JP2016010809A - レーザー加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】集光対物レンズの汚染の度合いを検出することができる機能を備えたレーザー加工装置を提供する。【解決手段】被加工物を保持する被加工物保持手段と、被加工物保持手段に保持された被加工物をレーザー加工するレーザー光線照射手段と、被加工物保持手段とレーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段とを具備し、レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー光線発振手段と、レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線を集光して該被加工物保持手段に保持された被加工物に照射する集光対物レンズを備えた集光器を含んでいるレーザー加工装置であって、集光対物レンズの汚染の度合いを検出する集光対物レンズ汚染検出手段と、集光対物レンズ汚染検出手段によって検出された集光対物レンズの汚染の度合いが許容値を超える場合に警報する警報手段とを具備している。【選択図】図2
Description
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物にレーザー加工を施すレーザー加工装置に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体デバイスを製造している。また、サファイヤ基板の表面にフォトダイオード等の受光素子やレーザーダイオード等の発光素子等が積層された光デバイスウエーハも分割予定ラインに沿って切断することにより個々のフォトダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法として、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を分割予定ライントに沿ってパルスレーザー光線を照射することによりレーザー加工溝を形成し、ウエーハをレーザー加工溝が形成された分割予定ラインに沿って破断する方法が提案されている。このようなレーザー加工を施すレーザー加工装置は、被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物をレーザー加工するレーザー光線照射手段と、被加工物保持手段とレーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段とを具備している。そして、レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー光線発振手段と、該レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線を集光して被加工物保持手段に保持された被加工物に照射する集光対物レンズを備えた集光器とから構成されている。
しかるに、被加工物であるシリコンやサファイヤ等のウエーハの分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射すると、シリコンやサファイヤ等が溶融し、融解屑即ちデブリ(debris)が飛散して集光対物レンズを汚染し、被加工物に照射されるレーザー光線の出力が低下して加工品質が安定しないという問題がある。
また、集光対物レンズがデブリによって汚染されると、レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線がデブリによって汚染された集光対物レンズに吸収され集光対物レンズが破損するという問題がある。
また、集光対物レンズがデブリによって汚染されると、レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線がデブリによって汚染された集光対物レンズに吸収され集光対物レンズが破損するという問題がある。
上記問題を解決するために、被加工物にレーザー光線照射手段の集光器からレーザー光線が照射されることによって生成されるデブリ等の粉塵を吸引する吸引手段を備えたレーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
而して、上述したデブリ等の粉塵を吸引する吸引手段を備えたレーザー光線照射手段においても、デブリ等の粉塵による集光対物レンズの汚染を防止することは困難である。
従って、デブリ等の粉塵によって集光対物レンズが汚染されたとき、集光対物レンズを清掃するタイミング、または集光対物レンズを交換するタイミングを検知できることが重要である。
従って、デブリ等の粉塵によって集光対物レンズが汚染されたとき、集光対物レンズを清掃するタイミング、または集光対物レンズを交換するタイミングを検知できることが重要である。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、集光対物レンズの汚染の度合いを検出することができる機能を備えたレーザー加工装置を提供することである。
