JP2015535841A - シュマーレンベルグウイルス(sbv)の検出方法及びキット - Google Patents

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Abstract

本発明は、シュマーレンベルグウイルス(SBV)の単離されたタンパク質又はペプチド、好ましくは、SBVヌクレオカプシドタンパク質の5〜50個のアミノ酸、好ましくは5〜40個のアミノ酸、更に好ましくは5〜20個のアミノ酸、更に一層好ましくは12〜16個のアミノ酸、更に一層好ましくは5〜7個のアミノ酸を含む又はそれらからなる、好ましくは、配列番号2〜144又はそのフラグメントを含む又はそれらからなる部分を形成する、又は配列番号2〜144のうちの1つ少なくとも90%の配列同一性、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する、単離されたタンパク質又はペプチド、SBVの検出方法及びSBV検出に用いるキットに関する。

Description

技術分野
本発明は、シュマーレンベルグウイルス(SBV)タンパク質又は切断タンパク質、SBVウイルスのペプチドのクローニング及び発現、及びそれらをオルソブニヤウイルス(Orthobunyavirus)、特に試料中でのSBV感染を同定するための診断試験に用いる使用、並びにそれらの検出用キットに関する。
発明の背景
2011年には様々な欧州諸国のウシの群れが疾患を発症し、その発生源と原因は、最初、既知の原因又は疾患に関連付けられなかった。
欧州の反芻動物におけるこの疾患の発生は、発熱、下痢、ウシの乳量の低下並びに、流産、ミイラ変性胎児、早産又は死産、弱った又は奇形の子ヒツジや子ウシ(ヤギ、ヒツジ、ウシ)の誕生を特徴とする。
フリードリッヒ−レフラー−インスティテュート(FLI)の研究者達は、欧州においてこれまで知られていなかった新種のウイルスを分離することができた。この分離株は、シュマレンベルク(ノルトライン−ヴェストファーレン(独国)のホッホシュアウアーラントクライスの小さな村)においてウシの群れの試料で同定された。従って、このウイルスをシュマレンベルクウイルス(SBV)と名付けた。SBVは配列決定され、この配列データは、受託番号HE649912、HE649913及びHE649914(ホフマンら、2012年)の下で欧州ヌクレオチドアーカイブ(https://www.ebi.ac.uk/ena/)を介してアクセス可能である。
このウイルスは、エンベロープの、マイナスセンスの、セグメント化された、一本鎖RNAウイルスであり且つS、M、Lセグメントから構成されている。
その他の機関は、仏国と蘭国で流産した子ヒツジの脳組織からウイルスを分離した。
SBVは、ブニヤウイルス科のオルソブニヤウイルス族に属しており、これはシンブ血清群ウイルス(シャモンダ、アカバネ、アイノウイルス)(ホフマンら、2012年;ゴラー(Goller)ら、2012年)に関連している。
オルソブニヤウイルスは、アジア、オーストラリア、アフリカ、南アメリカなどの世界の他の地域において反芻動物と人間に対するよく知られた病原体である。それらは、これらは節足動物(ベクター媒介疾患)によって流行する。
SBVは、おそらく昆虫、例えば、ユスリカ類(キュリコイデス種)によって最も移入されている。
感染した施設は、欧州(独国、仏国、ベルギー、蘭国、英国、伊国、ルクセンブルク、スイス、スペイン)全体にわたって見られる。確認された症例は、おそらく殆どが数ヶ月前に起きた感染の結果である(ウシの妊娠時間約300日、ヒツジやヤギ約150日)。この疾患は、気象条件とベクターの活性に応じて流行する。
SBVは、RT−PCTによって試料中で検出され得る。しかしながら、ウイルス感染後のウイルス血症期は非常に短い。従って、ウイルスのゲノム配列は、数日間だけ末梢血中で検出され得る。更に、RT−PCTは、非常に時間がかかり、分析を実行するために特別な実験室及び訓練されたスタッフを必要とする。従って、この試験は、使い易い診断テストであるとは見なすことができない。別の欠点は、RT−PCTが、いずれのハイスループット分析も提供することができないことである。従って、群れ全体のハイスループット試験は大きな財源の投資でしか実施することができず、しかも、これは非常に時間がかかる。従って、これはSBV分析や大型動物の群れの文脈におけるスクリーニングツールとしての役割を果たすことができない。
ウイルス核酸の代わりにSBVタンパク質に対する抗体の検出は、感染動物の免疫記憶を使用する利点を有する。抗体は、感染後10日以内に、ウイルスタンパク質に対して生じ、それらは長期間にわたって検出され得る。特異的な抗SBV抗体の存在は、SBV感染の間接的な証拠である。
近年、抗原として組換えSBV核タンパク質を用いる間接ELISAは、“ID Screen(登録商標)Schmallenberg virus indirect”の名称でID−Vet(167, rue Mehdi Barka, F-34070モンペリエ)によって市販されている。この試験はウシ、ヒツジ、ヤギについて記載されている。この試験は、間接的な試験形式を使用し、示された種のSBVのみ認識する。
代替法として且つおそらく改善された特徴と用途を有するSBV感染スクリーニングのための高速で且つ信頼性の高い試験を未だ世界中に提供する必要がある。
更に、これらの感染症のための高速で且つ容易な群れのスクリーニングを実施することができるシンブ血清群ウイルス及びpan−シンブ群試験のための診断テストを提供する必要がある。動物の世界的な輸送を考慮して、感染した動物が非感染群に移されていないことを確認するために、高速で且つ信頼性の高いスクリーニング試験が必要とされている。他方では、購入者は、動物の購入の過程で、健康な動物を購入することに関心をもつが、動物を受け取った後でしか、それらがSBV又は別のシンブ血清群ウイルスに感染していることを学ばない。このような感染は、新生子ウシ及びヒツジと最終的な利益に影響を与える。
従って、本発明の課題は、信頼性の高いSBV試験を提供することか、あるいは、改善された且つ信頼性の高い、好ましくは高感度及び高選択性を有する、SBV診断試験を提供するために、公知のSBV試験を改善することである。
更に本発明の別の課題は、SBVを検出するために検証された診断試験を提供することである。
本発明の更に別の課題は、シンブ血清ウイルス試験及び/又はトランス種試験を提供することである。
発明の要旨
I.一態様において、本発明は、SBV構造及び非構造タンパク質、及びこれらのタンパク質の切断型、特にSBVのヌクレオカプシド(Nタンパク質)の増殖及び精製に関するものである。
更に別の態様では、本発明は、非ヒト動物がシンブ血清群ウイルス、特にSBVに感染しているかどうかを同定する方法に関する。
更に別の態様では、本発明は、試料中のシンブ血清群ウイルス、特にSBV感染の検出用のキットに関する。
更に別の態様では、本発明は、試料中のSBVを同定するための一段階の試験形式に関し、好ましくは又はあるいは、シンブ血清群試験を提供するための、好ましくは一段階の試験形式におけるシンブ血清群試験として提供するための一段階の試験形式に関する。
更に別の態様では、本発明は、シンブ血清群ウイルス、好ましくは試料中のSBV感染の検出のためのELISAに関する。
更に別の態様では、本発明は、シンブ血清群ウイルス、好ましくは試料中のSBV感染の検出のために検証された診断試験に関する。
更に別の態様では、本発明は、獣医学的に重要なバンヤウイルスを検出するためのアッセイ、特にシンブ血清群アッセイに関する。
更に別の態様では、本発明は、獣医学的に重要なバンヤウイルスを検出するためのキット、特にSBVを検出するキット、好ましくはシンブ血清群ウイルスを検出するキットに関する。
II.一態様では、本発明は、特定のSBV又はシンブ血清群感染検出に有用な少なくとも1つ以上のエピトープを含むSBVヌクレオカプシド(Nタンパク質;Np)の単離されたペプチドに関する。
別の態様では、本発明は、非ヒト動物がシンブ血清群ウイルス、特にSBVに感染しているかどうかを同定する方法に関する。
更に別の態様では、本発明は、SBVを検出するための方法及びキット、好ましくはシンブ血清群に有用なエピトープを含むpan種(pan-species)のペプチドに関する。
更に別の態様では、本発明は、シンブ血清群ウイルス、特に試料中のSBV感染を検出するためのキットに関する。
更に別の態様では、本発明は、試料中のSBVを同定するための一段階の試験形式に関し、好ましくは又はあるいはシンブ血清群ウイルス感染を同定するための一段階の試験形式を提供することに関する。
更に別の態様では、本発明は、シンブ血清群ウイルス、好ましくは試料中のSBV感染の検出用のELISAに関し、好ましくは、試料はウシ及び/又はヒツジ由来のものである。
更に別の態様では、本発明は、シンブ血清群ウイルス、好ましくは試料中のSBV感染の検出用の検証された診断試験に関し、好ましくは、試料はウシ及び/又はヒツジ由来のものである。
更に別の態様では、本発明は、獣医学的に重要なバンヤウイルスを検出するためのアッセイ、特にシンブ血清群ウイルスアッセイに関する。
更に別の態様では、本発明は、獣医学的に重要なバンヤウイルスを検出するためのキット、特にSBV、好ましくはシンブ血清群ウイルスを検出するためのキットに関する。
図面の簡単な説明
I.本発明の一態様を以下に記載する。
図1は、マキシソーププレートに被覆された標的抗原(精製されたSBVヌクレオカプシドタンパク質又はヌクレオタンパク質又はNタンパク質)及び1つのポジティブ試料、1つのネガティブ試料及び試料なしで試験された3つの異なるコーティング緩衝液中での抗原滴定を示す。
図2は、3つのポジティブ試料と1つのポジティブ試料を用いて試験されたタンパク質の減量を伴うビオチン化Nタンパク質でインキュベートされたストレプトアビジンのプレコーティングされたプレートを示す。
図3は、SBV(配列番号1)のヌクレオカプシドタンパク質(Nタンパク質)の配列を示す。
図4は、HisタグC−末端を含む、好ましくはバキュロウイルス発現系において使用される、SBV(配列番号2)のヌクレオカプシドタンパク質(HisNタンパク質)のアミノ酸配列を示す。
図5は、図4による6×Hisタグアミノ酸配列を有するヌクレオカプシドタンパク質を示し、その際、太字のアミノ酸(aa)は、シンブ群ウイルス性Nタンパク質の重要なアミノ酸を示す。
図6は、pET28aベクター(配列番号3)中の6×HisタグDNA配列を有するSBVヌクレオカプシドタンパク質の全長を示す。
図7は、コンセンサスコドン(配列番号4)を有するヌクレオカプシドタンパク質DNA配列を示す。
図8は、ヌクレオカプシド欠損(protein-protein int. domain deleted):182 aa His−タグC−末端(配列番号5)を示す。
図9は、本発明による間接ELISA形式を示す。
図10は、本発明による2つの一段階ELISA形式を示す;上部パネルでは、ポジティブ試料中に存在する抗体が、上記のようにSBVウイルスタンパク質のうちの1つで捕捉されている。このタンパク質は、固体支持体に被覆されている。検出のために、第2の抗種特異的又は他の方法で有用な抗体が適用される。この検出抗体は、検出手段と一体となっているか、又は他の方法で視覚化され得る。特定の図面では、SBV捕捉タンパク質は、配列表に記載されるようなヌクレオカプシドタンパク質である。
下のパネルは、様々な試験のセットアップを示し、その際、SBVタンパク質は、感染した試料中の抗SBV抗体を捕捉するために使用され;このタンパク質は固相に被覆され;検出は、試料中の抗SBV抗体の第2の腕によって結合された第2のSBV抗原によって行われる。
一段階ELISAの本発明のこの第2の変法では、抗反芻動物IgG−HRPOコンジュゲートが、好適な実施形態においてHRPOに結合されたSBVヌクレオカプシドタンパク質によって置き換えられている。このように、感染した動物の試料の抗SBV抗体は、1つの腕を用いて1つのタンパク質と結合し、且つそれの他の抗体の腕を用いて他のSBVタンパク質と結合し、従って、これを検出することができる。
II.本発明の別の態様が以下に記載されている。
図1Bは、SBV(配列番号1)のSBVヌクレオカプシドタンパク質(Nタンパク質;Np)のアミノ酸配列を示す。
図2Bは、本発明によるNpペプチドに対するウシ血清の反応性を示す。
図3Bは、本発明によるNpペプチドに対するウシ血清の反応性を示す。
図4Bは、本発明によるNpペプチドに対するヒツジ血清の反応性を示す。
図5Bは、本発明によるNpペプチドに対するヒツジ血清の反応性を示す。
図6Bは、Npアミノ酸配列を摸式的に示し、且つコンセンサス(Cons)、本発明のウシのエピトープ(ウシEp)及び本発明のヒツジのエピトープ(ヒツジEp)のストレッチの順に並べている。SBV核タンパク質(Np)アミノ酸配列は、図面の1行目のラインに表されており、その際、シンブ血清群が高度に保存された領域は、2行目のラインで示された「Cons」を指す(出典、Saeedら(2001年)によって提供された情報に基づくSavjiら(2011年))。診断試験に有用な好ましいウシエピトープを含む領域は、3行目に示されており、「ウシEp」を指す。診断試験に有用な好ましいヒツジエピトープを含む領域は、先のラインに示されており、「ヒツジEP」を指す。
発明の詳細な説明
I.本発明の一態様は、以下に詳細に記載されている。
本発明の様々な態様は、以下に更に詳細に記載されている。
本発明の以下の重要な用語の定義は、明細書、図面、実施例及び特許請求の範囲全体にわたり適用される。更なる用語は、当該技術分野の一般的な知識に従って当業者によって理解されている。
本願明細書で使用される単数形“a”、“an”、及び“the”は、文脈が明確に別のものを規定しない限り複数形の指示対象も含む。
本願明細書で使用される「SBV」とは、FLI(Friedrich-Loeffler-Institut)によって単離され且つ上記の配列を有するシュマレンベルクウイルスを意味する。SBVは配列決定されており、配列データは、受託番号HE649912、HE649913及びHE649914の下で欧州ヌクレオチドアーカイブを介して入手可能である(ホフマンら、2012年)。ウイルスは、エンベロープされた、ネガティブセンスの、セグメント化された、一本鎖RNAウイルスであり且つS、M、Lセグメントから構成されている。
SBVはブニヤウイルス科のオルソブニヤウイルス属に属し、これはシンブ血清群ウイルスに関連している。
