JP2016009533A - 電解質担持構造体及び金属空気電池 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、動作延期乾電池は、電気化学電池システムで使用する乾燥コンポーネント構造であって、複数の乾燥コンポーネントを含み、正極と負極とを含み、この乾燥コンポーネント構造の一端に凝縮電解液の貯槽を有し、液体が凝縮電解液の貯槽に加えられ、電解液が電解液流動管理構造を通して乾燥コンポーネントに導入され、それによって正極と負極間の電気化学反応を起させるものである。
そして、本発明は、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる電解質担持構造体、及びこれを具備した大容量、長寿命の金属空気電池を提供することを目的とする。
そのため、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる電解質担持構造体、及びこれを具備した大容量、長寿命の金属空気電池を提供することができる。
まず、第1の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の金属空気電池1は、正極層50と、負極層60と、正極層50と負極層60との間の電解液を保持するための空間sに配設された電解質担持構造体10とを具備する。
また、電解質担持構造体10は、支持電解質20と、層状担持部材30とを備える。
そして、層状担持部材30は、支持電解質20を均一に担持している。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、層状担持部材を電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
層状担持部材としては、例えば、絶縁性多孔質材層や、電解液自体や電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層を有するものを好適に用いることができる。これらは1種を単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。例えば、絶縁性多孔質材層を適用すると、正極層と負極層との短絡のおそれがなく、担持された支持電解質を短時間で溶解することができる。なお、短時間で支持電解質が溶解し易いという観点から、フィルム層についても多孔質であることが好ましい。フィルム層が多孔質であるとフィルム層自体も短時間で溶解し易い。このようなフィルム層は、例えば、フィルム層を形成する際にマスキングを利用するなど従来公知の製造方法で得ることができる。
また、絶縁性多孔質材層の具体例としては、特に限定されるものではないが、絶縁性のメッシュや不織布を挙げることができる。これらは1種を単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。
更に、フィルムを構成する可溶材料の好適例としては、セルロース系材料、デンプン系材料、ポリビニルアルコール系材料を挙げることができる。これらは1種を単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。
図2(A)〜(K)は、図1に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。
また、図2(B)に示すように、第1の電解質担持構造体11Bは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31Aと、不織布31Aの両面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
更に、図2(C)に示すように、第1の電解質担持構造体11Cは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの片面及び開口部内の両方に均一に担持された支持電解質20とを備える。なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの片面若しくは開口部内に均一に担持された支持電解質とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
更に、図2(D)に示すように、第1の電解質担持構造体11Dは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの両面及び開口部内の両方に均一に担持された支持電解質20とを備える。なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの両面に均一に担持された支持電解質とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
また、図2(E)に示すように、第1の電解質担持構造体11Eは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32と、フィルム層32の片面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
更に、図2(F)に示すように、第1の電解質担持構造体11Fは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32と、フィルム層32の両面に均一に担持された支持電解質20とを備える。
また、図2(G)に示すように、第1の電解質担持構造体11Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備える。
更に、図2(H)に示すように、第1の電解質担持構造体11Hは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31Aと、層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備える。
また、図2(I)に示すように、第1の電解質担持構造体11Iは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例である不織布31A及びその両面に均一に担持された支持電解質20と、層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32,32とを備える。そして、不織布31A及び支持電解質20は、フィルム層32,32の間に配設されている。
更に、図2(J)に示すように、第1の電解質担持構造体11Jは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの片面及び開口部内の両方に均一に担持された支持電解質20と、メッシュ31Bの支持電解質20が担持された面の反対側の面に配設された層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32とを備える。
なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの片面に均一に担持された支持電解質と、メッシュの支持電解質が担持された面の反対側の面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体や、メッシュと、メッシュの開口部内に均一に担持された支持電解質と、メッシュのいずれか一方の面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
更にまた、図2(K)に示すように、第1の電解質担持構造体11Kは、層状担持部材30の一種である絶縁性多孔質材層31の一例であるメッシュ31Bと、メッシュ31Bの開口部内に均一に担持された支持電解質20と、メッシュ31Bの両面に配設された層状担持部材30の他の一例であるフィルム層32とを備える。
なお、図示しないが、メッシュと、メッシュの片面に均一に担持された支持電解質と、メッシュの両面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体や、メッシュと、メッシュの片面及び開口部内に均一に担持された支持電解質と、メッシュの両面に配設された層状担持部材の他の一例であるフィルム層とを備える電解質担持構造体を適用することもできる。
具体的には、図2(E)〜(G)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、フィルム層を構成する材料を上述した所定の可溶材料とすることにより、放電により生成することがあるスラッジ源を取り込むことができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することや、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らず、交換時に層状担持部材を取り出す必要が無いため、交換作業をさらに短縮することが可能となる。
そして、可溶材料からなるフィルム層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
更に、上述した所定の可溶材料からなるフィルム層を適用する場合にも、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
更に、通常、電池反応に寄与しないフィルム層溶解分が電解液中に存在しないという利点もある。
具体的には、図2(A)〜(D)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、メッシュや不織布を適用することにより、放電により生成することがあるスラッジを保持することができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することが可能となる。
そして、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層を適用する場合には、所望の電池電圧となるまでの到達時間を数分程度とすることができる。
なお、メッシュや不織布を可溶材料で構成してもよいことは言うまでもない。
具体的には、図2(H)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
具体的には、図2(G)〜(I)で示す電解質担持構造体である。
図3(A)中の1Aは、放電開始前の金属空気電池を示す。図3(A)に示すように、放電開始前の金属空気電池1Aに対して、水などの溶媒Sを注液すると、第1の電解質担持構造体11Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備えるため、図3(B)に示すように、支持電解質20が溶解した電解液Eにフィルム層32も溶解して、放電が開始される。
なお、図3(B)中の1Bは放電開始後(使用時)における金属空気電池を示す。そして、放電開始後の金属空気電池1Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
また、図3(C)中の1Cは放電終了後の金属空気電池を示す。そして、図3(C)に示すように、放電終了後の金属空気電池1Cから、残存した負極60を脱着する。
更に、図3(D)中の1Dは負極分離後の金属空気電池1Dを示す。そして、図3(D)に示すように、負極分離後の金属空気電池1Dに対して、第1の電解質担持構造体11G及び負極60を装着する。これにより、図3(A)に示す放電開始前の金属空気電池1Aを再生することができる。
上述のように、所定の構造を有する電解質担持構造体を適用することにより、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
図4(A)中の100Aは、放電開始前の従来の金属空気電池を示す。図4(A)に示すように、従来の金属空気電池100Aは、電解質担持構造体を有さず、電池外部に凝縮電解液貯槽110を有する構成が、上述した本実施形態の金属空気電池1Aと相違する。
そして、図4(A)に示すように、放電開始前の従来の金属空気電池100Aに対して、水などの溶媒Sを凝縮電解液貯槽110の高濃度の電解液E’に注液すると、凝縮電解液貯槽110内で所定の電解液が調製され、図4(B)に示すように、調製された電解液Eが注液され、放電が開始される。
なお、図4(B)中の100Bは放電開始後(使用時)における従来の金属空気電池を示す。そして、放電開始後の従来の金属空気電池100Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
上述のように、所定の構造を有する電解質担持構造体を有さず、凝縮電解液貯槽を電池外部に備えるため、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが困難である。
次に、第2の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図5に示すように、本実施形態の金属空気電池2は、層状担持部材30が、負極層60の片面に配設されて一体化された構造を有する構成が、上述した第1の実施形態の金属空気電池と相違する。
ここで、層状担持部材が負極層の片面に配設されて一体化された構造を有するとは、金属空気電池が組み立てられる際に、正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設される電解質担持構造体として、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と片面で一体化された構造を有する負極層とを備えたものを適用することを意味する。
なお、本実施形態においても、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
図6(A)〜(K)は、図5に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
