JP2016024902A - 雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法 - Google Patents

雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016024902A
JP2016024902A JP2014146888A JP2014146888A JP2016024902A JP 2016024902 A JP2016024902 A JP 2016024902A JP 2014146888 A JP2014146888 A JP 2014146888A JP 2014146888 A JP2014146888 A JP 2014146888A JP 2016024902 A JP2016024902 A JP 2016024902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piece
elastic
electrical contact
cylindrical wall
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014146888A
Other languages
English (en)
Inventor
大亮 宮川
Daisuke Miyagawa
大亮 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2014146888A priority Critical patent/JP2016024902A/ja
Priority to US14/799,767 priority patent/US20160020528A1/en
Publication of JP2016024902A publication Critical patent/JP2016024902A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R43/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining, or repairing of line connectors or current collectors or for joining electric conductors
    • H01R43/16Apparatus or processes specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining, or repairing of line connectors or current collectors or for joining electric conductors for manufacturing contact members, e.g. by punching and by bending
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/02Contact members
    • H01R13/10Sockets for co-operation with pins or blades
    • H01R13/11Resilient sockets
    • H01R13/111Resilient sockets co-operating with pins having a circular transverse section

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Abstract

【課題】簡単でコンパクトな構造で、雄型電気接触部に対する良好な接触荷重を確実に発揮させる。【解決手段】雄型電気接触部挿入用の開口19を前端側に有する筒壁6と、開口から後方に離間した位置で筒壁に設けられた切欠孔7と、切欠孔の前端7aから筒壁の内側に向けて斜め後方に突出した弾性接触片8と、切欠孔の後端7bから筒壁の内側に向けて斜め前方に突出し、前端部11で弾性接触片の後端部10の外面を支持する弾性補助片9とを備える雌型電気接触部1を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、雄型電気接触部に対する接触荷重を高めた雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法に関するものである。
従来、例えば端子の雌型電気接触部における弾性接触部を相手側の端子の雄型電気接触部に良好な接触圧力でしっかりと弾性接触させるために、種々の雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法が提案されている。
例えば特許文献1には、図10に示す如く、雌端子(ソケット端子)51の雌型電気接触部52を、周方向に等間隔で配置された三片の弾性接触片53を含む筒状部54と、筒状部54の外周面に嵌合して各弾性接触片53を縮径方向に押圧した別体のばねリング55とで構成したことが記載されている。
各弾性接触片53は軸方向に延びた各スリット56で相互に分割されている。上部中央のスリット56は、筒状部54を丸め加工した際の合わせ目である。中央のスリット56の両側の二つの弾性接触片53に、ばねリング55を位置決め係止する前後の突起57が設けられている。雌型電気接触部52は後方の電線接続部58に続いている。各弾性接触片56の内面には不図示の接点部が突出形成されている。電線(図示せず)を接続した雌端子51は不図示のコネクタハウジング内に収容されてコネクタを構成する。
雌端子51を収容したコネクタは、不図示の雄端子(ピン端子)を収容した相手側コネクタに嵌合され、雄端子の雄型電気接触部(丸ピン)が雌端子51の雌型電気接触部52内に挿入接続される。例えば、雌端子51に接続された電線はハイブリッドカーのインバータに接続され、雄端子に接続された電線はモータに接続される。
また、特許文献2(図示せず)には、雌端子の略筒状の雌型電気接触部(端子接続部)に一対のほぼ同じ大きさ形状の弾性腕部をほぼ全長に渡って板厚方向(電気接触部の径方向)に重ね合わせて配置し、一対の弾性腕部で成る弾性接触片(弾性片)で、相手側のピン状の雄端子に対する接触荷重を確保したことが記載されている。
雌型電気接触部の筒状部には、一対の弾性腕部で成る弾性接触片の他に、一対の内向きの突部(インデント部)が周方向に離間して形成されている。雌型電気接触部の筒状部内に相手側の雄端子が挿入されて、弾性接触片と一対の突部との三点で雄端子に接触する。
雌型電気接触部の加工に際しては、先ず、一枚の板状の金属材を打ち抜き加工して、一対の弾性腕部に対応する部分を金属材幅方向に離間して一体に形成する。次いで、金属材をプレス加工あるいは冷間鍛造加工で円筒状に湾曲させると共に、一対の弾性腕部を所要形状に屈曲させてほぼ全長に渡って厚み方向に重ね合わせる。一対の弾性腕部を含む雌型電気接触部は同一の金属材で一体に形成されている。
