JP2016002886A - 空気入りタイヤ及びその装着方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその装着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の方向に大きな横力を発生させる。
【解決手段】回転方向Nが指定されたトレッド部2を有する空気入りタイヤ1である。トレッド部2に、回転方向Nに向かって第1トレッド端Te側から第2トレッド端Ti側へと傾斜するように、タイヤ回転軸の回りを螺旋状にのびる螺旋溝3が設けられている。螺旋溝3は、第1トレッド端Te側の第1溝壁4と、第2トレッド端Ti側の第2溝壁5とを有している。螺旋溝3の一端3eから他端3iまで、第2溝壁5のトレッド法線n2に対する傾斜角度βが、第1溝壁4のトレッド法線n1に対する傾斜角度αよりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の向きに大きな横力を発生させることができる空気入りタイヤ及びその装着方法に関する。
一般に、路面には、カントと呼ばれる傾斜が設けられることがある。カントは、車両の進行方向に対して直角の向きの傾斜である。下記特許文献1には、カントによってタイヤが摩耗するのを防止するために、トレッド部に、タイヤ回転軸の回りを連続して螺旋状にのびる螺旋溝が設けられた空気入りタイヤが記載されている。このような空気入りタイヤは、走行時、螺旋溝によってタイヤ軸方向の一方側へ横力(コニシティフォース)を発生させるので、この横力と路面のカントによる摩擦力とを相殺させ、トレッド部の偏摩耗を防ぐという効果を期待している。
しかしながら、下記特許文献1に、走行時に、より大きな横力を発生させることについては、十分に記載されていない。
特開2006−137244号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、トレッド部の螺旋溝の形状を改善することを基本として、特定の方向に大きな横力を発生させることができる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。また、本発明は、このような空気入りタイヤを用いて、優れた直進安定性能又はハンドル応答性能を有する空気入りタイヤの装着方法を提供することを主たる目的としている。
本願第1の発明は、回転方向が指定されたトレッド部を有する空気入りタイヤであって、前記トレッド部に、前記回転方向に向かって第1トレッド端側から第2トレッド端側へと傾斜するように、タイヤ回転軸の回りを螺旋状にのびる螺旋溝が設けられ、前記螺旋溝は、前記第1トレッド端側の第1溝壁と、前記第2トレッド端側の第2溝壁とを有し、前記螺旋溝の一端から他端まで、前記第2溝壁のトレッド法線に対する傾斜角度が、前記第1溝壁のトレッド法線に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1溝壁の前記傾斜角度と前記第2溝壁の前記傾斜角度との差が、5度以下であるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記トレッド部が、前記螺旋溝が設けられている第1領域と、前記螺旋溝の傾斜と同じ向きに傾斜する傾斜溝がタイヤ周方向に複数本設けられた第2領域と含むのが望ましい。
本願第2の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された空気入りタイヤを四輪車両へ装着するための方法であって、前記四輪車両において、前側の左輪と前側の右輪とに、それぞれ、発生する横力が互いに逆向きになるように空気入りタイヤを装着するステップと、前記四輪車両の後側の左輪に、前記前側の左輪に装着された空気入りタイヤとは逆向きの横力を発生する空気入りタイヤを装着するステップと、前記四輪車両の後側の右輪に、前記前側の右輪に装着された空気入りタイヤとは逆向きの横力を発生する空気入りタイヤを装着するステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤの装着方法は、前記前側の左輪の空気入りタイヤと、前記前側の右輪の空気入りタイヤとは、前記螺旋溝の傾斜の向きが逆向きであり、前記前側の左輪の空気入りタイヤと、前記後側の左輪の空気入りタイヤとは、前記螺旋溝の傾斜の向きが逆向きであり、前記前側の右輪の空気入りタイヤと、前記後側の右輪の空気入りタイヤとは、前記螺旋溝の傾斜の向きが逆向きであるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、回転方向が指定されたトレッド部を有し、トレッド部に、回転方向に向かって第1トレッド端側から第2トレッド端側へと傾斜するように、タイヤ回転軸の回りを螺旋状にのびる螺旋溝が設けられている。このような螺旋溝は、空気入りタイヤの走行時、第1トレッド端側から第2トレッド端側へタイヤ軸方向の横力を発生させる。
