JP2016003946A - 電場増強素子、分析装置、及び電子機器 - Google Patents

電場増強素子、分析装置、及び電子機器 Download PDF

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【課題】標的物質を吸着させるためのホットスポットの数が豊富で、標的物質を効率的に吸着させることができる電場増強素子、分析装置及び電子機器を提供する。【解決手段】本発明に係る電場増強素子は、金属層と、前記金属層の上方に形成され、光が照射されるグラニュラー層と、を含み、前記グラニュラー層は、誘電体に金属粒子が分散したグラニュラー構造体が、前記光の波長よりも小さい間隔で配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、電場増強素子、分析装置、及び電子機器に関する。
近年、医療診断や食物の検査等における需要がますます増大し、小型で高速なセンシング技術の開発が求められている。電気化学的な手法をはじめさまざまなタイプのセンサーが検討されているが、集積化が可能、低コスト、そして、測定環境を選ばないといった理由から、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を用いたセンサーに対する関心が高まっている。
例えば、全反射型プリズム表面に設けた金属薄膜に発生させたSPRを用いて、抗原抗体反応における抗原の吸着の有無など、標的物質の吸着の有無を検出するものが知られている。この手法は、SPRによる消光波長が、検出対象分子(標的物質)の吸着前後でシフトするのを検出することで、検出対象分子の存在をセンシングする。
また、低濃度の標的物質を検出する高感度分光技術の1つとして、SPRを利用した表面増強ラマン分光(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)が注目されている。SERSとはナノメートルスケールの凸凹構造を持つ金属表面でラマン散乱光が10〜1014倍に増強される現象である。
レーザーなどの単一波長の励起光を分子に照射すると、励起光の波長から分子の振動エネルギー分だけ僅かにずれた波長の光(ラマン散乱光)が散乱される。この散乱光を分光処理すると、分子種に固有のスペクトル(指紋スペクトル)が得られる。この指紋スペクトルの形状を分析することで、分子を同定することが可能となる。
吸着した標的物質の種類を同定することができる検出方法として、ラマン分光が知られており、低濃度の標的物質の検出には、SERSを利用した高い電場増強度を示すセンサーチップにより実現される。例えば、特許文献1には、そのような光センサーとして、金属ナノ構造を、誘電体からなるギャップ層を介してミラー層の上に配列させたものが開示されている。
特開2013−007614号公報
特許文献1に開示された光センサーへ光を照射すると、金属ナノ構造において、入射した光とギャップ層を介したミラー層で反射した光が位相干渉によって強めあい、この強めあった光によってプラズモン共鳴を励起することにより電場が増強されると考えられる。
また、ミラー層に金属の層を用い、金属ナノ構造として配列された金属粒子を採用し、該配列を入射波長以下の一定周期で配置した場合には、これに光を照射すると局在表面プラズモン(LSP:Localized Surface Plasmon)と伝搬表面プラズモン(PSP:Propagating Surface Plasmon)が励起され、両者の間に結合が生じ、金属ナノ構造の表面には非常に強い電場が発現すると考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示されたセンサーは、二次元平面上に配置された極小・極薄の金属ナノ構造の表面に、標的物質が吸着した場合にのみSERSを発現させている。したがって特許文献1に開示されたセンサーでは、金属ナノ構造の体積が小さいため、標的物質を吸着させるためのホットスポット(電場増強度の高い部位)の絶対数が少なく、分析の感度は必ずしも高くなかった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数が豊富で、標的物質を効率的に吸着させることができ、電場増強の効率が高く分析の感度が高い電場増強素子、分析装置及び電子機器を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
本発明に係る電場増強素子の一態様は、金属層と、前記金属層の上方に形成され、光が照射されるグラニュラー層と、を含み、前記グラニュラー層は、誘電体に金属粒子が分散したグラニュラー構造体が、前記光の波長よりも小さい間隔で配置されている。
このような電場増強素子は、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数が豊富であり、標的物質を効率的に吸着させることができる。これにより、例えばSERS信号の高い増強度を得ることができる。
本発明に係る電場増強素子において、前記グラニュラー構造体は、周期的に配置されていてもよい。
本発明に係る電場増強素子の一態様は、金属層と、前記金属層の上方に形成され、光が照射され、誘電体に金属粒子が分散したグラニュラー層と、を含み、前記グラニュラー層には、前記光の波長よりも小さい間隔で孔が配置されている。
このような電場増強素子は、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数が豊富であり、標的物質を効率的に吸着させることができる。これにより、例えばSERS信号の高い増強度を得ることができる。
本発明に係る電場増強素子において、前記孔は、周期的に配置されていてもよい。
本発明に係る電場増強素子において、前記金属粒子は、前記金属粒子と同体積の球を仮定した場合に当該球の直径が前記間隔よりも小さくなる寸法を有してもよい。
このような電場増強素子は、金属粒子の近傍でさらに高い電場増強度を得ることができる。
本発明に係る電場増強素子において、前記間隔の間に2個以上配置されてもよい。
このような電場増強素子は、金属粒子の個数が多く、さらにホットスポットの数が多く標的物質をより効率的に付着させることができる。
本発明に係る電場増強素子において、前記金属粒子の材質は、金、銀、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、パラジウム、タングステン、ロジウム及びルテニウムから選択される少なくとも1種の金属、若しくは、これらの複数種の合金、又は、これらの複数の金属
若しくは合金の複合体からなってもよい。
このような電場増強素子によれば、高い電場増強度を得ることができる。
本発明に係る電場増強素子において、前記金属粒子は、当該金属粒子と同体積の球を仮定した場合に当該球の直径が5nm以上150nm以下となる寸法を有してもよい。
このような電場増強素子は、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数がさらに豊富であり電場増強度も高い。
本発明に係る電場増強素子において、前記グラニュラー層の厚さは、30nm以上500nm以下であってもよい。
このような電場増強素子は、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数がさらに豊富である。
