリメータ130から所定の照射角αのX線ビームの状態で、寝台150に載置された被検者102に照射される。被検者102を透過したX線は、X線検出器140により検出されてX線の強度に応じた電気信号に変換され、X線の透過画像データとしてデータ収集装置142へ送られる。データ収集装置142は透過画像データを収集し、デジタル信号に変換して制御卓200の画像処理部214へ画像情報348として供給する。画像処理部214は上記画像情報348に基づき、被検者102の断層画像や3次元画像などのX線画像を生成し、システム制御装置212により画像データとして入出力装置218に表示され、また記憶装置216に保存される。
3.X線制御装置302の説明
図2はX線制御装置302およびX線管装置400の概要を説明する説明図である。図3はX線管装置400の構造を説明する説明図であり、図4はX線管装置400の回転支持部462の構造の一例を説明する説明図である。これらの図を使用して以下X線制御装置302の構成および動作を説明する。
X線制御装置302は、X線管装置400に管電圧334や管電流336を供給するための高電圧発生装置320や、X線管装置400のフィラメント電流362を制御するフィラメント駆動部360や、回転陽極432の回転速度を制御する回転駆動部350や、高電圧発生装置320やフィラメント駆動部360や回転駆動部350を制御するX線制御部600、を有している。高電圧発生装置320は、要求された管電圧を供給し要求された管電流を流すためにコンバータ324やインバータ326、高電圧発生部332、を有している。
高電圧発生装置320には商用の交流電源322から商用の交流電圧が供給され、コンバータ324は供給された交流電圧を整流すると共に昇圧し、昇圧された直流電圧を発生する。インバータ326はX線制御部600の指示に従い、コンバータ324が発生した昇圧された直流電圧を入力とし、高周波の交流電圧を発生する。高電圧発生部332は、インバータ326からの高周波の交流電圧を受けて高電圧の直流電圧を発生し、高電圧の正極側電圧が回転陽極432に加わり負極側電圧が陰極416に加わるように、高電圧発生部332からX線管装置400に直流の高電圧が供給される。高電圧発生部332からX線管装置400に供給される電圧や電流を設定された値に維持する制御のために、管電圧334や管電流336は常時検出され、X線制御部600に取り込まれる。X線制御部600は検出結果に従い設定値となるようにフィードバック制御する。
フィラメント駆動部360は交流電源322から供給された電力に基づいてX線管装置400の陰極416へ熱電子を供給するためのフィラメントにフィラメント電流362を供給する。フィラメント駆動部360が出力するフィラメント電流362は常時検出されてX線制御部600に取り込まれ、フィードバック制御される。X線管装置400のフィラメント(図示省略)が上記フィラメント電流362により加熱されることにより、フィラメント(図示省略)から熱電子が放出される。放出された熱電子は陰極416と回転陽極432との間に印加された高電圧発生部332による管電圧により加速され、高い運動エネルギを有する電子線となって回転陽極432のターゲット434のX線焦点に衝突する。この衝突によりターゲット434からX線414が放出される。管電圧により加速された電子線の運動エネルギの極わずか例えば約1パーセントがX線発生のエネルギとなり、X線管装置400から被検者102にX線が照射される。上記電子線の残りの運動エネルギは熱に変わる。このため回転陽極432のターゲット434の電子線が衝突するX線焦点は高温となる。ターゲット434のX線焦点が熱により損傷するのを防止することが必要であり、以下の実施例で説明する通り、例えば陽極の蓄積熱量を示すHU値を計算し、さらにX線焦点の温度上昇が演算され、電子線が衝突するX線焦点の温度が規定の温度を超えないように回転陽極432の回転速度が演算される。演算された回転速度で回転陽極432が回転駆動部350により回転駆動される。なお回転センサを有していないので、回転陽極432の回転速度は直接的には計測されないが、回転陽極432からステータ巻線452へ供給される電流値が実測されると共にステータ巻線452の誘起電圧が計測され、演算により回転陽極432の回転速度が求められ、演算により回転陽極432の回転速度が指令速度となるように回転駆動部350においてフィードバック制御が行われる。なお、回転陽極432の回転速度の演算方法は色々あり、これに限定されるものではない。
