JP2016009533A - 電解質担持構造体及び金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる電解質担持構造体、及びこれを具備した大容量、長寿命の金属空気電池を提供する。【解決手段】電解質担持構造体10は、金属空気電池1の正極層50と負極層60との間の電解液を保持するための空間sに配設されて用いられ、支持電解質20と、層状担持部材30とを備え、層状担持部材30が、支持電解質20を担持している。金属空気電池1は、正極層50と、負極層60と、正極層50と負極層60との間の電解液を保持するための空間sに配設されて用いられる上述の電解質担持構造体10とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、電解質担持構造体及び金属空気電池に関する。更に詳細には、本発明は、金属空気電池に適用され、所定の構造を有する電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池に関する。
従来、保管中に実質的に劣化せず、水を加えるだけで活性化して最小限の遅延で全電力を配給する、動作延期乾電池が提案されている(特許文献1参照。)。
そして、動作延期乾電池は、電気化学電池システムで使用する乾燥コンポーネント構造であって、複数の乾燥コンポーネントを含み、正極と負極とを含み、この乾燥コンポーネント構造の一端に凝縮電解液の貯槽を有し、液体が凝縮電解液の貯槽に加えられ、電解液が電解液流動管理構造を通して乾燥コンポーネントに導入され、それによって正極と負極間の電気化学反応を起させるものである。
特開2013−191481号公報
しかしながら、特許文献1に記載された空気電池においては、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが考慮された構造となっていないため、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することが難しく、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが困難であるという問題点があった。また、電極表面及び電解液中の少なくとも一方にスラッジが生成し、負極活物質が消費され、放電が停止してしまうという問題もあった。更に、仮に電極の交換を行うとしても、繰り返し使用するたびに、電解液の再調製が必要であるという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。
そして、本発明は、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる電解質担持構造体、及びこれを具備した大容量、長寿命の金属空気電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、所定の構造を有する電解質担持構造体とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電解質担持構造体は、金属空気電池の正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設されて用いられ、支持電解質と、層状担持部材と、を備え、層状担持部材が、支持電解質を担持しているものである。
また、本発明の金属空気電池は、上記本発明の電解質担持構造体を具備したものである。
本発明によれば、金属空気電池の正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設されて用いられる電解質担持構造体を、支持電解質と、層状担持部材と、を備え、層状担持部材が、支持電解質を担持している構成とした。
そのため、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる電解質担持構造体、及びこれを具備した大容量、長寿命の金属空気電池を提供することができる。
図1は、放電開始前における第1の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。 図2(A)〜(K)は、図1に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。 図3は、第1の実施形態に係る金属空気電池の一例の使用−再生サイクルを示すフロー図である。 図4は、従来の金属空気電池の一例を示すフロー図である。 図5は、放電開始前における第2の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。 図6(A)〜(K)は、図5に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。 図7は、第2の実施形態に係る金属空気電池の一例の使用−再生サイクルを示すフロー図である。 図8は、放電開始前における第3の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。 図9(A)〜(K)は、図8に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。 図10は、第3の実施形態に係る金属空気電池の一例の使用−再生サイクルを示すフロー図である。 図11は、放電開始前における第4の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の金属空気電池1は、正極層50と、負極層60と、正極層50と負極層60との間の電解液を保持するための空間sに配設された電解質担持構造体10とを具備する。
また、電解質担持構造体10は、支持電解質20と、層状担持部材30とを備える。
そして、層状担持部材30は、支持電解質20を均一に担持している。
正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設され、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質とを備えた電解質担持構造体を用いると、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方にスラッジが生成し、負極活物質が消費され、放電が停止してしまった後、電解質担持構造体及び電極を交換するだけで、空気電池を繰り返し使用することが容易であり、電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、層状担持部材を電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記電解質担持構造体10は、少なくとも層状担持部材30と、層状担持部材30に担持された支持電解質20とを備えるものである。
上記支持電解質20は、金属空気電池に適用される従来公知のものを適宜用いることができる。特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)や、水酸化カリウム(KOH)、塩化ナトリウム(NaCl)などを適用することができる。
上記層状担持部材30は、少なくとも支持電解質20を担持することができるもの、好ましくは支持電解質20を均一に担持することができるものであれば、特に限定されるものではない。
