JP2016001381A - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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健夫 五十嵐
信行 梅谷
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信行 梅谷
裕己 小山
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Abstract

【課題】飛行体の翼の形状に対する自由なデザインを可能にし、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを可能にする。【解決手段】情報処理装置は、飛行体の翼の形状データを入力する入力部と、それぞれ異なる翼を有する複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて機械学習により求められた学習データと、入力された形状データとに基づいて、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータを算出する算出部であって、学習データは、翼の形状データと、シミュレーションに用いるパラメータとの関係が、複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて学習されたデータである、算出部と、算出部により算出されたパラメータを用いて、入力された形状データに基づく飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行うシミュレーション部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、飛行体に対する飛行軌跡のシミュレーションを行う情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
従来、翼理論を用いて飛行体の翼にかかる空気力学的な力を推定する研究がなされている(例えば非特許文献1)。
また、飛行体のデザインをする際、長方形などのよく知られた形状の翼にかかる空気力学的な力を示すパラメータ(以下、物理パラメータともいう。)に基づき、翼の形状を微調整することにより、物理パラメータを最適化する技術がある(例えば非特許文献2)。
ABBOTT, I. H. 1959. Theory of Wing Sections: Including a Summary of Airfoil Data. Dover Publications. SOBIESZCZANSKI-SOBIESKI, J., AND HAFTKA, R. T. 1997. Multidisciplinary aerospace design optimization: survey of recent developments. Structural optimization 14, 1, 1-23.
しかしながら、従来技術では、飛行体をデザインし、この飛行体の飛行軌跡をシミュレーション(以下、飛行シミュレーションともいう。)するとき、飛行シミュレーションに用いられる翼理論に基づく物理パラメータが既知となっている形状を微調整することしかできなかった。物理パラメータが既知である形状として、例えば長方形がある。
これは、飛行シミュレーションを行う場合、その翼の形状に対する物理パラメータが知られている必要があるが、任意の形状に対する物理パラメータは知られていないからである。任意の形状の物理パラメータを求めるためには、風洞実験を行う必要がある。しかし、この風洞実験は、風洞自体の製造、維持コストに加え、試験体の製作コストが大きいため、容易に行うことができるものではない。そのため、風洞実験が行われ、物理パラメータが既知となっている翼の形状が限られているのが現状である。
よって、従来技術では、翼の形状を自由にデザインした場合、任意の形状の物理パラメータが知られていないため、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを行うことができなかった。
そこで、本発明の所定の態様は、飛行体の翼の形状に対する自由なデザインを可能にし、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを可能にすることができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の一態様における情報処理装置は、飛行体の翼の形状データを入力する入力部と、それぞれ異なる翼を有する複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて機械学習により求められた学習データと、前記入力部により入力された形状データとに基づいて、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータを算出する算出部であって、前記学習データは、翼の形状データと、前記シミュレーションに用いるパラメータとの関係が、前記複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて学習されたデータである、算出部と、前記算出部により算出されたパラメータを用いて、前記入力された形状データに基づく飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行うシミュレーション部と、を備える。
また、本発明の他の態様における情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、飛行体の翼の形状データを入力する入力ステップと、それぞれ異なる翼を有する複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて機械学習により求められた学習データと、入力された形状データとに基づいて、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータを算出する算出ステップであって、前記学習データは、翼の形状データと、前記シミュレーションに用いるパラメータとの関係が、前記複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて学習されたデータである、算出ステップと、算出されたパラメータを用いて、前記入力された形状データを有する飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行うシミュレーションステップと、を有する。
本発明の所定の態様によれば、飛行体の翼の形状に対する自由なデザインを可能にし、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを可能にすることができる。