X線管装置400内の外囲器404内は真空に維持されているが、X線管装置400の外側には冷却液が充填されている。冷却液はX線管装置400の外側を循環し、冷却装置500に導かれて冷却液自身が冷却され、再びX線管装置400の外側を循環する。冷却液としては例えば絶縁油が使用されるが、冷却効率を上げるためには比熱の大きい液を使用することが好ましく、比熱の大きい水を利用しても良い。
4.X線管装置400の説明
図2や図3に記載のごとく、X線管装置400は、絶縁油もしくは冷却水が満たされたX線管容器402内に内部が真空に維持された外囲器404が設けられている。真空に維持された外囲器404内に陰極416が設けられ、陰極416は図示しないフィラメントを有し、接続端子418を介してフィラメント駆動部360から図示しないフィラメントに対してフィラメント電流362が供給され、フィラメントが加熱されて熱電子を放出する。なお陰極416がフィラメントを有することにより多くの電子を放出することができるが、加熱により熱電子を発生する以外の例えば強い電界を加えることにより電子を電界放出する冷陰極タイプであっても良い。
加熱によりあるいは電界放出により放出された電子は、接続端子418などを介して供給されて陰極416とターゲット434との間に加えられた管電圧により加速された電子線412となり、管電圧により加速された大きな運動エネルギを有する電子線412が回転陽極432に設けられたターゲット434に衝突する。この衝突により、X線414が発生する。このX線は放射窓406や放射窓408からX線管装置400の外部に照射される。なお、本発明の適用においては加熱により電子を放出しても電界により電子を放出しても基本構成や基本的作用は同じであり、本明細書では加熱により電子を放出する構成を代表例として説明している。
陰極416と回転陽極432のターゲット434との間に上述した管電圧が、陰極416が負極性となる極性で加えられているので、上記放出された電子は加速されて電子線412となる。電子線412は集束電界により集束されて回転陽極432のターゲット434のX線焦点に衝突する。電子線412の衝突によりX線焦点からX線414が発生する。発生するX線のエネルギは、陰極416と回転陽極432との間に加えられた管電圧によって決まる。また発生するX線の線量は、陰極416から放出される電子の量にも依存し、陰極416から放出される電子の量は管電流336として検出することができる。X線の線量をコントロールするために、管電流336や管電圧334が設定値となるように制御される。
上述したように、ターゲット434に衝突する電子線412のエネルギの内、X線に変換される割合は約1%程度に過ぎず、残りのほとんどのエネルギは熱となる。ターゲット434のX線焦点は電子線412のエネルギにより加熱される。ターゲット434のX線焦点が過熱溶融することを防止するため、回転陽極432は回転し、電子線412が衝突するX線焦点が常に移動する。回転陽極432は回転軸424に固定されており、回転軸424は回転支持部462により回転可能に保持されている。さらに回転支持部462はモータの回転子として動作し、ステータ鉄心454に巻回されたステータ巻線452により回転磁界が作られ、ステータ巻線452により作られる回転磁界により回転支持部462の回転円筒部478に回転トルクが発生し、回転円筒部478に繋がる回転軸424が回転し、回転軸424に固定螺子482により固定された回転陽極432が回転する。
回転支持部462の一例を図4に示す。X線管容器402に固定部472が固定されることにより、X線管容器402に固定軸受474が固定されている。固定軸受474は円筒形状を成していて、その内部に回転軸受部476が設けられている。固定軸受474の円筒形状の部分と回転軸受部476とは同心円の配置関係を為し、固定軸受474の内側と回転軸受部476の外側との間に転がり軸受484が設けられている。固定軸受474に対して回転軸受部476が回転可能に支持されている。回転軸受部476は更に回転円筒部478を有している。回転円筒部478は円筒形状を為しモータの回転子として作用するように回転円筒部478はステータ鉄心454に対向するように配置されている。
