JP2016035803A - 一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材を備える電子機器用コネクタ - Google Patents

一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材を備える電子機器用コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】折り曲げ加工することによって形成した、間隙のある筒状体を用いて、高い防水性能を有しつつ、ハウジングと防水部材という二層構造を必要としない簡単な密閉構造のコネクタを提供する。【解決手段】板状部材を、その一端4と他端5とが対向するように折り曲げ加工することによって形成された筒状体2と、該筒状体の外面に接着された一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材3とを含む電子機器用コネクタであって、該筒状体の該一端と該他端との間に間隙6が存在し、該防水部材は、該筒状体の内周面より内側には存在しない電子機器用コネクタ。【選択図】図1

Description

本発明は、防水機能を有する電子機器用コネクタに関する。より具体的には、本発明は、一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材を備える電子機器用コネクタに関する。
携帯電話機、コンピュータ等の電子機器は外部機器と接続するためのコネクタを備え、電子機器はコネクタを介して他の電子機器や充電器などと接続される。このようなコネクタは、一般的に、電子機器のケースに形成された開口部に取り付けられており、ケースの開口部とコネクタとの隙間は、ケース内部に水などが侵入しないように防水部材(シール部材)により密閉されている。
このように電子機器のケースとコネクタとの隙間を密閉する構造には種々のものがある。
例えば、特許文献1や特許文献2には、携帯電話の充電コネクタと、携帯電話のケースに形成されたコネクタ取付用開口部との隙間を防水部材で密閉した密閉構造が開示されている。ここで、コネクタは、樹脂成型により形成されたハウジングと、ハウジングの一端側に取り付けられたコネクタ端子と、ハウジングの他端側に装着された電磁シールドのための筒状体(シェル)と、ハウジングの外周に装着された防水部材とを有する。このコネクタでは、外部機器との接続のための接続端子が筒状体の他端側から内部に挿入されるようになっている。
ところが、特許文献1の密閉構造では、防水部材は単にハウジングの外周に装着されているだけなので、防水部材とコネクタの外周面との密着性が弱く、防水性能が十分でなかった。また、この文献の密閉構造では、ハウジングの前部(電子機器外側の端部)に筒状体が取り付けられているので、防水部材がハウジングの前部から離れた位置に配置されることとなり、ケースとコネクタとの間に水が深く入りこんで溜まるという問題があった。
特許文献2では、防水部材がコネクタの外側端(電子機器外側の端)に位置するように配置されているので、電子機器のケースとコネクタとの間に水が深く入り込むのを回避することができるが、特許文献2では、防水部材が、筒状体を収容した硬質樹脂(具体的には、ポリアミド)製ハウジングの外周を取り巻くように配置される二層構造を採っているので、コネクタの外側端の寸法が大きくなるという問題がある。
特開2009−176734号明細書 国際公開第2011/108679号パンフレット
そこで、電磁シールドのための筒状体の端部外周面に射出成型により直接防水部材を形成する方法が考えられる。
ところが、電磁シールドのための筒状体の端部外周面に射出成型により直接防水部材を形成する方法では、筒状体に切れ目がない場合は問題ないが、筒状体のコスト低減のために、筒状体を金属板の打ち抜きと折り曲げにより形成した場合には問題がある。
具体的には、金属板の打ち抜きにより得られた板状片をその一端と他端とが対向するように丸めて筒状に加工した場合、製造方法上、筒状体における、金属板の一端と他端とが対向する部分にどうしても間隙が生じてしまう。
このような間隙のある筒状体の外周面に射出成型により防水部材を形成すると、射出成型時にかかる圧力により、筒状体の外周面側に注入された樹脂が筒状体の間隙から筒状体の内側に染み出してしまう。筒状体の内側に染み出した樹脂は、バリとして残り、そのバリがコネクタ内に挿入された接続端子に干渉してしまい、接続端子を正しくコネクタ内に挿入できなくなる。
本発明は、折り曲げ加工することによって形成した、間隙のある筒状体を用いて、高い防水性能を有しつつ、ハウジングと防水部材という二層構造を必要としない簡単な密閉構造のコネクタを提供することを課題とする。
