JP2015225748A - カード用トレイ及びカード用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】カード用コネクタに対するカード用トレイの誤挿入を防止する。【解決手段】カード用コネクタ2の挿入空間S1に挿入されるカード用トレイ1であって、前板部11と、前板部11から前記挿入方向に延在する2以上の側板部12と、側板部12の任意の2つの先端部同士を結ぶ奥板部13とを備え、側板部12の少なくとも1つが、前記挿入方向に延在する溝12dを有し、カード用コネクタ2に正しい姿勢で挿入されたときは、溝12dがカード用コネクタ2側の突起片152に係合してカード用コネクタ2への挿入をガイドし、カード用コネクタ2に上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、側板部12の先端部が、挿入空間S1の挿入口S2縁部又は突起片152に当接してカード用コネクタ2への誤挿入を規制する。【選択図】図1
Description
本発明は、カード用トレイ及びカード用コネクタに関する。
従来、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器においては、SIM(Subscriber Identity Module)カード、MMC(R)(Multi Media Card)、SD(R)(Secure Digital)カード、miniSD(R)カード、xDピクチャーカード(R)(xD−Picture card)、メモリスティック(R)、メモリスティックDuo(R)、スマートメディア(R)、Trans−Flash(R)メモリカード、マイクロSD(R)カード等の各種メモリカードを利用するために、カード用コネクタを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
メモリカードは、通常、底面に複数の接続パッドを有し、カード用コネクタに正しい姿勢で挿入すると、メモリカードの接続パッドがカード用コネクタ内の接続端子と接触して導通されるが、上下反転姿勢でカード用コネクタに挿入したときは、挿入が規制されるようになっている。その理由は、メモリカード自体が誤挿入防止のために非対称形状を有し、該非対称形状を利用して誤挿入を防止するようにカード用コネクタの挿入空間が設計されているからである。
近年、電子機器の急速な小型化に伴って、メモリカード及びカード用コネクタは、急速に小型化される傾向にある。そのため、ユーザが手指によってメモリカードを把持したり、カード用コネクタに適切に挿入することが困難になりつつある。そこで、メモリカードをあらかじめカード用トレイにセットしておき、該カード用トレイを挿入するカード用コネクタが提案されている。このようなカード用コネクタによれば、メモリカードの挿入が容易になるだけでなく、メモリカードの形状変更にも容易に対応でき、さらには、複数のメモリカードをカード用トレイにセットしてカード用コネクタに同時挿入することも可能になる。
しかしながら、カード用トレイを挿入する従来のカード用コネクタでは、メモリカードの非対称形状を利用してカード用トレイに対する誤セットを防止しているものの、カード用トレイが上下反転姿勢で誤挿入される可能性があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、カード用コネクタに対するカード用トレイの誤挿入を防止することができるカード用トレイ及びカード用コネクタの提供を目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、本発明のカード用トレイは、カード用コネクタの挿入空間に挿入されるカード用トレイであって、前板部と、前記前板部から前記挿入方向に延在する2以上の側板部と、前記側板部の任意の2つの先端部同士を結ぶ奥板部とを備え、前記側板部の少なくとも1つが、前記挿入方向に延在する溝を有し、前記カード用コネクタに正しい姿勢で挿入されたときは、前記溝が前記カード用コネクタ側の突起片に係合して前記カード用コネクタへの挿入をガイドし、前記カード用コネクタに上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、前記側板部の先端部が、前記挿入空間の挿入口縁部又は前記突起片に当接して前記カード用コネクタへの誤挿入を規制する。
