JP2016016868A - 湯切り蓋およびそれを用いた包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】湯切りが必要なカップ麺などの蓋材において、油分あるいは液状成分が蓋材に染み出した場合でも外観を損ねることのない蓋材を提供する。
【解決手段】容器の開口部にシールされ密封容器を形成する蓋において、上層2と下層3が剥離層5を介して部分的に剥離可能にした積層体からなり、部分的に前記上層を剥離することで1以上の湯切り穴8が現出する蓋であって、前記上層が少なくとも隠蔽性を有する層からなり、剥離部において前記上層の一部を部分的に剥離させて前記下層と分離することで、前記下層に設けた切れ目線9により湯切り穴が形成される湯切り蓋1である。
【選択図】図1

Description

本発明は即席麺等の食品用のカップ容器の湯切り蓋およびそれを用いた包装容器に関するものである。
カップ容器に入れられた麺や具材に湯を注いで食用に供する即席麺は、中華麺やうどん、そばなどさまざまな商品がさまざまな流通経路を経てコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売市場に供されている。それらを食べる際には蓋材の一部を開封し湯を注ぎ入れたのち、所定の時間を経て麺を軟化させて(湯戻し調理して)食用が可能な状態とする。
商品によって、入れられた湯をそのままスープとして麺とともに食用にするものもあれば、麺を湯で軟化させた後焼きそばやパスタのように湯は捨て去ってスープ無しで麺を食べるものもある。このとき不要となった湯を捨て去ることを湯切りといい、一般に内容物を流出させることなく湯だけを排出するために、湯切り用の小さな穴を蓋材に形成して用いる。
スープを麺とともに食用に供する場合には、麺が軟化した後一部を開封した蓋材の残りの部分を取り去って食用とすればよい。また湯を捨て去ってスープ無しで麺だけを食べる場合には、蓋材の一部に設けられた湯切り用の穴から湯を捨て去り、必要な調味をした後食用に供する。
一方カップ容器に入れられている麺は通常乾燥された状態のものであるが、湯で容易かつ短時間に軟化させ食用に供するため、あるいは食感や風味を持たせるためにあらかじめ油で揚げた麺を使用する場合が多い。油分のほか調味料として液状の内容物が用いられている場合もある。
特開2013−189244号公報 特開2013−249121号公報
湯を捨て去って軟化した麺だけを食用に供するタイプの商品の場合には、蓋材に湯切り用に設けられた穴あるいは穴を形成するための切り込みが設けられている。切り込みは蓋材の容器内側になる面からハーフカットを施して設けられる。これらの湯切り用の穴は、湯を注ぎ入れた後に蓋材あるいは蓋材の一部を剥離することによって出現あるいは形成されるように作られている。
蓋材は麺などの内容物を容器に収納した後、容器口部にヒートシールして内容物を密閉する。しかしながら蓋材に設けられた湯切り用の穴、あるいは湯切り用の穴を形成するためのハーフカットを施した部分から、内容物に含まれる油分あるいは液状成分が蓋材に染み出す場合がある。
例えばハンドリングや輸送時の振動によって内容物と蓋材の裏面が接触し、裏面のハーフカットを施した部分から内容物に含まれる油分あるいは液状成分が蓋材に染みこむ場合
がある。染みこみが起こった場合にはその部分が変色するなどして蓋材、ひいては商品としての外観が損なわれるという問題がある。
この問題を解決する手段として、蓋材の湯切り部分に比較的濃い色の印刷を施す対策が講じられることもあるが、油分あるいは液状成分の染みこみによる変色を完全には隠蔽できない状況であった。
本発明はこのような問題に鑑み、湯切りが必要なカップ麺などの蓋材において、油分あるいは液状成分が蓋材に染み出した場合でも外観を損ねることのない湯切り蓋およびそれを用いた包装容器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、容器の開口部にシールされ密封容器を形成する蓋において、上層と下層が剥離層を介して部分的に剥離可能にした積層体からなり、部分的に前記上層を剥離することで1以上の湯切り穴が現出する蓋であって、前記上層が少なくとも隠蔽性を有する層からなり、剥離部において前記上層の一部を部分的に剥離させて前記下層と分離することで、前記下層に設けた切れ目線により湯切り穴が形成される湯切り蓋である。