上記主たる技術的課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物をレーザー加工するレーザー光線照射手段と、該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段とを具備し、該レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー光線発振手段と、該レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線を集光して該被加工物保持手段に保持された被加工物に照射する集光対物レンズを備えた集光器を含んでいるレーザー加工装置であって、
該集光対物レンズの汚染の度合いを検出する集光対物レンズ汚染検出手段と、該集光対物レンズ汚染検出手段によって検出された集光対物レンズの汚染の度合いが許容値を超える場合に警報する警報手段と、を具備している、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
該集光対物レンズの汚染の度合いを検出する集光対物レンズ汚染検出手段と、該集光対物レンズ汚染検出手段によって検出された集光対物レンズの汚染の度合いが許容値を超える場合に警報する警報手段と、を具備している、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
上記集光対物レンズ汚染検出手段は、被加工物保持手段に隣接して配設され集光器から照射されるレーザー光線の出力を検出する出力検出器と、該出力検出器が検出した出力が所定値以下か否かを判定し該出力検出器が検出した出力が所定値以下の場合に該警報手段に警報信号を出力する制御手段とを具備している。
また、上記集光対物レンズ汚染検出手段は、検査用レーザー光線を発振する検査用レーザー光線発振器と、被加工物保持手段のレーザー光線発振手段と集光器とを結ぶ経路に作用位置と退避位置に進退可能に配設され作用位置に位置付けられた状態において検査用レーザー光線発振器から発振された検査用レーザー光線を集光器に向けて方向を変換する方向変換手段と、検査用レーザー光線発振器から発振され方向変換手段および集光器を介して被加工物保持手段に照射された検査用レーザー光線の反射光を反射光検出経路に分岐するビームスプリッターと、該ビームスプリッターによって反射光検出経路に分岐された反射光の強度を検出するホトデテクターと、該ホトデテクターが検出した反射光の強度が所定値以下か否かを判定し該ホトデテクターが検出した反射光の強度が所定値以下の場合に警報手段に警報信号を出力する制御手段とを具備している。
また、上記集光対物レンズ汚染検出手段は、検査用レーザー光線を発振する検査用レーザー光線発振器と、被加工物保持手段のレーザー光線発振手段と集光器とを結ぶ経路に作用位置と退避位置に進退可能に配設され作用位置に位置付けられた状態において検査用レーザー光線発振器から発振された検査用レーザー光線を集光器に向けて方向を変換する方向変換手段と、検査用レーザー光線発振器から発振され方向変換手段および集光器を介して被加工物保持手段に照射された検査用レーザー光線の反射光を反射光検出経路に分岐するビームスプリッターと、該ビームスプリッターによって反射光検出経路に分岐された反射光の強度を検出するホトデテクターと、該ホトデテクターが検出した反射光の強度が所定値以下か否かを判定し該ホトデテクターが検出した反射光の強度が所定値以下の場合に警報手段に警報信号を出力する制御手段とを具備している。
本発明によるレーザー加工装置は、集光対物レンズの汚染の度合いを検出する集光対物レンズ汚染検出手段と、該集光対物レンズ汚染検出手段によって検出された集光対物レンズの汚染の度合いが許容値を超える場合に警報する警報手段とを具備しているので、オペレータは集光対物レンズの清掃または交換するタイミングが判り、被加工物に照射されるレーザー光線の出力が低下して加工品質が安定しないという問題、および集光対物レンズがデブリによって汚染されることにより集光対物レンズが破損するという問題を解消することができる。
以下、本発明によるウエーハの加工方法およびレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、基台2上に配設されたレーザー光線照射手段としてのレーザー光線照射ユニット4とを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上にX軸方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上にX軸方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上にX軸方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361の上面である保持面上に被加工物である例えば円形状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、半導体ウエーハ等の被加工物を保護テープを介して支持する環状のフレームを固定するためのクランプ362が配設されている。