JP2016003356A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、薄肉化した場合、犠牲材に添加されたZnの芯材内部への拡散及び芯材に添加されたCuの犠牲材内部への拡散が進行することになり、犠牲材と芯材間の電位勾配が減少し、チューブ内周面の耐食性が低下する。
本発明において、前記アウターフィンの電位が−830mV〜−750mVの範囲であり、かつ、前記アウターフィンの電位が、前記チューブ表面のろう材のうち、少なくとも前記アウターフィンとの接合部および該接合部近傍のろう材の電位より30mV以上卑であることを特徴とする。
本発明において、前記チューブの芯材と前記アウターフィンとの電位差が120〜220mVの範囲にあることを特徴とする。
本発明において、前記犠牲材がさらに質量%でTi:0.3%以下を含有することが好ましい。
また、ろう材へZnを規定量添加することでチューブ単体での外周面側の電位勾配を確保し、耐食性を向上させることができる。
加えて、アウターフィン、チューブのろう材、芯材の電位バランスを適正化することで、アウターフィンによる犠牲陽極効果を高め、チューブを従来よりも薄肉化した場合であっても、耐食性に優れる熱交換器を提供できる。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
図1は本実施形態の熱交換器20(図3参照)に用いられるブレージングシート1の断面図である。このブレージングシート1は、アルミニウム合金からなる芯材1aと、この芯材1aの一面側に被着(クラッド圧着)されたアルミニウム合金からなる層状のろう材1bと、芯材1aの他面側に被着(クラッド圧着)されたアルミニウム合金からなる層状の犠牲材1cを主体として構成されている。
また、本実施形態の熱交換器20に採用されるブレージングシート1は、その厚さが、0.2mm未満、例えば、0.18mm程度の薄肉構造であっても良い。これにより、軽量かつ安価な熱交換器20を構成することができる。
図2に示すように、前記ブレージングシート1を成形ロール等により犠牲材1cを内側に、ろう材1bを外側になるように偏平管状に成形しながらブレージングシート端縁の突合せ部分を溶接して一体化する電縫溶接管としてのチューブ10を構成できる。
図2に示す構造のチューブ10を用いて、例えば図3に示す形状の熱交換器20を構成することができる。
熱交換器20は、例えば自動車のラジエータ等に用いられる構造とされ、チューブ10と、ヘッダー21と、アウターフィン22と、サイドサポート23とから概略構成されている。
ヘッダー21とチューブ10とは、ヘッダー21に複数整列形成されたスロット(差込孔)21aに各チューブ10の端部を差し込み、差込部分の周りに配置したろう材1bを用いて両者を相互にろう付けすることで接合されている。また、チューブ10とアウターフィン22は、チューブ10を構成するブレージングシート1に設けられたろう材1bを用いて、両者を相互にろう付けすることで接合されている。
なお、チューブ10を形成する際のブレージングシート1の端部1A、1Aのろう付け(図2参照)と、ヘッダー21とチューブ10のろう付けと、チューブ10とアウターフィン22のろう付けは熱交換器20の組み立て時に同時に行うことができる。
<アウターフィン>
チューブ10に接合されるアウターフィン22は、質量%で0.5〜3.5%のZnを添加したアルミニウム合金から形成することが好ましい。なお、本明細書において組成比の上限と下限を0.5〜3.5%のように表記した場合、特に説明しない限り上限と下限を含むものとする。よって、0.5〜3.5%は0.5%以上、3.5%以下の範囲であることを意味する。
アウターフィン22は、上記組成を有するアルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程などを経て、波形形状に加工される。なお、アウターフィン22の製造方法は、特に限定をされるものではなく、既知の製造方法を適宜採用することができる。
アウターフィン22の電位は、アウターフィン22を構成するアルミニウム合金のZn含有量により調整することができる。以下、アウターフィン22に含まれるZnの含有量の範囲について詳しく説明する。
アウターフィン22は、Mn、Znを含有するとともに、Cu、Si、Feのうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金によって構成されている。各成分の含有量はMn:0.8〜1.5質量%、Zn:0.5質量%〜3.5質量%、Cu:0.05〜0.3質量%、Si:0.05〜1.0質量%、Fe:0.05〜0.5質量%である。以下、各成分について説明する。