実施形態における情報処理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 実施形態における情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。 実施形態における情報処理装置の処理手順の概要について説明する図である。 実施形態におけるデザインツールの画面例を示す図である。 飛行体のローカル係数を説明するための図である。 実施形態における算出部の構成の一例を示すブロック図である。 翼を各要素に離散化することを説明するための図である。 機械学習により求められた離散サンプリング集合の一例を示す図である。 飛行中の飛行体にかかる力の構成の一例を示す図である。 物理モデルを求めるために用いられた20機の飛行体の例を示す図である。 機械学習のための実験を説明する図である。 実施形態における調整部の構成の一例を示すブロック図である。 第1コスト関数を説明するための図である。 実施形態におけるデザインツールの画面の一例を示す図である。 最適化機能の使用前のツール画面の一例を示す図である。 最適化機能の使用後のツール画面の一例を示す図である。 本実施形態における空気力学的なモデルの妥当性(その1)を説明するための図である。 本実施形態における空気力学的なモデルの妥当性(その2)を説明するための図である。 実験結果を示す図である。 実施形態における飛行体の形状データの入力からシミュレーション結果を表示するまでの処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態における算出処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態における調整処理の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[実施形態]
<構成>
図1は、実施形態における情報処理装置10の概略構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read only Memory)106と、ドライブ装置108と、ネットワークI/F(Interface)110と、入力装置112と、表示装置114とを有する。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
CPU102は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行う制御部である。また、CPU102は、RAM104又はROM106に記憶された、飛行体の形状の入力に基づきシミュレーションを行うアプリケーションプログラムを実行する演算装置である。CPU102は、入力装置112やネットワークI/F110などから形状データを受け取り、演算、加工した上で、演算結果を表示装置114や記憶装置などに出力する。
RAM104は、例えば主記憶部などである。RAM104は、CPU102が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
ROM106は、例えばアプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
ドライブ装置108は、記録媒体116、例えばCD−ROMやSDカードなどからプログラムやデータを読み出し、記憶装置にインストールしたりダウンロードしたりする。
また、記録媒体116に、所定のプログラムを格納し、この記録媒体116に格納されたプログラムはドライブ装置108を介して情報処理装置10にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、情報処理装置10により実行可能となる。
ネットワークI/F110は、通信機能を有する周辺機器と情報処理装置10とのインターフェースである。また、ネットワークI/F110は、例えば、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続される。
入力装置112は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示装置114の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライドパッド等を有する。また、入力装置112は、ユーザがCPU102に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインターフェースである。
表示装置114は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU102から入力される表示データに応じた表示が行われる。なお、入力装置112や表示装置114は、情報処理装置10の外部に設けられてもよい。
<機能>
次に、情報処理装置10の機能について説明する。図2は、実施形態における情報処理装置10の機能の一例を示すブロック図である。図2に示す情報処理装置10は、演算部200と、学習データ記憶部214と、記憶部216とを備え、演算部200は、入力部202と、算出部204と、学習部206と、シミュレーション部208と、調整部210と、表示制御部212とを少なくとも備える。
なお、図2に示す演算部200は、例えばCPU102やワークメモリとしてのRAM104などにより実現されうる。CPU102は、飛行体の形状の入力に基づきシミュレーションを行うアプリケーションプログラムを実行することで、演算部200内の各部の機能を実行することができる。また、学習データ記憶部214は、例えばROM106及び/又はRAM104により実現されうる。記憶部216は、例えばRAM104及び/又はROM106により実現されうる。
入力部202は、RAM104、ROM106、ネットワークI/F110、又は入力装置112などから、飛行体の翼の形状データを入力する。以下に示す例では、表示装置114が、飛行体を描画可能な領域を画面上に表示し、ユーザは、入力装置112を用いて飛行体の翼の形状を自由にデザインすることで、飛行体の翼の形状データが入力部202に入力される。
なお、ユーザが飛行体をデザインする際、胴体の形状は固定されており、翼部分の形状をデザイン可能としたり、胴体部分の形状もデザイン可能としたりしてもよい。また、翼は、主翼を含み、水平尾翼、及び/又は垂直尾翼を含んでもよい。
算出部204は、入力部202により入力された形状データを取得し、この形状データ及び学習データに基づいて、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータ(物理パラメータ)を算出する。学習データは、それぞれ異なる翼を有する複数の飛行体の飛行軌跡のデータ(以下、飛行データともいう。)を用いて、各翼の形状データと、物理パラメータとの関係が機械学習により求められたデータである。これにより、情報処理装置10は、学習データを用いることで、任意の形状を有する翼の物理パラメータを求めることができる。