さらに、前記螺旋溝は、第1トレッド端側の第1溝壁と、第2トレッド端側の第2溝壁とを有し、螺旋溝の一端から他端まで、第2溝壁のトレッド法線に対する傾斜角度が、第1溝壁のトレッド法線に対する傾斜角度よりも大きく形成されている。このような螺旋溝は、接地時、第1溝壁、第2溝壁の剛性差によって、第1トレッド端側から第2トレッド端側へタイヤ軸方向の横力を発生させる。従って、本発明の空気入りタイヤは、大きな横力を発生させることができる。
また、本発明の空気入りタイヤの装着方法は、四輪車両において、前側の左輪と前側の右輪とに、それぞれ、発生する横力が互いに逆向きになるように空気入りタイヤを装着するステップと、後側の左輪に、前側の左輪に装着された空気入りタイヤとは逆向きの横力を発生する空気入りタイヤを装着するステップと、後側の右輪に、前側の右輪に装着された空気入りタイヤとは逆向きの横力を発生する空気入りタイヤを装着するステップとを含んでいる。このように空気入りタイヤが装着された四輪車両では、例えば、スリップ角がゼロである直進走行時において、前側のタイヤに作用する横力が車両外側を向き、後側のタイヤに作用する横力が車両内側を向く場合には、前輪、後輪それぞれのコニシティフォースが相殺される。また、前側のタイヤ1に作用する横力が、共に車両外側を向くので、旋回に対する反力がやや大きくなるため、優れた直進安定性能を発揮する。
又、上述のように空気入りタイヤが装着された四輪車両では、例えば、スリップ角がゼロである直進走行時において、前側のタイヤに作用する横力が車両内側を向き、後側のタイヤに作用する横力が車両外側を向く場合には、前輪、後輪それぞれのコニシティフォースが相殺される。また、前側のタイヤに作用する横力が、共に車両内側を向くので、ハンドル操作に対しやや機敏に操舵力が発生するため、優れたハンドル応答性能を発揮する。
本発明のタイヤでは、螺旋溝の傾斜の向きとタイヤに作用する横力の方向とが一致する。このため、一般ユーザーであっても、横力の向きを容易に認識しうるため、直進安定性能又はハンドル応答性能のいずれかに優れた車両に設定するようタイヤを装着することができる。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。 図1のA−A線断面図である。 タイヤの装着方法の一実施形態を示す四輪車両の概略平面図である。 タイヤの装着方法の他の実施形態を示す四輪車両の概略平面図である。 他の実施形態のトレッド部の展開図である。 さらに他の実施形態のトレッド部の展開図である。 他の実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 比較例のタイヤが装着された四輪車両の概略平面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤ1のトレッド部2の展開図が示される。本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1は、例えば、乗用車等の四輪車両用のタイヤとして好適に利用される。本実施形態のタイヤ1は、回転方向Nが指定されている。回転方向Nは、例えば、サイドウォール部(図示せず)に、文字等で表示される。
図1に示されるように、トレッド部2は、第1トレッド端Teと第2トレッド端Tiとを有している。第1トレッド端Te、第2トレッド端Tiは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向両外側の接地位置として定められる。本実施形態では、第1トレッド端Teは左側、第2トレッド端Tiは右側に表示されている。正規状態において、各トレッド端Te、Ti間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば"最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。タイヤが乗用車用の場合、正規荷重は、前記荷重の88%に相当する荷重である。
