JP2015518707A - 糖化のための、aspergillusclavatus由来アルファアミラーゼの使用 - Google Patents

糖化のための、aspergillusclavatus由来アルファアミラーゼの使用 Download PDF

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Abstract

真菌性アルファアミラーゼが、Aspergillus clavatusからもたらされる(AcAmy1)。AcAmy1は、4.5の最適pHを有し、30〜75℃にて機能することができ、この酵素は、糖化反応中にグルコアミラーゼと組み合わせて使用することが可能である。これにより、糖化反応を、アルファアミラーゼ又はグルコアミラーゼの最適な使用のために、pH及び温度を再調整しなければならない、バッチプロセスとして行う必要がなくなる。また、AcAmy1は、デンプン基質の、オリゴ糖組成物への糖化を触媒し、該オリゴ糖組成物では、Aspergillus kawachii由来のアルファアミラーゼによって触媒される糖化の生産物と比較して、有意にDP2及び(DP1+DP2)が富化される。これによって、同時糖化発酵プロセス中に、発酵生物によって、前記オリゴ糖組成物が利用され易くなる。

Description

(優先権)
本願は、2012年5月11日出願の国際特許出願番号PCT/CN2012/075352号に対する優先権を主張し、その全文が参照により組み込まれる。
(配列表)
配列番号1〜13を含む配列表を本明細書に添付し、その全体が参照により組み込まれる。
(発明の分野)
Aspergillus clavatus由来のα−アミラーゼ(AcAmy1)又はその変異体の使用方法は、デンプンの糖化(例えば、同時糖化発酵(SSF)など)を含む。
デンプンは、アミロース(15〜30% w/w)と、アミロペクチン(70〜85% w/w)との混合物からなる。アミロースは、α−1,4結合したグルコース単位の直鎖からなっており、約60,000〜約800,000の分子量(MW)を有する。アミロペクチンは、24〜30グルコース単位毎にα−1,6分岐点を包含した、分岐鎖状ポリマーで、MWは1億にもなる場合がある。
現在、濃縮デキストロースシロップという形態のデンプン由来の糖は、(1)固体デンプンの、α−アミラーゼを用いた、約7〜10の平均重合度を有するデキストリンへの液化(又は粘度低下)、及び(2)得られた液化デンプン(即ち、デンプン加水分解物)の、アミログルコシダーゼ(グルコアミラーゼ又はGAとも呼ばれる)を用いた糖化を含む、酵素触媒によるプロセスによって生産されている。得られたシロップは、グルコースの含有量が高い。商業的に生産されるグルコースシロップの多くは、その後、イソシロップとして知られるデキストロース/フルクトース混合物へと酵素的に異性化される。また、得られたシロップを、酵母菌などの微生物を用いて発酵させ、例えば、エタノール、クエン酸、乳酸、コハク酸、イタコン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸塩、リジン、他の有機酸、他のアミノ酸、及び他の生化学物質を含む、商品を生産することができる。発酵と糖化を同時に行うこと(即ち、SSFプロセス)により節約及び効率化を達成することもできる。
α−アミラーゼは、デンプン、グリコーゲン、及び関連する多糖類を、内部のα−1,4−グルコシド結合をランダムに切断することにより、加水分解する。α−アミラーゼ(具体的にはBacillus類由来のもの)は、デンプンの液化及び糖化、織物の糊抜き、製紙及びパルプ業界でのデンプン変性、醸造、焼成、食品業界のためのシロップ類の生産、発酵プロセスのための及び消化性を向上させる動物飼料における供給原料の生産などを含む、異なる様々な目的のために使用されてきた。また、これらの酵素は、食器洗浄及び洗濯物洗浄の際に、デンプン質の染み及び汚れを取り除くためにも使用できる。
A.clavatusなどのAspergillus属の複数の種は、酸性条件下でも維持される強いデンプン分解挙動を示す。Nehira et al.(1956)「Taxonomic studies on the genus Aspergillus.VIII.The relation between the morphological characteristics and the amylolytic properties in the Aspergillus」,Hakko Kogaku Zasshi 34:391〜99,423〜28,457〜63を参照されたい。例えば、A.clavatusは、他の多糖類分解酵素の中でもアミラーゼ活性を分泌し、これによりこの真菌類は、自身の置かれた環境中の複合炭水化物を消化できる。Ogundero et al.(1987)「Polysaccharide degrading enzymes of a toxigenic strain of Aspergillus clavatus from Nigerian poultry feeds」、Die Nahrung 10:993〜1000を参照されたい。粉砕家畜飼料に対するA.clavatusの分解能力におけるpHの影響を測定したときには、A.clavatusには、試験が行われた全てのpH値(3.2〜7.8)にわたって、飼料の分解が見られた。Ogundero(1987)「Toxigenic fungi and the deterioration of Nigerian poultry feeds」、Mycopathologia 100:75〜83を参照されたい。後の研究によって、A.clavatusを、トウモロコシ酵母エキス培地、又は小麦酵母エキス培地で成長させたときの、pH 7〜8におけるA.clavatusのアミラーゼ活性のピークが示された。Adisa(1994)「Mycoflora of post−harvest maize and wheat grains and the implications of their contamination by molds」、Die Nahrung 38(3):318〜26。
Aspergillus clavatus由来のα−アミラーゼ(AcAmy1)は、長時間にわたって、中程度の温度かつ酸性pHにて、糖化を触媒する。Aspergillus clavatus由来の、既知のα−アミラーゼNRRL1(配列番号1)の例、そのα−アミラーゼの変異体、コードする核酸、及びそのポリヌクレオチドを発現する宿主細胞が提供される。AcAmy1は、酸性の作用範囲を有し、例えば、具体的にはグルコアミラーゼと共に使用されるときの、同時糖化発酵(SSF)において、高いエタノール収率、及び残余デンプンの低減に寄与する。A.clavatusのアミラーゼ活性のピークは、pH 7〜8、25〜30℃に存在するというAdisaの1994の開示にも関わらず、AcAmy1は、pH 4.5、50℃において、最適pHを有している。AcAmy1は、高温かつ低pHにおいて、高い活性を示す。そのため、AcAmy1は、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ(AnGA)などの、真菌性グルコアミラーゼの存在下での糖化プロセスにおいて、有効に使用することができる。AcAmy1は、オリゴ糖組成物へのデンプンの糖化を有利に触媒し、該オリゴ糖組成物では、Aspergillus kawachiiアルファアミラーゼ(AkAA)によって触媒される糖化の生産物と比較して、DP1及びDP2(即ち、グルコース及びマルトース)が有意に富化される。AcAmy1は、AkAAよりも低投入量にて使用され、同等の濃度のエタノールを生産できる。AcAmy1は、植物(例えば、穀物及び穀類)由来の酵素と組み合わせて使用することができる。また、AcAmy1は、宿主細胞によって分泌される、又は宿主細胞に内在する酵素と組み合わせて使用することもできる。例えば、AcAmy1は、1種類以上のアミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、プロテアーゼ類、リパーゼ類、フィターゼ類、エステラーゼ類、酸化還元酵素類、トランスフェラーゼ類、又は他の酵素類が生産宿主によって分泌される、発酵プロセス又はSSFプロセスに添加することができる。また、AcAmy1は、内在性で非分泌型の生産宿主の酵素と組み合わさって機能してもよい。他の例においては、AcAmy1は、発酵又はSSFの間に、他の酵素と共に生産宿主細胞によって分泌されてもよい。また、AcAmy1アミラーゼは、反応温度が、基質の糊化温度より低い、シロップ及び/又は生化学物質(例えば、アルコール類、有機酸類、アミノ酸類、他の生化学物質及び生体材料)のためのデンプンの直接的な加水分解においても、有効であり得る。AcAmy1は、発酵又はSSFの間に、他の酵素と共に宿主細胞によって分泌されてもよい。
したがって、デンプンを含み得る溶液を糖化してグルコースを含む組成物を生産する方法であって、該方法が、(i)該デンプンを含む溶液を、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と接触させる工程と、(ii)該デンプンを含む溶液を糖化して、該グルコースを含む組成物を生産する工程であって、該単離したAcAmy1又はその変異体が、該デンプン溶液のグルコースへの該糖化を触媒する工程とを含むことができる、方法が提供される。
AcAmy1又はその変異体は、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量の残余デンプンを減少させてもよい。また、AcAmy1又はその変異体は、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量のDP3+を減少させてもよい。
DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したとき、同一条件下でAkAAによって生産されたグルコースを含む第2の組成物と比較して、前記グルコースを含む組成物がDP1、DP2、又は(DP1+DP2)について富化されていてもよい。DP1は、約2時間で約1.5倍に富化されてもよい。加えて、DP2は、約2時間で2〜3倍に富化されてもよい。更に、(DP1+DP2)は、約2時間で約2.2倍に富化されてもよい。
AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。また、AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含んでもよい。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。また、AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなってもよい。
前記デンプン溶液は、液化デンプン、糊化デンプン、又は粒状デンプンを含んでもよい。糖化は、約30℃〜約75℃の温度範囲にて、行われてもよい。更に、前記温度範囲は、47℃〜74℃であってもよい。糖化は、pH 2.0〜pH 7.5のpH範囲にわたって行われてもよい。更に、前記pH範囲は、pH 3.5〜pH 5.5であってもよい。更に、前記pH範囲は、pH 3.5〜pH 4.5であってもよい。
前記方法は、前記グルコース組成物を発酵させて、発酵終点(EOF)生産物を生産することを更に含んでもよい。前記発酵は、同時糖化発酵(SSF)反応であってもよい。前記発酵は、pH 2〜8で、かつ25℃〜70℃の温度範囲で、48〜70時間行われてもよい。前記EOF生産物は、8%〜18%(v/v)のエタノールを含んでもよい。前記EOF生産物は、代謝産物を含んでもよい。前記代謝産物は、クエン酸、乳酸、コハク酸、グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウム、グルコノデルタラクトン、エリソルビン酸ナトリウム、オメガ3脂肪酸、ブタノール、アミノ酸、リジン、イタコン酸、1,3−プロパンジオール、又はイソプレンであってもよい。
また、発酵飲料の生産におけるAcAmy1又はその変異体の使用、並びにマッシュ及び/又は麦汁をAcAmy1又はその変異体と接触させる工程を含むことができる発酵飲料の製造方法が提供される。(a)マッシュを調製する工程と、(b)該マッシュを濾過して、麦汁を得る工程と、(c)該麦汁を発酵させて、発酵飲料を得る工程とを含んでもよい、発酵飲料の製造方法であって、AcAmy1又はその変異体が、(i)工程(a)の該マッシュ、及び/又は、(ii)工程(b)の該麦汁、及び/又は、(iii)工程(c)の該麦汁に添加される、方法。また、本開示の方法によって生産された発酵飲料も提供される。
前記発酵飲料又は発酵終点生産物は、フルモルト(full malted)ビール、「ビール純粋令」に従って醸造されたビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第二のビール)、第三のビール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボックビール、スタウト、麦芽酒、ノンアルコールビール、及びノンアルコール麦芽酒などの選択されたビール;又は果物風味の麦芽飲料、酒風味の麦芽飲料、及びコーヒー風味の麦芽飲料などのシリアル飲料又は麦芽飲料からなる群から選択されてもよい。
前記方法は、前記デンプン溶液に、グルコアミラーゼ、ヘキソキナーゼ、キシラナーゼ、グルコースイソメラーゼ、キシロースイソメラーゼ、ホスファターゼ、フィターゼ、プルラナーゼ、β−アミラーゼ、AcAmy1でないα−アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、イソアミラーゼ、酸化還元酵素、エステラーゼ、トランスフェラーゼ、ペクチナーゼ、アルファ−グルコシダーゼ、ベータ−グルコシダーゼ、又はこれらの組み合わせを添加することを更に含んでもよい。前記グルコアミラーゼは、0.1〜2グルコアミラーゼ単位(GAU)/g dsで添加されてもよい。
前記単離したAcAmy1又はその変異体は、宿主細胞によって発現され、分泌されてもよい。前記デンプン溶液を、前記宿主細胞と接触させてもよい。前記宿主細胞は、グルコアミラーゼを発現し、かつ該グルコアミラーゼを分泌してもよい。更に、前記宿主細胞は、グルコース組成物の発酵が可能であってもよい。
したがって、デンプンを含む溶液の糖化に使用するための組成物であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を含んでもよい、組成物が提供される。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。
前記組成物は、培養細胞物質であってもよい。前記組成物は、グルコアミラーゼを更に含んでもよい。また、AcAmy1又はその変異体は、精製されていてもよい。
AcAmy1又はその変異体は、宿主細胞によって発現され、分泌されてもよい。前記宿主細胞は、糸状菌細胞であってもよい。前記宿主細胞は、Aspergillus sp.、又はTrichoderma reeseiの細胞であってもよい。
したがって、焼成用組成物を焼成する物質に添加する工程と、該物質を焼成して、焼成製品を生産する工程とを含む、焼成方法であって、該焼成用組成物は、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を含み、該単離したAcAmy1又はその変異体が、該物質中に存在するデンプン成分の加水分解を触媒して、より小さなデンプン由来分子を生成する、方法が提供される。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。前記焼成用組成物は、穀粉、老化防止(anti-staling)アミラーゼ、ホスホリパーゼ、及び/又はリン脂質を更に含んでもよい。
したがって、(i)1種類以上の食品材料と、(ii)α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と、を組み合わせることを含む、食品組成物の生産方法であって、前記単離したAcAmy1又はその変異体が、該食品材料中に存在するデンプン成分の加水分解を触媒して、グルコースを生産する、方法も提供される。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。前記方法は、前記食品組成物を焼成して、焼成製品を生産することを更に含んでもよい。前記方法は、(i)デンプン培地を提供する工程と、(ii)該デンプン培地に前記AcAmy1又はその変異体を添加する工程と、(iii)工程(b)の間、又はその後に該デンプン培地に熱を加え、ベーカリー製品を生産する工程とを更に含んでもよい。
DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したとき、同一条件下でAkAAによって生産された第2の焼成製品と比較して、前記食品組成物がDP1、DP2、又は(DP1+DP2)について富化されていてもよい。前記食品組成物は、食品製品、焼成用組成物、食品添加物、動物性食品製品、飼料製品、飼料添加物、油、肉、及び、及びラードからなる群から選択されてもよい。前記食品組成物は、練り粉、又は練り粉製品、好ましくは加工済み練り粉製品を含んでもよい。
前記1種類以上の食品材料は、焼成材料又は添加物を含んでもよい。また、前記1種類以上の食品材料は、穀粉;老化防止アミラーゼ;ホスホリパーゼ;リン脂質;マルトース生成アルファアミラーゼ、又は、マルトース生成アルファアミラーゼ活性を有するその変異体、相同体、若しくは突然変異体;ベーカリー用キシラナーゼ(EC 3.2.1.8);及びリパーゼからなる群から選択されてもよい。更に、前記1種類以上の食品材料は、(i)Bacillus stearothermophilus由来のマルトース生成アルファアミラーゼ、(ii)Bacillus、Aspergillus、Thermomyces、又はTrichoderma由来のベーカリー用キシラナーゼ、(iii)Fusarium heterosporum由来のグリコリパーゼからなる群から選択されてもよい。
したがって、食品組成物の生産に使用するための組成物であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と、1種類以上の食品材料とを含む、組成物も提供される。また、食品組成物の調製における、請求項69〜73のいずれか一項に記載のAcAmy1又はその変異体の使用も提供される。前記食品組成物は、練り粉、又は加工済み練り粉製品を含む練り粉製品を含んでもよい。前記食品組成物は、ベーカリー組成物であってもよい。AcAmy1又はその変異体は、練り粉製品の老化(staling)、好ましくは有害な老化(retrogradation)を遅らせるため、又は低減させるために、該練り粉製品において使用されてもよい。
したがって、洗濯物、食器、又は織物から、デンプン質の汚れを取り除く方法であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を有効量で含む、水性組成物の存在下で、該洗濯物、食器、又は織物の表面を、インキュベートして、該AcAmy1又はその変異体に、該デンプン質の汚れに存在する、デンプン成分を加水分解させ、該水性組成物中に溶解するより小さなデンプン由来分子を生成させる工程と、該表面をすすぐことによって、該デンプン質の汚れを該表面から取り除く工程とを含んでもよい、方法が提供される。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。
したがって、洗濯物、食器、又は織物から、デンプン質の汚れを取り除くのに使用するための組成物であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と、界面活性剤と、を含んでもよい、組成物が提供される。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。前記組成物は、洗濯用洗剤、洗濯用洗剤添加剤、又は手作業での若しくは自動での食器洗浄用洗剤であってもよい。
したがって、織物の糊抜き方法であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を含み得る糊抜き組成物を、織物の糊抜きに十分な時間にわたって該織物に接触させ、該AcAmy1又はその変異体に、該デンプン質の汚れに存在するデンプン成分を糊抜きさせて、該水性組成物中に溶解するより小さなデンプン由来分子を生成させる工程と、該表面をすすぐことによって、該デンプン質の汚れを該表面から取り除く工程とを含んでもよい、方法も提供される。AcAmy1又はその変異体は、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなってもよい。
したがって、グルコース組成物の生産における、AcAmy1又はその変異体の使用も提供される。また、本開示の方法によって生産された、グルコース組成物も提供される。更に、液化デンプンの生産における、AcAmy1又はその変異体の使用が提供される。また、本開示の方法によって調製された、液化デンプンも開示される。
更に、織物の糊抜きにおける、AcAmy1又はその変異体を含んでもよい糊抜き組成物の使用、並びに焼成製品の生産における、AcAmy1又はその変異体を含んでもよい焼成用組成物の使用が開示される。
添付の図面は、本明細書に組み込まれて、その一部を構成しており、かつ本明細書で開示する様々な方法及び組成物を図示している。
AcAmy1の触媒コア、リンカー領域、及び炭水化物結合ドメイン(それぞれ、配列番号1の残基20〜497、498〜528、及び529〜636)、又は全長のClustalWによるアラインメントを、T.stipitatus ATCC 10500(それぞれ、配列番号4の残基20〜497及び520〜627)、A.nidulans FGSC A4(それぞれ、配列番号5の残基20〜497及び516〜623)、A.fumigatus Af293(それぞれ、配列番号12の残基24〜502及び523〜630)、及びA.terreus NIH2624(それぞれ、配列番号13の残基21〜497及び500〜607)由来のα−アミラーゼの対応する残基と共に示す。図1において、アスタリスクによって指定された残基は、配列番号4〜5及び12〜13における保存残基に対応するAcAmy1残基である。 AcAmy1の触媒コア、リンカー領域、及び炭水化物結合ドメイン(それぞれ、配列番号1の残基20〜497、498〜528、及び529〜636)、又は全長のClustalWによるアラインメントを、T.stipitatus ATCC 10500(それぞれ、配列番号4の残基20〜497及び520〜627)、A.nidulans FGSC A4(それぞれ、配列番号5の残基20〜497及び516〜623)、A.fumigatus Af293(それぞれ、配列番号12の残基24〜502及び523〜630)、及びA.terreus NIH2624(それぞれ、配列番号13の残基21〜497及び500〜607)由来のα−アミラーゼの対応する残基と共に示す。図1において、アスタリスクによって指定された残基は、配列番号4〜5及び12〜13における保存残基に対応するAcAmy1残基である。 AcAmy1ポリペプチド、pJG153(Tex3gM−AcAmy1)をコードするポリヌクレオチドを含む、pJG153発現ベクターのマップを示す。 Aspergillus kawachii α−アミラーゼ(AkAA)のα−アミラーゼ活性(相対単位)の、pH依存性を示す。 AcAmy1のα−アミラーゼ活性(相対単位)の、pH依存性を示す。α−アミラーゼ活性は、2ppmの酵素に基づくものであり、50℃にて、ジャガイモアミロペクチン基質由来の還元糖の放出によって調査された。 AkAAのα−アミラーゼ活性(相対単位)の、温度依存性を示す。 AcAmy1のα−アミラーゼ活性(相対単位)の、温度依存性を示す。α−アミラーゼ活性は、2ppmの酵素に基づくものであり、pH 4.0(AkAA)、又はpH 4.5(AcAmy1)にて、ジャガイモアミロペクチン基質由来の還元糖の放出によって調査された。 示された期間にわたりpH 3.5又は4.8にて、インキュベーションした後の、AkAAの残存α−アミラーゼ活性(相対単位)を示す。 示された期間にわたるpH 3.5又は4.8での、AcAmy1の残存α−アミラーゼ活性(相対単位)を示す。α−アミラーゼ活性は、2ppmの酵素に基づくものであり、ジャガイモアミロペクチン基質由来の還元糖の放出によって調査された。
Aspergillus clavatus(AcAmy1)由来の真菌性α−アミラーゼが提供される。AcAmy1は、pH 4.5の最適pHを有し、かつpH 3〜pH 7の範囲にわたって少なくとも70%の活性を有する。pH 4.5にて試験を行ったとき、前記酵素は、66℃の最適温度を有し、かつ47°〜74℃の温度範囲にわたって少なくとも70%の活性を有する。これらの特性により、前記酵素は、同一の反応条件下で、グルコアミラーゼと組み合わせて使用することが可能なものとなっている。これにより、糖化反応を、α−アミラーゼ又はグルコアミラーゼの最適な使用のために、pH及び温度を調整しなければならない、バッチプロセスとして行う必要がなくなる。
また、AcAmy1は、デンプンを含む組成物のグルコースへの糖化を触媒する。例えば、DP7、アミロペクチン、又はマルトデキストリン基質を使用した、50℃、pH 5.3での2時間の糖化の後、オリゴ糖組成物が生産された。この組成物では、DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したときに、同一条件下で、AkAAで触媒した糖化の生産物に比較して、DP1、DP2、及び(DP1+DP2)が富化されている。例えば、DP2が、約2時間で2〜3倍に富化され、DP1が、約2時間で約1.5倍に富化され、(DP1+DP2)が、約2時間で約2.2倍に富化される。これによって、例えば、SSFプロセス中に発酵生物によって、前記オリゴ糖組成物が利用され易くなる。この役割において、AcAmy1は、AkAAと同一のエタノール収率を、より少ない酵素投入量でもたらすことができる一方で、不溶性残余デンプンを減少させ、かつ最終生産物の品質への不溶性残余デンプンの悪影響を最小化する。
AcAmy1及びその変異体アミラーゼの例示的な用途としては、デンプン糖化プロセス(例えば、SSFなど)、洗浄用組成物(洗濯物、食器、及び他の表面を洗浄するための洗剤組成物など)の調製、織物加工(例えば、糊抜きなど)がある。
1.用語の定義及び略記
この発明を実施するための形態に従い、以下の略記及び定義を適用する。なお、単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈上明らかな指示がない限り、複数の指示対象が含まれることに、留意されたい。それ故、例えば「酵素(an enzyme)」という場合には、複数のこうした酵素が含まれ、「投入量(the dosage)」という場合には、当業者には既知の1つ以上の投入量及びその当量などが含まれる。
特に定義されないかぎりは、本明細書で使用する技術用語及び科学用語はいずれも、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。以下の用語を下記に示す。
1.1.略記及び頭字語
以下の略記/頭字語は、特に指示がない限り、以下の意味を有する。
Figure 2015518707
Figure 2015518707
1.2.用語の定義
用語「アミラーゼ」又は「デンプン分解酵素」は、とりわけ、デンプンの分解を触媒可能な酵素を指す。α−アミラーゼは、加水分解酵素であり、デンプン中のα−D−(1→4)O−グリコシド結合を切断する。一般的に、α−アミラーゼ(EC 3.2.1.1;α−D−(1→4)−グルカングルカノヒドロラーゼ)は、ランダムにデンプン分子内のα−D−(1→4)O−グリコシド結合を切断して、3以上の(1〜4)−α−結合したD−グルコース単位を包含する、多糖類を生み出す、エンド型酵素として定義されている。対照的に、β−アミラーゼ(EC 3.2.1.2;α−D−(1→4)−グルカンマルトヒドロラーゼ)などのエキソ型デンプン分解酵素、及びマルトース生成α−アミラーゼ(EC 3.2.1.133)のような一部の生成物特異的なアミラーゼは、基質の非還元末端から多糖類分子を切断する。β−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20;α−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ)、グルコアミラーゼ(EC 3.2.1.3;α−D−(1→4)−グルカングルコヒドロラーゼ)、並びにマルトテトラオシダーゼ(maltotetraosidase)(EC 3.2.1.60)及びマルトヘキサオシダーゼ(EC 3.2.1.98)のような生成物特異的なアミラーゼにより、特定の鎖長のマルトオリゴ糖、又は特定のマルトオリゴ糖を富化したシロップを生産できる。
本明細書の「酵素単位」とは、特定された調査条件の下で、時間当たりに形成される生産物の量を指す。例えば、「グルコアミラーゼ活性単位」(GAU)は、60℃、pH 4.2において、可溶性デンプン基質(4% DS)から1時間当たりに1gのグルコースが生産される酵素の量として定義されている。「可溶性デンプン単位」(SSU)は、50℃、pH 4.5において、可溶性デンプン基質(4% DS)から1分当たりに1mgのグルコースが生産される酵素の量である。DSとは、「乾燥固形分」を指す。
本明細書で使用するとき、用語「デンプン」とは、化学式(C10(式中、Xは、任意の数字であってよい)を有するアミロース及びアミロペクチンで構成された、植物の複合多糖炭水化物からなる任意の材料を指す。この用語には、穀類、穀物、草、塊茎及び根などの植物性材料が含まれ、より具体的には、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦、米、ソルガム、糠、キャッサバ、キビ、ジャガイモ、サツマイモ、及びタピオカから得られる材料などが含まれる。用語「デンプン」は、粒状デンプンを含む。用語「粒状デンプン」とは、生の、即ち加熱されていないデンプン(例えば、糊化を受けていないデンプンなど)を指す。
ポリペプチドに関しての用語「野生型」、「親の」、又は「参照」は、1つ以上のアミノ酸位において人工的な置換、挿入、又は欠失を含まない、天然型ポリペプチドを指す。同様に、ポリヌクレオチドに関しての用語「野生型」、「親の」、又は「参照」は、人工的なヌクレオシドの変化を含まない、天然型ポリヌクレオチドを指す。しかしながら、野生型、親の、又は参照ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、天然型ポリヌクレオチドに限定されるわけではなく、野生型、親の、又は参照ポリペプチドをコードする任意のポリヌクレオチドが包摂される。
野生型タンパク質への言及には、そのタンパク質の成熟型が含まれると理解される。「成熟」ポリペプチドとは、シグナル配列の欠落したAcAmy1ポリペプチド又はその変異体を意味する。例えば、シグナル配列は、ポリペプチドの発現の際に切断される場合がある。成熟AcAmy1は、配列番号1において、N末端から数えて20位〜636位にわたる長さの、617個のアミノ酸からなっている。野生型AcAmy1のシグナル配列は、長さにして19個のアミノ酸からなり、配列番号3において示される配列を有している。成熟AcAmy1又はその変異体は、異なるタンパク質からとられたシグナル配列を含んでいてもよい。成熟タンパク質は、成熟ポリペプチドとシグナル配列ポリペプチドとの間の融合タンパク質であってもよい。
AcAmy1の「触媒コア」は、配列番号1の残基20〜497にまたがっている。AcAmy1の「リンカー」又は「リンカー領域」は、残基498〜528にまたがっている。アミノ酸残基529〜636は、AcAmy1の「炭水化物結合ドメイン」を構成する。
ポリペプチドに関しての用語「変異体」は、1つ以上の自然発生的な、又は人為的なアミノ酸の置換、挿入、又は欠失を含むという点において、特定の野生型、親の、又は参照ポリペプチドと異なるポリペプチドを指す。同様に、ポリヌクレオチドに関しての用語「変異体」は、特定の野生型、親の、又は参照ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列において異なるポリヌクレオチドを指す。野生型、親の、若しくは参照ポリペプチド、又はポリヌクレオチドの同一性(identity)は、文脈から明らかとなるであろう。本明細書では、AcAmy1の「変異体」と、「変異体α−アミラーゼポリペプチド」とは、同義である。
本発明のα−アミラーゼの場合では、「活性」とは、本明細書で記載するように測定することができる、α−アミラーゼ活性を指す。