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面にY軸方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、Y軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動させるための割り出し送り手段38を具備している。割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット4は、上記基台2上に配設された支持部材41と、該支持部材41によって支持され実質上水平に延出するケーシング42と、該ケーシング42に配設されたレーザー光線照射手段5と、ケーシング42の前端部に配設されレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段6を具備している。なお、撮像手段6は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
上記レーザー光線照射手段5について、図2を参照して説明する。
図2に示すレーザー光線照射手段5は、パルスレーザー光線発振手段51と、該パルスレーザー光線発振手段51によって発振されたパルスレーザー光線の出力を調整する出力調整手段52と、該出力調整手段52によって出力が調整されたパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光器53を具備している。パルスレーザー光線発振手段51は、YAGレーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器511と、これに付設された繰り返し周波数設定手段512とから構成されている。出力調整手段52は、パルスレーザー光線発振手段51によって発振されたパルスレーザー光線LB1の出力を調整する。集光器53は、パルスレーザー光線発振手段51から発振され出力調整手段52によって出力が調整されたパルスレーザー光線LB1をチャックテーブル36の保持面に向けて方向変換する方向変換ミラー531と、該方向変換ミラー531によって方向変換されたパルスレーザー光線LB1を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光対物レンズ532とからなっている。このように構成された集光器53は、図1に示すようにケーシング42の先端に装着される。
図2に示すレーザー光線照射手段5は、パルスレーザー光線発振手段51と、該パルスレーザー光線発振手段51によって発振されたパルスレーザー光線の出力を調整する出力調整手段52と、該出力調整手段52によって出力が調整されたパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光器53を具備している。パルスレーザー光線発振手段51は、YAGレーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器511と、これに付設された繰り返し周波数設定手段512とから構成されている。出力調整手段52は、パルスレーザー光線発振手段51によって発振されたパルスレーザー光線LB1の出力を調整する。集光器53は、パルスレーザー光線発振手段51から発振され出力調整手段52によって出力が調整されたパルスレーザー光線LB1をチャックテーブル36の保持面に向けて方向変換する方向変換ミラー531と、該方向変換ミラー531によって方向変換されたパルスレーザー光線LB1を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光対物レンズ532とからなっている。このように構成された集光器53は、図1に示すようにケーシング42の先端に装着される。
図1及び図2を参照して説明を続けると、チャックテーブル機構3を構成する支持テーブル35には、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36に隣接して配設され上記集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出するための集光対物レンズ汚染検出手段7を構成する集光器53から照射されるレーザー光線の出力を検出する出力検出器71が配設されている。この出力検出器71は、受光したレーザー光線の出力を後述する制御手段に送る。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、図3に示す制御手段8を具備している。制御手段8はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)81と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)82と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)83と、入力インターフェース84および出力インターフェース85とを備えている。制御手段8の入力インターフェース84には、上記撮像手段6、出力検出器71等からの検出信号が入力される。そして、制御手段6の出力インターフェース85からは、上記加工送り手段37、割り出し送り手段38、パルスレーザー光線発振手段51、出力調整手段52、警報手段としての表示手段80等に制御信号を出力する。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