トレッド部2には、螺旋溝3が設けられている。この螺旋溝3は、回転方向Nに向かって第1トレッド端Te側から第2トレッド端Ti側へと傾斜するように、タイヤ回転軸(図示省略)の回りを螺旋状にのびている。このような螺旋溝3は、スリップ角が与えられていない状態でも、走行時に、第1トレッド端Te側から第2トレッド端Ti側へタイヤ軸方向の横力(コニシティフォース)を発生させる。
図2は、図1のA−A線断面図である。図2に示されるように、螺旋溝3は、第1トレッド端Te側の第1溝壁4と、第2トレッド端Ti側の第2溝壁5と、第1溝壁4と第2溝壁5との間の溝底部6とを有している。
第1溝壁4及び第2溝壁5は、トレッド部2の踏面2aからタイヤ半径方向内方にのびている。第1溝壁4及び第2溝壁5は、例えば、踏面2aから直線状にのびている。第1溝壁4及び第2溝壁5は、曲線状でも良い。
螺旋溝3は、一端3eから他端3i(図1に示す)まで、第2溝壁5のトレッド法線n2に対する傾斜角度βが、第1溝壁4のトレッド法線n1に対する傾斜角度αよりも大きく形成されている。このような螺旋溝3は、接地時、大きな剛性を有する第1溝壁4と小さな剛性を有する第2溝壁5との剛性差によって、第1トレッド端Te側から第2トレッド端Ti側へタイヤ軸方向の横力を発生させる。従って、本発明のタイヤ1は、スリップ角がゼロの状態でも溝の螺旋の向きと溝壁の角度とを利用して、意図した方向に大きな横力を発生させることができる。このため、四輪車両の各タイヤの横力を、それぞれ任意の向きに配することによって、横力を打ち消すことや、合力させることができるので、例えば、優れた直進安定性能やハンドリング応答性能等を有する車両、又は、一方側への大きな旋回力を有する車両を設定することができる。
トレッド法線n1、n2は、各溝壁4、5とトレッド部2の踏面2aとの交差位置における踏面2aに対し直角方向の線分をいう。
第2溝壁5の前記傾斜角度βと第1溝壁4の前記傾斜角度αとの差(β−α)は、好ましくは、5度以下である。前記角度の差(β−α)が、5度を超える場合、第1溝壁4、第2溝壁5の剛性差が過度に大きくなり、偏摩耗が生じ易くなるため、直進安定性能等の走行性能が悪化するおそれがある。前記角度の差(β−α)が小さい場合、横力が小さくなるおそれがある。このため、前記角度の差(β−α)は、より好ましくは、2〜4度である。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、第2溝壁5の前記傾斜角度βは、好ましくは、2〜20度である。
本実施形態では、第1溝壁4の前記傾斜角度α及び第2溝壁5の前記傾斜角度βは、一端3eから他端3iまで、同じ角度である。これにより、第1トレッド端Te側から第2トレッド端Ti側まで、トレッド部2の剛性差を小さく確保することができる。このため、例えば、肩落ち摩耗などの偏摩耗が抑制されるので、走行性能が高く維持される。
図1に示されるように、本実施形態の螺旋溝3は、トレッド部2の展開視で直線状である。このような螺旋溝3は、螺旋溝3間のトレッド部2の剛性を大きく確保し、さらに大きな横力を発生させることができる。
螺旋溝3は、本実施形態では、連続する1本で形成されている。このような螺旋溝3は、第1トレッド端Te側から第2トレッド端Ti側まで、トレッド部2の剛性差を、さらに、小さく確保することができる。
螺旋溝3のタイヤ周方向に対する角度θ1は、好ましくは、3〜20度である。螺旋溝3の前記角度θ1が3度未満の場合、螺旋溝3のタイヤ軸方向成分が小さくなり、タイヤ軸方向の横力が小さくなるおそれがある。螺旋溝3の前記角度θ1が20度を超える場合、螺旋溝3の周回数(本実施形態では4周)が小さくなるため、横力が小さくなるおそれがある。前記角度θ1は、より好ましくは、5度以上である。
螺旋溝3の溝幅W1は、好ましくは、5〜20mmである。螺旋溝3の溝幅W1が5mm未満の場合、走行時、第1溝壁4及び第2溝壁5が互いに寄りかかるように変形し、見掛け上、第1溝壁4及び第2溝壁5の剛性差が小さくなるおそれがある。螺旋溝3の溝幅W1が20mmを超える場合、トレッド部2の剛性が小さくなり易く、走行性能が悪化するおそれがある。同様の観点より、螺旋溝3の溝深さD1(図2に示す)は、好ましくは、5〜10mmである。
