JP2016005935A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】牽引力と振動吸収性能を両立できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部18のタイヤ赤道面CL側を軟ゴム20で形成し、トレッド部18のトレッド端側を軟ゴム20よりも弾性係数の高い硬ゴム22で形成し、硬ゴム22の弾性係数Aと軟ゴム20の弾性係数Bとの比率A/Bを、1.5<A/B<4に設定する。また、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLの位置をタイヤ赤道面CLからトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TWの2/3±10%の範囲とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに係り、特に、建設車両に好適な空気入りタイヤに関する。
例えば、ローダー等の建設車両に用いる空気入りタイヤでは、荷物の積み下ろし時には荷重がかかっている状態で走行する事から牽引力(トラクション性能)が必要となり、空車走行時には、乗り心地が悪化しないように振動吸収性能が必要となる。
牽引力を確保するためには、例えば、タイヤ幅方向に対するラグ溝の傾斜角度を小さく設定し、ブロック剛性を高くする。
また、振動乗り心地を向上するためには、ラグ溝の傾斜角度を大きく設定し、ブロック剛性を低くする。
このように、牽引力と振動吸収性能とは相反する設計となるため、従来では、牽引力を求めるユーザー用のタイヤと、振動乗り心地を求めるユーザー用のタイヤとの2種類のタイヤが用意され、両者をユーザーの目的により使い分けていた。
特開2010−179813号公報。
本発明は上記事実を考慮し、牽引力と振動吸収性能を両立できる空気入りタイヤの提供を目的とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、互いに交差する複数の周方向溝と複数のラグ溝とで区画された複数のブロックを備えたトレッド部と、前記トレッド部のタイヤ赤道面側の領域を構成する軟ゴムと、前記トレッド部のトレッド端側の領域を構成し、前記軟ゴムよりも弾性係数の高い硬ゴムと、を有し、前記軟ゴムと前記硬ゴムとの境界は、タイヤ赤道面からトレッド端へ向けてトレッド半幅の2/3±10%の範囲にあり、前記硬ゴムの弾性係数Aと前記軟ゴムの弾性係数Bとの比率をA/Bとしたときに、1.5<A/B<4に設定されている。
例えば、空気入りタイヤを装着した建設車両では、積荷を積んだ積車時と、積荷を積んでいない空車時とでは空気入りタイヤに掛かる荷重負担が大きく異なり、タイヤの接地形状、及び接地幅も異なる。例えば、積載時では、トレッド部の全幅が接地するが、空車時では主にトレッド部の中央部分のみが接地する。
請求項1の空気入りタイヤでは、積載時には、荷重負担が大きくなるためトレッド部の幅方向全体が接地し、トレッド端側の領域に配置された硬ゴムからなるブロックが路面に接地して走行するため、大きな牽引力を得ることができる。
一方、空車時には、トレッド部のタイヤ赤道面側の領域、即ち、タイヤ赤道面からトレッド端へ向けてトレッド半幅の2/3±10%の範囲の領域が接地し、トレッド部のトレッド端側の領域の硬ゴムが路面から離間して接地しない、または接地してもごく一部が接地するだけである。このため、空車時には、トレッド部のタイヤ赤道面側の領域に設けられた軟ゴムが主に路面に接地して走行するので、軟ゴムが振動を効果的に吸収し、走行時の振動を小さくすることができ、振動吸収性能を向上させることができる。
なお、軟ゴムと硬ゴムとの境界が、タイヤ赤道面からトレッド端へ向けてトレッド半幅の2/3±10%の範囲よりもタイヤ赤道面側にあると、軟ゴムで形成される領域が狭くなり過ぎ、空車時の振動吸収性能を高めることが困難となる。一方、軟ゴムと硬ゴムとの境界が、タイヤ赤道面からトレッド端へ向けてトレッド半幅の2/3±10%の範囲よりもトレッド端側にあると、硬ゴムで形成される領域が狭くなり過ぎ、積載時に大きな牽引力を確保することが出来なくなる。
なお、硬ゴムの弾性係数Aと軟ゴムの弾性係数Bとの比率A/Bが1.5以下になると、軟ゴムと硬ゴムの硬度差が小さくなるため、牽引力と振動吸収性能とを両立することが困難となる。一方、比率A/Bが4以上になると、軟ゴムと硬ゴムの硬度差が大きくなり過ぎるため、偏摩耗、ブロックもげ等の不具合が発生する。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、複数のブロックを備えたトレッド部と、前記トレッド部のタイヤ赤道面側の領域を構成する軟ゴムと、前記トレッド部のトレッド端側の領域を構成し、前記軟ゴムよりも弾性係数の高い硬ゴムと、を有し、装着される車両が積荷を積載した時には、前記トレッド部は、タイヤ幅方向一方のトレッド端から他方のトレッド端の間の全域が接地し、前記車両が積荷を積載していない時には、前記トレッド部は、前記軟ゴムが接地し、前記硬ゴムが接地しない。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、装着される車両が積荷を積載した時には、荷重負担が大きくなるため、トレッド部は、タイヤ幅方向一方のトレッド端から他方のトレッド端の間の全域が接地し、硬ゴムからなるブロックが路面に接地して走行するため、大きな牽引力を得ることができる。
