JP2015532679A - 高成形性の耐粒界腐食性AlMgストリップ - Google Patents

高成形性の耐粒界腐食性AlMgストリップ Download PDF

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Abstract

本発明は、AlMgアルミニウム合金で作られた冷間圧延アルミニウム合金ストリップ、およびそれを製造するための方法に関する。さらに、前記アルミニウム合金ストリップから作られた対応する部材も提案する。十分な耐粒界腐食性を有するものの、非常に成形性があるため、大面積の深絞り成形部品、たとえば自動車のドアの内装部品でも十分な強度で製造することができる単層アルミニウム合金ストリップを提供するという本発明の課題は、下記合金成分:Si≰0.2重量%、Fe≰0.35重量%、Cu≰0.15重量%、0.2重量%≰Mn<0.35重量%、4.1重量%≰Mg≰4.5重量%、Cr≰0.1重量%、Zn≰0.25重量%、Ti≰0.1重量%、残部はAl、および個別に最大0.05重量%、そして合計で最大0.15重量%になる不可避不純物である、を有するAlMgアルミニウム合金で作られたアルミニウム合金ストリップであって、アルミニウム合金ストリップは再結晶微細組織を有し、微細組織の平均粒度は15μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmの範囲にわたり、アルミニウム合金ストリップの最終の軟化焼鈍は連続炉で行う、アルミニウム合金ストリップにより解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップ、およびその製造方法に関する。さらに、アルミニウム合金ストリップから製造される、対応する部材も提案する。
船舶、自動車および航空機の建造においてAA 5xxx系のアルミニウム−マグネシウム(AlMg)合金は、シートまたはプレートまたはストリップの形態で溶接または接合構造物の建造に使用される。5xxx系アルミニウム/マグネシウムは高い強度を特徴とし、強度レベルは、マグネシウム含有量が上昇するにつれて高まる。Mg含有量が3%超、特に4%超のAA 5xxx系のAlMg合金は、高温に曝されると粒界腐食の傾向が増加する。70〜200℃の温度では、β−AlMg相が粒界に沿って析出し、こうした相はβ粒子といい、腐食媒体の存在下で選択的に溶解し得る。この結果、特に非常に優れた強度特性および非常に優れた成形性を有するAA 5182系アルミニウム合金(Al 4.5% Mg 0.4% Mn)は熱ストレスがかかる領域に使用することができず、水蒸気状の水など腐食媒体の存在に対処しなければならない。これは特に、通常カソード浸漬塗装(KTL:kathodischen Tauch-Lackierung)を行ってから焼付けプロセスにおいて乾燥させる自動車の部材で懸念される。この焼付けプロセスにより、通常のアルミニウム合金ストリップは既に粒界腐食を受けやすくなっている可能性があるためである。さらに、自動車部門での使用では、部材の製造中の成形、および部材のその後の作業ストレスも考慮に入れなければならない。
粒界腐食の感受性は通常、試料を硝酸に曝して粒界腐食による質量減少を測定する、ASTM G67に準拠した標準試験(NAMLT試験)で点検する。ASTM G67によれば、耐粒界腐食性を有さない材料の質量減少は15mg/cmを超える。
自動車産業の、たとえばドア内装部品の金属シートは、非常に優れた成形性を有さなければならない。この場合の要件は基本的に目的の部材の剛性により判定され、材料の強度は従属的な役割しか果たさない。こうした部材、たとえば窓枠が一体化された領域を有するドアは、多くの場合、多段成形プロセスが行われる。
したがって、腐食特性のほかに、AlMgアルミニウム合金の成形性もこの材料の利用可能性に大きな影響を与える。たとえば、これまでに知られている材料では、自動車の側壁を単一シートから深絞り成形するのは不可能であり、側壁の改築だけでなく自動車の側壁を設ける追加のプロセス工程も必要になるということになっていた。
成形挙動は、たとえば、エリクセン試験(DIN EN ISO 20482)でシートに対して試験片を押し込み、冷間成形を行うストレッチドロー成形試験にて測定することができる。冷間成形中、力および試験片の力−変位は、割れの形成により引き起こされる荷重低下が起こるまで測定する。本出願に引用されるSZ32ストレッチドロー成形の測定は、摩擦を減らすため深絞り成形用テフロン(登録商標)フィルムを用いて32mmのパンチ頭部直径および35.4mmのダイ直径で行った。さらに深絞り性の測定は、DIN EN ISO 12004に準拠したパンチ直径100mmの中島幾何形状(Nakajima-Geometrie)を用いた、いわゆる平面ひずみカップ試験により行った。このため、特定の幾何形状の試料に割れが出現するまで絞り試験を行い、割れまでの深さをその材料の成形性の指標として使用した。
高いMg含有量のAA5xxxアルミニウム合金からなる複合材料溶液、および腐食を防止するためのアルミニウム合金の外層は、製造が複雑であるのに加え、アルミニウム複合材料が他の部品に接合する接合点、たとえば刃の先端、ドリル穴およびブレークアウトでは、腐食の危険が一層高まるという欠点を有する。
したがって本発明は、単層アルミニウム材料に関する。これに基づき、本発明の目的は、十分な耐粒界腐食性を有するが、それでも優れた成形性を有する単層アルミニウム合金ストリップを提供することであり、したがって大面積の深絞り成形部品、たとえば十分な強度の自動車ドアの内装部品を提供することができる。さらに、単層アルミニウム合金ストリップを製造することができる方法も示す。最後に、本発明によるアルミニウム合金ストリップから製造された部材を示す。
本発明の第1の教示によれば、表記の目的は、AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップであって、アルミニウム合金は下記の合金元素:
Si≦0.2重量%、
Fe≦0.35重量%、
Cu≦0.15重量%、
0.2重量%≦Mn≦0.35重量%、
4.1重量%≦Mg≦4.5重量%、
Cr≦0.1重量%、
Zn≦0.25重量%、
Ti<0.1重量%、
残部はAl、および個別に最大0.05重量%、そして合計で最大0.15重量%になる不可避不純物、を有し、アルミニウム合金ストリップは再結晶微細組織を有し、組織の平均粒度が15μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmの範囲にわたり、アルミニウム合金ストリップの最終の軟化焼鈍が連続炉において行われる、AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップにより達成される。
AA5182系アルミニウム合金の規格では、特定の狭い合金範囲により十分な耐粒界腐食性が備わると同時に、一定の制約、たとえば平均粒度および最終の軟化焼鈍の種類を考慮に入れることで非常に優れた成形挙動も得られることが明らかになった。特に、平均粒度と特許請求の範囲に記載されているアルミニウム合金ストリップのアルミニウム合金の合金元素を組み合わせると、十分な強度を有する大面積設計の深絞り成形シートアルミニウム製品の製造を可能にする程度の成形性を達成することができる。特に、室炉で行われる通常のコイル焼鈍よりむしろ連続炉を使用すると、成形性がさらに高まることが明らかになった。
