JP2016006816A - トランスおよび多層基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】機器に必要な性能を確保しつつ、機器の小型化と低コスト化を図ることが可能なコイルパターン型のトランスを提供する。【解決手段】本発明に係るトランス(100)は、層間絶縁膜(10)を介して複数の導電層(L1〜L4)が積層された多層基板(1)と、前記複数の導電層のうち層間絶縁膜で覆われた第1の導電層(L2)に形成された第1のコイルパターン(13)と、前記複数の導電層のうち前記層間絶縁膜で覆われた第2の導電層(L3)に形成された第2のコイルパターン(14)とを有し、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとは、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置され、前記多層基板は、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとを貫くコアとしての磁性体を配置するための貫通孔を有しないことを特徴とする。【選択図】図2A
Description
本発明は、トランスおよび多層基板に関し、例えば、多層基板に形成されたコイルパターン型のトランスに関する。
フィールド機器や制御機器では、感電や機器故障等を防止するために、温度や流量、圧力等の監視を行う1次側のセンサ回路と、1次側のセンサ回路による検出結果に基づいて信号処理や制御処理を行う2次側のデータ処理回路(例えばCPU)との間に絶縁が必要となる場合がある。例えば温度調節器(温調計)では、AC240Vが印加されたヒータに熱電対を直に装着することから、CPU等から成る2次側のデータ処理回路と1次側のセンサ回路との間の絶縁耐圧として、例えばAC3000V以上の耐圧(IEC61010−1規格)が必要とされている。そのため、フィールド機器や制御機器では、1次側のセンサ回路に電源を供給する電源装置として絶縁型スイッチング電源装置が用いられることが多い。
絶縁型スイッチング電源装置は、一次側の回路と二次側の回路とをトランスによって絶縁した構成を有する。絶縁型スイッチング電源装置に用いられるトランスとしては、プリント基板に実装される外付け部品としてのトランスの他に、プリント基板の配線パターンを利用して形成されるトランスが知られている。
プリント基板の配線パターンを利用して形成されるトランスは、絶縁層を挟んで積層された複数の導電体層から成るプリント基板の異なる導電体層に形成された渦巻状の配線パターン(以下、「コイルパターン」と称する。)を磁気的に結合するように配置することによって実現される。以下、プリント基板の配線パターンを利用して形成されるトランスを「コイルパターン型のトランス」と称する。
従来のコイルパターン型のトランスとして、例えば下記特許文献1および2に、コア(磁性体)付きのトランスが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1および2に開示されたコア付きのコイルパターン型のトランスでは、コアを挿入するための大きな開口部(貫通孔)をプリント基板に形成しなければならないため、トランス以外の部品を実装するためのプリント基板の有効面積が小さくなる。また、コア付きのコイルパターン型のトランスは、コアの材料として一般に絶縁性の低いMnZn系の材料が使用されることから、コイルパターンの一次側と二次側との間に十分な絶縁距離(空間距離や沿面距離)を確保する必要がある。特に、上記フィールド機器や制御機器では、複数の箇所(チャネル)の温度等を計測するためにチャネル毎にセンサ回路および絶縁型スイッチング電源装置を設けることから、コイルパターンの1次側と2次側の絶縁距離だけではなく、チャネル間の絶縁距離も確保する必要がある。
すなわち、コア付きのコイルパターン型のトランスを用いた場合、プリント基板の有効面積および絶縁距離の確保のためにプリント基板のサイズを大きくしなければならならず、機器の小型化と低コスト化の面で不利となる。
すなわち、コア付きのコイルパターン型のトランスを用いた場合、プリント基板の有効面積および絶縁距離の確保のためにプリント基板のサイズを大きくしなければならならず、機器の小型化と低コスト化の面で不利となる。
また、特許文献1および2に開示されたトランスは、プリント基板の最上位層および最下位層を含む複数の導電層に形成したコイルパターンを内層に形成されたインナービアを用いて接続するIVH(Interstitial Via Hole)工法やビルドアップ工法によって形成されるため、貫通ビア(スルーホール)のみを用いる工法に比べてプリント基板の製造コストが増大するという問題がある。
一方、フィールド機器および制御機器等では、一次側のセンサ回路の消費電力が例えば数十mWと小さいことから、1次側のセンサ回路に電源を供給する絶縁型スイッチング電源装置として大きな電力容量は要求されていない。しかしながら、上記特許文献1および2に代表されるコア付きのトランスを絶縁型スイッチング電源装置に用いた場合、絶縁型スイッチング電源装置が供給できる電力容量が1次側のセンサ回路に必要な電力よりも大きくなり、オーバースペックとなることがあった。
以上のように、特許文献1および2に開示されているようなコア付きのコイルパターン型のトランスを絶縁型スイッチング電源装置に用いると、絶縁型スイッチング電源装置を適用するアプリケーションによっては、電力容量がオーバースペックとなる上に、機器の小型化やコスト面で不利となる場合があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、機器に必要な性能を確保しつつ、機器の小型化と低コスト化を図ることが可能なコイルパターン型のトランスを提供することを目的とする。
本発明に係るトランス(100〜400)は、層間絶縁膜(10)を介して複数の導電層(L1〜L4(L1〜L6))が積層された多層基板(1)と、前記複数の導電層のうち前記層間絶縁膜で覆われた第1の導電層(L2)に形成された第1のコイルパターン(13(13_1))と、前記複数の導電層のうち前記層間絶縁膜で覆われた第2の導電層(L3(L5))に形成された第2のコイルパターン(14(14_2))とを有し、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとは、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置され、前記多層基板は、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとを貫くコアとしての磁性体を配置するための貫通孔を有しないことを特徴とする。
