[第1の実施の形態]
まず、以下、図面を参照して第1の実施の形態の比較回路及び当該比較回路を備えた半導体装置を備える電池監視システムについて詳細に説明する。
まず、本実施の形態の電池監視システムの構成について説明する。本実施の形態の電池監視システムの概略構成の一例を図1に示す。図1に示した本実施の形態の電池監視システム10は、複数の電池セルを含む電池セル群12(図1では、具体的一例として、三個の電池セルを備えた電池セル群12を示している)と、電池セル群12の各電池セルの電池電圧を検出する電圧検出回路20を備えた半導体回路14と、電池セル群12を充電するための充電回路16と、を備えて構成されている。
充電回路16は、電池セル群12を充電する機能を有しており、例えば、最上位(最も高電圧側)の電池セルの正極(高電位)側と最下位(最も低電位側)の電池セルの負極(低電位)側とに所定の電圧を印加することにより充電を行う機能を有している。
半導体回路14は、電圧検出回路20と、処理回路22と、を備えて構成されており、電池セル群12の各電池セルの高電圧側と、低電圧側とが、端子(パッド)23を介して接続されている(図2参照)。
本実施の形態では、電圧検出回路20は、電池セル毎に設けられており、すなわち、電池セル群12の電池セルの数だけ、設けられている。本実施の形態の電圧検出回路20と電池セル群12との関係を図2に示す。電圧検出回路20は、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧とを比較する比較回路であり、具体的には、正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差(電池セルの電池電圧)が所定の電圧(充電禁止電圧)以下の場合に、所定の電位(本実施の形態ではGNDレベル)を出力OUTとして出力する機能を有するものである。なお、本実施の形態の半導体回路14では、全ての電圧検出回路20は同一の構成としている。
処理回路22は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリから構成されており、各電圧検出回路20から出力された出力OUTが所定の電位であるか否かにより、予め定められた処理(例えば、充電回路16に電池セル群12の充電を禁止する指示を出力する等)の処理を行う機能を有するものである(詳細後述)。
次に、本実施の形態の電圧検出回路20について詳細に説明する。図3に、本実施の形態の電圧検出回路20の概略構成の一例の回路図を示す。
本実施の形態の電圧検出回路20は、スイッチング素子として機能するPMOSトランジスタM1と、ダイオードD1と、定電流源I1と、定電流源I2と、を備えて構成されている。また、PMOSトランジスタM1と定電流源I2との間の電位を出力OUTとして取り出すための出力信号線21を備えている。
ダイオードD1は、アノード端子が電池セルの負極(低電位)側に接続されており、カソード端子が定電流源I1に接続されている。本実施の形態のダイオードD1は、電池セルの負極(低電位)側からPMOSトランジスタM1のゲート端子に印加される電圧を調整する機能を有している(詳細後述)。
PMOSトランジスタM1は、ソース端子が電池セルの正極側に端子(パッド)23を介して接続されており、ドレイン端子が定電流源I2に接続されている。また、ゲート端子がダイオードD1と定電流源I1との間に接続されている。
定電流源I1は、一端がダイオードD1に接続されており、他端が固定電位供給源(本実施の形態ではGNDレベル)に接続されている。また、定電流源I2は、一端がPMOSトランジスタM1に接続されており、他端が固定電位供給源(本実施の形態ではGNDレベル以下、GNDレベルと称する)に接続されている。
また、PMOSトランジスタM1と定電流源I2との間に出力OUTを出力するための出力信号線21が接続されている。
次に本実施の形態の電圧検出回路20の電圧検出動作について説明する。
まず、電池セルの電池電圧が高い場合について説明する。電池セルの電圧が高く、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差が大きく、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtを越える場合は、PMOSトランジスタM1は、オン状態になり、定電流源I2に電流が供給される。これにより、出力信号線21を介して出力される出力OUTは、電池セルの正極(高電位)側の電圧レベルとなる。
一方、電池セルの電池電圧が低い場合について説明する。電池セルの電圧が低く、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差が小さく、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vt以下の場合は、PMOSトランジスタM1は、オフ状態になり、定電流源I2に電流が供給されなくなる。これにより、出力信号線21を介して出力される出力OUTは、GNDレベルとなる。
ここで、本実施の形態では、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差により、出力OUTが電池セルの正極(高電位)側の電圧レベルからGNDレベルに変化する閾値を、ダイオードD1によって、電池セルの負極(低電位)側からPMOSトランジスタM1のゲート端子に印加される電圧を調整してやることにより、PMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtよりも小さい電圧値に設定することができる。
