本発明の第1の態様によれば、ダウンリンクリファレンスシンボルの配列を含む無線インターフェースを用いる無線通信システムにおいて、あるタイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間に関する情報を端末デバイスへ伝えるよう基地局を動作させる方法が提供され、方法は、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を決定することと、決定された期間に依存してダウンリンクリファレンスシンボルの配列の中から少なくとも1つのリファレンスシンボルを選択することと、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を端末デバイスへ指示するために少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信を抑制することと、を備える。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択は、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けにも基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、基地局によって確立され、事前のシグナリングにおいて端末デバイスへ通信される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、ルックアップテーブルにおいて定義される。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルは、リファレンスシンボルの異なる組み合わせと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない複数のポテンシャル期間との間のマッピングに従って選択される複数のリファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、リファレンスシンボルを送信するための複数の(multiple)アンテナポートを含み、リファレンスシンボルの送信が抑制されるべきであるアンテナポートは、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない決定された期間及び/又は端末デバイスのアイデンティティ(identity)に依存して選択される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルは、CRS(セル特有のリファレンスシンボル)、及び/又は、端末デバイス特有のリファレンスシンボル、及び/又は、DM‐RS(復調リファレンスシンボル)、及び/又は、チャネル状態情報リファレンスシンボル、及び/又は、位置決め(positioning)リファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択は、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信が抑制されるべきである時間に対する該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間の開始時刻にも基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択は、選択される少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信の抑制が端末デバイスに該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない複数の(multiple)期間を指示するように、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない更なる期間にも基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、複数の(multiple)期間は、送信の抑制のために選択される少なくとも1つのリファレンスシンボルに従って定義されるパターンに従う。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択は、該タイプの端末デバイス特有のデータが決定された期間中に送信のためにスケジュールされない端末デバイスのアイデンティティに基づいて選択される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスのアイデンティティは、端末デバイスを一意に(uniquely)識別する。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスのアイデンティティは、端末デバイスがそのメンバである端末デバイスのグループを識別する。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスと端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、基地局と端末デバイスとの間のシグナリングによって確立される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスと端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信を抑制することは、少なくとも1つのリファレンスシンボルを送信しないこと、又は、少なくとも1つのリファレンスシンボルを抑制されないリファレンスシンボルの電力より少ない電力で送信することを備える。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、無線サブフレームを備えるダウンリンク無線フレーム構造を有する。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信が抑制されるサブフレームで送信されるリファレンスシンボルが、それとは反対に少なくとも1つのリファレンスシンボルが抑制されなかった場合に送信される電力より大きい電力で送信される。
いくつかの実施形態によれば、期間は、リファレンスシンボルが抑制されるサブフレームに対して定義されるオフセットから開始するサブフレームの数と対応する。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルは、複数のサブフレームの各サブフレームに少なくとも1つのリファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅に亘る複数の直交周波数分割多重(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing))サブキャリアを含み、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅全体にわたって分散するOFDMサブキャリアの第1のグループを用いて第1のクラスの端末デバイスと通信するための第1のキャリア、及び制限された周波数帯域幅にわたって分散するOFDMサブキャリアの第2のグループ上で第2のクラスの端末デバイスと通信するための第2のキャリアをサポートし、制限された周波数帯域幅は、システム周波数帯域幅より狭く、且つ、システム周波数帯域幅内にあり、端末デバイスは、第2のキャリア上で動作する第2のクラスの端末デバイスである。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択は、基地局から端末デバイスへ伝えられるべき更なる情報に基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、方法は、端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされなかった期間中に端末デバイスから受信されるシグナリングに応答してこの期間中に基地局が端末デバイスへ端末デバイス特有のデータを送信することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、方法は、端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信されなかった期間の満了時に基地局が端末デバイスからCQI(Channel Quality Indicator)を受信することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、マシンタイプコミュニケーション(MTC)端末デバイスである。
本発明の第2の態様によれば、ダウンリンクリファレンスシンボルの配列を含む無線インターフェースを用いる無線通信システムにおいて、あるタイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間に関する情報を端末デバイスへ伝えるように構成された基地局が提供され、基地局は、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を決定するように構成されたスケジューリングユニットと、決定された期間に依存してダウンリンクリファレンスシンボルの配列の中から少なくとも1つのリファレンスシンボルを選択するように構成された選択ユニットと、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を端末デバイスへ指示するために少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信を抑制するように構成された送信機ユニットと、を備える。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択が、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けにも基づくものであるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、無線通信システムのために事前に定義される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けが基地局によって確立され、少なくとも1つのリファレンスシンボルの抑制の前に端末デバイスへ通信されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、ルックアップテーブルにおいて定義される。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルは、リファレンスシンボルの異なる組み合わせと該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない複数のポテンシャル期間との間のマッピングに従って選択される複数のリファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、リファレンスシンボルを送信するための複数のアンテナポートを含み、そのリファレンスシンボルの送信が抑制されるべきであるアンテナポートが、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない決定された期間、及び/又は、端末デバイスのアイデンティティに依存して選択されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルは、CRS(セル特有のリファレンスシンボル)、及び/又は、端末デバイス特有のリファレンスシンボル、及び/又は、DM‐RS(復調リファレンスシンボル)、及び/又は、チャネル状態情報リファレンスシンボル、及び/又は、P‐RS(位置決めリファレンスシンボル)を備える。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択が、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信が抑制されるべきである時間に対する、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間の開始時刻にも基づくものであるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択が、選択される少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信の抑制が端末デバイスに該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない複数の(multiple)期間を指示するように、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない更なる期間にも基づくものであるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、複数の(multiple)期間が、送信の抑制のために選択される少なくとも1つのリファレンスシンボルに従って定義されるパターンに従うように構成される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルが、該タイプの端末デバイス特有のデータが決定された期間中に送信のためにスケジュールされない端末デバイスのアイデンティティにも基づいて選択されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスのアイデンティティは、端末デバイスを一意に識別する。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスのアイデンティティは、端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループを識別する。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、端末デバイスと、端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、基地局と端末デバイスとの間のシグナリングによって確立されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスと、端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信を抑制することが、少なくとも1つのリファレンスシンボルを送信しないこと、又は、少なくとも1つのリファレンスシンボルを、送信が抑制されない別のリファレンスシンボルの電力より少ない電力で送信することを備えるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、無線サブフレームを備えるダウンリンク無線フレーム構造を有する。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのリファレンスシンボルが抑制されるサブフレームで送信されるリファレンスシンボルが、それとは反対に少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信が抑制されなかった場合に送信される電力より大きい電力で送信されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、期間が、リファレンスシンボルが抑制されるサブフレームに対して定義されるオフセットから開始するサブフレームの数と対応するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルは、複数のサブフレームの各サブフレームに少なくとも1つのリファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅に亘る複数の直交周波数分割多重(OFDM)サブキャリアを含み、基地局は、無線インターフェースが、システム周波数帯域幅全体にわたって分散するOFDMサブキャリアの第1のグループを用いて第1のクラスの端末デバイスと通信するための第1のキャリア、及び制限された周波数帯域幅にわたって分散するOFDMサブキャリアの第2のグループ上で第2のクラスの端末デバイスと通信するための第2のキャリアをサポートするように構成され、制限された周波数帯域幅は、システム周波数帯域幅より狭く、且つ、システム周波数帯域幅内にあり、端末デバイスは、第2のキャリア上で動作する第2のクラスの端末デバイスである。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、送信が抑制されるべきである少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択が、基地局から端末デバイスへ伝えられるべき更なる情報に基づくものであるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされなかった期間中に端末デバイスから受信されるシグナリングに応答してこの期間中に端末デバイスへ端末デバイス特有のデータを送信するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、基地局は、端末デバイス特有のデータが端末デバイスへ送信されなかった期間の満了時に基地局が端末デバイスからCQI(Channel Quality Indicator)を受信するように構成される。
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様の基地局と、期間中に該タイプの端末デバイス特有のデータがその送信のためにスケジュールされない端末デバイスとを備える無線通信システムが提供される。
本発明の第4の態様によれば、ダウンリンクリファレンスシンボルの配列を含む無線インターフェースを用いる無線通信システムにおいて端末デバイスを動作させる方法が提供され、方法は、基地局によって送信されるリファレンスシンボルをモニタすることと、ダウンリンクリファレンスシンボルの配列の中からの少なくとも1つのリファレンスシンボルの基地局による送信が抑制されることを識別することと、送信が抑制される識別された少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて低アクティビティモードに入るべき期間を決定することと、決定された期間にわたって低アクティビティモードを起動することと、を備える。