用語「組換え」は、ある対象の細胞、核酸、タンパク質又はベクターに対する言及において使用される場合、その対象が天然の状態から改変されていることを示す。それ故、例えば、組換え細胞は、細胞の天然(非組換え)形態の中に見られない遺伝子を発現したり、自然界で見られるものと異なるレベル、又は異なる条件下で天然の遺伝子を発現したりする。組換え核酸は、1つ以上のヌクレオチドによって天然配列とは異なっており、かつ/又は異種配列(例えば、発現ベクターの異種のプロモーターなど)に作動可能に連結している。組換えタンパク質は、1つ以上のアミノ酸によって天然配列とは異なっていてもよく、かつ/又は異種配列に融合していてもよい。AcAmy1又はその変異体をコードする核酸を含むベクターは、組換えベクターである。
用語「回収される」、「単離される」、及び「分離される」は、自然界で見られるような自然な結合をしている少なくとも1つの他の物質又は成分から切り離された、化合物、タンパク質(ポリペプチド)、細胞、核酸、アミノ酸、又は他の特定の物質若しくは成分(例えば、A.clavatus sp.の細胞から単離したAcAmy1など)を指す。「単離した」AcAmy1又はその変異体としては、分泌されたAcAmy1又は変異体ポリペプチド、及び異種の宿主細胞(即ち、A.clavatusでない宿主細胞)において発現されるAcAmy1又は変異体ポリペプチドを含有する培養ブロスなどが挙げられるが、これに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「精製した」とは、例えば、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、少なくとも約98%の純度、又は少なくとも約99%の純度などの、比較的純粋な状態にある物質(例えば、単離したポリペプチド又はポリヌクレオチド)を指す。
ある酵素についての用語「熱安定性の」及び「熱安定性」は、高温にさらされた後に活性を維持する、その酵素の能力を指す。アミラーゼ酵素などの酵素の熱安定性は、その半減期(t1/2)によって測定される。酵素の半減期は、分、時間、又は日数単位で与えられ、その半減期の間に、所定の条件下で、酵素活性の半分が消失する。半減期は、高温にさらされた(即ち、高温による刺激)後の、残存α−アミラーゼ活性を測定することにより、計算することができる。
ある酵素についての「pH範囲」は、その酵素が触媒活性を示す、pH値の範囲を指す。
本明細書で使用するとき、ある酵素についての用語「pH安定の」及び「pH安定性」は、所定の期間(例えば、15分、30分、1時間など)にわたって、広いpH値の範囲にわたる活性を維持する、その酵素の能力に関する。
本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」と同義であり、かつ互換可能に用いられる。そのようなアミノ酸配列が活性を示す場合、それらのアミノ酸配列は「酵素」として言及される。アミノ酸残基に対する慣習的な1文字又は3文字コードが使用され、アミノ酸配列は標準的なアミノ末端からカルボキシ末端へ向かう方向(即ち、N→C)に表される。
用語「核酸」には、DNA、RNA、ヘテロ二重鎖、及びポリペプチドをコードすることが可能な合成分子が包摂される。核酸は1本鎖であっても又は2本鎖であってもよく、化学修飾されていてもよい。用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は、互換可能に用いられる。遺伝子コードは縮重性であるため、特定のアミノ酸をコードするのに複数のコドンが用いられ得るものであり、本発明の組成物及び方法には、ある特定のアミノ酸配列をコードする複数のヌクレオチド配列が包摂される。特に指示がない限り、核酸配列は5’から3’末端に向かう方向で示される。
本明細書で使用するとき、「ハイブリダイゼーション」は、ブロットハイブリダイゼーション法及びPCR法の際に起こる、核酸の一本鎖が相補鎖とともに二重鎖(即ち、塩基対)を形成するプロセスを指す。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、次の条件下でのハイブリダイゼーションによって例示される:65℃及び0.1XSSC(ここで、1XSSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸三ナトリウム、pH 7.0)。ハイブリダイズさせた二重鎖核酸は、融解温度(T)によって特徴付けられる。融解温度では、ハイブリダイズさせた核酸の一方と、相補鎖との対が崩壊する。二重鎖内のミスマッチのヌクレオチドは、Tを低下させる。変異体α−アミラーゼをコードする核酸では、配列番号2のヌクレオチドとそのヌクレオチドと一致する相補体との間に形成された二重鎖と比較すると、Tが、1℃〜3℃以上下がり得る。
本明細書で使用するとき、「合成」分子は、生物によってではなく、インビトロの化学的な又は酵素的な合成によって生産される。
本明細書で使用するとき、ある細胞について使用される用語「形質転換される」、「安定形質転換される」、及び「トランスジェニックの」は、その細胞が、その細胞のゲノムに組み込まれるか、又は複数世代を通して維持されるエピソームとして保有される、天然でない(例えば、異種の)核酸配列を包含することを意味する。
細胞へ核酸配列を挿入するという文脈における用語「導入された」は、当該技術分野において既知の、「トランスフェクション」、「形質転換」、又は「形質導入」を意味する。
「宿主株」又は「宿主細胞」は、所望のポリペプチド(例えば、AcAmy1又はその変異体)をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、ファージ、ウイルス又はDNA構築体が導入された生物を意味する。例示的な宿主株としては、所望のポリペプチドの発現、及び/又は糖類の発酵が可能な微生物細胞(例えば、細菌、糸状菌、及び酵母菌など)が挙げられる。用語「宿主細胞」は、細胞から生成されるプロトプラストを含む。
ポリヌクレオチド又はタンパク質についての用語「異種の」は、宿主細胞中では天然には存在しない、ポリヌクレオチド又はタンパク質を指す。
ポリヌクレオチド又はタンパク質についての用語「内在性の」は、宿主細胞中に天然に存在する、ポリヌクレオチド又はタンパク質を指す。
本明細書で使用するとき、用語「発現」は、ポリペプチドが核酸配列に基づいて産生されるプロセスを指す。このプロセスには、転写及び翻訳の両方が含まれる。
「選択マーカー(selective marker又はselectable marker)」とは、宿主において発現可能な遺伝子であって、それによって、その遺伝子を保有する宿主細胞の選択を容易にするものを指す。選択マーカーの例としては、抗菌剤(例えば、ハイグロマイシン、ブレオマイシン、又はクロラムフェニコール)、及び/又は代謝優位性(宿主細胞に対する栄養上の優位性など)を付与する遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。
「ベクター」は、核酸を1つ以上の細胞型に導入するよう設計されたポリヌクレオチド配列を指す。ベクターとしては、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、及びカセットなどが挙げられる。
「発現ベクター」は、所望のポリペプチドをコードする、あるDNA配列を含むDNA構築体であって、そのコード配列が、好適な宿主において、そのDNAの発現に影響を与えることが可能である好適な制御配列に、作動可能に連結されたDNA構築体を指す。このような制御配列には、転写に影響を与えるプロモーター、転写を制御するための任意選択的なオペレーター配列、mRNAの好適なリボソーム結合部位をコードしている配列、エンハンサー、並びに転写及び翻訳の終結を制御する配列が含まれてよい。
用語「作動可能に連結された」は、特定の複数の構成要素が、意図した態様で機能することを可能にする関係(並置であることが挙げられるが、これに限定されない)にあることを意味する。例えば、調節配列は、コード配列に作動可能に連結し、それによって、そのコード配列の発現が、その調節配列の制御下にある。
「シグナル配列」は、タンパク質のN末端部分に結合したアミノ酸配列であり、そのタンパク質が細胞外に分泌されるのを促進する。成熟型の細胞外タンパク質は、シグナル配列を欠いており、そのシグナル配列は、分泌プロセスの際に切断される。
本明細書で使用するとき、「生物学的に活性がある」とは、酵素活性などの特定の生物学的活性を有する配列を指す。
本明細書で使用するとき、「布見本(swatch)」は、汚れを適用した布地などの材料の切れ端である。この材料は、例えば、綿、ポリエステル、又は天然繊維と合成繊維との混合物から製造された布地であってよい。更に、布見本は、濾紙若しくはニトロセルロースなどの紙であってもよく、又はセラミック、金属、若しくはガラスなどの硬質材料であってもよい。アミラーゼ類に対しては、汚れは、デンプン系であるが、血液、牛乳、インク、草、紅茶、ワイン、ホウレンソウ、肉汁、チョコレート、卵、チーズ、泥、染料、油、又はこれらの化合物の混合物を含み得る。
本明細書で使用するとき、「小さな布見本」とは、布見本の一部分であり、一穴式の打ち抜き機でカットされたか、又は特製の96穴の打ち抜き機(この複数穴式の打ち抜き機のパターンは、標準的な96ウェルのマイクロタイタープレートに合うようになっている)でカットされたものである。あるいは、前記一部分は、別の方法で布見本から切り出される。布見本は、織物、紙、金属、又は他の好適な材料であってよい。小さな布見本には、その布見本を、24ウェル、48ウェル、又は96ウェルのマイクロタイタープレートのウェル内に置く前、又はその後のいずれかにて、汚れを付着させることができる。また、小さな布見本は、材料の小片に汚れを適用することによって、作製してもよい。例えば、小さな布見本は、汚れが付いた直径1.59cm又は0.64cm(5/8”又は0.25”)の布地の切れ端であってもよい。前記特製の打ち抜き機は、96ウェルプレートのすべてのウェルに同時に96枚の布見本が送り込まれるように設計されている。この装置は、単純に同じ96ウェルプレートに複数回仕込みを行うことにより、ウェルごとに複数の布見本を送り込むことが可能である。複数穴式の打ち抜き機は、任意の形式のプレート(24ウェル、48ウェル、又は96ウェルプレートが挙げられるが、これらに限定されない)に、布見本を同時に送り込むことができると考えてよい。他に考えられる方法では、染み試験プラットフォームが、染み基材でコーティングされた金属、プラスチック、ガラス、セラミック又は他の好適な材料から製造されるビーズであってもよい。そして、1つ以上のコーティングされたビーズは、好適な緩衝液と酵素とが入った、96ウェルプレート、48ウェルプレート、若しくは24ウェルプレート、又はより大きな形式のウェルプレートのウェル内へと置かれる。
本明細書で使用するとき、「AcAmy1又はその変異体を含む培養細胞物質」又は同様の言い回しは、成分としてAcAmy1又はその変異体を含む、細胞可溶化物又は上清(培地を含む)を指す。細胞物質は、AcAmy1又はその変異体の生産を目的として、培養液中で成長させた異種の宿主由来のものであってもよい。
「パーセント配列同一性」とは、デフォルトのパラメータでCLUSTAL Wのアルゴリズムを使用して整列させたときに、ある変異体が、少なくとも特定の割合で、野生型AcAmy1と一致するアミノ酸残基を有することを意味する。Thompson et al.(1994)Nucleic Acids Res.22:4673〜4680を参照されたい。CLUSTAL Wのアルゴリズムでのデフォルトのパラメータは、以下の通りである。
Figure 2015518707
欠失は、基準配列と比較して、不一致残基としてカウントされる。どちらの末端に存在する欠失も、含まれている。例えば、配列番号1の成熟AcAmy1ポリペプチドのC末端の5つのアミノ酸が欠失している変異体は、該成熟ポリペプチドに対して、99%のパーセント配列同一性(612/617の一致残基×100、整数に四捨五入)を有することになる。このような変異体は、成熟AcAmy1ポリペプチドに対して「少なくとも99%の配列同一性」を有する変異体に包摂される。
「融合した」ポリペプチド配列は、2つのポリペプチド配列間のペプチド結合を介して、接続(即ち、作動可能に連結)されている。
用語「糸状菌」とは、Eumycotina亜門の全ての糸状形態を指す。
用語「重合度」(DP)は、所定の糖類中の無水グルコピラノース単位の数(n)を指す。DP1の例は、単糖類のグルコース及びフルクトースである。DP2の例は、二糖類のマルトース及びスクロースである。用語「DE」、又は「デキストロース当量」とは、シロップ中における、総炭水化物の分率としての、還元糖(即ち、D−グルコース)の割合として定義される。
本明細書で使用するとき、用語「乾燥固形分含量(ds)」は、乾燥重量パーセント基準での、スラリーの全固形分を指す。用語「スラリー」は、不溶性の固形分を含有する水性混合物を指す。
表現「同時糖化発酵(SSF)」とは、エタノール産生微生物などの微生物と、少なくとも1種類の酵素(AcAmy1又はその変異体など)とが、同一のプロセス工程の間に存在する、生化学物質生産におけるプロセスを指す。SSFには、(粒状の、液化した、又は可溶化した)デンプン基質の、グルコースなどの糖類への同時加水分解、及び同一の反応容器内での、アルコール又は他の生化学物質若しくは生体材料への糖類の発酵が含まれる。
本明細書で使用するとき、「エタノール産生微生物」とは、糖又はオリゴ糖をエタノールに変換する能力を有する微生物を指す。
用語「発酵飲料」とは、微生物による発酵(例えば、細菌による、かつ/又は酵母菌による発酵など)などの発酵プロセスを含む方法によって生産される任意の飲料を指す。
「ビール」とは、そのような発酵飲料の一例であり、用語「ビール」は、デンプン含有植物材料の発酵/醸造によって生産される、任意の発酵麦汁を含むことが意図されている。大抵、ビールは、専ら、麦芽若しくは副原料、又は麦芽及び副原料の任意の組み合わせから生産される。ビール類の例としては、フルモルトビール、「ビール純粋令」に従って醸造されたビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第二のビール)、第三のビール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボックビール、スタウト、麦芽酒、ノンアルコールビール、ノンアルコール麦芽酒などが挙げられ、あるいは、果物風味の麦芽飲料(例えば、レモン、オレンジ、ライムなどの柑橘風味、又はベリー風味の麦芽飲料など)、酒風味の麦芽飲料(例えば、ウォッカ、ラム酒、又はテキーラ風味の麦芽飲料など)、及びコーヒー風味の麦芽飲料(カフェイン風味の麦芽飲料など)などのシリアル飲料又は麦芽飲料なども挙げられる。
用語「麦芽」とは、大麦麦芽又は小麦麦芽などの任意の発芽済み穀物粒を指す。
用語「副原料」とは、大麦麦芽又は小麦麦芽などの麦芽ではない、任意のデンプン及び/又は糖含有植物材料を指す。副原料の例としては、一般的なトウモロコシグリッツ、精製トウモロコシグリッツ、粉砕醸造酵母、米、ソルガム、精製トウモロコシデンプン、大麦、大麦デンプン、脱穀大麦、小麦、小麦デンプン、焙焼した穀物(torrified cereal)、穀物フレーク、ライ麦、オート麦、ジャガイモ、タピオカ、キャッサバ、及び、シロップ類(トウモロコシシロップ、サトウキビシロップ、転化糖シロップ、大麦シロップ及び/又は小麦シロップなど)などが挙げられる。
用語「マッシュ」とは、後で麦汁とビール粕とに分離するように、水と混合された、グリストなどの、任意のデンプン及び/又は糖含有植物材料の水性スラリーを指す。前記グリストには、例えば、砕いた大麦麦芽、砕いた大麦、及び/若しくは他の副原料、又はこれらの組み合わせが含まれる。
用語「麦汁」とは、マッシング(mashing)の間にグリストを抜き出した後の、未発酵液流出物を指す。
「ヨウ素陽性デンプン」又は「IPS」とは、(1)液化及び糖化の後でも加水分解されなかったアミロース、又は(2)老化したデンプンポリマーを指す。糖化されたデンプン、又は糖類液に対して、ヨウ素を用いた試験を行うと、高DPnのアミロース、又は老化したデンプンポリマーは、ヨウ素と結びつき、特徴的な青色を生み出す。それ故、糖類液は、「ヨウ素陽性糖類」、又は「青色糖類(「blue saccharide」若しくは「blue sac.」)」と表現される。
用語「老化デンプン」又は「デンプンの老化」とは、デンプンペースト又はデンプンゲルのエージングにおいて自然発生的に生じる変化を指す。
用語「約」とは、言及されている値の±15%を指す。
2.Aspergillus clavatus α−アミラーゼ(AcAmy1)及びその変異体
A.clavatus sp.又はその変異体由来の、α−アミラーゼ活性を有する、単離及び/又は精製されたAcAmy1ポリペプチドが提供される。AcAmy1ポリペプチドは、配列番号1にて示されるポリペプチド配列の残基20〜636を含む、成熟AcAmy1ポリペプチドであってもよい。前記ポリペプチドは、N末端、及び/又はC末端において、付加的なアミノ酸配列に融合していてもよい。付加的なN末端配列は、シグナルペプチドであってもよく、該シグナルペプチドは、例えば、配列番号3に示される配列を有していてもよい。末端のどちらかで融合している、他のアミノ酸配列としては、タンパク質を標識する、又は精製するために有用な融合パートナーポリペプチドが挙げられる。
例えば、A.clavatus由来の既知のα−アミラーゼは、A.clavatus NRRL1由来のα−アミラーゼである。A.clavatus NRRL1 α−アミラーゼの前駆体(即ち、シグナルペプチドを包含しているもの)は、次のアミノ酸配列(配列番号1)を有する。
Figure 2015518707
NCBI参照番号XP_001272245.1(>gi|121708778|ref|XP_001272245.1|alpha amylase,putative[Aspergillus clavatus NRRL1])を参照されたい。
上記太字のアミノ酸は、C末端の炭水化物結合(CBM)ドメイン(配列番号10)を構成する。グリコシル化されたリンカー領域(上記ハイライト表示された太字のアミノ酸、配列番号11)は、CBMドメインへとN末端の触媒コアを接続する。AcAmy1中のCBMドメインは、多数のデンプン分解酵素類(アルファアミラーゼ、ベータアミラーゼ、グルコアミラーゼ、及びシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼなど)に見られるCBM20ドメインによって保存される。CBM20は、2つのデンプン結合部位1及び2を備える、逆平行ベータバレル構造として折り畳まれている。これら2つの部位の機能は異なるものと考えられており、部位1は、初期デンプン認識部位として作用し得る一方で、部位2は、デンプンの適切な領域の具体的な認識に関与し得る。Sorimachi et al.(1997)「Solution structure of the granular starch binding domain of Aspergillus niger glucoamylase bound to beta−cyclodextrin」、Structure5(5):647〜61を参照されたい。デンプン結合部位1及び2によって保存されるAcAmy1のCBMドメイン中の残基は、以下の配列で、数字1及び2によってそれぞれ示される。
Figure 2015518707
変異体AcAmy1は、配列番号10のCBMドメイン又は配列番号11のリンカーの、一部のアミノ酸残基を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。あるいは、変異体は、配列番号10のCBMドメインに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、又は98%の配列同一性を有するCBMドメインを含んでもよい。変異体は、異種の、又は遺伝子操作したCBM20ドメインを含んでもよい。
例えば、AcAmy1又はその変異体は、例えば、リンカー配列の適切なグリコシル化を可能とする糸状菌細胞などの、真核宿主細胞において発現されてもよい。
AcAmy1をコードする代表的なポリヌクレオチドは、配列番号2にて示されるポリヌクレオチド配列である。NCBI参照番号ACLA_052920は、このようなポリヌクレオチドを開示している。上記イタリック体で示されているポリペプチド配列MKLLALTTAFALLGKGVFG(配列番号3)は、タンパク質が適切な宿主細胞において発現したときに、切断されるN末端シグナルペプチドである。
AcAmy1のポリペプチド配列は、他の真菌性アルファアミラーゼと類似している。例えば、AcAmy1は、次の真菌性α−アミラーゼと高い配列同一性を有し、
Talaromyces stipitatus ATCC 10500(XP_00248703.1;配列番号4)由来の推定α−アミラーゼに対して77%の配列同一性、及び
Aspergillus nidulans FGSC A4(XP_661006.1;配列番号5)由来のタンパク質AN3402.2に対して72%の配列同一性を有する。
配列同一性は、問い合わせ配列として、配列番号1のAcAmy1の成熟型(即ち、残基20〜636)を使用した、BLASTによるアラインメントから決定した。Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403〜410を参照されたい。
AcAmy1ポリペプチドの変異体が、提供される。前記変異体は、配列番号1の残基20〜636、又は残基20〜497のポリペプチドに対して、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドからなってもよく、又はそれを含んでもよく、ここで、前記変異体は、配列番号4、5、12、及び/又は13中の1つ以上の対応するアミノ酸の置換、挿入、又は欠失から選択される、1つ以上のアミノ酸改変を含む。例えば、配列番号1の残基20〜636のポリペプチドに対して、少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドからなる変異体は、配列番号1のAcAmy1と比較して、1〜6個のアミノ酸置換、挿入、又は欠失を有してもよい。他方で、配列番号1の残基20〜497のポリペプチドに対して、少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドからなる変異体は、最大5つのアミノ酸改変を有することになる。挿入又は欠失は、例えば、ポリペプチドの末端のどちらかにあってもよい。あるいは、前記変異体は、配列番号1の残基20〜636、又は20〜497のポリペプチドに対して、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有する、ポリペプチドからなるポリペプチドを「含んでも」よい。このような変異体では、付加的なアミノ酸残基は、ポリペプチドの末端のどちらかに対して融合していてもよい。例えば、前記変異体は、配列番号1の残基20〜636のポリペプチドと比較して、1つ以上のアミノ酸の置換又は欠失を有するポリペプチドと、高名に、融合した配列番号3のシグナル配列を含んでもよい。前記変異体は、前記変異体が、所与のアミノ酸配列を「含む」か、そのアミノ酸配列「からなる」かのいずれであるかに関わらず、グリコシル化されていてもよい。
AcAmy1(配列番号1)と、T.stipitatus ATCC 10500(配列番号4)、A.nidulans FGSC A4(配列番号5)、A.fumigatus Af293(配列番号12)、及びA.terreus NIH2624(配列番号13)由来のα−アミラーゼとの間のClustalWによるアラインメントを図1に示す。Thompson et al.(1994)Nucleic Acids Res.22:4673〜4680を参照されたい。全般的なルールとして、アミノ酸が関連するタンパク質配列のアラインメントに保存される程度は、タンパク質の機能に対するアミノ酸位の相対的な重要性と比例する。つまり、関連する配列の全てに共通するアミノ酸は、重要な機能的役割を果たしている傾向があり、容易に置換され得ない。同じように、配列間で異なっているアミノ酸位は、タンパク質の活性を維持する一方で、他のアミノ酸によって置換されやすいか、さもなくば改変されやすい場合がある。
A.niger α−アミラーゼの結晶構造は決定されており、該結晶構造には、マルトースとの酵素複合体(該マルトースは、該α−アミラーゼの活性部位に結合している)が含まれる。例えば、Vujicic−Zagar et al.(2006)「Monoclinic crystal form of Aspergillus niger α−amylase in complex with maltose at 1.8Å resolution」、Acta Crystallogr.Sect.F:Struct.Biol.Cryst.Commun.62(8):716〜21を参照されたい。Vujicic−Zagar(2006)で開示されているA.niger α−アミラーゼは、A.oryzae α−アミラーゼの相同体であるTAKA−アミラーゼとしても知られている。TAKA−アミラーゼのアミノ酸配列(配列番号6)は、BLASTアルゴリズムを使用して整列させたとき、AcAmy1の残基21〜497にわたって、AcAmy1に対して68%の配列同一性を有する。TAKA−アミラーゼとAcAmy1との間の比較的高いアミノ酸配列保存性を前提とすれば、AcAmy1は、2次構造の多くを取り込んでいることが予期され、TAKA−アミラーゼと同様の構造的/機能的関係を有する。例えば、AcAmy1は、TAKA−アミラーゼと類似した高親和性Ca2+結合部位、及びマルトース結合クレフトを有することが予期される。この予期と矛盾せず、TAKA−アミラーゼ、D206、E230、及びD297によって触媒される加水分解反応に関与する3つの酸性アミノ酸は、全て野生型AcAmy1に保存されている。また、結合クレフトの近くに位置する、TAKA−アミラーゼの位置Y155、L166、D233、及びD235も、AcAmy1に保存されている。他の保存されるAcAmy1の位置は、TAKA−アミラーゼのN121、E162、D175、及びH210に対応し、これらは、高親和性Ca2+結合部位を構成する。Vujicic−Zagar(2006)を参照されたい。
例えば、図1に示されるアラインメント、及びTAKA−アミラーゼ結晶構造から確認できる構造上の関係により、α−アミラーゼ活性を有する変異体AcAmy1ポリペプチドの構造が導かれる。変異体AcAmy1ポリペプチドとしては、配列番号4、5、12、及び/又は13における対応するアミノ酸の置換、挿入、又は欠失から選択される、アミノ酸改変を有するポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。AcAmy1と、配列番号4、5、12、及び13のα−アミラーゼとの間における位置の一致は、図1に示されるアラインメントを参照して決定される。例えば、変異体AcAmy1ポリペプチドは、置換G27Sを有する場合があり、この場合、図1のアラインメントを参照すると、セリンが、配列番号4、5、12、及び13における対応するアミノ酸である。また、変異体AcAmy1ポリペプチドとしては、1、2、3、又は4つの、ランダムに選択されるアミノ酸改変を有するポリペプチドも挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸改変は、オリゴ−指定突然変異などの周知の方法を使用して、行うことができる。
また、AcAmy1ポリペプチド又はその変異体をコードする核酸も、提供される。AcAmy1をコードする核酸は、ゲノムDNAであってよい。又は、核酸は、配列番号2を含む、cDNAであってもよい。当業者にはよく理解されるように、遺伝子コード縮重性であり、このことは、場合によっては、複数のコドンが、同一のアミノ酸をコードすることがあることを意味する。核酸は、AcAmy1又はその変異体をコードする全てのゲノムDNA、mRNA、及びcDNA配列を含む。
AcAmy1又はその変異体は、「前駆体」、「未熟」、又は「全長」(この場合は、AcAmy1又はその変異体は、シグナル配列を含む)であってもよいし、又は「成熟」(この場合は、シグナル配列を欠く)していてもよい。また、変異体α−アミラーゼは、得られるポリペプチドが、α−アミラーゼ活性を維持している限りは、トランケートされていてもよい。
2.1.AcAmy1変異体の特性評価
変異体AcAmy1ポリペプチドは、α−アミラーゼ活性を維持する。変異体AcAmy1ポリペプチドは、野生型AcAmy1ポリペプチドよりも高い、又は低い比活性を有していてもよい。AcAmy1変異体の更なる特性としては、例えば、安定性、pH範囲、酸化安定性、及び熱安定性が挙げられる。例えば、前記変異体は、24〜60時間にわたって、pH 3〜約pH 7(例えば、pH 3.0〜7.5;pH 3.5〜5.5;pH 3.5〜5.0;pH 3.5〜4.8;pH 3.8〜4.8;pH 3.5、pH 3.8、又はpH 4.5)で、pH安定であってよい。AcAmy1変異体は、野生型AcAmy1の性能特性を維持したままで、野生型AcAmy1よりも高レベルで発現できる。また、AcAmy1変異体は、親のα−アミラーゼとの比較において、変化した酸化安定性を有する場合がある。例えば、低下した酸化安定性は、デンプン液化のための組成物において有利である場合がある。変異体AcAmy1は、野生型α−アミラーゼと比較して、変化した熱安定性を有する。このようなAcAmy1変異体は、高温が必要とされる、焼成又は他のプロセスにおける使用で有利である。発現レベル及び酵素活性は、以下に記載するものなどの、当業者に既知である標準的な調査法を使用して評価することができる。
3.AcAmy1及びその変異体の生産
AcAmy1又はその変異体は、例えば、宿主細胞からのAcAmy1又は変異体の分泌などによって、宿主細胞から単離することができる。AcAmy1又はその変異体を含む培養細胞物質は、宿主細胞からのAcAmy1又は変異体の分泌の後に、得ることができる。AcAmy1又は変異体は、任意選択で、使用前に精製される。AcAmy1遺伝子は、当該技術分野で周知の方法に従って、クローン化することができ、発現させることができる。好適な宿主細胞としては、細菌細胞、植物細胞、又は酵母菌細胞が挙げられ、例えば、糸状菌細胞がある。特に有用な宿主細胞としては、Aspergillus clavatus又はTrichoderma reeseiが挙げられる。他の宿主細胞としては、例えば、Bacillus subtilis又はB.licheniformisなどの細菌細胞が挙げられる。
更に、宿主細胞は、相同の、又は異種のグルコアミラーゼ(即ち、宿主細胞と同一の種ではないグルコアミラーゼ、又は1種類以上の他の酵素)をコードする核酸を発現してもよい。前記グルコアミラーゼは、例えば、米国特許第8,058,033号(Danisco US Inc.)に記載されているグルコアミラーゼ変異体の1種などの変異体グルコアミラーゼであってもよい。加えて、宿主は、1種類以上の付属的な酵素、タンパク質、ペプチドを発現してもよい。これらは、液化、糖化、発酵、SSFなどのプロセスに利益をもたらす場合がある。更に、宿主細胞は、酵素類に加えて生化学物質を生産してもよく、この生化学物質を使用して、様々な1種類又は複数種類の原材料が消化される。このような宿主細胞は、発酵プロセス、又は同時糖化発酵プロセスにとって、酵素類を添加する必要を減少させたり、又は失くしたりするために、有用となり得る。
3.1.ベクター
AcAmy1又はその変異体をコードする核酸を含むDNA構築体は、宿主細胞において発現するように構築できる。AcAmy1をコードする代表的な核酸としては、配列番号2が挙げられる。遺伝子コードでの周知の縮重により、同一のアミノ酸配列をコードする変異体ポリヌクレオチドを設計でき、かつ通例の技術を用いて生成できる。また、特定の宿主細胞のために、コドンの使用を最適化することも、当該技術分野で周知である。AcAmy1又はその変異体をコードする核酸はベクターに組み込むことができる。以下に記載されるものなどの、周知の形質転換手法を使用して、ベクターを宿主細胞に導入することができる。
前記ベクターは、宿主細胞へ形質転換され、宿主細胞内で複製される任意のベクターであってよい。例えば、ベクターを伝播し、増幅する手段として、AcAmy1又はその変異体をコードする核酸を含むベクターを、細菌宿主細胞中に形質転換し、該細菌宿主細胞中で複製することができる。また、前記ベクターは、コードする核酸が、機能性のAcAmy1又はその変異体として発現することができるように、発現宿主へと形質転換されてもよい。発現宿主として機能する宿主細胞としては、例えば、糸状菌類が挙げられる。Fungal Genetics Stock Center(FGSC)のCatalogue of Strainsには、真菌宿主細胞での発現に好適なベクターが列挙されている。www.fgsc.net(最終更新2007年1月17日)にて、FGSC,Catalogue of Strains,University of Missouriを参照されたい。図2は、代表的なベクターであるpJG153(Tex3gM−AcAmy1)のプラスミドマップを示す。pJG153は、細菌宿主中で複製できるプロモーターのないCre発現ベクターである。Harrison et al.(June 2011)Applied Environ.Microbiol.77:3916〜22を参照されたい。pJG153(Tex3gM−AcAmy1)は、AcAmy1をコードする核酸を含み、かつ真菌宿主細胞内でこの核酸を発現できるpJG153ベクターである。pJG153(Tex3gM−AcAmy1)は、AcAmy1変異体をコードする核酸を含み、かつ発現するように、通例の技術を用いて改変できる。