アルミニウム合金ストリップの第1の形態によれば、アルミニウム合金は合金元素の含有量に以下の限定:
0.03重量%≦Si≦0.10重量%、
Cu≦0.1%、好ましくは0.04%≦Cu≦0.08%、
Cr≦0.05重量%、
Zn≦0.05重量%、
0.01重量%≦Ti≦0.05重量%、
の1つまたは複数をさらに有する。
銅の合金含有量を最大0.1重量%に限定すると、アルミニウム合金ストリップの耐食性が改善する。Cu含有量が0.04重量%〜0.08重量%であれば、銅が確実に強度の増加に寄与する一方、それでも耐食性はあまり急に低下しないようになる。ケイ素、クロム、亜鉛およびチタンの含有量が表記した値より高くなると、アルミニウム合金の成形性が悪化する。合金に存在するケイ素の量0.03〜0.1重量%を、記載した量の鉄成分およびマンガン成分と組み合わせると、特に四元系α−Al(Fe,Mn)Si相の緻密な粒子が比較的均一に分布し、成形性または腐食挙動など他の特性に悪影響を及ぼすことなくアルミニウム合金の強度を増加させる。
チタンは通常、アルミニウム合金の連続鋳造中に結晶粒微細化剤として、たとえばホウ化チタンワイヤーまたはロッドの形態で加えられる。したがってさらなる実施形態では、アルミニウム合金は少なくとも0.01重量%のTi含有量を有する。
アルミニウム合金ストリップの腐食挙動および成形性のさらなる改善は、合金元素の含有量に以下の限定:
Cr≦0.02重量%、
Zn≦0.02重量%、
の1つまたは複数をさらに有するアルミニウム合金により達成することができる。
0.05重量%の混入限界未満の含有量のクロムは、アルミニウム合金ストリップの成形性に大きな影響を与え、したがって本発明によるアルミニウム合金ストリップのアルミニウム合金に最小限の比率で含めるべきであることが明らかになった。亜鉛含有量は、アルミニウム合金ストリップの一般的な腐食挙動を損なわないように0.05重量%の混入限界未満にする。
AA5182系アルミニウム合金により許容される値以内の鉄を、上記のようなケイ素含有量およびマンガン含有量と併用すると、成形性に影響を与えることもさらに明らかになった。ケイ素およびマンガンと組み合わせると、鉄は、アルミニウム合金ストリップの熱安定性に寄与するため、好ましくは次の形態によるアルミニウム合金ストリップのFe含有量は、0.1重量%〜0.25重量%または0.10重量%〜0.20重量%である。
アルミニウム合金ストリップのさらなる形態のMn含有量にも同じことがいえるので、アルミニウム合金ストリップの最適な成形性を得るため、Mn含有量は好ましくは、0.20重量%〜0.30重量%に限定すべきである。
Mg含有量が4.2重量%〜4.4重量%のアルミニウム合金ストリップのさらなる形態によれば、特に高い強度特性、粒界腐食に対する優れた耐食性および成形特性の改善の良い面をあわせ持つことを実現することができる。
用途分野に必要な強度特性を得るため、次の実施形態によるアルミニウム合金ストリップは0.5mm〜4mmの厚さを有する。アルミニウム合金ストリップの用途分野の大部分はこの範囲内に収まるので、厚さは好ましくは1mm〜2.5mmである。
最後に、自動車部門では本発明によるアルミニウム合金ストリップにより、軟化状態のアルミニウム合金ストリップが少なくとも110MPaの降伏点Rp0.2および少なくとも255MPaの引張強さRを有する用途分野が可能になる。特にこうした降伏点および引張強さを有するアルミニウム合金ストリップはとりわけ自動車部門の使用によく適していることが明らかになっている。
本発明の第2の教示によれば、上記に示した目的は、上述の実施形態によるアルミニウム合金ストリップを製造するための方法であって、以下のプロセス工程:
− 好ましくはDC連続鋳造プロセスで圧延インゴットを鋳造する工程;
− 480℃〜550℃で少なくとも0.5時間の圧延インゴットの均質化工程;
− 280℃〜500℃の温度での圧延インゴットの熱間圧延工程;
− 40%〜70%または50%〜60%の圧延率で最終厚さまでのアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;および
− 仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの、連続炉にて300℃〜500℃での軟化焼鈍工程;
を含む方法により達成することができる。
上記のアルミニウム合金成分と表記のパラメーターを併用すると、十分な耐粒界腐食性を有し、十分な強度特性を備え、かつ非常に優れた成形特性も有する、平均粒度が15μm〜30μmのアルミニウム合金ストリップを製造することができるため、大面積の深絞り成形シート金属部品を製造することができることが明らかになった。圧延インゴットを均質化すると、圧延される熱間圧延インゴットにおいて均一な構造および合金元素の均一な分布が確実に得られる。280℃〜500℃の温度の熱間圧延では、熱間圧延中を通して再結晶が可能であり、熱間圧延は典型的には2.8mm〜8mmの厚さまで行われる。軟化焼鈍中にアルミニウム合金ストリップ全体に再結晶が確実に起こるように、何れの場合も最終冷間圧延工程は40%〜70%または50%〜60%の圧延率に限定される。アルミニウム合金ストリップの圧延率が高くなるほど、平均粒度が小さくなり、最終の軟化焼鈍において圧延率が70%を超えると平均粒度が小さくなりすぎることが明らかになった。一方、軟化焼鈍中の圧延率が40%未満では、平均粒度が大きすぎるので、耐粒界腐食性は増加するものの、成形性がやはり低下する。仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの軟化焼鈍は連続炉にて行う。連続炉は通常1〜10℃/秒の昇温速度を有するので、室炉と異なり、急速加熱によりコイル全体が加熱され、アルミニウム合金ストリップの構造の特性に後で著しい影響を与える。特に、連続炉での軟化焼鈍中に、室炉で焼鈍された変種と比較してストリップの成形性の改善が達成されるのを確認することができた。
あるいは、本方法のさらなる実施形態によれば、アルミニウム合金ストリップは中間焼鈍により製造することもできる。この別の変種によれば、熱間圧延後、代わりに以下のプロセス工程:
− 最終厚さへの最終冷間圧延率が40%〜70%または50%〜60%になるように決定される中間厚さまでの、熱間圧延されたアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;
− 300℃〜500℃でのアルミニウム合金ストリップの中間焼鈍工程;
− 40%〜70%または50%〜60%の圧延率で最終厚さまでのアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;
− 連続炉にて300℃〜500℃での、仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの軟化焼鈍工程;
が行われる。
アルミニウム合金ストリップの中間焼鈍は室炉および連続炉の両方で行うことができる。成形性に対する作用は判定できなかった。ストリップの軟化焼鈍が連続炉で行われる場合、その決定的因子は最終厚さへの冷間圧延で達成される圧延率である。中間焼鈍の種類に関係なくこれにより、合金組成と共に成形性および耐食性が決定される。
軟化焼鈍後の巻き取られた状態における微細構造状態のそれ以上の変化を防止するため、本方法のさらなる形態によるアルミニウム合金ストリップは、軟化焼鈍後に100℃の最高温度、好ましくは最大70℃まで冷却され、次いで巻き取られる。
