JP2016037079A - 乗車列車同定装置、鉄道利用データ収集システム、乗車列車同定方法及びプログラム - Google Patents

乗車列車同定装置、鉄道利用データ収集システム、乗車列車同定方法及びプログラム Download PDF

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紀子 深澤
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Abstract

【課題】ユーザの位置情報からユーザが乗車した列車を特定する装置を提供する。
【解決手段】乗車列車同定装置は、ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出する速度算出部と、算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定する交通手段判定部と、前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定する列車同定部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗車列車同定装置、鉄道利用データ収集システム、乗車列車同定方法及びプログラムに関する。
鉄道事業者にとっては、ユーザが日々の通勤などにどのような交通手段をどのように利用しているか、またその交通手段の中に鉄道が含まれている場合、どの列車をどの区間において利用しているかといった情報は、より良いサービスを提供する上で重要な情報である。例えば、鉄道事業者は、そのような情報を新駅設置や駅設備の改良、相互乗り入れ運転(相直運転)を含むダイヤ改正に活用することができる。
現在、ユーザがどのような交通手段を利用し、どのような経路で通勤・通学を行っているかという情報は、WEBや紙のアンケート調査を介して得られることが多い。その他にも鉄道事業者は、駅の自動改札機データ、各列車車両の応加重装置データやノリホとよばれる乗務員が記録するおおよその乗車人数データを所有しているが、例えばユーザが自宅を出てから職場へ到着するまでの一連の移動における利用経路や乗車列車に関する詳細なデータは所有していない。
ところで、道路を通行する自動車の交通データについては、自動車に搭載したGPS(Global Positioning System)などによる位置情報を収集することによって交通流動や車両挙動、路面状況などをモニタリングするプローブカーシステムの実用化が先行している。
また、特許文献1には、ユーザの所有する携帯電話機が通信する基地局の識別情報と現在時刻とをサーバ装置に送信し、情報を受信したサーバ装置では、予め登録された各時刻におけるその基地局の通信エリア内を通行する列車の情報に基づいて、そのユーザが現在乗車している列車を同定するシステムについて開示がある。
特許第4221263号公報
しかし、上述の方法は、何れも最初から自動車または列車に乗車していることを前提としており、ユーザが徒歩、バス、鉄道など複数の交通手段を利用する一連の移動の中で、どの交通手段を利用し、鉄道利用の場合、どの列車に乗車しているかを同定するという課題を解決するものではなかった。また、特許文献1の方法による乗車列車同定方法には、基地局の通信エリアの広さとその通信エリアを通過する列車の数量の関係次第では列車の同定精度が低下したり、事故などで列車の運行が遅れ、予め登録された各時刻における基地局の通信エリア内を通行する列車の情報と列車の実際の運行とずれが生じたりしたときには乗車列車の同定が困難になるなどの問題があった。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる乗車列車同定装置、鉄道利用データ収集システム、乗車列車同定方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出する速度算出部と、算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定する交通手段判定部と、前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定する列車同定部とを備えることを特徴とする乗車列車同定装置である。
本発明の第2の態様における前記交通手段判定部は、前記算出したユーザの移動速度が前記所定の閾値を下回る第1時刻とその時刻の次に前記所定の閾値を下回る第2時刻の2つの時刻のそれぞれについて、ユーザの位置情報と鉄道の駅の位置情報とを比較し、前記ユーザの位置情報が示す位置と前記駅の位置情報が示す位置との距離が所定の範囲内であれば、前記2つの時刻における位置情報のそれぞれは前記駅を示すと判定し、前記2つの時刻における位置情報のそれぞれが駅を示すと判定した場合に、さらにそれら2つの駅を結ぶ路線が存在するかどうかを、路線ごとにその路線に設けられた駅の情報が登録された鉄道路線データベースを参照して判定し、路線が存在すると判定した場合、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は列車であると判定する。
本発明の第3の態様における前記交通手段判定部は、さらに前記2つの時刻の間のある時刻におけるユーザの位置情報と、前記2つの駅を結ぶ路線に含まれる所定の位置情報とを比較し、前記ユーザの位置情報が示す位置と前記路線に含まれる所定の位置情報が示す位置との距離が所定の範囲内であれば、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は列車であると判定する。
本発明の第4の態様における前記交通手段判定部は、前記2つの時刻の間における前記速度算出部が算出したユーザの移動速度と、その移動速度の推移の特徴のうち少なくとも一方を用いて、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は列車であると判定する。