層状担持部材としては、例えば、絶縁性多孔質材層や、電解液自体や電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層を有するものを好適に用いることができる。これらは1種を単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。例えば、絶縁性多孔質材層を適用すると、正極層と負極層との短絡のおそれがなく、担持された支持電解質を短時間で溶解することができる。なお、短時間で支持電解質が溶解し易いという観点から、フィルム層についても多孔質であることが好ましい。フィルム層が多孔質であるとフィルム層自体も短時間で溶解し易い。このようなフィルム層は、例えば、フィルム層を形成する際にマスキングを利用するなど従来公知の製造方法で得ることができる。
また、絶縁性多孔質材層の具体例としては、特に限定されるものではないが、絶縁性のメッシュや不織布を挙げることができる。これらは1種を単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。
更に、フィルムを構成する可溶材料の好適例としては、セルロース系材料、デンプン系材料、ポリビニルアルコール系材料を挙げることができる。これらは1種を単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。
ここで、具体的な電解質担持構造体の構成を図示する。しかしながら、これらに限定されるものでないことは言うまでもない。
図2(A)〜(K)は、図1に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。
図2(A)に示すように、第1の電解質担持構造体11Aは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31Aと、不織布31Aの片面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
また、図2(B)に示すように、第1の電解質担持構造体11Bは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31Aと、不織布31Aの両面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
更に、図2(C)に示すように、第1の電解質担持構造体11Cは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの片面及び開口部内の両方に均一に担持された支持電解質20とを備える。なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの片面若しくは開口部内に均一に担持された支持電解質とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
更に、図2(D)に示すように、第1の電解質担持構造体11Dは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの両面及び開口部内の両方に均一に担持された支持電解質20とを備える。なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの両面に均一に担持された支持電解質とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
また、図2(E)に示すように、第1の電解質担持構造体11Eは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32と、フィルム層32の片面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
更に、図2(F)に示すように、第1の電解質担持構造体11Fは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32と、フィルム層32の両面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
また、図2(G)に示すように、第1の電解質担持構造体11Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備える。
更に、図2(H)に示すように、第1の電解質担持構造体11Hは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31Aと、層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備える。
また、図2(I)に示すように、第1の電解質担持構造体11Iは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31A及びその両面に均一に担持された支持電解質20と、層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32,32とを備える。そして、不織布31A及び支持電解質20は、フィルム層32,32の間に配設されている。
更に、図2(J)に示すように、第1の電解質担持構造体11Jは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの片面及び開口部内の両方に均一に担持された支持電解質20と、メッシュ31Bの支持電解質20が担持された面の反対側の面に配設された層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32とを備える。
なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの片面に均一に担持された支持電解質と、メッシュの支持電解質が担持された面の反対側の面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体や、メッシュと、メッシュの開口部内に均一に担持された支持電解質と、メッシュのいずれか一方の面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
更にまた、図2(K)に示すように、第1の電解質担持構造体11Kは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの開口部内に均一に担持された支持電解質20と、メッシュ31Bの両面に配設された層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32とを備える。
なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの片面に均一に担持された支持電解質と、メッシュの両面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体や、メッシュと、メッシュの片面及び開口部内に均一に担持された支持電解質と、メッシュの両面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
放電開始後や放電終了後に、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らないという観点からは、フィルム層を適用することが好ましい。
具体的には、図2(E)〜(G)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、フィルム層を構成する材料を上述した所定の可溶材料とすることにより、放電により生成することがあるスラッジ源を取り込むことができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することや、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らず、交換時に層状担持部材を取り出す必要が無いため、交換作業をさらに短縮することが可能となる。