既に前述したように、本方法のさらなる形態では中間焼鈍はバッチ炉あるいは連続炉で行うことができる。
アルミニウム合金ストリップを0.5mm〜4mmの最終厚さに、好ましくは1mm〜2.5mmの最終厚さに冷間圧延する場合、これが、典型的な用途分野、特に自動車建造分野に、非常に優れた成形性を有する金属シートを提供し、この金属シートは大きな表面積で深絞り成形することができると同時に、粒界腐食に対する十分な耐食性と共に高い強度特性を与えることができる。
軟化焼鈍は好ましくは、350℃〜550℃の金属温度、好ましくは400℃〜450℃で10秒から5分間、好ましくは20秒から1分間連続炉にて行う。これにより、冷間圧延されたストリップは十分によく再結晶し、それに対応する非常に優れた成形性および平均粒度に関する特性を信頼性高くかつ経済的に達成することができる。
最後に、上記に示した目的は、本発明によるアルミニウム合金ストリップから製造される自動車用の部材により達成される。本部材は、既に記載したように、大きな表面積で深絞り成形することができ、したがって、たとえば自動車建造の大面積の部材を提供することができることを特徴とする。さらに、得られた強度特性のため、本部材はさらに、必要な剛性および自動車建造の使用に要求される耐食性も有する。
たとえば、さらなる形態による部材は、高い強度要求にさらされるのに加え、熱ストレスもかかる自動車の車体部品または車体付属品であることが考えられる。好ましくは、ホワイトボディ部品(Body-in-White-Teile)、たとえばドア内装部品またはテールゲート内装部品は本発明によるアルミニウム合金ストリップから作られる。
以下に図を用いて本発明をより詳細に説明する。図は以下の通り示す。
アルミニウム合金ストリップの製造方法の実施形態の系統図である。 DIN EN ISO 12004に準拠した平面ひずみカップ試験の試料の幾何形状の上面図である。 DIN EN ISO 12004に準拠した平面ひずみカップ試験の模式的な試験構成の側面図である。 DIN EN ISO 20482に準拠したエリクセン試験におけるSZ32ストレッチドロー成形の測定の試験構成の断面図である。 本発明による大面積の深絞り成形金属シート部品の典型的な実施形態である。
図1は、アルミニウムストリップを製造するための実施形態の順序を示す。図1のフローダイヤグラムは、本発明によるアルミニウム合金ストリップの製造プロセスの様々なプロセス工程を模式化したものである。
工程1では、下記の合金元素:
Si≦0.2重量%、
Fe≦0.35重量%、
Cu≦0.15重量%、
0.2重量%≦Mn≦0.35重量%
4.1重量%≦Mg≦4.5重量%、
Cr≦0.1重量%、
Zn≦0.25重量%、
Ti≦0.1重量%、
残部はAl、および個別に最大0.05重量%、そして合計で最大0.15重量%になる不可避不純物である、
を有するAlMgアルミニウム合金の圧延インゴットを、たとえばDC連続鋳造で鋳造する。
次いでプロセス工程2で圧延インゴットに均質化を行うが、均質化は一段で行ってもあるいは多段で行ってもよい。均質化中は、少なくとも0.5時間480〜550℃の圧延インゴットの温度になる。次いでプロセス工程3では、圧延インゴットを熱間圧延し、典型的には280℃〜500℃の温度にする。熱間圧延されたストリップの最終厚さは、たとえば2.8〜8mmである。熱間圧延されたストリップの厚さは、熱間圧延後、1回だけ冷間圧延工程4を行い、熱間圧延されたストリップが40%〜70%、好ましくは50%〜60%の圧延率でその厚さが最終厚さまで薄くなるように選択すればよい。
次いでその最終厚さに冷間圧延されたアルミニウム合金ストリップに軟化焼鈍を行う。本発明によれば、軟化焼鈍は連続炉で行う。表1に示した実施形態では、中間焼鈍による第2の経路を加えた。このため、熱間圧延されたストリップは、プロセス工程3による熱間圧延後、冷間圧延4aに送られ、アルミニウム合金ストリップは、最終厚さへの最終冷間圧延率が40%〜70%または50%〜60%になるように決定される中間厚さに冷間圧延される。その後の中間焼鈍においてアルミニウム合金ストリップは、好ましくは全体に再結晶する。中間焼鈍は、400℃〜450℃の連続炉あるいは330℃〜380℃の室炉の実施形態において行った。
中間焼鈍は、図1においてプロセス工程4bにより示す。図1によるプロセス工程4cでは、中間焼鈍されたアルミニウム合金ストリップを最後に最終厚さへの冷間圧延に送り、プロセス工程4cの圧延率は40%〜70%、好ましくは50%〜60%とする。次いでアルミニウム合金ストリップを軟化焼鈍により再び軟化状態に変換し、本発明によれば軟化焼鈍は400℃〜450℃の連続炉で行う。表4の比較例の焼鈍は330℃〜380℃の室炉(KO)で行った。様々な試験の中で、様々なアルミニウム合金のほかに中間焼鈍後に様々な圧延率を設定した。中間焼鈍後の圧延率の値をさらに表1および4に示す。軟化焼鈍されたアルミニウム合金ストリップの平均粒度もさらに測定した。このため、縦断面をバーカー法により陽極酸化し、次いで顕微鏡下、ASTM E1382に準拠して測定し、平均粒度を平均粒径から判定した。
こうして製造されたアルミニウム合金ストリップの機械的特性、特に降伏点Rp0.2、引張強さR、均一伸びAおよび破断伸びA80mmを測定した(表2、表5)。EN 10002−1またはISO 6892に準拠して測定したアルミニウム合金ストリップの機械的特性に加えて、さらにASTM E1382に準拠してμm単位の平均粒度も示す。さらに、初期状態(0時間)で実際に追加の加熱処理を行うことなく、ASTM G67に準拠した耐粒界腐食性を測定した。自動車での使用をシミュレートするため、腐食試験の前のアルミニウム合金ストリップに様々な加熱処理を行った。第1の加熱処理は、KTLサイクルのモデルを作るため185℃で20分間のアルミニウムストリップの保管からなった。
さらに一連の測定において、アルミニウム合金ストリップを80℃で200時間または500時間さらに保管し、次いで腐食試験を行った。アルミニウム合金ストリップまたはシートの成形も耐食性に影響を与え得るので、別の試験ではアルミニウム合金ストリップを約15%引っ張り、高温で加熱処理または保管を行い、次いでASTM G67に準拠して粒界腐食試験を行い、その間に質量減少を測定した。
表1は、AA5182系アルミニウム合金の規格に分類される合計4種のアルミニウム合金の合金含有量を示す。標準合金はこれまで使用された材料により構成されたものであり、変種1、2および3と比較して示す。表1はさらに、最終焼鈍の種類、最終圧延率およびμm単位で測定した平均粒度(粒度径)の詳細も含む。変種1および2は最終圧延率の点で異なるため、異なる粒度の形成が生じる。したがって変種2はほぼ同一の合金元素であるにもかかわらず、同一の連続炉条件で最終圧延率が57%である点で本質的に変種1と異なる。その結果、変種2は変種1の33μmと比較して18μmの平均粒度を有した。表1の各ストリップは連続炉で400℃〜450℃の温度に20秒から1分間加熱し、次いで冷却し、100℃未満で巻き取った。次いで採取した試料は、表2に示したように、対応するDIN EN ISO基準に準拠して測定した。
