JP2016032867A - 粘着層付き透明面材の製造方法 - Google Patents

粘着層付き透明面材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い生産性を有する粘着層付き透明面材の製造方法を提供する。
【解決手段】透明面材原板の表面に、液状の第1粘着材料を平面視で閉環状に配置する第1配置工程と、第1粘着材料で囲まれた領域に、液状の第2粘着材料を配置する第2配置工程と、大気圧よりも減圧された第1雰囲気において、第2粘着材料の層に保護フィルム原板を貼合する貼合工程と、第1雰囲気よりも高圧の第2雰囲気において、少なくとも第2粘着材料を硬化させた層状部を形成し、透明面材原板と保護フィルム原板と層状部とが積層した積層体を得る硬化工程と、積層体を厚み方向に切断し、透明面材原板を分割してなる複数の透明面材と、保護フィルム原板を分割してなる複数の保護フィルムと、層状部を分割してなる複数の粘着層と、を形成する切断工程と、を有する粘着層付き透明面材の製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、粘着層付き透明面材の製造方法に関する。
従来、透明面材によって表示パネルが保護された表示装置が知られている。透明面材によって表示パネルが保護された表示装置としては、表示パネルと、透明面材の表面に粘着層が形成された粘着層付き透明面材とを、粘着層が表示パネルに接するように貼合した表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第2011/148990号
前記特許文献1では、粘着層付き透明面材を、面材単位のバッチプロセスで製造しており、バッチプロセスよりも生産性に優れた粘着層付き透明面材の製造方法が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、高い生産性を有する粘着層付き透明面材の製造方法を提供する。
上記の課題を解決するため、本発明の粘着層付き透明面材の製造方法は、透明面材原板の表面に、液状の第1粘着材料を平面視で閉環状に配置する第1配置工程と、前記第1粘着材料で囲まれた領域に、液状の第2粘着材料を配置する第2配置工程と、大気圧よりも減圧された第1雰囲気において、前記第2粘着材料の層に保護フィルム原板を貼合する貼合工程と、前記第1雰囲気よりも高圧の第2雰囲気において、少なくとも前記第2粘着材料を硬化させた層状部を形成し、前記透明面材原板と前記保護フィルム原板と前記層状部とが積層した積層体を得る硬化工程と、前記積層体を厚み方向に切断し、前記透明面材原板を分割してなる複数の透明面材と、前記保護フィルム原板を分割してなる複数の保護フィルムと、前記層状部を分割してなる複数の粘着層と、を形成する切断工程と、を有する。
本発明によれば、高い生産性を有する粘着層付き透明面材の製造方法を提供することができる。
粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法で用いる減圧装置の説明図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。
本明細書における「透明」とは、面材と表示パネルの表示面とを粘着層を介して、空隙なく貼合した後に、表示パネルの表示画像の全体または一部が光学的な歪を受けることなく面材を通して視認できる様態を意味する。したがって、表示パネルから面材に入射する光の一部が、面材で吸収または反射され、もしくは面材で光学的な位相の変化を生じることにより、面材の可視光線透過率が低いものであっても、面材を通して光学的な歪なく表示パネルの表示画像を視認することができれば、面材は「透明」であるということができる。
また、「透明性」とは、面材と表示パネルの表示面とを粘着層を介して、空隙なく貼合した後に、上述の「透明」である性質を有することを意味する。
また、「大気圧」とは、具体的には101.325kPaの圧力雰囲気を指す。
また、「原板」とは、目的物を多面取りするための大型の部材について付される語句であり、この意味において「〜原板」とは、多面取りすることで「原板」との語句が付された目的物を得ることができる大型の部材であることを指す。たとえば、透明面材原板とは、多面取りすることで複数の透明面材を得ることができる大型の板材を指す。
<粘着層付き透明面材>
図1は、本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法によって製造される粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせてある。
粘着層付き透明面材1は、一方の表面の周縁部に額縁状の遮光印刷部2a(着色層)が形成された保護板2(透明面材)と、遮光印刷部2aが形成された側の保護板2の表面を覆う粘着層3と、粘着層3の表面の全面を覆う保護フィルム4とを有する。粘着層3の周縁には、遮光印刷部2aと接する窪み3xが形成され、窪み3x内の粘着層3には、窪み3xを介して遮光印刷部2aと対向する枠状フィルム52が貼合されている。
本実施形態の粘着層付き透明面材1は、保護フィルム4を剥離した後、不図示の表示パネルの表示面に貼合することで表示装置を製造できるため、表示装置の前駆体としての役割を果たす。粘着層付き透明面材1を用いて表示装置を製造した場合には、保護板2の粘着層3が形成されていない側から保護板2を通して表示画像を視認することとなる。以下の説明においては、保護板2の粘着層3が形成されていない側を「視認側」と称することがある。
