JP2015524250A5 - - Google Patents

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Description

超音波強化種子発芽システム
本発明は、一般には、水分または他の物質を溶質とともに種子に摂取させるための超音波処理および沈着プロセスに関し、さらに詳細には、種子または、種子から得られる植物の生育特性を強化する物質の摂取が強化されたことに対する記憶を種子に与える目的で、またはそれ以外の、商業的な処理の際に種子に価値を付加する目的で、音波を用いて種子を処理する方法に関する。
発芽科学に関する先行技術背景
種子休眠は、一時的に発芽を分散させて、子孫の生存を最適化するためにほとんどの植物が用いる、生育阻止の独特の形式である。種子休眠中は、含水率および呼吸量は劇的に低下する。種子休眠を打破させる最初のステップは、呼吸および発芽に必要なデンプン貯蔵物質を流動させるのに必要な水分の摂取(沈着)である。沈着は、二段階のプロセスである。すなわち、第I段階)種皮、および胚芽の水和作用による、水分の物理的な摂取および、第II段階)胚軸の成長および伸長により決定され、その結果幼芽および幼根が出現する発芽である。2つの段階は一時的に切り離され、第I段階が完了した種子は、「プライミングされた種子」と呼ばれ、すなわち第II段階である発芽のためにプライミングされている。第I段階の沈着は、種子の商業的な処理、すなわちトウモロコシの湿式粉砕分別および蒸留酒を発酵させる麦芽製造プロセスでも用いられる。
水分の吸収を強化することによる種子のプライミングは、植物の活力、例えば出現特性、生育特性および収量特性の強化に有利である。種子のプライミングはまた、種子の発芽も同期させ、その結果農場は均一に、収穫期に収量が最大になるように植物が同時に成熟する。水分に加えて、種子プライミングは、実生苗の確立を促進する栄養分、微生物、または害虫抑制剤を、種子に担持させることができる。第I段階の沈着の際に分子を種子に加えることによって、分子または有機体をプライミングされた種子に蓄積することができるので、したがって、植え付け時に存在させることができる。農場全体に同様の分子を追加することに比べると、種子では「高分子の担持」は、非常に効率がよい。一例としては、根の成長を刺激し、実生苗の出現を促進する肥料の添加がある。植え付けの前に、肥料を種子に担持させることは、実生苗にとってさらに効果的であり、かつ、農業従事者とってコスト効率が良い。種子に担持させる有益な分子としては他に、発芽を促進するジベレリン/ジベレリン酸、細胞を伸長させるサイトカイニンなどのホルモンおよび種子休眠の解除を促進するアブシジン酸の阻害剤がある。トリアゾール(日照りや高温の影響を緩和する植物成長調節剤)、または寒冷、湿潤な土中の種子および実生苗に菌類が生育するのを抑制する殺真菌剤、または実生苗を食い荒らす根切り虫などの害虫を駆除する殺虫剤を加えることによって種子品種を特定の成長部位にカスタマイズすることが可能であろう。高分子に加えて、アゾスピリルム菌(Azospirillum)または根粒バクテリア(Rhizobium)のような有益な微生物は、作物接種菌として種子のプライミング中に担持させることができる。
トウモロコシの商業的分別は、湿式粉砕から始まる。トウモロコシは、デンプン、タンパク質、油分、水分、繊維質、ミネラル、ビタミンおよび色素の複雑な混合物である。湿式粉砕は、トウモロコシの構成成分を、均質な個々の成分ごとに分離するプロセスである。アイオワ州では、毎年収穫される10億ブッシェルのトウモロコシの約20%が湿式粉砕されている。湿式粉砕業および付随する製造業は、膨大な産業努力の代表例である。湿式粉砕プロセスは、新技術によって絶えず改良がなされ、新規な副産物、例えばエタノール、コーンシロップ、タンパク質ペプチドおよびビタミンC、Eを工業規模で分離することができる。湿式粉砕の最初のステップ、すなわち浸漬では、技術革新による変化はまだ行われない。浸漬は、汚れのない乾燥したトウモロコシ(16%超の含水率)を、45%の水和に膨張するまで、ぬるま湯に浸す必要がある。このプロセスは、120〜130°Fの温度で30〜50時間かけて行う。浸漬プロセスの際には、大量の水が、巨大な樽の中のトウモロコシに向流する形で移動する。さらに、この間に、浸漬水中に生育する乳酸菌およびシュードモナス(Pseudomonas)緑膿菌などの有益な微生物が、トウモロコシタンパク質のタンパク質分解的切断を助長する。しかしながら、水和に大量の浸漬水および長い時間が必要であることから、細菌の消化効率が制限される。消化の副産物は、主に蒸発濃縮によって浸漬水から取り除かれる。
麦芽製造プロセスは、蒸留酒を生産するための穀物を発酵させる第1のステップである。麦芽(および麦芽から得られた発酵)の品質は、穀物が同時に、かつ効率的に発芽するかによって左右される。種子に貯蔵されたデンプンは、発芽の初期段階の際に糖分に変換される。出現時には、発芽は一時停止され変換された糖分は、エタノール生産のための発酵の際に使用される。歴史的に見て、麦芽製造プロセスは、労働集約的作業であった。穀物は「麦芽製造床」に広げられ、頭上のスプリンクラーからの水を吸収させ、1〜2週間の間毎日手でかき混ぜて、閉じ込められた熱およびガスを放出する。幼芽の出現時には、デンプンは糖分に変換され、発芽した穀物はキルン乾燥され、粉砕されて麦芽を形成する。地ビール醸造所および蒸留酒製造所は、高品質の麦芽を生産するために依然としてこの昔ながらの麦芽製造技術を変形させたものを使用している。蒸留酒製造所によっては、ジベレリン酸(GA:gibberllic acid)を加えることによって均一に発芽するようにして、シングルモルトスコッチウイスキーを蒸留する際などの発酵に使用する、最高品質の麦芽を生産している。GAは植物ホルモンであり、発芽を調節する。このような品質の麦芽を生産するには、時間と費用がかかる。
標準的な植物の発芽
水分は、種子の発芽を助長する主要因である。種子は、加湿されることで発芽の準備を整えることができる。種子を完全に水中に浸し過ぎないように、注意しなければならない。水分が種子に浸透すると、種子は図1に示されるように膨張する。種皮が柔らかくなると、種子は潰れて実生苗が出現する。種子は通常、内部にある程度の量の養分を貯蔵している。水処理されると、この養分は、発芽を助長しながら実生苗に供給される。図2は、発芽してから十分生育するまでの植物の成長を示す。