本願明細書で使用される「シンブ群ウイルス」又は「シンブ血清群ウイルス」又は「pan−シンブ群ウイルス」は、オルソブニヤウイルスの群を含み、これは交差反応性分析(補体結合、赤血球凝集、及びウイルス中和)に基づいて血清学的に同類である。補体結合活性は、ウイルス性ヌクレオカプシドタンパク質(Nタンパク質)を介して行われるが、ウイルス性糖タンパク質は中和抗体と赤血球凝集反応性抗体の誘導に関与している。従って、高程度のNタンパク質におけるアミノ酸配列の相同性は、シンブ血清群のメンバーの特徴の1つである。シンブ血清群ウイルスの一部は、獣医学的に重要であり、アジア、オーストラリア、アフリカ、南アメリカで発見され、現在ではヨーロッパでも同様に発見され得る。オルソブニヤウイルスとシンブ血清群ウイルスとの境界が困難であると判明したが、SBVを含む血清群の少なくとも18個のメンバーは、異なるウイルス種、例えば、シンブウイルス、サシュペリ(Sathuperi)ウイルス、ダグラスウイルス、シャモンダ(Shamonda)ウイルス、ピートン(Peaton)ウイルス、サンゴウイルス、アカバネウイルス、サボ(Sabo)ウイルス、ティナルー(Tinaroo)ウイルス、ヤバ7ウイルス、アイノウイルス、カイカラー(Kaikalur)ウイルス、シュニウイルス、フェイシーのパドックウイルス、オロプーシェウイルス、ウティンガ(Utinga)ウイルス及びウティブ(Utive)ウイルスに属すると認識されている(ニコルら、2005年)。
「アミノ酸」とは、天然のアミノ酸と合成のアミノ酸を意味する。アミノ酸残基は次のように省略されている:アラニンはA又はAlaであり;アルギニンはR又はArgであり;アスパラギンはN又はAsnであり;アスパラギン酸はD又はAspであり;システインはC又はCysであり;グルタミン酸はE又はGluであり;グルタミンはQ又はGlnであり;グリシンはG又はGlyであり;ヒスチジンはH又はHisであり;イソロイシンはI又はIleであり;ロイシンはL又はLeuであり;リジンはK又はLysであり;メチオニンはM又はMetであり;フェニルアラニンはF又はPheであり;プロリンは、P又はProであり;セリンはS又はSerであり;スレオニンはT又はThrであり;トリプトファンはW又はTrpであり;チロシンはY又はTyrであり;且つバリンはV又はValである。本願明細書で別に規定された場合を除いて、X又はXaaは任意のアミノ酸を表す。他の関連するアミノ酸としては、限定されずに、4−ヒドロキシプロリン、及び5−ヒドロキシリシンが挙げられる。全ての場合において、本願明細書に記載された又は他のものを指すポリペプチドのアミノ酸配列は、配列の最も左の、又は第1の、アミノ酸残基がN末端残基であり且つ配列の最も右の、又は最後のアミノ酸残基がC末端残基である従来の形で存在する。
任意の特定の核酸配列の「保存的変異体」は、特定の核酸配列への1つ以上の縮重コドン置換を有する任意の配列を含み、任意の配列は、その特定の核酸配列、及びその特定の核酸の相補配列及びその相補配列の保存的変異体への1つ以上のヌクレオチドの置換、挿入、及び該配列からの欠失を有する。特定の核酸配列の保存的変異体は、好ましくは、特定の核酸配列に対して、少なくとも約78%の同一性、更に好ましくは少なくとも約90%の同一性、更に一層好ましくは少なくとも約95〜99%の同一性を有する。特定の核酸配列の保存的変異体は、人工的に合成されるか又は生物体から天然の形態で単離され得る。
任意の特定のポリペプチド配列の「保存的変異体」は、アミノ酸配列を有する任意のポリペプチドであり、これは特定のポリペプチドのアミノ酸配列から変化するが、特定のポリペプチドの特定の結合特性を未だ保持するので、特定のポリペプチドに対して生じた本発明の抗体は、変異体ポリペプチドを特異的に結合することが可能である。従って、例えば、特定のポリペプチドの保存的変異体は、特定のポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、追加、及び挿入を有し得る。例えば、特定のポリペプチドの保存された変異体は、30よりも少ない、25よりも少ない、20よりも少ない、15よりも少ない、10よりも少ない、又は5よりも少ない、特定のポリペプチドへの保存されたアミノ酸置換を有し得る。特定のポリペプチドの保存的変異体は、好ましくは、しかしながら実質的に、特定のポリペプチドに対して、少なくとも約78%の同一性、更に好ましくは少なくとも約90%の同一性、更に一層好ましくは少なくとも約91〜99%の同一性を有する。別の「標的」核酸又はアミノ酸配列に対する任意の対象の核酸配列又はアミノ酸配列(本願明細書に記載されたポリペプチドのいずれか)の同一性パーセンテージは、以下の通り決定され得る。第1に、本発明の標的核酸又はアミノ酸配列は、BLASTN及びBLASTPを含むBLASTZのスタンドアロンバージョン(例えば、バージョン2.0.14)からのBLAST2配列(B12seq)プログラムを用いて、比較され且つ対象の核酸又はアミノ酸配列に整列され得る。BLASTZのスタンドアロンバージョンはwww.ncbi.nlm.nih.govで得られる。BLASTZ、特にB12seqプログラムをどのように使用するか説明する指示書は、BLASTZを含む“readme”ファイルに見出され得る。このプログラムはまた、Karlinら(1990年) Proc. Natl. Acad. Sci. 87: 2264; Karlinら(1990年) Proc. Natl. Acad. Sci. 90:5873;及びAltschulら(1997年) Nucl. Acids Res. 25:3389によって詳細に記載されている。
本願明細書で使用される「ポリペプチド」との用語は、ペプチド結合によって結合されたアミノ酸残基の一本鎖の化合物を意味する。この鎖は任意の長さであってよい。タンパク質はポリペプチドであり、この用語は同義に使用されている。ポリペプチドは、SBVポリペプチドの様々なエピトープに特異的な1つ以上の抗体を結合し、好ましくは、シンブ群ウイルスを認識し、更に好ましくは前記群のウイルスの単一のメンバーの間で区別することが可能である。
本願明細書で使用される「ペプチド」又は「オリゴペプチド」との用語は、3〜25個の間のアミノ酸、好ましくは5〜12個の間のアミノ酸からなるアミノ酸の一本鎖を意味する。
本発明のタンパク質及びポリペプチドは、宿主動物において免疫応答を誘発可能である及び/又は感染後の免疫応答により感染した動物の試料中に存在する抗体に結合可能である。
更に、本発明の一部として「抗体(antibody)」又は「抗体(antibodies)」とは、モノクローナル及び/又はポリクローナル抗体及び抗血清を意味し、これは本発明の方法、アッセイ及び試験キットに適用され得る。これらの抗体は、一次又は二次検出抗体として機能する。これらの抗体は、試験結果の視覚化のために標識され得る。抗体は、検出法の文脈において当業者に知られた濃度で適用される。好ましくは、抗体は0.1μg/ml〜5.0μg/mlの濃度で適用される。
本発明に適用される抗体は、任意の抗体クラス、例えば、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEに属し、且つ当業者に知られた様々な技術のいずれかによって調製され得る(例えば、Dean, Methods Mol. Biol. 80:23-37 (1998年); Dean, Methods Mol. Biol. 32:361-79 (1994年); Baileg, Methods Mol. Biol. 32:381-88 (1994年); Gullick, Methods Mol. Biol. 32:389-99 (1994年); Drenckhahnら、Alethods Cell. Biol. 37:7-56 (1993年); Morrison, Ann. Rev. Immunol. 10:239-65 (1992年); Wrightら、Crit. Rev. Immunol. 12: 125-68(1992年); Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1988年); 及びMaking and Using Antibodies: A Practical Handbook, Howard及びKaser編、CRC Press(2006年)を参照のこと、これらはそれぞれその全体が本願明細書に援用されている)。
「エピトープ」とは、SBVのポリペプチド又はシンブ群ウイルス上の又は前記SBVポリペプチドに特異的な抗体上のパラトープによる結合が認識されているこの群の1ウイルス上の抗原決定基である。本発明の文脈における抗体は、3〜11個、好ましくは5〜7個のアミノ酸の配列を有する特定のエピトープを認識する。抗体は更に、本発明の方法及びキットに適用されたタンパク質、ポリペプチド又はペプチドに対するその結合親和性によって特徴付けられてよく、結合親和性は、10−9〜10−10nMの範囲である。本発明に使用される特定の抗体は、抗体に対して向けられたモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であり且つ検出抗体として適用されている。
本願明細書で使用される「標識」との用語は、検出可能な化合物、組成物、又は固体支持体を指し、これは直接的又は間接的にモノクローナル抗体にコンジュゲートされ得る(例えば、共有結合又は非共有結合手段を介して、単独の又はカプセル化された)。標識はそれ自体によって検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識、化学発光色素、電気化学的標識、金属キレート、ラテックス粒子、又は蛍光標識)又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素)の化学変化を触媒し得る。本発明において使用される標識は、アルカリホスファターゼ;グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」);西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP);化学発光物質、例えば、イソルミノール、蛍光剤、例えば、フルオレセイン及びローダミン化合物;リボザイム;及び染料であってよいが、これらに限定されない。標識は、それ自体が検出可能であり得る特異的結合分子(例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン(digioxigenin)、マルトース、オリゴヒスチジン、2,4−ジニトロベンゼン、フェニルヒ酸(phenylarsenate)、一本鎖DNA、二本鎖DNA等)であってもよい。標識の使用は、電磁放射又は直接可視化の検出などの手段によって検出され、場合により測定され得る信号を生じる。
モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法を用いて、標識に連結され得る(例えば、Immunochemical Protocols; Methods in Molecular Biology, 第295巻, R. Bumsにより編集 (2005年))。検出可能なモノクローナル抗体結合体は、試験試料中のSBV特異的抗体の存在又は量に関連する信号を生成するためにELISA又は競合アッセイ形式のような任意の公知の診断試験形式で使用されてよい。
「実質的な結合」又は「実質的に結合する」とは、特定のアッセイ条件下でアッセイ混合物中の分子間の特定の結合又は認識の量を意味する。その最も広い態様では、実質的な結合は、第2分子を結合又は認識できない第1分子の能力と、第3分子を結合又は認識できる第1分子の能力との間の違いに関係しており、この違いは、分子の相対濃度、及びインキュベーションの時間と温度を含む特定の一連のアッセイ条件の下で、意味のあるアッセイを実行させて特異的な結合を区別するのに十分である。別の態様では、ある1つの分子は、交差反応性の意味において、別の分子を結合又は認識することが実質的にできず、その際、第1分子は、分子の相対濃度及びインキュベーションを含む、特定の一連のアッセイ条件の下で、第3分子に対して示された反応性の25%未満、好ましくは10%未満、更に好ましくは5%未満の反応性を第2分子に対して示す。特異的結合は、多くの広く知られている方法、例えば、免疫組織化学的アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、又はウエスタンブロットアッセイを用いて試験され得る。
「生体試料」とは、唾液、全血、血清、血漿、乳汁又は抗SBV抗体を含むことが知られている他の試料由来の試料を意味する。生体試料は、本発明の方法で試験されるべき試料の能力に影響しない任意の便利な手段によって収集されて保存され得る。本発明の方法で使用される試料は、本方法で使用される前に調製する必要があり得る。例えば、試料は、沈殿、希釈、濾過又は遠心分離されて不要な成分を除去する必要があるか、又はこれらの成分は塩、洗浄剤又は追加のタンパク質などの試料に添加され得る。
「固体支持体」又は「固相」との用語は、SBV又はシンブ群ウイルスポリペプチドが共有結合又は非共有結合により付着され得る、非水性マトリックスを意味する。固体支持体の例としては、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、合成及び天然ポリマー、多糖類(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーン、磁性粒子、ラテックス粒子、クロマトグラフィーストリップ、マイクロタイターポリスチレンプレート、又は洗浄若しくは未結合物質から分離されるべき抗原の結合を可能にする任意の他の物質で部分的又は完全に形成された支持体が挙げられる。特定の実施態様では、用途に応じて、固体支持体は、アッセイプレートのウェルであってよいか、又は精製カラム(例えば、アフィニティークロマトグラフィーカラム)であってよい。
