JP2015229724A - 広帯域発光材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は高い演色性を示す白色光源に利用可能な発光材料を得ることを目的とする。【解決手段】AlF3を20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%を含有するフッ化物ガラスに、発光中心となる2価希土類イオンとしてイッテルビウムイオンを含有する発光材料において、該フッ化物ガラスが、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物1〜15モル%含有し、Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0.1〜20モル%含むことを特徴とする広帯域発光材料。【選択図】図1

Description

本発明は、広帯域で発光可能な広帯域発光材料に関するものである。
近年、照明光源である白熱球は白色LEDに置き換わりつつあり、省電力かつ高演色性な白色LEDが求められている。現在、白色LEDの多くは、YAG−Ce黄色蛍光体と青色GaN系LEDを組み合わせた疑似白色によって構成されている。
この従来の青色LEDとYAG−Ceの組み合わせでは、シアン色(〜500nm)、赤色(600nm以上)の成分が少ないため、複数の蛍光体を添加することによって、不足する波長成分を補っている。例えば、特許文献1では、YAG−Ce蛍光体に赤色に発光するEu錯体を添加することで高演色な白色光源を実現している。
一方で、このように複数の蛍光体を混合して高演色な白色光源を作製する場合、特許文献2で指摘されているように、個々の白色発光体の色バラツキが大きくなってしまう問題があった。また、複数の蛍光体を混合して白色発光体を構成したとしても、各色蛍光体の中心発光波長の中間波長においては、発光強度は著しく低いため、高い演色性を示す白色発光体を実現することが困難であった。また、前述した従来の青色LEDとYAG−Ceの組み合わせは、励起波長(約450nm)と蛍光波長(中心波長約550nm、GdとYの添加量により波長シフトする)の差が少ないため、ストークスシフト量が小さく、発光効率が良いという利点があるが、青色の励起光の一部を照明光として使用するため、青色光が通過する蛍光体層の厚みの違いによって、照明光の色味が変化するという問題がある(特許文献3)。ゆえに、青色LED上に実装された黄色蛍光体部において、素子中央部と周辺部で色合いが異なってしまうことが示唆されている。
単一で白色発光する材料として、2価のイッテルビウムイオン(以下Yb2+)を含むフッ化物ガラス(特許文献4)や、青色の蛍光が得られる2価のユーロピウムイオン(以下Eu2+)およびP(リン)を含むフツリン酸塩ガラスが知られている(特許文献5、非特許文献1)。
特許文献4では、AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物としてMgFを0〜15モル%、CaFを7〜25モル%、SrFを0〜15モル%、及びBaFを5〜25モル%の範囲で且つアルカリ土類フッ化物を合計で40〜65モル%含有し、さらに、Y、La、Gd、及びLuから選ばれる一種以上の元素のフッ化物を10〜25モル%含有するハロゲン化物ガラスに、発光中心となるYb2+を含有することを特徴とする、白色光発光材料が提案されている。
特願2001−135116号公報 特開2007−335495号公報 特開2008−88257号公報 特開2008−201610号公報 特許第3961585号公報 特許第3700502号公報
沢登成人、蛍光ガラスの開発、マテリアルインテグレーションVol.17 No.3(2004) M.Poulain et al., Chemtronics. Vol.3, no.2, pp.77-85.1988 J.W.M. Verwey et al., Journal of Physics and Chemistry of Solids, Volume 53, Issue 9, September 1992, Pages 1157-1162 Lihong Liu et al., "Photoliminescence properties of β-SiAlON:Si2+, A novel green-emitting phosphre for white-emitting diodes", Sci. Technol. Adv. Mater., 12, 034404(2011) M. Poulain and C. Maze, "Chemistry of fluoride glasses," Chemitronics 3, 77-85 (1988)
前述したように、現在の青色LEDとYAG−Ce蛍光体の組み合わせでは、シアン色と赤色の成分が不足しており、その不足した色味成分を補うために複数の蛍光体を添加すると、各色蛍光体の中心発光波長の中間波長における発光強度が低いため、高い演色性な白色光発光材料を実現することが困難であった。