表2から、変種1は降伏点に関して110MPaの値に達する信頼性が高くなく、記号Dで表示した斜め方向の測定では、110MPa未満の値を有することが明らかである。しかしながら、圧延方向Lおよび圧延方向を横切る方向Qの測定からは、変種1は実際に110MPaの降伏点Rp0.2に達している。標準ならびに変異体2および3は、この降伏点の下限を大きく上回った。変種2の本発明による実施形態は、すべての引張方向で信頼性高く110MPaの降伏点値を達成した。Mg含有量4.95重量%と最も高い変種3が、降伏点および引張強さの最も高い数字を達成しているのが認められるのは明らかである。変種1と2との圧延率の相違が、粒度に顕著な影響を与えているだけでなく、特に110MPaよりかなり高い値まで降伏点を高めていることも認めることができる。
特に変種2の本発明による合金は標準と比較して低い異方性を有しており、面内異方性Δrのより低い値に反映されている。ここで、面内異方性Δrは1/2*(r+r−2r)と定義され、式中、r、rおよびrは、縦方向、横切る方向および/または斜め方向のr値に対応する。この場合、平均r値は1/4*(r+r+2r)から算出されるもので、標準物質のそれと大きく異ならない。
表3は、耐粒界腐食性に関して記録された測定値を示す。本発明による変種2は、特に長時間ストレスに関する標準の測定値で見て伸長状態および非伸長状態の両方で同程度の値を有することを認めることができる。この場合、変種2および標準はほぼ同一である。変種3は、最も高い降伏点値および引張強さ値を有するにもかかわらず、それでも腐食試験からは、過剰なMg含有量が、特に185℃で20分の短時間温度サイクルに加えて80℃で200時間の長時間ストレスも含む長時間試験において過度の質量減少を引き起こすことが立証された。
成形性に関する表3の測定値については、特に変種2は、SZ32カップ試験および平面ひずみカップ試験における張出し成形性で見て標準合金より優れていたことを認めることができる。標準アルミニウム合金ストリップと比較して変種2によるアルミニウム合金ストリップの成形挙動の明らかな改善からは、Mg含有量を減少させても、耐粒界腐食性を大きく低下させることなく標準合金と同程度の降伏点値および引張強さ値を達成し得ることが示される。これは、特にASTM G67に準拠したNAML試験における質量減少の測定により立証された。重要なのは、変種2では深絞り挙動のエリクセン試験において7%、および平面ひずみカップ試験において約10%の改善が見られたことから、本発明によるアルミニウム合金ストリップの追加成形の可能性が立証されたことである。この追加成形の可能性は、深絞り成形の大面積の金属シート部品、たとえば自動車のドア内装部品の製造に使用することができる。
DIN EN ISO 20482に準拠した「SZ32カップ」試験、およびDIN EN ISO 12004に準拠した中島幾何形状を用いた平面ひずみカップ試験の試験構成の簡単な説明を下記に示す。
図2aは試験片1の幾何形状を示す。ウェブ4が100mmの幅を有し、くびれ部の半径2が20mmになるように、テーパ形状の試験片1を環状の金属シートから切り取る。寸法3は100mmで、パンチの直径を表す。図2bは、2つのホルダー5、6の間に固定された試験片1を示す。マウント8上に置かれ、この支持体に対してホルダー5、6を介して押し付けられた試験片1は、半径100mmの半円の先端を有するパンチ7で矢印の方向に絞られる。ホルダーはさらに、マウント8に面した側面に5mmまたは10mm入口半径を有する。成形中、カップ試験を行う力を測定し、割れの形成を示す荷重低下が生じたら、対応する打抜き深さを測定する。
エリクセンに準拠した「SZ32カップ」試験も同様の構成を有するが、ただし、くびれ試験片は使用しない。この場合、試験片9をホルダー10と支持体11との間に単純に保持し、同じように絞り力の荷重低下を測定するまでパンチ12で絞る。次いでこの場合も、対応するパンチの位置を測定する。図3のダイの開口部は35.4mmであり、パンチ直径は32mm、パンチ半径が16mmということになる。SZ32深絞り成形試験では、摩擦を減らすため深絞り成形用テフロンフィルムも使用した。
表4および5では、さらなる実施形態および比較例を作り、それらの機械的特性、およびそれらの耐粒界腐食性に従い測定した。連続炉の使用と15μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmの具体的に選択した粒度の使用とを組み合わせると、耐食性と機械的測定値との良いところをあわせ持つことを認めることができる。したがって、たとえば、本発明による実施形態の番号3、4、7、11および15は満足のいく耐粒界腐食性を有し、自動車部門の使用に必要な機械的測定値Rp0.2およびRも示すため、大面積の深絞り成形部材を得るのに理想的である。
図4は一例として、本発明のアルミニウム合金ストリップにより単一の深絞り成形シートから製造することができる、ドアの内装部品の形態に対応するホワイトボディ部品を示す。この場合、シート厚さは好ましくは1.0〜2.5mmである。さらに、金属シートシェル建造において、成形性および粒界腐食の点で厳しい要求にさらされる、テールゲート、ボンネットおよび車両構造の構成要素の内装部品など自動車の他の部品も考えられる。
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本発明は、AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップ、およびその製造方法に関する。さらに、アルミニウム合金ストリップから製造される、対応する部材も提案する。
船舶、自動車および航空機の建造においてAA 5xxx系のアルミニウム−マグネシウム(AlMg)合金は、シートまたはプレートまたはストリップの形態で溶接または接合構造物の建造に使用される。5xxx系アルミニウム/マグネシウムは高い強度を特徴とし、強度レベルは、マグネシウム含有量が上昇するにつれて高まる。Mg含有量が3%超、特に4%超のAA 5xxx系のAlMg合金は、高温に曝されると粒界腐食の傾向が増加する。70〜200℃の温度では、β−AlMg相が粒界に沿って析出し、こうした相はβ粒子といい、腐食媒体の存在下で選択的に溶解し得る。この結果、特に非常に優れた強度特性および非常に優れた成形性を有するAA 5182系アルミニウム合金(Al 4.5% Mg 0.4% Mn)は熱ストレスがかかる領域に使用することができず、水蒸気状の水など腐食媒体の存在に対処しなければならない。これは特に、通常カソード浸漬塗装(KTL:kathodischen Tauch-Lackierung)を行ってから焼付けプロセスにおいて乾燥させる自動車の部材で懸念される。この焼付けプロセスにより、通常のアルミニウム合金ストリップは既に粒界腐食を受けやすくなっている可能性があるためである。さらに、自動車部門での使用では、部材の製造中の成形、および部材のその後の作業ストレスも考慮に入れなければならない。
粒界腐食の感受性は通常、試料を硝酸に曝して粒界腐食による質量減少を測定する、ASTM G67に準拠した標準試験(NAMLT試験)で点検する。ASTM G67によれば、耐粒界腐食性を有さない材料の質量減少は15mg/cmを超える。
自動車産業の、たとえばドア内装部品の金属シートは、非常に優れた成形性を有さなければならない。この場合の要件は基本的に目的の部材の剛性により判定され、材料の強度は従属的な役割しか果たさない。こうした部材、たとえば窓枠が一体化された領域を有するドアは、多くの場合、多段成形プロセスが行われる。