本願明細書で使用される「キット」又は「アッセイキット」との用語(例えば、製造物品)は、有用な化合物の集まりを意味し、他には、哺乳動物、好ましくは反芻動物の試料中のSBV感染又はシンブ群ウイルスを検出するための固体支持プレート又は試験ストリップを意味する。従って、キットは、本発明の1つ以上のデバイス及び/又は組成物を含み得る。ある特定の例では、かかるキットは、固定SBVタンパク質、それらのフラグメント又はペプチドを有し、且つ1つ以上の捕捉抗体及び他の有用な試薬、例えば、洗浄試薬、並びに、所望又は適切であれば、検出試薬及び陽性及び陰性の対照試薬を含むデバイスを含む。当業者に知られた、他の成分、例えば、緩衝液、対照等は、かかる試験キットに含まれ得る。様々な試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬溶液の濃度を提供するために、変化され得る。特に、試薬は、乾燥粉末として、通常、凍結乾燥された粉末として提供されてよく、これは溶解時に試料と組み合わせるために適切な濃度を有する試薬溶液を提供する。本発明のキットは更に、本発明の1つ以上の方法を実施するための指示書、例えば、キットと一緒に含まれる本発明の任意のデバイス及び/又は組成物を使用するための指示書を含む。
本発明の特定の態様を以下に更に詳細に説明する。
本発明の一態様では、SBV単一タンパク質及びポリペプチドを発現させて精製した。ヌクレオカプシド(N)の全長及び様々な切断型を、当業者に知られた標準的な手順に従ってクローニングし、異なる発現系で産生した。当業者によく知られているように、かかる発現系は大腸菌を使用した。従って、詳細は本願明細書に記載する必要がなく、文献からよく知られている。使用され得る別の発現系は、当該技術分野でも知られたバキュロウイルス系である(Sambrook and Russell, 2001年)。
特定の詳細も、実施例の段落から明らかである。
一態様において、本発明は、233aaを有するヌクレオカプシドタンパク質(Nタンパク質);91aaを有する非構造タンパク質NSs(Sセグメント);846aaを有する、好ましくは配列番号138〜144による糖タンパク質(Gcタンパク質)(図3〜8)、又はそれらのフラグメント、又はSBV又はシンブ血清群ウイルスの検出に使用するためにそれらと95%の同一性を有するタンパク質を含む又はそれらからなる単離されたSBVタンパク質である。
好ましい実施態様では、単離されたタンパク質は、単離されたSBVタンパク質、ポリペプチド又は配列番号139〜144を含む又はそれらからなるペプチド又はそれと95%の同一性を有するペプチドである。
好ましくは、単離されたペプチドは、試料中のSBV感染の特異的同定に有用なエピトープを含む又はそれらからなり、その際、エピトープは、少なくとも3個のアミノ酸、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸、更に好ましくは少なくとも7個のアミノ酸及び更に一層好ましくは12個のアミノ酸、更に一層好ましくは5〜25個の配列番号139〜144のアミノ酸を含む又はそれらからなる(図3〜8)。
別の態様では、本発明は、上記のタンパク質又はポリペプチドの製造方法に関する。
本発明のタンパク質及びポリペプチドは、当該技術分野で良く知られた方法に従ってクローニングし、発現させて、精製することができる。
異なる発現系の使用は、方法の容易さに関して及び達成され得る収量並びに汚染の可能性の制御のような二次的な側面に関して利点を有する。タンパク質又はペプチドが、診断用途のための方法で適用される場合、製造方法は、特定の用途におけるそれらの有用性にも影響を与え得る。本発明では、大腸菌発現系で発現したSBVヌクレオカプシド(N)タンパク質は、診断用途にとって好ましい。バキュロウイルス発現したタンパク質は、本発明の診断用途によく適用され得るが、大腸菌発現タンパク質が好ましい。
本発明は、完全長のSBV Nタンパク質又はその切断型、並びに配列修飾を示す、例えば、限定されずに、アミノ酸修飾、置換、欠失、挿入又は配列の追加を示すかかるタンパク質のいずれかを使用することができる。好ましい実施態様は、図面及び配列表に記載されている。好ましい実施態様では、完全長のタンパク質として又は配列修飾を含むNタンパク質はC末端Hisタグを含む。好ましい実施態様では、Nタンパク質は、タンパク質−タンパク質相互作用ドメインの欠失を有し且つ更に好ましくは180〜200個のアミノ酸のアミノ酸長さを有し、好ましくは、N切断配列は182個のアミノ酸を有する。特定の配列は、配列表に記載されており且つ図面から明らかである。
特定のSBVタンパク質及びポリペプチドは、組換え発現させて、当業者に良く知られた標準的な診断試験の形式で適用することができる。本発明では、間接ELISA形式が特に好ましく、更に好ましいのは、一段階ELISA形式である。
好ましくはSBV感染、更に好ましい実施態様ではシンブ血清群ウイルスを検出するために、本発明による試験及び方法において上記のようなSBVタンパク質が特に有用であることが示され得る。
特に有用なのは、配列番号139の時点で完全長のSBV Nタンパク質である。更に好ましいのは、配列番号144に記載されるような切断されたNタンパク質である。
前記タンパク質の適用は、特異性及び選択性に関して特に良好な結果を示していることが示され得る。全ての公知の検出形式は原則として試験に適用できるが、特定の試験形式は、それらの実施の容易さと試験キットの提供のような実用面の観点で好ましい。好ましい実施態様では、有利には、良好な結果が、図に示すような間接ELISA形式で達成された。更に好ましいのは、全ての試薬と試料を一段階プロセスで混合することができる利点を有する一段階ELISAである。様々な好ましい実施態様を図10に記載する。
タンパク質の配列及び産生についての更なる詳細を図面及び配列表に記載する。
好ましい実施態様では、本発明は、SBV又はシンブ血清群ウイルスで感染した非ヒト動物の同定方法であって、i.試料と、SBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドとを、試料中のSBVに対して特異的な抗体とSBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドとの複合体が形成し得る条件下で、接触させる工程;ii.複合体の抗体に対して特異的な抗体との形成された複合体を検出する工程を含み、その際、複合体の検出がSBVによる感染の指標である、前記方法に関する。
好ましい実施態様では、同定方法は、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)であり、好ましくは多段階、更に好ましくは一段階の方法である。
かかる方法では、SBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドが適用されてよく、好ましくは、これは配列番号139〜144(図3〜8)、又はそれらのフラグメントからなる群から選択される。
別の態様では、本発明は、試料中のSBV又はシンブ血清群ウイルス感染を検出するためのキットであって、i.図面及び配列表に記載されるような1つ以上のSBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチド;及びii.SBVの1つ以上のタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドとSBVに対して特異的な抗体との間で形成された複合体を検出するための手段を含む、前記キットに関する。
SBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドは、好ましくは、配列番号139〜144(図3〜8)からなる群から選択される。
別の態様では、本発明は、生体試料中のSBVに対する抗体の検出方法であって、生体試料と配列番号139〜144のSBVポリペプチドとを接触させること、及び試料中の抗体が配列番号139〜144と結合するためのモノクローナル抗体と競合するかどうかを検出し、それによって、試料がSBVに対する抗体の含有を決定することを含み、その際、自然に感染した動物由来の試料中のSBV抗体は、配列番号139〜144と結合するためのモノクローナル抗体と競合するが、感染していない動物又は試料が得られる4週間より前にSBVに対して予防接種された動物由来の試料中の抗体は、配列番号139〜144と結合するためのモノクローナル抗体と競合していない、前記方法である。好ましい実施態様では、本方法は、シンブ群ウイルスの検出に使用され得る。
本発明は、配列番号139〜144による切断Nタンパク質との、95%を上回る、好ましくは96%を上回る、更に一層好ましくは97%を上回る感度及び97%を上回る、好ましくは98%を上回る、更に一層好ましくは99%を上回る特異性を達成する。
本発明の方法、アッセイ及び試験キットで使用され得る試料は、好ましくは、反芻動物の血清、血漿又は乳汁由来であり且つウシ、ヒツジ又はヤギでの感染を検出するのに特に有用である。
キットは、すぐに使用できる試薬を含有し、試験の結果は、有利には、数時間以内に、好ましくは6時間未満で、好ましくは5時間未満で、更に好ましくは4時間未満で得られる。
試料の希釈係数は、好ましくは、50×以下、好ましくは30×以下、好ましくは20×以下、好ましくは10×以下であり、有利には、更なる希釈工程を回避する。
キットは好ましくは、すぐに使用できる試薬、例えば、被覆プレート、陰性及び陽性の対照、洗浄溶液、試料希釈液、複合体、TMB及び停止液を含有する。
適用される抗原は、好ましくは、シンブ群ウイルスの間で保存された抗原であり、従って、有利には、試料中の感染のpan−シンブ群の検出を可能にする。
好ましい実施態様では、試験の固相は、上記のように抗原で被覆されている。抗原は大腸菌で発現され得る。特に好ましいのは、バキュロウイルス発現系において発現される抗原である。本方法及び試験キットでは、公知で且つ有用な固相が使用されてよく、好ましくは、マキシソープ(MaxiSorp)又はポリソープ(PolySorp)(Thermo Fisher Scientific)が使用され、且つ好ましくはpH5、pH7又はpH9.5を有するコーティング緩衝液を適用することによって被覆されている。抗原は、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、又は4μg/mlの量で適用される。当該技術分野で知られたブロッキング溶液を適用することが有利であり得るが、ブロッキング溶液を避けることが好ましい。
試料希釈液として、0.14MのNaCl、2.7mMのKCl、0.03%のKathon、0.1%のTween20が使用されてよい。本発明による有用な別の希釈剤は、2%のMgCl、6%のTween20及び6%のAO、0.5%のカゼインナトリウム塩である。
検出抗体は、1:10000、好ましくは1:20000に希釈される。
本方法の工程は、必要に応じて適用され、適用される特定の試薬に応じて変更され得る。好ましい実施態様では、条件及び方法工程は次の通りである:
試料希釈剤(2%のMgCl、6%のAO、6%のTween20、0.5%のカゼイン)中の試料(1:10)、100ul/ウェル
湿潤チャンバ内にて室温で1時間のインキュベート、
3×洗浄(0.1%のTween20を有するリン酸緩衝生理食塩水)
すぐに使用できる複合体、100μl/ウェル
湿潤チャンバ内にて室温で1時間のインキュベート
3×洗浄(0.1%のTween20を有するリン酸緩衝生理食塩水)
TMB100μl/ウェル、室温で10分間のインキュベート
停止液の添加(100μl/ウェル)及び
450nmで読み取る
特に好ましい実施態様では、試料希釈液は、カゼインナトリウム塩を、0.1〜0.55%、好ましくは0.1%、更に好ましくは0.55%の濃度で含有する。好ましい実施態様では、試料希釈液は、0.5%のカゼインナトリウム塩とMgClを含有し、好ましくは、MgClは2%の濃度を有する。
好ましい実施態様では、検出方法、好ましくはキットも、特定の化合物の包含、抗原を捕捉する特定の希釈液の使用及び/又は本発明の検出方法及びキットで使用される固体支持体上に被覆された抗原を捕捉する特定の量及び性質によって特徴付けられる。
好ましくは精製条件及び/又は希釈条件及び/又は検出方法に含まれる特定の成分及びキットの特定の組み合わせによって、SBV検出方法及び好ましくはシンブ血清群ウイルスの改善された性能が達成され得ることが示され得る。
この群の全てのメンバーは、本発明の方法によって検出され得る。好ましくは、以下の特定のウイルスが検出される:シュマーレンベルグウイルス、シャモンダ(Shamonda)ウイルス、ダグラスウイルス、ピートン(Peaton)ウイルス、アカバネウイルス、アイノウイルス、オロプーシェウイルス、ティナルー(Tinaroo)ウイルス、シュニウイルス。特に好ましい及び特に良好な結果が、以下の種によって達成された:ピートン、アカバネ、アイノ、ティナルー。特に好ましい実施態様では、ウシ科、シカ科及びラクダ科のシンブ血清群ウイルスが検出される。
特に好ましい実施態様では、SBVタンパク質、好ましくはヌクレオカプシドタンパク質の希釈は、コーティング溶液中で0.5〜5μg/ml、好ましくは1〜3μg/mlの濃度であるように選択された。SBVタンパク質が被覆される固体支持体は、0.25〜1μg/ウェル、好ましくは0.5〜1μg/ウェルの抗原を含有する。その特定の希釈液中での本発明のヌクレオカプシドタンパク質の調製が有利であると判明した。
従って、溶液中にSBVコーティングタンパク質を相当に有することが達成され、上記のような及び配列番号139〜144におけるコーティングタンパク質、好ましくはヌクレオカプシドタンパク質のアグリゲートの形成又は存在が回避され得る。従って、試験の特異性を増加させることができ、試験のこの態様が有利な特異性及び/又は感度につながり得ることは明らかではなかった。肯定的な結果は、それ自体がSBV感染症に関して確認された陽性試料と陰性試料による試験の実施から明らかである。
更に、本願明細書に記載されるような本発明による試験及びキットの利点は、そのような試験で達成できる肯定的な試験結果から明らかであるだけではない。これは、今現在、即ち、2012年9月の市場での試験キットとの比較において更に一層明白である。特に、本発明及び好ましい実施態様の検出方法は、従来技術のSBV試験、例えば、IDvet試験及び背景技術の段落に上記されたキットよりも優れている。
検出方法及び好ましくはキットにおける別の好ましい実施態様の使用はカゼインである。市場で利用可能な任意のカゼインは、試験の良好な検出結果を達成するために他の化合物の必要性に応じて使用可能な濃度で適用され得る。好ましくは、試験溶液の濃度は、0.1〜1%、好ましくは0.25〜0.75%、更に好ましくは0.5%である。好ましい実施態様では、カゼインは、抗原が固体支持装置に被覆される被覆工程の洗浄溶液中に存在する。
