JP2015510397A - 抗体凝集物レベルを低下させるためのプロセスおよびそれによって産生される抗体 - Google Patents

抗体凝集物レベルを低下させるためのプロセスおよびそれによって産生される抗体 Download PDF

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Abstract

本開示は、バイオリアクター培養プロセスにおいて、少なくとも3つのパラメーターを修飾することによって、モノクローナル抗体の調製物中の凝集物を低下させるための方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、モノクローナル抗体産生の分野に関する。
モノクローナル抗体(mAb)は、重要な種類の生物医薬である。それらは、最もよく売れている種類の生物学的製剤のうちの1つに相当し、米国の販売を合わせると、2009年では約169億ドルに達する(Aggarwal,2010)。MAbは、とりわけ様々なタイプの癌および慢性炎症性状態の治療のための診断薬としておよび薬剤として、一般に使用されている。現在、mAbは、他の従来の治療よりも有効で、安全で、かつ便利な、多くの新しい治療の選択肢を患者に提供している(Jain & Kumar,2008)。
ヒトデルタ様抗原4(「DLL4」)に対する抗体は、様々な癌の治療を含む治療上の適用を有する抗体の1つである。DLL4に対して特異的ないくつかのヒトモノクローナル抗体は、米国特許出願第2010/01963850号明細書において記載される。
治療上の適用のためのMAbは、チャイニーズハムスター卵巣(「CHO」)細胞を使用して発現させることができる。そのようなmAbをコードする遺伝子は、クローニングし、臨床上および商業上の使用のための、十分な量のmAbの産生を可能にするCHO細胞株にトランスフェクトすることができる。mAbをコードする遺伝子によりトランスフェクトされたCHO細胞クローンは、発現およびタンパク質アフィニティー(たとえばプロテインA)精製に際して、容認できないほど高いレベルの抗体凝集物をもたらし得る。
MAb凝集は、治療用タンパク質産生における主な関心事である。世界保健機構(WHO)の基準は、市販の静脈内免疫グロブリン産物における凝集物レベルを5%未満に制限している(Pan et al.,2009)。混入物と考えると、凝集物は、産物の純度および質を低下させる。それらは、患者において免疫原性の応答を引き起こし得る(Barnard et al.,2010)。そのうえ、凝集物は、毛細管を機械的にブロックし、虚血後の患者において微小循環の低下を引き起こし得る(Shellekens,2005;Rosenberg,2006)。したがって、凝集物を、WHOの限度未満の許容できるレベルまで低下させることができない場合、治療上の可能性を有する抗体は、開発が停止され得る。
凝集物は、哺乳動物細胞、たとえばCHO細胞の培養の間を含めて、製造プロセスにおけるあらゆるステップで形成され得る。細胞培養段階でmAbについての凝集を低下させることができた場合、それにより、下流の製造の負担を有意に低下させ、実質的な、全体的なプロセス収率の改善をもたらすと思われるので、これは、非常に有益であろう。
したがって、細胞培養の間に凝集物の形成を低下させる、DLL4 mAbを発現するCHO細胞についての発酵プロセスが、本明細書において議論される。発酵プロセスは、5%未満の凝集レベルを有する培養物からプロテインA精製産物をもたらすことができる。
米国特許出願第2010/01963850号
Aggarwal,2010 Jain & Kumar,2008 Pan et al.,2009 Barnard et al.,2010 Shellekens,2005 Rosenberg,2006
本発明に従って、本発明によって包含される実施形態は、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法を提供する。モノクローナル抗体を発現する哺乳動物細胞は、約36.5℃の温度、約6.85のpH、および約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度で培養される。他の実施形態において、モノクローナル抗体を発現する哺乳動物細胞は、約37℃の温度、約7.0のpH、および約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度で培養される。発現された抗体は、培養上清から回収される。
本発明によって包含される他の実施形態は、抗DLL4モノクローナル抗体の凝集物を低下させるための方法である。抗DLL4モノクローナル抗体を分泌するCHO細胞は、バイオリアクターにおいて、36.5℃の温度、6.8のpH、および320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を含む条件下での、同じmAb産生CHO細胞の培養よりも、少ない凝集物を産生する温度、pH、および重量オスモル濃度の条件下で培養される。抗DLL4モノクローナル抗体は、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む。
方法は、複数の部分に分かれた供給材料を含むことができる。複数の部分に分かれた供給材料は、2つの部分に分かれた供給材料を含むことができる。その代わりに、方法は、単一の供給材料を含むことができる。グルコースは、グルコースレベルをコントロールするために培養物に追加することができる。グルコースが、その方法において追加される場合、グルコースの追加は、供給材料と考えられない。
先の全般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、請求項を限定するものではないということを理解されたい。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明によって包含される、いくつかの実施形態を例証し、その説明と一緒に、本発明の原理のいくつかについて説明する役目を果たす。
抗体単量体および凝集物のピークを示すHPLCプロファイルを示す図である。 異なる細胞培養条件を有する12個の1Lバイオリアクターの間で比較した凝集物レベルを示す図である。 図3A−Fは、線形モデルにおける、細胞培養パラメーターとしての温度、重量オスモル濃度、およびpHならびに力価および凝集物のレベル(プロテインA精製後)に対するそれらの影響の間の関係を示す実験計画法(DoE)予測プロファイラー(Design of Experiments(DoE)prediction profiler)を示す図である。 以前の(赤色/下の線)および新しい最適化された(緑色/上の線)発酵プロセスにおいて観察された細胞増殖パターンを示す図である。 24×10生細胞/mLよりも高いピーク生細胞数に達することなく、2%未満の凝集レベルおよび6g/Lより高い力価を実現するための細胞培養プロセスについての作業中のウィンドウを示す実験計画法等高線プロファイラー(Design of Experiments Contour Profiler)を示す図である。 二次モデルにおける、細胞培養パラメーターとしての温度、重量オスモル濃度、およびpHならびに力価および凝集物のレベル(プロテインA精製後)に対するそれらの影響の間の関係を示す等高線図を示す図である。等高線図は、pH(X軸)、温度(Y軸)、および重量オスモル濃度(プロットの上に示す)の関数としての、力価(上のプロット)および凝集物(下のプロット)の範囲予測を示す。
本発明によって包含される、様々な実施形態について、ここで言及する。
本開示は、細胞培養物からまたはアフィニティー精製細胞培養上清から回収される抗DLL4モノクローナル抗体(mAb)の凝集物を低下させるための方法を提供する。凝集物はまた、単一の供給材料を使用するバイオリアクターにおいて、36.5℃の温度、6.8のpH、および320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を含む条件下でmAbを分泌する同じ哺乳動物細胞株の培養よりも、少ない凝集物を産生する温度、pH、および重量オスモル濃度の条件下でmAbを分泌する第1の哺乳動物細胞株を培養することによって、低下させてもよい。必要であれば、第1の哺乳動物細胞株よりも低いレベルのmAb凝集物を産生する第2の哺乳動物細胞株が、選択され、第1の哺乳動物細胞株と置換されてもよい。
抗DLL4 mAbの凝集物を低下させるpH、温度、および出発重量オスモル濃度培養条件は、pH7.0、温度34℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたはpH6.85、温度35.5℃、および出発重量オスモル濃度360mOsm/kg HOまたはpH6.7、温度37℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたはpH6.7、温度34℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたはpH7.0、温度37℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたはpH7.0、温度37℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたはpH6.85、温度35.5℃、および出発重量オスモル濃度360mOsm/kg HOまたはpH7.0、温度34℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたはpH6.7、温度37℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたはpH6.85、温度36.5℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOであってもよい。
5%以下まで抗DLL4 mAbの凝集物を低下させるpH、温度、および出発重量オスモル濃度培養条件は、約6.80〜約7.00のpH、約320〜約400mOsm/kg HOの重量オスモル濃度、および約34.5℃〜約36.5℃の温度であってもよい。
抗DLL4 mAbは、清澄後に細胞培養物から回収されてもよく、および/またはたとえば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを利用してアフィニティー精製されてもよい。
本明細書において開示される様々な態様の他のいくつかの実施形態において、培養温度が、37℃であってもよく、または約36.5℃であってもよい。一実施形態において、培養温度は、約37.0℃である。他の実施形態において、培養温度は、バイオリアクター培養システムの誤差範囲内で37.0℃で保持される。さらに他の実施形態において、培養温度は、DASGIP 1L流加バイオリアクターの誤差範囲内で37.0℃で保持される。さらに他の実施形態において、培養温度は、37.0℃±0.1であってもよい。一実施形態において、培養温度が、37℃である。
