JP2004518455A - 超音波強化物質送達方法 - Google Patents

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Abstract

対象の表面を通した該対象の中への少なくとも1つの物質の送達を強化するための方法である。この方法は、前記対象の表面に近接して前記物質を配置することを含む。この方法は、少なくとも1つの超音波信号発生装置を、前記物質及び前記対象に近接して配置することを含む。又、この方法は、前記表面を通した前記対象の中への前記物質の少なくとも一部の移動をもたらすように、前記超音波発生装置を用いて、前記物質に、少なくとも1つの交替超音波信号を印加することを含む。

Description

【0001】
関連出願
本出願は、2001年6月22日に出願された「超音波トランスデューサー装置、及びポータブル、且つ、対象による着用が可能なシステムによる超音波薬物送達に適した使用方法」と題される米国特許出願第60/300,343号、2001年6月22日に出願された「超音波薬物送達用途における使用のための経皮的パッチ」と題される米国特許出願第60/300,292号、及び2000年8月24日に出願された「着用可能なポータブル音波アプリケーターを利用した経皮的薬物送達システム」と題される米国特許出願第60/227,359号のそれぞれの優先権を主張する。これらの文献の全開示を、参照により、それぞれの全体が記載されているが如くに、本明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般には、物質送達方法に関するものであり、より詳細には、経皮的物質送達を強化するのに適した方法に関するものである。
【0003】
発明の背景
薬物送達システムのような経皮的物質送達システムは、患者の皮膚の露出した表面に貼付された薬用装置、即ち、パッチを用いることがある。パッチは、パッチ内に含まれる医薬化合物のような物質を、皮膚層群内に、又最終的に患者の血流内に吸収させる。経皮的薬物送達は、多くの場合、薬物注射及び静脈内薬物投与に伴う痛みを回避する。経皮的薬物送達はまた、投与された薬物の胃腸代謝、肝臓による薬物の減少除去を回避し、投与された薬物の徐放(持続した放出)を提供するために使用することができる。経皮的薬物送達はまた、投与の相対的容易さ及び薬物の徐放によって、薬物摂生に対する患者の従順さを高めることができる。
【0004】
しかしながら、いくつかの医薬化合物は、それらが薬物の分子サイズ又はその他の薬物の生体粘着特性に起因して皮膚を通して吸収され難いために、従来の経皮的薬物送達に適さないと考えられている。これらのケースにおいては、経皮的薬物送達を試みると、薬物が単に皮膚の外側表面上にプールされ、血流内に浸透しないことが分かるだろう。そのような一例はインスリンであり、これは従来の経皮的薬物送達によっては投与が困難であることが分かっている。
【0005】
更に、いくつかの決定的に必要とされる薬剤は、現在、注射又は経口投薬形態のいずれかによって投与されている。特に、例えば、化学療法薬作用物は、それらの胃腸管(消化管)内での減成を切り抜ける必要から、多くの場合、多量の投薬量にて投与される。又、AIDSのための多くの決定的な処置は、有効と成すために、固形の投薬形態にて1日に数回経口的に摂取される薬物群のカクテルを必要とする。これらの薬剤は、例えば、大量の投与量が必要であり、又薬物分子を経皮的形態で安定なままとすることが不可能であることから、従来の経皮的薬物送達用途には適さないと考えられている。更に、薬物の皮膚移送の従来の経皮的薬物送達への不適当性は、皮膚層群を越える薬物の低い生体吸収をもたらす。
【0006】
一般に、従来の経皮的薬物送達方法は、ニトログリセリン(狭心症の緩和用)、ニコチン(禁煙摂生用)、エストラジオール(閉経後の女性におけるエストロゲン交換用)のような、低分子量の薬剤にのみ適することが分かっている。例えば、インスリン(糖尿病の処置用のポリペプチド)、エリスロポエチン(重い貧血症の処置に使用される)及びガンマインターフェロン(免疫系の抗癌能力を高めるために使用される)のような、より大きい分子の薬剤は全て、従来の経皮的薬物送達方法と共に用いられた場合に、普通は有効ではない化合物である。
【0007】
イオン導入法(イオントフォレシス)のような、皮膚の薬物に対する浸透性を増加させるその他の方法が公知である。イオン導入法は、外部の電界の印加、及びイオン輸送(電気浸透)と関連して水流で運ばれるイオン化形態の薬物若しくは非イオン化薬物の局所送達を伴う。イオン導入法での浸透の強化は有効であるが、薬物送達の制御及び回復不能な皮膚損傷が、この手法に関連した問題であろう。
【0008】
超音波もまた、皮膚及び合成膜の薬物及びその他の分子に対する浸透性を強化することが示唆されてきた。超音波は、一般に、20kHzを越える周波数の機械的圧力波として規定されてきた。超音波信号は、圧電性結晶又はその他の電気機械要素を、例えば交番電流をその材料を通して流すことで振動させることによって発生することができる。皮膚の薬物分子に対する浸透性を増大させるための超音波の使用は、超音波導入法(ソノフォレシス)又は音波導入法(フォノフォレシス)と呼ばれてきた。
【0009】
しかしながら、薬物送達のための超音波の使用が一般的に示唆されてきたが、結果は浸透性の強化が比較的低かった点で多くは期待はずれであった。更に、皮膚を越える薬物の流れを増大することに対する超音波の効果については、意見が一致していないと考えられている。いくつかの研究は超音波導入法の成功を報告する一方で、他のいくつかの研究では否定的な結果が得られている。
【0010】
多くの従来の超音波経皮的送達システムは、超音波アプリケーター(印加器)として、一般的な超音波ワンド(wand)(細棒)又はソニケーター(sonicator)(音波処理器)を構想しており、トランスデューサー(変換器)の電力利用率及び装置の大きさは考慮に入れていない。
【0011】
超音波は空気中にて急速に減衰するため、好ましくは、非染色性、非刺激性、及び遅乾性の、実現可能な低い吸収係数(吸音率)を有する結合作用物が、効果的に超音波エネルギーを超音波トランスデューサーから皮膚内へと移送するために必要であろう。化学的強化剤(エンハンサー)流体若しくは抗刺激剤、又はその両方が用いられる場合、それらが結合作用物として機能し得る。例えば、抗刺激剤として用いられるグリセリンは、結合作用物としても機能し得る。必要であれば、超音波変換効率を増大させるために、付加的な成分を、強化剤流体に加えることができる。
【0012】
一般的に、ヒトの皮膚を通した浸透のための超音波露出時間は、従来10分間〜24時間であった。生存軟組織内への超音波エネルギーの浸透深さは、周波数に反比例する。そのため、高周波数が、最も外側の皮膚層である角質層に効果を集中させることによって皮膚を通した薬物浸透を向上させると示唆されてきた。
【0013】
皮膚の浸透性を強化することによって、治療的目的のために分子を体内に輸送可能であろうことが認められてきたが、ポータブルでプログラム可能な装置及び方法は未だ開示されていない。
【0014】
上述の問題及び/又は欠点の観点から、より迅速な時間枠における非侵襲性の薬物送達のための、皮膚の浸透性を安全に強化するトランスデューサー装置の開発は、斯界において著しい進歩となるだろう。
【0015】
本発明の概要
対象の表面を通した該対象の中への少なくとも1つの物質の送達を強化するための方法であって、前記物質を前記対象の前記表面に近接して配置し;少なくとも1つの超音波信号発生装置を前記物質及び前記対象に近接して配置し;前記表面を通した前記対象の中への前記物質の少なくとも一部の移動をもたらすように、前記超音波信号発生装置を用いて、前記物質に、少なくとも1つの交替超音波信号を印加する;ことを特徴とする。