PMOSトランジスタM1のゲート端子には、電池セルの負極(低電位)側から印加される電圧からダイオードD1のアノード−カソード間電圧を差し引いた電圧が印加される。そのため、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧は、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差にダイオードD1のアノード−カソード間電圧が加算された電圧値となる。
すなわち、本実施の形態の電圧検出回路20では、出力OUTのレベルが変化する閾値は、PMOSトランジスタM1の閾値電圧VtからダイオードD1のアノード−カソード間電圧を差し引いた電圧となる。一般的に、PMOSトランジスタM1の閾値電圧Vt=0.8V、ダイオードD1の順方向電圧=0.7Vであるため、出力OUTのレベルが変化する閾値電圧は、0.8−0.7=0.1Vとなり、低い電圧に設定することができる。
従って、本実施の形態の電圧検出回路20では、電池セルの電圧を0.1Vまで検出することができる。
次に、本実施の形態の半導体回路14における電池セルの充電禁止判定動作について説明する。本実施の形態の半導体回路14では、処理回路22のCPUによりメモリに記憶されているプログラムが実行されることにより、充電禁止判定動作が行われる。図4に、本実施の形態の充電禁止判定動作の流れの一例のフローチャートを示す。
ステップ100では、電圧検出回路20の出力OUTを検出する。ここでは、いずれか1つの電圧検出回路20の出力OUTを検出する。次のステップ102では、検出した出力OUTをメモリ等に記憶する。
次のステップ104では、全部の電圧検出回路20の出力OUTを検出したか否かを判断する。まだ検出していない電圧検出回路20がある場合、例えば、図1に示した半導体回路14では、3つの電圧検出回路20の出力OUTを検出していない場合は、否定されてステップ100に戻り、出力OUTを検出し、記憶する処理を繰り返す。一方、全ての電圧検出回路20の出力OUTを検出した場合は、肯定されてステップ106へ進む。
ステップ106では、記憶している出力OUTに、GNDレベルを示すものが有るか否かを判定する。無い場合は、全ての電池セルが充電禁止電圧以上であるため、本処理を終了する。一方、1つでも、GNDレベルを示すものが有る場合は、ステップ108へ進み、所定の処置を行った後、本処理を終了する。所定の処置とは、例えば、充電回路16に充電を禁止させるための禁止信号を出力したり、電池監視システム10の外部に、電池セルの電圧が充電禁止電圧以下になった旨を報知する等の処置であり、上述した銅イオンの析出や電解液漏れ等の問題が発生しないように、充電禁止電圧以下となった電池セルを充電してしまうことを防止するための処置である。
以上説明したように、本実施の形態の電池監視システム10の半導体回路14における電圧検出回路20は、スイッチング素子として機能するPMOSトランジスタM1と、ダイオードD1と、定電流源I1と、定電流源I2と、を備えて構成されている。また、PMOSトランジスタM1と定電流源I2との間の電位を出力OUTとして取り出すための出力信号線21を備えている。ダイオードD1は、アノード端子が電池セルの負極(低電位)側に接続され、カソード端子が定電流源I1に接続されており、PMOSトランジスタM1は、ソース端子が電池セルの正極側に端子(パッド)23を介して接続され、ドレイン端子が定電流源I2に接続され、かつ、ゲート端子がダイオードD1と定電流源I1との間に接続されている。
電池セルの電圧が高く、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtを越える場合は、PMOSトランジスタM1は、オン状態になり、出力OUTは、電池セルの正極(高電位)側の電圧レベルとなる。一方、電池セルの電池電圧が低く、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vt以下の場合は、PMOSトランジスタM1は、オフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルとなる。
この際、本実施の形態では、ダイオードD1のアノード−カソード間(順方向)電圧により、電池セルの負極(低電位)側からPMOSトランジスタM1のゲート端子に印加される電圧を引き下げることができるため、出力OUTのレベルが変化する閾値をPMOSトランジスタM1の閾値電圧VtからダイオードD1のアノード−カソード間(順方向)電圧を差し引いた電圧とすることができる。
従って、電池セルの電池電圧が低い場合でも、電池セルの電池電圧を検出することができる。特に従来の電圧検出回路2000(図13参照)では、上述したように、電圧検出回路2000を構成するMOSトランジスタの閾値電圧Vtに依存して、検出可能な最低電圧を制限されていたが本実施の形態の電圧検出回路20では、出力OUTのレベルが変化する閾値をPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtよりも小さい値に設定することができるため、より低い電池セルの電池電圧でも検出することができる。
