JP2015222369A - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents
撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】レンズ全長の短縮化を実現した撮像レンズおよびこの撮像レンズを備えた撮像装置を実現する。
【解決手段】撮像レンズが、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズL1と、負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズL5と、負の屈折力を有する第6レンズL6とから構成される実質的に6個のレンズからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】撮像レンズが、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズL1と、負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズL5と、負の屈折力を有する第6レンズL6とから構成される実質的に6個のレンズからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求を満たすために、レンズ枚数が比較的多い5枚構成の撮像レンズが提案されており、さらなる高性能化のためにレンズ枚数をより多くした6枚以上のレンズを備えた撮像レンズも提案されている。例えば、下記特許文献1乃至特許文献5には6枚構成の撮像レンズが提案されている。
ここで、特に携帯端末、スマートフォンまたはタブレット端末のような薄型化が進む装置に用いられる撮像レンズには、レンズ全長の短縮化の要求が益々高まっている。このため、上記特許文献1〜5に記載された撮像レンズは、さらにレンズ全長が短縮化されることが好ましい。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、レンズ全長を短縮化し、高画素化の要求の満たす撮像素子に対応可能に中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の第1の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする。
f23/f<−2.5 (1)
ただし、
f23:第2レンズと第3レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離
f23/f<−2.5 (1)
ただし、
f23:第2レンズと第3レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離
本発明の第2の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズと、正の屈折力を有し、像側に凸面を向けた第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなることを特徴とする。
なお、本発明の第1および第2の撮像レンズにおいて、「実質的に6個のレンズからな」るとは、本発明の撮像レンズが、6個のレンズ以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明の第1および第2の撮像レンズにおいて、さらに次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明の第1の撮像レンズにおいて、第3レンズが像側に凸面を向けていることが好ましい。
また、本発明の第1および第2の撮像レンズにおいて、第2レンズの物体側の面より物体側に配置された開口絞りをさらに備えることが好ましい。
本発明の第1および第2の撮像レンズは、以下の条件式(2)〜(13)、条件式(1−1)〜(3−1)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
f23/f<−2.8 (1−1)
2<f34/f<4.5 (2)
2.2<f34/f<4.2 (2−1)
−7.8<f56/f<−1.2 (3)
−6.8<f56/f<−2.2 (3−1)
−1.75<f2/f<−1.3 (4)
2<f3/f<9 (5)
15<f4/f<120 (6)
−5<f3/f2<−1 (7)
1.15<f1/f5<3 (8)
1<CT3/CT4<6 (9)
1.7<CT5/CT6<5 (10)
2.3<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8.5 (11)
−20<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−3.5 (12)
0.5<f・tanω/L6r<20 (13)
ただし、
f:全系の焦点距離
f23:第2レンズと第3レンズとの合成焦点距離
f34:第3レンズと第4レンズとの合成焦点距離
f56:第5レンズと第6レンズとの合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f3:第3レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
CT3:第3レンズの光軸上の厚み
CT4:第4レンズの光軸上の厚み
CT5:第5レンズの光軸上の厚み
CT6:第6レンズの光軸上の厚み
L3r:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L3f:第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
L6f:第6レンズの物体側の面の近軸曲率半径
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
f23/f<−2.8 (1−1)
2<f34/f<4.5 (2)
2.2<f34/f<4.2 (2−1)
−7.8<f56/f<−1.2 (3)
−6.8<f56/f<−2.2 (3−1)
−1.75<f2/f<−1.3 (4)
2<f3/f<9 (5)
15<f4/f<120 (6)
−5<f3/f2<−1 (7)
1.15<f1/f5<3 (8)
1<CT3/CT4<6 (9)
1.7<CT5/CT6<5 (10)
2.3<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8.5 (11)
−20<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−3.5 (12)
0.5<f・tanω/L6r<20 (13)
ただし、
f:全系の焦点距離
f23:第2レンズと第3レンズとの合成焦点距離
f34:第3レンズと第4レンズとの合成焦点距離
f56:第5レンズと第6レンズとの合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f3:第3レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
CT3:第3レンズの光軸上の厚み
CT4:第4レンズの光軸上の厚み
CT5:第5レンズの光軸上の厚み
CT6:第6レンズの光軸上の厚み
L3r:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L3f:第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
L6f:第6レンズの物体側の面の近軸曲率半径
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
本発明の第1および第2の撮像レンズによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、レンズ全長を短縮化し、高画素化の要求の満たす撮像素子に対応可能に中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、本発明の高い結像性能を有する第1または第2撮像レンズのいずれかによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第6の実施形態に係る数値実施例(表3〜表12)のレンズ構成に対応する第2乃至第6の構成例の断面構成を、図2〜図6に示す。図1〜図6において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図6の構成例についても説明する。また、図7は図1に示す撮像レンズにおける光路図であり、無限遠物体に合焦した状態における軸上光束2、最大画角の光束3の各光路および最大画角の半値ωを示す。なお、最大画角の光束3において、最大画角の主光線4を一点鎖線で示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6を備えている。