被覆工程は、好ましくは、pH5〜10、好ましくは約pH5、7又はpH9.5で実施される。
被覆タンパク質、即ち、好ましくは、明細書及び実施例に記載されるようなSBVヌクレオカプシドタンパク質であり得る抗原は、1μg/ml、2μg/ml、又は4μg/ml、好ましくは1μg/mlの量で使用される。
別の好ましい実施態様は、単独で又はそれに加えてアミンオキシド(AO)を使用する。好ましくは、使用される濃度は、本方法の溶液中で3〜10%、好ましくは5〜8%、更に好ましくは6%の量である。
検出方法及びキットの別の好ましい実施態様は、Tween、好ましくはTween20、又は比較物質、好ましくは比較可能な特性を有する洗浄剤を含有する。この物質は、0.05〜0.5%、好ましくは0.1〜0.2%の量で含有される。
特に好ましい実施態様では、被覆工程の洗浄溶液は、好ましくは、0.14MのNaCl、2.7mMのKCl;0.03%のKathon、0.1%のTween20を含有し、試料希釈液は2%のMgCl、6%のアミンオキシド(AO)、6%のTween20及び0.5%のカゼインを含む。
好ましい実施態様では、抗反芻動物コンジュゲートは、すぐに使用できるフォーマット(RTU)としてコンジュゲート安定緩衝液中で1:10000〜1:30000、好ましくは1:20000の希釈度で使用される。
別の好ましい実施態様では、上記の化合物は、組み合わせることができて、特に良好な試験結果につながる。かかる実施態様では、様々な化合物が、キット化合物の調製に使用される又は試験の実施中に使用される溶液のいずれかに含有され、且つ本発明によるキットに含有され得る。
本発明者らは、驚くことに、上記の好ましい実施態様のうちの1つ又は組み合わせを用いて、特異性及び選択性に関して非常に良好な結果を達成した。このような良好な結果が、特定の抗原調製物を使用することによって得られ、その際、その特定の希釈液が特に有利であることは予見されなかった。更に有利なのは、カゼイン、アミンオキシド及び/又はTweenのような他の添加剤と関連した、好ましくは上記の濃度の抗原希釈液である。
試験は、好ましくは、シンブ血清群ウイルスを検出し、これは好ましくは、ウシ、ヤギ及びヒツジ試料中のSBVを検出できる。
カットオフは、感度と特異性の必要性に応じて選択され得る。分布はこれを目的の適合性に適合させるように考えられている。これは試験の必要性によって変わる。ROCが分析に使用されている。カットオフは、陽性及び陰性の対照、当業者に知られた各計算及び診断試験の開発用の文献に関して標準的な手順に従って選択される。
特異性を最適化するために、カットオフは、好ましくは30%以上、40%以上、50%以上、又は60%以上で選択される。
感度を最適化するために、カットオフは、好ましくは10%以上、20%以上、30%以上、40%以上で選択される。
本発明による試験のための最適なカットオフは、好ましくは40%、更に好ましくは30〜40%の間である。
本発明の試験の利点は、好ましい実施態様において、97%を上回る、好ましくは98%を上回る、更に好ましくは99%を上回る特異性、及び94%を上回る、更に好ましくは95%を上回る、更に好ましくは96%を上回る感度が達成され得ることである。特定の実施態様は、約99.8%の特異性と約95.8%の感度を達成する。特定の種に関して、以下の特異性と感度がそれぞれ達成され得る:ウシ:99.5%及び95.7%;ヒツジ:100%及び99%;ヤギ:100%及び99%。
従って、本方法及び試験キットは、特に、SBVの検出のためにヤギ、ヒツジ及びウシについて信頼性が高い。好ましい実施態様では、良好な結果がシンブ血清群にも適用される。特に良好な結果が、アカバネ、ピートン、アイノ及びティナルーウイルスを検出するために達成され得る。
II.本発明の別の態様が以下に詳細に記載されている。
本発明の様々な態様が、以下に更に詳細に記載される。
以下の本発明の重要な用語の定義が、明細書、図面、実施例及び特許請求の範囲の全体にわたって適用される。更なる用語は、該当する場合、当該技術分野の一般的な知識に従って当業者によって理解されている。
本願明細書で使用されるように、単数形の形、「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に指示しない限り、複数の対象を含む。
本願明細書で使用される「SBV」は、FLI(フリードリッヒ−レフラー−インスティテュート)によって単離されるような及び上記の配列を有するシュマーレンベルグウイルスを指す。SBVは配列決定されており、配列データは、受託番号HE649912、HE649913及びHE649914の下で欧州ヌクレオチドアーカイブを介して入手可能である(ホフマンら、2012年)。ウイルスは、エンベロープされた、ネガティブセンスの、セグメント化された、一本鎖RNAウイルスであり且つS、M、Lセグメントから構成されている。
SBVはブニヤウイルス科のオルソブニヤウイルス属に属し、これはシンブ血清群ウイルスに関連している。
本願明細書で使用される「シンブ群ウイルス」又は「シンブ血清群ウイルス」又は「pan−シンブ群ウイルス」は、オルソブニヤウイルスの群を含み、これは交差反応性分析(補体結合、赤血球凝集、及びウイルス中和)に基づいて血清学的に同類である。補体結合活性は、ウイルス性ヌクレオカプシドタンパク質(Nタンパク質)を介して行われるが、ウイルス性糖タンパク質は中和抗体と赤血球凝集反応性抗体の誘導に関与している。従って、高程度のNタンパク質におけるアミノ酸配列の相同性は、シンブ血清群のメンバーの特徴の1つである。シンブ血清群ウイルスの一部は、獣医学的に重要であり、アジア、オーストラリア、アフリカ、南アメリカで発見され、現在ではヨーロッパでも同様に発見され得る。オルソブニヤウイルスとシンブ血清群ウイルスとの境界が困難であると判明したが、SBVを含む血清群の少なくとも18個のメンバーは、異なるウイルス種、例えば、シンブウイルス、サシュペリウイルス、ダグラスウイルス、シャモンダウイルス、ピートンウイルス、サンゴウイルス、アカバネウイルス、サボウイルス、ティナルーウイルス、ヤバ7ウイルス、アイノウイルス、カイカラーウイルス、シュニウイルス、フェイシーのパドックウイルス、オロプーシェウイルス、ウティンガウイルス及びウティブウイルスに属すると認識されている(ニコルら、2005年)。
「アミノ酸」とは、天然のアミノ酸と合成のアミノ酸を意味する。アミノ酸残基は次のように省略されている:アラニンはA又はAlaであり;アルギニンはR又はArgであり;アスパラギンはN又はAsnであり;アスパラギン酸はD又はAspであり;システインはC又はCysであり;グルタミン酸はE又はGluであり;グルタミンはQ又はGlnであり;グリシンはG又はGlyであり;ヒスチジンはH又はHisであり;イソロイシンはI又はIleであり;ロイシンはL又はLeuであり;リジンはK又はLysであり;メチオニンはM又はMetであり;フェニルアラニンはF又はPheであり;プロリンは、P又はProであり;セリンはS又はSerであり;スレオニンはT又はThrであり;トリプトファンはW又はTrpであり;チロシンはY又はTyrであり;且つバリンはV又はValである。本願明細書で別に規定された場合を除いて、X又はXaaは任意のアミノ酸を表す。他の関連するアミノ酸としては、限定されずに、4−ヒドロキシプロリン、及び5−ヒドロキシリシンが挙げられる。全ての場合において、本願明細書に記載された又は他のものを指すポリペプチドのアミノ酸配列は、配列の最も左の、又は第1の、アミノ酸残基がN末端残基であり且つ配列の最も右の、又は最後のアミノ酸残基がC末端残基である従来の形で存在する。
任意の特定の核酸配列の「保存的変異体」は、特定の核酸配列への1つ以上の縮重コドン置換を有する任意の配列を含み、任意の配列は、その特定の核酸配列、及びその特定の核酸の相補配列及びその相補配列の保存的変異体への1つ以上のヌクレオチドの置換、挿入、及び該配列からの欠失を有する。特定の核酸配列の保存的変異体は、好ましくは、特定の核酸配列に対して、少なくとも約78%の同一性、更に好ましくは少なくとも約90%の同一性、更に一層好ましくは少なくとも約95〜99%の同一性を有する。特定の核酸配列の保存的変異体は、人工的に合成されるか又は生物体から天然の形態で単離され得る。
任意の特定のポリペプチド配列の「保存的変異体」は、アミノ酸配列を有する任意のポリペプチド(ペプチド)であり、これは特定のポリペプチドのアミノ酸配列から変化するが、特定のポリペプチドの特定の結合特性を未だ保持するので、特定のポリペプチドに対して生じた本発明の抗体は、変異体ポリペプチドを特異的に結合することが可能である。従って、例えば、特定のポリペプチドの保存的変異体は、特定のポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、追加、及び挿入を有し得る。例えば、特定のポリペプチドの保存された変異体は、30よりも少ない、25よりも少ない、20よりも少ない、15よりも少ない、10よりも少ない、又は5よりも少ない、特定のポリペプチドへの保存されたアミノ酸置換を有し得る。特定のポリペプチドの保存的変異体は、好ましくは、しかしながら実質的に、特定のポリペプチドに対して、少なくとも約78%の同一性、更に好ましくは少なくとも約90%の同一性、更に一層好ましくは少なくとも約91〜99%の同一性を有する。別の「標的」核酸又はアミノ酸配列に対する任意の対象の核酸配列又はアミノ酸配列(本願明細書に記載されたポリペプチドのいずれか)の同一性パーセンテージは、以下の通り決定され得る。第1に、本発明の標的核酸又はアミノ酸配列は、BLASTN及びBLASTPを含むBLASTZのスタンドアロンバージョン(例えば、バージョン2.0.14)からのBLAST2配列(B12seq)プログラムを用いて、対象の核酸又はアミノ酸配列と比較され且つ整列され得る。BLASTZのスタンドアロンバージョンはwww.ncbi.nlm.nih.govで得られる。BLASTZ、特にB12seqプログラムをどのように使用するか説明する指示書は、BLASTZを含む“readme”ファイルに見出され得る。これらのプログラムも、Karlinら(1990年) Proc. Natl. Acad. Sci. 87 : 2264; Karlinら(1990年) Proc. Natl. Acad. Sci. 90:5873;及びAltschulら(1997年) Nucl. Acids Res. 25 : 3389によって詳細に記載されている。
本願明細書で使用される「ペプチド」との用語は、5〜50個の間のアミノ酸、好ましくは5〜40個の間のアミノ酸、更に好ましくは5〜20個の間のアミノ酸、更に好ましくは12〜16個の間のアミノ酸、更に好ましくは5〜7個の間のアミノ酸からなるアミノ酸の一本鎖を意味する。
本発明のペプチドは、好ましくは、宿主動物において免疫応答を誘発可能である及び/又は感染後の免疫応答により感染した動物の試料中に存在する抗体に結合可能である。
更に、本発明の一部として「抗体(antibody)」又は「抗体(antibodies)」とは、モノクローナル及び/又はポリクローナル抗体及び抗血清を意味し、これは本発明の方法、アッセイ及び試験キットに適用され得る。これらの抗体は、一次又は二次検出抗体として機能する。これらの抗体は、試験結果の視覚化のために標識され得る。抗体は、検出法の文脈において当業者に知られた濃度で適用される。好ましくは、抗体は0.1μg/ml〜5.0μg/mlの濃度で適用される。
本発明に適用される抗体は、任意の抗体クラス、例えば、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEに属し、且つ当業者に知られた様々な技術のいずれかによって調製され得る(例えば、Dean, Methods Mol. Biol. 80:23-37 (1998年); Dean, Methods Mol. Biol. 32:361-79 (1994年); Baileg, Methods Mol. Biol. 32:381-88 (1994年); Gullick, Methods Mol. Biol. 32:389-99 (1994年); Drenckhahnら、Alethods Cell. Biol. 37:7-56 (1993年); Morrison, Ann. Rev. Immunol. 10:239-65 (1992年); Wrightら、Crit. Rev. Immunol. 12: 125-68(1992年); Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1988年); 及びMaking and Using Antibodies: A Practical Handbook, Howard及びKaser編、CRC Press(2006年)を参照のこと。これらはそれぞれその全体が本願明細書に援用されている)。
「エピトープ」とは、SBVの配列を含むペプチド又はシンブ群ウイルス又は前記SBVポリペプチドに特異的な抗体上のパラトープによる結合が認識されているこの群の1ウイルス上の抗原決定基である。本発明の文脈における抗体は、3〜11個、好ましくは5〜7個のアミノ酸の配列を有する特定のエピトープを認識する。抗体は、本発明の方法及びキットに適用されるペプチドに対するその結合親和性によって更に特徴付けられてよく、結合親和性は、10−9〜10−10nMの範囲である。本発明に使用される特定の抗体は、抗体に対して向けられたモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であり且つ検出抗体として適用されている。「エピトープ」とは、免疫優勢領域(immuno dominant region)(IDR)を指す。本発明における、「エピトープ」は、本発明によるペプチド上に配置されている。