本明細書において開示される様々な態様の他のいくつかの実施形態において、培養温度が、36.5℃であってもよく、または約36.5℃であってもよい。一実施形態において、培養温度は、約36.5℃である。他の実施形態において、培養温度は、バイオリアクター培養システムの誤差範囲内で36.5℃で保持される。さらに他の実施形態において、培養温度は、DASGIP 1L流加バイオリアクターの誤差範囲内で36.5℃で保持される。さらに他の実施形態において、培養温度は、36.5℃±0.1であってもよい。一実施形態において、培養温度は、36.5℃である。
本明細書において開示される様々な態様のいくつかの実施形態において、培養pHは、約7.0である。一実施形態において、培養pHは、バイオリアクター培養システムの誤差範囲内で7.0で保持される。他の実施形態において、培養pHは、DASGIP 1L流加バイオリアクターにおいて7.0±0.1で保持される。一実施形態において、培養pHは、7.0である。本明細書において開示される様々な態様のいくつかの実施形態において、培養pHは、約6.85である。一実施形態において、培養pHは、バイオリアクター培養システムの誤差範囲内で6.85で保持される。他の実施形態において、培養pHは、DASGIP 1L流加バイオリアクターにおいて6.85±0.1で保持される。一実施形態において、培養pHは、6.85である。pHは、たとえば、アルカリ溶液、炭酸水素ナトリウム、またはCOガスを追加することによって、培養プロセスの間に調節されてもよい。
本明細書において開示される様々な態様のいくつかの実施形態において、培養の開始時の培養培地の重量オスモル濃度は、約320mOsm/kg HOである。一実施形態において、培養の開始時の培養培地の重量オスモル濃度は、320mOsm/kg HO±1.0.である。他の実施形態において、培養の開始時の培養培地の重量オスモル濃度は、320mOsm/kg HOである。一実施形態において、培養培地が、無動物タンパク質培地である。培地の重量オスモル濃度は、たとえば、NaClなどのような塩を追加することによって、調節することができる。培養培地は、当技術分野においてよく知られている任意のものであってもよく、または使用者による注文生産の培地であってもよい。
本明細書において開示される様々な態様のいくつかの実施形態において、培養プロセスは、2部に分かれた供給材料を含んでいてもよい。これらの実施形態において、供給材料は、2つの部分に分かれた(つまり、2つの別々の容器中に保存された)濃縮物として存在し、各部の濃縮物が、培養物に対して個々に追加される。抗体産生の当業者は、市販で入手可能な供給材料を識別することができ、細胞培養プロセスのための供給材料を注文により開発してもよい。供給材料は、培地またはアミノ酸、ビタミン、鉄、脂質、および微量元素などのような、グループ分けされた培地構成要素を含有してもよい。供給材料は、1部または2部または3部またはより多くの部分に分かれて、細胞に送達されてもよい。市販で入手可能な供給材料は、IS CHO FEED CDTM(Irvine Scientific)およびCHO CD EfficientFeedTM(Invitrogen)を含む。
本明細書において開示される様々な態様の一実施形態において、320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する、無動物タンパク質培地は、バイオリアクターにおいてmAb分泌細胞を培養するために使用され、温度は、37.0℃に設定され、pHは、培養の間、7.0±0.1で保持され、培養プロセスは、2部に分かれた供給材料を含む。
本明細書において開示される様々な態様の他の実施形態において、320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する、無動物タンパク質培地は、バイオリアクターにおいてmAb分泌細胞を培養するために使用され、温度は、36.50℃に設定され、pHは、培養の間、6.85±0.1で保持され、培養プロセスは、2部に分かれた供給材料を含む。
本明細書において開示される様々な態様の一実施形態において、方法は、抗DLL4 mAbを発現する培養細胞の上清中の抗DLL4 mAbの凝集物のパーセンテージを低下させ、抗DLL4 mAb凝集物低下パーセンテージは、細胞培養上清のサンプルにおいてまたは清澄後の細胞培養上清のサンプルにおいてまたは清澄およびアフィニティー精製後の細胞培養上清のサンプルにおいて測定されてもよい。他の実施形態において、抗DLL4抗体の凝集物のパーセンテージの低下は、清澄後に細胞から上清中に回収される凝集物の低下であってもよく、凝集物パーセンテージは、清澄された細胞培養上清のサンプルから決定されてもよく、またはアフィニティー精製後に、清澄された細胞培養上清のサンプルから決定されてもよい。抗DLL4抗体の凝集物の低下は、DLL4 mAbを発現する細胞のアフィニティー精製細胞培養上清から回収される凝集物の低下であってもよい。凝集物パーセンテージは、アフィニティー精製細胞培養上清のサンプルから決定されてもよい。
mAbを発現する細胞の上清が清澄される場合、より大きな粒子、たとえば細胞デブリまたは細胞は、収集される細胞培養上清から除去される。細胞培養上清を清澄するための方法は、当業者らに知られており、流動ろ過(flow filtration)、深層ろ過、遠心分離、および遠心分離とそれに続く1以上のろ過ステップを含む。
mAbを発現する細胞の上清またはmAbを発現する細胞の清澄された上清は、アフィニティー精製されてもよい。当業者は、抗体を精製するために使用されてもよい様々なアフィニティー精製方法を十分に知っている。これらは、限定するものではないが、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、またはプロテインLアフィニティークロマトグラフィーによる精製を含む。当業者らはまた、アフィニティークロマトグラフィー方法が、固定された抗原、つまりmAbが特異的に結合するDLL4を用いる方法を含むことをも知っている。
本開示の他の態様は、プロテインA精製mAb産物中の凝集物含有量を約5%未満まで低下させるための方法を提供する。該方法は、約37℃の温度でおよび約7.0のpHで、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、抗DLL4 mAbを発現する哺乳動物細胞株を培養するステップを含む。本開示の他の態様は、プロテインA精製mAb産物中の凝集物含有量を約5%未満まで低下させるための方法を提供する。該方法は、約36.5℃の温度でおよび約6.85のpHで、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、抗DLL4 mAbを発現する哺乳動物細胞株を培養するステップを含む。哺乳動物細胞株は、それぞれ配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:3において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインならびにそれぞれ配列番号:4、配列番号:5、および配列番号:6において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗DLL4抗体を発現する。培養プロセスは、培養の間に細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を利用することを含み、それによって、培養上清における凝集物形成を低下させる。次いで、哺乳動物細胞株によって発現される抗体は、培養上清から回収される。抗体は、アフィニティークロマトグラフィーステップ、たとえばプロテインAを使用して精製されてもよい。
いくつかの実施形態において、凝集物含有量は、HPLC−SECによって測定される。一実施形態において、凝集物含有量は、約5%、約4%、約3%、または約2%未満である。一実施形態において、凝集物含有量は、約1.2%、1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、または約1.9%である。
本開示はまた、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法であって、約37℃の温度および約7のpHで、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、配列番号:7において記載される抗体重鎖可変ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変ドメインを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を培養するステップ、培養プロセスの間に細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用するステップ、ならびに培養上清から、発現された抗DLL4抗体を回収するステップを含む方法も提供する。
本開示はまた、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法であって、約36.5℃の温度および約6.85のpHで、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、配列番号:7において記載される抗体重鎖可変ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変ドメインを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を培養するステップ、培養プロセスの間に細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用するステップ、ならびに培養上清から、発現された抗DLL4抗体を回収するステップを含む方法も提供する。
発現された抗体は、プロテインAクロマトグラフィーによって培養上清から回収されてもよい。
本開示はまた、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法であって、
(a)約37℃および約pH7.0で、培養培地において、抗DLL4 mAbを発現する哺乳動物細胞株を培養するステップであって、
抗DLL4抗体が、それぞれ配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:3において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン、ならびにそれぞれ配列番号:4、配列番号:5、および配列番号:6において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、
培養培地が、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する上記ステップ、
(b)培養プロセスの間に細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用するステップ、ならびに
(c)培養上清から、発現された抗体を回収するステップを含む方法も提供する。