(保護板)
保護板2は、たとえば、不図示の表示パネルの表示面に設けられて、表示パネルを保護するために用いられるものである。
保護板2としては、ガラス板または透明樹脂板を用いることができる。表示パネルからの射出光に対して透明性が高く、さらに耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性(耐擦過性)、および高い機械的強度を有するため、ガラス板が好ましい。
ガラス板の材料としては、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられる。なかでも、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラス(白板ガラス)がより好ましい。また、保護板2の安全性を高めるため、ガラス板の材料として強化ガラスを用いてもよく、化学強化を施したガラス板を用いてもよい。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等)が挙げられる。必要とする透明性を有するならば、保護板2として、2種以上の樹脂材料の層が積層した樹脂板を用いることとしてもよく、2種以上の樹脂材料やフィラーが混合した樹脂組成物を形成材料とする樹脂板を用いることとしてもよい。
保護板2には、粘着層3との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、保護板2の表面をシランカップリング剤で処理する方法が挙げられる。また、保護板2がガラス板である場合には、表面処理の方法として、フレームバーナーによる酸化炎によって酸化ケイ素の薄膜を形成する方法が挙げられる。
保護板2の厚みは、機械的強度、透明性等の点から、ガラス板の場合は0.5mm〜25mmが好ましい。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、表示装置の軽量化の点から、1mm〜6mmがより好ましい。また、屋外に設置する公衆表示用途では、3mm〜20mmがより好ましい。化学強化ガラスを用いる場合は、ガラス板の厚みは、充分な強度を確保するために、0.5mm〜1.5mm程度が好ましい。透明樹脂板の場合は、2mm〜10mmが好ましい。
(遮光印刷部)
遮光印刷部2aは、保護板2の視認側から表示パネルの画像表示領域以外を視認できないようにして、表示パネルに接続されている配線部材等を隠蔽するものである。保護板2がガラス板の場合、遮光印刷部2aは、黒色顔料や白色顔料を含むセラミック塗料を用いてセラミック印刷により形成すると、遮光性が高く好ましい。遮光印刷部2aが黒色である場合、遮光印刷部2aの厚みは10μm〜20μmであることが好ましく、遮光印刷部2aが白色である場合、遮光印刷部2aの厚みは30μm〜50μmであることが好ましい。
表示パネルの配線部材等が、表示パネルを観察する側からは視認できない構造である場合や表示装置の筺体等の他の部材により隠蔽される場合、または、表示パネル以外の被貼合体と粘着層付き透明面材とを貼合する場合には、遮光印刷部を保護板2に形成しない場合もある。
(透光部)
保護板2において、遮光印刷部2aによって囲まれた領域は透光部7である。透光部7は、たとえば、表示パネルの画像表示領域とほぼ同じ大きさとされ、表示パネルの画像表示領域を保護板2の視認側から視認できるように、透明な領域となっている。
(枠状フィルム)
枠状フィルム52は、粘着層付き透明面材1の製造時における、粘着層3と保護フィルム4とを切断刃により切断する際の遮光印刷部2aの保護を目的の一つとするフィルムの残存部分である。枠状フィルム52は、額縁状の遮光印刷部2aと平面的に重なって貼合されているため視認側からは視認できない。枠状フィルム52の幅は1mm以下とすることが好ましい。たとえば、枠状フィルム52の厚みは、20μm〜60μmである。
(粘着層)
粘着層3は、保護板2の表面において透光部7、遮光印刷部2aの内側の側面、および上面、枠状フィルム52の上面全面を覆って設けられている。粘着層3は、後述する液状の粘着剤、または粘着剤の前駆体材料を硬化してなる透明樹脂の粘着層を形成材料とする層である。粘着層3の形成材料としては、後述する粘着剤に含まれる硬化性樹脂があげられる。
粘着層3の、25℃におけるせん断弾性率は、10Pa〜10Paが好ましく、10Pa〜10Paがより好ましく、10Pa〜10Paが特に好ましい。
粘着層3のせん断弾性率が10Pa以上であれば、粘着層3の形状を維持できる。また、粘着層3の厚みが比較的厚い場合であっても、粘着層3全体で厚みを均一に維持できる。また、せん断弾性率が10Pa以上であれば、保護フィルム4を剥離する際に粘着層3の変形を抑えやすい。粘着層3のせん断弾性率が10Pa以下であれば、粘着層3と表示パネルとの界面において良好な密着性を発揮できる。
粘着層3は、保護板2で支持されているため、せん断弾性率を充分に小さく(10Pa〜10Paに)しても形状を充分に維持できる。
粘着層3の25℃におけるせん断弾性率は、下記のように測定する。
レオメーター(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR−301)を用い、測定スピンドルと透光性の定板の隙間を粘着層3の平均厚みと同一として、その隙間に未硬化の粘着剤を配置する。さらに、硬化に必要な熱や光を未硬化の粘着剤に加えながら硬化過程のせん断弾性率を測定し、所定の硬化条件における計測値を粘着層3のせん断弾性率とする。