本発明の第5の態様における前記列車同定部は、前記第1時刻を含む所定の範囲の時間帯に前記第1時刻におけるユーザの位置情報が示す駅を発車し、前記第2時刻を含む所定の範囲の時間帯に前記第2時刻におけるユーザの位置情報が示す駅に到着する列車について、前記第1時刻と前記第2時刻の間の第3時刻における当該列車の位置を、各駅における列車の発着時刻を記録した運行実績データに基づいて推定し、その推定した列車の位置と、前記第3時刻におけるユーザの位置情報とを比較して、推定した列車の位置とユーザの位置情報が示す位置との距離が所定の範囲内であれば、その列車をユーザが乗車した列車の候補として抽出する。
本発明の第6の態様における前記列車同定部は、前記第1時刻と前記第2時刻の間の複数の時刻について前記列車の候補を抽出し、それら複数の時刻における列車の候補のうち、どの時刻における前記列車の候補にも含まれている列車をユーザが乗車した列車として同定する。
本発明の第7の態様における前記交通手段判定部は、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段が列車ではないと判定した場合に、前記2つの時刻の間における前記速度算出部が算出したユーザの移動速度が所定の値以上であれば前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は自動車であると判定し、前記算出したユーザの移動速度が所定の値より小さければ前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は徒歩または自転車であると判定する。
本発明の第8の態様における前記交通手段判定部は、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段が列車ではないと判定した場合に、所定の区間における前記速度算出部が算出したユーザの移動速度が、所定の回数以上、前記所定の閾値を下回る場合にユーザの交通手段が自動車であると判定する。
本発明の第9の態様は、ユーザの位置情報を送信する機能を有する携帯端末装置と、上記の第1から第8の何れかの態様に記載の乗車列車同定装置と、を備え、当該乗車列車同定装置は、同定したユーザの交通手段を記録することを特徴とする鉄道利用データ収集システムである。
本発明の第10の態様は、乗車列車同定装置の処理方法であって、ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出し、算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定し、前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定することを特徴とする乗車列車同定方法である。
本発明の第11の態様は、乗車列車同定装置のコンピュータを、ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出する手段、算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定する手段、前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定する手段、として機能させるためプログラムである。
本発明によれば、ユーザの位置情報を用いてユーザが乗車した列車を同定することができる。
本発明に係る実施形態における鉄道利用データ収集システムの概略図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の一例を説明するための第一の図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の一例を説明するための第二の図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の一例を説明するための第三の図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法のフローチャートである。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の実行結果の一例を示す第一の図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の実行結果の一例を示す第二の図である。 本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の実行結果の一例を示す第三の図である。 本発明に係る第一実施形態における基地局配置場所決定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
<実施形態>
以下、本発明の実施形態による基地局設置場所決定方法を図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態における鉄道利用データ収集システムの概略図である。鉄道利用データ収集システムは、ユーザが一連の移動において利用した交通手段を把握し、その中でも特にユーザが鉄道を利用したときにはユーザが乗車した列車や乗車区間を特定し、それらのデータを蓄積するシステムである。鉄道利用データ収集システムは、ユーザの位置情報を測位する携帯端末装置と、測位したユーザの位置情報からユーザが乗車した列車を特定する乗車列車同定装置とを含んで構成される。
符号10は、さまざまな交通手段を利用して通勤や通学を行うユーザである。ユーザ10は、スマートホンなどの携帯端末装置11を所有している。携帯端末装置11は、GPS機能を備えており、所定時間ごとにGPS衛星19から信号を受信し、現在の携帯端末装置11の位置情報を取得する。また、携帯端末装置11は、取得した位置情報と測位した時刻とを無線通信などの通信手段を介して定期的に乗車列車同定装置20へ送信する。乗車列車同定装置20は、それらの位置情報を受信して、そのデータを蓄積する。