特開2011−193677号公報(図1〜図4) 特開2011−159606号公報(図1,図7)
しかしながら、上記特許文献1(図10)に記載された雌型電気接触部52にあっては、弾性接触片53を含む筒状部54と、別体のばねリング55との二部品で構成しているために、組付工数やコストが増加するという懸念があった。
また、上記特許文献2(図示せず)に記載された雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法にあっては、一対の弾性腕部がほぼ同じ大きさ形状で形成されて、弾性腕部のほぼ全長に渡って重ね合わされるものであるので、大きな面積の金属材(母材)が必要になると共に、雌型電気接触部の構造が複雑化・重量化し兼ねないという懸念があった。
本発明は、上記した点に鑑み、簡単でコンパクトな構造で、雄型電気接触部に対する良好な接触荷重を確実に発揮させることのできる雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る雌型電気接触部は、雄型電気接触部挿入用の開口を前端側に有する筒壁と、該開口から後方に離間した位置で該筒壁に設けられた切欠孔と、該切欠孔の前端から該筒壁の内側に向けて斜め後方に突出した弾性接触片と、該切欠孔の後端から該筒壁の内側に向けて斜め前方に突出し、前端部で該弾性接触片の後端部の外面を支持する弾性補助片とを備えることを特徴とする。
上記構成により、雄型電気接触部が雌型電気接触部の筒壁の開口から筒壁内に挿入され、弾性接触片の後端部(先端部)の内面が雄型電気接触部の外面に接触しつつ、弾性接触片が雄型電気接触部の外面で外向きに押されて撓んだ際に、弾性補助片の前端部(先端部)が弾性接触片の後端部の外面に当接して、弾性接触片の外向きの撓みを抑制する。また、弾性接触片が雄型電気接触部の外面で外向きに押されて撓んだ際に、弾性補助片の前端部が弾性接触片の後端部で外向きに押されて撓み、弾性接触片のばね力と弾性補助片のばね力との総和のばね力(接触荷重)で弾性接触片が雄型電気接触部に接触する。これにより、雄型電気接触部に対する良好な接触荷重が確実に発揮される。また、筒壁に弾性接触片と弾性補助片とが一体に形成されるので、構造が簡単化・コンパクト化される。
請求項2に係る雌型電気接触部は、請求項1記載の雌型電気接触部において、前記弾性接触片の後端部の外面と前記弾性補助片の前端部の内面とが面接触で接触することを特徴とする。
上記構成により、筒壁の切欠孔の前端から後方に向けて内向きに傾斜した弾性接触片と、切欠孔の後端から前方に向けて内向きに傾斜した弾性補助片とが各先端部において面接触することで、例えば雄型電気接触部が斜め方向から挿入された場合や、車両搭載時の振動等によっても、弾性補助片の前端部が弾性接触片の後端部から離脱することなく弾性接触片の後端部をしっかりと支持する。
請求項3に係る雌型電気接触部は、請求項1又は2記載の雌型電気接触部において、前記切欠孔と前記弾性接触片と前記弾性補助片とが各一対ないしそれ以上の数で前記筒壁に設けられたことを特徴とする。
上記構成により、各弾性接触片が各弾性補助片で支持され、雄型電気接触部に対する各弾性接触片の接触荷重が良好に発揮される。弾性接触片と弾性補助片の数を増やしても、一つの筒壁から各弾性接触片と各弾性補助片とが一体に形成されるので、簡単でコンパクトな構造が維持される。
請求項4に係る雌型電気接触部の形成方法は、導電金属製の平板状の筒壁展開形状部に山型状の弾性片対応部を切り起こして設け、該山型状の弾性片対応部を頂部から切断して、一方の弾性片と他方の弾性片とを形成し、該一方の弾性片よりも低く外側に位置するように該他方の弾性片を叩き又は伸延させ、又は該他方の弾性片よりも高く内側に位置するように該一方の弾性片を伸延させ、弾性接触片としての該一方の弾性片の先端部の外面を弾性補助片としての該他方の弾性片の先端部で支持することを特徴とする。
上記構成により、筒壁展開形状部が屈曲加工されて筒壁となり、筒壁に一方の弾性片である弾性接触片と他方の弾性片である弾性補助片が一体に形成される。そして、雄型電気接触部が雌型電気接触部の筒壁の開口から筒壁内に挿入された際に、弾性接触片の先端部の内面が雄型電気接触部の外面に接触しつつ、弾性接触片が雄型電気接触部の外面で外向きに押されて撓み、弾性補助片の先端部が弾性接触片の先端部の外面に当接して、弾性接触片の外向きの撓みを抑制する。また、弾性接触片が雄型電気接触部の外面で外向きに押されて撓んだ際に、弾性補助片の先端部が弾性接触片の先端部で外向きに押されて撓み、弾性接触片のばね力と弾性補助片のばね力との総和のばね力(接触荷重)で弾性接触片が雄型電気接触部に接触する。これにより、雄型電気接触部に対する良好な接触荷重が確実に発揮される。また、筒壁に弾性接触片と弾性補助片とが一体に形成されるので、構造が簡単化・コンパクト化される。
請求項5に係る雌型電気接触部の形成方法は、請求項4記載の雌型電気接触部の形成方法において、前記山型状の弾性片対応部を頂部から切断する直前に、又は、前記一方の弾性片の先端部の外面を前記他方の弾性片の先端部で支持した直後に、前記筒壁展開形状部を屈曲させて筒壁とすることを特徴とする。
上記構成により、平板状の筒壁展開形状部から山型状の弾性片対応部が打ち抜き加工及びプレスによる山型曲げ加工で所要形状(所要の長さ・幅及び傾斜角度)に正確に形成される。
請求項1記載の発明によれば、筒壁に弾性接触片と弾性補助片とを一体に形成した簡単でコンパクトな構造で、雄型電気接触部の挿入時に弾性接触片を弾性補助片で支持して、良好な接触荷重を確実に発揮させることができる。
請求項2記載の発明によれば、弾性補助片の前端部を離脱させることなく弾性接触片の後端部で確実に支持して、常に良好な接触荷重を確実に発揮させることができる。
請求項3記載の発明によれば、各弾性接触片を各弾性補助片で支持して、雄型電気接触部に対して良好な接触荷重を確実に発揮させることができる。また、各弾性接触片と各弾性補助片を筒壁と一体に形成することで、構造を簡単化・コンパクト化することができる。
請求項4記載の発明によれば、筒壁に弾性接触片と弾性補助片とを一体に形成することで、簡単でコンパクトな構造の雌型電気接触部を得ることができる。そして、雌型電気接触部への雄型電気接触部の挿入時に、弾性接触片を弾性補助片で支持して、良好な接触荷重を確実に発揮させることができる。
請求項5記載の発明によれば、平板状の筒壁展開形状部から山型状の弾性片対応部を容易に且つ正確に形成することができる。