また、本実施の形態では、半導体回路14の処理回路22により、電圧検出回路20の出力OUTのレベルを検出し、GNDレベルか否かに基づいて、GNDレベルのものが有る場合は、当該出力OUTを検出した電圧検出回路20が検出した電池セルの電池電圧は、充電禁止電圧以下と判定して、充電を禁止するための所定の処置を行う。
従って、充電禁止電圧以下の電池セルに充電をしてしまうことによって生じる銅イオンの析出や電解液漏れ等の問題の発生を防止することができる。
なお、電池セル群12の最下位(低電位)側の電圧検出回路20については、負極(低電位)側の電位レベルが0Vである場合等、ダイオードD1の順方向電圧による電圧調整の効果が得られず、PMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtに応じて、PMOSトランジスタM1のオン・オフが制御される場合があるが、上述した従来の電圧検出回路2000よりも低い電圧を検出することができる。
[第2の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態の電圧検出回路について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態の電圧検出回路20と電圧検出回路の構成、動作が異なる他は、第1の実施の形態と略同様の構成、及び動作であるため、略同様の部分については、その旨を記載し、詳細な説明を省略する。
電池監視システム10及び半導体回路14は、電圧検出回路20を本実施の形態の電圧検出回路と置き換える他は、第1の実施の形態と略同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図5に本実施の形態の、電圧検出回路30の概略構成の一例の回路図を示す。
本実施の形態の電圧検出回路30は、スイッチング素子として機能するPMOSトランジスタM1と、PMOSトランジスタM2と、抵抗素子R1と、定電流源I1と、定電流源I2と、を備えて構成されている。また、PMOSトランジスタM1と定電流源I2との間の電位を出力OUTとして取り出すための出力信号線21を備えている。
抵抗素子R1は、電池セルの正極(高電位)側と、PMOSトランジスタM1のソース端子との間に設けられている。本実施の形態の抵抗素子R1は、電池セルの正極(高電位)側からPMOSトランジスタM1のソース端子に印加される電圧を調整する機能を有している(詳細後述)。
PMOSトランジスタM1は、ソース端子が抵抗素子R1を介して電池セルの正極(高電位)側に接続されており、ドレイン端子が定電流源I2に接続されている。また、PMOSトランジスタM2は、ソース端子が電池セルの負極(低電位)側に接続されており、ドレイン端子が定電流源I1に接続されている。さらに、PMOSトランジスタM1のゲート端子と、PMOSトランジスタM2のゲート端子とは、共に、PMOSトランジスタM2のドレイン端子に接続され、カレントミラー回路を構成している。なお、本実施の形態では、PMOSトランジスタM1とPMOSトランジスタM2とは、同様の構成のPMOSトランジスタとしている。
また、PMOSトランジスタM1と定電流源I2との間に出力OUTを出力するための出力信号線21が接続されている。
次に本実施の形態の電圧検出回路30の電圧検出動作について説明する。
まず、電池セルの電池電圧が高い場合について説明する。電池セルの電圧が高く、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差が大きく、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtを越える場合は、PMOSトランジスタM1は、オン状態になり、定電流源I2に電流が供給される。これにより、出力信号線21を介して出力される出力OUTは、電池セルの正極(高電位)側の電圧レベルとなる。
一方、電池セルの電池電圧が低い場合について説明する。電池セルの電圧が低く、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差が小さく、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vt以下の場合は、PMOSトランジスタM1は、オフ状態になり、定電流源I2に電流が供給されなくなる。これにより、出力信号線21を介して出力される出力OUTは、GNDレベルとなる。
ここで、本実施の形態では、電池セルの正極(高電位)側の電圧と負極(低電位)側の電圧との差により、出力OUTが電池セルの正極(高電位)側の電圧レベルからGNDレベルに変化する閾値を、抵抗素子R1の電圧降下によって、電池セルの正極(高電位)側からPMOSトランジスタM1のソース端子に印加される電圧を調整してやることにより、PMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtよりも小さい電圧値に設定することができる。
PMOSトランジスタM1とPMOSトランジスタM2とは、カレントミラー回路を構成しており、また、ゲート端子に印加される電圧は同一になる。また、PMOSトランジスタM1のソース端子には、電池セルの正極(高電位)側から印加される電圧から抵抗素子R1の電圧降下分を差し引いた電圧が印加される。