本願明細書で使用される「標識」との用語は、検出可能な化合物、組成物、又は固体支持体を指し、これは直接的又は間接的にモノクローナル抗体にコンジュゲートされ得る(例えば、共有結合又は非共有結合手段を介して、単独の又はカプセル化された)。標識はそれ自体によって検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識、化学発光色素、電気化学的標識、金属キレート、ラテックス粒子、又は蛍光標識)又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素)の化学変化を触媒し得る。本発明において使用される標識は、アルカリホスファターゼ;グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」);西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP);化学発光物質、例えば、イソルミノール、蛍光剤、例えば、フルオレセイン及びローダミン化合物;リボザイム;及び染料であってよいが、これらに限定されない。標識は、それ自体が検出可能であり得る特異的結合分子(例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン(digioxigenin)、マルトース、オリゴヒスチジン、2,4−ジニトロベンゼン、フェニルヒ酸(phenylarsenate)、一本鎖DNA、二本鎖DNA等)であってもよい。標識の使用は、電磁放射又は直接可視化の検出などの手段によって検出されてよく、場合により測定され得る信号を生じる。
モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法を用いて、標識に連結され得る(例えば、Immunochemical Protocols; Methods in Molecular Biology, 第295巻, R. Bumsにより編集 (2005年))。検出可能なモノクローナル抗体結合体は、試験試料中のSBV特異的抗体の存在又は量に関連する信号を生成するためにELISA又は競合アッセイ形式のような任意の公知の診断試験形式で使用されてよい。
「実質的な結合」又は「実質的に結合する」とは、特定のアッセイ条件下でアッセイ混合物中の分子間の特定の結合又は認識の量を意味する。その最も広い態様では、実質的な結合は、第2分子を結合又は認識できない第1分子の能力と、第3分子を結合又は認識できる第1分子の能力との間の違いに関係しており、この違いは、分子の相対濃度、及びインキュベーションの時間と温度を含む特定の一連のアッセイ条件の下で、特異的な結合を区別するために実行されるべき意味のあるアッセイを可能にするのに十分である。別の態様では、ある1つの分子は、交差反応性の意味において、別の分子を結合又は認識することが実質的にできず、その際、第1分子は、分子の相対濃度及びインキュベーションを含む、特定の一連のアッセイ条件の下で、25%未満、好ましくは10%未満、更に好ましくは5%未満の反応性である第2分子の反応性を第3分子に対して示す。特異的結合は、多くの広く知られている方法、例えば、免疫組織化学的アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、又はウエスタンブロットアッセイを用いて試験され得る。
「生体試料」とは、唾液、全血、血清、血漿、乳汁又は抗SBV抗体を含むことが知られている他の試料由来の試料を意味する。生体試料は、本発明の方法で試験されるべき試料の能力に影響しない任意の便利な手段によって収集されて保存され得る。本発明の方法で使用される試料は、本方法で使用される前に調製する必要があり得る。例えば、試料は、沈殿、希釈、濾過又は遠心分離されて不要な成分を除去する必要があるか、又はこれらの成分は塩、洗浄剤又は追加のタンパク質などの試料に添加され得る。
「固体支持体」又は「固相」との用語は、SBV又はシンブ群ウイルスポリペプチドが共有結合又は非共有結合により付着され得る、非水性マトリックスを意味する。固体支持体の例としては、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、合成及び天然ポリマー、多糖類(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーン、磁性粒子、ラテックス粒子、クロマトグラフィーストリップ、マイクロタイターポリスチレンプレート、又は洗浄若しくは未結合物質から分離されるべき抗原の結合を可能にする任意の他の物質で部分的又は完全に形成された支持体が挙げられる。特定の実施態様では、用途に応じて、固体支持体は、アッセイプレートのウェルであってよいか、又は精製カラム(例えば、アフィニティークロマトグラフィーカラム)であってよい。
本願明細書で使用される「キット」又は「アッセイキット」との用語(例えば、製造物品)は、有用な化合物の集まりを意味し、他には、哺乳動物、好ましくは反芻動物の試料中のSBV感染又はシンブ群ウイルスを検出するための固体支持プレート又は試験ストリップを意味する。従って、キットは、本発明の1つ以上のデバイス及び/又は組成物を含み得る。ある特定の例では、かかるキットは、固定SBVタンパク質、それらのフラグメント又はペプチドを有し、且つ1つ以上の捕捉抗体及び他の有用な試薬、例えば、洗浄試薬、並びに、所望又は適切であれば、検出試薬及び陽性及び陰性対照試薬を含むデバイスを含む。当業者に知られた、他の成分、例えば、緩衝液、対照等は、かかる試験キットに含まれ得る。様々な試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬溶液の濃度を提供するために、変化され得る。特に、試薬は、乾燥粉末として、通常、凍結乾燥された粉末として提供されてよく、これは溶解時に試料と組み合わせるために適切な濃度を有する試薬溶液を提供する。本発明のキットは更に、本発明の1つ以上の方法を実施するための指示書、例えば、キットと一緒に含まれる本発明の任意のデバイス及び/又は組成物を使用するための指示書を含む。
本発明の特定の態様を以下に更に詳細に説明する。
一態様では、本発明は、SBVヌクレオカプシドタンパク質の5〜50個のアミノ酸、好ましくは5〜40個のアミノ酸、更に好ましくは5〜20個のアミノ酸、更に一層好ましくは12〜16個のアミノ酸、更に一層好ましくは5〜7個のアミノ酸を含む又はそれらからなる、好ましくは配列番号2〜138(第1表)、又はそれらのフラグメントによる、又は配列番号2〜138のうちの1つと少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する単離されたペプチドである。
本発明の好ましい実施態様では、単離されたペプチドは、図1のアミノ酸位置16〜58(配列番号1)、好ましくは16〜32、16〜24、18〜35、20〜36、35〜50、61〜85、又は170〜205、好ましくは170〜190のSBVのヌクレオカプシドタンパク質(Np)、更に好ましくは25〜50、61〜85、103〜118又は166〜232、好ましくは166〜205又は170〜190のSBVのヌクレオカプシドタンパク質(Np)をカバーする。
本発明の更なる好ましい単離されたペプチドは、実施例、図面及び/又は配列表に記載されている。かかるペプチドは、適切な試験形式で、単独のペプチドとして又は2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は多数のペプチドの組み合わせで適用され得る。このようなペプチドの組み合わせは、本発明の要旨の範囲内であり、且つ選択性及び特異性に関して肯定的な試験結果をもたらす。
更には、これらのペプチドは、種変異のために変化し得る。好ましい実施態様では、これらのペプチドは、実施例、図面、表及び配列表に記載されているペプチドと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、更に少なくとも95%、更に一層好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する。
別の好ましい実施態様では、本発明は、本発明による少なくとも2つのペプチドを含むペプチド混合物である。
本発明のペプチドは、該ペプチドが、SBV又はシンブ血清群ウイルスで感染した動物によって産生された抗体に特異的に結合するエピトープを含む又はそれらからなることを特徴とする。
好ましい実施態様では、本発明による単離されたペプチドは、ウシ及びヒツジ由来の抗体に特異的に結合する。
単独の又は組み合わされた本発明のペプチドは、有利には、SBV感染を同定するためのペプチドアッセイに使用され得る。ペプチドは、特異性及び選択性に関して優れた結果を示す。
特に良好な結果は、配列番号2〜138によるペプチドを用いて達成され得る。
本発明の特に好ましいペプチドは、以下の配列番号1のペプチドである:NPEVGYVAFIGKYGQQLNFGVA、NPEVGYVAFIGKYGQQ、VGYVAFIGKYGQQLNF、VAFIGKYGQQLNFGVA、NPEVGYV、EVGYVAF、VAFIGKY、FIGKYGQ、GKYGQQL、YGQQLNF、QQLNFGV、QLNFGVA、NFGVA、LNFGV、QLNFG、QQLNF、GQQLN、YGQQL、KYGQQ、GKYGQ、IGKYG、FIGKY、AFIGK、VAFIG、YVAFI、GYVAF、VGYVA、EVGYV、PEVGY、NPEVG、LRQRYGTMTAEEWMTQKIT、GFSPAARTFLQQFGIN、LRQRYGT、QRYGTMT、YGTMTAE、TMTAEEW、TAEEWMT、EEWMTQK、WMTQKIT、GFSPAAR、SPAARTF、AARTFLQ、RTFLQQF、及びLQQFGIN。1つ以上のペプチドが、診断試験に使用されるか、又はより長い配列中に含まれてよく、好ましいのは、このリストの4つのペプチドのうち少なくとも2つのペプチド、2つ、3つのペプチドである。
本発明の更に好ましい実施態様は、5〜50個のアミノ酸、好ましくは5〜40個のアミノ酸、更に好ましくは5〜30個のアミノ酸、35個又は40個のアミノ酸を含み且つそこに含まれる配列番号2〜138のうち少なくとも1つを有する、単離されたペプチドに関する。
本発明の実施態様は、本願明細書に記載されるような1つ以上の単離されたペプチドに関し、その際、ペプチドは、SBV又はシンブ血清群ウイルスによって感染した動物によって産生される抗体、好ましくはポリクローナル又はモノクローナル抗体と特異的に結合するエピトープを含む又はそれらからなる。単離されたペプチドは好ましくはウシ及びヒツジ由来の抗体に特異的に結合する。
全ての公知の検出形式が、原則として試験に適用することができるが、特定の試験形式が、それらの実施と試験キットの提供の容易さ等の実用面の観点から好ましい。好ましい実施態様では、有利には、当業者に公知の間接ELISA形式で良好な結果が得られるので、本願明細書に詳細に記載される必要はない。更に好ましいのは、全ての試薬及び試料が一段階プロセスで混合され得る利点を有する一段階ELISAである。本発明及び記載された形式による試験に有用な様々な好ましいペプチドを、図3B及び4Bに記載する。
ペプチドの配列及び産生に関する更なる詳細を、本願明細書に記載され且つ配列表にまとめられている実施例、表、図面及び/又は配列表に記載する。
別の態様では、本発明は、上記の1つ以上のペプチドの製造方法に関する。
好ましい実施態様では、本発明は、SBV又はシンブ血清群ウイルスで感染した非ヒト動物の同定方法であって、以下の工程:
i.試料中のSBVに対して又はシンブ血清群ウイルスに対して特異的な抗体とペプチドとの複合体が形成し得る条件下でSBVの本発明の1つ以上のペプチドと、試料とを接触させる工程;
ii.こうして形成された複合体を、複合体の抗体に対して特異的な抗体又は本発明による標識されたペプチドを用いて検出する工程、その際、複合体の検出はSBV又はシンブ血清群ウイルスによる感染の指標である
を含む、前記同定方法に関する。
好ましい実施態様では、同定方法は、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、好ましくは多段階工程、更に好ましくは一段階工程の方法である。
本発明は、本発明によるペプチド、好ましくは配列番号2〜138のもの、更に好ましくは配列番号2〜75のものを用いて、95%を上回る、好ましくは96%を上回る、更に一層好ましくは97%を上回る感度と、97%を上回る、好ましくは98%を上回る、更に一層好ましくは99%を上回る特異性を達成する。
本発明の方法、アッセイ及び試験キットで使用され得る試料は、好ましくは反芻動物の、血清、血漿又は乳汁由来であり、特に、ウシ、ヒツジ又はヤギでの感染を検出するのに有用である。
別の態様では、本発明は、試料中のSBV感染又はシンブ血清群ウイルスを検出するためのキットであって、
i.上記のような本発明の1つ以上のペプチド;及び
ii.ペプチドとSBV又はシンブ血清群ウイルスに対して特異的な抗体との間に形成された複合体を検出するための手段
を含む、前記キットに関する。
キットは、すぐに使用できる試薬を含有し、試験結果は、有利には数時間以内、好ましくは6時間未満で、好ましくは5時間未満で、更に好ましくは4時間未満で得られる。
試料の希釈係数は、好ましくは、50x以下、好ましくは30x以下、好ましくは20x以下、好ましくは10x以下であり、有利には、更なる希釈工程を避けている。
キットは好ましくは全てすぐに使用できる試薬、例えば、被覆プレート、陰性及び陽性の対照、洗浄溶液、試料希釈液、複合体、TMB及び停止液を含有する。
適用されるペプチド抗原は、好ましくは、シンブ群ウイルスの中で保存された抗原であり、従って、有利には試料中でのpan−シンブ群の感染の検出を可能にする。
好ましい実施態様では、試験の固相は、上記のようにペプチド抗原で被覆されている。ペプチド抗原は、大腸菌で化学的に合成されるか又は発現され得る。本方法及び試験キットでは、公知で且つ有用な固相が使用されてよく、好ましくは、マキシソープ又はポリソープ(Thermo Fisher Scientific)が使用され、且つ好ましくはpH5、pH7又はpH9.5を有するコーティング緩衝液を適用することによって被覆されている。抗原は、0.1μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml又は4μg/mlの量で適用される。当該技術分野で知られたブロッキング溶液を適用することが有利であり得るが、ブロッキング溶液を避けることが好ましい。
試料希釈液として、0.14MのNaCl、2.7mMのKCl、0.03%のKathon、0.1%のTween20が使用されてよい。本発明により有用な別の希釈液は、2%のMgCl、6%のTween20及び6%のAO、0.5%のカゼインナトリウム塩である。
検出抗体は1:10000、好ましくは1:20000に希釈される。
方法工程は、必要に応じて適用され、適用される特定の試薬に応じて変化し得る。好ましい実施態様では、条件及び方法工程は以下の通りである:
試料希釈液(2%のMgCl、6%のAO、6%のTween20及び0.5%のカゼイン)中の試料(1:10)、100μl/ウェル