本発明の雌型電気接触部を含む雌端子の一実施形態を示す斜視図である。 雌型電気接触部を示す図1のA−A断面図である。 雌型電気接触部に雄型電気接触部を挿入接続した状態を示す断面図である。 本発明の雌型電気接触部の形成方法の一実施形態における第一工程を示す平面図である。 雌型電気接触部の形成方法の第二工程を示す断面図である。 図5の要部を拡大して示す断面図である。 雌型電気接触部の形成方法の第三工程を示す断面図である。 雌型電気接触部の形成方法の第四工程を示す断面図である。 完成した雌型電気接触部の要部を示す断面図である。 従来の雌型電気接触部の一形態を示す斜視図である。
図1〜図3は、本発明の雌型電気接触部の一実施形態を示すものである。
図1の如く、雌型電気接触部1は、雌端子2の一方(前半)に配設され、雌端子2の他方(後半)には、電線接続部5としての前側の芯線圧着部3と後側の絶縁被覆圧着部4とが配設されている。雌型電気接触部1と電線接続部5とを備える雌端子2は、母材である一枚の導電金属板(図示せず)から打ち抜き・曲げ加工等で一体に形成されている。
雌型電気接触部1は、雌端子2以外に、例えば、不図示の中継端子の一方の電気接触部1として形成されてもよい(中継端子の他方には不図示の雄型電気接触部が形成されてもよく、同様の雌型電気接触部1が形成されてもよい)。あるいは、導電金属製の不図示のバスバーの端部に雌型電気接触部1を一体に形成してもよい。本実施形態においては、雌端子2の一方に形成された雌型電気接触部1として説明する。
図1の如く、雌型電気接触部1は、円筒状の筒壁6と、筒壁6の前半側の左右に設けられた一対の切欠孔7と、一対の切欠孔7内において、筒壁6の前部(切欠孔7の前端)から後方にかけて斜め内向きに傾斜して設けられた一対の弾性接触片8と、筒壁6の前半の後部(切欠孔7の後端)から前向きに且つ斜め内向きに傾斜して突出形成され、一対の弾性接触片8の先端部(自由端部ないし後端部)10の外面に、先端部(前端部)11の内面を接触(当接)させて、一対の弾性接触片8を外側から支持した一対の弾性補助片9とを備えたものである。
実施形態の説明において、前とは雌端子2に対して雌型電気接触部1の位置する側、後とは電線接続部5の位置する側、上とは電線接続部5の自由状態(圧着前の状態)の各圧着片3a,4aの突出方向、下とは電線接続部5の底板部12の位置する側、左右とは電線接続部5の対向する一対の圧着片3(4)の並び方向をそれぞれ示しており、雌端子2の装着方向と必ずしも一致するものではない。
雌型電気接触部1の筒壁6は、その頂部において軸方向(端子長手方向)の合わせ目13を有している。この合わせ目13は、母材である不図示の金属板を円筒状に曲げ加工した際の接合部であり、相手側の雄端子の電気接触部14(図3)の挿入時等に何ら開いたりするものではない。
筒壁6の左右に形成された切欠孔7は、金属板(母材)から前側の弾性接触片8と後側の弾性補助片9とを打ち抜き形成した際に生じるものである。切欠孔7は筒壁6の長手(軸)方向に沿う横長の略長方形状をなしている。切欠孔7は、弾性接触片8や弾性補助片9の上下方向の板幅よりも大きな上下方向の内幅を有している。切欠孔7の前後方向の長さは、弾性接触片8の全長と弾性補助片9の全長とを合わせた長さよりも短い(弾性接触片8や弾性補助片9の加工方法については後述する)。
切欠孔7の前端に弾性接触片8の基端(付根)8aが一体に続いている。切欠孔7の後端に弾性補助片9の基端(付根)9aが一体に続いている。弾性補助片9は弾性接触片8よりも前後方向に短く形成されている。本例において、弾性補助片9の長さは弾性接触片8の長さの1/2以下である。弾性接触片8及び弾性補助片9は、筒壁6の周方向の湾曲形状と同様に湾曲した断面円弧状の外面及び内面を有している。
図1の例において、弾性接触片8の基端8aから先端(後端)部10までの板幅は均一でもよく、先端部10が基端8aよりもテーパ状に縮幅されていてもよい。同様に、弾性補助片9の基端9aから先端(前端)部11までの板幅は均一でもよく、先端部11が基端9aよりもテーパ状に縮幅されていてもよい。
本例の弾性接触片8は、切欠孔7の前端から筒壁6の軸中心に向けて斜め内向きに傾斜した傾斜片部15と、傾斜片部15の先端側において筒壁6の軸中心と略平行になるように折り曲げられた先端部10とで構成されている。同様に、本例の弾性接触片9は、切欠孔7の後端から筒壁6の軸中心に向けて斜め内向きに傾斜した傾斜片部16と、傾斜片部16の先端側において筒壁6の軸中心と略平行になるように折り曲げられた先端部11とで構成されている。
図2の如く、弾性接触片8の先端部10は、筒壁6の外周面と略平行な外面10a及び内面10bを有し、弾性補助片9の先端部11は、筒壁6の外面と略平行な外面11a及び内面11bを有している。弾性接触片8の先端部10の外面10aに弾性補助片9の先端部11の内面11bが接触(当接)している。弾性接触片8の先端部10の内面10bは図3の雄端子のピン状の電気接触部14に対する接触面として作用する。
左右一対の弾性接触片8は180°方向に対向して配置され、左右一対の弾性補助片9は180°方向に対向して配置されている。筒壁6に対する弾性補助片9の内向きの傾斜角度θ2は、筒壁6に対する弾性接触片8の内向きの傾斜角度θ1よりも大きく規定されている。
筒壁6の軸方向長さは、相手側の雄端子のピン状の雄型電気接触部14(図3)の長さに対応して規定される。雄型電気接触部14の長さが短い場合は、筒壁6を図1よりも短く形成して、筒壁6の例えば2/3程度の長さに渡って弾性接触片8と弾性補助片9とを形成することも可能である。切欠孔7の前端の前側や後端の後側には、筒壁6の環状の前端部17や環状の後部18が剛性をもって配置されることが好ましい。
筒壁6の前端部17はほぼ完全な環状壁を構成している(頂部の合わせ目13は接合しているのでほぼ完全な環状壁と言える)。例えば、図10の従来例の雌端子51における筒状部54の先端部(前端部)は、三つのスリット56で分割されており、スリット56の前端のエッジで例えば電線等に引っ掛かりやすく、引っ掛かった場合に先端部が開いてしまうという懸念があるが、本実施形態の筒壁6の先端部17は何らその心配がなく、例えば、不図示のコネクタハウジングへの雌端子2の挿入前に、前端部17が電線等に引っ掛からないように特別な管理(前端部17の保護等)を行うことも不要である。
また、本実施形態の筒壁6は切欠孔7を除いて全長に渡り均一な外径の外面を有しており、切欠孔7においても弾性接触片8と弾性補助片9とは筒壁6の外周面よりも内側に配置されているので、不図示のコネクタハウジングの端子収容室への筒壁6の挿入が引っ掛かりなくスムーズに行われる。例えば、図10の従来例の雌端子51においては、筒状部54の外側にばねリング55や、ばねリング位置決め係止用の突起57が突出しているので、コネクタハウジングへの挿入時に引っ掛かり兼ねないという懸念がある。本実施形態の筒壁6はそのような心配がなく、さらに、筒壁6が径方向にコンパクトに形成されるので、雌端子2の径方向のコンパクト化及び不図示のコネクタハウジングの端子収容室の狭幅化が可能となる。
