JP2016016872A - 紙容器および紙容器製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い脱離性を有する紙容器を提供する。【解決手段】紙容器は、底板と、底板に連接され、内面および外面を含む側板と、を備え、底板と側板との間に形成される角度は、90?よりも大きくなっている。また紙容器は、第1の紙容器の側板の内面と、第2の紙容器の側板の外面とが接するように、互いに積み重ね可能に構成されている。そして、側板の内面と側板の外面との間の静摩擦係数が0.28以下になっている。【選択図】図4

Description

本発明は、互いに積み重ね可能に構成された紙容器に関する。また本発明は、互いに積み重ね可能な紙容器を製造する方法に関する。
食品や飲料を収容するための容器として、紙基材層を含む紙容器が知られている。例えば、食品を収容するための紙トレーや、飲料を収容するための紙コップなどがある。これら紙容器は一般に、食品や飲料が収容される前には、複数の紙容器を互いに積み重ねた状態で保管される。これによって、未使用状態の複数の紙容器を収納するために要する空間の体積を小さくすることができる。すなわち、未使用状態の複数の紙容器の収納性を向上させることができる。紙容器を使用する際には、積み重ねられた複数の紙容器(以下、紙容器群とも称する)のうち端に位置する1つの紙容器を、紙容器群から引き抜く。
ところで、積み重ねられた紙容器の間における摩擦が大きい場合、紙容器群から1つの紙容器を適切に取り出す作業が困難になることがある。例えば、1つだけでなく複数の紙容器が紙容器群から引き抜かれてしまうことや、摩擦に打ち勝つよう大きな力を紙容器に加えることにより、紙容器が変形してしまうことが考えられる。一方、摩擦に起因して作業が困難になることを防ぐため、例えば特許文献1に開示されているように、紙容器にスタック部を設けることが考えられる。特許文献1においては、スタック部が、紙容器の上部に形成された、水平方向に延びるスタック水平部である例が示されている。この場合、複数の紙容器を積み重ねる際、1つの紙容器(第1の紙容器)の上端に形成されているフランジ部に、この第1の紙容器に積み重ねられるその他の紙容器(第2の紙容器)のスタック水平部が引っ掛かることによって、第2の紙容器が第1の紙容器に支持されるようになる。従って、スタック水平部の位置を適切に調整することにより、第1の紙容器の内面と第2の紙容器の外面との間に間隔を空けた状態で、第1の紙容器に対して第2の紙容器を積み重ねることができる。このことにより、第2の紙容器を取り出す際に第1の紙容器と第2の紙容器との間に摩擦力が働くことを抑制するまたは防ぐことができ、これによって、紙容器群から1つの紙容器を取り出す作業を容易化することができる。
特開平5−213358号公報
上述のように第1の紙容器の内面と第2の紙容器の外面との間に間隔が空いた状態で複数の紙容器を積み重ねるということは、第1の紙容器の内面と第2の紙容器の外面とが密着するように複数の紙容器を積み重ねる場合に比べて、紙容器群の高さが高くなることを意味する。すなわち、特許文献1のように紙容器にスタック部を設けてしまうと、収納性の向上という、複数の紙容器を積み重ねることの利点が少なからず没却されてしまうことになる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る紙容器および紙容器製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、紙基材層を含む紙容器であって、底板と、前記底板に連接され、内面および外面を含む側板と、を備え、前記底板と前記側板との間に形成される角度は、90°よりも大きく、前記紙容器は、第1の前記紙容器の前記側板の前記内面と、第2の前記紙容器の前記側板の前記外面とが接するように、互いに積み重ね可能に構成されており、前記側板の内面と前記側板の外面との間の静摩擦係数が0.28以下である、紙容器である。
本発明による紙容器は、前記紙容器の前記底板の外面の寸法をSとするとき、第2の前記紙容器は、第1の前記紙容器の対向する前記側板の前記内面間の距離が前記寸法Sと等しくなる位置で積み重ねられるよう構成されていてもよい。
本発明による紙容器において、前記側板の前記外面は、水溶性樹脂を含む第1樹脂層から構成されていてもよい。
本発明は、第1面および第1面に対向する第2面を有するブランクを成形して、底板および側板を含む紙容器を製造する紙容器製造方法であって、支持部によって前記第1面側から支持されている前記ブランクを、型を用いて前記第2面側から押圧するよう、前記支持部に向けて前記型を移動させる成形工程を備え、前記ブランクを成形することによって得られる紙容器を、既に得られている紙容器に向けて押し込むことによって、紙容器が積み重ねられ、前記紙容器は、底板と、前記底板に連接され、内面および外面を含む側板と、を備え、前記底板と前記側板との間に形成される角度は、90°よりも大きく、前記紙容器は、第1の前記紙容器の前記側板の前記内面と、第2の前記紙容器の前記側板の前記外面とが接するように、互いに積み重ね可能に構成されており、前記側板の内面と前記側板の外面との間の静摩擦係数が0.28以下である、紙容器製造方法である。