AcAmy1又はその変異体をコードする核酸は、好適なプロモーターに作動可能に連結し得、このプロモーターにより、宿主細胞における転写が可能となる。プロモーターは、選択されたある宿主細胞中で転写活性を示す任意のDNA配列であってよく、その宿主細胞にとって相同又は異種のどちらかであるタンパク質をコードする遺伝子から誘導されてもよい。特に細菌の宿主における、AcAmy1又はその変異体をコードするDNA配列の転写を指示するプロモーターの例としては、E.coliのlacオペロンのプロモーター、Streptomyces coelicolorアガラーゼ遺伝子dagA又はcelAプロモーター、Bacillus licheniformis α−アミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、Bacillus stearothermophilusマルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)のプロモーター、Bacillus amyloliquefaciens α−アミラーゼ(amyQ)のプロモーター、Bacillus subtilisのxylA及びxylB遺伝子のプロモーターなどが挙げられる。真菌類の宿主における転写に関して、有用なプロモーターの例としては、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus niger中性α−アミラーゼ、A.niger酸安定α−アミラーゼ、A.nigerグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiリパーゼ、A.oryzaeアルカリ性プロテアーゼ、A.oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼ、又はA.nidulansアセタミダーゼをコードする遺伝子由来のものが挙げられる。AcAmy1又はその変異体をコードする遺伝子が、E.coliなどの細菌種において発現したとき、好適なプロモーターを、例えば、T7プロモーターなどのバクテリオファージプロモーター、及びファージ・ラムダ・プロモーターなどから選択できる。酵母菌種の発現のための好適なプロモーターの例としては、Saccharomyces cerevisiaeのGal 1及びGal 10プロモーター、並びにPichia pastorisのAOX1又はAOX2プロモーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。図2に示されているpJG153ベクターは、例えば、AcAmy1に作動可能に連結するcbh1プロモーターを包含する。cbh1は、T.reesei由来の内在性、誘導性のプロモーターである。Liu et al.(2008)「Improved heterologous gene expression in Trichoderma reesei by cellobiohydrolase I gene(cbh1)promoter optimization」、Acta Biochim.Biophys.Sin(Shanghai)40(2):158〜65を参照されたい。
コード配列は、シグナル配列に作動可能に連結させることができる。シグナル配列をコードするDNAは、発現されるAcAmy1遺伝子と天然に結合しているDNA配列であってもよい。例えば、このDNAは、AcAmy1又はその変異体をコードする核酸に作動可能に連結された配列番号3のAcAmy1シグナル配列をコードしていてもよい。このDNAは、A.clavatus以外の種由来のシグナル配列をコードする。DNA構築体又はベクターを含むシグナル配列及びプロモーター配列は、真菌宿主細胞に導入されてもよく、同じ起源に由来していてもよい。例えば、前記シグナル配列は、cbh1プロモーターに作動可能に連結しているcbh1シグナル配列である。
また、発現ベクターは、好適な転写ターミネーターを含んでもよく、真核生物においては、AcAmy1又はその変異体をコードするDNA配列に作動可能に連結するポリアデニル化配列を含んでもよい。終端及びポリアデニル化配列は、好適には、プロモーターと同一の起源に由来してもよい。
更に、前記ベクターは、宿主細胞中での前記ベクターの複製を可能にするDNA配列を含んでもよい。このような配列の例としては、プラスミドpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1及びpIJ702の複製起点がある。
また、前記ベクターは、選択マーカーを含んでいてもよい。選択マーカーとしては、例えば、B.subtilis若しくはB.licheniformisに由来するdal遺伝子などの、その遺伝子の産物が単離した宿主細胞において欠損を補う遺伝子、又は、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性、クロラムフェニコール耐性若しくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を与える遺伝子などがある。更に、前記ベクターは、amdS、argB、niaD及びsCなどのAspergillus選択マーカー、ヒグロマイシン耐性を生じさせるマーカーを含んでいてもよい。また、当該技術分野で既知であるような、同時形質転換によって、選択を行ってもよい。例えば、PCT出願国際公開第91/17243号を参照されたい。
例えば、特定の細菌又は真菌を宿主細胞として使用して、後の精製のためにAcAmy1又はその変異体を大量に生産するときなど、いくつかの点においては、細胞内発現が有利な場合がある。また、培養培地へのAcAmy1又はその変異体の細胞外分泌を使用して、単離したAcAmy1又はその変異体を含む培養細胞物質を製造することもできる。
典型的には、発現ベクターは、例えば、選択された宿主生物において、該ベクターの自律複製を可能とする因子などの、クローニングベクターの要素と、選択目的のための、表現型として検知可能な1つ以上のマーカーとを含む。発現ベクターは、通常は、プロモーター、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、及び任意選択で、抑制遺伝子、又は1つ以上のアクチベータ遺伝子などの制御ヌクレオチド配列を含む。加えて、発現ベクターは、AcAmy1又はその変異体を、ペルオキシソームなどの宿主細胞の細胞小器官に向けて、又は特定の宿主細胞のコンパートメントに向けて、標的化することが可能なアミノ酸配列のための配列コードを含んでもよい。このような標的化配列としては、SKL配列が挙げられるが、これに限定されない。制御配列の指示の下での発現のために、AcAmy1又はその変異体の核酸配列は、制御配列に、発現に関して適切な態様で、作動可能に連結している。
AcAmy1又はその変異体、プロモーター、ターミネーター及び他の因子をコードするDNA構築体をそれぞれリゲートするため、及び複製に必要な情報を包含する好適なベクターにそれらを挿入するために使用される手順は、当業者に広く知られている(例えば、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd ed.,Cold Spring Harbor,1989、及び3rd ed.,2001を参照されたい)。
3.2.宿主細胞の形質転換及び培養
DNA構築体又は発現ベクターのどちらかを含む単離した細胞は、AcAmy1又はその変異体の組換え生産において、宿主細胞として有利に使用される。宿主染色体に(1つ以上のコピーの)DNA構築体を組み込むことによって、簡便に、前記酵素をコードするDNA構築体を用いた、細胞の形質転換ができる。この組み込みは、細胞内においてDNA配列がより安定に維持される傾向があるため、有利であると一般的に認識されている。宿主染色体へのDNA構築体の組み込みは、従来法に従って(例えば、相同組換え又は、異種組換えによって)行なわれてよい。あるいは、様々な種類の宿主細胞に関して上述したような発現ベクターを用いて、細胞を形質転換してもよい。
好適な細菌宿主生物の例としては、Bacillaceae属のBacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Bacillus lentus、Bacillus brevis、Geobacillus(以前はBacillus)stearothermophilus、Bacillus alkalophilus、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus coagulans、Bacillus lautus、Bacillus megaterium、及びBacillus thuringiensisなど;Streptomyces属の種(Streptomyces murinusなど);Lactococcus sp.(Lactococcus lactisなど)を含む乳酸菌の各種;Lactobacillus sp.(Lactobacillus reuteriなど);Leuconostoc sp.;Pediococcus sp.;並びにStreptococcus sp.などの、グラム陽性の細菌種が挙げられる。あるいは、グラム陰性の、シュードモナス科に属する細菌種又は腸内細菌科に属する細菌種(E.coliなど)の菌株を、宿主生物として選択することもできる。
好適な酵母菌宿主生物は、Pichia sp.、Hansenula sp.、又はKluyveromyces属の種、Yarrowinia属の種、Schizosaccharomyces種、又はSaccharomyces属の種(Saccharomyces cerevisiaeなど)、又は、Schizosaccharomyces属に属する種(例えばS.pombe種など)などの酵母菌種などの、バイオテクノロジー上関連する酵母菌種から選択することができるが、これらに限定されない。メチロトローフ酵母種であるPichia pastoris株を、宿主生物として使用してもよい。あるいは、宿主生物は、Hansenula属の種であってもよい。糸状菌の中でも好適な宿主生物としては、Aspergillus属の種が挙げられ、例えば、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Aspergillus tubigensis、Aspergillus awamori、又はAspergillus nidulansなどがある。あるいは、Fusarium属の種(例えば、Fusarium oxysporumなど)の菌株、又はRhizomucor属の種(例えば、Rhizomucor mieheiなど)の菌株を、宿主生物として使用してもよい。他の好適な菌株としては、Thermomyces属の種、及びMucor属の種が挙げられる。加えて、Trichoderma sp.を、宿主として使用できる。Aspergillus宿主細胞の形質転換のための好適な手順としては、例えば、欧州公開公報第238023号に記載されているものが挙げられる。真菌宿主細胞によって発現されたAcAmy1又はその変異体は、グリコシル化することができる(即ち、AcAmy1又はその変異体が、グリコシル部分を含むことになる。)。グリコシル化パターンは、野生型AcAmy1で示されるものと同一であってもよい。
形質転換された発現ベクターによって、遺伝子欠損が治癒し得る場合は、発現宿主から遺伝子を欠失させることが有利である。既知の方法を使用して、不活性化された遺伝子を1つ以上有する真菌宿主細胞を得ることができる。遺伝子の不活性化は、完全な若しくは部分的な欠失により、挿入による不活性化により、又は、ある遺伝子を、その遺伝子の意図する目的に対して機能しないようにして、機能性タンパク質の発現を阻害する、任意の他の手段によって、達成することができる。クローン化されたTrichoderma sp.又は他の糸状菌宿主に由来する任意の遺伝子(例えば、cbh1、cbh2、egl1、及びegl2遺伝子など)が欠失されてよい。遺伝子の欠失は、不活性化されることが所望される遺伝子の1形態を、当該技術分野において既知の方法により、プラスミドに挿入することで達成することができる。
宿主細胞へのDNA構築体又はベクターの導入には、形質転換、電気穿孔法、核微量注入法、形質導入、トランスフェクション、(例えば、リポフェクションを介した、及びDEAE−デキストリンを介したトランスフェクション)、リン酸カルシウムDNA沈殿を用いたインキュベーション、DNAコーティングされた微粒子銃による高速導入、及びプロトプラスト融合といった手法が含まれる。全般的な形質転換手法が当該技術分野で既知である。例えば、上記Sambrook et al.(2001)を参照されたい。Trichodermaにおける異種タンパク質の発現については、例えば、米国特許第6,022,725号に記載されている。また、Aspergillus株の形質転換に関しては、Cao et al.(2000)Protein Sci.9:991〜1001も参照されたい。遺伝子的に安定な形質転換体は、ベクター系により構築することができ、それによってAcAmy1又はその変異体をコードしている核酸が、宿主株の染色体に安定的に組み込まれる。その後、形質転換体は、既知の手法により選別され、精製される。
形質転換用のTrichoderma sp.の調製には、例えば、菌糸由来のプロトプラストの調製が含まれてもよい。Campbell et al.(1989)Curr.Genet.16:53〜56を参照されたい。菌糸は、出芽させた栄養胞子から得ることができる。細胞壁を消化する酵素を用いて前記菌糸を処理することで、プロトプラストが得られる。次に、懸濁培地に浸透圧安定剤を存在させることで、このプロトプラストを保護する。これらの安定剤としては、ソルビトール、マンニトール、塩化カリウム、及び硫酸マグネシウムなどが挙げられる。通常、これらの安定剤の濃度は、0.8M〜1.2Mの間で様々であり、例えば、1.2Mのソルビトール溶液を、懸濁培地において使用することができる。
宿主のTrichoderma sp.株へのDNAの取り込みは、カルシウムイオン濃度に依存する。概して、約10〜50mMのCaClが取り込み用溶液に使用される。追加の好適な化合物としては、TE緩衝液(10mMトリス、pH 7.4;1mM EDTA)又は10mM MOPS、pH 6.0などの緩衝系、及びポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエチレングリコールは細胞膜を融合させるものと考えられており、そのため、培地の含有物をTrichoderma sp.株の細胞質へ送達することが可能になる。この融合により、高頻度で、宿主の染色体に組み込まれたプラスミドDNAの複数のコピーが残される。
通常、Trichoderma sp.の形質転換では、典型的には10〜10/mL、特に2×10/mLにて浸透性処理を受けたプロトプラスト又は細胞を使用する。適切な溶液(例えば、1.2Mのソルビトール及び50mMのCaCl)中の、これらのプロトプラスト又は細胞を、100μLの体積にて、所望のDNAと混合させてよい。一般的に、高濃度のPEGを取り込み用溶液に加える。0.1〜1体積の25% PEG 4000が、プロトプラスト懸濁物に添加されてよいが、約0.25体積をプロトプラスト懸濁物に添加することが便利である。また、ジメチルスルホキシド、ヘパリン、スペルミジン、及び塩化カリウムなどの添加剤を取り込み用溶液に添加して、形質転換を促進させてもよい。同様の手順が他の真菌宿主細胞についても利用可能である。例えば、米国特許第6,022,725号を参照されたい。
3.3.発現
AcAmy1又はその変異体の生産方法は、酵素の生成を促す条件下で上述したような宿主細胞を培養すること、並びに、細胞及び/又は培養培地から酵素を回収することとを含んでよい。
細胞の培養に使用する培地は、当該宿主細胞の成長、及びAcAmy1又はその変異体の発現を得ることに対して好適な、任意の従来型の培地でよい。好適な培地及び培地成分は、業者から入手可能であり、又は公開された処方(例えば、American Type Culture Collectionのカタログに記載のものなど)に従って調製してもよい。
宿主細胞から分泌される酵素は、全ブロス試料にて使用することができる。本発明の方法では、組換え微生物の、使用済み全発酵ブロス(spent whole fermentation broth)の調製は、α−アミラーゼの発現をもたらす、当該技術分野で既知の任意の培養法を使用して達成することができる。それ故、発酵には、アミラーゼの発現又は単離を可能とする好適な培地中及び条件下で行われる、フラスコ振とう培養法、実験用又は工業用発酵槽中での小規模又は大規模発酵(連続発酵、バッチ発酵、流加発酵、又は固相発酵などを含む)が含まれると理解することができる。本明細書では、用語「使用済み全発酵ブロス」は、培養培地、細胞外タンパク質(例えば、酵素など)、及び細胞バイオマスなどの発酵物質の未分離内容物として定義される。また、用語「使用済み全発酵ブロス」は、当該技術分野で周知の方法を使用して、溶解させた、又は透過処理された細胞のバイオマスを包摂することが理解される。
宿主細胞から分泌される酵素は、周知の手順により、培養培地から簡便に回収されてよく、周知の手順としては、遠心分離又は濾過による培地からの細胞の分離、及び硫酸アンモニウムのような塩を用いた培地のタンパク質成分の沈殿に続いて、クロマトグラフィー法(イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーなど)を使用することによって分離することなどが挙げられる。
あるベクター中のAcAmy1又はその変異体をコードするポリヌクレオチドは、宿主細胞によるコード配列の発現をもたらすことが可能な制御配列に、作動可能に連結していてもよい(即ち、このベクターは、発現ベクターである)。制御配列を、例えば更なる転写調節因子の追加によって改変して、制御配列によって指示される転写のレベルを、転写調節物質に対してより敏感になるようにしてもよい。具体的には、制御配列は、プロモーターを含んでもよい。
宿主細胞は、AcAmy1又はその変異体の発現が可能となる好適な条件下で、培養されてよい。酵素の発現は、酵素が持続的に生産されるか、又は誘導可能(発現を開始するために刺激を必要とする)であるような、構成的なものであってよい。誘導性発現の場合、タンパク質の生産は、必要なときに、培養培地に対して誘導物質(例えばデキサメタゾン、又はIPTG、又はソホロースなど)を添加することなどにより、開始することができる。また、ポリペプチドは、TNT(商標)(Promega)ウサギ網状赤血球系などのインビトロ無細胞系にて、組換え生産することができる。
また、発現宿主は、好気条件下で、宿主に対する適切な培地において培養することもできる。宿主に必要な条件、及び所望のAcAmy1又はその変異体の生産量に応じて、振とう、又はエアレーションと撹拌との組み合わせを行い、宿主にとって適切な温度にて(例えば、約25℃〜約75℃(例えば、30℃〜45℃))生産する。培養は、約12〜約100時間以上(及び、この間にある任意の時間値(例えば、24〜72時間))で行うことができる。典型的には、培養ブロスも、AcAmy1又はその変異体の生産に関して宿主が必要とする培養条件に依存し、pH約4.0〜約8.0である。
3.4.AcAmy1活性の確認
宿主細胞におけるAcAmy1又はその変異体の発現を評価するために、調査を行うことで、発現タンパク質、対応するmRNA、又はα−アミラーゼ活性を測定することができる。例えば、好適な調査法としては、ノーザンブロッティング、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応、適切に標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用するインサイチューハイブリダイゼーションが挙げられる。また、好適な調査法としては、例えば、培養培地のグルコースなどの還元糖を直接測定する調査法によって、試料中のAcAmy1活性を測定することなどが挙げられる。例えば、グルコース濃度は、グルコース試薬キットのNo.15−UV(Sigma Chemical Co.)、又はTechnicon Autoanalyzerなどの機器を使用して決定してもよい。また、α−アミラーゼ活性は、下に記載するPAHBAHアッセイ、又はABTSアッセイなどの既知の任意の方法によって測定してもよい。
3.5.AcAmy1及びその変異体の精製方法
発酵、分離、及び濃縮手法は、当該技術分野で周知であり、濃縮AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチド含有溶液を調製するために、従来法を使用することができる。
発酵の後、発酵ブロスが得られ、アミラーゼ溶液を得るために、微生物細胞、及び残余発酵原料を含む様々な懸濁された固形分が、従来の分離手法によって取り除かれる。一般的には、濾過、遠心分離、精密濾過、回転真空ドラム濾過、限外濾過、後に限外濾過を伴う遠心分離、抽出、又はクロマトグラフィーなどが使用される。
回収を最適化するために、AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチド含有溶液を濃縮することが望ましい。濃縮していない溶液を使用する場合は、精製された酵素沈殿物を回収するために長いインキュベーション時間が必要となる。
酵素含有溶液は、従来の濃縮手法を使用して、所望の酵素濃度が得られるまで、濃縮される。酵素含有溶液の濃縮は、本明細書に述べた手法のいずれによって達成されてもよい。精製方法の例としては、回転真空濾過、及び/又は限外濾過が挙げられるが、これらに限定されない。
酵素溶液は、濃縮AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチド含有溶液の酵素活性が所望のレベルになるまで、濃縮されて、濃縮酵素溶液となる。
濃縮は、例えば、金属ハロゲン化物沈殿剤などの沈殿剤を使用して行ってもよい。金属ハロゲン化物沈殿剤としては、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、及び2種類以上のこれらの金属ハロゲン化物の配合物が挙げられるが、これらに限定されない。金属ハロゲン化物の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及び2種類以上のこれらの金属ハロゲン化物の配合物が挙げられる。また、金属ハロゲン化物沈殿剤、塩化ナトリウムは、保存剤としても使用できる。
金属ハロゲン化物沈殿剤は、AcAmy1又はその変異体を沈殿させるのに有効な量で使用される。前記酵素の沈殿を引き起こすのに有効な、金属ハロゲン化物の最小有効量及び最適量の選択、並びに回収量を最大にするための沈殿条件(インキュベーション時間、pH、温度、及び酵素濃度など)は、通例の試験を経ることで、当業者には容易に明らかとなるであろう。
概ね、少なくとも約5% w/v(重量/体積)〜約25% w/vの金属ハロゲン化物が、濃縮酵素溶液に添加されるが、通常は少なくとも8% w/vである。概ね、約25% w/v以下の金属ハロゲン化物が、濃縮酵素溶液に添加されるが、通常は約20% w/v以下である。金属ハロゲン化物沈殿剤の最適濃度は、とりわけ、具体的なAcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチドの性質、及び濃縮酵素溶液中での該AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチドの濃度に依存するであろう。
前記酵素の沈殿のための他の代替法は、有機化合物を使用することである。有機化合物の沈殿剤の例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸のアルカリ金属塩、4−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、及び2種類以上のこれらの有機化合物の配合物が挙げられる。前記有機化合物沈殿剤の添加は、金属ハロゲン化物沈殿剤の添加に先立って、それと同時に、又はその後に行ってもよく、両沈殿剤(有機化合物及び金属ハロゲン化物)の添加は、順番に又は同時に行われてもよい。
一般的に、有機性の沈殿剤は、4−ヒドロキシ安息香酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩又はカリウム塩など)、及び4−ヒドロキシ安息香酸の直鎖状又は分岐鎖状アルキルエステル(ここで、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を包含する)、及び2種類以上のこれらの有機化合物の配合物からなる群から選択される。有機化合物沈殿剤は、例えば、直鎖状又は分岐鎖状の4−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル類(ここで、アルキル基は1〜10個の炭素原子を包含する)、及び2種類以上のこれらの有機化合物の配合物であってもよい。有機化合物の例としては、直鎖状4−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル類(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を包含する)、及び2種類以上のこれらの有機化合物の配合物が挙げられる。また、4−ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸のプロピルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸のブチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸のエチルエステル、及び2種類以上のこれらの有機化合物の配合物を使用してもよい。また、追加の有機化合物としては、共にアミラーゼ保存剤である、4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(メチルパラベンと命名されている)、4−ヒドロキシ安息香酸プロピルエステル(プロピルパラベンと命名されている)が挙げられるが、これらに限定されない。更なる詳細については、例えば、米国特許第5,281,526号を参照されたい。
有機化合物沈殿剤の添加は、pH、温度、AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチド濃度、沈殿剤濃度、及びインキュベーション時間に関する沈殿条件に、高い柔軟性という利点を与える。
有機化合物沈殿剤は、金属ハロゲン化物沈殿剤による前記酵素の沈殿が改善するのに有効な量で使用される。有機化合物沈殿剤の最小有効量及び最適量の選択、並びに回収量を最大にするための沈殿条件(インキュベーション時間、pH、温度、及び酵素濃度など)は、通例の試験を経ることで、本開示に照らして、当業者には容易に明らかとなるであろう。
概ね、少なくとも約0.01% w/vの有機化合物沈殿剤が、濃縮酵素溶液に添加されるが、通常は少なくとも約0.02% w/vである。概ね、約0.3% w/v以下の有機化合物沈殿剤が、濃縮酵素溶液に添加されるが、通常は約0.2% w/v以下である。
金属ハロゲン化物沈殿剤及び有機化合物沈殿剤を含有する濃縮ポリペプチド溶液は、あるpHに調整することができ、このpHは、必然的に精製される酵素に依存するであろう。概ね、このpHは、アミラーゼの等電点に近いレベルに調整される。pHは、等電点(pI)より約2.5pH単位低い値から等電点より約2.5pH単位高い値までの範囲内のpHに調整されてよい。
精製した酵素沈殿物を得るために必要なインキュベーション時間は、具体的な酵素の性質、酵素の濃度、並びに具体的な1種類又は複数種類の沈殿剤及びその沈殿剤の濃度に依存する。概ね、酵素を沈殿させるのに有効な時間は、約1〜約30時間であり、通常は、約25時間を超えることはない。有機化合物沈殿剤の存在下では、インキュベーション時間はいっそう短縮され、約10時間未満となり、多くの場合では約6時間になる。
概ね、インキュベーション中の温度は、約4℃〜約50℃である。通常、この方法は、温度約10℃〜約45℃(例えば、約20℃〜約40℃)にて行われる。沈殿を誘導する最適な温度は、溶液条件、及び使用される酵素又は1種類又は複数種類の沈殿剤に従って様々である。
精製した酵素沈殿物の全回収量、及びこのプロセスが行われる効率は、酵素と、添加した金属ハロゲン化物と、添加した有機化合物とを含む溶液を撹拌することによって改善することができる。撹拌工程は、金属ハロゲン化物及び有機化合物の添加の間と、その後のインキュベーション期間の間との両方で行われる。好適な撹拌方法としては、機械的な撹拌若しくは振とう、激しいエアレーション、又は任意の同様の手法が挙げられる。
インキュベーション期間の後、精製した酵素は、解離させた色素及び他の不純物から分離され、濾過、遠心分離、精密濾過、回転真空ドラム濾過、限外濾過、加圧濾過、クロス式精密膜濾過、クロスフロー式精密膜濾過などの従来の分離手法によって回収される。精製した酵素沈殿物の更なる精製は、水で沈殿物を洗浄することにより達成できる。例えば、精製した酵素沈殿物は、金属ハロゲン化物沈殿剤を含有する水、又は金属ハロゲン化物及び有機化合物沈殿剤を含有する水を用いて洗浄される。
発酵の間、AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチドは、培養ブロス中に蓄積されていく。所望のAcAmy1又は変異体αアミラーゼの単離及び精製のために、培養ブロスを遠心分離にかけるか、又は濾過して細胞を取り去り、得られた細胞を含まない液体を、酵素精製に使用する。1実施形態では、細胞を含まないブロスは、飽和度約70%の硫酸アンモニウムを使用した、塩析を受け、その後、70%飽和液−沈殿物画分を緩衝液に溶解して、Sephadex G−100カラムなどのカラムに適用し、溶出させて、酵素活性画分を回収する。更なる精製に関しては、イオン交換クロマトグラフィーなどの従来の手順が使用されてもよい。
精製した酵素は、洗濯及び洗浄用途で有用である。例えば、前記酵素を、洗濯用洗剤及びスポットリムーバー(spot remover)において使用することができる。前記酵素は、液体(溶液、スラリー)、又は固体(顆粒、粉末)のどちらかの最終製品へと製造され得る。
精製のより具体的な例は、Sumitani et al.(2000)「New type of starch−binding domain:the direct repeat motif in the C−terminal region of Bacillus sp.195 α−amylase contributes to starch binding and raw starch degrading」、Biochem.J.350:477〜484に記載されており、簡単に本明細書で要約される。4リットルのStreptomyces lividans TK24培養液の上清から得られた酵素を、飽和度80%の(NHSOを用いて処理した。10,000×g(20分かつ4℃)での遠心分離によって沈殿物を回収し、5mMのCaClを含有する20mMトリス/HCl緩衝液(pH 7.0)に再溶解させた。その後、可溶化された沈殿物を、同一の緩衝液に対して透析した。透析した試料を、前もって20mMトリス/HCl緩衝液(pH 7.0)、5mMCaClを用いて平衡化したSeph acryl S−200カラムに適用し、同一の緩衝液を用いて7mL/hrの直線流速にて溶出させた。このカラムから画分を回収し、酵素アッセイ及びSDS−PAGEによって判断されるように活性を評価した。このタンパク質を、次のように更に精製した。Toyopearl HW55カラム(Tosoh Bioscience,Montgomeryville,PA;Cat.No.19812)を、5mMのCaCl及び1.5M(NHSOを含有する20mMトリス/HCl緩衝液(pH 7.0)を用いて平衡化した。酵素を、5mMのCaClを含有する20mMトリス/HCl緩衝液(pH 7.0)中の(NHSOにつき、1.5から0Mへの直線グラジエントで、溶出させた。活性画分を回収し、酵素を、飽和度80%の(NHSOを用いて沈殿させた。沈殿物を回収し、再溶解させ、上述したように、透析した。その後、透析した試料を、前もって5mM CaCl含有20mMトリス/HCl緩衝液(pH 7.0)を用いて平衡化したMono Q HR5/5カラム(Amersham Pharmacia;Cat.No.17−5167−01)に、60mL/hrの流速にて適用した。活性画分を回収し、1.5Mの(NHSO溶液に添加した。先程と同様に、活性酵素画分を、Toyopearl HW55カラムにて再度クロマトグラフィーにかけると、SDS−PAGEによって決定されたものと同種の酵素を産出した。この方法及びその変形例の全般的な記載については、Sumitani et al.(2000)Biochem.J.350:477〜484を参照されたい。