従って、本実施の形態の電圧検出回路30では、出力OUTのレベルが変化する閾値は、PMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtにかかわらず、抵抗素子R1の電圧降下分の電圧となる。具体的には、抵抗素子R1の抵抗値と、定電流源I2の電流値I2とにより電圧降下分が定まる。
そのため、本実施の形態の電圧検出回路30では、抵抗素子R1の抵抗値と、定電流源I2の電流値I2とを調整することにより、出力OUTのレベルが変化する閾値を任意の値に設定することができ、低い電圧に設定することができる。
従って、本実施の形態の電圧検出回路30では、電池セルの電圧をPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtにかかわらず、低い電圧(例えば、0.1V)まで検出することができる。
本実施の形態の半導体回路14における電池セルの充電禁止判定動作は、第1の実施の形態と略同様であり、半導体回路14の処理回路22により、電圧検出回路30の出力OUTのレベルを検出し、GNDレベルか否かに基づいて、GNDレベルのものが有る場合は、当該出力OUTを検出した電圧検出回路30が検出した電池セルの電池電圧は、充電禁止電圧以下と判定して、充電を禁止するための所定の処置を行うものであるためここでは説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態の電池監視システム10の半導体回路14における電圧検出回路30は、スイッチング素子として機能するPMOSトランジスタM1と、PMOSトランジスタM2と、抵抗素子R1と、定電流源I1と、定電流源I2と、を備えて構成されている。また、PMOSトランジスタM1と定電流源I2との間の電位を出力OUTとして取り出すための出力信号線21を備えている。
抵抗素子R1は、電池セルの正極(高電位)側と、PMOSトランジスタM1のソース端子との間に設けられている。PMOSトランジスタM1は、ソース端子が抵抗素子R1を介して電池セルの正極(高電位)側に接続されており、ドレイン端子が定電流源I2に接続されている。PMOSトランジスタM2は、ソース端子が電池セルの負極(低電位)側に接続されており、ドレイン端子が定電流源I1に接続されている。PMOSトランジスタM1とPMOSトランジスタM2とは共に、ゲート端子がPMOSトランジスタM2のドレイン端子に接続され、カレントミラー回路を構成している。
電池セルの電圧が高く、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtを越える場合は、PMOSトランジスタM1は、オン状態になり、出力OUTは、電池セルの正極(高電位)側の電圧レベルとなる。一方、電池セルの電池電圧が低く、PMOSトランジスタM1のゲート−ソース間電圧がPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vt以下の場合は、PMOSトランジスタM1は、オフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルとなる。
この際、本実施の形態では、カレントミラー回路を構成しており、また、PMOSトランジスタM1のソース端子には、電池セルの正極(高電位)側から印加される電圧から抵抗素子R1の電圧降下分を差し引いた電圧が印加されるため、出力OUTのレベルが変化する閾値を、定電流源I2の電流値I2に応じた抵抗素子R1の電圧降下分の電圧値とすることができる。
従って、抵抗素子R1の抵抗値と定電流源I2の電流値I2とを調整することにより、出力OUTのレベルが変化する閾値を任意の値に設定することができるため、電池セルの電池電圧が低い場合でも、電池セルの電池電圧を検出することができる。
すなわち、第1の実施の形態と同様に、出力OUTのレベルが変化する閾値をPMOSトランジスタM1の閾値電圧Vtよりも小さい値に設定することができるため、より低い電池セルの電池電圧でも検出することができる。
また、第1の実施の形態と同様に、半導体回路14の処理回路22により、電池セルの電池電圧が充電禁止電圧以下の場合に、充電を禁止するための所定の処置を行うため、充電禁止電圧以下の電池セルに充電をしてしまうことによって生じる銅イオンの析出や電解液漏れ等の問題の発生を防止することができる。
[第3の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、電池セルの充電禁止判定動作のその他の例について説明する。本実施の形態では、電池セル群12を搭載したシステム(例えば、車や電動自転車に搭載されたシステム等)が長期間使用されず、電池セル群12の各電池セルが自然放電を起すことにより、電池セル群12の電池セルの電圧が一斉に(同一電圧分)低下した場合に、電池セル群12の電池セルの電池電圧が充電禁止電圧以下となったか否かを判定する充電禁止判定動作の具体的一例について説明する。
本実施の形態の充電禁止判定動作を説明するための電池監視システム10の半導体回路14における電圧検出回路20(201〜205)の模式的図面を図6〜10に示す。なお、ここでは、電圧検出回路として第1の実施の形態の電圧検出回路20を用いているが、第2の実施の形態の電圧検出回路30としてもよいことは言うまでもない。また、ここでは、電池セル群12が5個の電池セルを備えている場合を示している。