上記トランスは、平面視において前記第1の導電層における前記第1のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第1のコイルパターンの一端に接続された第1のコンデンサパターン(21(31))と、平面視において前記第2の導電層における前記第2のコイルパターンで囲まれる領域に、前記第1のコンデンサパターンと少なくとも一部が重なりを有して形成され、前記第2のコイルパターンの一端に接続された第2のコンデンサパターン(22(34))とを更に有してもよい。
上記トランス(100、200)は、前記複数の導電層のうち積層方向の最上位の導電層(L1)に形成された第1の配線パターン(11)および第2の配線パターン(12)と、前記複数の導電層のうち積層方向の最下位の導電層に形成された第3の配線パターン(15)および第4の配線パターン(16)とを更に有し、前記第1のコイルパターンの一端と前記第1の配線パターンとは、第1の貫通ビア(V1)を介して接続され、前記第1のコイルパターンの他端と前記第2の配線パターンとは、第2の貫通ビア(V2)を介して接続され、前記第2のコイルパターンの一端と前記第3の配線パターンとは、第3の貫通ビア(V3)を介して接続され、前記第2のコイルパターンの他端と前記第4の配線パターンとは、第4の貫通ビア(V4)を介して接続されてもよい。
上記トランス(300)は、前記多層基板における前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の第3の導電層(L3)に形成された第3のコイルパターン(13_2)と、前記多層基板における前記第3の導電層と前記第2の導電層との間の第4の導電層(L4)に形成された第4のコイルパターン(14_2)と、平面視において前記第3の導電層における前記第3のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第3のコイルパターンの一端に接続された第3のコンデンサパターン(32)と、平面視において前記第4の導電層における前記第4のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第4のコイルパターンの一端に接続された第4のコンデンサパターン(33)とを更に有し、前記第1のコイルパターン(13_1)と、前記第2のコイルパターン(14_2)と、前記第3のコイルパターン(13_2)と、前記第4のコイルパターン(14_1)とは、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置され、前記第1のコンデンサパターン(31)と、前記第2のコンデンサパターン(34)と、前記第3のコンデンサパターン(32)と、前記第4のコンデンサパターン(33)とは、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置され、前記第1のコイルパターンと前記第3のコイルパターンとは、第1の貫通ビア(V5)を介して直列に接続され、前記第2のコイルパターンと前記第4のコイルパターンとは、第2の貫通ビア(V6)を介して直列に接続されてもよい。
上記トランス(400)において、前記多層基板における前記第1の導電層(L2)と前記第2の導電層(L5)との間の第3の導電層(L3)に形成された第3のコイルパターン(14_1)と、前記多層基板における前記第3の導電層と前記第2の導電層との間の第4の導電層(L4)に形成された第4のコイルパターン(13_2)と、平面視において前記第3の導電層における前記第3のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第3のコイルパターンの一端に接続された第3のコンデンサパターン(33)と、平面視において前記第4の導電層における前記第4のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第4のコイルパターンの一端に接続された第4のコンデンサパターン(32)とを更に有し、前記第1のコイルパターンと、前記第2のコイルパターンと、前記第3のコイルパターンと、前記第4のコイルパターンとは、平面視において重なりを有して配置され、前記第1のコンデンサパターンと、前記第2のコンデンサパターンと、前記第3のコンデンサパターンと、前記第4のコンデンサパターンとは、平面視において重なりを有して配置され、前記第1のコイルパターンと前記第4のコイルパターンとは、第1の貫通ビア(V5)を介して直列に接続され、前記第2のコイルパターンと前記第3のコイルパターンとは、第2の貫通ビア(V6)を介して直列に接続されてもよい。
本発明に係る多層基板(1〜4)は、積層方向における最上位の導電層および最下位の導電層(L1、L4、L6)を除く層間絶縁膜(10)に覆われた少なくとも2つの導電層(L2〜L5)に、平面視において互いに重なりを有して夫々配置された複数のコイルパターン(13、14、13_1、13_2、14_1、14_2)を有することを特徴とする。
上記多層基板は、前記コイルパターンが形成される導電層において、平面視でコイルパターンに囲まれる領域に形成されたコンデンサパターン(21、22、31〜34)を有してもよい。
上記多層基板は、前記最上位の導電層または前記最下位の導電層に形成された複数の配線パターン(11、12、15、16)と、前記配線パターンと対応する前記コイルパターンの端部とを接続する貫通ビア(V1〜V4)とを更に有してもよい。
なお、上記説明において括弧を付した参照符号は、図面において当該参照符号が付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
以上説明したことにより、本発明に係るトランスによれば、機器に必要な性能を確保しつつ、機器の小型化と低コスト化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
≪実施の形態1≫