生産規模での回収のため、AcAmy1又は変異体α−アミラーゼポリペプチドは、ポリマー類を用いた凝集を介して細胞を取り除くことにより、上で概説したように、部分的に精製することもできる。あるいは、前記酵素は、精密濾過によって精製した後に、利用可能な膜及び装置を使用した限外濾過によって、濃縮することもできる。しかしながら、一部の用途向けには、前記酵素を精製する必要はなく、全ブロス培養物を溶解させて、追加処理を施すことなく使用できる。その後、前記酵素を、例えば、顆粒などへ加工することができる。
4.AcAmy1及びその変異体の組成及び使用
AcAmy1及びその変異体は、様々な工業的用途で有用である。例えば、AcAmy1及びその変異体は、デンプン変換プロセスにおいて有用であり、具体的には、液化を受けたデンプンの糖化プロセスにおいて有用である。所望の最終製品は、デンプン基質の酵素による変換によって生産され得る任意の製品であってよい。例えば、所望の製品は、HFCSの調製などの他のプロセスで使用できる、又はアスコルビン酸中間体類(例えば、グルコン酸;2−ケト−L−グロン酸;5−ケト−グルコン酸;及び2,5−ジケトグルコン酸など);1,3−プロパンジオール;芳香族アミノ酸類(例えば、チロシン、フェニルアラニン、及びトリプトファンなど);有機酸類(例えば、乳酸、ピルビン酸、コハク酸、イソクエン酸、及びオキサロ酢酸など);アミノ酸類(例えば、セリン及びグリシンなど);抗生物質類;抗菌剤類;酵素類;ビタミン類;ホルモン類などの、多数の他の有用な製品へと変換できる、グルコース及びマルトースに富むシロップであってよい。
デンプンの変換プロセスは、燃料用アルコール、又は飲むためのアルコール(即ち、飲用アルコール)を生産するように設計された発酵プロセスに先立って、又はそれと同時に行われるプロセスであってもよい。当業者であれば、これらの最終製品の生産に使用できる様々な発酵条件を知っている。また、AcAmy1及びその変異体は、食品調製組成物及び食品調製方法においても有用である。これらの様々な、AcAmy1及びその変異体の使用について、以下により詳細に説明する。
4.1.デンプン基質の調製
当業者であれば、本開示のプロセスで使用するためのデンプン基質の調製に使用し得る、利用可能な方法をよく理解している。例えば、有用なデンプン基質は、塊茎類、根類、茎類、豆類、穀物又は全粒から得ることができる。より具体的には、粒状デンプンは、トウモロコシ、トウモロコシの穂軸、小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、ミロ、サゴ、キビ、キャッサバ、タピオカ、ソルガム、米、エンドウ豆、豆、バナナ、又はジャガイモから得ることができる。トウモロコシは約60〜68%のデンプンを含有し、大麦は約55〜65%のデンプンを含有し、キビは約75〜80%のデンプンを含有し、小麦は約60〜65%のデンプンを含有し、精白米は70〜72%のデンプンを含有する。具体的に想定されているデンプン基質は、トウモロコシデンプン、及び小麦デンプンである。穀類由来のデンプンは摩砕されていても、未精製でもよく、穀粒、糠、及び/又は穂軸といったトウモロコシ固形分を含む。デンプンは、高精製した生デンプン、又はデンプン精製プロセスで得られる原材料であってよい。また、様々なデンプンが市販されている。例えば、トウモロコシデンプンは、Cerestar、Sigma、及びKatayama Chemical Industry Co.(Japan)から入手可能であり、小麦デンプンはSigmaから入手可能であり、サツマイモデンプンはWako Pure Chemical Industry Co.(Japan)から入手可能であり、ジャガイモデンプンはNakaari Chemical Pharmaceutical Co.(Japan)から入手可能である。
デンプン基質は、粉砕した全粒から得た粗デンプンであってよく、この粗デンプンは、非デンプン画分(例えば、胚芽の残分及び繊維など)を含有している。粉砕法には、湿式粉砕法、又は乾式粉砕法若しくは摩砕法のどちらも含まれてよい。湿式粉砕法では、全粒を水又は希酸に浸して、穀類をその各構成部分(例えば、デンプン、タンパク質、胚芽、油、穀粒繊維)に分離する。湿式粉砕法は胚芽とあらびき粉(即ち、デンプン顆粒とタンパク質)を効率的に分離し、シロップの生産に特に好適である。乾式の粉砕法又は摩砕法では、全穀粒を挽いて細かい粉末にし、大抵は、穀類をその構成部分に分画せずに加工する。場合によっては、穀粒から油を回収する。それ故、乾式摩砕された穀類は、デンプンに加えて、大量の非デンプン炭水化物化合物を含むことになる。デンプン基質の乾式摩砕は、エタノール及び他の生化学物質の生産に使用することができる。加工されるデンプンは、高度に精製された品質のものであってよく、例えば少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99.5%の純度のデンプンであってよい。
4.2.デンプンの糊化及び液化
本明細書で使用するとき、用語「液化」又は「液化する」は、デンプンが、より低い粘性の、かつより短鎖のデキストリンに変換されるプロセスを意味する。概ね、このプロセスには、α−アミラーゼの添加と同時の、又はそれに先立つ、デンプンの糊化が含まれるが、任意選択で、追加の液化誘導性の酵素が添加されてもよい。幾つかの実施形態では、上述したように調製したデンプン基質を、水と共にスラリー化する。このデンプンスラリーは、乾燥固形分の重量パーセントとして、約10〜55%、約20〜45%、約30〜45%、約30〜40%、又は約30〜35%のデンプンを含有してよい。このスラリーに、例えば、定量ポンプを用いて、α−アミラーゼ(EC 3.2.1.1)を添加してよい。この用途で典型的に使用されるα−アミラーゼは、熱的に安定なGeobacillus stearothermophilus α−アミラーゼなどの、細菌性α−アミラーゼである。通常、α−アミラーゼは、例えば、デンプンの乾燥物1kg当たり約1500単位で供給される。α−アミラーゼ安定性及び活性を最適化するために、典型的には、このスラリーのpHは、約pH 5.5〜6.5に調整され、典型的には、約1mMのカルシウム(約40ppmの遊離カルシウムイオン)が、添加される。Geobacillus stearothermophilus変異体又は他のα−アミラーゼは、異なった条件を必要とする場合がある。液化後のスラリー中に残存する細菌性α−アミラーゼは、続く反応工程にてpHを下げることを含む、多くの方法を介して、又は酵素が、カルシウムに依存する場合には、スラリーからカルシウムを取り除くことにより、不活性化できる。
α−アミラーゼが加えられたデンプンスラリーを、蒸気で105℃に加熱されたジェット式調理器(jet cooker)を連続的に通過させて、汲み上げてもよい。これらの条件下では、糊化が急速に生じ、そして、大きなせん断力と組み合わされた酵素活性により、デンプン基質の加水分解が開始される。ジェット式調理器内での滞留時間はわずかである。部分的に糊化したデンプンを、105〜110℃に維持された一連の保持管に注入し、5〜8分間保持することで、糊化プロセス(「一次液化」)を完了させることができる。必要なDEへの加水分解は、約1〜2時間(「二次液化」)にわたって85〜95℃以上の温度にされた、保持タンク内にて完了する。逆混合を防ぐために、これらのタンクはバッフルを有してもよい。本明細書で使用するとき、用語「二次液化時間」とは、二次液化の開始からデキストロース当量(DE)が測定される時間までに経過した時間を指す。その後、このスラリーを室温まで冷却する。この冷却工程は、30〜180分であってよく、例えば90分〜120分である。
上記プロセスから得られる液化デンプンは、典型的には、約98%のオリゴ糖及び約2%のマルトース及び0.3%のD−グルコースを含有する。典型的には、液化デンプンは、約10〜50%、約10〜45%、約15〜40%、約20〜40%、約25〜40%、又は約25〜35%の乾燥固形分含有量(w/w)を有するスラリー形態である。
AcAmy1及びその変異体は、液化プロセスにおいて、細菌性α−アミラーゼに代えて、使用することができる。AcAmy1及びその変異体を用いた液化は、低pHにて有利に行うことができ、pHを約pH 5.5〜6.5に調整する必要がない。AcAmy1及びその変異体は、pH範囲2〜7にて(例えば、pH 3.0〜7.5、pH 4.0〜6.0、又はpH 4.5〜5.8にて)、液化に使用することができる。AcAmy1及びその変異体は、約85℃〜95℃の温度範囲(例えば、85℃、90℃、又は95℃など)にて液化活性を維持することができる。例えば、液化は、pH 5.8、85℃にて、又はpH 4.5、95℃にて、10分間、25% DSのトウモロコシデンプンの溶液に、800μgのAcAmy1又はその変異体を用いて行うことができる。液化活性は、当該技術分野で既知の、多数の粘度アッセイのうちの任意のものを使用して調査することができる。
4.3.糖化
液化デンプンは、(任意選択で、他の1種類又は複数種類の酵素の存在下で、)AcAmy1及びその変異体を使用することにより、より低DP(例えば、DP1+DP2)の糖類に富むシロップへと糖化することができる。糖化の生産物の正確な組成は、使用した酵素の組み合わせ、並びに加工した粒状デンプンの種類に依存する。有利には、提供されたAcAmy1及びその変異体を使用して得ることができるシロップは、糖化されたデンプン中の全オリゴ糖での重量パーセントにして、30%を超えるDP2(例えば、45%〜65%又は55%〜65%)を含有してもよい。糖化されたデンプンの(DP1+DP2)の重量パーセントは、約70%、例えば75%〜85%、又は80%〜85%を超えてもよい。また、AcAmy1又はその変異体は、シロップ製品中において、グルコースを比較的高い収率(例えば、DP1>20%)で生産する。
一方で、液化は持続的なプロセスとして進行するため、糖化は大抵バッチプロセスとして行われる。典型的には、液化デンプンの冷却とpH調整が必要になり、糖化は、温度約60〜65℃、かつpH約4.0〜4.5(例えば、pH 4.3)にて最も効果的である。糖化は、例えば、約40℃、約50℃、又は約55℃〜約60℃又は約65℃の温度にて、行われてよい。糖化は、通常、撹拌タンクにて行われ、この撹拌タンクを充填する、又は空にするには数時間かかる。典型的には、酵素は、(タンクが満たされている場合に、)乾燥固体に対して固定比にて添加されるか、又は、充填段階の始めに単一投入で添加されるか、のどちらかである。シロップを製造するための糖化反応は、典型的には、約24〜72時間、例えば、24〜48時間にわたって進行させる。最大DE又は所望のDEに到達させると、例えば、85℃で5分間加熱することによって、この反応を停止させる。酵素的逆反応によって、かつ/又は熱力学的平衡への接近によって、蓄積されたグルコースが、イソマルトース及び/又は他の逆生産物へと、再重合するため、更なるインキュベーションは、DEの低下をもたらし、最終的には、約90DEとなるであろう。AcAmy1ポリペプチド又はその変異体を使用したとき、最適には、糖化は、約30℃〜約75℃(例えば、45℃〜75℃、又は47℃〜74℃)の温度範囲にて行われる。糖化は、約pH 3〜約pH 7のpH範囲にわたって(例えば、pH 3.0〜pH 7.5、pH 3.5〜pH 5.5、pH 3.5、pH 3.8、又はpH 4.5)行うことができる。
また、AcAmy1又はその変異体は、組成物の形態でスラリーに添加されてもよい。AcAmy1又はその変異体は、約0.6〜10ppm ds(例えば、2ppm ds)の量で、粒状デンプン基質のスラリーへと添加することができる。AcAmy1又はその変異体は、全ブロス、清澄化した、部分的に精製した、又は精製した酵素として添加することができる。例えば、PAHBAHアッセイを用いて計測すると、精製したAcAmy1又はその変異体の比活性は、酵素1mg当たり約300U/mgであってもよい。また、AcAmy1又はその変異体は、全ブロス生成物として添加されてもよい。
AcAmy1又はその変異体は、単離された酵素溶液としてスラリーに添加されてもよい。例えば、AcAmy1又はその変異体は、AcAmy1又はその変異体を発現する宿主細胞によって生産された培養細胞物質の形態で添加することができる。また、AcAmy1又はその変異体は、前記酵素が、持続的に反応へと供給されるように、発酵又はSSFプロセスの間に、宿主細胞から反応培地へと分泌されてもよい。また、AcAmy1又は変異体を生産及び分泌する宿主細胞は、グルコアミラーゼなどの更なる酵素を発現してもよい。例えば、米国特許第5,422,267号は、アルコール飲料の生産ための酵母菌のグルコアミラーゼの使用について開示している。例えば、宿主細胞(例えば、Trichoderma reesei、又はAspergillus niger)は、糖化の間に、AcAmy1又はその変異体、及びグルコアミラーゼ(例えば、HgGA、TrGA、又はTrGA変異体など)を共発現するように、遺伝子操作されていてもよい。宿主細胞は、内在性のグルコアミラーゼ、及び/又は他の酵素類、タンパク質類、又は他の物質を発現しないように、遺伝的に改変されていてもよい。広範囲にわたる様々な糖化酵素類を発現させるために、宿主細胞を、遺伝子操作することもできる。例えば、組換え酵母菌宿主細胞は、グルコアミラーゼ、アルファ−グルコシダーゼ(ペントース糖を利用する酵素)、αアミラーゼ、プルラナーゼ(pullulanse)、イソアミラーゼ、及び/又はイソプルラナーゼをコードする核酸を含んでもよい。例えば、国際公開第2011/153516(A2)を参照されたい。
4.4.異性化
AcAmy1又はその変異体を用いた処理により生産された可溶性デンプン加水分解物は、高フルクトースのトウモロコシシロップ(HFCS)などの、高フルクトースデンプン系シロップ(HFSS)へと変換できる。この変換は、グルコースイソメラーゼ、特に固体担体に固定化されたグルコースイソメラーゼを使用して達成することができる。pHを、約6.0〜約8.0(例えば、pH 7.5)に増加させ、Ca2+を、イオン交換によって取り除く。好適なイソメラーゼとしては、Sweetzyme(登録商標)、IT(Novozymes A/S);G−zyme(登録商標)IMGI、及びG−zyme(登録商標)G993、Ketomax(登録商標)、G−zyme(登録商標)G993、G−zyme(登録商標)G993液、及びGenSweet(登録商標)IGIが挙げられる。異性化の後、この混合物は、典型的には、約40〜45%(例えば42%)のフルクトースを含有する。
4.5.発酵
可溶性デンプン加水分解物、具体的にはグルコースに富むシロップは、典型的には、約32℃(例えば30℃〜35℃)の温度で、発酵生物と前記デンプン加水分解物を接触させることによって、発酵させることができる。EOF生産物としては、クエン酸、乳酸、コハク酸、グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウム、イタコン酸及び他のカルボン酸類、グルコノデルタラクトン、エリソルビン酸ナトリウム、リジン及び他のアミノ酸類、オメガ3脂肪酸、ブタノール、イソプレン、1,3−プロパンジオール、並びに他の生体材料などの代謝産物が挙げられる。
エタノール産生微生物としては、酵母菌(Saccharomyces cerevisiaeなど)、及び細菌(例えば、アルコールデヒドロゲナーゼ、及びピルビン酸デカルボキシラーゼを発現するZymomonas moblisなど)が挙げられる。エタノール産生微生物は、キシロースをキシルロースへ変換する、キシロースレダクターゼ、及びキシリトールデヒドロゲナーゼを発現することができる。例えば、より高温に耐えうるものなどの、エタノール産生微生物の改良株が、当該技術分野で既知となっており、これらの改良株を使用してもよい。Liu et al.(2011)Sheng Wu Gong Cheng Xue Bao 27(7):1049〜56を参照されたい。酵母菌の販売元としては、ETHANOL RED(登録商標)(LeSaffre);Thermosacc(登録商標)(Lallemand);RED STAR(登録商標)(Red Star);FERMIOL(登録商標)(DSM Specialties);及びSUPERSTART(登録商標)(Alltech)などが挙げられる。また、発酵によりクエン酸及び乳酸などの他の代謝産物を生産する微生物も、当該技術分野で既知である。例えば、Papagianni(2007)「Advances in citric acid fermentation by Aspergillus niger:biochemical aspects,membrane transport and modeling」、Biotechnol.Adv.25(3):244〜63;John et al.(2009)「Direct lactic acid fermentation:focus on simultaneous saccharification and lactic acid production」、Biotechnol.Adv.27(2):145〜52を参照されたい。
糖化及び発酵プロセスは、SSFプロセスとして実行されてもよい。発酵は、例えば、後のエタノールの精製及び回収を含んでもよい。発酵の間、ブロス又は「ビール」のエタノール含有量は、約8〜18% v/v(例えば、14〜15% v/v)に達する場合がある。ブロスを、蒸留して、富化させ、例えば、純度96%のエタノール溶液を生産してもよい。更に、発酵で発生したCOは、COスクラバーを用いて回収し、圧縮して、例えば、炭酸飲料又はドライアイス生産などの、他の使用のために販売してもよい。発酵プロセスからの固形廃棄物は、例えば、家畜用飼料などの、タンパク質に富んだ製品として使用されてもよい。
上述したように、SSFプロセスは、SSFの間を通して持続的にAcAmy1又はその変異体を発現し、かつ分泌する真菌細胞によって行うことができる。また、AcAmy1又はその変異体を発現する真菌細胞は、発酵性の微生物(例えば、エタノール産生微生物)でもあり得る。それ故、エタノール生産は、十分なAcAmy1又はその変異体を発現する真菌細胞を使用して行うことができるため、外因的に添加しなければならない酵素が少ないか、又は不要である。真菌宿主細胞は、適切に遺伝子操作した菌株に由来することができる。また、AcAmy1又はその変異体に加えて、他の酵素を発現、及び分泌する真菌宿主細胞を使用することもできる。これらの細胞は、グルコアミラーゼ、及び/又はプルラナーゼ、フィターゼ、アルファ−グルコシダーゼ、イソアミラーゼ、ベータアミラーゼセルラーゼ、キシラナーゼ、他のヘミセルラーゼ類、プロテアーゼ、ベータ−グルコシダーゼ、ペクチナーゼ、エステラーゼ、酸化還元酵素類、トランスフェラーゼ、又は他の酵素を発現してもよい。
このプロセスの変更例は、「流加発酵」システムであり、この場合、基質は、発酵が進行するにつれて、増加させて添加される。流加システムは、異化産物抑制によって細胞の代謝が阻害され得、培地中の基質の量が制限されていることが望ましい場合に有用である。流加システムにおける実際の基質濃度は、pH、溶存酸素、及びCOなどの排出ガスの分圧などの測定可能な因子の変化によって推定される。バッチ発酵及び流加発酵は一般的なものであり、当該技術分野では周知のものである。
連続発酵は、規定の発酵培地をバイオリアクターに連続的に加え、等量の調整済の培地を加工用に同時に取り出す開放システムである。連続発酵では一般的に培養物は一定の高密度に維持され、細胞は主として対数期増殖する。連続発酵により、細胞成長、及び/又は生産物濃度の調節が可能となる。例えば、炭素源又は窒素源などの律速栄養素が固定速度に維持され、他のすべてのパラメータは適度に調節される。成長が定常状態に維持されるため、汲みだされている培地に起因する細胞損失は、発酵における細胞の成長速度に対して釣り合わされるべきである。連続発酵プロセスを最適化し、かつ生産物の形成を最大化する方法は、応用微生物学の分野で周知である。
4.6.AcAmy1又はその変異体を含む組成物
AcAmy1又はその変異体と、グルコアミラーゼ(EC 3.2.1.3)(例えば、Trichodermaグルコアミラーゼ又はその変異体など)とを組み合わせてもよい。グルコアミラーゼの例としては、優れた比活性と、熱安定性とを有するTrichoderma reeseiグルコアミラーゼ(TrGA)及びその変異体がある。米国特許出願公開第2006/0094080号、第2007/0004018号、及び第2007/0015266号(Danisco US Inc.)を参照されたい。TrGAの好適な変異体としては、グルコアミラーゼ活性と、野生型TrGAに対して、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性とを有するものが挙げられる。AcAmy1及びその変異体は、TrGAによって触媒される糖化プロセスで生産されるグルコースの収率を有利に増加させる。
あるいは、グルコアミラーゼは、植物、真菌、又は細菌由来の他のグルコアミラーゼであってもよい。例えば、グルコアミラーゼは、Aspergillus niger G1若しくはG2グルコアミラーゼ又はその変異体(例えば、Boel et al.(1984)EMBO J.3:1097〜1102;国際公開第92/00381号;国際公開第00/04136号(Novo Nordisk A/S));及びA.awamoriグルコアミラーゼ(例えば、国際公開第84/02921号(Cetus Corp.))であってもよい。他に想定されているAspergillusグルコアミラーゼとしては、熱安定性を強化した変異体類、例えば、G137A及びG139A(Chen et al.(1996)Prot.Eng.9:499〜505);D257E及びD293E/Q(Chen et al.(1995)Prot.Eng.8:575〜582);N182(Chen et al.(1994)Biochem.J.301:275〜281);A246C(Fierobe et al.(1996)Biochemistry,35:8698〜8704);並びに、A435位及びS436位にPro残基を有する変異体類(Li et al.(1997)Protein Eng.10:1199〜1204)が挙げられる。他に想定されているグルコアミラーゼ類としては、Talaromycesグルコアミラーゼがあげられ、具体的には、T.emersoniiに由来するもの(例えば、国際公開第99/28448号(Novo Nordisk A/S))、T.leycettanusに由来するもの(例えば、米国再発行特許第32,153号(CPC International,Inc.))、T.duponti又はT.thermophilusに由来するもの(例えば、米国特許第4,587,215号)などがある。想定されている細菌性グルコアミラーゼ類としては、クロストリジウム属由来のグルコアミラーゼが挙げられ、具体的には、C.thermoamylolyticum(例えば、欧州特許第135,138号(CPC International,Inc.))、及びC.thermohydrosulfuricum(例えば、国際公開第86/01831号(Michigan Biotechnology Institute))などが挙げられる。好適なグルコアミラーゼ類としては、国際公開第00/04136号(Novo Nordisk A/S)の配列番号2で示されているグルコアミラーゼなどの、Aspergillus oryzae由来のグルコアミラーゼが挙げられる。また、AMG 200L;AMG 300L;SAN(商標)SUPER及びAMG(商標)E(Novozymes);OPTIDEX(登録商標)300及びOPTIDEX L−400(Danisco US Inc.);AMIGASE(商標)及びAMIGASE(商標)PLUS(DSM);G−ZYME(登録商標)G900(Enzyme Bio−Systems);及びG−ZYME(登録商標)G990 ZR(プロテアーゼ含有量の低いA.nigerグルコアミラーゼ)などの、市販のグルコアミラーゼ類も好適である。更なる他の好適なグルコアミラーゼ類としては、Aspergillus fumigatusグルコアミラーゼ、Talaromycesグルコアミラーゼ、Thielaviaグルコアミラーゼ、Trametesグルコアミラーゼ、Thermomycesグルコアミラーゼ、Atheliaグルコアミラーゼ、又はHumicolaグルコアミラーゼ(例えば、HgGAなど)などが挙げられる。グルコアミラーゼ類は、典型的には、約0.1〜2グルコアミラーゼ単位(GAU)/g dsの量で添加され、例えば、約0.16GAU/g ds、0.23GAU/g ds、又は0.33GAU/g dsである。
AcAmy1又はその変異体と共に使用することができる、他の好適な酵素類としては、フィターゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、AcAmy1ではないα−アミラーゼ、アルファ−グルコシダーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、他のヘミセルラーゼ類、ベータ−グルコシダーゼ、トランスフェラーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ、酸化還元酵素類、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。例えば、イソアミラーゼ(EC 3.2.1.68)などの脱分枝酵素を、当業者には周知の有効量で添加してもよい。また、プルラナーゼ(EC 3.2.1.41)、例えば、Promozyme(登録商標)も好適である。典型的には、プルラナーゼは、100U/kg dsで添加する。更に好適な酵素類としては、真菌性プロテアーゼ、細菌性プロテアーゼなどのプロテアーゼ類が挙げられる。真菌性プロテアーゼとしては、Aspergillus(A.niger、A.awamori、A.oryzaeなど);Mucor(例えば、M.mieheiなど);Rhizopus;及びTrichodermaなどから得られるものが挙げられる。
β−アミラーゼ(EC 3.2.1.2)は、エキソ型マルトース生成アミラーゼであり、1,4−α−グルコシド結合の、アミロペクチン及び関連グルコースポリマー類への加水分解を触媒することによって、マルトースを放出する。β−アミラーゼは、様々な植物及び微生物から単離されてきた。PROGRESS IN INDUSTRIAL MICROBIOLOGY,Vol.15,pp.112〜115にて、Fogarty et al.(1979)を参照されたい。これらのβ−アミラーゼの最適温度は、40℃〜65℃の範囲であり、最適pHは、約4.5〜約7.0の範囲である。想定されているβ−アミラーゼとしては、大麦由来のβ−アミラーゼであるSpezyme(登録商標)BBA 1500、Spezyme(登録商標)DBA、Optimalt(商標)ME、Optimalt(商標)BBA(Danisco US Inc.)、及びNovozym(商標)WBA(Novozymes A/S)が挙げられるが、これらに限定されない。
5.焼成用組成物及び焼成方法並びに食品調製物
本発明は、また、AcAmy1又はその変異体を含む「食品組成物」(食品製品、動物飼料、及び/又は、食品/飼料添加物などが挙げられるが、これらに限定されない)、及びAcAmy1又はその変異体を、1種類以上の食品材料と混合することを含む、そのような食品組成物の調製方法、又は、その使用にも関する。
更に、本発明は、食品組成物が、本発明のポリペプチドの添加の後に焼成される、食品組成物の調製でのAcAmy1又はその変異体の使用に関する。本明細書で使用するとき、用語「焼成用組成物」とは、焼成食品製品の提供のプロセスで調製される任意の組成物及び/又は添加物を意味し、該焼成用組成物としては、ベーカリー製品製造者向け穀粉、練り粉、焼成用添加物、及び/又は焼成製品などが挙げられるが、これらに限定されない。前記食品組成物又は添加物は、液体であっても、固体であってもよい。
本明細書で使用するとき、用語「穀粉」は、粉砕又は摩砕された穀物粒を意味する。また、用語「穀粉」は、摩砕又は押し潰されたサゴ又は塊茎の製品を意味する場合もある。また、一部の実施形態では、穀粉は、粉砕又は押し潰された穀粒又は植物性物質に加えて、成分を含有してもよい。追加成分の例は、限定する意図はないが、膨張剤である。穀物粒としては、小麦、オート麦、ライ麦及び大麦が挙げられる。塊茎製品としては、タピオカ粉、キャッサバ粉及び粉末カスタードが挙げられる。また、用語「穀粉」には、摩砕したトウモロコシ粉、トウモロコシの挽き割り粉、米粉、全麦粉、膨脹剤入り穀粉、タピオカ粉、キャッサバ粉、摩砕した米、栄養強化花及び粉末カスタードも含まれる。
焼成用及び食品生産用の穀粉の商用又は家庭での使用では、穀粉において適当なレベルのα−アミラーゼ活性を維持することが重要である。活性レベルが高すぎると、粘ついたり、かつ/又は練り粉のようになってしまった製品となる場合があり、販売できなくなってしまう。α−アミラーゼ活性が不十分な穀粉では、適切な酵母の作用に十分な糖を含有できず、乾燥した、もろいパン又は焼成製品となってしまう。したがって、AcAmy1若しくはその変異体単独、又は他の1種類若しくは複数種類のα−アミラーゼと組み合わせたAcAmy1若しくはその変異体を、穀粉に添加して、穀粉において、内在性のα−アミラーゼ活性の濃度を増加させ得る。
更に、老化を防止又は遅らせる(即ち、焼成製品の芯の部分を堅固にする)ために、AcAmy1又はその変異体は、単体で、又は他のアミラーゼと組み合わせて、添加することもできる。老化防止アミラーゼの量は、典型的には、穀粉1kg当たり酵素タンパク質0.01〜10mgの範囲(例えば、0.5mg/kg ds)である。AcAmy1又はその変異体と組み合わせて使用できる追加の老化防止アミラーゼとしては、エンド型アミラーゼ(例えば、Bacillus由来の細菌性エンド型アミラーゼなど)が挙げられる。前記追加アミラーゼは、例えば、Bacillus由来の他のマルトース生成α−アミラーゼ(EC 3.2.1.133)であってもよい。Novamyl(登録商標)は、B.stearothermophilus株NCIB 11837由来の、マルトース生成α−アミラーゼの1例であり、Christophersen et al.(1997)Starch 50:39〜45に記載されている。老化防止エンド型アミラーゼの他の例としては、B.licheniformis又はB.amyloliquefaciensなどの、Bacillus由来の細菌性α−アミラーゼが挙げられる。老化防止アミラーゼは、β−アミラーゼなどの、エキソ型アミラーゼでもよく、例えば、該β−アミラーゼは、大豆などの植物原料由来、又は、Bacillusなどの細菌原料由来でもよい。
AcAmy1又はその変異体を含む焼成用組成物は、ホスホリパーゼ又はホスホリパーゼ活性を有する酵素を更に含むことができる。ホスホリパーゼ活性を有する酵素は、リパーゼ単位(LU)で測定できる活性を有する。ホスホリパーゼは、リン脂質類から脂肪酸を取り除き、リゾリン脂質を形成させる、A又はA活性を有していてもよい。ホスホリパーゼは、リパーゼ活性、即ち、トリグリセリド基質への活性を持っていてもよいし、持っていなくてもよい。典型的には、ホスホリパーゼは、30〜90℃(例えば、30〜70℃)の範囲が最適温度である。添加されたホスホリパーゼは、動物起源であってもよく、例えば、すい臓(例えば、ウシ又はブタのすい臓)、ヘビの毒液又は蜂の毒液由来であってもよい。あるいは、ホスホリパーゼは微生物起源(例えば、糸状菌、酵母菌又は細菌由来)であってもよい。
ホスホリパーゼは、焼成後の初期(特に最初の24時間)の間のパンの柔らかさを向上させる量で添加される。ホスホリパーゼの量は、典型的には、穀粉1kg当たり酵素タンパク質0.01〜10mgの範囲(例えば0.1〜5mg/kg)である。つまり、ホスホリパーゼの活性は、1kgの穀粉当たり一般的に20〜1000LUの範囲にあることになる(ここでリパーゼ単位は、アラビアガムを乳化剤として用い、かつトリブチリンを基質として用いて、30℃、pH 7.0にて、1分当たり1μmolの酪酸を放出するために必要とされる酵素量と定義されている)。
練り粉の組成物は、一般的に、小麦あらびき粉若しくは小麦粉、及び/又は他の種類のあらびき粉、穀粉若しくデンプン(トウモロコシ粉、トウモロコシデンプン、ライ麦あらびき粉、ライ麦粉、オート麦粉、オート麦あらびき粉、大豆粉、ソルガムあらびき粉、ソルガム粉、ジャガイモあらびき粉、ジャガイモ粉又はジャガイモデンプンなど)を含む。練り粉は生でも、冷凍でも、又はパーベーク(par-bake)されていてもよい。該練り粉は膨張させた練り粉、又は後で膨張を受ける練り粉でもよい。該練り粉は様々な方法で、膨張させてよく、例えば、重炭酸ナトリウムなどの化学的な膨張剤を加えることにより膨張させてもよいし、酵母を加えることにより(つまり練り粉を発酵させることにより)膨張させてもよい。また、練り粉は、Saccharomyces cerevisiae(パン用酵母)培養株(例えば市販されているS.cerevisiae株)などの好適な酵母菌培養株を添加することにより膨張させてもよい。