また、本発明のカード用コネクタは、前述のカード用トレイを挿入する挿入空間を備えたカード用コネクタであって、前記カード用トレイを収容するハウジングと、前記ハウジングに取付けられ、前記挿入空間の少なくとも一部を覆うカバー部材とを備え、前記カバー部材又は前記ハウジングが、前記挿入空間に突出する1以上の突起片を有し、前記カード用トレイが正しい姿勢で挿入されたときは、前記突起片が前記カード用トレイ側の溝に係合して前記カード用トレイの挿入をガイドし、前記カード用トレイが上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、前記挿入空間の挿入口縁部又は前記突起片が前記カード用トレイの先端部に当接して前記カード用トレイの誤挿入を規制する。
本発明のカード用トレイやカード用コネクタによれば、カード用コネクタに対するカード用トレイの誤挿入を防止することができる。
[カード用トレイ及びカード用コネクタの基本的な構成]
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明の実施形態に係るカード用トレイ及びカード用コネクタの基本的な構成について、図1〜図5を参照して説明する。
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明の実施形態に係るカード用トレイ及びカード用コネクタの基本的な構成について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態においてカード用コネクタにカード用トレイを正しい姿勢で挿入する動作を示す斜視図、図2は本発明の実施形態においてカード用コネクタにカード用トレイを正しい姿勢で挿入する動作を別角度から見た斜視図である。
これらの図に示すように、本発明の実施形態に係るカード用トレイ1は、メモリカード3を収容した状態で、電子機器(図示せず)に取付けられたカード用コネクタ2の挿入空間S1(挿入口S2)に挿入される。つまり、メモリカード3は、カード用トレイ1に収容され、カード用コネクタ2を介して電子機器に装着される。なお、電子機器は、たとえば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等であるが、いかなる種類の機器であってもよい。
これらの図に示すように、本発明の実施形態に係るカード用トレイ1は、メモリカード3を収容した状態で、電子機器(図示せず)に取付けられたカード用コネクタ2の挿入空間S1(挿入口S2)に挿入される。つまり、メモリカード3は、カード用トレイ1に収容され、カード用コネクタ2を介して電子機器に装着される。なお、電子機器は、たとえば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等であるが、いかなる種類の機器であってもよい。
また、メモリカード3は、たとえば、SIMカード、MicorSIMカード、MMC(R)、SD(R)カード、miniSD(R)カード、xDピクチャーカード(R)、メモリスティック(R)、メモリスティックDuo(R)、スマートメディア(R)、Trans−Flash(R)メモリカード等のメモリカードであり、いかなる種類のメモリカードであってもよいが、本実施形態においては、マイクロSD(microSD)(R)カードであるものとして説明する。
本実施形態において、メモリカード3は、図1に示されるように、全体的に板形状を有し、その下面に電極パッド(図示せず)が複数配設されている。また、メモリカード3の左右の側縁のうちの一方の側縁の中間縁(たとえば右側縁の中間縁)には、斜めに切欠かれた切欠き部3aが形成されている。
なお、本実施形態において、カード用トレイ1、カード用コネクタ2及びメモリカード3の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、カード用トレイ1、カード用コネクタ2、メモリカード3又はそれらの部品が図に示される姿勢である場合に適切であるが、カード用トレイ1、カード用コネクタ2、メモリカード3又はそれらの部品の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
カード用トレイ1としては、金属板材に打抜き、折曲げ等の加工を施して一体的に形成された金属部材や、金型を用いて一体的に射出成形された樹脂部材が用いられる。本実施形態のカード用トレイ1は、前板部11と、前板部11の左右両端部から前後方向(挿入方向)に延在する左右の側板部12と、左右の側板部12の先端部(後端)同士を結ぶ奥板部13とを一体的に備えており、左右の側板部12間にメモリカード3が収容される。
前板部11は、カード用コネクタ2の挿入口S2、又は、カード用コネクタ2が実装される電子機器の筐体に形成された貫通孔(図示せず)を塞ぎ得る形状を有し、その一端部(たとえば右端部)には、トレイ取出し操作時にピン状のトレイ取出し操作具を挿入するための孔11aが形成され、また、前板部11の後面部には、カード用トレイ1に収容されたメモリカード3の前端縁を位置決めする前端位置決め部11bが突設されている。