図1A〜1D、図2A、および2Bに、本発明の一実施の形態に係るコイルパターン型のトランスが形成された多層基板の構造を示す。図1A〜1Dには、多層基板1の導電層L1〜L4の模式的な平面が夫々図示されている。また、図2Aには、図1A〜図1DにおけるA−XA断面における多層基板1の模式的な断面構造が図示され、図2Bには、図1A〜図1DにおけるB−XB断面における多層基板1の模式的な断面構造が図示されている。
≪実施の形態1≫
図1A〜1D、図2A、および2Bに、本発明の一実施の形態に係るコイルパターン型のトランスが形成された多層基板の構造を示す。図1A〜1Dには、多層基板1の導電層L1〜L4の模式的な平面が夫々図示されている。また、図2Aには、図1A〜図1DにおけるA−XA断面における多層基板1の模式的な断面構造が図示され、図2Bには、図1A〜図1DにおけるB−XB断面における多層基板1の模式的な断面構造が図示されている。
図1A〜1D、図2Aおよび2Bに示されるように、実施の形態1に係るトランス100は、層間絶縁膜10を介して複数の導電層L1〜L4が積層された多層基板1に形成された、コアを有しないコイルパターン型のトランスである。
なお、図1A〜1D、図2A、および図2Bには、説明の便宜上、多層基板1におけるトランス100に関係する構造のみが図示されている。
なお、図1A〜1D、図2A、および図2Bには、説明の便宜上、多層基板1におけるトランス100に関係する構造のみが図示されている。
多層基板1は、プリント基板であり、例えばインナービアを有しない多層基板(貫通多層板)である。なお、図1A〜1D、図2A、および図2Bには、4つの導電層L1〜L4が積層された多層基板1が図示されているが、導電層の層数は特に制限されない。なお、以下の説明では、多層基板1の平面に垂直な方向(積層方向)Xの正側を“上”とし、負側を“下”と表記する。
層間絶縁膜10は、例えばエポキシ樹脂やポリイミドなどの絶縁材料から構成されている。また、導電層L1〜L4に形成される配線パターンは、例えば銅(Cu)等を主成分とする金属材料から構成されている。
図1A〜1D、図2Aおよび2Bに示されるように、導電層L1(最上位層)には、配線パターン11、12が形成される。導電層L2には、コイルパターン13が形成される。コイルパターン13の一端は、ビアV1を介して配線パターン11に接続され、コイルパターン13の他端はビアV2を介して配線パターン12に接続される。
導電層L3には、コイルパターン14が形成される。導電層L4(最下位層)には、配線パターン15、16が形成される。配線パターン15は、ビアV3を介してコイルパターン14の一端に接続され、配線パターン16は、ビアV4を介してコイルパターン14の他端に接続される。
コイルパターン13、14は、例えば貫通多層板の製造工程において、他の配線パターンとともに内層の導電体層に形成される。具体的には、コイルパターン13、14は、所定の配線幅Wの配線パターンを、所定の配線間隔Sで渦巻状にパターニングすることによって形成される。コイルパターン13、14の配線幅Lと配線間隔Sは、要求されるトランスの特性に応じて決定される。
コイルパターン13、14は、多層基板1の最上位の導電層L1および最下位の導電層L4を除く内層の導電層に形成されている。例えば、コイルパターン13は、層間絶縁膜10に覆われた導電層L2に形成され、コイルパターン14は、層間絶縁膜10に覆われた導電層L3に形成される。
コイルパターン13とコイルパターン14とは磁気的に結合するように配置される。具体的には、図1A〜1D、図2Aおよび2Bに示されるように、コイルパターン13とコイルパターン14とは、平面視において重なりを有して配置される。これにより、コイルパターン13は、トランス100の一次側のコイルとして機能し、コイルパターン14はトランス100の二次側のコイルとして機能する。
ビアV1〜V4は、多層基板1の各層を貫通する貫通ビア(スルーホール)である。なお、上記貫通ビアは、目的とする異なる層間の配線パターンを電気的に接続することができれば、図2Aおよび2Bに示されるように貫通孔全体を金属材料によって充填してもよいし、貫通孔の側面にのみ金属材料を形成してもよい。
上述した実施の形態1に係るコイルパターン型のトランス100によれば、以下に示すようなメリットがある。
実施の形態1に係るトランス100は、コアを有しないトランスであることから、多層基板1にはコアを挿入するための開口部(貫通孔)が形成されない。これにより、従来のコア付きのトランスに比べて多層基板の有効面積を大きくすることができる。例えば、図3Aおよび3Bに示すように、多層基板1の表面(最上位の導電層L1)や裏面(最下位の導電層L4)におけるコイルパターン13、14で囲まれる領域AR_L1、AR_L4に、コンデンサやICチップ等のトランス以外の電子部品17_1〜17_8を実装することができるので、従来のコア付きのコイルパターン型のトランスに比べて、基板サイズの増大を抑えることが可能となる。
実施の形態1に係るトランス100は、コアを有しないトランスであることから、多層基板1にはコアを挿入するための開口部(貫通孔)が形成されない。これにより、従来のコア付きのトランスに比べて多層基板の有効面積を大きくすることができる。例えば、図3Aおよび3Bに示すように、多層基板1の表面(最上位の導電層L1)や裏面(最下位の導電層L4)におけるコイルパターン13、14で囲まれる領域AR_L1、AR_L4に、コンデンサやICチップ等のトランス以外の電子部品17_1〜17_8を実装することができるので、従来のコア付きのコイルパターン型のトランスに比べて、基板サイズの増大を抑えることが可能となる。
また、実施の形態1に係るトランス100は、コアを有しないのでコア付きのトランスに比べて磁気の結合度は小さくなるが、上述したフィールド機器や制御機器等に搭載される温度センサや圧力センサ等のセンサ回路に電源を供給する絶縁型スイッチング電源装置のトランスとして採用した場合には、十分な電力容量を確保することが可能である。例えば、トランスの外形(縦×横)を20mm×10mm、コイルパターンの配線幅Lを0.1mm、コイルパターンの配線間隔Sを0.1mm、コイルパターンの巻数(ターン数)を5、コイルパターン13とコイルパターン14との積層方向の間隔(導電層L2と導電層L3との間の層間絶縁膜10の厚さ)を0.4mmとしてトランス100を作製した場合、50mWの電力の給電が可能となる。
また、実施の形態1に係るトランス100によれば、コイルパターン13とコイルパターン14とが多層基板1の最上位の導電層および最下位の導電層以外の導電層(内層)に形成されるので、トランス100の一次側と2次側の絶縁距離を短くすることが可能となる。