【0016】
本発明は、非制限的な添付の図面との関連において、より容易に理解されよう。
【0017】
好ましい実施態様の説明
本発明の図面及び説明は、本発明の明快な理解に関係する要素を例示するために簡略化されており、一方で明快さを期すために従来の超音波物質送達システムにおいて見られる多くの他の要素が省略されていることを理解されたい。当業者は、本発明を実施するためには他の要素が望ましく且つ/或いは必要であることを認識するだろう。しかし、そのような要素は斯界にて周知であり、又それらが本発明のより良い理解を容易にすることはないので、そのような要素についての議論は本明細書では提供しない。
【0018】
同一出願人による同時係属出願である、「超音波強化物質送達システム及び装置」と題される本願と同日に出願された米国特許出願(出願番号未付与)を参照する。この文献の全開示を、参照により本明細書に援用する。
【0019】
本発明の一態様によると、少なくとも1つの超音波トランスデューサー(変換器)装置を、超音波を用いることによって経皮的物質送達、特に、例えばより大きな医薬活性化合物の経皮的送達を強化するために設けることができる。本明細書にて用いられる「薬物」又は「医薬活性化合物」という用語は、非制限的な態様にて、説明のためのにのみ、本発明が薬物及び医薬活性化合物を含む多様な物質を、経皮的のみならず、例えば、経粘膜的に送達するのに適しているものとして用いられることを理解されたい。トランスデューサー装置は、サイズが小さく、電池によって電力が供給され、高効率、且つ、経皮的パッチからの医薬化合物の伝達をもたらすのに適した超音波伝達を生起することのできるものとし得る。
【0020】
超音波トランスデューサー装置は、パッチ内に含まれる薬剤の、標的患者の皮膚層内への皮膚層を通した送達を強化及び制御する両方の目的のために、経皮的送達装置、即ち、パッチと直接接するように配置することができる。トランスデューサー装置は、薬物含有パッチ内に直接配置するか或いはパッチ上に着用することができ、そして、例えば、粘着性ストリップ(片)又は身体貼付用ストラップ(革紐)によって所定位置に保持することができる。経皮的パッチは、病気の処置又は痛みの軽減のための特定の薬剤又は薬剤群のカクテルを含み得る。
【0021】
本発明の一態様によると、トランスデューサー装置は、経皮的及び/又は経粘膜的な薬物及びその他の分子の体内及び血流内への流速を制御するように、経皮的パッチに超音波を印加するのに適している。クラスV屈曲緊張(flextensional)シンバルトランスデューサー及びトランスデューサーアレイ(配列)を、経皮的薬物送達及び治療的用途のための高効率のポータブル(持ち運び可能)な装置において、低周波数超音波を供給するために使用することができる。
【0022】
本発明の一態様によると、薬物分子の輸送は、毛包及び皮膚の孔(毛穴)と関連する経路を用いて達成することができる。超音波を用いる、皮膚及び粘膜薄膜を通した生物学的に活性な分子の、非侵襲性の送達方法を達成することができる。
【0023】
本発明の一態様によると、例えば、1つ若しくはそれ以上のトランスデューサーアレイに構成された複数のトランスデューサーを用いて、皮膚のいくつかの領域、即ち、輸送部位を、同時に又は順次に処理することができる。種々の超音波周波数、強度、振幅及び/又は位相変調を、経皮的流量の規模を制御して治療学的若しくは栄養学的レベルを達成するために用いることができる。本発明の一態様によると、プログラム可能であること及び流量制御が、個々の患者(病気の異なる段階にある患者、年輩の患者、青年患者、未成年患者、又は性別の異なる患者が例として挙げられる)に対して最適化された治療的送達を可能とし得る。この最適化は、例えば、物質特異的であってよい。それぞれの生物学的活性分子の分子構造は異なり、そして超音波に対して異なるように応答する。周波数、強度、濃度、送達のタイミング、薬物摂生(薬物処方計画)の制御によって、それぞれの薬物型の送達を最適化することができる。
【0024】
本発明の一態様によると、トランスデューサー又はトランスデューサー群のアレイは、例えば、パッチ内に組み込むか、又はパッチ内に滑り入れることができる。本発明の一態様によると、トランスデューサー装置は、インスリン送達のために使用することができる。
【0025】
本発明の一態様によると、位相変調、交替波形(交互波形)及び/又は周波数変調を用いて、超音波経皮的物質輸送を強化し、又対象、例えば、ヒト、その他の哺乳類、動物又はその表面を通した物質送達が超音波で強化され得るその他の任意の目的物への物質送達の速度を増大させることができる。超音波は、経皮的浸透を促進するために、イオン導入法、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、脱毛剤、及び/又は界面活性剤のような化学的強化剤と組み合わせることができる。
【0026】
本発明の一態様によると、パッチを含む物質上に配置されるポータブルで、自己電力供給される、プログラム可能な超音波トランスデューサーによって送達される音響エネルギーは、物質を、表面、例えば、皮膚、障壁を越えて移送する。
【0027】
本発明の一態様によると、患者によって経皮的薬物送達パッチ上に着用され得る、ポータブルでプログラム可能な超音波装置は、経皮的パッチ内に含まれる医薬化合物又は薬物のような物質の、皮膚を通した患者の血流内への浸透を強化する目的で設けることができる。更に、ポータブルな超音波アプリケーターは、異なる時間で音響エネルギーを印加するようにプログラムすることができ、それによって時間が経つと、異なる量の医薬化合物の送達をもたらすことができる。ポータブルな超音波アプリケーターは、連続的に(徐放)及び/又は断続的に(パルス的放出)、特定の患者のための薬物管理及び処置計画に対してより適切と考えられるいずれでも、医薬化合物を患者に送達するようにプログラムすることができる。
【0028】
本発明の一態様によると、患者により着用することのできる装置は、タイミング回路に従って経皮的パッチを通して超音波信号を送達するようにプログラムされる。使用されるトランスデューサーは、便利に持ち運び可能で、又着用可能であることを許すように、十分に小さく、且つ、コンパクトとすることができる。トランスデューサーは、これもまたポータブルで患者により着用されるものであってよい電池によって電力を供給することができる。
【0029】
本発明の一態様によると、浸透を向上させ或いは制御するように変更することのできる、印加される超音波のいくつかのパラメーターは、周波数、強度及び露出(暴露)時間を含む。これらの3つのパラメーターのうちいずれか若しくは全ては、複雑な態様で同時に変調することができ、超音波の効果又は効率を、それがヒトの身体の中への又はその外での経皮的分子流速を増強することに関係するように、増大することができる。
【0030】
本発明の一態様によると、EEPROM、タイマーユニット、及び波形発生器と組み合わされたマイクロプロセッサを、経皮的薬物送達システムのプログラム可能性及び時間依存動作を提供するために用いることができる。関連する技術分野においてはよく理解される如く、これは多くの場合「制御ユニット」と呼ばれる。勿論、本発明を実施するために、類似の制御をもたらすための代わりの装置を設けることもできる。プログラム可能性は、送達される薬物の量、時間間隔及び薬物送達の持続時間、及びトランスデューサーに対し適用される制御波形の周波数及び強度を制御する能力を含んでいてよい。プログラム可能な動作及びマニュアル動作の両方を利用することができる。波形発生器は、トランスデューサーを制御するために用いられる正弦波形、矩形波形又は鋸波形を提供するようにプログラムすることができる。勿論、その他の波形をも利用することができる。制御される波形の周波数は、約20kHz〜約100kHzであってよい。波形は、異なる持続時間及び/又は異なる振幅につき異なる波形を提供するように、順次に挟み込まれて(インターリーブされて)よい。複数の波形を、同時に発生することができる。