上記課題に鑑みて、本発明者らは、折り曲げ加工によって形成した間隙のある筒状体に、射出成型によって直接、一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材を接着させることを試みた。しかしながら、上記のとおり、熱硬化性樹脂は射出成形時に筒状体のわずかな間隙に侵入し、射出圧力によって筒状体の内側に染み出し、バリが生じてしまう。そのバリがコネクタ内に挿入された接続端子に干渉してしまい、接続端子を正しくコネクタ内に挿入できなくなる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、折り曲げ加工によって形成した筒状体に、一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材を直接接着することに成功し、本発明を完成させた。本発明の電子機器用コネクタは、折り曲げ加工によって形成した筒状体に、一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材が直接接着されているが、この防水部材は筒状体の内周面より内側には存在せず、バリが生じない。
より具体的には、本発明の一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材は、いずれも同じ熱硬化性樹脂製のシール部分と本体部分とを含む。本発明の一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材は、シール部分が筒状体の間隙を覆い、かつバリを生じないように筒状体の外面に接着されており、本体部分がこのシール部分を覆うように筒状体の外面に接着される構成をとっている。
1つの局面において、本発明は、
板状部材を、その一端と他端とが対向するように折り曲げ加工することによって形成された筒状体と、
該筒状体の外面に接着された一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材と
を含む電子機器用コネクタであって、
該筒状体の該一端と該他端との間に間隙が存在し、
該防水部材は、該筒状体の内周面より内側には存在しない
電子機器用コネクタを提供する。
ある実施形態において、上記熱硬化性樹脂製防水部材は、シール部分および本体部分を含み、
該シール部分は、上記間隙を覆い、かつ上記筒状体の内周面より内側に存在しないように該筒状体外面に接着されており、
該本体部分は、該シール部分を覆うように該筒状体外面に接着されている。
ある実施形態において、上記熱硬化性樹脂はシリコーンである。
1つの実施形態において、上記間隙における上記一端と上記他端との間の距離は、0.0005mm〜0.07mmである。
別の実施形態において、上記間隙における上記一端と上記他端との間の距離は、0.001mm〜0.02mmである。
1つの実施形態において、上記シール部分は、熱硬化性樹脂を、上記間隙を覆うように塗布することによって、上記筒状体に接着される。
1つの実施形態において、上記本体部分は、射出成型によって、上記間隙がシール部分によって覆われた筒状体外面に接着される。
1つの実施形態において、上記シール部分と上記本体部分とは同一の熱硬化性樹脂である。
別の局面において、本発明は、上記電子機器用コネクタを備える電子機器を提供する。
別の局面において、本発明は、電子機器用コネクタの製造方法を提供し、この方法は、
板状部材を、その一端と他端とが対向するように折り曲げ加工して、筒状体を形成する工程であって、該筒状体の該一端と該他端との間に間隙が存在する工程、
該筒状体の該間隙を覆い、かつ上記筒状体の内周面より内側に存在しないように、熱硬化性樹脂を該筒状体外面に塗布し、防水部材シール部分を形成する工程、
該シール部分を有する筒状体に、射出成型によって、該熱硬化性樹脂を、該シール部分を少なくとも部分的に覆うように該筒状体外面に接着し、防水部材本体部分を形成する工程
を包含する。
本発明によれば、折り曲げ加工によって形成された筒状体を用いて、高い防水性能を有しつつ、ハウジングと防水部材という二層の構造を必要としない一層構造の防水部材を有するコネクタが提供される。本発明のコネクタは、ハウジングと防水部材とにそれぞれ異なる二種類の樹脂を用いるような複雑な構造を有さないため、小型化が容易であり、製造が簡単でコストが抑えられる。さらに、防水部材が筒状体に接着しているため、防水部材が筒状体から剥離しにくく、本発明のコネクタは高い防水性能を有する。
図1は、本発明のコネクタを示す斜視図である。 図2は、本発明の筒状体における間隙周辺を拡大した断面図である。 図3(a)は、本発明のコネクタにおける筒状体と防水部材との関係を示す断面図である。図3(b)は、コネクタにおいてバリが生じた状態を示す断面図である。 図4は、本発明の防水部材の具体的構造を示す断面図である。 図5は、筒状体にシール部分を形成した状態を示す写真である。 図6は、本発明のコネクタを示す写真である。 図7は、本体部分の射出成型時に、射出圧力によってシリコーンが筒状体の間隙から内側に染み出し、バリが生じた状態のコネクタを示す写真である。 図8は、コネクタを電子機器(例えば、スマートフォン)に装着した状態を説明するための図であり、図8(a)は、コネクタを示し、図8(b)は、コネクタをハウジングとシールド筒状体とに分離した状態を示し、図8(c)は、コネクタが電子機器に取り付けられた状態を示している。
