JP2016038708A - 画像処理装置、及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な入力画像に対応して処理することが可能な画像処理装置等を提供すること。
【解決手段】画像処理装置1は、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、空間周波数f0において第1の伝達関数と連続であり且つ空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、第1の伝達関数及び第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成するフィルタ生成部12と、入力画像に対して画像フィルタを適用して出力画像を得るフィルタ処理部14とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】画像処理装置1は、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、空間周波数f0において第1の伝達関数と連続であり且つ空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、第1の伝達関数及び第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成するフィルタ生成部12と、入力画像に対して画像フィルタを適用して出力画像を得るフィルタ処理部14とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、及び画像処理方法に関する。
従来から、ラプラシアンフィルタやガウシアンフィルタ、ボックスフィルタといった画像フィルタを用いて、エッジ(輪郭)強調やぼかし(ノイズ低減)の画像処理を行う手法が知られている(例えば、特許文献1)。
従来の手法では、画像フィルタのパラメータは多くの場合固定であるため、強調させたい空間周波数帯や減衰させたい空間周波数帯を指定したり、強調或いは減衰の度合いを調整したりすることが難しく、入力画像を想定してパラメータが調整された画像フィルタを使用していた。
例えば走査型電子顕微鏡像(SEM画像)においては、照射電流量、観察倍率、フォーカス調整、画像積算回数、検出信号のアンプゲイン等の撮影条件によって、S/N比や画像の鮮明度について多様な状況となり得るため、画一的な既成フィルタを組み合わせて適用するだけでは、十分な画質改善を達成することは難しい。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、様々な入力画像に対応して処理することが可能な、画像処理装置、及び画像処理方法を提供することができる。
(1)本発明に係る画像処理装置は、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、前記空間周波数f0において前記第1の伝達関数と連続であり且つ前記空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成するフィルタ生成部と、入力画像に対して前記画像フィルタを適用して出力画像を得るフィルタ処理部とを含む。
また、本発明に係る画像処理方法は、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、前記空間周波数f0において前記第1の伝達関数と連続であり且つ前記空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成するフィルタ生成工程と、入力画像に対して前記画像フィルタを適用して出力画像を得るフィルタ処理工程とを含む。
本発明によれば、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯を増幅率ρに応じて強調させ、空間周波数f0以上の空間周波数帯を減衰させる画像フィルタを入力画像に適用す
ることで、適切にエッジ強調がなされ適度にノイズが低減された出力画像を得ることを可能とし、また、空間周波数f0と増幅率ρを適切な値に設定するだけで、様々な入力画像に対応する最適な画像フィルタを生成することができる。
ることで、適切にエッジ強調がなされ適度にノイズが低減された出力画像を得ることを可能とし、また、空間周波数f0と増幅率ρを適切な値に設定するだけで、様々な入力画像に対応する最適な画像フィルタを生成することができる。
(2)本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法では、前記空間周波数f0は、前記入力画像において信号成分を含む最大の空間周波数であってもよい。