例えば、電気計測器の安全性の国際規格IEC61010−1では、トランスの一次側および二次側のコイル(コイルパターン)がプリント基板の表層(例えば最上位の導電層L1または最下位の導電層L4)に形成されているか、プリント基板の内層(例えば導電層L2、L3)に形成されているかにより、トランスの一次側と2次側の強化絶縁(AC240V時)の沿面距離が異なる。具体的には、一次側および二次側のコイルがプリント基板の表層に形成されている場合には沿面距離として6mm以上が要求され、一次側および二次側のコイルがプリント基板の内層に形成されている場合には、沿面距離として0.4mm以上が要求される。例えば、図4に示されるように、二次側のコイルパターン14に接続されるビアV3と一次側のコイルパターン13との沿面距離は、コイルパターン13が表層(例えば導電層L1)に形成されている場合にはlb≧6mmとなり、コイルパターン13が内層(例えば導電層L2)に形成されている場合にはla≧0.4mmとなる。
例えば、電気計測器の安全性の国際規格IEC61010−1では、トランスの一次側および二次側のコイル(コイルパターン)がプリント基板の表層(例えば最上位の導電層L1または最下位の導電層L4)に形成されているか、プリント基板の内層(例えば導電層L2、L3)に形成されているかにより、トランスの一次側と2次側の強化絶縁(AC240V時)の沿面距離が異なる。具体的には、一次側および二次側のコイルがプリント基板の表層に形成されている場合には沿面距離として6mm以上が要求され、一次側および二次側のコイルがプリント基板の内層に形成されている場合には、沿面距離として0.4mm以上が要求される。例えば、図4に示されるように、二次側のコイルパターン14に接続されるビアV3と一次側のコイルパターン13との沿面距離は、コイルパターン13が表層(例えば導電層L1)に形成されている場合にはlb≧6mmとなり、コイルパターン13が内層(例えば導電層L2)に形成されている場合にはla≧0.4mmとなる。
したがって、実施の形態1に係るトランス100のように、コイルパターン13とコイルパターン14とを多層基板1の最上位層および最下位層以外の導電層(内層)に形成することで、上記特許文献1および2に開示されたトランスのように最上位層および最下位層にコイルパターンを形成する場合に比べて、トランス100の一次側および二次側のコイル(コイルパターン)の沿面距離を短くすることができる。これにより、多層基板1の基板サイズの増大を抑えつつ、高耐圧化を図ることが可能となる。
更に、実施の形態1に係るトランス100のように、ビアV1〜V4としてインナービアではなく貫通ビアを用いることで、多層基板1の製造コストを抑えることが可能となる。例えば、上述したビアV3とコイルパターン13との絶縁距離を確保する方法として、ビアV3とコイルパターン13とを物理的に離すことの他に、ビアV3を貫通ビアではなくインナービア(非貫通ビア)で実現する方法も有効であるが、インナービアを用いる場合、例えばビルドアップ工法やIVH工法等の複雑な工法が必要となるため、基板の製造コストが増大する。これに対し、実施の形態1に係るトランス100によれば、層間接続のためのビアとして貫通ビアのみを用いるので、より低コストにコイルパターン型のトランス100を作製することが可能となる。
以上、本発明に係るコイルパターン型のトランスによれば、多層基板の基板サイズや製造コストを抑えることができるので、機器の小型化と低コスト化を図ることが可能となる。例えば、本発明に係るコイルパターン型のトランスを、上述したフィールド機器や制御機器等のような大きな電力容量が要求されない絶縁型スイッチング電源装置のトランスとして採用することにより、機器に必要な性能を確保しつつ、機器の小型化と低コスト化を図ることが可能となる。
≪実施の形態2≫
実施の形態2に係るトランス200は、多層基板の内層においてコイルパターンで囲まれる領域にコンデンサパターンが形成される点において、実施の形態1に係るトランス100と相違し、その他の点はトランス100と同様である。実施の形態2に係る多層基板2において、実施の形態1に係る多層基板1と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態2に係るトランス200は、多層基板の内層においてコイルパターンで囲まれる領域にコンデンサパターンが形成される点において、実施の形態1に係るトランス100と相違し、その他の点はトランス100と同様である。実施の形態2に係る多層基板2において、実施の形態1に係る多層基板1と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5A〜5D、図6Aおよび6Bに、実施の形態2に係るトランス200の構造を示す。図5A〜5Dには、多層基板2の導電層L1〜L4の模式的な平面が夫々図示されている。また、図6Aには、図5A〜図5DにおけるA−XA断面における多層基板2の模式的な断面構造が図示され、図6Bには、図5A〜図5DにおけるB−XB断面における多層基板2の模式的な断面構造が図示されている。
図5A〜5D、図6Aおよび6Bに示されるように、平面視において導電層L2のコイルパターン13で囲まれる領域(コイルパターン13の内側の領域)にコンデンサパターン21が形成される。また、平面視において導電層L3のコイルパターン14で囲まれる領域(コイルパターン14の内側の領域)にコンデンサパターン22が形成される。
ここで、「コンデンサパターン」とは、コンデンサの電極を構成するように導電層に形成された電極パターン(配線パターン)である。コンデンサパターンの面積(配線パターンの配線幅と配線長)は、コンデンサの容量が所望の値になるように調整されている。
コンデンサパターン21とコンデンサパターン22とが平面視において重なりを有して配置されることにより、コンデンサパターン21とコンデンサパターン22とに挟まれる層間絶縁膜10を誘電体としたコンデンサを構成する。また、コンデンサパターン21は、ビアV2を介してコイルパターン13および配線パターン12に接続され、コンデンサパターン22は、ビアV3を介してコイルパターン14および配線パターン15に接続される。
ここで、「コンデンサパターン」とは、コンデンサの電極を構成するように導電層に形成された電極パターン(配線パターン)である。コンデンサパターンの面積(配線パターンの配線幅と配線長)は、コンデンサの容量が所望の値になるように調整されている。