トレッド部2は、本実施形態では、螺旋溝3を除いて、溝やサイピング等のエッジ成分を有する構成が設けられていない。これにより、トレッド部2の剛性差が、さらに小さく確保される。
図3には、本発明の他の実施形態のトレッド部2の展開図が示される。図3に示されるように、この実施形態では、トレッド部2は、螺旋溝3が設けられている第1領域11と、螺旋溝3の傾斜と同じ向きに傾斜する傾斜溝12がタイヤ周方向に複数本設けられた第2領域13と含んでいる。このようなトレッド部2も、螺旋溝3及び傾斜溝12がタイヤ軸方向成分を有しかつこれらの傾斜の向きが同じであるため、タイヤ軸方向の一方側へ横力を発生させる。
傾斜溝12は、本実施形態では、第2トレッド端Tiからタイヤ軸方向内側にのび螺旋溝3に連通することなく終端するラグ溝として形成されている。なお、傾斜溝12は、このような態様に限定されるものではなく、両端がトレッド部2で終端するクローズドタイプのラグ溝でも良い。
第2領域13のタイヤ軸方向の幅Waは、好ましくは、トレッド接地幅TWの25%〜50%である。これにより、第2領域13によって発生する横力と第1領域11によって発生する横力とがバランス良く組合わさり、タイヤ1として大きな横力を発生させる。第2領域13の前記幅Waは、傾斜溝12のタイヤ軸方向の両端12e、12i間の長さである。
本実施形態では、第1領域11は、第1トレッド端Te側に設けられ、第2領域13は、第2トレッド端Ti側に設けられている。なお、このような態様に限定されるものではなく、例えば、第1領域11が第2トレッド端Ti側に設けられ、第2領域13が第1トレッド端Te側に設けられても良い(図示省略)。また、第1領域11がタイヤ赤道Cを含むトレッド部2の中央部に設けられ、第2領域13が前記中央部よりも第1トレッド端Te側及び第2トレッド端Ti側の2箇所に設けられる態様でも良い(図示省略)。
図4に示されるように、この実施形態では、トレッド部2に、螺旋溝3及び傾斜溝12の他には溝が設けられていない。即ち、この実施形態のトレッド部2に設けられた溝は、全て傾斜の向きが同じである。従って、大きな横力が効果的に発生する。
上述の作用を効果的に発揮させるため、傾斜溝12の溝幅W2は、例えば、5〜20mmが望ましい。傾斜溝12の溝深さ(図示省略)は、例えば、5〜15mmが望ましい。傾斜溝12のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、例えば、10〜45度が望ましい。また、傾斜溝12は、正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの接地面に対して、4〜6本設けられるのが望ましい。
図5は、トレッド部2の他の実施形態である。図5は、縦軸がタイヤ周方向の角度、横軸がタイヤ軸方向を示した、タイヤ1周長さの展開図である。図5に示されるように、トレッド部2には、複数本の螺旋溝3が設けられている。このような螺旋溝3は、タイヤ軸方向成分が大きくなるため、大きな横力を発生する。本実施形態では、2本の螺旋溝3a、3bが設けられている。上述の作用を効果的に発揮させるため、螺旋溝3は、2〜3本設けられるのが望ましい。複数本の螺旋溝3は、トレッド部2の剛性を大きく確保するため、それぞれ傾斜の角度が同じであるのが望ましい。
図6は、螺旋溝3の他の実施形態の断面図である。図6に示されるように、この実施形態では、一端3eから他端3i(図1に示す)まで、第1溝壁4の前記傾斜角度α及び第2溝壁5の前記傾斜角度βが、漸増している。このような螺旋溝3は、第1トレッド端Te側よりも第2トレッド端Ti側で、より大きな横力を発生させることができる。このため、第1トレッド端Te側の剛性を大きく確保しつつ、タイヤ1全体としてより大きな横力を発生させることができる。
次に、本実施形態のようにコニシティを有するタイヤを四輪車両へ装着するための方法が示される。図7は、本実施形態の螺旋溝3が設けられたタイヤ1が装着された四輪車両Tの概略平面図である。図7に示されるように、四輪車両(以下、単に「車両」という場合がある)Tは、前側の左輪F1、右輪F2及び後側の左輪R1、右輪R2を有している。本実施形態の装着方法では、前側の左輪F1と前側の右輪F2とにタイヤ1を取り付ける第1のステップと、後側の左輪R1にタイヤ1を取り付ける第2のステップと、後側の右輪R2にタイヤ1を取り付ける第3のステップとを含んでいる。車両Tの進行方向は、Dの向きである。