具体的には、図6(E)〜(G)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、フィルム層を構成する材料を上述した所定の可溶材料とすることにより、放電により生成することがあるスラッジ源を取り込むことができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することや、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らず、交換時に層状担持部材を取り出す必要が無いため、交換作業をさらに短縮することが可能となる。
そして、可溶材料からなるフィルム層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。更に、上述した所定の可溶材料からなるフィルム層を適用する場合にも、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
更に、通常、電池反応に寄与しないフィルム層溶解分が電解液中に存在しないという利点もある。
具体的には、図6(A)〜(D)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、メッシュや不織布を適用することにより、放電により生成することがあるスラッジを保持することができ、負極を交換する際にスラッジを効率的に除去することが可能となる。
そして、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
なお、メッシュや不織布を可溶材料で構成してもよいことは言うまでもない。
具体的には、図6(H)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
具体的には、図6(A)、(E)、(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
具体的には、図6(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。なお、図6(E)で示す電解質担持構造体を含めることもできる。
図7(A)中の2Aは、放電開始前の金属空気電池を示す。図7(A)に示すように、放電開始前の金属空気電池2Aに対して、水などの溶媒Sを注液すると、第2の電解質担持構造体12Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備えるため、図7(B)に示すように、支持電解質20が溶解した電解液Eにフィルム層32も溶解して、放電が開始される。
なお、図7(B)中の2Bは放電開始後(使用時)における金属空気電池を示す。そして、放電開始後の金属空気電池2Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
また、図7(C)中の2Cは放電終了後の金属空気電池を示す。そして、図7(C)に示すように、放電終了後の金属空気電池2Cから、残存した負極60を脱着する。
更に、図7(D)中の2Dは負極分離後の金属空気電池を示す。そして、図7(D)に示すように、負極分離後の金属空気電池2Dに対して、第2の電解質担持構造体12Gを装着する。これにより、図7(A)に示す放電開始前の金属空気電池2Aを再生することができる。
上述のように、負極層と片面で一体化した所定の構造を有する電解質担持構造体を適用することにより、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
次に、第3の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図8に示すように、本実施形態の金属空気電池3は、2つの正極層50,50と、負極層60と、正極層50,50と負極層60との間の電解液を保持するための空間sに配設された電解質担持構造体10とを具備し、層状担持部材30が、負極層60の両面に配設されて一体化された構造を有する構成が、上述した第1の実施形態の金属空気電池と相違する。
ここで、層状担持部材が負極層の両面に配設されて一体化された構造を有するとは、金属空気電池が組み立てられる際に、正極層と正極層との間の電解液を保持するための空間に配設される電解質担持構造体として、層状担持部材と、層状担持部材に担持された支持電解質と、層状担持部材と両面で一体化された構造を有する負極層とを備えたものを適用することを意味する。
なお、2つの正極と、これらの間に配設される1つの負極とを備え、負極の両面を電極反応面とする構造は、バイセル構造と呼ばれることがある。
なお、本実施形態においても、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
更に、バイセル構造を有する場合、負極を交換して電池を繰り返し使用する構成とし易く、電極の交換や、放電の際に生成することがあるスラッジの除去に必要となる時間をより短縮することができる。
図9(A)〜(K)は、図8に示した電解質担持構造体の構成例を模式的に示す断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
具体的には、図9(E)〜(G)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、フィルム層を構成する材料を上述した所定の可溶材料とすることにより、放電により生成することがあるスラッジ源を取り込むことができ、電極を交換する際にスラッジを効率的に除去することや、電解液を保持するための空間に層状担持部材が残らず、交換時に層状担持部材を取り出す必要がないため、交換作業をさらに短縮することが可能となる。
そして、可溶材料からなるフィルム層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。更に、上述した所定の可溶材料からなるフィルム層を適用する場合にも、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
更に、通常、電池反応に寄与しないフィルム層溶解分が電解液中に存在しないという利点もある。
具体的には、図9(A)〜(D)で示す電解質担持構造体を適用することが好ましい。
また、メッシュや不織布を適用することにより、放電により生成することがあるスラッジを保持することができ、負極を交換する際にスラッジを効率的に除去することが可能となる。
そして、不織布、メッシュ等の絶縁性多孔質材層を適用する場合には、交換作業に要する時間を数分程度とすることができる。
なお、メッシュや不織布を可溶材料で構成してもよいことは言うまでもない。
具体的には、図9(H)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
具体的には、図9(A)、(E)、(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。
具体的には、図9(G)〜(K)で示す電解質担持構造体である。なお、図9(E)で示す電解質担持構造体を含めることもできる。