また、請求項2に記載の発明は、前記隠蔽性を有する層が金属蒸着フィルムから成ることを特徴とする請求項1に記載の湯切り蓋である。
また、請求項3に記載の発明は、前記切れ目線が、ハーフカットにより形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の湯切り蓋である。
また、請求項4に記載の発明は、前記上層と前記下層との間の前記剥離部に剥離層を有しており、かつ、この剥離層が湯切り穴部を除いてパターン塗工されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湯切り蓋である。
また、請求項5に記載の発明は、前記上層の下面と前記下層の上面とが互いに異種のプラスチック樹脂で構成されており、前記剥離部において、前記上層の下面と前記下層の上面とが直接接触していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湯切り蓋である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の湯切り蓋を用いて構成されることを特徴とする包装容器である。
請求項1の発明によれば湯切りが必要なカップ麺などの蓋材において、油分あるいは液状成分が蓋材に染み出した場合においても外観を損ねることのない湯切り蓋を提供することができる。
請求項2の発明によれば湯切りが必要なカップ麺の蓋材において、油分あるいは液状成分が蓋材に染み出した場合においても外観を損ねることのより少ない湯切り蓋を提供することが可能となる。また、金属探知機を用いた異物混入検査も可能となる。
請求項3の発明によれば、湯切りが必要なカップ麺などの湯切り蓋において湯切り穴をより簡単に形成することが可能になる。
請求項4の発明によれば、湯切りが必要なカップ麺などの湯切り蓋において湯切り穴を
より容易かつ確実に形成することが可能になる。
請求項5の発明によれば、湯切りが必要なカップ麺などの湯切り蓋において剥離層を設けることなく、蓋材の上層と下層の剥離を可能にし湯切り穴をより簡単に形成することが可能になる。
請求項6の発明によれば、油分あるいは液状成分が湯切り蓋に染み出した場合でも外観を損ねることのない包装容器を提供することが可能になる。
図1は本発明による、湯切り蓋の一実施形態例の部分断面模式図である。 図2は本発明による、湯切り蓋の他の実施形態例の部分断面模式図である。 図3は本発明による、湯切り蓋の一実施形態例の剥離状態を示した断面模式図である。 図4は本発明による、湯切り蓋の一実施形態例の平面模式図である。 図5は本発明による、湯切り蓋の他の実施形態例の平面模式図である。 図6は本発明による、湯切り蓋のもうひとつの実施形態例の平面模式図である。 図7は本発明による、湯切り蓋の具体的な一実施例についての部分断面模式図である。
以下本発明を実施するための形態について図1〜図7を参照しながら詳細に説明を加える。
図1は本発明による湯切り蓋の一実施形態例の部分断面模式図である。
本発明による湯切り蓋(1)は上層(2)および下層(3)から成る。上層(2)の層内には隠蔽層として金属蒸着フィルム(4)が含まれ、剥離層(5)を介して下層(3)と剥離可能に積層されている。このとき上層(2)は容器外側(15)に、下層(3)は内容物側(16)に配置される。
上層(2)は紙、プラスチックフィルムおよび金属蒸着フィルム(4)の積層体であって、表面または裏面あるいは両方、または層間に印刷層を設けることができる。
下層(3)は基材層(6)および容器への接着層(7)からなり、基材層(6)はフィルム、紙、金属箔、樹脂、の単体あるいは積層体であって、必要な場合には適宜、表面または裏面あるいは両方、または層間に印刷が施される。容器への接着層(7)は容器口部との接着によって内容物を密封する。容器への接着層(7)の厚さは10μm〜100μmとすることが適切である。