[Zn:0.5質量%〜3.5質量%]
Znは、アルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、上述の範囲でアウターフィン22に添加した場合、ろう材1bに対し望ましい電位差を確保することが可能となり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、耐食性を向上させ、腐食深さを低減する効果がある。しかし、Zn含有量が0.5質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、3.5質量%を超えると、電位が著しく卑となり、腐食速度が増加することでアウターフィンが早期に腐食する。
Si、Fe、Mnは、アルミニウム合金中にAl−Mn−Si系、Al−Mn−Fe系、Al−Fe−Si系、あるいは、Al−Mn−Fe−Si系などの金属間化合物を晶出させてアルミニウム合金の強度を向上させる。これらの含有量が多すぎる場合は、腐食速度が速くなり過ぎることがあり、巨大晶出物が析出するなどの問題を生じるので、上述の範囲が望ましいが、これら元素の含有量を本実施形態では限定するものではなく、上述のZnの含有量制御により電位勾配を本実施形態において望ましい範囲に制御できれば、これら元素の含有量を特に制限する必要はない。
チューブ10の芯材1aは、質量%でMn:1.2〜1.8%、Si:0.4〜1.3%、Fe:0.21〜0.5%、Cu:0.5〜1.3%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物の組成を有するアルミニウム合金からなる。
以下、チューブ10の芯材1aを構成するアルミニウム合金の各構成元素含有量の範囲について詳しく説明する。
[Mn:1.2質量%〜1.8質量%]
Mnはマトリックス中にAl−Mn−Si系、Al−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物を微細に形成し、材料強度を高める効果がある。しかし、Mn量が1.2質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.8質量%を超えると鋳造時に巨大な金属間化合物を生成するため材料の成形性が低下する。なお、同様の理由からMn含有量について、1.4〜1.8質量%とすることが望ましく、さらには1.5〜1.75質量%の範囲にすることがより望ましい。
Siはマトリックス中にAl−Mn−Si系、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物を微細に形成し、材料強度を高める効果がある。しかし、Si量が0.4質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.3質量%を超えると材料の融点が低下する。なお同様の理由からSi含有量について、0.6〜1.2質量%とすることが望ましく、さらには0.7〜1.1質量%の範囲にすることがより望ましい。
Feはマトリックス中にAl−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物を微細に形成し、材料強度を高める効果や、ろう付け熱処理後の結晶粒を微細化することにより、ろう付け後の強度を向上させる効果がある。しかし、Fe量が0.21質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、0.5質量%を超えると耐食性が劣化したり、鋳造時に巨大な金属間化合物を生成して材料の成形性が低下する。なお、同様の理由によりFe含有量について0.25〜0.45質量%とすることが望ましく、さらには、0.28〜0.40質量%の範囲とすることがより望ましい。
Cuはマトリックス中に固溶し、材料の強度を高める効果や、芯材1aに添加した場合、芯材1aの電位を貴として犠牲材1cとの電位差が大きくなるため、耐食性を向上させる効果がある。
しかし、Cu量が0.5質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.3質量%を超えると材料の融点が低下する。なお、同様の理由によりCu含有量について、0.6〜1.2質量%とすることが望ましく、さらには、0.7〜1.1質量%の範囲とすることがより望ましい。
チューブ10のろう材1bは、Siを6.0質量%〜11.0質量%、Znを0.1質量%〜5.0質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物のアルミニウム合金からなる。
以下、チューブ10のろう材1bを構成するアルミニウム合金の各構成元素の含有量の範囲について詳しく説明する。