いくつかの実施形態によれば、決定される低アクティビティモードに入るべき期間は、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けに基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、基地局から端末デバイスへ通信される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、ルックアップテーブルにおいて定義される。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルは複数のリファレンスシンボルを含み、低アクティビティモードに入る期間は、リファレンスシンボルの異なる組み合わせと低アクティビティモードに入る複数のポテンシャル期間との間のマッピングに従って決定される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルは、基地局の複数のアンテナポートからの送信時に受信され、決定される低アクティビティモードに入る期間は、どのアンテナポートが、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるかに基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルは、CRS(セル特有のリファレンスシンボル)、及び/又は、端末デバイス特有のリファレンスシンボル、及び/又は、DM‐RS(復調リファレンスシンボル)、及び/又は、チャネル状態情報リファレンスシンボル、及び/又は、P‐RS(位置決めリファレンスシンボル)を備える。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信が抑制される時間に対する低アクティビティモードに入る期間の開始時刻も、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づくものである。
いくつかの実施形態によれば、方法は、送信が抑制される識別された少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて、低アクティビティモードに入るべき少なくとも1つの更なる期間を決定することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、決定される期間及び少なくとも1つの更なる期間は、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルに従って定義されるパターンに従う。
いくつかの実施形態によれば、方法は、端末デバイスの識別子(identifier)と送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるアイデンティティとの間の対応に基づく期間にわたって低アクティビティモードに入ることを決定することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるアイデンティティは、端末デバイスを一意に識別する。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるアイデンティティは、端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループを識別する。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスと端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、基地局と端末デバイスとの間のシグナリングによって確立される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスと端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのリファレンスシンボルは、該リファレンスシンボルが受信されないこと、又は他のリファレンスシンボルより少ない電力で受信されることに基づいて抑制されるものとして識別される。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、無線サブフレームを備えるダウンリンク無線フレーム構造を有する。
いくつかの実施形態によれば、期間は、リファレンスシンボルが抑制されるサブフレームに対して定義されるオフセットから開始するサブフレームの数と対応する。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルは、複数のサブフレームの各サブフレームに少なくとも1つのリファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅に亘る複数の直交周波数分割多重(OFDM)サブキャリアを含み、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅全体にわたって分散するOFDMサブキャリアの第1のグループを用いて第1のクラスの端末デバイスと通信するための第1のキャリア、及び制限された周波数帯域幅にわたって分散するOFDMサブキャリアの第2のグループ上で第2のクラスの端末デバイスと通信するための第2のキャリアをサポートし、制限された周波数帯域幅は、システム周波数帯域幅より狭く、システム周波数帯域幅内にあり、端末デバイスは、第2のキャリア上で動作する第2のクラスの端末デバイスである。
いくつかの実施形態によれば、方法は、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて基地局から端末デバイスへ通信される更なる情報を導出することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、方法は、基地局と端末デバイスとの間の後続の通信のリソースを要求するために端末デバイスが低アクティビティモードの間に基地局へシグナリングを送信することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、方法は、端末デバイスが低アクティビティモードの終了時に基地局へCQI(Channel Quality Indicator)を送信することを更に備える。
いくつかの実施形態によれば、低アクティビティモードは、端末デバイスが、低アクティビティモードではないときよりも少なく、且つ、基地局からである送信を復号するように構成されるモードである。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、低アクティビティモードにあるときに、同期情報、及び/又は、システム情報、及び/又は、リファレンスシンボルのうちの少なくとも1つを復号し続ける。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスはマシンタイプコミュニケーション(MTC)端末デバイスである。
本発明の第5の態様によれば、ダウンリンクリファレンスシンボルの配列を含む無線インターフェースを用いる無線通信システムにおいて使用するための端末デバイスが提供され、端末デバイスは、基地局によって送信されるリファレンスシンボルをモニタするためのモニタリングユニットと、ダウンリンクリファレンスシンボルの配列の中からの少なくとも1つのリファレンスシンボルの基地局による送信が抑制されることを識別するための識別ユニットと、送信が抑制される識別された少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて低アクティビティモードに入るべき期間を決定するための決定ユニットと、決定された期間にわたって低アクティビティモードを起動(initiating)するための起動ユニットと、を備える。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、決定される低アクティビティモードに入るべき期間が、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けに基づくものであるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、基地局から端末デバイスへ通信される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのうちの異なるリファレンスシンボルと低アクティビティモードに入る異なるポテンシャル期間との間の関連付けは、ルックアップテーブルにおいて定義される。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルは複数のリファレンスシンボルを含み、端末デバイスは、低アクティビティモードに入る期間が、リファレンスシンボルの異なる組み合わせと低アクティビティモードに入る複数のポテンシャル期間との間のマッピングに従って決定されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、基地局の複数のアンテナポートからの送信時にリファレンスシンボルを受信し、どのアンテナポートが、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるかに基づいて低アクティビティモードに入る期間を決定するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルは、CRS(セル特有のリファレンスシンボル)、及び/又は、端末デバイス特有のリファレンスシンボル、及び/又は、DM‐RS(復調リファレンスシンボル)、及び/又は、チャネル状態情報リファレンスシンボル、及び/又は、P‐RS(位置決めリファレンスシンボル)を備える。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信が抑制される時間に対する低アクティビティモードに入る期間の開始時刻も、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて決定されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、送信が抑制される識別された少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて低アクティビティモードに入るべき少なくとも1つの更なる期間を決定するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、決定される期間及び少なくとも1つの更なる期間は、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルに従って定義されるパターンに従う。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、端末デバイスの識別子と送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるアイデンティティとの間の対応に基づく期間にわたって低アクティビティモードに入ることを決定するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるアイデンティティは、端末デバイスを一意に識別する。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルと関連付けられるアイデンティティは、端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループを識別する。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、端末デバイスと端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが基地局と端末デバイスとの間のシグナリングによって確立されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスと端末デバイスがメンバである端末デバイスのグループとの間の関連付けが、無線通信システムのために事前定義される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、少なくとも1つのリファレンスシンボルが、該リファレンスシンボルが受信されないこと、又は他のリファレンスシンボルより少ない電力で受信されることに基づいて抑制されるものとして識別されるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、無線サブフレームを備えるダウンリンク無線フレーム構造を有する。
いくつかの実施形態によれば、期間は、リファレンスシンボルが抑制されるサブフレームに対して定義されるオフセットから開始するサブフレームの数と対応する。
いくつかの実施形態によれば、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルは、複数のサブフレームの各サブフレームに少なくとも1つのリファレンスシンボルを備える。
いくつかの実施形態によれば、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅に亘る複数の直交周波数分割多重(OFDM)サブキャリアを含み、無線インターフェースは、システム周波数帯域幅全体にわたって分散するOFDMサブキャリアの第1のグループを用いて第1のクラスの端末デバイスと通信するための第1のキャリア、及び制限された周波数帯域幅にわたって分散するOFDMサブキャリアの第2のグループ上で第2のクラスの端末デバイスと通信するための第2のキャリアをサポートし、制限された周波数帯域幅は、システム周波数帯域幅より狭く、且つ、システム周波数帯域幅内にあり、端末デバイスは、第2のキャリア上で動作する第2のクラスの端末デバイスである。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、送信が抑制される少なくとも1つのリファレンスシンボルに基づいて基地局によって通信される更なる情報を導出するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、基地局と端末デバイスとの間の後続の通信のリソースを要求するために低アクティビティモードの間に基地局へシグナリングを送信するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、低アクティビティモードの終了時に基地局へCQI(Channel Quality Indicator)を送信するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、低アクティビティモードは、端末デバイスが、低アクティビティモードではないときより少なく、且つ、基地局からである送信を復号するように構成されるモードである。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、低アクティビティモードにあるときに、同期情報、及び/又は、システム情報、及び/又は、リファレンスシンボルのうちの少なくとも1つを復号し続けるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、マシンタイプコミュニケーション(MTC)端末デバイスである。
本発明の第6の態様によれば、本発明の第5の態様の端末デバイスと基地局とを備える無線通信システムが提供される。
本発明の第1の態様及びその他の態様に関連して上述した本発明の特徴及び態様は等しく適用可能であり、上述の特定の組み合わせとしてだけでなく、本発明の異なる態様による本発明の実施形態と適宜組み合わされ得るものであることが理解されるであろう。
次に本発明の実施形態を、単なる例示として、添付の図面を参照して説明する。図面において類似の部分は対応する参照符号を備える。
本発明の実施形態は、特に、「ホストキャリア」の帯域幅内で動作する「仮想キャリア」と呼ばれ得るもののコンテキスト内で用いられ得る。仮想キャリアの概念は、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、GB1101970.0(特許文献1)、GB1101981.7(特許文献2)、GB1101966.8(特許文献3)、GB1101983.3(特許文献4)、GB1101853.8(特許文献5)、GB1101982.5(特許文献6)、GB1101980.9(特許文献7)、GB1101972.6(特許文献8)、GB1121767.6(特許文献9)及びGB1121766.8(特許文献10)の各番号を有する同時係属の英国特許出願に記載されている。読者は、詳細についてはこれら同時係属の出願を参照されたいが、参照しやすいように、ここにも仮想キャリアの概念の概要を示す。
従来のネットワーク
図1に、従来のモバイル通信ネットワークの若干の基本的機能を例示する概略図を示す。
ネットワークは、コアネットワーク102に接続された複数の基地局101を含む。各基地局は、その範囲内で端末デバイス104との間でデータが通信され得るカバレッジエリア103(即ちセル)を提供する。データは、無線ダウンリンクを介して、基地局101から各基地局101のカバレッジエリア103内の端末デバイス104へ送信される。データは、無線アップリンクを介して端末デバイス104から基地局101へ送信される。コアネットワーク102は、それぞれの基地局101を介して端末デバイス104との間でデータをルーティングし、認証、モビリティ管理、課金などといった機能を提供する。
モバイル通信システム、例えば、3GPP定義のLTE(Long Term Evolution)アーキテクチャに従って構成されたモバイル通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)ベースのインターフェースを無線ダウンリンク(いわゆるOFDMA)及び無線アップリンク(いわゆるSC‐FDMA)に使用する。図2に、OFDMベースのLTEダウンリンク無線フレーム201を例示する概略図を示す。LTEダウンリンク無線フレームは、LTE基地局(エンハンスドNodeBと呼ばれる)から送信され、10ミリ秒間続く。ダウンリンク無線フレームは10サブフレームを含み、各サブフレームは1ミリ秒間続く。プライマリ同期信号(PSS(Primary Synchronisation Signal))及びセカンダリ同期信号(SSS(Secondary Synchronisation Signal))はLTEフレームの第1及び第6のサブフレームで送信される。プライマリブロードキャストチャネル(PBCH(Primary Broadcast Channel))はLTEフレームの第1のサブフレームで送信される。PSS、SSS、及びPBCHについては以下でより詳細に論じる。
図3は、従来のダウンリンクLTEサブフレームの例の構造を例示するグリッドの概略図である。サブフレームは、1ミリ秒の期間にわたって送信される所定数のシンボルを備える。各シンボルは、ダウンリンク無線キャリアの帯域幅にわたって分散した所定数の直交サブキャリアを備える。
図3に示すサブフレームの例は、14シンボル、及び20MHzの帯域幅にわたって散在する1200サブキャリアを備える。LTEで送信するための最小のユーザデータ割当は、1スロット(0.5サブフレーム)上で送信される12サブキャリアを備えるリソースブロックである。明確にするために、図3には個々のリソースエレメントを示しておらず、その代わり、サブフレームグリッド内の個々のボックスが1シンボル上で送信される12サブキャリアに対応する。
