JP2015232589A - 中間転写ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化が小さい中間転写ベルトを提供する。【解決手段】中間転写ベルトは、基体11上に、表層12が形成されており、表層12は、ポリロタキサン及び酸性カーボンブラックを含み、10℃、15%RHにおける表層12が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値と、27℃、80%RHにおける表層12が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値の差が2[Log(Ω/□)]以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写ベルト及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写ベルト上に色重ねした後、一括して紙等の記録媒体に転写する方式が用いられている。
近年、記録媒体として、リサイクルペーパー、エンボス紙、和紙、クラフト紙等の粗い紙が使用されることが増えてきている。このような粗い紙に対する追従性は重要であり、追従性が悪いと、粗い紙の凹凸に起因する画像濃度のムラが発生する。
特許文献1には、電子写真方式で画像形成する画像形成装置に用いる画像形成装置用ベルトとして、ポリロタキサン及び/又は架橋ポリロタキサンを含む画像形成装置用ベルトが開示されている。
しかしながら、粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化を小さくすることが望まれている。
本発明の一態様は、上記従来技術が有する問題に鑑み、粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化が小さい中間転写ベルトを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、中間転写ベルトにおいて、基体上に、表層が形成されており、前記表層は、ポリロタキサン及び酸性カーボンブラックを含み、10℃、15%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値と、27℃、80%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値の差が2[Log(Ω/□)]以下である。
本発明の一態様によれば、粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化が小さい中間転写ベルトを提供することができる。
中間転写ベルトの構造の一例を示す断面図である。 画像形成装置の一例を示す模式図である。 画像形成装置の他の例を示す模式図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
図1に、中間転写ベルトの構造の一例を示す。
中間転写ベルトは、比較的屈曲性が得られる剛性が大きい基体11上に、柔軟な表層12が形成されている。
中間転写ベルトの10℃、15%RHにおける表層12が形成されている側の表面抵抗率及び27℃、80%RHにおける表層12が形成されている側の表面抵抗率を、それぞれRLL[Ω/□]及びRHH[Ω/□]とすると、式
LogRLL−LogRHH≦2
を満たす。LogRLL−LogRHHが2[Log(Ω/□)]を超えると、温湿度環境による画像濃度の変化が大きくなる。なお、LogRLL−LogRHHは、通常、3[Log(Ω/□)]以上である。
中間転写ベルトの23℃、50%RHにおける表層12が形成されている側の表面抵抗率は、通常、1×10〜1×1013Ω/□である。
中間転写ベルトの23℃、50%RHにおける表層12が形成されている側の体積抵抗率は、通常、1×10〜1×1011Ω・cmである。
中間転写ベルトは、継ぎ目を有してもよいが、シームレスベルトであることが好ましい。これにより、耐久性及び画質を向上させることができる。
まず、基体11について説明する。
基体11は、樹脂中に電気抵抗を調整する電気抵抗調整剤が分散している。
樹脂としては、特に限定されないが、PVDF、ETFE等のフッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。中でも、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、ポリイミド又はポリアミドイミドが好ましい。
電気抵抗調整剤としては、特に限定されないが、金属酸化物、カーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。
金属酸化物は、表面処理が施されていてもよい。これにより、樹脂中の分散性を向上させることができる。
カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
イオン導電剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられる。
電気抵抗調整剤として、カーボンブラックを用いる場合、基体11中のカーボンブラックの含有量は、通常、10〜25質量%であり、15〜20質量%であることが好ましい。基体11中のカーボンブラックの含有量が10質量%以上であることにより、電気抵抗の均一性を向上させることができる。一方、基体11中のカーボンブラックの含有量が25質量%以下であることにより、中間転写ベルトの機械強度を向上させることができる。
電気抵抗調整剤として、金属酸化物を用いる場合、基体11中の金属酸化物の含有量は、通常、1〜50質量%であり、10〜30質量%であることが好ましい。基体11中の金属酸化物の含有量が10質量%以上であることにより、電気抵抗の均一性を向上させることができる。一方、基体11中の金属酸化物の含有量が25質量%以下であることにより、中間転写ベルトの機械強度を向上させることができる。
