JP2016029159A - 樹脂組成物、多層構造体、多層シート、ブロー成形容器及び熱成形容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びポリオレフィンを含有し、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、下記式(1)で表される条件を満たす樹脂組成物である。
(Ma−Mb)/Ma<0.45 ・・・(1)
Ma:示差屈折率検出器で測定されるピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
Mb:紫外可視吸光度検出器で測定される波長220nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
【選択図】なし
Description
(Ma−Mb)/Ma<0.45 ・・・(1)
Ma:示差屈折率検出器で測定されるピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
Mb:紫外可視吸光度検出器で測定される波長220nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
(Ma−Mc)/Ma<0.45 ・・・(2)
Mc:紫外可視吸光度検出器で測定される波長280nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)及びPO(B)を含有する。当該樹脂組成物は、EVOH(A)及びPO(B)以外に、有機酸のアルカリ金属塩(C)、酸変性ポリオレフィン(D)、脂肪酸多価金属塩(E)、その他の任意成分等を含有していてもよい。
EVOH(A)は、エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化したものである。
ピークトップ分子量(Ma)は、窒素雰囲気下、220℃で50時間熱処理した後のEVOH(A)をゲルパーミションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)を用いて分離し、このときにカラムから溶出されるEVOH(A)の図1に模式的に示すように示差屈折率検出器において測定されるシグナル(図1中の「RI」)のメインピークの最大値に対応する値である。本発明におけるピークトップ分子量(Ma)は、後述の方法により作成される検量線を用いて算出されるポリメタクリル酸メチル換算(以下、「PMMA換算」ともいう)の値である。
吸収ピーク分子量(Mb)及び(Mc)は、図1に模式的に示すようにピークトップ分子量(Ma)の測定と同じ条件でGPCによりEVOH(A)を分離し、紫外可視吸光度検出器において測定される特定波長でのシグナル(図1中の「UV」)の吸収ピークの最大値に相当する値である。この吸収ピーク分子量(Mb)及び(Mc)は、ポリメタクリル酸メチル換算の分子量である。なお、波長220nmにおける吸収ピークの分子量は、「Mb」として表記し、波長280nmにおける吸収ピークの分子量は「Mc」として表記する。
検量線は、例えば標品としてAgilent Technologies社の単分散のPMMA(ピークトップ分子量:1,944,000、790,000、467,400、271,400、144,000、79,250、35,300、13,300、7,100、1,960、1,020、690)を測定し、示差屈折率検出器及び吸光度検出器のそれぞれについて作成する。検量線の作成には、解析ソフトを用いることが好ましい。なお、本測定のPMMAの測定においては、例えば1,944,000と271,400との両分子量の標準試料同士のピークが分離できるカラムを用いる。
EVOH(A)は、下記式(1)で表される条件を満たすものである。
式(1)で表される条件を満たすEVOH(A)を調製する方法としては、従来のEVOHの調製において、
(A)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、ビニルエステルに含まれるラジカル重合禁止剤を予め除去する方法、
(B)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、ラジカル重合に用いるビニルエステルに含まれる不純物を特定量とする方法、
(C)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合温度を特定範囲とする方法、
(D)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合工程、又は上記重合工程後に未反応のビニルエステルを回収再利用する工程において有機酸を添加する方法、