乗車列車同定装置20は、蓄積したデータを用いて、ユーザ10が自宅12から乗車駅14まで徒歩や自動車13で移動している区間、ユーザ10が乗車駅14にて列車16に乗車して降車駅17で降車するまでの区間、ユーザ10が降車駅17から勤務先18へ移動する区間、と各区間におけるユーザ10の交通手段とを、蓄積した位置情報を用いて判定する。
また、乗車列車同定装置20は、ユーザ10が鉄道を利用したと判定した区間について、列車の運行実績データを用いて、ユーザ10がどの列車に乗車したかを同定する。列車の運行実績データとは、全路線の各駅において実際の列車の発着時刻を記録したデータである。また、乗車列車同定装置20は、複数のユーザ10について、ユーザ10が利用した交通手段や同定した列車、列車乗車区間などを記録する。
鉄道利用データ収集システムが備える列車利用状況解析装置(図示せず)は、乗車列車同定装置20が蓄積したデータを解析し、どの列車のどの区間が混雑するかなどを鉄道サービスに有益な情報を出力する。
図2は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示す通り、乗車列車同定装置20は、位置情報取得部21と、速度算出部22と、交通手段判定部23と、列車同定部24と、記憶部25とを備えている。
位置情報取得部21は、ユーザ10が所有するGPS機能を備えた携帯端末装置11などからユーザ10の位置情報を所定の時間間隔で取得する。
速度算出部22は、位置情報取得部21が取得した位置情報の変化からユーザ10の移動速度を算出する。
交通手段判定部23は、速度算出部22が算出したユーザ10の移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回った時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるかどうか、あるいはユーザの交通手段が自動車か徒歩かなどを判定する。
列車同定部24は、交通手段判定部23による判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データとユーザ10の位置情報とGIS(geographic information system)データとからユーザ10が利用した列車16を同定する。
記憶部25は、例えば磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置などである。列車の運行実績データ、鉄道の駅・路線経路の位置情報を含むGISデータは予め記憶部25に記憶している。また、記憶部25は、携帯端末装置11から取得した位置情報や列車同定部24による乗車列車の同定結果を記憶する。
速度算出部22、交通手段判定部23、列車同定部24は、乗車列車同定装置20に備わるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより備わる機能である。
図3は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の一例を説明するための第一の図である。
符号31は、速度算出部22が算出したユーザ10の移動速度の時系列での推移の一例を示す線である。速度算出部22は、位置情報取得部21が所定の時間間隔で取得したユーザ10の位置情報が示す緯度経度から、ある2点間の距離を計算し、当該2点間の移動にかかった時間を測位時刻より計算し、計算した距離をかかった時間で除算してユーザ10の移動速度を算出する。線31は、そのようにして計算したユーザ10の移動速度を時系列にプロットして得られた線である。
符号32は、交通手段判定部23が移動速度の乗換点を求めるための判定に用いる閾値である。この閾値は、ユーザ10が交通手段を使っていない、またはユーザ10が利用する交通手段が停止していると判定できる速度を表した値に設定してある。以下、この閾値を乗換判定閾値と称する。例えば、線31が乗換判定閾値32を上回ると、交通手段判定部23は、ユーザ10が列車などの交通手段に乗車した、あるいは、ユーザ10が乗車した列車が駅から発車したと判定する。また、線31が乗換判定閾値32を下回ると、交通手段判定部23は、ユーザ10が交通手段から降車した、または、ユーザ10が乗車した列車などが停車したと判定する。符号33、34、35が示す点は、線31が乗換判定閾値32を下回る時刻を示している。交通手段判定部23は、これらの時刻で例えばユーザ10が交通手段への乗り降りを行ったと判断する。以下、この時刻を乗換点と称する。実際にこれらの点でユーザ10が交通手段へ乗車したか、降車したかについては、符号33〜35の前後のユーザ10の移動速度で判断することができる。
符号40、符号41は、ユーザ10が継続的に所定の速度以上で移動した時間帯である。交通手段判定部23は、時間帯40、41を、例えば1列車へ連続して乗車していた時間帯であると判定する。すると、例えば点34において、交通手段判定部23は、ユーザ10がある列車から別の列車へ乗り換えたと判定する。
<交通手段の判定>
次に図3のようなユーザ10の移動速度の推移データが得られたときに、交通手段判定部23が、この推移データがユーザ10の列車による移動を示しているかどうかを判定する処理について説明する。
(1−1)まず、交通手段判定部23は、ユーザ10の移動速度の時間推移データを乗換判定閾値で判定して、ユーザ10の移動速度が乗換判定閾値を下回った時刻を抽出する。交通手段判定部23は、この時間帯をユーザが交通手段に乗降車するための時間であると仮定し、以下の判定を行う。