したがって、腐食特性のほかに、AlMgアルミニウム合金の成形性もこの材料の利用可能性に大きな影響を与える。たとえば、これまでに知られている材料では、自動車の側壁を単一シートから深絞り成形するのは不可能であり、側壁の改築だけでなく自動車の側壁を設ける追加のプロセス工程も必要になるということになっていた。
成形挙動は、たとえば、エリクセン試験(DIN EN ISO 20482)でシートに対して試験片を押し込み、冷間成形を行うストレッチドロー成形試験にて測定することができる。冷間成形中、力および試験片の力−変位は、割れの形成により引き起こされる荷重低下が起こるまで測定する。本出願に引用されるSZ32ストレッチドロー成形の測定は、摩擦を減らすため深絞り成形用テフロン(登録商標)フィルムを用いて32mmのパンチ頭部直径および35.4mmのダイ直径で行った。さらに深絞り性の測定は、DIN EN ISO 12004に準拠したパンチ直径100mmの中島幾何形状(Nakajima-Geometrie)を用いた、いわゆる平面ひずみカップ試験により行った。このため、特定の幾何形状の試料に割れが出現するまで絞り試験を行い、割れまでの深さをその材料の成形性の指標として使用した。
特許文献1から、好ましくはその小さな厚さにもかかわらず耐荷重性がある缶蓋用のアルミニウム合金ストリップが公知である。この場合、ストリップは再結晶微細組織を有する。
さらに、特許文献2からは、アルミニウム複合材料から作られ、外層としてアルミニウム合金層を有するシャーシ部品も公知である。合金構成成分により、このAl複合材料は、低重量で高い耐食性を有し、優れた強度値を特徴とする。
しかしながら、高いMg含有量のAA5xxxアルミニウム合金からなる複合材料溶液、および腐食を防止するためのアルミニウム合金の外層は、製造が複雑であるのに加え、アルミニウム複合材料が他の部品に接合する接合点、たとえば刃の先端、ドリル穴およびブレークアウトでは、腐食の危険が一層高まるという欠点を有する。
特開2011−052290号 欧州特許出願公開第2 302 087(A1)号
したがって本発明は、単層アルミニウム材料に関する。これに基づき、本発明の目的は、十分な耐粒界腐食性を有するが、それでも優れた成形性を有する単層アルミニウム合金ストリップを提供することであり、したがって大面積の深絞り成形部品、たとえば十分な強度の自動車ドアの内装部品を提供することができる。さらに、単層アルミニウム合金ストリップを製造することができる方法も示す。最後に、本発明によるアルミニウム合金ストリップから製造された部材を示す。
本発明の第1の教示によれば、表記の目的は、AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップであって、アルミニウム合金は下記の合金元素:
Si≦0.2重量%、
Fe≦0.35重量%、
Cu≦0.15重量%、
0.2重量%≦Mn≦0.35重量%、
4.1重量%≦Mg≦4.5重量%、
Cr≦0.1重量%、
Zn≦0.25重量%、
Ti<0.1重量%、
残部はAl、および個別に最大0.05重量%、そして合計で最大0.15重量%になる不可避不純物、を有し、アルミニウム合金ストリップは再結晶微細組織を有し、組織の平均粒度が15μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmの範囲にわたり、アルミニウム合金ストリップの最終の軟化焼鈍が連続炉において行われる、AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップにより達成される。
AA5182系アルミニウム合金の規格では、特定の狭い合金範囲により十分な耐粒界腐食性が備わると同時に、一定の制約、たとえば平均粒度および最終の軟化焼鈍の種類を考慮に入れることで非常に優れた成形挙動も得られることが明らかになった。特に、平均粒度と特許請求の範囲に記載されているアルミニウム合金ストリップのアルミニウム合金の合金元素を組み合わせると、十分な強度を有する大面積設計の深絞り成形シートアルミニウム製品の製造を可能にする程度の成形性を達成することができる。特に、室炉で行われる通常のコイル焼鈍よりむしろ連続炉を使用すると、成形性がさらに高まることが明らかになった。
アルミニウム合金ストリップの第1の形態によれば、アルミニウム合金は合金元素の含有量に以下の限定:
0.03重量%≦Si≦0.10重量%、
Cu≦0.1%、好ましくは0.04%≦Cu≦0.08%、
Cr≦0.05重量%、
Zn≦0.05重量%、
0.01重量%≦Ti≦0.05重量%、
の1つまたは複数をさらに有する。
銅の合金含有量を最大0.1重量%に限定すると、アルミニウム合金ストリップの耐食性が改善する。Cu含有量が0.04重量%〜0.08重量%であれば、銅が確実に強度の増加に寄与する一方、それでも耐食性はあまり急に低下しないようになる。ケイ素、クロム、亜鉛およびチタンの含有量が表記した値より高くなると、アルミニウム合金の成形性が悪化する。合金に存在するケイ素の量0.03〜0.1重量%を、記載した量の鉄成分およびマンガン成分と組み合わせると、特に四元系α−Al(Fe,Mn)Si相の緻密な粒子が比較的均一に分布し、成形性または腐食挙動など他の特性に悪影響を及ぼすことなくアルミニウム合金の強度を増加させる。
チタンは通常、アルミニウム合金の連続鋳造中に結晶粒微細化剤として、たとえばホウ化チタンワイヤーまたはロッドの形態で加えられる。したがってさらなる実施形態では、アルミニウム合金は少なくとも0.01重量%のTi含有量を有する。
アルミニウム合金ストリップの腐食挙動および成形性のさらなる改善は、合金元素の含有量に以下の限定:
Cr≦0.02重量%、
Zn≦0.02重量%、
の1つまたは複数をさらに有するアルミニウム合金により達成することができる。
0.05重量%の混入限界未満の含有量のクロムは、アルミニウム合金ストリップの成形性に大きな影響を与え、したがって本発明によるアルミニウム合金ストリップのアルミニウム合金に最小限の比率で含めるべきであることが明らかになった。亜鉛含有量は、アルミニウム合金ストリップの一般的な腐食挙動を損なわないように0.05重量%の混入限界未満にする。
AA5182系アルミニウム合金により許容される値以内の鉄を、上記のようなケイ素含有量およびマンガン含有量と併用すると、成形性に影響を与えることもさらに明らかになった。ケイ素およびマンガンと組み合わせると、鉄は、アルミニウム合金ストリップの熱安定性に寄与するため、好ましくは次の形態によるアルミニウム合金ストリップのFe含有量は、0.1重量%〜0.25重量%または0.10重量%〜0.20重量%である。
アルミニウム合金ストリップのさらなる形態のMn含有量にも同じことがいえるので、アルミニウム合金ストリップの最適な成形性を得るため、Mn含有量は好ましくは、0.20重量%〜0.30重量%に限定すべきである。
Mg含有量が4.2重量%〜4.4重量%のアルミニウム合金ストリップのさらなる形態によれば、特に高い強度特性、粒界腐食に対する優れた耐食性および成形特性の改善の良い面をあわせ持つことを実現することができる。
用途分野に必要な強度特性を得るため、次の実施形態によるアルミニウム合金ストリップは0.5mm〜4mmの厚さを有する。アルミニウム合金ストリップの用途分野の大部分はこの範囲内に収まるので、厚さは好ましくは1mm〜2.5mmである。