フッ化物ガラス中においてYb2+による白色発光を得るには、還元雰囲気下等の条件でガラスを溶融することによって得られるが(非特許文献2、非特許文献3)、ガラス化が困難な組成であるために、金属の型に流し出すなどして、融液を急冷してガラスを作製する必要があったり、ガラスが灰色に着色したりするなどの問題があった。すなわち、フッ化物ガラス中での希土類元素の還元を行う場合、選択できる組成に制約があり、フッ化物ガラス中におけるYb2+イオンの白色発光効率を高めることは難しかった。
特許文献5では、Eu2+と、テルビウムと、サマリウム又はマンガンなどを含むフツリン酸塩ガラスが白色蛍光を示す記載があるが、これはEu2+による青色発光とテルビウムによる緑色発光と、サマリウムやマンガンの赤色蛍光を混合することによって擬似的に白色を得るものであり、太陽光スペクトルのように連続的なスペクトルが得られていないため、この方式による白色照明で物体を照射すると、太陽光下で見た場合と異なる色に見える場合があった。
従って、本発明では高い演色性を示す白色光源に利用可能な発光材料を得ることを目的とした。
フッ化物ガラスや塩化物ガラスなどのハロゲン化物ガラスは、紫外〜可視領域だけでなく、赤外領域まで広がる広帯域な透過窓を有しているため、光通信用のファイバとして長年開発されてきた。フッ化物ガラス原料に含まれる残留酸化物はフッ化物ファイバの品質を低下させるため、酸性フッ化アンモニウム(NHFHF)等を混合することによって残留酸化物はフッ素化されている(非特許文献5)。すなわち、フッ化物ガラスを作製する上では、可能な限り酸化物を除去することが常識となっている。
しかし、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定のフッ化物ガラス中に、フッ化物以外のハロゲン化物を含有させることによって、広帯域に亘ってYb2+の発光強度を向上させることが可能であることを見出し、さらには、特定の酸化物のカチオンを適正に加えることにより、白色発光強度を損なうことなく励起波長帯を長波長へシフトさせる事が可能であることを見出した。
すなわち本発明は、AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%を含有するフッ化物ガラスに、発光中心となる2価希土類イオンとしてイッテルビウムイオンを含有する発光材料において、該フッ化物ガラスが、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物を1〜15モル%含有し、Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0.1〜20モル%含むことを特徴とする広帯域発光材料である。
前記の2価希土類イオンとしてのイッテルビウムイオンは、原料としてYbFやYbClなどYb化合物を添加し、還元雰囲気下でガラスを溶融することによってYb2+イオンを得ることができる。この時、Yb2+に還元されなかったYb化合物は、ガラス組成中に残留する。
また、本発明における「広帯域」とは視認可能な光に関係する波長380〜700nm程度の範囲を指すものとする。
また、本発明のフッ化物ガラスは、ガラス化前の原料中に酸素が混合した原料混合物を用いても、上記のイッテルビウムイオンを含有する発光材料が失活しないことがわかった。
すなわち本願発明は、AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物1〜15モル%、Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0〜20モル%含むフッ化物ガラスの原料と、イッテルビウムイオンを含有する原料とを混合して、原料混合物を得る工程、該原料混合物を還元雰囲気において溶融する工程、溶融した後、溶融物を冷却する工程、を有する広帯域発光材料の製造方法であって、該原料混合物を得る工程を酸素を含む条件下で行うことを特徴とする広帯域発光材料の製造方法である。
上記の原料混合物中には酸素を含み、該酸素は原料由来の酸素でも、雰囲気中に含まれる酸素が混合したものでもよい。前述したように、一般的にフッ化物ガラスを作製する上では可能な限り酸化物を除去する事が要求され、原料混合物中の残留酸素を除去する為に、酸素や酸化物をフッ素化させる為の酸性フッ化アンモニウム等のフッ素化剤を原料の他に加える。本発明の製造方法は該フッ素化剤を加えないものである。
本発明により、高い演色性を示す白色光源に利用可能な発光材料を得ることが可能となった。また、励起波長帯が長波長側へシフトする為、励起波長と蛍光波長の差が少なくなるため、発光効率の向上が期待できる。
No.1〜No.3のサンプルについて、波長500nmでモニタしたときの励起スペクトル。 No.1〜No.3のサンプルについて、波長375nmで励起させた発光スペクトル。
本発明は、AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%を含有するフッ化物ガラスに、発光中心となる2価希土類イオンとしてイッテルビウムイオンを含有する発光材料において、該フッ化物ガラスが、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物1〜15モル%含有し、Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0.1〜20モル%含むことを特徴とする広帯域発光材料である。