本発明によれば、様々な入力画像に対応する最適な画像フィルタを生成することができる。
(3)本発明に係る画像処理装置では、前記フィルタ生成部は、前記入力画像における空間周波数f以上の空間周波数帯の振幅成分についてレイリー分布への適合度を検定して検定統計量を求め、前記空間周波数fの変化に伴う検定統計量の変化量を高周波側から調べ、当該変化量が所定の閾値を超えたときの前記空間周波数fの値を前記空間周波数f0として決定してもよい。
また、本発明に係る画像処理方法では、前記フィルタ生成工程において、前記入力画像における空間周波数f以上の空間周波数帯の振幅成分についてレイリー分布への適合度を検定して検定統計量を求め、前記空間周波数fの変化に伴う検定統計量の変化量を高周波側から調べ、当該変化量が所定の閾値を超えたときの前記空間周波数fの値を前記空間周波数f0として決定してもよい。
本発明によれば、様々な入力画像に対応する最適な空間周波数f0を自動的に設定することができる。
(4)本発明に係る画像処理装置では、前記フィルタ生成部は、決定した前記空間周波数f0と、前記増幅率ρの複数の候補値とを前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に適用して複数の前記画像フィルタを生成し、生成した複数の前記画像フィルタを前記入力画像に対して順次適用して出力画像を生成し、生成した出力画像において飽和画素数が所定の閾値を超えない最大の前記候補値を前記増幅率ρとして決定してもよい。
また、本発明に係る画像処理方法では、前記フィルタ生成工程において、決定した前記空間周波数f0と、前記増幅率ρの複数の候補値とを前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に適用して複数の前記画像フィルタを生成し、生成した複数の前記画像フィルタを前記入力画像に対して順次適用して出力画像を生成し、生成した出力画像において飽和画素数が所定の閾値を超えない最大の前記候補値を前記増幅率ρとして決定してもよい。
本発明によれば、様々な入力画像に対応する最適な増幅率ρを自動的に設定することができる。
(5)本発明に係る画像処理装置では、前記フィルタ生成部は、第1軸が空間周波数を示し前記第1軸と直交する第2軸が振幅率を示す矩形領域上の1点を指定する操作情報に基づいて、前記空間周波数f0と前記増幅率ρを決定してもよい。
また、本発明に係る画像処理方法では、前記フィルタ生成工程において、第1軸が空間周波数を示し前記第1軸と直交する第2軸が振幅率を示す矩形領域上の1点を指定する操作情報に基づいて、前記空間周波数f0と前記増幅率ρを決定してもよい。
本発明によれば、第1軸が空間周波数を示し第2軸が振幅率を示す矩形領域上の1点を指定するという直観的な操作で、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯を増幅率ρ
に応じて強調させ空間周波数f0以上の空間周波数帯を減衰させる画像フィルタを作成する手段をユーザに提供することができる。
に応じて強調させ空間周波数f0以上の空間周波数帯を減衰させる画像フィルタを作成する手段をユーザに提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1に、本実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の画像処理装置は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
図1に、本実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の画像処理装置は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
本実施形態の画像処理装置1は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮像された画像(SEM画像)を入力画像として、入力画像の画質を改善するための画像処理を行う装置である。画像処理装置1は、処理部10、操作部20、表示部30、記憶部40を含む。
操作部20は、ユーザが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部10に出力する。操作部20の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネルなどのハードウェアにより実現することができる。