基体11は、分散助剤、補強剤、潤滑剤、熱伝導剤、酸化防止剤等をさらに含んでいてもよい。
基体11の厚さは、通常、30〜150μmであり、40〜120μmであることが好ましく、50〜80μmであることがさらに好ましい。基体11の厚さが30μm以上であることにより、亀裂によりベルトが裂けることを抑制することができる。一方、基体11の厚さが150μm以下であることにより、曲げによりベルトが割れることを抑制することができる。
なお、基体11は、樹脂又は樹脂の前駆体及び電気抵抗調整剤が有機溶媒中に溶解又は分散している塗布液を塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
有機溶媒としては、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸及びポリアミドイミドが溶解しやすい点で、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、螺旋塗布法、ダイ塗布法、ロール塗布法等が挙げられる。
次に、表層12について説明する。
表層12は、ポリロタキサン及び酸性カーボンブラックを含む。
ここで、ロタキサンは、両末端に封鎖基を有する棒状分子が環状分子により包接されている。封鎖基は、環状分子の脱離を防止することが可能な嵩高い基である。また、両末端に封鎖基を有する棒状分子は、環状分子を貫通し、環状分子と共有結合により固定されていない。このため、棒状分子は、環状分子の中を自由に移動することができ、環状分子も、棒状分子に沿って移動することができる。つまり、応力が印加されると、環状分子が棒状分子に沿って、滑車のように自由に移動することができる。その結果、表層12は、伸縮性や柔軟性に優れ、記録媒体への追従性が向上するため、粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラが小さくなる。
ポリロタキサンは、両末端に封鎖基を有する棒状分子が、複数の環状分子により包接されている。
棒状分子及び/又は環状分子は、疎水性基により修飾されていてもよい。これにより、ポリロタキサンの有機溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
疎水性基としては、特に限定されないが、アルキル基、ベンジル基等が挙げられる。
棒状分子としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
封鎖基としては、特に限定されないが、アダマンチル基等が挙げられる。
両末端に封鎖基を有する棒状分子の分子量は、通常、1000〜50000であり、10000〜40000であることが好ましく、20000〜35000であることがさらに好ましい。両末端に封鎖基を有する棒状分子の分子量が1000以上であることにより、表層12の柔軟性の低下を抑制すると共に、耐擦傷性及び記録媒体への追従性を向上させることができる。一方、両末端に封鎖基を有する棒状分子の分子量が50000以下であることにより、塗布液の粘度の増大を抑制すると共に、平滑性、光沢等の外観の劣化を抑制することができる。
なお、環状分子は、必ずしも完全に閉環している必要はなく、棒状分子から脱離しない程度に開環していてもよい。
環状分子は、疎水性基で修飾しやすくなる点で、反応基を有することが好ましい。
反応基としては、特に限定されないが、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。中でも、棒状分子の両末端に封鎖基を形成する際に、封鎖基と反応しないことから、ヒドロキシル基が好ましい。
環状分子としては、特に限定されないが、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、棒状分子を包接しやすい点で、シクロデキストリン類が好ましい。
シクロデキストリン類は、複数のグルコースがα−1,4−グリコシド結合で環状に結合している化合物である。中でも、6個、7個及び8個のグルコースが結合している化合物、即ち、α−、β−及びγ−シクロデキストリンが好ましく、包接性の観点からは、α−シクロデキストリンがさらに好ましい。
シクロデキストリン類のヒドロキシル基の少なくとも一つが疎水性基により修飾されていることが好ましい。これにより、有機溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
なお、棒状分子を包接する環状分子の個数は、特に限定されない。
ポリロタキサンは、公知の方法により製造することができる(例えば、特許第4376849号参照)。
ポリロタキサンは、架橋剤により架橋されていてもよい。
架橋剤としては、特に限定されないが、メラミン樹脂、ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジイソシアン酸トリレン)、イソシアネート基がブロックされているポリイソシアネート、塩化シアヌル、トリメソイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアルデヒド、ジビニルスルホン、1,1'−カルボニルジイミダゾール、アルコキシシラン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、架橋のしやすさから、ポリイソシアネートが好ましく、常温下での保管安定性の高さから、イソシアネート基がブロックされているポリイソシアネートがさらに好ましい。
イソシアネート基をブロックするブロック剤としては、特に限定されないが、オキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等が挙げられる。