(E)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合に用いる溶媒の不純物を特定量とする方法、
(F)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合に用いる溶媒とビニルエステルとの質量比(溶媒/ビニルエステル)を高める方法、
(G)エチレンとビニルエステルモノマーとをラジカル重合する際に使用するラジカル重合開始剤として、アゾニトリル系開始剤又は有機過酸化物系開始剤を用いる方法、
(H)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、ラジカル重合後にラジカル重合禁止剤を添加する場合の添加量を残存する未分解のラジカル重合開始剤に対して特定量とする方法、
(I)残存するビニルエステルが極力除去されたエチレンとビニルエステルとの共重合体のアルコール溶液をけん化反応に用いる方法、
(J)けん化に用いるエチレンとビニルエステルとの共重合体に酸化防止剤を添加する方法等
が挙げられ、(A)〜(J)を適宜組み合わせてもよい。また、(A)〜(J)により、式(2)で表される条件を満たすEVOH(A)を調製することもできる。(A)〜(J)の方法について以下で説明する。
上記ラジカル重合禁止剤としては、後述する(H)でラジカル重合後に添加するラジカル重合禁止剤として例示するものと同様のもの等が挙げられる。また、ラジカル重合禁止剤を除去する方法としては、カラムクロマトグラフィーを用いる方法、再沈法、蒸留法等が挙げられ、通常蒸留法が採用される。蒸留法によりラジカル重合禁止剤を除去する場合、ビニルエステルの沸点はラジカル重合禁止剤の沸点よりも低いため、蒸留塔頂部から重合禁止剤が除去されたビニルエステルを得ることができる。
ラジカル重合に用いるビニルエステルに含まれる不純物の合計含有量の下限としては、1ppmが好ましく、3ppmがより好ましく、5ppmがさらに好ましい。また、上記不純物の合計含有量の上限としては、1,200ppmが好ましく、1,100ppmがより好ましく、1,000ppmがさらに好ましい。
エチレンとビニルエステルとの共重合体の重合温度の下限としては、20℃が好ましく、40℃がより好ましい。一方、上記重合温度の上限としては、90℃が好ましく、70℃がより好ましい。
本方法は、重合系への有機酸の添加により、ビニルエステルのアルコールによる加アルコール分解や微量の水分による加水分解を抑制することで、アセトアルデヒド等のアルデヒドの生成を抑制できる。上記有機酸としては、グリコール酸、グリセリン酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸;マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、シュウ酸、グルタル酸等の多価カルボン酸などが挙げられる。
重合に用いる溶媒の不純物の合計含有量の下限としては、1ppmが好ましく、3ppmがより好ましく、5ppmがさらに好ましい。上記不純物の合計含有量の上限としては、1,200ppmが好ましく、1,100ppmがより好ましく、1,000ppmがさらに好ましい。重合に用いる溶媒の不純物としては、例えば上述のビニルエステルに含まれる不純物として例示したもの等が挙げられる。
上記重合に用いる溶媒とビニルエステルとの質量比(溶媒/ビニルエステル)の下限としては、0.03が好ましい。一方、上記質量比(溶媒/ビニルエステル)の上限としては、例えば0.4である。
アゾニトリル系開始剤としては、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えばアセチルパーオキシド、イソブチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
ラジカル重合後にラジカル重合禁止剤を添加する場合の添加量としては、残存する未分解のラジカル重合開始剤に対して、5モル当量以下が好ましい。上記ラジカル重合禁止剤としては、例えば共役二重結合を有する分子量1,000以下の化合物であって、ラジカルを安定化させて重合反応を阻害する化合物等が挙げられる。具体的な上記ラジカル重合禁止剤としては、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−ニトロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、フルベン、トロポン、オシメン、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、センブレン、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、アビエチン酸等の2個の炭素−炭素二重結合の共役構造を含む共役ジエン;1,3,5−ヘキサトリエン、2,4,6−オクタトリエン−1−カルボン酸、エレオステアリン酸、桐油、コレカルシフェロール等の3個の炭素−炭素二重結合を含む共役構造を含む共役トリエン;シクロオクタテトラエン、2,4,6,8−デカテトラエン−1−カルボン酸、レチノール、レチノイン酸等の4個以上の炭素−炭素二重結合の共役構造を含む共役ポリエンなどのポリエンが挙げられる。