そして、可溶材料からなるフィルム層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
更に、上述した所定の可溶材料からなるフィルム層を適用する場合にも、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
また、電極と接触する電解液の濃度がより確実に均一となり易いという観点からは、溶解しない材料からなるメッシュや不織布を含むものを適用することが好ましい。
更に、通常、電池反応に寄与しないフィルム層溶解分が電解液中に存在しないという利点もある。
具体的には、図2(A)〜(D)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、メッシュや不織布を適用することにより、放電により生成することがあるスラッジを保持することができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することが可能となる。
そして、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層を適用する場合には、所望の電池電圧となるまでの到達時間を数分程度とすることができる。
なお、メッシュや不織布を可溶材料で構成してもよいことは言うまでもない。
更に、層状担持部材として、メッシュや不織布などの絶縁性多孔質材層と、フィルム層とを含むものを適用すると、上述したそれぞれの好ましい点を併有したものとすることが可能である。
具体的には、図2(H)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
更にまた、電極と接触したときに局所的な腐食を起こす可能性がある支持電解質を電極と接触させないように、層状担持部材が、支持電解質を正極層や負極層と非接触状態となるように担持していることが好ましい。
具体的には、図2(G)〜(I)で示す電解質担持構造体である。
上記正極層50は、例えば、触媒成分、必要に応じて添加される、触媒成分を担持する導電性の触媒担体及び触媒成分を結着するバインダを含み、多孔質構造が形成されている。また、図示しないが、正極層における負極層に対向する面と反対側の面には液密通気部材が配設されている。なお、以下において、触媒担体に触媒成分が担持されてなる複合体を「電極触媒」とも称する。
触媒成分としては、具体的には、炭素(C)や、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属、これらの合金などから選択することができる。また、触媒成分の形状や大きさは、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒成分と同様の形状や大きさを採用することができる。なお、本発明においては、これらに限定されるものではなく、金属空気電池に適用される従来公知の触媒成分を適用することができる。
また、触媒担体は、上述した触媒成分を担持するための担体、及び触媒成分と他の部材との間での電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能する。触媒担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、充分な電子伝導性を有しているものであればよく、主成分がカーボンであることが好ましい。触媒担体としては、具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子が挙げられる。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。また、「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容され得ることを意味する。更に、触媒担体のサイズについては、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒担体と同様のサイズを採用することができる。なお、本発明においては、これらに限定されるものではなく、金属空気電池に適用される従来公知の触媒担体を適用することができる。
更に、バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドを好適に用いることができる。これらのバインダは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本発明においては、これらに限定されるものではなく、金属空気電池に適用される従来公知のバインダを適用することができる。
また、液密通気部材としては、例えば、撥水部材を好適に用いることができる。撥水部材は、電解液が漏液するのを抑制する一方、多孔質であってガスは比較的容易に流通する構造を有し、正極層上で三相界面を形成して反応性を向上させる機能を有する。このような液密通気部材としては、撥水材を含むものを挙げることができる。撥水材としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾールなどが挙げられる。また、他の撥水材としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。この中でも、オレフィン系樹脂やフッ素系樹脂が好ましい。これらの撥水材は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記負極層60は、負極活物質を含有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、負極活物質としては、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)の単体、これらのうちの少なくとも1種を含む合金を好適に用いることができる。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素又は非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。具体的には、上述の金属元素に1種以上の金属元素又は非金属元素を加えたものを挙げることができる。また、合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物又は金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本発明においては、いずれであってもよい。また、上述した負極活物質に限定されるものではなく、金属空気電池に適用される従来公知の負極活物質を適用することができる。
ここで、上述した電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池の使用−再生サイクルについて一例を挙げて説明する。なお、上記の例において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、本実施形態の金属空気電池の一例の使用−再生サイクルを示すフロー図である。
図3(A)中の1Aは、放電開始前の金属空気電池を示す。図3(A)に示すように、放電開始前の金属空気電池1Aに対して、水などの溶媒Sを注液すると、第1の電解質担持構造体11Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備えるため、図3(B)に示すように、支持電解質20が溶解した電解液Eにフィルム層32も溶解して、放電が開始される。
なお、図3(B)中の1Bは放電開始後(使用時)における金属空気電池を示す。そして、放電開始後の金属空気電池1Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