一方、装着される車両が積荷を積載していない時には、トレッド部は、軟ゴムが接地し、硬ゴムが接地しないので、軟ゴムが振動を効果的に吸収し、走行時の振動を小さくすることができ、振動吸収性能を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、JATMA YEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧の100%の内圧を充填し、前記最大負荷能力を負荷したときに、前記トレッド部は、タイヤ幅方向一方のトレッド端から他方のトレッド端の間の全域が接地し、負荷する荷重が前記最大負荷能力の60%までは、前記トレッド部は、前記軟ゴムのみが接地する。
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、JATMA YEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときに、トレッド部は、タイヤ幅方向一方のトレッド端から他方のトレッド端の間の全域が接地する。これにより、積載時、硬ゴムで形成されたトレッド部のブロック全てを路面に接地させることができ、大きな牽引力を確保することができる。
一方、空気入りタイヤが、最大負荷能力の60%の荷重を負荷するまでは、トレッド部は、タイヤ赤道面側において、軟ゴムのみが接地する。即ち、積荷を積載していない低荷重下(例えば、空車時)において、トレッド部のタイヤ赤道面側の軟ゴムを路面に接地させて振動吸収性能を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記軟ゴムの弾性係数E’[2%]が7.7×10±10%Pa、前記硬ゴムの弾性係数E’[2%]が1.6×10±10%Paに設定されている。
軟ゴムの弾性係数E’[2%]を7.7×10±10%Pa、硬ゴムの弾性係数E’[2%]を1.6×10±10%Paに設定することで、牽引力と、振動吸収性能とを高めることできる。
弾性係数E’[2%]は、23±2°Cにおいて、2%の歪みを与えたときのものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ外径をOD、タイヤ赤道面における前記トレッド部のゴムゲージをDCとしたときに、DC/OD≧0.015を満たす。
DC/OD≧0.015を満たすことで、振動を吸収するトレッド部の軟ゴムの厚さが十分に確保され、振動吸収性能を向上することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ブロックは、複数の周方向溝、及び複数のラグ溝で区画されており、前記硬ゴムで形成されている部分の前記ラグ溝は、前記軟ゴムで形成されている部分のラグ溝よりもタイヤ幅方向に対する傾斜角度が小に設定されている。
積載時に、硬ゴムで形成されているトレッド部のトレッド端側の領域が接地するが、該領域のラグ溝の傾斜角度を小さくすることで、傾斜角度を大きくした場合に比較して大きな牽引力を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤの種類が建設車両用タイヤであることを示す表示が付与されている。
請求項7に記載の空気入りタイヤは建設車両用タイヤであり、建設車両に装着することで、建設車両の牽引力と振動吸収性能とを両立することができる。
以上説明したように請求項1に記載の空気入りタイヤによれば、牽引力と振動吸収性能とを両立することができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の空気入りタイヤによれば、牽引力と振動吸収性能とを両立することができる。
請求項3に記載の空気入りタイヤによれば、牽引力と振動吸収性能とを効果的に発揮することができる。
請求項4に記載の空気入りタイヤによれば、牽引力と、振動吸収性能と高めることができる。
請求項5に記載の空気入りタイヤによれば、振動吸収性能を向上することができる。
請求項6に記載の空気入りタイヤによれば、牽引力を大きくすることができる。
請求項7に記載の空気入りタイヤによれば、建設車両の牽引力と振動吸収性能を両立することができる。