また、練り粉は、他の従来の練り粉成分を含んでもよく、例えば、タンパク質(例えば、粉ミルク、グルテン、及び大豆など);卵(例えば、全卵、卵黄又は卵白など);酸化剤(例えばアスコルビン酸、臭素酸カリウム、ヨウ素酸カリウム、アゾジカルボンアミド(ADA)又は過硫酸アンモニウムなど);L−システインなどのアミノ酸;糖;又は、塩(例えば、塩化ナトリウム、酢酸カルシウム、硫酸ナトリウム又は硫酸カルシウムなど)を含んでもよい。この練り粉は、脂肪、例えば、顆粒脂肪又はショートニングなどの、トリグリセリドを更に含んでもよい。この練り粉は、モノグリセリド若しくはジグリセリド、モノグリセリド若しくはジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸の糖エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、モノグリセリドの乳酸エステル、モノグリセリドの酢酸エステル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、又はリゾレシチンなどの乳化剤を更に含んでもよい。具体的には、前記練り粉は、乳化剤の添加を行うことなく製造することができる。
練り粉製品は、炒めた、揚げた、焼いた、焼成した、蒸した、茹でた練り粉(例えば、蒸しパン及び餅など)を含む、任意の加工済み練り粉製品であってよい。1実施形態では、前記食品製品は、ベーカリー製品である。典型的なベーカリー(焼成)製品としては、食パン、ロールパン、菓子パン(bun)、ベーグル、ピザクラストなどのパン類、ペストリー、プレッツェル、トルティーヤ、ケーキ、クッキー、ビスケット、クラッカーなどが挙げられる。
任意選択で、老化防止アミラーゼ及びホスホリパーゼとともに、追加の酵素を使用してもよい。追加の酵素は、アミログルコシダーゼ、β−アミラーゼなどの第2のアミラーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼであってもよい。又は、追加の酵素は、ペプチダーゼ(具体的には、エキソペプチダーゼ)、トランスグルタミナーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(例えば、国際公開第95/00636号に開示されているタンパク質ジスルフィドイソメラーゼなど)、グリコシルトランスフェラーゼ、分岐鎖酵素(1,4−α−グルカン分岐鎖酵素)、4−α−グルカノトランスフェラーゼ(デキストリングリコシルトランスフェラーゼ)、又は酸化還元酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、グルコースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ又は炭水化物オキシダーゼなど)であってよい。追加の1種類又は複数種類の酵素は、哺乳類及び植物を含む任意の起源(特に、微生物(細菌、酵母菌又は真菌)起源)のものであってよく、当該技術分野で従来から使用されている技術により得られるものでもよい。
典型的には、キシラナーゼは、微生物起源のものであり、例えば、細菌、又はAspergillus株などの真菌に由来する。キシラナーゼとしては、例えば、Trichoderma reeseiから生産された市販のキシラナーゼ製剤である、Pentopan(登録商標)及びNovozym 384(登録商標)が挙げられる。アミログルコシダーゼは、A.nigerアミログルコシダーゼ(AMG(登録商標)など)であってもよい。他の有用なアミラーゼ製品としては、Grindamyl(登録商標)A1000又はA5000(Grindsted Products,Denmark)、及びAmylase(登録商標)H又はAmylase(登録商標)P(DSM)などが挙げられる。グルコースオキシダーゼは、真菌性グルコースオキシダーゼ(具体的には、Aspergillus nigerグルコースオキシダーゼ(Gluzyme(登録商標)など)であってもよい。プロテアーゼの例としては、Neutrase(登録商標)がある。
このプロセスは、練り粉から調製される任意の種類の焼成製品に使用することができ、柔らかな特性のもの、又はサクサク(crisp)した特性のもののどちらにも、白いタイプ、色の薄いタイプ又は濃いタイプのいずれにも、使用することができる。例としては、パンがあり、具体的には、白パン、全粒粉パン、ライ麦パン(典型的には、塊状又はロール状のもの)であり、例えば、フレンチバゲットタイプのパン、ピタパン、トルティーヤ、ケーキ、パンケーキ、ビスケット、クッキー、パイクラスト、クリスプブレッド、蒸しパン、ピザなどがあるが、これらに限定されない。
AcAmy1又はその変異体は、老化防止アミラーゼ、ホスホリパーゼ、及び/又はリン脂質と共に穀粉を含むプレミックスで使用されてもよい。前記プレミックスは、他の練り粉改善用添加物、及び/又はパン改善用添加物(例えば、上述した酵素を含む、添加物のうちの任意のものなど)を含有してもよい。AcAmy1又はその変異体は、焼成用添加物として使用される、老化防止アミラーゼと、ホスホリパーゼとを含む酵素調製物の成分であってもよい。
前記酵素調製物は、任意選択で、顆粒又は凝集粉末の形態である。前記調製物の、粒径分布は狭く、25〜500μmの範囲内に、(重量で)95%超の粒子が含まれる。顆粒と凝集粉末は従来法(例えば、AcAmy1又はその変異体を流動層造粒機内で担体上へ噴霧すること)により調製されてよい。前記担体は好適な粒径を有する粒子コアからなっていてもよい。前記担体は可溶性であっても、不溶性であってもよく、例えば塩(NaCl又は硫酸ナトリウムなど)、糖(スクロース又はラクトースなど)、糖アルコール(ソルビトールなど)、デンプン、米、トウモロコシグリッツ、又は大豆である。
被覆粒子(即ち、α−アミラーゼ粒子)が、AcAmy1又はその変異体を含むこともできる。被覆されたα−アミラーゼ粒子を調製するために、前記酵素を十分な量の食品用脂質と接触させて、全てのα−アミラーゼ粒子を懸濁する。本明細書で使用するとき、食品用脂質とは、水不溶性であるが、炭化水素又はジエチルエーテルなどの非極性の有機溶媒には可溶性である、任意の天然有機化合物であってよい。好適な食品用脂質としては、飽和又は不飽和のいずれかである、脂肪形態又は油形態のいずれかのトリグリセリド類が挙げられるが、これらに限定されない。飽和トリグリセリドを作る脂肪酸、及びそれらの組合せの例としては、(乳脂肪由来の)酪酸、(動物脂肪及び植物脂肪由来の)パルミチン酸、及び/又は(動物脂肪及び植物脂肪由来の)ステアリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。不飽和トリグリセリドを作る脂肪酸、及びそれらの組合せの例としては、(動物脂肪及び植物脂肪由来の)パルミトレイン酸、(動物脂肪及び植物脂肪由来の)オレイン酸、(植物油由来の)リノール酸、及び/又は(アマニ油由来の)リノレン酸が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な食品用脂質の例としては、上述したトリグリセリド類に由来するモノグリセリド類及びジグリセリド類、リン脂質類、並びに糖脂質類が挙げられるが、これらに限定されない。
食品用脂質(特に液状のもの)を、該脂質材料が、α−アミラーゼ粒子の表面の、少なくとも大部分(例えば、100%)の少なくとも一部を覆うように、粉末状のα−アミラーゼ粒子と接触させる。それ故、各α−アミラーゼ粒子が個々に、脂質に被覆される。例えば、全ての又は実質的に全てのα−アミラーゼ粒子に、薄い連続的な脂質の被覆膜が付与される。このことは、始めにある量の脂質を容器に入れてから、該脂質が完全に各α−アミラーゼ粒子の表面を湿潤させるようにα−アミラーゼ粒子をスラリー化させることにより達成することができる。短時間の撹拌の後、被覆されたα−アミラーゼ粒子は、その表面に相当量の脂質を保持した状態で、回収される。所望の場合には、α−アミラーゼ粒子にこのように適用されるコーティングの厚みを、使用する脂質の種類を選択すること、及び、より厚い皮膜を形成するように前記処理を繰り返すことによって、調節することもできる。
充填済の送達ビヒクルの貯蔵、取り扱い、組み込みは、パッケージ済ミックスによって達成できる。前記パッケージ済ミックスは、前記被覆α−アミラーゼを含むことができる。しかしながら、パッケージ済ミックスは、製造業者又はベーカリー製品製造者からの要求に応じて、追加成分を更に含有してもよい。被覆α−アミラーゼが練り粉へ組み込みまれた後は、ベーカリー製品製造者は、この製品について通常の生産プロセスを続ける。
α−アミラーゼ粒子を被覆する利点は、二つある。まず、これらの酵素が熱に不安定であるため、食品用脂質は、焼成プロセスの際に該酵素を熱変性から保護している。その結果、前記α−アミラーゼは、発酵と焼成段階の間は、安定化され、保護されているが、最終的な焼成製品の中では保護コーティングから開放され、ポリグルカンのグルコシド結合を加水分解する。また、この充填済送達ビヒクルは、焼成製品へと、活性酵素の持続的な放出をももたらす。つまり、焼成プロセスの後、活性α−アミラーゼは、老化メカニズムを相殺することでその速度を抑える速度で、保護コーティングから連続的に放出される。
一般的に、α−アミラーゼ粒子に適用される脂質の量は、脂質の性質、脂質がα−アミラーゼ粒子に適用される態様、取り扱う練り粉混合物の組成、関連する練り粉混合操作の強さの程度により、α−アミラーゼの総重量の数パーセントから、その重量の何倍にも変わり得る。
充填済送達ビヒクル(即ち、脂質被覆酵素)は、焼成製品の貯蔵寿命を延長するための有効量にて、焼成製品を調製するために使用される材料へと添加される。ベーカリー製品製造者は、所望の老化防止効果を達成するために必要とされる、上述したように調製した被覆α−アミラーゼの量を計算する。必要な被覆α−アミラーゼの量は、被覆された酵素の濃度、及び指定された穀粉に対するα−アミラーゼの比率に基づいて計算される。すでに説明されたように、広範囲の濃度で有効であることが判明してはいるものの、老化防止における観測可能な改善とα−アミラーゼ濃度とは線形的に対応せず、ある最小濃度を超えると、α−アミラーゼ濃度を大きく増やしても、更なる改善はほとんど見られなくなる。ベーカリー製品製造者の不注意による測定誤差で、少な目になってしまうことに対処するために、具体的な焼成による生産で実際に使用されるα−アミラーゼ濃度は、必要最小量よりはるかに高くてもよい。酵素濃度の下限は、ベーカリー製品製造者が達成しようとする最小の老化防止効果により決定される。
焼成製品の調製方法は、a)脂質でコーティングされたα−アミラーゼ粒子を調製する工程であって、実質的に全ての該α−アミラーゼ粒子がコーティングされる、調製する工程と、b)穀粉を含有する練り粉を混合する工程と、c)脂質コーティングされた該α−アミラーゼを、該混合が完了する前に該練り粉へ加え、該脂質コーティングが該α−アミラーゼから取り除かれる前に該混合を終了する工程と、d)該練り粉を発酵させる工程と、e)該練り粉を焼成し、該焼成製品を提供する工程であって、該α−アミラーゼは該混合段階、該発酵段階及び該焼成段階では不活性であり、該焼成製品中では活性である、提供する工程とを含んでもよい。
被覆α−アミラーゼは、混合サイクルの間に(例えば、混合サイクルの終了時付近で)練り粉に添加することができる。被覆α−アミラーゼは、被覆α−アミラーゼが練り粉全体へ十分に分散させられる混合段階における、ある時点で加えられるが、この混合段階は、保護コーティングが、1つ又は複数のα−アミラーゼ粒子から剥がれてしまう前に終了させる。練り粉に、被覆α−アミラーゼを混合するためには、練り粉の種類及び量、並びに混合機の動作及び速度に応じて、1〜6分以上が必要とされるであろうが、平均すると2〜4分である。それ故、いくつかの変数によって正確な手順が決定され得る。第1に、被覆α−アミラーゼの量は、被覆α−アミラーゼを練り粉ミックス全体に拡散させることが可能なように、十分な総量であるべきである。被覆α−アミラーゼ調製物が高濃度である場合は、この被覆α−アミラーゼが練り粉へ添加される前に、プレミックスに追加の油を添加することが必要な場合がある。処方と生産プロセスには、特定の改変が必要な場合がある。しかしながら、パン練り粉処方において特定された油の25%が練り粉に保持され、混合サイクルの終了付近で添加時に、濃縮被覆α−アミラーゼに対する担体として使用された場合には、一般的には、良好な結果が達成できる。練り粉に被覆α−アミラーゼを適切に混合するためには、パン又は他の焼成製品(特にフランス式のパンなどの低脂肪含量の製品)では、乾燥穀粉の重量のおよそ1%の被覆α−アミラーゼ混合物で十分である。好適な割合の範囲は広く、処方、最終製品、個々のベーカリー製品製造者の生産方法による要件に依存する。第2に被覆α−アミラーゼ懸濁物は、練り粉に完全に混合されるだけの十分な時間で、ミックスに添加されるべきであるが、過剰な機械的作用により被覆α−アミラーゼ粒子から保護脂質コーティングが剥がれるほどの時間であってはならない。
本発明の更なる態様では、前記食品組成物は、AcAmy1又はその変異体を含む、油組成物、肉組成物、ラード組成物である。この文脈では、用語「[油/肉/ラード]組成物」とは、それぞれ油、肉、又はラードに基づく、それらから製造された、及び/又はそれらを含有する任意の組成物を意味する。本発明の他の側面は、本発明のポリペプチドを油/肉/ラード組成物、及び/又は添加成分と混合することを含む、油、肉、又はラード組成物、及び/又はAcAmy1又はその変異体を含む添加物の調製方法に関する。
本発明の更なる態様では、前記食品組成物は、AcAmy1又はその変異体を含む、動物飼料組成物、動物飼料添加物、及び/又はペットフードである。更に、本発明は、1種類以上の動物飼料材料、及び/又は動物飼料添加物成分、及び/又はペットフード材料に、AcAmy1及びその変異体を混合することを含む、このような動物飼料組成物、動物飼料添加組成物、及び/又はペットフード材料の調製方法に関する。更に、本発明は、動物飼料組成物、及び/又は動物飼料添加組成物、及び/又はペットフードの調製における、AcAmy1及びその変異体の使用に関する。
用語「動物」には、全ての非反すう動物及び反すう動物が含まれる。ある具体的な実施形態では、前記動物は、ウマ及び単胃動物などの、非反すう動物である。単胃動物の例としては、ブタ(pigs, swine)(子豚、成長期のブタ、雌ブタなど)、家禽(シチメンチョウ、アヒル、ニワトリ、ブロイラーのヒヨコ、産卵鶏など)、魚類(サケ、マス、ティラピア、ナマズ、及びコイなど)、並びに小エビ(shrimp)及び大型のエビ(prawn)などの甲殻類などが挙げられるが、これらに限定されない。更なる実施形態では、前記動物は、反芻動物であり、例えば、牛、子牛、ヤギ、ヒツジ、キリン、バイソン、ヘラジカ、エルク、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、カモシカ、プロングホーン、及びニルガイなどが挙げられるが、これらに限定されない。
現在の文脈では、用語「ペットフード」は、限定ではないが、イヌ、ネコ、アレチネズミ、ハムスター、チンチラ、ファンシーラット、モルモット;鳥類のペット(カナリア、インコ、オウムなど);爬虫類のペット(カメ、トカゲ、及びヘビなど);及び水生ペット(熱帯魚、及びカエルなど)などの家庭向けの動物のための食物を意味するものと理解されることが意図されている。
用語「動物飼料組成物」、「家畜飼料」、「飼料」は、互換可能に用いられ、かつ、a)穀物類(例えば、小粒の穀類(例えば、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、及びこれらの組み合わせ)、及び/又は大粒の穀類(例えば、トウモロコシ又はソルガム)など)、b)穀物類由来の副産物(例えば、トウモロコシグルテンミール、可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣(DDGS)(Distillers Dried Grain Solubles)(特に、トウモロコシ原料の可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣(cDDGS))、小麦の糠、粗びき小麦粉、小麦ショート(wheat short)、米糠、もみ殻、オート麦のもみ殻、パーム核、及び柑橘パルプなど)、c)大豆、ヒマワリ、落花生、ルピナス、エンドウ豆、ソラマメ、綿、セイヨウアブラナ、魚粉、乾燥血漿タンパク質、肉骨粉、ジャガイモタンパク質、乳清、コプラ、ゴマなどの供給源から得られるタンパク質、d)植物性、及び動物性供給源から得られる油類及び脂肪類、e)ミネラル類及びビタミン類、を含む群から選択される1種類以上の飼料材料を含み得る。
6.織物用糊抜き組成物及び使用
また、AcAmy1又はその変異体を使用した、布地を処理する(例えば、織物の糊抜きなど)組成物及び方法も、想定されている。布地の処理方法は、当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第6,077,316号を参照されたい)。例えば、布地の感触及び外観は、その布地をAcAmy1又はその変異体の溶液と接触させる工程を含む方法により改善することができる。布地は、圧力下で前記溶液により処理することができる。
AcAmy1又はその変異体は、織物の製織の間に若しくはその後に、又は糊抜き段階、若しくは1つ以上の追加の布地加工工程の間に、適用することができる。糸は、織物の製織の間に、相当程度の機械的歪みに晒される。機械式織機での製織に先立ち、経糸の引張強度を増加させ、かつ切れることを防ぐために、大抵、経糸は、糊付け用デンプン又はデンプン誘導体でコーティングされる。AcAmy1又はその変異体は、これらの糊付け用デンプン又はデンプン誘導体を取り除くために、製織の間又はその後に適用することができる。製織後、同種の、かつ耐洗浄的な効果を確保するために、布地を更に加工する前に、AcAmy1又はその変異体を使用して、糊付け用コーティングを取り除くことができる。
AcAmy1又はその変異体は、単体で使用して、又は他の糊抜き用化学試薬、及び/若しくは糊抜き用酵素と共に、(例えば、水性組成物中の)洗剤添加剤として使用して、綿含有布地などの布地の糊抜きを行ってよい。また、AcAmy1又はその変異体は、インディゴ染色デニム布地及び衣類のストーンウォッシュ加工したような見た目を作り出すための組成物及び方法において使用することもできる。衣服の製造に関しては、この布地を衣服又は衣類へと裁断及縫製し、その後に仕上げを行うこともできる。具体的には、デニムのジーンズの製造のために、様々な酵素による仕上げ方法が開発されてきた。通常、デニム衣類の仕上げは、酵素による糊抜き工程から開始される。この糊抜き工程の間に、衣類は、デンプン分解酵素の作用を受け、布地に柔らかさが付与され、綿は後の酵素による仕上げ工程へ向けてより浸透性の良いものとなる。AcAmy1又はその変異体は、デニム衣類の仕上げ方法(例えば、「バイオストーン加工」)、酵素による糊抜き方法及び、布地への柔らかさの付与方法、並びに/又は仕上げ加工にて使用することができる。
7.洗浄用組成物
本組成物及び本方法の1つの態様は、AcAmy1又はその変異体を成分として含む洗浄用組成物である。アミラーゼポリペプチドは、手洗い、洗濯物洗浄、食器洗浄、及び他の硬質表面の洗浄のための洗剤組成物の成分として使用することができる。
7.1.概略
好ましくは、本AcAmy1又はその変異体は、洗剤中のアミラーゼに対して従来から使用されている濃度にて、又はそれに近い濃度にて、洗剤に組み込まれる。例えば、アミラーゼポリペプチドは、(酵素タンパク質純分として計算して)洗浄/食器洗浄液1リットル当たり、0.00001〜1mgのアミラーゼに相当する量で添加されてもよい。次に例示するように、例示的な処方を本明細書で提供する。
アミラーゼポリペプチドは、唯一の酵素として、又は他のデンプン分解酵素などの他の酵素と共に、洗剤組成物の成分であってよい。前記アミラーゼポリペプチドは、洗剤組成物中に、非発塵(non-dusting)顆粒、安定化した液体、又は保護処理済酵素(protected enzyme)の形態で含まれてよい。非発塵顆粒は、例えば、米国特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示されているように生産されてもよいし、任意選択で、当該技術分野において既知の方法により、コーティングされてもよい。ワックスコーティング材料の例としては、平均分子量1,000〜20,000を有するポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコール,PEG);16〜50個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール;エトキシル化脂肪アルコール(ここで、アルコールは、12〜20個の炭素原子を包含し、15〜80個のエチレンオキシド単位が存在する);脂肪アルコール;脂肪酸;並びに、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド及びトリグリセリドがある。流動層法による適用において好適なフィルム形成コーティング材料の例は、例えば、英国特許第1483591号において与えられている。液体酵素調製物は、例えば、確立された方法に従い、ポリオール(プロピレングリコールなど)、糖又は糖アルコール、乳酸又はホウ酸を添加することにより、安定化させてもよい。他の酵素安定剤が、当該技術分野で既知である。保護処理済酵素を、例えば、欧州公開公報第238 216号に開示される方法に従い調製してもよい。ポリオール類は、タンパク質類の安定剤として、並びにタンパク質の可溶性を改善するものとして長く認識されてきた。
前記洗剤組成物は、任意の便利な形態(例えば、粉末、顆粒、ペースト又は液体)であってよい。液体洗剤は、水性であってもよく、典型的には、最大約70%の水と0〜約30%の有機溶媒を含有してよい。また、液体洗剤は、水を約30%のみ含有する、コンパクトなゲルタイプ形態であってもよい。
前記洗剤組成物は、1種類以上の界面活性剤を含み、各界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、又は双性イオン性であってもよい。前記洗剤は、通常、約0%〜約50%の陰イオン性界面活性剤を含有し、該陰イオン性界面活性剤としては、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキル硫酸塩(脂肪アルコール硫酸塩)(AS)、アルコールエトキシ硫酸塩(AEOS又はAES)、2級アルカンスルホン酸塩(SAS)、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキルコハク酸若しくはアルケニルコハク酸、又は石鹸などがある。また、前記組成物は、アルコールエトキシラート(AEO又はAE)、カルボキシル化アルコールエトキシラート、ノニルフェノールエトキシラート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド(例えば、国際公開第92/06154号に記載されているもの)などの、0〜約40%の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
前記洗剤組成物は、任意に組み合わせた、プロテアーゼ類、他のデンプン分解酵素、クチナーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペクタートリアーゼ、ペルヒドロラーゼ、キシラナーゼ、ペルオキシダーゼ、及び/又はラッカーゼなどの、1種類以上の酵素類を追加で含んでもよい。
前記洗剤は、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、アルキルコハク酸若しくはアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩又は層状ケイ酸塩(例えば、Hoechst社製SKS−6)などの、約1〜約65%の洗剤ビルダー、又は錯化剤を含有してもよい。また、前記洗剤は、ビルドされていなくても(即ち、本質的に洗剤ビルダーを含まなくても)よい。前記酵素は、前記酵素の安定性に適合する任意の組成物にて使用することができる。一般的に、酵素は、既知のカプセル化形態によって(例えば、ヒドロゲル中での造粒又は隔離(sequestration)などによって)、有害な成分から保護することができる。デンプン結合ドメインを有している、又は有していない、どちらの酵素類も(及び具体的にはアミラーゼ類も)、デンプン又はバイオマスからのエタノール生産のための組成物の場合と同様に、洗濯及び食器洗浄剤用途、表面洗浄剤などの、様々な組成物において使用することができる。
前記洗剤は、1種類以上のポリマーを含んでいてもよい。例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリアクリル酸塩類、マレイン酸/アクリル酸コポリマー類、及びラウリルメタクリラート/アクリル酸コポリマー類などのポリカルボン酸塩類、などが挙げられる。
前記洗剤は、過ホウ酸塩又は過炭酸塩などのH源を含み得る漂白系を含有してもよく、該漂白系は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)又はノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)などの過酸を形成する漂白活性剤と組み合わされてもよい。あるいは、漂白系は、ペルオキシ酸類(例えば、アミド、イミド、又はスルホン型のペルオキシ酸など)を含むものであってもよい。また、漂白系は、酵素による漂白系であってもよく、例えば、国際公開第2005/056783号に記載されているようなペルヒドロラーゼなどがある。
前記洗剤組成物の酵素は、ポリオール(プロピレングリコール又はグリセロールなど)、糖又は糖アルコール、乳酸、ホウ酸又はホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステルなど)などの従来の安定化剤を使用して安定化されてもよく、前記組成物は、例えば、国際公開第92/19709号及び国際公開第92/19708号に記載されているように処方されてもよい。
また、前記洗剤は、例えば、粘土などの柔軟剤、起泡増進剤、抑泡剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、再付着防止剤、染料、殺菌剤、変色防止剤、光学的光沢剤、又は香料などの、従来の他の洗剤成分を含有してもよい。
(使用濃度の水性溶液で測定した)pHは、通常中性又はアルカリ性であり、例えば、pH約7.0〜約11.0である。
本発明のα−アミラーゼを含むための洗剤組成物の具体的な形態を以下に記載する。
7.2.強力液体(HDL)洗濯用洗剤組成物
例示的なHDL洗濯用洗剤組成物は、陰イオン性洗浄用界面活性剤(直鎖状又は分岐鎖状又は不規則鎖状の、置換又は非置換のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択されるもの)など、及び任意選択の非イオン性界面活性剤(直鎖状又は分岐鎖状又は不規則鎖状の、置換又は非置換のアルキルアルコキシル化アルコール(例えば、C〜C18アルキルエトキシル化アルコール、及び/又はC〜C12アルキルフェノールアルコキシラートの群から選択されるもの)などの洗浄用界面活性剤(10%〜40% wt/wt)を含み、ここで、陰イオン性洗浄用界面活性剤(6.0〜9の親水性指標(HIc)を有する)の非イオン性洗浄用界面活性剤に対する重量比は、1:1超である。また、好適な洗浄用界面活性剤としては、陽イオン性洗浄用界面活性剤(アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及び/又はそれらの混合物の群から選択されるもの);双性イオン性かつ/又は両性の洗浄用界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインの群から選択されるもの);両性(ampholytic)界面活性剤;半極性の非イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物も挙げられる。
前記組成物は、任意選択で、両親媒性アルコキシル化油脂洗浄用ポリマー(0.05wt%〜10wt%の範囲の、アルコキシル化ポリアルキレンイミンなどの分岐鎖状の親水性及び疎水性特性を有する、アルコキシル化ポリマーの群から選択されるもの)、及び/又はランダムなグラフトポリマー(典型的には、不飽和C〜Cカルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖;並びにC〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜Cアルキルエステル、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の疎水性側鎖を含む、からなる界面活性強化ポリマーを含んでもよい。
前記組成物は、染み分離ポリマー(陰イオン性のエンドキャップされたポリエステル類、例えば、SRP1、糖、ジカルボン酸、ポリオール、から選択される少なくとも1種類のモノマー単位を含むポリマー及び、ランダム又はブロックな構成のそれらの組み合わせを含むポリマー、エチレンテレフタラート系ポリマー及びランダム又はブロックな構成のそれらのコポリマー(例えば、Repel−o−tex SF、SF−2及びSRP6、Texcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300、並びにSRN325、Marloquest SLなど)、再付着防止ポリマー(0.1wt%〜10wt%、アクリル酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、及びこれらの任意の混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含むポリマー類などのカルボン酸塩ポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、及び/又はポリエチレングリコールなど、分子量500〜100,000Da);セルロース系ポリマー(アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるもの(例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びそれらの混合物が挙げられる)など)、及びポリマー性カルボン酸塩ポリマー(マレイン酸塩/アクリル酸塩ランダムコポリマー、又はポリアクリル酸塩ホモポリマーなど)などの追加のポリマーを含んでもよい。
前記組成物は、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12〜C24脂肪酸(0wt%〜10wt%);付着補助剤(例としては、多糖類、好ましくはセルロース系ポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物(DADMAC)、及びランダム又はブロックな構成の、DADMACのビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、ハロゲン化イミダゾリニウム、及びそれらの混合物とのコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性セルロース(カチオン性ヒドロキシエチル(hydoxyethyl)セルロースなど)、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアシルアミド、及びそれらの混合物が挙げられる、を更に含んでもよい。
前記組成物は、移染防止剤(例としては、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、並びに/又はそれらの混合物);キレート剤(例としては、エチレン−ジアミン−四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(propylene diamine tetracetic acid)(PDTA)、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド(HPNO)、又はメチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸N,N−二酢酸(N,N−ジカルボキシメチルグルタミン酸テトラナトリウム塩(GLDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンジスルホン酸、クエン酸及びそれらの任意の塩、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、及びそれらの誘導体など)を更に含んでもよい。