コンデンサパターン21とコンデンサパターン22とが平面視において重なりを有して配置されることにより、コンデンサパターン21とコンデンサパターン22とに挟まれる層間絶縁膜10を誘電体としたコンデンサを構成する。また、コンデンサパターン21は、ビアV2を介してコイルパターン13および配線パターン12に接続され、コンデンサパターン22は、ビアV3を介してコイルパターン14および配線パターン15に接続される。
これにより、コンデンサパターン21とコンデンサパターン22とは、2つのコンデンサパターン21、22によって挟まれた層間絶縁膜10を誘電体とし、トランス200の一次側と二次側のコイル(コイルパターン)間に接続されるコンデンサを構成する。
上述した実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200によれば、以下に示すようなメリットがある。以下、詳細に説明する。
従来から絶縁型スイッチング電源装置では、トランスの一次側のコイルと二次側のコイルとの間に存在する浮遊容量を介して、コモンモードノイズが発生するという問題が知られている。実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200によれば、浮遊容量Csを介して1次側から2次側に伝播したスイッチングノイズに起因するコモンモードノイズの発生を抑制することができる。
図7に、実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200の等価回路を示す。
同図に示されるように、トランス200の一次側のコイルLx(コイルパターン13)と二次側のコイルLy(コイルパターン14)との間には、浮遊容量(寄生容量)Csが存在する。トランス200を絶縁型スイッチング電源装置の絶縁トランスとして採用し、トランス200の端子Tp1、Tp2を高電位側、トランス200の端子Tn1、Tn2を低電位(グラウンド)側に接続した場合を考える。この場合、浮遊容量Csを介して一次側のコイルの端子Tp1から二次側のコイルの端子Tp2に伝播したスイッチングノイズがコンデンサCswを介して一次側に戻る帰還ループが形成される。この帰還ループにより、スイッチングノイズに起因するコモンモードノイズの発生を抑えることが可能となる。
図7に、実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200の等価回路を示す。
同図に示されるように、トランス200の一次側のコイルLx(コイルパターン13)と二次側のコイルLy(コイルパターン14)との間には、浮遊容量(寄生容量)Csが存在する。トランス200を絶縁型スイッチング電源装置の絶縁トランスとして採用し、トランス200の端子Tp1、Tp2を高電位側、トランス200の端子Tn1、Tn2を低電位(グラウンド)側に接続した場合を考える。この場合、浮遊容量Csを介して一次側のコイルの端子Tp1から二次側のコイルの端子Tp2に伝播したスイッチングノイズがコンデンサCswを介して一次側に戻る帰還ループが形成される。この帰還ループにより、スイッチングノイズに起因するコモンモードノイズの発生を抑えることが可能となる。
コンデンサCswは、チップコンデンサによって実現することも可能であるが、前述したようにトランスの一次側と二次側との間に絶縁が要求されることから、高耐圧のチップコンデンサが必要となり、部品サイズと部品コストの増大を招く。これに対し、実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200によれば、多層基板2の内層に形成したコンデンサパターン21、22によってコンデンサCswを形成することにより、チップコンデンサを用いる場合に比べてコストを抑えることができる。
また、実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200によれば、コンデンサパターン21、22をコイルパターン13、14で囲まれる領域に形成することにより、渦電流による伝送効率の低減を抑制することが可能となる。以下、詳細に説明する。
図8に、コイルパターンによって発生する渦電流の分布の一例を示す。同図には、平面視においてコイルパターン50で囲まれる領域AR2とコイルパターン50の外側の領域AR3の夫々に、金属パターン(べたパターン)を形成した場合の渦電流の分布が例示されている。
同図に示されるように、コイルパターン50で囲まれる領域AR2および外側の領域AR3に金属パターンを形成した場合、コイルパターン50によって発生する磁界による渦電流は、コイルパターン50が形成される領域AR1(図8の斜線部分)に集中し、コイルパターン50で囲まれる領域AR2および外側の領域AR3には、ほとんど発生しない。すなわち、コイルパターンの周辺に金属パターンを形成することにより、渦電流が発生する範囲を小さくすることができる。
同図に示されるように、コイルパターン50で囲まれる領域AR2および外側の領域AR3に金属パターンを形成した場合、コイルパターン50によって発生する磁界による渦電流は、コイルパターン50が形成される領域AR1(図8の斜線部分)に集中し、コイルパターン50で囲まれる領域AR2および外側の領域AR3には、ほとんど発生しない。すなわち、コイルパターンの周辺に金属パターンを形成することにより、渦電流が発生する範囲を小さくすることができる。
そこで、実施の形態2に係るトランス200のように、コイルパターン13、14の内側にコンデンサパターン21、22を形成することにより、コイルパターン13、14の内側に発生する渦電流を抑えることができるので、渦電流による伝送効率の低減を図ることが可能となる。また、図7のように、コイルパターン13、14の内側に形成したコンデンサパターン21、22を低電位(グラウンド)側に接続した場合、コンデンサパターン21、22がコイルパターン13、14の静電シールドとして機能することから、ノイズ低減効果も期待できる。