表示部30は、処理部10によって生成された画像(出力画像)を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。
記憶部40は、処理部10の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部10のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
処理部10(コンピュータ)は、画像フィルタを生成し、生成した画像フィルタを入力画像に適用する画像処理を行う。処理部10の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部10は、フィルタ生成部12、フィルタ処理部14を含む。
フィルタ生成部12は、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯を増幅率ρに応じて強調(増幅)させ、空間周波数f0以上の空間周波数帯を減衰させる画像フィルタを生成する。例えば、フィルタ生成部12は、直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、空間周波数f0において第1の伝達関数と連続であり且つ空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、第1の伝達関数及び第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成する。
フィルタ処理部14は、処理対象となる入力画像に対して、フィルタ生成部12で生成された画像フィルタを適用して出力画像を生成する。例えば、フィルタ処理部14は、入力画像をフーリエ変換した結果と、フィルタ生成部12で生成された画像フィルタ(周波数特性)とを乗算し、その結果を逆フーリエ変換することで出力画像を生成する。また、フィルタ処理部14は、フィルタ生成部12で生成された画像フィルタを逆フーリエ変換してフィルタカーネルを生成し、生成したフィルタカーネルを入力画像に適用(畳み込み演算)することで出力画像を生成してもよい。フィルタ処理部14で生成された出力画像は、記憶部40に記憶され、また表示部30に表示される。
ここで、フィルタ生成部12は、入力画像に基づき空間周波数f0及び増幅率ρを決定し、決定した空間周波数f0及び増幅率ρを第1の伝達関数及び第2の伝達関数に適用して画像フィルタを生成してもよい(自動調整)。この場合、フィルタ生成部12は、入力画像における空間周波数f以上の空間周波数帯の振幅成分についてレイリー分布への適合度を検定して検定統計量を求め、空間周波数fの変化に伴う検定統計量の変化量を高周波側から調べ、当該変化量が所定の閾値を超えたときの空間周波数fの値を前記空間周波数f0として決定してもよい。また、フィルタ生成部12は、決定した空間周波数f0と、増幅率ρの複数の候補値とを第1の伝達関数及び第2の伝達関数に適用して複数の画像フィルタを生成し、生成した複数の画像フィルタを入力画像に対して順次適用して出力画像を生成し、生成した出力画像において飽和画素数が所定の閾値を超えない最大の候補値を増幅率ρとして決定してもよい。
また、フィルタ生成部12は、操作部20からの操作情報に基づいて空間周波数f0及び増幅率ρを決定し、決定した空間周波数f0及び増幅率ρを第1の伝達関数及び第2の伝達関数に適用して画像フィルタを生成してもよい(手動調整)。この場合、処理部10は、第1軸が空間周波数を示し前記第1軸と直交する第2軸が振幅率を示す矩形領域を表示部30に表示させ、フィルタ生成部12は、表示部30に表示された当該矩形領域中の1点を指定する操作情報(指定された位置の座標情報)に基づいて、空間周波数f0と増幅率ρを決定してもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
2−1.概要
図2は、本実施形態で生成される画像フィルタの周波数特性を示す図である。図中横軸は空間周波数fを示し、縦軸は増幅率(増幅ゲイン、単位:dB)を示す。
図2は、本実施形態で生成される画像フィルタの周波数特性を示す図である。図中横軸は空間周波数fを示し、縦軸は増幅率(増幅ゲイン、単位:dB)を示す。
本実施形態の画像フィルタは、直流からf0(カットオフ周波数)までの空間周波数帯において空間周波数fの増加とともに値が増加する伝達関数hρ(f)(第1の伝達関数)と、f0において伝達関数hρ(f)と連続であり且つf0以上の空間周波数帯において空間周波数fの増加とともに値が減少する伝達関数g(f)(第2の伝達関数)からなる。ここで、伝達関数hρ(f)及び伝達関数g(f)において、空間周波数fがf0で