【0031】
波形の重畳又は加算方法を、例えば、トランスデューサー入力における矩形波形及び鋸波形を結合するために供することができる。波形制御出力は、複数のトランスデューサーに同時に適用することもできるし、或いは異なるトランスデューサー要素間での順次動作を許すように分割され又同期されてもよい。タイミング発生器及びEEPROMは、薬物特異的な送達シナリオをメモリー内に格納する役目を果たすことができる。例えば、基礎タイミングシーケンス及び投薬(bolus)タイミングシーケンスをプログラムし、格納し、そして読み出して、実行することができる。これによって、特定の薬物送達動作において、トランスデューサー又はトランスデューサーアレイを制御する。
【0032】
又、動作のパルスモード又は連続モードを選択することができる。更に、薬物送達シーケンスの間の任意の時間に対象の皮膚を通して導かれ得る電気信号をも提供することができる。電気信号は、例えば、1〜20V(ボルト)の範囲内のいずれになるようにもプログラムすることができる。電子制御ユニットは、ポータブル性及び使用容易性のために、電池によって駆動することができる。
【0033】
本発明の一態様によると、薬物吸収のために用いられる皮膚の領域、即ち、輸送部位を変更するように、1つのアレイに構成された複数のトランスデューサーを使用することができる。
【0034】
本発明の一態様によると、超音波刺激を用いる医薬作用物の経皮的送達は、患者に対する治療的量の薬物の送達の目的にて、可変周波数及び強度を使用して向上させることができる。それを通して薬物が送達される、脂肪の含有量及び特定の患者の組織の重量のような可変量によって、効果的な投薬計画を得るために使用される周波数及び強度の要求は変化し得る。
【0035】
本発明の一態様によると、送達されるべき物質及び/又は種々の化合物のカプセル封入(エンキャプシュレーション)は、それらの浸透性を増大させることができ、そして、例えば、薬剤の遅い時間での放出を可能にする。本発明の一態様によると、賦形剤を用いて、角質層を通した輸送及び血流内への吸収を向上させることができる。薬物のようないくつかの物質は、薬剤の局所適用のためにこの方法を用いて適用することができる。
【0036】
図1を参照すると、着用可能な非侵襲性の超音波経皮的薬物送達システム10が示されており、これは経皮的送達装置、即ち、パッチ2の上に直接配置された超音波アプリケーター(印加器)1を有する。アプリケーター1及び/又はパッチ2は、患者の皮膚3の外側に、粘着剤及び/又はストラップ4を用いて取り付けることができ、これは超音波アプリケーター1及びパッチ2を所定の位置に保持する。超音波アプリケーター1のための電力は、例えば再充電可能であってよい各電力セル12によって供給され、これは、例えば、ストラップ4自体内に配置することができる。或いは、電源は、超音波アプリケーター装置1自体に内蔵させるか、又は任意の従来の外部電源によって供給することができる。
【0037】
図1は、患者の腕の上にあるアプリケーター1、パッチ2及びバンド4を示す。しかし、本発明に従うシステムは、患者の胸部(例えば、ニトログリセリン薬物送達の場合のように)、腹部(図2中に示すような腹部6)、又は医療関係者の管理する薬物処置計画によって決定される患者の身体のその他の任意適当な部分の上に配置することができることを理解されたい。その他の身体配置としては、限定されるものではないが、例えば、首、背中及び脚が含まれる。図2は、経皮的パッチ2の上に直接貼付され、患者の露出した皮膚3の上に保持された超音波アプリケーター1を示す。ここでは、トランスデューサー4は、直接経皮的パッチ2に接触して配置され、この場合には患者の腹部3に貼付されている。
【0038】
図3は、ヒトの皮膚の構造を示す。基本的に、皮膚を通して血流内に至る以下の3つの経路がある。1)角質層を破る、2)皮膚内の孔を通して医薬作用物を通過させる、3)毛根へと毛包に沿って皮膚を通して医薬作用物を通過させ、そしてそこから、毛根の基部に位置する血管網内へと通過させる。
【0039】
図10を参照して、本発明の一態様によると、物質を、生存対象10の表面を通して生存対象10内へと、少なくとも1つの超音波信号発生装置を前記少なくとも1つの物質及び前記対象100に近接して貼付することによって、送達することができる。少なくとも1つの超音波信号を、少なくとも物質に、前記表面を通した前記対象内への前記物質の少なくとも一部の移動をもたらすように、前記超音波信号発生装置を用いて印加200することができる。少なくとも1つの印加される超音波信号は、少なくとも矩形波形部分及び鋸波形部分を含んでいてよい。
【0040】
本発明の一態様によると、経皮的薬物送達は、患者の皮膚上の孔及び毛包系に関連した薬物経路を利用することによって提供することができる。より詳細には、本発明の一態様によると、送達される超音波の、超音波周波数、強度レベル及び/又は波形力学(ダイナミクス)を、直接角質層を通すのではなく、第1に毛包経路を通し、第2に皮膚表面の孔を通す薬物送達を利用するように調整する。なぜなら、角質層を貫通するのに必要とされるエネルギー量は、過度となり又潜在的に脂肪組織を損傷するものとなり得ると考えられるからである。
【0041】
本発明の一態様によると、交替波形の使用を通して、皮膚の表面に伝達されるエネルギー量を最小化することができ、一方で皮膚上に圧力波効果をも提供して、毛包及び孔系を通した薬物送達を強化することができる。図7を参照して、本発明の一態様によると、鋸波から矩形波への波形交替に依存する超音波波形が利用される。このような波形の振幅及び強度は、経皮的パッチ内に含まれる薬物の均一化及びパッチ内の活性医薬物質の粒(beadlet)サイズの小型化と、皮膚を通した薬物輸送との両方を助ける。鋸歯形状の入力から生成する超音波波形の短い、先のとがった部分は、薬物物質に破壊的な周波数及び空洞形成(キャビテーション)を与えることなく、薬物の均一化を助ける。矩形波形への変換によって、超音波伝達は、毛包及び孔を取り巻く脂肪組織をマッサージして、又開かせるように作用する。経皮的パッチから浸透する薬物は、好ましくは、単量体型であり且つ/或いは小滴サイズの減少されたものであって、約50オングストローム以下である。これにより、該薬物を皮膚を通して通過するのに、より適した寸法とする。矩形波形は、孔を通し、又毛包に沿って薬剤を「押す」のを助け、こうして薬物は、毛根へと進み、又血管網における血流内に直接進む。
【0042】
本発明の一態様によると、矩形波形部分から生成し輸送部位を打つ超音波信号の部分の周波数及び強度は、約125mW/cm〜約225mW/cmにて約20kHzであってよく、一方鋸波形部分から生成する超音波信号の部分の周波数及び強度は、約125mW/cm〜225mW/cmにて約20kHzである。更に、各波形は、例えば、他方に移行する前に約100ミリ秒間供給することができる。
【0043】