上述したレーザー光線照射手段5のパルスレーザー光線発振手段51から発振された被加工物に対して吸収性を有する波長(例えば波長が355nm)のパルスレーザー光線LB1を出力調整手段52によって出力を調整して集光器53を介してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射することにより、被加工物Wにアブレーション加工を施すと、デブリが飛散して集光対物レンズ532を汚染する。また、パルスレーザー光線発振手段51から発振された被加工物に対して透過性を有する波長(例えば波長が1064nm)のパルスレーザー光線LB1を出力調整手段52によって出力を調整して集光器53を介してチャックテーブル36に保持された被加工物Wの内部に集光点を位置付けて照射することにより、被加工物Wの内部に改質層を形成する内部加工を施しても微細な粉塵が飛散して集光対物レンズ532を汚染する。このような集光対物レンズ532の汚染の度合いが許容値を超えると、上述したように被加工物Wに照射されるパルスレーザー光線LB1の出力が低下して加工品質が安定しないという問題がある。また、パルスレーザー光線発振手段51から発振されたパルスレーザー光線LB1がデブリによって汚染された集光対物レンズ532に吸収され集光対物レンズ532が破損するという問題がある。従って、定期的に集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出して、現在の集光対物レンズ532の汚染の度合い確認しておくことが重要である。
上述したレーザー光線照射手段5のパルスレーザー光線発振手段51から発振された被加工物に対して吸収性を有する波長(例えば波長が355nm)のパルスレーザー光線LB1を出力調整手段52によって出力を調整して集光器53を介してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射することにより、被加工物Wにアブレーション加工を施すと、デブリが飛散して集光対物レンズ532を汚染する。また、パルスレーザー光線発振手段51から発振された被加工物に対して透過性を有する波長(例えば波長が1064nm)のパルスレーザー光線LB1を出力調整手段52によって出力を調整して集光器53を介してチャックテーブル36に保持された被加工物Wの内部に集光点を位置付けて照射することにより、被加工物Wの内部に改質層を形成する内部加工を施しても微細な粉塵が飛散して集光対物レンズ532を汚染する。このような集光対物レンズ532の汚染の度合いが許容値を超えると、上述したように被加工物Wに照射されるパルスレーザー光線LB1の出力が低下して加工品質が安定しないという問題がある。また、パルスレーザー光線発振手段51から発振されたパルスレーザー光線LB1がデブリによって汚染された集光対物レンズ532に吸収され集光対物レンズ532が破損するという問題がある。従って、定期的に集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出して、現在の集光対物レンズ532の汚染の度合い確認しておくことが重要である。
以下、集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出する手順について説明する。
先ず、制御手段8は、加工送り手段37および割り出し送り手段38を作動して、チャックテーブル機構3を構成する支持テーブル35に配設された出力検出器71を集光対物レンズ532の直下に位置付ける。次に、制御手段8は、パルスレーザー光線発振手段51を作動してパルスレーザー光線LB1を発振するとともに、出力調整手段52を制御してパルスレーザー光線発振手段51から発振されたパルスレーザー光線LB1の出力を例えば2Wに調整する。この結果、2Wに調整されたパルスレーザー光線LB1が集光器53の集光対物レンズ532を介して出力検出器71に照射される。このようにしてパルスレーザー光線LB1が照射された出力検出器71は、受光したパルスレーザー光線LB1の出力に対応した信号を制御手段8に送る。
先ず、制御手段8は、加工送り手段37および割り出し送り手段38を作動して、チャックテーブル機構3を構成する支持テーブル35に配設された出力検出器71を集光対物レンズ532の直下に位置付ける。次に、制御手段8は、パルスレーザー光線発振手段51を作動してパルスレーザー光線LB1を発振するとともに、出力調整手段52を制御してパルスレーザー光線発振手段51から発振されたパルスレーザー光線LB1の出力を例えば2Wに調整する。この結果、2Wに調整されたパルスレーザー光線LB1が集光器53の集光対物レンズ532を介して出力検出器71に照射される。このようにしてパルスレーザー光線LB1が照射された出力検出器71は、受光したパルスレーザー光線LB1の出力に対応した信号を制御手段8に送る。