最後に、自動車部門では本発明によるアルミニウム合金ストリップにより、軟化状態のアルミニウム合金ストリップが少なくとも110MPaの降伏点Rp0.2および少なくとも255MPaの引張強さRを有する用途分野が可能になる。特にこうした降伏点および引張強さを有するアルミニウム合金ストリップはとりわけ自動車部門の使用によく適していることが明らかになっている。
本発明の第2の教示によれば、上記に示した目的は、上述の実施形態によるアルミニウム合金ストリップを製造するための方法であって、以下のプロセス工程:
− 好ましくはDC連続鋳造プロセスで圧延インゴットを鋳造する工程;
− 480℃〜550℃で少なくとも0.5時間の圧延インゴットの均質化工程;
− 280℃〜500℃の温度での圧延インゴットの熱間圧延工程;
− 40%〜70%または50%〜60%の圧延率で最終厚さまでのアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;および
− 仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの、連続炉にて300℃〜500℃での軟化焼鈍工程;
を含む方法により達成することができる。
上記のアルミニウム合金成分と表記のパラメーターを併用すると、十分な耐粒界腐食性を有し、十分な強度特性を備え、かつ非常に優れた成形特性も有する、平均粒度が15μm〜30μmのアルミニウム合金ストリップを製造することができるため、大面積の深絞り成形シート金属部品を製造することができることが明らかになった。圧延インゴットを均質化すると、圧延される熱間圧延インゴットにおいて均一な構造および合金元素の均一な分布が確実に得られる。280℃〜500℃の温度の熱間圧延では、熱間圧延中を通して再結晶が可能であり、熱間圧延は典型的には2.8mm〜8mmの厚さまで行われる。軟化焼鈍中にアルミニウム合金ストリップ全体に再結晶が確実に起こるように、何れの場合も最終冷間圧延工程は40%〜70%または50%〜60%の圧延率に限定される。アルミニウム合金ストリップの圧延率が高くなるほど、平均粒度が小さくなり、最終の軟化焼鈍において圧延率が70%を超えると平均粒度が小さくなりすぎることが明らかになった。一方、軟化焼鈍中の圧延率が40%未満では、平均粒度が大きすぎるので、耐粒界腐食性は増加するものの、成形性がやはり低下する。仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの軟化焼鈍は連続炉にて行う。連続炉は通常1〜10℃/秒の昇温速度を有するので、室炉と異なり、急速加熱によりコイル全体が加熱され、アルミニウム合金ストリップの構造の特性に後で著しい影響を与える。特に、連続炉での軟化焼鈍中に、室炉で焼鈍された変種と比較してストリップの成形性の改善が達成されるのを確認することができた。
あるいは、本方法のさらなる実施形態によれば、アルミニウム合金ストリップは中間焼鈍により製造することもできる。この別の変種によれば、熱間圧延後、代わりに以下のプロセス工程:
− 最終厚さへの最終冷間圧延率が40%〜70%または50%〜60%になるように決定される中間厚さまでの、熱間圧延されたアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;
− 300℃〜500℃でのアルミニウム合金ストリップの中間焼鈍工程;
− 40%〜70%または50%〜60%の圧延率で最終厚さまでのアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;
− 連続炉にて300℃〜500℃での、仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの軟化焼鈍工程;
が行われる。
アルミニウム合金ストリップの中間焼鈍は室炉および連続炉の両方で行うことができる。成形性に対する作用は判定できなかった。ストリップの軟化焼鈍が連続炉で行われる場合、その決定的因子は最終厚さへの冷間圧延で達成される圧延率である。中間焼鈍の種類に関係なくこれにより、合金組成と共に成形性および耐食性が決定される。
軟化焼鈍後の巻き取られた状態における微細構造状態のそれ以上の変化を防止するため、本方法のさらなる形態によるアルミニウム合金ストリップは、軟化焼鈍後に100℃の最高温度、好ましくは最大70℃まで冷却され、次いで巻き取られる。
既に前述したように、本方法のさらなる形態では中間焼鈍はバッチ炉あるいは連続炉で行うことができる。
アルミニウム合金ストリップを0.5mm〜4mmの最終厚さに、好ましくは1mm〜2.5mmの最終厚さに冷間圧延する場合、これが、典型的な用途分野、特に自動車建造分野に、非常に優れた成形性を有する金属シートを提供し、この金属シートは大きな表面積で深絞り成形することができると同時に、粒界腐食に対する十分な耐食性と共に高い強度特性を与えることができる。
軟化焼鈍は好ましくは、350℃〜550℃の金属温度、好ましくは400℃〜450℃で10秒から5分間、好ましくは20秒から1分間連続炉にて行う。これにより、冷間圧延されたストリップは十分によく再結晶し、それに対応する非常に優れた成形性および平均粒度に関する特性を信頼性高くかつ経済的に達成することができる。
最後に、上記に示した目的は、本発明によるアルミニウム合金ストリップからなる自動車用の部材により達成される。本部材は、既に記載したように、大きな表面積で深絞り成形することができ、したがって、たとえば自動車建造の大面積の部材を提供することができることを特徴とする。さらに、得られた強度特性のため、本部材はさらに、必要な剛性および自動車建造の使用に要求される耐食性も有する。
たとえば、さらなる形態による部材は、高い強度要求にさらされるのに加え、熱ストレスもかかる自動車の車体部品または車体付属品であることが考えられる。好ましくは、ホワイトボディ部品(Body-in-White-Teile)、たとえばドア内装部品またはテールゲート内装部品は本発明によるアルミニウム合金ストリップから作られる。
以下に図を用いて本発明をより詳細に説明する。図は以下の通り示す。
アルミニウム合金ストリップの製造方法の実施形態の系統図である。 DIN EN ISO 12004に準拠した平面ひずみカップ試験の試料の幾何形状の上面図である。 DIN EN ISO 12004に準拠した平面ひずみカップ試験の模式的な試験構成の側面図である。 DIN EN ISO 20482に準拠したエリクセン試験におけるSZ32ストレッチドロー成形の測定の試験構成の断面図である。 本発明による大面積の深絞り成形金属シート部品の典型的な実施形態である。
図1は、アルミニウムストリップを製造するための実施形態の順序を示す。図1のフローダイヤグラムは、本発明によるアルミニウム合金ストリップの製造プロセスの様々なプロセス工程を模式化したものである。
工程1では、下記の合金元素:
Si≦0.2重量%、
Fe≦0.35重量%、
Cu≦0.15重量%、
0.2重量%≦Mn≦0.35重量%
4.1重量%≦Mg≦4.5重量%、
Cr≦0.1重量%、
Zn≦0.25重量%、
Ti≦0.1重量%、
残部はAl、および個別に最大0.05重量%、そして合計で最大0.15重量%になる不可避不純物である、
を有するAlMgアルミニウム合金の圧延インゴットを、たとえばDC連続鋳造で鋳造する。