なお、1,3−ペンタジエン、ミルセン、ファルネセン等のように、複数の立体異性体を有するものについては、そのいずれを用いても良い。上記ラジカル重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−フェニル−1−プロペン、2−フェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、3,5−ジフェニル−5−メチル−2−ヘプテン、2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチル−1−ヘプテン、3,5,7−トリフェニル−5−エチル−7−メチル−2−ノネン、1,3−ジフェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、3,5−ジフェニル−5−メチル−3−ヘプテン、1,3,5−トリフェニル−1−ヘキセン、2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチル−2−ヘプテン、3,5,7−トリフェニル−5−エチル−7−メチル−3−ノネン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等の芳香族系化合物も挙げられる。
残存モノマーの除去率の下限としては、99モル%が好ましく、99.5モル%がより好ましく、99.8モル%がさらに好ましい。残存モノマーを除去する方法としては、例えばカラムクロマトグラフィーを用いる方法、再沈法、蒸留法等が挙げられ、蒸留法が好ましい。蒸留法で残存モノマーを除去する場合、ラシヒリングを充填した蒸留塔の上部からエチレンとビニルエステルとの共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、蒸留塔下部よりメタノール等の有機溶媒蒸気を吹き込む。これにより、蒸留塔頂部より上記有機溶媒と未反応ビニルエステルとの混合蒸気を留出させることができ、蒸留塔底部より未反応のビニルエステルが除去されたエチレンとビニルエステルとの共重合体溶液を取り出すことができる。ここで、「残存モノマーの除去率」とは、エチレンとビニルエステルとの共重合体のアルコール溶液について除去処理前後のモノマー含有量を測定し、以下の式で算出される値である。
残存モノマーの除去率(モル%)={1−(除去後の残存モノマー含有量/除去前の残存モノマー含有量)}×100
上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤としては、これらの中でフェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
EVOH(A)のメルトフローレートの下限としては、0.5g/10minが好ましく、1.0g/10minがより好ましく、1.4g/10minがさらに好ましい。一方、EVOH(A)のメルトフローレートの上限としては、30g/10minが好ましく、25g/10minがより好ましく、20g/10minがさらに好ましく、15g/10minが特に好ましく、10g/10minがさらに特に好ましく、1.6g/10minが最も好ましい。EVOH(A)のメルトフローレートが上記下限未満である場合、又は上記上限を超える場合、当該樹脂組成物の成形性及び外観性が悪化するおそれがある。
PO(B)は、例えばポリエチレン(低密度、直鎖状低密度、中密度、高密度等);エチレンと、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン類又はアクリル酸エステルとを共重合したエチレン系共重合体;ポリプロピレン;プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン類とを共重合したプロピレン系共重合体;ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、アイオノマー樹脂などを含んでいる。PO(B)としては、これらの中で、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体等のポリプロピレン系樹脂、及びポリエチレン、エチレン系共重合体等のポリエチレン系樹脂が好ましい。特に、当該樹脂組成物からなる層を有する多層構造体を食品包装材として用いる場合には、二次加工性に優れる観点から、ポリエチレン系樹脂が好ましく用いられる。また、PO(B)としては、未変性ポリオレフィンが好ましい。なお、PO(B)には、酸変性ポリオレフィンを含まない。つまり、当該樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン以外のポリオレフィン(B)を必須成分として含む。