他の実施形態において、本開示はまた、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法であって、
(a)約36.5℃および約pH6.85で、培養培地において、抗DLL4 mAbを発現する哺乳動物細胞株を培養するステップであって、
抗DLL4抗体が、それぞれ配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:3において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン、ならびにそれぞれ配列番号:4、配列番号:5、および配列番号:6において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、
培養培地が、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する上記ステップ、
(b)培養プロセスの間に細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用するステップ、ならびに
(c)培養上清から、発現された抗体を回収するステップを含む方法をも提供する。
本開示はまた、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法であって、約37℃の温度および約7.0のpHで、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、抗体重鎖および軽鎖を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を培養するステップであって、CHO細胞が、2部に分かれた供給材料を使用して、培養プロセスの間に材料供給される上記ステップ、ならびに培養上清から抗体を回収するステップを含む方法も提供する。
本開示はまた、抗DLL4モノクローナル抗体を産生するための方法であって、約36.5℃の温度および約6.85のpHで、約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、抗体重鎖および軽鎖を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を培養するステップであって、CHO細胞が、2部に分かれた供給材料を使用して、培養プロセスの間に材料供給されるステップ、ならびに培養上清から抗体を回収するステップを含む方法も提供する。
本明細書において提供される培養上清からmAbを回収することによって、mAbを産生するための任意の態様において、回収ステップは、プロテインAによりmAbを精製するステップを含んでいてもよい。プロテインA精製mAbは、約5%、約4%、約3%、または約2%未満の凝集物含有量を有していてもよい。一実施形態において、プロテインA精製mAbは、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、または約1.9%の凝集物含有量を有する。
本明細書において記載される態様または実施形態のいずれかにおいて、抗体を発現する哺乳動物細胞株は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NS0細胞、またはPER.C6(ECACC no.96022940)細胞から選ばれてもよい。一実施形態において、哺乳動物細胞株は、CHOである。CHO細胞株は、CHOK1SV細胞(Lonza)であってもよい。
mAbを分泌する細胞株は、mAbを発現する適切な遺伝子によりトランスフェクトされてもよい。
本明細書において記載される態様または実施形態のいずれかにおいて、mAb産物中の凝集物のパーセンテージまたは単量体のパーセンテージが決定される場合、これらのパーセンテージは、フィールドフロー分画、超遠心分析法、動的光散乱法、サイズ排除クロマトグラフィー、または当技術分野において知られている他の方法などのような技術を利用して決定されてもよい。たとえば、パーセンテージは、総mAb量中の単量体および凝集物の量を定量化するために、プロテインA精製mAbサンプルのHPLC−SEC分析を用いて決定されてもよい。
本開示はまた、記載される培養方法のいずれかに従って産生される抗DLL4 mAbを提供する。本開示は、方法に従って産生されるDLL4 mAbを含む組成物をさらに提供する。
抗DLL4 mAb産物または組成物は、プロテインA精製後に約1.4%未満の凝集物を含んでいてもよい。凝集物のパーセンテージは、HPLC−SECによって決定されてもよい。
本開示はまた、本明細書において記載される方法によって産生される抗DLL4 mAbおよび薬学的に許容できるキャリヤを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物をも提供する。
様々な態様または実施形態のいずれかにおいて、抗DLL4 mAbが、DLL4に結合するヒトIgG1 mAbであるmAbであってもよい。mAbは、それぞれ配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:3において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む可変重鎖アミノ酸配列、ならびにそれぞれ配列番号:4、配列番号:5、および配列番号:6において記載されるCDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列を含む可変軽鎖アミノ酸配列を含む抗DLL4抗体であってもよい。
他の態様または実施形態において、mAbは、配列番号:7の配列を含む重鎖ポリペプチドを含む抗DLL4抗体であってもよい。mAbは、配列番号:8の配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む抗DLL4抗体であってもよい。mAbは、配列番号:7の配列を含む重鎖ポリペプチドおよび配列番号:8の配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む抗DLL4抗体であってもよい。抗DLL4 mAbは、完全ヒトモノクローナル抗体であってもよい。
さらに他の態様または実施形態において、mAbは、2008年9月17日に第PTA−9501号の下でAmerican Type Culture Collection(ATCC)に寄託されたMab21H3VHと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つのCDRを含む可変重鎖アミノ酸配列を含む抗DLL4抗体である。
さらに他の態様または実施形態において、mAbは、2008年9月17日に第PTA−9500号の下でATCCに寄託されたMab21H3VLOPと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つのCDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列を含む抗DLL4抗体である。
他の態様または実施形態において、mAbは、2008年9月17日に第PTA−9501号の下でATCCに寄託されたMab21H3VHと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つのCDRを含む可変重鎖アミノ酸配列を含み、かつ2008年9月17日に第PTA−9500号の下でATCCに寄託されたMab21H3VLOPと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つのCDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列を含む抗DLL4抗体である。mAbは、2008年9月17日に第PTA−9501号の下でATCCに寄託されたMab21H3VHと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる3つすべての重鎖CDRアミノ酸配列および2008年9月17日に第PTA−9500号の下でATCCに寄託されたMab21VLOPと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる3つすべての軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗DLL4抗体であってもよい。mAbは、2008年9月17日に第PTA−9501号の下でATCCに寄託されたMab21H3VHと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる重鎖アミノ酸配列および2008年9月17日に第PTA−9500号の下でATCCに寄託されたMab21VLOPと命名されたプラスミドにおけるポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖アミノ酸配列を含む抗DLL4抗体であってもよい。
細胞培養物またはアフィニティー精製細胞培養上清から回収される抗DLL4モノクローナル抗体(mAb)の凝集物を低下させるための様々な方法は、mAb力価の増加をさらにもたらしてもよい。該方法は、mAb力価を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、または少なくとも200%増加させてもよい。mAb力価は、少なくとも1g/L、少なくとも2g/L、少なくとも3g/L、少なくとも4g/L、少なくとも5g/L、少なくとも5.5g/L、少なくとも6g/L、少なくとも6.25g/L、少なくとも6.5g/L、少なくとも6.75g/L、少なくとも7g/L、少なくとも7.25g/L、少なくとも7.5g/L、少なくとも7.75g/L、少なくとも8g/L、または少なくとも8.5g/Lであってもよい。
当業者らが、CDR決定を容易に達成することができることに注意されたい。たとえばKabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,NIH Publication 91−3242,Bethesda Md.(1991),vols.1−3を参照されたい。Kabatは、多数の種の抗体アイソタイプ由来の免疫グロブリン鎖のマルチプル配列アライメントを提供する。アライメントされた配列は、単一のナンバリング方式、Kabatのナンバリング方式に従って、ナンバリングされる。Kabatの配列は、1991年の公開から更新されており、電子配列データベースとして利用可能である(最新のダウンロード可能なバージョンは1997)。あらゆる免疫グロブリン配列は、Kabat参照配列とのアライメントを実行することによって、Kabatに従ってナンバリングすることができる。したがって、Kabatのナンバリング方式は、免疫グロブリン鎖をナンバリングするための共通のシステムを提供する。
本明細書において開示される、凝集物を低下させるためのプロセスおよびそれによって産生される産物に関するさらなる実施形態、特徴などは、さらに詳細に以下に提供される。
用語