本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ回転軸に沿った断面図(図2における1−1線断面図)である。 本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。 最大付加能力を負荷したときの空気入りタイヤを示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。 最大付加能力の60%の荷重を負荷したときの空気入りタイヤを示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。
[第1の実施形態]
図1〜図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、ローダー等に用いられる建設車両用の空気入りタイヤであり、一対のビードコア12に跨るスチールラジアルカーカス14と、スチールラジアルカーカス14のタイヤ径方向外側に配置されたスチールベルト層16と、スチールベルト層16のタイヤ径方向外側に配置され、トレッド部18を形成するトレッドゴム層24と、を有する。なお、空気入りタイヤ10のサイドウォール部には、建設車両用タイヤであることを示す表示(図示省略)が付与されている。
スチールベルト層16は、2枚の補強ベルト16A,Bと、この補強ベルト16A,Bのタイヤ径方向外側に配置された2枚の主交錯ベルト16C,Dとを備えている。これら補強ベルト16A,B、主交錯ベルト16C,Dは、それぞれ複数本のスチールコードをゴムコーティングしたプライであり、一般的な構造のものである。なお、スチールベルト層16は、4枚のベルトを含んで構成されているが、5枚以上のベルトを含んで構成される場合もある。
本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッドゴム層24は、トレッド幅方向中央部に配置される軟ゴム20と、軟ゴム20のタイヤ幅方向両側に配置され、軟ゴム20よりも弾性係数E’[2%]が高い硬ゴム22とで形成されている。本実施形態のトレッドゴム層24は、一方のトレッド端18Eから他方のトレッド端18Eまで一定厚さに形成されているが、厚さが変化していても良い。なお、軟ゴム20は、硬ゴム22よりも軟質、即ち、ゴムの硬さ(JIS規格のショアA硬さ)が小さい。
(トレッド端の定義)
本発明におけるトレッド端18Eとは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときの路面に接地するトレッド部18のタイヤ幅方向端のことである。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
軟ゴム20は、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向両側に配置され、タイヤ赤道面CLを挟んで対称形状とされている。即ち、軟ゴム20のタイヤ幅方向中心線がタイヤ赤道面CLと一致している。本実施形態では、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLがトレッド部18の踏面に対して垂直に設定されている。そして、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLは、タイヤ赤道面CLからトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TW(0.5TW)の2/3±10%の範囲にある。
なお、軟ゴム20は、少なくともタイヤ赤道面CLからトレッド部18の踏面のトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TWの1/4隔てた1/4点P1までの領域に配置されていることが好ましい。また、硬ゴム22は、少なくともタイヤ赤道面CLからトレッド端18Eに向けてトレッド半幅1/2TWの3/4隔てた3/4点P3からタイヤ幅方向外側の領域に配置されていることが好ましい。
(トレッド半幅1/2TWの定義)
本発明におけるトレッド半幅1/2TWとは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときの路面に接地するトレッド部18のタイヤ幅方向一方のトレッド端18Eから他方のトレッド端18Eまでのタイヤ幅方向に計測した長さをトレッド幅TWとしたときの、トレッド幅TWの半分の寸法である。
本実施形態のトレッドゴム層24は、タイヤ赤道面CLからトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TWの2/3隔てた2/3点P2までの領域が軟ゴム20で形成されおり、2/3点P2からタイヤ幅方向外側の領域が硬ゴム22で形成されている。