当該樹脂組成物は、有機酸のアルカリ金属塩(C)を含有することで、着色を抑制することができ、その結果、外観性をより高めることができる。また、ロングラン性及び多層構造体とした際の層間接着力を向上させることができる。
当該樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン(D)をさらに含有するとよい。当該樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン(D)を含有することで、樹脂組成物中のEVOH(A)のミクロの領域での凝集が抑制され、その結果、熱成形における欠陥発生の抑制性、外観性及び強度がより向上する。
当該樹脂組成物は、脂肪酸多価金属塩(E)を含有することで、外観性及び耐衝撃性をより向上できる。脂肪酸多価金属塩(E)としては、例えばラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の炭素数10〜26の高級脂肪酸の金属塩、特に周期律表第2族及び第3族の金属塩、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。また、上記した脂肪酸の亜鉛塩を用いることもできる。脂肪酸多価金属塩(E)としては、これらの中で、カルシウム塩、マグネシウム塩等の周期律表第2族の金属塩が好ましい。
他の任意成分としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、ヒンダードフェノール系化合物やヒンダードアミン系化合物等の熱安定剤、ポリアミド等の他の樹脂、ハイドロタルサイト化合物等が挙げられる。当該樹脂組成物の他の任意成分の合計含有量としては、通常1質量%以下である。
当該樹脂組成物のメルトフローレートの下限としては、0.5g/10minが好ましく、1.0g/10minがより好ましく、1.4g/10minがさらに好ましい。一方、当該樹脂組成物のメルトフローレートの上限としては、30g/10minが好ましく、25g/10minがより好ましく、20g/10minがさらに好ましく、15g/10minが特に好ましく、10g/10minがさらに特に好ましく、1.6g/10minが最も好ましい。当該樹脂組成物のメルトフローレートが上記下限未満である場合、又は上記上限を超える場合、成形性及び外観性が悪化するおそれがある。
当該樹脂組成物の製造方法としては、例えばEVOH(A)、PO(B)及び有機酸のカルボン酸塩(C)等の任意成分を均一にブレンドできる方法であれば特に限定されない。なお、各成分のブレンドには、例えばリボンブレンダー、高速ミキサーコニーダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミキサー等を用いることができる。
当該多層構造体は、上述の当該樹脂組成物から形成される層(以下、「EVOH樹脂組成物層」ともいう)を少なくとも有するものである。当該多層構造体は、EVOH樹脂組成物層以外に、他の成分からなる層を有していてもよい。当該多層構造体は、その層構成及び層の総数、層の厚みや比率、他の層に用いられる樹脂の種類、接着性樹脂の有無及びその種類等は特に限定されない。
上記他の成分からなる層としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層、及びポリオレフィンからなる層が好ましい。
当該多層構造体の各層間は接着性樹脂を介して積層されていてもよい。この接着性樹脂層として使用される接着性樹脂としては、上述の酸変性ポリオレフィン(D)が好適である。
当該多層構造体は、後述する方法により、フィルム、シート、テープ、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、パイプ等の任意の成形品に成形できる。ここでフィルムとは、通常300μm未満の平均厚みを有するものをいい、シートとは、通常300μm以上の平均厚みを有するものをいう。
当該多層構造体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば押出ラミネート法、ドライラミネート法、押出ブロー成形法、共押出ラミネート法、共押出成形法、共押出パイプ成形法、共押出ブロー成形法、共射出成形法、溶液コート法等が挙げられる。当該多層構造体の製造方法としては、汎用性の観点から、共押出成形法及び共射出成形方が好ましい。なお、共押出成形法又は共射出成形法を用いるときには、EVOH(A)、PO(B)、他の熱可塑性樹脂、接着性樹脂等の各樹脂をそれぞれ個別に熱成形装置に供給することがより好ましい。