ポリイソシアネートの市販品としては、デュラネート(旭化成ケミカルズ社製)、タケネート(三井化学社製)、コロネート(日本ポリウレタン工業社製)、デスモジュール(住化バイエルウレタン社製)等が挙げられる。
ポリロタキサンがヒドロキシル基を有し、架橋剤として、ポリイソシアネートを用いる場合、ヒドロキシル基に対するイソシアネート基のモル比は、通常、1.0〜1.2である。ヒドロキシル基に対するイソシアネート基のモル比が1.0以上であることにより、架橋が十分に進行し、表層12の形状を維持することができる。一方、ヒドロキシル基に対するイソシアネート基のモル比が1.2以下であることにより、表層12の柔軟性を維持することができる。
架橋剤を用いてポリロタキサンを架橋する温度は、通常、130〜220℃であり、140〜200℃であることが好ましい。
架橋剤を用いてポリロタキサンを架橋する時間は、通常、30秒間〜5時間である。
架橋剤を用いてポリロタキサンを架橋する際の加熱方法としては、特に限定されないが、プレス加熱法、蒸気加熱法、オーブン加熱法、熱風加熱法等が挙げられる。
なお、架橋剤を用いてポリロタキサンを架橋した後に、内部まで確実に架橋させるために、ポリロタキサンを後架橋してもよい。
ポリロタキサンを後架橋する時間は、通常、1〜48時間である。
表層12は、ポリロタキサン以外の樹脂をさらに含んでいてもよい。
ポリロタキサン以外の樹脂としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
酸性カーボンブラックは、中性カーボンブラックを、二酸化窒素、オゾン、硝酸等と反応させることにより、合成することができる。
酸性カーボンブラックの表面に存在する官能基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、キノン基、ラクトン基等が挙げられる。
酸性カーボンブラックのpHは、7未満であり、5以下であることが好ましく、3.5以下であることがさらに好ましい。このため、ポリロタキサンに対する分散性が向上して電気抵抗のバラツキが小さくなるため、粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラが小さくなる。また、粗い紙に画像を形成しても、温湿度環境による画像濃度の変化が小さくなる。この理由は、定かではないが、表層12の表面に、酸性カーボンブラックが存在しやすくなっているためと考えられる。その結果、ポリロタキサンによる吸湿を抑制することができる。
酸性カーボンブラックのpHは、カーボンブラックと蒸留水の混合液のpHであり、JISK6221−1982に準拠して測定することができる。
酸性カーボンブラックの揮発分は、15%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。これにより、温湿度環境による表面抵抗率の変化がさらに小さくなるため、温湿度環境による画像濃度の変化がさらに小さくなる。
なお、揮発分は、酸性カーボンブラックを950℃で7分間加熱した時の減量分であり、一般に、表面に存在する官能基が多い程、多くなる。
酸性カーボンブラックの市販品としては、MA7、MA8、MA11、MA77、MA78、MA100、MA100R(以上、三菱化学社製)、Special Black4、Special Black4A、Special Black5、Special Black6、Printex U、Printex V、Printex 140U、Printex 140V、Color Black FW200、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW1、Color Black FW18(以上、オリオン・エンジニアド・カーボンズ社製)等が挙げられる。
表層12中の酸性カーボンブラックの含有量は、通常、20質量%以下であり、15質量%以下であることが好ましい。これにより、中間転写ベルトの粗い紙に対する追従性を向上させることができる。
表層12は、分散剤をさらに含んでいてもよい。これにより、酸性カーボンブラックの分散性をさらに向上させることができる。
分散剤の市販品としては、DISPERBYK−130、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−166、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155(以上、ビックケミー社製)、ソルスパース3000、ソルスパース9000、ソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース37000、ソルスパース38000、ソルスパース41000、ソルスパース42000、ソルスパース43000、ソルスパース46000、ソルスパース54000、ソルスパース71000(以上、ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
表層12は、補強剤、潤滑剤、熱伝導剤、酸化防止剤等をさらに含んでいてもよい。
表層12は、ポリロタキサン及び酸性カーボンブラックが有機溶媒中に溶解又は分散している塗布液を塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
有機溶媒としては、特に限定されないが、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ポリロタキサンが溶解しやすく、カーボンブラックが分散しやすい点で、シクロヘキサノンが好ましい。
酸性カーボンブラックを有機溶媒中に分散させる際に用いる分散機としては、特に限定されないが、ビーズミル、サンドミル、ナノマイザー、ボールミル等が挙げられる。
塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、螺旋塗布法、ダイ塗布法、ロール塗布法、スプレー塗布法等が挙げられる。