硬ゴム22の弾性係数(E’[2%])をA、軟ゴム20の弾性係数B、硬ゴム22の弾性係数Aと軟ゴム20の弾性係数Bとの比率をA/Bとしたときに、比率A/Bが1.5<A/B<4を満足する必要がある。さらに、軟ゴム20の弾性係数E’[2%]は7.7×10±10%Pa、硬ゴム22の弾性係数E’[2%]は1.6×10±10%Paに設定することが好ましい。また、タイヤ外径をOD、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゴム層24のゴムゲージをDC、タイヤ外径ODとトレッドゴム層24のゴムゲージDCとの比率をDC/ODとしたときに、DC/OD≧0.015を満足することが好ましい。
図1、及び図2に示すように、トレッド部18には、一方のトレッド端18Eから他方のトレッド端18Eに向けて延びるラグ溝26が、タイヤ周方向に間隔を開けて複数本形成されている。さらに、トレッド部18には、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側に、ラグ溝26に対して交差する方向に延び、ラグ溝26よりも溝深さの浅く設定された周方向溝28が形成されている。また、本実施形態の周方向溝28は、右上がりに傾斜している。
トレッド部18には、このラグ溝26と周方向溝28とでタイヤ赤道面CL上にセンターブロック30が区画され、センターブロック30のタイヤ幅方向両側にショルダーブロック32が区画されている。なお、センターブロック30は、全体が軟ゴム20で形成されており、ショルダーブロック32は、タイヤ赤道面CL側が軟ゴム20で形成され、反対側(タイヤ幅方向外側)が硬ゴム22で形成されている。
なお、本実施形態のラグ溝26は、一方の周方向溝28と他方の周方向溝28との間において、左上がりに若干傾斜しており、周方向溝28からトレッド端18Eにかけては、一方の周方向溝28と他方の周方向溝28との間よりもタイヤ幅方向に対して大きな角度で左上がりに傾斜している。また、センターブロック30には、ラグ溝26と交差する方向に延びる細溝34が形成されており、ショルダーブロック32には溝が形成されていない。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、JATMA YEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときに、トレッド部18は、図3に示すようにタイヤ幅方向一方のトレッド端18Eから他方のトレッド端18Eの間が接地し、最大負荷能力の60%の荷重を負荷したときには、トレッド部18は、図4に示すようにタイヤ赤道面CLを中心としてトレッド幅TW(図1参照)の60〜73%が接地するように、トレッド部18の踏面の曲率半径(タイヤ回転軸に沿った断面における)、スチールベルト層16の各々のベルトの幅及びタイヤ幅方の曲げ剛性、トレッドゴム層24の厚さ等が予め適正な値に設定されている。なお、ここでの接地は、平板状の平坦な路面における接地である。
(作用、効果)
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、例えば、ホイールローダーに用いられる。ホイールローダーでは、積載時には牽引力が重要であり、空車時には振動吸収性能(乗り心地)が重要である。ホイールローダーの積載時(例えば、最大負荷能力を負荷したとき)は、本実施形態の空気入りタイヤ10は、図3に示すように、トレッド部18の一方のトレッド端18Eから他方のトレッド端18Eまでを接地させ、トレッド部18に形成されたセンターブロック30、及びショルダーブロック32を路面36に接地させることができる。ショルダーブロック32は、軟ゴム20と硬ゴム22とで形成されているが、硬ゴム22で形成されたタイヤ幅方向外側部分は変形し難いため路面に対して引っ掛かりが大きく、隣接するラグ溝26のタイヤ幅方向に対する傾斜角度が小さく設定されているため、空気入りタイヤ10は大きな牽引力を得ることができる。また、ショルダーブロック32には溝が形成されていないため、溝が形成されている場合に比較してブロック剛性が高く、変形し難くなっている。
一方、ホイールローダーの空車時(例えば、最大負荷能力の60%の荷重を負荷するまでは)は、空気入りタイヤ10は、図4に示すように、トレッド部18の主として幅方向中央部分の(軟ゴム20で形成されたセンターブロック30、及びショルダーブロック32の軟ゴム20で形成された部分)が接地し、ショルダー側の硬ゴム22で形成された部分は接地しない(なお、硬ゴム22のごく一部が接地する場合もある)。このため、硬ゴム22がトレッド端18Eまで接地した積載時に比較して振動の吸収能力が高まり、高い振動吸収性能が得られる。なお、参考までに、図2に、2点鎖線で空車時の接地形状FPを記載する。また、軟ゴム20で形成されたセンターブロック30に細溝34が形成されてセンターブロック30のブロック剛性が低下されているため、細溝34が形成されていない場合に比較して振動の吸収能力が高まる。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、積載時に必要な牽引力と、空車時に必要な振動吸収性能とを1つのタイヤで得ることができ、牽引力と振動吸収性能とを両立することができる。