学習データは、例えば、予め複数の飛行体が実際に飛ばされ、その飛行軌跡が計測された飛行データを用いて、学習部206により機械学習されたデータである。学習データの詳細については後述する。また、機械学習された学習データは、学習データ記憶部214に記憶される。算出部204は、必要に応じて学習データ記憶部214から学習データを読み出す。物理パラメータは、例えば、飛行方向の反対方向に働く抗力を示す第1パラメータと、揚力を示す第2パラメータと、ピッチングモーメントを示す第3パラメータとを含む。
学習部206は、任意形状の翼を有する飛行体の飛行データと、所定形状(例えば長方形)の物理パラメータに基づく飛行軌跡のシミュレーション結果のデータとをフィッティングすることにより、任意形状の翼に対する物理パラメータを調整する。学習部206は、調整した物理パラメータと、翼の任意形状との関係を有する物理モデルを規定し、この物理モデルを学習データとして生成する。なお、学習部206は、他の装置に設けられ、情報処理装置10は、他の装置で求められた学習データを取得して保持するようにしてもよい。
シミュレーション部208は、算出部204により算出された物理パラメータを用いて、入力部202により入力された形状データに基づく飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行う。例えば、シミュレーション部208は、算出された物理パラメータを入力パラメータとし、飛行軌跡をシミュレーションする公知のシミュレーション技術を用いればよい。
調整部210は、シミュレーション部208によるシミュレーションの結果が示す飛行距離が長くなるように、翼の位置及び/又は翼の胴体に対する取付角度などを調整する。なお、ここでいう調整は、最適化とも称する。例えば、調整部210は、飛行体の飛行距離に影響を与えるコスト関数を用いて翼の位置等を最適化する。これにより、情報処理装置10は、飛行体が飛ぶように自動で調整することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
また、調整部210は、飛行体のデザインと、飛行距離とを視覚的に画面に表示させながら、調整処理を行ってもよい。なお、調整部210は、情報処理装置10にとって、必ずしも必要な構成ではない。
表示制御部212は、飛行体の翼の形状を描画可能な表示領域と、シミュレーションの結果を表示する表示領域とを含む画面を表示装置114に表示するよう制御する。これにより、ユーザは、飛行体のデザインをしながら、その飛行体のシミュレーション結果を見ることで、自分がデザインした飛行体が良好に飛ぶか否かを迅速に把握することができる。なお、表示制御部212は、描画可能な表示領域と、シミュレーション結果の表示領域とを別の画面で同時に表示するようにしてもよい。画面の見せ方をどうするかは適宜設計変更可能である。また、描画可能な表示領域において、飛行体全体のデザインを行うことができるようにしてもよい。
学習データ記憶部214は、例えば、学習部206により機械学習された学習データを記憶する。記憶部216は、例えば、入力された形状データや、シミュレーション中の処理データなどを記憶し、その他、本アプリケーションプログラムに関するデータを記憶してもよい。
<処理手順の概要>
図3は、実施形態における情報処理装置10の処理手順の概要について説明する図である。図3に示すように、情報処理装置10の処理手順は、大きく(A)オフライン処理と、(B)オンライン処理とに分かれる。(A)オフライン処理は、例えば学習処理であり、(B)オンライン処理は、例えばデザイン入力処理、及びシミュレーション処理である。以下、飛行体は、グライダーを例にして説明する。
図3(A)に示すオフライン処理は、以下の手順で行われる。
(1)サンプルの飛行体の作成
様々な形状をした飛行体が作成される。例えば、主翼の形状や位置、角度、尾翼の形状や位置、角度などが異なる飛行体が作成される。
(2A)飛行実験
各飛行体は、発射角度や発射速度などが変えられ、実際の飛行体の飛行軌跡を示す飛行データが計測される。例えば、各飛行体の発射速度又は発射角度などを含む発射条件が変更され、各発射条件での飛行体の飛行軌跡がビデオカメラにより撮影される。飛行データとしては、撮影データに基づいて求められた飛行距離、飛行高さなどを含む。各飛行体に対して、それぞれの飛行データが求められる。飛行データは、例えば横軸を飛行距離(D)、縦軸を高さ(H)とするグラフである。これらの飛行データは、学習部206に入力される。
(2B)初期シミュレーション
学習部206は、既知の物理パラメータを用いて、各発射条件での飛行体の飛行軌跡をシミュレーションにより求める。ここでは、既知の物理パラメータとして、長方形の翼の物理パラメータが用いられる。シミュレーション結果は、例えば横軸を飛行距離(D)、縦軸を高さ(H)とするグラフである。
(3)フィッティング
学習部206は、翼の形状と翼にかかる力との関係を示す物理モデルを求める。この物理モデルは、放射基底関数を用いて表される。また、この物理モデルは、翼の平面形状を用いることで次元数を減らし、計算を簡単にすることができる。学習部206は、実際に計測された飛行データと、シミュレーション結果のデータとをフィッティングすることにより、物理モデルのパラメータを求める。
(4)物理モデル
(4)に示す物理モデルは、学習部206により、(3)のフィッティングを行うことで求められる。
図3(B)に示すオンライン処理は、以下の手順で行われる。
(5)ユーザの編集
ユーザは、飛行体のデザインツールを用いて、例えば翼の形状や位置等を編集する。演算部200は、この編集内容及び(3)で求められた物理モデルに基づいて飛行シミュレーションを行い、シミュレーション結果を表示する。ユーザは、このシミュレーション結果を見ることで、自身がデザインした飛行体がどれくらい飛ぶかをリアルタイムで把握することができる。
(6)リアルタイムの編集
調整部210は、例えば、翼の位置や取付角度などを自動で調整し、調整後の翼によるシミュレーションを行わせる。調整部210は、このシミュレーションを繰り返し行わせることで、飛行体が飛ぶように翼の位置や取付角度などを調整することができる。
(7A)(7B)
(7A)に示すシミュレーション結果は、飛行軌跡が不良であることを示す。(7B)にシミュレーション結果は、飛行軌跡が良好であることを示す。(6)の処理により、調整部210は、翼の位置や取付角度などを自動調整することで、飛行軌跡を(7A)に示すデータから(7B)に示すデータに変えることができる。
これにより、飛行体の翼の形状に対する自由なデザインを可能にし、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを可能にすることができる。さらに、ユーザは、リアルタイムでシミュレーション結果を見ながら、飛行体のデザインを行ったり、飛行体が飛ぶように自動調整機能を使ったりすることができる。
<各部の具体的処理>
次に、各部の具体的な処理を、具体例を用いながら説明する。まず、飛行体のデザインを含むデータの入力処理について説明する。
≪入力処理≫
