図1は、本発明によって構成された外科用バー30を示している。バー30は、バーの遠位端を形成するヘッド32を有している。(「遠位側」は、バーが押し付けられる外科部位に向かう方を意味すると理解されたい。「近位側」は、外科医部位から離れる方を意味している。)バーヘッド32は、バー30の最前部である遠位端チップ34を有している。シャフト36が、バーヘッド22から近位側後方に延在している。シャフト30とヘッド32との間に延在するテーパ付きネックには、部番が付されていない。このネックには、シャフトから遠位側に進むにつれて、ネックの外径が増大するように、テーパが付されている。
本発明の多くの態様では、バー30は、神経外科手術、ENT外科手術、脊椎または整形外科手術を行うように設計されている。従って、本発明の多くの態様では、バーヘッド32は、15mm以下の最大外周を有している。本発明の他の態様では、バーヘッド32の最大外周は、10mm以下である。
シャフト36の近位端は、連結特徴部38を備えている。連結特徴部38は、連結アセンブリへのシャフト36の取外し可能な係合を容易にする幾何学的特徴部であり、該連結アセンブリは、バー30が用いられる電動式外科用ハンドピース(図示せず)の回転シャフトと一体になっている。このハンドピースは、場合によっては、ドリルまたは工具と呼ばれることもある。例示されている連結特徴部38は、シャフト36の外径に対して凹んだ凹面である。これらの面の配置のパターンは、2010年3月11日に公開された米国特許出願公開第2010/0635524号において検討されている。この文献の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。保持特徴部の代替的な幾何学的形状および配置は、1999年3月30日に刊行された米国特許第5,888,200号および2003年5月13日に刊行された米国特許第6,562,055号に記載かつ図示されている。これらの文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。連結特徴部のこれらの幾何学的形状は、例示にすぎず、制限するものではないことを理解されたい。本発明の代替的態様では、これらの連結特徴部は、例えば、ネジが切られているとよい。代替的に、シャフト36の外面から外方に突出するタブが、連結特徴部として機能するようになっていてもよい。本発明のいくつかの態様では、連結特徴部38は、単純に滑らかな壁付きシャフトの区域であってもよく、該区域に対して、工具チャックのフィンガーがバー30を工具に対して保持するようになっていてもよい。従って、連結特徴部の正確な幾何学的形状は、本発明の構造に関連するものではない。
図2,3に最もよく示されているように、円弧的に互いに離間した多数の刃溝42〜56が、バーヘッド32の中心から半径方向外方に延在している。各刃溝42〜56は、すくい面62およびクリアランス面66を有するように形作られており、図4では、1つの刃溝のすくい面およびクリアランス面にのみ符号が付されている。バーヘッドおよび刃溝が回転する方向、すなわち、図4の矢印61の方向において、すくい面62が先行面であり、クリアランス面66がすくい面62に続く刃溝の面である。刃溝のすくい面62およびクリアランス面66が会合する縁が、刃溝の切刃64である。
本発明の外科用バー30は、刃溝が螺旋形状を有するように、形成されている。詳細には、これは、刃溝42〜56が近位側に、具体的には、チップ34から近位側に進むにつれて、すくい面およびクリアランス面は、切刃64がバーヘッド32の外面の周りに沿って曲線を描きながら長手方向に進むように、形成されていることを意味している。さらに具体的には、バー30は、刃溝の切刃64の螺旋角が刃溝の長さに沿って変化するように、設計されている。切刃64の螺旋角は、バーの長軸に対する切刃の区域の鋭角であると理解されたい。バーの長軸は、バーヘッド32の遠位端チップ34から近位端に延在する軸である。各刃溝42〜56の遠位端チップに隣接する箇所において、螺旋角は、本質的に0°である。チップ34から遠位側に進むと、螺旋角は増大する。本発明の一態様では、螺旋角は、45°から65°の間、さらに一般的には、50°から60°の間の最大値まで増大するようになっている。刃溝の螺旋角は、バーヘッド32の赤道に隣接する箇所において最大である。この赤道は、バーヘッドの長軸と直交するバーヘッド直径が最大の面であると理解されたい。本発明のバー30は、赤道の近位側において、刃溝42〜56の螺旋角が減少するように、さらに形成されている。本発明のいくつかの態様では、この減少は、最大螺旋角に対して5°から30°の間である。本発明のさらに他の態様では、この減少は、最大螺旋角に対して10°から20°の間である。