AlFは本発明のフッ化物ガラスを構成するガラス形成成分であり、組成中に20〜45モル%含有される。AlFが20モル%未満、又は45モル%を超えるとガラス化しにくくなる。また、好ましくは30〜40モル%としてもよい。
アルカリ土類フッ化物は前述したAlFと同様、本発明のフッ化物ガラスを構成するガラス形成成分であり、組成中に20〜63モル%含有される。該アルカリ土類フッ化物が20モル%未満、又は63モル%を超えるとガラスが結晶化し易くなることがある。また、好ましくは30〜48モル%としてもよい。
また、前述したアルカリ土類フッ化物の含有量は、MgFを0〜15モル%、CaFを7〜25モル%、SrFを0〜22モル%、及びBaFを0〜5モル%とするのが好ましい。上記のようなアルカリ土類フッ化物の各成分のバランスによって、発光時の色調が変化する。好ましくはMgFは5〜12モル%、CaFは10〜20モル%、SrFは5〜14モル%、及びBaFは0〜5モル%としてもよい。
Y、La、Gd、及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物は本発明のフッ化物ガラスを構成するガラス形成成分であり、組成中に3〜25モル%を含有される。本発明のようなフッ化物ガラスは潜在的にガラス化が困難な組成であるため、融液を急冷する等の操作を行うが、該フッ化物が3モル%未満、又は25モル%を超えると、前述した操作の過程で好適なガラスが得られないことがある。また、好ましくは10〜20モル%としてもよい。
Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物は1〜15モル%含有される。含有量が1モル%未満では発光強度が顕著に増加されず、また、15モル%を超えると結晶化し易くなる。また、好ましくは1〜12モル%含有するのがよい。特に、融点が極端に低くなく、かつフッ化物ガラスの溶融温度である800〜1200℃でも溶融可能なSrCl、CaCl、及びMgClを用いることにより、さらに結晶化し難くなり、蛍光の発光強度が増加するため好適である。
Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物は0.1〜20モル%の割合で含有される。20モル%を超えると、白色発光強度が低下しさらに結晶化が生じ易くなる。また、5モル%以上とすると、励起波長が長波長側へシフトする効果が顕著になるため好ましい。また、SrO及びMgOは高濃度に含有させてもガラスが結晶化し難いため好適に用いる事が可能である。
本発明は波長が190nm以上450nm以下の励起光で励起することによって蛍光を発する発光材料である。励起波長として190nm未満では、空気中を伝搬できないだけでなく、母材であるフッ化物ガラスの短波長側吸収端に近づくため、該母材が損傷を受けやすくなる。一方、450nmを超えると、Yb2+イオンの吸収係数が極端に低下するため効率の良い励起は困難になる。また、本発明は酸化物を含有させる事により、励起波長帯が長波長側へシフトした。励起波長帯が長波長側へシフトすると、励起波長と蛍光体の発光波長との差が小さくなるため、発光効率の向上が期待される。また、より波長の長い汎用励起光源、例えばブルーレイ機器の記録で使用される405nm帯光源等での励起も期待出来る。
上記のイッテルビウムイオンは、原料としてYbFやYbClなどのYb化合物を添加し、還元雰囲気下でガラスを溶融することによって得ることができる。この時、原料としてのYb化合物の添加量は、好ましい量を適宜選択すれば良いが、例えば本発明の場合は0.01〜1.0モル%含有させることにより、還元後に前述したYb2+の濃度とすることが可能である。また、Yb化合物の還元を促進するために、Alなどの金属を0.1モル%以下添加してもよい。
また、本発明の好適な実施形態のひとつは、前述した広帯域発光材料を一般的な蛍光体と同様、封止材料を用いて封止した広帯域発光材料(例えば特許文献6)。すなわち、本発明は前記広帯域発光材料が封止材料に分散されてなるのが好ましい。
上記の封止材料は特に限定するものではないが、ガラス、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、有機無機ハイブリッド組成物、もしくはそれらの混合物等が挙げられる。
また、当該実施形態において、蛍光体として用いる広帯域発光材料は、上記の封止材料中に1〜50質量%となるように混合するのが好ましい。混合する量が1質量%未満だと発光が不足し、50質量%を超えると蛍光体が沈降し、均一な材質が得られないなどの問題が生じやすくなる。
また、当該実施形態において、広帯域発光材料のメジアン径D50は1mm以下となるように粉砕するのが好ましい。また、1mmを超えると該広帯域発光材料が沈降し易くなることがある。また、通常の蛍光体粉末はメジアン径D50の下限値が1μm程度であることから1μm以上としてもよい。各広帯域発光材料を用いた蛍光体を封止した広帯域発光材料は、波長190nm以上、450nm以下のチッ化ガリウム系光源で励起することが可能である。
なお、本明細書でメジアン径d50とは、レーザ回折・散乱法により測定した粒度分布の積算値50%における粒子径の値である。