表層12の厚さは、通常、30〜300μmであり、50〜200μmであることが好ましい。表層12の厚さが30μm以上であることにより、粗い紙に画像を形成した場合の画像濃度のムラをさらに小さくすることができる。一方、表層12の厚さが300μm以下であることにより、中間転写ベルトがたわみやすくなったり、反りが大きくなって走行性が不安定になったり、中間転写ベルトを支持するローラの曲率部で屈曲することにより亀裂が発生したりすることを抑制することができる。
中間転写ベルトは、基体11と表層12の間に、ゴム、エラストマー等を含む比較的柔軟な弾性層がさらに形成されていてもよい。これにより、粗い紙に対する追従性をさらに向上させることができる。
中間転写ベルトは、基体11と表層12の間に、接着層がさらに形成されていてもよい。これにより、基体11と表層12の接着性をさらに向上させることができる。
画像形成装置は、感光体と、中間転写体と、感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、感光体に形成されたトナー像を中間転写体に転写する第一の転写手段と、中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する第二の転写手段を有する。
画像形成装置は、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等をさらに有してもよい。
画像形成装置は、感光体、帯電手段、露光手段及び現像手段を有する各色の画像形成ユニットが直列に配置されているフルカラー画像形成装置であることが好ましい。
図2に、画像形成装置の一例を示す。
1次転写ユニット500は、中間転写ベルト501(図1参照)を有する。中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写バイアスローラ605、中間転写ベルト501をクリーニングするクリーニングブレード504、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシ505が設置されている。
また、中間転写ベルト501の外周面又は内周面に、位置検知用マーク(不図示)が設けられている。ただし、中間転写ベルト501の外周面に位置検知用マークを設ける場合は、クリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要である。光学センサ514は、位置検知用マークを検知し、中間転写ベルト501を支持する1次転写バイアスローラ507と駆動ローラ508の間に設けられている。
中間転写ベルト501は、1次転写バイアスローラ507、駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511及びフィードバック電流検知ローラ512により支持されている。
各ローラは、導電性材料で形成されており、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流又は定電圧制御されている1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて、所定の大きさの電流又は電圧に制御されている転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、駆動モータ(不図示)により、図中、矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
中間転写ベルト501は、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙することが可能な最大のサイズもより大きく設定されている。
2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510により支持されている中間転写ベルト501の外周面に対して、後述する接離機構により、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に支持されている中間転写ベルト501との間に転写紙Pを挟持するように設置されており、定電流制御されている2次転写電源802により所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510により支持されている中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニングブレード608が接触している。クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングする。
画像形成動作が開始されると、感光体ドラム200は、駆動モータ(不図示)により、図中、矢印方向に回転し、感光体ドラム200上に、ブラック(K)トナー像、シアン(C)トナー像、マゼンタ(M)トナー像及びイエロー(Y)トナー像が形成される。中間転写ベルト501は、駆動ローラ508により、図中、矢印方向に回転する。中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加されている転写バイアスにより、Kトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像が転写され、最終的に、K、C、M、Yの順に、中間転写ベルト501上に各色のトナー像が重ね合わされる。
例えば、Kトナー像は以下のように形成される。