図3には、4つのLTE端末340、341、342、343のためのリソース割当がハッチングで示されている。例えば、第1のLTE端末(UE1)のためのリソース割当342は5ブロックの12サブキャリア(即ち60サブキャリア)にわたっており、第2のLTE端末(UE2)のためのリソース割当343は6ブロックの12サブキャリアにわたっており、以下同様である。
制御チャネルデータは、サブフレームの最初のnシンボルを備えるサブフレームの(図3において点網掛けで表された)制御領域300で送信され、nは3MHz以上のチャネル帯域幅では1から3シンボルまで可変であり、1.4MHzのチャネル帯域幅では2から4シンボルまで可変である。具体例の提供としては、以下の記述は、3MHz以上のチャネル帯域幅を有するホストキャリアに関するものであり、よってnの最大値は3になる。制御領域300で送信されるデータは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel))、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel))、及び物理HARQ指示チャネル(PHICH(Physical HARQ Indicator Channel))上で送信されるデータを含む。
PDCCHは、サブフレームのどのシンボル上でどのサブキャリアが特定のLTE端末に割当られているかを指示する制御データを含む。よって、図3に示すサブフレームの制御領域300で送信されるPDCCHデータは、UE1が参照番号342で識別されるリソースのブロックを割当られていること、UE2が参照番号343で識別されるリソースのブロックを割当られていること、以下同様を指示することになる。
PCFICHは、制御領域のサイズ(即ち1から3シンボルまで)を指示する制御データを含む。
PHICHは、前に送信されたアップリンクデータがネットワークによって正常に受信されたか否かを指示するHARQ(Hybrid Automatic Request)データを含む。
時間周波数リソースグリッドの中央帯域310のシンボルは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を含む情報の送信に使用される。この中央帯域310は通常、(1.08MHzの送信帯域幅に対応する)72サブキャリアの幅である。PSS及びSSSは、検出されると、LTE端末デバイスがフレーム同期を達成し、ダウンリンク信号を送信しているエンハンスドNodeBのセルアイデンティティを決定することを可能にする同期信号である。PBCHはセルに関する情報を搬送し、LTE端末がセルに正しくアクセスするのに使用するパラメータを含むマスタ情報ブロック(MIB(Master Information Block))を備える。物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で個々のLTE端末へ送信されるデータはそのサブフレームの他のリソースエレメントで送信され得る。これらのチャネルの更なる説明を以下で提供する。
図3には、システム情報を含み、R344の帯域幅に及ぶPDSCHの領域も示されている。従来のLTEフレームは、以下で更に論じるが、明確にするために図3には示されていないリファレンス信号も含むことになる。
LTEチャネル内のサブキャリアの数は伝送ネットワークの構成に応じて変動し得る。通常、この変動は、1.4MHzチャネル帯域幅内に含まれる72サブキャリアから(図3に概略的に示すように)20MHzチャネル帯域幅内に含まれる1200サブキャリアまでである。当分野で公知のように、PDCCH、PCFICH、及びPHICH上で送信されるデータは、通常、周波数ダイバーシチを可能にするためにサブフレームの全帯域幅にわたるサブキャリア上に分散される。従って、従来のLTE端末は、制御領域を受信し、復号するために全チャネル帯域幅を受信することができなければならない。
図4に、LTE「キャンプオン」プロセス、即ち、端末がダウンリンクチャネルを介して基地局によって送られるダウンリンク送信を復号するために従うプロセスを示す。このプロセスを用いて、端末は、セルについてのシステム情報を含む送信の部分を識別し、よってセルについての構成情報を復号することができる。
図4に示すように、従来のLTEキャンプオン手順では、端末は、まず、中央帯域のPSS及びSSSを用いて基地局と同期し(ステップ400)、次いでPBCHを復号する(ステップ401)。端末は、ステップ400及びステップ401を実行すると、基地局と同期される。
サブフレームごとに、端末は、次いで、キャリア320の全帯域幅にわたって分散しているPCFICHを復号する(ステップ402)。上述のように、LTEダウンリンクキャリアは最大20MHzまでの幅(1200サブキャリア)の可能性があり、LTE端末は従って、PCFICHを復号するために20MHzの帯域幅上での送信を受信し、復号する機能を有する必要がある。PCFICH復号段では、20MHzのキャリア帯域を用いて、端末は、同期及びPBCH復号に関連するステップ400及びステップ401の間(R310の帯域幅)よりもずっと大きい帯域幅(R320の帯域幅)で動作する。
端末は次いで、PHICHの位置を確認し(ステップ403)、特に、システム情報送信を識別するためと、端末のリソース割当を識別するために、PDCCHを復号する(ステップ404)。リソース割当は端末によって、システム情報の位置を特定し、PDSCH内の端末のデータの位置を特定すると共に、端末がPUSCH上で許可されている送信リソースの情報を得るために使用される。システム情報もUE特有のリソース割当もPDSCH上で送信され、キャリア帯域320内でスケジュールされる。またステップ403及びステップ404は、端末がキャリア帯域の全帯域幅R320上で動作することも必要とする。
ステップ402からステップ404で、端末は、サブフレームの制御領域300に含まれる情報を復号する。上記説明のように、LTEでは、上述の3つの制御チャネル(PCFICH、PHICH、及びPDCCH)がキャリアの制御領域300全体にわたって見られ、制御領域は範囲R320に及び、上述のように各サブフレームの最初の1、2、又は3OFDMシンボルを占める。サブフレームでは通常、制御チャネルは制御領域300内の全てのリソースエレメントを使用せず、全領域にわたって散在し、そのためLTE端末は、3つの制御チャネルの各々を復号するために全制御領域300を同時に受信することができなければならない。
端末は次いで、システム情報又はこの端末のために送信されたデータを含むPDSCHを復号する(ステップ405)ことができる。
上記説明のように、LTEサブフレームでは、PDSCHは一般に、制御領域にも、PSS、SSS又はPBCHが占めるリソースエレメントにも含まれないリソースエレメントのグループを占める。図3に示す異なるモバイル通信端末(UE)に割当られたリソースエレメントのブロック340、341、342、343内のデータは全キャリアの帯域幅より小さい帯域幅を有するが、これらのブロックを復号するために、端末はまず、周波数範囲R320にわたって散在するPDCCHを受信して、PDCCHが、PDSCHリソースがそのUEに割当られており、復号されるべきであることを指示しているかどうか判定する。UEは、全サブフレームを受信すると、次いで、PDCCHによって指示される(もしあれば)関連する周波数範囲内のPDSCHを復号することができる。そのため、例えば上述のUE1は制御領域300全体を復号し、次いでリソースブロック342のデータを復号する。
仮想ダウンリンクキャリア
あるクラスのデバイス、例えばMTCデバイス(上述のスマートメータのような準自律的、又は、自律的な無線通信デバイスなど)は、比較的低頻度の間隔での少量のデータ送信を特徴とする通信アプリケーションをサポートし、よって、従来のLTE端末よりも大幅に簡素であり得る。多くのシナリオにおいて、そのような低機能(low capability)端末に、全キャリア帯域幅にわたるLTEダウンリンクフレームからのデータを受信し、処理することができる従来の高機能のLTE受信機ユニットを設けることは、少量のデータを通信しさえすればよいデバイスにとっては過度に複雑になり得る。従ってこれは、LTEネットワークにおける低機能MTCタイプのデバイスの幅広い展開の実現を制限するものとなり得る。代わりに、MTCデバイスのような低機能端末には、端末へ送信される可能性の高いデータ量により釣り合うより簡素な受信機ユニットを設けることが好ましい。以下に記載するように、本発明の例によれば、従来のOFDMタイプのダウンリンクキャリア(即ち、「ホストキャリア」)の送信リソース内に「仮想キャリア」が提供される。従来のOFDMタイプのダウンリンクキャリア上で送信されるデータとは異なり、仮想キャリア上で送信されるデータは、ダウンリンクのホストOFDMキャリアの全帯域幅の処理を必要とせずに、受信され、復号され得る。そのため、仮想キャリア上で送信されるデータは、複雑さが低減された受信機ユニットを用いて受信し、復号することができる。
図5に、本発明の例によるホストキャリアに挿入された仮想キャリアを含むLTEダウンリンクサブフレームを例示する概略的な図を示す。
従来のLTEダウンリンクサブフレームに従えば、最初のnシンボル(nは図5では3である)は、PDCCH上で送信されるデータのようなダウンリンク制御データの送信用に確保される制御領域300を形成する。しかし、図5から分かるように、制御領域300の外側に、LTEダウンリンクサブフレームは、仮想キャリア501を形成する、この例では中央帯域310の下に配置されたリソースエレメントのグループを含む。以下で更に説明するように、仮想キャリア501は、仮想キャリア501上で送信されるデータがホストキャリアの残り部分で送信されるデータとは論理的に別物として扱われ、制御領域300からの全ての制御データを復号せずに復号され得るように適合される。図5は中央帯域の下の周波数リソースを占有する仮想キャリアを示しているが、一般に仮想キャリアは、例えば中央帯域の上や中央帯域を含む他の周波数リソースを占有することができる。仮想キャリアが、ホストキャリアのPSS、SSS若しくはPBCH、又はホストキャリア上で動作する端末デバイスが正しい動作のために必要とし、既知の所定の位置で見つかるものと予期されるホストキャリアによって送信されるその他の信号によって使用されるいずれかのリソースと重複するように構成される場合、仮想キャリア上の信号は、ホストキャリアの信号のこれらの側面が維持されるように配置され得る。
図5から分かるように、仮想キャリア501上で送信されるデータは、制限された帯域幅にわたって送信される。これは、ホストキャリアの帯域幅より小さい任意の適切な帯域幅となることができる。図5に示す例では、仮想キャリアは、12ブロックの12サブキャリア(即ち144サブキャリア)を備える帯域幅にわたって送信され、これは2.16MHzの送信帯域幅と等しい。従って、仮想キャリアを使用する端末は、2.16MHzの帯域幅上で送信されるデータを受信し、処理することができる受信機を備えていさえすればよい。これは、低機能端末(例えばMTCタイプの端末)が、簡略化された受信機ユニットを備え、しかも、さらに、上記説明のように、従来、端末にOFDM信号の全帯域幅にわたって信号を受信し、処理することができる受信機を備えることを求めるOFDMタイプの通信ネットワーク内で動作し得ることを可能にする。
上記説明のように、LTEのようなOFDMベースのモバイル遠距離通信システムにおいて、ダウンリンクデータは、サブフレーム単位でサブフレーム上の異なるサブキャリア上で送信されるように動的に割当てられる。従って、あらゆるサブフレームにおいて、ネットワークは、どのシンボル上のどのサブキャリアがどの端末に関するデータを含むかをシグナリングする(即ちダウンリンク割当シグナリング)。
図3から分かるように、従来のダウンリンクLTEサブフレームでは、この情報はサブフレームの最初の1若しくは複数のシンボルの間にPDCCH上で送信される。しかし、先に説明したように、PDCCHで送信される情報は、サブフレームの全帯域幅にわたって散在し、従って、狭帯域化された帯域幅の仮想キャリアだけを受信できる簡略化された受信機ユニットを有するモバイル通信端末によっては受信され得ない。
そのため、図5から分かるように、仮想キャリアの最後のシンボルを、仮想キャリア501のどのリソースエレメントが仮想キャリアを使用するユーザ機器(UE)に割当られているかを指示する制御データの送信のための仮想キャリア制御領域502として確保することができる。いくつかの例では、仮想キャリア制御領域502を備えるシンボルの数は、例えば3シンボルに固定され得る。別の例では、仮想キャリア制御領域502は、制御領域300の場合と同様に、例えば1から3シンボルまでサイズが変動し得る。
仮想キャリア制御領域は、例えば仮想キャリアの最初の数シンボルなど、任意の適切な位置に配置され得る。図5の例においては、これは、仮想キャリア制御領域を第4、第5及び第6のシンボルに位置決めすることを意味し得る。しかし、仮想キャリア制御領域の位置をサブフレームの最後のシンボルに固定することは、仮想キャリア制御領域の位置が、ホストキャリア制御領域300のシンボルの数に応じて変動しなくなるため、有益となる。これは、仮想キャリア制御領域が常にサブフレームの最後のnシンボルに位置決めされていることが分かっていれば、端末がサブフレームごとに仮想キャリア制御領域の位置を決定する必要がなくなるため、仮想キャリア上でデータを受信するモバイル通信端末が引き受ける処理を簡素化するのに役立ち得る。
別の実施形態では、仮想キャリア制御シンボルは、別個のサブフレームでの仮想キャリアPDSCH送信を参照し得る。
いくつかの例では、仮想キャリアは、ダウンリンクサブフレームの中央帯域310内に位置し得る。これは、PSS/SSS及びPBCHによって占有されるリソースが、残りのホストキャリアPDSCH領域ではなく仮想キャリア領域内に含まれることになるため、仮想キャリアをホストキャリア帯域幅内に導入することにより引き起こされるホストキャリアPDSCHリソースへの影響を低減するのに役立ち得る。従って、例えば予期される仮想キャリアスループットに応じて、仮想キャリアの位置を、PSS、SSS及びPBCHのオーバーヘッドを運ぶためにホストキャリアが選択されるか、それとも仮想キャリアが選択されるかに従って、中央帯域の内側又は外側に存在するように適切に選択することができる。
仮想キャリアの「キャンプオン」プロセス
上記説明のように、従来のLTE端末は、セルでデータの送受信を開始する前に、まずそのセルにキャンプオン(camp-on)する。仮想キャリアを使用する端末のために適応キャンプオンプロセスを提供することができる。
図6に、本発明の例によるキャンプオンプロセスを概略的に例示する流れ図を示す。図6には2つの分岐が示されている。仮想キャリアの使用を意図するUEと関連付けられるプロセスの異なるステップが、「仮想キャリア」という概略的見出しの下に示されている。「レガシー(legacy)LTE」という概略的見出しの下に示されているステップは、ホストキャリアの使用を意図するUEと関連付けられ、これらのステップは、図4のステップに対応する。この例では、キャンプオン手順の最初の2ステップ400、401は、仮想キャリアとホスト(レガシーLTE)キャリアの両方に共通である。
仮想キャリアのキャンプオンプロセスを、図5に示すサブフレームの例を参照して説明する。図5では、144サブキャリアの帯域幅を有する仮想キャリアが、1200サブキャリアに対応する帯域幅を有するホストキャリアの動作帯域幅内に挿入されている。上述のように、ホストキャリアの動作帯域幅より小さい動作帯域幅の受信機ユニットを有する端末は、ホストキャリアのサブフレームの制御領域内のデータを完全に復号することができない。しかし、12ブロックの12サブキャリアのみ(即ち2.16MHz)の動作帯域幅を有する端末の受信機ユニットは、この例示の仮想キャリア502上で送信される制御データ及びユーザデータを受信することができる。
上述のように、図6の例では、仮想キャリア端末のための最初のステップ400及びステップ401は、図4に示す従来のキャンプオンプロセスと同じであるが、仮想キャリア端末は、以下で記述するように、MIBから追加情報を抽出し得る。どちらのタイプの端末も(即ち仮想キャリア端末もホスト/レガシーキャリア端末も)、PSS/SSS及びPBCHを使用し、ホストキャリア内の72サブキャリアの中央帯域上で搬送される情報を用いて基地局と同期することができる。しかし、従来のLTE端末が次いでプロセスを続けて、ホストキャリア制御領域300を受信し、復号することができる受信機ユニットを必要とするPCFICH復号ステップ402を実行するところで、仮想キャリア上でデータを受信するためにセルにキャンプオンする端末(「仮想キャリア端末」と呼ばれ得る)は、代わりにステップ606及び607を実行する。
別の例では、ホストキャリアデバイスのステップ400及びステップ401の同じ従来の初期キャンプオンプロセスを再利用するのではなく、仮想キャリアデバイスのために別個の同期及びPBCHの機能が提供され得る。
ステップ606で、仮想キャリア端末は、仮想キャリアがホストキャリア内に提供される場合には、仮想キャリア特有のステップを用いて仮想キャリアの位置を特定する。このステップがどのように実行され得るかの様々な例を以下で更に論じる。仮想キャリア端末は、仮想キャリアの位置を特定すると、仮想キャリア内の情報にアクセスすることができる。例えば、仮想キャリアが従来のLTEのリソース割当方法を反映する場合、仮想キャリア端末は、引き続き仮想キャリア内の制御部分を復号してよく、この制御部分は、例えば、仮想キャリア内のどのリソースエレメントが特定の仮想キャリア端末のために、又はシステム情報のために割当られているか指示することができる。例えば、図7には、サブフレームSF2のために割当られている仮想キャリア330内のリソースエレメントのブロック350〜352が示されている。しかし、仮想キャリア端末が従来のLTEプロセス(例えばステップ402〜404)に従い、又はこれを反映する必要はなく、これらのステップは、例えば、仮想キャリアのキャンプオンプロセスのために全く異なる手法で実施されてよい。
仮想キャリア端末がステップ607を実行するときに、LTEのようなステップに従うか、それとも異なるタイプのステップに従うかにかかわらず、仮想キャリア端末は、次いで、ステップ608で割当られたリソースエレメントを復号し、それによって、仮想キャリアをブロードキャストする基地局によって送信されたデータを受信することができる。ステップ608で復号されたデータは、例えばネットワーク構成の詳細を含むシステム情報の残りの部分を含み得る。