また、本願発明は、AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物1〜15モル%、Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0〜20モル%含むフッ化物ガラスの原料と、イッテルビウムイオンを含有する原料とを混合して、原料混合物を得る工程、該原料混合物を還元雰囲気において溶融する工程、溶融した後、溶融物を冷却する工程、を有する広帯域発光材料の製造方法であって、該原料混合物を得る工程を酸素を含む条件下で行うことを特徴とする広帯域発光材料の製造方法である。
前述したように、本発明を用いれば原料混合物に含まれる酸素や酸化物を除去する事なく広帯域発光材料を得る事が可能である。例えば、上記の原料混合物を得る工程の雰囲気は、大気中又は大気程度の濃度で酸素を含む気体中で行うのが好ましい。
また、上記の還元雰囲気としては、還元用ガス、又は不活性ガスに還元用ガスを混合した混合ガスを用いるのが好ましい。該還元用ガスとしては、水素、一酸化炭素、アンモニア等のガスが挙げられる。
また、溶融時の温度範囲としては800〜1300℃、前記温度での保持時間は10分〜240分が好ましく、例えば1100℃で60分維持するのが好適である。また、還元雰囲気を高温で処理するため、管状炉の中に坩堝を配置し、ヒーター加熱や高周波による誘導加熱等の手法をとってもよい。特にヒーターを用いて管状炉(例えば石英管を炉心に配置した電気炉)を加熱する場合、1100℃以上にすると石英管が劣化もしくは変形する可能性があるため、ヒーターを用いて管状炉を使用する場合は、加熱温度としては1100℃が望ましい。
また、冷却工程は、還元雰囲気中で実施されるのが望ましいが、不活性ガス中で行ってもよい。融液の冷却方法としては、坩堝のまま金属板の上に静置して冷却しても良いし、融液を急冷ロールを用いて粉砕したり、ガスアトマイズなどを用いて微粒子化しながら急冷却しても良い。
本発明の実施例及び比較例を以下に記載する。
実施例1
表1に示した化合物を出発原料とし、表1中のNo.1、2に示したモル%となるように調合したガラス原料をグラッシーカーボンるつぼに投入し、原料に含まれる残留酸化物をフッ素化するため酸性フッ化アンモニウムを外配で1wt%加えた後、還元雰囲気(水素ガスを3体積%含有した窒素ガス中)において1000℃で1時間溶融した後、るつぼごと銅ブロック上で冷却しサンプルを得た。尚、原料の調合、溶融、冷却までの全工程を窒素雰囲気下(酸素濃度および水分量はいずれも1ppm以下)で行った。
比較例1
表1に示した化合物を出発原料とし、表1中のNo.4〜No.9に示したモル%となるように調合したガラス原料を用いた以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。No.3はNo.1に対し、Mgカチオンの含有量が変わらないように、MgOの全量をMgFに変えた。No.4、5はNo.1に対し、Alカチオンの含有量が変わらないように、AlFの一部または全量をAlに変えた。No.6はNo.1に対し、Caカチオンの含有量が変わらないように、CaFの全量をCaOに変えた。No.7はNo.1に対し、Yカチオンの含有量が変わらないように、YFの全量をYに変えた。No.8はフッ化物以外のハロゲン化物を含有せず、酸化物も含有しない組成である。No.9はフッ化物以外のハロゲン化物を含有しない組成である。
Figure 2015229724
<XRDスペクトルの測定>
得られたサンプルについて、X線回折装置(RIGAKU製Ultima3)を用いてXRDスペクトルを測定したところ、サンプル1〜3、8、9はハローパターンが得られ、結晶化していないことが示された。他のサンプル4〜7はいずれも結晶化が見られ、本発明の目的には適さないものであった。
<発光スペクトル及び励起スペクトルの測定>
得られたサンプルについて、蛍光分光光度計(日本分光製FP6500)を用いて、以下のように励起スペクトル及び発光スペクトルを測定した。尚、サンプル8、9は励起スペクトル及び発光スペクトル共に強度が小さく、発光材料として適さないものであることがわかった。
(励起スペクトルの測定)
No.1〜No.3のサンプルについて、発光波長を500nmとした時の励起スペクトルを測定した。得られた励起スペクトルを図1に示した。図1より、酸化物導入量が増えるに従って、励起スペクトルが長波長側にシフトし、波長400nm以上まで分布するようになることが分かる。すなわち、酸化物を導入することによって、より波長の長い汎用励起光源(たとえば、ブルーレイ機器の記録で使用される405nm帯光源)等でも励起できる可能性があることがわかった。
(発光スペクトルの測定)
No.1〜3のサンプルについて、波長375nmで励起させその発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルを図2に示した。No.1〜No.3の全サンプルにおいて、波長400〜700nmにわたる広帯域な発光スペクトルが得られた。すなわち、酸化物原料を導入しても広帯域な発光が維持されることが確認できた。
<量子効率の測定>