本発明に係る電場増強素子において、前記金属層と前記グラニュラー層との間に設けられた透光層を有してもよい。
このような電場増強素子は、励起光の位相整合が可能であり、さらに高い電場増強度を得ることができる。
本発明に係る電場増強素子において、前記誘電体の材質は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、五酸化タンタル及び窒化ケイ素から選択される少なくとも1種であってもよい。
このような電場増強素子によれば、高い電場増強度を得ることができる。
本発明に係る分析装置の一態様は、上述の電場増強素子と、前記電場増強素子に前記励起光を照射する光源と、前記電場増強素子から放射される光を検出する検出器と、を備える。
このような分析装置によれば、高い電場増強効果を有する電場増強素子を備えるため、プラズモンに基づく光の増強度が非常に大きく、標的物質を極めて高感度に分析することができる。
本発明に係る電子機器は、上述の分析装置と、前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、前記健康医療情報を記憶する記憶部と、前記健康医療情報を表示する表示部と、を備える。
このような電子機器によれば、プラズモンに基づく光の増強度の大きい電場増強素子を備えており、標的物質の検出を容易に行うことができ、高精度な健康医療情報を提供することができる。
実施形態の電場増強素子を模式的に示す斜視図。 実施形態の電場増強素子を金属層の厚さ方向から平面的に見た模式図。 実施形態の電場増強素子の第1方向に垂直な断面の模式図。 実施形態の電場増強素子の第2方向に垂直な断面の模式図。 実施形態の変形例に係る電場増強素子を模式的に示す斜視図。 実施形態の変形例に係る電場増強素子を模式的に示す斜視図。 MIM構造の呼称及び構造を説明するための模式図。 入射光(励起光)、金属表面に励起される表面プラズモン及び金属ナノ構造の回折によって生じる回折光の分散関係を示すグラフ。 実施形態に係る電場増強素子の要部の断面の拡大図。 LSPRが発生する様子を本実施形態と従来例とを比較して示す模式図。 実施形態に係る電場増強素子の製造方法の一例を説明する模式図。 実施形態に係る電場増強素子の製造方法の一例を説明する模式図。 グラニュラー層の堆積方法の一例である多元成膜法の概念図。 グラニュラー層の堆積方法の一例である複合ターゲット法の概念図。 実施形態に係る分析装置を模式的に示す図。 実施形態に係る電子機器を模式的に示す図。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.電場増強素子
図1は、本発明に係る電場増強素子の一例である本実施形態の電場増強素子100を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態の電場増強素子100の要部を平面的に見た(金属層10の厚さ方向から見た)模式図である。図3及び図4は、本実施形態の電場増強素子100の要部の断面の模式図である。本実施形態の電場増強素子100は、金属層10と、グラニュラー層20と、を含む。
1.1.金属層
本実施形態の電場増強素子100は、金属層10を有する。金属層10は、金属の表面を提供するものであれば、特に限定されず、例えばフィルム、板、層又は膜の形状とすることができる。金属層10は、例えば基板1の上に設けられてもよい。この場合の基板1としては、特に限定されないが、金属層10に励起される伝搬型表面プラズモンに影響を与えにくいものが好ましい。基板1としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板などが挙げられる。基板1の金属層10が設けられる面の形状も特に限定されない。金属層10の表面に所定の構造を形成する場合にはその構造に対応する表面を有してもよいし、金属層10の表面を平面とする場合には対応する部分の表面を平面としてもよい。図1〜図4の例では、基板1の表面(平面)の上に層状の金属層10が設けられている。
本明細書では、金属層10の厚さ方向を、厚み方向、高さ方向等と称する場合がある。本実施形態では、金属層10の厚さ方向とは、後述の透光層30及びグラニュラー層20の厚さ方向と一致している。また、金属層10が基板1の表面に設けられる場合には、基板1の表面の法線方向を厚さ方向、厚み方向又は高さ方向と称する場合がある。さらに、本明細書では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いる。
また、「上」、「下」等の文言は、電場増強素子の設置状態に依存した上下関係を意図した文言ではなく、電場増強素子の設置状態にかかわらず、基板が下に存在する状態で見た(基板が下に来るように視野を採った)場合における上下関係を意図した文言である。したがって、例えば、仮に、重力の作用する方向が下となるように見た場合、基板が上方
、金属層が下方となるように電場増強素子が設置されているとしても、基板の上方に金属層があるということの意味は、基板が下方に位置するように視野を選び(すなわちこの場合には重力の作用する方向が上となるように見て)、文言どおり基板の上方に金属層が位置すると解することとする。
金属層10は、例えば、蒸着、スパッタ、鋳造、機械加工等の手法により形成することができる。金属層10が薄膜状に基板1の上に設けられる場合には、基板1の上面全体に設けられてもよいし基板1の一部に設けられてもよい。金属層10の厚さは、金属層10に伝搬型表面プラズモンが励起され得るかぎり特に限定されず、例えば、10nm以上1mm以下、好ましくは20nm以上100μm以下、より好ましくは30nm以上1μm以下とすることができる。
金属層10は、光(例えば励起光i)により与えられる電場と、その電場によって誘起される分極とが逆位相で振動するような電場が存在しうる金属、すなわち、特定の電場が与えられた場合に、誘電関数の実数部が負の値を有し(負の誘電率を有し)、虚数部の誘電率が実数部の誘電率の絶対値よりも小さい誘電率を有することのできる金属によって構成される。可視光領域におけるこのような誘電率を有しうる金属の例としては、金、銀、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、パラジウム、タングステン、ロジウム及びルテニウムから選択される少なくとも1種の金属、若しくは、これらの複数種の合金等を挙げることができる。また、金属層10は、これらの金属若しくは合金の複数の層の積層体であってもよい。
金属層10は、本実施形態の電場増強素子100において伝搬型表面プラズモン(PSP)を発生させる機能を有している。特定の条件下では、金属層10に光が入射することにより、金属層10の表面(厚さ方向の端面)近傍に伝搬型表面プラズモンが発生する。本明細書では、金属層10の表面付近の電荷の振動と電磁波とが結合した振動の量子を、表面プラズモン・ポラリトン(SPP:Surface Plasmon Plariton)と称することがある。係る金属層10に発生した伝搬型表面プラズモンを、後述のグラニュラー層20に発生する局在型表面プラズモンと相互作用させてもよい。
1.2.グラニュラー層