たとえ仮想キャリア端末が、ダウンリンクデータが従来のLTEを用いてホストキャリアにおいて送信された場合にダウンリンクデータを復号し、受信する帯域幅の機能(capability)を有していなくても、仮想キャリア端末は、それでもなお、初期のLTEのステップを再利用する限り、制限された帯域幅を有するホストキャリア内の仮想キャリアにアクセスすることができる。ステップ608も、LTEのような手法で、又は異なる手法で、実施され得る。例えば、複数の仮想キャリア端末が仮想キャリアを共用し、図7のSF2に示すように仮想キャリア共用を管理するために許可を割当られ、或いは、別の例として、仮想キャリア端末が、仮想キャリア端末自体のダウンリンク送信のために仮想キャリア全体を割当られ、或いは、仮想キャリアが、ある特定の数のサブフレームについてのみ全体として仮想キャリア端末に割当られるなどである。
よって、仮想キャリアキャンプオンプロセスのために大幅な柔軟性が提供される。例えば、LTEは、より大きい帯域のホストキャリアを念頭において設計されているため、従来のLTEのステップ又はプロセスを再利用又は反映し、それによって端末の複雑さ及び新しいエレメントの実装の必要を低減することと、新しい仮想キャリア特有の態様又は実行を追加し、それによって狭帯域の仮想キャリアの使用を潜在的に最適化することとの間のバランスを調節することができる。
ダウンリンク仮想キャリアの検出
上述のように、仮想キャリア端末は、仮想キャリア上の送信を受信し、復号する前に、(ホストキャリアの時間周波数リソースグリッド内で)仮想キャリアの位置を特定する必要がある。仮想キャリアの存在及び位置決定についてはいくつかの代替方法が利用可能であり、それらは別々に実施することも、組み合わせて実施することもできる。それらの選択肢のうちのいくつかを以下で論じる。
仮想キャリア検出を容易するために、仮想キャリア位置情報は、仮想キャリア端末が、仮想キャリアが存在する場合に、その位置をより容易に特定することができるように仮想キャリア端末に提供され得る。例えば、そのような位置情報は、1つ以上の仮想キャリアがホストキャリア内で提供されるという指示、又はホストキャリアが現在、いかなる仮想キャリアも提供していないという指示を含み得る。また、位置情報は、例えば、MHz単位やリソースエレメントのブロック数単位の仮想キャリアの帯域幅の指示も含み得る。代替として、又はそれらと組み合わせて、仮想キャリア位置情報は、仮想キャリアの中央周波数及び帯域幅を含み、それによって、仮想キャリア端末に任意のアクティブな仮想キャリアの位置及び帯域幅を提供してもよい。仮想キャリアが、例えば擬似ランダムホッピングアルゴリズムに従って、各サブフレームにおいて異なる周波数位置で見つかることになる場合には、位置情報は、例えば擬似ランダムパラメータを指示することができる。そうしたパラメータは、擬似ランダムアルゴリズムに用いられる開始フレーム及びパラメータを含み得る。これらの擬似ランダムパラメータを用いて、仮想キャリア端末は、次いで、仮想キャリアが任意のサブフレームについてどこで見つかるかを知ることができる。
(従来のLTE端末と比べた)仮想キャリア端末へのわずかな変更と関連付けられる実施時の特徴は、仮想キャリアについての位置情報を、ホストキャリア中央帯域内の、マスタ情報ブロックを既に搬送しているPBCH又はMIB内に含めることである。図8に示すように、MIBは、24ビットからなる(DL帯域幅を指示する3ビット、システムフレーム番号、即ちSFNを指示する8ビット、及びPHICH構成に関する3ビット)。MIBは従って、1つ以上の仮想キャリアに関する位置情報を搬送するのに使用され得る予備の10ビットを備える。例えば、図9に、PBCHが、任意の仮想キャリア端末に仮想キャリアを指し示すためのMIB及び位置情報(「LI(Location Information)」)を含む例を示す。
或いは、仮想キャリア位置情報を、PBCHの外側の中央帯域で提供することができる。仮想キャリア位置情報は、例えば、常にPBCHの後でPBCHに隣接して提供することができる。位置情報を、中央帯域において、PBCHの外側で提供することによって、従来のPBCHは、仮想キャリアを使用するために変更されず、仮想キャリア端末は、仮想キャリアがもしあればそれを検出するために位置情報を容易に見つけることができる。
仮想キャリア位置情報は、提供される場合、ホストキャリアの別の位置で提供することもできるが、例えば、仮想キャリア端末は、その受信機を中央帯域で動作するように構成してよく、仮想キャリア端末は、その場合、位置情報を見つけるために端末の受信機の設定を調節しなくてもよいため、仮想キャリア位置情報を、中央帯域で提供すれば有利となり得る。
提供される仮想キャリア位置情報の量に応じて、仮想キャリア端末は、仮想キャリアの送信を受信するように端末の受信機を調節することができ、或いは仮想キャリア端末は、受信する前に更なる位置情報を必要とし得る。
例えば、仮想キャリア端末が、仮想キャリアの存在、及び/又は、仮想キャリア帯域幅を指示するが、正確な仮想キャリアの周波数範囲に関するいかなる詳細も指示しない位置情報を提供された場合、又は仮想キャリア端末がいかなる位置情報も提供されなかった場合には、仮想キャリア端末は、仮想キャリアを求めてホストキャリアをスキャンする(例えば、いわゆるブラインドサーチプロセスを実行する)ことができる。仮想キャリアを求めるホストキャリアのスキャンは様々な手法にも基づくものとすることができ、そのうちのいくつかを以下に提示する。
第1の手法によれば、仮想キャリアは、例えば、図10の4つの位置の例で例示されるように、ある所定の位置においてのみ挿入され得る。仮想キャリア端末は、その場合、任意の仮想キャリアについて4つの位置L1〜L4をスキャンする。もし仮想キャリア端末が仮想キャリアを検出するときには、仮想キャリア端末は、次いで、上述のように仮想キャリアに「キャンプオン」してダウンリンクデータを受信することができる。この手法では、仮想キャリア端末は可能な仮想キャリアの位置を事前に提供され、例えば、それらの位置はネットワーク特有の設定として内部メモリに記憶され得る。仮想キャリアの検出は、仮想キャリア上の特定の物理チャネルを復号しようとすることによって達成することもできる。例えば復号データに関する正常な巡回冗長検査(CRC(Cyclic Redundancy Check))によって指示されるそうしたチャネルの正常な復号は、仮想キャリアの正常な位置特定を指示することができる。
第2の手法によれば、仮想キャリアは、ホストキャリアをスキャンする仮想キャリア端末が仮想キャリアの存在を識別するための信号を検出し得るように位置信号を含み得る。可能な位置信号の例が図11Aから11Dに例示されている。図11Aから11Cの例では、仮想キャリアは、位置信号が存在する周波数範囲をスキャンする端末がこの位置信号を検出することになるように任意位置信号を定期的に送信する。「任意(arbitrary)」信号とは、ここでは、それ自体ではどんな情報も搬送せず、又は解釈されるためのものではなく、単に仮想キャリア端末が検出することのできる特定の信号又はパターンを含むいずれかの信号を含むことが意図されている。これは、例えば、位置信号全体にわたる一連の正のビット、位置信号にわたる交互の0及び1の出現、又はいずれかの他の適切な任意信号とすることができる。位置信号が、隣接するブロックのリソースエレメントから構成されてもよく、非隣接ブロックから形成されてもよいことは注目に値する。例えば、位置信号は、仮想キャリアの「最上部」(即ち周波数上限)の1ブロック置きのリソースエレメントに配置されてもよい。
図11Aの例では、位置信号353は、仮想キャリア330の範囲R330に及び、常にサブフレーム内の仮想キャリアにおいて同じ位置で見つかる。仮想キャリア端末が仮想キャリアのサブフレームのどこで位置信号を見つけるべきか知っている場合には、仮想キャリア端末はそのスキャンプロセスを簡略化して、位置信号を求めてサブフレーム内のこの位置をスキャンするだけで済ませることができる。図11Bは類似例を示しており、この例ではあらゆるサブフレームが、仮想キャリアサブフレームの末尾のこのサブフレームの上隅と下隅とに1つずつ2つの部分を備える位置信号354を含む。そうした位置信号は、例えば、仮想キャリア端末が仮想キャリアの帯域幅を事前に知らない場合に有用となることができ、そうした位置信号は、仮想キャリア帯域の上下の周波数端の明確な検出を容易にし得る。
図11Cの例では、位置信号355が第1のサブフレームSF1で提供されるが、第2のサブフレームSF2では提供されない。位置信号は、例えば2サブフレームごとに提供することができる。位置信号の頻度は、スキャン時間の低減とオーバーヘッドの低減との間のバランスを調整するように選択することができる。言い換えると、位置信号が頻繁に提供されるほど、端末が仮想キャリアを検出する時間が短くなるが、より大きなオーバーヘッドが生じる。
図11Dの例では、位置信号が提供されるが、この位置信号は、図11A〜図11Cと同様の任意信号ではなく、仮想キャリア端末についての情報を含む信号である。仮想キャリア端末は、仮想キャリアを求めてスキャンし、その信号が、例えば、仮想キャリア帯域幅、又は、任意の他の仮想キャリアに関連する情報(位置情報若しくは非位置情報)に関する情報を含み得るときに、信号を検出することができる。この信号を検出すると、仮想キャリア端末は、それによって仮想キャリアの存在及び位置を検出することができる。図11Dに示すように、位置信号は、任意位置信号と同様に、サブフレーム内の様々な位置に見られ、その位置はサブフレーム単位で変動し得る。
ホストキャリアの制御領域サイズの動的変動
上記説明のように、LTEでは、ダウンリンクサブフレームの制御領域を構成するシンボルの数は、送信される必要がある制御データの量に応じて動的に変動する。一般にこの変動は1から3シンボルまでである。図5を参照すれば理解されるように、ホストキャリア制御領域の幅の変動は、それに対応した仮想キャリアに利用可能なシンボルの数の変動を生じさせることになる。例えば、図5から分かるように、制御領域の長さが3シンボルであり、サブフレームに14シンボルがある場合、仮想キャリアの長さは11シンボルである。しかし、次のサブフレームで、ホストキャリアの制御領域が1シンボルまで減らされた場合、そのサブフレームには仮想キャリアに利用可能な13シンボルがあることになる。
仮想キャリアが、LTEホストキャリアに挿入される際に、仮想キャリア上でデータを受信するモバイル通信端末は、ホストキャリア制御領域によって使用されない全ての利用可能なシンボルを利用できることになる場合には、各ホストキャリアサブフレームの制御領域内のシンボル数を決定することによりそのサブフレーム内の仮想キャリア内のシンボル数を決定することができなければならない。
従来、制御領域を形成するシンボルの数は、PCFICHの全サブフレームの最初のシンボルでシグナリングされる。しかし、PCFICHは一般に、ダウンリンクLTEサブフレームの全帯域幅にわたって分散し、従って仮想キャリアだけを受信できる仮想キャリア端末が受信することのできないサブキャリア上で送信される。そのため、一実施形態においては、制御領域が広がることが可能なシンボルが、仮想キャリア上のnullシンボルとして事前定義される。即ち、仮想サブキャリアの長さは(m−n)シンボルに設定され、mはサブフレーム内のシンボルの総数であり、nは制御領域のシンボルの最大数である。よって、リソースエレメントは、いかなるサブフレームの最初のnシンボルにおいても、仮想キャリア上のダウンリンクデータ送信には決して割当られない。
この実施形態は、実施は単純であるが、ホストキャリアの制御領域が最大数より少ないシンボルを有するサブフレームにおいて、仮想キャリアに未使用のシンボルが生じることになるため、スペクトル的には非効率になる。
別の実施形態では、ホストキャリアの制御領域内のシンボルの数は、仮想キャリア自体で明示的にシグナリングされる。ホストキャリアの制御領域内のシンボルの数が分かると、この数からサブフレーム内のシンボルの総数を引くことによって仮想キャリア内のシンボルの数を計算することができる。
一例では、ホストキャリア制御領域サイズの明示的な指示が、仮想キャリア制御領域内のある情報ビットによって与えられる。言い換えると、仮想キャリア制御領域502内の事前定義された位置に明示的なシグナリングメッセージが挿入される。この事前定義された位置は、仮想キャリア上でデータを受信するように適合された各端末に認識される。
別の例では、仮想キャリアは事前定義された信号を含み、信号の位置はホストキャリアの制御領域内のシンボルの数を指示する。例えば、事前定義された信号を、リソースエレメントの3つの所定のブロックのうちの1つで送信することができる。端末は、サブフレームを受信すると、事前定義された信号を求めてスキャンする。事前定義された信号がリソースエレメントの第1のブロックで見つかる場合、これは、ホストキャリアの制御領域が1シンボルを備えることを指示し、事前定義された信号がリソースエレメントの第2のブロックで見つかる場合、これは、ホストキャリアの制御領域が2シンボルを備えることを指示し、事前定義された信号がリソースエレメントの第3のブロックで見つかる場合、これは、ホストキャリアの制御領域が3シンボル備えることを指示する。
別の例では、仮想キャリア端末は、ホストキャリアの制御領域サイズが1シンボルであるものと仮定して、まず、仮想キャリアを復号しようと試みるように構成される。これに成功しない場合、仮想キャリア端末は、ホストキャリアの制御領域のサイズが2シンボルであるものと仮定して仮想キャリアを復号しようと試み、仮想キャリア端末が仮想キャリアを正常に復号するまで以下同様に試みる。
ダウンリンク仮想キャリアのリファレンス信号
当分野で公知のように、LTEのようなOFDMベースの送信システムでは、サブフレーム全体のシンボル内のいくつかのサブキャリアが、通常、リファレンス信号の送信のために確保される。以下で更に説明するように、リファレンスシンボルは、本発明のいくつかの実施形態において重要な役割を果たす。しかし、リファレンスシンボルのいくつかの従来の態様についてまず記述する。リファレンス信号は、従来、チャネル帯域幅全体、OFDMシンボル全体にわたりサブフレーム全体に分散するサブキャリア上で送信される。リファレンス信号は、反復パターンとして配置され、受信機によって、補外法及び補間法を用いて各サブキャリア上で送信されるデータに適用されるチャネル関数(channel function)を推定するのに使用され得る。これらのリファレンス信号は、一般に、受信信号の電力指示のメトリクス、自動周波数制御のメトリクス、及び自動利得制御のメトリクスを決定するといった、追加的な目的にも使用される。LTEでは、各サブフレーム内のリファレンス信号を運ぶサブキャリアの位置は、事前定義され、各端末の送受信機において認識されている。
従来のLTEダウンリンクサブフレームには、異なる目的で送信されるいくつかの異なるリファレンス信号がある。一例が、全端末へブロードキャストされるセル特有のリファレンス信号である。CRS(セル特有のリファレンスシンボル)は、通常、CRS(セル特有のリファレンスシンボル)が発生する各送信アンテナポート上で6サブキャリアごとに挿入される。そのため、仮想キャリアがLTEダウンリンクサブフレームに挿入される場合、たとえその仮想キャリアが1リソースブロック(即ち12サブキャリア)という最小帯域幅を有していても、仮想キャリアは少なくともいくつかのセル特有のリファレンス信号を運ぶサブキャリアを含むことになる。
各サブフレームでは、受信機がサブフレームで送信されるデータを復号するためにありとあらゆるリファレンス信号を正確に受信しなくても済むように、十分なリファレンス信号を運ぶサブキャリアが提供される。しかし、理解されるように、受信されるリファレンス信号が多いほど、受信機は一般にチャネル応答をより適切に推定することができるようになり、よってサブフレームから復号されるデータに取り込まれる誤りが一般にはより少なくなる。そのため、ホストキャリア上でデータを受信するLTE通信端末との互換性を保持するために、本発明のいくつかの例によれば、従来のLTEサブフレームにおいてリファレンス信号を含むことができるサブキャリア位置は仮想キャリアにおいて維持されるが、以下で更に論じる本発明の実施形態による例外を条件とする。
理解されるように、本発明の例によれば、仮想キャリアのみ受信するように構成された端末は、サブフレームの全帯域幅にわたって各サブフレームを受信する従来のLTE端末と比べて低減された数のサブキャリアを受信する。その結果、低機能端末(reduced capability terminal)は、より狭い周波数範囲上でより少数のリファレンス信号を受信することになり、これは精度の低いチャネル推定が生成される結果を生じ得る。
いくつかの例では、簡略化された仮想キャリア端末はモビリティが低く、チャネル推定をサポートするのにより少数のリファレンスシンボルで済む場合がある。しかし、本発明のいくつかの例では、ダウンリンク仮想キャリアは、低機能端末が生成することのできるチャネル推定の精度を高めるために追加のリファレンス信号を運ぶサブキャリアを含み得る(即ち、ホストキャリア上の他の領域と比べて仮想キャリア上により高密度のリファレンスシンボルが存在し得る)。
いくつかの例では、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアの位置は、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアが、従来のリファレンス信号を運ぶサブキャリアの位置に対して規則正しく散在し、それによって、既存のリファレンス信号を運ぶサブキャリアからのリファレンス信号と組み合わされるとチャネル推定のサンプリング頻度が増すような位置である。これによって、仮想キャリアの帯域幅にわたって低機能端末によって生成されるべきチャネルの改善されたチャネル推定が可能になる。他の例では、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアの位置は、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアが、仮想キャリアの帯域幅の端に規則正しく配置され、それによって、仮想キャリアのチャネル推定の補間の精度を高めるような位置である。
代替の仮想キャリア配置
本発明のこれまでの例は、概ね、例えば図5に示すように単一の仮想キャリアが挿入されたホストキャリアに関して記述されている。しかし、いくつかの例では、ホストキャリアは、例えば、図12に示すように、複数の仮想キャリアを含み得る。図12に、ホストキャリア320内で2つの仮想キャリアVC1(330)及びVC2(331)が提供される例を示す。この例では、2つの仮想キャリアは、擬似ランダムアルゴリズムに従ってホストキャリア帯域内で位置を変更する。しかし、他の例では、2つの仮想キャリアのうちの一方、若しくは両方が常にホストキャリア周波数範囲内の同じ周波数範囲にあってもよく、及び/又は、異なる機構に従って位置を変更してもよい。LTEでは、ホストキャリア内の仮想キャリアの数は、ホストキャリアのサイズによってのみ制限される。しかし、ホストキャリア内の仮想キャリアが多過ぎると、従来のLTE端末へデータを送信するために利用可能な帯域幅を過度に制限する可能性があり、したがって、オペレータは、例えば、従来のLTEユーザ/仮想キャリアユーザの比率に従ってホストキャリア内の仮想キャリアの数を決定し得る。
