JP2016035340A - 安全キャビネット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1作業室2に設けられて、清浄空気が供給される第2作業室20と、第2作業室20内の空気および第1作業室2内の空気の一部を吸い込む第2吸込口31と、第1作業用開口部3に対向して設けられ、第2作業室20と第1作業室2とを連通する第2作業用開口部30とを備えているので、安全キャビネットK1の外部に対して封じ込め気流(エアーバリアー)が二重となる。したがって、チェンジオーバー手順にしたがって、除染・消毒する場合、第2作業室20を集中的に除染・消毒すればよく、第1作業室2は殆どその必要がないので、チェンジオーバー手順等の除染・消毒作業を大幅に短時間で行える。
【選択図】図1
Description
また、作業台1の前端縁および後端縁に沿って、それぞれスリット状の吸込口5が設けられ、この吸込口5から吸い込まれた空気は、送風機6によって空気流路7を流通し、その一部はHEPAフィルター等の空気清浄部8によって清浄化されて、再び作業室2に供給され、残りはHEPAフィルター等の空気清浄部9によって清浄化されて、排出口17から外部に排出される。なお、図4において空気の流れ(気流)を矢印で示している。
一方、取り扱われる自己細胞由来の細胞加工品(以後細胞と略す)は必ずしも無菌ではないため加工操作により発生するエアロゾルにより重要区域、例えば前記安全キャビネットKの作業室2を汚染させる可能性がある。このため、同一設備(安全キャビネットK)で細胞加工操作を行うに当たり、予め定められたチェンジオーバー手順にしたがって除染、消毒を行い、相互汚染防止を図っている。
また、チェンジオーバー手順とは、ある患者の細胞加工作業時にエアロゾルや液滴が付着した可能性のある表面を除染・消毒する手順であり、室内や安全キャビネットの作業台等の環境、培養容器やピペット等の細胞に直接接触している器具、作業者の手袋等を一連の手順にしたがって除染・消毒することを意味する。
培養液の交換作業後は、別の患者の細胞を操作するために、安全キャビネットKの作業台1全体を含めて、チェンジオーバー手順にしたがって、除染・消毒し、細胞間の交差汚染を防止する必要があった。
細胞加工の特徴として、多患者、小ロット(細胞)であることよりチェンジオーバー手順を頻繁に行う必要があり、実細胞加工操作時間に対し、チェンジオーバー手順に多大な時間がかかる問題があった。
作業台と、
この作業台の上側に設けられ、清浄空気が供給される第1作業室と、
この第1作業室と外部とを連通する第1作業用開口部と、
前記第1作業室の底部に設けられて、当該第1作業室に供給された清浄空気および前記第1作業用開口部を通して外部から流入する空気を吸い込む第1吸込口とを備えた安全キャビネットであって、
前記第1作業室に設けられて、清浄空気が供給される第2作業室と、
この第2作業室の底部に設けられて、当該第2作業室内の空気および前記第1作業室内の空気の一部を吸い込む第2吸込口と、
前記第1作業用開口部に対向して設けられ、前記第2作業室と前記第1作業室とを連通する第2作業用開口部とを備えたことを特徴とする。
この第2作業室には清浄空気が供給され、この第2作業室内の空気および第1作業室に供給される清浄空気の一部は第2吸込口から吸い込まれる。したがって、第2吸込口に吸い込まれる空気によって、第2作業室にはエアーバリアーが形成され、このエアーバリアーにより加工中に発生する可能性があるエアロゾル、液滴が第1作業室へ漏洩するのを防止できる。
また、第1作業室には清浄空気が供給され、この第1作業室内の空気および第1作業用開口部を通して外部から流入する空気は第1吸込口から吸い込まれる。したがって、第1吸込口に吸い込まれる空気によって、第1作業室にはエアーバリアーが形成される。
このように、第1作業室と第2作業室との双方に、それぞれエアーバリアーが形成されるので、つまり、安全キャビネットの外部に対して封じ込め気流(エアーバリアー)が二重となるので、安全キャビネット内を第1作業室と第2作業室とにゾーニングでき、さらに強化された気流制御的隔離を実現できる。
よって、チェンジオーバー手順等の除染・消毒作業を大幅に短時間で行える。例えば、従来では、チェンジオーバー手順に30〜120分間要していたが、本発明では、5分以内に短縮することができる。
したがって、チェンジオーバー手順にしたがって、除染・消毒する場合、第2作業室を集中的に除染・消毒すればよく、第1作業室はその必要が殆どないので、チェンジオーバー手順等の除染・消毒作業を大幅に短時間で行える。
図1および図2は実施の形態に係る安全キャビネットK1の概略構成を示す断面図、図2は安全キャビネットK1の要部の概略構成を示す斜視図である。なお、図1において空気の流れ(気流)を矢印で示している。