グラニュラー層20は、金属層10の上方に形成される。金属層10に発生した伝搬型表面プラズモンとの相互作用を生じさせる場合には、グラニュラー層20は、平面視において、金属層10が形成された領域内に形成されることが好ましい。グラニュラー層20は、誘電体22と金属粒子24とを含むグラニュラー構造体26を含む。
図1〜図4に示す例では、グラニュラー層20は、グラニュラー構造体26を含む層となっており、グラニュラー構造体26以外の部分に、気体(空間)が配置されている(図3及び図4参照)。図3及び図4に示すように、グラニュラー層20は、金属層10の上面から、グラニュラー構造体26の金属層10から離れた側の先端に接する金属層10と平行な面、との間の領域を指す。グラニュラー層20にグラニュラー構造体26と気体とが含まれている場合には、グラニュラー層20の上面は仮想的な面となり、グラニュラー層20にはグラニュラー構造体26の側方に配置された気体(空間)も含まれる。
1.2.1.グラニュラー構造体
グラニュラー構造体26に含まれる誘電体22は、グラニュラー構造体26中において、金属粒子24を互いに離間して分散した状態で配置させる機能を有する。ただし、グラニュラー構造体26に含まれる金属粒子24の必ずしもすべてを互いに離間して配置させる必要はなく、複数の金属粒子24の幾つかが離間して配置されていれば、その他の金属粒子24がグラニュラー構造体26中で接触していてもよい。グラニュラー構造体26内
で複数の互いに接触した金属粒子24が存在する場合、当該接触した複数の金属粒子24は、1つの金属粒子24とみなすことができ、当該金属粒子24に局在型表面プラズモン(LSP)が生じ得る。
また、誘電体22は、金属粒子24を金属層10から離間して配置させる機能を有する。ただし、金属粒子24の必ずしもすべてが金属層10から離間していなくてもよく、金属粒子24の一部は金属層10に接していてもよい。金属粒子24を金属層10から離間(絶縁)させることにより、当該金属粒子24に局在型表面プラズモン(LSP)を生じさせることができる。
誘電体22は、複数の金属粒子24を構造的に保持する機能を有する。1つのグラニュラー構造体26において、誘電体22が保持する金属粒子24の数は2個以上であれば特に限定されない。また、金属粒子24は、誘電体22によって、グラニュラー構造体26の内部に包含されるように配置されてもよいし、グラニュラー構造体26の表面に露出するように配置されてもよいし、グラニュラー構造体26の表面から一部が突出するように配置されてもよい(図9参照)。
誘電体22の材質としては、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、五酸化タンタル(Ta)及び窒化ケイ素(SiN)から選択される1種又は複数種の混合物とすることができる。誘電体22は、内部に包含される金属粒子24に対して光(励起光i)が到達しやすい点で、光を透過する材質であることがより好ましい。
グラニュラー構造体26に含まれる金属粒子24は、誘電体22の存在により、金属層10から厚さ方向に離間して設けられる。金属粒子24は、金属層10の上に誘電体22を介して配置される。グラニュラー構造体26に含まれる必ずしもすべての金属粒子24が金属層10と離間して配置されなくてもよい。
金属粒子24の形状は、特に限定されず、球状、回転楕円体形状、不定形、又はそれらを組み合わせた形状であることができる。また、グラニュラー構造体26に含まれる複数の金属粒子24は、互いに異なる形状であってもよい。
金属粒子24の大きさ(寸法)は、金属粒子24と同体積の球を仮定したときに、当該球の直径が、グラニュラー構造体26の配置される間隔(後述)よりも小さいことが好ましい。具体的には、金属粒子24と同体積の球の直径は、5nm以上150nm以下であることが好ましい。さらに、金属粒子24の寸法は、金属粒子24の最大の差し渡し(span)が、励起光iの波長の1/2(半波長)よりも小さいことが好ましい。
グラニュラー構造体26に含まれる複数の金属粒子24のそれぞれの寸法は、互いに異なっていてもよい。複数の金属粒子24のそれぞれの寸法が互いに異なる場合でも、金属粒子24の平均的な寸法を定義することができる。したがって、金属粒子24の平均的な大きさ(平均的な寸法)は、各金属粒子24と同体積の球を仮定し、当該球の直径の平均値(数平均又は体積平均)が、グラニュラー構造体26の配置される間隔(後述)よりも小さいことが好ましい。また、具体的に、金属粒子24と同体積の球の平均的な直径は、5nm以上150nm以下であることが好ましい。さらに、金属粒子24の平均的な寸法は、金属粒子24の最大の差し渡し(span)の平均値が、励起光iの波長の1/2(半波長)よりも小さいことが好ましい。
金属粒子24の差し渡しが励起光iの半波長程度以下の寸法である場合には、金属粒子24に励起光iが入射した際に、金属粒子24において電場の分極が生じ、LSPRが生
じやすい。また、金属粒子24の差し渡しが励起光iの波長程度の寸法である場合には、金属粒子24に励起光iが入射した際に、金属粒子24における電場の分極は四重極の状態となり、半波長程度以下の寸法である場合に比べて強度は小さいもののLSPRを生じることができる。しかし、金属粒子24の差し渡しが励起光iの波長程度以上の寸法である場合には、金属粒子24内における電場の分極が互いに相殺されるような状態となり、LSPRが生じにくくなる。
金属粒子24は、グラニュラー構造体26の配置される間隔(後述)の間に2個以上配置される。金属粒子24がこのように配置されることにより、従来のGSP構造と比較して少なくとも2倍のホットスポットの数を実現することができる。
金属粒子24の材質は、金、銀、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、パラジウム、タングステン、ロジウム及びルテニウムから選択される少なくとも1種の金属、若しくは、これらの複数種の合金、又は、これらの複数の金属若しくは合金の複合体とすることができる。このような材質であると、可視光付近の光によって局在型プラズモンを生じ易い。これらの中でも、グラニュラー構造体26の材質として、金又は銀であることがより好ましい。このようにすれば、より強いLSP共鳴が得られ、素子全体の増強度を高めることができる。
グラニュラー構造体26の形状、材質は、光の照射によって、グラニュラー構造体26に含まれる金属粒子24の表面近傍に局在型プラズモンを生じうる限り任意である。グラニュラー構造体26は、図1〜図4に示すように、粒子状の形状であってもよい。なお、グラニュラー層20は、連続した層の形状(網目状)であって、複数の貫通する孔28が形成された形状であってもよい(図5参照)。
グラニュラー構造体26は、例えば、多元成膜法、複合ターゲットを用いたスパッタ、蒸着等によって薄膜を形成した後にパターニングを行う方法、マイクロコンタクトプリント法、ナノインプリント法などによって形成することができる。また、グラニュラー構造体26は、リフトオフ法によって形成することもできる。グラニュラー構造体26の形成方法に関しての詳細は後述する。
グラニュラー構造体26は、本実施形態の電場増強素子100において局在型プラズモン(LSP)を発生させる機能を有している。グラニュラー構造体26に、励起光i(入射光)を照射することにより、グラニュラー構造体26の周辺(金属粒子24の周辺)に局在型プラズモンを発生させることができる。グラニュラー構造体26に発生した局在型プラズモンは、上述した金属層10に発生する伝搬型プラズモンと、一定の条件下で相互作用させてもよい。