本発明において、紙容器は、第1の紙容器の側板の内面と、第2の紙容器の側板の外面とが接するように、互いに積み重ね可能に構成されている。また紙容器は、側板の内面と側板の外面との間の静摩擦係数が0.28以下になるように構成されている。このため、複数の紙容器が積み重ねられた紙容器群から、1つの紙容器を容易に取り出すことができる。
本発明の実施の形態による紙容器の一例を示す斜視図。 図1に示す紙容器を製造するために用いられるブランクを示す平面図。 図1に示す紙容器の断面図。 図1に示す紙容器を複数積み重ねることによって得られる紙容器群を示す断面図。 図1に示す紙容器を構成するための基材の層構成の一例を示す図。 図1に示す紙容器を製造するための紙容器製造システムの一例を示す図。 ブランクが成形されて紙容器が得られる様子の概略を示す図。 本発明の実施の形態の一変形例による紙容器を示す斜視図。 図8に示す紙容器を複数積み重ねることによって得られる紙容器群を示す断面図。 紙容器の離脱性を評価するための方法の一例を示す図。 内面に突出部が形成された紙容器の一例を示す断面図。 図11に示す紙容器を複数積み重ねることによって得られる紙容器群を示す断面図。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここでは、紙基材層を含む基材を切断することによって得られた、所定の形状を有するブランクを、紙容器製造システムを用いて折り曲げ、これによって紙容器を製造する例について説明する。はじめに、得られる紙容器の一例について図1および図3を参照して説明する。
(紙容器)
図1に示すように、紙容器40は、底板41と、底板41に連接された4つの側板42と、を含んでいる。なお側板42の数が4つに限られることはなく、紙容器40に対して求められる形状に応じて側板42の数が適宜設定される。また側板42は、底板41が広がる方向に沿って切断した場合に円形または楕円形の断面形状を有するものであってもよい。従って、紙容器40の輪郭の形状としては、角錐台形状や円錐台形状など、様々な形状が考えられる。
図3に示すように、側板42は、底板41の法線方向に対して外側に傾斜した方向へ延びている。すなわち、底板41と側板42との間に形成される角度θが、90°よりも大きくなっている。この場合、底板41から上方に向かうにつれて紙容器40の断面積すなわち開口面積が大きくなるので、複数の紙容器を互いに積み重ねることが可能になる。角度θは、紙容器40の用途に応じて適宜定められるが、例えば95〜120°の範囲内になっている。
図1および図3において、符号44が紙容器40の内面を表しており、符号43が紙容器40の外面を表している。なお後述するように、紙容器40は、ブランク50をその第2面54側から、内部空間40aに対応した形状を有する型20で押圧することによって得られるものである。このため紙容器40の内面44がブランク50の第2面54に一致しており、紙容器40の外面43がブランク50の第1面53に一致している。本願において、「第2面」という用語は、ブランク50の第2面54を指す場合、および紙容器40の内面44を指す場合の両方で用いられ得る。また図3において、符号Sは、底板41と側板42とが角度θを成すようになる方向において紙容器40を切断した場合の断面図における、紙容器40の底板41の外面43の寸法を表している。
図3に示すように、本実施の形態において、側板42の外面43は、底板41側の端部から上端45に至るまで連続的、つまり、直線状に延びている。また、側板42の内面44は、底板41側の端部から上端45に至るまで連続的、つまり、直線状に延びている。すなわち、後述する図11に示す紙容器などとは異なり、側板42の外面43および内面44に、複数の紙容器40を積み重ねるためのスタック部(図11に示す紙容器140の突出部47や、上述の特許文献1におけるスタック水平部など)が設けられていない。
なお図1に示す紙容器40においては、隣り合う2つの側板42が互いに接している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、隣り合う2つの側板42の間に、三角コーナー板などのその他の板が介在されていてもよい。また図示はしないが、側板42の上端45にフランジ板などが連結されていてもよい。
(ブランク)
次に図2を参照して、紙容器40を製造するために用いられるブランク50について説明する。本実施の形態においては、紙容器40が、1枚のブランク50を成形することによって得られる例について説明する。ブランク50は、矩形状の底板41と、底板41に連接された4つの側板42と、を含んでいる。側板42は、底板41に接する短辺42aと、短辺42aに対向する長辺42bとを含む台形状の形状を有している。側板42の側辺42cには、隣り合う2つの側板42を糊付けによって連結するためのフラップ55が連接されていてもよい。また底板41と側板42との間の境界線は、折り曲げを容易にするため、エンボス加工などによって得られる罫線として構成されていてもよい。