帯電チャージャ203は、コロナ放電により感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電させる。位置検知用マークを検知した信号に基づいて、所定のタイミングで、カラースキャナによりK画像データが読み取られた後、書き込み光学ユニット(不図示)により、K画像データに基づいて、レーザ光により露光される。これにより、一様に帯電した感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光された光量に比例する電荷が消失し、K静電潜像が形成される。K静電潜像に、K現像器231Kの現像ローラに付着している負に帯電したKトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはKトナーが付着せず、電荷の残っていない部分、即ち、露光された部分にはKトナーが吸着し、Kトナー像が形成される。
感光体ドラム200上に形成されたKトナー像は、感光体ドラム200と接触した状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501の外周面に転写される。
Kトナー像が転写された後の感光体ドラム200の表面に残留しているKトナーは、クリーニング装置201によりクリーニングされた後、除電ランプ202で均一に除電される。
感光体ドラム200は、Kトナー像が形成された後、Cトナー像が形成される。具体的には、所定のタイミングでカラースキャナによりC画像データが読み取られた後、書き込み光学ユニット(不図示)により、C画像データに基づいて、レーザ光により露光される。これにより、感光体ドラム200の表面にC静電潜像が形成される。そして、K静電潜像の後端部が通過した後で、C静電潜像の先端部が到達する前に、リボルバ現像ユニット230が回転し、C現像器231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像され、Cトナー像が形成される。以後、同様にして、Mトナー像、Yトナー像が形成される。
感光体ドラム200上に順次形成されたKトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像は、中間転写ベルト501上に、順次位置合わせされて転写される。これにより、中間転写ベルト501上に、最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。
一方、画像形成動作が開始されるときに、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイから給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510により支持されている中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605により形成されているニップに、中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送される。
このようにして、転写紙Pがニップを通過すると、2次転写バイアスローラ605に印加されている転写バイアスにより、中間転写ベルト501上のトナー像が転写紙P上に転写される。転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト搬送装置210により定着装置270に搬送される。そして、転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップでトナー像が定着された後、排出ローラ(不図示)により送り出され、コピートレイ(不図示)に表向きにスタックされる。
なお、定着装置270は、ベルト構成部を備えることもできる。
トナー像が転写された後の中間転写ベルト501の外周面に残留した残留トナーは、クリーニングブレード504によりクリーニングされる。
クリーニングブレード504は、クリーニング部材離接機構(不図示)により、中間転写ベルト501の外周面に対して、所定のタイミングで接離されるように構成されている。
中間転写ベルト501が移動する方向に対して、クリーニングブレード504の上流側には、中間転写ベルト501の外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。トナーシール部材502は、中間転写ベルト501をクリーニングする時に、クリーニングブレード504から落下したトナーを受け止めて、トナーが転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。トナーシール部材502は、クリーニング部材離接機構により、クリーニングブレード504と共に、中間転写ベルト501の外周面に対して接離される。
このようにしてクリーニングされた中間転写ベルト501の外周面には、潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。
潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛等の固形体からなり、潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように設置されている。
また、中間転写ベルト501の外周面に残留した電荷は、中間転写ベルト501の外周面に接触している除電ブラシ(不図示)により印加される除電バイアスにより除去される。ここで、潤滑剤塗布ブラシ505及び除電ブラシは、それぞれ接離機構(不図示)により、所定のタイミングで、中間転写ベルト501の外周面に対して接離されるように構成されている。
ここで、リピートコピーの時、感光体ドラム200は、1枚目のYトナー像を形成した後、所定のタイミングで、2枚目のKトナー像を形成する。また、中間転写ベルト501は、1枚目のトナー像が転写紙Pに転写された後、2枚目のKトナー像が転写される。その後は、1枚目と同様の動作で画像が形成される。
なお、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記と同様の動作で画像が形成される。