我々の周囲には、実に様々な樹木が存在していることがわかる。樹木は、生態系を維持し、常に環境をリフレッシュして、汚染されないようにする上で重要な役割を果たしている。小さな樹木または大きな樹木、植物または低木を見るにつけても、それらの成長およびライフサイクルに好奇心を抱くはずである。どのような植物であっても、そのライフサイクルは、複数の段階に分かれており、種子の発芽は、植物が成長を開始する基礎的な段階である。種子には生命がないと思われるかもしれないが、それは真実ではない。種子は、休眠した、胚状態の植物で構成される。好適な環境条件が得られるや、種子は発芽を開始する。このプロセスは、種子発芽の種々のステップを経て行われる。土中の不活性な種子を、植物に生育させるには、採暖、酸素および水分が必要である。
種子の構造
種皮は種子の外側の覆いであり、胚芽を、あらゆる損傷および寄生生物の侵入から保護し、胚芽が乾燥するのを防ぐ。種皮は、厚くて硬い場合もあるし、薄くて柔らかい場合もある。胚乳は、一時的に養分を供給するが、コチレドン(cotyledon)すなわち子葉の形態の胚芽の周囲を包み込んでいる。植物は、コチレドンの数によって単子葉植物と双子葉植物とに分類される。
種子の発芽のための要件
どの種子も、発芽するには、適量の酸素、水分および適切な温度が必要である。種子によっては、適量の光がさらに必要である。十分な光が存在する状態でよく発芽する種子もあれば一方で、発芽の開始に暗環境が必要な種子もある。水分は代謝を活発にするために必要である。地中温度も、適切な発芽にとって同じくらい重要である。種子の最適な地中温度は、それぞれの種子によって様々である。
要因
発芽のプロセスに影響を与え得るいくつかの要因がある。水のやり過ぎは、植物の十分な酸素摂取を妨げる可能性がある。土中深くまで播種すると、土壌の表面に達する前に蓄積されたエネルギーを使い果たすことになる可能性がある。乾燥状態は、種子が十分な湿気を得られず、発芽を妨げる場合がある。種子によっては、種皮が非常に硬いので、酸素と水分が種皮を通り抜けることができないものもある。地中温度が極端に低いか、または高いと、発芽のプロセスに影響を及ぼすか、または阻害する可能性がある。
発芽にともなうステップ
1.種子が水分を吸収し、種皮が破れる。それは発芽の最初の現れである。酵素の活性化が行われ、呼吸が増加して植物細胞が複製される。植物胚芽の生育につながる一連の化学変化が開始される。
2.デンプンの形で貯蔵された化学エネルギーは糖分に変換され、発芽プロセスの際に使用される。間もなく、胚芽は大きくなり、種皮が破れて開く。
3.成長している植物が出現する。根の先端が最初に出現し、種子が適所に定着しやすくする。これにより胚芽は、ミネラルおよび水分を土壌から吸収することも可能になる。
4.種子によっては、発芽を開始するために温度、光または湿気の特別な処理が必要なものもある。
5.種子発芽の各ステップは、双子葉植物と単子葉植物で異なる場合がある。
双子葉植物の発芽
双子葉植物の発芽のプロセスの際に、種子を土中に埋めると、一次根が種皮を突き抜けて出現する。胚軸は、種皮から土壌を突き抜けて出現する。成長するにつれて、胚軸は、胚軸アーチとして知られる、ヘアピン状の形になる。上胚軸構造、幼芽は、2つのコチレドンによって、あらゆる機械的損傷から保護されている。胚軸アーチが土壌から出現すると、光に誘発されて真っ直ぐに伸びる。2つのコチレドンは間隔を広げて、2つの一次葉および頂端***組織を含む上胚軸を露出する。ほとんどの双子葉植物では、コチレドンは、生育する植物に貯蔵養分を供給するとともに、光合成プロセスによってさらに多量の養分を生産するように緑色に変化する。
単子葉植物の発芽
オートムギまたはトウモロコシのようなイネ科植物の種子の発芽では、一次根は種子および果実から出現し、下方に成長する。その後、一次植物の一次葉が成長する。一次葉は、子葉鞘として知られる円柱状の中空構造によって保護されている。実生苗が土壌表面よりも上に成長すると、子葉鞘は成長を止め、一次葉が子葉鞘を突き抜ける。
もちろん、土中の種子すべてが、幸運にも発芽するための適切な環境が得られるわけではない。ほとんどの種子は、乾燥して枯れやすく、植物になるまで生育することができない。ある程度の種子が、十分な量の水分、酸素および採暖を得て、種子の発芽が開始される。
気候変動および植物成長時間の短縮
気候変動は、世界的規模で作物の成長に利用可能な時間に影響を及ぼし、全体として成長のための条件がより一層厳しくなり、成長期間がさらに短くなる可能性があるので、種子の成長および最終的な植物生産を短縮、強化して短期間で収穫する必要があるのは明らかである。
したがって、(1)水分および他の物質を吸収する種子の能力を強化する方法および、(2)植物の成長に必要な時間を短縮する方法に対する必要性が存在する。
種子の超音波処理
本発明は、種子の発芽速度および、超音波処理の結果として出現した植物の成長速度の両方を推進することを目的とした種子の処理を目指した、新規な超音波処理および沈着プロセスについて記載する。さらに本発明は、独自の超音波を使用して、種子の外殻に微小孔を付与することで、種子が湿気および栄養分を吸収する速度の向上を可能にする。種子殻構造に微小孔を生成することによって、処理された種子の、発芽速度をさらに速めることが可能になる。テストでは、従来の方法で生育された種子と比べて発芽時間の節約は、55%にもなる。
本発明はまた、物質を、特に、種子の生育特性を強化するのに役立つ物質を、引き続き種子に摂取させるための安定した記憶をさらに強化し、そのような生育特性を備えることは、種子から得られる植物にとっても、処理を行う目的で種子に水分を摂取させるうえでも有利な状態になる。生育特性は、正弦波超音波伝達を使用して伝送される超音波、または、ある超音波波形から別の超音波波形に、理想的な実施形態では、鋸波形から矩形波形に、交替する交互の超音波伝達を用いて伝送される超音波のどちらかを使用することによって強化される。
本発明の適用のさらなる例示として、この方法は、図1に見られるように、超音波に基づく処理システムを使用して種子の殻の外殻層を柔らかくして、種子殻自体を割れ易くして、種子の外殻層を除去または貫通するのに適用可能であることが予想される。これは、種子の発芽、すなわち種子の発芽する能力を促進する効果がある。本明細書で実証されるように、本発明の超音波処理および沈着プロセスによって、種子自体の水溶液の摂取を加速することで発芽に必要な時間は劇的に短縮されることなる。
このプロセスの生化学は、水分が種皮を通って種子の内部に沈着されることから始まる。トウモロコシの種子を例として使用する。水分は、ジベレリン酸(GA)すなわち植物ホルモンとして知られている化学物質を放出するように体細胞胚と反応する。GAは、種子全体にわたって伝達され、内胚乳を包む糊粉層に到達する。糊粉層1では、GAは、核DNA中のある特定の遺伝子を活性化させるように作用する。遺伝子は転写され、その結果メッセンジャーRNAが生成される。このメッセンジャーRNAは、リボソームと相互に作用して、タンパク質合成すなわち翻訳プロセスを開始する。その結果、アミラーゼと呼ばれるタンパク質が生成される。アミラーゼは、糊粉細胞から、内胚乳へと伝達される。アミラーゼは、デンプンを糖分に加水分解するための触媒として作用する酵素である。