他に定義されない限り、本明細書において使用される科学用語および技術用語は、当業者らによって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって他に必要とされない限り、単数の用語は、多数を含み、複数の用語は、単数を含むものとする。全般的に、本明細書において記載される細胞培養および組織培養、分子生物学、ならびにタンパク質化学およびオリゴヌクレオチド化学またはポリヌクレオチド化学、ならびにハイブリダイゼーションに関して利用される命名法ならびにそれらの技術は、当技術分野においてよく知られており、また、一般に使用されるものである。
標準的な技術は、典型的に、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換(たとえばエレクトロポレーション、リポフェクション)に使用される。酵素反応および精製技術は、メーカーの説明書に従ってまたは当技術分野において一般に達成されるようにまたは本明細書において記載されるように実行されてもよい。前述の技術および手順は、当技術分野においてよく知られており、本明細書の全体にわたって引用され、議論される様々な一般的ななおよびより具体的な参考文献において記載される従来の方法に従って、全般的に実行される。たとえば、参照によって本明細書において組み込まれるSambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001))を参照されたい。本明細書において記載される分析化学、有機合成化学、ならびに医薬品化学および薬化学に関して利用される命名法ならびにそれらの実験手順および技術は、当技術分野においてよく知られていており、一般に使用されるものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬調製、製剤、および送達ならびに患者の治療に使用される。
本開示に従って利用されるように、以下の用語は、他に指示されない限り、以下の意味を有することが理解されるものとする。
本明細書において使用される用語「および/または」は、他方を伴うまたは伴わない、2つの特定の特徴または構成要素のそれぞれについての詳細な開示として解釈されたい。たとえば、「Aおよび/またはB」は、まさにそれぞれが個々に述べられるかのように、(i)A、(ii)B、ならびに(iii)AおよびBのそれぞれの詳細な開示として解釈されたい。
あらゆる値(数の範囲の下のおよび上の端を含む)に関して本明細書において使用される用語「約」は、±10%(およびその間の値、たとえば±0.5%、±1%、±1.5%、±2%、±2.5%、±3%、±3.5%、±4%、±4.5%、±5%、±5.5%、±6%、±6.5%、±7%、±7.5%、±8%、±8.5%、±9%、±9.5%)までの偏差の許容範囲を有する任意の値を意味する。
本明細書においておよび添付の請求項において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「または」、および「その」は、文脈が他に明確に要求しない限り、複数の指示物を含む。
用語「抗体」は、抗原鎖の抗原決定基の特徴に対して相補的である、内部の表面形状および電荷分布を有する三次元結合スペースを有するポリペプチド鎖のフォールディングから形成される少なくとも1つの結合ドメインから構成されるポリペプチドまたはポリペプチドの群を指す。天然の抗体は、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。それぞれの軽鎖は、1つの共有結合のジスルフィド結合によって重鎖に連結されるが、ジスルフィド連結の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の間で異なる。それぞれの重鎖および軽鎖はまた、規則的に間隔が置かれた鎖内ジスルフィド架橋を有する。それぞれの重鎖は、一方の端に、可変ドメイン(VH)とそれに続く多くの定常ドメインを有する。それぞれの軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(VL)およびその他方の端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと並んでおり、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと並んでいる。軽鎖は、軽鎖定常領域のアミノ酸配列に基づいて、ラムダ鎖またはカッパ鎖として分類される。カッパ軽鎖の可変ドメインはまた、VKとして本明細書において示されてもよい。用語「可変領域」はまた、重鎖または軽鎖の可変ドメインについて記載するために使用されてもよい。特定のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖可変ドメインの間で境界面を形成すると考えられる。それぞれの軽鎖/重鎖ペアの可変領域は、抗体結合部位を形成する。そのような抗体は、限定されるものではないが、ヒト、サル、ブタ、ウマ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウスなどを含む、任意の哺乳動物に由来してもよい。
抗体は、免疫グロブリン分子、つまり抗原結合部位を含有する分子を含む。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(たとえばIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)、またはサブクラスのものとすることができる。
「ヒト抗体」は、ヒトに由来する抗体、または抗原投与(antigenic challenge)に応じてヒト抗体を産生するように操作されたトランスジェニック生物から得られる抗体である。ヒト抗体はまた、重鎖および軽鎖が、ヒトDNAの1以上の供給源に由来するヌクレオチド配列によってコードされる抗体を含んでいてもよい。完全ヒト抗体は、遺伝子もしくは染色体トランスフェクション方法、ファージディスプレー技術(たとえば米国特許第5,969,108号明細書)、またはインビトロ活性化B細胞(たとえば米国特許第5,567,610号明細書および米国特許第5,229,275号明細書)によって構築することができる。抗体は、任意の種由来のものであってもよい。
用語「mAb」は、モノクローナル抗体を指す。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、形質転換細胞、またはトランスフェクションもしくは他の技術によって抗体をコードする遺伝子を発現させるために作製された細胞などのような、単一の細胞供給源に由来する抗体である。
適した哺乳動物細胞株の例は、チャイニーズハムスター卵巣(「CHO」)、NS0、またはPER.C6(ECACC no.96022940)細胞株を含む。これらの哺乳動物細胞株のいずれも、通常、関心のあるmAbの重鎖および軽鎖またはそのフラグメントをコードする、1以上の組換えベクターによりトランスフェクトすることができる。トランスフェクトされた細胞は、細胞培養培地(上清)の中に、コードされた重鎖および軽鎖を含むmAbを分泌する。
本開示の方法および組成物における使用に適したmAbの例は、それぞれが参照によって組み込まれる米国特許出願公開第2010/0196385号明細書または国際公開第2010/032060号パンフレットにおいて記載されるヒト抗DLL4抗体である。あるそのような抗DLL4 mAbの例の重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は、米国特許出願公開第2010/0196385号明細書の配列番号:30および配列番号:50においてそれぞれ記載される。本明細書において提供される方法および組成物における使用に適したモノクローナル抗体の他の例は、CDR1:NYGIT(配列番号:1);CDR2:WISAYNGNTNYAQKLQD(配列番号:2);およびCDR3:DRVPRIPVTTEAFDI(配列番号:3)を含む重鎖可変ドメイン、ならびにCDR1:SGSSSNIGSYFVY(配列番号:4);CDR2:RNNQRPS(配列番号:5);およびCDR3:AAWDDSLSGHWV(配列番号:6)を含む軽鎖可変ドメインを含む抗DLL4抗体を含む。一実施形態において、本明細書において提供される方法および組成物における使用に適した抗DLL4 mAbが、配列番号:7において記載される重鎖可変ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変ドメインを含む。
配列番号:7:
Figure 2015510397
配列番号:8:
Figure 2015510397
用語「DLL4」は、デルタ様タンパク質4前駆物質、ショウジョウバエデルタ相同体4、hdelta2、MGC126344、またはUNQ1895/PRO4341としても知られているDLL4タンパク質である分子を指す。
用語「結合フラグメント」は、単鎖Fv(scFv)、単鎖抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、F(ab’)フラグメント、所望の生物学的活性を示す抗体フラグメント、ジスルフィド安定化可変領域(dsFv)、二量体可変領域(二特異性抗体)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、細胞内抗体、直鎖抗体、単鎖抗体分子、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体(multispecific antibody)ならびに上記のもののいずれかのエピトープ結合フラグメントを含む。抗体の「結合フラグメント」は、組換えDNA技術によってまたはインタクトな抗体の酵素的もしくは化学的切断によって産生される。当業者らは、本明細書において提供される方法および組成物において有用であろう「結合フラグメント(複数可)」の例について十分に知っている。
本明細書において記載される抗体は、薬学的に許容できるキャリヤとの混合物で調製することができる。
本発明の実施形態は、抗体の滅菌医薬製剤を含む。滅菌製剤は、たとえば、抗体の凍結乾燥および再構成の前のまたはその後の、滅菌ろ過膜でのろ過によって生成することができる。抗体は、通常、凍結乾燥形態でまたは溶液中に保存されるであろう。治療用抗体組成物は、通常、滅菌アクセスポートを有する容器、たとえば、皮下注射針によって貫通可能な栓などのような、製剤のとり出しを可能にするアダプターを有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルの中に配置される。
「治療上有効な」量は、対象に対して、いくらかの改善または有益性をもたらす量である。他の方法で述べると、「治療上有効な」量は、少なくとも1つの臨床症状における、いくらかの軽減、緩和、および/または減少をもたらす量である。さらに、当業者らは、いくらかの有益性が対象に対してもたらされる限り、治療効果が完全であるまたは根治的である必要がないことを十分に理解するであろう。
行った実験および実現された結果を含む以下の実施例は、説明的な目的のみのために提供され、本明細書における教示を限定するものとして解釈されない。