[Si:6.0質量%〜11.0質量%]
ろう材1b中に含まれるSiは融点を下げると共に流動性を付与する成分であり、その含有量が6質量%未満では所望の効果が不十分であり、一方、11質量%を越えて含有するとかえって流動性が低下するので好ましくない。したがって、ろう材1b中のSiの含有量は6.0〜11.0質量%の範囲が好ましい。
Znは、アルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、ろう材1bに添加した場合、芯材1aとの電位差が大きくなり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、耐食性を向上させ、腐食深さを低減する効果がある。しかし、Zn量が0.1質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、5.0質量%を超えると、ろう材1bの電位が卑となりすぎて、アウターフィン22との電位差を確保することができなくなる。
チューブ10の犠牲材1cは、Znを4.0質量%〜7.0質量%、Mgを1.2質量%〜2.5質量%、Siを0.1質量%〜0.4質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物の組成を有するアルミニウム合金からなることが好ましい。
以下、チューブ10の犠牲材1cを構成するアルミニウム合金の各構成元素の限定理由について説明する。
[Zn:4.0〜7.0質量%]
Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、犠牲材1cに添加した場合、芯材1aとの電位差が大きくなり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、ブレージングシート1(即ちチューブ10)の耐食性を向上させ、腐食深さを低減する効果がある。また、Znはろう付け後のごく短時間のうちにMgと微細なMg−Zn化合物を形成して、ろう付け後の強度を高める効果がある。
しかし、Zn量が4.0質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、7.0質量%を超えると腐食速度が速くなりすぎることで犠牲材1cが早期に消失し、腐食深さが増加する。なお、同様の理由により、Zn含有量について、4.5〜7.0質量%とすることが望ましく、さらには4.8〜6.8質量%の範囲とすることがより望ましい。
Mgはろう付け後に芯材へ拡散して、MgとSiが共存する領域において、Siと微細なMg−Si化合物を形成して材料の強度を向上させる効果がある。しかし、Mg量が1.2質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、2.5質量%を超えると材料の成形性が低下する。なお、同様の理由からMg含有量について、1.2〜2.2質量%とすることが望ましく、さらには1.3〜2.0質量%の範囲にすることがより望ましい。
SiはMgと微細なMg−Si化合物を形成することで材料の強度を向上させる効果がある。しかし、Si量が0.1質量%未満ではその効果が充分に発揮されず、0.4質量%を超えると材料の融点が低下する。なお同様の理由からSi含有量を0.13〜0.35質量%とすることが望ましく、さらには0.15〜0.32質量%の範囲にすることがより望ましい。
[Ti:0.3質量%以下]
Tiを添加すると鋳造時にTi濃度が高い部分と低い部分が生成し、これらが材料中に層状のTi濃度分布を形成することで、耐食性が向上する。しかし、Ti量が0.3質量%を超えると材料の鋳造性や加工性が悪化する。これらの理由からTiの含有量を0.01〜0.25質量%の範囲とすることが望ましい。
従来から、チューブ10の内周面において、耐食性を高めるために、犠牲材1cの電位を芯材1aの電位に対し卑とすることが知られている。しかしながら、チューブ10の外周面においては、チューブ10とアウターフィン22のろう付けの過程において、芯材1aに添加されたCuがろう材1bへ拡散し、アウターフィン22との接合部30(フィレット)へCuが濃縮することで電位が貴となり、チューブ10に貫通孔が発生する問題があった。
これによって、アウターフィン22にチューブ10に対する犠牲陽極効果を与え、チューブ10の耐食性を高め、貫通孔が発生することを防ぐことができる。
以上構成の熱交換器20において、Mn、Si、Fe、Cuの含有量を特定の範囲として芯材1aを薄肉化に対応した高強度材としながら、犠牲材1cについてもMg、Siを特定の範囲として犠牲材1cを薄肉化に対応した高強度材とした上に、アウターフィン22と接合部30と芯材1aとの電位差バランスを上述のようにすることで、チューブ10の薄肉化に対応し、チューブ10を薄型化しても熱交換器20として必要な強度を有するとともに、耐食性に優れた熱交換器20を提供できる。