入力部202は、飛行体のデザインツールを用いてデザインされた飛行体の形状データを入力する。図4は、実施形態におけるデザインツールの画面例を示す図である。図4に示すデザイン領域で、ユーザは、例えば、飛行体の翼部分を自由にデザインすることが可能である。図4に示す例は、ユーザが、入力装置112を用いて翼250を入力した例である。また、ユーザは、尾翼などを変更してもよい。
≪パラメータ算出処理≫
算出部204は、飛行シミュレーションに用いる物理パラメータを算出する。ここでは、物理パラメータとして、例えば飛行方向の反対方向に働く抗力を示す第1パラメータと、揚力を示す第2パラメータと、ピッチングモーメントを示す第3パラメータとが用いられる。これらの3つの力のバランスが保たれるとき、飛行体は安定して飛行する。算出部204は、翼理論に基づいて、上述した3つのパラメータを求める。ここで、翼理論を説明する前に、ローカル係数について説明する。
図5は、飛行体のローカル係数を説明するための図である。図5(A)は、飛行体のローカル係数を示す図である。図5(B)は、横方向(Z方向)から見たときの翼に働く力を示す図である。
図5(A)に示すように、飛行体は胴体周りに左右対称となっていることがほとんどである。よって、実施形態でも、左右対称の翼を用いて説明する。図5に示すように、飛行体は、XY平面に対し、左右対称になっており、X方向は飛行方向であり、Y方向は縦軸とする。Z軸は、ピッチと呼ばれる飛行体の回転軸とし、翼は、Z軸周りに回転する。Φは、空気力学的な力が翼にかかる位置を表す。
図5(B)に示すように、飛行方向であるX軸方向に速度Vで移動している際、X軸と翼の取付角度との間の角度をαとする。また、位置Φにおいて、翼には、速度とは反対方向に働く抗力を示す第1パラメータfd、空気力学的な力の垂直方向の揚力を示す第2パラメータfl、Z軸方向のモーメントを示し、ピッチングモーメントと呼ばれる第3パラメータτzのそれぞれの力がかかる。
ここで、図5(B)に示す力が翼にかかるようにするため、以下の条件が用いられる。
・翼は、Z軸方向の要素が0であり、速度Vで一定に動く。
・位置Φにおける力の代表値は、翼表面に分配された圧力を積分した値とする。
・位置Φにおけるトルク(モーメント)は、翼表面の圧力、及び表面と位置Φとの距離の外積の積分値とする。
・モーメントは、Z軸方向の要素だけであり、その他の要素は考慮しない。
次に、翼に働く力は、多くのパラメータによって変更されうる。例えば、このパラメータとして、空気密度ρ、翼の速さV=|V|、翼の形状S、角度α(以下、アタック角度αともいう。)などがある。
しかし、計算を簡単にするため、レイノルズスケーリング法(Reynolds's Scaling law)が用いられて次数が減らされる。2次元の平面形状Sは、スケーリング係数L(L∈R of S(L))を用いる。この方法により、翼表面に分配された圧力は、レイノルズ数Re=ρVL/μが一定であるとき、1/2ρV2に比例する。空気力学的な力fd、flは、翼表面の力を積分した圧力であり、よって、L2に比例し、翼領域Aに比例する。モーメントは、モーメントアームと表面圧力との間の外積の積分値であり、よって、L3又はL×Aに比例する。したがって、抗力と揚力などは、式(1)により表される。
ここで、Cdは、抗力係数、Clは、揚力係数、Cmは、ピッチングモーメント係数である。これらの係数は、無次元であり、アタック角度α、レイノルズ数Re、A=1の領域の正規化された平面形状S’によりパラメータ化される。
空気力学エンジニアリングの分野では、異なる条件(α,Re,S’)のもとで、これらの係数Cd,Cl,Cmがどのように変化するかが研究されている。これらの係数は風洞実験により求められるが、風洞実験を行うのは容易ではないため、発明者らは、以下の単純なアプローチで、これらのパラメータを求めることを提案する。
(翼の離散化)
単純なアプローチとして、任意形状の翼について物理パラメータを求めるため、翼を離散化することについて説明する。図6は、実施形態における算出部204の構成の一例を示すブロック図である。算出部204は、翼を離散化して、シミュレーションに用いるパラメータを求めるため、例えば分割部302と、第1算出部304と、第2算出部306とを有する。
分割部302は、入力された形状データを、飛行方向に対して複数の形状データに分割する。第1算出部304は、分割された形状データごとに、学習データを用いてシミュレーションに用いるパラメータを算出する。第2算出部306は、第1算出部304により算出された各パラメータを積分することで、入力された形状データ全体のパラメータを算出する。これにより、算出部204は、風洞実験を行わなくても、適切なパラメータを求めることができる。以下、翼の離散化について詳細に説明する。
図7は、翼を各要素に離散化することを説明するための図である。図7に示す例では、胴体402に対して片側の翼の離散化が記載されている。他方の翼についても同様に離散化されればよいが、ここでは、左右対称の翼を例にするため、片側の離散化について説明する。ここで、空気力学的な用語として、リーディングエッジ(leading edge)と呼ばれる風上のエッジ404と、トレイリングエッジ(trailing edge)と呼ばれる風下のエッジ406と、コードレングス(chord length)と呼ばれる長さlがある。
図7に示すように、分割部302により、翼は、飛行方向、つまり、X軸に垂直な方向に対して、Δzごとにスライスされ、各翼要素に離散化される。翼要素は、略台形とみなすことができる。長さlは、翼要素の水平方向の長さに対応する。台形のエッジ404とエッジ406との角度は、それぞれξt、ξlと定義される。
ここで、Z方向の速さに比べて、(X,Y)方向において翼の速さはより速いと考えられる。よって、発明者らは、Z方向の形状の差異に対して単純化されたモデルを用いる。翼要素が充分にスムーズであれば、翼要素の平面形状は、角度パラメータξt、ξlを用いて求めることができる。
翼Sが翼要素si(i=1,...,N)を有するとする。図7に示すように、各siについて、エッジ404から風下の方に0.25lのところを位置piとし、この位置のモーメントが求められる。
各翼要素siに働く力は、次の式(2)によって第1算出部304により求められる。各翼要素siに働く力は、位置Φに対する抗力、揚力、ピッチングモーメントに貢献する。
ここで、aiは、翼要素の領域であり、diは、piとΦとの距離である。
翼要素に対するこられの各係数c=(cd,cl,cm)は、4次元のパラメータベクトルε∈(α,Re,ξt,ξl)でパラメータ化される。ここで、Re(=ρV/μ)は、その要素におけるレイノルズ数である。第2算出部306は、これらの力を、位置Φでの全体の力として計算するために積分する。
ここで、第1算出部304は、散布データの内挿法(scattered data interpolation approach)を用いることで、翼要素のモデルに対する係数cを求めることができる。入力パラメータεと出力係数cとの間の関係は、関数c(ε):R4→R3により表される。第1算出部304は、いくつかのサンプリング点εk=(αk,Rek,ξt k,ξl k)において、出力係数値c(εk)=(cd k,cl k,cm k)を内挿することにより、この関数を離散的に表すことができる。ここで、kは、k∈K(Kはサンプリング点のセットである。)とする。