いくつかの例では、アクティブな仮想キャリアの数を、従来のLTE端末と仮想キャリア端末の現在のニーズに適合するように動的に調整することができる。例えば、仮想キャリア端末が接続されていない場合、又は、仮想キャリア端末のアクセスが意図的に制限されることになる場合、ネットワークは、仮想キャリアのために前もって確保された(reserve)サブキャリア内でLTE端末へのデータ送信のスケジューリングを開始するよう手配することができる。このプロセスは、アクティブな仮想キャリア端末の数が増加し始める場合には、逆にすることができる。いくつかの例では、提供される仮想キャリアの数を、仮想キャリア端末の存在の増加に応答して増やすことができる。例えば、ネットワーク、又は、ネットワークのエリアに存在する仮想キャリア端末の数が閥値を超える場合、追加の仮想キャリアがホストキャリアに挿入される。よって、ネットワークエレメント、及び/又は、ネットワークオペレータは、仮想キャリアを適宜アクティブ化し、又は、非アクティブ化することができる。
例えば、図5に示す仮想キャリアの帯域幅は144サブキャリアである。しかし、他の例では、仮想キャリアは、(1200サブキャリアの送信帯域幅を有するキャリアでは)12サブキャリアから1188サブキャリアまでの任意のサイズのものとし得る。LTEでは、中央帯域は72サブキャリアの帯域幅を有するため、LTE環境における仮想キャリア端末は、中央帯域310を復号できるように、少なくとも72サブキャリア(1.08MHz)の受信機帯域幅を優先的に有し、従って、72サブキャリアの仮想キャリアは、利便性のある実施選択肢(implementation option)となり得る。72サブキャリアを備える仮想キャリアでは、仮想キャリア端末は、仮想キャリアにキャンプオンするために受信機の帯域幅を調整する必要がなく、従って、キャンプオンプロセス実行の複雑さが低減され得るが、仮想キャリアの帯域幅を中央帯域の帯域幅と同じとする必要はなく、上記説明のように、LTEに基づく仮想キャリアは、12サブキャリアから1188サブキャリアまでの任意のサイズのものとすることができる。例えば、いくつかのシステムでは、72サブキャリア未満の帯域幅を有する仮想キャリアは、仮想キャリア端末の受信機リソースの無駄とみなされ得るが、別の視点から見ると、従来のLTE端末が利用可能な帯域幅を増やすことによってホストキャリアに及ぼす仮想キャリアの影響を低減するものとみなされ得る。従って、仮想キャリアの帯域幅は、複雑さと、リソース利用と、ホストキャリアの性能と、仮想キャリア端末についての要件との間で所望のバランスを達成するように調整することができる。
アップリンク送信フレーム
これまでは、仮想キャリアを主にダウンリンクに関連して論じたが、いくつかの例では仮想キャリアをアップリンクにも挿入することができる。
周波数分割複信(FDD(Frequency Division Duplex))ネットワークではアップリンクとダウンリンクの両方が全てのサブフレームにおいてアクティブであるのに対し、時分割複信(TDD(Time Division Duplex))ネットワークではサブフレームをアップリンクに割当てることも、ダウンリンクに割当てこともでき、更に、アップリンク部分とダウンリンク部分とに細分することもできる。
ネットワークへの接続を開始するために、従来のLTE端末は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH(Physical Random Access Channel))上でランダムアクセス要求を出す。PRACHは、アップリンクフレーム内の所定のリソースエレメントのブロックに位置し、その位置は、ダウンリンクでシグナリングされるシステム情報でLTE端末にシグナリングされる。
加えて、LTE端末から送信されるべき保留中のアップリンクデータがあり、端末がまだアップリンクリソースを割当られていない場合、端末は基地局へランダムアクセス要求PRACHを送信することができる。その場合、基地局で、もしあれば、どのアップリンクリソースが要求を出した端末デバイスに割当られるべきかが決定される。アップリンクリソース割当は次いで、ダウンリンクサブフレームの制御領域で送信される物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上でLTE端末へシグナリングされる。
LTEでは、各端末デバイスからの送信は、フレーム内の1組の連続するリソースブロックを占めるよう制約される。物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)では、基地局から受信されるアップリンクリソース割当許可が、どの組のリソースブロックを当該送信のために使用すべきかを指示し、これらのリソースブロックは、チャネル帯域幅内のどこにでも配置されることができる。
LTE物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)によって使用される第1のリソースは、チャネルの上端と下端の両方に位置し、各PUCCH送信は、1リソースブロックを占める。サブフレームの前半部分では、このリソースブロックが一方のチャネル端に位置し、サブフレームの後半部分では、このリソースブロックが反対のチャネル端に位置する。より多くのPUCCHリソースが必要とされる際には、追加のリソースブロックが順次に割当てられ、各チャネル端から内側へ移動する。PUCCH信号は符号分割多重化されるため、LTEアップリンクは、同じリソースブロックに複数のPUCCH送信を収容することができる。
仮想アップリンクキャリア
本発明の実施形態によれば、上述の仮想キャリア端末は、アップリンクデータを送信するための低機能送信機も備えることができる。仮想キャリア端末は、狭帯域化された帯域幅にわたってデータを送信するよう構成される。低機能送信機ユニットを備えることにより、例えば、MTCタイプの用途などで使用するため低機能に製造されるクラスのデバイスを有する低機能受信機ユニットを備えることによって達成される利点に対応する利点がもたらされる。
ダウンリンク仮想キャリアに対応して、仮想キャリア端末は、狭帯域化された帯域幅の仮想キャリアの帯域幅よりも広い帯域幅を有するホストキャリア内の狭められたサブキャリアの範囲にわたってアップリンクデータを送信する。これが図13Aに示されている。図13Aから分かるように、アップリンクサブフレーム内の1グループのサブキャリアが、ホストキャリア1302内で仮想キャリア1301を形成する。そのため、仮想キャリア端末がアップリンクデータを送信するための狭帯域化された帯域幅は、仮想アップリンクキャリアとみなすことができる。
仮想アップリンクキャリアを実施するために、仮想キャリアにサービスする基地局スケジューラは、仮想キャリア端末に許可される全てのアップリンクリソースエレメントを、仮想キャリア端末の低機能送信機ユニットの狭帯域化された帯域幅の範囲内に位置するサブキャリアになるように保障する。これに対応して、ホストキャリアにサービスする基地局スケジューラは、一般に、ホストキャリア端末に許可される全てのアップリンクリソースエレメントが、仮想キャリア端末によって占められるサブキャリアのセットの外部に位置するサブキャリアになるよう保証する。しかし、仮想キャリア及びホストキャリアのためのスケジューラが一緒に実行され、又は情報を共有する手段を有する場合には、ホストキャリアのスケジューラは、仮想キャリアリソースの一部又は全部が仮想キャリア上で端末デバイスによって使用されないことを仮想キャリアのスケジューラが指示するサブフレームにおいて、ホストキャリア上で仮想キャリア領域内から端末デバイスへリソースエレメントを割当てることができる。
仮想キャリアアップリンクが、LTE PUCCHに類似した構造及び動作方法に従う物理チャネルを組み込んでおり、当該物理チャネルのためのリソースがチャネル端に存在すると予期される場合、仮想キャリア端末についてこれらのリソースを、ホストキャリアの端ではなく、仮想キャリア帯域幅の端で提供することができる。これは、仮想キャリアアップリンクの送信が狭帯域化された仮想キャリア帯域幅内に留まることを保証することができるため、有利である。
仮想アップリンクキャリアのランダムアクセス
従来のLTE技術によれば、PRACHが、仮想キャリアに割当てられるサブキャリア内に存在することになることを保証することができない。従って、いくつかの実施形態では、基地局は、仮想アップリンクキャリア内で二次的なPRACHを提供し、その位置を仮想キャリア上でシステム情報によって仮想キャリア端末にシグナリングすることができる。これは、例えば図13Bに示されており、図13Bでは、PRACH1303が仮想キャリア1301内に位置する。よって、仮想キャリア端末は、仮想アップリンクキャリア内の仮想キャリアPRACH上でPRACH要求を送る。PRACHの位置は、仮想キャリアダウンリンクシグナリングチャネルで、例えば仮想キャリア上のシステム情報で、仮想キャリア端末にシグナリングすることができる。
しかし、他の例では、仮想キャリアPRACH1303は、例えば図13Cに示すように、仮想キャリアの外側に位置する。これによって、仮想アップリンクキャリア内に仮想キャリア端末がデータを送信するためのより多くの空きが残される。仮想キャリアPRACHの位置は前と同様に仮想キャリア端末にシグナリングされるが、ランダムアクセス要求を送信するために、仮想キャリア端末は、仮想キャリアの外側にあるため、端末の送信機ユニットを仮想キャリアPRACHの周波数に再チューニングする。次いで、送信機ユニットは、アップリンクリソースエレメントが割当られると、仮想キャリア周波数に再チューニングされる。
仮想キャリア端末が仮想キャリアの外側のPRACH上で送信することができるいくつかの例では、ホストキャリアPRACHの位置を仮想キャリア端末へシグナリングすることができる。仮想キャリア端末はその場合、単に従来のホストキャリアPRACHリソースを用いてランダムアクセス要求を送信することができる。この手法は、割当られるPRACHリソースがより少なくて済むため、有利である。
しかし、基地局が、同じPRACHリソース上で、従来のLTE端末と仮想キャリア端末の両方からランダムアクセス要求を受信している場合、基地局が、従来のLTE端末からのランダムアクセス要求と仮想キャリア端末からのランダムアクセス要求とを区別するための機構を備えていることが必要である。
従って、いくつかの例では、基地局において時分割割当が実施され、それによって、例えば、第1のセットのサブフレーム上では仮想キャリア端末がPRACH割当を利用でき、第2のセットのサブフレーム上では従来のLTE端末がPRACH割当を利用できる。そのため、基地局は、第1のセットのサブフレームの間に受信されるランダムアクセス要求が仮想キャリア端末から発するものであり、第2のセットのサブフレームの間に受信されるランダムアクセス要求が従来のLTE端末から発するものであると判定することができる。
他の例では、仮想キャリア端末と従来のLTE端末の両方がランダムアクセス要求を同時に送信するのを防止するための機構が設けられない。しかし、ランダムアクセス要求を送信するのに従来使用されるランダムアクセスプリアンブルは、2つのグループに分けられる。第1のグループは仮想キャリア端末によって排他的に使用され、第2のグループは従来のLTE端末によって排他的に使用される。そのため、基地局は、単にランダムアクセスプリアンブルがどんなグループに属するかを確認するだけで、ランダム要求が従来のLTE端末から発せられたか、それとも仮想キャリア端末から発せられたかを判定することができる。
アーキテクチャの例
図14に、本発明の例に従って構成された適応LTEモバイル遠距離通信システムの一部を示す概略図を示す。システムは、コアネットワーク1408に接続された適応エンハンスドNodeB(eNB)1401を含み、コアネットワーク1408は、カバレッジエリア(セル)1404内の複数の従来のLTE端末1402及び低機能端末1403へデータを通信する。低機能端末1403は、各々、従来のLTE端末1402に含まれる送受信機ユニット1406の能力と比べて狭帯域化された帯域幅にわたってデータを受信することができる受信機ユニット及び狭帯域化された帯域幅にわたってデータを送信することができる送信機ユニットを含む送受信機ユニット1405を有する。
適応eNB1401は、図5を参照して記述したような仮想キャリアを含むサブフレーム構造を用いてダウンリンクデータを送信し、図13B又は図13Cを参照して記述したようなサブフレーム構造を用いてアップリンクデータを受信するように構成される。低機能端末1403は、よって、上述のようにアップリンク仮想キャリア及びダウンリンク仮想キャリアを用いてデータを送受信することができる。
上記で説明したように、複雑さが低減された端末1403は、アップリンク仮想キャリア及びダウンリンク仮想キャリア上の狭帯域化された帯域幅にわたってデータを送受信するため、ダウンリンクデータを受信、復号し、アップリンクデータを符号化、送信するのに必要な送受信機ユニット1405の複雑さ、消費電力及び費用は、従来のLTE端末で設けられる送受信機ユニット1406と比べて抑制される。
セル1404内の端末のうちの1つへ送信されるべきコアネットワーク1408からのダウンリンクデータを受信するときに、適応eNB1401は、そのデータが従来のLTE端末1402に向けられたものか、それとも低機能端末1403に向けられたものか判定するように構成される。これは任意の適切な技術を用いて達成され得る。例えば、低機能端末1403に向けられたデータは、そのデータがダウンリンク仮想キャリア上で送信されなければならないことを指示する仮想キャリアフラグを含んでいてよい。適応eNB1401が、ダウンリンクデータが低機能端末1403へ送信されるべきことを検出した場合には、適応eNB1401に含まれる適応スケジューリングユニット1409が、そのダウンリンクデータがダウンリンク仮想上で当該の低機能端末へ送信されることを保証する。別の例では、ネットワークは、仮想キャリアがeNBから論理的に独立しているように構成される。より具体的には、仮想キャリアは、仮想キャリアがホストキャリアとの関係を有することがコアネットワークに認識されないよう、コアネットワークには別個のセルとして見えるように構成され得る。パケットは、従来のセルについてルーティングされる通りに、単に仮想キャリアへ/仮想キャリアからルーティングされる。
別の例では、適切なキャリア(即ちホストキャリア又は仮想キャリア)への、又は適切なキャリアからのトラフィックをルーティングするために、ネットワーク内の適切な箇所でパケット検査が実行される。
更に別の例では、コアネットワークからeNBへのデータが特定の端末デバイスのための特定の論理接続上で通信される。eNBは、どの論理接続がどの端末デバイスと関連付けられるか指示する情報を提供される。eNBでは、どの端末デバイスが仮想キャリア端末であり、どの端末デバイスが従来のLTE端末であるか指示する情報も提供される。この情報は、仮想キャリア端末が最初に仮想キャリアリソースを用いて接続されることができることから導出することができる。他の例では、仮想キャリア端末は、接続手順の間にeNBへ仮想キャリア端末の能力を指示するように構成される。そのため、eNBは、端末デバイスが、仮想キャリア端末かそれともLTE端末かに基づいて、コアネットワークから特定の端末デバイスへのデータをマップすることができる。
アップリンクデータの送信のためのリソースをスケジュールする際に、適応eNB1401は、リソースをスケジュールされるべき端末が、低機能端末1403か、それとも従来のLTE端末1402か判定するように構成される。いくつかの例では、これは、上述のように仮想キャリアのランダムアクセス要求と従来のランダムアクセス要求とを区別する技術を用いて、PRACH上で送信されるランダムアクセス要求を分析することによって成し遂げられる。いずれの場合も、適応eNB1401において、ランダムアクセス要求が低機能端末1402によって出されたと判定される際は、適応スケジューラ1409は、アップリンクリソースエレメントのいかなる許可も仮想アップリンクキャリア内に存在することを保証するように構成される。
いくつかの例では、ホストキャリア内に挿入された仮想キャリアは、論理的に別個の「ネットワーク内のネットワーク」を提供するのに使用することができる。言い換えると、仮想キャリアを介して送信されるデータは、ホストキャリアネットワークによって送信されるデータと論理的、物理的に別個のものとして扱うことができる。従って、仮想キャリアは、いわゆる専用メッセージングネットワーク(DMN(Dedicated Messaging Network))を実施するのに使用することができ、DMNは、従来のネットワーク「の上に配置され」、DMNデバイス(即ち仮想キャリア端末)へメッセージングデータを通信するのに使用される。
仮想キャリアの更なる応用例
以上で、GB1101970.0(特許文献1)、GB1101981.7(特許文献2)、GB1101966.8(特許文献3)、GB1101983.3(特許文献4)、GB1101853.8(特許文献5)、GB1101982.5(特許文献6)、GB1101980.9(特許文献7)、GB1101972.6(特許文献8)、GB1121767.6(特許文献9)及びGB1121766.8(特許文献10)の番号を有する同時係属の英国特許出願に記載される種類の仮想キャリアの概念を示したので、次に、本発明の実施形態による仮想キャリア概念のいくつかの拡張について記述する。
図15Aは、LTEタイプの通信ネットワークの時間周波数送信リソースグリッド1500における様々な領域が、上述のような仮想キャリアのサポートに使用するためにどのように割当られ得るかを表す概略図である。図15Aに示すリソースグリッド1500の範囲は、水平な時間方向に沿って区切られた10サブフレーム1512(全体で1フレームと等しい)を含み、周波数帯域幅R320に及ぶ。図15Aの各サブフレーム1512は図5のサブフレームと同じ全般的フォーマットに従うが、より簡略化され、概略的に表されている。
よって、図15Aの送信リソースグリッド1500は、ホストキャリアPDCCH領域1502、ホストキャリアPDSCH領域1506、仮想キャリア領域1510、及びリファレンスシンボル領域1504を備える。仮想キャリア領域1510は、参照番号501及び502で識別された別個の領域によって図5に概略的に示すように、別個の仮想キャリアPDSCH領域及び仮想キャリアPDCCH領域を含み得る。しかし、上述のように、他の実施例では、仮想キャリア動作の原理は、LTEタイプネットワークのこれらの態様を反映しない場合がある。リファレンスシンボル領域1504は、もっぱらホストキャリアのために使用されてよく、或いは、これらの領域は、仮想キャリアにキャンプオンした端末によって受信され、使用されてもよい。