図2は、発芽した種子から成熟した植物までの標準的な成長範囲を示す。本発明は、超音波伝達を種子に加えることによって、植物の成熟に要する時間を短縮し、したがって特定の作物の収穫に要する時間も短縮することを目標とする。
本発明の超音波処理および沈着プロセスは、特に、トウモロコシ、大麦および大豆、小麦、トマトなどの重要な農業種子および、その他の、そのような種子を液体培地で、好ましくは水中で超音波処理することによって得られる作物を対象としている。ここでもまた、当業者であれば、本発明を、その意図する範囲から逸脱することなく、他の種類の種子に適用可能であることを理解するであろう。超音波処理は、約15kHz〜1750kHzの、好ましくは約20kHz〜175kHzの、最適には23kHz付近の、超音波周波数で音波を当てて行われる。メガヘルツ範囲の比較的高い超音波周波数を当てることも可能であるが、種子が損傷するおそれがある。発芽速度を速めるための強度または出力は、種子によって変えることができる。以下の実験では、ちょうど0,5ワット/sq.cmのエネルギーを使用したが、0,125mW/sq.cmから10ワット/sq.cmくらいまでの範囲もあり得るであろう。
超音波エネルギーは、液体培地に浸された音響トランスデューサによって、液体と種子との混合物に加えられる。本発明の主題のメカニズムに関して、いかなる特定の理論によっても縛られることを望まないが、現在、音響エネルギーは、液体分子の揺動によって、液体を通して伝搬方向に搬送されると考えられている。これにより、断熱圧縮および断熱減圧が交互に発生し、これに対応して、密度および温度が増減する。液体中の圧力の周期的な減少が、減圧相期間に十分に大きくなると、液体の凝集力を上回る場合があり、その時に、小空洞がキャビテーションプロセスによって形成される。これらの小空洞は、その後急速に崩壊して、局部温度が摂氏数百度以上に達する、極めて振幅の大きい衝撃波を生じる。空洞の崩壊はまた、音ルミネセンスとして知られる作用を引き起こしながら、崩壊後ただちに放電を起こすことで知られる。
プロセスにとって重要なのは、超音波が、超音波処理の際に種子の表面全体に到達するように、液体の担体またはスラリー内の種子を回転させることである。
図3および図4は、キャビテーションのプロセスを説明している。キャビテーションの作用は、液体中に様々なガスを導入することによって大幅に増強される。1930年代の初めに、FrenzelとSchultesは、高周波音にさらされた水中に写真乾板を沈めると、露光やかぶりが生じることに気付いた。この観察は、音波または音ルミネセンスによる光の放射について最初に記録されたものである。この現象の物理的な過程は、よくわかっていない。
本発明に関しては、ガス抜きされた蒸留水は、キャビテーションが生じる前に、約1〜10ワット/cmのレベルのエネルギー密度が必要である。希ガスで、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンまたはラドンのうちの1つ以上の不活性ガスで水を飽和することによって、はるかに低いエネルギー密度レベルでキャビテーション作用が見られ、1〜10ワット/cm台のエネルギー密度レベルでは、キャビテーション作用は、大幅に増強される。この作用は、微細気泡の生成に起因すると考えられ、この微細気泡は、音響エネルギーを加えると、さらに容易に小空洞を形成する。さらに、飽和ガスが存在する状態における空洞は、空洞が崩壊すると、脱気水を用いて得られるよりも振幅の大きい衝撃波を発生すると考えられる。特に、水道水をアルゴンガス、ヘリウムガス、または、アルゴンガスおよびヘリウムガスで飽和させると、全体として、さらに劇的な摂取が見られると考えられており、そのような作用は、各実験において再現可能であった。飽和するガスが窒素であった他の実験でも、作用の増強が示されたが、アルゴンを用いた場合ほどの作用の増強は表れていない。しかしながら、水道水および煮沸した二重蒸留水を用いて行ったいくつかの実験でも、満足な結果が生じた。
キャビテーションは機械的応力の結果生じるので、超音波処理は、種皮処理に似た、種皮の果皮に亀裂を生じさせるか、または亀裂を拡大させる可能性がある。この種皮処理は、周知のプロセスであり、この処理によって、ある種の種子、特に厚い種皮を有する種子が発芽できるようになる。種皮処理は、果皮を通過する水分の沈着を加速すると考えられる。種皮処理だけでは、本明細書に開示された新規な作用を説明できる可能性は低い。なぜなら、走査型電子顕微鏡写真では、処理された種子の亀裂数の増加は示唆されていないが、果皮の質感変化が確かに示されているからである。超音波処理プロセスが、水分の沈着を加速することが発見されている。キャビテーションは、発芽プロセスをプライミングする種子中の生理学的変化または生化学的変化によってもまた生じる。これにより、種子が植栽条件にさらされると、種子が発芽を開始するための時間、すなわち幼根が果皮を押し破って出現する時まで測定される時間が短くなるようにする。生理学的変化または生化学的変化を引き起こすために提案される1つのメカニズムが、キャビテーションによる遊離基の生成である。
米国特許第5,950,362号明細書、第6,195,936号明細書、第6,250,011号明細書および第6,453,609号明細書を参照する。これらは、ある特定の植え付け用種子の発芽の増加を生じさせるために、ガスをキャビテーション力と組み合わせて使用することについて議論している。これらの参照文献では、キャビテーション力に依存して種子殻に種皮処理効果を生じさせている。しかしながら、これらの文献はいずれも、正弦音波処理によって生じる従来の超音波は、表面を極端に熱くするおそれがあり、そのため図14に見られるような種子殻の融解を引き起こすおそれがあるという事実に着目していない。なお図14では、小麦種子に、5分間正弦超音波処理が施されている。そのような処理は、図3および図4で説明されるキャビテーション力を付与することができる。これにより、種子表面に内破の、非常に高温のキャビテーション力が生成され、種子殻の融解を引き起こすので、発芽の増加または迅速化は、まったく起こらないか、せいぜいまばらに起こる程度である。上記の参照文献はいずれも、殻全体が超音波処理にさらされるように、種子を超音波伝達フィールド内で回転させる必要があることに言及していない。そのような完全な超音波処理がなければ、種子の超音波処理は不完全であることが判明しており、したがって、適切に発芽しない。さらに、本発明は、発芽期間を速める目的で種子を処理するための正弦超音波波形または交互超音波波形のいずれかの使用を開示している。先行技術では、種子を処理するために交互超音波波形を使用することは考慮に入れていない。交互超音波波形を使用すると、キャビテーションは最小限に抑えられる可能性があるが、超音波処理の物理的な力によって、処理された種子の発芽が実際に速められる。同様に先行技術では、回転している標的種子に対する正弦超音波の照射は依然として、キャビテーションまたは種子殻の焼損を最小限に抑えるように使用することが可能であり、依然として処理された種子の発芽を速めることが開示されていない。