ステータ鉄心454に巻回されたステータ巻線452に3相交流電流が回転駆動部350(図2参照)から供給されると回転磁界が発生する。回転磁界の回転速度は回転駆動部350から供給される3相交流電流の周波数とステータ巻線452の極数により定まる。供給される3相交流電流の周波数を増加させると発生する回転磁界の回転速度が周波数に従って速くなる。回転円筒部478は回転子として動作し、回転磁界により、回転子に回転トルクが発生する。回転円筒部478は誘導電動機として作用しても良いし、その他の方式であっても良い。ただ回転円筒部478のスペースの点や温度環境の点から、回転子はシンプルな形状が望ましい。
回転円筒部478は鉄心で作られており、例えばリラクタンストルクが発生するように、回転円筒部478の電気角の90度毎に、例えば回転子のd軸とq軸の内のq軸の位置に切欠き480を形成する。このような形状にすることにより、回転子として作用する回転円筒部478の電気角の90度毎に、切欠き480が形成される。切欠き480を設けることで、回転子のd軸における磁気抵抗と回転子のq軸における磁気抵抗との値が異なる構造となる。回転子のd軸とq軸において磁気抵抗に差が生じると上記回転磁界に対してリラクタンストルクが発生する。なお、上記説明では回転子のq軸に切欠きを形成するとして説明したが、リラクタンストルクはd軸とq軸において磁気抵抗の差に従って発生するので、d軸に相当する位置に切欠き480を形成しても同様の効果を得ることができる。
例えば回転円筒部478のd軸に対応して永久磁石を設けることにより磁石トルクを発生することができる。しかし永久磁石は温度が高くなると保持力が無くなる課題を有している。本実施例のように永久磁石を使用しないで、回転し鉄心の形状により回転トルクを発生する構造とすることにより、高温に極めて強い特性を有するモータを構成することができる。また形状もシンプルであり、故障し難い長所を有する。
回転子として回転トルクを発生する回転円筒部478は回転軸受部476に固定されて支持され、さらに回転陽極432が取り付けられている回転軸424とつながっているので、回転円筒部478において発生した回転トルクにより回転陽極432が回転する。回転陽極432の回転速度はステータ鉄心454が発生する回転磁界の回転速度により制御することができ、ステータ鉄心454の交流の周波数を制御することにより、回転磁界の回転速度を制御することができる。
5.モータの駆動動作の説明
操作者により入力されたX線画像の撮影スケジュールやX線強度に関する管電圧や管電流の設定値が制御情報342としてシステム制御装置212からX線制御部600の回転速度演算部612に送られる。さらにX線管装置400の温度や蓄積熱量を演算するために、X線照射の経過時間やX線照射停止の経過時間などもシステム制御装置212から回転速度演算部612に送られる。これらの情報から回転速度演算部612は演算により回転陽極432の蓄積熱量HUを演算し、さらにターゲット434のX線焦点の温度を演算により求める。ターゲット434のX線焦点の温度が所定の温度を超えないように、回転陽極432の回転速度を演算する。回転速度の演算は、例えば蓄積熱量HUや管電圧や管電流の設定値、撮影スケジュール、などをパラメータとした回転速度を予めデータベース622に記憶しておき、このデータベース622を検索することにより、行っても良い。このようにすることで、演算の負荷を軽減し、しかも正確な制御を実現することができる。
演算された回転陽極432の回転速度は、回転陽極432を回転させるための回転速度指令としてあるいは演算された回転速度を得るためのトルク指令として、回転速度演算部612から出力され、ベクトル制御部640を構成する電流ベクトル演算部642に送られる。電流ベクトル演算部642ではd軸電流Idとq軸電流Iqを演算により求め、これらの演算結果を電圧ベクトル演算部642へ送る。ステータ巻線452やロータとして動作する回転円筒部478は、回転陽極432を回転させるためのモータ604として動作し、回転駆動部350により作られる3相交流電力により動作する。電流ベクトル演算部642も電圧ベクトル演算部648も共にベクトル演算部としてベクトル演算を行うが、電流ベクトル演算部642と電圧ベクトル演算部648を区別するために演算部642を電流ベクトル演算部642と呼び、演算部648を電圧ベクトル演算部648と記載することにする。
モータ604は、温度が高く回転角度センサなどを使用することが難しい状況であり、センサレスベクトル制御によりモータ604が制御される。モータ604の回転速度を間接的に求めるためにモータ604に供給される例えば電流が電流センサ658により検出され、座標変換部652により回転座標に変換されて、d軸電流Idとq軸電流Iqが求められる。求められたq軸電流Iqと電流ベクトル演算部642の演算結果であるq軸電流Iqとの偏差を求めるなどの方法により、回転速度演算部654によりモータ604の回転速度を求めることができる。なお回転速度演算部654では他の方法により、例えばモータ604の入力端の電圧と電流センサ658の検出結果から回転速度を求めても良い。