1.2.2.グラニュラー層の構造
グラニュラー層20のグラニュラー構造体26は、周期的に配置されてもよい。ここで、周期的な配置とは、平面的に見て、グラニュラー構造体26が、繰り返し構造を有する構造のことをいう。周期的な配置は、例えば、グラニュラー層20を電場増強素子100の上方から観察した画像において、グラニュラー構造体26とそれ以外の部分(空間)とを区別すれば評価することができる。
図1〜図4の例では、グラニュラー層20は、円柱状(粒子状)のグラニュラー構造体26が平面視において格子状に、周期的に配列され、係る配列によって周期構造が形成されている。グラニュラー層20の周期的な配列は、このような配列に限定されないが、以下、図1〜図4に示す電場増強素子100について説明する。
図1〜図4の例では、グラニュラー構造体26の形状は、金属層10の厚さ方向に投影した場合に(厚さ方向からの平面視において)円形、楕円形、多角形、不定形又はそれらを組合わせた形であることができる。グラニュラー構造体26の形状は、厚さ方向に直交する方向に投影した場合にも円形、楕円形、多角形、不定形又はそれらを組合わせた形状であることができる。図1〜図4の例ではグラニュラー構造体26は、いずれも金属層10の厚さ方向に中心軸を有する円柱状の形状で描かれているが、図1〜図4の例でもグラニュラー構造体26の形状はこれに限定されない。
グラニュラー構造体26の高さ方向の大きさTは、高さ方向に垂直な平面によってグラニュラー構造体26を切ることができる区間の長さを指し、30nm以上500nm以下である。また、グラニュラー構造体26が図1〜図4に示すような粒子状である場合、グラニュラー構造体26の高さ方向に直交する第1方向の大きさは、第1方向に垂直な平面によってグラニュラー構造体26を切ることができる区間の長さを指し、5nm以上300nm以下が好ましい。
図1〜図4に示す例では、グラニュラー構造体26が、金属層10の厚さ方向に直交する第1方向、及び金属層の厚さ方向及び第1方向と交差する第2方向に、格子状に並んで配置されている。グラニュラー構造体26の数は、周期的な配列を形成できるかぎり任意である。図1〜図4の例において金属層10の第1方向におけるグラニュラー構造体26の重心間の距離をピッチP1と定義する(図1〜図4参照)。また、第2方向におけるグラニュラー構造体26の重心間の距離をピッチP2と定義する。図1〜図4の例では、ピッチP2は、ピッチP1よりも大きい。すなわち、ピッチP1及びピッチP2の間には、P1<P2の関係がある。また、第1方向において隣り合う2つのグラニュラー構造体26の間の間隔を間隔D1と定義する。すなわちこの例では、間隔D1は、ピッチP1から、グラニュラー構造体26の円柱の直径を差し引いた値に等しい。また、第2方向において隣り合う2つのグラニュラー構造体26の間の間隔を間隔D2と定義する。すなわちこの例では、間隔D2は、ピッチP2から、グラニュラー構造体26の円柱の直径を差し引いた値に等しい。
なお、厚さ方向から見たグラニュラー構造体26の配列を、グラニュラー構造体26の位置を格子点とした二次元格子とみなした場合に、既約基本単位格子は、長方形の形状であっても、平行四辺形の形状であってもよい。
このように電場増強素子100では、グラニュラー層20に、周期P2の周期的な構造が形成されている。すなわち、グラニュラー構造体26が間隔D2を有して配置されている。そして、係る間隔D2は、励起光iの波長よりも小さく、これにより、励起光iの照射により、強い電場増強効果を奏することができる。
1.3.変形例
1.3.1.グラニュラー層の変形
図5は、本発明に係る電場増強素子の一例である変形例の電場増強素子101を模式的に示す斜視図である。変形例の電場増強素子101は、金属層10と、グラニュラー層20と、を含む。
金属層10は、上述の電場増強素子100が有する金属層10と同様であるので、詳細な説明を省略する。
変形例に係る電場増強素子101が有するグラニュラー層20は、連続した層の形状(網目状)であって、複数の貫通する孔28が形成されている。したがって、グラニュラー構造体26としては、グラニュラー層20の孔28以外の部分ということができる。係る
グラニュラー構造体26は、誘電体22に金属粒子24が分散している点では、上述の電場増強素子100が有するグラニュラー構造体26と同様である。そのため、変形例に係る電場増強素子101のグラニュラー構造体26に含まれる誘電体22及び金属粒子24は、「1.2.1.グラニュラー構造体」の項で述べたと同様であり、説明を省略する。
上述した電場増強素子100のグラニュラー層20では、グラニュラー構造体26が円柱状に形成され、係るグラニュラー構造体26が、光の波長よりも小さい間隔で配置されていた(以下、このような構造を「ピラーアレイ」と称することがある。)。これに対して、変形例に係る電場増強素子101のグラニュラー層20は、孔28が、光の波長よりも小さい間隔で配置されている(以下、このような構造を「ホールアレイ」と称することがある。)。
変形例に係る電場増強素子101のグラニュラー層20は、孔28が、光の波長よりも小さい間隔で配置されるが、「1.2.1.グラニュラー層の構造」の項において、「グラニュラー構造体26」なる文言を、「孔28」と適宜に読み替えることにより、詳細な説明を省略する。
なお、孔28の配置について、厚さ方向から見た孔28の配列を、孔28の位置を格子点とした二次元格子とみなした場合に、既約基本単位格子は、長方形の形状であっても、平行四辺形の形状であってもよい。変形例の電場増強素子101では、グラニュラー層20に、孔28が、例えば、周期的に配列されてもよい。例えば、グラニュラー層20に孔28が繰り返し周期で配置されてもよい。これにより励起光iの照射により、強い電場増強効果を奏することができる。
1.3.2.透光層
図6は、変形例に係る電場増強素子102を模式的に示す斜視図である。電場増強素子102は、金属層10とグラニュラー層20とを隔てる透光層30を有する。透光層30は、図6に示すように、金属層10の上に設けられる。これにより、金属層10とグラニュラー層20内に含まれる金属粒子24とを隔てることができる。透光層30は、フィルム、層又は膜の形状を有することができる。
透光層30は、正の誘電率を有すればよく、例えば、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、五酸化タンタル(Ta)及び窒化ケイ素(SiN)、高分子、ITO(Indium Tin Oxide)などで形成することができる。また透光層30は、材質の互いに異なる複数の層から構成されてもよい。これらのうち、透光層30の材質としては、SiOであることがより好ましい。このようにすれば、400nm以上の波長λの励起光を用いて、試料を測定する際に、励起光i及びラマン散乱光の両者をより容易に増強することができる。なお、透光層30の材質は、グラニュラー層20に含まれるグラニュラー構造体26の誘電体22と同じでも異なってもよい。
透光層30は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD、各種コーティング等の手法により形成することができる。透光層30は、金属層10の表面の全面に設けられてもよいし金属層10の表面の一部に設けられてもよい。透光層30は、少なくともグラニュラー層20の下に設けられ、さらに、グラニュラー層20の存在しない位置にも設けられることができる。