制御手段8は、出力検出器71から送られたパルスレーザー光線の出力に対応した信号(A)が集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値(例えば設定された出力の10%)を超えているか否かを判定する。図示の実施形態においては出力検出器7から送られたパルスレーザー光線の出力が2Wであるから、汚染の度合いの許容値は0.2Wとなる。従って制御手段8は、出力検出器71によって検出されたパルスレーザー光線の出力に対応した信号(A)が、設定された出力(2W)から許容値である0.2Wを減算した値(2W−0.2W=1.8W)以上(A≧1.8W)であれは集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値(0.2W)内であり使用可能と判定する。そして制御手段8は、判定結果を出力検出器71によって検出されたパルスレーザー光線LB1の出力に対応した信号(A)値とともに警報手段としての表示手段80に表示する。
一方、出力検出器71によって検出されたパルスレーザー光線LB1の出力に対応した信号(A)が、設定された出力(2W)から許容値である0.2Wを減算した値(2W−0.2W=1.8W)未満(A<1.8W)の場合には、制御手段8は集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値(0.2W)を超えていると判定し、判定結果を出力検出器71によって検出されたパルスレーザー光線LB1の出力に対応した信号(A)値とともに警報手段としての表示手段80に表示する。このようにして警報手段としての表示手段80に表示された判定結果および出力検出器71によって検出されたパルスレーザー光線LB1の出力に対応した信号(A)値に基づいて、オペレータは集光対物レンズ532の清掃または交換を検討する。なお、集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値(0.2W)を超えていると判定した場合には、警報ブザーまたは警報ランプを作動して警報するようにしてもよい。
次に、集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出するための集光対物レンズ汚染検出手段の他の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4に示す集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出するための集光対物レンズ汚染検出手段7aは、上記レーザー光線照射手段5内に配設される。即ち、図4に示す集光対物レンズ汚染検出手段7aは、検査用レーザー光線LB2を発振する検査用レーザー光線発振器72と、レーザー光線照射手段5を構成する集光器53の方向変換ミラー531と集光対物レンズ532との間の経路に2点鎖線で示す作用位置と実線で示す退避位置に進退可能に配設され作用位置に位置付けられた状態において検査用レーザー光線発振器72から発振された検査用レーザー光線を集光対物レンズ532に向けて方向を変換する方向変換手段73と、検査用レーザー光線発振器72から発振され方向変換手段73および集光対物レンズ532を介して被加工物照射手段としてのチャックテーブル36に照射された検査用レーザー光線LB2の反射光を反射光検出経路74に分岐するビームスプリッター75と、反射光検出経路74に配設された集光レンズ76と、該ビームスプリッター75によって反射光検出経路74に分岐され集光レンズ76によって集光された反射光の光強度を検出するとホトデテクター77と、を具備している。
図4に示す集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出するための集光対物レンズ汚染検出手段7aは、上記レーザー光線照射手段5内に配設される。即ち、図4に示す集光対物レンズ汚染検出手段7aは、検査用レーザー光線LB2を発振する検査用レーザー光線発振器72と、レーザー光線照射手段5を構成する集光器53の方向変換ミラー531と集光対物レンズ532との間の経路に2点鎖線で示す作用位置と実線で示す退避位置に進退可能に配設され作用位置に位置付けられた状態において検査用レーザー光線発振器72から発振された検査用レーザー光線を集光対物レンズ532に向けて方向を変換する方向変換手段73と、検査用レーザー光線発振器72から発振され方向変換手段73および集光対物レンズ532を介して被加工物照射手段としてのチャックテーブル36に照射された検査用レーザー光線LB2の反射光を反射光検出経路74に分岐するビームスプリッター75と、反射光検出経路74に配設された集光レンズ76と、該ビームスプリッター75によって反射光検出経路74に分岐され集光レンズ76によって集光された反射光の光強度を検出するとホトデテクター77と、を具備している。