あるときの増幅率はρである。また、f0は、入力画像の周波数空間において信号成分を含む最大の周波数であり、入力画像の周波数空間において信号成分がノイズ成分に対して支配的である最大の空間周波数であることが望ましい。
あるときの増幅率はρである。また、f0は、入力画像の周波数空間において信号成分を含む最大の周波数であり、入力画像の周波数空間において信号成分がノイズ成分に対して支配的である最大の空間周波数であることが望ましい。
伝達関数hρ(f)及び伝達関数g(f)は、それぞれ両対数グラフ上で直線となる関数である。伝達関数hρ(f)及び伝達関数g(f)を両対数グラフ上で設計する理由は、ウェーバー・フェヒナーの法則を考慮するためである。伝達関数hρ(f)及び伝達関数g(f)は、次式のように表される。但し、伝達関数g(f)では、空間周波数fが10倍になるごとに増幅率がd(d<1)倍されるものとする。
なお、伝達関数hρ(f)と伝達関数g(f)とが滑らかに接続されるように画像フィルタを設計してもよいし、伝達関数hρ(f)や伝達関数g(f)の形状が単調カーブや滑らかなS字曲線となるように画像フィルタを設計してもよい。
2−2.自動調整の手法
次に、入力画像の画質を自動調整する手法について説明する。この手法では、画像フィルタの2つのパラメータである空間周波数f0及び増幅率ρを、入力画像に応じて自動的に決定する。
次に、入力画像の画質を自動調整する手法について説明する。この手法では、画像フィルタの2つのパラメータである空間周波数f0及び増幅率ρを、入力画像に応じて自動的に決定する。
ビーム径がd(d>1)ピクセルである荷電粒子ビーム(例えば、電子ビーム)によって撮影されたグレイスケールのデジタル画像を入力画像として処理する場合を考える。
N×Nピクセルのサイズに切り出した入力画像を高速フーリエ変換すると、入力画像の周波数空間(フーリエ空間、逆格子空間)において、空間周波数f0(≡N/2d≦√(fx 2+fy 2)、fx、fyはx方向、y方向の周波数)より高周波側の領域では、撮影対象由来の振幅成分(信号成分)が含まれず、全てがショットノイズ或いはランダムノイズ由来の振幅成分(ノイズ成分)となる。このようなノイズ成分を構成する波の複素平面における実数成分及び虚数成分の分布は、それぞれ同じ標準偏差のガウス分布に従うと考えられる。
一方、空間周波数f0より低周波側の領域においては、撮影対象の周期性が反映され、強度の高い逆格子点が存在するようになる。このような信号成分を構成する波の複素平面における実数成分及び虚数成分の分布は、それぞれガウス分布には必ずしも従わないと考えられる。
複素平面上で、実数成分Reと虚数成分Imが、それぞれ原点を中心として同じ標準偏差のガウス分布に従う場合、複素数の絶対値(振幅値)√(Re2+Im2)の分布は、レイリー分布と呼ばれる。そこで、本実施形態では、入力画像の周波数空間において、空
間周波数がf以上の領域で複素数の絶対値がレイリー分布に従うかどうかを、fを高周波側から低周波側に向けて変化させて順次検定し、検定結果が合格から不合格に転じるときのfを空間周波数f0として決定する。これにより、入力画像の周波数空間において信号成分を含む最大の空間周波数f0を正確に決定することができる。
間周波数がf以上の領域で複素数の絶対値がレイリー分布に従うかどうかを、fを高周波側から低周波側に向けて変化させて順次検定し、検定結果が合格から不合格に転じるときのfを空間周波数f0として決定する。これにより、入力画像の周波数空間において信号成分を含む最大の空間周波数f0を正確に決定することができる。
図3は、空間周波数f0及び増幅率ρを入力画像に応じて自動的に決定する際の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、フィルタ生成部12は、入力画像の全領域又は部分抽出した領域を高速フーリエ変換する(ステップS10)。次に、フィルタ生成部12は、空間周波数f(原点(波数=0)からの動径距離)に0を設定し(ステップS12)、入力画像を高速フーリエ変換した結果に対して、空間周波数f以上の全ての角度の振幅値を標本とした、平均、分散、歪度及び尖度の基本統計量を求め、レイリー分布への適合度を検定して検定統計量Testを算出する(ステップS14)。ここでは、ガウス分布の検定法であるジャック=ベラ検定をレイリー分布の検定に応用し、検定統計量Testを次式により求める。
図4は、空間周波数fを変えて算出した検定統計量(レイリー分布への適合度を検定した検定統計量)を示すグラフである。図4では、入力画像のパワースペクトルも併せて示している。図中横軸は空間周波数fを示し、図中縦軸は検定統計量(パワースペクトルについては振幅強度)を示す。