また、図3(C)中の1Cは放電終了後の金属空気電池を示す。そして、図3(C)に示すように、放電終了後の金属空気電池1Cから、残存した負極60を脱着する。
更に、図3(D)中の1Dは負極分離後の金属空気電池1Dを示す。そして、図3(D)に示すように、負極分離後の金属空気電池1Dに対して、第1の電解質担持構造体11G及び負極60を装着する。これにより、図3(A)に示す放電開始前の金属空気電池1Aを再生することができる。
上述のように、所定の構造を有する電解質担持構造体を適用することにより、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
一方、図4は、従来の金属空気電池の一例を示すフロー図である。
図4(A)中の100Aは、放電開始前の従来の金属空気電池を示す。図4(A)に示すように、従来の金属空気電池100Aは、電解質担持構造体を有さず、電池外部に凝縮電解液貯槽110を有する構成が、上述した本実施形態の金属空気電池1Aと相違する。
そして、図4(A)に示すように、放電開始前の従来の金属空気電池100Aに対して、水などの溶媒Sを凝縮電解液貯槽110の高濃度の電解液E’に注液すると、凝縮電解液貯槽110内で所定の電解液が調製され、図4(B)に示すように、調製された電解液Eが注液され、放電が開始される。
なお、図4(B)中の100Bは放電開始後(使用時)における従来の金属空気電池を示す。そして、放電開始後の従来の金属空気電池100Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
上述のように、所定の構造を有する電解質担持構造体を有さず、凝縮電解液貯槽を電池外部に備えるため、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが困難である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図5は、第2の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の金属空気電池2は、層状担持部材30が、負極層60の片面に配設されて一体化された構造を有する構成が、上述した第1の実施形態の金属空気電池と相違する。
ここで、層状担持部材が負極層の片面に配設されて一体化された構造を有するとは、金属空気電池が組み立てられる際に、正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設される電解質担持構造体として、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と片面で一体化された構造を有する負極層とを備えたものを適用することを意味する。
正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設され、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と片面で一体化された構造を有する負極層とを備えた電解質担持構造体を用いると、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することがより容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においても、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
ここで、具体的な電解質担持構造体の構成を図示する。しかしながら、これらに限定されるものでないことは言うまでもない。
図6(A)〜(K)は、図5に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図6(A)〜(K)に示すように、第2の電解質担持構造体12A〜12Kは、層状担持部材30と負極層とが片面で一体化された構造を有することが、上述した第1の電解質担持構造体11A〜11Kとそれぞれ相違する。
放電開始後や放電終了後に、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らないという観点からは、フィルム層を適用することが好ましい。
具体的には、図6(E)〜(G)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、フィルム層を構成する材料を上述した所定の可溶材料とすることにより、放電により生成することがあるスラッジ源を取り込むことができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することや、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らず、交換時に層状担持部材を取り出す必要が無いため、交換作業をさらに短縮することが可能となる。
そして、可溶材料からなるフィルム層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。更に、上述した所定の可溶材料からなるフィルム層を適用する場合にも、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
また、電極と接触する電解液の濃度がより確実に均一となり易いという観点からは、溶解しない材料からなるメッシュや不織布を含むものを適用することが好ましい。
更に、通常、電池反応に寄与しないフィルム層溶解分が電解液中に存在しないという利点もある。
具体的には、図6(A)〜(D)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、メッシュや不織布を適用することにより、放電により生成することがあるスラッジを保持することができ、負極を交換する際にスラッジを効率的に除去することが可能となる。
そして、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
なお、メッシュや不織布を可溶材料で構成してもよいことは言うまでもない。
更に、層状担持部材として、メッシュや不織布などの絶縁性多孔質材層と、フィルム層とを含むものを適用すると、上述したそれぞれの好ましい点を併有したものとすることが可能である。
具体的には、図6(H)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
また、負極に局所的な腐食を起こす可能性がある支持電解質を負極と接触させないように、層状担持部材が、支持電解質を負極層と非接触状態となるように担持していることが好ましい。
具体的には、図6(A)、(E)、(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
更に、負極層の反応面を確保するという観点から、負極層が電解液や電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層と接触しており、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層と接触していないことが好ましい。
具体的には、図6(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。なお、図6(E)で示す電解質担持構造体を含めることもできる。
ここで、上述した電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池の使用−再生サイクルについて一例を挙げて説明する。なお、上記の例において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、本実施形態の金属空気電池の一例の使用−再生サイクルを示すフロー図である。