当該多層構造体は、2次加工により目的の形状の成形品に成形してもよい。2次加工の方法としては、例えば延伸法、熱成形法、ブロー成形法等が挙げられる。延伸法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等が挙げられる。延伸法で二軸延伸する場合には、同時二軸延伸方式及び逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。熱成形法としては、真空成形法、圧空成形方、真空空圧成形方等が挙げられる。熱成形法により、フィルム状又はシート状の当該多層構造体をカップやトレイ状に成形することができる。また、ブロー成形法としては、パリソン状の当該多層構造体をブローによりボトル、チューブ状に成形する方法が挙げられる。このブロー成形法により、ブロー成形容器等を成形できる。これらの2次加工は、通常EVOH(A)の融点以下の温度範囲で行われる。当該多層構造体の2次加工の方法としては、これらの中で、真空圧空成形法が好ましい。真空圧空成形法は、当該多層構造体を加熱し、真空と圧空とを併用して成形する方法である。上記成形品は、上述の当該多層構造体を用いて真空圧空成形法により形成されることで、容易かつ確実に製造することができ、その結果、外観性及び耐衝撃性により優れる。
当該ブロー成形容器は、上述の2次加工により、当該多層構造体から形成される。当該ブロー成形容器は、当該多層構造体から形成されるので、外観性及び耐衝撃性に優れる。
当該多層シートは、当該多層構造体からなる。当該多層シートは、そのまま用いてもよいが、熱成形容器の材料として好適に用いることができる。当該多層シートを熱成形等に成形する方法としては、当該多層構造体を2次加工する方法として例示した成形法と同様の方法等が挙げられる。
当該熱成形容器は、当該多層シートから形成され、外観性及び耐衝撃性に優れる。当該熱成形容器は、目的にあわせて成形し、必要に応じてヒートシールを行い容器とし、その容器内に内容物を充填して輸送、保存等に使用することができる。この内容物としては、食品及び非食品のいずれも使用することができ、乾燥物、水分を含むもの、及び油分を含むもののいずれであっても構わない。また、当該多層構造体からなる容器をボイル処理やレトルト処理に供することもできる。この場合、ポリプロピレンが両外層に使われているもの、又はEVOH層が厚いものが好適に用いられる。
[合成例1](EVOHペレットの合成)
(エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合)
ジャケット、攪拌機、窒素導入口、エチレン導入口及び開始剤添加口を備えた250L加圧反応槽に、酢酸ビニルを83kg、メタノールを14.9kg仕込み、60℃に昇温した後、反応液に窒素ガスを30分間バブリングして反応槽内を窒素置換した。次いで反応槽圧力(エチレン圧力)が4.0MPaとなるようにエチレンを導入した。反応槽内の温度を60℃に調整した後、開始剤として12.3gの2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社の「V−65」)をメタノール溶液として添加し、重合を開始した。重合中はエチレン圧力を4.0MPaに、重合温度を60℃に維持した。5時間後、酢酸ビニルの重合率が40%となったところで冷却して重合を停止した。反応槽からエチレンを排気し、さらに反応液に窒素ガスをバブリングしてエチレンを完全に除去した。次いで減圧下で未反応の酢酸ビニルを除去した後、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVAc」ともいう)を得た。合成に使用する酢酸ビニルは、下記表1に示す含有量のアセトアルデヒドを添加したものを用いた。
得られたEVAc溶液にメタノールを加え、濃度15質量%のEVAc溶液を得た。このEVAcのメタノール溶液253.4kg(溶液中のEVAcが38kg)に、水酸化ナトリウムを10質量%含むメタノール溶液76.6L(EVAc中の酢酸ビニルユニットに対してモル比0.4)を添加して60℃で4時間撹拌することにより、EVAcのけん化を行った。反応開始から6時間後、酢酸9.2kg及び水60Lを添加して上記反応液を中和し、反応を停止させた。
中和した上記反応液を反応器からドラム缶に移して16時間室温で放置し、ケーキ状に冷却固化させた。その後、遠心分離機(国産遠心器株式会社の「H−130」、回転数1200rpm)を用いて、上記ケーキ状の樹脂を脱液した。次に、遠心分離機の中央部に、上方よりイオン交換水を連続的に供給しながら洗浄し、上記樹脂を水洗する工程を10時間行った。洗浄開始から10時間後の洗浄液の伝導度は、30μS/cm(東亜電波工業株式会社の「CM−30ET」で測定)であった。