各刃溝は、すくい角も有している。すくい角は、バーヘッドの長軸から刃溝の切刃に延在する半径線に対するすくい面32の角度である。この半径線は、バーヘッド32の長軸と直交する面内に位置すると理解されたい。本発明のバー30は、すくい角が刃溝42〜56の長さに沿って変化するように、さらに形成されている。さらに具体的には、本発明の多くの態様では、すくい角は、刃溝がチップ34から近位側に離れる方に進むにつれて、より負になっている。(もしすくい面がバーヘッドの長軸からの半径線と真っ直ぐに並んでいるなら、すくい角は、中立(neutral)、すなわち、0°である。もしすくい面がバーヘッドの長軸からの半径線の前方に延在しているなら、すくい角は、「負(negative)」(<0°)である。もしすくい面がバーヘッドの長軸からの半径線から後方に延在しているなら、すくい角は、「正(positive)」である。(>0°))本発明のいくつかの態様では、バーは、遠位端チップ34に隣接する箇所において、すくい角が−10°から10°の間、さらに具体的には、−5°から5°の間にあるように、形成されている。すくい角は、バーヘッドの近位端に隣接する箇所において、すくい角がー70°から−20°の間、さらに一般的には、ー56°からー40°の間にあるように、減少している。
本発明のバー30を形成するいくつかの方法では、加工品が、ヘッド付きシャフト36の形状を有するように、形成される。前述のバーのためのこのヘッドは、実質的に球形状を有している。このヘッドの直径は、仕上げられたバーヘッド32の直径と少なくとも同じ大きさを有している。次いで、砥石車がバーヘッドに向かって下降する。多くの場合、この砥石車は、この加工品のヘッドの赤道に対して下降するようになっている。
回転している砥石車は、加工品のヘッドに対して螺線経路に沿って移動する。従って、砥石車は、第1の刃溝のクリアランス面66および該クリアランス面が形成される刃溝に隣接する刃溝のすくい面を形成することになる。
砥石車が加工品のヘッドの表面に沿って移動するにつれて、このヘッドの中心に対する砥石車の位置が変化することをさらに理解されたい。さらに具体的には、ヘッドの赤道に隣接する箇所では、砥石車は、加工品のこのヘッドの中心の近くに位置している。この赤道の近位側および遠位側の両方において、砥石車の表面と加工品のヘッドの中心との間の距離は、減少する、従って、本発明のいくつかの態様のさらなる特徴として、刃溝深さ、すなわち、すくい面62の半径高さは、バーヘッドの赤道において最大になる。すくい面の高さ、すなわち、刃溝の深さは、刃溝がこの赤道を通る面に対して近位側および遠位側に進むにつれて減少する。
バー30は、各刃溝42−56が、典型的には少なくとも1つの横断切込み70を有するように、さらに形成されている。横断切込み70は、切刃64を互いに異なる区域に分割するための刃溝に形成された隙間である。さらに具体的には、砥石車が各刃溝に押し付けられ、これによって、該刃溝のすくい面62からクリアランス面66に延在する面72が形成される。面72は、バーヘッドの長軸に向かって内方に延出すると共に、バーヘッドの回転方向においてバーが押し付けられる組織と衝突する次の刃溝に向かって円弧的に延出するように、すくい面から延在している。この面72が、横断切込み70の基面を画定することになる。
本発明の多くの態様では、バーヘッド32には、当初、バーヘッド32に沿った連続的な特徴部として延在する刃溝42−56が形成される。いったんこれらの刃溝が形成されたなら、個々の面72を形成するために、砥石車が各刃溝を横切って押し付けられる。さらに具体的には、この砥石車は、螺旋経路に沿って各刃溝を横切って移動する。この螺旋の曲線は、刃溝42〜56の該面が形成される区域の曲線の方向と逆向きである。その結果、面72は、該面が延出するすくい面の区域から離れる方に円弧状に延在し、具体的には、すくい面から円弧的に隣接する刃溝のすくい面に向かってかつ内方に湾曲し、これによって、該面が形成される刃溝の切刃64から半径方向内方に湾曲することになる。本発明の図示されている態様では、さらに具体的に、刃溝は、各刃溝が2つの横断切込み70を有するように、形成されている。