図7(A)中の2Aは、放電開始前の金属空気電池を示す。図7(A)に示すように、放電開始前の金属空気電池2Aに対して、水などの溶媒Sを注液すると、第2の電解質担持構造体12Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備えるため、図7(B)に示すように、支持電解質20が溶解した電解液Eにフィルム層32も溶解して、放電が開始される。
なお、図7(B)中の2Bは放電開始後(使用時)における金属空気電池を示す。そして、放電開始後の金属空気電池2Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
また、図7(C)中の2Cは放電終了後の金属空気電池を示す。そして、図7(C)に示すように、放電終了後の金属空気電池2Cから、残存した負極60を脱着する。
更に、図7(D)中の2Dは負極分離後の金属空気電池を示す。そして、図7(D)に示すように、負極分離後の金属空気電池2Dに対して、第2の電解質担持構造体12Gを装着する。これにより、図7(A)に示す放電開始前の金属空気電池2Aを再生することができる。
上述のように、負極層と片面で一体化した所定の構造を有する電解質担持構造体を適用することにより、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図8は、第3の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の金属空気電池3は、2つの正極層50,50と、負極層60と、正極層50,50と負極層60との間の電解液を保持するための空間sに配設された電解質担持構造体10とを具備し、層状担持部材30が、負極層60の両面に配設されて一体化された構造を有する構成が、上述した第1の実施形態の金属空気電池と相違する。
ここで、層状担持部材が負極層の両面に配設されて一体化された構造を有するとは、金属空気電池が組み立てられる際に、正極層と正極層との間の電解液を保持するための空間に配設される電解質担持構造体として、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と両面で一体化された構造を有する負極層とを備えたものを適用することを意味する。
なお、2つの正極と、これらの間に配設される1つの負極とを備え、負極の両面を電極反応面とする構造は、バイセル構造と呼ばれることがある。
正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設され、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と両面で一体化された構造を有する負極層とを備えた電解質担持構造体を用いると、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することがより容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においても、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
更に、バイセル構造を有する場合、負極を交換して電池を繰り返し使用する構成とし易く、電極の交換や、放電の際に生成することがあるスラッジの除去に必要となる時間をより短縮することができる。
ここで、具体的な電解質担持構造体の構成を図示する。しかしながら、これらに限定されるものでないことは言うまでもない。
図9(A)〜(K)は、図8に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図9(A)〜(K)に示すように、第3の電解質担持構造体13A〜13Kは、層状担持部材30と負極層60とが両面で一体化された構造を有することが、上述した第1の電解質担持構造体11A〜11Kとそれぞれ相違する。
放電開始後や放電終了後に、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らないという観点からは、フィルム層を適用することが好ましい。
具体的には、図9(E)〜(G)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、フィルム層を構成する材料を上述した所定の可溶材料とすることにより、放電により生成することがあるスラッジ源を取り込むことができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することや、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らず、交換時に層状担持部材を取り出す必要がないため、交換作業をさらに短縮することが可能となる。
そして、可溶材料からなるフィルム層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。更に、上述した所定の可溶材料からなるフィルム層を適用する場合にも、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
また、電極と接触する電解液の濃度がより確実に均一となり易いという観点からは、溶解しない材料からなるメッシュや不織布を含むものを適用することが好ましい。
更に、通常、電池反応に寄与しないフィルム層溶解分が電解液中に存在しないという利点もある。
具体的には、図9(A)〜(D)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、メッシュや不織布を適用することにより、放電により生成することがあるスラッジを保持することができ、負極を交換する際にスラッジを効率的に除去することが可能となる。
そして、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
なお、メッシュや不織布を可溶材料で構成してもよいことは言うまでもない。
更に、層状担持部材として、メッシュや不織布などの絶縁性多孔質材層と、フィルム層とを含むものを適用すると、上述したそれぞれの好ましい点を併有したものとすることが可能である。
具体的には、図9(H)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
また、負極に局所的な腐食を起こす可能性がある支持電解質を負極と接触させないように、層状担持部材が、支持電解質を負極層と非接触状態となるように担持していることが好ましい。
具体的には、図9(A)、(E)、(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
更に、負極層の反応面を確保するという観点から、負極層が電解液や電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層と接触しており、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層と接触していないことが好ましい。
具体的には、図9(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。なお、図9(E)で示す電解質担持構造体を含めることもできる。
ここで、上述した電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池の使用−再生サイクルについて一例を挙げて説明する。なお、上記の例において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、本実施形態の金属空気電池の一例の使用−再生サイクルを示すフロー図である。