図1において、筒壁6の前端内側には相手側の雄端子のピン状の雄型電気接触部14(図3)を挿入するための円形の開口19が形成されている。筒壁6の後端には後端壁20(図5)が一体に設けられ、後端壁20は中間の断面略U字状の幅狭で低背な首部(連結部)21に一体に続き、首部21は断面略U字状の前側の電線圧着部3に一体に続き、前側の電線圧着部3は断面略U字状の連結部22を介して後側の電線圧着部4に一体に続いている。前側の電線圧着部3と連結部22と後側の電線圧着部4とで電線接続部5が構成されている。首部21を断面U字ではなく断面円環状に形成することも可能である。
図2は、図1のA−A断面図(雌型電気接続部1を水平に切断した図)である。筒壁6の左右の切欠孔7において、筒壁6の前端側の環状壁17から左右一対の弾性接触片8が内向きに傾斜して後向きに突出している。一対の弾性接触片8の先端部(後端部)10の各内面10bは小さな(例えば弾性接触片8の板厚と同程度の)隙間Sを存して対向して位置している。この状態で、筒壁6の後部側の環状壁18から左右一対の弾性補助片9が各切欠孔7内で内向きに傾斜して前向きに突出して、各弾性補助片9の先端部(前端部)11の内面11bが各弾性接触片8の先端部(後端部)10の外面10aに接触(当接)して、各弾性補助片9の先端部11が各弾性接触片8の先端部10を外側から支持している。
これにより、一対の弾性接触片8の外向きの開き(撓み)動作が抑制されている。各弾性補助片9は各弾性接触片8よりも半分ないしそれ以下の寸法で短く形成されているので、弾性接触片8よりも剛性が高い。一対の弾性接触片8の間に雄端子の雄型電気接触部14(図3)が挿入された際に、各弾性補助片9は各弾性接触片8の外向きの開き(撓み)を抑制して、雄型電気接触部14との接触荷重(接触圧力)を高める作用をする。図2の一対の弾性接触片8の先端部10の間の隙間Sは、雄型電気接触部14(図3)の外径Dよりも小さく規定されている。例えば隙間Sの寸法は雄型電気接触部14の外径Dの概ね2/3程度である。
例えば、弾性補助片9を用いない場合は、一対の弾性接触片8は自由状態で内向きに傾斜した形態に維持されるが、図2の例においては、内向きに傾斜した自由状態の各弾性接触片8の先端部10の外面10aに弾性補助片9の先端部11の内面11bを接触させてもよく(この場合、弾性接触片8の先端部10の外面10aと弾性補助片9の先端部11の内面11bとの間に若干の隙間があっても問題はない)、あるいは、外向きに弾性的に復元しようとする各弾性接触片8の先端部10の外面10aに、弾性補助片9の先端部11の内面11bを弾性接触片8の外向きの付勢力(弾性力)に抗して接触(当接)させてもよい。
図2の例において、各弾性補助片9の先端部11は、平面視で筒壁6の切欠孔7の上下の端面の間に(上下の端面に沿って)、あるいは上下の端面よりも筒壁6の軸中心に向けてやや内側に位置している。本例において各弾性補助片9の板厚は各弾性接触片8の板厚にほぼ等しい。本例において筒壁6に対する各弾性接触片8の傾斜角度θ1は15°前後、筒壁6に対する各弾性補助片9の傾斜角度θ2は25°前後であり、各弾性接触片8の傾斜はなだらかで、各弾性補助片9の傾斜はそれよりも急勾配である。これにより、撓み剛性の高い各弾性補助片9で各弾性接触片8の外向きの開き動作(撓み変形)を効果的に抑制することができる。一対の弾性接触片8は左右対称に形成配置され、一対の弾性補助片9は左右対称に形成配置されている。
各弾性接触片8の先端部(後端部)10は、弾性接触片8の傾斜片部15に鈍角的に交差するように折り曲げられて、先端部10の外面10aと内面10bとが筒壁6と平行になるように、先端部10が軸方向に向けて位置している。先端部10の先端面(後端面)10cは後方を向いている。本例の先端部10の長さは傾斜片部15の長さの概ね1/10程度である。
同様に、各弾性補助片9の先端部(前端部)11は、弾性補助片9の傾斜片部16に鈍角的に交差するように折り曲げられ、先端部11の外面11aと内面11bとは弾性接触片8の先端部10の外面10aと内面10bとに平行である。先端部11の先端面(前端面)11cは前方を向いている。先端部11を前方に延長した仮想線は弾性接触片8の傾斜片部15の長手方向中間部に交差する。先端部11の長さは弾性接触片8の先端部10の長さと同等である。本例の先端部11の長さは傾斜片部16の長さの概ね1/4程度である。
各弾性接触片8の基端8aは、筒壁6の前部の環状壁部17に鈍角的に交差して続き、各弾性補助片9の基端9aは、筒壁6の後半側の環状壁部18に弾性接触片8の基端8aにおけるよりも急な傾斜で鈍角的に交差して続いている。
図2において、各弾性接触片8の内面側に示される部分は、各弾性接触片8の湾曲した下半部分8bであり、各弾性接触片8の先端部10も同様に湾曲した下半部分10dを有する。湾曲状の下半部分8bは筒壁6の前側の環状壁部17に交差して続いている。不図示の湾曲状の上半部分についても同様である。図2の例で、各弾性補助片9の内側に示される湾曲状の下半部分9bは、先端部(前端部)11において小さく湾曲しないしほぼ湾曲しておらず、基端部9aにかけて湾曲状の下半部分9bが漸次増している。湾曲状の下半部分9bは筒壁6の後半側の環状壁部18に交差して続いている。
図2において、筒壁6の左右の切欠孔7の下端面7cは、平面視で各弾性接触片8の長手方向中間部と各弾性補助片9の先端部11とに交差するように前後方向に延びている。各切欠孔7の前端7aは各弾性接触片8の基端(付根)8aと同一の仮想垂直面上に位置し、各切欠孔7の後端7bは各弾性補助片9の基端(付根)9aと同一の仮想垂直面上に位置している。各切欠孔7の下端面7cは、筒壁6の径方向内側に位置し、平面視で各切欠孔7の下端面7cの間に筒壁6の断面円弧状の底壁部6aが位置している。各切欠孔7の上端面についても同様であり、図1の如く、平面視で各切欠孔7の上端面7dの間に筒壁6の断面円弧状の上壁部6bが位置している。
図2の雌型電気接触部1を有する雌端子2(図1)は、不図示の合成(絶縁)樹脂製のコネクタハウジングの端子収容室内に収容されてコネクタを構成する。端子収容室は、雌端子2を挿入するための広い後部開口と、相手側の雄端子の雄型電気接触部14(図3)を挿入するための狭い前部開口とを有する。端子収容室内には端子係止アームが設けられ、端子係止アームで例えば図1の雌端子2の中間の首部21において筒壁6の後端壁20が係止される。
筒壁6の後端壁20は背面視で環状に形成されており、筒壁6の周方向の360°の範囲で後端壁20をコネクタハウジング内の端子係止アームで係止することができるので、ピン状の雄型電気接触部14(図3)を用いる限り、雌端子2をコネクタハウジングの例えば断面円形等の端子収容室に周方向の位置決めをすることなく、周方向の360°の範囲で自由に雌端子2を挿入して係止させることができる。コネクタハウジングには複数の端子収容室が並列に設けられている場合が多い。