本発明は、超音波処理および沈着プロセスによって、有益な生育特性を備える物質の摂取が強化されたことに対する記憶を種子に与えることを目的とする。
本発明は、超音波処理および沈着プロセスによって、種子の発芽に要する時間を短縮し、したがって、種子から得られる植物の成熟を促進するさらなる手段を種子に与えることを目的とする。
本発明のこれらの目的および他の目的は、本明細書、関連する図面および添付の特許請求の範囲を読み、理解すれば、当業者には明らかになるであろう。
本発明は、水分および/または有益な他の物質を、種子に摂取させるための超音波処理および沈着プロセスから構成される。処理される種子は、水または他の液体に浸漬される。種子は、15kHz〜30kHzの周波数で約1〜15分間、音響エネルギーにさらされる。本発明は、キャビテーション超音波、および交互波形超音波の両者を使用して、様々な種子を処理して、種子の発芽速度を高め、したがって、植物が成熟するまで成長するのに要する時間を短縮することが可能であるという発見である。
キャビテーション超音波
正弦超音波エネルギーは、液体培地中の微細気泡、特に種子の表面で崩壊する気泡の断熱崩壊によってキャビテーション力を発生させる。超音波キャビテーション力は、水分および/または、種子および/または植物に有益な他の物質を、種子が吸収するための安定した記憶をさらに強化する。超音波で処理された種子は、乾燥、貯蔵されて、その後、種子または種子から得られる植物の生育特性を強化する物質を吸収させることができる。発芽後は、植物は強化された生育特性を維持する。
交互超音波伝達
好ましい実施形態では、伝達の第1の部分が50ミリ秒間続く鋸波形であり、その後に50ミリ秒間続く矩形波形が交互に入れ替わる超音波伝達であるが、交互音波波形の他の変形を使用することも可能である。交互超音波伝達は、超音波エネルギーを加え、種子の発芽を迅速化する作用によって、正弦キャビテーション超音波エネルギーを使用するよりも、さらに効率よく種子の発芽を発生させる。図5は、開始時の波形が、何ミリ秒も経過した後に励起されて、まったく新たな波形に変換することにより、キャビテーションを回避する、交互超音波波形法の実例を示す。
図1は、発芽した種子の写真である。 図2は、植物に生育するまでの種子発芽プロセスを図示したものである。 図3は、キャビテーションを引き起こす正弦超音波によって生み出されるプロセスを示す。 図4は、キャビテーションを引き起こす正弦超音波によって生み出されるプロセスをさらに図示したものである。 図5は、種子の発芽に要する時間を短縮し、種子から得られる植物または作物の生育を速めるために、交互波形超音波を用いている、本発明の好ましい実施形態を示す。 図6は、超音波を使用して種子の発芽を速めるために、種子に対する超音波照射に実験システムを用いている、本発明のバッチプロセスの概略図である。 図7は、超音波フローセルを用いる本発明の連続プロセスの概略図であり、この連続プロセスでは、超音波を使用して種子の発芽を速めるために、筐体内の超音波ホーンの経路内にスラリーの種子が直接搬送される方法を用いている。 図8は、超音波流通管を用いる本発明の連続プロセスの概略図であり、この連続プロセスでは、超音波を使用して種子の発芽を速めるために、種子に対する超音波照射に流通管内の超音波トランスデューサアレイを用いている。 図9は、超音波流通管を用いる本発明の連続プロセスの概略図であり、この連続プロセスでは、超音波を使用して流通管を横断する種子を処理するために、濾過システムを用いて、種子を水または溶液から濾過し、次に濡れた種子を、コンベアヒーターに送達して、処理された種子が包装される直前に、残存している湿気を種子から取り払う。 図10は、交互超音波波形伝達を発生させることが可能な、超音波トランスデューサシステムの設計図を示す。 図11は、多数のトランスデューサ素子から構成されるトランスデューサアレイを示す。 図12は、処理されていない、すなわち手を加えていない小麦種子を集めて観察した走査電子顕微鏡写真である。 図13は、実験1に従って行われた、超音波処理された小麦種子を集めて観察した走査電子顕微鏡写真である。 図14は、超音波処理された小麦種子を集めて観察した走査電子顕微鏡写真であり、この写真では、種子は在来の正弦超音波にさらされ、種子殻の外層の融解が見られる。 図15は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、35日で成熟するまで発育した、超音波処理されたトマト種子とを対比させた写真である。 図16は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、超音波処理されたトマト種子から成長したトマト(35日で成熟するまで成長した)とを対比させた写真であり、どちらも上面および側面から見たものである。 図17は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、超音波処理されたトマト種子から成長したトマト(35日で成熟するまで成長した)とを対比させた写真であり、どちらも果肉を見せるために切開して示されている。 図18は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、超音波処理されたトマト種子から成長したトマト(35日で成熟するまで成長した)とを対比させた接写写真であり、どちらも果肉を見せるために切開して示されている。 図19は、選ばれた作物について、本発明を使用して収穫期を速めた試験作物の、発芽の向上および栽培全体において見られた向上を要約したものある。
本発明のメカニズム