透光部7と重なる粘着層3の平均厚みは、0.03mm〜2mmが好ましく、0.1mm〜0.8mmがより好ましい。粘着層3の平均厚みが0.03mm以上であれば、保護板2側からの外力による衝撃等を粘着層3が効果的に緩衝して、表示パネルを保護できる。また、表示装置の製造時に、粘着層付き透明面材1と表示パネルとの間に粘着層3の厚みを超えない異物が混入しても、粘着層3の平均厚みが大きく変化することなく、透明性能への影響が少ない。粘着層3の平均厚みが2mm以下であれば、粘着層3に空隙が残留しにくく、また、表示装置の全体の厚みが不要に厚くならない。
粘着層3の厚みを調整する方法としては、後述する製造方法において、面材原板20の表面に供給される粘着剤の量を調節する方法が挙げられる。
(保護フィルム)
保護フィルム4は、粘着層3の表面を保護するものであり、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合する直前まで粘着層3の形状を維持するものである。保護フィルム4は、保護板2の法線方向からみて遮光印刷部2aと重なる部分に形成された切れ込み4cによって、周縁部の額縁状の残存部4bと、該残存部4bによって囲まれた剥離部4aとに分離されている。
剥離部4aは、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合する際に、粘着層3から剥離される。これにより、剥離部4aで覆われていた粘着層3が露出し、剥離部4aがあった部分の粘着層3を表示パネルと接して粘着層付き透明面材1と表示パネルと貼合する。そのため、剥離部4aの大きさは、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合した際に、表示パネルが粘着層3と接合する面とほぼ同じであり、表示パネルの画像表示領域とほぼ同じかひとまわり大きいことが好ましい。
残存部4bは、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合した後も、表示装置において粘着層3の周縁部の表面を保護し続け、かつ保護板2が割れた際には、粘着層3を介して貼着している保護板2の周縁部からの破片の脱落を抑える。残存部4bを設けずに、保護フィルム4全体を剥離して表示パネルと貼合することもできる。表示パネルが金属等の筺体フレームに収められており、フレームの開口部を通して表示領域を視認する場合には、フレームの開口部を介して粘着層3と表示パネルを表示領域において貼合する。この場合にフレームの開口部と表示領域の大きさが近接していることがあり、その場合には残存部4bを設けない方が好ましい。
保護フィルム4は、粘着層3に対する密着力が小さく、粘着層3から容易に剥離可能とする構成になっている。そのため、保護フィルム4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂を形成材料とすることが好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)を使用すると、粘着層3から保護フィルム4を剥離する操作が容易となるため好ましい。また、保護フィルム4の粘着層3に接する表面の十点平均粗さRzが2.0〜20μmであると、表示パネルと貼合する際に空隙の残存が抑えられ好ましい。
保護フィルム4の厚みは、材質により異なるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の比較的柔軟なフィルムを用いる場合には、40μm〜200μmが好ましく、60μm〜100μmがより好ましい。保護フィルム4の厚みが40μm以上であれば、粘着層3から保護フィルム4を剥離する際に保護フィルム4の過度の変形を抑えることができる。保護フィルム4の厚みが200μm以下であれば、剥離時に保護フィルム4が撓みやすくなり、剥離させる操作を容易にできる。
<粘着層付き透明面材の製造方法>
図2から図13は、本実施形態の粘着層付き透明面材の製造方法を示す工程図である。図2から図5、および図7から図13の(a)は、粘着層付き透明面材の製造方法を示す概略斜視図であり、これら各図の(b)は、各工程における概略断面図である。各図(b)に示す概略断面図は、図2(a)の線分A−Aおよび対応する位置における矢視断面図である。図6は、製造に用いる装置の説明図である。
まず、図2(a)(b)に示すように、透明面材を多面取りするための大型の透明面材である面材原板20(透明面材原板)を用意する。図に示すように、面材原板20には、透光部7が行列状に複数(図では9つ)設けられた遮光印刷部20aが設けられている。図2では、遮光印刷部20aが面材原板20の上面において周縁の端まで設けられているが、端まで設けない構成とすることもできる。
次いで、図3(a)(b)に示すように、面材原板20の遮光印刷部20aの上に枠状フィルム原板5Aを貼合する。面材原板20と枠状フィルム原板5Aとは、たとえば、枠状フィルム原板5Aの面材原板20と対向する面、または、面材原板20の遮光印刷部20aの上面のいずれか一方に不図示の粘着層を設け、該粘着層を介して貼合するとよい。貼合する方法は、特に限定されないが、後述する工程(図11に示す。)において、容易に枠状フィルム51を保護板2から除去するために、接着力の弱い方法であることが好ましい。