図10(A)中の3Aは、放電開始前の金属空気電池を示す。図10(A)に示すように、放電開始前の金属空気電池3Aに対して、水などの溶媒Sを注液すると、第3の電解質担持構造体13Gは、層状担持部材30の一例であるフィルム層32,32と、それらの間に均一に担持された支持電解質20とを備えるため、図10(B)に示すように、支持電解質20が溶解した電解液Eにフィルム層32も溶解して、放電が開始される。
なお、図10(B)中の3Bは放電開始後(使用時)における金属空気電池を示す。そして、放電開始後の金属空気電池3Bは、所定の電池電圧に低下するまで放電を継続する。
また、図10(C)中の3Cは放電終了後の金属空気電池を示す。そして、図10(C)に示すように、放電終了後の金属空気電池3Cから、残存した負極60を脱着する。
更に、図10(D)中の3Dは負極分離後の金属空気電池を示す。そして、図10(D)に示すように、負極分離後の金属空気電池3Dに対して、第3の電解質担持構造体13Gを装着する。これにより、図10(A)に示す放電開始前の金属空気電池3Aを再生することができる。
上述のように、負極層と両面で一体化した所定の構造を有する電解質担持構造体を適用することにより、放電に際して電極表面及び電解液中の少なくとも一方に生成するスラッジを除去することや、電極を交換して空気電池を繰り返し使用することが容易であり、繰り返し使用するときの電解液の再調製を不要にできる。
なお、本実施形態においては、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
更に、バイセル構造を有し、負極を交換して電池を繰り返し使用する構成とし易く、電極の交換や、放電の際に生成することがあるスラッジの除去に必要となる時間をより短縮することができる。
次に、第4の実施形態に係る電解質担持構造体、及びこれを具備した金属空気電池について詳細に説明する。
図11に示すように、本実施形態の金属空気電池4は、層状担持部材30が、正極層50の片面に配設されて一体化された構造を有する構成が、上述した第1の実施形態の金属空気電池と相違する。
ここで、層状担持部材が正極層の片面に配設されて一体化された構造を有するとは、金属空気電池が組み立てられる際に、正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設される電解質担持構造体として、層状担持部材と、層状担持部材に均一に担持された支持電解質と、層状担持部材と両面で一体化された構造を有する正極層とを備えたものを適用することを意味する。
なお、本実施形態においても、交換作業に要する時間が数分程度となる。
また、支持電解質を層状担持部材に均一に担持し、電極反応面に対向させて設置することにより、正極や負極などの電極と接触する電解液の濃度が均一となり易く、所望の電池電圧となるまでの到達時間を短縮することができる。
10 電解質担持構造体
11A〜11K 第1の電解質担持構造体
12A〜12K 第2の電解質担持構造体
13A〜13K 第3の電解質担持構造体
20 支持電解質
30 層状担持部材
31 絶縁性多孔質材層
31A 不織布
31B メッシュ
32 フィルム層
50 正極層
60 負極層
110 凝縮電解液貯槽
E,E’ 電解液
S 溶媒
s 空間
Claims (11)
- 金属空気電池の正極層と負極層との間の電解液を保持するための空間に配設されて用いられ、
支持電解質と、
層状担持部材と、を備え、
上記層状担持部材が、上記支持電解質を担持している
ことを特徴とする電解質担持構造体。 - 上記層状担持部材が、上記支持電解質を上記正極層又は上記負極層と非接触状態となるように担持していることを特徴とする請求項1に記載の電解質担持構造体。
- 上記層状担持部材と一体化された構造を有する上記正極層又は上記負極層を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解質担持構造体。
- 上記層状担持部材が、絶縁性多孔質材層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体。
- 上記層状担持部材が、上記電解液又は該電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体。
- 上記層状担持部材と一体化された構造を有する上記正極層又は上記負極層を更に備え、
上記層状担持部材が、絶縁性多孔質材層と、上記電解液又は該電解液の溶媒に溶解する可溶材料を含むフィルム層と、を含み、
上記正極層又は上記負極層が、上記フィルム層と接触しており、かつ、上記絶縁性多孔質材層と接触していない
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体。 - 上記層状担持部材が、上記正極層又は上記負極層の片面に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の電解質担持構造体。
- 上記層状担持部材が、上記負極層の両面に配設されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電解質担持構造体。
- 上記絶縁性多孔質材層が、メッシュ及び不織布の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4又は6に記載の電解質担持構造体。
- 上記可溶材料が、セルロース系材料、デンプン系材料及びポリビニルアルコール系材料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の電解質担持構造体。
- 請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の電解質担持構造体を具備したことを特徴とする金属空気電池。
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JPS52161215U (ja) * | 1976-05-29 | 1977-12-07 | ||
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US11670752B2 (en) | 2016-11-01 | 2023-06-06 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Cathode for metal-air battery including spaces for accommodating metal oxides formed during discharge of metal-air battery and metal-air battery including the same |
WO2021210337A1 (ja) * | 2020-04-15 | 2021-10-21 | 藤倉コンポジット株式会社 | 液検知センサ |
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