超音波伝達を発生させるための2つの異なる手法がある。すなわち、(1)図3および図4に見られるような、キャビテーションのプロセスによって対象物に熱を与える従来の正弦超音波および(2)図5に見られるような、キャビテーション熱エネルギーをほとんど、またはまったく搬送しない交互超音波波形システムである。
図3に、対象物に内破衝撃波を与えて対象物の表面に非常に強い瞬間的なホットスポットを形成する、典型的な正弦超音波伝達を示す。図4は、キャビテーションが起こると内破して、再び非常に高温の熱を発生する泡を、液体内で頻繁に形成する典型的な正弦超音波伝達を示す。種子の処理では、典型的な正弦超音波伝達を使用すると、図14に図示されるような種子殻の損傷を引き起こすおそれがある。図14は、5分間さらされた後に、小麦種子が被った損傷を実証するものである。図14は、種子が、種子殻表面の良好な部分が文字通り溶けてしまったことを示す。このようなキャビテーション作用が及ぼされた種子は、まったく発芽しない。
もしも種子を超音波伝達の際に回転させていたならば、典型的な正弦超音波伝達を上手く用いることができていたであろう。そして処理された種子に対する正弦超音波による損傷の影響は、最小限に抑えられていたであろう。
図12は、手を加えていない、未処理の状態の小麦種子の顕微鏡写真である。種子の外殻が無傷で、比較的滑らかなままであることに留意されたい。さらに図14では、その同じ試料が、5分間の典型的な正弦超音波伝達の後に溶融、融解して、機能しない種子材料になっている。
図13では、交互波形法(図5)を使用することにより、写真ではっきりと目に見える微小孔が種子殻中に生じている。本出願人は、これらの微穿孔によって種子は、手を加えていない種子よりもはるかに速い速度で水分および栄養分を吸収することができるので、種子の発芽が速められ、これにより植物が完全に成長するのに要する時間が短縮されると理論的に想定している。本出願人はさらに、図5に示される交互波形超音波伝達が、標的種子に送達されると、次の2つの主な機能を行うと理論的に想定している。すなわち、
1)鋸波形は、種子殻表面に水平の物理的な力を及ぼすと考えられる。この水平の物理的な力は種子内に応力を生成して、その孔を広げる。
2)孔が広げられると、矩形波形が、広げられた孔に対して激突する力を働かせる。必然的に矩形波は、開かれた孔に栄養分を押し込む。それらの栄養分は、水分の担体またはスラリー内の水分または肥料化合物となり得る。
交互波形は、個々の波形作用の任意のタイミングで用いられる、時間要素に関して可変の超音波デューティサイクルを使用する。一例としては、以下の通りである。
Figure 2015524250
Figure 2015524250
実験システムに関する説明
図6は、以下に列挙された実験において使用される実験システムを示す。図6では、超音波ホーン35は、種子および水40からなる溶液が入ったビーカー30に配置される。超音波トランスデューサホーン35の先端部34は、先端部34が液体に完全に浸されるように、スラリー40に配置される。ビーカー30の底には、磁気撹拌棒32が配置され、磁気撹拌棒32は、磁気撹拌器31から発せられた電磁力によって回転させられ、磁気撹拌器31の上にはビーカーおよび装置が配置される。出力は超音波発生器37からケーブル36を通って超音波ホーン35に送られる。超音波発生装置のコントローラ33を、ある一定範囲の超音波が、スラリー内の種子40に送られるように、以下のように設定した。
超音波周波数 20kHz
ホーン出力時の強度 0,5W/sq.cm
波形の動態 50ミリ秒 鋸波形/50ミリ秒 矩形波形
超音波処理後に、種子を乾燥させ、次に、水を浸み込ませたフィルタパッド、または場合によっては含水土に配置して、発芽を起こさせる。発芽中の温度を変えて、様々な温度における発芽に対する処理の効果を分析した。種々の実験で観察された測定には、一次根が出現する時期、二次根が出現する時期、子葉鞘が出現するまでに要する時間、根の長さおよび重量、根の面積、根の推定体積、子葉鞘の長さおよび重量、および水分の摂取などが含まれる。テストした種子は、第一世代(F)ハイブリッド種子トウモロコシであった。
連続的装置
超音波フローセル装置
図7および図8は、商業的規模のプロセスで使用することも可能な、プロセスを示す。図7では、種子が液体培地40に散布されている。超音波ホーントランスデューサ64は、超音波の先端部63が種子スラリー40の流体の流れの中に直接配置されるように、ハウジング60に嵌合する。種子スラリー40は、先端部63の周囲の流れを狭める漏斗61を通ってハウジングに入っていく。先端部からの超音波62は、先端部の前を通過するときに、種子スラリー40の方向に向けられる。最終的に、超音波処理された種子スラリー40は、先端部63の周囲を回って、流出口65から送り出される。このように、種子スラリー40の流れを超音波ホーン64の超音波放射先端部63を横切る方向に向けることにより、種子スラリー40の連続的な流れを超音波処理することが可能である。
先端部63は、液体培地に浸っていなければならない。トランスデューサは、超音波振動発生装置に接続される。このフローセルシステムの好ましい実施形態では、音響トランスデューサホーン64は、Sonics and Materials,Inc.から市販されている圧電セラミックトランスデューサVCX600型である。別のトランスデューサを代わりに使用してもよい。磁歪トランスデューサは、液体培地に、さらに高いレベルの音響エネルギーを送達することができるので、さらに高い音響密度が所望される場合、例えば大量の種子が超音波処理される場合には、好ましい場合がある。振動発生装置9Eは、Hewlett Packardから市販されている33120Q型で、トランスデューサホーンに適合する。振動発生装置は、15kHz〜30kHzの範囲の発振周波数を有し、音響トランスデューサホーンに0〜500ワットを供給することができる。本明細書に記載された実験では、出力密度は1cm当たり30ワットから1cm当たり80ワットの間であった。ただし音響トランスデューサ64が定格効率である場合には、ハウジング60内にさらに高い出力密度を達成することができる。通常この装置が、図3および図4に見られるような、キャビテーション作用を与え得る正弦超音波波形を生じさせることになる。キャビテーションは、種子内に孔を生成または開孔して、処理された種子に湿気が浸透するのを可能にすると考えられる。
一般に、水中重量30%まで種子を加え、種子スラリーを生成する。この種子スラリーはその後、フローセルに加えられる。水溶液は、水道水、または超音波処理されている種子の賦活剤としての栄養液で強化された水とすることができる。窒素系の溶液または肥料をベースにした溶液が、液体媒体として考えられる。フローセルへの流入時に、撹拌機を用いてスラリー内の種子を超音波伝達の際に回転させてもよい。種子混合物40は、超音波プロセッサによる処理を一度だけ行うことができる。もしくは、プロセッサによる処理を二度以上繰り返すことにより複数回処理されてもよい。処理が済むと、種子スラリーは、液体を除去して乾燥種子製品を生産するために、フィルタ/ドライヤーに運搬される。