透光層30の厚さは、特に限定されず、例えば、10nm以上2000nm以下、好ましくは20nm以上500nm以下、より好ましくは20nm以上300nm以下とすることができる。
透光層30のうち、金属層10とグラニュラー層20とに挟まれた領域は、グラニュラー層20を1つの層と捉えれば、MIM(Metal−Insurator−Metal)構造のInsulator(絶縁層)とみなすことができる(図7参照)。そしてこの場合、透光層30は、上下の金属によって境界が規定された導波路と考えることができる。したがって、透光層30内(平面方向:透光層30と平行な方向)に光を伝搬させることができる。また、透光層30は、透光層30と金属層10との界面近傍に発生する伝搬型表面プラズモン(PSP)を、透光層30の展開する平面内(平面方向)に伝搬させることができる。
また、グラニュラー層20を1つの層とみなす場合、金属層10及びグラニュラー層20によって、両端で光が反射される構造の共振器とみなすことができ、透光層30は、その共振器の光路に相当する。このような共振器では、励起光iと反射光との重ね合わせを起すことができる。透光層30の厚さは、励起光iと反射光との重ね合わせにより生じる定在波の腹が、グラニュラー層20の厚さ方向の中央付近(図7の一点鎖線を参照)となるように設定されることにより、グラニュラー層20に生じるLSPRの強度をさらに高めることができる。透光層30を設ける場合、透光層30の厚さは、例えば、励起光iの波長が633nmのとき230nmとすることが挙げられるがこれに限定されない。
1.4.増強電場の形成機構
従来のGSP構造(ミラー層(金属層)の上にギャップ層(誘電体層)が設けられ、誘電体層の上に金属ナノ構造(金属微粒子)が配置されている構造)では、(1)局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)、(2)干渉作用、(3)伝搬型プラズモン共鳴(PSPR)3つが重畳された効果により、高い電場増強度及びSERS現象が現れる。図7は、上述したMIM構造の呼称及び構造を説明するための模式図である。図7には、従来のGSP構造の場合の各層の呼称と、本実施形態の構造の場合の各層の呼称とを並記してある。
まず、(1)局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)について述べる。これは金属ナノ構造(金属微粒子)に光を入射すると、金属内部の自由電子の振動と、光の電場が共鳴を生じ、金属微粒子の周囲に強い増強電場が形成される現象である。
次に(2)干渉作用について述べる。GSP構造では、ミラー層の上にギャップ層があり、その上に金属ナノ構造が形成されている。この構造を積層膜構造としてみなすと図7に示すような構造になる。GSP構造では、入射波と、各界面で生じた反射波の重ね合わせた定在波の腹が層の中央(図7中の一点破線部)に存在するように、ギャップ層の膜厚を設定することでプラズモン共鳴波長を設定できる。このとき、構造パラメータとプラズモン共鳴波長の関係として近似的に下記式(1)が与えられる。
Figure 2016003946

ここで、λは、プラズモン共鳴波長、mは、整数である。また、nparticle、dparticleは、それぞれ金属ナノ構造の屈折率、膜厚を表し、ngap、dgapは、それぞれギャップ層の屈折率、膜厚を表し、φmirrorは、ギャップ層とミラー層との界面で反射する際に生じる位相変化量[rad]を表す。そして、ミラー層が単層の金属膜の場合、φmirrorは、下記式(2)で与えられる。
Figure 2016003946

ここでnmirror、κmirrorは、それぞれミラー層の屈折率、消衰係数である。誘電体ミラーの場合、ギャップ層の屈折率が誘電体ミラーの1層目より高い場合φmirror=0であり、低い場合には、φmirror=πとなる。また、ギャップ層が複数からなる場合、各ギャップ層において式(1)を満たすことが望ましい。
次に、(3)伝搬型プラズモンの励起について述べる。入射光(励起光)、金属表面に励起される表面プラズモン、そして金属ナノ構造の回折によって生じる回折光の分散関係を図8に示す。誘電関数ε(ω)を持つ金属と、誘電関数ε(ω)を持つ媒質との界面を伝搬する表面プラズモンの分散関係は下記式(3)で与えられる。
Figure 2016003946

ここで、ωは角周波数、ksppは金属−媒質の界面に沿って伝搬する表面プラズモンの波数ベクトルの大きさ、cは光速である。一方で、入射角θで入射した光およびナノ構造(周期P)によって回折した光の分散関係は下記式(4)、式(5)で与えられる。
Figure 2016003946
Figure 2016003946

この時、kは、ksppに比べ、常に大きく、交点を持たないため、入射光によって直接表面プラズモンを励起することは出来ないが、kは、ksppと交点を持つため、表面プラズモンを励起できる。
ここで、n=1の回折光によって表面プラズモンを励起する場合を考える。(n=x(x>2)の場合、n=1〜(x−1)次の光が表面プラズモンの励起に使われない無駄な光になってしまうためである。)この時、交点を持つ時のナノ構造の周期Pは光の波長λより常に小さい。
したがって、本発明のグラニュラー層20におけるグラニュラー構造体26や孔28が周期的に配置される場合においても、周期は励起光(入射光)の波長に比べて常に小さくあるべきである。ここで、本実施形態に係る電場増強素子(図1〜図4参照)の構造は、
従来のGSP構造に対し、金属ナノ構造がグラニュラー層20となっているものである。
既に述べたが、グラニュラー層20は、誘電体22の母材中に金属粒子24が分散した構造である。従前のGSP構造では、金属ナノ構造中の個々の金属微粒子の寸法が増すことにより、金属ナノ構造内の入射側と出射側に光の遅延が生じ、増強電場の分布が生じてしまう。また、プラズモン共鳴の波長も、金属微粒子の寸法の増加に伴って波長のシフトが生じ、可視光から外れた波長においてプラズモン共鳴を生じるようになってしまう。これら理由から、従来のGSP構造の素子では、金属微粒子の寸法を大きくすることは困難であった。
一方で、本実施形態の電場増強素子のように、金属微粒子に代えてグラニュラー層20を採用することで、内包される金属粒子24の寸法を小さく抑えることができる。これにより、上述の光の遅延及びプラズモン共鳴の波長のシフトを小さく抑えることができる。
また、グラニュラー層20におけるグラニュラー構造体26や孔28が周期的に配置される場合の構造を励起光i(入射光)の波長よりも小さな周期Pのピラーアレイ又はホールアレイに加工して配列させることにより、その周期性から伝搬型表面プラズモン共鳴(PSPR)を重畳させることができる。
これは金属層10の伝搬型表面プラズモン共鳴(PSPR)の分散関係と、グラニュラー層20のピラーアレイ又はホールアレイによって生じた回折光の分散関係と、が交点を持つことにより、金属層10の表面に伝搬型プラズモン共鳴(PSPR)が生じるものである。
また、図6に示す電場増強素子102のように、透光層30を含んだ場合の電場増強素子102では、透光層30を、上述の式(1)を満たす(位相整合させる)ために適切な厚さに設定することにより、非常に強い電場増強度を得ることができる。