更に、実施の形態2に係るコイルパターン型のトランス200によれば、コンデンサパターン21、22をコイルパターン13、14の外側ではなく内側に形成することにより、コイルパターン13、14のコイル径を大きくすることが容易となる。これにより、多層基板2の基板サイズを抑えつつ、インダクタンスの大きいトランスを作製することが容易となる。これによれば、例えば絶縁型スイッチング電源装置等において、インダクタンスの大きいトランスを用いることにより、低い周波数の信号によってトランスを駆動することができるようになるので、ノイズ対策が容易となる。また、例えば磁気共鳴方式の共振回路において、インダクタンスの大きいトランスを用いることにより、共振回路のキャパシタの容量を小さくすることができるので、コンデンサの選定に際し、高精度且つ温度特性の良いコンデンサを選択することが容易となり、共振回路の特性の向上に資する。
以上、実施の形態2に係るトランス200によれば、実施の形態1に係るトランス100と同様に、多層基板の基板サイズや製造コストを抑えることができるので、機器の小型化と低コスト化を図ることが可能となる。また、上記のようにコンデンサパターンをコイルパターンの内側に形成することにより、渦電流による伝送効率の低下の抑制と低ノイズ化を、より低コストで実現することが可能となる。
≪実施の形態3≫
実施の形態3に係るトランス300は、6つの導電層を有する多層基板にコイルパターンおよびコンデンサパターンが形成される点において、実施の形態2に係るトランス200と相違し、その他の点はトランス200と同様である。実施の形態3に係る多層基板3において、実施の形態2に係る多層基板2と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態3に係るトランス300は、6つの導電層を有する多層基板にコイルパターンおよびコンデンサパターンが形成される点において、実施の形態2に係るトランス200と相違し、その他の点はトランス200と同様である。実施の形態3に係る多層基板3において、実施の形態2に係る多層基板2と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9A〜9F、図10Aおよび10Bに、実施の形態3に係るトランス300の構造を示す。図9A〜9Fには、多層基板3の導電層L1〜L6の模式的な平面が夫々図示されている。また、図10Aには、図9A〜図9FにおけるA−XA断面における多層基板3の模式的な断面構造が図示され、図10Bには、図9A〜図9FにおけるB−XB断面における多層基板3の模式的な断面構造が図示されている。
図9A〜9F、図10Aおよび10Bに示されるように、導電層L1(最上位層)には、配線パターン11、12が形成される。導電層L2には、トランス300の1次側のコイルを構成するコイルパターン13_1と、コンデンサパターン31とが形成される。コンデンサパターン31は、コイルパターン13_1で囲まれる領域に形成される。コイルパターン13_1の一端は、ビアV1を介して配線パターン12に接続されるとともにコンデンサパターン31に接続される。
導電層L3には、トランス300の1次側のコイルを構成するコイルパターン13_2と、コンデンサパターン32が形成される。コンデンサパターン32は、コイルパターン13_2で囲まれる領域に形成される。コイルパターン13_2の一端は、ビアV5を介してコイルパターン13_1の他端に接続される。また、コイルパターン13_2の他端は、ビアV2を介して導電層L1の配線パターン11に接続される。
導電層L4には、トランス300の2次側のコイルを構成するコイルパターン14_1と、コンデンサパターン33とが形成される。コンデンサパターン33は、コイルパターン14_1で囲まれる領域に形成される。
導電層L5には、トランス300の2次側のコイルを構成するコイルパターン14_2と、コンデンサパターン34が形成される。コンデンサパターン34は、コイルパターン14_2で囲まれる領域に形成される。コイルパターン14_2の一端は、ビアV6を介してコイルパターン14_1の一端に接続される。
導電層L6(最下位層)には、配線パターン15、16が形成される。配線パターン15は、ビアV3を介してコイルパターン14_1の他端に接続される。また、配線パターン16は、ビアV4を介してコンデンサパターン33およびコンデンサパターン34に接続されるとともに、コイルパターン14_2の他端に接続される。
ビアV1〜V6は、実施の形態1に係る多層基板1と同様に、貫通ビア(スルーホール)である。
コイルパターン13_1、13_2とコイルパターン14_1、14_2とは、磁気的に結合するように配置される。具体的には、図9A〜9F、図10Aおよび10Bに示されるように、コイルパターン13_1、13_2とコイルパターン14_1、14_2とは、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置される。これにより、直列に接続されたコイルパターン13_1とコイルパターン13_2とは、トランス300の一次側のコイルとして機能し、直列に接続されたコイルパターン14_1とコイルパターン14_2とは、トランス300の二次側のコイルとして機能する。
また、コンデンサパターン31、32とコンデンサパターン33、34とは、図9A〜9F、図10Aおよび10Bに示されるように、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置される。これにより、コンデンサパターン31〜34によって、トランス300の一次側と二次側のコイル(コイルパターン)間に複数のコンデンサが形成される。例えば、コンデンサパターン32とコンデンサパターン33とにより構成されるコンデンサと、コンデンサパターン32とコンデンサパターン34とにより構成されるコンデンサと、コンデンサパターン31とコンデンサパターン33とにより構成されるコンデンサと、コンデンサパターン31とコンデンサパターン34とにより構成されるコンデンサとがトランス300の一次側と二次側のコイル間に形成される。なお、これらのコンデンサのうち、コンデンサパターン32とコンデンサパターン33とにより構成されるコンデンサが最も大きな容量値を有する。
以上、実施の形態3に係るトランス300によれば、コイルパターンを複数の導電層に形成して直列に接続することにより、トランスのインダクタンスを更に大きくすることが可能となる。
また、コンデンサパターンを複数の導電層に形成することにより、トランスの一次側と二次側に接続されるコンデンサを更に大きくすることができるので、更なる低ノイズ化と伝送効率の低下の抑制が期待できる。
≪実施の形態4≫