第1作業室2は、作業台1の上側に設けられており、その前面には強化ガラス製のシャッター4が設けられている。このシャッター4は上下にスライドすることによって、第1作業室2の前面開口を開閉できるようになっている。
シャッター4を閉鎖状態から上方にスライドさせて所定の位置で保持することによって、当該シャッター4の下方に第1作業用開口部3が形成されるようになっている。
送風機6は、安全キャビネットK1内の上部でかつ、空気流路7Aの上部に設けられており、空気流路7Aを流れる空気(気流)を空気清浄部8,9側に吹き出すようになっている。空気流路7Aは、第1作業室2の背面側に上下方向に延在して設けられている。
空気清浄部8,9はそれぞれHEPAフィルターによって構成されており、当該空気清浄部8,9の間の空間12に送風機6から空気が吹き出されるようになっている。送風機6から吹き出された空気の一部は第1空気清浄部8によって清浄化されて、再び第1作業室2に供給され、残りは空気清浄部9によって清浄化されて、排出口17から外部に排出されるようになっている。
第2作業室20の上部には、吹出し部21が設けられており、この吹出し部21は前記4本の柱の上端部によって支持されている。吹出し部21の背面には、第2の空気流路22が接続されている。この第2の空気流路22は例えば円筒状のパイプで構成され、一端部(下端部)が前記空気流路7Aの下部に設けられたチャンバ23に開口し、他端部が吹出し部21に接続されている。
また、前記第1作業室2および第2作業室20の下方には、チャンバ26が設けられており、このチャンバ26に隣接して前記チャンバ23が隔壁27を介して設けられている。隔壁27には、送風機28が設けられており、この送風機28によってチャンバ26の空気をチャンバ23に吹き出すようになっている。このような送風機28、チャンバ23,26は前記下部ボックス1A内に設けられている。
また、前記第1吸込口5の下方空間は、チャンバ26とは連通しておらず、空気流路7Aに連通している。したがって、第1吸込口5から吸い込まれた空気は空気流路7Aに流入するようになっている。
具体的には、空気清浄手段36は前記第1空気清浄部8と、第2空気清浄部38とによって構成されている。第1空気清浄部8は、第1作業室2の上流側に設けられている。つまり、前記空間12に面して、第1作業室2の天井部に設けられている。
第2空気清浄部38は、第1空気清浄部8と同様にHEPAフィルターによって構成されており、第2作業室20の下流側でかつ第1空気清浄部8より上流側に設けられている。具体的には、第2空気清浄部38は、チャンバ26,23間の隔壁27に、チャンバ23側に向けて、かつ、送風機28の吹出し口を覆うようにして取り付けられている。
テーブル本体41はその外周部に環状の周壁部41aを有しており、この周壁部41aの内側に培養容器11を挿入することで、当該培養容器11が作業テーブル40に載置されるようになっている。なお、周壁部41aは培養容器11より低くなっている。
脚部42は内部に雌ねじが形成された筒部42aと、この筒部42aにその下端開口からねじ込まれた雄ねじ部42bとによって構成されており、雄ねじ部42bを回して、その筒部42aの下端からの突出長さを調整できるようになっている。
また、予め2本の雄ねじ部42bの突出長さを短くすることによって、作業テーブル40を第2作業室20の底面20aに載置した際に、当該作業テーブル40を水平面に対して傾斜させることができるようになっている。
すると、送風機6,28によって安全キャビネットK1内に気流が生じる。すなわち、送風機6によって空気流路7Aが第1吸込口5(5a,5b)の下方空間より陰圧となるので、第1作業室2の第1吸込口5(5a,5b)から空気が吸い込まれて空気流路7Aに流入する。第1吸込口5aに吸い込まれる空気は、外部から第1作業用開口部3を通して流入する空気と、送風機6によって第1作業室2の天井部から下方に向けて吹き出される清浄空気である。したがって、この空気によって第1作業用開口部3にはエアーバリアーが形成されるので、外部から第1作業室2に細菌や微生物等の異物が侵入することもなく、また、第1作業空間2から外部に同様の異物が持ち出されることもない。なお、第1吸込口5bから吸い込まれる空気は、第1作業室2の天井部から下方に向けて吹き出される清浄空気である。
空気流路7Aに流入した空気は、送風機6によって空間12に吹き出される。この空間12に吹き出された清浄空気の一部は第1空気清浄部8によって清浄化されて、第1作業室2の天井部から下方に向けて吹き出される。