連続的超音波流通管−図8
連続的な超音波処理システムを提供するために、図8に示すような超音波流通管71を含んだ装置を使用してもよい。このシステムでは、種子スラリー40は、トランスデューサが並べられた管に通される。トランスデューサから流通管の全長にわたって発せられる超音波が、流通管の全長を通過するときに、種子を処理する。種子は、連続的に流通管に通される。
図8では、流通管71は、超音波トランスデューサ70が並べられている。流通管71内には、一連のバッフル75が配置され、流通管71内に乱気流が挿入されることになる。種子スラリー40は、一方の端部で流通管に入り、スラリー40中の種子がバッフル75を混転しながら横断するときに超音波処理72が施され、最終的には出て行く。乱気流による混転作用は、超音波信号72の下でスラリー内の種子73を回転させる。処理された種子74は、流出位置で流通管を出て行く。連続的手法では、種子40は、超音波処理72の際に、種子40が流通管71を横断するときに、流通管71を通って移動および混転73を行いながら、流入口および流出口に送達されることを意図される。このシステムは、超音波フローセルとも呼ばれる。
図9では、手を加えていない、未処理の種子40がホッパーを介して超音波フローセル71の中へと送達されるのが示されている。手を加えていない、未処理の種子40は、ホッパータンク42中の水または栄養液41と混じり合う。フローセル71を出ると、処理された種子スラリー74は、フィルタ80に送達され、水またはスラリーが濾過されて、超音波処理された濡れた種子74が後に残される。そこから、濡れた種子74は、コンベアヒーター81に送達され、コンベアヒーター81は、処理された種子74に残存している湿気を取り払い、包装するために、最終乾燥産物である超音波処理された種子76を製造する。
トランスデューサ設計
図10および図11は、流通管(図8の符号71)の長さに沿って設置された超音波流通管で使用するのに適したトランスデューサ装置(図8の符号70)の設計を示す。
図10では、トランスデューサディスク93のアレイが伝導性のエポキシ樹脂94を使用してステンレス鋼フェースプレート95に接続されている。トランスデューサディスク93は、図11で見られるようなトランスデューサ96のアレイに整列された1〜4個のトランスデューサ素子とすることができる。反射カバーまたはブロック90は、超音波エネルギーを前方に集中させて、ある波形から別の波形へと交互に入れ替わる、交互超音波作用を生じさせる。図10のトランスデューサは、ナイロンまたはプラスチック部分でできた背面片またはブロック90を備えるトランスデューサ組立体91から構成される。ワイヤ92をブロック90に下まで通して、一般にステンレス鋼ディスクである金属製のフェースプレート95に通して、さらにアレイ93の圧電性または磁歪トランスデューサディスクの上部へと通す。図10の図では、そのような2つのディスクが、伝導性のエポキシ樹脂94を使用してフェースプレート95に付着されているのが示されている。フォームラバーの薄片またはガスケット片が、ブロック90の内部の縁に配置され、組立体全体が、エポキシ樹脂を使用して、完成した組立体として示されるような、最終形態に密封される。
図11には、4つのトランスデューサディスク93−1、2、3および4で構成されたトランスデューサディスクアレイ96が、再び伝導性のエポキシ樹脂を使用して、フェースプレート95に付着されているのが示されている。
図10および図11に示されるトランスデューサアレイが、図5に示されるような交互超音波伝達を生じさせることになる。好ましい波形の組み合わせは、鋸波形超音波伝達に矩形波形超音波伝達が後続する。個々の波形の時間を任意に変えて、どちらか一方の波形作用を生じさせることができる。交互超音波信号は、種子の表皮に及ぼされるキャビテーション作用を最小限に抑えて、種子殻に対する損傷を回避しつつも、水分の摂取を促進するように意図される。
実験
本発明の方法の有効性を実証するために、一連の実験が実施された。実験は、図6に示される実験装置を使用して行なわれた。小麦、ニンジン、トウモロコシおよびトマトの、4つの異なる作物種子を試験した。各作物は、図6に示されるような装置を使用して、同一の超音波設定で超音波処理された。各実験は、図5に図示されるような、交互超音波システムを使用した。
各実験の超音波設定は以下の通りであった。
Figure 2015524250
種子スラリーは、種子30%、水道水70%の構成で、種子を周囲温度で、生育させた。実験直前に種子をビーカーの水に加え、様々な照射時間で超音波処理された。
照射時間 単位:分


10
15
20
試料を各照射時間処理して、ブフナー漏斗を使用して濾過し、続いて一晩中空気乾燥させておいた。その後、種子をそれぞれ、その種子に推奨される深さで、鉢植え用の土で満たされた別個の水槽に入れた。例えば、小麦は土中1,5インチの深さが推奨されていたが、ニンジンは7,5インチの深さであった。その後水槽を、日光が水槽に到達するように、窓台に配置したが、培養期間中に、水槽が外部要素にさらされることはなかった。
水槽の中の種子は、芽が出て、土から出現し始めるまで、毎朝観察された。発芽に要する時間を、超音波処理されなかった対照群と比較した。結果は、次の実験結果の表に示した通りである。
Figure 2015524250
図12は、処理されていない、すなわち手を加えていない小麦種子を集めて観察した走査電子顕微鏡写真である。
図13は、実験1に従って行われた、超音波処理された小麦種子を集めて観察した走査電子顕微鏡写真である。超音波処理された種子を詳細に観察することによって、種子の外殻層に理論的に考えて超音波照射によって、数個の穴が発生していることが判明した。この穴により、種子内への水分の吸収が強化され、水分吸収が増加した結果、さらに迅速な発芽プロファイルが可能になる。
Figure 2015524250
Figure 2015524250
Figure 2015524250
Figure 2015524250
Figure 2015524250
実験の要約
実験の要約を以下に列挙する。超音波処理の各場合において、超音波処理された種子の発芽速度が速められた。対照試料の種子が7−14日で発芽したのに対して、超音波処理された種子は、4〜6日で発芽した。発芽に要する日数という意味での、発芽期間の短縮は、超音波処理された小麦種子に関しては、−41%の範囲であり、ニンジンに関しては、−56%の範囲であった。