1.5.本実施形態の電場増強素子及びGSP構造の説明
本実施形態の電場増強素子100、電場増強素子101、及び電場増強素子102は、グラニュラー層20を有することにより、SERS光を発生させる金属粒子24を高さ方向により多く配置できる。図9は、本実施形態のグラニュラー層20に含まれるグラニュラー構造体26の断面を拡大して示す模式図である。図10は、グラニュラー層20に励起光iが照射された場合にグラニュラー層20のグラニュラー構造体26付近に生じるLSPの様子を模式的に示す図である。図10の(a)は、本実施形態のグラニュラー層20を模式的に示し、(b)は、従来のGSP構造の金属微粒子M付近に生じるLSPの様子を模式的に示している。
本実施形態の電場増強素子100、電場増強素子101及び電場増強素子102のグラニュラー層20は、いずれも、図9に模式的に示すように、高さ方向において金属粒子24が複数個配置される。そのため、各金属粒子24にLSPを生じ得、その各々が電場増強度の高い領域であるホットスポットとなることができる。すなわち、ホットスポットの数がグラニュラー層20の厚さ方向(高さ方向)に複数生じ、ホットスポットの単位面積当たりの密度が高まっている。これにより、ホットスポットの数が増加し、標的物質がホットスポットに吸着しやすくなっている。よって、本実施形態の電場増強素子100、電場増強素子101及び電場増強素子102は、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数が豊富であり、標的物質を効率的に吸着させることができる。これにより、例えばSERS信号の高い増強度を得ることができる。
より具体的には、励起光iが照射された場合、図10(b)に示すように、従来のGS
P構造では、金属微粒子Mの端部にLSP(図中符号「L」で示す)が生じるのに対して、図10(a)に示すように、本実施形態のグラニュラー層20では、グラニュラー構造体26の表面近傍及び内部に存在する金属粒子24のそれぞれにLSPが生じる。したがって、本実施形態のグラニュラー層20では、標的物質を吸着させるためのホットスポットの数が従来のGSP構造よりも多くなっている。
さらに、従来のGSP構造において、ホットスポットの数を増やそうとすると、金属微粒子Mの数を増やす必要があった。その際には、素子表面における単位面積当たりの金属微粒子Mの密度を高める必要があるが、金属微粒子Mの寸法もLSPを生じ得る範囲に限られていた。また、従来のGSP構造において、ホットスポットの数を増やす方法として、金属微粒子Mを高さ方向に積層することも考えられるが、この手法では、金属微粒子Mの個数は、もとの個数と単に積層した数との積となるにすぎず、ホットスポットの数を著しく増大させることは困難である。またそのような積層構造を形成するための工程数が増大してしまい実用には向かないと考えられる。
これに対して、本実施形態の電場増強素子では、グラニュラー層20におけるグラニュラー構造体26や孔28が周期的に配置される場合の周期と、金属粒子24の数や大きさとを独立して設計することができる。そのため、本実施形態のグラニュラー層20によれば、厚さ方向(高さ方向)にホットスポットを容易かつ顕著に増やすことができ、単位面積あたりのホットスポットの数を増大させ標的物質の吸着頻度を高めることができる。そして、標的物質が吸着した状態での電場増強の効率が高まり、例えば、より強く増強されたSERS信号を得ることができる。
また、本実施形態の電場増強素子102のように、金属層10の上に透光層30が設けられ、励起光iがグラニュラー層20において位相整合されると、さらに干渉効果を利用して電場増強度を高めることができる。これにより、さらに強いSERS信号を得ることができる。
1.6.励起光
電場増強素子100には、上述のグラニュラー層20側から励起光iが照射される。電場増強素子100に入射される励起光iの波長は、金属層10の表面(透光層30との界面)近傍に伝搬型表面プラズモンを生じさせることができる限り、限定されず、紫外光、可視光、赤外光を含む、電磁波とすることができる。また、励起光iは偏光光であってもなくてもよい。
励起光iの波長は、例えば、400nm以上1070nm以下、好ましくは500nm以上1070nm以下、より好ましくは630nm以上1070nm以下とすることができる。
励起光iは、電場増強素子100のグラニュラー層20が形成された領域に入射される。励起光iは、平面的に見て、グラニュラー層20の全体に入射(照射)されてもよいし、グラニュラー層20の一部に入射されてもよい。さらに、励起光iは、平面的に見てグラニュラー層20が形成された領域よりも広い領域に照射されてもよい。
励起光iの照射領域とは、グラニュラー層20の上面における領域のことを指し、励起光iがグラニュラー層20に進入する領域である。励起光iは、レンズ等で集光されるなどして照射されてもよい。励起光iの照射領域の大きさは、いわゆるスポットサイズに相当する。なお、励起光iは、レンズ等によって集光されていなくてもよい。また、励起光iの照射領域は、平面的に見て、円形、楕円形であってもよいし、アパーチャー等を用いて任意の形状としてもよい。さらに、レンズ等を用いる場合には、励起光iに収差等が生
じていてもよい。
励起光iがグラニュラー構造体26に入射されると、各グラニュラー構造体26の表面又は周囲に局在型表面プラズモン共鳴(LSPR:Localized Surface
Plasmon Resonance)を生じさせることができる。
2.電場増強素子の製造方法
本発明の電場増強素子の製造方法を以下に述べる。本実施形態の電場増強素子は、半導体製造の技術等により、製造することができる。以下、2種の製造方法を例示的に説明するが、本実施形態の電場増強素子の製造方法は、これらの製造方法に限定されるものではない。また、以下に説明する製造方法は、適宜に相互に組み合わせたり、公知の工程を富化する等が可能である。図11及び図12は、それぞれ電場増強素子の製造方法の一例を模式的に示している。
図11を参照して、(1)リフトオフ法によって電場増強素子100を製造する工程について説明する。図11(a)に示すように、ガラス、シリコン、樹脂、金属などから選ばれる基板1上に金属層10を成膜する。この時、基板1と金属層10の密着性を高めるため、Cr、Ti、ITO等の密着層(図示せず)を挟んでもよい。次に、図示しないが、必要に応じて、透光層30としての誘電体を堆積する。金属層10、あるいは透光層30の成膜はスパッタ、あるいは蒸着、イオンプレーティング等の方法が使用できる。
次に、基板1上にレジストRをコートし、フォトリソグラフィ、電子線描画、ナノインプリント等の方法で、所定の構造及び配置を有するようにパターニングを施す(図11(b))。その後、図11(c)に示すように、基板1及びパターニングされたレジストR上に、グラニュラー構造体26となるグラニュラー層20aを堆積して形成する。その後、レジスト剥離液に浸すことで、図11(d)に示すように、レジストRとレジストR上のグラニュラー層20aを除去し、グラニュラー層20を形成する。このようにすれば、リフトオフ法により、本実施形態の電場増強素子100を製造することができる。