次いでプロセス工程2で圧延インゴットに均質化を行うが、均質化は一段で行ってもあるいは多段で行ってもよい。均質化中は、少なくとも0.5時間480〜550℃の圧延インゴットの温度になる。次いでプロセス工程3では、圧延インゴットを熱間圧延し、典型的には280℃〜500℃の温度にする。熱間圧延されたストリップの最終厚さは、たとえば2.8〜8mmである。熱間圧延されたストリップの厚さは、熱間圧延後、1回だけ冷間圧延工程4を行い、熱間圧延されたストリップが40%〜70%、好ましくは50%〜60%の圧延率でその厚さが最終厚さまで薄くなるように選択すればよい。
次いでその最終厚さに冷間圧延されたアルミニウム合金ストリップに軟化焼鈍を行う。本発明によれば、軟化焼鈍は連続炉で行う。表1に示した実施形態では、中間焼鈍による第2の経路を加えた。このため、熱間圧延されたストリップは、プロセス工程3による熱間圧延後、冷間圧延4aに送られ、アルミニウム合金ストリップは、最終厚さへの最終冷間圧延率が40%〜70%または50%〜60%になるように決定される中間厚さに冷間圧延される。その後の中間焼鈍においてアルミニウム合金ストリップは、好ましくは全体に再結晶する。中間焼鈍は、400℃〜450℃の連続炉あるいは330℃〜380℃の室炉の実施形態において行った。
中間焼鈍は、図1においてプロセス工程4bにより示す。図1によるプロセス工程4cでは、中間焼鈍されたアルミニウム合金ストリップを最後に最終厚さへの冷間圧延に送り、プロセス工程4cの圧延率は40%〜70%、好ましくは50%〜60%とする。次いでアルミニウム合金ストリップを軟化焼鈍により再び軟化状態に変換し、本発明によれば軟化焼鈍は400℃〜450℃の連続炉で行う。表4の比較例の焼鈍は330℃〜380℃の室炉(KO)で行った。様々な試験の中で、様々なアルミニウム合金のほかに中間焼鈍後に様々な圧延率を設定した。中間焼鈍後の圧延率の値をさらに表1および4に示す。軟化焼鈍されたアルミニウム合金ストリップの平均粒度もさらに測定した。このため、縦断面をバーカー法により陽極酸化し、次いで顕微鏡下、ASTM E1382に準拠して測定し、平均粒度を平均粒径から判定した。
こうして製造されたアルミニウム合金ストリップの機械的特性、特に降伏点Rp0.2、引張強さR、均一伸びAおよび破断伸びA80mmを測定した(表2、表5)。EN 10002−1またはISO 6892に準拠して測定したアルミニウム合金ストリップの機械的特性に加えて、さらにASTM E1382に準拠してμm単位の平均粒度も示す。さらに、初期状態(0時間)で実際に追加の加熱処理を行うことなく、ASTM G67に準拠した耐粒界腐食性を測定した。自動車での使用をシミュレートするため、腐食試験の前のアルミニウム合金ストリップに様々な加熱処理を行った。第1の加熱処理は、KTLサイクルのモデルを作るため185℃で20分間のアルミニウムストリップの保管からなった。
さらに一連の測定において、アルミニウム合金ストリップを80℃で200時間または500時間さらに保管し、次いで腐食試験を行った。アルミニウム合金ストリップまたはシートの成形も耐食性に影響を与え得るので、別の試験ではアルミニウム合金ストリップを約15%引っ張り、高温で加熱処理または保管を行い、次いでASTM G67に準拠して粒界腐食試験を行い、その間に質量減少を測定した。
表1は、AA5182系アルミニウム合金の規格に分類される合計4種のアルミニウム合金の合金含有量を示す。標準合金はこれまで使用された材料により構成されたものであり、変種1、2および3と比較して示す。表1はさらに、最終焼鈍の種類、最終圧延率およびμm単位で測定した平均粒度(粒度径)の詳細も含む。変種1および2は最終圧延率の点で異なるため、異なる粒度の形成が生じる。したがって変種2はほぼ同一の合金元素であるにもかかわらず、同一の連続炉条件で最終圧延率が57%である点で本質的に変種1と異なる。その結果、変種2は変種1の33μmと比較して18μmの平均粒度を有した。表1の各ストリップは連続炉で400℃〜450℃の温度に20秒から1分間加熱し、次いで冷却し、100℃未満で巻き取った。次いで採取した試料は、表2に示したように、対応するDIN EN ISO基準に準拠して測定した。
表2から、変種1は降伏点に関して110MPaの値に達する信頼性が高くなく、記号Dで表示した斜め方向の測定では、110MPa未満の値を有することが明らかである。しかしながら、圧延方向Lおよび圧延方向を横切る方向Qの測定からは、変種1は実際に110MPaの降伏点Rp0.2に達している。標準ならびに変異体2および3は、この降伏点の下限を大きく上回った。変種2の本発明による実施形態は、すべての引張方向で信頼性高く110MPaの降伏点値を達成した。Mg含有量4.95重量%と最も高い変種3が、降伏点および引張強さの最も高い数字を達成しているのが認められるのは明らかである。変種1と2との圧延率の相違が、粒度に顕著な影響を与えているだけでなく、特に110MPaよりかなり高い値まで降伏点を高めていることも認めることができる。
特に変種2の本発明による合金は標準と比較して低い異方性を有しており、面内異方性Δrのより低い値に反映されている。ここで、面内異方性Δrは1/2*(r+r−2r)と定義され、式中、r、rおよびrは、縦方向、横切る方向および/または斜め方向のr値に対応する。この場合、平均r値は1/4*(r+r+2r)から算出されるもので、標準物質のそれと大きく異ならない。
表3は、耐粒界腐食性に関して記録された測定値を示す。本発明による変種2は、特に長時間ストレスに関する標準の測定値で見て伸長状態および非伸長状態の両方で同程度の値を有することを認めることができる。この場合、変種2および標準はほぼ同一である。変種3は、最も高い降伏点値および引張強さ値を有するにもかかわらず、それでも腐食試験からは、過剰なMg含有量が、特に185℃で20分の短時間温度サイクルに加えて80℃で200時間の長時間ストレスも含む長時間試験において過度の質量減少を引き起こすことが立証された。
成形性に関する表3の測定値については、特に変種2は、SZ32カップ試験および平面ひずみカップ試験における張出し成形性で見て標準合金より優れていたことを認めることができる。標準アルミニウム合金ストリップと比較して変種2によるアルミニウム合金ストリップの成形挙動の明らかな改善からは、Mg含有量を減少させても、耐粒界腐食性を大きく低下させることなく標準合金と同程度の降伏点値および引張強さ値を達成し得ることが示される。これは、特にASTM G67に準拠したNAML試験における質量減少の測定により立証された。重要なのは、変種2では深絞り挙動のエリクセン試験において7%、および平面ひずみカップ試験において約10%の改善が見られたことから、本発明によるアルミニウム合金ストリップの追加成形の可能性が立証されたことである。この追加成形の可能性は、深絞り成形の大面積の金属シート部品、たとえば自動車のドア内装部品の製造に使用することができる。
DIN EN ISO 20482に準拠した「SZ32カップ」試験、およびDIN EN ISO 12004に準拠した中島幾何形状を用いた平面ひずみカップ試験の試験構成の簡単な説明を下記に示す。
図2aは試験片1の幾何形状を示す。ウェブ4が100mmの幅を有し、くびれ部の半径2が20mmになるように、テーパ形状の試験片1を環状の金属シートから切り取る。寸法3は100mmで、パンチの直径を表す。図2bは、2つのホルダー5、6の間に固定された試験片1を示す。マウント8上に置かれ、この支持体に対してホルダー5、6を介して押し付けられた試験片1は、半径100mmの半円の先端を有するパンチ7で矢印の方向に絞られる。ホルダーはさらに、マウント8に面した側面に5mmまたは10mm入口半径を有する。成形中、カップ試験を行う力を測定し、割れの形成を示す荷重低下が生じたら、対応する打抜き深さを測定する。