薬物のような物質の経皮的送達20を超音波により強化又は促進するために、経皮的パッチ2は、超音波アプリケーター1と共に働くように設計することができる。同一出願人による同時係属出願である、「物質送達システム」と題される本願と同日に出願された米国特許出願(出願番号未付与)を参照する。この文献の全開示を、参照により本明細書に援用する。要約すれば、この出願は、本発明と組合せて使用するのに適したパッチについて記載しており、読者は、それに関するより詳細な分析のために、この出願を検討されたい。特に、アプリケーターとパッチとの接触は、好ましくは、効果的な音響エネルギーの伝達を促進する。材料及び粘着剤の選択は、トランスデューサーから経皮的パッチを通した、超音波伝達の強度及び出力を維持するために重要である。本発明によって強化される薬物送達に適した多くの活性医薬物質のうちの1つであるインスリンは、大きな分子サイズを有し、又一般に約50オングストロームを越える6量体を形成し、皮膚の孔を通して浸透させるのが困難である。更に、インスリン分子は、貯蔵されると、又亜鉛により塊になり易い。従って、パッチ内に貯蔵されたインスリンは、より大きな薬物塊サイズにさえ集合し易く、更に皮膚輸送可能性を低減させる。
【0044】
この問題を緩和するのを助け、薬物を皮膚輸送に足りるほど十分に小さいサイズに維持するために、超音波信号は、鋸波形から矩形波形への刺激を用いて、時々交替することができる。しかし、勿論、例えば交替する与えられた平均パワーを有するその他の変化する波形を利用することができることを理解されたい。それでもなお、例示の目的で、図7は、1つ若しくはそれ以上のトランスデューサーを駆動してパッチ内の薬物を均一化するために鋸波形(比較的低い平均パワーのもの)が用いられる交替波形を示す。これは、超音波波形刺激が矩形波形(比較的高い平均パワーのもの)に切り替わった際に増大された皮膚輸送をもたらす。関連技術分野における通常レベルの技術を有する者は容易に理解される如く、鋸波形部分は、短期間の圧力振幅を伴って短期の高エネルギーをもたらし、標的の医薬物質に対して振動効果をもたらす。この振動は、低い加熱可能性を伴って、パッチ内の薬物の混合又は均一化効果を有し得る。従って、鋸波形部分によって、より小さい粒(beadlet)サイズを可能とすることができる。
【0045】
従来の角質層を通した経皮的物質送達経路は、薬物の初期量が皮膚を通して浸透することを可能とするが、皮膚上の同じ位置に対してより長期にわたり超音波が印加されると送達速度は下降し、或いはゼロまで減少することがある。これは、皮膚の表面の同じ部位に印加される超音波は、長期間に渡って継続されるべきでないことを暗示する。従来技術における、角質層を破ろうとする1つ若しくはそれ以上の試みは、時間が絶つと、最終的に空洞形成により表皮内に含まれる脂肪組織を過熱させ、結果的にこの皮膚層内の脂肪混合物の密度変化をもたらすことによって、機能しなくなると考えられる。このような密度の増加は、皮膚を通した更なる薬物浸透を遅らせ得る。
【0046】
図4Aは、本発明の一態様に従って利用することのできる、シンバル型の超音波トランスデューサー40の設計を示す。シンバルトランスデューサー40は、ピエゾキネティクス コーポレーション(Piezokinetics Corp.)(ベルフォンテ、ペンシルベニア州)から入手可能なPZT4のような圧電性ディスク41を有し、この圧電性ディスク41は、例えばチタン箔で構成されたものであってよい2つの金属キャップ42に接続される。図4Aは、圧電性ディスク41と各端部キャップ42との間に中空の空隙43があることを示す。各端部キャップ42は、非導電性の接着剤44によって圧電性ディスク41に接続され、トランスデューサー40に対して接着された層状構造を形成する。シンバルトランスデューサーは、ポータブルな超音波薬物送達装置に好適な、薄く、コンパクトな構造を提供する。更に、このようなトランスデューサーは、電力から音響的に放射される力への十分な変換効率を提供する。このようなトランスデューサー設計はまた、電池により電力を供給でき、しかも小型、且つ、軽量とする可能性を提供する。
【0047】
図4Cは、本発明の一態様に従って利用することのできる、積み重ねられたシンバル型の超音波トランスデューサー40を示す。積み重ねられたトランスデューサー構造においては、より高い強度の超音波信号を利用することができる。1998年3月17日に発行された「金属−電気活性セラミック混合物トランスデューサー」と題される米国特許第5,729,077号(ニューナム(Newnham)ら)は、所定の周波数レベルを維持する一方で超音波強度を増大させるために、基本的にトランスデューサー群が互いの頂部にて取り付けられた、積み重ねられたトランスデューサー群を使用することを開示している。この文献の全開示を、参照により本明細書に援用する。積み重ねトランスデューサー構造は、トランスデューサーシステムの電力利用率を向上させる一方で、強度を増大させるために使用することができる。
【0048】
図5Aは、使用可能なトランスデューサーの寸法設定を例示しており、それは直径約0.5インチ(1.27cm)とすることができる。このような比較的小さいサイズのトランスデューサーを用いることによって、トランスデューサーを例えば、経皮的パッチの寸法内にフィットさせることができる。更に、この小さいサイズは、トランスデューサーの重さをより軽くする可能性を与え、これによっても本発明のポータブル性を助ける。トランスデューサー要素50は、電力ケーブル51に取り付けられたシンバル型構造のものである。トランスデューサー要素50は、成型、被覆、及び/又は接着に適した、例えばウラライト(Uralite)樹脂のようなポリウレタン材料で構成された、ポリマーハウジング52内に被覆されている。これは、2つの金属キャップ42(図4A参照)間の短絡を避け、音波伝達のための音響的結合を提供するために使用される。
【0049】
図5Bは、「シンバル」型トランスデューサー要素を用いて可能な寸法を示す。シンバル型トランスデューサー設計は、本発明に対して、限定されるものではないが、以下のものを含むいくつかの利点を提供する:小さい表面積を伴うコンパクトな構造;低い共振周波数での高い音響圧力及び高い音響強度;高効率で、システムの必要とする駆動電力をより少なくする;高い空洞形成閾値(即ち、患者の皮膚組織の角質層内の気泡を発生させるのに要する強度)を避けるための低い共振周波数の使用。空洞形成閾値は、印加される周波数に反比例し、トランスデューサーの低い共振周波数を選択することで、皮膚の表面に印加されるより低い音響圧力及び経皮的薬物送達をもたらすことを可能とする。
【0050】
シンバルトランスデューサー一般に関するより完全な議論のためには、読者は、以下の米国特許文献を参照されたい:1991年3月12日に発行された「変更されたストレス方向の音響トランスデューサー」と題される米国特許第4,999,819号(ニューナム(Newnham)ら)、1994年1月4日に発行された「金属−電気活性セラミック混合物アクチュエーター」と題される米国特許第5,276,657号(ニューナム(Newnham)ら)、及び上述の米国特許第5,729,077号(ニューナム(Newnham)ら)。これらの文献の全開示を、参照により、それぞれの全体が記載されているが如くに、本明細書に援用する。
【0051】
図6は、基礎構造上又はポリマーハウジング62内に封入されて、パターン(若しくはアレイ)として配列された1つより多いシンバル要素61を有するアレイ60を示す。アレイは、例えば、2×2アレイ若しくは3×3アレイのような、任意の適当な形態をとることができる。各シンバル要素61は、一連の電気的接続63によって、並列に接続することができる。アレイ60は、ここでも例えばウラライト(Uralite)で構成されたものであってよいポリマー注封(ポッティング)材料62中に封入することができる。このようなアレイは、経皮的パッチによる薬物送達をもたらすのに十分な力を備えた、ポータブルな、電池によって電力が供給される、超音波伝達を可能とする。
【0052】