<試料の作製>
半連続鋳造により芯材用アルミニウム合金、犠牲材用アルミニウム合金、及びろう材用アルミニウム合金を鋳造した。なお、芯材用アルミニウム合金、犠牲材用アルミニウム合金、ろう材用アルミニウム合金の組成については、後段にまとめて示す。
得られた芯材は585℃で8hrの均質化処理を行なった。この均質化処理の条件は一例であり、温度:550〜600℃、保持時間:8〜16hの範囲から選択することができる。また、犠牲材及びろう材も同様の均質化処理を行なうことができる。
サンプルNo.1、2は、芯材のSiの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限とした試料である。サンプルNo.3、4は、ろう材のSiの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限とした試料である。サンプルNo.5、6は、ろう材のZnの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限とした試料である。
サンプルNo.7、8は、犠牲材のSiの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限とした試料である。サンプルNo.9、10は、犠牲材のZnの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限とした試料である。
サンプルNo.11は、芯材、ろう材、犠牲材を構成するAlと不可避不純物以外の構成元素を好ましい範囲の中で、中程の含有量とした試料である。
サンプルNo.20、21は、犠牲材のMgの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限超、下限未満とした試料である。
サンプルNo.Aは、アウターフィンのZnの含有量を調整し好ましい範囲の上限超とした試料である。サンプルNo.Bは、アウターフィンのZnの含有量を調整し好ましい範囲の上限とした試料である。サンプルNo.Cは、アウターフィンのZnの含有量を調整し好ましい範囲の中程とした試料である。サンプルNo.Dは、アウターフィンのZnの含有量を調整し好ましい範囲の下限とした試料である。サンプルNo.Eは、アウターフィンのZnの含有量を調整し好ましい範囲の下限未満とした試料である。
以上の手順で作製した、ろう付け品の熱交換器に対して、電位差、耐食性、ろう付け後強度をそれぞれ測定した。電位差、耐食性、ろう付け後強度の測定方法を以下に示す。また、測定結果を表3に示す。
アノード分極測定を実施し、アウターフィンとろう材の接合部、並びにアウターフィンと芯材の各々の孔食電位を測定した。アノード分極には飽和カロメル電極を用い、窒素ガスの吹き込みにより脱気した40℃の2.67%AlCl3溶液中で電位掃引速度0.5mV/sで測定した。
アウターフィンとチューブをろう付熱処理により組み合わせた熱交換器(ミニコア)について、ASTM G85−A3で規定されているSWAAT試験を500時間実施し、500時間経過後のチューブ材の最大腐食深さを測定した。
作製した熱交換器に0.5⇔150kPaの繰り返し加圧試験を実施し、部材に破断が発生するまでの回数を測定した。本例では、強度に関する評価項目として、熱交換器の耐久性を記載した。
表3において、[耐食性]は、腐食深さ40μm以下:◎、41〜70μm:○、71μm以上:×で示した。
表3において、[耐久性]は、部材破断までの繰り返し回数が15万回以上:◎、10〜15万回未満:○、10万回未満:×で示した。
熱交換器サンプルNo.3、4は、ろう材のSiの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限に設定し、他の含有元素は好ましい範囲内とした試料である。
熱交換器サンプルNo.5、6は、ろう材のZnの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限に設定し、他の含有元素はそれぞれ好ましい範囲内とした試料である。
熱交換器サンプルNo.7、8は、犠牲材のSiの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限に設定し、他の含有元素は好ましい範囲内とした試料である。