図8は、機械学習により求められた離散サンプリング集合の一例を示す図である。図8に示すデータは、学習部206により機械学習されて求められた学習データである。図8に示すデータの求め方の詳細については後述する。なお、第1算出部304は、図8に示すデータを用いて、各翼要素の物理パラメータを求める。
次に、サンプリング点(例えば、RBFの中心)間の内挿については、放射基底関数(Radial Based Functions:RBFs)が用いられる。アタック角度αについて、偶関数であるcdと、奇関数であるcl、cmとを自動的に補強するため、RBF内挿が実行される。
ここで、入力パラメータ空間におけるα=0の超平面で対称に位置される、各サンプリング点εkに対するゴーストサンプリング点ε‐k=(−αk,Rek,ξt k,ξl k)を用いて、このパリティが補強される。ゴーストサンプリング点の出力係数値は、c(ε-k)=(cd k,−cl k,−cm k)により設定される。よって、出力係数の関数は、次の式(3)により定義される。
ここで、ψ:R(Rはスカラーカーネル関数である。)、wk=(wd k,wl k,wm k)∈R3は、k番目のサンプリング点の重みである。標準的なRBF技術を用いることで、抗力係数、揚力係数、ピッチングモーメント係数に対する重みを求めることができる。
ゴーストサンプリング点に対する重みは、以下のとおりである。
d -k=wd k
l -k=−wl k
m -k=−wm k
なお、ガウシアンカーネルψ(r)=exp(−r2)が用いられる。ここで、距離rは、パラメータεの距離の平方ノルムである。
以上より、第1算出部304は、式(3)を用いて、各翼要素の物理パラメータの係数c(ε)を求める。第1算出部304は、式(2)を用いて、係数c(ε)から各翼要素の物理パラメータを求める。
第2算出部306は、第1算出部304により求められた各翼要素の物理パラメータを積分することで、翼全体の物理パラメータを求めることができる。
≪シミュレーション処理≫
次に、パラメータ算出処理で求められた物理パラメータを用いて行われるシミュレーションについて説明する。
図9は、飛行中の飛行体にかかる力の構成の一例を示す図である。図9に示す、パラメータ化された翼の力を用いて、シミュレーション部208は、飛行体の飛行軌跡をシミュレーションする。
ここで、シミュレーションに用いるワールド係数について説明する。3次元の係数として(x,y,z)が用いられる。y軸は、飛行軌跡を描くための垂直方向の軸である。飛行体は、時間t=t0で発射され、飛行体がxy平面を飛ぶように、発射条件が仮定される。飛行体のローカル係数からワールド係数への変換は、次の式で表される。
(x(t),y(t))T=Q(β(t))(X,Y)T+(px(t),py(t))
z(t)=Z
ここで、(X,Y,Z)と(x,y,z)は、それぞれローカル係数及びワールド係数に表された同一の点である。Qは、2次元の回転マトリックスである。βは、Rに含まれ、ワールド係数における飛行体のピッチング角度である。(px,py)は重心の位置を表す。
飛行体は、方向θ(t)において速さVで飛ぶ。
V=||p(t)||
θ(t)=−tan-1{py(t)/px(t)}
ここで、飛行体が下降しているとき、θのsign値は、正の値を取る。飛行体は、相対的な角度γ=θ+βで飛ぶので、この角度は、アタック角度である。
図9に戻り、飛行体に働く空気力学的な力について説明する。Sj(j=1,...,#wing)は、飛行体における翼である。各翼に対するアタック角度は、αj=γ+Θjである。ここで、Θjは、翼jに対する取付角度である。
ここで、第1算出部304は、上述したように、翼jに対する力(fd j,fl j,τz j)を算出する。
第2算出部306は、以下の計算を行う。
d=Σfd j
dは、飛行方向において生成される全体の抗力である。
l=Σfl j
lは、飛行方向に垂直な方向に生成される全体の揚力である。
飛行体の重心でピッチングモーメントが計算される。取付位置と重心とは異なるので、全体のピッチングモーメントに対して全体のピッチングモーメントTzに対して、線形の力を考慮する。
z=Στz j+φx jl+φy jd
ここで、(φx,φyT=Q(γ)(ΦX,ΦYT
シミュレーション部208は、飛行体の動きを式(4)を用いて求める。
ここで、(Fx,FyT=Q(θ)(Fd,FlT、Mは、飛行体の質量であり、Iは重心で計測されるピッチング回転の回転慣性力である。シミュレーション部208は、式(4)を順次積分していくことで、飛行体の軌跡を求める。例えば、今回の積分については、ベレの方法(Verlet integration)が用いられる。
上述したように、シミュレーション部208は、飛行体の軌跡を求める。翼要素の空気力学的な係数c(ε)と、飛行体の形状とが与えられれば、シミュレーション部208は、飛行体の軌跡を算出することができる。
≪学習処理≫
発明者らは、複数の飛行体(例えば20機の飛行体)をデザインし、翼要素モデルに対して、物理的に正当なパラメータにフィットさせる。各飛行体は、様々な形状を有する。
図10は、物理モデルを求めるために用いられた20機の飛行体の例を示す図である。図10に示すように、主翼の形状が様々あり、また、尾翼の位置が様々である。飛行体の構成として、例えば1mmの薄い胴体を有する。重みを付加するため、飛行体のヘッド部分に重みが付与される。
図11は、機械学習のための実験を説明する図である。図11(A)は、発射装置を示す。図11(A)に示す例では、発射力は、ゴムなどの弾性体によって与えられる。また、発射速度V0と、ピッチ角度β0と、時間t0とは正確に計測することは困難であるので、学習部206は、これらの値を求める必要がある。
図11(B)は、飛行体の移動を追跡する様子を示す図である。図11(B)に示す例では、発射装置の後ろと横から、発射された飛行体の軌跡を撮影する。発明者らは、1920×1180の解像度で、毎秒30フレームのビデオカメラで撮影した。
(パラメータ推定アルゴリズム)
学習部206は、翼要素の空気力学的な係数を求めるために、シミュレートされた軌跡と実際に取得された軌跡とをフィットさせる。学習部206は、翼要素の空気力学的な係数を、内挿関数c(ε)としてモデル化する。c(ε)は、離散パラメータεkでサンプリングされる。
よって、学習部206は、サンプリング点ck=c(εk)において、係数の値を最適化することで、その関数を求めることができる。
実際の飛行体の軌跡は、離散軌跡点qm l∈R2{m=1,...,Nl}として、それぞれの発射lについて追跡される。このとき、ビデオカメラのフレームレートは、Δt=1/30である。ここで、Lは、全ての飛行体についての発射の集合である。各発射に対して、追跡点Nlの数は、一般的に15から20の範囲に収まる。
ここで、学習部206は、正確な発射条件を単純な発射台(例えば図11(A)参照)から求めるのは困難であるので、翼要素の空気力学的な係数の最適化とともに、発射条件(速度、方向、タイミング)を取得する。