本発明の一態様によると、図6に示されるような音波アプリケーター1は、複数のトランスデューサー、即ち、複数の輸送部位にて超音波信号を伝達することができる。トランスデューサーアレイの1つ若しくはそれ以上の要素の活性化は、トランスデューサーから他のトランスデューサーへと順次に、例えば任意に各トランスデューサー要素間で異なる波形、周波数、振幅及びデシューティーサイクル(負荷周期)を用いて行うことができる。これは、皮膚の輸送部位を連続的な超音波ストレスから好都合に解放し、超音波皮膚輸送エネルギー操作における増大された可変性を提供するのに役立つと考えられる。各トランスデューサーは、タンデム式に、一緒に送波するように作動することができる。
【0053】
図6に示されるようなトランスデューサーアレイは、皮膚上で作動するアレイの複数のトランスデューサー要素61からの超音波伝達を提供することによって、皮膚表面に沿った薬物経路部位の展開を提供する。トランスデューサー要素群61は、例えば、同時に又は順次に活性化することができ、パッチを通し、又皮膚表面上の異なる複数の部位を通して超音波を伝達する。更に、適用される信号の周波数、強度及び/又は波形を、アレイ60内の各トランスデューサー要素61にて変更することができる。この変化(差異)は、結果として、例えば、ポータブルなシステムの、増大された効率、強化された電力利用率及び電池の寿命の延長をもたらす。加えて、トランスデューサー要素群61を交替することは、薬物を経皮的パッチのポケット内で均一化された状態に保つことを助け、又皮膚が超音波の過度の周波数に対して暴露し過ぎないことを確実にすることを助ける。
【0054】
2つ若しくはそれ以上のトランスデューサー、例えば、シンバル型のものは、薬物を複数の皮膚輸送部位を通して押すのを助ける。トランスデューサーアレイは更に、皮膚損傷を低減し、効率及び伝達される音響強度を向上させることができる。例えば、トランスデューサー活性化シーケンスを交替することによって、皮膚労作を緩和することができ、又各皮膚輸送部位に関するより長い寿命を確保することができる。
【0055】
本発明に従う超音波の適用は、種々の形態の物質又は薬物の送達において、イオン導入法、つまり、皮膚に対して印加される電流の適用と併用することができる。超音波は、例えば、イオン導入法と共に又はイオン導入法の適用に対する前処理として適用することができる。本発明の方法及び装置との組み合わせにおいて、イオン導入法及び/又は電気穿孔法を、皮膚を通した分子輸送を強化するために用いることができる。本発明の一態様によると、化学的強化剤のような化学物質をも、物質輸送を強化するために用いることができる。
【0056】
本発明は、薬剤若しくは薬品、栄養補給剤、又は対象、例えば、ヒト患者に対して適切なその他の任意の物質のような、広範な物質の送達を強化するために用いることができる。以下により詳細に記載するように、例えば、薬剤は、経皮的に(transdermally)、皮膚を通して(transcutaneously)、管腔内に(intralumenally)、又固体組織部位内に送達することができ、これら全てのケースにおいて、下にある若しくは取り巻く組織内への薬剤若しくはその医薬活性部位の吸収は、超音波若しくは音波エネルギーの適用によって音響導入法的に強化される。物質、又は例えば薬剤は、如何なる従来の形態をとってもよく、それには液体、ジェル、多孔性リザーバ(貯蔵部)、挿入物などが含まれる。又、薬剤若しくはその医薬活性部位は、現状の処置若しくは緩和、又は患者のその他の状態の予防若しくは阻止を意図するものであってよい。薬剤の効果は、抗腫瘍処置の提供のように局部的なものであってもよく、或いは全身的なものであってもよい。好適な薬品は、例えば、皮膚及びその他の身体表面を通して或いは固体組織内へと普通に送達されると考えられる広範なクラスの化合物を含む。
【0057】
一般的に、このような薬剤は、以下のものを含むか若しくは組み込み得る:抗生物質及び抗ウィルス作用物のような抗感染薬;鎮痛薬及び鎮痛薬の組合せ;食欲減退物質;駆虫薬;抗関節炎薬;抗喘息作用物;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗糖尿病作用物;下痢止め(止瀉薬);抗ヒスタミン薬;抗炎症作用物;抗偏頭痛調製物;抗悪心薬;抗新生物(腫瘍)薬;抗パーキンソン症候群薬;かゆみ止め(止痒剤);抗精神病薬;解熱薬;鎮痙薬;抗コリン作用薬;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;カリウム及びカルシウムチャンネル遮断薬、ベータ受容体遮断薬、及び不整脈治療剤を含む心血管用調製物;抗高血圧(症)薬;利尿薬;全身冠動脈、末梢性及び脳性の血管拡張薬;中枢神経系興奮薬;充血除去薬を含む咳及びかぜ用調製物;エストラジオール及び他のステロイドのような、コルチコステロイドを含むホルモン;催眠薬;免疫抑制薬;筋肉弛緩剤;副交感神経遮断薬;精神興奮薬;鎮静薬;及び精神安定薬。本発明の方法によって、イオン化及び非イオン化状態の両方の薬物を送達することができ、その薬物は、高分子量又は低分子量の何れのものであってもよい。
【0058】
蛋白質性の薬物及びポリペプチドの薬物は、本発明と関連して使用するのに適した薬物の一部類を代表する。関連技術分野において通常の技術を有する者にとっては明白なように、このような薬物は、例えば、これらが多くの場合胃腸管(消化管)内で破壊されるか或いは肝臓内で代謝されるという点で、一般に経口的には投与することができない。更に、ほとんどのポリペプチド薬物は高分子量であるために、従来の経皮的送達システムは、一般に効果的ではない。
【0059】
本発明において用いるこができ、又例えば経皮的パッチ内に含ませることのできる医薬又は栄養化合物の代表的な例は、限定されるものではないが、以下のものを含む:アセトアミノフェン、抗生物質、アスピリン、コルチコステロン、エリスロマイシン、エストラジオール、イブプロフェン、インスリン、ニトログリセリン、ニコチン、プロゲステロンのようなステロイド、エストロゲン、ビタミン。
【0060】
栄養補給、薬用又は医薬用途のための医薬又は栄養化合物のようなその他の物質を利用することができる。又、それに対する皮膚の浸透性が比較的低く、或いは長い遅延時間を引き起こし得る薬物のような物質と共に、本発明の方法及び装置を用いることも望ましいだろう。本明細書にて記載される超音波の適用は、ほとんどの薬物の経皮的投与に伴う遅延時間を著しく低減することができると考えられる。
【0061】
本出願人は、多くの薬物は、塩水又は酢酸塩組成物のような賦形剤バインダー流体内に浸して、注射可能とすることができることに注目した。例えば、インスリンは、多くの場合酢酸塩混合物中に入れられる。賦形剤溶液を交替することによって、パッチのポケット内での経皮的輸送及び均一化効果を、超音波の適用と関連して加速及び強化することができる。例えば、金属又は塩の含有量の高い賦形剤溶液は、薬物と超音波との間の相互作用を強化することができる。高強度での超音波、或いは低強度でも空洞形成を生起するような超音波の影響は、インスリンのような多くの薬物物質に対して有害な影響を有する可能性があり、その場、合蛋白質が、過度の超音波又は空洞形成周波数及び強度によって変質又は損傷されることがある。例えば、従来の手法に従って選択される適当な賦形剤キャリア(担体)溶液を用いることによって、活性薬物のような物質は、皮膚輸送の後に生物活性のままであるように、その物質に対する損傷を緩和することができる。
【0062】
以下の非制限的な例は、本発明の特定の実施態様の明快な理解を与える目的で提供する。
【0063】