本実施の形態では、具体的一例として、電池セルの電圧値(充電が完了している状態の電圧値)=3.6V、電圧検出回路20(201〜205)のPMOSトランジスタM1(M11〜M15)の閾値電圧Vt=0.8V、ダイオードD1(D11〜D15)の順方向電圧=0.7Vとする。
まず、電池セル群12の各電池セルの電圧値が理想的な値(充電が完了している状態の電圧値)である場合の電圧検出回路20(201〜205)の動作について図7の模式図を参照して説明する。
PMOSトランジスタM11のゲート端子に印加される電位(ポイントP1の電位)は、0Vになる。PMOSトランジスタM11のソース端子に印加される電位は電位1=3.6Vであるため、PMOSトランジスタM11のゲート−ソース間電圧は、3.6V−0V=3.6Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM11はオン状態になり、出力OUTは、電位1のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM12のゲート端子に印加される電位(ポイントP2の電位)は、電位1からダイオードD12の順方向電圧を差し引いた値となるため、P2=3.6V−0.7V=2.9Vになる。PMOSトランジスタM12のソース端子に印加される電位は電位2=7.2Vであるため、PMOSトランジスタM12のゲート−ソース間電圧は、7.2V−2.9V=4.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM12はオン状態になり、出力OUTは、電位2のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM13のゲート端子に印加される電位(ポイントP3の電位)は、電位2からダイオードD13の順方向電圧を差し引いた値となるため、P3=7.2V−0.7V=6.5Vになる。PMOSトランジスタM13のソース端子に印加される電位は電位3=10.8Vであるため、PMOSトランジスタM13のゲート−ソース間電圧は、10.8V−6.5V=4.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM13はオン状態になり、出力OUTは、電位3のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM14のゲート端子に印加される電位(ポイントP4の電位)は、電位3からダイオードD14の順方向電圧を差し引いた値となるため、P4=10.8V−0.7V=10.1Vになる。PMOSトランジスタM14のソース端子に印加される電位は電位4=14.4Vであるため、PMOSトランジスタM14のゲート−ソース間電圧は、14.4V−10.1V=4.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM14はオン状態になり、出力OUTは、電位4のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM15のゲート端子に印加される電位(ポイントP5の電位)は、電位4からダイオードD15の順方向電圧を差し引いた値となるため、P5=14.4V−0.7V=13.7Vになる。PMOSトランジスタM15のソース端子に印加される電位は電位5=18.0Vであるため、PMOSトランジスタM15のゲート−ソース間電圧は、18.0V−13.7V=4.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM15はオン状態になり、出力OUTは、電位5のレベルを出力する。
この場合、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20(201〜205)がないため、処理回路22では、電池セル群12の電池セルの電池電圧が充電禁止電圧を超えていると判定するため、充電禁止動作は行われない。
次に、電池セル群12の各電池セルの電池電圧が大幅に低下した場合について説明する。ここでは、各電池セルの電池電圧が全て0.6Vにまで低下した場合の電圧検出回路20(201〜205)の動作について図8の模式図を参照して説明する。
PMOSトランジスタM11のゲート端子に印加されるポイントP1の電位は、0Vになる。PMOSトランジスタM11のソース端子に印加される電位は電位1=0.6Vであるため、PMOSトランジスタM11のゲート−ソース間電圧は、0.6V−0V=0.6Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM11はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM12のゲート端子に印加されるポイントP2の電位は、電位1からダイオードD12の順方向電圧を差し引いた値となるため0Vになる。PMOSトランジスタM12のソース端子に印加される電位は電位2=1.2Vであるため、PMOSトランジスタM12のゲート−ソース間電圧は、1.2V−0V=1.2Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM12はオン状態になり、出力OUTは、電位2のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM13のゲート端子に印加されるポイントP3の電位は、電位2からダイオードD13の順方向電圧を差し引いた値となるため、P3=1.2V−0.7V=0.5Vになる。