以下に本発明を、必要に応じて、添付の図面を参照して例示の実施例により説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきではない。本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行なうことができることは、当業者に明らかである。
本発明は、折り曲げ加工によって形成された筒状体を用いて、高い防水性能を有しつつ、ハウジングと防水部材という二層構造を必要としない一層構造の防水部材を有するコネクタを提供する。本発明のコネクタは、ハウジングと防水部材とにそれぞれ異なる二種類の樹脂を用いるような複雑な構造を有さない一層構造であるため、小型化が容易であり、製造が簡単でコストが抑えられる。さらに、防水部材が筒状体に接着しているため、防水部材が筒状体から剥離しにくく、本発明のコネクタは高い防水性能を有する。従来のコネクタは、筒状体へ防水部材を設けるために、まず樹脂製のハウジングを設け、そのハウジングに防水部材を外嵌めまたは溶着していたため、構造が複雑であった。
図8は、コネクタ(電子機器用コネクタ)を電子機器(例えば、スマートフォン)に装着した状態を説明するための図であり、図8(a)は、コネクタを示し、図8(b)は、コネクタをハウジングとシールド筒状体とに分離した状態を示し、図8(c)は、コネクタが電子機器に取り付けられた状態を示している。
コネクタ100は、図8(a)に示すように、樹脂成型により形成されたハウジング110と、ハウジング110の一端側に設けられたコネクタ端子部112と、ハウジング110の他端側に装着された電磁シールドのための筒状体(シェル)2と、筒状体2の外側端周縁に装着された防水部材3とを有する。
ここで、コネクタ端子部112は、2つの電源端子112aと、4つの信号端子112bとを有し、これらの端子は、ハウジング110に取り付けられている。ただし、実際の電子機器では信号端子は、4つではなく、さらに多く設けられている。
ハウジング110は、図8(b)に示すように、ハウジング本体111と、シェル2内に挿入される挿入部113とを有する。挿入部113は、電源端子112aおよび信号端子112bに対応する電源接続片113aおよび信号接続片113bが設けられており、ハウジング110内で、電源端子112aは電源接続片113aに接続され、信号端子112bは信号接続片113bに接続されている。
電子機器(例えばスマートフォン)1000では、図8(c)に示すように、このような構成のコネクタ100が電子機器1000のケース100a内に設けられており、コネクタ取付孔100bには筒状体2が埋め込まれ、筒状体2の外周面とコネクタ取付孔100bの内周面との間は、防水部材3により密閉されている。ケース100a内には回路基板101が含まれており、基板本体101aには電源用基板端子102aおよび信号用基板端子102bが形成されている。電源用基板端子102aはコネクタ100の電源端子112aに接続され、信号用基板端子102bはコネクタ100の信号端子112bに接続されている。
このコネクタ100では、外部機器との接続のための接続端子200が筒状体2の機器表面側の開口から筒状体2内に挿入されるようになっている。
本発明における電子機器としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、携帯端末、デジタルカメラ等が挙げられるが、これらに限定されない。代表的には、本発明の電子機器は携帯電話機である。
図1に、本発明のコネクタの密閉構造1を示す。図1に示すように、本発明のコネクタ100は、筒状体2の外面に、防水部材3が接着された密閉構成1を有する。図1および2に示すように、筒状体2は、矩形の板状部材を、その一端4と他端5とが対向するように折り曲げ加工することによって形成された部材である。なお、図1においては、一端4と他端5との間に存在する間隙6を強調するために、間隙6を実際のサイズよりも拡大して示している点に留意されたい。本発明の筒状体は、その内側および外側で発生する電磁波を遮断することができる任意の材料で製造することができる。本発明の筒状体は、代表的には金属製であり、好ましくはスチール製である。筒状体の表面にはメッキをされていてもよく、このメッキは、例えば、ニッケル+スズやニッケル+金などであってよい。筒状体表面へのメッキは、公知の技術によって行うことができる。
筒状体の形状およびサイズは、接続される外部機器の接続端子や、コネクタが設けられる電子機器に応じて当業者が適切に決定することができる。一例として、携帯電話用の電子機器用コネクタのための筒状体は、外部接続端子の挿入方向から見て、横約9mm、縦約4mm、奥行き約4.5mm程度のサイズである。