モータ604は同期電動機でもよいがこの実施例ではすべり制御で制御しており、すべり周波数演算部644によりすべり周波数を求め、回転速度演算部654で求められた回転速度に求められたすべり周波数を加算器656により加算して、加算した周波数を電圧ベクトル演算部648に送る。電圧ベクトル演算部648は、電流ベクトル演算部642の演算結果や加算器656で加算された周波数を基にインバータである回転駆動部350への指令信号を発生し、この指令信号により回転駆動部350が動作してコンバータ324から供給される直流電力を交流電力に変換し、モータ604を駆動する。なお、図5のベクトル制御部640の破線で囲った部分はモータ604を制御するためのベクトル演算を行う構成を示している。
センサレスベクトル制御では、低速回転時に演算誤差が発生しやすいが、回転陽極432を回転させるモータ604は毎分数千回転から1万回転など高い回転数で動作し、しかもモータ負荷が比較的小さいので、センサレスベクトル制御に適している。またX線管装置400は回転角センサを設けにくい状態であるが、センサレスベクトル制御では回転角センサが不要であり、この点でX線管装置400の制御に適している。
図4に記載の軸受484は真空中に配置され、しかも高温の環境に置かれるなど、厳しい環境に置かれており、軸受484の負担をできるだけ低減することが好ましい。X線制御部600により、モータ604の回転速度を適切に制御することができるので、従来のように安全率を高くして必要以上に高速でモータ604を回転させるなどの必要が無く、軸受484の負担を低減することができる。またX線撮影時の総回転数を低減することができ、これらのことはX線管装置400の長寿命化につながる。
なお、回転速度演算部654での回転速度の演算では、例えばDCモータのようなシンプルなモータ近似モデルでは、次の式に基づいて逆起電力を演算し、逆起電力から回転速度を求めることができる。
Vs = R・Is + L・dIs/dt + Es
ここでIsはモータ電流ベクトル、Vsは入力電圧、Esは逆起電力ベクトル、Rは巻き線抵抗、Lは巻き線インダクタンスである。上記式に基づき、入力電圧Vsとモータ電流ベクトルIsの検出値より逆起電力ベクトルEsを求め、回転速度を求めても良い。また逆起電力ベクトルEsの角度θを演算して、ロータの位置を求め、ロータの位置から回転磁界の位相を演算して回転駆動部350を制御しても良い。逆起電力ベクトルEsの角度θは次式となる。
θ=arctan(逆起電力ベクトルEsのX軸成分とY軸成分の比)
さらにまた上記制御に加え、モータモデルと、実際のモータへ、同じ電圧を入力して出力される電流の偏差により補正し、制御の精度を高める手法をとっても良い。なお、上記実施例ではX線制御装置302がX線制御部600を備えているとして説明した。しかし、X線CT装置100全体の中で、X線制御部600の構成や機能を備えていればよく、制御卓200に設けられたシステム制御装置212がX線制御部600の構成や機能を備えていても良い。
6.X線CT装置100の撮影動作の説明
X線CT装置100のX線撮影に関する作業及び動作の概要を図6に記載する。作業が開始されるとステップS102で、入出力装置218の入力部222からX線画像の撮影スケジュールが入力される。さらに撮影スケジュールにおけるX線管装置400の管電圧や管電流、フィラメント電流362の設定パラメータが入力される。スキャン速度やX線画像の撮影範囲、焦点サイズ、スライス厚などが設定される。X線管装置400の動作スケジュールや諸条件の設定だけでなく、ガントリ120の例えば回転盤124の制御条件や寝台150の制御条件も入力される。撮影方法によっては一旦回転陽極432を所定の回転速度にまで上昇させ、X線撮影の瞬間は回転駆動部350の動作を停止し、モータ604を惰性運転で回転させ、回転駆動部350のノイズ発生を抑制する運転を行うことも可能である。このようなX線管装置400の運転スケジュールを含むガントリ120の運転スケジュールや設定値が表示部224の表示を参照しながら入力部222から入力される。入力されたスケジュールや設定値がシステム制御装置212の内部の記憶装置あるいは記憶装置216に記憶されて保持される。