空間周波数fが最大空間周波数fmaxに達した場合(ステップS16のY)には、フィルタ生成部12は、記憶部40に記憶された空間周波数f毎の検定統計量に基づいて、空間周波数fを高周波側から低周波側に向けて変化させたときの検定統計量の変化量を高周波側から算出していき(ステップS20)、当該変化量が所定の閾値を超えたとき(検
定結果が合格から不合格に転じるとき)の空間周波数fの値をf0として決定する(ステップS22)。
定結果が合格から不合格に転じるとき)の空間周波数fの値をf0として決定する(ステップS22)。
次に、フィルタ生成部12は、増幅率ρに所定の最小値ρmin(複数の候補値のうちの最小値)を設定し(ステップS24)、ステップS22で決定した空間周波数f0と増幅率ρとを伝達関数hρ(f)及び伝達関数g(f)に適用して画像フィルタを生成し(ステップS26)、生成した画像フィルタを入力画像に適用して出力画像を生成し(ステップS28)、生成した出力画像における飽和画素数(白又は黒に飽和する画素の数)を算出する(ステップS30)。算出された飽和画素数はそのときの増幅率ρに対応付けて記憶部40に記憶される。
次に、フィルタ生成部12は、増幅率ρが所定の最大値ρmaxに達したか否かを判断し(ステップS32)、最大値ρmaxに達していない場合(ステップS32のN)には、増幅率ρをΔρ(Δρ<ρmax−ρmin)だけ増加させて(ステップS34)、ステップS26に移行する。以下、増幅率ρが最大値ρmaxに達するまで、ステップS26〜S34の処理を繰り返す。
図5は、増幅率ρの候補値を変えて生成した各出力画像における飽和画素数を示すグラフである。図中横軸は増幅率を示し、図中縦軸は黒画素又は白画素の画素数を示す。図6(A)は、入力画像(SEM画像)であり、図6(B)は、増幅率ρを図5において「A」で示す値にしたときに生成された出力画像であり、図6(C)は、増幅率ρを図5において「B」で示す値としたときに生成された出力画像である。図6(B)に示す出力画像では、増幅率ρが低すぎるため、輪郭が不鮮明な画像となっており、図6(C)に示す出力画像では、増幅率ρが高すぎるため、飽和画素が多い画像となっている。
増幅率ρが最大値ρmaxに達した場合(ステップS32のY)には、フィルタ生成部12は、記憶部40に記憶された増幅率ρ毎の飽和画素数に基づいて、飽和画素数が所定の閾値を超えない最大の増幅率ρを、増幅率ρの確定値として決定する(ステップS36)。
図5に示す例では、図中「C」で示す値を、飽和画素数が所定の閾値を超えない最大の値(増幅率ρの確定値)として決定している。図6(D)は、増幅率ρを図5において「C」で示す値としたときに生成された出力画像(増幅率ρの確定時の最終的な出力画像)である。図6(A)に示す入力画像と図6(D)に示す出力画像を比較すると、図6(D)に示す出力画像では適度にエッジ強調がなされ且つ適度にノイズが低減されていることが分かる。
このように、本実施形態の自動調整の手法によれば、様々な入力画像に対応する最適な空間周波数f0及び増幅率ρを自動的に設定して最適な画像フィルタを生成することができ、適切にエッジ強調がなされ適度にノイズが低減された出力画像を得ることができる。
2−3.手動調整の手法
次に、入力画像の画質を手動調整する手法について説明する。この手法では、画像フィルタの2つのパラメータである空間周波数f0及び増幅率ρを、ユーザが入力した操作情報に基づき決定する。
次に、入力画像の画質を手動調整する手法について説明する。この手法では、画像フィルタの2つのパラメータである空間周波数f0及び増幅率ρを、ユーザが入力した操作情報に基づき決定する。
図7は、手動調整を行う際に表示部30に表示されるユーザインターフェースの一例を示す図である。
図7に示すユーザインターフェースは、横軸(第1軸)が空間周波数を示し縦軸(第2
軸)が増幅率を示す両対数グラフ(矩形領域の一例)を含む。なお、縦軸が振幅強度を示す両対数グラフとしてもよい。ユーザが、この両対数グラフ上の位置(1点)を指定する操作(タッチパネル上の1点をタッチする操作、或いはマウスを用いて位置を指定する操作)を行うと、指定された位置の横軸の座標に対応する空間周波数がf0として設定され、指定された位置の縦軸の座標に対応する増幅率がρとして設定される。すなわちユーザは、両対数グラフ上の1点を指定するという直観的な操作によって、空間周波数f0及び増幅率ρ(画像フィルタの2つのパラメータ)を同時に指定することができる。