前記組成物は、好ましくは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクタートリアーゼ、マンナナーゼ、クチナーゼ、ラッカーゼ、ホスホリパーゼ、リゾホスホリパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、ペルヒドロラーゼ、アリールエステラーゼ、及びそれらの任意の混合物から選択される酵素(概して、約0.01wt%の活性酵素〜0.03wt%の活性酵素)を含む。前記組成物は、酵素安定剤(例としては、プロピレングリコール若しくはグリセロールなどのポリオール類、糖若しくは糖アルコール、乳酸、可逆性プロテアーゼ阻害剤、ホウ酸、又は芳香族ホウ酸エステルなどのホウ酸誘導体、又は4−ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体が挙げられる)を含んでもよい。
前記組成物は、任意選択で、シリコーン又は脂肪酸系抑泡剤;色調染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚信号成分、消泡剤(0.001wt%〜約4.0wt%)、並びに/又は構造剤/増粘剤(0.01wt%〜5wt%、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアラート、微結晶性セルロース、セルロース系材料、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるもの)を含む。
前記組成物は、任意の液体状(例えば、液体状若しくはゲル状、又はこれらの任意の組み合わせなど)であってよい。前記組成物は、例えば、パウチなどの任意の単位投入形態であってよい。
7.3.強力乾式/固形(HDD)洗濯用洗剤組成物
例示的なHDD洗濯用洗剤組成物は、陰イオン性洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖状又は分岐鎖状又は不規則鎖状の、置換又は非置換のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はそれらの混合物)、非イオン性洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖状又は分岐鎖状又は不規則鎖状の、置換又は非置換のC〜C18アルキルエトキシラート、及び/又はC〜C12アルキルフェノールアルコキシラート)、陽イオン性洗浄用界面活性剤(例えば、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びそれらの混合物)、双性イオン性かつ/又は両性洗浄用界面活性剤(例えば、アルカノールアミンスルホベタイン)、両性(ampholytic)界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物などの界面活性剤;リン酸塩非含有ビルダー(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲のゼオライトビルダー、例としては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP及びゼオライトMAPなど)、リン酸塩ビルダー(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲のトリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸、クエン酸塩、及びニトリロ三酢酸、ケイ酸塩(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲のケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウム若しくはメタケイ酸ナトリウム、又は層状ケイ酸塩(SKS−6));炭酸塩(例えば、0wt%〜80wt%未満の範囲の炭酸ナトリウム、及び/又は重炭酸ナトリウム)などのビルダー;光漂白剤(例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びそれらの混合物)、疎水性若しくは親水性の漂白活性剤(例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ安息香酸若しくはその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(3,5,5-trimethy hexanoyl oxybenzene sulfonate)、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)、ニトリル第4級アンモニウム化合物(nitrile quat)、及びそれらの混合物)、過酸化水素源(例えば、例として、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸、過リン酸、又は過ケイ酸の1水和物ナトリウム塩又は4水和物ナトリウム塩などの、無機過水和物塩)、予備形成済の親水性かつ/若しくは疎水性の過酸(例えば、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ1硫酸及び塩、並びにそれらの混合物)などの漂白剤、並びに/又は漂白触媒(例えば、イミン漂白促進剤(例としては、イミニウム陽イオン及びポリイオン)、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、全フッ素化イミン、環状糖ケトン、及びそれらの混合物など、及び金属含有漂白触媒(例えば、亜鉛又はアルミニウムなどの補助的な金属陽イオンと、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその水溶性の塩などの金属イオン封鎖剤とを伴う、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンの陽イオン)を含む。
好ましくは、前記組成物は、酵素を含み、該酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクタートリアーゼ、マンナナーゼ、クチナーゼ、ラッカーゼ、ホスホリパーゼ、リゾホスホリパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、ペルヒドロラーゼ、アリールエステラーゼ、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。
前記組成物は、任意選択で、追加の洗剤成分(香料マイクロカプセル、デンプンカプセル化香料調和化物(perfume accord)、色調剤など)、追加のポリマー(布地一体性(fabric integrity)かつ陽イオン性のポリマーなど)、染料固定成分(dye-lock ingredient)、布地柔軟化剤、光沢剤(例えば、C.I.蛍光増白剤)、凝集剤、キレート剤、アルコキシル化ポリアミン、布地付着補助剤、及び/又はシクロデキストリンを含んでもよい。
7.4.自動食器洗浄(ADW)用洗剤組成物
例示的なADW洗剤組成物は、0〜10重量%の量で存在する非イオン性界面活性剤(エトキシル化非イオン性界面活性剤、アルコールアルコキシル化界面活性剤、エポキシキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール、又はアミンオキシド界面活性剤など);5〜60%の範囲のビルダー(リン酸塩ビルダー(例えば、一リン酸塩、二リン酸塩、トリポリリン酸塩、他のオリゴマー性ポリリン酸塩(oligomeric-poylphosphate)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP))、及びリン酸塩非含有ビルダー(例えば、メチルグリシン二酢酸(MGDA)及び塩並びにそれらの誘導体、グルタミン酸−N,N−二酢酸(GLDA)及び塩並びにそれらの誘導体、イミノジコハク酸(IDS)及び塩並びにそれらの誘導体、カルボキシメチルイヌリン及び塩並びにそれらの誘導体、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、B−アラニン二酢酸(B−ADA)及びそれらの塩などのアミノ酸系化合物、0.5%〜50重量%の範囲のポリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマー並びにそれらの部分中和した又は完全中和した塩、単量体ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸及びそれらの塩など);寸法安定性を付与するための、約0.1重量%〜約50重量%の範囲のスルホン化/カルボキシル化ポリマー;約0.1重量%〜約10重量%の範囲の乾燥補助剤(例えば、ポリエステル、特に陰イオン性ポリエステルであって、任意選択で3〜6個の官能基(典型的には、重縮合を促す酸、アルコール又はエステル官能基)を有する更なるモノマーを伴うもの、ポリカーボネート−、ポリウレタン−、及び/又はポリ尿素−ポリオルガノシロキサン化合物又はそれらの前駆化合物(特に反応性環状カーボネート及び尿素タイプのもの);約1重量%〜約20重量%の範囲のケイ酸塩(例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び結晶質フィロケイ酸塩などのケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム);無機漂白剤(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などの過水和物塩)及び有機漂白剤(例えば、過酸化ジアシル及び過酸化テトラアシル、特に、ジペルオキシドデカン二酸(diperoxydodecanedioc acid)、ジペルオキシテトラデカン二酸(diperoxytetradecanedioc acid)、及びジペルオキシヘキサデカン二酸(diperoxyhexadecanedioc acid)などの有機過酸);漂白活性剤(即ち、約0.1重量%〜約10重量%の範囲の有機過酸前駆物質);漂白触媒(例えば、マンガン−トリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn、及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミンアセタートコバルト(III)及び関連する錯体);約0.1重量%〜5重量%の範囲の金属処理剤(例えば、ベンゾトリアゾール(benzatriazole)、金属塩及び錯体、及び/又はケイ酸塩);自動食器洗浄用洗剤組成物1グラム当たり活性酵素約0.01〜5.0mgの酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクタートリアーゼ、マンナナーゼ、クチナーゼ、ラッカーゼ、ホスホリパーゼ、リゾホスホリパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、ペルヒドロラーゼ、アリールエステラーゼ、及びそれらの混合物など);並びに酵素安定剤成分(例えば、オリゴ糖、多糖類、及び無機二価金属塩など)を含む。
7.5.更なる洗剤組成物
本発明のアミラーゼを添加し得る、例示的な更なる洗剤処方を以下の番号を付した段落に記載する。
1)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約7%〜約12%と;アルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12〜18アルコール、1〜2エチレンオキシド(EO))又はアルキル硫酸塩(例えば、C16〜18)約1%〜約4%と;アルコールエトキシラート(例えば、C14〜15アルコール、7EO)約5%〜約9%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約14%〜約20%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)約2〜約6%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約15%〜約22%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)0%〜約6%と;クエン酸ナトリウム/クエン酸(例えば、CNa/C)約0%〜約15%と;過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO)約11%〜約18%と;TAED約2%〜約6%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)及び0%〜約2%と;ポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸、コポリマー、PVP、PEG)0〜3%と;酵素(酵素純分として計算)0.0001〜0.1%タンパク質と;微量成分(例えば、抑泡剤、香料、光学的光沢剤、光漂白剤)0〜5%とを含む、組成物。
2)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約6%〜約11%と;アルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12〜18アルコール、1〜2EO)又はアルキル硫酸塩(例えば、C16〜18)約1%〜約3%と;アルコールエトキシラート(例えば、C14〜15アルコール、7EO)約5%〜約9%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約15%〜約21%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)約1〜約4%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約24%〜約34%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)約4%〜約10%と;クエン酸ナトリウム/クエン酸(例えば、CNa/C)0%〜約15%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)0%〜約2%と;ポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG)1〜6%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、抑泡剤、香料)0〜5%とを含む、組成物。
3)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約5%〜約9%と;アルコールエトキシラート(例えば、C12〜15アルコール、7EO)約7%〜約14%と;脂肪酸としての石鹸(例えば、C16〜22脂肪酸)約1〜約3%と;炭酸ナトリウム(NaCOとして)約10%〜約17%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)約3%〜約9%と;ゼオライト(NaAlSiOとして)約23%〜約33%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)0%〜約4%と;過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO)約8%〜約16%と;TAED約2%〜約8%と;ホスホン酸塩(例えば、EDTMPA)0%〜約1%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)0%〜約2%と;ポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG)0〜3%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、抑泡剤、香料、光学的光沢剤)0〜5%とを含む、組成物。
4)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約8%〜約12%と;アルコールエトキシラート(例えば、C12〜15アルコール、7EO)約10%〜約25%と;炭酸ナトリウム(NaCOとして)約14%〜約22%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)約1%〜約5%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約25%〜約35%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)0%〜約10%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)0%〜約2%と;ポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG)1〜3%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、抑泡剤、香料)0〜5%とを含む、組成物。
5)直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約15%〜約21%と;アルコールエトキシラート(例えば、C12〜15アルコール、7EO又はC12〜15アルコール、5EO)約12%〜約18%と;脂肪酸としての石鹸(例えば、オレイン酸)約3%〜約13%と;アルケニルコハク酸(C12〜14)0%〜約13%と;アミノエタノール約8%〜約18%と;クエン酸約2%〜約8%と;ホスホン酸塩0%〜約3%と;ポリマー(例えば、PVP、PEG)0%〜約3%と;ホウ酸(例えば、B)0%〜約2%と;エタノール0%〜約3%と;プロピレングリコール約8%〜約14%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、分散剤、抑泡剤、香料、光学的光沢剤)0〜5%とを含む、水性液体洗剤組成物。
6)直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約15%〜約21%と;アルコールエトキシラート(例えば、C12〜15アルコール、7EO、又はC12〜15アルコール、5EO)3〜9%と;脂肪酸としての石鹸(例えば、オレイン酸)約3%〜約10%と;ゼオライト(NaAlSiOとして)約14%〜約22%と;クエン酸カリウム約9%〜約18%と;ホウ酸(例えば、B)0%〜約2%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)0%〜約2%と;ポリマー(例えば、PEG、PVP)0%〜約3%と;固着ポリマー(例えば、ラウリルメタクリラート/アクリル酸コポリマー;モル比25:1、MW 3800など)0%〜約3%と;グリセロール0%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、分散剤、抑泡剤、香料、光学的光沢剤)0〜5%とを含む、水性構成液体洗剤組成物。
7)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、脂肪アルコール硫酸塩約5%〜約10%と;エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド約3%〜約9%と;脂肪酸としての石鹸0〜3%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約5%〜約10%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)約1%〜約4%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約20%〜約40%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)約2%〜約8%と;過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO)約12%〜約18%と;TAED約2%〜約7%と;ポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PEG)約1%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、光学的光沢剤、抑泡剤、香料)0〜5%とを含む、組成物。
8)顆粒として処方される洗剤組成物であって、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約8%〜約14%と;エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド約5%〜約11%と;脂肪酸としての石鹸0%〜約3%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約4%〜約10%と;可溶性ケイ酸塩(NaO、2SiO)約1%〜約4%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約30%〜約50%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)約3%〜約11%と;クエン酸ナトリウム(例えば、CNa)約5%〜約12%と;ポリマー(例えば、PVP、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PEG)約1%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、抑泡剤、香料)0〜5%とを含む、組成物。
9)顆粒として処方される洗剤組成物であって、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約6%〜約12%と;非イオン性界面活性剤約1%〜約4%と;脂肪酸としての石鹸約2%〜約6%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約14%〜約22%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約18%〜約32%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)約5%〜約20%と;クエン酸ナトリウム(例えば、CNa)約3%〜約8%と;過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO)約4%〜約9%と;漂白活性剤(例えば、NOBS又はTAED)約1%〜約5%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)0%〜約2%と;ポリマー(例えば、ポリカルボン酸塩又はPEG)約1%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、光学的光沢剤、香料)0〜5%とを含む、組成物。
10)直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約15%〜約23%と;アルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12〜15アルコール、2〜3EO)約8%〜約15%と;アルコールエトキシラート(例えば、C12〜15アルコール、7EO、又はC12〜15アルコール、5EO)約3%〜約9%と;脂肪酸としての石鹸(例えば、ラウリン酸)0%〜約3%と;アミノエタノール約1%〜約5%と;クエン酸ナトリウム約5%〜約10%と;ヒドロトロープ(例えば、トルエンスルホン酸ナトリウム)約2%〜約6%と;ホウ酸(例えば、B)0%〜約2%と;カルボキシメチルセルロース0%〜約1%と;エタノール約1%〜約3%と;プロピレングリコール約2%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、ポリマー、分散剤、香料、光学的光沢剤)0〜5%とを含む、水性液体洗剤組成物。
11)直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算)約20%〜約32%と;アルコールエトキシラート(例えば、C12〜15アルコール、7EO、又はC12〜15アルコール、5EO)6〜12%と;アミノエタノール約2%〜約6%と;クエン酸約8%〜約14%と;ホウ酸(例えば、B)約1%〜約3%と;ポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、ラウリルメタクリラート/アクリル酸コポリマーなどの固着ポリマー)0%〜約3%と;グリセロール約3%〜約8%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、ヒドロトロープ、分散剤、香料、光学的光沢剤)0〜5%とを含む、水性液体洗剤組成物。
12)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、陰イオン性界面活性剤(直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルカンスルホン酸塩、石鹸)約25%〜約40%と;非イオン性界面活性剤(例えば、アルコールエトキシラート)約1%〜約10%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約8%〜約25%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)約5%〜約15%と;硫酸ナトリウム(例えば、NaSO)0%〜約5%と;ゼオライト(NaAlSiO)約15%〜約28%と;過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBO 4HO)0%〜約20%と;漂白活性剤(TAED又はNOBS)約0%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、香料、光学的光沢剤)0〜3%とを含む、組成物。
13)前記直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩の全て、又は一部が、(C12〜C18)アルキル硫酸塩によって置換されている、上記組成物1)〜12)に記載した、洗剤組成物。
14)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、(C12〜C18)アルキル硫酸塩約9%〜約15%と;アルコールエトキシラート約3%〜約6%と;ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド約1%〜約5%と;ゼオライト(例えば、NaAlSiO)約10%〜約20%と;層状二ケイ酸塩(例えば、Hoechst製SK56)約10%〜約20%と;炭酸ナトリウム(例えば、NaCO)約3%〜約12%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)0%〜約6%と;クエン酸ナトリウム約4%〜約8%と;過炭酸ナトリウム約13%〜約22%と;TAED約3%〜約8%と;ポリマー(例えば、ポリカルボン酸塩及びPVP)0%〜約5%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、光学的光沢剤、光漂白剤、香料、抑泡剤)0〜5%とを含む、組成物。
15)少なくとも600g/Lのかさ比重を有する顆粒として処方される洗剤組成物であって、(C12〜C18)アルキル硫酸塩約4%〜約8%と;アルコールエトキシラート約11%〜約15%と;石鹸約1%〜約4%と;ゼオライトMAP又はゼオライトA約35%〜約45%と;炭酸ナトリウム(NaCOとして)約2%〜約8%と;可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO、2SiO)0%〜約4%と;過炭酸ナトリウム約13%〜約22%と;TAED1〜8%と;カルボキシメチルセルロース(CMC)0%〜約3%と;ポリマー(例えば、ポリカルボン酸塩及びPVP)0%〜約3%と;酵素(酵素タンパク質純分として計算)0.0001〜0.1%と;微量成分(例えば、光学的光沢剤、ホスホン酸塩、香料)0〜3%とを含む、組成物。
16)追加の成分として、又は、既に示された漂白剤系の代替としてのいずれかとして、安定化された又はカプセル化された過酸を含有する、上記1)〜15)で記載した、洗剤処方。
17)過ホウ酸塩を過炭酸塩で置換した、上記1)、3)、7)、9)、及び12)で記載した、洗剤組成物。
18)追加的にマンガン触媒を含有する、上記1)、3)、7)、9)、12)、14)、及び15)で記載した、洗剤組成物。マンガン触媒は、例えば、「Efficient manganese catalysts for low−temperature bleaching」、Nature 369:637〜639(1994)に記載された化合物のうちの1種類である。
19)例えば、直鎖状アルコキシル化第1級アルコールなどの液体非イオン性界面活性剤と、ビルダー系(例えば、リン酸塩)と、1種類又は複数種類の酵素と、アルカリとを含む、非水性洗剤液として処方された洗剤組成物。また、前記洗剤は、陰イオン性界面活性剤、及び/又は漂白系を更に含んでいてもよい。
上述したように、本発明のアミラーゼポリペプチドは、洗剤において従来から用いられている濃度にて組み入まれてよい。本発明では、洗剤組成物中に、前記酵素が、(酵素タンパク質純分として計算して)洗浄液1リットル当たり、0.00001〜1.0mgのアミラーゼポリペプチドに相当する量で添加され得ることが想定されている。
また、前記洗剤組成物は、例えば、解膠剤物質、充填材、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、金属イオン封鎖剤、再付着防止剤、脱水剤、染料、殺菌剤、蛍光剤、増粘剤、及び香料などの、他の従来の洗剤成分を含有してもよい。
前記洗剤化合物は、汚れの付着した布地の前処理に好適な洗濯添加組成物、及びすすぎ時添加用の布地柔軟剤組成物を含む、手洗い(手作業)用若しくは機械洗い(自動)用の洗濯用洗剤組成物として処方されてもよく、又は一般家庭用の硬質表面の洗浄操作に使用する洗浄組成物として処方されてもよく、又は手作業による若しくは自動での食器洗浄操作用に処方されてもよい。
本明細書に記載した、任意の洗浄用組成物は、任意の数の追加の酵素を含んでもよい。一般的に、これらの1種類又は複数種類の酵素は、(例えば、最適pH、他の酵素及び非酵素成分などに関して)選択される洗剤に適したものであるべきであり、これらの1種類又は複数種類の酵素は有効量で存在すべきである。次の各酵素が、例として提供される。
プロテアーゼ:好適なプロテアーゼとしては、動物、野菜又は微生物起源のものが挙げられる。化学修飾した突然変異体又はタンパク質を遺伝子操作した突然変異体、並びに自然界で生成されたタンパク質が含まれる。プロテアーゼはセリンプロテアーゼ、又はメタロプロテアーゼ、又は好アルカリ菌のプロテアーゼ、トリプシン様プロテアーゼ、又はキモトリプシン様プロテアーゼであってよい。アルカリプロテアーゼの例としては、サブチリシン、特に、Bacillusに由来するもの、例えば、サブチリシンNovo、サブチリシンCarlsberg、サブチリシン309、サブチリシン147、及びサブチリシン168(例えば、国際公開第89/06279号を参照されたい)がある。トリプシン様プロテアーゼの例としては、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源のもの)、Fusariumプロテアーゼ(例えば、国際公開第89/06270号及び国際公開第94/25583号を参照)が挙げられる。また、有用なプロテアーゼの例としては、国際公開第92/19729号、国際公開第98/20115号、国際公開第98/20116号及び国際公開第98/34946号に記載の変異体も挙げられるが、これらに限定されない。市販のプロテアーゼ酵素としては、ALCALASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(商標)、DURALASE(商標)、ESPERASE(登録商標)、KANNASE(商標)、及びBLAZE(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S);MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT OXP(商標)、FN2(商標)、及びFN3(商標)(Danisco US Inc.)が挙げられるが、これらに限定されない。他のプロテアーゼの例としては、Bacillus amyloliquifaciens由来のNprE、及びCellulomonas sp.株69B4由来のASPが挙げられる。