発芽した後に、超音波処理された種子および対照試料の種子は、次に培養ペトリ水槽から外部の実験農場に移され、この農場でその植物に推奨される標準的な深さで従来の土壌に種子を植え、成熟した植物になるまで成長させた。
全体として、対照試料の植物は、表に記載された植物の成長期間に近似する、75〜89日で成熟した。
超音波で処理された植物は、成熟するまでに35〜42日を要したが、トマトに関しては、サイズ、品質、さらには果実のサイズおよび作物特性に関して、超音波処理されていない対照試料と比べて遜色なかった。
超音波処理により、収穫期が33〜52日短縮された。
超音波処理され、完全に成熟するまで発育し、収穫されたトマト種子に関する栽培テスト結果
図15は、播種後、植物が完全に成熟するまで成長した時点の、超音波で処理されていない対照試料のトマト種子から得られた果実と、20分間超音波で処理された種子の果実とを対比させた写真である。
図16は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、超音波処理されたトマト種子から成長したトマト(35日で成熟するまで成長した)とを対比させた写真であり、どちらも上面および側面から見たものである。
図17は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、超音波処理されたトマト種子から成長したトマト(35日で成熟するまで成長した)とを対比させた写真であり、どちらも果肉を見せるために切開して示されている。
図18は、定期的に栽培されたトマト(80日で成熟するまで成長した)と、超音波処理されたトマト種子から成長したトマト(35日で成熟するまで成長した)とを対比させた接写写真であり、どちらも果肉を見せるために切開して示されている。
図19は、選ばれた作物について、本発明を使用して収穫期を速めた試験作物の、発芽の向上および栽培全体において見られた向上を要約したものである。
Figure 2015524250
Figure 2015524250
上記の実験は、図6で説明した装置を使用して行なわれたが、発明者は、図10および図11で説明したトランスデューサ構成を、図7、8または9に図示されるような連続的な超音波処理システムに適用すると、キャビテーションを発生させずに、正弦超音波伝達と同じ超音波処理作用が得られるであろうと考える。
図3および図4に示されるように、キャビテーションは機械的な力だけでなく、熱エネルギーも生成する。種子の種類によっては、キャビテーションによって種子が焼かれて、図14に見られるような損傷が引き起こされる可能性がある。図5に示すような交互超音波波形システムは、キャビテーション超音波よりも種子に与える損傷が少ないことが実証されているが、依然として水分および栄養分の種子への摂取を促進することが可能な種子殻に、流水路をあけてしまった。図13を参照すると、交互超音波波形システムは、小麦種子の中の殻を焼かずに、種子殻にごく浅い穿孔を形成した。
正弦超音波で処理された種子の大半は、ちょうど5分間の照射した後に、図14に見られるように、構造上の損傷を示した。50ミリ秒間の鋸波形に、50ミリ秒間の鋸波形が後続する、交互超音波エネルギーで処理された種子は、図13で見られるように、焼損作用を生じずに種子の外殻層の、より広い範囲を透過しているのが示された。図14では、通常の正弦超音波で処理された種子は、種子殻(図1)を覆う殻層の融解を示した。
したがって、好ましい実施形態は、交互超音波処理を使用する実施形態であるが、超音波伝達の際に種子を回転させる限り、ある種の種子の場合には、従来の正弦超音波も依然として好適である場合がある。
要約
上掲の実験により、超音波によって引き起こされた水分摂取は、標準的な水分摂取から切り離して考えることができる特異な事象であることが示された。超音波で処理された種子および対照試料である浸漬された種子の摂取速度の差によって、超音波で処理された種子が、超音波で処理されていない種子よりもはるかに速い発芽速度を示すことが証明された。
これらの結果は、超音波によって刺激されて、単に浸漬されただけの種子の水分の摂取速度と比較して、おそらく水分の摂取速度が速くなった種子が、極めて迅速に得られることを実証している。したがって、超音波処理プロセスは基本的に、種子の発芽と、成熟した植物および作物の成長をともに速めながら、物質を種子に摂取させる速度をさらに高める。したがって、このプロセスを使用して、最初に種子を超音波で処理することにより、多くの作物の、収穫までに要する時間を短縮してもよい。
さらにこれらの結果は、超音波処理が、発芽する種子の割合に悪影響が及ぼすことなく、種子を変化させていることを実証している。超音波処理は、種子の水和を加速的に増加させる。超音波の作用は、水分を種子に送り込むことではなく、むしろ、たとえ超音波がない状態であっても、種子が水分を取り込む速度が速められるように、種子を変化させることである。この強化された沈着作用は安定している。超音波処理の後に種子を乾燥させ、貯蔵すると、沈着作用は維持される。超音波は、発芽に悪影響を及ぼさない。強化された沈着作用を減少させずに、超音波処理ステップと沈着ステップとを分けることができるので、かなり大きな実用上の有利点となる。種子は、最初の時点で超音波のキャビテーション処理を受けることが可能で、所定の期間をおいた後には、種子は、物質を吸収する能力が強化されているであろう。これにより、種子を超音波で処理して、栽培または処理加工が開始されるまで種子を貯蔵することができる。この後に、どの物質を種子に吸収させるのかについて、その時の栽培条件、生育条件または処理加工条件に特別に適合させて、決定することができる。これにより、さらに効率的で時宜を得た種子の準備が可能になる。さらに、吸収させるステップには高性能の設備も技術的専門知識も必要ではないので、農場で実施することができる。
図8は、超音波処理の際に種子の混転をもたらす手段を備える超音波流通管を組み込み、それによって大規模な種子の超音波処理を連続的に行うことが可能になる好ましい実施形態を示しており、図9は、図6に示した実験装置と同様の結果を有する連続的処理に基づいて超音波処理された種子を生産することを示している
要約