湿潤チャンバ内にて室温で1時間のインキュベート、
3×洗浄(0.1%のTween20を有するリン酸緩衝生理食塩水)
すぐに使用できる複合体、100μl/ウェル
湿潤チャンバ内にて室温で1時間のインキュベート
3×洗浄(0.1%のTween20を有するリン酸緩衝生理食塩水)
TMB100μl/ウェル、室温で10分間のインキュベート
停止液の添加(100μl/ウェル)及び
450nmで読み取る
特に好ましい実施態様では、試料希釈液は、0.1〜0.55%の間、好ましくは0.1%、更に好ましくは0.55%の濃度でカゼインナトリウム塩を含有する。好ましい実施態様では、試料希釈液は、0.5%のカゼインナトリウム塩とMgClを含有し、好ましくは、MgClは2%の濃度を有する。
好ましい実施態様では、検出方法、好ましくはキットも、特定の化合物の包含、抗原を捕捉する特定の希釈液の使用及び/又は本発明の検出方法及びキットで使用される固体支持体上に被覆された抗原を捕捉する特定の量及び性質によって特徴付けられる。
好ましくは精製条件及び/又は希釈条件及び/又は検出方法に含まれる特定の成分及びキットの特定の組み合わせによって、SBV検出方法及び好ましくはシンブ血清群ウイルスの改善された性能が達成され得ることが示され得る。
この群の全てのメンバーが本発明の方法で検出可能である。好ましくは、以下の特定のウイルスが検出される:シュマーレンベルグウイルス、シャモンダウイルス、ダグラスウイルス、ピートンウイルス、アカバネウイルス、アイノウイルス、オロプーシェウイルス、ティナルーウイルス、シュニウイルス。特に好ましい及び特に良好な結果が、以下の種によって達成された:ピートン、アカバネ、アイノ、ティナルー。特に好ましい実施態様では、ウシ科、シカ科及びラクダ科のシンブ血清群ウイルスが検出される。
特に好ましい実施態様では、本発明のペプチドの希釈は、コーティング溶液中で0.25〜5μg/ml、好ましくは0.5〜1μg/mlの濃度であるように選択された。その特定の希釈液中での本発明のペプチドの調製が有利であると判明した。
更には、本願明細書に記載されるような本発明による試験及びキットの利点は、そのような試験で達成できる肯定的な試験結果から明らかであるだけではない。これは、今現在、即ち、2013年8月の市場での試験キットとの比較において更に一層明白である。特に、本発明及び好ましい実施態様の検出方法は、従来技術のSBV試験、例えば、IDvet試験及び背景技術の段落に上記されたキットよりも優れている。
別の好ましい実施態様は、検出方法及び好ましくはキットにおいてカゼインを使用している。市場で利用可能な任意のカゼインは、試験の良好な検出結果を達成するために他の化合物の必要性に応じて使用可能な濃度で適用され得る。好ましくは、試験溶液の濃度は、0.1〜1%、好ましくは0.25〜0.75%、更に好ましくは0.5%である。好ましい実施態様では、カゼインは、試料の希釈液中に存在する。
被覆工程は、好ましくはpH5〜pH10、好ましくは約pH5、pH7、又はpH9.5で実施される。
本明細書及び実施例に記載されるような被覆ペプチドは、0.1μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、又は4μg/ml、好ましくは1μg/mlの量で使用される。
別の好ましい実施態様は、単独で又はそれに加えてアミンオキシド(AO)を使用する。好ましくは、使用される濃度は、本方法の溶液中で3〜10%、好ましくは5〜8%、更に好ましくは6%の量である。
検出方法及びキットの別の好ましい実施態様は、Tween、好ましくはTween20、又は比較物質、好ましくは比較可能な特性を有する洗浄剤を含有する。この物質は、0.05〜0.5%、好ましくは0.1〜0.2%の量で含有される。
特に好ましい実施態様では、被覆工程の洗浄溶液は、好ましくは、0.14MのNaCl、2.7mMのKCl;0.03%のKathon、0.1%のTween20を含有し、試料希釈液は2%のMgCl、6%のアミンオキシド(AO)、6%のTween20及び0.5%のカゼインを含む。
好ましい実施態様では、抗反芻動物コンジュゲートは、すぐに使用できるフォーマット(RTU)としてコンジュゲート安定緩衝液中で1:10000〜1:30000、好ましくは1:20000の希釈度で使用される。
別の好ましい実施態様では、上記の化合物は、組み合わせることができて、特に良好な試験結果につながる。かかる実施態様では、様々な化合物が、キット化合物の調製に使用される又は試験の実施中に使用される溶液のいずれかに含有され、且つ本発明によるキットに含有され得る。
本発明者らは、驚くことに、上記の好ましい実施態様のうちの1つ又は組み合わせを用いて、特異性及び選択性に関して非常に良好な結果を達成した。このような良好な結果が、特定の抗原調製物を使用することによって得られ、その際、その特定の希釈液が特に有利であることは予見されなかった。更に有利なのは、他の添加剤、例えば、カゼイン、アミンオキシド及び/又はTweenと関係する、好ましくは上記の濃度の、ペプチド抗原希釈液である。
試験は、好ましくは、シンブ血清群ウイルスを検出し、これは好ましくは、ウシ、ヤギ及びヒツジ試料中のSBVを検出できる。
カットオフは、感度と特異性の必要性に応じて選択され得る。分布はこれを目的の適合性に適合させるように考えられている。これは試験の必要性によって変わる。ROCが分析に使用されている。カットオフは、陽性及び陰性の対照、当業者に知られた各計算及び診断試験の開発用の文献に関して標準的な手順に従って選択される。
特異性を最適化するために、カットオフは、好ましくは30%以上、40%以上、50%以上、又は60%以上で選択される。
感度を最適化するために、カットオフは、好ましくは10%以上、20%以上、30%以上、又は40%以上で選択される。
本発明による試験のための最適なカットオフは、好ましくは40%、更に好ましくは30〜40%の間である。
本発明の試験の利点は、好ましい実施態様において、97%を上回る、好ましくは98%を上回る、更に好ましくは99%を上回る特異性、及び94%を上回る、更に好ましくは95%を上回る、更に好ましくは96%を上回る感度が達成され得ることである。特定の実施態様は、約99.8%の特異性と約95.8%の感度を達成する。特定の種に関して、以下の特異性と感度がそれぞれ達成され得る:ウシ:99.5%及び95.7%;ヒツジ:100%及び99%;ヤギ:100%及び99%。
従って、本方法及び試験キットは、特に、SBVの検出のためにヤギ、ヒツジ及びウシについて信頼性が高い。好ましい実施態様では、良好な結果がシンブ血清群にも適用される。特に良好な結果が、アカバネ、ピートン、アイノ及びティナルーウイルスを検出するために達成され得る。
以下において本発明は好ましい実施例によって例示されており、これはいかなる意味においても限定的であることを意味するものではない。
I.本発明の一態様が以下の実施例に記載されている。
実施例
実施例1
シュマーレンベルグウイルス(シンブ血清群ELISA)に対する抗体を検出するための第一世代スクリーニング試験の開発
第1工程では、様々なバンヤウイルスの配列を比較し、これは以下の第1表から明らかである。シンブ血清群のメンバーは、少なくとも78%のSBVのNタンパク質との配列類似性を示した。
Figure 2015535841
Nタンパク質クローンの配列は、以下の第2表に示された配列SBV/1〜846と同一である。クローンは更なるHisタグを含有する。
発現、精製及びビオチン化
プラスミドDNAは、細菌宿主細胞の形質転換のために使用され、ウイルス性のN(ヌクレオカプシド)タンパク質を発現した。標準的なアフィニティー精製システムを、Niカラム(HisタグNタンパク質)を使用して確立した。Nタンパク質は、緩衝溶液中に沈殿する強い傾向を示すだけでなく、緩衝液溶解性フラクションが更なる精製に使用された。結合及び洗浄緩衝液は、混入している大腸菌タンパク質のNiカラムへの非特異的結合を防ぐために、10mMのイミダゾールを含有した。Nタンパク質は、溶出緩衝液中の0.5Mのイミダゾール濃度を増加させることによってカラムから放出された。溶出したタンパク質を、pH9の炭酸塩緩衝液に対する透析によりイミダゾールを除去した後に直接コーティング実験に使用した。
Nタンパク質のビオチン化は、アルカリ炭酸塩緩衝液中で行った。活性化ビオチンを添加し、Nタンパク質に結合させた。ビオチン化プロセスは、トリス緩衝液を添加することによって停止させ、遊離ビオチンを、ビオチンを含まない炭酸緩衝液に対する透析によって除去した。この物質を、ストレプトアビジンで予備被覆されたプレート(米国、メイン州、ウェストブルックのIDEXX CoE社製のプレート)を使用して被覆実験に使用した。
プレートへのタンパク質の直接コーティング:
精製したNタンパク質(ビオチン化されていない)を、標準的な手順(リン酸緩衝液、4℃で一晩インキュベーション)を使用して、マキシソーププレート上に被覆した。プレートを乾燥させ、抗体陽性及び陰性試料を試験した。
コーティングプロトコール:
− pH7のリン酸緩衝液中の精製されたNタンパク質の希釈
− 15μg/mlの最終濃度までの洗浄剤の添加
− 振盪しながら20分間室温でのインキュベーション
− 洗浄剤処理された抗原の、リン酸塩緩衝液中で1〜4μg/mlの最終濃度までの更なる希釈
− マキシソーププレートを100μl/ウェルでコーティング
− 湿潤チャンバ内にて4℃で一晩のインキュベーション
− コーティング溶液の吸引及びプレートの乾燥
図1は、実験の結果を示し且つ1つの陽性(Pos. Bov FLI)、1つの陰性(NEG Bov. Sample)及び試料/ブランクなしを用いて試験された3つの異なるコーティング緩衝液(pH5のPBS;pH7のPBS;pH9.3の炭酸ナトリウム緩衝液)中での抗原(ビオチン化されていない精製されたNタンパク質)滴定の例である。
実施例2
ストレプトアビジン予備被覆プレート及び該プレートへのビオチン化Nタンパク質の結合
プレートをストレプトアビジンで予備被覆した。ストレプトアビジンプレートを、ビオチン化Nタンパク質で一晩インキュベートし、3回洗浄し、且つELISAプロトコールが実行される前に乾燥しなかった。図6は、2:1(ビオチン:タンパク質)のモル比を用いてビオチン化されたNタンパク質の例を示す。3つの陽性試料と1つの陰性試料を試験した。陰性試料(ID792)を同様に直接被覆実験で使用した(実施例1を参照)。陽性試料は、実施例1のものとは異なる。ELISAプロトコールは、直接被覆について実施例1に上記されたプロトコールと同一である。
図2は、両方の場合において、様々な抗原濃度の範囲にわたって陽性試料と陰性試料との間に明確な違いがあることを示す。
実施例3
ELISA形式I
この形式において、組み換えSBVヌクレオカプシド(N)タンパク質の直接被覆を使用する。コーティングタンパク質は、配列番号139〜144による完全長のヌクレオカプシドタンパク質であるか又は切断型のいずれかであってよい。配列表に記載されるように他のSBVタンパク質も試験に適用することができる。
形式は間接的で且つ単相であり、試料の種類は、血清、血漿又は乳汁であってよい。
被覆されたプレートを、室温で血清、血漿又は乳汁を用いてインキュベートする。試料は、単一ウェル中の個別の試料として、希釈系列で、好ましくは重複又は三重複として適用することができる。試料希釈液は、好ましくは1:10又は1:20である。約10分〜90分、好ましくは約30〜60分のインキュベーション後、プレートを好ましくはPBSを用いて3回洗浄する。検出のために、抗反芻動物HRPコンジュゲート抗体を、プレートに塗布し、約10〜90分間、好ましくは約30〜60分間インキュベートする。3回の洗浄後、基質、好ましくはTMBを、約5〜15分間、好ましくは10分間添加し、結果を450nmで読み取る。プレートを、試料用のウェル並びに陽性及び陰性の対照用のウェルを含むように配置する。
組み換えヌクレオカプシドタンパク質は、大腸菌又はバキュロウイルス系で産生することができる。本発明によって使用されるヌクレオカプシドタンパク質についての詳細は、配列表に記載されている。本願明細書に列記されたヌクレオカプシドタンパク質はいずれも試験に適用され得る。
コーティングは、ブロッキングの有無に関わらず、約pH5、pH7又はpH9.5で、好ましくはpH7で実施する。コーティングタンパク質を、1μg/ml、2μg/ml又は4μg/ml、好ましくは1μg/mlの量で適用する。
洗浄溶液は、好ましくは、0.14MのNaCl、2.7mMのKCl;0.03%のカトン(Kathon)、0.1%のTween20を含有し、試料希釈液は、2%のMgCl、6%のアミンオキシド(AO)、6%のTween20及び0.5%のカゼインを含む。
抗反芻動物コンジュゲートは、すぐに使用できるフォーマット(RTU)としてコンジュゲート安定緩衝液中で1:10000〜1:30000、好ましくは1:20000の希釈度で使用される。
試験は、ウシ、ヤギ及びヒツジ試料中のSBVを検出できる。
実施例4
ELISA形式II−一段階ELISA
ELISA形式Iの下で記載されるように、組み換えSBVタンパク質、好ましくは、ヌクレオカプシドタンパク質は、ストレプトアビジン−ビオチンを介して固体支持体に結合されている。好ましくは、ストレプトアビジンは固体支持体に結合され、SBVタンパク質はビオチンと結合されるので、形成するストレプトアビジン−ビオチン複合体を介して固体支持体への被覆が可能である。
固体支持体、例えば、多層板は、ストレプトアビジンで被覆されている。ストレプトアビジンで被覆されたプレートは、一段階工程で、ビオチン化SBVタンパク質(上記の通り;本願明細書のSBVタンパク質の配列表を参照のこと)、試料(好ましくは、上記のような希釈されたもの)及びHRPとコンジュゲートされた抗反芻動物モノクローナル抗体を用いてインキュベートされる。HRP抗体は好ましくはIgGである。約30〜90分間のインキュベート後、好ましくは1時間後に、プレートを上記のように洗浄し、読み取りを450nmで行う。
ストレプトアビジンで予備被覆されたマイクロタイタープレートが供給される。オールインワン(all-in-one)緩衝液は、ビオチン化ヌクレオカプシドタンパク質、及び抗IgGコンジュゲートを含有する。試験されるべき試料の希釈物は、これらのプレートのウェル内のオールインワン緩衝液中でインキュベートされる。SBVに特異的な任意の抗体は、オールインワン緩衝液中の抗原に結合し、ストレプトアビジンプレートのウェル表面上の抗原/抗体/抗IgGコンジュゲート複合体を形成する。未結合物質は洗浄によりウェルから除去される。TMB含有基質をウェルに加える。発色の程度(450nmで測定した光学密度)は、試料中に存在するSBVの特異的な抗体の量に正比例する。