左右の側板部12は、カード用トレイ1に収容されたメモリカード3の側縁と下面を位置決めする段差状の側縁位置決め部12aを有する。また、左右いずれか一方の側板部12(たとえば右側側板部12)には、カード用トレイ1に収容されたメモリカード3の中間縁(切欠き部3a)を位置決めする中間位置決め部12bが形成されている。そして、中間位置決め部12bは、メモリカード3の中間縁を位置決めするにあたり、メモリカード3の左右の側縁のうち、いずれか一方の側縁の中間に形成される切欠き部3aを位置決めすることにより、上下反転姿勢等の誤った姿勢でメモリカード3がカード用トレイ1に収容されることを防止している。なお、左右の側板部12間は開口部となっており、カード用トレイ1に収容されたメモリカード3の電極パッドが開口部を介して下方に露出し、カード用コネクタ2の端子161との接触が可能になる。
また、左右いずれか一方の側板部12(たとえば右側側板部12)は、外側部に溝状の切欠き部12cを有する。この切欠き部12cは、カード用トレイ1をカード用コネクタ2に挿入した際、正規の挿入位置まで挿入されたカード用トレイ1をカード用コネクタ2側で抜止めするための係合溝として機能する。
図3の(a)〜(h)はカード用トレイの変形パターンを示す図である。
これらの図に示すように、カード用トレイ1としては、1つのメモリカード3を収容するものに限定されず、複数のメモリカード3を収容するものが含まれる。また、収容する複数のメモリカード3は、同一寸法(規格)のものに限定されず、異なる寸法(規格)のメモリカード3を含むようにしてもよい。
これらの図に示すように、カード用トレイ1としては、1つのメモリカード3を収容するものに限定されず、複数のメモリカード3を収容するものが含まれる。また、収容する複数のメモリカード3は、同一寸法(規格)のものに限定されず、異なる寸法(規格)のメモリカード3を含むようにしてもよい。
たとえば、図3の(a)では、所定寸法のメモリカード3Aを1つ収容するカード用トレイ1Aを示しているが、図3の(b)、(c)に示すように、同一寸法のメモリカード3Aを左右方向に並ぶように複数収容するカード用トレイ1B、1Cとしてもよい。この場合、前板部11から3以上の側板部12が延在し、その先端部同士が奥板部13で結ばれる。
また、図3の(d)に示すように、前後寸法が異なる複数のメモリカード3A、3Bを左右方向に並ぶように収容するカード用トレイ1Dとしてもよい。この場合、カード用トレイ1Dの先端位置(奥板部13の前後位置)は不揃いとなってもよい。
また、図3の(e)に示すカード用トレイ1Eのように、同一寸法のメモリカード3Bを前後方向に並ぶように複数収容したり、図3の(f)、(g)に示すカード用トレイ1F、1Gのように、同一寸法のメモリカード3Bを前後及び左右方向に並ぶように複数収容したり、図3の(h)に示すカード用トレイ1Hのように、寸法が異なる複数のメモリカード3B、3Cを前後方向に並ぶように複数収容してもよい。この場合、前後に並ぶメモリカード3B、3Cの収容位置は、側板部12の中間部同士を結ぶ中板部14によって仕切ることができる。
つぎに、本発明の実施形態に係るカード用コネクタ2について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は本発明の実施形態に係るカード用コネクタを示す斜視図、図5は本発明の実施形態に係るカード用コネクタを別角度から見た斜視図である。
これらの図に示すように、本発明の実施形態に係るカード用コネクタ2は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に成形されたハウジング111と、金属から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって一体的に成形され、ハウジング111の上側に取付けられたカバー部材151とを有する。ハウジング111とカバー部材151との間には、一方が挿入口S2として開口された挿入空間S1が形成され、この挿入空間S1に前述したカード用トレイ1が挿入される。
これらの図に示すように、本発明の実施形態に係るカード用コネクタ2は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に成形されたハウジング111と、金属から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって一体的に成形され、ハウジング111の上側に取付けられたカバー部材151とを有する。ハウジング111とカバー部材151との間には、一方が挿入口S2として開口された挿入空間S1が形成され、この挿入空間S1に前述したカード用トレイ1が挿入される。