剥離は剥離層(5)と下層(3)の間、もしくは剥離層(5)の層間等で行われる。湯切り部(12)において、上層(2)と下層(3)が剥離することで点在する湯切り穴(8)が現出する機構となっている。剥離層(5)は少なくとも上層(2)と下層(3)を剥離したい部分に剥離ニスをパターン塗工すればよい。
あるいは剥離層(5)を設けずに上層(2)の下側の面と下層(3)の上側の面を直接接触させ、それぞれの接触する面にはポリエチレンとポリプロピレンやポリエチレンとポリエステルなどの異種のプラスチック樹脂を用いて、剥離機構としてもよい。
剥離開始タブ(10)を容器外側(15)の方向に引き上げることにより、剥離開始線ハーフカット(11)によって設けられた剥離開始線から上層(2)と下層(3)の剥離
が開始される。このとき下層(3)に施した切れ目線(9)によって設けられた湯切り穴(8)は上層に追随する形で引き上げられ、下層(3)に貫通孔が現出し湯切り穴(8)となる。湯切り穴が存在する近辺が湯切り部(12)となる。
切れ目線(9)および剥離開始線ハーフカット(11)は上層(2)と下層(3)が積層された状態で下層(3)側から施し、ハーフカットの深さは上層(2)の金属蒸着フィルム(4)に到達しない深さとする。
図2は本発明による湯切り蓋の他の実施形態例の部分断面模式図である。
この場合には金属蒸着フィルム(4)は上層(2)の容器外側(15)の表面に設けられている。金属蒸着フィルム(4)の上層(2)内での位置は、切れ目線(9)および剥離開始線ハーフカット(11)が到達しない範囲であれば層内のどの部分に設けてもよい。
剥離は剥離開始タブ(10)を容器外側(15)の方向に引き上げて行い、剥離開始線ハーフカット(11)から上層ハーフカット(17)までが、湯切り部(12)となる。
図3は本発明による実施形態例の剥離状態を示した断面模式図である。上層(2)と下層(3)の剥離によって、湯切り穴(8)が形成される様子を詳しく示したものである。この模式断面図は図2に示した実施形態例に対応している。
上層(2)には上層ハーフカット(17)が施されており、これによって剥離開始線ハーフカット(11)から始まる上層(2)と下層(3)の剥離は、剥離が上層ハーフカット(17)に到達すると、上層(2)が下層(3)と分離して、湯切り部(12)の剥離が完了する。上層(2)と下層(3)の剥離は、剥離層(5)によって剥離が起こるが、湯切り穴(8)の部分には剥離層は設けられていないために、また切れ目線(9)が施されていることで、上層に追随して湯切り穴(8)部分の下層(3)がリフトアップされ湯切り穴(8)が貫通孔として下層(3)に形成される。
図4は本発明による湯切り蓋の一実施形態例の平面模式図である。容器外周からはみ出して開封タブ(21)および剥離開始タブ(22)が設けられている。開封タブ(21)は開封に際してここを指でつまみ上げ容器の蓋材と容器の接着を部分的にはがして湯を注ぎ入れるための開口部を作る。
湯によって麺が軟化して後、不要となった湯を捨て湯切りをする際には、剥離開始タブ(22)を指でつまみ上げ、剥離開始線(25)から剥離部(24)の上層と下層の剥離を行い剥離部内に設けられた湯切り穴(23)を露出させる。
このときハーフカットされた下層の湯切り穴は上層とともにリフトアップされ、湯切り穴が貫通孔となって現出する。剥離は湯切り穴を露出させた後、剥離ニスが塗布された部分とされていない部分の境界線である剥離終点(28)まで行う。
湯切り穴(23)は図4の例に示したような円形の形状でもよいが、楕円形、涙形、トラック形、多角形などでもよく形状は問わない。またハーフカットによって閉じて囲まれた形状でなくとも切れ目や十字形などのように、湯が通過できる形状であればよい。湯切り穴の配置も湯切りに支障がない範囲で容器の形状や商品のデザインに合わせて設計すればよい。また湯切り穴はひとつでもよく複数でもかまわない。
剥離ニスによる剥離機構の場合には、湯切り穴(23)の部分には剥離ニスを設けず、その周囲の剥離部(24)にのみ剥離ニスを塗工するパターン塗工とすることができる。この場合には湯切り穴(23)の部分は剥離ニスが無いために、上層と下層が剥離するこ