また、単色コピーモードの場合は、所定の枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定の色の現像器のみが現像位置にセットされ、クリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態で画像が形成される。
図3に、画像形成装置の他の例として、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成する感光体ドラム21K、21Y、21M、21Cを有する4ドラム型のデジタルカラープリンタを示す。
プリンタ本体10は、電子写真方式によるカラー画像を形成するための画像書き込み部12、画像形成部13、給紙部14から構成されている。画像データを基に、画像処理部(不図示)で画像処理して各色の画像信号に変換し、画像書き込み部12に送信する。画像書き込み部12は、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群からなるレーザ走査光学系であり、各色の画像信号に対応した4つの書き込み光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられている感光体21K、21M、21Y、21Cに各色の画像信号に応じて、露光する。
画像形成部13は、感光体21K、21M、21Y、21Cを備えている。
感光体としては、通常、OPC感光体が用いられる。
感光体21K、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、画像書き込み部12、現像装置20K、20M、20Y、20C、1次転写バイアスローラ23K、23M、23Y、23C、クリーニング装置(不図示)及び除電装置(不図示)が設置されている。
現像装置20K、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式が用いられている。
中間転写ベルト22(図1参照)は、感光体21K、21M、21Y、21Cと、1次転写バイアスローラ23K、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各色の感光体上に形成された各色のトナー像が順次転写されて重ね合わされる。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50が接触するところで、中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が2次転写バイアスローラ60により転写紙Pに転写される。トナー像が転写された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、定着装置15によりトナー像が定着された後、プリンタ本体10から排出される。
なお、中間転写ベルト22上に残留したトナーは、クリーニング部材25によりクリーニングされる。
中間転写ベルト22が移動する方向に対して、クリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が設置されている。
潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシで構成されている。
導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布する。
固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を向上させ、フィルミィングの発生を防止するため、中間転写ベルト22の耐久性を向上させることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例により制限されない。なお、部は、質量部である。
[実施例1]
<基体用塗布液の調製>
ビーズミルを用いて、pHが3、揮発分が14%の酸性カーボンブラックSpecialBlack4(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)15部をN−メチル−2−ピロリドン85部中に分散させ、酸性カーボンブラックの分散液を得た。
ポリイミド樹脂前駆体であるポリアミック酸を主成分とするポリイミドワニスとしての、U−ワニスA(宇部興産社製)とU−ワニスS(宇部興産社製)を固形分比6:4で混合した。次に、酸性カーボンブラックの分散液を、ポリアミック酸に対する酸性カーボンブラックの質量比が0.17になるように加えた後、攪拌混合して、基体用塗布液を得た。
<基体の形成>
外径が375mm、長さが360mmであり、外面がブラスト処理により粗面化されている金属製の円筒型を50rpmで回転させながら、ディスペンサーを用いて、均一に流延するように基体用塗布液を塗布した。塗膜が満遍なく広がった時点で、回転数を100rpmに増加した後、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分間加熱した。さらに、200℃まで昇温して20分間加熱した後、回転を停止し、徐冷して熱風循環乾燥機から取り出した。次に、乾燥した塗膜が形成された円筒型を加熱炉(焼成炉)に導入して、段階的に360℃まで昇温して60分間加熱(焼成)した後、冷却し、厚さが60μmのポリイミドを含む基体を形成した。
<表層用塗布液の調製>
pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)12部をシクロヘキサノン88部中で分散させ、酸性カーボンブラックの分散液を得た。
修飾ポリロタキサン−グラフト−ポリカプロラクトン(CAS No.928045−45−8)セルムスーパーポリマーSH3400P(アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製)をシクロヘキサノン中に溶解させ、修飾ポリロタキサン−グラフト−ポリカプロラクトンの溶液を得た。