ステップS102の処理後、ステップS104からステップS124の一連の動作手順は非常に短い時間周期で繰り返し実行される。ステップS104で入力されたそれぞれのスケジュールや設定値に従ってシステム制御装置212からX線制御装置302やガントリ制御装置126、寝台制御装置152へ制御情報が送られる。X線管装置400の動作開始前においては、これから撮影しようとするスケジュールに従って以下で説明するステップS106やステップS108でモータ604の回転速度が演算され、計算された回転速度を目標回転速度としてX線制御部600が動作する。なお、ステップS106やステップS108における目標回転速度の演算は例えば図5の回転速度演算部612を使用して説明した如く、設定された諸条件からデータベース622を検索して求めることができる。目標回転速度となるようにベクトル制御部640で回転駆動部350の動作条件が演算され、回転駆動部350からモータ604のステータ巻線452に交流電流が供給され、モータ604が回転動作を開始する。本実施例では、回転駆動部350にコンバータ324から昇圧された直流電力を供給しているので、回転駆動部350からステータ巻線452へ大きな電力を供給することができ、モータ604を短時間に目標回転速度に増加させることができる。
ステップS104からステップS124の一連の手順が短い時間間隔で繰り返し実行されており、モータ604が目標回転速度になると、ステップS104の制御により、X線照射の開始のために、X線管装置400に管電圧334や管電流336が供給され、またフィラメント電流362が供給される。ステップS106では回転陽極432の蓄積熱量HUが演算され、この演算結果は回転陽極432の回転速度の決定に用いられる。蓄積熱量HUを増加する要因としては管電圧や管電流、X線照射時間の経過、などがある。一方蓄積熱量HUを減少させる要因としては冷却能力やX線照射の停止時間経過などがある。これらをパラメータとして演算することにより蓄積熱量HUを求めることができる。
演算方法としては、直接代数演算のように計算しても良いが、予め上記パラメータに基づく蓄積熱量HUを実験によりあるいは計算により求め、データベースとして記憶装置に記憶しておき、パラメータに基づくデータベースの検索によりパラメータに基づく蓄積熱量HUを求めても良い。このようなデータベースの検索による演算で蓄積熱量HUを算出することにより、短時間に正確な演算結果を得ることができる。
X線管装置400の陰極416から照射される電子線412が衝突するターゲット434のX線焦点が熱により溶解するのを防止するために、モータ604により回転陽極432を回転させる。回転陽極432の回転を速くすればX線焦点の温度上昇を抑えることができるが、図4に記載の軸受484にその分大きな負担が掛かる。従って不必要に回転陽極432の回転速度を上げるのではなく、X線照射状態において、ターゲット434のX線焦点の温度が溶解しない程度の温度維持される条件でモータ604の回転速度を制御することが望ましい。上述したように総回転数を抑制することができる。
ターゲット434のX線焦点の温度は、それまでに蓄積された蓄積熱量HUに大きく依存し、さらにこれからX線管装置400に供給される管電圧や管電流にも依存する。このため蓄積熱量HUや管電圧や管電流をパラメータとしてX線焦点の温度上昇を予測演算し、モータ604の目標回転速度を決めることが好ましい。上述したように予め、上記蓄積熱量HUや管電圧や管電流をパラメータとしてデータベースを用意しておき、データベースを検索することにより、モータ604の目標回転速度を決めるようにしても良い。
ステップS108においてモータ604の目標回転速度などが演算されると、演算結果が図5の電流ベクトル演算部642へ送られる。上述したようにステップS108の演算は、代数計算だけでなく予め蓄積熱量HUや管電圧や管電流をパラメータとしたモータ604の回転速度データベースとして記憶しておき、記憶されたデータベースを検索する方法であっても良い。また演算結果として目標回転速度が検索されるようにしても良いが、目標回転速度の代わりに電流ベクトルIdやIqが検索されるようにしても良い。この場合ステップS108の演算結果が、電流ベクトル演算部642の出力の代わりとして使用できる。