軸)が増幅率を示す両対数グラフ(矩形領域の一例)を含む。なお、縦軸が振幅強度を示す両対数グラフとしてもよい。ユーザが、この両対数グラフ上の位置(1点)を指定する操作(タッチパネル上の1点をタッチする操作、或いはマウスを用いて位置を指定する操作)を行うと、指定された位置の横軸の座標に対応する空間周波数がf0として設定され、指定された位置の縦軸の座標に対応する増幅率がρとして設定される。すなわちユーザは、両対数グラフ上の1点を指定するという直観的な操作によって、空間周波数f0及び増幅率ρ(画像フィルタの2つのパラメータ)を同時に指定することができる。
また、図7に示すように、両対数グラフには、決定された空間周波数f0及び増幅率ρに基づく伝達関数(伝達関数hρ(f)及び伝達関数g(f)からなる画像フィルタの周波数特性)が表示される。従って、ユーザは、空間周波数f0及び増幅率ρを指定しつつ、指定した空間周波数f0及び増幅率ρに基づく画像フィルタの周波数特性を確認することができる。また、両対数グラフ上に、入力画像のパワースペクトルと、出力画像のパワースペクトルを表示してもよい。このようにすると、ユーザは、空間周波数f0及び増幅率ρを指定しつつ、指定した空間周波数f0及び増幅率ρに基づく画像フィルタが適用された結果、入力画像のパワースペクトルがどのように変化するかを確認することができる。
また、一般ユーザを対象とする場合に、図8に示すように、例えば横軸がノイズ低減の度合い(「ソフト」、「シャープ」)を示し、縦軸が増幅率の大きさ(「強」、「弱」)を示す矩形領域RAを表示部30に表示させ、ユーザにより指定された矩形領域RA上の位置の横軸の座標に基づき空間周波数f0を決定し、指定された位置の縦軸の座標に基づき増幅率ρを決定してもよい。このようにすると、ユーザは、より直感的で分かり易いインターフェースにより空間周波数f0及び増幅率ρを指定することができる。
3.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、上記実施形態では、入力画像における空間周波数f以上の空間周波数帯の振幅成分についてレイリー分布への適合度を検定した検定統計量を求めることで、空間周波数f0(カットオフ周波数)を決定する場合について説明したが、空間周波数f0を求める手法はこれに限られない。
例えば、入力画像の全領域又は一部領域に対して窓関数を掛けてパワースペクトルを求め、直流から最大周波数(ナイキスト周波数)までの周波数fに対する全方角成分のスペクトル強度の平均値関数V(f)を求め、求めた平均値関数V(f)から空間周波数f0を推定してもよい。この場合、平均値関数V(f)と、一定値Vc=Vmin+0.1×(Vmax−Vmin)との交点に対応する周波数を空間周波数f0として推定してもよい。ここで、Vmin、Vmaxは、それぞれ平均値関数V(f)の最小値、最大値である。また、ハフ変換を利用して平均値関数V(f)を両対数グラフに描いたときの直線成分を2本抽出して、抽出した2直線の交点に対応する周波数を空間周波数f0として推定してもよい。
そして、求めた平均値関数V(f)から、直流成分と空間周波数f0との間の領域に対
して最小二乗法により冪関数でフィッティングさせてそのスケーリング指数を求め、空間周波数f0と求めたスケーリング指数に基づいて画像フィルタの周波数特性を設計してもよい。ここで、画像フィルタの周波数特性の設計において、空間周波数f0よりも低周波領域の特性を表す冪関数のスケーリング指数は、プリセット値を用いてもよいし、又は、複数の値を用いて画像フィルタの設計と入力画像への適応を試行し、例えば情報エントロピーが最大になることを基準として複数の値から1つの値を選択するように構成してもよい。
して最小二乗法により冪関数でフィッティングさせてそのスケーリング指数を求め、空間周波数f0と求めたスケーリング指数に基づいて画像フィルタの周波数特性を設計してもよい。ここで、画像フィルタの周波数特性の設計において、空間周波数f0よりも低周波領域の特性を表す冪関数のスケーリング指数は、プリセット値を用いてもよいし、又は、複数の値を用いて画像フィルタの設計と入力画像への適応を試行し、例えば情報エントロピーが最大になることを基準として複数の値から1つの値を選択するように構成してもよい。
なお、推定した空間周波数f0がナイキスト周波数付近にあると判断され、且つ空間周波数f0からナイキスト周波数までの間も周波数特性減衰率が空間周波数f0未満の割合をほぼ保っている場合は、ナイキスト周波数までのS/N比が十分に高いと推測される。そこで、このような場合には、空間周波数f0がナイキスト周波数に等しいとみなしてもよい。
また、例えば走査型電子顕微鏡の場合には、電子ビームの走査方向に帯電の影響が表れるなど、画像の方角によってノイズの周波数特性が異なる場合がある。このような場合には、特定の方角成分を除外してスペクトル強度の平均値関数V(f)を求めるようにしてもよい。