ここで、修飾ポリロタキサン−グラフト−ポリカプロラクトンは、ポリカプロラクトンによりグラフト変性されているポリロタキサンであり、ポリロタキサンは、直鎖状分子がポリエチレングリコールであり、封鎖基がアダマンチル基であり、環状分子がヒドロキシルプロピル基を有するシクロデキストリンである。
修飾ポリロタキサン−グラフト−ポリカプロラクトンの溶液に、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(ブロックイソシアネート)のデュラネートTPA−B80E(旭化成ケミカル社製)を、ヒドロキシル基に対するイソシアネート基のモル比が1.05となるように加えた。次に、全固形分に対する酸性カーボンブラックの質量比が0.1となるように、酸性カーボンブラックの分散液を加えて、表層用塗布液を得た。
<表層の形成>
ポリイミドを含む基体が形成された円筒型を50rpmで回転させながら、表層用塗布液をノズルから連続的に吐出して円筒型の軸方向に移動させ、螺旋状に塗布した。次に、表層用塗布液が塗布された円筒型を100rpmで回転させながら、熱風循環乾燥機に導入して、昇温速度3℃/minで150℃まで昇温して30分間加熱して、厚さが100μmの表層を形成した。さらに、円筒型から、表層が形成されている基体を取り外して、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.9[Log(Ω/□)]であった。
なお、基体及び表層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、中間転写ベルトの断面を観察することにより測定される10箇所の厚さの平均値である。
また、中間転写体の表面抵抗率は、ハイレスタMCP−HT450(三菱化学アナリテック社製)を用いて、表層が形成されている側に500Vの電圧を印加して10秒後に読み取られる10箇所の表面抵抗率の平均値である。
[実施例2]
表層用塗布液を調製する際に、酸性カーボンブラックとして、pHが3、揮発分が14%のSpecialBlack4(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、全固形分に対する酸性カーボンブラックの質量比を0.16に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.4[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.5[Log(Ω/□)]であった。
[実施例3]
表層用塗布液を調製する際に、酸性カーボンブラックとして、pHが2.5、揮発分が16.5%のColor Black FW2(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、全固形分に対する酸性カーボンブラックの質量比を0.19に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.6[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.3[Log(Ω/□)]であった。
[実施例4]
表層用塗布液を調製する際に、酸性カーボンブラックとして、pHが2.5、揮発分が20%のColor Black FW200(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、全固形分に対する酸性カーボンブラックの質量比を0.25に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.8[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.9[Log(Ω/□)]であった。
[実施例5]
表層の厚さを20μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.9[Log(Ω/□)]であった。
[実施例6]
表層の厚さを350μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.9[Log(Ω/□)]であった。
[実施例7]
<基体用塗布液の調製>
ビーズミルを用いて、酸性カーボンブラックMA77(三菱化学社製)をN−メチル−2−ピロリドン中に分散させ、酸性カーボンブラックの分散液を得た。
ポリアミドイミドを主成分とするポリアミドイミドワニスとしての、バイロマックスHR−16NN(東洋紡績社製)に、酸性カーボンブラックの分散液を、ポリアミドイミドに対する酸性カーボンブラックの質量比が0.24になるように加えた後、攪拌混合して、基体用塗布液を得た。
<基体の形成>
外径が375mm、長さが360mmであり、外面がブラスト処理により粗面化されている金属製の円筒型を50rpmで回転させながら、ディスペンサーを用いて、均一に流延するように基体用塗布液を塗布した。塗膜が満遍なく広がった時点で、回転数を100rpmに増加した後、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分間加熱した。さらに、200℃まで昇温して20分間加熱した後、回転を停止し、徐冷して熱風循環乾燥機から取り出した。次に、乾燥した塗膜が形成された円筒型を加熱炉(焼成炉)に導入して、段階的に250℃まで昇温して60分間加熱(焼成)した後、冷却し、厚さが60μmのポリアミドイミドを含む基体を形成した。
<表層の形成>
ポリイミドを含む基体が形成された円筒型の代わりに、ポリアミドイミドを含む基体を用いた以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.8[Log(Ω/□)]であった。
[比較例1]
表層用塗布液を調製する際に、酸性カーボンブラックを加えない以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.5[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.1[Log(Ω/□)]であった。