図3は、図2の雌型電気接触部1に、導電金属製の雄端子のピン状の雄型電気接触部14を挿入接続した状態を示すものである。雄型電気接触部14は断面円形であり、全長に渡って(先端14bを除く)均一な外径を有している。
雄端子は、一方にピン状の雄型電気接触部14を有し、他方に雌端子2におけると同様の電線接続部(5)を有している。あるいは、例えば、ピン状の雄型電気接触部14のみの雄端子を導電金属製の不図示のバスバーに一体に形成したり、不図示の回路基板に接続して突出形成することも可能である。
また、ピン状の雄型電気接触部14に代えてタブ状(平板状)の雄型電気接触部(図示せず)を用いることも可能である。この場合、タブ状の雄型電気接触部は板厚方向を左右方向に一致させて配置され、タブ状の雄型電気接触部の左右の外面(接触面)が雌型電気接触部1の左右の各弾性接触片8の内面に接触する。但しこの場合は、タブ状の雄型電気接触部に対して雌端子2の周方向の位置決めが必要となる。タブ状の雄型電気接触部を用いる場合、筒壁6は断面円形以外に断面矩形状とすることも可能である。図3においてはピン状の雄型電気接触部14を用いた場合について説明する。
一方に雄型電気接触部14、他方に電線接続部を有する雄端子は、合成樹脂製のコネクタハウジングの端子収容室に収容係止され、コネクタハウジングのコネクタ嵌合室内に雄型電気接触14が突出して配置される。コネクタ嵌合室に、雌端子2(図1)を収容したコネクタ(少なくとも雌端子2とコネクタハウジングとで成るコネクタ)が嵌合され、雌端子2の雌型電気接触部1内に雄端子の雄型電気接触部14が挿入接続される。
図3の如く、雌型電気接触部1の一対の弾性接触片8の先端部10の間に雄端子のピン状の雄型電気接触部14が挿入されることで、一対の弾性接触片8の先端部10が雄型電気接触部14の外径Dと等しい幅寸法で矢印Bの如く外向きに開き(撓み)つつ、外側の一対の弾性補助片9を径方向外向きに押圧して撓ませる。一対の弾性補助片9は外向きに撓んだ際の弾性復元力(ばね力)で一対の弾性接触片8を内向きに押圧する。
これにより、雄型電気接触部14が、一対の弾性接触片8のばね力と一対の弾性補助片9のばね力との総和のばね力で、一対の弾性接触片8により強く挟持されて良好な接触荷重(圧力)で確実に接続される。一対の弾性補助片9の内向きのばね力は一対の弾性接触片8を介して雄型電気接触部14に伝えられる。雄型電気接触部14に接触するのは一対の弾性接触片8のみである。
図3の例では一対の弾性接触片8の先端部10の内面10bが雄型電気接触部14の外周面14aに接触しているが、雄型電気接触部14の外径Dが図3におけるよりも大きい場合は、一対の弾性接触片8の先端部10の内面10bと、先端部10に続く(先端部10の近傍の)傾斜片部15の内面とが同時に雄型電気接触部14の外周面14aに接触する。図3の例の雄型電気接触部14の先端14bは、一対の弾性接触片8の先端部10の間を貫通して一対の弾性補助片9の間を通過し、筒壁6の後半の環状壁18内に達する。
雄型電気接触部14の挿入時に、主ばね片である弾性接触片8と補助ばね片である弾性補助片9との総和のばね力により、大きな(弾性補助片9を用いない場合に比べて大きな)接触荷重を得ることができるから、一部品の雌型電気接触部1で従来の例えば図10に示す二部品の雌型電気接触部52と同等の電気的接続性能を確保することができる。
図3において、たとえ、雌型電気接触部1の軸心方向に対して雄型電気接触部14が少し斜めの方向から挿入された場合や、コネクタの車両搭載状態で雌型電気接触部1に振動等が加わった場合でも、各弾性接触片8の先端部10の外面10aと各弾性補助片9の先端部11の内面11bとが面接触でしっかりと接触しているので、弾性補助片9の先端部11が弾性接触片8の先端部10から外れたりする心配がなく、雄型電気接触部14に対する弾性接触片8と弾性補助片9との総和のばね力による電気的接続の信頼性が向上する。
以下に、図4〜図9を用いて、本発明の雌型電気接触部の形成方法の第一の実施形態を説明する。
先ず、図4に示す如く、一枚の平坦な導電金属板(母材)31から雌端子2(図1)の展開形状体32を不図示のプレス機で打ち抜き形成する。図4では、雌端子2の雌型電気接触部1(図1)の展開形状部33のみを図示し、電線接続部5(図1)の展開形状部は図示を省略している。
雌型電気接触部1の展開形状部33には、左右一対の略長方形状の切欠孔7と、各切欠孔7内で前後方向(切欠孔長手方向)に一体に連続した弾性片対応部(弾性片展開形状部)34とを同時に又は別個に打ち抜き形成する。図4の打ち抜き工程において、一対の弾性片対応部34はプレス加工で図5,図6の如く筒壁展開形状部37(図4)に対して略山型に上向きないし下向きに突出形成される。図4において各弾性片対応部34の頂部を符号34aで示す。
上向き山型状の各弾性片対応部34はプレス機(図示せず)の上金型に凹部、下金型に凸部を形成しておくことで同時に形成される(下向きの場合はその逆である)。平面的な筒壁展開形状部37(図4)に比べて各弾性片対応部34は山型に伸延されているので、例えば弾性片対応部34の頂部34a付近の板厚が筒壁展開形状部37の板厚よりも少し薄くなっている。
各弾性片対応部34の前半側の長片部35が図1の雌端子2の弾性接触片8に対応し、弾性片対応部34の後半側の短片部36が図1の雌端子2の弾性補助片9に対応する。切欠孔7と弾性片対応部34とを除いた部分が筒壁展開形状部37である。筒壁展開形状部37の後方に首部21(図1)の展開形状部38が一体に続き、首部の展開形状部38の後方に前後各一対の不図示の電線接続部5(図1)の展開形状部が打ち抜き形成される。
次いで、図5,図6(図5の要部拡大図)に示す如く、図4において打ち抜かれた雌端子展開形状体32における雌型電気接触部1の展開形状部33が左右方向に丸め(屈曲)加工される。筒壁展開形状部37の左右端37aが接合されて図1の筒壁6の頂部の合わせ目13となる。左右一対の山型状の弾性片対応部34が筒壁6の内側に向けて突出するように筒壁展開形状部37(図4)が丸め(屈曲)加工される。
図5,図6において、山型状の弾性片対応部34は、その頂部34aから前側の長片部35と後側の短片部36と前後の各基端(付根)34b,34cにかけて、筒壁6と同様に周方向に湾曲形状となるように、図4の打ち抜き時にプレス加工されている(長片部35と短片部36との湾曲状の各下半部を符号35a,36aで示す)。筒壁6に対して長片部35の傾斜角度θ1は小さく、短片部36の傾斜角度θ2は大きく規定されている。山型状の弾性片対応部34の頂部34aは切欠孔7の下端7cよりも筒壁6の軸中心に向けて内向きに突出している。
筒壁展開形状部37(図4)の周方向の丸め加工は例えばプレス加工又は冷間鍛造等で行われる。筒壁展開形状部37の丸め加工と同時に、筒壁展開形状部37の後端部37b(図4)が曲げ加工されて、筒壁6の環状の後端壁20が形成される。首部21の展開形状部38(図4)と前後の各電線圧着部3,4(図1)の展開形状部(図示せず)とは、プレスによる曲げ加工で上向きに立ち上げられて、断面U字状の首部21と前後の各電線圧着部3,4が形成される。図5の例の筒壁6は図1の例の筒壁6よりも後半の環状壁18が軸方向に短く形成されている。