(1−2)次に、交通手段判定部23は、抽出した時刻のうち、最初の時刻とその次の時刻とを選択し、これら2つの時刻のそれぞれについてユーザ10の位置情報(緯度経度情報)とGISデータに基づく鉄道の駅の位置情報とを比較し、ユーザ10が抽出した2つの時刻において鉄道の駅に位置したかどうかを判定する。具体的には、交通手段判定部23は、記憶部25からGISデータを読み込んで、最初の時刻におけるユーザの位置情報と近い位置に存在するA駅を検索し、その緯度経度情報を取得する。交通手段判定部23は、例えばA駅の中心点の位置とユーザ10が抽出した最初の時刻において存在した位置との距離が150m以下であれば、ユーザ10がA駅に位置していたと判定する。交通手段判定部23は、その次の時刻についても同様の判定を行う。以下、例としてユーザ10は、最初の時刻においてA駅に位置し、その次の時刻においてB駅に位置していたとする。
(1−3)次に、交通手段判定部23は、抽出した2つの時刻の間におけるユーザ10の交通手段が、列車であるかどうかを判断するためにA駅とB駅とを結ぶ路線があるかどうかを判定する。具体的には、交通手段判定部23は、記憶部25が記憶する路線ごとの駅の情報が登録された鉄道路線データベースを参照し、A駅とB駅を結ぶ路線が存在するか否かを判定する。以下、例としてそのような路線が存在したとして説明を行う。
(1−4)次に、交通手段判定部23は、A駅とB駅との間のユーザ10の位置情報に基づいて、ユーザ10がA駅とB駅を結ぶ路線上を通過してA駅からB駅へ移動したかどうかについて判定する。例えば、交通手段判定部23は、抽出した2つの時刻の間の所定の時刻におけるユーザ10の位置と、A駅とB駅を結ぶ線路との間の距離を計算し、その距離が例えば100m以下であれば、その時刻についてはユーザ10がA駅とB駅を結ぶ路線上に存在していたと判定する。このような判定をA駅からB駅へ移動した時間帯の複数の時刻について行い、例えばそれら複数の時刻のうち所定の割合以上の時刻でユーザ10が線路上に存在したと判定できると、交通手段判定部23は、ユーザ10はA駅とB駅を結ぶ路線上を通過してA駅からB駅へ移動したと判定する。
(1−5)これまでの判定で、ユーザ10がA駅とB駅に位置し、その間はA駅とB駅を結ぶ路線上を移動したと判定できたとしても、例えばA駅とB駅の間に線路と並行して道路が設けられている場合、ユーザ10の交通手段がその道路を走行する自動車である可能性がある。そこで、交通手段判定部23は、ユーザ10の移動速度や速度推移の特徴などを用いてユーザ10の利用した交通手段が列車かどうか判定する。例えば、A駅とB駅間を走行する列車の予め定められた走行速度とユーザ10の移動速度とを比較しその差が所定の範囲内であればユーザ10の交通手段は列車であると判定してもよい。また、一般的には、列車の走行速度は自動車よりも速いことから、ユーザ10の移動速度が所定の値以上であればユーザ10の交通手段は列車であると判定してもよい。また、ユーザ10の速度が駅の前後で加減速し、他の区間では概ね一定の速度である場合、その速度推移の特徴からユーザ10の交通手段は列車であると判定してもよい。
一方、これまでの判定でユーザ10の交通手段がA駅とB駅を通過する列車ではないと判定された場合、交通手段判定部23は、例えばユーザ10の速度がある一定速度以上であればバス等の自動車による移動、それ以下であれば徒歩または自転車による移動と判断する。また、自動車による移動の場合、道路信号による一時停止のために列車と比較して一定時間内の速度の振動が多い。そこで、交通手段判定部23は、取得したユーザ10の位置情報から選択したある2点間の区間における速度算出部22が算出したユーザの移動速度が所定の回数以上、乗換判定閾値を下回る場合にユーザの交通手段が自動車であると判定してもよい。
ユーザ10の所有する携帯端末装置11が備えるGPS機能に基づく位置情報を利用してユーザ10の鉄道利用実態を把握するためには、まず、どの区間においてユーザ10が列車に乗車しているのかを把握しなければならない。本実施形態によれば、上記の判定処理によって、ユーザ10の鉄道利用区間を把握することができる。また、1つの鉄道利用区間だけではなく、別の路線への乗り換え状況や自動車や徒歩などによる移動区間も把握できるため、より詳細なユーザ10の鉄道利用状況を収集することができる。
<乗車列車の同定処理>
ここまでの処理によってユーザ10の交通手段を判定し、ユーザ10が列車を利用している区間を特定することができた。次に、列車同定部24が、ユーザ10が乗車した列車を同定する処理を行う。列車同定部24は、列車の運行実績データから算出した列車の位置情報とユーザ10の位置情報とを照合して利用者の乗車列車を同定する。任意の時刻における列車の走行位置は、列車の運行実績データに記録された各列車の着発時刻と列車の加減速度を固定化した簡易な計算方法を用いる。
以下に、駅間の線路形状を直線と仮定した場合の、任意の時刻の列車位置の計算方法について記す。
(2−1)列車が駅に停車している場合
駅への到着時刻から発車時刻までについては、駅の緯度経度の値を用いる。
(2−2)列車が駅間を走行している場合
一例として列車の加速度は、発車後36秒間で時速90kmまで加速し、到着前30秒間で時速90kmから減速するものとする。この場合、列車の加速度は、2.5km/h/s、減速度は3.0km/h/sとなる。また、この間列車は等速で走行すると仮定する。
ここで、A駅を発車しB駅に到着するまでの列車の速度を算出する。A駅の発時刻をt、A駅の経度をx、A駅の緯度をyとし、B駅の発時刻をt、B駅の経度をx、A駅の緯度をyとする。
(2−2−1)まず、駅間の距離D(km)を求める。距離Dは、2点における緯度経度から以下の式により求めることができる。
Figure 2016037079
なお、6370(km)は地球の半径である。また、加速中に進む距離L1(km)は、加速度をa(km/h/s)、加速時間をt(s)とすると、
L1 = 1 × a × t ÷ 7200 ・・・・(2)
で求めることができる。また、減速中に進む距離L2(km)は、減速度をa(km/h/s)、減速時間をt(s)とすると、
L2 = 1 × a × t ÷ 7200 ・・・・(3)
で求めることができる。
図4は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の一例を説明するための第二の図である。