図15Bは図15Aと似ており、図15Aを見れば理解されるが、図15Aがホストキャリアと仮想キャリア両方についての時間周波数送信リソースグリッド1500の領域を概略的に表しているのに対し、図15Bは、ホストキャリアと関連付けられる領域(即ち、ホストキャリアPDCCH領域1502、ホストキャリアPDSCH領域1506、及びリファレンスシンボル領域1504)のみを概略的に表している。実際上、図15Bは、ホストキャリア送信リソースグリッド1530と呼ばれ得るものを表している。網掛けなしで示されている図15Bの領域は、仮想キャリアと関連付けられており、ホストキャリア送信リソースグリッド1530「に属する」ものではない。
図15Cもまた図15Aと似ており、図15Aを見れば理解されるが、図15Aが仮想キャリアとホストキャリア両方についての時間周波数送信リソースグリッド1500の領域を概略的に表しているのに対し、図15Cは、仮想キャリアと関連付けられる領域(即ち仮想キャリア領域1510)のみを概略的に表している。よって、図15Cは、図15Bと対を成す他方の部分である。実際上、図15Cは、仮想キャリア送信リソースグリッド1550と呼ばれ得るものを表している。網掛けなしで示されている図15Cの領域は、ホストキャリアと関連付けられており、仮想キャリア送信リソースグリッド1550「に属する」ものではない。
ホストキャリア送信リソースグリッド1530及び仮想キャリア送信リソースグリッド1550は、一緒に合わせると、図15Aの全体の送信リソースグリッド1510に対応するように、一方が他方における空間を「埋める」という点で相互に補完し合う。よって、本発明のいくつかの実施形態を要約すると、第1の周波数帯域幅(例えば、図15Aから図15CのR320)に亘る複数の直交周波数分割多重(OFDM)サブキャリアを用いて、通信がサポートされる。ユーザプレーンデータは、(例えば図15Bの領域1506の)第1の周波数帯域幅にわたって分散するOFDMサブキャリアの第1のグループを用いてホストキャリア上で通信されてよく、またユーザプレーンデータは、第2の周波数帯域幅にわたって分散するOFDMサブキャリアの第2のグループを用いて仮想キャリア上で通信されてよく、第2の周波数帯域幅は、第1の周波数帯域幅より小さく、第1の周波数帯域幅内(例えば図15Cの領域1510内)にある。しかし、ホストキャリアのための制御プレーンデータ(例えばPDCCH)は、(例えば図15Bの領域1502で)OFDMサブキャリアの両方のグループを用いて通信され得る。
図16に本発明の実施形態による通信システム1600を概略的に示す。この例の通信システム1600は、大きくは、上述のような仮想キャリアが実行されるLTEタイプのアーキテクチャに基づくものである。よって、通信システム1600の動作の多くの態様は公知であり、且つ、理解されているため、簡潔にするためにここでは詳細に記述しない。ここで具体的に記述されない通信システム1600の動作的態様は、任意の公知の技法に従って、例えば、先に提案した仮想キャリアをサポートするための適切な変更を伴う現行のLTE規格に従って実行され得る。
通信システム1600は、無線ネットワーク部に結合されたコアネットワーク部(進化型パケットコア)1602を備える。無線ネットワーク部は、複数の端末デバイスに結合された基地局(進化型ノードB)1604を備える。この例では、2つの端末デバイス、即ち第1の端末デバイス1606及び第2の端末デバイス1608が示されている。実際には、無線ネットワーク部は、様々な通信セルにまたがるより多数の端末デバイスにサービスする複数の基地局を含み得ることが当然ながら理解されるであろう。しかし、簡略化のために図16には1つの基地局と2つの端末デバイスだけが示されている。
従来のモバイル無線ネットワークと同様に、端末デバイス1606、1608は、基地局(トランシーバ基地局)1604との間でデータをやりとりするように構成されている。基地局は更には、コアネットワーク部のサービングゲートウェイ(S‐GW(Serving Gateway)(不図示))に通信可能に接続されており、S‐GWは、基地局1604を介した通信システム1600内の端末デバイスへのモバイル通信サービスのルーティング及び管理を行うように構成されている。モビリティ管理及び接続性を維持するために、コアネットワーク部1602はモビリティ管理エンティティ(不図示)も含み、モビリティ管理エンティティは、ホーム加入者サーバ(HSS(Home Subscriber Server))に記憶された加入者情報に基づいて、通信システムで動作する通信端末1606、1608とのエンハンスドパケットサービス(EPS(Enhanced Packet Service))接続を管理する。(やはり簡略化のために図示されていない)コアネットワーク内の他のネットワーク構成要素には、ポリシー及び課金ルール機能(PCRF(Policy Charging and Resource Function))、並びにパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN‐GW(Packet Data Network Gateway))が含まれ、PDN‐GWはコアネットワーク部1602から外部のパケットデータネットワーク、例えばインターネットへの接続を提供する。上述のように、図16に示す通信システム1600の様々な要素の動作は、ここで論じる本発明の実施形態による機能を提供するために変更される場合を別として概ね従来通りとし得る。
この例では、第1の端末デバイス1606は、主に、(例えば図15Bで表されるような)無線インターフェースのホストキャリア構成要素と関連付けられるリソースを用いて基地局1604と通信する従来のスマートフォンタイプの端末デバイスであるものと想定されている。この第1の端末デバイス1604は、無線信号の送受信のための送受信機ユニット1606a、及びスマートフォン1606を制御するように構成されたコントローラユニット1606bを備える。コントローラユニット1606bは、無線通信システム内の機器のための従来のプログラミング法/構成法を用いて所望の機能を提供するように適切に構成/プログラムされたプロセッサユニットを備えることができる。送受信機ユニット1606a及びコントローラユニット1606bは、図16には別個の要素として概略的に示されている。しかし、これらのユニットの機能は多種多様なやり方で、例えば、単一の適切にプログラムされた集積回路を用いて提供され得ることが理解されるであろう。理解されるように、スマートフォン1606は一般に、スマートフォン1606の動作機能と関連付けられる様々な他の要素を備える。
この例では、第2の端末装置1608は、(例えば図15Cで表されるような)無線インターフェースの仮想キャリア構成要素と関連付けられるリソースを用いて基地局1604と通信するマシンタイプコミュニケーション(MTC)端末デバイスであるものと想定されている。上述のように、これらのタイプのデバイスは、通常、少量のデータをやりとりする半自律的、又は自律的な無線通信デバイスとして特徴付けられ得る。例としては、いわゆるスマートメータが含まれ、スマートメータは、例えば、顧客の住宅に設置され、情報、即ち、顧客の、ガス、水道、電気などといった公共設備の消費に関連するデータを中央MTCサーバへ周期的に送り返すことができる。MTCデバイスは、いくつかの点で、例えば、待ち時間に関して相対的に低いサービス品質(QoS(Quality Of Service))を有する相対的に低い帯域幅の通信チャネルによってサポートされ得るデバイスとみなされ得る。ここでは、図16のMTC端末デバイス1608はそうしたデバイスであるものと想定されている。
スマートフォン1606の場合と同様に、MTCデバイス1608は、無線信号の送受信のための送受信機ユニット1608a、及びMTCデバイス1608を制御するように構成されたコントローラユニット1608bを備える。コントローラユニット1608bは、以下で更に説明するような本発明の実施形態による機能を提供するための、モニタリングユニット、識別ユニット、決定ユニット、起動ユニットといった様々なサブユニットを備えることができる。これらのサブユニットは、別々のハードウェア要素として実装されても、コントローラユニットの適切に構成された機能として実装されてもよい。よって、コントローラユニット1608bは、無線通信システム内の機器のための従来のプログラミング法/構成法を用いて本明細書で記述する所望の機能を提供するように適切に構成/プログラムされるプロセッサユニットを備えることができる。送受信機ユニット1608a及びコントローラユニット1608bは、図16には表現しやすいように別個の要素として概略的に示されている。しかし、これらのユニットの機能は、当分野での確立された手法に従った多種多様なやり方で、例えば単一の適切にプログラムされた集積回路を用いて提供され得ることが理解されるであろう。MTCデバイス1608は一般に、MTCデバイス1608の動作機能と関連付けられる様々な他の要素を備えることが理解されるであろう。
基地局1604は、無線信号の送受信のための送受信機ユニット1604a、及び基地局1604を制御するように構成されたコントローラユニット1604bを備える。コントローラユニット1606Bも、やはり、以下で更に説明するような本発明の実施形態による機能を提供するための、スケジューリングユニット、選択ユニットといった様々なサブユニットを備えることができる。これらのサブユニットは、別々のハードウェア要素として実装されても、コントローラユニットの適切に構成された機能として実装されてもよい。よってコントローラユニット1604bは、無線通信システム内の機器のための従来のプログラミング法/構成法を用いて本明細書で記述する所望の機能を提供するように適切に構成/プログラムされるプロセッサユニットを備えることができる。送受信機ユニット1604a及びコントローラユニット1604bは、図16には表現しやすいように別個の要素として概略的に示されている。しかし、これらのユニットの機能は、当分野での確立された手法に従った多種多様なやり方で、例えば単一の適切にプログラムされた集積回路を用いて提供され得ることが理解されるであろう。基地局1604は一般に、基地局1604の動作機能と関連付けられる様々な他の要素を備えることが理解されるであろう。
よって、基地局1604は、無線通信システムのホストキャリアと関連付けられる第1の無線通信リンク1610上でスマートフォン1606とデータをやりとりし、無線アプリケーションシステムの仮想キャリアと関連付けられる第2の無線通信リンク1612上でMTCデバイス1608とデータをやりとりするように構成される。
ここでは、基地局1604は、例えば上述のように、ホストキャリア及び仮想キャリアをサポートするLTEベースの通信の確立された原理に従って第1の無線通信リンク1610上でスマートフォン1606と通信するように構成されるものと想定されている。
先に提案した仮想キャリア(VC)技術によれば、接続モードのVC端末デバイス(UE)は、(図16に示すMTCデバイス1608のような)VC端末デバイスのためにスケジュールされた基地局からのダウンリンク送信の可能な割当を識別するために、(図5に概略的に表す制御領域502のような)制御領域をサーチすることになる。仮想キャリア上でのこの手順は、概ね、従来のキャリア上のLTEベースの通信のための確立された技法を反映し得る。よって、リソース割当を識別するために仮想キャリア端末デバイスによってサーチされる制御領域は、VC‐PDCCHと呼ばれ得るものに対応し得る。端末デバイス特有のリソース割当を求めてVC‐PDCCHをサーチすると、端末デバイスにおいて電力が消費される。更に、基地局が実際には特定の端末デバイスについていかなる端末デバイス特有の送信もスケジュールしていない場合、消費電力は実質的に浪費される。発明者らの認めるところでは、特にMTCタイプのデバイスについては、MTCタイプの通信が概してバースト的で散発的であることは、端末デバイス特有のデータが所与の端末デバイスへの送信についてスケジュールされていない場合が往々にしてあり得ることを意味する。そのため、各サブフレームでVC‐PDCCHを復号するプロセスは、端末デバイスのリソースの著しい、しかも不要な負担を意味し得る。
MTCタイプのトラフィックは、通常、ネットワークによって(また特に、基地局内のスケジューラによって)事前に十分正確に予測され得る。更に、予測不能なMTCタイプのトラフィックについてさえも、トラフィックは、いずれの場合も、通常は、厳しく時間が制限されない(即ち、データは遅延耐性がある)。これは、一般に、MTCタイプのデータ/トラフィックのスケジューリングにおいて基地局に大幅な柔軟性が与えられていることを意味する。即ち、基地局のスケジューリングユニットは、MTCタイプのデバイスへのデータ送信を、デバイスの動作性能に多大な影響を及ぼさずに相対的に長期間にわたって管理するよう計画することができる。例えば、仮想キャリアは、帯域幅リソースが制限されており、特に、(例えば、複数のスマートメータへ料金表変更をブロードキャストするために)概ね同時のダウンリンクリソースを必要とする多数のMTCデバイスがある場合には、全ての関連するMTC端末デバイスを1サブフレームでスケジュールすることが不可能となり得ることがあるため、基地局は、仮想キャリア上で、相対的にずっと前にMTCデータをスケジュールすることができる。上記説明のように、所与のサブフレームでスケジュールされていないあらゆるVC端末デバイスは、それらの端末デバイスが当該サブフレームの仮想キャリア制御領域を復号する場合には、実際上エネルギーを浪費することになる。MTC端末デバイスは、通常、比較的長い電池の交換又は再充電の間隔で動作するように設計され得るため、不要なエネルギーの消費は、MTC端末デバイスにとって特に問題となり得る。
電力消費を低減するためのこのスケジューリングのプロファイル及びそれを求める要求により、MTCタイプのデバイスは、デバイスが低アクティビティ(スリープ/中断)モード、例えば公知のDRXやマイクロスリープモードに入ることを可能にする技術に適したものである。しかし、上述のように、これらの確立されたスリープモードには欠点があり、そのため、本発明の実施形態による、無線通信ネットワークにおいて低アクティビティモードに入るよう端末デバイスを制御するための代替の技法を提案する。提案の技法は、仮想キャリア上で動作するMTCタイプのデバイスに適する。
上記説明のように、仮想キャリア上のLTEタイプの通信を含むLTEタイプの通信の確立された態様が、リファレンスシンボルの使用である。これらのリファレンスシンボルは、公知の技法によるチャネル推定及び他の目的に備えて、時間/ダウンリンクサブフレームの周波数リソースグリッド全体に散在する。図17に、従来のLTE技術によるセル特有のリファレンスシンボル(CRS)の配置を概略的に表す。図17には、(1ミリ秒の時間(1サブフレーム/14シンボル)、180kHzの帯域幅(12サブキャリア)にわたって広がる)2リソースブロックに対応するLTEタイプのダウンリンク無線フレーム構造の領域が示されている。現行のLTE規格によれば、図17で表されるリソースグリッドの範囲は、8つのCRS(セル特有のリファレンスシンボル)を含むことになる。確立されているように、基地局によって送信されるCRS(セル特有のリファレンスシンボル)のための特定の位置は、セルアイデンティティやアンテナポートといったパラメータに従って決定される。よって、基地局に接続された端末デバイスは、チャネル推定のために、基地局によって送信されたリファレンスシンボルの位置を特定し、復号することができる。
本発明の実施形態によれば、基地局は、リファレンスシンボルを受信する端末デバイスに端末デバイスが定義された期間にわたって低アクティビティ状態/モードに入るべきであることを伝える手段として、1つ以上の無線サブフレームにおける1つ以上のリファレンスシンボルの送信を抑制するように構成される。定義された期間は、どの(1つ以上の)リファレンスシンボルが抑制されているかに基づいて端末デバイスによって設定され得る。よって、基地局のスケジューリングユニットは、端末デバイス又は端末デバイスのグループがある期間にわたって任意の端末デバイス特有のデータの受信をスケジュールされないことを確定してよく、基地局は、この情報を、リファレンスシンボルとポテンシャル期間との間の事前に確立された対応に従った適切なリファレンスシンボルの抑制によって(1つ以上の)端末デバイスへ通信し得る。よって、基地局によって送信されるリファレンスシンボルをモニタする(1つ以上の)端末デバイスは、リファレンスシンボルの抑制を(例えば、リファレンスシンボルが受信されないために)識別し、抑制されている(1つ以上の)リファレンスシンボルの(1つ以上の)アイデンティティ/(1つ以上の)位置から、端末デバイスが対応する期間にわたってあらゆる(又は特定のタイプの)端末デバイス特有のデータの受信をスケジュールされないことを判定し、低アクティビティモードに入り得る。例えば、端末デバイスは、端末デバイスが決定された期間にわたってリソース割当に関する制御情報を復号しない低アクティビティモードに入り得る。
このような基地局によるリファレンスシンボルの送信の選択的パンクチャリング(抑制)によって、端末デバイスがその間、ある特定の(又は全ての)復号タスクを中断し得る期間に関する情報を通信することにより、そうした情報を物理層において暗黙的に搬送させることができる。そのため、所与の期間にわたって低アクティビティモードに入り得ることを指示するこのシグナリングを、迅速に、大量のリソースを消費するRRCシグナリングを使用せずに、送ることができる。
CRS(セル特有のリファレンスシンボル)が抑制される場合には、一般に、それらCRS(セル特有のリファレンスシンボル)を受信する複数の端末デバイスがあり、これら複数の端末デバイスは全て同様に応答し得る(即ち、よって複数の端末デバイスを、同じ期間にわたって低アクティビティ状態に入るよう制御することができる)。例えば、仮想キャリアは、仮想キャリアを使用しないデバイスのためのより多くのデータを収容するようにある期間にわたって中断されることになるため、仮想キャリア上の全ての端末デバイスに、低アクティビティモードに入るよう命ずることが有益となり得る。他の例では、以下で更に説明するように、異なる端末デバイスが異なる抑制されたリファレンスシンボルに異なるやり方で応答し、それによって、基地局が端末デバイスのサブセットを低アクティビティ状態に入るよう選択的に制御することが可能になるように構成され得る。例えば、端末デバイスのあるサブセットは企業Aと関連付けられたスマートメータを備え、端末デバイスの別のサブセットは企業Bと関連付けられたスマートメータを備え、各企業のデバイスについての低アクティビティ状態のアクティブ化が別々に制御されることができる。しかし、本発明の実施形態は、CRS(セル特有のリファレンスシンボル)の抑制だけに限定されない。例えば、いくつかの実施形態によれば、基地局は、特定の端末デバイス(UE)が通常は予期しているUE特有のリファレンスシンボル(例えばDM‐RS)を抑制し、それによって、特定の端末デバイスに、その端末デバイスが特定の期間にわたって低アクティビティ状態に入り得ることを通信するための方式を提供するように構成され得る。同様に、本発明の他の実施形態も、DM‐RS(復調リファレンスシンボル)、及び/又は、チャネル状態情報リファレンスシンボル、及び/又は、P‐RS(位置決めリファレンスシンボル)の抑制に基づくものであってよい。