リパーゼ:好適なリパーゼとしては、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学修飾した突然変異体、タンパク質分解的に修飾した突然変異体又はタンパク質を遺伝子操作した突然変異体が含まれる。有用なリパーゼとしては、Humicola(Thermomycesと同義)由来のリパーゼ(例えば、H.lanuginosa(T.lanuginosus)由来のもの(例えば、欧州特許第258068及び欧州特許第305216を参照されたい)、H.insolens由来のもの(例えば、国際公開第96/13580を参照されたい));Pseudomonasリパーゼ(例えば、P.alcaligenes又はP.pseudoalcaligenes(例えば、欧州特許第218 272を参照されたい)、P.cepacia(例えば、欧州特許第331 376を参照されたい)、P.stutzeri(例えば、英国特許第1,372,034号を参照されたい)、P.fluorescens、Pseudomonas sp.株SD 705(例えば、国際公開第95/06720及び国際公開第96/27002を参照されたい)、P.wisconsinensis(例えば、国際公開第96/12012を参照されたい)由来のもの);Bacillusリパーゼ(例えば、B.subtilis(例えば、Dartois et al.Biochemica et Biophysica Acta,1131:253〜360(1993)を参照されたい)、B.stearothermophilus(例えば、日本国特許第64/744992号を参照されたい)、又はB.pumilus(例えば、国際公開第91/16422を参照されたい)由来のものなど)、が挙げられるが、これらに限定されない。前記処方物での使用が想定されている追加のリパーゼ変異体としては、例えば、国際公開第92/05249号、国際公開第94/01541号、国際公開第95/35381号、国際公開第96/00292号、国際公開第95/30744号、国際公開第94/25578号、国際公開第95/14783号、国際公開第95/22615号、国際公開第97/04079号、国際公開第97/07202号、欧州特許第407225号、及び欧州特許第260105号に記載されているものが挙げられる。市販のリパーゼ酵素の一部としては、LIPOLASE(登録商標)及びLIPOLASE ULTRA(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S)が挙げられる。
ポリエステラーゼ:好適なポリエステラーゼは、例えば、国際公開第01/34899号、国際公開第01/14629号、及び米国特許第6933140号に記載されているものなどの組成物に含まれ得る。
アミラーゼ:前記組成物は、非生産増強性のアミラーゼなどの他のアミラーゼと組み合わせることもできる。これらのアミラーゼは、STAINZYME(登録商標)、NATALASE(登録商標)、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S);RAPIDASE(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びPURASTAR(登録商標)(Danisco US Inc.社製)などの市販のアミラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
セルラーゼ:セルラーゼを、前記組成物に添加してもよい。好適なセルラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学修飾した突然変異体又はタンパク質を遺伝子操作した突然変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、Bacillus属、Pseudomonas属、Humicola属、Fusarium属、Thielavia属、Acremonium属由来のセルラーゼ(例えば、米国特許第4,435,307号;第5,648,263号;第5,691,178号;第5,776,757号;及び国際公開第89/09259号などに開示される、Humicola insolens、Myceliophthora thermophila及びFusarium oxysporumから生産される真菌性セルラーゼなど)が挙げられる。例えば、使用が想定されているセルラーゼは、織物に対し有益な色彩ケア効果を有するものである。このようなセルラーゼの例としては、例えば、欧州特許第0495257、欧州特許第0531372号、国際公開第96/11262号、国際公開第96/29397号、及び国際公開第98/08940号に記載されたセルラーゼが挙げられる。他の例としては、セルラーゼ変異体、例えば、国際公開第94/07998号;国際公開第98/12307号;国際公開第95/24471号;国際出願DK98/00299号;欧州公開公報第531315号;米国特許第5,457,046号;第5,686,593号;及び第5,763,254号に記載のものなどが挙げられる。市販のセルラーゼとしては、CELLUZYME(登録商標)及びCAREZYME(登録商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S);CLAZINASE(登録商標)及びPURADAX HA(登録商標)(Danisco US Inc.);並びにKAC−500(B)(商標)(Kao Corporation)が挙げられる。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:前記組成物において使用が想定されている好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼには、植物、細菌又は真菌起源のものが含まれる。化学修飾した突然変異体又はタンパク質を遺伝子操作した突然変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、国際公開第93/24618号、国際公開第95/10602号、及び国際公開第98/15257号に記載される、Coprinus由来、例えば、C.cinereus由来のペルオキシダーゼ、及びそれらの変異体が挙げられる。市販のペルオキシダーゼとしては、例えば、GUARDZYME(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S)が挙げられる。
また、前記洗剤組成物は、家庭用の、かつ/又は工業的な織物/洗濯物に存在するバイオフィルムの除去/洗浄に対して効果的である、2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼを含んでもよい。
1種類又は複数種類の洗剤酵素は、1種類以上の酵素を含有する別個の添加剤を添加することにより、又はこれらの酵素の全てを含む混合済添加剤を添加することにより、前記洗剤組成物に含められてもよい。洗剤添加剤(即ち、別個の添加剤、又は混合済添加剤)は、例えば、顆粒、液体、スラリーなどとして、処方できる。洗剤添加処方物の例としては、顆粒(特に、非発塵顆粒)、液体(特に、安定化した液体)、又はスラリーが挙げられるが、これらに限定されない。
非発塵顆粒は、例えば、米国特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示されているように生産されてもよいし、任意選択で、当該技術分野において既知の方法により、コーティングされてもよい。ワックス性コーティング材料の例としては、1,000〜20,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)製品(例えば、ポリエチレングリコール、PEG);16〜50個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール;エトキシル化脂肪アルコール(ここで、該アルコールは、12〜20個の炭素原子を含有し、15〜80個のエチレンオキシド単位が存在する);脂肪アルコール;脂肪酸;及び脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド及びトリグリセリドがある。流動層法による適用において好適なフィルム形成コーティング材料の例は、例えば、英国特許第1483591号において与えられている。液体酵素調製物は、例えば、確立された方法に従い、ポリオール(プロピレングリコールなど)、糖又は糖アルコール、乳酸又はホウ酸を添加することにより、安定化させてもよい。保護処理済酵素を、欧州公開公報第238,216号に開示される方法に従って調製してもよい。
前記洗剤組成物は、任意の便利な形態であってよく、例えば、棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト、又は液状であってよい。液体洗剤は、水性であってもよく、典型的には、最大約70%の水と0〜約30%の有機溶媒を含有してもよい。また、約30%以下の水を含有するコンパクトな洗剤ゲルも想定されている。任意選択で、前記洗剤組成物は、1種類以上の界面活性剤を含んでいてもよく、該界面活性剤は、半極性などの非イオン性であっても、かつ/又は陰イオン性であっても、かつ/又は陽イオン性であっても、かつ/又は双性イオン性であってもよい。前記界面活性剤は、約0.1重量%〜約60重量%の広範囲で存在することができる。
前記洗剤に含有させるときは、前記洗剤には、典型的に、約1%〜約40%で陰イオン性界面活性剤(例えば、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩(脂肪アルコール硫酸塩)、アルコールエトキシ硫酸塩、2級アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸、又は石鹸など)を含有させる。
前記洗剤に含有させるときは、前記洗剤には、通常、約0.2%〜約40%の非イオン性界面活性剤(例えば、アルコールエトキシラート、ノニルフェノールエトキシラート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシル−N−アルキル誘導体(「グルカミド類」)など)を含有させる。
前記洗剤には、0%〜約65%の洗剤ビルダー、又は錯化剤(例えば、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩又は層状ケイ酸塩(例えば、Hoechst製SKS−6)など)を含有させてもよい。
前記洗剤は、1種類以上のポリマーを含んでいてもよい。ポリマーの例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸塩類、マレイン酸/アクリル酸コポリマー類)、及びラウリルメタクリラート/アクリル酸コポリマーなどのポリカルボン酸塩類などが挙げられる。
前記洗剤組成物の1種類又は複数種類の酵素は、通常の安定化剤、例えば、ポリオール(例えば、プロピレングリコール又はグリセロールなど)、糖又は糖アルコール、乳酸、ホウ酸、又はホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステルなど)、又はフェニルボロン酸誘導体(例えば、4−ホルミルフェニルボロン酸など)を使用して安定化されてもよい。前記組成物は、国際公開第92/19709号、及び国際公開第92/19708号に記載されているように処方されてもよい。
前記洗剤組成物(特に、酵素変異体)においては、洗浄液1リットル当たり、約0.01〜約100mgの酵素タンパク質に相当する量(例えば、洗浄液1リットル当たり約0.05〜約5.0mgの酵素タンパク質、又は洗浄液1リットル当たり0.1〜約1.0mgの酵素タンパク質など)が添加され得ることが想定されている。
本組成物及び方法を、以下の詳細を参照しながら説明したが、様々な変更を行い得ることが理解されるであろう。
7.6.洗剤組成物中のアミラーゼ活性の評価方法
布見本及び微小布見本による調査など、数多くのα−アミラーゼ洗浄調査法が当該技術分野において既知である。添付した実施例は、このような調査法の2つ、3つを記載したものに過ぎない。
本組成物及び方法、並びにそれらの利点を更に例示するために、後述の具体的な実施例が、これらの実施例が限定的なものではなく例示的なものであるとの理解の下に提供される。
8.醸造用組成物
AcAmy1又はその変異体は、醸造(即ち、発酵麦芽飲料の製造)のプロセスにおいて使用される醸造用組成物の成分であってもよい。非発酵性炭水化物は、最終的なビールにおいて溶解した固形物の大半を占める。この残留物は、麦芽のアミラーゼが、デンプンのアルファ−1,6−結合を加水分解できないために、残留する。非発酵性炭水化物は、ビール354.9mL(12オンス)当たり、約50カロリーとなる。AcAmy1又はその変異体は、グルコアミラーゼ、並びに任意選択で、プルラナーゼ、及び/又はイソアミラーゼと組み合わされて、デンプンをデキストリン及び発酵性の糖へと変換することを助け、最終的なビール中の残余非発酵性炭水化物を減らす。
これらの飲料の製造において使用される、主要な原材料は、水、ホップ、及び麦芽である。加えて、一般的なトウモロコシグリッツ、精製トウモロコシグリッツ、粉砕醸造酵母、米、ソルガム、精製トウモロコシデンプン、大麦、大麦デンプン、脱穀大麦、小麦、小麦デンプン、焙焼した穀物、穀物フレーク、ライ麦、オート麦、ジャガイモ、タピオカ、並びに、シロップ類(トウモロコシシロップ、サトウキビシロップ、転化糖シロップ、大麦及び/又は小麦シロップなど)などの副原料を、デンプン源として使用することができる。
多くの理由から、選ばれた種類の大麦から主に生産される麦芽が、ビールの全体的な特徴及び品質に最も大きな影響を及ぼす。第1に、麦芽は、ビールの主要な香味剤である。第2に、麦芽は、発酵性の糖の大部分を提供する。第3に、麦芽は、ビールのコクと泡の特性に寄与するタンパク質を提供する。第4に、麦芽は、マッシングの間に必要な酵素活性を提供する。また、ホップは、風味などのビール品質に大きく寄与する。具体的には、ホップ(又はホップ成分)は、ビールに所望の苦味物質を加える。加えて、ホップは、タンパク質沈殿剤として作用し、保存剤を形成し、かつ泡の形成及び安定性を補助する。
また、麦、オート麦、小麦などの穀類、並びにトウモロコシ、ホップ、及び米などの植物成分も、工業的な醸造、及び家庭での醸造の両方において、醸造に使用される。醸造に使用される成分は、麦芽化されていなくてもよいし、麦芽化されていても(即ち、部分的に発芽させられ、α−アミラーゼなどの酵素濃度の増加がもたらされていても)よい。醸造の成功のためには、発酵のための適切な糖濃度を確保するために、適切なレベルのα−アミラーゼ酵素活性が必要である。したがって、AcAmy1又はその変異体単独、又は他の1種類又は複数種類のα−アミラーゼと組み合わせたAcAmy1又はその変異体を、醸造で使用される成分に添加してよい。
本明細書で使用するとき、用語「ストック」とは、砕いた又は潰した穀類及び植物成分を意味する。例えば、ビール生産で使用される大麦は、発酵用のマッシュを生産するのに適した粘稠度(consistency)を生み出すように、粗く摩砕されたか、又は砕かれた穀類である。本明細書で使用するとき、用語「ストック」には、砕いた、又は粗く摩砕した形態の、上述した種類の植物及び穀類のうちの任意のものが含まれる。本明細書に記載する方法を使用して、穀粉及びストックの両方におけるα−アミラーゼ活性レベルを測定することができる。
ビール製造のためのプロセスは、当該技術分野で周知である。例えば、Wolfgang Kunze(2004)「Technology Brewing and Malting」、Research and Teaching Institute of Brewing,Berlin(VLB),3rd editionを参照されたい。端的には、このプロセスには、(a)マッシュを調製する工程と、(b)マッシュを濾過して麦汁を調製する工程と、(c)麦汁を発酵させてビールなどの発酵飲料を得る工程と、が含まれる。典型的には、粉砕した又は砕いた麦芽を水と混合し、管理温度下で、ある期間にわたって保持し、麦芽に存在する酵素が、麦芽に存在するデンプンを発酵性の糖に変換することを可能にさせる。その後、マッシュをマッシュフィルターへ移し、そこで液体分と、穀類残留物とを分離する。この甘みのある液体は「麦汁」と呼ばれ、残された穀類残留物は「ビール粕」と呼ばれる。マッシュは、典型的には、ビール粕からの残余可溶性抽出物を回収するために、マッシュを水へ添加することを含む、抽出を受ける。それから、麦汁の殺菌、並びに色、風味、及び香りの形成の補助を行うために、麦汁を激しく沸騰させる。沸騰の間のある時点で、ホップを添加する。この麦汁を冷却し、発酵槽へ移す。
その後、麦汁を、発酵槽内で酵母菌と接触させる。発酵槽を冷却することで、発酵を止めることができる。酵母菌は、凝結させて、取り除く。最後に、ビールは、冷却されてある期間にわたって保存され、この期間の間に、ビールは清澄化され、その風味が増し、かつビールの外観、風味、及び貯蔵寿命を損なうおそれのある物質の全てが沈殿する。通常、ビールは、約2%〜約10% v/vのアルコールを含有するが、よりアルコール含有量の高い(例えば、18% v/v)ビールを得ることもできる。包装に先立って、ビールを炭酸化し、任意選択で、濾過及び低温殺菌を行う。
AcAmy1又はその変異体を含む醸造用組成物を、グルコアミラーゼ及び任意選択で、プルラナーゼ、及び/又はイソアミラーゼと組み合わせて、上記工程(a)のマッシュへと(即ち、マッシュ調製の間に)添加してもよい。代替的に、又は追加的に、前記醸造用組成物を、上記工程(b)のマッシュへと(即ち、マッシュの濾過の間に)添加してもよい。代替的に、又は追加的に、前記醸造用組成物を、上記工程(c)の麦汁へと(即ち、麦汁の発酵の間に)添加してもよい。
ビールなどの発酵飲料は、上記方法のうちの1つによって生産することができる。発酵飲料は、フルモルトビール、「ビール純粋令」に従って醸造されたビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第二のビール)、第三のビール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボックビール、スタウト、麦芽酒、ノンアルコールビール、ノンアルコール麦芽酒などのビールであってよく、あるいは、果物風味の麦芽飲料(例えば、レモン、オレンジ、ライムなどの柑橘風味、又はベリー風味の麦芽飲料など)、酒風味の麦芽飲料(例えば、ウォッカ、ラム酒、又はテキーラ風味の麦芽飲料など)、及びコーヒー風味の麦芽飲料(カフェイン風味の麦芽飲料など)などのシリアル飲料又は麦芽飲料などであってもよい。
9.ヨウ素陽性デンプンの低減
AcAmy1及びその変異体は、液化、及び/又は糖化方法において使用されたとき、ヨウ素陽性デンプン(IPS)を低減させることができる。IPSの発生源の1つは、加水分解を逃れたアミロース由来、かつ/又は老化デンプンポリマー由来である。デンプン分子には、互いに結合して、結晶度を増加させようとする傾向があるため、デンプンの老化は、エージングの際のデンプンペースト、又はゲルにおいて、自然発生的に起こる。低濃度の溶液は、デンプン分子がより大きな一体物へと進行的に結合することに起因して、次第に濁るようになる。自然発生的な沈殿が起こり、沈殿したデンプンは、デンプン本来の、冷水に不可溶な状態へと戻る。より高濃度のペーストは、冷却の際、ゲルへと凝固し、このゲルは、エージングの際には、デンプン分子の結合が増すことに起因して、着実に固化していく。このことは、隣接するデンプン分子のヒドロキシ基間に水素結合を形成する強い傾向があるために起こる。J.A.Radley,ed.,STARCH AND ITS DERIVATIVES 194〜201(Chapman and Hall,London(1968))を参照されたい。
糖類液におけるIPSの存在は、最終製品の品質に悪影響を与え、終了段階の加工における大きな問題を表すものである。IPSは濾過系をふさいで、速度を低下させ、精製に使用する炭素カラムを詰まらせてしまう。IPSが十分に高い濃度に達すると、IPSは、炭素カラムを通じて漏れ出し、生産効率を損なう場合がある。加えて、IPSは、貯蔵の際に、最終製品の品質としては容認できない、濁った最終製品をもたらす。IPSの量は、糖化タンクを隔離し、内容物を混ぜ合わせることにより減少させることができる。それにもかかわらず、IPSは、とりわけ、炭素カラム及び濾過系に蓄積するであろう。それ故、AcAmy1又はその変異体の使用は、IPSの量を減少させることにより、プロセス全体の能率を改善することが期待される。
実施例1:AcAmy1のクローニング
Aspergillus clavatusのゲノムを配列決定した。インターネット上のhypertext transfer protocol://aspgd.broadinstitute.org/cgi−bin/asp2_v3/shared/show_organism.cgi?site=asp2_v3&id=2(2010年5月24日にダウンロード)にて、Aspergillusの10通りの比較データベースasp2_v3(Aspergillus 10-way comparative database asp2_v3)を参照されたい。A.clavatusは、BLAST検索から決定された他の真菌性アルファアミラーゼに相同性があるグリコシルヒドロラーゼをコードする。図1を参照されたい。8個のイントロンを含むAcAmy1遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号2に示される。同様の配列は、NCBI参照番号XM_001272244.1、Aspergillus clavatus NRRL1アルファアミラーゼ、推定(ACLA_052920;配列番号7)に存在する。NCBI参照番号XM_001272244.1に開示されているポリヌクレオチドは、8個のイントロン配列を欠くAcAmy1をコードするmRNAから得られるcDNA配列を表す。
AcAmy1遺伝子は、Aspergillus clavatusのゲノムDNAから、次のプライマー:プライマー1(Not I)5’−ggggcggccgccaccATGAAGCTTCTAGCTTTGACAAC−3’(配列番号8)、及びプライマー2(Asc I)5’−cccggcgcgccttaTCACCTCCAAGAGCTGTCCAC−3’(配列番号9)、を使用して増幅された。Not I及びAsc Iを用いた分解後、PCR産物は、同じ制限酵素によって分解される、pTrex3gM発現ベクター(米国特許出願公開第2011/0136197(A1)号に記載されている)へとクローン化され、得られたプラスミドは、標識されたpJG153であった。pJG153のプラスミドマップは、図2に提供される。AcAmy1遺伝子の配列をDNA配列決定により確認した。この配列は、2箇所(塩基1165(G→A)及び1168(T→C))において、配列番号2と異なっていた。ヌクレオチド配列における変化は、AcAmy1のアミノ酸配列を変化させない。
実施例2:AcAmy1の発現及び精製
パーティクルガン法(biolistic method)(Te’o et al.,J.Microbiol.Methods 51:393〜99,2002)を使用して、前記プラスミドpJG153を、4重欠失(quad-deleted)Trichoderma reesei株(国際公開第05/001036に開示されている)に形質転換させた。このタンパク質を、細胞外培地へと分泌させ、前記酵素の発現を確認するために、濾過した培養培地を使用して、SDS−PAGE及びアルファアミラーゼ活性アッセイを行った。
2工程クロマトグラフィーを加えた硫酸アンモニウム沈殿法を使用して、AcAmy1タンパク質を、精製した。振とうフラスコからの約900mLのブロスは、硫酸アンモニウムの最終濃度が3Mとなる、添加された硫酸アンモニウムであった。この試料を10,000×gにて30分にわたって遠心分離し、ペレットを20mMのリン酸ナトリウム緩衝液pH 7.0、1Mの硫酸アンモニウム(緩衝液A)に再懸濁させた。濾過の後、この試料を、緩衝液Aで平衡化した、70mLのPhenyl−Sepharose(商標)カラムに仕込んだ。仕込みの後、このカラムを3カラム体積の緩衝液Aを用いて洗浄した。標的タンパク質は、0.6Mの硫酸アンモニウムにて溶出した。Phenyl−Sepharose(商標)カラムからの画分を、貯留して、20mMトリス−HCl、pH 8.0(緩衝液C)に対して透析し、その後、緩衝液Cで平衡化した50mLのQ−HP Sepharoseカラムに仕込んだ。1MのNaClを含む0〜100%の緩衝液C(緩衝液D)の20カラム体積のグラジエントで、標的タンパク質を溶出させた。AcAmy1を含有する画分を貯留し、10kDaのAmicon Ultra−15装置を使用して、濃縮した。この試料は、90%超の純度であり、約80℃にて40%グリセロール中で保存した。
実施例3:AcAmy1α−アミラーゼ活性の測定
α−アミラーゼ活性を、ジャガイモアミロペクチン基質からの還元糖の放出に基づいて調査した。還元糖の形成は、PAHBAHアッセイによって、比色法によりモニタリングした。活性数(activity number)は、1分当たりに放出されるグルコースの当量として報告された。
50gの水/0.005% Tween中に、全部で1.25g dsの2.5%のジャガイモアミロペクチン(AP、Fluka Cat.No.10118)基質を調製し、続いてマイクロ波を用いて15秒の間隔で1分間加熱し、撹拌した。5mLの0.5M酢酸Na、pH 5.8と;2.5mLの1M NaClと;0.2mLの0.5M CaClと;7.3mLの水/Tween(167mM酢酸Na、167mM NaCl、6.67mM CaCl)とを混合することにより、緩衝混液を調製した。
精製した酵素を、ストック溶液として、水/Tween中に、0.4mg/mL(400ppm)まで希釈した。非結合性マイクロタイタープレート(Corning 3641)の第1列において、195μLの水を添加し、残りのウェルの全てに、100μLの水/Tweenを入れた。5μLの400ppm酵素を前記第1列に添加し、ウェル内において酵素濃度が10ppmになるように、かつ反応中の最終酵素濃度が2ppmになるようにした。第7ウェルによって2回の連続的な希釈が行われ(40μL+40μL)、第8ウェルが、酵素を含まないブランクとして残された。15μLの緩衝混液を、続いて25μLのアミロペクチンを、自動ピペットを使用して、PCRプレートへ分注した。10μLの酵素希釈系列をPCRプレートへと分注することによって反応を開始させ、ボルテックスミキサーを用いて素早く混合し、加熱された蓋(80℃)を備える、50℃のPCR加熱ブロックにて、10分間にわたってインキュベートした。正確に10分後、20μLの0.5N NaOHをプレートに添加し、続いてボルテックスして反応を終了させた。
チューブに存在する全ての還元糖を、PAHBAH法によって調査した。80μLの0.5N NaOHを、続いて、20μLのPAHBAH試薬(0.5N HCl中の5% w/vの4−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド)を、PCRマイクロチューブプレートへ等分した。10μLの反応終了物を、マルチチャンネルピペットを使用して各列に添加し、ピペット操作の上げ下げによって簡単に混合した。この仕込み済プレートを、スズ箔で封止し、2分間にわたって、95℃にてインキュベートした。反応進行物80μLをポリスチレン製マイクロタイタープレート(Costar 9017)に移し、ODを410nmにて測定した。得られたOD値を、Microsoft Excelを使用して、酵素濃度に対してプロットした。線形回帰を使用して、このプロットの線形部分の傾きを決定した。アミラーゼ活性は、式1を使用して、定量化した。
比活性(単位/mg)=傾き(酵素)/傾き(std)×100 (1)、
(式中、1単位=1μmolグルコースeq./minである)。
AcAmy1、及び基準(benchmark)アミラーゼAkAAの代表的な比活性が、表1に示されている。
Figure 2015518707
実施例4:AcAmy1 α−アミラーゼ活性へのpHの影響
AcAmy1アミラーゼ活性へのpHの影響を、3.0〜10.0のpH範囲において、実施例3に記載されたアルファアミラーゼ・アッセイ・プロトコールを使用して、モニタリングした。緩衝液ストックは、pH 3.0〜6.0の1M酢酸ナトリウム緩衝液ストック、pH 6.0〜pH 9.0の1MHEPES緩衝液ストック、及び1M CAPS緩衝液ストック、pH 10.0として調製された。作業用緩衝液は、最終的な酵素反応混合物が、50mMの各緩衝液とNaCl、2mMのCaClを含有するように、各半pH単位毎に、2.5mLの1M酢酸Na(pH 3.5〜6.5)又は1M HEPES(pH 7〜9)を、2.5mLの1M NaCl及び50μLの2M CaCl、10mLの水/Tweenと共に、含有する(167mMの各緩衝液、及びNaCl、6.67mMのCaCl)。
酵素ストックは、PAHBAHアッセイの線形領域内の濃度にて水/0.005% Tween中に調製された。15μLの作業用緩衝液(pH 3.5〜7.0(酢酸ナトリウムを使用)、pH 6.0〜9.0(HEPESを使用))を、続いて25μLのアミロペクチンを、自動ピペットを使用して、PCRプレートへ分注した。酢酸ナトリウム及びHEPES緩衝液を、pH値6.0、6.5、及び7.0にて個別に使用して、酵素活性に対して、緩衝液による影響がないことを確認した。10μLの酵素ストックをPCRプレートへと分注することによって反応を開始させ、ボルテックスミキサーで素早く混合し、加熱された蓋(80℃)を備える、50℃のPCR加熱ブロックにて、10分間にわたってインキュベートした。反応は3つの複製物にて行われた。pH緩衝液を単独で使用したブランク試料が含まれていた。正確に10分後、20μLの0.5N NaOHをプレートに添加し、続いてボルテックスして反応を終了させた。ウェル内に存在する全ての還元糖を、上述したPAHBAH法を用いて調査した。得られたOD値を、最適pHを100%活性として定義することにより、相対活性パーセントへ変換した。pHの関数としてプロットされたパーセント相対活性が、図3A(基準のAkAA)及び図3B(AcAmy1)に示されている。50℃にて加水分解を測定したときの、最適pH、及び最大活性の>70%であるpH範囲が、表2に列挙されている。
Figure 2015518707
実施例5:AcAmy1 α−アミラーゼ活性への温度の影響
真菌性アルファアミラーゼ活性を、30℃〜95℃の温度範囲において、実施例4に記載されたアルファアミラーゼ・アッセイ・プロトコールを使用して、モニタリングした。各酵素の最適pHの緩衝液ストックは、最終酵素反応混合物が、50mMの各緩衝液とNaCl、2mMのCaClを含有するように、2.5mLの1M緩衝液(酵素の最適pHに応じて、酢酸ナトリウム又はHEPES)、2.5mLの1M NaCl及び50μLの2M CaCl、10mLの水/Tween(167mMの各緩衝液とNaCl、6.67mMのCaCl)として調製される。
酵素ストックを、上述したように、調製した。15μLの緩衝液ストック(最適pH、決定済み)を、続いて25μLのアミロペクチンを、自動ピペットを使用して、PCRプレートへ分注した。10μLの酵素をPCRプレートへと分注することによって反応を開始させ、ボルテックスミキサーで素早く混合し、インキュベーション温度と同じか、それよりも高い温度に加熱された蓋を備える、30〜95℃(5〜10℃毎)のPCR加熱ブロックにて、10分間にわたってインキュベートした。反応は3つの複製物にて行われた。異なる緩衝液を単独で使用したブランク試料が含まれていた。正確に10分後、20μLの0.5N NaOHをプレートに添加し、続いてボルテックスして反応を終了させた。チューブ内に存在する全ての還元糖を、上述したPAHBAH法を用いて調査した。得られたOD値を、最適温度を100%活性として定義することにより、相対活性パーセントへ変換した。真菌性アルファアミラーゼの温度プロファイルが、図4A(基準のAkAA)及び図4B(AcAmy1)に示されている。開示された酵素の最適pHにて測定したときの、最適温度、及び最大活性の>70%である温度範囲が、表3に列挙されている。
Figure 2015518707
実施例6:AcAmy1α−アミラーゼ活性への持続的な低pHの影響
SSFは、通常は、pH 3.5〜5.5、32℃にて、55時間にわたって行われ、このプロセスで使用される酵素は、全プロセスの間、それらの酵素の活性を維持することが可能であるべきである。それ故、α−アミラーゼの低pH安定性を知ることは有用である。pH安定性の試験には次のプロトコールが使用された。
前記酵素を、pH 3.5及び4.8の50mMの酢酸ナトリウム中に、上述したα−アミラーゼアッセイの線形領域内の濃度まで希釈させた。希釈した酵素を室温でインキュベートし、t=0、2、4、19、24、28、及び43時間での調査のために、10μLをサンプリングした。調査は、アミロペクチンを基質として使用し、かつ上述したような、pH 5、50℃での還元糖に対するPAHBAH法を使用して、標準条件の下で行われた。データを、信号をグルコース標準に正規化することによって加工し、時間の関数として、t=0に対する残存活性の割合としてプロットした。図5A及び図5Bは、異なる期間にわたるpH 3.5又は4.8におけるインキュベーション後の、基準のAkAA及びAcAmy1のそれぞれの残存活性を示す。AkAA及びAcAmy1は共に、pH 3.5での長いインキュベーション後に、>60%の活性を維持する。AcAmy1は、pH 4.8では、AkAAよりも小さい活性を維持した。対照的に、これらの条件下では、細菌起源のアミラーゼは、通常、数時間のうちに活性のほとんどを失った(データは図示せず)。