図4の表には、列車がA駅を発車してから加速中、等速走行中、減速中における列車の経度及び緯度の一例が記載されている。
A駅とB駅の途中の緯度は、以下の式で求めることができる。
途中の緯度 = A駅の緯度 +
(進んだ距離 ÷ 駅間距離)× (B駅の緯度 − A駅の緯度)
・・・・(4)
A駅とB駅の途中の経度についても同様の式で求めることができる。例えば、進んだ距離は、A駅を発車して36秒以内の加速度中では、上述のL1である。また、駅間距離は、上述のDである。すると、A駅発n秒後の列車位置については、例えば図4の表の「A駅発n秒後」行のような値が得られる。
以上のような方法で列車の任意の時刻における位置情報を求めることができる。
次に列車同定部24が、ユーザ10の位置情報が示す位置と列車の走行位置情報が示す位置との距離を計算する。そして、列車同定部24は、最も距離が近い列車をユーザ10の乗車列車と特定する。なお、ユーザ10の位置と列車の走行位置との距離は以下の式で求めることができる。
距離=(利用者の緯度-列車位置の緯度)+(利用者の経度-列車位置の経度)
・・・・・(5)
ところで、列車の運行実績データから算出した列車位置、ユーザ10の位置情報は、それぞれ簡易計算による誤差、測定誤差が存在する。その為、ある1つの時刻における列車走行位置とユーザ10の位置との距離に基づく判定だけでは、例えば対向列車や複々線区間を並行して走行する列車などとの誤認が生じる可能性がある。従って、列車同定部24は、上の式(5)で求めた距離が最も近い列車だけではなく、列車の走行位置とユーザ10の位置との距離が所定の値以下である列車をユーザ10の乗車列車の候補として選択する。
なお、前後を走行する列車の同定精度は列車間距離に依存するが、稠密線区間の運行頻度であっても平常運行時であれば問題ない精度で同定が可能であることが別の研究で明らかになっている。
次にこの並走する列車との誤認を防ぐ方法について図5を用いて説明する。
図5は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の一例を説明するための第三の図である。
図5の表の1行目は、時刻t1におけるユーザ10の位置情報との距離が所定の値以下である列車(近傍在線列車)は、「R1」、「R2」、「R3」の3台であることを示している。これら近傍在線列車は、時刻t1における乗車列車の候補である。上述のとおり、時刻t1におけるユーザ10の位置情報と列車の走行位置の情報だけでは乗車列車を同定することはできない。次にこの表の2行目は、時刻t2におけるユーザ10の位置情報に対する近傍在線列車は、「R1」、「R3」、「R4」、「R5」の4台であることを示している。列車同定部24は、時刻t1における近傍在線列車と、時刻t2における近傍在線列車とのうち、どちらにも共通して含まれる列車「R1」、「R3」を抽出する。次にこの表の3行目は、時刻t3におけるユーザ10の位置情報に対する近傍在線列車は、「R3」、「R6」、「R7」の3台であることを示している。列車同定部24は、時刻t1における近傍在線列車と、時刻t2における近傍在線列車と、時刻t3における近傍在線列車とのうち、何れにも共通して含まれる列車「R3」を抽出する。列車同定部24は、全ての時刻において近傍在線列車に含まれる「R3」をユーザ10の乗車列車であると同定する。
このように、時刻t1、t2、t3と時系列に候補列車を絞ることによって乗車列車の同定精度を向上させることが可能である。
図6は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法のフローチャートである。
図6を用いてこれまで説明した各処理の流れについて説明する。
前提として、ユーザ10の一連の移動における位置情報は、予め記憶部25に記録してあるものとする。つまり、位置情報取得部21が、ユーザ10の一連の移動中に携帯端末装置11が送信した位置情報と、その位置情報を測位した時刻の情報と、携帯端末装置11の識別子とを取得し、取得した位置情報と時刻と識別子とを対応付けて記憶部25に記録してあるものとする。
まず、速度算出部22が、目的とする携帯端末装置11の識別子について、あるときの一連の移動における全ての位置情報を記憶部25から読み出す。速度算出部22は、一連の移動の全範囲を対象に各測位時刻におけるユーザ10の移動速度を算出する(ステップS11)。例えば、速度算出部22は、連続して取得した2つの位置情報が示す2点間の距離とその2点における測位時刻の差から2点間の移動速度を算出する工程を、取得した全て位置情報について行う。速度算出部22は、算出した速度を、その速度で移動していた時刻と対応付けて記憶部25に記録する。
次に、交通手段判定部23は、ステップS11で記録した各時刻における移動速度と乗換点を判定する閾値となる値(乗換判定閾値)とを記憶部25から読み出す。乗換判定閾値は、ユーザ10が交通手段を使っていない、またはユーザ10の交通手段が停止したと推定できる速度を表した値である。交通手段判定部23は、ユーザ10の移動速度が乗換判定閾値以上の速度から乗換判定閾値を下回る速度に変わる乗換点、または、ユーザ10の移動速度が乗換判定閾値を下回る速度から乗換判定閾値以上の速度に変わる乗換点が存在するかどうかを判定する(ステップS12)。存在しない場合、後述するステップS20へ進む。存在する場合、時系列に隣り合う乗換点に対応する時刻の間を1乗車区間とみなし、交通手段判定部23は、ユーザ10の位置情報と移動速度とを1乗車単位ごとに分割する(ステップS13)。交通手段判定部23は、まず、最初の1乗車単位の始点と終点の位置情報を取得する。また、交通手段判定部23は、取得した位置情報に含まれる緯度経度の情報を用いてGISデータを参照し、始点の緯度経度を中心に所定の範囲内に存在する鉄道の駅を検索する。同様に、交通手段判定部23は、終点を中心所定の範囲内に存在する鉄道の駅を検索する。所定の範囲内とは、例えばユーザ10の位置情報を中心とする半径150mの円である。交通手段判定部23は、始点と終点それぞれの周囲に鉄道の駅が見つかるかどうかで、それら乗換点を駅であるかどうかを判定する(ステップS14)。始点及び終点に対応する駅が検索できなかった場合、交通手段判定部23は、乗換点が駅ではないと判定し、ステップS20へ進む。始点及び終点に対応する駅が共に検索できた場合、交通手段判定部23は、乗換点が共に駅であると判定する。