さらに、本発明のバー30は、円弧的に互いに隣接する2つの刃溝42〜56の互いに最近接している2つの横断切込みが、バーヘッド32を通る長軸と交差する同一の横断面において位置ずれするように、形成されている。すなわち、図3に示されているように、刃溝46に形成された最遠位横断切込み70は、円弧的に隣接する刃溝48に形成された最遠位横断切込み70の遠位側前方に離間している。また、偶数の刃溝を備える本発明の態様では、1つの刃溝に形成された横断切込みは、正反対に位置する刃溝に形成された横断切込みと遠位端チップ34から同じ距離の位置にある。すなわち、刃溝44に形成された最遠位横断切込みは、反対側の刃溝、すなわち、刃溝54に形成された最遠位横断切込みと遠位端チップ34から同じ距離の位置に配置されている。
バー30は、2つの対称的な刃溝、ここでは、刃溝42および50の遠位端がバーヘッドの長軸に沿ってチップ34に最近接する位置を始端とするように、さらに設計されている。さらに具体的には、図6Aに示されているように、刃溝42および50のそれぞれのクリアランス面66〜42および66〜50は、各々、バーヘッド32の長軸に対して第1の鋭角、すなわち、角度αLで傾斜している。クリアランス面66〜42および66〜50は、縁を形成するように会合していないことが、図からさらに明らかである。代わって、これらの面は、互いに離間している。従って、クリアランス面66〜42および66〜50間において、バーヘッドは、心出部35と呼ばれる矩形の突出部を有している。心出部35の最遠位面は、バーヘッド32の遠位端チップ34である。
残りの刃溝、すなわち、刃溝44,46,48,52,54,56は、クリアランス面66〜42および55〜50から離れる方に向かって本質的にテーパが付されたそれぞれのクリアランス面を有するように、形成されている。さらに具体的には、刃溝44,46,48のそれぞれのクリアランス面は、クリアランス面66〜50から離れる方に向かってテーパが付されている。刃溝52,54,56のそれぞれのクリアランス面は、クリアランス面66〜42から離れる方に向かってテーパが付されている。従って、刃溝44,46,48,52,54、56のそれぞれのクリアランス面は、バーヘッドの長軸に対して、クリアランス面66〜42および66〜52の角度よりも小さい鋭角に沿って配置されている。例を挙げると、図5Aは、クリアランス面66〜44および66〜52、すなわち、刃溝44,52にそれぞれ付随するクリアランス面を示している。各クリアランス面66〜44および66〜52は、バーヘッドを通る長軸に対して鋭角αTに沿って配向されている。角度αTは、角度αLよりも小さい。
前述したように、本発明のバーを形成するために、加工品のヘッドは、刃溝42〜56を形成するように研磨される。刃溝42,50が円弧的に隣接する先行刃溝の角度αTよりも大きい角度αLで配置されるように刃溝を形成するには、円弧的に隣接する先行刃溝を、最も広い位置における該刃溝が隣接する刃溝の半径方向外方に突出するように、形成する必要がある。ここで、「円弧的に隣接する先行」刃溝は、バーヘッドが回転するとき、対象となる刃溝が組織に衝突する直前に組織に衝突する刃溝であると理解されたい。この刃溝44は、刃溝42よりも円弧的に先行している。また、刃溝52は、刃溝50よりも円弧的に先行している。
前述のようにバーヘッドを形成する必要があることによって、刃溝44,52の半径方向外方部分は、周囲刃溝の外方にいくらか半径方向に突出する。具体的には、刃溝44は、周囲刃溝、すなわち、刃溝42,46の外方にいくらか半径方向に突出し、刃溝52は、周囲刃溝、すなわち、刃溝50,54の外方にいくらか半径方向に突出する。その結果、赤道に沿って、バーヘッドは、円断面というよりもむしろ楕円断面を有することになる。本発明の極端な設計では、この形状は、卵形に近くなる。
本発明のバー30の他の特徴は、刃溝82の少なくとも1つに溝82が形成されることである。本発明の図示されている態様では、刃溝42のみに溝82が形成されている。各溝82は、近位側−遠位側に延在する長軸と直交する面に沿って延在している。溝82が形成される1つまたは複数の刃溝は、溝82の長軸が刃溝の切刃64に対して80°から100°の間にあるように、形成されている。横断切込み70は、関連する刃溝の切刃に対してこの関係を有していない。横断切込み70および溝82の両方が存在する本発明の態様では、溝82は、横断切込み70よりもバーヘッドチップ34の近くに配置されることを理解されたい。さらに、1つまたは複数の溝82が存在するとき、これらの溝は、バーヘッドチップとバーヘッドの本体の赤道との間に配置されている。
少なくとも1つの溝82が存在する本発明の態様では、1つまたは複数の溝は、バーヘッドの長軸を中心として非対称に配置されている。従って、もし本図面に示されているように、単一の溝82が存在するなら、該溝は、バーヘッドに本質的に非対称に配置されていることになる。もし複数の溝が存在するなら、これらの溝は、バーヘッドの長軸を中心として対称に配置されていないのに加えて、それらの長軸が互いに等角に離間しないようになっている。