上記洗浄後の樹脂を乾燥機を用いて60℃で48時間乾燥し、粉末状のEVOHを得た。乾燥した粉末状のEVOH20kgを水及びメタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)43Lに溶解させ、80℃で12時間撹拌した。次に、撹拌を止めて溶解槽の温度を65℃に下げて5時間放置し、上述のEVOHの水及びメタノール溶液の脱泡を行った。そして、直径3.5mmの円形の開口部を有する金板から、5℃の水及びメタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=9/1)中に押出してストランド状に析出させ、切断することで直径約4mm、長さ約5mmの含水EVOHペレットを得た。
上記含水EVOHペレットを遠心分離機で脱液し、さらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返し行って洗浄し、EVOHペレットを得た。得られたEVOHのけん化度は99モル%であった。
酢酸ビニルのアセトアルデヒド含有量、EVOHのエチレン含有量及びけん化度、並びにアルカリ金属の含有量を表1に示すものとした以外は合成例1と同様にしてEVOHのペレットを合成した。
乾燥EVOHペレットを凍結粉砕により粉砕した。得られた粉砕EVOHを呼び寸法1mmのふるい(標準フルイ規格JIS−Z8801準拠)でふるい分けした。このふるいを通過したEVOH粉末5gを100gのイオン交換水中に浸漬し、85℃で4時間撹拌した後、脱液して乾燥する操作を二回行った。得られた洗浄後の粉末EVOHを用いて、下記の測定条件で1H−NMRの測定を行い、下記解析方法でエチレン含有量及びけん化度を求めた。
装置名 :超伝導核磁気共鳴装置(日本電子株式会社の「Lambda500」)
観測周波数 :500MHz
溶媒 :DMSO−d6
ポリマー濃度 :4質量%
測定温度 :40℃及び95℃
積算回数 :600回
パルス遅延時間:3.836秒
サンプル回転速度:10Hz〜12Hz
パルス幅(90°パルス):6.75μsec
40℃での測定では、3.3ppm付近に水分子中の水素のピークが観測され、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素のピークのうちの、3.1ppm〜3.7ppmの部分と重なった。一方、95℃での測定では、上記40℃で生じた重なりは解消するものの、4ppm〜4.5ppm付近に存在するEVOHのビニルアルコール単位の水酸基の水素のピークが、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素のピークのうちの、3.7ppm〜4ppmの部分と重なった。すなわち、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素(3.1ppm〜4ppm)の定量については、水又は水酸基の水素のピークとの重複を避けるために、3.1ppm〜3.7ppmの部分については、95℃の測定データを採用し、3.7ppm〜4ppmの部分については40℃の測定データを採用し、これらの合計値として当該メチン水素の全量を定量した。なお、水又は水酸基の水素のピークは測定温度を上昇させることで高磁場側にシフトすることが知られている。従って、以下のように40℃及び95℃の両方の測定結果を用いて解析した。上記の40℃で測定したスペクトルより、3.7ppm〜4ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I1)及び0.6ppm〜1.8ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I2)を求めた。
アルカリ金属含有量の測定は、分光分析装置を用いて定量した。具体的には、乾燥EVOHペレット0.5gをアクタック社のテフロン(登録商標)製耐圧容器に添加し、硝酸(和光純薬工業社の精密分析用)5mLを添加した。30分放置後、ラプチャーディスク付きキャップリップにて容器に蓋をし、マイクロウェーブ高速分解システム(アクタック社の「スピードウェーブ MWS−2」)にて150℃、10分、次いで180℃、10分の処理を行って乾燥EVOHペレットを分解させた。なお、上述の処理では乾燥EVOHペレットの分解が完了できていない場合、処理条件を適宜調節した。得られた分解物を10mLのイオン交換水で希釈し、全液を50mLのメスフラスコに移しとり、イオン交換水で定容することで分解溶液を得た。ICP発光分光分析装置(パーキンエルマージャパン社の「Optima 4300 DV」)を用い、上記分解溶液をNaの波長589.592nmで定量分析することで、アルカリ金属含有量を測定した。