ハウジング111は、メモリカード3の電極パッド配列に対応した複数の端子161(図6参照)を備える。これらの端子161は、カード用コネクタ2を電子機器の回路基板4(図6参照)に実装する際、回路基板4の回路パターンに接続される。つまり、メモリカード3が収容されたカード用トレイ1をカード用コネクタ2に挿入すると、メモリカード3の電極パッドが挿入空間S1内へ延在する端子161に接触し、回路基板4の回路パターンに導通される。
また、カード用コネクタ2の一側部(たとえば右側部)には、挿入されたカード用トレイ1を抜止め状に保持するとともに、所定の取出し操作に応じてカード用トレイ1の一部を挿入口S2から押出すトレイ取出し機構(図示せず)が設けられている。つまり、トレイ取出し機構は、カード用トレイ1をカード用コネクタ2に挿入した際、カード用トレイ1の切欠き部12cに係合することにより、挿入されたカード用トレイ1を正規の挿入位置で抜止め保持する。また、トレイ取出し機構は、カード用トレイ1が挿入された状態において、カード用トレイ1の孔11aからピン状のトレイ取出し操作具を挿入し、トレイ取出し機構の操作片112を操作すると、その挿入力で切欠き部12cとの係合を解除して、カード用トレイ1の一部を挿入口S2から押出す。これにより、カード用トレイ1を手指でカード用コネクタ2から取出すことが可能になる。なお、トレイ取出し機構は、特に限定されるものではなく、イジェクトバー式やレバー式、プッシュ―プッシュ式と称される公知のトレイ取出し機構を用いてもよい。
[カード用トレイ及びカード用コネクタの特徴的な構成]
つぎに、本発明の実施形態に係るカード用トレイ1及びカード用コネクタ2の特徴的な構成について、図1〜図7を参照して説明する。
つぎに、本発明の実施形態に係るカード用トレイ1及びカード用コネクタ2の特徴的な構成について、図1〜図7を参照して説明する。
図6の(a)は本発明の実施形態においてカード用コネクタにカード用トレイを正しい姿勢で挿入する動作を示す図2のA−A断面図、(b)は本発明の実施形態においてカード用コネクタにカード用トレイを上下反転姿勢で挿入する動作を示す断面図、図7は本発明の実施形態に係るカード用トレイの図2のB−B概略断面図である。なお、図6の(a)の示すA−A断面図は、図2のA−Aの位置で上下に切断した状態を左側面から見た図であり、図7の示すB−B断面図は、図2のB−Bの位置で上下に切断した状態をカード用トレイの挿入方向から見た図である。
図1、図2、図6、図7に示すように、カード用トレイ1は、側板部12の上面に前後方向(挿入方向)に延在する溝12dを有する。本実施形態では、左右の側板部12に溝12dを形成しているが、いずれか一方の側板部12だけに溝12dを形成してもよい。また、図3に示すように、3以上の側板部12を備えるカード用トレイ1においては、3以上の側板部12に溝12dを形成してもよい。
図1、図2、図6、図7に示すように、カード用トレイ1は、側板部12の上面に前後方向(挿入方向)に延在する溝12dを有する。本実施形態では、左右の側板部12に溝12dを形成しているが、いずれか一方の側板部12だけに溝12dを形成してもよい。また、図3に示すように、3以上の側板部12を備えるカード用トレイ1においては、3以上の側板部12に溝12dを形成してもよい。
溝12dは、側板部12の先端部(後端)を始点とし、前後方向(挿入方向)に所定の長さ寸法を有するように形成されるが、側板部12の前後方向(挿入方向)のほぼ全域にわたって溝12dが形成されることが好ましい。その理由は後述する。
一方、カード用コネクタ2のカバー部材151は、挿入空間S1に突出する1以上の突起片152を有する。突起片152の数は、カード用トレイ1に設けられる溝12dの数に対応して設定され、突起片152の左右位置も、カード用トレイ1に設けられる溝12dの位置に対応して設定される。
このような構成によれば、図6の(a)に示すように、カード用トレイ1が正しい姿勢でカード用コネクタ2の挿入空間S1に挿入されたとき、カード用コネクタ2側の突起片152がカード用トレイ1側の溝12dに係合してカード用トレイ1の挿入をガイドすることができる。また、図6の(b)に示すように、カード用トレイ1が上下反転姿勢でカード用コネクタ2の挿入空間S1に挿入されようとしたときは、突起片152と溝12dの係合が成立しないため、カード用トレイ1の誤挿入を規制することができる。