X線管装置400は温度環境が厳しく劣化し易い。特に回転支持部462の軸受構造が劣化し易く故障し易い。ターゲット434のX線焦点の温度上昇の予測を正確に行い、モータ604の回転速度をできるだけ低く抑えることで、回転支持部462の軸受構造が劣化低減でき、故障を低減できる。さらに寿命を予測するために、ステップS112でモータ604の動作特性の演算を行う。例えば加速特性の低下が見られたり、回転速度の低下が大きくなった場合には、回転支持部462の軸受484の劣化が進んでいたり、さらには故障しているなどの判断が可能となる。図5で説明した如く、角度センサを有していなくても回転速度演算部654で回転速度を演算することができ、回転速度の変化と回転駆動部350の出力との関係からモータ604の軸受484の摩擦抵抗の大きさを求めることができる。
ステップS112で演算した動作特性、例えば軸受484の摩擦係数の変化を記憶して、方向性を判断することにより、後どの程度使用すれば動作特性例えば軸受484の摩擦係数が使用可能範囲から逸脱するかを予測することができる。ステップS112の演算結果を履歴として記憶していくことが重要である。
モータ604の運転中は、ステップS114から再びステップ104に戻り、非常に短い時間でステップ104からステップ114の処理を繰り返す。X線撮影が終わり次のX線撮影開始される間モータ604の運転を停止する。この運転停止状態をステップS114で判断し、この運転停止状態においてステップS122が実行される。ステップS122では、X線管装置400の異常診断および寿命の予測が行われる。記憶していた履歴が読み出され、既に予め定めた許容範囲から逸脱していないかが判断される。また許容範囲から逸脱していない場合であっても、特性の変化の履歴から許容範囲からの逸脱が迫っているかどうかが判断される。
このステップS122には記載が省略されているが、X線管装置400の動作特性が既に許容範囲から逸脱している場合には、警報が表示され、次のステップ回転盤124の後、強制的に動作が終了する。また動作特性が許容範囲から逸脱していないが逸脱が近いと判断された場合には、やはり警報表示がなされ、X線管装置400の寿命が少ないことが知らされる。
ステップS112の演算結果あるいは検出結果をメモリに記憶し、履歴のデータが作られる。またステップS122で、過去の履歴に対して今回の演算結果が大きく変化したと判断された場合も異常と判断される。どの程度変化したら異常と判断するかは、予め実験などで予測し、データとして記憶されていて、このデータが使用されて判断される。
X線撮影において、各撮影の間で一時的にX線照射を停止してもその後再び次の撮影スケジュールに従って再びX線管装置400を動作させX線撮影を再開する。ステップS124で撮影作業が全て終了したかどうかを判断し、撮影作業が終了していない場合には再びステップS104に実行が移る。なお、ステップS122で、劣化度合いが所定の範囲を超えるなどして異常発生と判断されると、ステップS124で撮影作業を停止し、撮影作業を強制的に終了する。上記ステップS112で得られた情報は記憶装置に履歴として保持し、外部から保持されたデータを取り出すことができる。このデータを分析することで、劣化や異常発生の解析を行うことができる。
7.X線管装置400の長寿命化に関する説明
図6のフローチャートにおいて、ステップS106において蓄積熱量HUを演算し、蓄積熱量HUに基づき、更には管電圧や管電流や現在の蓄積熱量HUをパラメータとしてターゲット434のX線焦点の温度上昇を予測して、蓄積熱量HUやX線焦点の温度上昇に対応したモータ604の回転速度を求め、この回転速度を目標値としてモータ604の制御が行われる。従来制御では、モータ604の回転速度の目標値は、非常に高い値に単に設定するものであり、必要以上に高速でモータ604を運転していた。X線管装置400の軸受などは非常に厳しい環境により劣化し易く、必要以上の高速回転は大きな負担となっており、劣化し易くまた故障し易かった。本実施例の構成および作用によれば適正な回転速度で、回転陽極432の回転速度を制御でき、回転陽極432の総回転数を低減することができる。このことにより長寿命化を図ることができる。
本実施例では、ステップS106やステップS108が短い周期で繰り返し実行され、モータ604の回転目標が管電圧や管電流に応じて即座に修正されるので、回転陽極432の回転速度を、リアルタイムに高精度で制御できる。