図2は、筒状体2の間隙6付近の拡大断面図である。図2から明らかなように、本発明の筒状体2においては、折り曲げ加工によって対向した一端4と他端5との間に、間隙6が存在する。間隙6における一端4と他端5との間の距離は、代表的には、0.0005mm〜0.07mmであり、好ましくは0.005mm〜0.05mmであり、より好ましくは0.001mm〜0.02mmである。本発明における間隙6は、筒状体2の一端4と、筒状体2の他端5と、筒状体2の外周面7と、筒状体2の内周面8とによって囲まれる領域である。
本明細書において、防水部材が筒状体に「接着」されるとは、筒状体と防水部材とが接合して一体化していることをいう。筒状またはリング状に成形した任意の防水部材を筒状体に外嵌めした状態は、本発明においては「接着」されているとはいわない点に留意すべきである。防水部材の筒状体への接着は、代表的には、射出成型金型内に筒状体を挿入し、挿入された筒状体のまわりに樹脂を射出することによって、筒状体と樹脂とが一体化されるインサート成形によって達成され得る。
本発明において、防水部材を形成する樹脂は、熱硬化性樹脂である。本発明における「熱硬化性樹脂」とは、筒状体に接着され、加熱によって硬化する性質を有し、かつ防水部材として機能するための弾性を有する任意の樹脂およびエラストマーをいう。本発明の熱硬化樹脂としては、シリコーン、フッ素ゴム、ポリウレタン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の熱硬化性樹脂は、好ましくはシリコーンであり、より具体的には自己接着性シリコーンである。本明細書において「自己接着性シリコーン」とは、自身の他には接着剤を必要とせずに筒状体に接着され得るシリコーンをいう。そのような自己接着性シリコーンは、当業者には周知である。
本発明における自己接着性シリコーンの粘度は、約100Pa・s〜約2000Pa・sであり、好ましくは約600Pa・s〜約1600Pa・sであり、さらに好ましくは約800Pa・s〜約1400Pa・sであり、最も好ましくは約1000Pa・s〜約1200Pa・sである。
本明細書において、ある樹脂製部材が「一層構造」であるとは、当該部材が、複数の樹脂が積層されて形成されたものではなく、単一の樹脂から形成されたものであることをいう。したがって、「一層構造のシリコーン」は、当該シリコーンの中に、シリコーン以外の樹脂の層が存在しないことを意味する。これに対して、第1の樹脂と第2の樹脂の二種類の樹脂を積層して形成した構造を、本明細書中では「二層構造」という。例えば、特許文献2に示されるような、ポリアミド等の硬質樹脂製のハウジングと、その周囲に溶着された軟質樹脂製の防水部材とによって形成される部材は、二種類の樹脂が積層されて形成されているので、「二層構造」である。
図3(a)に示すように、本発明のコネクタにおいて、防水部材3は筒状体2の外面に接着され、かつ間隙6の筒状体2の内周面8よりも内側には存在しない。図3(b)は、防水部材が筒状体2の内周面8よりも内側にはみ出て、バリ9を形成している状態を示す。図3(b)に示すようなコネクタは、筒状体2内に挿入される外部電子機器の接続端子にバリ9が干渉してしまうため、コネクタとしての機能を果たすことができない。
図4に示すように、本発明の防水部材3は、シール部分10と本体部分11とを含む。シール部分10は、間隙6を覆い、かつ筒状体2の内周面8より内側に存在しないように筒状体2の外面に接着されている。本体部分11は、シール部分10を覆うように、筒状体2の外面にさらに接着されている。シール部分10は、間隙6を覆い、かつ筒状体2の内周面8より内側に染み出さないように、熱硬化性樹脂を筒状体2に塗布することによって形成される。熱硬化性樹脂の筒状体への塗布は、当該分野で周知の任意の方法によって行うことができる。シール部分形成のために塗布された熱硬化性樹脂は、本体部分の形成前に予め熱硬化される。シール部分の熱硬化のための温度および時間は、用いる樹脂の種類、塗布されたシール部分の厚さ、および形成される本体部分の厚さ応じて、当業者が適切に決定することができる。例えば、シール部分の熱硬化は、約10秒〜約1分、好ましくは約20秒〜約40秒、より好ましくは約25秒で行われる。本発明における熱硬化のための温度は、約100℃〜約150℃であり、好ましくは約130℃である。
シール部分が形成された筒状体への本体部分の形成は、本体部分の筒状体への接着を達成することができる当該分野で公知の任意の方法によって行うことができるが、好ましくは射出成型によって行われる。具体的には、シール部分が形成された筒状体を、射出成型金型内に挿入し、挿入された筒状体のまわりに熱硬化性樹脂を射出することによって、筒状体と一体化された本体部分を形成することができる。シール部分は、この熱硬化性樹脂の射出の際に、射出圧力によって筒状体の内周面より内側にバリが形成されないような強度で形成される。このようなシール部分の厚さは、当業者であれば容易に適切に決定することができるが、例えば約0.02〜防水部分の1/2程度、より具体的には約0.05〜防水部分の1/2程度、より具体的には約0.07mm〜0.1mmである。