なお、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLが、タイヤ赤道面CLからトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TWの2/3±10%の位置よりもタイヤ赤道面CL側になると、空車時に接地する軟ゴム20の割合が小さくなり、硬ゴム22の接地する割合が増えるなるため、振動吸収性能が悪化する。
一方、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLが、タイヤ赤道面CLからトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TWの2/3±10%の位置よりもトレッド端18E側になると、積載時に接地する硬ゴム22の割合が小さくなり、牽引力の低下を招く。
硬ゴム22の弾性係数Aと軟ゴム20の弾性係数Bとの比率A/Bが1.5以下になると、軟ゴム20と硬ゴム22との硬度差が小さくなるため、牽引力と振動吸収性能とを両立することが困難となる。一方、比率A/Bが4以上になると、軟ゴム20と硬ゴム22との硬度差が大きくなり過ぎるため、偏摩耗、ブロックもげ等の不具合が発生する。
また、軟ゴム20の弾性係数E’[2%]が7.7×10±10%Paよりも小さくなると、トレッド部18の軟ゴム部分が摩耗し易くなる。
一方、軟ゴム20の弾性係数E’[2%]が7.7×10±10%Paよりも大きくなると、軟ゴム20が硬くなって振動を吸収し難くなり、振動吸収性能が不十分となる。
硬ゴム22の弾性係数E’[2%]が1.6×10±10%Paよりも小さくなると、ショルダーブロック32が変形し易くなり、大きな牽引力を得ることが出来なくなる。
一方、硬ゴム22の弾性係数E’[2%]が1.6×10±10%Paよりも大きくなると、ショルダーブロック32が硬くなり過ぎ、ショルダーブロック32が脆くなる。
また、タイヤ赤道面CLにおけるタイヤ外径ODとトレッドゴム層24のゴムゲージDCとの比率DC/ODが0.015未満になると、振動を吸収する能力の高い軟ゴム20が薄くなり過ぎ、振動吸収性能が不十分となる。
[第2の実施形態]
上記実施形態では、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLがショルダーブロック32の幅方向中間部にあったが、第2の実施形態に係る空気入りタイヤ10では、図5に示すように、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLが周方向溝28の内部にあり、ショルダーブロック32が全て硬ゴム22で形成されている。
第2の実施形態に係る空気入りタイヤ10では、ショルダーブロック32が全て硬ゴム22で形成されているため、ショルダーブロック32の踏面を均一に摩耗させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態では、軟ゴム20と硬ゴム22との境界線SLがトレッド部18の踏面に対して垂直に設定されていたが、本発明はこれに限らず、境界線SLは、踏面側よりもスチールベルト層側がタイヤ幅方向外側となるように傾斜しても良く、スチールベルト層側よりも踏面側がタイヤ幅方向外側となるように傾斜しても良い。
なお、境界線SLが傾斜している場合には、傾斜した境界線SLのタイヤ幅方向中心部の位置を、タイヤ赤道面CLからトレッド端18Eへ向けてトレッド半幅1/2TWの2/3±10%の位置とする。
上記実施形態では、ラグ溝26の傾斜角度がタイヤ赤道面CL側とショルダー側(トレッド端18E側)とで異なっており、タイヤ赤道面CL側の傾斜角度よりもショルダー側の傾斜角度が大きくなっていたが、本発明はこれに限らず、タイヤ赤道面CL側の傾斜角度とショルダー側の傾斜角度とは同一であっても良く、場合によっては、タイヤ赤道面CL側の傾斜角度が大きく、ショルダー側の傾斜角度が小さく設定されていても良い。
上記トレッド部18のブロックパターンは一例であり、トレッド部18は従来公知の種々のブロックパターンを用いることができる。
(試験例1)
トレッド部のショルダー側とタイヤ赤道面側との牽引力の寄与度を調べるため、試験タイヤを3種試作し、牽引力試験を行い、牽引力の比較を行った。
試験に用いた空気入りタイヤは、トレッドに用いたゴムが1種類で、パターンは、図2に示すパターンと略同一であり、ラグ溝の傾斜角度が各々異なっている。
ここで言う、各タイヤ毎の牽引力は、試験タイヤを実車両に装着させ重荷重のものを引張った際に発生する牽引力の違いを測定する試験法にて各タイヤの位置づけを確認した。
Figure 2016005935
試験の結果、牽引力の大小関係は以下のとおりであった。
牽引力:(大)試験タイヤC≒試験タイヤ(A)>試験タイヤB(小)