関心のあるmAbを産生する細胞株は、ルーチン的にクローニングされ、さらなる増殖および分析のために、培養物から個々細胞を選択することによって、さらにサブクローニングされる。産生されるmAbは、クローンの間で同じままである(たとえば、それは同じアミノ酸配列を有する)が、産生されるmAbのレベル(力価)および形成される凝集物のレベルは、共に、クローンの間で異なり得る。そのため、多くのクローンを調製し、それらのmAb産生特徴を決定し、次いで、大規模開発のために単一のクローンを選択することは、標準的な手段となる。1つのまたは少量の他のクローンを予備として選択してもよい。この選択プロセスは、時間もかかり、費用もかかる。
ヒト抗DLL4 mAbのCHOサブクローンを調製すると、クローンのいくつかは、同じDNA配列によりトランスフェクトした他のクローンの産生と比較して、単量体に比べて高いパーセンテージの凝集物を産生した。
Figure 2015510397
表1において示されるように、クローン31−121は、特に高いレベルの凝集物を産生した。他のクローンのように、それは、配列番号:7において記載される重鎖可変ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変ドメインを含む。それは、9.0の等距離点を有し、かつ単量体として、148kDaである。
凝集物レベルを低下させるであろう培養プロセスを、クローン31−121に対して開発することができたら、それは、商業上の開発に可能性として有用なクローンとなるであろう。そのうえ、クローン31−121について凝集物レベルを低下させた培養条件は、抗体を発現する他のクローンを使用して産生される凝集物のレベルを低下させることを合理的に期待することができた。
実施例1
細胞培養パラメーターならびにプロテインA精製後の凝集物のレベルおよび組成の関係
mAb生産性プロファイルを減少させることなく、発酵プロセスにおける凝集のレベルを低下させる方法を開発した。発酵時により高い単量体純度のmAbを産生することは、下流の精製プロセスにとって有益であり、最終プロセスの収率の改善をもたらすであろう。
細胞培養
細胞培養維持:クローン31−121細胞は、50mLの無動物タンパク質培地(M18)を含有する250mL振盪フラスコ中で維持した。細胞は、グルタミンシンテターゼ阻害剤L−メチオニンスルホキシイミン(MSX)を補足した、インハウスの無動物タンパク質培地(M18)において3×10生細胞/mLの細胞播種で播種した。細胞培養物は、36.5℃の5%のCO2/95%空気の大気中で、140rpmで、継続的振盪下で維持し、3日ごとに継代した。
1Lバイオリアクターにおける細胞培養プロセス:細胞培養プロセスは、2つのブロックの6つの1L流加バイオリアクター(DASGIP AG、Julich、Germany)において実行した。細胞は、何も補足していないM18培地において8〜10×10生細胞/mLの細胞密度で播種した。細胞培養物は、150rpm、次いで7日目から175rpmの継続的な撹拌下で維持した。溶存酸素、pH、および温度は、適切なプローブを使用して、オンラインで測定した。この情報は、溶存酸素を維持するために酸素散布を活性化し、pHを維持するためにCO散布またはアルカリの汲み上げを活性化し(0.1pH単位のデッドバンドで)、および温度を維持するためにブランケットの加熱を活性化するために使用した。そのうえ、サンプルを、細胞数((Vi−Cell、Beckman Coulter,Inc.、Fullerton、CA、USA)、pH、ガス、および栄養素分析のオフライン測定(BioProfile FLEX Analyzer、NOVA biomedical、Waltham、MA、USA)のために採取した。グルコースレベルが4g/L未満に減少した場合、バイオリアクターにグルコースを毎日補足した。グルコース補充に加えて、試験したバイオリアクターの実行および条件に依存して、培養物に、2つの異なるタイプの供給材料(1部構成の供給材料(M20a)または2部に分かれた供給材料)を材料供給した。
プロテインA精製
14日間の培養物の細胞培養上清を、遠心分離ならびに1.2μm、0.45μm、および0.2μmポアサイズ細胞膜フィルターによる濾過(filteriation)によって清澄した。清澄した培養物を、プロテインAアフィニティーカラムにかけた。
プロテインA精製は、Vantage−L 11カラム(Millipore、MA、USA)に充填したMabSelect SuRe(GE Healthcare、Uppsala、Sweden)を使用して実行した。MabSelect SuReカラムは、リン酸緩衝食塩水により平衡化し、次いで、清澄した細胞培養上清を、樹脂1リットル当たり30gのmAbの容量まで装填した。次いで、カラムは、低pHで溶出する前に再平衡化(requilibration)および2回の洗浄ステップにかけた。プロテインA精製実行はすべて、Unicorn 6ソフトウェアを使用してコントロールしたAKTA avantを使用して実行した(共にGE Healthcare、Uppsala、Sweden)。
プロテインA精製からの溶出液を、低pHウイルス不活性化ステップにかけた。溶出液は、非滴定Tris溶液を使用してpH5.0に中和する前に、酢酸を使用して滴定した。次いで、中和した溶出液を、保存する前に、0.2μmフィルターを使用してろ過した。
サンプルにおける凝集物のSEC−HPLC解析
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、医薬タンパク質凝集物の検出および定量化のための業界標準技術である(Gabrielson et al.,2005;Liu et al.,2009;Mahler et al.,2008)。SECは、UV280検出装置を装備したAgilent 1100に接続されたTSKgel 3000 SWXLカラム(7.8mm×30.0cm;TOSOH Bioscience、Stuttgart、Germany)およびSWXLガードカラム(6.0mm×4.0cm;TOSOH Bioscience、Stuttgart、Germany)を使用して実行した。溶出は、HPLCシステム上でのクロマトグラフィー分離のために、1.0mL/分の流速で、pH6.8の0.1Mリン酸ナトリウムおよび0.1M硫酸ナトリウムバッファーを使用して実行した。使用前に、カラムは、Bio−Rad laboratories(Hercules、CA、USA)のBioRadゲルろ過標準物質を使用して較正した。
サンプルは、関心のあるピーク(mAb単量体ピークまたは凝集物ピーク)について曲線の下の面積を測定することによって互いに比較した。
Figure 2015510397
サンプル中の凝集物のパーセンテージは、総IgG(単量体および凝集物)ピーク面積によって総凝集物ピーク面積を割ることによって計算した。
Figure 2015510397
凝集物形成およびmAb力価に対する培養パラメーターの影響についてのDoE分析
最初の試験は、凝集物形成に対する影響についてスクリーニングした供給材料タイプ、最初の培地重量オスモル濃度、および播種細胞密度などのようなパラメーターを用いて、振盪フラスコ中で実行した(データ示さず)。温度、pH、および撹拌速度などのような他の因子は、これらのパラメーターを厳密にコントロールすることができるバイオリアクターシステムを必要とした。得られた結果に基づくと、培地の温度、pH、および出発重量オスモル濃度は、凝集物形成に対してかなりの影響を及ぼす主なプロセス細胞培養因子であった。振盪フラスコ実験の間に、使用される供給材料のタイプは、mAb凝集物形成に影響を与えることに関して、重要な役割を果たすようには見られなかった。しかしながら、2部に分かれた供給材料の使用は、mAb力価に関して有益な効果をもたらすように見られた。その結果、2部に分かれた供給材料を、すべてのさらなる実験のために使用した。
次いで、凝集物レベルの結果を、実験計画法(「DoE」)JMP統計ツール(SAS、Cary、NC、USA)によって分析した。DoEは、主なおよび軽微な要因を区別するのに非常に有効であることが分かった。DoEはまた、プロセス最適化を実行するのに、最も経済的で最も正確な方法の1つとして知られている。DoEは、ある変量がプロセスに影響を与えるという統計的検証を提供するだけではなく、DoEはまた、プロセス変量の間の相互関係の理解を促進し、変量の相互作用およびプロセスに対するそれらの重要性に基づいて、最適条件を示す。
3つの変量因子を、DoE完全要因計画中に含めた:培地の温度、pH、および出発重量オスモル濃度。培地重量オスモル濃度は、NaClを追加することによって増加させた。変量のそれぞれについての範囲を、表2に示す。これらの入力変量に基づいて、12回の実行(8つの端点、2つの中央点、ならびに単一の供給材料および2つの部分に分かれた供給材料を比較する2つの反応器)からなる実験マトリックスを生成した(SAS、Cary、NC、USAのJMPソフトウェアを使用)。表3は、それぞれの実行についてのバイオリアクター条件を提供する。実験は、2つのブロックの6つのバイオリアクターにおいて実行した。
Figure 2015510397
Figure 2015510397
12個の発酵槽はすべて、14日目に収集し、細胞および大きな粒子を除去するために清澄した。次いで、12個のバイオリアクターのそれぞれからの抗体産物は、プロテインAクロマトグラフィーを使用して精製した。プロテインA溶出液の凝集物含有量は、12回の実験の実行にわたって比較した(図2)。
3つの凝集物ピーク(6.3分、6.6分、および7.2分のSEC−HPLC上での保持時間を有する)の組成パーセンテージは、産生された総IgG(単量体および凝集物のピーク)から計算した。1%よりもわずかに高い〜6%超の範囲にわたる、凝集物レベルにおける興味ある変動が観察された。
異なる細胞培養条件を用いるバイオリアクター実行後に得られた凝集物レベルの結果は、DoEベースのソフトウェア統計ツール(JMP SAS、Cary NC、USA)を使用して分析した。DoEソフトウェアは、試験因子およびmAb凝集ならびに最終mAb力価の関係を説明する線形数学モデルを生成するために使用した。図3A〜Fは、凝集(パネルA、B、C)および最終mAb力価(パネルD、E、およびF)の両方について選ばれた範囲内での、試験因子である温度(パネルA、D)、pH(パネルB、E)、および重量オスモル濃度(パネルC、F)の関係を示す、DoE生成予測プロファイラーを示す。プロファイラーは、pHおよび温度のレベルが増加すると、凝集は減少する(パネルAおよびB)が、mAb力価は増加する(パネルDおよびE)ことを示した。M18細胞培養培地の出発重量オスモル濃度および凝集レベルの間で観察された有意な相関性はなかった(パネルC)。しかしながら、低重量オスモル濃度は、最終mAb力価にとって有益であった(パネルF)。
DoE予測プロファイラーは、より少ない凝集を実現するために、細胞を、低重量オスモル濃度および高温および高pHを有する培地中で培養するべきであることを示す。試験因子の選ばれた範囲内では、DoE予測プロファイラーは、細胞を、320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培地中で培養し、pH7.0および37℃で培養するべきであることを示す。これらの条件は、わずか1.03%までmAb凝集を低下させ、8.3g/Lまで最終mAb濃度を増加させることが予測された。