乗換点が共に駅であると判定すると、次に交通手段判定部23は、始点及び終点の間の位置情報の軌跡が示すのが両駅間の路線かどうかを判定する(ステップS15)。この判定は2段階で行う。まず、交通手段判定部23は、路線ごとにその路線に設けられた駅の情報が登録された鉄道路線データベースを参照して、始点の駅と終点の駅を結ぶ路線が存在するかどうかを判定する(1段階目の判定)。交通手段判定部23がそのような路線が存在しないと判定した場合、ステップS20へ進む。路線が存在する場合、交通手段判定部23は、始点と終点の間におけるユーザ10の位置情報を取得し、GISデータを参照してユーザ10の位置情報のそれぞれと両駅を結ぶ路線の位置情報とから、ユーザ10の位置情報と路線との距離を計算する。そして、交通手段判定部23は、ユーザ10の位置情報のそれぞれと路線との距離によって始点の駅と終点の駅を結ぶ路線が存在するかどうかを判定する(2段階目の判定)。例えば、A駅とB駅を移動する間のある時刻におけるユーザ10の位置と路線との距離が100m以下となる点が所定の割合以上存在すれば、交通手段判定部23は、始点の駅と終点の駅を結ぶ路線が存在すると判定する。路線が存在しないと判定した場合、ステップS20に進む。路線が存在すると判定した場合、さらに、交通手段判定部23は、移動速度や速度推移の特徴などで列車かどうかを判定する(ステップS16)。例えば、ユーザ10の移動速度が所定の速度以上であれば交通手段判定部23は、ユーザ10の交通手段は列車であると判定する。また、停車駅の前後における加減速、その他の区間においてはおおよそ等速で移動しているなどの速度推移の特徴があれば列車であると判定する。列車であると判定した場合、交通手段判定部23は、この1乗車単位について、ユーザ10が鉄道を利用したと判定する(ステップS17)。当該1乗車単位について鉄道利用であると判定すると、交通手段判定部23は、この1乗車単位が鉄道利用であることを記憶部25に記録する。
交通手段判定部23が当該1乗車単位について鉄道利用であると判定すると、続いて乗車列車の同定処理を行う。
まず、列車同定部24は、当該1乗車単位についてGISデータから始点の駅と終点の駅の位置情報を読み出す。また、列車同定部24は、列車の加速度、減速度、等速走行時の走行速度を記憶部25から読み出す。また、列車同定部24は、始点に対応するユーザ10の位置情報を測位した時刻を含む所定の範囲の時間帯に始点の駅を発車し、終点に対応するユーザ10の位置情報を測位した時刻を含む所定の範囲の時間帯に終点の駅に到着する列車の始点の駅の発車時刻とそれら列車が終点の駅に到着した時刻とを記憶部25に記憶された列車運行実績データから取得する。そして、列車同定部24は、式(1)〜式(4)を用いて両駅間を走行した時間帯の所定時刻における列車走行位置を算出する(ステップS18)。所定時刻とは、ユーザ10の位置情報を測位した各時刻のことである。
このステップS18において、列車同定部24が列車運行実績データから取得した駅の発着時間には、複数の列車(近傍在線列車)のデータが含まれている場合がある。そこで、次に列車同定部24は、各時刻における近傍在線列車の中から乗車列車を絞り込む処理を行う。具体的には、列車同定部24は、式(5)を用いて両駅間を移動している間の各時刻におけるユーザ10の位置情報と算出した各列車の走行位置の位置情報とから両者間の距離を算出する。そして、列車同定部24は、算出した距離が所定以下となるような列車を候補列車として時刻ごとに抽出する。次に列車同定部24は、各時刻における候補列車の中に共通して含まれる列車をユーザ10の乗車列車に同定する(ステップS19)。このとき、各時刻における候補列車の中に共通して含まれる列車が複数種類あれば、例えば、列車同定部24は、各時刻におけるユーザ10との距離の平均を算出し、その値が最も小さくなる列車をユーザ10の乗車列車に同定してもよい。乗車列車が同定できると、列車同定部24は、同定した乗車列車とステップS13で分割した乗車単位とを対応付けて記憶部25に記録する。
ステップS12にて乗換点が存在しないと判定した場合、または、ステップS14で乗換点は駅ではないと判定した場合、または、ステップS15で路線が存在しないと判定した場合、または、ステップS16で列車ではないと判定した場合、交通手段判定部23は、鉄道以外のどの交通手段によってユーザ10が移動したかを判定する(ステップS20)。例えば、交通手段判定部23は、速度算出部22が算出したユーザ10の移動速度が所定の速度以下であれば、徒歩か自転車であると判定し、それ以上でかつ例えば自動車の法定速度(例えば60km/hなど)以下であればバス等の自動車による移動であると判定する。あるいは、所定の区間における速度の振動(動いたり停止したり)が多ければ、交通手段判定部23は、その速度の振動を道路信号による影響と認識し、ユーザ10の交通手段は自動車であると判定してもよい。交通手段判定部23は、特定した交通手段と乗車単位とを対応付けて記憶部25に記録する。
次に交通手段判定部23は、ステップS13で分割した全ての乗車単位に対して交通手段を特定したかどうかを判定する(ステップS21)。全ての乗車単位に対する処理が完了していない場合、交通手段判定部23は、次の1乗車単位の始点と終点の位置情報を取得してステップS14からの処理を繰り返す。全ての乗車単位に対する処理が完了している場合、処理フローは終了する。
所定の期間に渡って蓄積した複数のユーザによる一連の移動の位置情報に対して以上の処理を行うことにより、鉄道を中心としたユーザの交通手段の利用状況を把握することができる。