図2において、符号53が第1面を表しており、符号54が、第1面53の反対側に位置する第2面を表している。ブランク50はその第2面54側から後述する型20によって押圧されるため、ブランク50が成形されるとその第2面54が紙容器40の内面44になる。またブランク50の第1面53が紙容器40の外面43になる。
(紙容器群)
次に、複数の紙容器40を積み重ねた状態について、図3および図4を参照して説明する。以下の説明において、積み重ねられた複数の紙容器40のことを紙容器群40Gとも称する。図4において、紙容器群40Gの1つの紙容器が符号40Aで表され、符号40Aで表される紙容器上に積み重ねられた紙容器が符号40Bで表されている。以下、紙容器群40Gにおいて隣接する2つの容器40A,40Bのことをそれぞれ第1の容器40Aおよび第2の容器40Bとも称する。図4に示すように、紙容器群40Gにおいては、第1の容器40Aの側板42の内面44と、第2の容器40Bの側板42の外面43とが接するように、複数の容器が積み重ねられている。
次に、本実施の形態における紙容器群40Gの特徴について説明する。図4に示すように、本実施の形態においては、上述のように、複数の紙容器40を積み重ねるためのスタック部が紙容器40に設けられていない。このため、第2の容器40Bは、第1の容器40Aの対向する側板42の内面44間の、底板41が広がる方向における距離Dが、第2の容器40Bの底板41の外面43の寸法Sと等しくなる位置で、第1の容器40Aに積み重ねられる。このことは、第2の容器40Bが、第1の容器40Aの側板42の内面44によって支持されていることを意味している。従って本実施の形態においては、紙容器群40Gを構成する上で、第1の容器40Aの側板42の内面44と、第2の容器40Bの側板42の外面43とが接することが必然的に生じる。このことは、紙容器40が積み重ねられる方向における紙容器群40Gの高さを小さくするという点で有利に作用する。一方、第1の容器40Aの側板42の内面44と、第2の容器40Bの側板42の外面43との間における接触面積が大きくなりやすいため、第1の容器40Aと第2の容器40Bとの間に働く摩擦力も大きくなりやすいと言える。
次に、本実施の形態における紙容器群40Gを、図11および図12に示す参考例と比較することによって説明する。図11は、内面44から内側へ水平に延びる突出部47が設けられた紙容器140を示す断面図である。また図12は、図11に示す紙容器140を複数積み重ねることによって得られる紙容器群140Gを示す断面図である。図12に示すように、図11に示す紙容器140を積み重ねる場合、第2の容器140Bの側板42の外面43が第1の容器140Aの側板42の内面44に接するよりも前に、第2の容器140Bの底板41が第1の容器140Aの突出部47に接する。従って図12に示すように、紙容器群140Gにおいて、第2の容器140Bの側板42の外面43と第1の容器140Aの側板42の内面44との間には、隙間が生じることがある。このことは、第1の容器140Aと第2の容器140Bとの間に働く摩擦力を低減する上では有利に作用する。一方、紙容器140が積み重ねられる方向における紙容器群140Gの高さは、図3に示す紙容器群40Gの場合に比べて大きくなってしまう。
(基材)
上述のように、図4に示す紙容器群40Gにおいては、第1の容器40Aと第2の容器40Bとの間に働く摩擦力が大きくなりやすい。このことは、紙容器群40Gから1つの紙容器40を取り出す作業が困難なものとなり易いことを意味している。このような課題を解決するため、本実施の形態においては、紙容器40を構成する積層体51の表裏の面の滑り性を適切に調整することを提案する。具体的には、1つの紙容器40例えば上述の第1の容器40Aの側板42の内面44と、その他の紙容器40例えば第2の容器40Bの側板42の外面43と、の間の静摩擦係数が、0.28以下になるように、積層体51を構成する。これによって、後述する実施例において支持されるように、第1の容器40Aの側板42の内面44と、第2の容器40Bの側板42の外面43との間における接触面積が大きい場合であっても、第1の容器40Aから第2の容器40Bを容易に取り外すことができるようになる。静摩擦係数としては、後述するように、JIS K7125:1999に基づいて測定することによって得られた静摩擦係数を用いることができる。
以下、上述の静摩擦係数の値を実現することができる積層体51の構成の例について、図5(a),図5(b)および図5(c)を参照して説明する。図5(a),図5(b)および図5(c)はそれぞれ、紙容器40を構成するための積層体51の層構成の一例を示す断面図である。図5(a)〜(c)に示すように、積層体51は、紙を含む紙基材層52aを少なくとも含んでいる。また図5(a)〜(c)に示すように、積層体51は、紙基材層52a以外の層をさらにふくんでいてもよい。以下、図5(a)〜(c)に示す例についてそれぞれ説明する。
図5(a)に示すように、積層体51は、紙基材層52aよりも外面43側に設けられた第1樹脂層52bをさらに含んでいてもよい。図5(a)においては、内面44が紙基材層52aによって構成され、外面43が第1樹脂層52bによって構成される例が示されている。なお紙基材層52aの面のうち外面43側を向く面には、印刷が施されていてもよい。この場合、第1樹脂層52bは、印刷を保護するための保護層として機能する。