図12を参照して、(2)ドライエッチングによって電場増強素子100を製造する工程について説明する。まず、上述のリフトオフ法と同様にして(図11(a))ガラス、シリコン、樹脂、金属などから選ばれる基板1上に金属層10を成膜する。次に、図12(a)に示すように、基板1上に、パターニングする前の状態のグラニュラー層20aを堆積する。その後、グラニュラー層20a上にレジストRをコートし、フォトリソグラフィ、電子線描画、ナノインプリント等の方法で、所定の構造及び配置を有するようにパターニングを施す(図12(b))。その後、図12(c)に示すように、パターニングされたレジストRをマスクとして、ドライエッチングを実施してグラニュラー層20aをエッチングしてグラニュラー構造体26を形成し、所定の構造及び配置を有するグラニュラー層20を形成する。その後、レジスト剥離液に浸すことで、レジストRを除去し、グラニュラー層20を形成する(図11(d)参照)。このようにすれば、ドライエッチング法により、本実施形態の電場増強素子100を製造することができる。なお、(2)ドライエッチング法を用いる場合には、レジストRとグラニュラー層20aとの選択比を確保するため、レジストRの代わりに金属マスク等を用いても良い。
これらの製造方法におけるグラニュラー層20aの堆積方法には、多元成膜による方法と、複合ターゲットを用いる方法があり、これらについて、図13及び図14を用いて概要を説明する。
図13は、多元成膜法の概念図である。多元成膜によってグラニュラー層20aを形成する方法は、図13に例示するように、チャンバーC内に、金属粒子24の原料となる金
属のターゲット及び誘電体22の原料となる誘電体のターゲットを含む、複数のターゲットTを設置し、プラズマを生じさせて、同時に複数のターゲットTの材料をスパッタする。その際、グラニュラー層20aを堆積させる基板1を、ターゲットTに向かい合う位置で回転させる。これにより、基板1には金属及び誘電体を交番で堆積させることができる。また、必要に応じてターゲットTを回転させたり傾斜させてもよい。特に、成膜装置のパラメーターを調整し、金属及び誘電体の成膜レートを調整することで、金属を粒子状に堆積させ、金属粒子24とすることができ、グラニュラー層20aを得ることができる。この方法はスパッタに限らず、蒸着源を複数有した蒸着法でもよい。
図14は、複合ターゲット法の概念図である。複合ターゲットを用いてグラニュラー層20aを形成する方法は、誘電体22の原料となるターゲットTの上に、金属粒子24の原料となる金属塊mを配置してこれを利用する。この金属塊mが配置されたターゲットT(複合ターゲット)を用いてスパッタすることにより、対向して配置された基板1上に金属粒子24及び誘電体22を同時に堆積することができる。また、必要に応じて基板1や複合ターゲットを回転させたり傾斜させてもよい。金属粒子24及び誘電体22の割合や、金属粒子24のサイズ等はスパッタ時のパラメーターや、複合ターゲットにおける金属塊mの割合を調整することで、金属を粒子状に堆積させ、金属粒子24とすることができ、グラニュラー層20aを得ることができる。この方法についてもスパッタに限らず、蒸着法でもよい。
3.分析装置
図15は、本実施形態に係る分析装置200を模式的に示す図である。分析装置200は、例えば、ラマン分光装置であり、以下分析装置200はラマン分光装置であるものとして説明する。分析装置200は、図16に示すように、気体試料保持部110と、検出部120と、制御部130と、検出部120および制御部130を収容している筐体140と、を含む。気体試料保持部110は、本発明に係る電場増強素子を含む。以下では、上述の電場増強素子100を含む例について説明する。
気体試料保持部110は、電場増強素子100と、電場増強素子100を覆うカバー112と、吸引流路114と、排出流路116と、を有している。検出部120は、光源210と、レンズ122a,122b,122c,122dと、ハーフミラー124と、光検出器220と、を有している。制御部130は、光検出器220において検出された信号を処理して光検出器220の制御をする検出制御部132と、光源210などの電力や電圧を制御する電力制御部134と、を有している。制御部130は、図17に示すように、外部との接続を行うための接続部136と電気的に接続されていてもよい。
分析装置200では、排出流路116に設けられている吸引機構117を作動させると、吸引流路114および排出流路116内が負圧になり、吸引口113から検出対象となる標的物質を含んだ気体試料が吸引される。吸引口113には除塵フィルター115が設けられており、比較的大きな粉塵や一部の水蒸気などを除去することができる。気体試料は、吸引流路114および排出流路116を通り、排出口118から排出される。気体試料は、係る経路を通る際に、電場増強素子100のグラニュラー層20と接触する。
吸引流路114および排出流路116の形状は、外部からの光が電場増強素子100に入射しないような形状である。これにより、ラマン散乱光以外の雑音となる光が入射しないため、信号のS/N比を向上させることができる。流路114,116を構成する材料は、例えば、光を反射し難いような材料や色である。
吸引流路114および排出流路116の形状は、気体試料に対する流体抵抗が小さくなるような形状である。これにより、高感度な検出が可能になる。例えば、流路114,1
16の形状を、できるだけ角部をなくし滑らかな形状にすることで、角部における気体試料の滞留をなくすことができる。吸引機構117としては、例えば、流路抵抗に応じた静圧、風量のファンモーターやポンプを用いる。
分析装置200では、光源210は、電場増強素子100に光(例えば波長633nmのレーザー光、励起光i)を照射する。光源210としては、例えば、半導体レーザー、気体レーザーを用いることができる。光源210から射出された光は、レンズ122aで集光された後、ハーフミラー124およびレンズ122bを介して、電場増強素子100に入射する。電場増強素子100からは、SERS光が放射され、該光は、レンズ122b、ハーフミラー124、およびレンズ122c,122dを介して、光検出器220に至る。すなわち、光検出器220は、電場増強素子100から放射される光を検出する。SERS光には、光源210からの入射波長と同じ波長のレイリー散乱光が含まれているので、光検出器220のフィルター126によってレイリー散乱光を除去してもよい。レイリー散乱光が除去された光は、ラマン散乱光として、光検出器220の分光器127を介して受光素子128にて受光される。受光素子128としては、例えば、フォトダイオードを用いる。
光検出器220の分光器127は、例えば、ファブリペロー共振を利用したエタロン等で形成されており、通過波長帯域を可変とすることができる。光検出器220の受光素子128によって、標的物質に特有のラマンスペクトルが得られ、例えば、得られたラマンスペクトルと予め保持するデータとを照合することで、標的物質の信号強度を検出することができる。
なお、分析装置200は、電場増強素子100、光源210、および光検出器220を含み、電場増強素子100に標的物質を吸着させ、そのラマン散乱光を取得することができれば、上記の例に限定されない。
分析装置200では、上述したとおり、ホットスポットの単位面積当たりの密度が高く、標的物質がホットスポットに吸着しやすい電場増強素子100を含む。そのため、ラマン散乱光の強度を大きくすることができる。したがって、分析装置200は、高い検出感度を有することができる。