上述の変形例の手法により画像フィルタを生成し、生成した画像フィルタを入力画像に適用して出力画像を得た。図9(A)は、入力画像の周波数特性を示す図であり、図9(B)は、入力画像(1280×948ピクセル、256段階グレイスケールのSEM画像)であり、図9(C)は、画像フィルタの周波数特性の設計値を示す図であり、図9(D)は、実際に生成された画像フィルタの周波数特性を示す図であり、図9(E)は、実際に生成された画像フィルタ(101×101ピクセル)であり、図9(F)は、出力画像の周波数特性(実線で示した部分)を示す図であり、図9(G)は、出力画像である。この例では、空間周波数f0を約80(単位:波数)と決定し、冪関数のスケーリング指数を0.26と決定した。図9(B)に示す入力画像と図9(G)に示す出力画像を比較すると、図9(G)に示す出力画像では適度にエッジ強調がなされ且つ適度にノイズが低減されていることが分かる。
1 画像処理装置、10 処理部、12 フィルタ生成部、14 フィルタ処理部、20
操作部、30 表示部、40 記憶部
操作部、30 表示部、40 記憶部
Claims (6)
- 直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、前記空間周波数f0において前記第1の伝達関数と連続であり且つ前記空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成するフィルタ生成部と、
入力画像に対して前記画像フィルタを適用して出力画像を得るフィルタ処理部とを含む、画像処理装置。 - 請求項1において、
前記空間周波数f0は、前記入力画像において信号成分を含む最大の空間周波数である、画像処理装置。 - 請求項1又は2において、
前記フィルタ生成部は、
前記入力画像における空間周波数f以上の空間周波数帯の振幅成分についてレイリー分布への適合度を検定して検定統計量を求め、前記空間周波数fの変化に伴う検定統計量の変化量を高周波側から調べ、当該変化量が所定の閾値を超えたときの前記空間周波数fの値を前記空間周波数f0として決定する、画像処理装置。 - 請求項3において、
前記フィルタ生成部は、
決定した前記空間周波数f0と、前記増幅率ρの複数の候補値とを前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に適用して複数の前記画像フィルタを生成し、生成した複数の前記画像フィルタを前記入力画像に対して順次適用して出力画像を生成し、生成した出力画像において飽和画素数が所定の閾値を超えない最大の前記候補値を前記増幅率ρとして決定する、画像処理装置。 - 請求項1において、
前記フィルタ生成部は、
第1軸が空間周波数を示し前記第1軸と直交する第2軸が振幅率を示す矩形領域上の1点を指定する操作情報に基づいて、前記空間周波数f0と前記増幅率ρを決定する、画像処理装置。 - 直流から空間周波数f0までの空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が増加するような、増幅率ρと空間周波数fとを変数とする第1の伝達関数と、前記空間周波数f0において前記第1の伝達関数と連続であり且つ前記空間周波数f0以上の空間周波数帯において空間周波数の増加とともに値が減少するような、空間周波数fを変数とする第2の伝達関数とを求め、前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に基づく画像フィルタを生成するフィルタ生成工程と、
入力画像に対して前記画像フィルタを適用して出力画像を得るフィルタ処理工程とを含む、画像処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014161286A JP2016038708A (ja) | 2014-08-07 | 2014-08-07 | 画像処理装置、及び画像処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP4123299A1 (en) | 2021-07-20 | 2023-01-25 | Jeol Ltd. | Analyzer apparatus and method of image processing |
-
2014
- 2014-08-07 JP JP2014161286A patent/JP2016038708A/ja active Pending
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