となく剥離開始タブ(22)のつまみあげによる剥離で、下層のハーフカットで設けられた切れ目線(9)によって湯切り穴(23)がより確実にリフトアップされ貫通孔を形成することができる。貫通孔となった湯切り穴(23)が形成されることにより、容器を傾けることによって不要となった湯を捨てる際に内容物が流れ出ることなく、湯だけを捨てることができる。
図5は本発明による湯切り蓋の他の実施形態例の平面模式図である。この例では剥離開始タブ(22)をつまんで引き上げ、剥離開始線(25)から上層、下層の剥離を開始して剥離部(26)を露出させると同時に、ハーフカット部のリフトアップにより湯切り穴(23)を形成させた後、上層にハーフカットを施してなる上層カット線(27)によって湯切り穴周辺で上層を取り去ることができ、剥離後の上層を蓋材と分離することができる。
図6は本発明による湯切り蓋のもうひとつの実施形態例の平面模式図である。蓋材の形状は角型や円形など容器の開口の形状に合わせて設計すればよい。図6は円形の容器口部を持つ容器のための円形の湯切り蓋の実施形態例を示している。
湯切り穴の配置や大きさも湯切りの利便性を考慮すれば、任意である。この例では開封タブ(21)と剥離開始タブ(22)は円周に対して180度の反対側に設けてあり、容器口部から始まる剥離開始線(25)から上層カット線(27)までの剥離部(26)に容器口部の円周の内側に沿うように5個の湯切り穴(23)が設けてある。
湯きりが終わって内容物の麺などを調味あるいは食用に供する場合には、開封タブ(21)を再度引き上げて蓋材全体を容器から剥離、除去する。
本発明の課題は油分あるいは液状成分が蓋材に染み出した場合においても外観を損ねることのない蓋材の提供であるからこの点について詳述する。
容器に密封された内容物が、油分あるいは液状成分を含む場合において、蓋材の下層に設けられたハーフカット部は内容物側に位置しているため、内容物密封後のハンドリングや輸送時の振動、保管によって、ハーフカット部に内容物が接触することによる油分あるいは液状成分の染み出しが懸念される。
この染み出しがハーフカット部から紙基材に染み出した場合には、紙基材の変色を引き起こしてその外観を損ね、商品価値を損ねることにつながる。
しかしながら、本発明によれば蓋材の上層がアルミニウムなどの金属蒸着フィルム層を有しているために、それよりも容器内側の層において染み出しによる変色が起こったとしても、容器外側からは不可視である。本発明の効果はこの金属蒸着フィルムの持つ隠蔽性によるものである。
図7は本発明による湯切り蓋の具体的な一実施例についての部分断面模式図である。はじめに上層(31)を作成する。上層(31)の作成は、まずフィルム層(37)およびアルミニウム蒸着層(38)からなるアルミニウム蒸着フィルム(39)のフィルム面に絵柄インキ(36)を用いて印刷する。次に接着剤(40)を用いて上記アルミニウム蒸着層(38)と紙層(41)とを貼り合わせる。貼り合わせにはドライラミネーション法などを用いることができる。
さらに目止めニス(42)および剥離ニス(43)を印刷法を用いたパターン塗工によって設け、上層(31)の積層体を得る。このときの上層(31)へのパターン塗工は、湯切り穴(51)にあたる部分を除いた湯切り部(52)にあたる部分とする。目止めニス(42)の塗工は基材である紙層(41)への剥離ニス(43)のしみ込みを抑え剥離ニスを安定して塗工することが目的であって、それによって安定した剥離性を得ることができる。
次に下層(32)を作成する。まずフィルム層(45)とアルミニウム箔(47)を接着剤(46)を用いて貼り合わせる。貼り合わせにはドライラミネーション法などを用いることができる。次にアルミニウム箔(47)のもうひとつの面に接着剤(48)およびシーラント層(49)の2層を共押し出しによって積層し、容器との接着層(50)を形成する。
さらに上記積層方法によって作成した上層(31)と、フィルム層(45)、アルミニウム箔(47)、および容器との接着層(50)の積層体とを、押し出し機を用いて押し出しポリエチレン層(44)を介して積層して、蓋材の原紙となる積層体(60)を作成する。この押し出しポリエチレン層(44)から容器との接着層(50)までを下層(32)とする。