[比較例2]
表層用塗布液を調製する際に、酸性カーボンブラックの代わりに、pHが9.0、揮発分が0.5%の塩基性カーボンブラック(ケッチェンブラック)EC300J(ライオン化学社製)を用い、全固形分に対する塩基性カーボンブラックの質量比を0.02にした以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.5[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.2[Log(Ω/□)]であった。
[比較例3]
表層用塗布液を調製する際に、酸性カーボンブラックの代わりに、pHが7.0、揮発分が1.0%の中性カーボンブラック#3350B(三菱化学社製)を用い、全固形分に対する中性カーボンブラックの質量比を0.12にした以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトを得た。中間転写ベルトは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.1[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.8[Log(Ω/□)]であった。
表1に、中間転写ベルトの特性を示す。
Figure 2015232589
次に、中間転写体の画像濃度のムラ及び環境による画像濃度の変化を評価した。
[画像濃度のムラ]
中間転写ベルトをimagio MPC7501(リコー社製)に搭載して、画像を形成し、画像濃度のムラを評価した。具体的には、10℃、15%RH及び27℃、80%RHで、シアンとマゼンタのベタ画像を10枚ずつ出力した後、最も悪いサンプルを目視で観察した。用紙としては、FC和紙タイプ<さざ波>(リコー社製)を使用した。ここで、FC和紙タイプ<さざ波>(リコー社製)は、和紙風に凹凸模様がある粗い紙である。なお、画像濃度のムラが確認できない場合を○、画像濃度のムラが一部確認できるが、使用可能なレベルである場合を△、画像濃度のムラが大きく、使用不可能なレベルである場合を×として、判定した。
[温湿度環境による画像濃度の変化]
中間転写ベルトを図3の画像形成装置に搭載して、画像を形成し、温湿度環境による画像濃度の変化を評価した。具体的には、10℃、15%RH及び27℃、80%RHで、ブルーのベタ画像を形成した後、X-rite(エックスライト社製)を用いて、画像濃度IDを測定した。用紙としては、FC和紙タイプ<さざ波>(リコー社製)を使用した。なお、温湿度環境による画像濃度の差が0.2未満である場合を○、0.2以上0.5未満である場合を△、0.5以上である場合を×として、判定した。
表2に、中間転写体の画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化の評価結果を示す。
Figure 2015232589
表2から、実施例1〜7の中間転写ベルトは、粗い紙に画像を形成しても、画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化が小さいことがわかる。
これに対して、比較例1の中間転写ベルトは、酸性カーボンブラックを含まない表層が形成されているため、粗い紙に画像を形成すると、温湿度環境による画像濃度の変化が大きい。
また、比較例2、3の中間転写ベルトは、酸性カーボンブラックの代わりに、塩基性カーボンブラック、中性カーボンブラックを含む表層が形成されているため、粗い紙に画像を形成すると、画像濃度のムラ及び温湿度環境による画像濃度の変化が大きい。
11 基体
12 表層
22、501 中間転写ベルト
特開2013−29632号公報

Claims (6)

  1. 基体上に、表層が形成されており、
    前記表層は、ポリロタキサン及び酸性カーボンブラックを含み、
    10℃、15%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値と、27℃、80%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値の差が2[Log(Ω/□)]以下であることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記酸性カーボンブラックは、揮発分が15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記表層は、厚さが30μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写ベルト。
  4. 前記基体は、ポリイミド又はポリアミドイミドを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  5. シームレスベルトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  6. 感光体と、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の中間転写体と、
    前記感光体を帯電させる帯電手段と、
    該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、
    該感光体に形成されたトナー像を前記中間転写体に転写する第一の転写手段と、
    該中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する第二の転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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