図6のフローチャートにより、モータ604の回転速度をX線管装置400の状態に即して正確に制御することが可能となるが、その反面回転陽極432の必要回転速度に対するマージンが小さくなる。このことは回転陽極432の総回転数が減少し、長寿命化につながるメリットがあるが、マージンが小さいためX線管装置400の動作条件が急に変化した場合の応答性をより向上することが望ましい。応答性をより向上させることができる実施例を図7に示す。図7が図6に示すフローチャートに対して異なる点は、ステップS110の追加である。他のステップは図6と同じであり、同様のステップに対する説明を省略する。
図6に記載のフローチャートでは、ステップS106で演算された蓄積熱量HUやX線焦点の温度予測に応じてステップS108で目標回転速度が演算され、この目標回転速度に従ってモータ604が制御される。図7ではステップS110でX線管装置400の動作条件が急に変更されていないかどうかを検知し、動作条件が急に変更された場合には、動作条件の変化に着目し、動作条件の変化に対応したモータ604の回転速度の変化分をステップS108の目標回転速度に加算して目標回転速度を修正し、修正した目標回転速度でモータ604を制御する。
例えば管電圧や管電流が急に増加した場合に、これら増加分に対応した回転速度の増加分を演算し、演算された回転速度の増加分をそれまでの目標回転速度に上乗せして新たな目標回転速度とする。逆に管電圧や管電流が急に減少した場合には、上記減少に対応した回転速度の減少分を演算し、演算した減少分をそれまでの目標回転速度から減じて新たな目標回転速度とする。このように急激なX線管装置400の動作条件の変更に対応した修正をモータ604の目標回転速度に対して行うことにより、応答性を改善することができる。ステップS104からステップS114の処理や、ステップS104からステップS124の処理を、非常に短い時間間隔で繰り返し実行するので、高い応答性を得ることができる。
100…X線CT装置、102…被検者、ガントリ120…ガントリ、122…開口、124…回転盤、126…ガントリ制御装置、130…コリメータ、140…X線検出器、142…データ収集装置、152…寝台制御装置、200…制御卓、212…システム制御装置、214…画像処理部、216…記憶装置、218…入出力装置、222…入力部、224…表示部、320…高電圧発生装置、322…交流電源、324…コンバータ、326…インバータ、334…管電圧、336…管電流、342…制御情報、344…制御情報、346…制御情報、348…画像情報、350…回転駆動部、400…X線管装置、404…外囲器、406…放射窓、408…放射窓、412…電子線、414…X線、416…陰極、418…接続端子、424…回転軸、432…回転陽極、434…ターゲット、452…ステータ巻線、454…ステータ鉄心、462…回転支持部、472…固定部、474…固定軸受、476…回転軸受部、478…回転円筒部、480…切欠き、484…軸受、604…モータ、612…回転速度演算部、614…回転速度指令、622…データベース、640…ベクトル制御部、642…電流ベクトル演算部、644…すべり周波数演算部、648…電圧ベクトル演算部、652…座標変換部、654…回転速度演算部、656…加算器。

Claims (10)

  1. 回転陽極と上記回転陽極を回転駆動するモータを有し被検者に照射するX線を発生するX線管装置と、
    上記被検者を透過したX線を検出するX線検出器と、
    上記X線検出器によって検出された画像情報に基づく画像を表示する表示部と、
    X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流を入力する入力部と、
    上記モータの回転速度を制御する制御装置と、
    上記モータに交流電力を供給する回転駆動部と、を備え、
    上記制御装置は、上記X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流に従って目標回転速度あるいは目標トルクを演算し、上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに従ってd軸電流とq軸電流を演算するベクトル演算部を有し、
    上記制御装置は、上記ベクトル演算部の出力と上記モータの回転速度に基づき上記回転駆動部を制御する制御信号を出力し、
    上記回転駆動部は上記制御装置からの上記制御信号に従って上記モータを駆動する、ことを特徴とするX線装置。
  2. 請求項1に記載のX線装置において、上記制御装置は上記モータの回転速度を演算により算出する回転速度演算部を有し、上記制御装置は、上記ベクトル演算部の出力と演算により算出した上記回転速度に基づき上記回転駆動部を制御する上記制御信号を出力する、ことを特徴とするX線装置。