チャンバ26に吸い込まれた空気は、送風機28によってチャンバ23に吹き出されるが、この際に第2空気清浄部38によって異物が除去されて空気が清浄化される。この清浄化された空気のうちの一部は第2の空気流路22を通って、第2作業室20の天井部にある吹出し部21から下方に向けて吹き出される。したがって、第2作業室20は清浄化された空気(清浄空気)で満たされるので、グレードAの清浄度空間となる。
一方、前記清浄化された空気の残りは、孔25から空気流路7Aを通り、送風機6によって空間12に吹き出される。この空間12に吹き出された清浄空気の一部は第1空気清浄部8によってさらに清浄化されて、第1作業室2の天井部から下方に向けて吹き出される。したがって、第1作業室2はさらに清浄化された空気で満たされるので、グレードAの清浄度空間となる。
さらに、第2作業室20での培養液交換作業後、培養液およびピペットの先端部に取り付けられた使用済のチップを第2作業室20で回収または廃棄するように構成するのが好ましい。この場合、例えば、第2作業室20の底面20aに蓋付きの回収ケースを設けたり、当該底面20aに廃棄用の開口部を設け、この開口部から別途設けられた廃棄ボックスに廃棄すればよい。
この第2作業室20には、天井部にある吹出し部21から清浄空気が供給され、この清浄空気は第2吸込口31から吸い込まれ、第1作業室2に供給された清浄空気の一部も第2吸込口31から吸い込まれる。したがって、第2吸込口31に吸い込まれる空気によって、第2作業室20にはエアーバリアーが形成され、このエアーバリアーにより培養液交換作業等の細胞加工中に発生する可能性があるエアロゾル、液滴が第1作業室2へ漏洩するのを防止できる。
また、第1作業室2には、上方から清浄空気が供給され、この清浄空気は第1吸込口5aから吸い込まれ、また、外部から流入した空気も第1吸込口5aから吸い込まれる。したがって、第1吸込口5aに吸い込まれる空気によって、第1作業室2にはエアーバリアーが形成される。
このように、第1作業室2と第2作業室20との双方に、それぞれエアーバリアーが形成されるので、つまり、安全キャビネットK1の外部に対して封じ込め気流(エアーバリアー)が二重となるので、安全キャビネットK1内を第1作業室2と第2作業室20とにゾーニングでき、さらに強化された気流制御的隔離を実現できる。
よって、チェンジオーバー手順を従来に比して大幅に短時間で行える。例えば、従来では、チェンジオーバー手順に30〜120分間要していたが、本発明では、5分以内に短縮することができる。
また、本実施の形態における第2作業室20、第2吸込口31、チャンバ26,23、送風機28、第2空気清浄部38および空気流路22等で構成される空気循環システムをアイソレーター等の封じ込め装置に設けてもよい。
1 作業台
2 第1作業室
2a 第1作業室の底面
3 第1作業用開口部
8 第1空気清浄部
5 第1吸込口
20 第2作業室
20a 第2作業室の底面
30 第2作業用開口部
31 第2吸込口
35 循環流路
36 空気清浄手段
38 第2空気清浄部
40 作業テーブル
Claims (5)
- 作業台と、
この作業台の上側に設けられ、清浄空気が供給される第1作業室と、
この第1作業室と外部とを連通する第1作業用開口部と、
前記第1作業室の底部に設けられて、当該第1作業室に供給された清浄空気および前記第1作業用開口部を通して外部から流入する空気を吸い込む第1吸込口とを備えた安全キャビネットであって、
前記第1作業室に設けられて、清浄空気が供給される第2作業室と、
この第2作業室の底部に設けられて、当該第2作業室内の空気および前記第1作業室内の空気の一部を吸い込む第2吸込口と、
前記第1作業用開口部に対向して設けられ、前記第2作業室と前記第1作業室とを連通する第2作業用開口部とを備えたことを特徴とする安全キャビネット。 - 前記第2作業室の底面に作業テーブルが載置されていることを特徴とする請求項1に記載の安全キャビネット。
- 前記第2作業室の底面は、前記第1作業室の底面より下方に位置しており、これら両底面間に前記第2吸込口が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の安全キャビネット。
- 前記第1吸込口および第2吸込口から吸い込まれた空気を前記第1作業室および第2作業室に循環させる循環流路を備え、
この循環流路に空気清浄手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の安全キャビネット。 - 前記空気清浄手段は、前記第1作業室の上流側に設けられた第1空気清浄部と、前記第2作業室の下流側でかつ前記第1空気清浄部より上流側に設けられた第2空気清浄部とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の安全キャビネット。
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