上記検査用レーザー光線発振器72は、例えば波長が632nmで出力が2mWのHe-Neレーザー、または例えば波長が830nmで出力が3mWのSLDレーザーを出力する。上記方向変換手段73は、方向変換ミラー731と、該方向変換ミラー731を図4において2点鎖線で示す作用位置と実線で示す退避位置に進退可能に移動するアクチュエータ732とからなっている。即ち、方向変換手段73のアクチュエータ732は、上記レーザー光線照射手段5によってレーザー加工作業を実施する際には方向変換ミラー731を実線で示す退避位置に位置付けており、集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出する際には方向変換ミラー731を2点鎖線で示す作用位置に位置付ける。上記ビームスプリッター75は、検査用レーザー光線発振器72から発振された検査用レーザー光線LB2を方向変換ミラー731に向けて通過するが、チャックテーブル36に照射された検査用レーザー光線LB2の反射光は反射光検出経路74に向けて分岐する。上記集光レンズ76は、ビームスプリッター75によって反射光検出経路74に分岐され反射光を集光してホトデテクター77に導く。ホトデテクター77は、反射光検出経路74に導かれた反射光を受光し、受光した反射光の光強度に対応した信号(電圧信号)を制御手段に出力する。なお、制御手段は、本実施形態においては上記図3に示す制御手段8を用いることとし、ホトデテクター77からの出力信号は図3に示すように入力インターフェース84に入力される。
図4に示す集光対物レンズ汚染検出手段7aは以上のように構成されており、以下、集光対物レンズ532の汚染の度合いを検出する手順について説明する。
先ず、制御手段8は、加工送り手段37および割り出し送り手段38を作動して、チャックテーブル機構3を構成するチャックテーブル36を集光対物レンズ532の直下に位置付ける。なお、チャックテーブル36の吸着チャック361上には反射鏡Mを載置することが望ましい。次に、制御手段8は分岐手段73のアクチュエータ732を作動して方向変換ミラー731を2点鎖線で示す作用位置に位置付ける。そして制御手段8は、検査用レーザー光線発振器72を作動して検査用レーザー光線LB2を発振する。検査用レーザー光線発振器72から発振された検査用レーザー光線LB2は、ビームスプリッター75、方向変換手段73の方向変換ミラー731、集光器53の集光対物レンズ532を介してチャックテーブル36上に保持された反射鏡Mに照射される。反射鏡Mに照射された検査用レーザー光線LB2は反射鏡Mで反射し、その反射光が集光対物レンズ532、方向変換ミラー731、ビームスプリッター75を介して反射光検出経路74に導かれ、集光レンズ76によって集光されてホトデテクター77によって受光される。
先ず、制御手段8は、加工送り手段37および割り出し送り手段38を作動して、チャックテーブル機構3を構成するチャックテーブル36を集光対物レンズ532の直下に位置付ける。なお、チャックテーブル36の吸着チャック361上には反射鏡Mを載置することが望ましい。次に、制御手段8は分岐手段73のアクチュエータ732を作動して方向変換ミラー731を2点鎖線で示す作用位置に位置付ける。そして制御手段8は、検査用レーザー光線発振器72を作動して検査用レーザー光線LB2を発振する。検査用レーザー光線発振器72から発振された検査用レーザー光線LB2は、ビームスプリッター75、方向変換手段73の方向変換ミラー731、集光器53の集光対物レンズ532を介してチャックテーブル36上に保持された反射鏡Mに照射される。反射鏡Mに照射された検査用レーザー光線LB2は反射鏡Mで反射し、その反射光が集光対物レンズ532、方向変換ミラー731、ビームスプリッター75を介して反射光検出経路74に導かれ、集光レンズ76によって集光されてホトデテクター77によって受光される。
このようにして、反射鏡Mで反射した検査用レーザー光線LB2の反射光を受光したホトデテクター77は、受光した反射光の光強度に対応した電圧信号(B)を制御手段8に送る。制御手段8は、ホトデテクター77から送られた電圧信号(B)が集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値を超えているか否かを判定する。なお、集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値は、集光対物レンズ532が汚染されていない状態の10%に設定されている。即ち、検査用レーザー光線発振器72から発振された検査用レーザー光線LB2がビームスプリッター75、分岐手段73の方向変換ミラー731、汚染されていない集光対物レンズ532を介してチャックテーブル36上に保持された反射鏡Mに照射されたときの反射光がホトデテクター77によって受光された際の光強度に対応する電圧信号(B)が例えば1Vとすると、集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値は0.1Vに設定される。従って制御手段8は、ホトデテクター77によって検出された検査用レーザー光線LB2の反射光の強度に対応する電圧信号(B)が、汚染されていない集光対物レンズ532の状態における光強度に対応する電圧(1V)から許容値である0.1Vを減算した値(1V−0.1V=0.9V)以上(B≧0.9V)であれは集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値(0.1V)内であり使用可能と判定する。そして制御手段8は、判定結果をホトデテクター77によって検出された検査用レーザー光線LB2の反射光の強度に対応する電圧信号(B)値とともに警報手段としての表示手段80に表示する。