図7は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の実行結果の一例を示す第一の図である。
図7は、あるユーザ10が所有する携帯端末装置11のGPS機能を利用して得られた位置情報を地図上にプロットして得られた図である。符号36は、ユーザ10が乗車した路線である。符号37は、ユーザ10の一連の移動における位置情報の軌跡である。この図においては、ユーザ10の位置情報が、路線36上に位置していることがわかる。次にこの位置情報とGISデータから乗車列車同定装置20が乗車列車を特定する過程の一例を示す。
図8は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の実行結果の一例を示す第二の図である。
図8は、図7で示したユーザ10の位置情報と列車運行実績データとGISデータに基づいて、本実施形態の乗車列車同定装置20がユーザ10のある区間における乗車列車を同定する過程を示している。このときユーザ10は、C駅である列車に乗車しF駅で下車している。C駅はターミナル駅であり、ユーザ10がC駅に存在する時刻(XX時03分)では、ユーザ10が利用する可能性のある列車は5本である。その後、列車同定部24が、ユーザ10の乗車した列車がF駅に到着するまでのそれぞれの時刻(XX時05分、XX時07分、XX時08分、XX時12分、XX時19分)における近傍在線列車の中から時系列に乗車列車候補を絞り込み、ユーザ10の乗車列車は、T線(上り)新快速Aであると同定する。この場合、C駅からD駅までは、複々線となっており、並走する列車が存在する時間帯があり、この区間におけるユーザ10の位置情報が複数取得できたとしても、乗車列車の特定が容易ではない場合がある。しかし、ユーザ10の位置情報を継続して取得し続けることで乗車列車の同定精度を高めることができる。
図9は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定方法の実行結果の一例を示す第三の図である。
図9は、あるユーザ10の位置情報を地図上にプロットして得られた図である。符号38は、ユーザ10の一連の移動における出発点及び到着点の近傍を通過するある路線を示している。符号39は、ユーザ10の一連の移動における位置情報の軌跡である。図9の場合、交通手段判定部23が、ユーザ10の移動軌跡からユーザ10の交通手段は、列車以外であると判定する。また、この測定で得られたGPSによる位置情報と時刻とから速度算出部22が計算したユーザ10の移動速度は、およそ13km/hであった。交通手段判定部23は、この移動速度に基づいてユーザ10の交通手段はバスであると判定した。
本実施形態によれば、列車の利用経路や乗車列車、さらには駅までのアクセス交通手段など一連の移動全体における交通手段の利用状況を把握することができる。一連の移動全体の交通手段を把握することで、例えば駅までのアクセス交通手段の情報を新駅設置の計画などに役立てることができる。また、例えばラッシュ時などでは、発車時刻が1分違うだけで列車の混雑状況が大幅に変化することがあるが、ユーザの乗車列車を把握しその記録を蓄積することでダイヤ改正の際に活用することができる。また、他社線の利用状況も把握できるので相直運転を含むサービス向上に役立てることができる。また、平常時だけではなく、ダイヤが乱れたときのユーザの移動経路を把握することができるので、最適な迂回ルートの案内などの提案に役立てることができる。その他にも天候や季節、曜日などによる利用実績の変動を把握することができる。
図10は、本発明に係る実施形態における乗車列車同定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10に示す通り、乗車列車同定装置20は、CPU26と、ROM、RAMなどのメモリ27と、ハードディスクなどの記憶部25と、キーボードやディスプレイなどの入出力部28を含む、コンピュータ装置によって実現される。これらの部材は、例えば、バスなどを介して相互に接続されている。CPU26は、記憶部25に格納されたプログラムを実行することで種々の機能を実現する。記憶部25は、例えば、乗車列車同定処理に用いるプログラムや各種パラメータ、GISデータなどの情報、各種の処理結果を格納する。
なお、上述した乗車列車同定装置20における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムを乗車列車同定装置20のコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、乗車列車同定装置20は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。例えば、列車同定部24が別のコンピュータで実現されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、上述の「最初の時刻」は第1時刻の一例であり、「その次の時刻」は第2時刻の一例であり、「XX時05分」は第3時刻の一例である。
10・・・ユーザ、11・・・携帯端末装置、12・・・自宅、13・・・自動車、14・・・乗車駅、15・・・線路、16・・・列車、17・・・降車駅、18・・・勤務先、19・・・GPS衛星、20・・・乗車列車同定装置、21・・・位置情報取得部、22・・・速度算出部、23・・・交通手段判定部、24・・・列車同定部、25・・・記憶部、26・・・CPU、27・・・メモリ、28・・・入出力部

Claims (11)

  1. ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出する速度算出部と、
    算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定する交通手段判定部と、
    前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定する列車同定部と