そこで、実施形態では、発射条件と係数の両方のパラメータセットを同時に最適化するため、2つの最適化がインターリーブされる。各発射l∈Lについて、発射条件σl=(V0,θ0,β0,t0)は初期追跡点qiによって推定される。初期追跡点qiは、式(5)によって、表される。
ここで、pl(t0+mΔt)は、時間t=t0+mΔtの後にシミュレートされた飛行体の位置として定義される。例えば、M=10が選択される。初期の発射パラメータが与えられると、サンプリング点ckでの係数は、全ての発射に対する軌跡にフィットするように最適化される。
式(5)及び(6)における2つの最適化問題は、勾配降下法(gradient descent method)を用いて解くことができる。これにより、学習部206は、発射条件と翼要素のパラメータの両方に対する適切なパラメータを求めることができる。
≪調整処理≫
次に、飛行体を飛ぶようにするため、翼の位置や取付角度を調整する処理例について説明する。図12は、実施形態における調整部210の構成の一例を示すブロック図である。図12に示す調整部210は、コスト算出部502と、デザイン調整部504とを有する。
コスト算出部502は、デザイン調整部504により最適化された形状に基づき、ピッチング角度に関する第1コスト、揚力に関する第2コスト、抗力に関する第3コストを少なくとも1つ以上用いるコスト関数によりコストを算出する。
デザイン調整部504は、翼の位置及び/又は翼の胴体に対する取付角度を最適化する。調整部210は、コスト算出部502により算出されたコストが最小化されるように、翼の位置及び/又は翼の胴体に対する取付角度を最適化する。
(第1コスト)
コスト算出部502は、第1コストC1を式(7)により算出する。
ここで、Tzが負であれば、Tz -(V,γ)は−Tz(V,γ)であり、Tzが正であれば、Tz−(V,γ)は0である。同様に、Tzが負であれば、Tz +(V,γ)はTz(V,γ)であり、Tzが正であれば、Tz(V,γ)は0である。
この第1コストは、ピッチング角度が安定しているか否かを判定するための尺度となる。ピッチング角度が安定していると、飛行体は長く、安定的な飛行を行うことができる。よって、この第1コストは、飛行状態をシミュレートする際に重要な要素となる。また、アタック角度が小さいときは、正のピッチング角度を生成すべきであり、アタック角度が大きいときは、負のピッチング角度を生成すべきである。すなわち、アタック角度が小さいとき(γ=γmin)、ピッチングモーメントは正であり(Tz(V,γmin)>0)、アタック角度が大きいとき(γ=γmax)、ピッチングモーメントは負である(Tz(V,γmax)<0)ならば、安定した飛行を行うことができる。
図13は、第1コスト関数を説明するための図である。図13(A)は、安定した飛行を説明するための図である。図13(A)に示すような良好な飛行状態を示すとき、第1コストは小さくなる。図13(B)は、不安定な飛行を説明するための図である。図13(B)に示すような不安定な飛行状態を示すとき、第1コストは大きくなる。
(第2コスト)
コスト算出部502は、第2コストC2を式(8)により算出する。
なお、実際の垂直方向の力は、Flではなく、Fy=Flcosθ+Fdsinθである。ここで、θは、図9に示すθである。
揚力が小さいと、飛行体は降下してしまい、揚力が大きいと、飛行体は上昇してしまう。よって、揚力と重力とが、ある範囲内で同等であると、飛行体は安定して飛行する。式(8)に示す第2コストは、このコストが小さいほど、飛行体はより安定して飛行することを示す。
(第3コスト)
コスト算出部502は、第3コストC3を式(9)により算出する。
抗力は、飛行体を後ろ方向に引っ張るので、この抗力は小さい方がよい。したがって、式(9)に示す第3コストは、このコストが小さいほど、飛行体はより減衰せずに飛行することができる。
(コスト関数の最小化)
コスト算出部502は、全体のコスト関数を例えば次のとおり規定する。
C(F)=w11+22+C3
ここで、w1は、例えば100であり、w2は、例えば1である。調整部210は、最急降下法(steepest descent method)を用いて、コスト関数C(F)が最小となるように翼の位置と、取付角度とを最適化する。なお、コスト算出部502は、第1〜第3コストのうち、少なくとも1つのコスト(例えばC1)を用いたり、上述したように、複数のコストを組み合わせて1つのコスト関数とし、そのコスト関数により求められるコストを用いたりしてもよい。
≪表示制御処理≫
次に、実施形態におけるデザインツールの表示制御処理について説明する。図14は、実施形態におけるデザインツールの画面の一例を示す図である。図14に示すように、表示制御部212は、ツールの画面上に、飛行体の形状をデザイン可能とする表示領域702と、シミュレーション結果を表示する表示領域704とが表示されるように制御する。これにより、ユーザは、自身がデザインした飛行体が、どれくらい飛ぶのかをリアルタイムで把握することができる。
次に、ユーザが、飛行体が飛ぶように最適化を行う機能を用いる場合について説明する。図15は、最適化機能の使用前のツール画面の一例を示す図である。図15に示す例では、表示領域810には、良好ではないシミュレーション結果が表示されている。また、ユーザがデザインした飛行体の翼802は、図15に示す位置にある。このとき、ユーザは、飛行体が飛ぶようにするため、最適化機能を示す「Make It Fly」のチェックボックスC12にチェックを付ける。調整部210は、このチェックボックスC12にチェックが入ったことを検知すると、最適化処理を実行する。
図16は、最適化機能の使用後のツール画面の一例を示す図である。図16に示す例では、調整部210の最適化処理により、飛行体の翼902の位置が、図15に示す位置よりも後方及び上方に移動する。この最適化処理により、表示領域910には、良好なシミュレーション結果が表示される。
<本実施形態における空気力学的モデルの有効性>
図17は、本実施形態における空気力学的なモデルの有効性(その1)を説明するための図である。図17に示す例では、形状が異なる4つの飛行体について、実測の軌跡1(acquired trajectory)、実施形態におけるモデルを用いたシミュレーションによる軌跡2(fitted trajectory)、任意形状の翼を長方形の翼とみなしたモデルを用いたシミュレーションによる軌跡3(empirical wing element)を表す。
また、図17には、それぞれの軌跡1〜3に対し、発射条件が異なる2つの軌跡を示す。軌跡2について、実施形態におけるモデルを用いたシミュレーションは、式(5)及び(6)により求められたパラメータを用いている。
図17(A)に示す例では、翼の形状がもともと略長方形であるので、シミュレーション結果である軌跡2、3は、実測の軌跡1と同様である。他方、図17(B)〜(D)に示す例では、翼の形状が長方形ではないので、実施形態におけるモデルを用いてシミュレーションを行った結果である軌跡2は、実測の軌跡1と同様であり、長方形の翼と見なしてシミュレーションを行った結果である軌跡3は、実測の軌跡1とは異なる。つまり、実施形態におけるモデルを用いることは有効であることが分かる。