蓋材の原紙となる積層体(60)の下層(32)のシーラント層(49)側から、剥離開始ハーフカット(34)を設け、同様にして湯切り穴(51)を切れ目線(33)を施すことによって設ける。
湯切り穴(51)は、パターン塗工によって設けた目止めニス(42)および剥離ニス(43)を塗布していない部分にあわせて設ける。
上層(31)側からは、剥離時に上層(31)を取り去るための上層カット(35)をハーフカットにて施す。
これによって湯切り蓋の層構成は完成し、容器口部の形状に合わせて打ち抜くことによって湯切り蓋(61)の一実施例を作成することができる。
開封後、湯切りを行う際には剥離開始タブ(53)を指でつまみ上げ、剥離開始ハーフカット(34)から上層カット(35)までの、上層(31)を剥離する。剥離ニス(43)は湯切り穴(51)にあたる部分には塗工されていないために、この部分の下層(32)は上層(31)によってリフトアップされて貫通孔を形成し、湯切り穴(51)を形成する。
上層に対して上層カット(35)が施されているために、剥離が完了すると同時に上層(31)および目止めニス(42)、剥離ニス(43)およびリフトアップされた湯切り穴(51)部分の下層(32)は、下層(32)から分離して取り去ることができる。
これによって下層(32)のうち剥離開始ハーフカット(34)および上層カット(35)と蓋材外周部に囲まれた湯切り部(52)が露出して、貫通孔である湯切り穴(51)は、麺等内容物以外の不要な湯を捨てる開口部として使用することができる。
上層カット(35)が設けられてない場合には、剥離ニスの塗布部のみ下層が露出して、湯切り部(52)として露出し、上層(31)は剥離した状態のまま下層(32)と分離せず残留するが、湯切りそのものに影響することはない。
本発明による湯切り蓋を用いて包装容器を構成することによって、油分あるいは液状成分が湯切り蓋に染み出した場合でも、外観を損ねることのない包装容器を提供することができる。包装容器は本発明による湯切り蓋をカップなどの包装容器の開口部に合わせてシーラント層をヒートシールすることによって、内容物を密閉して包装容器とすることができる。
<実施例>
実施例の層構成を図7に示す。
下記材料を用いて蓋材の原紙となる積層体(60)を作成した。
絵柄インキ(36):硝化綿+ウレタン系インキを用いてアルミニウム蒸着フィルム(39)のフィルム面に印刷した。
アルミニウム蒸着フィルム(39):フィルム層(37)にポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm厚)を用い真空蒸着法を用いてアルミニウム蒸着層(38)を形成したフィルムを用いた。
接着剤(40):ポリエステルポリウレタン系を用いた。
紙層(41):片アート紙(104.7g)を用いた。
目止めニス(42):硝化綿+ウレタン系をパターン塗工した。
剥離ニス(43):ワックス系を用い、パターン塗工した。
押し出しポリエチレン層(44):低密度ポリエチレンを用いて押し出しで上層(31)と下層(32)を積層した。
フィルム層(45):ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm厚)を用いた。
アルミニウム箔層(47):アルミニウム箔(9μm厚)を用いた。
接着剤(48)としてEMMA(10μm厚)を用い、シーラント層(49)(10μm厚)と共押し出しで容器との接着層(50)を形成した。
上記材料による蓋材の原紙となる積層体(60)の作成に続いて、下記の加工を施し湯切り蓋(61)を作成した。
蓋の形状:角型(長方形)を打ち抜き型で打ち抜く。
蓋の寸法:175mm×157.5mm
剥離開始タブ(53):開封タブ対角に設定した。
湯切り穴(51):直径6mmの円形とし、個数は18個。また湯切り穴の外周の1.5mm以上内側には剥離ニスを塗工せずパターン塗工とした。
剥離開始ハーフカット(34):下層全層と上層の紙層の途中までのカットとした。
切れ目線(33):下層全層と上層の紙層の途中までのカットとした。