図3(b)に示すように、枠状フィルム原板5Aは、第1フィルム原板51Aと、第2フィルム原板52Aとが遮光印刷部20a側から積層してなる。枠状フィルム原板5Aは、遮光印刷部20aと平面的に重なって設けられている。枠状フィルム原板5Aは、後述する図9における加工時において、遮光印刷部20aの損傷を抑制するために設けられる。そのため、枠状フィルム原板5Aは、加工時に用いる切断刃(後述)による切断位置と平面的に重なる位置に設けられていれば、遮光印刷部2aよりも細い幅を有していてもよい。
(第1配置工程)
次いで、図4(a)(b)に示すように、まず、面材原板20の表面の周縁部に、液状の第1粘着材料を平面視で閉環状に塗布(配置)する。配置する第1粘着材料は、硬化性の樹脂組成物であり、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。第1粘着材料としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。本実施形態では、第1粘着材料として、光硬化性樹脂組成物を用いることとして説明する。
以下の説明では、第1粘着材料を閉環状に配置することにより、後述する工程において配置する第2粘着材料の塗れ広がりを堰き止める機能を有する。また、第1粘着材料が完全に硬化する前であることから、第1粘着材料の塗布により形成される構成を未硬化堰状部30と称する。
第1粘着材料の塗布は、印刷機、ディスペンサ等を用いて行われる。未硬化堰状部30は、塗布後に第1粘着材料を部分的に硬化させてもよい。未硬化堰状部30の部分的な硬化は、光の照射によって行う。たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光を照射して、光硬化性樹脂組成物を部分硬化させる。
塗布して形成される未硬化堰状部30の粘度は、500〜3000Pa・sが好ましく、800〜2500Pa・sがより好ましく、1000〜2000Pa・sがさらに好ましい。粘度が500Pa・s以上であれば、未硬化堰状部30の形状を比較的長時間維持でき、未硬化堰状部30の高さを充分に維持できる。粘度が3000Pa・s以下であれば、未硬化堰状部30を塗布によって形成できる。
また、第1粘着材料の塗布時の粘度が500Pa・sより小さい場合であっても、第1粘着材料が光硬化性組成物である場合には、塗布の直後に光を照射して重合させ、光照射後の未硬化堰状部30の粘度を上述の好ましい範囲とすればよい。塗布の容易さからは、第1粘着材料の塗布時の粘度が500Pa・s以下である方が好ましく、200Pa・s以下が更に好ましい。
第1粘着材料の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定した値を用いる。
光硬化性樹脂組成物である第1粘着材料としては、粘度を前記範囲に調整しやすい点から、前記硬化性化合物として、以下のオリゴマー(A)およびモノマー(B)を含み、モノマー(B)の割合が、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、15〜50質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A):硬化性基を有し、かつ数平均分子量が30000〜100000であるオリゴマーの1種以上
モノマー(B):硬化性基を有し、かつ分子量が125〜600であるモノマーの1種以上
塗布直後の光照射により、粘度を前記範囲に調節する場合には、第1粘着材料に含まれるモノマー(B)の割合が、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、30〜70質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A)が有する硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方が好ましい。
オリゴマー(A)としては、第1粘着材料の硬化性や、未硬化堰状部30を硬化させて得られる堰状部(後述)の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。オリゴマー(A)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、透明面材または表示パネルとの密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマー(A1)が好ましい。オリゴマー(A)は、1種でも2種以上用いてもよい。
モノマー(B)が有する硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方が好ましい。
モノマー(B)は、面材原板20と未硬化堰状部30との密着性や、後述する各種添加剤の溶解性の点から、水酸基を有するモノマーを含むことが好ましい。水酸基を有するモノマーとしては、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアクリレート(2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート等)、またはヒドロキシメタアクリレート(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等)が好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレート、または2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。モノマー(B)も1種でも2種以上用いてもよい。