図18は、本実施形態における空気力学的なモデルの有効性(その2)を説明するための図である。図18に示す例では、形状が異なる4つの飛行体について、実測の軌跡1(acquired trajectory)、実施形態におけるモデルを用いたシミュレーションによる軌跡2(our simulation)、任意形状の翼を長方形の翼とみなしたモデルを用いたシミュレーションによる軌跡3(empirical wing element)、弾道学を用いた軌跡4(ballistic trajectory)を表す。軌跡4は、空気力学的な力がないとしたときに計算される軌跡である。
図18(E)〜(H)全てにおいて、実施形態におけるモデルを用いた軌跡2は、他の軌跡3,4に比べて、実測の軌跡1に一番近い。したがって、実施形態におけるモデルを用いることは有効であることが分かる。
<ユーザスタディ>
次に、実施形態におけるデザインツールの有効性を実証する実験結果について説明する。飛行体のデザインや知識がない4人の参加者に対し、2つの実験が行われた。
(実験1)
・参加者は、従来の方法で飛行体をデザインする。参加者に対し、シミュレーション結果と最適化とのフィードバックは行われない。
・参加者は、デザインした飛行体のシミュレーション結果を見る。
・参加者は、上記を3回まで繰り返すことが可能である。
(実験2)
・参加者は、実施形態におけるデザインツールを用いて飛行体のデザインを行う。このとき、参加者は、飛行体が飛ぶようにするため、リアルタイムで最適化の機能を用いることができる。
各参加者は、上記実験1及び実験2に対し、オリジナルの異なる飛行体をデザインする。また、参加者AとBは、実験1から行い、参加者CとDは、実験2から行う。
図19は、実験結果を示す図である。なお、飛行距離については、1.5mの高さから発射速度7〜9m/sで発射したときの距離を示す。図19に示すmaxは、10回の実験での最高の飛行距離を示し、medは、10回の実験での平均の飛行距離を示す。
図19に示すように、全員の参加者について、実験1における飛行距離よりも、実験2における飛行距離の方が長い。したがって、実施形態における飛行体のデザインツールは、飛行体を飛ばすようにデザインする際に有効であることが分かる。
<動作>
次に、情報処理装置10の動作について説明する。図20は、実施形態における飛行体の形状データの入力からシミュレーション結果を表示するまでの処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すステップS102で、入力部202は、飛行体の形状データを入力する。例えば、入力部202は、飛行体の翼の形状データを入力する。
ステップS104で、算出部204は、入力部202により入力された形状データと、学習データとに基づいて、シミュレーションに用いるパラメータを算出する。学習データは、それぞれ異なる翼の形状を有する複数の飛行体の飛行データを用いて、この翼の形状データと、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータとの関係が機械学習により求めたデータである。なお、算出処理について、図21を用いて後述する。
ステップS106で、シミュレーション部208は、算出部204により算出されたパラメータを用いて、入力された形状データに基づく飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行う。
ステップS108で、調整部210は、飛行体のデザインを調整するか否かを判定する。例えば、調整部210は、図15に示すチェックボックスC12にチェックが入るか否かを検知することで、調整の要否を判定する。調整を行うと判定されれば(ステップS108−YES)ステップS110に進み、調整を行わないと判定されれば(ステップS108−NO)ステップS112に進む。
ステップS110で、調整部210は、飛行体が飛ぶように、飛行体のデザインを最適化する。例えば、調整部210は、飛行体の翼の位置、取付角度を最適化し、飛行体が飛ぶようにする。なお、調整処理について、図22を用いて後述する。
ステップS112で、表示制御部212は、飛行体のデザインを可能とする表示領域と、その飛行体のシミュレーション結果を表示する表示領域とが画面に表示されるよう制御する。
以上の処理により、実施形態における情報処理装置10は、飛行体の翼の形状に対する自由なデザインを可能にし、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを可能にすることができる。なお、ステップS102〜S112の処理は、飛行体のデザインが変わる度に行われる。
図21は、実施形態における算出処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すステップS202で、算出部204の分割部302は、翼の形状データを、飛行体の進行方向にスライスするように、複数の形状データに分割する。
ステップS204で、第1算出部304は、分割された形状データごとに、学習データを用いてシミュレーションに用いるパラメータを算出する。
ステップS206で、第2算出部306は、第1算出部304により算出された各パラメータを積分することで、入力された形状データ全体のパラメータを算出する。
以上の処理により、実施形態における情報処理装置10は、翼が任意の形状であっても、飛行方向において複数に分割することで、分割形状ごとに物理パラメータを求め、この物理パラメータを積分することで、翼全体の物理パラメータを求めることができる。
図22は、実施形態における調整処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すステップS302で、デザイン調整部504は、飛行体のデザインを最適化する。例えば、飛行体の翼の位置、取付角度を最適化する。
ステップS304で、コスト算出部502は、デザイン調整後の飛行体に対し、ピッチング角度に関する第1コスト、揚力に関する第2コスト、抗力に関する第3コストを少なくとも1つ以上用いるコスト関数によりコストを算出する。
ステップS306で、調整部210は、コストが所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、調整部210は最急降下法を用いて、コスト関数C(F)により求められたコストが最も小さいか否かを判定する。コストが所定の条件を満たせば(ステップS306−YES)調整処理が終了し、コストが所定の条件を満たしていなければ(ステップS306−NO)ステップS302に戻る。
以上の処理により、実施形態における情報処理装置10は、飛行体が飛ぶようにデザインを変更することで、飛行軌跡が良好な飛行体のデザインを誰でも容易に行うことができる。
以上、本実施形態によれば、実施形態における情報処理装置10は、飛行体の翼の形状に対する自由なデザインを可能にし、その形状を有する飛行体の飛行シミュレーションを可能にする。