溶融粘度(メルトフローレート)は、JIS−K7210(1999)に準拠し、温度190℃、荷重2,160gで測定した。
(測定サンプルの準備)
測定サンプルは、窒素雰囲気下、EVOHを220℃で50時間加熱することで作製した。
GPC測定は、VISCOTECH社の「GPCmax」を用いて行った。分子量は、示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器で検出されるシグナル強度に基づいて算出した。示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器としては、VISCOTECH社の「TDA305」及び「UV Detector2600」を用いた。この吸光度検出器の検出用セルとしては、光路長が10mmのものを用いた。GPCカラムとしては、昭和電工株式会社の「GPC HFIP−806M」を用いた。また、解析ソフトとしては、装置付属の「OmniSEC(Version 4.7.0.406)」を用いた。
測定サンプルを採取し、トリフルオロ酢酸ナトリウム20mmol/Lを含有するヘキサフルオロイソプロパノール(以下、「HFIP」ともいう)に溶解し、0.100wt/vol%溶液を調製した。測定には、0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した溶液を用いた。測定サンプルの溶解は、室温にて一晩静置することで行った。
標品として、Agilent Technologies社のポリメタクリル酸メチル(以下、「PMMA」と略記する)(ピークトップ分子量:1,944,000、790,000、467,400、271,400、144,000、79,250、35,300、13,300、7,100、1,960、1,020又は690)を測定し、示差屈折率検出器及び吸光度検出器のそれぞれについて、溶出容量をPMMA分子量に換算するための検量線を作成した。各検量線の作成には、上記解析ソフトを用いた。なお、本測定においてはPMMAの測定において、1,944,000及び271,400の両分子量の標準試料同士のピークが分離できるカラムを用いた。
[実施例1]
合成例1のEVOH樹脂組成物5.5質量部、PO(B)として未変性ポリオレフィンである低密度ポリエチレン(LDPE)87質量部(株式会社プライムポリマーの「HZ8200B」)、酸変性ポリオレフィン(D)としてマレイン酸変性ポリエチレン(三井化学株式会社の「アドマーGT−6A」)7.5質量部、及び脂肪酸多価金属塩(E)としてステアリン酸亜鉛0.15質量部を混合して混合物を得た。
押出機:株式会社東洋精機製作所製二軸押出機「ラボプラストミル」
スクリュー径:25mmφ
スクリュー回転数:100rpm
フィーダー回転数:100rpm
シリンダー、ダイ温度設定:C1/C2/C3/C4/C5/D
=180℃/230℃/250℃/250℃/250℃/250℃
表2に記載の種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様にしてEVOH樹脂組成物と、このEVOH樹脂組成物を複数回溶融混練した樹脂組成物(F)とを作製した。
共押出成形装置を用い、実施例1〜4及び比較例1のEVOH樹脂組成物、ポリオレフィン(ポリエチレン)、カルボン酸変性ポリオレフィン(三井化学アドマー社の「QF−500」)、及び樹脂組成物(F)を別々の押出機に仕込み、全層厚みが1000μmの4種6層となる多層シート(層構成:ポリオレフィン層300μm/カルボン酸変性ポリオレフィン層50μm/EVOH層50μm/カルボン酸変性ポリオレフィン層50μm/樹脂組成物(F)層400μm/ポリオレフィン層150μm)を作製した。
EVOH樹脂組成物の押出機:単軸スクリュー、直径40mm、L/D=26、温度170℃〜240℃
ポリオレフィンの押出機:単軸、スクリュー直径40mm、L/D=22、温度160℃〜210℃
樹脂組成物(F)の押出機:単軸スクリュー、直径65mm、L/D=22、温度200℃〜240℃
カルボン酸変性ポリオレフィンの押出機:単軸スクリュー、直径40mm、L/D=26、温度160℃〜220℃)
フィードブロック型ダイ(巾600mm)、温度255℃
共押出成形装置にて得られた多層シート(共押出成形装置の立ち上げから30分後、及び24時間後を採取)を15cm角に裁断し、浅野製作所社のバッチ式熱成形試験機にてシート温度150℃の条件で、カップ状(金型形状70φ×70mm、絞り比S=1.0)に熱成形(圧空:5kg/cm2、プラグ:45φ×65mm、シンタックスフォーム、プラグ温度:150℃、金型温度:70℃)することで熱成形容器を作製した。
[実施例5〜8及び比較例2]