上層カット(35):湯切り部(52)を囲んだ五角形とした。
<比較例>
蓋材上層中にアルミニウム蒸着フィルム層を設けず、この点だけが実施例と異なるサンプルを作成し比較例とした。
評価方法
内容物として、油分含有量の多いダイスミンチを容器に入れた後、実施例および比較例の湯切り蓋(61)を容器口部に熱シールして密封した。さらに蓋の湯切り穴部に施されたハーフカット部分に内容物が接触するようにして40℃・75%RHで1日保存した後、油の染みこみの状態を目視で確認した。
表1に評価結果を示す。
表1の結果からは、実施例において油染みが観察されないのに対して、比較例においては容器外観を損ねる油染みが認められ、その差は顕著である。
実施例および比較例の評価結果から、本発明によって容器に湯を注いだ後湯切り穴を用
いて湯切りをすることのできる湯切り蓋を有する容器において、内容物による油染みによって湯切り部の変色が発生する場合にも、湯切り蓋の上層に設けられたアルミニウムなどの金属蒸着フィルムによって変色を隠蔽することができ、外観を損ねることのない湯切り蓋およびそれを用いた包装容器を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・湯切り蓋
2・・・上層
3・・・下層
4・・・金属蒸着フィルム
5・・・剥離層
6・・・基材層
7・・・容器への接着層
8・・・湯切り穴
9・・・切れ目線
10・・・剥離開始タブ
11・・・剥離開始線ハーフカット
12・・・湯切り部
15・・・容器外側
16・・・内容物側
17・・・上層ハーフカット
21・・・開封タブ
22・・・剥離開始タブ
23・・・湯切り穴
24・・・剥離部
25・・・剥離開始線
26・・・剥離部
27・・・上層カット線
28・・・剥離終点
31・・・上層
32・・・下層
33・・・切れ目線
34・・・剥離開始ハーフカット
35・・・上層カット
36・・・絵柄インキ
37・・・フィルム層
38・・・アルミニウム蒸着層
39・・・アルミニウム蒸着フィルム
40・・・接着剤
41・・・紙層
42・・・目止めニス
43・・・剥離ニス
44・・・押し出しポリエチレン層
45・・・フィルム層
46・・・接着剤
47・・・アルミニウム箔
48・・・接着剤
49・・・シーラント層
50・・・容器との接着層
51・・・湯切り穴
52・・・湯切り部
53・・・剥離開始タブ
60・・・蓋材の原紙となる積層体
61・・・湯切り蓋

Claims (6)

  1. 容器の開口部にシールされ密封容器を形成する蓋において、上層と下層が剥離層を介して部分的に剥離可能にした積層体からなり、部分的に前記上層を剥離することで1以上の湯切り穴が現出する蓋であって、
    前記上層が少なくとも隠蔽性を有する層からなり、剥離部において前記上層の一部を部分的に剥離させて前記下層と分離することで、前記下層に設けた切れ目線により湯切り穴が形成される湯切り蓋。
  2. 前記隠蔽性を有する層が金属蒸着フィルムから成ることを特徴とする請求項1に記載の湯切り蓋。
  3. 前記切れ目線が、ハーフカットにより形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の湯切り蓋。
  4. 前記上層と前記下層との間の前記剥離部に剥離層を有しており、かつ、この剥離層が湯切り穴部を除いてパターン塗工されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湯切り蓋。
  5. 前記上層の下面と前記下層の上面とが互いに異種のプラスチック樹脂で構成されており、前記剥離部において、前記上層の下面と前記下層の上面とが直接接触していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湯切り蓋。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の湯切り蓋を用いて構成されることを特徴とする包装容器。
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