なお、上記の情報処理装置10で実行されるプログラムについて、実際のハードウェアとしては、CPU102がROM106からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部のうち1又は複数の各部がRAM104上にロードされ、1又は複数の各部がRAM104上に生成されるようになっている。
このように、上述した実施形態で説明した処理は、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このプログラムをサーバ等からインストールしてコンピュータに実行させることで、前述した処理を実現することができる。
また、このプログラムを記録媒体116に記録し、このプログラムが記録された記録媒体116をコンピュータに読み取らせて、前述した処理を実現させることも可能である。
なお、記録媒体116は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
以上、実施形態について詳述したが、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記実施形態以外にも種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、実験において紙を素材に用いたが、素材として紙だけではなく、アクリルなどの素材でも本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、調整処理として、翼の位置、取付角度の調整を説明したが、重心位置などを変更するなどして、飛行体が飛ぶように最適化することも可能である。また、上述したデザインツールは、プロペラを有する飛行体であっても適用することが可能である。また、情報処理装置10は、様々な胴体の形状を用いる場合は、各胴体における学習データを取得し、適宜選択されるようにしておけばよい。
10 情報処理装置
102 CPU
104 RAM
106 ROM
202 入力部
204 算出部
206 学習部
208 シミュレーション部
210 調整部
212 表示制御部
214 学習データ記憶部
216 記憶部
302 分割部
304 第1算出部
306 第2算出部
502 コスト算出部
504 デザイン調整部

Claims (10)

  1. 飛行体の翼の形状データを入力する入力部と、
    それぞれ異なる翼を有する複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて機械学習により求められた学習データと、前記入力部により入力された形状データとに基づいて、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータを算出する算出部であって、前記学習データは、翼の形状データと、前記シミュレーションに用いるパラメータとの関係が、前記複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて学習されたデータである、算出部と、
    前記算出部により算出されたパラメータを用いて、前記入力された形状データに基づく飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行うシミュレーション部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記算出部は、
    前記入力された形状データを、飛行方向に対して複数の形状データに分割する分割部と、
    分割された形状データごとに前記学習データを用いて前記シミュレーションに用いるパラメータを算出する第1算出部と、
    前記第1算出部により算出された各パラメータを積分することで、前記入力された形状データ全体のパラメータを算出する第2算出部と、
    を有する請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記シミュレーションの結果が示す飛行距離が長くなるように、前記翼の位置及び/又は前記翼の胴体に対する取付角度を調整する調整部をさらに備える請求項1又は2記載の情報処理装置。
  4. 前記調整部は、
    前記翼の位置及び/又は前記翼の胴体に対する取付角度を調整するデザイン調整部と、
    前記デザイン調整部による調整後の飛行体の形状に基づき、ピッチング角度に関する第1コスト、揚力に関する第2コスト、抗力に関する第3コストを少なくとも1つ以上用いるコスト関数によりコストを算出するコスト算出部と、
    を有し、
    前記コストが所定の条件を満たすまで調整処理を行う、請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記飛行体の翼の形状を描画可能な表示領域と、前記シミュレーションの結果を表示する表示領域とを含む画面を表示装置に表示するよう制御する表示制御部をさらに備える請求項1乃至4いずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記飛行体の飛行軌跡のデータと、所定形状の翼の翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーション結果のデータとをフィッティングすることにより、前記シミュレーションに用いるパラメータを調整し、前記学習データを生成する学習部をさらに備える請求項1乃至5いずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記パラメータは、飛行方向の反対方向に働く抗力を示す第1パラメータと、揚力を示す第2パラメータと、ピッチングモーメントを示す第3パラメータとを含む、請求項1乃至6いずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. コンピュータが実行する情報処理方法であって、
    飛行体の翼の形状データを入力する入力ステップと、
    それぞれ異なる翼を有する複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて機械学習により求められた学習データと、入力された形状データとに基づいて、翼理論に基づく飛行軌跡のシミュレーションに用いるパラメータを算出する算出ステップであって、前記学習データは、翼の形状データと、前記シミュレーションに用いるパラメータとの関係が、前記複数の飛行体の飛行軌跡のデータを用いて学習されたデータである、算出ステップと、
    算出されたパラメータを用いて、前記入力された形状データを有する飛行体の飛行軌跡のシミュレーションを行うシミュレーションステップと、
    を有する情報処理方法。
  9. 請求項8に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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