また図5(b)に示すように、積層体51は、紙基材層52aよりも内面44側に設けられた第2樹脂層52cをさらに含んでいてもよい。図5(b)においては、内面44が第2樹脂層52cによって構成され、外面43が紙基材層52aによって構成される例が示されている。
また図5(c)に示すように、積層体51は、紙基材層52aよりも外面43側に設けられた第1樹脂層52b、および、紙基材層52aよりも内面44側に設けられた第2樹脂層52cの両方を含んでいてもよい。図5(c)においては、内面44が第2樹脂層52cによって構成され、外面43が第1樹脂層52bによって構成される例が示されている。
[紙基材層]
紙基材層52aは、積層体51すなわち紙容器40が適度な柔軟性を有するよう構成されている。例えば紙基材層52aを構成する紙材の坪量は、350g/m以下となっている。紙基材層52aとしては、コートボール等の板紙、純白ロール紙、ミルクカートン原紙、コート紙、クラフト紙、加工紙等の公知の紙材を用いることができる。紙基材層52aは、これらの紙材を複数重ねたものであってもよい。なお、紙基材層52aの坪量が小さく、このため積層体51の柔軟性が高いと、紙容器群40Gにおいて1つの紙容器40が他の容器により深く押し込まれ易くなる。従って、紙基材層52aの坪量が小さいことは、紙容器群40Gからの紙容器40の取り出し性という観点では不利に作用すると考えられる。
[樹脂層]
第1樹脂層52bおよび第2樹脂層52cはいずれも、紙基材層52aを適切に保護するよう構成されている。例えば第1樹脂層52bおよび第2樹脂層52cは、熱バインダー樹脂、または、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を少なくとも含んでいる。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂、硝化綿、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。このようなバインダー樹脂を含む第1樹脂層52bや第2樹脂層52cを紙基材層52a上に設ける方法としては、例えば塗工法が用いられ得る。この場合、はじめに、バインダー樹脂などの固形分と、溶媒とを含む塗工液を準備し、次に塗工液を紙基材層52a上に塗布し、その後、塗工液を乾燥させることによって、第1樹脂層52bや第2樹脂層52cが形成される。また、第1樹脂層52bや第2樹脂層52cがポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を含む場合、インフレーション成形法、T−ダイ法、押出法などの成膜方法を用いて、紙基材層52a上に第1樹脂層52bや第2樹脂層52cを成膜することができる。
ところで、紙容器40が、その内面44に食品や飲料が直接触れる、いわゆる一次容器である場合、紙容器40の内面44には、高い清浄性が求められる。従って、塗工液の溶媒として、トルエンやメチルエチルケトンなどの溶剤を用いる場合、内面44に溶媒臭が残ることを防ぐため、塗工液を紙基材層52a上に塗工した後、溶媒を除去するための工程を入念に実施する必要がある。このため、塗工液の溶媒として溶剤が用いられる場合、紙容器40の製造工程が比較的に複雑なものとなってしまう。このような課題を考慮し、好ましくは、塗工液の溶媒として水が用いられる。このことは、塗工液に含まれるバインダー樹脂などの固形分として、水に溶ける水溶性樹脂が用いられることが好ましいことを意味している。水溶性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂を挙げることができる。なお、塗工液を乾燥させるときに、塗工液に含まれる水を揮発させ易くするため、溶媒として、水の他にイソプロピルアルコールなどがさらに含まれていてもよい。
紙容器40の外面43と内面44との間における静摩擦係数を調整するため、外面43や内面44を構成する第1樹脂層52bや第2樹脂層52cのバインダー樹脂または熱可塑性樹脂には、滑剤が添加されていてもよい。滑剤としては、ワックスなどの炭化水素系のもの、ステアリン酸などの脂肪酸系のもの、ステアリルアルコールなどの高級アルコール系のものなどを用いることができる。
また、紙容器40の外面43と内面44との間における静摩擦係数を調整するため、外面43や内面44を構成する第1樹脂層52bや第2樹脂層52cの表面粗さを適切に制御してもよい。例えば、第1樹脂層52bや第2樹脂層52cの表面に凹凸を設け、これによって、紙容器40の外面43と内面44との間における静摩擦係数を低減するようにしてもよい。第1樹脂層52bや第2樹脂層52cの表面に凹凸を設ける方法としては、例えば、第1樹脂層52bや第2樹脂層52cのバインダー樹脂または熱可塑性樹脂に撥液剤や微粒子などを添加するという方法が考えられる。
[その他の層]
また図示はしないが、紙容器40に収容される食品や飲料に応じて、紙容器40の内面44には耐油剤がコーティングされていてもよい。または、紙基材層52aに耐油剤が含浸されていてもよい。