一方、ホトデテクター77によって検出された検査用レーザー光線LB2の反射光の強度に対応する電圧信号(B)が、汚染されていない集光対物レンズ532の状態における光強度に対応する電圧(1V)から許容値である0.1Vを減算した値(1V−0.1V=0.9V)未満(B<0.9V)であれは集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値(0.1V)を超えていると判定し、判定結果をホトデテクター77によって検出された検査用レーザー光線LB2の反射光の強度に対応する電圧信号(B)値とともに警報手段としての表示手段80に表示する。このようにして警報手段としての表示手段80に表示された判定結果およびホトデテクター77によって検出された検査用レーザー光線LB2の反射光の強度に対応する電圧信号(B)値に基づいて、オペレータは集光対物レンズ532の清掃または交換を検討する。なお、集光対物レンズ532の汚染の度合いの許容値を超えていると判定した場合には、警報ブザーまたは警報ランプを作動して警報するようにしてもよい。
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:割り出し送り手段
4:レーザー光線照射ユニット
5:レーザー光線照射手段
51:パルスレーザー光線発振手段
52:出力調整手段
53:集光器
532:集光対物レンズ
6:撮像手段
7、7a:集光対物レンズ汚染検出手段
71:出力検出器
72:検査用レーザー光線発振器
73:方向変換手段
74:反射光検出経路
75:ビームスプリッター
76:集光レンズ
77:ホトデテクター
8:制御手段
W:被加工物
M:反射鏡
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:割り出し送り手段
4:レーザー光線照射ユニット
5:レーザー光線照射手段
51:パルスレーザー光線発振手段
52:出力調整手段
53:集光器
532:集光対物レンズ
6:撮像手段
7、7a:集光対物レンズ汚染検出手段
71:出力検出器
72:検査用レーザー光線発振器
73:方向変換手段
74:反射光検出経路
75:ビームスプリッター
76:集光レンズ
77:ホトデテクター
8:制御手段
W:被加工物
M:反射鏡
Claims (3)
- 被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物をレーザー加工するレーザー光線照射手段と、該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段とを具備し、該レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー光線発振手段と、該レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線を集光して該被加工物保持手段に保持された被加工物に照射する集光対物レンズを備えた集光器を含んでいるレーザー加工装置であって、
該集光対物レンズの汚染の度合いを検出する集光対物レンズ汚染検出手段と、該集光対物レンズ汚染検出手段によって検出された集光対物レンズの汚染の度合いが許容値を超える場合に警報する警報手段と、を具備している、
ことを特徴とするレーザー加工装置。 - 該集光対物レンズ汚染検出手段は、該被加工物保持手段に隣接して配設され該集光器から照射されるレーザー光線の出力を検出する出力検出器と、該出力検出器が検出した出力が所定値以下か否かを判定し該出力検出器が検出した出力が所定値以下の場合に該警報手段に警報信号を出力する制御手段とを具備している、請求項1記載のレーザー加工装置。
- 該集光対物レンズ汚染検出手段は、検査用レーザー光線を発振する検査用レーザー光線発振器と、該被加工物保持手段の該レーザー光線発振手段と該集光器とを結ぶ経路に作用位置と退避位置に進退可能に配設され作用位置に位置付けられた状態において該検査用レーザー光線発振器から発振された検査用レーザー光線を該集光器に向けて方向を変換する方向変換手段と、該検査用レーザー光線発振器から発振され該方向変換手段および該集光器を介して該被加工物保持手段に照射された検査用レーザー光線の反射光を反射光検出経路に分岐するビームスプリッターと、該ビームスプリッターによって該反射光検出経路に分岐された反射光の強度を検出するホトデテクターと、該ホトデテクターが検出した反射光の強度が所定値以下か否かを判定し該ホトデテクターが検出した反射光の強度が所定値以下の場合に該警報手段に警報信号を出力する制御手段とを具備している、請求項1記載のレーザー加工装置。
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