これにより、タイヤは、ショルダー側の牽引力寄与が大きいことが分かる。
(試験例2)
ゴムの剛性の牽引力への影響を調べるために、試験タイヤを2種試作し、牽引力試験を行い、牽引力の比較を行った。
試験タイヤA:E’[2%]=1.6×10Paの硬ゴムをトレッドゴム層に用いた。
試験タイヤD:試験タイヤAと同一パターンで、E’[2%]=7.7×10Paの軟ゴムをトレッドゴム層に用いた。
試験の結果、牽引力の大小関係は以下のとおりであった。
牽引力:(大)試験タイヤA>試験タイヤD(小)
(試験例3)
ゴムの剛性の振動への影響を調べるために、試験タイヤを2種試作し、振動試験を行い、振動の比較を行った。
試験は、試験例2と同様の試験タイヤAと、試験タイヤDを用いた。
試験タイヤを装着したローダー実車両のキャビン内に加速度計を取り付け、舗装路面走行時の振動を計測した。
振動試験の結果、振動の大小関係は以下のとおりであった。
振動:(大)試験タイヤA>試験タイヤD(小)
これにより、弾性係数が小さい軟ゴムをトレッドゴム層に用いた方が振動が小さいことが分かる。
(試験例4)
本願発明の効果を確かめるため、試験タイヤA〜Eを6種試作し、牽引力、及び振動吸収性能の比較を行った。
試験タイヤEは、トレッド部のショルダー側(トレッド端側)に、E’[2%]=1.6×107Paの硬ゴムを用い、トレッド部のタイヤ赤道面側にE’[2%]=7.7×106Paの軟ゴムを用いた前述した第1の実施形態の空気入りタイヤである。
Figure 2016005935
試験の結果、本願発明の適用された試験タイヤEは、牽引力と振動吸収性能とが両立されており、トレッドタイヤ赤道面側ゴムを軟ゴムとしているため、振動吸収性が良好となっている。
10・・・空気入りタイヤ、18・・・トレッド部、20・・・軟ゴム、22・・・硬ゴム、24・・・トレッドゴム層、26・・・ラグ溝、28・・・周方向溝、30・・・センターブロック(ブロック)、32・・・ショルダーブロック(ブロック)、34・・・細溝、36・・・路面、SL・・・境界線(境界)

Claims (7)

  1. 複数のブロックを備えたトレッド部と、
    前記トレッド部のタイヤ赤道面側の領域を構成する軟ゴムと、
    前記トレッド部のトレッド端側の領域を構成し、前記軟ゴムよりも弾性係数の高い硬ゴムと、を有し、
    前記軟ゴムと前記硬ゴムとの境界は、タイヤ赤道面からトレッド端へ向けてトレッド半幅の2/3±10%%の範囲にあり、
    前記硬ゴムの弾性係数Aと前記軟ゴムの弾性係数Bとの比率をA/Bとしたときに、1.5<A/B<4に設定されている、空気入りタイヤ。
  2. 複数のブロックを備えたトレッド部と、
    前記トレッド部のタイヤ赤道面側の領域を構成する軟ゴムと、
    前記トレッド部のトレッド端側の領域を構成し、前記軟ゴムよりも弾性係数の高い硬ゴムと、を有し、
    装着される車両が積荷を積載した時には、前記トレッド部は、タイヤ幅方向一方のトレッド端から他方のトレッド端の間の全域が接地し、
    前記車両が積荷を積載していない時には、前記トレッド部は、前記軟ゴムが接地し、前記硬ゴムが接地しない、
    空気入りタイヤ。
  3. JATMA YEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧の100%の内圧を充填し、前記最大負荷能力を負荷したときに、前記トレッド部は、タイヤ幅方向一方のトレッド端から他方のトレッド端の間の全域が接地し、
    負荷する荷重が前記最大負荷能力の60%までは、前記トレッド部は、前記軟ゴムのみが接地する、
    請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記軟ゴムの弾性係数E’[2%]が7.7×10±10%Pa
    前記硬ゴムの弾性係数E’[2%]が1.6×10±10%Pa
    に設定されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ外径をOD、タイヤ赤道面における前記トレッド部のゴムゲージをDCとしたときに、DC/OD≧0.015を満たす、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ブロックは、複数の周方向溝、及び複数のラグ溝で区画されており、
    前記硬ゴムで形成されている部分の前記ラグ溝は、前記軟ゴムで形成されている部分のラグ溝よりもタイヤ幅方向に対する傾斜角度が小に設定されている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤの種類が建設車両用タイヤであることを示す表示が付与されている、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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