図10(A)中の3Aは、放電開始前の金属空気電池を示す。図10(A)に示すように、放電開始前の金属空気電池3Aに対して、水などの溶媒Sを注液すると、第3の電解質担持構造体13Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備えるため、図10(B)に示すように、支持電解質20が溶解した電解液Eにフィルム層32も溶解して、放電が開始される。
なお、図10(B)中の3Bは放電開始後(使用時)における金属空気電池を示す。そして、放電開始後の金属空気電池3Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
また、図10(C)中の3Cは放電終了後の金属空気電池を示す。そして、図10(C)に示すように、放電終了後の金属空気電池3Cから、残存した負極60を脱着する。
更に、図10(D)中の3Dは負極分離後の金属空気電池を示す。そして、図10(D)に示すように、負極分離後の金属空気電池3Dに対して、第3の電解質担持構造体13Gを装着する。これにより、図10(A)に示す放電開始前の金属空気電池3Aを再生することができる。
上述のように、負極層と両面で一体化した所定の構造を有する電解質担持構造体を適用することにより、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
更に、バイセル構造を有し、負極を交換して電池を繰り返し使用する構成とし易く、電極の交換や、放電の際に生成することがあるスラッジの除去に必要となる時間をより短縮することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図11は、第4の実施形態に係る金属空気電池を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の金属空気電池4は、層状担持部材30が、正極層50の片面に配設されて一体化された構造を有する構成が、上述した第1の実施形態の金属空気電池と相違する。
ここで、層状担持部材が正極層の片面に配設されて一体化された構造を有するとは、金属空気電池が組み立てられる際に、正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設される電解質担持構造体として、層状担持部材と、層状担持部材に均一に担持された支持電解質と、層状担持部材と両面で一体化された構造を有する正極層とを備えたものを適用することを意味する。
正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設され、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と片面で一体化された構造を有する正極層とを備えた電解質担持構造体を用いると、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、機会は少ないが、正極を交換して空気電池を繰り返し使用することが更に容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においても、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、具体的な電解質担持構造体の構成や、金属空気電池の使用方法については図示して説明しないが、負極層と正極層とが異なるだけで、第2の実施形態とほぼ同様である。
以上、本発明を若干の実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した各実施形態に記載した構成は、実施形態毎に限定されるものではなく、例えば、電解質担持構造体の細部や、電解質担持構造体と正極層や負極層との配置を変更したり、各実施形態の構成を上述した各実施形態以外の組み合わせにしたりすることができる。
また、例えば、上述した実施形態においては、1つの正極層と1つの負極層とから構成されるモノセル構造や2つの正極層と1つの負極層とから構成されるバイセル構造を有する金属空気電池を例示して説明したが、モノセル構造の金属空気電池やバイセル構造の金属空気電池を複数組み合わせた構造を有する金属空気電池に対しても、本発明を適用することができる。
1,1A〜1D,2,2A〜2D,3,3A〜3D,4,100A〜100B 金属空気電池
10 電解質担持構造体
11A〜11K 第1の電解質担持構造体
12A〜12K 第2の電解質担持構造体
13A〜13K 第3の電解質担持構造体
20 支持電解質
30 層状担持部材
31 絶縁性多孔質材層
31A 不織布
31B メッシュ
32 フィルム層
50 正極層
60 負極層
110 凝縮電解液貯槽
E,E’ 電解液
S 溶媒
s 空間

Claims (11)

  1. 金属空気電池の正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設されて用いられ、
    支持電解質と、
    層状担持部材と、を備え、
    上記層状担持部材が、上記支持電解質を担持している
    ことを特徴とする電解質担持構造体。
  2. 上記層状担持部材が、上記支持電解質を上記正極層又は上記負極層と非接触状態となるように担持していることを特徴とする請求項1に記載の電解質担持構造体。
  3. 上記層状担持部材と一体化された構造を有する上記正極層又は上記負極層を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解質担持構造体。
  4. 上記層状担持部材が、絶縁性多孔質材層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体。
  5. 上記層状担持部材が、上記電解液又は該電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体。
  6. 上記層状担持部材と一体化された構造を有する上記正極層又は上記負極層を更に備え、
    上記層状担持部材が、絶縁性多孔質材層と、上記電解液又は該電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層と、を含み、
    上記正極層又は上記負極層が、上記フィルム層と接触しており、かつ、上記絶縁性多孔質材層と接触していない
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体。
  7. 上記層状担持部材が、上記正極層又は上記負極層の片面に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の電解質担持構造体。
  8. 上記層状担持部材が、上記負極層の両面に配設されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電解質担持構造体。
  9. 上記絶縁性多孔質材層が、メッシュ及び不織布の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4又は6に記載の電解質担持構造体。
  10. 上記可溶材料が、セルロース系材料、デンプン系材料及びポリビニルアルコール系材料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の電解質担持構造体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体を具備したことを特徴とする金属空気電池。
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