(紙容器製造システム)
次に図6を参照して、上述のブランク50を折り曲げて紙容器40を製造する紙容器製造システム10について説明する。紙容器製造システム10は、ブランク50を搬送するブランク搬送部16と、ブランク搬送部16にブランク50を供給する給紙部12と、給紙部12の下流側に設けられた糊付部14、支持部18および型20と、を備えている。給紙部12の内部には、複数のブランク50が積層された状態で保管されている。給紙部12からブランク搬送部16へのブランク50の供給は、例えば、所定の角度で傾斜した台に沿って1枚のブランク50を下方へ滑らせることによって行われる。なお図6において、符号Tが付された矢印は、ブランク50の搬送方向を表している。
糊付部14は、ブランク50のフラップ55に対して接着剤15を塗布するためのものである。なお図6においては、接着剤15がブランク50の第1面53面側に塗布される例が示されているが、これに限られることはなく、接着剤15をブランク50の第2面54側に塗布してもよい。なおブランク50を構成する積層体51の第1樹脂層52bや第2樹脂層52cが熱可塑性樹脂を含む場合、糊付部14の代わりに、ブランク50の第1樹脂層52bや第2樹脂層52cを溶融させるための加熱部が設けられてもよい。第1樹脂層52bや第2樹脂層52cの熱可塑性樹脂を溶融させるための加熱部としては、ホットエアーを吹きかける装置などが挙げられる。
〔支持部〕
支持部18は、ブランク50を第1面53側から支持するものである。以下、本実施の形態における支持部18の構成について、図6および図7(a)〜(c)を参照して説明する。図7(a)〜(c)は、ブランク50が成形される際のブランク50と支持部18との関係を示す図である。
図7(a)に示すように、支持部18は、型20の移動方向に平行に延びる複数の棒状部材19を含んでいる。図7(a)において、符号19bは、ブランク50の第1面53に対向する第2端部を表しており、符号19aは、第2端部19bの反対側にある第1端部を表している。また符号19cは、棒状部材19の側面を表している。
支持部18がこのように複数の棒状部材19から構成されている場合、ブランク50の成形の際、ブランク50の第1面53をその全域にわたって支持するのではなく、第1面53を部分的に支持することができる。例えば図7(b)に示すように、各棒状部材19の第2端部19bがブランク50の側板42には接するが底板41には接しないように各棒状部材19を配置することにより、支持部18が、ブランク50の第1面53のうち紙容器40の側板42となる部分を支持するとともに底板41となる部分を支持しないようにすることができる。この場合、型20を用いてブランク50の底板41を第2面54側から押圧すると、棒状部材19の側面19cに沿って底板41が第2端部19b側から第1端部19a側へ移動する。この際、ブランク50の側板42は、側板42に第1面53側から接していた棒状部材19の第1端部19aによって押圧されるので、図7(c)に示すように、底板41と側板42との間の境界線に沿って側板42が底板41に対して折り曲げられて紙容器40が形成される。紙容器40の側板42は、図7(c)に示すように、棒状部材19の側面19cによって側方から押さえられる。ここで上述のように、底板41は棒状部材19によって支持されていないので、型20を用いて紙容器40をさらに押し込むことにより、紙容器40を棒状部材19の第1端部19a側から排出することが可能である。すなわち、型20を移動させることにより、ブランク50を成形して紙容器40を得る工程だけでなく、紙容器40を排出する工程をも行うことができる。なお図6に示すように、複数の棒状部材19によって構成された支持部18の内部には、複数の紙容器40が積み重ねられた状態で集積される。
なお、支持部18がブランク50の第1面53のうち紙容器40の側板42となる部分を支持するとともに底板41となる部分を支持しない限りにおいて、支持部18の具体的な構成が特に限られることはない。例えば支持部18は、ブランク50の側板42にのみ接する複数の板状部材や枠部材によって構成されていてもよい。
〔型〕
次に型20について説明する。型20は、支持部18によって支持されているブランク50を第2面54側から押圧するよう、支持部18に向かう方向において移動可能に構成されたものである。図6において、型20の移動方向が矢印Mによって表されている。移動方向Mは、支持部18によって支持されている時のブランク50の法線方向と平行な方向である。
図6において、型20の面のうちブランク50の第2面54に対向する面が符号21で表されており、第1面21の反対側に位置する面が符号22で表されており、第1面21と第2面22との間に位置する外側面が符号24で表されている。型20は、紙容器40の内部空間40aの形状に対応した輪郭を有している。例えば型20の第1面21は、紙容器40の底板41と同様に矩形状の輪郭を有している。また外側面24は、紙容器40の側板42に対応して、向かい合う2つの外側面24の間の間隔が第1面21側から第2面22側に向かうにつれて大きくなるよう構成されている。
(紙容器製造方法)