本発明の一態様によると、シンバルトランスデューサーは、以下のように構成することができる。圧電性セラミック材料は、直径0.5インチ(1.27cm)、厚さ1mm(PKI402)(SD 0.500 −0.000 −0.040 −402)のPZT4ディスクの形態をとることができる。これは、例えば、ピエゾ キネティクス インコーポレイテッド(Piezo Kinetics Inc.)(ミル ロード アンド パイン ストリート,ピー オー ボックス 756,ベルフォンテ ペンシルベニア州 16823(Mill Road and Pine St., PO Box 756, Bellefontte PA 16823))から入手可能である。各チタンキャップは、アルファ アエザー,ア ジョンソン マッテーイ カンパニー(Alfa Aesar, A Johnson Matthey Company)(30 ボンド ストリート,ワード ヒル,マサチューセッツ州 01835−8099,アメリカ合衆国(30 Bond Street, Ward Hill, MA 01835−8099, USA.))から入手可能な、アルファ アエザー(Alfa Aesar)、チタン箔、厚さ0.25mm、金属基礎材料5%、商品番号10385であってよい。接着層材料は、エマーソン アンド カミング(Emerson & Cuming)(46 マニング ロード,ビルリカ,マサチューセッツ州 01821(46 Manning Road, Billerica, MA 01821))から入手可能な、エッコボンド(Eccobond)45LV+触媒(キャタリスト)15LVの形態をとることができる。シンバルトランスデューサーと共に用いるのに適当な低温ハンダ付け材料は、ジ インジウム コーポレーション オブ アメリカ(The Indium Corporation of America)(1676 リンカーン アベニュー,ユーティカ,ニューヨーク州 13502(1676 Lincoln Ave., Utica, NY 13502))から入手可能な、より線(ストランドワイヤー)[インダロイ ソルダー(Indalloy Solder)番号1E、直径0.30インチ(0.762cm)×長さ3フィート(91.44cm)を含む。ワイヤーは、アルファ ワイヤー コーポレーション(Alpha Wire Corporation)から入手可能な、ゲージ/AWG:30、カタログ番号(ディジキー(Digikey)):A3047B−100−ND、注記:最高温度:80C、導線のストランド:7/38、電圧範囲:300V、導線番号:1]の形態とすることができる。ポリマーハウジングは、HB フラー カンパニー(HB Fuller Company)から入手可能なウラライト(Uralite)FH 3550 パートA/Bで形成することができる。使用するエチルアルコールは、好ましくは、約200プルーフであり、又ファインスケール(細目)サンドペーパーを利用した。
【0064】
図4Bを参照すると、チタン箔は、例えば、直径10.7mmの丸鋸を用いていくつかのディスクに打ち抜かれたダイカットチタン箔であってよい。伝統的に理解されるように、各ディスクの一方の側面は、各エッジを伴って生成し、これらのエッジは、サンドペーパー(ファインスケール)にて除去することができる。次いで、各ディスクを研磨することによって生じた塵を除去するために、アルコール浴を用いることができる。次いで、各ディスクは、高圧(12000Torr(トル)≒1.6MPa)造形機器(側面を磨き上げられた)内に配置することができる。この工程は、例えば、各ディスクを図2に示される寸法へと造形するために、特注の押抜(パンチ)ダイを用いて行うことができる。生成した粗い各エッジは再び研磨することができ、そして研磨されたディスクは、塵を除去するために再びアルコール中に浸される。このディスクは、アルコール及び塵を除去するために拭き取ることができる。
【0065】
キャップの厚さは、従来の手法を用いて測定することができる。適合した若しくは実質的に適合した厚さを有するキャップ同士を、一緒に組み合わせることができる。2つのキャップ間の僅かな違いが、シンバル内にスプリアス(偽り)の共振を生起することがあるので、この工程は厳密としてよい。
【0066】
圧電性ディスクセラミック(ピエゾディスク)は、アルコールで清浄化することができる。次いで、エポキシ接着剤を、ピエゾディスクセラミックの両側面上に、例えば、Tシャツのスクリーンプリントと同様の工程を用いてスクリーンプリントすることができる。エポキシの環を、各キャップを各ディスクに接着するために生成することができる。この環は、スプリアスの共振を避けるために、厳密、且つ、一定としてよい。
【0067】
次いで、各シンバルをセラミックディスク上に配置することができ、そして、その複合構造体をプレス中に配置する。このプレスは、所定の位置、例えば、いくつかのシンバルが所定の位置に保持される工具に、形成されたシンバルを正しく保持することができる。次いで、プレスされた、複合構造体は、例えば、オーブンを利用して約70℃で4時間加熱することができる。次いで、ワイヤー群を、約270℃の最高温度を用いて、例えば、1つ(1ピース)当たり4点の電気接触点でハンダ付け(45)することができる。
【0068】
上述の手順によって製造されたトランスデューサーは、標準構造のものと呼ぶこととする。積み重ね構造のトランスデューサーを形成するために、2つ若しくはそれ以上のトランスデューサー40を、図4Cに示すように、互いの頂部に直接配置し、一緒に取り付けることができる。アレイを形成するために、トランスデューサー群は、例えば、単一要素の形態又は積み重ね構造の形式のいずれにおいても、図6に示されるように、ポリマー又はエポキシ接着性材料内にて、一般に、電気的に並列に接続することができる。
【0069】
一連の物理的試験を、概略を上述した工程によって製造された単一要素シンバルトランスデューサーを用い、又超音波及びトランスデューサーの業界にとって一般的な標準的分析手順を用いて実施した。単一要素トランスデューサーは、下記の2つの範囲(レンジ)内の超音波伝達を生起する高効率システムである。
【0070】
Figure 2004518455
【0071】
Figure 2004518455
【0072】
図6を参照して、一連の物理試験を、概略を上述した工程によって製造されたシンバルトランスデューサー要素群のアレイを用い、又超音波及びトランスデューサーの業界にとって一般的な標準的分析手順を用いて実施した。単一要素トランスデューサーは、下記の2つの範囲(レンジ)内の超音波伝達を生起する高効率システムである。
【0073】
Figure 2004518455
【0074】
Figure 2004518455
【0075】
シンバル群の異なる配向、及び標準アレイ及び積み重ねアレイの組合せを有する各アレイを、効率を増大させるために、又薬物の効果的な送達を向上させるために用いることができる。
【0076】
トランスデューサーアレイからの交替周波数出力を得ることができる。各試験において、標準構造及び積み重ね構造の9個の単一要素を用いるアレイは、約20kHz〜約100kHzで変化し得る周波数出力を生成した。超音波伝達は、より低い周波数範囲、即ち、約25kHzにおいて、40、60又は80kHzと比較して最も均一であることが分かった。これらのより高い周波数においては、超音波伝達は不規則であることが分かった。全てのケースにおいて、トランスデューサーは、純粋な正弦波形に応答して発信することができ、又は図7に示すような鋸波形及び矩形波形を含む混合波形に変換され得るように作製することができた。これらの試験において、超音波ドライバー回路、例えば、周波数発生器は、鋸波形を100ミリ秒伝搬し、その後直ちに矩形波形を、再び鋸波形に戻って繰り返す前に100ミリ秒伝搬するように設定された。