突起片152は、挿入空間S1の奥側に設けることも可能であるが、本実施形態のように挿入口S2の近傍に設けることが好ましい。その理由は、側板部12の前後方向(挿入方向)のほぼ全域にわたって溝12dが形成されたカード用トレイ1との組み合わせにより、カード用トレイ1の挿入開始から挿入完了までのほぼ全ての挿入ストロークにおいて、突起片152と溝12dを係合させてカード用トレイ1の挿入をガイドできるからである。また、誤挿入時にカード用トレイ1(側板部12)の先端部を突起片152に当接させる場合には、挿入口S2の近傍でカード用トレイ1の誤挿入を規制し、誤挿入による端子161の破損等を防止できるという利点がある。
本実施形態の突起片152は、カバー部材151の一部を切り起こして形成されている。このような形成方法によれば、突起片152を安価に設けることが可能になる。突起片152を切り起こし形成する場合、カード用トレイ1の挿入方向を向く折り曲げ線153に沿って突起片152を切り起こすことが好ましい。その理由は、カード用トレイ1から挿入方向の負荷を受けても、突起片152が変形しにくくなるからである。なお、本実施形態では、突起片152を単に切り起こし形成しているが、突起片152の先端部にL字状や折り返し状の曲げ部を形成してもよい。このようにすると、カバー部材151の厚さ寸法に拘わらず、突起片152において任意の左右幅を確保できるだけでなく、突起片152の強度を補強できるという利点がある。
なお、本実施形態では、挿入空間S1の上側(カバー部材151)に突起片152を設けているが、挿入空間S1の下側(ハウジング111)に突起片を設けてもよい。この場合、突起片と係合する溝は、カード用トレイ1において側板部12の下面に形成される。
さらに、本実施形態のカード用トレイ1及びカード用コネクタ2は、カード用トレイ1の誤挿入防止を目的として下記の構成を有する。
図7に示すように、本実施形態のカード用トレイ1においては、側板部12の先端部同士を結ぶ奥板部13の下面が、少なくとも1つの側板部12の先端下面よりも上方に位置する。本実施形態では、左右の側板部12の下面が前後方向(挿入方向)の全域において同一レベルに位置するので、それよりも上方に位置するように奥板部13の下面位置が設定される。これにより、カード用トレイ1の先端部下面には、図7に示すように、左右が側板部12、上方が奥板部13で囲まれた逆凹形状の逃げ空間S3が形成される。
一方、カード用コネクタ2は、ハウジング111の床面部に挿入空間S1に突出する突出部113を有する。この突出部113は、挿入空間S1の左右幅方向において、挿入空間S1に挿入されるカード用トレイ1の奥板部13の下面と対向する位置に設けられ、その突出高さは、逃げ空間S3の高さよりも低く設定されている。なお、本実施形態の突出部113は、カード用トレイ1の挿入ガイドとしても機能するように、左右の側板部12の内側面に沿って2つ設けられているが、突出部113の数は、1つでもよいし、3以上であってもよい。また、本実施形態の突出部113は、挿入空間S1における挿入口S2の近傍から挿入空間S1の挿入方向中間位置まで延在しているが、少なくとも挿入口S2の近傍に設けられていればよい。
このような構成によれば、図6の(a)に示すように、カード用トレイ1が正しい姿勢でカード用コネクタ2の挿入空間S1に挿入されたときは、カード用トレイ1の奥板部13が、挿入空間S1の床部に設けられる突出部113の上方を通過することにより、カード用トレイ1の挿入が許容されるが、図6の(b)に示すように、カード用トレイ1が上下反転姿勢でカード用コネクタ2の挿入空間S1に挿入されようとしたときは、突出部113にカード用トレイ1の奥板部13の上面が乗り上げることにより、カード用トレイ1の側板部12の先端が挿入口S2から上方にはみ出して、挿入口S2の上縁部(カバー部材151の前端部)に当接し、カード用コネクタ2に対するカード用トレイ1の誤挿入が規制される。
以上に述べた実施形態によれば、カード用コネクタ2の挿入空間S1に挿入されるカード用トレイ1であって、前板部11と、前板部11から前記挿入方向に延在する2以上の側板部12と、側板部12の任意の2つの先端部同士を結ぶ奥板部13とを備え、側板部12の少なくとも1つが、前記挿入方向に延在する溝12dを有し、カード用コネクタ2に正しい姿勢で挿入されたときは、溝12dがカード用コネクタ2側の突起片152に係合してカード用コネクタ2への挿入をガイドし、カード用コネクタ2に上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、側板部12の先端部が、挿入空間S1の挿入口S2縁部又は突起片152に当接してカード用コネクタ2への誤挿入を規制することができる。
また、本実施形態のカード用トレイ1では、溝12dが、複数の側板部12の2つに設けられているので、2つの溝12dをそれぞれカード用コネクタ2側の突起片152に係合させれば、1つの溝12dでカード用トレイ1を挿入ガイドする場合に比べ、安定した挿入ガイドを行うことが可能になる。