従来技術のIDvet試験と比較した、本発明による一段階ELISAの結果を、第5表に例示する。
実施例5
ELISA(pan−シンブ群ELISA)によるシンブ血清群の認識
本発明による好ましい試験形式は、シンブ血清群の異なるメンバーで感染された後に形成される抗体を認識することが可能である、即ち、試験はpan−シンブ群試験である。第6表も参照されたい。
Figure 2015535841
好ましい実施態様では、試験は、シンブ血清群のウイルスを検出可能であり、更に好ましい実施態様ではシンブ及びブンヤムウェラのウイルスを、更に好ましい実施態様ではカリフォルニア血清群のウイルスを加えて、あるいは1つの試験用設定においてシンブ及びカリフォルニア血清群のウイルスを検出可能である。
Figure 2015535841
第5表は、IDvetにより市販される試験に対して本発明による試験において検証された試料の比較を記載する。
試験結果は、試験と本発明による方法の優れた性能を示す。
Figure 2015535841
第6表は、本発明による試験で使用された確認されたウシの試料を示す。これは、様々なシンブ血清群ウイルスの検出を確認し、従って、pan−シンブ血清群試験としてのその有用性が認められる。
図1は、3つの異なるコーティング緩衝液中での抗原滴定を示す。 図2は、ビオチン化Nタンパク質でインキュベートされたストレプトアビジンのプレコーティングされたプレートを示す 図3は、SBV(配列番号1)のヌクレオカプシドタンパク質(Nタンパク質)の配列を示す。 図4は、HisタグC−末端を含む、SBV(配列番号2)のヌクレオカプシドタンパク質(HisNタンパク質)のアミノ酸配列を示す。 図5は、図4による6×Hisタグアミノ酸配列を有するヌクレオカプシドタンパク質を示す。 図6は、pET28aベクター(配列番号3)中の6×HisタグDNA配列を有するSBVヌクレオカプシドタンパク質の全長を示す。 図7は、コンセンサスコドン(配列番号4)を有するヌクレオカプシドタンパク質DNA配列を示す。 図8は、ヌクレオカプシド切断:182 aa His−タグC−末端(配列番号5)を示す。 図9は、本発明による間接ELISA形式を示す。 図10は、本発明による2つの一段階ELISA形式を示す。
II.本発明の別の態様を以下の実施例に記載する。
実施例
実施例1
ペプチド診断試験の確立に有用なエピトープを含むペプチドの同定
SBV Npウイルスタンパク質でのエピトープ領域のPepScanマッピング
目標
エピトープマッピング研究はSBV Npタンパク質で実施した。目標は、SBVに関連する3種の動物:ウシ、ヒツジ及びヤギについてのこれらのウイルスタンパク質の殆どの免疫原性領域を同定することであった。
プロトコール
重複するペプチドが、全てのタンパク質配列にわたって合成された場合に、PepScan法を使用した。ビオチン化ペプチドの合成を、NEP(ニューイングランドペプチド、米国)によって行った。ビオチン化ペプチドは16アミノ酸長さであり、その際、12アミノ酸及び13アミノ酸はNpとそれぞれ重複している(配列情報については第1表〜第4表を参照のこと)。合成は、分析から除外されたペプチド数B10、D08、G05、H06及びH07を除いて、全ての必要なペプチドについて成功した。
ビオチン化ペプチドは、標準的なプロトコールを使用して、ストレプトアビジンプレート上にコーティングされた。3種のSBV関連動物種由来の特徴付けられたSBV陽性及び陰性血清試料を、各ペプチドで反応性について試験した。更に、完全長の組み換えNp(rNP)との対照反応性を、各試料について同じプレートで評価した。予備的最適化の研究は、実験条件の同定につながり、これは限定されたバックグラウンド(試料希釈度、試料希釈液及びコンジュゲート希釈度)を有する陽性試料と陰性試料との間の明確な区別を可能にする。使用されるELISA形式は従来の間接ELISA形式であった。簡単に説明すると、室温(RT)で1時間のペプチドコーティング後、ストレプトアビジンプレートを洗浄した。試験されるべきウシ、ヒツジ又はヤギの血清を、その後、各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。次に、プレートを洗浄し、抗反芻動物HRPコンジュゲート抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。その後、TMB基質の添加前に、プレートを再度洗浄した。発色を10分後に停止し、光学濃度(OD)を、分光光度計を用いて450nmで測定した。
血清を、US由来の陰性試料として使用する。それらは、IDEXXシュマーレンベルグ抗体検査(2013に市販されたもの)で明確に陰性を示し、また、完全長rNPで被覆されたストレプトアビジンプレートで非常に低い反応性も示した。
Figure 2015535841
ウシの試料で得られた結果
まず、ウシ血清に焦点を合わせた。最初のスクリーニング実験では、合計で4つのSBV陽性(色付きの線)と5つのSBV陰性ウシ血清(黒線)を、全てのペプチドで並びに完全長の核タンパク質(rNP)で試験した。結果を図1にまとめる。
全ての陽性試料は、rNP完全長の対照で強い反応性を示すが、陰性試料は、予想通り、非常に低い反応性を示す。陽性試料のサブセットが全ての陰性試料(例えば、A09、A10、B03、B11、B12、C11、E10、E11、F04)よりも遙かに強く結合する場合に、複数のNpペプチド又はエピトープ領域が同定され得る。全てのウシ試料と反応性を示す同定された単一のエピトープは存在しなかった。
その後、選択されたペプチドを、確認のために、より強いコンジュゲート濃度を使用して、より多くの血清を用いて再度試験した(図3)。
ヒツジ試料で得られた結果
次に、ヒツジの血清を、同じ手順に従って、全てのNPペプチドで試験した(図4)。合計でn=6のSBV陽性とn=6の陰性のヒツジ血清を、最初に全てのペプチドの反応性に関してスクリーニングした。複数の潜在的なヒットがこの最初の画面で確認された。単一のヒットは全ての陽性試料に合わなかったが、幾つかのヒットは、陰性血清(例えば、E09)と比較して複数の陽性血清に関して強い反応性を示した。C末端領域(E07で始まる)は、より高い潜在的ヒットの集中を示した。
次に、E07で始まるNpのC末端領域由来のペプチドを、より多くの血清を用いて再度試験した(図4、n=7の陰性及びn=9のSBVタンパク質血清)。複数の陽性血清は、陰性血清と比較して、ペプチドE08−E09、E11、F01−F02、F04、及びF12−G01で確認された強い反応性を示した。
同定されたエピトープの概要
診断の有用性を示す潜在的なNpエピトープを有する複数の有用なペプチドは、特にウシ及びヒツジで同定された(すぐ下の第2表及び第3表を参照のこと)。同定されたエピトープ領域も図6Bにまとめる。
特に有用なのは、ペプチドA09〜A11及びB03である。これは、位置25〜58のNpタンパク質におけるアミノ酸位置を有するペプチドが、特に、本発明による診断試験に有用であることを示す。
好ましいのは、7〜20個の間のアミノ酸長さを有する1つのペプチド又は好ましくはアミノ酸位置16〜32、25〜45、30〜50、35〜55又は38〜58をカバーする複数のペプチドを含むペプチド混合物、又は7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個又は20個のアミノ酸を含有するそれらのフラグメントである。
第1表に示された配列は、有蹄類の、好ましくは、ウシ及びヒツジのSBV感染を同定するための診断試験において有用な可能性を有するペプチドを表し、更に好ましくは、かかるペプチドは、ウシ及びヒツジの試料を同様に処理して同定するために使用できる。別の好ましい実施態様では、かかるペプチドを適用する試験は、シンブ血清群ウイルスで感染した動物を同定するために使用され得る。
それらの特に好ましいペプチド及びフラグメントは、ペプチドA06〜A11、更に好ましくはペプチドA07、A08、A09である。試験において特に良好な結果を示すペプチドは、第1表に示された全配列又は該配列のフラグメント、特にペプチドA07及びA08のものである。他の好ましいペプチドは、第1表のF01〜F12及びG01〜G02、更に好ましくはF01、F03及びG01である。
当業者は、第1表に記載されるペプチドが16個のアミノ酸を示すが、これは、例えば、SBV又はシンブ血清群ウイルス感染後に動物で形成された抗体に対して陽性の及び特異的な結合特性を示す、例えば、A07又はA08の、かなりの部分のエピトープの、エピトープを表す少なくとも5〜7個のアミノ酸のストレッチが含まれる限り、より短いペプチドを使用するには十分であることを理解している。
本願明細書に記載されるような診断ペプチド試験において特に好ましく且つ有用なペプチドは、配列NPEVGYVAFIGKYGQQLNFGVA、好ましくはNPEVGYVAFIGKYGQQ(配列番号76)、VGYVAFIGKYGQQLNF(配列番号77)、又はVAFIGKYGQQLNFGVA(配列番号78)、更に好ましくはNPEVGYV(配列番号79)、EVGYVAF(配列番号80)、VAFIGKY(配列番号81)、FIGKYGQ(配列番号82)、GKYGQQL(配列番号83)、YGQQLNF(配列番号84)、QQLNFGV(配列番号85)、又はQLNFGVA(配列番号86)、及び更に一層好ましくはNFGVA(配列番号87)、LNFGV(配列番号88)、QLNFG(配列番号89)、QQLNF(配列番号90)、GQQLN(配列番号91)、YGQQL(配列番号92)、KYGQQ(配列番号93)、GKYGQ(配列番号94)、IGKYG(配列番号95)、FIGKY(配列番号96)、AFIGK(配列番号97)、VAFIG(配列番号98)、YVAFI(配列番号99)、GYVAF(配列番号100)、VGYVA(配列番号101)、EVGYV(配列番号102)、PEVGY(配列番号103)、又はNPEVG(配列番号104)を含む又はそれらからなるペプチドである。
本願明細書に記載される診断ペプチド試験において特に好ましく且つ有用なペプチドは、配列LRQRYGTMTAEEWMTQKIT及びGFSPAARTFLQQFGIN、好ましくはそのフラグメント、例えば、LRQRYGT(配列番号105)、QRYGTMT(配列番号106)、YGTMTAE(配列番号107)、TMTAEEW(配列番号108)、TAEEWMT(配列番号109)、EEWMTQK(配列番号110)、WMTQKIT(配列番号111)、GFSPAAR(配列番号112)、SPAARTF(配列番号113)、AARTFLQ(配列番号114)、又はRTFLQQF(配列番号115)、LQQFGIN(配列番号116)を含む又はそれらからなるペプチドである。
更に、本発明者らは、適用の意味におけるウイルス感染、例えば、SBV感染の同定に有用なアミノ酸配列を表すNpタンパク質の幾つかのコアモチーフを同定することができる。
かかる配列のモチーフは、好ましくは、FFLN(Bov43−46)(配列番号117)又はVFFLN(Bov42−46)(配列番号118)又はFFLNQ(Bov43−47)(配列番号119)、MDVNPMKKVLRQR(Bov/Ov172−184)(配列番号120)、MKKVLRQR(Bov/Ov177−184)(配列番号121)、LRQR(Bov/Ov181−184)(配列番号122)又はLRQRYGTMTA(Bov/Ov181−190)(配列番号123)である。
上記の配列モチーフを含む又はそれらからなるペプチド又は50個未満のアミノ酸、好ましくは4〜40個、好ましくは4〜25個、好ましくは4〜16個のアミノ酸を有する前記配列モチーフを含むアミノ酸配列は、試料中のSBV感染検出の同定に有用である。通常の試験は、SBV感染又は他のシンブ群ウイルス感染の検出、最も好ましくはSBV検出に対して有利な有用性を示すために適用され得る。
別の好ましい実施態様では、本発明は、5〜50個のアミノ酸を含み且つそこに含有される配列番号2〜138のうち少なくとも1つを有する単離されたペプチドに関する。
有用なエピトープを含む他の好ましいアミノ酸配列及びエピトープ及び/又はアミノ酸配列を、以下の第2表及び第3表に記載する。
Figure 2015535841
Figure 2015535841
図6Bは、表の他に、本発明の有用なアミノ酸ストレッチの同定されたエピトープのコンセンサス領域をまとめている。
ペプチドELISA形式又は比較可能な試験形式においてSBVの検出に有用な更なる好ましい実施態様である追加の有用な配列が以下に記載されているか、又は好ましい実施態様において、これらのペプチドはpan−シンブ群試験において有用である。
SBV感染動物由来のウシ及びヒツジ血清によって認識されたヌクレオカプシドタンパク質配列(本発明の好ましい実施態様):
Bov 25−85(配列番号124)
VAFIGKYGQQLNFGVARVFFLNQKKAKMVLHKTAQPSVDLTFGGVKFTVVNNHFPQYVSNP
Bov 25−58(配列番号125)
VAFIGKYGQQLNFGVARVFFLNQKKAKMVLHKTA
Bov 25−46(配列番号126)
VAFIGKYGQQLNFGVARVFFLN
Bov 43−58(配列番号127)
FFLNQKKAKMVLHKTA
Bov 61−85(配列番号128)
SVDLTFGGVKFTVVNNHFPQYVSNP
Bov 103−118(配列番号129)
WIADTCKASVLKLAEA
Bov+ Ov 166−232(配列番号130)
RVLKDNMDVNFMKKVLRQRYGTMTAEEWMTQKITEIKAAFNSVGQLAWAKSGFSPAARTFLQQFGIN
Bov+Ov 166−205(配列番号131)
RVLKDNMDVNFMKKVLRQRYGTMTAEEWMTQKITEIKAAF
Bov+Ov 166−184(配列番号132)
RVLKDNMDVNFMKKVLRQR
Bov+Ov 172−205(配列番号133)
MDVNFMKKVLRQRYGTMTAEEWMTQKITEIKAAF
Bov+Ov 172−190(配列番号134)
MDVNFMKKVLRQRYGTMTA
Bov+Ov 175−190(配列番号135)
NFMKKVLRQRYGTMTA
Bov+Ov 181−199(配列番号136)