  3. 請求項2に記載のX線装置において、上記回転駆動部から上記モータに供給する交流電流を計測し、計測した上記交流電流の計測値を座標変換し、上記交流電流の計測値の座標変換結果から上記モータの回転速度を求める、ことを特徴とするX線装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の内の一に記載のX線装置において、上記制御装置は、上記X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流に基づいて蓄積熱量HUを演算し、演算により求めた蓄積熱量HUから上記モータの上記目標回転速度あるいは上記目標トルクを演算して求める、ことを特徴とするX線装置。
  5. 請求項1乃至請求項3の内の一に記載のX線装置において、上記制御装置は、上記X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流に基づいて回転陽極のターゲットのX線焦点の温度を演算し、演算により求めた上記X線焦点の温度から上記モータの上記目標回転速度あるいは上記目標トルクを演算して求める、ことを特徴とするX線装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の内の一に記載のX線装置において、上記制御装置は、上記モータの上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに基づく制御において得られた上記モータの動作特性の変化から、上記X線管装置の異常を検出する、ことを特徴とするX線装置。
  7. 請求項6に記載のX線装置において、上記制御装置は、上記モータの上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに基づく制御において得られた上記モータの動作特性の変化が、予め定めた範囲を超えて変化した場合に、異常と判断して上記X線管装置の動作を停止する、ことを特徴とするX線装置。
  8. 請求項1乃至請求項5の内の一に記載のX線装置において、上記制御装置は、上記モータの上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに基づく制御において得られた上記モータの動作特性の変化から、上記X線管装置が異常となる寿命を予測する演算を行う、ことを特徴とするX線装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の内の一に記載のX線装置において、上記制御装置は、上記X線管装置の上記モータの上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに基づく制御において、上記X線管装置の動作条件が変化したかどうかを検知し、上記X線管装置の動作条件が変化した場合にその変化量に対応する回転速度の変化分で目標回転速度を修正する、ことを特徴とするX線装置。
  10. 回転陽極と上記回転陽極を回転駆動するモータを有し被検者に照射するX線を発生するX線管装置と、
    上記被検者を透過したX線を検出するX線検出器と、
    上記X線検出器によって検出された画像情報に基づく画像を表示する表示部と、
    X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流を入力する入力部と、
    上記モータの回転速度を制御する制御装置と、
    上記モータに交流電力を供給する回転駆動部と、を備え、
    上記制御装置は、上記X線撮影のスケジュールあるいは上記X線管装置に供給する管電圧や管電流に従って目標回転速度あるいは目標トルクを演算する第1ステップと、
    上記目標回転速度あるいは上記目標トルクに従ってd軸電流とq軸電流をベクトル演算する第2ステップと、
    上記モータの回転速度を演算する第3ステップと、
    上記第2ステップの演算結果と、上記第3ステップの演算結果に基づいて上記回転駆動部を制御する制御信号を出力する第4ステップと、を実行し、
    上記回転駆動部は上記制御装置からの上記制御信号に従って上記モータを駆動する第5ステップを実行する、ことを特徴とするX線装置の制御方法。
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