実施の形態4に係るトランス400は、1次側のコイルパターンおよびコンデンサパターンと2次側のコイルパターンおよびコンデンサパターンを積層方向に交互に形成する点において、実施の形態3に係るトランス300と相違し、その他の点はトランス300と同様である。実施の形態4に係るトランス400において、実施の形態3に係るトランス300と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態4に係るトランス400は、1次側のコイルパターンおよびコンデンサパターンと2次側のコイルパターンおよびコンデンサパターンを積層方向に交互に形成する点において、実施の形態3に係るトランス300と相違し、その他の点はトランス300と同様である。実施の形態4に係るトランス400において、実施の形態3に係るトランス300と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図11A〜11F、図12Aおよび12Bに、実施の形態4に係るトランス400の構造を示す。図11A〜11Fには、多層基板4の導電層L1〜L6の模式的な平面が夫々図示されている。また、図12Aには、図11A〜図11FにおけるA−XA断面における多層基板4の模式的な断面構造が図示され、図12Bには、図11A〜図11FにおけるB−XB断面における多層基板4の模式的な断面構造が図示されている。
図11A〜11F、図12Aおよび12Bに示されるように、導電層L1(最上位層)には、配線パターン11、12が形成される。導電層L2には、トランス400の1次側のコイルを構成するコイルパターン13_1と、コンデンサパターン31が形成される。コンデンサパターン31は、コイルパターン13_1で囲まれる領域に形成される。コイルパターン13_1の一端は、ビアV1を介して配線パターン12に接続されるとともにコンデンサパターン31に接続される。
導電層L3には、トランス300の2次側のコイルを構成するコイルパターン14_1と、コンデンサパターン33が形成される。コンデンサパターン33は、コイルパターン14_1で囲まれる領域に形成される。
導電層L4には、トランス400の1次側のコイルを構成するコイルパターン13_2と、コンデンサパターン32とが形成される。コンデンサパターン32は、コイルパターン13_2で囲まれる領域に形成される。コイルパターン13_2の一端は、ビアV5を介してコイルパターン13_1の他端に接続される。コイルパターン13_2の他端は、ビアV2を介して配線パターン11に接続される。また、コンデンサパターン32は、ビアV1を介してコンデンサパターン31に接続されるとともに、コイルパターン13_1の一端および配線パターン12に接続される。
導電層L5には、トランス400の2次側のコイルを構成するコイルパターン14_2と、コンデンサパターン34が形成される。コンデンサパターン34は、コイルパターン14_2で囲まれる領域に形成される。コイルパターン14_2の一端は、ビアV6を介してコイルパターン14_1の一端に接続される。
導電層L6(最下位層)には、配線パターン15、16が形成される。配線パターン15は、ビアV3を介してコイルパターン14_1の他端に接続される。また、配線パターン16は、ビアV4を介してコンデンサパターン34に接続されるとともに、コイルパターン14_2の他端およびコンデンサパターン33に接続される。
実施の形態3に係る多層基板3と同様に、直列に接続されたコイルパターン13_1とコイルパターン13_2とは、トランス400の一次側のコイルとして機能し、直列に接続されたコイルパターン14_1とコイルパターン14_2とは、トランス400の二次側のコイルとして機能する。
また、図11A〜11F、図12Aおよび12Bに示されるように、一次側のコイルパターン13_1、13_2と二次側のコイルパターン14_1、14_2とが交互に積層されることにより、トランス400の一次側のコイルと二次側のコイルとの結合度を更に向上させることができる。
また、図11A〜11F、図12Aおよび12Bに示されるように、コンデンサパターン31と、コンデンサパターン32と、コンデンサパターン33と、コンデンサパターン34とにより、トランス400の一次側と二次側のコイル(コイルパターン)間に複数のコンデンサが形成される。例えば、コンデンサパターン31とコンデンサパターン33とにより構成されるコンデンサと、コンデンサパターン33とコンデンサパターン32とにより構成されるコンデンサと、コンデンサパターン32とコンデンサパターン34とにより構成されるコンデンサと、コンデンサパターン31とコンデンサパターン34とにより構成されるコンデンサとがトランス300の一次側と二次側のコイル間に形成される。
上記のように、一次側のコイルパターン13_1、13_2に接続されるコンデンサパターン31、32と二次側のコイルパターン14_1、14_2に接続されるコンデンサパターン33、34とが交互に積層されることにより、一次側のコイルと二次側のコイルとの間に構成されるコンデンサの容量を更に大きくすることができる。
以上、実施の形態4に係るトランス400によれば、一次側のコイルパターンと二次側のコイルパターンとを交互に積層して形成することにより、トランスの一次側のコイルと二次側のコイルとの結合度を高めることが可能となる。
また、一次側のコイルパターンに接続されるコンデンサパターンと二次側のコイルパターンに接続されるコンデンサパターンとを交互に積層することにより、トランスの一次側と二次側に接続されるコンデンサの容量値を更に大きくすることができるので、更なる低ノイズ化と伝送効率の低下の抑制が期待できる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、実施の形態1乃至4に例示した4層および6層の多層基板と同様に、6層以上の多層基板に本発明に係るコイルパターン型のトランスを形成することも可能である。
また、上記の実施の形態において、本発明に係るコイルパターン型のトランスを絶縁型スイッチング電源装置の絶縁トランスに適用する場合を例示したが、これに限られず、その他のアプリケーションにも適用することも可能である。例えば、トランスを介して信号の送受信を行うデジタルアイソレータに適用することも可能である。この場合、スイッチングパルスの代わりに変調データによってトランスを駆動する。
また、上記の実施の形態において、配線パターン11、12が最上位の導電層L1に形成され、配線パターン15、16が最下位の導電層L4、L6に形成される場合を例示したが、これに限られず、配線パターン11、12と配線パターン15、16とが最上位の導電層L1または最下位の導電層L4、L6の何れか一方に形成されてもよい。