実施例1〜4及び比較例1のEVOH樹脂組成物、ポリエチレン(株式会社プライムポリマーの「HZ8200B」)、接着性樹脂(三井化学株式会社の「アドマーGT−6A」)、及び樹脂組成物(F)を用い、ブロー成形機(鈴木製工所社の「TB−ST−6P」)にて210℃、金型内温度15℃で20秒間冷却して、全層平均厚み700μm((内側)ポリエチレン層240μm/接着性樹脂層40μm/EVOH層40μm/接着性樹脂層40μm/回収層100μm/ポリオレフィン層240μm(外側))の4種6層となる3Lのブロー成形容器を成形した。この容器の底面平均直径は100mm、平均高さは400mmであった。
[外観性評価]
回収回数が10回目の樹脂組成物(F)層を回収層に使用してブロー成形した3L容器について、目視にてスジ及び着色を下記基準にて評価し、外観性の評価とした。
「良好(A)」:スジは認められなかった。
「やや良好(B)」:スジが確認された。
「不良(C)」:多数のスジが確認された。
「良好(A)」:無色
「やや良好(B)」:黄変
「不良(C)」:激しく黄変
回収回数1、5、10回のEVOH樹脂組成物又は樹脂組成物(F)を回収層に使用してブロー成形した3L容器に、プロピレングリコールを2.5L充填し、開口部をポリエチレン40μm/アルミ箔12μm/ポリエチレンテレフタレート12μm構成のフィルムで熱シールして蓋をした。このタンクを−40℃で3日間冷却し、開口部が上になるように6mの高さから落下させ、破壊した個数で評価した(n=10)。
「良好(A)」:3個未満
「やや良好(B)」:3個以上6個未満
「不良(C)」:6個以上
ブロー成形容器を該容器側面と直角の方向にミクロトームで丁寧に切断し、さらにメスを用いて回収層を取り出した。露出した断面に減圧雰囲気下で白金を蒸着した。白金が蒸着された断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて10,000倍に拡大して写真撮影した。この写真中のEVOHの粒子20個程度を含む領域を選択し、該領域中に存在する各々の粒子像の粒径を測定し、その平均値を算出して、これを平均分散粒子径とした。なお、各々の粒子の粒径については、写真中に観察される粒子の長径(最も長い部分)を測定し、これを粒径とした。なお、上記フィルム又はシートの切断は押出方向に垂直に行い、切断面に対して、垂直方向からの写真撮影を行った。
「良好(A)」:1.5μm未満
「やや良好(B)」:1.5μm以上2.5μm未満
「不良(C)」:2.5μm以上
Claims (10)
- エチレン−ビニルアルコール共重合体及びポリオレフィンを含有し、
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、
示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、下記式(1)で表される条件を満たす樹脂組成物。
(Ma−Mb)/Ma<0.45 ・・・(1)
Ma:示差屈折率検出器で測定されるピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
Mb:紫外可視吸光度検出器で測定される波長220nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量 - 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、
示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、下記式(2)で表される条件をさらに満たす請求項1に記載の樹脂組成物。
(Ma−Mc)/Ma<0.45 ・・・(2)
Mc:紫外可視吸光度検出器で測定される波長280nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量 - 有機酸のアルカリ金属塩をさらに含有し、
上記アルカリ金属塩の含有量が金属換算で1ppm以上1,000ppm以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。 - 酸変性ポリオレフィンをさらに含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物。
- 脂肪酸多価金属塩をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される層
を少なくとも有する多層構造体。 - 上記層の少なくとも一方の面に積層される熱可塑性樹脂層
をさらに有する請求項6に記載の多層構造体。 - 請求項6又は請求項7に記載の多層構造体から形成されるブロー成形容器。
- 請求項6又は請求項7に記載の多層構造体からなる多層シート。
- 請求項9に記載の多層シートから形成される熱成形容器。
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