異なる細胞培養条件を用いるバイオリアクター実行後に得られた凝集物レベルの結果は、試験因子およびmAb凝集ならびに最終mAb力価の関係を説明する二次モデルを生成するために、DoEベースのソフトウェア統計ツール(JMP SAS、Cary NC、USA)を使用して、さら分析した。図6は、凝集および最終mAb力価の両方について選ばれた範囲内での、試験因子である温度、pH、および重量オスモル濃度の関係を示すDoE生成等高線図を示す。等高線図は、凝集を減少させ、mAb力価を増加させるために、pH、温度、および重量オスモル濃度レベルを最適化することができることを示した。
試験因子の選ばれた範囲内では、DoE等高線図は、細胞を、320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培地中で培養し、pH6.85および36.5℃の温度で培養するべきであることを示す。
公開データに基づいて、mAb凝集は、37℃と比較した場合、34℃で維持された培養物において低下するであろうということが期待された。培養温度の増加は、生物製剤タンパク質の酸化または脱アミドなどのような化学反応を促進するはずである。それはまた、タンパク質凝集を促し得る他の因子である、免疫グロブリンの温度誘発性のアンフォールディングをも引き起こし得る(Mahler et al.,2008;Brange et al.,1992)。より低い培養温度もまた、細胞増殖を遅らせ(この研究のために実行した実験において観察された)、正確なタンパク質フォールディングのために、より多くの時間を与えるはずである。しかしながら、この研究から生成されたデータは、より高い温度で維持された培養物おいて、より低いレベルのmAb凝集が生じるという逆の効果を示した。これは、細胞が増殖する方法、したがって、mAb凝集についてのいくつかの細胞内メカニズムに、温度が影響を与えていることを示すであろう。
細胞培養培地pHは、タンパク質表面上の電荷分布に影響を与えることによって、mAb分子の間の静電的相互作用に影響を及ぼし得る。システムpHを低下させ、mAbの等電点からさらに移動させることによって、電荷密度の増加が、分子間の同様の電荷の反発作用のレベルの増加をもたらすであろうということを期待することができた。これは、さらには、mAb凝集を低下させることを予想することができた。この研究において実行した実験の結果は、しかしながら、6.85または7.0まで培地pHを増加させることにより、実際に、mAb凝集レベルの低下がもたらされたことを示した。細胞培養培地pHを7.2の値まで増加させた場合、mAb凝集レベルのさらなる低下が観察された(データ示さず)。この観察は、酸性条件下でタンパク質切断が支持されるという事実によって説明され得る(Idicula−Thomas & Balaji,2007)。そのため、細胞培養培地pHを非常に弱い酸性(pH6.7)から、中性およびわずかにアルカリの条件(pH7.2)まで増加させることによって、タンパク質凝集に至り得るこれらの化学反応が予防された。
実施例2
新しい発酵プロセスおよび高い凝集物レベルを生成した以前のプロセスの間の比較
DoEに基づいた研究の結果によって予測されるように、細胞は、最適化された条件下でバイオリアクター中で培養した。この新しいプロセスの実行を、この特定のクローンにより高レベルの凝集物を生成した以前の基本ケースのプロセスと比較した。凝集物組成および最終mAb力価に加えて、プロセスの間に達したピーク生細胞数(VCN)、投入したアルカリ溶液およびグルコース溶液の量、ならびに容器に散布したOについての要求量を比較した(表3)。以前のプロセスは、M20aの単一の供給材料、培養温度について36.5℃、pH6.8、および320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培地を利用した。新しい発酵プロセスは、2部に分かれた供給材料、培養温度について36.5℃または37℃、および6.85または7.0のpHならびに320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地を利用した。
Figure 2015510397
DoEモデリングによって予測されるように、凝集レベルは、最適化細胞培養条件下で、許容できるレベルまで有意に低下した。そのうえ、以前の基本ケースのプロセスと比較した場合、最終産物力価における2倍を超える増加もまた、実現された。最終凝集レベルおよび最終力価の両方は、最適化プロセスについての予測値に近かった(上記を参照されたい)。
細胞増殖に関して、細胞は、より高い細胞密度まで増殖し(図4)、基本ケースのプロセスと比較した場合に、最適化発酵条件下で、より多くのグルコース、アルカリ溶液、および酸素を要求した。高いVCNは、おそらく、新しい最適化細胞培養プロセスにより観察された、より高い栄養素要求量(つまり酸素、アルカリ、およびグルコース溶液)についての主な理由であったと思われる。これらの要求量を低下させることができる可能性のある作業条件を同定するために、プロセス応答および制約条件としてVCNを追加することができる。2%未満のmAb凝集レベルおよび6g/Lを超えるmAb力価を実現することができる細胞培養プロセスについての作業ウィンドウを示すDoE等高線プロファイラーの例を図5に示す。ピークVCNに基づくさらなる制約条件もまた、このパラメーターが、先に詳述した、より高い栄養必要量に対して有する影響を反映するために、追加した。
発酵プロセスの3つの作業パラメーター(重量オスモル濃度、pH、温度)のみを改変し、かつ供給材料のタイプを変化させることによって、約1%〜6%の範囲にわたるmAb凝集レベルおよび3.1g/L〜7.5g/Lの範囲にわたるmAb力価の差異を観察することが可能であった。供給材料のタイプのみを変化させることによって(M20aから2部に分かれた供給材料に)、mAb凝集レベルが、およそ75%低下したこともまた、観察された(表3、条件11および12)。
これらのデータは、細胞培養パラメーターにおける小さな変化が、mAb凝集物の形成に対して大きな影響を及ぼすことができることを実証する。試験因子はすべて、容易に操作することができるパラメーターであり、そのため、このアプローチは、治療用タンパク質を産生する他の細胞培養プロセスに適用可能である。
細胞培養プロセスの間の抗体凝集のメカニズムが何であるかおよび複数のメカニズムが存在するかどうかについては、なお不明瞭である。しかしながら、細胞培養パラメーターの小さな変化でさえ、mAb凝集物の形成に対して大きな影響を及ぼす。同定された因子は、水溶液におけるタンパク質の溶解性を改変するために容易に操作することができる。
本発明の他の実施形態は、本明細書において開示される本発明の明細書および実施の考慮から当業者らに明白であろう。本明細書および実施例は、例示的なものであるとしか見なされず、本発明の真の範囲および精神は、以下の請求項によって示されることが意図される。
実施形態
実施形態1.抗デルタ様リガンド4(DLL4)モノクローナル抗体を産生するための方法であって、
約37℃の温度、約7.0のpH、および約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度で、抗体を発現する哺乳動物細胞を培養するステップであって、
抗体が、
a)配列番号:7において記載される重鎖可変(VH)ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変(VL)ドメイン、または
b)配列番号:1において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン相補性ドメイン領域(CDR)1、配列番号:2において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR2、および配列番号:3において記載されるアミノ酸配列を含むVH CDR3ならびに配列番号:4において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR1、配列番号:5において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR2、および配列番号:6において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR3を含む上記ステップ、ならびに
培養上清から、発現された抗DLL4抗体を回収するステップを含む上記方法。
実施形態2.抗デルタ様リガンド4(DLL4)モノクローナル抗体を産生するための方法であって、
約36.5℃の温度、約6.85のpH、および約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度で、抗体を発現する哺乳動物細胞を培養するステップであって、
抗体が、
a)配列番号:7において記載される重鎖可変(VH)ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変(VL)ドメイン、または
b)配列番号:1において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン相補性ドメイン領域(CDR)1、配列番号:2において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR2、および配列番号:3において記載されるアミノ酸配列を含むVH CDR3ならびに配列番号:4において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR1、配列番号:5において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR2、および配列番号:6において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR3を含む上記ステップ、ならびに
培養上清から、発現された抗DLL4抗体を回収するステップを含む方法。
実施形態3.回収された抗DLL4抗体が、SEC−HPLCで決定される5%未満の凝集物を含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態4.回収された抗DLL4抗体が、SEC−HPLCで決定される2%未満の凝集物を含む、先の実施形態のいずれかに記載の方法。
実施形態5.培養の間に、2つの部分に分かれた供給材料により、細胞に材料供給するステップをさらに含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.哺乳動物細胞株が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NS0、またはPER.C6細胞株から選ばれる、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7.細胞株が、CHOである、実施形態6に記載の方法。