第1粘着材料に含まれる光重合開始剤(C)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。吸収波長域の異なる2種以上の光重合開始剤(C)を併用することによって、光重合開始剤(C)を1種のみ用いる場合と比べ、第1粘着材料の硬化時間をさらに速めたり、未硬化堰状部30における表面硬化性を高めたりできる。
(第2配置工程)
次いで、図5(a)(b)に示すように、未硬化堰状部30で囲まれた領域に液状の第2粘着材料を塗布(配置)する。配置する第2粘着材料は、硬化性の樹脂組成物であり、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。第2粘着材料としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。本実施形態では、第2粘着材料として、光硬化性樹脂組成物を用いることとして説明する。
第2粘着材料の塗布量は、未硬化堰状部30、面材原板20、および図6,7で示す保護フィルム原板によって形成される空間が第2粘着材料によって充填され、かつ面材原板20と保護フィルム原板との間を、予め設定した間隔とするだけの分量に設定する。この際、第2粘着材料の塗布量は、第2粘着材料の硬化収縮による体積減少をあらかじめ考慮することが好ましい。よって、該塗布量は、前記空間の容積を満たす量よりも若干多い量が好ましい。
第2粘着材料の塗布方法としては、面材原板20を平置きにし、ディスペンサ、ダイコータ等の供給手段によって、点状、線状、帯状または面状に塗布する方法が挙げられる。たとえば、ディスペンサ35を公知の水平移動機構によって水平方向に走査しながら第2粘着材料を塗布することとするとよい。
図5(a)では、ディスペンサ35の走査方向を矢印で示している。図5(a)では、ディスペンサ35から、1本の線状に第2粘着材料を塗布することとして示しているが、ディスペンサ35に供給口を複数用意し、第2粘着材料を線状に複数本同時に塗布することとしてもよい。
以下の説明では、第2粘着材料を塗布することにより、未硬化堰状部30に囲まれた領域に配置される第2粘着材料の層状の構成を、第2粘着材料が硬化する前であることから未硬化層状部31(第2粘着材料の層)と称する。
塗布する第2粘着材料の粘度は、0.05〜50Pa・sが好ましく、1〜20Pa・sがより好ましい。粘度が0.05Pa・s以上であれば、後述するモノマー(B')の割合を抑えることができ、未硬化層状部31を硬化して得られる層状部(後述)の物性の低下が抑えられる。また、低沸点の成分が少なくなるため、後述する減圧雰囲気下における揮発が抑えられ好適となる。粘度が50Pa・s以下であれば、未硬化層状部31に空隙が残留しにくい。
第2粘着材料の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定した値を用いる。
光硬化性樹脂組成物である第2粘着材料としては、粘度を前記範囲に調整しやすい点から、前記硬化性化合物として、以下のオリゴマー(A')およびモノマー(B')を含み、モノマー(B')の割合が、オリゴマー(A')とモノマー(B')との合計(100質量%)のうち、40〜80質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A’):硬化性基を有し、かつ数平均分子量が1000〜100000であるオリゴマーの1種以上
モノマー(B’):硬化性基を有し、かつ分子量が125〜600であるモノマーの1種以上
オリゴマー(A')が有する硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高い層状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方が好ましい。
モノマー(B')が有する硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高い層状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方が好ましい。
モノマー(B')としては、第2粘着材料の硬化性、未硬化層状部31を硬化させて得られる層状部(後述)の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。
第2粘着材料に含まれる光重合開始剤(C')としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。
(貼合工程)
次いで、図6、7に示すように、未硬化層状部31が形成された面材原板20に保護フィルム原板を重ねる。図6は、本工程で用いる減圧装置の構成を示す概略図である。図7は、減圧装置を用いた工程図である。
図6に示すように、減圧装置100は、チャンバー38と、吸着パッド40と、上定盤42と、下定盤44と、エアシリンダ46と、真空ポンプ48と、を有している。
減圧装置100においては、面材原板20と、保護フィルム原板4Aが貼着された支持面材36とを減圧装置100内に搬入する。減圧装置100内の上部には、複数の吸着パッド40を有する上定盤42が配置され、下部には、下定盤44が設けられている。上定盤42は、エアシリンダ46によって上下方向に移動可能とされている。