第1のステップでは、前側の左輪F1と、前側の右輪F2とに、発生する横力が互いに逆向きになるようにタイヤ1が取り付けられる。具体的には、前側の左輪F1のタイヤ1と、前側の右輪F2のタイヤ1とは、螺旋溝3の傾斜の向きが逆向きである。より具体的には、前側の左輪F1のタイヤ1の螺旋溝3及び前側の右輪F2の螺旋溝3は、共に回転方向Nに向かって車両外側に傾斜する向きに配される。
第2のステップでは、後側の左輪R1に、前側の左輪F1に装着されたタイヤ1とは逆向きの横力を発生するタイヤ1を装着する。具体的には、前側の左輪F1のタイヤ1と後側の左輪R1のタイヤ1とは、螺旋溝3の傾斜の向きが逆向きに取り付けられる。本実施形態では、後側の左輪R1の螺旋溝3は、回転方向Nに向かって車両内側に傾斜する向きに配される。
第3のステップでは、後側の右輪R2に、前側の右輪F2に装着されたタイヤ1とは逆向きの横力を発生するタイヤ1を装着する。具体的には、前側の右輪F2のタイヤ1と後側の右輪R2のタイヤ1とは、螺旋溝3の傾斜の向きが逆向きに取り付けられる。本実施形態では、後側の右輪R2の螺旋溝3は、回転方向Nに向かって車両内側に傾斜する向きに配される。
このようにタイヤ1が取り付けられた車両Tは、スリップ角がゼロである直進走行時において、前側のタイヤ1に作用する横力が、左輪F1、右輪F2、共に車両外側を向き、後側のタイヤ1に作用する横力が、左輪R1、右輪R2、共に車両内側を向くので、前輪、後輪それぞれのコニシティフォースが相殺される。また、前側のタイヤ1に作用する横力が、共に車両外側を向くので、旋回に対する反力がやや大きくなるため、優れた直進安定性能を発揮する。
図8には、本実施形態のタイヤの装着方法でタイヤ1が装着された車両Tの他の実施形態が示される。図8に示されるように、この車両Tでは、前側の左輪F1の螺旋溝3及び前側の右輪F2の螺旋溝3は、共に回転方向Nに向かって車両内側に傾斜する向きに配される。また、後側の左輪R1の螺旋溝3及び後側の右輪R2の螺旋溝3は、回転方向Nに向かって車両外側に傾斜する向きに配される。このような車両Tの場合、スリップ角がゼロである直進走行時において、前側のタイヤ1に作用する横力が、左輪F1、右輪F2、共に車両内側を向き、後側のタイヤに作用する横力が、左輪R1、右輪R2、共に車両外側を向くので、前輪、後輪それぞれのコニシティフォースが相殺される。また、前側のタイヤ1に作用する横力が、共に車両内側を向くので、ハンドル操作に対しやや機敏に操舵力が発生するため、優れたハンドル応答性能を発揮する。
本実施形態のタイヤ1は、螺旋溝3の傾斜の向きとタイヤ1に作用する横力の方向とが一致するため、一般ユーザーであっても、横力の向きを容易に認識しうることができる。従って、本実施形態のタイヤの装着方法を採用することによって、一般ユーザーは、直進安定性能又はハンドル応答性能のいずれかに優れた車両に設定することができる。
また、四輪全てを螺旋溝3の傾斜を同じ向きに揃えたタイヤ1装着することにより、例えば、カントが設けられた路面に対し、優れた直進安定性能を発揮する車両とすることができる。
以上、本発明の実施形態について、詳述したが、本発明は例示の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
図1又は図3の基本パターン及び図2の螺旋溝断面を有するサイズ235/50R18の乗用車用の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、各試供タイヤの横力と、操縦安定性能及びウェット性能とがテストされた。各試供タイヤの主な共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
螺旋溝の溝深さ:8mm
第2溝壁の傾斜角度β:10度
第2領域のタイヤ軸方向の幅Wa/TW:50%
<横力(コニシティフォース)>
タイヤユニフォミティー試験機を用い、JASO C607:2000の「自動車用タイヤのユニフォーミティ試験方法」に準拠して、ラテラルフォースバリエーション(LFV)を測定した。ラテラルフォースバリエーションは、横力の大きさに相当する。結果は、試供タイヤ20本の平均値を求め、比較例1の値を100とする指数で表示した。数値が大きいほど横力が大きく良好である。