エリクセンに準拠した「SZ32カップ」試験も同様の構成を有するが、ただし、くびれ試験片は使用しない。この場合、試験片9をホルダー10と支持体11との間に単純に保持し、同じように絞り力の荷重低下を測定するまでパンチ12で絞る。次いでこの場合も、対応するパンチの位置を測定する。図3のダイの開口部は35.4mmであり、パンチ直径は32mm、パンチ半径が16mmということになる。SZ32深絞り成形試験では、摩擦を減らすため深絞り成形用テフロンフィルムも使用した。
表4および5では、さらなる実施形態および比較例を作り、それらの機械的特性、およびそれらの耐粒界腐食性に従い測定した。連続炉の使用と15μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmの具体的に選択した粒度の使用とを組み合わせると、耐食性と機械的測定値との良いところをあわせ持つことを認めることができる。したがって、たとえば、本発明による実施形態の番号3、4、7および11は満足のいく耐粒界腐食性を有し、自動車部門の使用に必要な機械的測定値Rp0.2およびRも示すため、大面積の深絞り成形部材を得るのに理想的である。
図4は一例として、本発明のアルミニウム合金ストリップにより単一の深絞り成形シートから製造することができる、ドアの内装部品の形態に対応するホワイトボディ部品を示す。この場合、シート厚さは好ましくは1.0〜2.5mmである。さらに、金属シートシェル建造において、成形性および粒界腐食の点で厳しい要求にさらされる、テールゲート、ボンネットおよび車両構造の構成要素の内装部品など自動車の他の部品も考えられる。
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Claims (16)

  1. AlMgアルミニウム合金からなる冷間圧延アルミニウム合金ストリップであって、前記アルミニウム合金は下記の合金元素:
    Si≦0.2重量%、
    Fe≦0.35重量%、
    Cu≦0.15重量%、
    0.2重量%≦Mn≦0.35重量%、
    4.1重量%≦Mg≦4.5重量%、
    Cr≦0.1重量%、
    Zn≦0.25重量%、
    Ti≦0.1重量%、
    残部はAl、および個別に最大0.05重量%、そして合計で最大0.15重量%になる不可避不純物である、
    を有する前記アルミニウム合金ストリップは再結晶微細組織を有し、前記微細組織の粒度は15μm〜30μmの範囲にわたり、前記アルミニウム合金ストリップの最終の軟化焼鈍は連続炉で行われることを特徴とする、冷間圧延アルミニウム合金ストリップ。
  2. 前記アルミニウム合金は合金元素の前記含有量に以下の限定:
    0.03重量%≦Si≦0.10重量%、
    Cu≦0.1%、
    Cr≦0.05重量%、
    Zn≦0.05重量%、
    0.01重量%≦Ti≦0.05重量%、
    の1つまたは複数をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  3. 前記アルミニウム合金は合金元素の前記含有量に以下の限定:
    Cr≦0.02重量%、
    Zn≦0.02重量%、
    の1つまたは複数をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  4. 前記Fe含有量は0.10重量%〜0.25重量%または0.10重量%〜0.2重量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  5. 前記Mn含有量は0.20重量%〜0.30重量%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  6. 前記Mg含有量は4.2重量%〜4.4重量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  7. 前記アルミニウム合金ストリップは0.5mm〜4mmの厚さを有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  8. 前記軟化状態の前記アルミニウム合金ストリップは少なくとも110MPaの降伏点Rp0.2および少なくとも255MPaの引張強さRを有すること特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  9. 以下のプロセス工程:
    − 圧延インゴットを鋳造する工程;
    − 480℃〜550℃で少なくとも0.5時間の前記圧延インゴットの均質化工程;
    − 280℃〜500℃の温度での前記圧延インゴットの熱間圧延工程;
    − 40%〜70%または50%〜60%の圧延率で最終厚さまでの前記アルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;および
    − 前記仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの連続炉にて300℃〜500℃での軟化焼鈍工程;
    を含む請求項1〜8の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップを製造するための方法。
  10. 熱間圧延後、代わりに以下のプロセス工程:
    − 前記最終厚さへの前記最終冷間圧延率が40%〜70%または50%〜60%になるように決定される中間厚さまでの、前記熱間圧延されたアルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;
    − 300℃〜500℃での前記アルミニウム合金ストリップの中間焼鈍工程;
    − 40%〜70%または50%〜60%の圧延率で前記最終厚さまでの前記アルミニウム合金ストリップの冷間圧延工程;
    − 連続炉にて300℃〜500℃での、前記仕上げ圧延されたアルミニウム合金ストリップの軟化焼鈍工程;
    が行われる、請求項9に記載の方法。
  11. 軟化焼鈍後のアルミニウム合金ストリップは最高温度100℃まで冷却され、次いで巻き取られることを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記中間焼鈍はバッチ炉または連続炉で行われることを特徴とする請求項10または11の何れか1項に記載の方法。
  13. 前記アルミニウム合金ストリップは0.5mm〜4mmの最終厚さに冷間圧延されることを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載の方法。
  14. 前記軟化焼鈍は前記連続炉にて350℃〜550℃の金属温度で10秒から5分間行われることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の方法。
  15. 請求項1〜8の何れか1項に記載のアルミニウム合金ストリップから製造された自動車用部材。
  16. 前記部材は自動車の車体部品または車体付属品であることを特徴とする請求項15に記載の部材。
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