支持面材36は、保護フィルム原板4Aが貼着された面を下にして吸着パッド40に取り付けられる。支持面材36は、保護フィルム原板4Aを保持するため治具であり、たとえばガラス板等が用いられる。
面材原板20は、未硬化層状部31が供給された面を上にして下定盤44の上に固定され、保護フィルム原板4Aと対向して配置される。
ついで、チャンバー38内の空気を真空ポンプ48によって吸引する。チャンバー38内の雰囲気圧力が、所定の減圧雰囲気(第1雰囲気)に達した後、支持面材36を上定盤42の吸着パッド40によって吸着保持した状態で、下に待機している面材原板20に向けて、エアシリンダ46を動作させて下降させる。
すなわち、図7(a)(b)に示すように、支持面材36に保持された保護フィルム原板4Aを面材原板20に向けて降下させ、未硬化層状部31に保護フィルム原板4Aを重ねる。このように、面材原板20、保護フィルム原板4Aおよび未硬化堰状部30で囲まれた空間(以下、密封空間と称する。)に未硬化層状部31を密封し、減圧雰囲気下で所定時間保持する。
重ね合わせの際、支持面材36の自重、図6に示すエアシリンダ46からの押圧等によって、未硬化層状部31(すなわち、第2粘着材料)が押し広げられ、密封空間内に第2粘着材料が充満するように、未硬化層状部31が変形する。
重ね合わせの際の減圧雰囲気は、1kPa以下であることが好ましい。減圧雰囲気の圧力の下限は、減圧装置の性能に依存するところが大きいが、5Pa以上であることが好ましい。また、減圧雰囲気の圧力は、10〜300Paがより好ましく、15〜100Paがさらに好ましい。
減圧雰囲気が極度に低圧であると、第2粘着材料に含まれる必須成分(硬化性化合物、光重合開始剤)や、前記必須成分に含まれる成分(重合禁止剤、連鎖移動剤、光安定剤等)に悪影響を与えるおそれがある。たとえば、減圧雰囲気が極度に低圧であると、各成分が気化するおそれがある。また、減圧雰囲気を提供するために時間がかかり、工程作業時間(タクトタイム)が増加するおそれがある。
面材原板20と保護フィルム原板4Aとを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、特に限定されず、第2粘着材料の密封後、直ちに減圧雰囲気を解除してもよく、第2粘着材料の密封後、減圧状態を所定時間維持してもよい。
その後、減圧雰囲気を解除した後、面材原板20と保護フィルム原板4Aとを重ね合わせた積層体(以下、未硬化積層体と称する。)を、重ね合せ時の減圧雰囲気よりも高圧の圧力雰囲気(第2雰囲気)に置く。たとえば、未硬化積層体を圧力が50kPa以上の雰囲気下に置く。
未硬化積層体を50kPa以上の圧力雰囲気下に置くと、上昇した圧力によって面材原板20と保護フィルム原板4Aとが密着する方向に押圧される。そのため、未硬化積層体の密封空間に第2粘着材料が配置されていない空隙が存在すると、該空隙に未硬化層状部31を構成する第2粘着材料が流動していき、密封空間全体が未硬化層状部31によって均一に充填される。
未硬化積層体を50kPa以上の圧力雰囲気下に置いた時点から、次工程における未硬化層状部31の硬化を開始するまでの時間(以下、高圧保持時間と記す。)は、特に限定されない。たとえば、大気圧雰囲気下に置いた時点ですでに積層物の密閉空間内に空隙が存在しない場合、直ちに未硬化の層状部を硬化させることができる。また、未硬化積層体を減圧装置から取り出して、硬化を開始するまでのプロセスを大気圧雰囲気下で行う場合には、そのプロセスに要する時間が高圧保持時間となり、そのプロセスの間に空隙が消失した場合には、直ちに未硬化の層状部を硬化させることができる。一方、空隙が消失するまでに時間を要する場合は、未硬化積層体を空隙が消失するまで50kPa以上の雰囲気下で保持する。
また、高圧保持時間が長くなっても製造される粘着層付き透明面材の品質に支障は生じないことから、たとえば、後段の工程にボトルネックとなる工程が存在し、未硬化積層体の処理が滞留するようなプロセス上の要請から、高圧保持時間を長くしてもよい。高圧保持時間は、1日以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、6時間以内が好ましく、1時間以内がより好ましく、さらに生産効率が高まる点から、10分以内が特に好ましい。
(硬化工程)
次いで、図8(a)(b)に示すように、未硬化堰状部および未硬化層状部を硬化させることによって、堰状部32および層状部33を形成し、面材原板20と層状部33と保護フィルム原板4Aとが積層した積層体を得る。この際、未硬化堰状部は、未硬化層状部の硬化と同時に硬化させてもよく、未硬化層状部の硬化の前にあらかじめ硬化させてもよい。
本実施形態においては、未硬化堰状部および未硬化層状部は、光硬化樹脂組成物からなるため、光Lを照射して硬化させる。たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光(光L)を照射して、未硬化堰状部および未硬化層状部を硬化させる。
光Lは、面材原板20側から照射してもよく、支持面材36側から照射してもよいが、本実施形態のように、面材原板20の周縁部に遮光印刷部20aが形成されている場合は、支持面材36の側から光Lを照射する。また、たとえば、面材原板20に反射防止層が設けられる場合や、面材原板20から未硬化層状部までの間に光を透過しない層が設けられる場合には、同様に支持面材36側から光Lを照射する。
堰状部32および層状部33の形成後、支持面材36を保護フィルム原板4Aから剥離する。