よって、本発明の実施形態は、端末デバイスが別の場合では復号する特定の送信、例えば、VC‐PDCCHの復号を中断するよう指示されるサブフレームにおいて実行されるべき信号処理を抑制することによる、端末デバイスにおける電力消費の低減を可能にすると共に、これらのサブフレームにおける端末デバイス送受信機による電力消費の低減も可能にし得る。
公知のDRXの技法と比べると、本発明の実施形態は、VC端末デバイスのネットワークへの接続モードアクセスの再開と関連付けられる待ち時間も抑制することができる。よって、本発明の実施形態は、DRXと同様に、受信処理のいくつかの部分を使用不可にすることによる省電力を、DRXがもたらす待ち時間の増加なしで達成できる能力を併せ持つことができる。更に、DRXはRRCで制御されるのに対し、本発明の実施形態は、物理層で(おそらくは、以下で更に論じるように、何らかの初期上位層セットアップ/構成シグナリングを伴って)制御され、復号中断/低アクティビティモードが、本発明の実施形態によれば、DRXの場合より迅速に、より少ないオーバーヘッドリソース使用でアクティブ化され得る。
、端末デバイスが、復号中断/低アクティビティモードが指示されるサブフレームを求めて制御情報(PDCCHなど)をサーチし、復号する必要がないため、PDCCHマイクロスリープの公知の技法と比べて、本発明の実施形態は信号処理の省電力も提供し得る。しかも、マイクロスリープ法では、端末デバイスはありとあらゆるサブフレームのPDCCHを復号するために「覚醒」しなければならず、それによって、端末デバイスが省電力し得る時間の長さが制限される。本発明の実施形態によれば、個々のサブフレームより長い期間を、低アクティビティモードの持続期間として容易に設定することができる。
本発明の実施形態による抑制されたリファレンスシンボルの手法の結果として、いくつかの場合、例えば干渉が原因で、実際には基地局によって送信されるリファレンスシンボルの正しい受信に失敗する端末デバイスが、誤って低アクティビティモードに入ることがある。基地局が、次いで、端末デバイスへデータを送信する場合、端末デバイスはその受信に失敗することになる。しかし、例えば、ACK/NACKシグナリングに基づくLTEの確立された再送信プロトコルを使用して、データを再送する必要を基地局へ自動的に知らせることができる。また、以下で更に説明するように、本発明のいくつかの実施形態によれば、この受信失敗が発生するリスクを低減するのに用いることができる技法もある。
よって、本発明の一実施形態によれば、仮想キャリアをサポートする基地局のダウンリンクスケジューラ(スケジューリングユニット)は、特定の数のサブフレームにわたってVC端末デバイスのためにあるタイプの端末特有のダウンリンクデータをスケジュールしないことを決定していると推定されるが、その特定の数のサブフレームの後で当該端末デバイスへの送信(又は少なくとも送信の可能性)を再開しようとしているものと想定される。スケジューラは、無線通信システムにおいて送信をスケジュールするための任意の公知の技法に従ってこれを確立し得ることが理解されるであろう。
この情報を端末デバイスへ伝える(それによって、端末デバイスが低アクティビティモードに入ることを可能にする)ために、基地局は端末デバイスへ、端末デバイスが関連する数のサブフレームにわたってVC‐PDCCHの位置を特定し、若しくは復号しようとする試み(又は手動による実行に従った他の復号)を行う必要がないことをシグナリングするように構成される。これは、例えば、端末デバイスへの送信の中断が開始することになる前の最後のサブフレームでシグナリングされ得る。上記説明のように、本発明の実施形態によれば、基地局は、端末デバイスが通常は無線通信システムについてのリファレンスシンボルの確立されたパターンに従って発生するものと予期する特定のリソースエレメント(RE)内の特定のリファレンス信号(RS)(又は複数のリファレンスシンボルの組み合わせ)の送信を抑制することによる物理層でのシグナリングによって、この情報を伝えることができる。
リファレンスシンボルをモニタする端末デバイスは、抑制されたリファレンスシンボルが受信されないことを識別することになり、このことから、端末デバイスが、関連する期間にわたってVC‐PDCCHの復号を中断する低アクティビティ状態に入り得ると判定するように構成され得る。上述のように、このプロセスは、関連するサブフレームで関連する端末デバイスへ送信される、セル特有のリファレンスシンボル(CRS)、復調リファレンスシンボル(DM‐RS)(UE特有のリファレンスシンボル)、制御状態標識リファレンスシンボル(CSI‐RS)、又は位置決めリファレンスシンボル(P‐RS)のいずれかに基づくものであってよい。
シンプルな実装においては、端末デバイスは、予期されるリファレンスシンボルが受信されないことを識別すると、固定数のサブフレーム、例えば10サブフレームにわたって低アクティビティ状態に入るように構成され得る。しかし、一般には、端末デバイスへ通信される情報においてより多くの柔軟性(低アクティビティの異なる持続期間の例)を提供することが好ましいであろう。これは、例えば、異なるリファレンスシンボルの抑制により、端末デバイスが異なる期間にわたって低アクティビティモードに入り得るという指示が伝えられるような、特定のリファレンスシンボルと特定の期間との間の対応を確立することによってなされ得る。そうした対応は、無線通信システムの規格で確立することもでき、基地局によって確立され、例えば、端末デバイスが最初に基地局に接続するキャンプオン手順の間に、上位層シグナリングを用いて端末デバイスへ通信されてもよい。確立し得る対応には多くの異なる形態がある。例えば、いくつかの場合、任意のリソースブロック内の抑制された特定のリファレンスシンボル(又はリファレンスシンボルの組み合わせ)が、特定の期間と対応するように(即ち、リソースブロック/サブフレームを伴うパンクチャリングされたリファレンスシンボルの選択が情報を伝える)と確立され得る。別の場合には、特定のリソースブロック内の任意のリファレンスシンボルの抑制が特定の期間と対応するように(即ち、パンクチャリングされたリファレンスシンボルを含むリソースブロック/サブフレームの選択が情報を伝える)と確立され得る。
図18に、リファレンスシンボルと、本発明の実施形態に従って、復号が端末デバイスによって中断され得るポテンシャル期間との間の対応を概略的に表す。図18は図17と似ており、図17を見れば理解されるであろう。しかし、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態を実施するように構成された無線通信システムで動作する基地局及び(1つ以上の)端末デバイスは、どちらも、サブフレームの各リソースブロック対内の個々のリファレンスシンボルと、端末デバイスの復号がその間にわたって低減され(即ち少なくとも一部が中断され)得るポテンシャル期間との間の事前に確立された対応を認識している。対応の例が図に概略的に表されている。これは、基地局が、どのリファレンスシンボルが抑制され/パンクチャリングされるかに応じて、端末デバイスが1から8までの任意の数のサブフレームにわたって低アクティビティ状態に入り得るという指示を伝えることを可能にする。複数のリファレンスシンボルを抑制することによってより長い期間を指示することができる。例えば、6サブフレームの中断と対応するリファレンスシンボル及び8サブフレームの中断と対応するリファレンスシンボルを抑制することにより、14サブフレームの中断が指示されることができる。図18で表す例では、5サブフレームの中断に対応するものとして設定されたリファレンスシンボルが、パンクチャリンクされる(送信されない)ものとして概略的に表されている。よって、基地局はこのリファレンスシンボルを送信しない。本発明の実施形態を実施する端末デバイスは、このリファレンスシンボルが抑制されていることを認識し、そのため、後続のサブフレームから5サブフレームの期間にわたり低アクティビティモードを起動し得る。(従来のチャネル推定にリファレンスシンボルを用いるデバイスに及ぼす影響を最小限にするために)1つのリファレンスシンボルだけがパンクチャリングされるものと仮定すると、図18で表す対応は、8つの可能な持続期間の復号中断が指示されること(即ち、1つのCRC位置当たり1つ)を可能にする。よって、現在LTEでサポートされている最も狭いシステム帯域幅(1.4MHzの帯域幅、72サブキャリア/6リソースブロックの幅と等しい)には、48の可能な持続期間が存在し、これらの持続期間を、各々ただ1つのリファレンスシンボルを抑制するだけで指示することができる。よって、低アクティビティ状態に入るよう端末デバイスを制御し得る時間の長さに大幅な柔軟性を持たせることができ、チャネル推定にリファレンスシンボルを用いる他のデバイスに及ぼす影響は相対的に低い。従来のチャネル推定法には、例えば干渉に起因するリファレンスシンボルの「損失」の可能性があり、そのため、本発明の実施形態を実施しない従来の端末デバイスは、たとえリファレンスシンボル送信の意図的な選択的抑制を伴っても、通常通りの動作を続行することとなる。
複数のリファレンスシンボルが1つのサブフレームの1.4MHz帯域幅内で抑制/パンクチャリングされ得る場合には、それに対応して拡大された数の、通信され得る潜在的な中断持続期間に関するオプション(又は以下で更に記述するような情報の他の要素)を、いくつの潜在的なパンクチャリングパターンが定義されるかに従って伝えることができる。例えば、2つのリファレンスシンボルの任意の組み合わせが異なる潜在的な復号中断持続期間を指示するために抑制され得る場合には、上記で例示したようなCRSの事例では、6リソースブロック幅の最も狭いシステム帯域幅で指示され得る可能な異なる持続期間は48C2=(48*47/2)=1128である。
上述のように、リファレンスシンボルの抑制は、チャネル推定にリファレンスシンボルを利用する従来の「レガシー」デバイスのためのチャネル推定プロセスの性能を劣化させ得る。しかし、これは、リファレンスシンボルのうちの相対的に小さい部分だけ(例えば5%未満)が抑制されるようにすることによって軽減され得る。更に、より高度な端末デバイスは、たとえ本発明の実施形態を実行しなくても、チャネル推定プロセスの最大化を助長するためにどのリファレンスシンボルが抑制され得るか指示する基地局からのシグナリングを受信するように構成され得る。
DM‐RSとCRSがどちらも送信モード7で送信される場合のように、基地局がパンクチャリングしようとする特定のリファレンスシンボルを特定の端末デバイスが復号することになるかどうかを基地局が認識していないような場合、1つの手法は、全ての関連するリファレンスシンボル上でリファレンスシンボルのパンクチャリングを構成し、上位層構成ステップで、例えばキャンプオン手順において、それらのうちの1つだけに応答する指示を含めることができる。
上記の例では、リファレンスシンボルの抑制がリファレンスシンボルを送信しないことと対応するものと想定されている。しかし、他の例では、リファレンスシンボルの抑制は、単に、当該リファレンスシンボルを、他のリファレンスシンボルと比べて異なる電力、例えば、閾値量を超えるまでリファレンスシンボルの平均電力より低い電力で送信することを伴い得る。より高度な実施においては、基地局は、低アクティビティ状態モードへと制御されるべき端末デバイスが基地局から遠方に位置しているため、基地局がリファレンスシンボルを比較的低い電力で送信した場合、遠方の端末デバイスによっては受信され得ないが、近くの端末デバイスには、抑制された電力でも受信され得ることを識別し得る。セル内のどこで他の位置と比べてリファレンスシンボルが抑制されて見えるかを制御するために、ビーム形成を使用して、広く類似した原理を適用することができる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、中断情報を伝えるためにパンクチャリングされ得るリファレンスシンボルが、基地局の複数のアンテナポート上で送信され得る。この場合、パンクチャリングは全てのアンテナポートに適用されなくてもよい。更に、特定のリソースエレメントのパンクチャリングが適用され得るアンテナポートの異なる可能な組み合わせを使用して、端末デバイスをそれぞれの低アクティビティ状態へと構成するためのより多くの可能なオプションを指示することもできる。例えば、アンテナポート‘a’及びアンテナポート‘b’を用いて送信されるリファレンスシンボルについては、ポート‘a’上のみでのパンクチャリング、ポート‘b’上のみでのパンクチャリング、又はポート‘a’上とポート‘b’上の両方でのパンクチャリングが、情報を伝えるための更に3つの状態として使用される。
この手法の1つの使用例は、例えばCRSの4ポート送信をサポートする基地局及び端末デバイスの場合とすることができる。ポート2及びポート3上では、リファレンスシンボル密度は、システムが4ポートによって提供される高次の空間多重化を使用している場合、無線チャネルは、本来的に、高SINR及び低モビリティを有する無線チャネルである可能性が高く、よって、抑制されたリファレンスシンボルオーバーヘッドで十分に推定することができることを考慮して、ポート0及びポート1のリファレンスシンボル密度の半分となる。しかし、システムが4より少ないポートをPDSCH送信に使用している場合には、本発明の実施形態によるリファレンスシンボルパンクチャリングを(1つ以上の)未使用のポートに適用することにより、そのPDSCH送信が行われると予期されるポート上のチャネル確立の劣化を抑制することができる。
本発明の別の実施形態によれば、選択されるリファレンスシンボルパンクチャリングは、更なる情報、例えば、中断が開始するまでの遅延を指示するのにも使用され得る。例えば、単純な事例では、サブフレーム内のあるリファレンスシンボルは、端末デバイスが低アクティビティ状態に入り得る異なるポテンシャル期間を指示するのに使用され、他方、サブフレーム内の他のリファレンスシンボルは、低アクティビティの期間がその後から開始することになる遅延を(例えば、現在のサブフレームの後に続くサブフレームの数として)指示するのに使用され得る。よって、基地局は、低アクティビティ状態の持続期間を指示するための1つのリファレンスシンボル及び低アクティビティ状態に入る開始時刻を指示するための別のリファレンスシンボルを抑制してもよく、或いは、例えば、抑制され得る異なるリファレンスシンボルとこれらのパラメータの異なる組み合わせとの間の事前に確立された対応に基づいて、1つのリファレンスシンボルが、低アクティビティがその後から開始することになる遅延と、遅延の持続期間の両方を指示してもよい。
いくつかの実施形態によれば、特定のリファレンスシンボルの選択的抑制は、単なる1つの連続した期間ではなく、端末デバイスが低アクティビティ状態に入り得るその後のサブフレームのパターンを指示するのに使用され得る。例えば、リファレンスシンボルのサブセットが低アクティビティ状態の異なる持続期間と関連付けられ、他のリファレンスシンボルが低アクティビティ状態の適用のための異なるパターンと関連付けられてもよい。例えば、特定のリファレンスシンボルの抑制が、低アクティビティ状態に周期的に入るべきであるという指示と関連付けられてもよい。よって、基地局は、上述のように、低アクティビティ状態の特定の持続期間を指示するための1つのリファレンスシンボルを抑制すると共に、同じ、又は、関連するサブフレーム内で、この状態に繰り返し入り得ることを指示するためのリファレンスシンボルも抑制し得る。端末デバイスは、それに応答して、適切な持続期間にわたって低アクティビティ状態に入り、次いで、同じ持続期間にわたって低アクティビティ状態を抜け、次いで、その持続期間にわたって低アクティビティ状態に再度入り、以下同様に繰り返し得る。端末デバイスは、基地局がこの動作モードの非アクティブ化と関連付けられる別のリファレンスシンボルを抑制するまでこれを続行するように構成され得る(本明細書で、対応する情報を指示するための特定のリファレンスシンボルの抑制という場合、これは、対応する情報を指示するための特定のリファレンスシンボルの組み合わせを抑制することも指すものと解釈すべきであることが理解されるであろう)。低アクティビティ状態に出入りするための異なるパターンを、事前に確立された方式と関連付けられる異なるリファレンスシンボルと関連付けることができる。
よって、本発明のいくつかの実施形態によれば、特定のリファレンスシンボル(又はリファレンスシンボルの組み合わせ)の選択的抑制は、基地局から端末デバイスへ更なる情報を伝えるためにも使用することができる。即ち、少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択的抑制は、端末デバイスが低アクティビティ状態に入り得る期間に関する情報だけではなく、一般に、基地局から(1つ以上の)端末デバイスへ情報を伝えるのに使用され得る。例えば、サブフレーム内のリファレンスシンボルの抑制によって指示される遅延持続期間と、抑制が指示されるサブフレーム番号の組み合わせを、端末デバイスが仮想キャリアPDCCHの復号を再開することになるホストキャリアのPDCCH制御領域の(シンボル数としての)幅に関する情報を伝えるのに使用することもできる。従って、これは、端末デバイスが復号の中断後の最初のサブフレームにおけるVC‐PDCCHの位置を決定するプロセスを簡略化することができる(例えば、仮想キャリアPDCCHが、図5に概略的に表すようにサブフレームの最後にあるのではなく、ホストキャリアPDCCHの直ぐ後に続く場合)。しかし、制御領域の幅に関して既に取り決めがなされており、制御領域を送信すべきときが来てからそれが正しいことを保証することができないため、この手法は、中断後の最初のサブフレームにおける基地局のスケジューリングの柔軟性を潜在的に制限することになる。そうした機能が実施される場合にこれを扱うための様々な手法があり、例えば、(a)単にスケジューリングの非効率性を許容する、或いは、(b)非効率性が大き過ぎると判断される場合、単にVC端末デバイスに対して行われた取り決めを無効にするなどである。後者の場合、端末デバイスは、その最初の試行に際して低アクティビティ期間の満了後の最初のサブフレームにおいて仮想キャリアPDCCHを正しく復号するのに失敗する場合もある。しかし、端末デバイスは、復号に成功するまで、残りの可能なPDCCH制御領域の幅にわたってブラインド復号を用いることができる。
上述の実施形態は、端末デバイスが、どのようにして、端末デバイス特有の情報の送信と関連付けられる仮想キャリア制御領域の復号を中断するように構成され得るかに焦点を当てている。しかし、本発明の異なる実施形態によれば、低アクティビティ状態には異なる中断の度合いがあり得る。例えば、VC‐PDCCHを、よって仮想キャリアPDSCHの復号をも中断するとともに、他の例では、端末デバイスは、例えば、全てのリファレンスシンボル、PBCH、及び同期シグナリングを含むサブフレーム全体、又はこれらの任意のサブセットの復号を中断することができる。これは、端末デバイスが、例えば、セルとの同期を失い、又はMIBへの変更に気付かない可能性もあるため、状況によってはあまり望ましくない場合もあるが、デバイスにおける若干の更なる省電力が達成されることができ、これはいくつかのMTC用途において望ましいことがある。