当業者は、水のような物質の沈着を強化する基本技術を実際に行うことによって、同じ方法で他の種類の物質を種子に吸収させることが可能であることを理解するであろう。上述したように、これらの物質には水、農薬、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤および成長ホルモンなどが含まれ得る。しかしながら、本発明の適用可能な範囲は、これらの物質に限定されない。強化された沈着方法は、種子および種子から得られる植物の任意の生育特性を強化するか、そうでなければ商業的な処理の際に種子に価値を加える物質とともに使用することができる。例えば、本発明の方法を使用して、ある一定期間の間発芽を抑制する物質を種子に吸収させることもできるであろう。このようにして発芽を遅らせると、栽培者は、最適な栽培条件または発芽条件になる前に種子の植え付けができることにより、商業的農業では有益であるとわかる。これにより栽培者は、土壌条件および天候条件が栽培に好適な状態になったときに、全作物を一度に栽培するという重荷から解放される。したがって、本発明とともに使用されることを意図した物質は、必ずしも、何らかの方法で植物をより速く、より強く、または耐害虫性に成長させる物質である必要はない。
上述したやり方で超音波処理された種子から出現する作物は、植物が十分に成長しており、処理されていない作物よりも収穫するまでに要する期間がはるかに短い傾向がある。
本発明は、その好ましい実施形態に関して説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明が意図する範囲全体において、本発明に変更および改変を加えることが可能であるので、本発明はこの実施形態のみに限定されないこともまた理解されたい。

Claims (19)

  1. 強化された発芽特性を有する超音波処理された種子を製造し、当該種子から得られる植物に強化された生育特性を与えるための超音波処理プロセスであって、
    a)超音波処理する種子を水中または、水および他の物質からなる溶液中に浸漬するステップと、
    b)超音波処理された種子が強化された発芽特性を有し、前記超音波処理された種子から得られる植物が強化された生育特性を有するような周波数およびエネルギー密度で音響エネルギーを、浸漬した前記超音波処理する種子を含む前記水または溶液に導入し、十分な時間、交互超音波波形を照射するステップと、
    を備えることを特徴とする超音波処理プロセス
  2. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記超音波処理する種子が、観賞植物、または人間もしくは動物が消費するための植物、または燃料を生産するための植物から選択された植物の種子であることを特徴とする超音波処理プロセス
  3. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、約15kHz〜約100kHzの周波数であることを特徴とする超音波処理プロセス
  4. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、約20kHz〜約100kHzの周波数であることを特徴とする超音波処理プロセス。
  5. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、約0.125ワット/cm〜約10ワット/cmのエネルギー密度であることを特徴とする超音波処理プロセス
  6. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、約20kHzの周波数、かつ約0.5ワット/cm のエネルギー密度であることを特徴とする超音波処理プロセス。
  7. 請求項に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、1分〜約20分にわたって照射されることを特徴とする超音波処理プロセス
  8. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、前記超音波処理された種子のキャビテーション処理を引き起こさないことを特徴とする超音波処理プロセス。
  9. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーの交互波形が、約20ミリ秒〜約80ミリ秒の交互に入れ替わる周期で照射されることを特徴とする超音波処理プロセス。
  10. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーの交互超音波波形が、鋸波形、三角波形、および矩形波形の何れか2つ以上であることを特徴とする超音波処理プロセス。
  11. 請求項10に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーの交互超音波波形が、矩形波形と交互の鋸波形であることを特徴とする超音波処理プロセス。
  12. 請求項11に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーの交互波形が、約20ミリ秒〜約80ミリ秒の交互に入れ替わる周期で照射されることを特徴とする超音波処理プロセス。
  13. 請求項11に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーの交互波形が、約50ミリ秒の交互に入れ替わる周期で照射されることを特徴とする超音波処理プロセス。
  14. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、当該超音波処理プロセスが、バッチプロセスまたは連続的プロセスであることを特徴とする超音波処理プロセス。
  15. 請求項14に記載の超音波処理プロセスにおいて、当該超音波処理プロセスが、超音波フローセルまたは連続的超音波流通管を用いる連続的プロセスであることを特徴とする超音波処理プロセス。
  16. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記溶液が、植物の栄養分または肥料である物質を含むことを特徴とする超音波処理プロセス。
  17. 請求項1に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記溶液が、条件が種子の発芽に適するまでの期間、処理された種子の発芽を抑制する物質を含むことを特徴とする超音波処理プロセス
  18. 請求項に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、連続的に照射されることを特徴とする超音波処理プロセス
  19. 請求項に記載の超音波処理プロセスにおいて、前記音響エネルギーが、パルス状に照射されることを特徴とする超音波処理プロセス
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