次に、紙容器製造システム10を用いてブランク50を折り曲げて紙容器40を製造する紙容器製造方法について説明する。
はじめに図6に示すように、給紙部12がブランク搬送部16上にブランク50を供給する。ブランク50は、ブランク搬送部16によって図6の左方向へ搬送される。糊付部14の位置にブランク50が到達すると、糊付部14がブランク50のフラップ55に接着剤15を塗布する。接着剤15が塗布されたブランク50は、その後、搬送方向を90度変えられて図6の下方向へ搬送されるようになり、そして、停止手段37によって受け止められる。
(成形工程)
次に、型20を、支持部18に向けて移動方向Mにおいて移動させる。これによって、支持部18によって第1面53側から支持されているブランク50を型20が第2面54側から押圧する成形工程が実施される。成形工程においては、はじめに、ブランク50の底板41が型20によって支持部18の内部に押し込まれる。このとき、ブランク50の側板42が支持部18の棒状部材19の側面19cに沿って折り曲げられる。また、ブランク50の隣り合う2つの側板42が、接着剤15が塗布されているフラップ55を介して連結される。このようにして、底板41縁と4つの側板42とを含む紙容器40がブランク50から得られる。なおブランク50の折り曲げを容易にするため、ブランク50または型20が加熱されていてもよい。
(スタック工程)
なお支持部18の内部には、図6に示すように、先行して成形されて集積された複数の紙容器40が存在している。従って、移動方向において型20を支持部18の内部へ深く押し込んでいくと、既に集積されている紙容器40の内部に、型20によって押し込まれた紙容器40が侵入する。すなわち、複数の紙容器40が互いに積み重ねられて、紙容器群40Gが形成される。侵入は、図4に示すように、新たに押し込まれる第2の容器40Bの底板41の外面43の寸法Sと、既に集積されている第1の容器40Aの対向する側板42の内面44間の距離Dとが一致するようになる位置まで行われる。この結果、第1の容器40Aの側板42の内面44と、第2の容器40Bの側板42の外面43とが、広域にわたって接することになる。
ここで本実施の形態によれば、上述のように、紙容器は、側板42の内面44と側板42の外面43との間の静摩擦係数が0.28以下になるように構成されている。このため、上述のように第1の容器40Aの側板42の内面44と第2の容器40Bの側板42の外面43とが広域にわたって接している場合であっても、使用の際、紙容器群40Gから第2の容器40Bを容易に取り出すことができる。また、側板42の内面44と側板42の外面43との間の静摩擦係数が小さいことは、後述するように、フラップ55に塗布された接着剤15が外部に漏れだしていないかどうかを検査する上でも有用である。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(紙容器の変形例)
図8に示すように、紙容器40の側板42の上端45に設けられた連接部61を介して2つの紙容器40を連接することにより、連接紙容器60を構成してもよい。本願において、「紙容器」とは、単一の内部空間40aを画定する上述のような紙容器40だけでなく、複数の紙容器40を連接することによって得られる図8に示すような連接紙容器60をも含む概念である。なお図8に示す連接紙容器60においては、連接部61を回転軸として一方の紙容器40を他方の紙容器40に向けて、図8に示す状態から約180°回動させることにより、他方の紙容器40の内部空間40aが一方の紙容器40によって覆われた状態を実現することができる。このような連接紙容器60は、いわゆるクラムシェル容器とも称されるものである。
図9は、図8に示す連接紙容器60を複数積み重ねることによって得られる連接紙容器群60Gを示す断面図である。本変形例による連接紙容器60においても、各連接紙容器60は、例えば第1の連接紙容器60Aは、その内面44が、隣接する連接紙容器60例えば第2の連接紙容器60Bの外面43に広域にわたって接するように、積み重ねられている。従って、本変形例においても、側板42の内面44と側板42の外面43との間の静摩擦係数が0.28以下になるように連接紙容器60を構成することが、連接紙容器群60Gから1つの連接紙容器60を取り出す作業を容易化する上で有用である。
なお本変形例のように、1つの個体に複数の紙容器40が含まれる場合、スタック工程における押し込み圧力の分布が不均一になると、複数の紙容器40のうちの一部の紙容器40が、他の紙容器40に比べて、既に集積されている紙容器40の内部により強く押し込まれる、という状況が生じ得る。図9に示す例においては、2つの紙容器40を含む連接紙容器60のうち、図で右側に示す紙容器40の方が、左側の紙容器40に比べて、既に集積されている紙容器40の内部により強く押し込まれている様子が示されている。このような場合であっても、本変形例によれば、側板42の内面44と側板42の外面43との間の静摩擦係数が0.28以下であることにより、より強く押し込まれている右側の紙容器40を取り出す作業の困難さを低減することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