上述のように、本発明の実施形態によるリファレンスシンボルの抑制は、無線通信ネットワークにおいて動作しており、チャネル推定にリファレンスシンボルを使用している端末デバイスについてのチャネル推定又はフィードバックの品質を潜在的に低減させる可能性がある。いくつかの実施形態によれば、端末デバイスが非抑制リファレンスシンボルを検出する信頼度を高めるために、これらのリファレンスシンボルをより高い電力で(出力増大して)送信することもできる。リファレンスシンボルの送信電力は、既存の手段を用いて端末デバイスへシグナリングすることができる。
また、上述のように、原理上、基地局は所与のリソースエレメントでリファレンスシンボルを送信するが、送信が端末デバイスによって正しく受信され得ないことが起こり得る。よって、端末デバイスは、これを、VC‐PDCCH復号を中断するための指示として誤って解釈し得る。よって、いくつかの実施形態によれば、複数のリファレンスシンボルが低アクティビティ状態に入る前に抑制されるものとして識別されることを要件とし得る。例えば、一例では、特定のリファレンスシンボルパンクチャリングパターンが、端末デバイスがこのパターンを、端末デバイスが所与の期間にわたって低アクティビティ状態に入り得るという肯定的指示として解釈するために、2つ以上のサブフレームで検出されることを要件とし得る。
本発明の実施形態による、リファレンスシンボルの抑制/パンクチャリングによって特定の情報が伝えるための膨大な数の異なる方法があることが理解されるであろう。例えば、図18に表す対応マッピングは、図18に表すダウンリンクサブフレームの部分内の1から8サブフレームまでの潜在的非活動期間を伝達するための単純な方式を提供する。上述したように、1.4MHzの仮想キャリア帯域幅では、1サブフレーム内にCRSのための48の可能なパンクチャリング位置があることができる。図18の単純な手法に従えば、これは、1つのリソースエレメントパンクチャリングで1から48サブフレーム(ミリ秒)までの潜在的(potential)中断期間の通信を可能にすることができる。しかし、どんな実施においても、本発明の実施形態による、端末デバイスが低アクティビティ状態に入り得る特定のポテンシャル期間に対する特定のリファレンスシンボルのマッピングに際しては大きな自由度があることが理解されるであろう。特定のリファレンスシンボルと端末デバイスが低アクティビティ状態とされるポテンシャル期間との間の対応は、ルックアップテーブルにおいて確立され得る。そうしたルックアップテーブルは、無線通信システムの規格に従って定義されてもよく、現在の条件に従って基地局によって確立され、次いで、例えばキャンプオン手順の間に上位層シグナリングを用いて端末デバイスへ通信されてもよい。実際上、所与の実施における、個々のリファレンスシンボルと対応する期間との関係は、完全に任意とし得る。他の例では、抑制のために選択されるリファレンスシンボルと対応する中断期間との間には、定式化された関係があり得る。
例えば、あるルックアップテーブルベースの例では、1ミリ秒から48ミリ秒までの値を1ミリ秒増分単位で定めることが適切であると決定され得る。しかし、別の例では、より長い中断期間を許容することが好ましいと考えられ得る。よって、おそらくは、30リファレンスシンボルが1から30ミリ秒までの期間と関連付けられることになり、残りの18リファレンスシンボルは、大幅に長い期間と関連付けられ得る。
場合によっては、基地局が、端末デバイスが低アクティビティ状態に入り得ることを異なるアイデンティティの端末デバイスへ選択的に指示し得ることが望ましい。本発明のいくつかの実施形態によれば、そうした指示は、少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択的抑制に基づいて提供されてもよい。よって、いくつかの実施形態によれば、リファレンスシンボルのパンクチャリング位置は、中断持続期間を指示するためのみならず、端末デバイスアイデンティティを指示するためにも使用され得る。これは、例えば、実際上、ある特定のリファレンスシンボルをある特定の接続された端末デバイスへ割当ることによって達成され得る。これらのリファレンスシンボルは、端末デバイスごとのキャンプオン手順の間に、又は、基地局と端末デバイスとの間の他の明示的なシグナリングの間、割当られ得る。例えば、1.4MHz帯域幅の仮想キャリアの所与のサブフレームに抑制のための48の可能なリファレンスシンボルがある上記の事例を見ると、本発明の実施形態を実施する8つの接続された端末デバイスがある場合、各端末デバイスが6リファレンスシンボルのグループと関連付けられ、それによって、基地局が8つの端末デバイスの各々を(端末デバイスに割当られる1リファレンスシンボルごとに1つずつ)6つのポテンシャル期間にわたって低アクティビティ状態に入るよう個別に制御することが可能となる。この手法の欠点は、個別にアドレス指定されることになる端末デバイスの数の増加と共に、端末デバイスへシグナリングされ得る潜在的持続期間の数が低減することである。
この手法を使用して個々の端末デバイスをアドレス指定するのみならず、同様の方式を使用して、端末デバイスのグループをアドレス指定することもできる。例えば、端末デバイスは、いくつかの端末デバイスのグループ(例えば異なる企業に属するスマートメータ)と関連付けられることができる。ある企業に属する端末デバイスは全て第1のリファレンスシンボルのセットと関連付けられ、別の企業に属する端末デバイスは全て別のリファレンスシンボルのセットと関連付けられ得る。よって、基地局は、各企業の端末デバイスを、当該企業の端末デバイスと関連付けられたリファレンスシンボルの適切なパンクチャリングによって制御することができる。この場合も、やはり、リファレンスシンボルと端末デバイスアイデンティティとの間の関連付けは、例えば、キャンプオン手順における上位層(即ち物理層より上位の層の)シグナリングによって確立することができ、又は、原則として、無線通信システムにおいて標準化することができる。
上記で例示したように端末デバイスのグループをアドレス指定すると、その低アクティビティ状態の持続期間が互いの倍数である、例えば各持続期間が偶数のサブフレームである、或いは、例えば各持続期間が2のべき(power)のサブフレーム数の持続期間である端末デバイスのグループは、潜在的に全て同じサブフレームで通常の処理を再開することになる。これは、基地局のスケジューラが全ての起動している端末デバイスへリソースを割当ることを困難にする可能性もある。従って、異なる端末デバイスグループが、互いの倍数ではない、例えば、素数のミリ秒や奇数のミリ秒の持続期間の低アクティビティ状態の持続期間と関連付けられ得る。
上述のように、リファレンスシンボルのパンクチャリングパターンと端末デバイス識別子との間のマッピングは基地局によって確立され、RRCシグナリングといった明示的なシグナリングによって端末デバイスへ通信され得る。この手法の例が図19に概略的に表されており、図19には、本発明の実施形態による図16の基地局1604と端末デバイス1608との間のいくつかのシグナリングステップについてのラダー図が示されている。第1のステップでは、例えばキャンプオン手順と関連付けて、基地局1604は端末デバイスを、当該端末デバイスに割当られ、当該端末デバイスがその後に可能な抑制についてモニタすべきであるパンクチャリングされる可能性のあるリファレンスシンボルの(1つ以上の)位置を有するRRCシグナリングによって構成する(グループ化デバイスのシナリオでは、複数の端末デバイスが同じリファレンスシンボルをモニタするように構成され得る)。基地局から構成情報を受信したことに応答して、端末デバイス1608は、基地局に応答して、構成がいつ完了するか指示する。端末デバイス1608は、続いて、関連するリファレンス信号をモニタすることにより抑制を識別しようとし得る。図19で表すように、基地局はUEのためのパンクチャリングされたリファレンス信号を送って、UEが上述の原理に従って低アクティビティ期間に入り得ることを指示する。端末デバイスは、パンクチャリングされたリファレンスシンボルを検出し、基地局から受信したパンクチャリングされたリファレンスシンボルと関連付けられたサブフレームにわたって低アクティビティ状態(スリープモード)に入る。他の端末デバイスは、他のリファレンスシンボルの抑制に応答するように構成されてよく、それによって、基地局が、関連するリファレンスシンボルの抑制によって異なる端末デバイスにおける低アクティビティモードのアクティブ化を選択的に制御することが可能になる。
本発明の他の実施形態では、抑制され得る異なるリファレンスシンボルが、端末デバイスの既存の識別子に基づく暗黙的なシグナリングによって異なる端末デバイスと関連付けられ得る。LTEには、デバイスのIMSI(International Mobile Subscriber Identity)やC‐RNTI(Cell−Radio Network Temporary Identifier)といった、端末デバイスの一連の異なる識別子がある。これらの識別子は、一般に、抑制されるリファレンスシンボルの異なる組み合わせによって直接アドレス指定するには大き過ぎるが、原理上、これは、パンクチャリングされ得る十分な大きさのリファレンスシンボルのセット、例えば、数サブフレームにまたがるセットを用いて行うことができる。しかし、端末デバイスは、既存の識別子に基づく別の識別子を導出するように構成することができる。例えば、端末デバイスは、端末デバイスの既存の識別子のうちの1つのモジュロ除算に基づいて別の識別子を確立するように構成されることができる。例えば、端末デバイスは、N=I modulo Pとして別の識別子を確立してよく、式中、Nは別の識別子であり、Iは既存の識別子であり、Pは、サポートされ得る異なる別の識別子の数に対応する事前定義の数である。よって、端末デバイスは、端末デバイスが所与の別の識別子と関連付けられることを設定し、無線通信システムの確立された規格を参照して、この別の識別子が端末デバイスアイデンティティを、抑制され得るリファレンスシンボルの所与のサブセットと関連付けることを決定し得る。よって、基地局に接続されたいくつかの異なる端末デバイスは、基地局がリファレンスシンボルの選択的抑制に基づいて低アクティビティモードを選択的にアクティブ化することを可能にする異なる識別子を暗黙的に導出することができる。複数の端末デバイスが、同じ別の識別子を導出することになる可能性がある(また実際、Pを上回る数の端末デバイスが基地局に接続されている場合、必然的にそうなる)ことが理解されるであろう。しかし、基地局は、単に、同じ別の識別子を共有する端末デバイスのスリープ期間を同時にスケジュールすることができる。
本発明の実施形態は相対的に長い持続期間の中断/低アクティビティモード(例えば10ミリ秒以上)を設けることができるため、低アクティビティ期間の起動時と比べて低アクティビティ期間の満了時に、チャネル条件が著しく異なり得る可能性がある。そのため、いくつかの例では、端末デバイスが、低アクティビティ期間の終了時に、CQI(Channel Quality Indicator)を自動的に決定し、基地局へ送信するように構成されることが有利となり得る。原則として、基地局はRRCシグナリングによってCQI報告を強制するように端末デバイスを構成することができるが、場合によっては、それでもなお、遅延及び追加的なシグナリングオーバーヘッドを回避するために、端末デバイスがその既存の周期的CQI構成を用いてCQI報告を自動的に送信することが有利となり得る。
更に、ある期間にわたって低アクティビティモードに入るよう制御された端末デバイスが基地局へのアップリンクデータの送信を必要とし得る可能性もある。よって、端末デバイスは、低アクティビティモードを抜け(exit)、従来のランダムアクセスチャネル(RACH)又はスケジューリング要求(SR(Scheduling Request))シグナリングによって基地局へこのことを通信するように構成され得る。SRシグナリングを送信する端末デバイスの場合には、端末デバイスは、基地局から即時のアップリンク許可が送信される可能性を許容するために、次のサブフレームでVC‐PDCCHの復号を再開することができる。仮想キャリアと関連付けられたPRACH上でRACH手順を使用する端末デバイスの場合には、端末デバイスは、数サブフレーム後となり得る適切なランダムアクセス応答(RAR(Random Access Response))ウィンドウの起動まで、例えばVC‐PDCCHの復号が抑制される低アクティビティ状態に留まり得る。
図20は、本発明の実施形態による端末デバイスにおける処理を概略的に表す流れ図である。第1のステップS1で、端末デバイスは、抑制され得るリファレンスシンボルと潜在的復号中断期間との間のマッピングを確立する。これは、上述の技法のいずれかに従って、例えば、標準化されたマッピング/ルックアップテーブルによって、又は、RRCシグナリングといった基地局からのシグナリングによって、又はSIB(システム情報ブロック)/MIB(マスタ情報ブロック)シグナリングにおいて達成され得る。例えば、システムと関連付けられる無線通信規格は、異なる潜在的中断持続期間に対する少なくとも1つのリソースエレメントの異なる組み合わせをマッピングする複数の異なる潜在的ルックアップテーブルを指定し、SIB又はMIBシグナリングは、どのテーブルを使用すべきか端末デバイスに指示するのに使用され得る。
第2のステップS2で、端末は各サブフレームをモニタして、(もしあれば)抑制されているリファレンスシンボルと関連付けられるリソースエレメント(RE)を決定する。
第3のステップS3で、端末デバイスは、抑制されているリファレンスシンボルと関連付けられるリソースエレメントが、ステップS1で確立された端末デバイスについての関連するマッピングのいずれかと一致するかどうか判定する。一致がないと判定される場合、処理は、次のサブフレーム(サブフレームn+1)が受信されるときに、次のサブフレームの処理を反復するために「いいえ」と記された分岐に従ってステップS2に戻る。一致があると判定される場合、端末デバイスは、その送信が抑制されることが決定される少なくとも1つのリファレンスシンボルの配置に基づいて、復号中断を開始するサブフレームp及び復号中断を終了するサブフレームqを設定する。これは、上述の技法のいずれかに従ってなされ得る。例えば、サブフレームpは単に次のサブフレーム(サブフレームn+1)であってよく、サブフレームqは、サブフレームpの時間に抑制されるリファレンスシンボルの特定の一致するパターンと関連付けられる期間を加えることによって設定され得る。処理は次いでステップS4へ進む。
ステップS4で、端末デバイスは、サブフレームn=p−1になるまで通常通りにサブフレームを処理し続ける(ステップS3で識別された一致後にpが単に次のサブフレームである例では、条件n=p−1が直ちに満たされるのでステップS4で処理されるサブフレームがなくなる)。
ステップS5で、端末デバイスは、通常モードの受信/復号処理の少なくとも一部がサブフレームpから使用不可とされる低アクティビティモードで動作する。
ステップS6で、端末デバイスは、例えば内部タイマに基づいて、又は低アクティビティモードで引き続き受信されるサブフレームベースのシグナリングに基づいて、サブフレームqに達したと判定する。これにより、定義された期間にわたって端末デバイスの低アクティビティ状態を制御する基地局の処理が終了し、処理はステップS2に戻る。
上述の実施形態には、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく、多様な改変が加えられ得ることが理解されるであろう。特に、本発明の実施形態はLTEモバイル無線ネットワークに言及して記述されているが、本発明は、GSM、3G/UMTS、CDMA2000などといった他の形態のネットワークにも適用され得ることが理解されるであろう。MTC端末という用語は、ここで使用する場合、ユーザ機器(UE)、モバイル通信デバイス、端末デバイスなどで置き換えることができる。更に、基地局という用語はeNodeBと区別なく使用されているが、これらのネットワークエンティティの間に機能的な差異はないことを理解すべきである。
以上のように、基地局と端末デバイスとを備え、チャネル推定のためのリファレンスシンボルの配列を含む無線サブフレームを備えるダウンリンク無線フレーム構造を有する無線インターフェースを用いる無線通信システムを記述した。基地局は、ある端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を決定し、少なくとも1つのリファレンスシンボルの選択的抑制によってこの情報を端末デバイスへ通信するように構成される。異なる期間を指示するために異なる(1つ以上の)リファレンスシンボルが抑制され得る。端末デバイスは、リファレンスシンボルがどこで抑制されたかを識別するために基地局によって送信されるリファレンスシンボルをモニタするように構成される。よって、端末デバイスは、どのリファレンスシンボルが抑制されるかから、端末デバイスがあるタイプのデータを受信すると予期されない期間を決定し、処理リソース及び電力リソースを節約するために当該期間にわたって低アクティビティモードに入り得る。リファレンスシンボルのパンクチャリングは、このようにして、端末デバイスが、通常は復号を必要とし得る送信より少ない送信を復号することによってリソースを節約し得る期間の高速物理層シグナリングを提供する。
実施形態は、リファレンスシンボルの配列を含むダウンリンク送信構造を有する無線インターフェースを用いる無線通信システムにおいて、あるタイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間に関する情報を端末デバイスへ伝えるよう基地局を動作させる方法を備えることができ、リファレンスシンボルは、事前定義の時間及び周波数リソースにおける事前定義の信号を備え、方法は、端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を決定することと、決定された期間に依存して、少なくとも1つの時間及び周波数リソースにおける少なくとも1つのリファレンスシンボルを選択することと、該タイプの端末デバイス特有のデータが端末デバイスへの送信のためにスケジュールされない期間を端末デバイスへ指示するために、少なくとも1つの時間及び周波数リソースにおける少なくとも1つのリファレンスシンボルの送信を抑制することと、を備える。
本発明のその他の個々の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、各請求項に明示的に記載されている組み合わせ以外の組み合わせとして独立請求項の特徴と組み合わされ得ることが理解されるであろう。