実施形態8.抗DLL4抗体の回収が、抗体のアフィニティー精製を含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.アフィニティー精製が、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを含む、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.培養上清における抗体の力価が、少なくとも3g/Lである、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11.培養上清における抗体の力価が、少なくとも4g/Lである、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12.培養上清における抗体の力価が、少なくとも5g/Lである、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.培養上清における抗体の力価が、少なくとも6g/Lである、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.培養上清における抗体の力価が、少なくとも7g/Lである、先の実施形態のいずれかに記載の方法。
実施形態15.抗DLL4抗体が、配列番号:7において記載されるVHドメインおよび配列番号:8において記載されるVLドメインを含む、先の実施形態のいずれかに記載の方法。
実施形態16.抗DLL4抗体が、配列番号:1において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR1、配列番号:2において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR2、および配列番号:3において記載されるアミノ酸配列を含むVH CDR3、ならびに配列番号:4において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR1、配列番号:5において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR2、および配列番号:6において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR3を含む、実施形態1〜14のいずれかに記載の方法。
実施形態17.プロテインA精製モノクローナル抗体産物中の凝集物含有量を約5%未満まで低下させるための方法であって、
a)約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、約37℃の温度および約7.0のpHで、抗体を発現する哺乳動物細胞株を培養するステップであって、
細胞株が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗DLL4抗体を発現し、かつ
培養プロセスが、細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用することを含む上記ステップ、
b)培養上清から、発現された抗体を回収するステップ、ならびに
c)アフィニティークロマトグラフィーを使用して、発現された抗体を精製するステップを含む上記方法。
実施形態18.プロテインA精製モノクローナル抗体産物中の凝集物含有量を約5%未満まで低下させるための方法であって、
a)約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、約36.5℃の温度および約6.85のpHで、抗体を発現する哺乳動物細胞株を培養するステップであって、
細胞株が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗DLL4抗体を発現し、かつ
培養プロセスが、細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用することを含む上記ステップ、
b)培養上清から、発現された抗体を回収するステップ、ならびに
c)アフィニティークロマトグラフィーを使用して、発現された抗体を精製するステップを含む上記方法。
実施形態19.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを含む、実施形態17または18に記載の方法。
実施形態20.哺乳動物細胞が、CHO細胞である、実施形態17〜19のいずれかに記載の方法。
実施形態21.抗体が、配列番号:7のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号:8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、実施形態17〜20のいずれかに記載の方法。
実施形態22.精製された抗DLL4抗体が、SEC−HPLCで決定される2%未満の凝集物を含む、実施形態17〜21のいずれかに記載の方法。
実施形態23.培養上清における抗体の力価が、少なくとも3g/Lである、実施形態17〜22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24.培養上清における抗体の力価が、少なくとも4g/Lである、実施形態17〜23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25.培養上清における抗体の力価が、少なくとも5g/Lである、実施形態17〜24のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26.培養上清における抗体の力価が、少なくとも6g/Lである、実施形態17〜25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27.培養上清における抗体の力価が、少なくとも7g/Lである、実施形態17〜26のいずれかに記載の方法。
実施形態28.抗DLL4モノクローナル抗体(mAb)の凝集物を低下させるための方法であって、単一の供給材料を使用するバイオリアクターにおいて、36.5℃の温度、6.8のpH、および320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を含む条件下での、同じmAb産生CHO細胞の培養よりも、少ない凝集物を産生する温度、pH、および重量オスモル濃度の条件下で、抗DLL4mAbを分泌するCHO細胞を培養するステップを含み、
抗DLL4抗体が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む、上記方法。
実施形態29.より少ない凝集物を産生する条件が、
a)pH7.0、温度34℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたは
b)pH6.85、温度35.5℃、および出発重量オスモル濃度360mOsm/kg HOまたは
c)pH6.7、温度37℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたは
d)pH6.7、温度34℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
e)pH7.0、温度37℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
f)pH7.0、温度37℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたは
g)pH6.85、温度35.5℃、および出発重量オスモル濃度360mOsm/kg HOまたは
h)pH7.0、温度34℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
i)pH6.7、温度37℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
j)pH6.85、温度36.5℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg H
のうちの1つを含む、実施形態28に記載の方法。
実施形態30.培養が、2つの部分に分かれた供給材料により、細胞に材料供給するステップを含む、実施形態28または29に記載の方法。
実施形態31.抗DLL4抗体が、配列番号:7に示されるアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、実施形態28〜30のいずれかに記載の方法。
実施形態32.抗体組成物が、SEC−HPLCで決定される約1.4%未満の凝集物を含む、先の実施形態のいずれかによって産生される抗体組成物。
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Claims (32)

  1. 抗デルタ様リガンド4(DLL4)モノクローナル抗体を産生するための方法であって、
    約37℃の温度、約7.0のpH、および約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度で、前記抗体を発現する哺乳動物細胞を培養するステップであって、
    前記抗体が、
    a)配列番号:7において記載される重鎖可変(VH)ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変(VL)ドメイン、または
    b)配列番号:1において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン相補性ドメイン領域(CDR)1、配列番号:2において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR2、および配列番号:3において記載されるアミノ酸配列を含むVH CDR3、ならびに配列番号:4において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR1、配列番号:5において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR2、および配列番号:6において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR3を含む上記ステップ、ならびに
    培養上清から、発現された前記抗DLL4抗体を回収するステップを含む上記方法。
  2. 抗デルタ様リガンド4(DLL4)モノクローナル抗体を産生するための方法であって、
    約36.5℃の温度、約6.85のpH、および約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度で、前記抗体を発現する哺乳動物細胞を培養するステップであって、
    前記抗体が、
    a)配列番号:7において記載される重鎖可変(VH)ドメインおよび配列番号:8において記載される軽鎖可変(VL)ドメイン、または