次いで、図7に示す如く、山型状の各弾性片対応部34がその頂部(最凹部)34aにおいて切断される(切断部を符号Cで示す)。各弾性片対応部34の切断は、例えば、筒壁6の径方向外側から内側に向けて進入する左右一対の金属製の不図示のカッタと、筒壁6の内側に配置されて各弾性片対応部34の内面35c,36cを支持し、且つカッタ進入用の凹部を有する一つの金属製の不図示のダイスとで行われる。各カッタは左右のプレス機等で進退駆動される。
左右一対のカッタが山型状の各弾性片対応部34(図6)の頂部(最凹部)34aを外側から内向きに同時に切断する。切断代(C)は狭いことが好ましい。弾性片対応部34(図6)がその頂部34aで切断されることで、前側の長片部(一方の弾性片)35と後側の短片部(他方の弾性片)36とがそれぞれ筒壁6に片持ち支持で形成される。前側の長片部35は、前側の基端(付根)34bで切欠孔7の前端7aすなわち筒壁6の前側の環状壁17に片持ち支持され、後側の短片部36は、後側の基端(付根)34cで切欠孔7の後端7bすなわち筒壁6の後側の環状壁18に片持ち支持される。長片部35が図1の弾性接触片8に対応する。
次いで、図8の矢印Fの如く、左右一対の短片部36の付根部(根元部)36bすなわち筒壁6の後側の環状壁18との交差部を叩くことで、短片部36を長片部35よりも低い位置すなわち径方向外側に移動変形させる。叩き力を解除することで、短片部36が図8の叩き状態から若干内向き(高さを増す方向)にスプリングバックして、短片部36の先端側の内端36dが長片部35の先端側の外端35dに隙間なく接触(当接)する。これにより、長片部35の先端部が短片部36の先端部で外側から支持される。
この叩き加工は、例えば、筒壁6の内側において短片部36の付根部36bに金属製のダイス(図示せず)を当てて、短片部36の付根部36bを矢印Fとは反対に外側からプレス機等で叩くことで容易に行うことができる。筒壁6の内側に叩き治具(図示せず)を挿入して筒壁6の内側から叩き治具で短片部36の付根部36bを矢印F方向に叩くことも可能である。
図8の叩き加工により、短片部36が、図7の急勾配に傾斜した状態からやや緩勾配に傾斜した状態に塑性変形され、短片部36の軸方向距離(全長ではない)L1が図7における軸方向距離L2よりも長く伸ばされる。これにより、短片部36の先端側の内端36dが長片部35の先端側の外端35dに接触ないし当接する。図8の叩き工程で、短片部36の先端側の内端35dと長片部36の先端側の外端36dとの間に極小の隙間が生じていても問題はない。
図8において、短片部36の付根部36bを叩く(矢印F方向の押圧力を加える)ことに代えて、短片部36を先端(自由端)の方向に引っ張って伸ばすことで、短片部36を長片部35よりも低く(径方向外側に)位置させてもよい。この伸ばし加工は、例えば、図7の状態から短片部36を長片部35の外側に弾性的に撓ませて図8のような位置に移動させた(逃がした)状態で、短片部36の先端部分をチャックで把持してシリンダ等で斜め前方に引っ張ることで行われる。この際、筒壁6はプレス機等で押さえて不動に固定しておく。
例えば、図7の状態から短片部36を長片部35の外側に弾性的に撓ませた(逃がした)状態で、短片部36を板厚方向にプレス機等で圧縮加工することで、短片部36を伸延させることも可能である。図8における短片部36の叩き加工又は引張加工によって、図1の弾性補助片9に類似する弾性補助片が形成される。前側の長片部35は、図1の弾性接触片8に類似する弾性接触片となる。
さらに、図8において、長片部(弾性接触片)35の先端部と短片部36(弾性補助片)の先端部とを外向きに曲げ加工して平行に塑性変形させることで、図9の弾性接触片8の先端部10と弾性補助片9の先端部11とを形成する。そして弾性接触片8の先端部10の外面10aと弾性補助片9の先端部11の内面11bとを面接触させる。各先端部10,11を形成しない状態でも、弾性接触片(35)と弾性補助片(36)として実使用可能である。
また、図8において短片部36を叩き加工で伸ばすことに代えて、図7の状態から長片部35を内向きに高く撓ませた状態(短片部36から内側に逃がした状態)で、長片部35を先端側に向けて後方に引っ張って伸延させることで、長片部35を短片部36よりも高く径方向内側に位置させることも可能である。この際、筒壁展開形状部37はプレス機等で押さえて不動に固定しておく。短片部36の位置は図7の位置のままであるので、長片部35は内向きに撓んだ状態で外向きの復元力を持ったまま短片部36の先端で外向きの撓みを抑止される。
あるいは、図8の如く、短片部36を叩く又は引っ張って伸ばした状態で、それに加えて長片部35を引っ張って伸延させて、短片部36の先端の内端36dで長片部35の先端部の外面を受けるようにしてもよい。何れの場合も、図9の如く、長片部(弾性接触片)35と短片部(弾性補助片)36とに平行な各先端部10,11を形成することが好ましい。
上記第一の実施形態の雌型電気接触部の形成方法においては、図4の打ち抜き工程で筒壁展開形状部37と切欠孔7と山型の弾性片対応部34を形成し、その後に筒壁展開形状部37を丸め(屈曲)加工し、その状態で、弾性片対応部34の切断を行った。
これに対して、第二の実施形態として、図4の打ち抜き工程で筒壁展開形状部37と切欠孔7と、図6のような山型の弾性片対応部34を形成した後、展開形状の状態で、図7のように、山型の弾性片対応部34を切断し、さらに展開形状の状態で、図8のように、切断された短片部(他方の弾性片)36の付根36dを叩いて短片部36を伸長させ、あるいは短片部36を引っ張って伸延させる、あるいは長片部(一方の弾性片)35を引っ張って伸延させて、図9のように短片部36である弾性補助片9を長片部35である弾性接触片8よりも低い外側に位置させ、短片部36の先端部を長片部35の先端部に当接させることも可能である。
その後、長片部35である弾性接触片9と短片部36である弾性補助片8とを径方向内側に位置するように、図5のように、筒壁展開形状部37を丸め(屈曲)加工する。第二の実施形態においては、図6〜図9の断面図に、弾性片対応部34やその切断された長片部35や短片部36が同様に示され、筒壁展開形状部37や切欠孔7は平面的に示される。
第二の実施形態において、図6の弾性片対応部34の形成は、第一の実施形態におけると同様であるので説明を省略する。図7の弾性片対応部34の切断は、例えば、図6の展開状態において、山型の弾性片対応部34を不図示の山型の下金型で受けた状態で、上方からプレス機等で垂直に金属製の不図示のカッタを下降させることで行われる。下金型にはカッタの先端を進入させる垂直溝を設けておく。