1〜4…多層基板、L1〜L6…導電層、10…層間絶縁膜、11、12、15、16…配線パターン、13、13_1、13_2、14、14_1、14_2…コイルパターン、21、22、31〜34…コンデンサパターン、Cs…浮遊容量、Csw…コンデンサ、V1〜V6…ビア、17_1〜17_8…電子部品、100〜400…トランス。
Claims (8)
- 層間絶縁膜を介して複数の導電層が積層された多層基板と、
前記複数の導電層のうち、前記層間絶縁膜で覆われた第1の導電層に形成された第1のコイルパターンと、
前記複数の導電層のうち、前記層間絶縁膜で覆われた第2の導電層に形成された第2のコイルパターンと、を有し、
前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとは、平面視において少なくとも一部が重なりを有して配置され、
前記多層基板は、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとを貫くコアとしての磁性体を配置するための貫通孔を有しない
ことを特徴とするトランス。 - 請求項1に記載のトランスにおいて、
平面視において前記第1の導電層における前記第1のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第1のコイルパターンの一端に接続された第1のコンデンサパターンと、
平面視において前記第2の導電層における前記第2のコイルパターンで囲まれる領域に、前記第1のコンデンサパターンと少なくとも一部が重なりを有して形成され、前記第2のコイルパターンの一端に接続された第2のコンデンサパターンとを更に有する
ことを特徴とするトランス。 - 請求項1または2に記載のトランスにおいて、
前記複数の導電層のうち積層方向の最上位の導電層に形成された第1の配線パターンおよび第2の配線パターンと、
前記複数の導電層のうち積層方向の最下位の導電層に形成された第3の配線パターンおよび第4の配線パターンと、を更に有し、
前記第1のコイルパターンの一端と前記第1の配線パターンとは、第1の貫通ビアを介して接続され、
前記第1のコイルパターンの他端と前記第2の配線パターンとは、第2の貫通ビアを介して接続され、
前記第2のコイルパターンの一端と前記第3の配線パターンとは、第3の貫通ビアを介して接続され、
前記第2のコイルパターンの他端と前記第4の配線パターンとは、第4の貫通ビアを介して接続される
ことを特徴とするトランス。 - 請求項2に記載のトランスにおいて、
前記多層基板における前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の第3の導電層に形成された第3のコイルパターンと、
前記多層基板における前記第3の導電層と前記第2の導電層との間の第4の導電層に形成された第4のコイルパターンと、
平面視において前記第3の導電層における前記第3のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第3のコイルパターンの一端に接続された第3のコンデンサパターンと、
平面視において前記第4の導電層における前記第4のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第4のコイルパターンの一端に接続された第4のコンデンサパターンとを更に有し、
前記第1のコイルパターンと、前記第2のコイルパターンと、前記第3のコイルパターンと、前記第4のコイルパターンとは、平面視において重なりを有して配置され、
前記第1のコンデンサパターンと、前記第2のコンデンサパターンと、前記第3のコンデンサパターンと、前記第4のコンデンサパターンとは、平面視において重なりを有して配置され、
前記第1のコイルパターンと前記第3のコイルパターンとは、第1の貫通ビアを介して直列に接続され、
前記第2のコイルパターンと前記第4のコイルパターンとは、第2の貫通ビアを介して直列に接続される
ことを特徴とするトランス。 - 請求項2に記載のトランスにおいて、
前記多層基板における前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の第3の導電層に形成された第3のコイルパターンと、
前記多層基板における前記第3の導電層と前記第2の導電層との間の第4の導電層に形成された第4のコイルパターンと、
平面視において前記第3の導電層における前記第3のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第3のコイルパターンの一端に接続された第3のコンデンサパターンと、
平面視において前記第4の導電層における前記第4のコイルパターンで囲まれる領域に形成され、前記第4のコイルパターンの一端に接続された第4のコンデンサパターンと、を更に有し、
前記第1のコイルパターンと、前記第2のコイルパターンと、前記第3のコイルパターンと、前記第4のコイルパターンとは、平面視において重なりを有して配置され、
前記第1のコンデンサパターンと、前記第2のコンデンサパターンと、前記第3のコンデンサパターンと、前記第4のコンデンサパターンとは、平面視において重なりを有して配置され、
前記第1のコイルパターンと前記第4のコイルパターンとは、第1の貫通ビアを介して直列に接続され、
前記第2のコイルパターンと前記第3のコイルパターンとは、第2の貫通ビアを介して直列に接続される
ことを特徴とするトランス。 - 積層方向における最上位の導電層および最下位の導電層を除く層間絶縁膜に覆われた少なくとも2つの導電層に、平面視において互いに重なりを有して夫々配置された複数のコイルパターンを有する
ことを特徴とする多層基板。 - 請求項5に記載の多層基板において、
前記コイルパターンが形成される導電層の、平面視でコイルパターンに囲まれる領域に形成されたコンデンサパターンを更に有する
ことを特徴とする多層基板。 - 請求項5または6に記載の多層基板において、
前記最上位の導電層または前記最下位の導電層に形成された複数の配線パターンと、
前記配線パターンと対応する前記コイルパターンの端部とを接続する貫通ビアと、を更に有する
ことを特徴とする多層基板。
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