4.電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器300について、図面を参照しながら説明する。図16は、本実施形態に係る電子機器300を模式的に示す図である。電子機器300は、本発明に係るラマン分光装置を含むことができる。以下では、本発明に係るラマン分光装置として分析装置200を含む例について説明する。
電子機器300は、図16に示すように、分析装置200と、光検出器220からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部310と、健康医療情報を記憶する記憶部320と、健康医療情報を表示する表示部330と、を含む。
演算部310は、例えば、パーソナルコンピューター、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)であり、光検出器220から送出される検出情報(信号等)を受け取る。演算部310は、光検出器220からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する。演算された健康医療情報は、記憶部320に記憶される。
記憶部320は、例えば、半導体メモリー、ハードディスクドライブ等であり、演算部310と一体的に構成されてもよい。記憶部320に記憶された健康医療情報は、表示部
330に送出される。
表示部330は、例えば、表示板(液晶モニター等)、プリンター、発光体、スピーカー等により構成されている。表示部330は、演算部310によって演算された健康医療情報等に基づいて、ユーザーがその内容を認識できるように、表示または発報する。
健康医療情報としては、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または、無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の有無若しくは量に関する情報を含むことができる。
電子機器300では、容易に、プラズモン共鳴波長の変化に対応することができる分析装置200を含む。そのため、電子機器300では、微量物質の検出を容易に行うことができ、高精度な健康医療情報を提供することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、本発明に係る電場増強素子は、抗原抗体反応における抗原の吸着の有無などのように、物質の吸着の有無を検出するアフィニティー・センサーなどとして用いることもできる。アフィニティー・センサーは、該センサーに白色光を入射し、波長スペクトルを分光器で測定し、吸着による表面プラズモン共鳴波長のシフト量を検出することで、検出物質のセンサーチップへの吸収を高感度に検出することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…基板、10…金属層、20,20a…グラニュラー層、22…誘電体、24…金属粒子、26…グラニュラー構造体、28…孔、30…透光層、100,101,102…電場増強素子、L…LSP、C…チャンバー、T…ターゲット、m…金属塊、110…気体試料保持部、112…カバー、113…吸引口、114…吸引流路、115…除塵フィルター、116…排出流路、117…吸引機構、118…排出口、120…検出部、122a,122b,122c,122d…レンズ、124…ハーフミラー、126…フィルター、127…分光器、128…受光素子、130…制御部、132…検出制御部、134…電力制御部、136…接続部、140…筐体、200…ラマン分光装置、210…光源、220…光検出器、300…電子機器、310…演算部、320…記憶部、330…表示部

Claims (13)

  1. 金属層と、
    前記金属層の上方に形成され、光が照射されるグラニュラー層と、
    を含み、
    前記グラニュラー層は、誘電体に金属粒子が分散したグラニュラー構造体が、前記光の波長よりも小さい間隔で配置されている、電場増強素子。
  2. 請求項1において、
    前記グラニュラー構造体は、周期的に配置されている、電場増強素子。
  3. 金属層と、
    前記金属層の上方に形成され、光が照射され、誘電体に金属粒子が分散したグラニュラー層と、
    を含み、
    前記グラニュラー層には、前記光の波長よりも小さい間隔で孔が配置されている、電場増強素子。
  4. 請求項3において、
    前記孔は、周期的に配置されている、電場増強素子。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記金属粒子は、前記金属粒子と同体積の球を仮定した場合に当該球の直径が前記間隔よりも小さくなる寸法を有する、電場増強素子。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記金属粒子は、前記間隔の間に2個以上配置された、電場増強素子。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記金属粒子の材質は、金、銀、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、パラジウム、タングステン、ロジウム及びルテニウムから選択される少なくとも1種の金属、若しくは、これらの複数種の合金、又は、これらの複数の金属若しくは合金の複合体からなる、電場増強素子。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    前記金属粒子は、当該金属粒子と同体積の球を仮定した場合に当該球の直径が5nm以上150nm以下となる寸法を有する、電場増強素子。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項において、
    前記グラニュラー層の厚さは、30nm以上500nm以下である、電場増強素子。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項において、
    前記金属層と前記グラニュラー層との間に設けられた透光層を有する、電場増強素子。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか一項において、
    前記誘電体の材質は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、五酸化タンタル及び窒化ケイ素から選択される少なくとも1種である、電場増強素子。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の電場増強素子と、
    前記電場増強素子に前記励起光を照射する光源と、
    前記電場増強素子から放射される光を検出する検出器と、
    を備えた、分析装置。
  13. 請求項12に記載の分析装置と、前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、前記健康医療情報を記憶する記憶部と、前記健康医療情報を表示する表示部と、を備えた電子機器。
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