典型的には、溝82は、先行面74の1つに形成されている。本発明のいくつかの態様では、単一の溝しかバーヘッドに形成されていない。複数の溝82が存在する本発明の態様では、該溝は、チップ32の遠位側の互いに異なる距離の位置に配置されている。
本発明のバー30は、バーをハンドピースに取り付けることによって、使用が容易になる。ハンドピースに一体化された連結アセンブリは、バーの保持特徴部38に係合する特徴部を有している。この係合の結果として、バー30は、バーシャフト36がハンドピース内のモータに接続された出力シャフトと一体で回転するように、ハンドピースに保持されることになる。従って、ハンドピースモータが作動されると、バーシャフト36、従って、バー30の全体が、ハンドピースの出力シャフトと一体で回転することになる。
バー30は、組織、典型的には、骨のような硬質組織に押し付けられ、該組織を選択的に除去するものである。組織を除去するために、バーヘッド32の側面が該組織に押し付けられると、刃溝42〜56が連続的に組織に対して回転することになる、さらに具体的には、各すくい面62および切刃が、組織に対して押し付けられる。各刃溝が、該刃溝の長さに沿って、すなわち、すくい面とこの面および相補的な切刃64が押し付けられる組織との界面の長さに沿って、螺旋角が変化する螺旋形状を有していると共にすくい角が変化するすくい面を有していることによって、組織に押し付けられる力が変化する。これらの力の変化によって、組織に加えられる再生力の蓄積が低減する。組織に加えられるこれらの再生力の出力を低減させることによって、組織、すなわち、骨がバーヘッドに加える反力の出力が、同様に低減する。これらの反力の低減によって、本発明のバーヘッドがビビリ、すなわち、前後振動を生じる程度が、低下することになる。
また、変化する螺旋角度および変化するすくい角を有する刃溝を形成するために用いられる研磨プロセスによって、バーヘッドが延出するネックに極めて近い位置でこれらの刃溝の近位端が終端するように、刃溝42〜56を形成することができる。その結果、バーの近位端において、バーの刃溝のない区域の半径幅が比較的小さくなる。ここで、「半径幅」という用語は、バーヘッドがその隣接するシャフトまたはネックから現れる箇所から刃溝42〜56がバーヘッド32の外方に現れ始める箇所に至るバーヘッドのこの区域を横切る長さであると理解されたい。本発明の多くの態様では、シャフト36またはネックにごく隣接するバーヘッド32の刃溝のない環状区域は、バーの最大直径の25%未満の半径幅を有している。さらに一般的には、バーヘッドのこの刃溝のない環状区域の半径幅は、バーヘッドの最大直径の20%以下である。バー30が後退切削に用いられる可能性が大きい本発明の態様において、バーヘッドのこの刃溝のない環状区域は、バーヘッドの最大直径の最大17%の半径幅を有している。
本発明のこの特徴の利点は、本発明のバー30を用いる外科医が後退動作によってバーを作用させたとき、組織に対して押し付けられたバーの近位区域の実質的に全てに刃溝が形成されていることにある。これは、外科医がバーをこの後退動作によって作用させたとき、バーが除去することを意図する組織に対してのみ本質的に押し付けられるように、バーヘッドを位置決めすることができることを意味している。これによって、バーを用いる加工がもたらす(このバーを用いる加工によって生じるべきではない)意図されない組織の熱的壊死の程度が低減されることになる。
本発明のバーの近位区域が実質的に刃溝を有している一方、刃溝42〜56が前述の螺旋角およびすくい角を赤道の遠位区域、すなわち、赤道の前方区域に有していることによって、バーは、組織に対して前方または側方に押し付けられたとき、組織を強引に除去せず、従って、過剰に振動しないことになる。
さらに、横断切込み70の存在によって、各刃溝42〜56が組織に加える(剪断力と呼ばれることもある)切削力が、該刃溝の長さに沿って組織に加えられないことになる。これによって、刃溝が組織に加える切削力、従って、組織が刃溝に逆に加える反力の全体が低減する。これらの力の低減によって、バーがビビリを生じる程度がさらに低下することになる。
前述したように、本発明の他の特徴は、刃溝がバー30の長軸から外方に向かって互いに異なる半径距離にわたって延在することによって、バーヘッド32が円形というよりもむしろ楕円形または卵形の形状を有することである。本発明のこの特徴によっても、同様に、組織に加えられる力が変化する。前述した理由から、これらの力が時間経過と共に変化することによって、バーヘッドのビビリを生じる反力の生成が低下することになる。