(切断工程)
次いで、図9(a)(b)に示すように、切断手段60を用い、保護フィルム原板4A、層状部33、および枠状フィルム原板5Aの一部を積層体の厚み方向に切断する。切断手段60としては、たとえば、基体62の一面に複数の枠状の切断刃61が設けられたものを用いることができる。切断手段60は、鋼の基体の一面をエッチングして切断刃61を形成した腐食刃型や、トムソン型等を用いることができる。
切断は、枠状の切断刃61が、平面視で透光部7を囲むように枠状フィルム原板5Aに沿って行われる。図9では、切断手段60を用い、切断刃61を下方に向けて降下させ、保護フィルム原板4A、層状部33を切断するとともに、第2フィルム原板52Aと第1フィルム原板51Aとの界面を超えて、第1フィルム原板51Aに達するまで枠状フィルム原板5Aを切断する様子を示している。
その後、第1フィルム原板51Aと第2フィルム原板52Aとの界面で剥離して、保護フィルム原板4Aの一部、層状部33の一部および第2フィルム原板52Aの一部を、複数の切断刃61の間の領域に対応した格子状の余剰部分として除去する。これにより、保護フィルム原板4Aから複数の保護フィルム4を分割して形成でき、層状部33から複数の粘着層3を分割して形成できる。
切断刃61による切断加工時には、たとえば、切断刃61を下方に移動させる際の移動装置の位置制御精度や、面材原板20の表面のうねりにより、切断刃61の刃先が所定の(たとえば20μm〜30μm)位置ズレ幅を有する。このような場合であっても、たとえば、第1フィルム原板51Aを50μm〜150μm、第2フィルム原板52Aを20μm〜60μmとし、切断刃61の刃先を第1フィルム原板51Aの中央付近にくるように調整しておくことで、第2フィルム原板52Aを確実に切断しつつ、遮光印刷部20aに切断刃61が至ることがない。第1フィルム原板51Aと第2フィルム原板52Aとの界面で剥離可能とすることで、前記格子状の余剰部分を容易に除去できる。余剰部分の除去後には、粘着層3に第2フィルム原板52Aの一部である枠状フィルム52が残される。
次いで、図10(a)(b)に示すように、格子状の余剰部分を除去して形成された溝3yに沿って、切断装置70からレーザー光LBを照射し、第1フィルム原板51Aおよび面材原板20を切断する。これにより、面材原板20から複数の保護板2を分割して形成できる。切断後には、保護板2上に第1フィルム原板51Aの一部である枠状フィルム51が残される。
切断装置70は、レーザー光LBの光源を備えている。該光源としては、固体レーザーおよび気体レーザーを用いることができる。
固体レーザーとしては、ルビーレーザー、ガラスレーザー、YAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネット)レーザーを挙げられる。YAGレーザーとしては、レーザー媒質にネオジム(Nd)を添加したNd:YAGレーザー、エルビウム(Er)を添加したEr:YAGレーザー、ホルミウム(Ho)を添加したHo:YAGレーザー、イッテルビウム(Yb)を添加したYb:YAGレーザーを用いることができる。
気体レーザーとしては、COレーザー、COレーザー、Arレーザー、エキシマレーザーが挙げられる。
前記光源は、非線形光学素子を有することで、上述の固体レーザーや気体レーザーから射出されるレーザー光の波長を基本波として、該基本波の整数倍の周波数の光を射出する構成であってもよい。
レーザー光の発振方式には制限はなく、レーザー光を連続発振するCWレーザー、レーザー光を断続的に発振するパルスレーザーのいずれも使用可能である。また、レーザー光の強度分布に制限はなく、ガウシアン型の強度分布を呈するレーザー光や、トップハット型の強度分布を呈するレーザー光を用いることができる。
次いで、図11(a)(b)に示すように、保護板2上に残存する枠状フィルム51を除去する。図11(a)においては、枠状フィルム51を4つの帯状の小片に分割して除去することとしているが、これに限らず、枠状につながった状態のまま枠状フィルム51を除去することとしてもよい。
枠状フィルム51を除去する方法は、特に限定されない。たとえば、枠状フィルム51が保護板2からはみ出している部分を固定し、治具等を用いて保護板2を上方向へと移動させることにより、枠状フィルム51と遮光印刷部2aとの界面、および枠状フィルム51と枠状フィルム52との界面を剥離させ、枠状フィルム51を除去できる。また、手動で枠状フィルム51を除去してもよい。
次いで、図12(a)(b)に示すように、たとえば糸巻状の回転砥石80を用い、保護板2の側面2sおよび角部2eを面取りする。面取り時に、クーラントや加工時の飛沫が粘着層3の側面3sに接触しないように、粘着層3の側面3sを適宜保護したうえで、面取りを行うとよい。また、上述の図10における切断精度が高く、面取りが不要である場合には、本工程は省略できる。
次いで、図13(a)(b)に示すように、遮光印刷部2aと平面的に重なる部分の保護フィルム4に、ナイフ90を用いて切れ込み4cを形成し、保護フィルム4を周縁部の残存部4bと残存部4bで囲まれた剥離部4aとに分割する。
さらに、たとえば、剥離部4aの対角線を結ぶように切れ込み4cを形成し、剥離部4aを複数(図では4つ)に分割する。4つに分割された剥離部4aは、使用時に、剥離部4aの平面視中央において切れ込み4cの交差する位置から、図で示す矢印方向(残存部4bの方向)に向けて剥離される。