リム:18×7JJ
速度:100km/h(高速)
内圧:200kPa
縦荷重:4.0kN
<直進安定性能・ハンドル応答性能>
試供タイヤが、図6及び図7に示されるような装着態様、かつ、下記の条件で、排気量3500ccの後輪駆動車に装着され、テストドライバーが、この車両をアスファルト路面のテストコース上を速度100km/hで走行させ、このときの直進安定性、レーンチェンジでのハンドル応答性に関する走行特性が、ドライバーの官能により評価された。なお、比較例として図8に示されるタイヤについてもテストされた。結果は、10点を満点とする10点法で表示されている。数値が大きいほど良好である。
リム:18×7JJ
内圧:200kPa
テストの結果などが表1に示される。
Figure 2016002886
Figure 2016002886
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、横力が大きいことが確認できる。また、実施例のタイヤの装着方法で試供タイヤが装着された車両は、比較例のタイヤの装着方法で試供タイヤが装着された車両よりも、直進安定性能又はハンドル応答性能のいずれかが優れていることが理解できる。また、タイヤサイズを変化させて同じテストを行ったが、このテスト結果と同じ傾向が示された。さらに、図5の断面を有するタイヤについてもテストを行ったが、本テストと同様の結果が得られた。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 螺旋溝
3e 一端
3i 他端
4 第1溝壁
5 第2溝壁
α 第1溝壁の傾斜角度
β 第2溝壁の傾斜角度
N 回転方向
Te 第1トレッド端
Ti 第2トレッド端

Claims (5)

  1. 回転方向が指定されたトレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部に、前記回転方向に向かって第1トレッド端側から第2トレッド端側へと傾斜するように、タイヤ回転軸の回りを螺旋状にのびる螺旋溝が設けられ、
    前記螺旋溝は、前記第1トレッド端側の第1溝壁と、前記第2トレッド端側の第2溝壁とを有し、
    前記螺旋溝の一端から他端まで、前記第2溝壁のトレッド法線に対する傾斜角度が、前記第1溝壁のトレッド法線に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1溝壁の前記傾斜角度と前記第2溝壁の前記傾斜角度との差は、5度以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド部は、前記螺旋溝が設けられている第1領域と、
    前記螺旋溝の傾斜と同じ向きに傾斜する傾斜溝がタイヤ周方向に複数本設けられた第2領域と含む請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された空気入りタイヤを四輪車両へ装着するための方法であって、
    前記四輪車両において、前側の左輪と前側の右輪とに、それぞれ、発生する横力が互いに逆向きになるように空気入りタイヤを装着するステップと、
    前記四輪車両の後側の左輪に、前記前側の左輪に装着された空気入りタイヤとは逆向きの横力を発生する空気入りタイヤを装着するステップと、
    前記四輪車両の後側の右輪に、前記前側の右輪に装着された空気入りタイヤとは逆向きの横力を発生する空気入りタイヤを装着するステップとを含むことを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
  5. 前記前側の左輪の空気入りタイヤと、前記前側の右輪の空気入りタイヤとは、前記螺旋溝の傾斜の向きが逆向きであり、
    前記前側の左輪の空気入りタイヤと、前記後側の左輪の空気入りタイヤとは、前記螺旋溝の傾斜の向きが逆向きであり、
    前記前側の右輪の空気入りタイヤと、前記後側の右輪の空気入りタイヤとは、前記螺旋溝の傾斜の向きが逆向きである請求項4記載の空気入りタイヤの装着方法。
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