また、本実施形態のカード用トレイ1では、溝12dが、側板部12における前記挿入方向のほぼ全域にわたって設けられているので、カード用トレイ1の挿入開始から挿入完了までのほぼ全ての挿入ストロークにおいて、突起片152と溝12dを係合させてカード用トレイ1の挿入をガイドすることができる。
また、本発明の実施形態に係るカード用コネクタ2によれば、カード用トレイ1を収容するハウジング111と、ハウジング111に取付けられ、挿入空間S1の少なくとも一部を覆うカバー部材151とを備え、カバー部材151又はハウジング111が、挿入空間S1に突出する1以上の突起片152を有し、カード用トレイ1が正しい姿勢で挿入されたときは、突起片152がカード用トレイ1側の溝12dに係合してカード用トレイ1の挿入をガイドし、カード用トレイ1が上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、挿入空間S1の挿入口S2縁部又は突起片152がカード用トレイ1の先端部に当接してカード用トレイ1の誤挿入を規制することができる。
また、本実施形態のカード用コネクタ2では、突起片152が、2つ設けられているので、2つの突起片152をそれぞれカード用トレイ1側の溝12dに係合させれば、1つの突起片152でカード用トレイ1を挿入ガイドする場合に比べ、安定した挿入ガイドを行うことが可能になる。
また、本実施形態のカード用コネクタ2では、突起片152が、挿入空間S1の挿入口S2近傍に設けられているので、側板部12の前後方向(挿入方向)のほぼ全域にわたって溝12dが形成されたカード用トレイ1との組み合わせにより、カード用トレイ1の挿入開始から挿入完了までのほぼ全ての挿入ストロークにおいて、突起片152と溝12dを係合させてカード用トレイ1の挿入をガイドすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1…カード用トレイ、11…前板部、12…側板部、12d…溝、13…奥板部、2…カード用コネクタ、111…ハウジング、113…突出部、151…カバー部材、152…突起片、161…端子、3…メモリカード、4…回路基板、S1…挿入空間、S2…挿入口、S3…逃げ空間
Claims (6)
- カード用コネクタの挿入空間に挿入されるカード用トレイであって、
前板部と、
前記前板部から前記挿入方向に延在する2以上の側板部と、
前記側板部の任意の2つの先端部同士を結ぶ奥板部とを備え、
前記側板部の少なくとも1つが、前記挿入方向に延在する溝を有し、
前記カード用コネクタに正しい姿勢で挿入されたときは、前記溝が前記カード用コネクタ側の突起片に係合して前記カード用コネクタへの挿入をガイドし、
前記カード用コネクタに上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、前記側板部の先端部が、前記挿入空間の挿入口縁部又は前記突起片に当接して前記カード用コネクタへの誤挿入を規制することを特徴とするカード用トレイ。 - 前記溝が、前記複数の側板部の2つに設けられている請求項1に記載のカード用トレイ。
- 前記溝が、前記側板部における前記挿入方向のほぼ全域にわたって設けられている請求項1又は2に記載のカード用トレイ。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のカード用トレイを挿入する挿入空間を備えたカード用コネクタであって、
前記カード用トレイを収容するハウジングと、
前記ハウジングに取付けられ、前記挿入空間の少なくとも一部を覆うカバー部材とを備え、
前記カバー部材又は前記ハウジングが、前記挿入空間に突出する1以上の突起片を有し、
前記カード用トレイが正しい姿勢で挿入されたときは、前記突起片が前記カード用トレイ側の溝に係合して前記カード用トレイの挿入をガイドし、
前記カード用トレイが上下反転姿勢で挿入されようとしたときは、前記挿入空間の挿入口縁部又は前記突起片が前記カード用トレイの先端部に当接して前記カード用トレイの誤挿入を規制することを特徴とするカード用コネクタ。 - 前記突起片が、2つ設けられている請求項4に記載のカード用コネクタ。
- 前記突起片が、前記挿入空間の挿入口近傍に設けられている請求項4又は5に記載のカード用コネクタ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014108916A JP2015225748A (ja) | 2014-05-27 | 2014-05-27 | カード用トレイ及びカード用コネクタ |
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