熱交換器サンプルNo.9、10は、犠牲材のZnの含有量を調整し、それぞれ好ましい範囲の上限、下限に設定し、他の含有元素はそれぞれ好ましい範囲内とした試料である。熱交換器サンプルNo.1〜10の実施例試料は、耐食性に優れ、ろう付け後の強度が高く、耐久性にも優れていた。
熱交換器サンプルNo.11、12、13は、芯材、ろう材、犠牲材を構成する各元素をいずれも好ましい範囲内に設定し、チューブサンプルNo.11を用い、表2に示すアウターフィンサンプルNo.B、C、Dを使い分けた試料であるが、耐食性に優れ、ろう付け後の強度が高く、耐久性にも優れていた。
熱交換器サンプルNo.15は、チューブサンプルNo.13を用いた試料であるが、芯材のSi量が少ないため、耐久性に劣る結果となった。
熱交換器サンプルNo.16は、チューブサンプルNo.14を用いた試料であるが、ろう材のSi量が多すぎるため、フィンに対しろうの侵食が起こり、座屈が発生した。座屈とは、ろう付け時に流動ろうにより、アウターフィンが浸食されて欠損することで熱交換器の形状が保てなくなる状態を意味する。
熱交換器サンプルNo.17は、チューブサンプルNo.15を用いた試料であるが、ろう材のSi量が少ないため、フィンとチューブの接合不良を生じた。
熱交換器サンプルNo.18は、チューブサンプルNo.16を用いた試料であるが、ろう材のZn量が多いため、フィンとチューブの接合不良を生じた。
熱交換器サンプルNo.19は、チューブサンプルNo.17を用いた試料であるが、ろう材のZn量が少ないため、孔食電位順列が崩れ、耐食性に不足を生じた。
熱交換器サンプルNo.20は、チューブサンプルNo.18を用いた試料であるが、犠牲材のSi量が多いため、ろう付け時に犠牲材が溶融した。
熱交換器サンプルNo.21は、チューブサンプルNo.19を用いた試料であるが、犠牲材のSi量が少ないため、耐久性が低下した。
熱交換器サンプルNo.22は、チューブサンプルNo.20を用いた試料であるが、犠牲材のMg量が多いため、ろう付け時に犠牲材が溶融した。
熱交換器サンプルNo.23は、チューブサンプルNo.21を用いた試料であるが、犠牲材のMg量が少ないため、孔食電位順列が崩れ、耐食性が低下した。
熱交換器サンプルNo.24は、アウターフィンサンプルNo.Aを用いた試料であるが、アウターフィンのZn量が多いため、孔食電位順列が崩れ、耐食性が低下した。
熱交換器サンプルNo.25は、アウターフィンサンプルNo.Eを用いた試料であるが、アウターフィンのZn量が少ないため、孔食電位順列が崩れ、耐食性が低下した。
Claims (5)
- チューブとアウターフィンとを組み合わせてろう付けされた熱交換器であって、
前記チューブが、芯材とこの芯材の一方の面に形成されたろう材と前記芯材の他方の面に形成された犠牲材とからなるブレージングシートにより構成され、
前記芯材が、質量%でMn:1.2〜1.8%、Si:0.4〜1.3%、Fe:0.21〜0.5%、Cu:0.5〜1.3%を含有し、残部Al及び不可避不純物の組成を有するアルミニウム合金からなり、
前記ろう材が、質量%でSi:6.0〜11.0%、Zn:0.1〜5.0%を含有し、残部Al及び不可避不純物の組成を有するアルミニウム合金からなり、
前記犠牲材が、質量%でZn:4.0〜7.0%、Mg:1.2〜2.5%、Si:0.1〜0.4%を含有し、残部がAl及び不可避不純物の組成を有するアルミニウム合金からなり、
前記チューブの表面に形成されたろう材のうち、少なくとも前記アウターフィンとの接合部および該接合部近傍のろう材と、前記チューブの芯材およびアウターフィンの電位の順列が、前記チューブの芯材、前記チューブのろう材、前記アウターフィンの順で卑とされたことを特徴とする熱交換器。 - 前記アウターフィンが、質量%でZn:0.5〜3.5%含有するアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記アウターフィンの電位が−830mV〜−750mVの範囲であり、かつ、前記アウターフィンの電位が、前記チューブ表面のろう材のうち、少なくとも前記アウターフィンとの接合部および該接合部近傍のろう材の電位より30mV以上卑であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記チューブの芯材と前記アウターフィンとの電位差が120〜220mVの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の熱交換器。
- 前記犠牲材がさらに質量%でTi:0.3%以下を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の熱交換器。
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