No.1〜No.3、8、9のサンプルについて、内部量子効率と外部量子効率を測定し、表1に示した。内部量子効率及び外部量子効率の測定は、非特許文献4の記載に準じ、積分球(日本分光製ILF−533)が接続された蛍光分光光度計(日本分光製FP−6500)を用いて、積分球内に進入した励起光スペクトルの積分強度をA、サンプルで吸収された励起光スペクトルの積分強度をB、サンプルから放出された蛍光スペクトルの積分強度をCとして、外部量子効率をC/A、内部量子効率をC/Bで求めた。
内部量子効率及び外部量子効率はその値が高い程、発光効率が高いことを意味する。表1より、No.3に比べNo.1の方が、より高い発光効率を示していることがわかった。また、No.2はNo.1、No.3よりも発光強度は低下したが、酸化物成分を20モル%含有する組成であっても著しい失活は生じないことがわかった。また、フッ化物以外のハロゲン化物を含有しない組成であるNo.8、9は内部量子効率、外部量子効率共に低い値となった。
以上より、ガラス組成に適量の酸化物を含有させても高い発光効率を有する発光材料が実現できることが確認できた。
実施例2
表1に示した化合物を出発原料とし、表1中のNo.3に示したモル%となるように大気中で調合した。次に混合した原料混合物を窒素雰囲気(水素ガスを3体積%含有した窒素ガス中)下に移動し、残留酸化物を除去する酸性フッ化アンモニウムを加えずに、1000℃で1時間溶融した後、るつぼごと銅ブロック上で冷却しサンプルを得た。
励起および発光スペクトルを図1および図2にそれぞれ示す。その結果、広帯域に発光するガラスが得られ、励起スペクトルが酸化物を含有した組成であるNo.1、2と同様に長波長側へシフトする事がわかった。また、発光スペクトルは、酸性フッ化アンモニウムを加えて作製したサンプル(No.3)に比べると、長波長側の成分が低下していることから、Ybイオンの周辺構造が僅かに変化していることがわかった。さらに、前述の方法で量子効率を測定したところ、内部量子効率は49%、外部量子効率は38%となり、表1中のNo.3よりも高い発光効率が得られた。すなわち、残留酸素を除去しなくとも量子効率を大きく損なわないことが明らかとなった。
実施例3
表1のNo.1のサンプルを用いて、該サンプルをジェットミル粉砕機(日清エンジニアリング製、SJ−100)を用いてメジアン径D50=約50μmになるように粉砕し発光材料の粉末を得た。その後、得られた粉末を5質量%となる割合でシリコーン樹脂(信越化学工業製、SCR−1011(A/B))と混合したのち、約150℃で5時間加熱し硬化させた。
得られた硬化体を紫外LED(日亜化学工業製、NC4U134、中心波長385nm)の上に配置したところ白色発光が得られた。以上より、本発明による広帯域発光材料は粉砕し、樹脂やガラス中に封止することによって発光素子の上に実装可能であることが確認できた。

Claims (4)

  1. AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%を含有するフッ化物ガラスに、発光中心となる2価希土類イオンとしてイッテルビウムイオンを含有する発光材料において、
    該フッ化物ガラスが、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物を1〜15モル%含有し、
    Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0.1〜20モル%含むことを特徴とする広帯域発光材料。
  2. 前記アルカリ土類フッ化物は、MgFを0〜15モル%、CaFを7〜25モル%、SrFを0〜22モル%、及びBaFを0〜5モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の広帯域発光材料。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の広帯域発光材料であり、該広帯域発光材料が封止材料に分散していることを特徴とする広帯域発光材料。
  4. AlFを20〜45モル%、アルカリ土類フッ化物を20〜63モル%、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のフッ化物を3〜25モル%、Al、Ba、Sr、Ca、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種とCl、Br、及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種とからなるハロゲン化物1〜15モル%、Al、Ba、Sr、Ca、Mg、及びYからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を0〜20モル%含むフッ化物ガラスの原料と、イッテルビウムイオンを含有する原料とを混合して、原料混合物を得る工程、
    該原料混合物を還元雰囲気において溶融する工程、
    溶融した後、溶融物を冷却する工程、を有する広帯域発光材料の製造方法であって、該原料混合物を得る工程を酸素を含む条件下で行うことを特徴とする広帯域発光材料の製造方法。
JP2014116371A 2014-06-05 2014-06-05 広帯域発光材料 Pending JP2015229724A (ja)

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