図8の弾性補助片となる短片部36の付根部36bを叩く工程は、例えば、切断済みの長片部35の下(外)面を不図示の下金型の傾斜面で完全に受け、短片部36の下(外)面の下側に隙間を存して不図示の下金型の傾斜面を対向配置し、その状態で、短片部36の付根部36bを上方からプレス機等で叩くことで行われる。付根部36bを叩かれた短片部36は不図示の下金型の傾斜面に当接して、それ以上の下(外)向きの開き変形が阻止される。短片部36は長片部35よりも低く外側に位置する。
図8の短片部36を叩くことに代えて、短片部36を引っ張って伸延させる工程は、例えば、図7において、必要に応じて長片部35を上(内)向きに弾性的に撓ませた(逃がした)状態で、短片部36を不図示の上下のプレス金型で板厚方向に圧縮して前後方向に伸延させることで行われる。
また、図8の短片部36を叩く又は引っ張ることに代えて、図7の長片部35を引っ張って伸延させる工程は、例えば、図7の状態から短片部36を図8のように下(外)向きに弾性的に撓ませた(逃がした)状態で、長片部35の先端部分をチャックして不図示のシリンダ等で斜め後方に引っ張ることで行われる。この際、筒壁展開形状部37はプレス機等で押さえて不動に固定しておく。長片部35は短片部36よりも高く内側に位置する。
また、図9の如く、長片部35と短片部36に平行な先端部10,11を形成する工程は、例えば、図8の状態から傾斜状の長片部35の先端側をチャック等で把持して水平になるように曲げ加工あるいはプレス加工し、その後あるいはその前に、傾斜状の短片部36の先端側をチャック等で把持して水平になるように曲げ加工あるいはプレス加工する。
その後、筒壁展開形状部37をプレス金型等で丸め加工して、筒壁展開形状部37の左右の側端面を頂部の合わせ目13(図1)で接合して筒壁とすることで、図1の雌型電気接触部1を得る。長片部35である弾性接触片と短片部36である弾性補助片が筒壁6の内側になるように筒壁展開形状部37を丸め加工することは勿論である。電線接続部5(図1)の展開形状部の曲げ及び立上げ加工は、例えば筒壁展開形状部37の丸め加工と同時に行うことが好ましい。
なお、上記実施形態の雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法においては、筒壁6に左右各一対の弾性接触片8と弾性補助片9を形成したが、例えば、各三つないしそれ以上の弾性接触片8と弾性補助片9を形成することも可能である。この形成方法は上記第一又は第二の実施形態におけると同様である。各三つの弾性接触片8と弾性補助片9は筒壁6の周方向に120°間隔で配置され、筒壁6の合わせ目13に対向して筒壁6の真下に各一つの弾性接触片8と弾性補助片9が配置される。
また、筒壁6に各一つの切欠孔7と弾性接触片8と弾性補助片9とを形成することも可能である。この場合、各一つの切欠孔7と弾性接触片8と弾性補助片9とは筒壁6の底壁部6aに形成され、例えば、筒壁の合わせ目13を含む上壁部は雄型電気接触部14の外径に合わせて(外周面14aに沿うように)、底壁部6a側よりも小径に断面略半円状に形成される。
また、前述の如く、雌型電気接触部1の筒壁6を断面円形以外に断面矩形状(図示せず)とすることも可能である。その場合、左右の垂直な側壁と上下の水平な壁部とで筒壁(6)が構成され、左右の各側壁に各切欠部7と、切欠部から内向きに切り起こし形成された弾性接触片8と弾性補助片9とが断面円弧状ではなく断面扁平状に設けられる。筒壁6は丸め加工ではなく屈曲加工される。
その他、従来公知の知見に従い、本発明の雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
本発明の雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法は、簡単でコンパクトな構造で、雄型電気接触部に対する良好な接触荷重を確実に発揮させるために利用することができる。
1 雌型電気接触部
6 筒壁
7 切欠孔
7a 前端
7b 後端
8 弾性接触片
9 弾性補助片
10 先端部(後端部)
10a 外面
11 先端部(前端部)
11b 内面
14 雄型電気接触部
19 開口
34 弾性片対応部
34a 頂部
35 長片部(一方の弾性片)
36 短片部(他方の弾性片)
37 筒壁展開形状部
C 切断部

Claims (5)

  1. 雄型電気接触部挿入用の開口を前端側に有する筒壁と、該開口から後方に離間した位置で該筒壁に設けられた切欠孔と、該切欠孔の前端から該筒壁の内側に向けて斜め後方に突出した弾性接触片と、該切欠孔の後端から該筒壁の内側に向けて斜め前方に突出し、前端部で該弾性接触片の後端部の外面を支持する弾性補助片とを備えることを特徴とする雌型電気接触部。
  2. 前記弾性接触片の後端部の外面と前記弾性補助片の前端部の内面とが面接触で接触することを特徴とする請求項1記載の雌型電気接触部。
  3. 前記切欠孔と前記弾性接触片と前記弾性補助片とが各一対ないしそれ以上の数で前記筒壁に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の雌型電気接触部。
  4. 導電金属製の平板状の筒壁展開形状部に山型状の弾性片対応部を切り起こして設け、該山型状の弾性片対応部を頂部から切断して、一方の弾性片と他方の弾性片とを形成し、該一方の弾性片よりも低く外側に位置するように該他方の弾性片を叩き又は伸延させ、又は該他方の弾性片よりも高く内側に位置するように該一方の弾性片を伸延させ、弾性接触片としての該一方の弾性片の先端部の外面を弾性補助片としての該他方の弾性片の先端部で支持することを特徴とする雌型電気接触部の形成方法。
  5. 前記山型状の弾性片対応部を頂部から切断する直前に、又は、前記一方の弾性片の先端部の外面を前記他方の弾性片の先端部で支持した直後に、前記筒壁展開形状部を屈曲させて筒壁とすることを特徴とする請求項4記載の雌型電気接触部の形成方法。
JP2014146888A 2014-07-17 2014-07-17 雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法 Pending JP2016024902A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014146888A JP2016024902A (ja) 2014-07-17 2014-07-17 雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法
US14/799,767 US20160020528A1 (en) 2014-07-17 2015-07-15 Female electrical contact part and method of forming same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014146888A JP2016024902A (ja) 2014-07-17 2014-07-17 雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016024902A true JP2016024902A (ja) 2016-02-08