PMOSトランジスタM13のソース端子に印加される電位は電位3=1.8Vであるため、PMOSトランジスタM13のゲート−ソース間電圧は、1.8V−0.5V=1.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM13はオン状態になり、出力OUTは、電位3のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM14のゲート端子に印加されるポイントP4の電位は、電位3からダイオードD14の順方向電圧を差し引いた値となるため、P4=1.8V−0.7V=1.1Vになる。PMOSトランジスタM14のソース端子に印加される電位は電位4=2.4Vであるため、PMOSトランジスタM14のゲート−ソース間電圧は、2.4V−1.1V=1.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM14はオン状態になり、出力OUTは、電位4のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM15のゲート端子に印加されるポイントP5の電位は、電位4からダイオードD15の順方向電圧を差し引いた値となるため、P5=2.4V−0.7V=1.7Vになる。PMOSトランジスタM15のソース端子に印加される電位は電位5=3.0Vであるため、PMOSトランジスタM15のゲート−ソース間電圧は、3.0V−1.7V=1.3Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM15はオン状態になり、出力OUTは、電位5のレベルを出力する。
この場合、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20(201〜205)がないため、処理回路22では、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20が1つ有ることを検出する。充電禁止電圧が0.6Vに設定されている場合は、このようにGNDレベルの電圧検出回路20が1つ有る場合に、電池セル群12の充電動作を禁止するよう判定することにより、充電を禁止することができる。
次に、電池セル群12の各電池セルの電池電圧がさらに低下した場合について説明する。ここでは、各電池セルの電池電圧が全て0.4Vにまで低下した場合の電圧検出回路20(201〜205)の動作について図9の模式図を参照して説明する。
PMOSトランジスタM11のゲート端子に印加されるポイントP1の電位は、0Vになる。PMOSトランジスタM11のソース端子に印加される電位は電位1=0.4Vであるため、PMOSトランジスタM11のゲート−ソース間電圧は、0.4V−0V=0.4Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM11はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM12のゲート端子に印加されるポイントP2の電位は、電位1からダイオードD12の順方向電圧を差し引いた値となるため0Vになる。PMOSトランジスタM12のソース端子に印加される電位は電位2=0.8Vであるため、PMOSトランジスタM12のゲート−ソース間電圧は、0.8V−0V=0.8Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM12はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM13のゲート端子に印加されるポイントP3の電位は、電位2からダイオードD13の順方向電圧を差し引いた値となるため、P3=0.8V−0.7V=0.1Vになる。PMOSトランジスタM13のソース端子に印加される電位は電位3=1.2Vであるため、PMOSトランジスタM13のゲート−ソース間電圧は、1.2V−0.1V=1.1Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM13はオン状態になり、出力OUTは、電位3のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM14のゲート端子に印加されるポイントP4の電位は、電位3からダイオードD14の順方向電圧を差し引いた値となるため、P4=1.2V−0.7V=0.5Vになる。PMOSトランジスタM14のソース端子に印加される電位は電位4=1.6Vであるため、PMOSトランジスタM14のゲート−ソース間電圧は、1.6V−0.5V=1.1Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM14はオン状態になり、出力OUTは、電位4のレベルを出力する。