さらに、場合によっては、バーヘッド32が組織に対して押し付けられるとき、バーがバーヘッドの長軸と組織の面との間の鋭角が30°から90°の間になるように配向されることが意図されている。これらの場合、バーヘッドの最遠位部分、すなわち、バーヘッドの赤道の遠位側のバーヘッドの部分が組織に押し付けられることになる。バーヘッドのこれらの使用において、1つまたは複数の溝82が形成されている刃溝42〜56の区域が組織に対して回転する。これらの1つまたは複数の溝の非対称な配置によっても、同様に、組織に対して同等の力が加えられることが低減される。これによって、ビビリを生じる反力の蓄積がさらに低下することになる。
バーヘッドと組織の面との間の鋭角は、60°未満、さらに典型的には、30°未満であり、本質的に、刃溝42〜56の側部が組織と接触する刃溝の部分である。また、バーヘッド長軸が組織の面と平行(本質的に、0°の角度)のときに接触する刃溝の区域もある。バーがこのように用いられるとき、この区域は、前述したように、横断切込み72が組織に対して回転する刃溝42〜56の区域である。
同じように、本発明のバー30が、本質的に孔形成ドリルビットとして機能するように組織に対して作用する場合もある。バーが組織にこのように作用するとき、バーと組織の面との間の長軸は、略60°から90°の間である。このような場合、バーが押し付けられる組織の特定面は、最初、角度2αLで互いに離間した切刃64に晒される。このとき、組織は、第1の力を受ける。この直後、組織の同じ部分が、角度2αTで互いに離間した切刃に晒される。このとき、組織は、第1の力と異なる第2の力を受ける。これによって、組織は、可変力を受ける。これらの力が、実質的に同等ではなく、変動するので、これらの力の印加が反力を生じるビビリの生成をもたらす程度が低減されることになる。
前述の説明は、本発明のバーの特定の一態様に向けられていることを理解されたい。本発明によって構成される代替的なバーも可能である。
例えば、本発明の全てのバーが必ずしも全ての特徴を有していなくてもよい。すなわち、本発明のバーは、変化する螺旋角が形成された刃溝;すくい面の長さに沿って変化するすくい角が形成された刃溝;バーヘッドに楕円の断面形状をもたらすように形成された横断切込み;非対称に配置された遠位端溝;またはバーヘッドの周囲の全体にわたって一定でない輪郭を有するチップを備えていなくてもよい。
本発明の開示された態様は、8つの刃溝を有するバーヘッドを含んでいる。これは、単なる例示にすぎず、制限するものではないことを理解されたい。すなわち、最小限に抑えた場合、本発明の少なくともいくつかの特徴を有するために、バーヘッドは、2つの刃溝のみを有していればよい。バーが本発明のさらなる特徴を有するには、バーヘッドは、多くの場合、3つ以上の刃溝を有していなければならない。同様に、本発明のバーは、必ずしも偶数の刃溝を備えている必要がない。本発明のいくつかのバーは、9つ以上の刃溝を有していてもよい。
本発明の開示された態様では、溝82は、該溝が形成される刃溝42の幅の実質的に全体にわたって延在している。しかし、これは、単なる例示にすぎず、制限するものではない。本発明のいくつかの態様では、溝は、すくい面から延在し、相補的なクリアランス面に達する前に終端していてもよい。同様に、本出願は、横断切込み70または溝82のいずれかの深さを制限すると解釈されるべきでない。本発明のいくつかの態様では、横断切込みまたは2つ以上の刃溝の一方または両方は、空洞が形成される刃溝の本質的に完全な高さと等しい深さを有していてもよい。さらに、本発明のいくつかの態様では、溝82は、バーヘッドチップから種々の距離の位置に配置されていてもよい。同様に、本発明のいくつかの代替的構成では、単一の刃溝に複数の溝が形成されていてもよい。本発明の刃溝は、溝の近位側に、1つまたは複数の横断切込みを有していてもよい。
さらに、本発明の全ての態様において、各刃溝は、必ずしも横断切込みを備えている必要がない。また、横断切込みが刃溝に形成されるとき、各刃溝が2つの横断切込みを有していてもよい。いくつかの刃溝が単一の横断切込みを有し、他の刃溝が3つ以上の横断切込みを有していてもよい。
同様に、本発明のバーは、略球面形状のヘッドを必ずしも有している必要がない。代替的実施形態では、ヘッド32は、ドングリヘッド、バレルヘッド、銃弾ヘッド、卵状、梨状またはドラム状を含む代替的な形状を有していてもよい。
従って、添付の請求項の目的は、本発明の真の精神および範囲を包含するこのような全ての変更形態および修正形態を含むことにある。