Family

ID=55075342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014146888A Pending JP2016024902A (ja) 2014-07-17 2014-07-17 雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20160020528A1 (ja)
JP (1) JP2016024902A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019050195A (ja) * 2017-09-01 2019-03-28 タイコエレクトロニクス フランス エスアーエス 塑性伸長された掛止舌片および/または限界止めを有する金属薄板からなる電気コンタクトならびにその形成方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6319635B2 (ja) * 2015-03-06 2018-05-09 住友電装株式会社 端子および端子付き電線
CN108701916B (zh) * 2016-02-26 2021-10-22 罗森伯格高频技术有限及两合公司 用于同轴插头连接器的外导体装置
USD840942S1 (en) * 2017-11-02 2019-02-19 Vincent Paul DeVito Terminal crimp socket
JP1603452S (ja) * 2017-11-22 2018-05-14
JP7011253B2 (ja) 2018-01-26 2022-01-26 タツタ電線株式会社 コネクタ端子、及びコネクタ
JP6845438B2 (ja) * 2018-01-26 2021-03-17 タツタ電線株式会社 コネクタ端子、コネクタ端子を備えるコネクタ、及びコネクタ端子の製造方法
JP1620819S (ja) 2018-04-20 2018-12-25
JP1620816S (ja) * 2018-04-20 2018-12-25
USD880424S1 (en) 2018-04-20 2020-04-07 Sumitomo Wiring Systems, Ltd Terminal metal fitting for electrical connector
JP1620818S (ja) * 2018-04-20 2018-12-25
JP1620817S (ja) * 2018-04-20 2018-12-25
JP1620820S (ja) 2018-04-20 2018-12-25
DE102019134564B4 (de) * 2019-12-16 2022-08-04 Harting Electric Stiftung & Co. Kg Buchsenkontakt

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4560231A (en) * 1983-03-10 1985-12-24 Elco International K.K. Electrical connector
JPH0935796A (ja) * 1995-07-24 1997-02-07 Yazaki Corp 雌端子
JP3062928B2 (ja) * 1996-04-26 2000-07-12 日本航空電子工業株式会社 コンタクト
JP3494347B2 (ja) * 1998-03-06 2004-02-09 矢崎総業株式会社 端子のへたり防止構造
JP3473899B2 (ja) * 1999-05-11 2003-12-08 矢崎総業株式会社 雌端子
JP3620786B2 (ja) * 2000-01-24 2005-02-16 矢崎総業株式会社 端子金具
JP2002063961A (ja) * 2000-06-07 2002-02-28 Yazaki Corp 雌端子、及び、雌端子と雄端子との接続構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019050195A (ja) * 2017-09-01 2019-03-28 タイコエレクトロニクス フランス エスアーエス 塑性伸長された掛止舌片および/または限界止めを有する金属薄板からなる電気コンタクトならびにその形成方法
JP7144782B2 (ja) 2017-09-01 2022-09-30 タイコエレクトロニクス フランス エスアーエス 塑性伸長された掛止舌片および/または限界止めを有する金属薄板からなる電気コンタクトならびにその形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20160020528A1 (en) 2016-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016024902A (ja) 雌型電気接触部及び雌型電気接触部の形成方法
JP6086244B2 (ja) 多接点型端子
JP6402145B2 (ja) コネクタ
JP6311939B2 (ja) 雌端子の製造方法、及び、雌端子
JP5965265B2 (ja) 端子
US10777926B2 (en) Multi-contact terminal
JP5935760B2 (ja) 電子部品付きコネクタ
JP2018014293A (ja) 視認窓を有する同軸コネクタ、及び、該同軸コネクタを用いた同軸コネクタ装置
JP2016091746A (ja) 雌端子
JP2013258046A (ja) コネクタ及びコネクタ製造方法
JP2013025988A (ja) 雌型端子金具
JP2018181631A (ja) 雌端子
JP6405235B2 (ja) 雌型電気端子、及びコネクタ
JP2018147822A (ja) 雄端子
JP6048342B2 (ja) コネクタ
JP6263290B1 (ja) 端子
JP2014035875A (ja) 雌端子
JP2013232283A (ja) 端子およびその製造方法
JP4431259B2 (ja) 接続端子
JP2020135998A (ja) コネクタ
JP2019057423A (ja) 雌端子及びコネクタ
JP2018200792A (ja) 端子の係止構造
JP7494786B2 (ja) 雌端子、及び雌端子の製造方法
JP2014203568A (ja) 圧接コンタクトと圧接用コネクタ
JP2016207254A (ja) コネクタと端子金具の接続構造