【0077】
単一要素に構成されたものであっても、アレイとして構成されたものであっても、標準構造又は積み重ね構造のいずれのトランスデューサーも、低電力使用にて作動する。例えば、図1及び図2に示されるような、最終的な薬物送達装置のポータブルな性質が、患者により着用される本発明のシステムによって達成される。従って、再充電可能な電池のようなポータブルな電源を、超音波システムを駆動するのに用いることができる。結果として、本発明の一態様によると:1)トランスデューサーを駆動するために、例えば、標準的な市販の電池電源からの低電力が用いられ;そして、2)少なくとも1日中連続して電力が供給される、長期間の電力供給が提供される。
【0078】
各試験は、20kHzの周波数及び変化する強度レベルにて作動するように設定され、標準的な「A」又は「C」型の電池によって電力が供給される、9要素標準シンバル設計アレイを用いて実施された。200mW/cmの強度レベルでの、トランスデューサーアレイに対する連続した一定の使用法でもって、25時間の有効な電力寿命が得られた。勿論、例えば、「9V(ボルト)」型の電池のような、その他の適当な電源を使用することができる。
【0079】
このように、使用されるトランスデューサーは、超音波信号を駆動するように、又低い電池消耗率を示し、それによって電源の寿命を延長するような電力利用の効率を有するように、有効に電池によって電力を供給することができる。従って、超音波薬物送達を用いるポータブル或いは着用可能な超音波薬物送達システムは、本発明に従って使用することのできるトランスデューサーと一緒に、従来の電池電源を利用することが可能である。
【0080】
本発明に関連して議論した活性医薬物質に対する超音波信号の効果を試験した。高強度及び高周波数の超音波は、薬物内の空洞形成効果を誘導し、温度上昇及び薬物分子の減成(悪化)をもたらす可能性がある。インスリン(エリ リリー カンパニー(Eli Lilly Company)により供給されるヒュームリン・レギュラー(Humulin Regular))を、20kHzの周波数及び125mW/cmの強度レベルに設定された上述のトランスデューサーの積み重ねアレイから発生された超音波に、連続した1時間、8時間及び11時間の露出にてさらした。インスリンは、水を収容したハイドロホン(水中聴音器)タンク内のプラスチックポーチ内に入れ、超音波露出の間中攪拌した。処理されていないが1時間、8時間及び11時間にわたりポーチ及びタンク内に入れられた対照サンプルも作製した。各サンプルは、独立した分析に供した。全てのサンプルは、未処理のインスリンからの、インスリンの変化を示さなかった。
【0081】
図8Aは、対照サンプルのHPLCスキャン(走査)を示し、ヒュームリン・レギュラーのインスリン又は賦形剤溶液のいずれの減成(悪化)をも示していない。図8Bは、8時間超音波処理されたサンプルのHPLCスキャンを示し、ここでもまた、8時間もの連続露出後でさえ、超音波処理されたヒュームリン・レギュラーサンプルのインスリン又は賦形剤溶液のいずれの減成も無いことを示している。
【0082】
従って、本発明に関連する超音波伝達(例えば、低周波数、低強度及び交替波形)への露出の結果として、インスリン分子に対しては如何なる損傷をも引き起こさないことが明らかである。
【0083】
4要素トランスデューサーを、1個のアレイシステム(アレイ番号1)中の4個の標準シンバル要素トランスデューサー及び他のシステム(アレイ番号2)中の4個の積み重ねシンバル要素を用いて製造した。標準アレイであるアレイ番号1は、20kHzの周波数及び125mW/cmの強度レベルにて動作するように設定した。積み重ねアレイであるアレイ番号2は、20kHzの周波数及び225kW/cmの強度レベルにて動作するように設定した。
【0084】
その中にヒュームリン・レギュラーインスリン(エリ リリー カンパニー(Eli Lilly Company)により供給される)が挿入されるリザーバ(貯蔵器)の底端部に、これらのトランスデューサーアレイを取り付けた。100ccのインスリンの全部を加えて、100ユニットのインスリンを各試験のために提供した。
【0085】
10匹の試験用ラットを集め、麻酔した。ヒトの場合に存在するのと同様の配置に近い皮膚領域を生成するために、各ラットの腹部の毛を剃った。トランスデューサーアレイをラットの皮膚表面上に直接配置し、粘着剤を用いて皮膚に接着した。2つのグループの試験用ラットを集めた。第1のグループ(グループ1)は超音波伝達に供し、一方第2のグループ(グループ2)は超音波を受けなかった。第2のグループ(グループ2)においては、トランスデューサーアレイはインスリンと共に装着し、そしてインスリンをラットの皮膚の表面上にプールさせたが、積極的な超音波伝達はしなかった。
【0086】
次に、周波数発生器を、パルス状の超音波伝達を伝搬するために用いた。このパルス状の超音波伝達は、100ミリ秒のパルス群を、1秒当たり1パルスのパルス割合で、10%のデューティーサイクル(負荷周期)でもって、1時間用いた。
【0087】
グループ1及びグループ2の動物群の両方を、120分間試験した。血液サンプルを、各動物から、標準的な調査手順に従って、初めの1時間は30分毎に、その後も1時間毎に採取し、グルコースレベル(濃度)及びインスリンの存在について分析した。グループ1の動物群は、60分間超音波に露出させ、その後残りの試験期間は超音波は停止した。両方のグループにおけるグルコースレベルを、120分の期間を越えて観察した。
【0088】
図9は、これらの試験の結果を、実施された多くの試験にわたって集計されたデータの平均でもって示している。特に、このデータは、超音波で処理されたグループ1の動物群、及び処理されていないがインスリンはブランクのアレイ(トランスデューサーを有しない)内に配置されて皮膚の表面上に配置されたグループ2の動物群のグルコースレベルの平均に関するものである。0分の時点、つまり超音波が活性化される前においては、両方のグループは、同様の初期グルコースレベルを有する。30分及び60分の時点において、グループ1の動物群はグルコースレベルの著しい減少を示し、一方グループ2の動物群はグルコースレベルの低下を示さなかった。60分の時点において超音波を停止し、各動物を更に60分間モニターした。グループ2の動物群は、インスリンが皮膚を通して吸収されなかったため、グルコースレベルの減少を示さなかった。活性超音波伝達の間にそれらのグルコースレベルが低下し、超音波が皮膚を通したインスリンの浸透を可能とすることを示しているグループ1の動物群は、超音波の停止によってそれらのグルコースレベルが上昇することが観察された。
【0089】
120分の時点において、グループ1の動物群が、それらのグルコースレベルの先の超音波前レベルまでの上昇を示す一方で、グループ2の動物群は如何なる減少をも示さない。この試験は、インスリンが、各トランスデューサーアレイから発生された超音波によってのみ、又活性超音波の存在によってのみ、皮膚を通して浸透されることを示した。これらの試験はまた、皮膚上に配置されるか又は経皮的パッチによって送達されるインスリンが、それ自体では皮膚を通して浸透しないことを確認した。これらの試験はまた、本明細書に記載されるトランスデューサー設計の、超音波強化経皮的薬物送達を提供する効果的な手段としての妥当性を確認する。
【0090】
これらのテストはまた、ポータブルなトランスデューサー群によって経皮的に送達されたインスリンが効果的にグルコースレベルを低減させ得ることを示した。この結果は、インスリンが角質層を通して吸収されないことを示すばかりでなく、血流内に有効な形態にて吸収されてグルコースを低減させるその代謝効果を引き起こし得ることをも示す。