実施例7:AcAmy1生産物プロファイル分析
多糖類の真菌性α−アミラーゼ触媒反応の生産物を調査するため、アミラーゼを、3種類の異なる基質(DP7、アミロペクチン、及びマルトデキストリンDE10液化液)を用いて、50℃、pH 5.3にて2時間にわたってインキュベートした。酵素によって放出されたオリゴ糖を、HPLCによって解析した。
最終濃度が10ppmのアミラーゼを、50mMのNaClと、2mMのCaClを含有する50mM、pH 5.3のクエン酸ナトリウム緩衝液中にて、0.5%(w/v)基質を用いて、50℃にて、120分にわたってインキュベートした。その後、反応を同体積のエタノールを添加することにより停止させ、14,000rpmにて10分間遠心分離した。上清を、MilliQ水を使用して10倍に希釈し、10μLを、屈折率検出器を備えたHPLCカラム、Aminex HPX−42A、300mm×7.8mmに仕込んだ。移動相は、MilliQ水であり、流速は、85℃にて、0.6mL/minであった。
表4は、様々な基質に対してAcAmy1及び基準のAkAAによって糖化されたオリゴ糖のプロファイルを示す。DP1〜DP7であるオリゴ糖のみが示されている。表中の数字は、DP1〜DP7の総量の分率としての各DPnの重量パーセントを表す。AcAmy1では、主にDP1及びDP2が生産され、試験を行った全ての基質で、DP2が主要な生産物であった。AcAmy1は、DP1〜DP7を合わせた量に対して、少なくとも50% w/wのDP2を含有する糖組成物を生産した。一方で、AkAAは、DP1〜DP4にわたって、より均一に分布する生産物プロファイルを示した。
Figure 2015518707
実施例8:液化
AcAmy1を使用して、25% DSのトウモロコシデンプン溶液を液化した。このトウモロコシデンプン溶液には、pH 5.8、85℃にて、及びpH 4.5、95℃にて、10分間にわたって、800μgのAcAmy1が添加された。RVA粘度計試験によって、液化活性を調査した。表5は、AcAmy1による粘度の減少を示す。
Figure 2015518707
実施例9:SSFエタノール発酵
AcAmy1のエタノール生産能力、及び不溶性残余デンプン(IRS)を減少させる能力に対する試験をSSF中に行った。結果からは、AcAmy1が、AkAAに匹敵する効果を、少ない投入量で達成できることが示された。
液化液は、不溶性残余デンプン(IRS)の低減、及びIRSによる詰まりにおける性能を区別しやすくするために、発酵終点(EOF)トウモロコシスラリー中に比較的多量の残余デンプンを含有するように、特別に調製された。以下の手順に従って、FPLCを使用して測定して、少なくとも1.15のDP7性能指標を有するTrichodermaグルコアミラーゼ変異体(米国特許第8,058,033(B2)号、Danisco US Inc.を参照されたい)の存在下で、AkAA又はAcAmy1を用いたSSFを行った。SSFの後、(i)エタノール収率及びDP3+の減少(HPLCを使用);並びに(ii)IRS(ヨウ素アッセイを使用)について、試料を分析した。DP3+濃度は、ボイド体積(void volume)によって測定され、このボイド体積の減少は、一般的に、液化液の糖化の効率を反映するものと解釈されている。
液化液の調製:冷凍した液化液(30% DS)を、4℃にて一晩インキュベートし、その後、完全に溶けるまで70℃にて水浴させた(1〜3時間)。液化液の温度は、32℃に調整された。液化液を計量し、固体の尿素を600ppmまで添加した。6Nの硫酸、又は28%の水酸化アンモニウムを使用して、液化液のpHを調整した。
発酵:ETHANOL RED(登録商標)(LeSaffre)酵母菌を使用して、グルコースをエタノールへ変換した。液化液バッチに0.1% w/wまで乾燥酵母を添加し、この組成物をよく混合し、室温にて30分間インキュベートした。100g+/−0.2gの液化液(32% DS)を計量し、各々標識をつけた150mLの三角フラスコへ計り取った。各フラスコに、0.325GAU/g固体、0.2275GAU/g固体、及び0.1625GAU/g固体の、様々な投入量のグルコアミラーゼを添加した。AkAA又はAcAmy1アルファアミラーゼは、各フラスコに様々な投入量にて添加され、最も高い投入量は、20μgタンパク質/g固体(100%投入量)であった。この混合物を、pH 3.5〜4.8、32℃にて、54時間又は70時間にわたって、200rpmにて混合しながら、強制空気インキュベータ内でインキュベートした。約1mLのEOFトウモロコシスラリー試料を、およそt=0、3、19、23、27、43、52、及び/又は70時間にて採取し、冷凍保存した。これらのEOF試料に対して、エタノール収率及びDP3+の減少、並びにIRSに関する調査を行った。
(i)エタノール収率及びDP3+の減少
エタノール収率及びDP3+の減少を決定するために、各時点での試料を4℃にて溶かし、15,000rpmにて2分間遠心分離にかけた。各試料の上清を100μL集め、個々の微量遠心チューブ内で10μLの1.1N硫酸と混合し、室温にて5分間インキュベートした。1mLの水を各チューブに添加し、これらのチューブを、15,000rpmにて1分間遠心分離にかけた。200μLを、HPLCプレートに濾過した。このプレートを、Rezex Fast Fruit RFQカラムを使用したAgilent HPLCにて、8分間の溶出で、分析した。上記した部品の較正曲線は、Supelco Fuelエタノール(Sigma Cat.48468−U)を使用して、準備された。ChemStationソフトウェアを使用して、DP1、DP2、DP3+、グリセロール、酢酸、乳酸、及びエタノールの濃度(g/L)を決定した。エタノールの生産は、反応混合物のパーセントv/vに変換された。
pH 4.8で、AcAmy1とグルコアミラーゼを用いて得られるエタノールの生産速度は、AkAAとグルコアミラーゼ(データは示していない)を用いて得られる速度に匹敵するものであった。エタノール生産の速度及び収率、並びにDP3+の加水分解(データは示していない)に関しては、pH 3.5及びpH 3.8にて同様の結果が得られた。21時間で、α−アミラーゼとしての、コントロール及びAcAmy1に対するエタノール収率は、約8% v/vであった。また、およそ48時間でも、両方に対して、同様のエタノール収率が観察された。しかしながら、DP3+の加水分解測度は、AcAmy1及びグルコアミラーゼを使用することで、顕著に改善した。6時間にて、コントロールでの約14%に対して、AcAmy1及びグルコアミラーゼにより、DP3+(w/v)が23%から約8〜9%まで減少した。48時間でのDP3+の最終量は、両方の場合で約2%であった。pH 4.8でのエタノール収率、及びDP3+加水分解の速度及び程度に対して、AkAAよりも少ないAcAmy1を使用して、同じ結果が得られ(データは示していない)、AcAmy1が、AkAAと比較して投入量を減少させて使用できることを示している。
(ii)ヨウ素陽性デンプン
次の手順は、アミロースのヨウ素染色によってトウモロコシ液化液の従来型の発酵後の残余デンプン濃度を定性的に予測する方法を説明する。1グラムのEOFトウモロコシスラリーを、各々標識をつけた微量遠心チューブに添加した。200μLの脱イオン水を各チューブに添加し、その後、20μLのヨウ素溶液を各チューブに添加し、十分に混合した。ヨウ素溶液(ルゴール試薬)を、5gのヨウ素と、10gのヨウ化カリウムとを100mLの水に溶解させることにより調製した。ヨウ素染色したチューブは、青色が増加する順番でランク付けした。青/黒に染色された試料は、最も高濃度の残余デンプンを含有する。
加えて、市販されているMegazyme社のTotal Starchによるプロトコール(Megazyme International、Ireland)を応用し、アミロースのヨウ素染色によってトウモロコシ液化液の従来型の発酵後の残余デンプン濃度を定性的に測定した。約800mgのEOFトウモロコシスラリー、及び0.2mLの水性エタノール(80% v/v)を、ボルテックスミキサーにて撹拌することにより、ガラスチューブ内で混合した。その後、50mM MOPS緩衝液、pH 7.0中の、3mLの熱安定性α−アミラーゼ(300U)を添加し、チューブを激しく撹拌した。このチューブを、2分後、及び4分後に激しく撹拌しながら、6分間沸騰水浴中にてインキュベートした。このチューブを50℃の浴へ移した後、4mLの200mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH 4.5、及び0.1mLのアミログルコシダーゼ(20U)を添加した。このチューブをボルテックスミキサーで撹拌し、50℃にて30分間インキュベートした。蒸留水を各チューブに添加し、最終的な体積が10mLになるようにした。この混合物を1.5mLのエッペンドルフチューブへ移し、3,000rpmにて10分間遠心分離にかけた。開始時のEOFトウモロコシスラリーが10〜100%のデンプンを含有していた場合は、上清を、蒸留水を用いて10倍に希釈した。上清、又は希釈した上清を複製したアリコート(0.1mL)を、ガラス製の試験チューブ(16×100mm)の底に移した。約3.0mLのGOPOD試薬を、グルコースコントロール、及び試薬ブランクを含む、各チューブに添加した。チューブを50℃で20分間インキュベートした。これらの試料を1.5mLのプラスチック製キュベットに移し、60分以内に各試料に対して510nmでの吸光度を測定した。EOFトウモロコシスラリーに対して測定したグルコース量を、残余デンプンの量へ変換した。
表6は、AcAmy1及びAkAAを用いたSSF後の、EOFトウモロコシスラリー中の残余デンプン濃度を示す。10μgタンパク質/g固体のAkAA(50%投入量)と、3.3μgタンパク質/g固体のAcAmy1(17%投入量)を使用すると、残余デンプンは、ほぼ同じとなることがわかった。このデータを考慮すると、AcAmy1は、残余デンプンの除去において、AkAAよりも少なくとも3倍効率的であることが示されている。
Figure 2015518707
配列表
配列番号1
野生型AcAmy1のタンパク質配列:
Figure 2015518707
配列番号2
AcAmy1遺伝子のヌクレオチド配列:
Figure 2015518707
配列番号3
AcAmy1シグナルペプチドのアミノ酸配列:
MKLLALTTAFALLGKGVFG
配列番号4
Talaromyces stipitatus ATCC 10500(XP_00248703.1)由来の推定α−アミラーゼ
Figure 2015518707
配列番号5
Aspergillus nidulans FGSC A4(XP_661006.1)由来のタンパク質AN3402.2
Figure 2015518707
配列番号6
Aspergillus niger由来のα−アミラーゼ(Protein Data Baseエントリー2GUY|A)
Figure 2015518707
配列番号7
Aspergillus clavatus NRRL1アルファアミラーゼ、推定、をコードするcDNA(ACLA_052920)
Figure 2015518707
配列番号8
合成プライマー:
5’−ggggcggccgccaccATGAAGCTTCTAGCTTTGACAAC−3’
配列番号9
合成プライマー:
5’−cccggcgcgccttaTCACCTCCAAGAGCTGTCCAC−3’
配列番号10
AcAmy1炭水化物結合ドメイン
CKTATTVPVVLEESVRTSYGENIFISGSIPQLGSWNPDKAVALSSSQYTSSNPLWAVTLDLPVGTSFEYKFLKKEQNGGVAWENDPNRSYTVPEACAGTSQKVDSSWR
配列番号11
AcAmy1リンカー(リンカー領域)
STTTLVTATTTPTGSSSSTTLATAVTTPTGS
配列番号12
Aspergillus fumigatus Af293(XP_749208.1)由来のα−アミラーゼ
Figure 2015518707
配列番号13
Aspergillus terreus NIH2624(XP_001209405.1)由来のアルファアミラーゼ前駆体
Figure 2015518707

Claims (106)

  1. デンプンを含む組成物を糖化してグルコースを含む組成物を生産する方法であって、前記方法が、
    (i)前記デンプンを含む溶液を、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、α−アミラーゼ活性を有する、単離したAcAmy1又はその変異体と接触させる工程と、
    (ii)前記デンプンを含む溶液を糖化して、前記グルコースを含む組成物を生産する工程であって、前記単離したAcAmy1又はその変異体が、該デンプン溶液のグルコースへの該糖化を触媒する工程とを含む、方法。
  2. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量の残余デンプンを減少させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量のDP3+を減少させる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したとき、同一条件下でAkAAによって生産されたグルコースを含む第2の組成物と比較して、前記グルコースを含む組成物がDP1、DP2、又は(DP1+DP2)について富化されている、請求項1に記載の方法。
  5. DP1が、約2時間で約1.5倍に富化される、請求項4に記載の方法。
  6. DP2が、約2時間で2〜3倍に富化される、請求項4に記載の方法。
  7. (DP1+DP2)が、約2時間で約2.2倍に富化される、請求項4に記載の方法。
  8. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記デンプンを含む組成物が、液化デンプン、糊化デンプン、又は粒状デンプンを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 約30℃〜約75℃の温度範囲にて、糖化が行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記温度範囲が47℃〜74℃である、請求項13に記載の方法。
  15. 糖化がpH 2.0〜pH 7.5のpH範囲にわたって行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記pH範囲がpH 3.5〜pH 5.5である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記pH範囲がpH 3.5〜pH 4.5である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記グルコース組成物を発酵させて、発酵終点(EOF)生産物を生産することを更に含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記発酵が同時糖化発酵(SSF)反応である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記発酵が、pH 2〜8で、かつ25℃〜70℃の温度範囲で、48〜70時間行われる、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 前記EOF生産物がエタノールを含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記EOF生産物が、8%〜18%(v/v)のエタノールを含む、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記方法が、マッシュ及び/又は麦汁を前記AcAmy1又はその変異体に接触させる工程を更に含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. (a)マッシュを調製する工程と、
    (b)該マッシュを濾過して、麦汁を得る工程と、
    (c)該麦汁を発酵させて、発酵飲料を得る工程とを更に含む、請求項23に記載の方法であって、
    AcAmy1又はその変異体が、
    (i)工程(a)の該マッシュ、及び/又は、
    (ii)工程(b)の該麦汁、及び/又は、
    (iii)工程(c)の該麦汁に添加される、方法。
  25. 前記EOF生産物が代謝産物を含む、請求項18〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記代謝産物が、クエン酸、乳酸、コハク酸、グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウム、グルコノデルタラクトン、エリソルビン酸ナトリウム、オメガ3脂肪酸、ブタノール、アミノ酸、リジン、イタコン酸、1,3−プロパンジオール、又はイソプレンである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記デンプン溶液に、グルコアミラーゼ、ヘキソキナーゼ、キシラナーゼ、グルコースイソメラーゼ、キシロースイソメラーゼ、ホスファターゼ、フィターゼ、プルラナーゼ、β−アミラーゼ、AcAmy1でないα−アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、イソアミラーゼ、酸化還元酵素、エステラーゼ、トランスフェラーゼ、ペクチナーゼ、アルファ−グルコシダーゼ、ベータ−グルコシダーゼ、又はこれらの組み合わせを添加することを更に含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記グルコアミラーゼが0.1〜2グルコアミラーゼ単位(GAU)/g dsで添加される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記単離したAcAmy1又はその変異体が、宿主細胞によって発現され、分泌される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記デンプンを含む組成物を前記宿主細胞と接触させる、請求項29に記載の方法。
  31. 前記宿主細胞が、更にグルコアミラーゼを発現し、かつ該グルコアミラーゼを分泌する、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記宿主細胞は前記グルコース組成物の発酵が可能である、請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 請求項1に記載の方法によって生産される、グルコースを含む組成物。
  34. 請求項1に記載の方法によって生産される、液化デンプン。
  35. 請求項18〜32のいずれか一項に記載の方法によって生産される、発酵飲料。
  36. デンプンを含む組成物の糖化に使用するための組成物であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を含む、組成物。
  37. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項36に記載の組成物。
  38. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項37に記載の組成物。
  39. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項39に記載の組成物。
  41. 前記組成物が、培養細胞物質である、請求項36〜40のいずれか一項に記載の組成物。
  42. 前記組成物が、グルコアミラーゼを更に含む、請求項36〜41のいずれか一項に記載の組成物。
  43. 前記AcAmy1又はその変異体が精製される、請求項36〜40及び42のいずれか一項に記載の組成物。
  44. 前記AcAmy1又はその変異体が、宿主細胞によって発現され、分泌される、請求項36〜43のいずれか一項に記載の組成物。
  45. 前記宿主細胞が糸状菌細胞である、請求項44に記載の組成物。
  46. 前記宿主細胞が、Aspergillus属の種、又はTrichoderma reeseiの細胞である、請求項45に記載の組成物。
  47. グルコースを含む組成物の生産における、請求項1〜46のいずれか一項に記載のAcAmy1又はその変異体の使用。
  48. 液化デンプンの生産における、請求項1〜46のいずれか一項に記載のAcAmy1又はその変異体の使用。
  49. 発酵飲料の生産における、請求項1〜46のいずれか一項に記載のAcAmy1又はその変異体の使用。
  50. 請求項18〜32のいずれか一項に記載の方法、請求項45に記載の発酵飲料、又は請求項49に記載の使用であって、前記発酵飲料又は前記発酵終点生産物が、
    i)フルモルトビール、「ビール純粋令」に従って醸造されたビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第二のビール)、第三のビール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボックビール、スタウト、麦芽酒、ノンアルコールビール、及びノンアルコール麦芽酒からなる群から選択されるビール、並びに
    ii)果物風味の麦芽飲料、酒風味の麦芽飲料、及びコーヒー風味の麦芽飲料からなる群から選択されるシリアル飲料又は麦芽飲料、からなる群から選択される、方法、発酵飲料、又は使用。
  51. (i)1種類以上の食品材料と、
    (ii)α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636、又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と、を組み合わせることを含む、食品組成物の生産方法であって、前記単離したAcAmy1又はその変異体が、該食品材料中に存在するデンプン成分の加水分解を触媒して、グルコースを生産する、方法。
  52. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量の残余デンプンを減少させる、請求項51に記載の方法。
  53. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量のDP3+を減少させる、請求項51又は52に記載の方法。
  54. DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したとき、同一条件下でAkAAによって生産された第2の焼成製品と比較して、前記食品組成物がDP1、DP2、又は(DP1+DP2)について富化されている、請求項51に記載の方法。
  55. DP1が、約2時間で約1.5倍に富化される、請求項54に記載の方法。
  56. DP2が、約2時間で2〜3倍に富化される、請求項54に記載の方法。
  57. (DP1+DP2)が、約2時間で約2.2倍に富化される、請求項54に記載の方法。
  58. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項51〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項51〜57のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項60に記載の方法。
  62. 前記食品組成物が、食品製品、焼成用組成物、食品添加物、動物性食品製品、飼料製品、飼料添加物、油、肉、及び、及びラードからなる群から選択される、請求項54〜61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記1種類以上の食品材料が、焼成材料又は添加物を含む、請求項54〜62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記1種類以上の食品材料が、穀粉、老化防止アミラーゼ、ホスホリパーゼ、リン脂質、マルトース生成アルファアミラーゼ、又は、マルトース生成アルファアミラーゼ活性を有するその変異体、相同体、若しくは突然変異体、ベーカリー用キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)、及びリパーゼからなる群から選択される、請求項51〜63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記1種類以上の食品材料が、
    (i)Bacillus stearothermophilus由来のマルトース生成アルファアミラーゼ、
    (ii)Bacillus、Aspergillus、Thermomyces、又はTrichoderma由来のベーカリー用キシラナーゼ、
    (iii)Fusarium heterosporum由来のグリコリパーゼからなる群から選択される、請求項64に記載の方法。
  66. 前記食品組成物が、練り粉、又は練り粉製品、好ましくは加工済み練り粉製品を含む、請求項51〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記食品組成物を焼成して、焼成製品を生産することを含む、請求項51〜66のいずれか一項に記載の方法。
  68. (i)デンプン培地を提供する工程と、
    (ii)該デンプン培地に前記AcAmy1又はその変異体を添加する工程と、
    (iii)工程(b)の間、又はその後に該デンプン培地に熱を加え、ベーカリー製品を生産する工程とを更に含む、請求項51〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 食品組成物の生産に使用するための組成物であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と、1種類以上の食品材料とを含む、組成物。
  70. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項69に記載の組成物。
  71. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項70に記載の組成物。
  72. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項69に記載の組成物。
  73. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項72に記載の組成物。
  74. 食品組成物の調製における、請求項69〜73のいずれか一項に記載のAcAmy1又はその変異体の使用。
  75. 前記食品組成物が、練り粉、又は練り粉製品、好ましくは加工済み練り粉製品を含む、請求項74に記載の使用。
  76. 前記食品組成物が、ベーカリー組成物である、請求項74又は75に記載の使用。
  77. 練り粉製品の老化、好ましくは有害な老化を、遅らせるため又は低減させるための、該練り粉製品における請求項69〜73のいずれか一項に記載のAcAmy1又はその変異体の使用。
  78. 洗濯物、食器、又は織物から、デンプン質の汚れを取り除く方法であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を有効量で含む水性組成物の存在下で、前記洗濯物、食器、又は織物の表面をインキュベートして、前記AcAmy1又はその変異体に、該デンプン質の汚れに存在する、デンプン成分を加水分解させ、該水性組成物中に溶解するより小さなデンプン由来分子を生成させる工程と、該表面をすすぐことによって、該デンプン質の汚れを該表面から取り除く工程とを含む、方法。
  79. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量の残余デンプンを減少させる、請求項78に記載の方法。
  80. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量のDP3+を減少させる、請求項78又は79に記載の方法。
  81. DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したとき、同一条件下でAkAAによって生産されたデンプン由来分子に比較して、DP1、DP2、又は(DP1+DP2)について、前記デンプン由来分子が富化されている、請求項78に記載の方法。
  82. DP1が、約2時間で約1.5倍に富化される、請求項81に記載の方法。
  83. DP2が、約2時間で2〜3倍に富化される、請求項81に記載の方法。
  84. (DP1+DP2)が、約2時間で約2.2倍に富化される、請求項81に記載の方法。
  85. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項78〜80のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項85に記載の方法。
  87. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項78〜80のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項87に記載の方法。
  89. 洗濯物、食器、又は織物から、デンプン質の汚れを取り除くのに使用するための組成物であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体と、界面活性剤と、を含む、組成物。
  90. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項89に記載の組成物。
  91. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項90に記載の組成物。
  92. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項89に記載の組成物。
  93. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項92に記載の組成物。
  94. 前記組成物が、洗濯用洗剤、洗濯用洗剤添加剤、又は手作業での若しくは自動での食器洗浄用洗剤である、請求項89〜93のいずれか一項に記載の組成物。
  95. 織物の糊抜き方法であって、α−アミラーゼ活性を有し、かつ(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離したAcAmy1又はその変異体を含む糊抜き組成物を、織物の糊抜きに十分な時間にわたって該織物に接触させ、前記AcAmy1又はその変異体に、該デンプン質の汚れに存在するデンプン成分を糊抜きさせて、該水性組成物中に溶解するより小さなデンプン由来分子を生成させる工程と、表面をすすぐことによって、該デンプン質の汚れを該表面から取り除く工程とを含む、方法。
  96. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量の残余デンプンを減少させる、請求項95に記載の方法。
  97. 前記AcAmy1又はその変異体を、AkAA投入量の、約17%〜50%又は任意選択で約17%〜34%にて、投入して同一条件下で同量のDP3+を減少させる、請求項95又は96に記載の方法。
  98. DP1〜DP7の合計の重量パーセントとして測定したとき、同一条件下でAkAAによって生産された、デンプン由来分子に比較して、前記デンプン由来分子がDP1、DP2、又は(DP1+DP2)について富化されている、請求項95に記載の方法。
  99. DP1が、約2時間で約1.5倍に富化される、請求項98に記載の方法。
  100. DP2が、約2時間で2〜3倍に富化される、請求項98に記載の方法。
  101. (DP1+DP2)が、約2時間で約2.2倍に富化される、請求項98に記載の方法。
  102. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項95〜101のいずれか一項に記載の方法。
  103. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497を含む、請求項102に記載の方法。
  104. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497に対して、少なくとも80%、90%、95%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項95〜101のいずれか一項に記載の方法。
  105. 前記AcAmy1又はその変異体が、(a)配列番号1の残基20〜636又は(b)配列番号1の残基20〜497からなる、請求項104に記載の方法。
  106. 織物の糊抜きにおける、AcAmy1又はその変異体を含む糊抜き組成物の使用。
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