たとえば、保護フィルム4を端部から粘着層3の剥離から剥離しようとすると、枠状フィルム51を除去した後に形成される窪み3xから粘着層3が持ち上がり、粘着層3が剥離するおそれがあるが、図の矢印方向に剥離部4aを剥離することで、粘着層3の剥離を抑制できる構成となる。
以上のようにして、本実施形態の粘着層付き透明面材1を製造する。
以上のような方法の粘着層付き透明面材の製造方法によれば、高い生産性で粘着層付き透明面材を製造できる。
なお、本実施形態においては、レーザー光LBを用いて第1フィルム原板51Aと面材原板20とを同時に切断することとしたが、予め第1フィルム原板51Aを切除した後に、レーザー光を用いて面材原板20を切断することとしても構わない。例えば、第1フィルム原板51Aがレーザー光を吸収してしまう素材等の場合にこの方法を行う場合がある。
また、本実施形態においては、レーザー光LBを用いて第1フィルム原板51Aと面材原板20とを同時に切断した後、形成される枠状フィルム51を除去することとしたが、レーザー光LBによる切断前に予め第1フィルム原板51Aを除去してもよい。
また、本実施形態においては、枠状フィルム原板5Aを貼合して製造方法を実施したが、枠状フィルム原板5Aを用いることなく実施してもよい。
また、本実施形態においては、枠状フィルム原板5Aとして第1フィルム原板51Aと第2フィルム原板52Aとが積層した積層フィルムを用いることとしたが、枠状フィルム原板として単層フィルムを用いることとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更できる。
たとえば、前記実施形態では、表示パネルに粘着層付き透明面材を貼合して表示装置を製造する構成について説明したが、粘着層付き透明面材は、たとえばタッチパネル等の座標入力装置に貼合して使用してもよい。
また、粘着層付き透明面材に含まれる透明面材は、タッチパネル付き表示装置においてタッチパネル部分を構成する、透明電極を有する透明面材であってもよい。
1…粘着層付き透明面材、2…保護板(透明面材)、3…粘着層、4…保護フィルム、4A…保護フィルム原板、5A…枠状フィルム原板、7…透光部、L…光、20…面材原板(透明面材原板)、33…層状部、51,52…枠状フィルム、51A…第1フィルム原板、52A…第2フィルム原板、LB…レーザー光

Claims (7)

  1. 透明面材原板の表面に、液状の第1粘着材料を平面視で閉環状に配置する第1配置工程と、
    前記第1粘着材料で囲まれた領域に、液状の第2粘着材料を配置する第2配置工程と、
    大気圧よりも減圧された第1雰囲気において、前記第2粘着材料の層に保護フィルム原板を貼合する貼合工程と、
    前記第1雰囲気よりも高圧の第2雰囲気において、少なくとも前記第2粘着材料を硬化させた層状部を形成し、前記透明面材原板と前記保護フィルム原板と前記層状部とが積層した積層体を得る硬化工程と、
    前記積層体を厚み方向に切断し、前記透明面材原板を分割してなる複数の透明面材と、前記保護フィルム原板を分割してなる複数の保護フィルムと、前記層状部を分割してなる複数の粘着層と、を形成する切断工程と、を有する粘着層付き透明面材の製造方法。
  2. 前記第1配置工程に先立って、前記透明面材原板の表面に、複数の透光部を有する枠状フィルム原板を貼合し、
    前記切断工程において、前記枠状フィルム原板を厚み方向に切断して、前記枠状フィルム原板を分割してなる枠状フィルムを形成する請求項1に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
  3. 前記枠状フィルム原板が、前記透明面材原板に面する第1フィルム原板と、前記第1フィルム原板に積層され、前記第1フィルム原板との界面で剥離可能な第2フィルム原板と、を有し、
    前記切断工程が、前記保護フィルム原板と前記層状部と前記第2フィルム原板とを切断し、前記第1フィルム原板と前記第2フィルム原板との界面で剥離して、前記保護フィルム原板の一部と前記層状部の一部と前記第2フィルム原板の一部とを除去する工程と、
    前記除去する工程で形成される溝に沿って、前記第1フィルム原板と前記透明面材原板とを切断する工程と、を含む請求項2に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
  4. 前記第1粘着材料が、前記透明面材原板の表面の周縁部に配置される請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
  5. 前記切断工程は、前記層状部を切断する工程と、前記透明面材原板を切断する工程とをそれぞれ別の工程として有する請求項1または2に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
  6. レーザー光を用いて、少なくとも前記透明面材原板を切断する請求項1から5のいずれか一項に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
  7. 前記第1雰囲気の圧力が、5Pa以上1kPa以下であり、
    前記第2雰囲気の圧力が、50kPa以上である請求項1から6のいずれか一項に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
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