PMOSトランジスタM15のゲート端子に印加されるポイントP5の電位は、電位4からダイオードD15の順方向電圧を差し引いた値となるため、P5=1.6V−0.7V=0.9Vになる。PMOSトランジスタM15のソース端子に印加される電位は電位5=2.0Vであるため、PMOSトランジスタM15のゲート−ソース間電圧は、2.0V−0.9V=1.1Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM15はオン状態になり、出力OUTは、電位5のレベルを出力する。
この場合、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20(201〜205)がないため、処理回路22では、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20が2つ有ることを検出する。充電禁止電圧が0.4Vに設定されている場合は、このようにGNDレベルの電圧検出回路20が2つ有る場合に、電池セル群12の充電動作を禁止するよう判定することにより、充電を禁止することができる。
また、電池セル群12の各電池セルの電池電圧がさらに低下した場合について説明する。ここでは、各電池セルの電池電圧が全て0.2Vにまで低下した場合の電圧検出回路20(201〜205)の動作について図10の模式図を参照して説明する。
PMOSトランジスタM11のゲート端子に印加されるポイントP1の電位は、0Vになる。PMOSトランジスタM11のソース端子に印加される電位は電位1=0.2Vであるため、PMOSトランジスタM11のゲート−ソース間電圧は、0.2V−0V=0.2Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM11はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM12のゲート端子に印加されるポイントP2の電位は、電位1からダイオードD12の順方向電圧を差し引いた値となるため0Vになる。PMOSトランジスタM12のソース端子に印加される電位は電位2=0.4Vであるため、PMOSトランジスタM12のゲート−ソース間電圧は、0.4V−0V=0.4Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM12はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM13のゲート端子に印加されるポイントP3の電位は、電位2からダイオードD13の順方向電圧を差し引いた値となるため0Vになる。PMOSトランジスタM13のソース端子に印加される電位は電位3=0.6Vであるため、PMOSトランジスタM13のゲート−ソース間電圧は、0.6V−0V=0.6Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM13はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM14のゲート端子に印加されるポイントP4の電位は、電位3からダイオードD14の順方向電圧を差し引いた値となるため0Vになる。PMOSトランジスタM14のソース端子に印加される電位は電位4=0.8Vであるため、PMOSトランジスタM14のゲート−ソース間電圧は、0.8V−0V=0.8Vとなる。閾値電圧Vt=0.8V以下であるため、PMOSトランジスタM14はオフ状態になり、出力OUTは、GNDレベルを出力する。
PMOSトランジスタM15のゲート端子に印加されるポイントP5の電位は、電位4からダイオードD15の順方向電圧を差し引いた値となるため、P5=0.8V−0.7V=0.1Vになる。PMOSトランジスタM15のソース端子に印加される電位は電位5=1.0Vであるため、PMOSトランジスタM15のゲート−ソース間電圧は、1.0V−0.1V=0.9Vとなる。閾値電圧Vt=0.8Vを越えているため、PMOSトランジスタM15はオン状態になり、出力OUTは、電位5のレベルを出力する。
この場合、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20(201〜205)がないため、処理回路22では、出力OUTがGNDレベルの電圧検出回路20が4つ有ることを検出する。充電禁止電圧が0.2Vに設定されている場合は、このようにGNDレベルの電圧検出回路20が4つ有る場合に、電池セル群12の充電動作を禁止するよう判定することにより、充電を禁止することができる。
このように、充電禁止電圧に応じて予め定められているGNDレベルを出力する出力OUTの数に応じて、電池セル群12の充電を禁止する充電禁止判定動作の流れの一例を図11に示す。
図11に示した、充電禁止判定動作のステップ150、152、154は、第1の実施の形態の充電禁止判定動作(図4参照)のステップ100、102、104にそれぞれ対応している。すなわち、電圧検出回路20の出力OUTを検出して、記憶する処理を電圧検出回路20(201〜205)の全てに対して行った後、ステップ156へ進む。
ステップ156では、充電禁止電圧の設定に応じたGNDレベルの出力OUT数を取得する。充電禁止電圧は、予め所定の値(固定値)が設定されていてもよいし、電池セル群12の使用状況等に応じて、任意に設定するようにしてもよい。充電禁止電圧とGNDレベルの出力OUT数との対応関係は予め図示を省略した記憶部(メモリ)等に記憶しておけばよい。例えば、上述の場合、充電禁止電圧=0.6Vの場合はGNDレベルの出力OUT数=1、充電禁止電圧=0.4Vの場合は出力OUT数=2、充電禁止電圧=0.2Vの場合はGNDレベルの出力OUT数=4を取得する。