    b)配列番号:1において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン相補性ドメイン領域(CDR)1、配列番号:2において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR2、および配列番号:3において記載されるアミノ酸配列を含むVH CDR3、ならびに配列番号:4において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR1、配列番号:5において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR2、および配列番号:6において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR3を含む上記ステップ、ならびに
    培養上清から、発現された前記抗DLL4抗体を回収するステップを含む上記方法。
  3. 回収された前記抗DLL4抗体が、SEC−HPLCで決定される5%未満の凝集物を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 回収された前記抗DLL4抗体が、SEC−HPLCで決定される2%未満の凝集物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記培養の間に、2つの部分に分かれた供給材料により、前記細胞に材料供給するステップをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記哺乳動物細胞株が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NSO、またはPER.C6細胞株から選ばれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記細胞株が、CHOである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記抗DLL4抗体の回収が、前記抗体のアフィニティー精製を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記アフィニティー精製が、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを含む、請求項6に記載の方法。
  10. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも3g/Lである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも4g/Lである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも5g/Lである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも6g/Lである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも7g/Lである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗DLL4抗体が、配列番号:7において記載されるVHドメインおよび配列番号:8において記載されるVLドメインを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記抗DLL4抗体が、配列番号:1において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR1、配列番号:2において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインCDR2、および配列番号:3において記載されるアミノ酸配列を含むVH CDR3、ならびに配列番号:4において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR1、配列番号:5において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR2、および配列番号:6において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインCDR3を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  17. プロテインA精製モノクローナル抗体産物中の凝集物含有量を約5%未満まで低下させるための方法であって、
    a)約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、約37℃の温度および約7.0のpHで、前記抗体を発現する哺乳動物細胞株を培養するステップであって、
    前記細胞株が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗DLL4抗体を発現し、かつ
    培養プロセスが、前記細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用することを含む上記ステップ、
    b)培養上清から、発現された前記抗体を回収するステップ、ならびに
    c)アフィニティークロマトグラフィーを使用して、発現された前記抗体を精製するステップを含む上記方法。
  18. プロテインA精製モノクローナル抗体産物中の凝集物含有量を約5%未満まで低下させるための方法であって、
    a)約320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を有する培養培地において、約36.5℃の温度および約6.85のpHで、前記抗体を発現する哺乳動物細胞株を培養するステップであって、
    前記細胞株が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗DLL4抗体を発現し、かつ
    培養プロセスが、前記細胞に材料供給するために、2つの部分に分かれた供給材料を使用することを含む上記ステップ、
    b)培養上清から、発現された前記抗体を回収するステップ、ならびに
    c)アフィニティークロマトグラフィーを使用して、発現された前記抗体を精製するステップを含む方法。
  19. 前記アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記哺乳動物細胞が、CHO細胞である、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記抗体が、配列番号:7のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号:8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 精製された前記抗DLL4抗体が、SEC−HPLCで決定される2%未満の凝集物を含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも3g/Lである、請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも4g/Lである、請求項17〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも5g/Lである、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも6g/Lである、請求項17〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記培養上清における前記抗体の力価が、少なくとも7g/Lである、請求項17〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 抗DLL4モノクローナル抗体(mAb)の凝集物を低下させるための方法であって、バイオリアクターにおいて、36.5℃の温度、6.8のpH、および320mOsm/kg HOの出発重量オスモル濃度を含む条件下での、同じmAb産生CHO細胞の培養よりも、少ない凝集物を産生する温度、pH、および重量オスモル濃度の条件下で、前記抗DLL4mAbを分泌するCHO細胞を培養するステップを含み、
    前記抗DLL4抗体が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号:2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号:3のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号:4のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むVL CDR2、および配列番号:6のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む、上記方法。
  29. より少ない凝集物を産生する条件が、
    a)pH7.0、温度34℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたは
    b)pH6.85、温度35.5℃、および出発重量オスモル濃度360mOsm/kg HOまたは
    c)pH6.7、温度37℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたは
    d)pH6.7、温度34℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
    e)pH7.0、温度37℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
    f)pH7.0、温度37℃、および出発重量オスモル濃度400mOsm/kg HOまたは
    g)pH6.85、温度35.5℃、および出発重量オスモル濃度360mOsm/kg HOまたは
    h)pH7.0、温度34℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
    i)pH6.7、温度37℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOまたは
    j)pH6.85、温度36.5℃、および出発重量オスモル濃度320mOsm/kg HOのうちの1つを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記培養が、2つの部分に分かれた供給材料により、前記細胞に材料供給するステップを含む、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記抗DLL4抗体が、配列番号:7に示されるアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、請求項28〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. SEC−HPLCで決定される約1.4%未満の凝集物を含む、請求項1〜31のいずれか1つによって産生される抗体組成物。
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