射出成型によって形成された本体部分の厚さは、約0.2mm〜約2.0mmであり、好ましくは0.50mm〜0.90mmである。
このように単一の熱硬化性樹脂で形成されるシール部分および本体部分から構成される防水部材は一層構造のものであり、シール部分と本体部分との間が密着するため、この間に水を通してしまうことがなく、強度においても優れている。
さらに、本発明のシール部分および本体部分は、硬質樹脂(例えば、ポリアミド)と比べて、筒状体によく接着し、剥離しにくい。
本発明の一層構造の防水部材において、シール部分と本体部分とは、同じ種類の熱硬化性樹脂によって形成されていれば、全く同一成分の樹脂で形成されていなくてもよい。好ましくは、シール部分と本体部分とは、いずれもシリコーンから形成され、より好ましくはいずれも自己接着性シリコーンから形成される。好ましい実施形態においては、シール部分と本体部分とは、同一種類かつ同一成分の樹脂から形成され、好ましくはいずれも同一のシリコーンから形成され、より好ましくはいずれも同一の自己接着性シリコーンから形成される。
本明細書における「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、請求の範囲によってのみ限定される。
板状のスチールに、脱脂処理を行い、ニッケル+ズスメッキを施した。このスチールを折り曲げ加工し、外部機器の接続端子の挿入方向から見て、横9mm、縦4mm、奥行き4.5mm程度の筒状体を形成した。この筒状体には、折り曲げによって対向した一端と他端との間に約0.02mmの間隙が存在した。
筒状体の間隙を覆うように、粘度1100Pa・sの自己接着性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、東京都千代田区)を厚さ0.07mm程度で塗布し、約25秒間約130℃で熱硬化してシール部分を形成した。筒状体にシール部分を形成した状態の写真を図5に示す。
シール部分を形成した筒状体を、射出成型金型内に挿入し、挿入された筒状体のまわりに、シール部分の形成に用いたものと同じ自己接着性シリコーンを射出することによって、本体部分を形成した。射出成型されたシリコーンは筒状体に接着し、かつシール部分と本体部分とは同一のシリコーンであるため完全に密着して一層構造を形成し、それによって高い防水性能を達成した。このように形成された防水部分は筒状体の内面より内側に染み出しておらず、コネクタとしての機能も正常に果たすことのできるものであった(図6)。
図7に、防水部分のためのシリコーンが筒状体の間隙から内面に染み出し、バリを形成してしまった状態を示す。筒状体の内側に染み出したシリコーンは、バリとして残り、そのバリがコネクタ内に挿入された接続端子に干渉してしまい、接続端子を正しくコネクタ内に挿入できなくなる(図7白丸内を参照のこと)。図7に示すコネクタは、シール部分を設けることなく、筒状体への射出成型によって防水部材を接着させたものである。
なお、図5は筒状体外面を撮影した写真であり、図6および7は筒状体内面を撮影した写真である。
(他の実施形態)
前述の記述は、説明を目的とし、特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定するものではないということを理解されたい。他の側面、利点、および変更例もまた、以下の特許請求の範囲内にある。
本発明は、例えば携帯電話機の充電コネクタなど、各種電子機器のコネクタとして利用することができる。

Claims (6)

  1. 板状部材を、その一端と他端とが対向するように折り曲げ加工することによって形成された筒状体と、
    該筒状体の外面に接着された一層構造の熱硬化性樹脂製防水部材と
    を含む電子機器用コネクタであって、
    該筒状体の該一端と該他端との間に間隙が存在し、
    該防水部材は、該筒状体の内周面より内側には存在しない
    電子機器用コネクタ。
  2. 前記熱硬化性樹脂製防水部材は、シール部分および本体部分を含み、
    該シール部分は、前記間隙を覆い、かつ前記筒状体の内周面より内側に存在しないように該筒状体外面に接着されており、
    該本体部分は、該シール部分を覆うように該筒状体外面に接着されている
    請求項1に記載の電子機器用コネクタ。
  3. 前記熱硬化性樹脂がシリコーンである請求項1または2に記載の電子機器用コネクタ。
  4. 前記間隙における前記一端と前記他端との間の距離が、0.0005mm〜0.07mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器用コネクタ。
  5. 前記間隙における前記一端と前記他端との間の距離が、0.001mm〜0.02mmである請求項4に記載の電子機器用コネクタ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器用コネクタを備える電子機器。
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