    を備えることを特徴とする乗車列車同定装置。
  2. 前記交通手段判定部は、前記算出したユーザの移動速度が前記所定の閾値を下回る第1時刻とその時刻の次に前記所定の閾値を下回る第2時刻の2つの時刻のそれぞれについて、ユーザの位置情報と鉄道の駅の位置情報とを比較し、前記ユーザの位置情報が示す位置と前記駅の位置情報が示す位置との距離が所定の範囲内であれば、前記2つの時刻における位置情報のそれぞれは前記駅を示すと判定し、前記2つの時刻における位置情報のそれぞれが駅を示すと判定した場合に、さらにそれら2つの駅を結ぶ路線が存在するかどうかを、路線ごとにその路線に設けられた駅の情報が登録された鉄道路線データベースを参照して判定し、路線が存在すると判定した場合、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は列車であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗車列車同定装置。
  3. 前記交通手段判定部は、さらに前記2つの時刻の間のある時刻におけるユーザの位置情報と、前記2つの駅を結ぶ路線に含まれる所定の位置情報とを比較し、前記ユーザの位置情報が示す位置と前記路線に含まれる所定の位置情報が示す位置との距離が所定の範囲内であれば、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は列車であると判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の乗車列車同定装置。
  4. 前記交通手段判定部は、前記2つの時刻の間における前記速度算出部が算出したユーザの移動速度と、その移動速度の推移の特徴のうち少なくとも一方を用いて、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は列車であると判定する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の乗車列車同定装置。
  5. 前記列車同定部は、前記第1時刻を含む所定の範囲の時間帯に前記第1時刻におけるユーザの位置情報が示す駅を発車し、前記第2時刻を含む所定の範囲の時間帯に前記第2時刻におけるユーザの位置情報が示す駅に到着する列車について、前記第1時刻と前記第2時刻の間の第3時刻における当該列車の位置を、各駅における列車の発着時刻を記録した運行実績データに基づいて推定し、その推定した列車の位置と、前記第3時刻におけるユーザの位置情報とを比較して、推定した列車の位置とユーザの位置情報が示す位置との距離が所定の範囲内であれば、その列車をユーザが乗車した列車の候補として抽出する
    ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の乗車列車同定装置。
  6. 前記列車同定部は、前記第1時刻と前記第2時刻の間の複数の時刻について前記列車の候補を抽出し、それら複数の時刻における列車の候補のうち、どの時刻における前記列車の候補にも含まれている列車をユーザが乗車した列車として同定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の乗車列車同定装置。
  7. 前記交通手段判定部は、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段が列車ではないと判定した場合に、前記2つの時刻の間における前記速度算出部が算出したユーザの移動速度が所定の値以上であれば前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は自動車であると判定し、前記算出したユーザの移動速度が所定の値より小さければ前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段は徒歩または自転車であると判定する
    ことを特徴とする請求項2から請求項6の何れか1項に記載の乗車列車同定装置。
  8. 前記交通手段判定部は、前記2つの時刻の間におけるユーザの交通手段が列車ではないと判定した場合に、所定の区間における前記速度算出部が算出したユーザの移動速度が、所定の回数以上、前記所定の閾値を下回る場合にユーザの交通手段が自動車であると判定する
    ことを特徴とする請求項2から請求項7の何れか1項に記載の乗車列車同定装置。
  9. ユーザの位置情報を送信する機能を有する携帯端末装置と、
    請求項1から請求項8の何れか1項に記載の乗車列車同定装置と、
    を備え、
    当該乗車列車同定装置は、同定したユーザの交通手段を記録する
    ことを特徴とする鉄道利用データ収集システム。
  10. 乗車列車同定装置の処理方法であって、
    ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出し、
    算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定し、
    前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定する、
    ことを特徴とする乗車列車同定方法。
  11. 乗車列車同定装置のコンピュータを、
    ユーザの位置情報とその位置情報を測位した時刻とを取得し、取得したある2つの時刻における位置情報の変化からユーザの移動速度を算出する手段、
    算出した移動速度とその移動速度が所定の閾値を下回る時刻とを用いてユーザの交通手段が列車であるか否かを判定する手段、
    前記判定の結果が列車であった場合に、列車の運行実績データと前記取得したユーザの位置情報とからユーザが乗車した列車を同定する手段、
    として機能させるためのプログラム。
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