紙基材層52aおよび第1樹脂層52bを含む積層体51を準備した。具体的には、はじめに、紙基材層52aとして、耐油剤が含浸された坪量260g/mの紙材(型番:Nパールカード、メーカー:三菱製紙)を準備した。次に、紙基材層52a上に塗布液を塗布し、乾燥させることによって、紙基材層52a上に第1樹脂層52bを形成した。この際、乾燥後の第1樹脂層52bの坪量が0.84g/mとなるように、塗布工程および乾燥工程を制御した。
塗布液としては、水性アクリル系樹脂およびワックスを含む固形分と、水およびイソプロピルアルコールを含む溶媒と、を含むものを用いた。この際、乾燥後の第1樹脂層52bの1mあたりに含まれる水性アクリル系樹脂およびワックスの重量、すなわち、乾燥後の第1樹脂層52bの0.84gあたりに含まれる水性アクリル系樹脂およびワックスの重量が、それぞれ0.837gおよび0.003gになるよう、塗布液の組成を調整した。
上述の塗布液を用いて紙基材層52a上に第1樹脂層52bを形成することにより、ロール状の積層体51を3ロット(第1ロット、第2ロット、第3ロット)作製した。以下の説明において、第1ロットから切り出された積層体51のサンプルを第1サンプルと称し、第2ロットから切り出された積層体51のサンプルを第2サンプルと称し、第3ロットから切り出された積層体51のサンプルを第3サンプルと称する。
次に、積層体51の各サンプルについて、それぞれ2枚ずつ平板状の試験片を準備し、各試験片の外面43と内面44との間での静摩擦係数および動摩擦係数を測定した。静摩擦係数および動摩擦係数の測定器としては、東洋精機製作所製の測定器(型番:摩擦測定機TR)を用いた。以下、詳細に説明する。
[静摩擦係数および動摩擦係数]
静摩擦係数および動摩擦係数の測定を、上述の測定器を用いて、JIS K7125:1999に規定されている方法に基づいて実施した。この際、互いに重ねられた2枚の試験片の上に置かれるおもり(滑り片)としては、一辺の長さが63mm、質量が200gの正方形のものを用いた。互いに重ねられた2枚の試験片のうちの上側の試験片を引っ張る速度は、100mm/minとした。結果、試験片の外面43と内面44との間での静摩擦係数は、第1サンプルにおいて0.223であり、第2サンプルにおいて0.229であり、第3サンプルにおいて0.252であった。また、試験片の外面43と内面44との間での動摩擦係数は、第1サンプルにおいて0.183であり、第2サンプルにおいて0.186であり、第3サンプルにおいて0.199であった。
[離脱性]
上述の積層体51の各サンプルを用いて、多数の紙容器40を作製した。具体的には、各サンプルからそれぞれ100個の、互いに積み重ねられた紙容器40を作製した。その後、100個の紙容器40からなる紙容器群40Gを、図10(a)に示すように試験台73上に横たえた。次に、図10(a)に示すように、紙容器群40Gのいくつかの紙容器40の側板42に対して上方から打撃力Fを加えた。打撃力Fは、10箇所において加えた。そして、打撃力Fによって図10(b)に示すように紙容器群40Gの各紙容器40が互いに分離するかどうかを確認した。このような試験を行うことにより、各サンプルから得られた紙容器40が紙容器群40Gから容易に取り出され得るかどうか、すなわち紙容器40の脱離性を評価することができる。結果、各サンプルから得られた紙容器群40Gの各紙容器40は、打撃力Fに起因して適切に脱離された。
なお、図10(a)(b)に示すような評価は、紙容器40の製造工程においてフラップ55に塗布された接着剤15が外部に漏れだしていないかを確認する上でも有用である。なぜなら、接着剤15が外部に漏れだしている場合、紙容器群40Gに打撃力Fを与えても、紙容器40が紙容器群40Gから脱離されない可能性が高いからである。従って、図10(a)(b)に示す評価において紙容器40が紙容器群40Gから脱離するということは、紙容器群40Gの紙容器40からの取り出し性が高いということだけでなく、接着剤15が外部に漏れだしていないということをも証明することができる。
ところで、紙容器群40Gの紙容器40からの取り出し性が低い場合、例えば紙容器40の外面43と内面44との間での静摩擦係数が高い場合、接着剤15が外部に漏れだしていない場合であっても、紙容器40が紙容器群40Gから脱離されないことがある。この場合、図10(a)(b)に示す評価によっては、接着剤15が外部に漏れだしていないかどうかを確認することができないということになる。従って、接着剤15が外部に漏れだしていないかどうかを確認するための方法として、その他の、より時間のかかる方法を実施しなければならない。
これに対して、本実施例においては、各サンプルから得られた紙容器40が打撃力Fに起因して適切に脱離された。従って、本実施例によれば、高い取り出し性を有するとともに、接着剤15が外部に漏れだしていないかどうかの確認を容易に実施することができる紙容器40が得られた、と言える。
(比較例1)
第1樹脂層52bのための塗布液の固形分としてワックスが含まれない点以外は、上述の実施例1の場合と同様にして、紙基材層52aおよび第1樹脂層52bを含む積層体51を2ロット(第4ロット、第5ロット)作製した。以下の説明において、第4ロットから切り出された積層体51のサンプルを第4サンプルと称し、第5ロットから切り出された積層体51のサンプルを第5サンプルと称する。