【0091】
試験された各ラットの皮膚の特徴の検査は、トランスデューサー群から発生された超音波の適用後に、皮膚表面への損傷、変色又は異常な裂け目がないことを示した。
【0092】
本発明の装置は、限定されるものではないが、以下を含む一定の薬物送達機能を提供する:患者の皮膚表面に対して経皮的に印加される超音波の使用による非侵襲性薬物送達;経皮的パッチ内に含まれる薬がより容易に皮膚層群を通して患者の血流内へと吸収されるようになるような、皮膚を通した浸透/吸収の強化;生成した超音波処理薬物を、より容易に患者の皮膚層群を通して吸収され得るようにするための、経皮的パッチ内に含まれる医薬作用物の均一化及び粒(droplet)サイズの低減。本発明の方法及び装置は、インスリン及び種々のホルモン薬のような、投与し難い薬物に対して特に好適であろう;本発明の装置は、患者により着用可能であって患者に同行することができ、又処置の移動性を提供するように再充電可能な電池を使用することができる。
【0093】
又、本発明のいくつかの要素は、限定されるものではないが、以下を含む点で注目に値する。(a)患者に同行する、ポータブルで、且つ、着用可能な超音波薬物送達装置を提供することができること。(b)角質層を破るのとは対照的に、毛包及び皮膚の孔での送達を含む薬物送達経路を用いること。経皮的パッチの薬物ポケット内に含まれる薬物は、皮膚の孔又は毛包を通した、又患者の筋肉内への音波伝達によって助けられて、最終的に患者の血流内へと浸透することができる。この経路によるアプローチは、皮膚損傷の危険を低減することができ、又より低い超音波周波数及び強度を使用することを可能とする。(c)皮膚上の1つより多い部位での超音波皮膚輸送を可能とし、効果的な皮膚輸送に対しより多い機会を与え、1つだけの送達部位に無理をかけ過ぎることを避けることのできるトランスデューサーアレイを用いること。複数のトランスデューサーの使用は、複数のトランスデューサー要素にわたるタンデム式の薬物輸送を提供し、又アレイ中のトランスデューサー要素群の順序付け(シーケンシング)を可能として、そこでトランスデューサー群が超音波の異なる周波数及び強度レベルにて動作可能であることによって、標的活性医薬作用物の最大の皮膚輸送を促進するために多様な処置効果を提供することができる。(d)ポータブルで、着用可能な超音波薬物送達装置においてトランスデューサー群のアレイを用いることにって、特に、シンバル型トランスデューサー群を利用することによって、高電力利用率を提供することができ、又皮膚上の過度の空洞形成の悪影響を避けるのを助けることができる。アレイの使用は、再充電又は交換のサイクルの間の数日間にわたり、装置を機能させることのできる十分な電力を供給して、長期間の電池供給を可能とすることを助けることができる。再充電可能な電池電源の使用は、例えば、装置のストラップで収容される電池群を使用することによって、例えば、患者に対する完全な移動性及び装置の数ヶ月を超える循環使用のための信頼しうる電力供給を提供することができる。(e)本出願人は更に、音波及び超音波の範囲の両方における伝達の使用を、皮膚又は粘膜を通した最適な輸送の達成に結びつけることができることに注目する。(f)従来技術にて見られる数時間とは対象的に、適当な用量の薬物を、皮膚を越えて数分で送達すること。(g)約20kHz〜約100kHzの低周波数超音波を、交替波形(例えば、鋸波から矩形波への)を伴って、シンバル型トランスデューサーを用いて使用することによって、電池によって電力が供給される超音波伝達を可能とすることができる。更に、トランスデューサーアレイは、単一の皮膚輸送部位を用い過ぎることを回避するのを助けることができ、又トランスデューサー要素ごとの超音波周波数及び強度範囲の融通性を提供する。
【0094】
以上、本発明を詳細に説明したが、当業者は、多くの装置に関する設計及び機能性の変更があり得ることを理解されよう。しかし、そのような設計及び機能性の変更は、本開示の範囲内にあることを意図する。更に、本発明は、ある程度の特殊性をもって開示したが、好ましい形態である本開示は、例示の目的でなされたものであり、各部品及び工程の構成、組合せ及び配置の詳細については、貼付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更をなし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、患者によって腕の上に着用された超音波薬物送達装置を示す図である。
【図2】
図2は、患者によって腹部の上に着用された超音波薬物送達装置を示す図である。
【図3】
図3は、ヒトの皮膚の構造を示す図である。
【図4A】
図4Aは、本発明のトランスデューサー要素の一実施例であって、該トランスデューサー要素が「シンバル」型のトランスデューサー設計であるものの断面図である。
【図4B】
図4Bは、「シンバル」型トランスデューサー要素の製造工程を示す図である。
【図4C】
図4Cは、より高い超音波効率、強度及び出力を提供する、積み重ねられた「シンバル」型のトランスデューサー設計であるトランスデューサー要素の断面図である。
【図5A】
図5Aは、トランスデューサー要素の表面全体を覆う共振コンパチブル結合作用物として使用されるポリマー注封の使用を含む、本発明の一実施例の寸法特性を示す図である。
【図5B】
図5Bは、「シンバル」型トランスデューサー要素の製造において得られる小型の寸法を示す図である。
【図6】
図6は、音波効率を向上させ、又皮膚に対して複数の送達部位を提供するために用いられるトランスデューサーアレイを示す図である。
【図7】
図7は、鋸波形から矩形波へ変換する、交替波形の使用を示す図である。
【図8A】
図8Aは、インスリン(エリ リリー カンパニーから供給されたヒュームリン・レギュラー)のHPLCを用いたスキャンであって、超音波が適用されていない場合のスキャンを示す図である。
【図8B】
図8Bは、インスリン(エリ リリー カンパニーから供給されたヒュームリン・レギュラー)のHPLCを用いたスキャンであって、低周波数及び低強度の超音波で連続的に8時間処理した後のスキャンを示す図である。
【図9】
図9は、対象ラット群の血中のグルコース分析の結果であって、インスリンの経皮的送達の試験においてトランスデューサーアレイを使用した場合の結果を示す図である。
【図10】
図10は、本発明の一態様に従う方法を示す図である。

Claims (2)

  1. 対象の表面を通した該対象の中への少なくとも1つの物質の送達を強化するための方法であって、
    少なくとも1つの超音波信号発生装置を前記少なくとも1つの物質及び前記対象に近接して配置し、
    前記表面を通した前記対象の中への前記物質の少なくとも一部の移動をもたらすように、前記超音波信号発生装置を用いて、前記少なくとも1つの物質に、少なくとも1つの交替超音波信号を印加する、
    ことを含むことを特徴とする前記方法。
  2. 生存対象の表面を通した該対象の中への少なくとも1つの物質の送達を強化するための方法であって、
    少なくとも1つの超音波信号発生装置を前記少なくとも1つの物質及び前記対象に近接して配置し、
    前記表面を通した前記対象の中への前記物質の少なくとも一部の移動をもたらすように、前記超音波信号発生装置を用いて前記少なくとも1つの物質に、少なくとも1つの超音波信号を印加する、
    ことを含み、
    前記少なくとも1つの超音波信号は、少なくとも矩形波形部分及び鋸波形部分を含むことを特徴とする前記方法。
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