LRQRYGTMTAEEWMTQKIT
Bov+Ov 190−205(配列番号137)
EEWMTQKITEIKAAF
Ov 214−232(配列番号138)
KSGFSPAARTFLQQFGIN
上記のペプチドは、本発明の好ましい実施態様を表し、その配列は本願明細書に記載されるような試験形式において単独で又は組み合わせて適用される時に有利な結果を示す。特に、免疫学的検定法に適用される時に、好ましく且つ良好な試験結果を示すものは、以下のペプチドである。
実施例2
シュマーレンベルグウイルスに対する抗体の検出のためのスクリーニング試験(シンブ血清群ELISA)
ペプチドのプレートへの直接被覆:
本発明の精製されたペプチド(ビオチン化されていない)を、標準的な手順(リン酸緩衝液、4℃で一晩インキュベーション)を用いてマキシソーププレート上に被覆した。プレートを乾燥させ、抗体の陽性試料と陰性試料を試験した。
コーティングプロトコール:
− pH7のリン酸緩衝液中の精製されたペプチドの希釈
− 15μg/mlの最終濃度までの洗浄剤の添加
− 振盪しながら20分間室温でのインキュベーション
− 洗浄剤処理された抗原の、リン酸塩緩衝液中で1〜4μg/mlの最終濃度までの更なる希釈
− マキシソーププレートを100μl/ウェルでコーティング
− 湿潤チャンバ内にて4℃で一晩のインキュベーション
− コーティング溶液の吸引及びプレートの乾燥
ストレプトアビジン予備被覆プレート及び該プレートへのビオチン化ペプチドの結合
プレートをストレプトアビジンで予備被覆した。ストレプトアビジンプレートを、本発明のビオチン化ペプチドで一晩インキュベートし、3回洗浄し、且つELISAプロトコールが実行される前に乾燥しなかった。3つの陽性試料と1つの陰性試料を試験した。陰性試料(ID792)を同様に直接被覆実験で使用した。
実施例3
ELISA形式I
この形式において、本発明のペプチドの直接被覆を使用する。コーティングペプチドは、本発明による単一のペプチドであるか又はペプチドの組み合わせであってよい。ペプチドは第1表と配列表に記載されている。
形式は間接的で且つ単相であり、試料の種類は、血清、血漿又は乳汁であってよい。
被覆されたプレートを、室温で血清、血漿又は乳汁を用いてインキュベートする。試料は、単一ウェル中の個別の試料として、希釈系列で、好ましくは重複又は三重複として適用することができる。試料希釈液は、好ましくは1:10又は1:20である。約10〜90分間のインキュベート後、好ましくは約30〜60分後に、プレートを好ましくはPBSで3回洗浄する。検出のために、抗反芻動物HRPコンジュゲート抗体を、プレートに塗布し、約10〜90分間、好ましくは約30〜60分間インキュベートする。3回の洗浄後、基質、好ましくはTMBを、約5〜15分間、好ましくは10分間添加し、結果を450nmで読み取る。プレートを、試料用のウェル並びに陽性及び陰性の対照用のウェルを含むように配置する。
コーティングは、ブロッキングの有無に関わらず、約pH5、pH7又はpH9.5で、好ましくはpH7で実施する。コーティングタンパク質を、1μg/ml、2μg/ml又は4μg/ml、好ましくは1μg/mlの量で適用する。
洗浄溶液は、好ましくは、0.14MのNaCl、2.7mMのKCl;0.03%のカトン、0.1%のTween20を含有し、試料希釈液は、2%のMgCl、6%のアミンオキシド(AO)、6%のTween20及び0.5%のカゼインを含む。
抗反芻動物コンジュゲートは、すぐに使用できるフォーマット(RTU)としてコンジュゲート安定緩衝液中で1:10000〜1:30000、好ましくは1:20000の希釈度で使用される。
試験は、ウシ及びヒツジ試料中のSBVを検出できる。
実施例4
ELISA形式II−一段階ELISA
ELISA形式Iの下で記載されるように、本発明のペプチドは、ストレプトアビジン−ビオチンを介して固体支持体に結合されている。好ましくは、ストレプトアビジンは固体支持体に結合され、ペプチドはビオチンと結合されるので、形成するストレプトアビジン−ビオチン複合体を介して固体支持体への被覆が可能である。
固体支持体、例えば、多層板は、ストレプトアビジンで被覆されている。ストレプトアビジンで被覆されたプレートは、一段階工程で、ビオチン化ペプチド(上記の通り;本願明細書のペプチドの配列表を参照のこと)、試料(好ましくは、上記のような希釈されたもの)及びHRPとコンジュゲートされた抗反芻動物モノクローナル抗体を用いてインキュベートされる。HRP抗体は好ましくはIgGである。約30〜90分間のインキュベート後、好ましくは1時間後に、プレートを上記のように洗浄し、読み取りを450nmで行う。
ストレプトアビジンで予備被覆されたマイクロタイタープレートが供給される。オールインワン緩衝液は、ビオチン化ペプチド、及び抗IgGコンジュゲートを含有する。試験されるべき試料の希釈物は、これらのプレートのウェル内のオールインワン緩衝液中でインキュベートされる。SBVに特異的な任意の抗体は、オールインワン緩衝液中の抗原に結合し、ストレプトアビジンプレートのウェル表面上の抗原/抗体/抗IgGコンジュゲート複合体を形成する。未結合物質は洗浄によりウェルから除去される。TMB含有基質をウェルに加える。発色の程度(450nmで測定した光学密度)は、試料中に存在するSBVの特異的な抗体の量に正比例する。
実施例5
ELISA(pan−シンブ群ELISA)によるシンブ血清群の認識
本発明による好ましい試験形式は、シンブ血清群の異なるメンバーで感染された後に形成される抗体を認識することが可能である、即ち、試験はpan−シンブ群試験である。
Figure 2015535841
好ましい実施態様では、試験は、シンブ血清群のウイルスを検出可能であり、更に好ましい実施態様ではシンブ及びブンヤムウェラのウイルスを、更に好ましい実施態様ではカリフォルニア血清群のウイルスを加えて、あるいは1つの試験用設定においてシンブ及びカリフォルニア血清群のウイルスを検出可能である。
実施例6
代替的なペプチドELISA形式
二重認識SBV ELISA抗体試験及び試験キット
代替的なELISA試験形式は次のように使用できる:SBV二重認識抗体試験は、SBVまでの抗体レベルを測定するために適用できる。試験は、本発明による合成SBVペプチド、好ましくは、上記のようなコアモチーフ配列を含むペプチド又は本発明の好ましい実施態様として指摘された他のペプチドを利用し、これは診断抗原として本発明によるSBV Npタンパク質を模倣する。
SBVペプチドが96ウェルマイクロタイタープレート上に被覆されたマイクロタイター形式が考案され得る。予め希釈された試験試料を、被覆されたマイクロタイターウェル中でインキュベートする。SBVペプチドに特異的な抗体(存在する場合)は被覆されたウェルに結合する。未結合成分を洗い流し、ワサビペルオキシダーゼに結合された第2のSBVペプチドをマイクロタイターウェル中でインキュベートする。SBVペプチドコンジュゲートを、SBVペプチドに予め結合された抗体の第2結合部位に結合し、従って、特定の免疫複合体を形成する。未結合成分を洗い流し、酵素基質(H)/クロモゲン溶液(テトラメチルベンジジン、TMB)を加える。その後の発色は、試料中に存在する特異的な抗体の量に比例している。
当業者は、軽微な試験設定の変更が、試験に適用されたSBVペプチドに応じて必要であり得ることを理解している。これらの変更は当業者の通常技術の範囲内である。
Figure 2015535841
文献リスト
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Claims (18)

  1. SBVヌクレオカプシドタンパク質の5〜50個のアミノ酸、好ましくは5〜40個のアミノ酸、更に好ましくは5〜20個のアミノ酸、更に一層好ましくは12〜16個のアミノ酸、更に一層好ましくは5〜7個のアミノ酸を含む又はそれらからなる、好ましくは配列番号2〜138又はそのフラグメントの一部を形成する又はそれらを含む又はそれらからなる、又は配列番号2〜138のうちの1つと少なくとも90%の配列同一性、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する、単離されたペプチド。
  2. ペプチドが、図1(配列番号1)のアミノ酸位置16〜58、好ましくは、SBVのヌクレオカプシドタンパク質(Np)のアミノ酸位置16〜32、16〜24、18〜35、20〜36、35〜50、61〜85、又は170〜205、好ましくは170〜190をカバーする、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  3. 配列NPEVGYVAFIGKYGQQLNFGVA、NPEVGYVAFIGKYGQQ、VGYVAFIGKYGQQLNF、VAFIGKYGQQLNFGVA、NPEVGYV、EVGYVAF、VAFIGKY、FIGKYGQ、GKYGQQL、YGQQLNF、QQLNFGV、QLNFGVA、NFGVA、LNFGV、QLNFG、QQLNF、GQQLN、YGQQL、KYGQQ、GKYGQ、IGKYG、FIGKY、AFIGK、VAFIG、YVAFI、GYVAF、VGYVA、EVGYV、PEVGY、NPEVG、LRQRYGTMTAEEWMTQKIT、GFSPAARTFLQQFGIN、LRQRYGT、QRYGTMT、YGTMTAE、TMTAEEW、TAEEWMT、EEWMTQK、WMTQKIT、GFSPAAR、SPAARTF、AARTFLQ、RTFLQQF;及びLQQFGINからなる群から選択される、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  4. 請求項2又は3に記載の少なくとも2つのペプチドを含む単離されたペプチド混合物。
  5. ペプチドが、SBV又はシンブ血清群ウイルスで感染した動物によって産生された抗体、好ましくは、ポリクローナル又はモノクローナル抗体と特異的に結合するエピトープを含む又はそれらからなる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の単離されたペプチド。
  6. ペプチドがウシ及びヒツジ由来の抗体に特異的に結合する、請求項5に記載の単離されたペプチド。
  7. 5〜50個のアミノ酸を含み且つそこに含まれる配列番号2〜138のうち少なくとも1つを有する、単離されたペプチド。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
  9. SBV又はシンブ血清群ウイルスで感染した非ヒト動物の同定方法であって、
    i.試料と、請求項1から7までのいずれか1項に記載のペプチドとを、試料中のSBVに対して又はシンブ血清群ウイルスに対して特異的な抗体とペプチドとの複合体が形成し得る条件下で接触させる工程;
    ii.こうして形成された複合体を、複合体の抗体に対して特異的な抗体又は請求項1から7までのいずれか1項に記載の標識されたペプチドを用いて検出する工程
    を含み、その際、複合体の検出がSBV又はシンブ血清群ウイルスによる感染の指標である、前記方法。
  10. ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、好ましくは多段階工程又は一段階工程の方法である、請求項9に記載の方法。
  11. SBV感染の検出方法で使用される請求項1から7までのいずれか1項に記載の1つ以上のペプチド。
  12. 試料中のSBV感染又はシンブ血清群ウイルスの検出用のキットであって、
    i.請求項1から7までのいずれか1項に記載の1つ以上のペプチド;及び
    ii.ペプチドとSBV又はシンブ血清群ウイルスに対して特異的な抗体との間に形成された複合体の検出手段
    を含む、前記キット。
  13. 233アミノ酸の、好ましくは、配列番号2〜138、又は配列番号139〜144(図3〜8)による、又はそのフラグメントのヌクレオカプシドタンパク質、又はシュマーレンベルグウイルス(SBV)検出アッセイ又はシンブ血清群アッセイに使用されるそれらと95%の同一性を有するタンパク質を含む、単離されたSBVタンパク質。
  14. 試料中のSBVに対する、好ましくはシンブ血清群ウイルスに対する抗体の特異的同定に有用なエピトープを含む単離されたペプチドであって、エピトープが、少なくとも5個のアミノ酸、好ましくは少なくとも7個のアミノ酸、更に好ましくは12個のアミノ酸、更に一層好ましくは5〜25個の間の配列番号2〜138の又は配列番号139〜144(図3〜8)のアミノ酸を含む、前記単離されたペプチド。
  15. 請求項1又は請求項13に記載のペプチド又はタンパク質又は請求項14に記載のペプチドの製造方法。
  16. SBV又はシンブ血清群ウイルスで感染した非ヒト動物の同定方法であって、
    i.試料と、SBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドとを、試料中のSBVに対して又はシンブ血清群ウイルスに対して特異的な抗体と配列番号2〜138、又は配列番号139〜144(図3〜8)のSBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドとの複合体が形成し得る条件下で接触させる工程;
    ii.こうして形成された複合体を、複合体の抗体に対して特異的な抗体を用いて検出する工程
    を含み、
    その際、複合体の検出がSBV又はシンブ血清群ウイルスによる感染の指標である、前記方法。
  17. ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、好ましくは多段階工程又は一段階工程の方法である、請求項16に記載の方法。
  18. 試料中のSBV感染又はシンブ血清群ウイルスの検出用のキットであって、
    i.配列番号2〜138又は配列番号139〜144(図3〜8)のSBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチド;及び
    ii.SBVのタンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド又はペプチドとSBV又はシンブ血清群ウイルスに対して特異的な抗体との間に形成された複合体の検出手段
    を含む、前記キット。
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