上述の実施例1の場合と同様にして、第4サンプルおよび第5サンプルについて、それぞれ2枚ずつ平板状の試験片を準備し、各試験片の外面43と内面44との間での静摩擦係数および動摩擦係数を測定した。結果、試験片の外面43と内面44との間での静摩擦係数は、第4サンプルにおいて0.291であり、第5サンプルにおいて0.325であった。また、試験片の外面43と内面44との間での動摩擦係数は、第4サンプルにおいて0.221であり、第5サンプルにおいて0.302であった。
また上述の実施例1の場合と同様にして、第4サンプルおよび第5サンプルを用いて、100個の紙容器40からなる紙容器群40Gを作製した。また、打撃力Fによって紙容器群40Gの各紙容器40が互いに分離するかどうかを確認した。結果、第4サンプルおよび第5サンプルから得られた紙容器40には、隣接する紙容器40から脱離されないものが存在していた。
[滑り角度]
上述の第1サンプル〜第5サンプルの各々について、それぞれ2枚ずつ平板状の試験片を準備し、各試験片の滑り角度の測定を実施した。滑り角度の測定は、試験片の滑り距離が所定距離に達した時の傾斜板の傾斜角を測定した点を除いて、JIS P8147:2010の「8 傾斜法」の欄に規定されている方法に基づいて実施した。すなわち、JIS P8147:2010においては、「最初の状態の傾斜角」、すなわち試験片およびおもりが滑り始める時の傾斜角が滑り角度として測定される。一方、本願では、試験片の滑り距離が所定距離例えば55mmに達した時の傾斜板の傾斜角を、滑り角度として測定した。2枚の試験片のうち、下側に置かれる試験片の寸法は、幅90mm×長さ200mmとした。2枚の試験片のうち、下側の試験片に重ねられる上側の試験片の寸法は、幅60mm×長さ100mmとした。また、上側の試験片の上におかれるおもりとしては、幅60mm×長さ100mmの寸法と、1000gの質量と、を有するものを用いた。滑り角度の測定器としては、東洋精機製作所製の測定器(型番:摩擦測定機AN)を用いた。傾斜板の傾斜角の変化速度は、毎秒3°とした。
各試験片の外面43と内面44との間での滑り角度は、第1サンプルにおいて15.7°であり、第2サンプルにおいて15.8°であり、第3サンプルにおいて16.9°であり、第4サンプルにおいて18.4°であり、第5サンプルにおいて22.1°であった。このように、紙容器40の脱離性が良好であった第1サンプル〜第3サンプルは、第4サンプルおよび第5サンプルに比べて、滑り角度が小さくなっていた。滑り角度が小さいことは、給紙部12からブランク搬送部16へのブランク50の供給がスムーズに実施され得ることを意味している。
10 紙容器製造システム
20 型
40 紙容器
40A 第1の容器
40B 第2の容器
41 底板
42 側板
43 外面
44 内面
50 ブランク
51 積層体
52a 紙基材層
52b 第1樹脂層
52c 第2樹脂層
60 連接容器

Claims (4)

  1. 紙基材層を含む紙容器であって、
    底板と、
    前記底板に連接され、内面および外面を含む側板と、を備え、
    前記底板と前記側板との間に形成される角度は、90°よりも大きく、
    前記紙容器は、第1の前記紙容器の前記側板の前記内面と、第2の前記紙容器の前記側板の前記外面とが接するように、互いに積み重ね可能に構成されており、
    前記側板の内面と前記側板の外面との間の静摩擦係数が0.28以下である、紙容器。
  2. 前記紙容器は、前記紙容器の前記底板の外面の寸法をSとするとき、第2の前記紙容器は、第1の前記紙容器の対向する前記側板の前記内面間の距離が前記寸法Sと等しくなる位置で積み重ねられるよう構成されている、請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記側板の前記外面は、水溶性樹脂を含む第1樹脂層から構成されている、請求項1または2に記載の紙容器。
  4. 第1面および第1面に対向する第2面を有するブランクを成形して、底板および側板を含む紙容器を製造する紙容器製造方法であって、
    支持部によって前記第1面側から支持されている前記ブランクを、型を用いて前記第2面側から押圧するよう、前記支持部に向けて前記型を移動させる成形工程を備え、
    前記ブランクを成形することによって得られる紙容器を、既に得られている紙容器に向けて押し込むことによって、紙容器が積み重ねられ、
    前記紙容器は、底板と、前記底板に連接され、内面および外面を含む側板と、を備え、
    前記底板と前記側板との間に形成される角度は、90°よりも大きく、
    前記紙容器は、第1の前記紙容器の前記側板の前記内面と、第2の前記紙容器の前記側板の前記外面とが接するように、互いに積み重ね可能に構成されており、
    前記側板の内面と前記側板の外面との間の静摩擦係数が0.28以下である、紙容器製造方法。
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