次のステップ158では、ステップ152で記憶した出力OUTのうち、GNDレベルを示しているものの数を計数し、次のステップ160では、ステップ156で取得した取得数≦ステップ158で計数した計数値であるか否かを判断する。否定された場合は、電池セル群12の各電池セルの電池電圧が充電禁止電圧を超えているため、本処理を終了する。一方、肯定された場合は、電池セル群12の各電池セルの電池電圧が充電禁止電圧以下であるため、ステップ162に進み、第1の実施の形態の充電禁止判定動作(図4参照)のステップ108と同様に、充電を禁止するための所定の処置を行った後、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態の充電禁止判定動作では、GNDレベルを出力する出力OUTの数を検出することにより、電池セル群12の電池セルの電池電圧が充電禁止電圧以下であるか否かを判定することができる。また、充電禁止電圧に応じて予め定められているGNDレベルを出力する出力OUTの数に応じて、電池セル群12の充電を禁止することができるため、充電禁止電圧を任意に設定することができる。
なお、上述の第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、上位(高電位)側の電池セルの電圧検出回路のPMOSトランジスタM1には、高電圧が印加されることが想定されるが、このような場合は、高耐圧のPMOSトランジスタを用いるように構成すればよい。
なお、上述の第1の実施の形態〜第3の実施の形態では処理回路22を電圧検出回路20と同じ半導体回路14内部に備えるように構成したが、これに限らず、別の回路(チップ上)に形成するようにしてもよい。また、同様に充電回路16を電池監視システム10の外部に備えるように構成してもよい。
また、上述の第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、電池セル群12の各電池セル毎に、電圧検出回路を備えた場合について詳細に説明したがこれに限らず、例えば、電池セル群12に対して1つの電圧検出回路を設け、適宜スイッチング素子等で電圧を検出したい電池セルと電圧検出回路とを接続するようにしてもよい。
また、第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、スイッチング素子としてPMOSトランジスタを用いているがこれに限らず、例えば、PNPトランジスタとしてもよい。また、例えば、スイッチング素子としてNMOSトランジスタや、NPNトランジスタを用いてもよい。この場合の一例として、第1の実施の形態において、スイッチング素子としてNMOSトランジスタを用いた場合を図12に示す。図12に示した検出回路20では、スイッチング素子としてNMOSトランジスタM1のドレイン端子が電池セルの負極(低電位)側に接続されており、ソース端子が定電流源I1に接続されている。また、ゲート端子がダイオードD1と定電流源I2との間に接続されている。また、トランジスタM1のゲート端子に印加される電圧を調整するダイオードD1が電池セルの正極(高電位)側に設けられている。また、NMOSトランジスタM1と定電流源I1との間に出力OUTを出力するための出力信号線21が接続されている。第1の実施の形態と同様に、トランジスタM1のゲート端子に印加される電圧を調整することにより、ゲート−ソース間電圧を調整して、閾値電圧Vtにかかわらず、低い電池セルの電圧を検出することができる。
なお、スイッチング素子として用いているトランジスタは、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtを越える場合にオフ状態からオン状態に切り替わるよう動作するため、トランジスタ(スイッチング素子)のソース側が電池セルの正極(高電位)側、または負極(低電位)側に接続されているように、検出回路20を構成することが好ましい。そのため、スイッチング素子としては、第1〜第3の実施の形態のようにPMOSトランジスタを用いることが好ましい。なお、製造コストの観点からは、PMOSトランジスタを用いることが好ましい。
また、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で説明した、電圧検出回路の構成や動作、第1の実施の形態で電圧を調整するために用いたダイオードD1、第2の実施の形態で電圧を調整するために用いた抵抗素子R1等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更されることは言うまでもない。例えば、第1の実施の形態におけるダイオードD1は、電池セルの負極(低電位)側から印加される電圧を降下させることにより電圧を調整するものであればよく抵抗素子等であってもよい。なお、第1の実施の形態では、一定の順方向電圧により、電圧を降下させることができるため、ダイオードを用いることが好ましい。また、例えば、第2の実施の形態における抵抗素子R1も同様に、電池セルの負極(低電位)側から印加される電圧を降下させることにより電圧を調整するものであってダイオード等であってもよい。なお、流れる電流に応じて電圧降下量を変動させることができるため、抵抗素子を用いることが好ましい。