図14に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(図1〜6における像面R16)に配置される。
図15に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
第6レンズL6と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていてもよい。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていてもよい。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたもの、あるいは同様の効果を有する材料を使用してもよい。
また、光学部材CGを用いずに、第6レンズL6にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしてもよい。これにより、部品点数の削減と全長の短縮化を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、第2レンズL2の物体側の面より物体側に配置された開口絞りStを備えることが好ましい。開口絞りStをこのように配置した場合には、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。なお、「第2レンズL2の物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りStの位置が、軸上マージナル光線と第2レンズL2の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。この効果をさらに高めるために、開口絞りStを第1レンズL1の物体側の面より物体側に配置することが好ましい。なお、「第1レンズL1の物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りStの位置が、軸上マージナル光線と第1レンズL1の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。
また、開口絞りStを第1レンズL1と第2レンズL2との間に配置するようにしてもよい。この場合には、レンズ全長を短縮化しつつ、開口絞りStより物体側に配置されたレンズL1と、開口絞りStより像側に配置されたレンズL2〜L6によってバランスよく収差を補正することができる。本実施の形態において、第1〜6の構成例のレンズ(図1〜6)が、開口絞りStが第1レンズL1と第2レンズL2との間に配置された構成例である。また、ここに示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z1上の位置を示すものである。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は、光軸近傍で正の屈折力を有する。このため、レンズ全長の短縮化を実現するために有利である。また、第1レンズL1は、光軸近傍で物体側に凸面を向けている。この場合には、撮像レンズLの主たる結像機能を担う第1レンズL1の正の屈折力を十分に強めることが容易となるため、より好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。また、第1レンズL1を、光軸近傍において両凸形状とすることができる。この場合には、第1レンズL1の屈折力を好適に確保しつつ球面収差の発生を抑制することができる。また、第1レンズL1を、光軸近傍において物体側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合には、好適に全長の短縮化を実現することができる。
また、第2レンズL2は、光軸近傍において負の屈折力を有する。このことにより、球面収差と色収差を良好に補正することができる。また、第2レンズL2は光軸近傍で物体側に凸面を向けている。このため、球面収差と非点収差をより良好に補正することができ、レンズ全長の短縮化のために有利である。この効果をさらに高めるために、第2レンズL2を光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。
第3レンズL3と第4レンズL4は、光軸近傍においてそれぞれ正の屈折力を有する。第1レンズL1と第3レンズL3と第4レンズとを正の屈折力を有するものとして、第1レンズL1と第3レンズL3と第4レンズとで撮像レンズLの主たる結像機能を分担することにより、撮像レンズLの結像性能を維持しつつ、球面収差を良好に補正することができる。
第3レンズL3は、光軸近傍において像側に凸面を向けていることが好ましい。この場合には、非点収差の発生を抑制しつつ、第3レンズL3の正の屈折力を確保することが容易となり、レンズ全長の短縮化に有利である。さらに、第3レンズL3は、光軸近傍において両凸形状であることが好ましい。この場合には、第3レンズL3の物体側の面と像側の面の両面で第3レンズL3の屈折力を確保しつつ、諸収差の発生を好適に抑制することができる。
また、第4レンズL4を光軸近傍において両凸形状とすることができる。この場合には、第4レンズL4の屈折力を確保しつつ、球面収差の発生を好適に抑制することができる。また、第4レンズL4を光軸近傍において物体側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合には、レンズ全長の短縮化のために有利である。また、第4レンズL4を光軸近傍において像側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合には、非点収差の発生を抑制することができる。
第5レンズL5は、光軸近傍において正の屈折力を有する。このことにより、特に中間画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、第5レンズL5は、光軸近傍において物体側に凸面を向けている。このため、レンズ全長の短縮化のために有利である。また、第5レンズL5は、光軸近傍において両凸形状であることが好ましい。この場合には、第5レンズL5の物体側の面と像側の面の両面で第5レンズの屈折力を確保しつつ、諸収差の発生を好適に抑制することができる。
第6レンズL6は、光軸近傍において負の屈折力を有する。このことにより、撮像レンズLを第1レンズから第5レンズL5からなる正のレンズ群とみなし、第6レンズL6とを負のレンズ群とみなすと、撮像レンズLを全体としてテレフォト型構成にすることができ、撮像レンズLの後側主点位置を物体側に寄せることができるため、好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。また、第6レンズL6が光軸近傍において負の屈折力を有することにより、像面湾曲を良好に補正することができる。
また、第6レンズL6は光軸近傍において像側に凹面を向けていることが好ましい。この場合には、より好適に全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。さらに、第6レンズL6は、光軸近傍において両凹形状であることが好ましい。この場合には、第6レンズL6の物体側の面と像側の面の両面で第6レンズの屈折力を確保しつつ、諸収差の発生を好適に抑制することができる。また、第6レンズL6が光軸近傍において両凹形状である場合には、第6レンズL6が光軸近傍において物体側に凸面を向けている場合よりも第6レンズL6の像側の面における負の屈折力の負担を軽減できるため、特に中間画角において、撮像レンズLを通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを好適に抑制することができる。
また、第6レンズL6は、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状であることが好ましい。このことにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、第6レンズL6を、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とすることにより、歪曲収差を良好に補正することができる。なお、第6レンズL6の像側の面における「変曲点」とは、第6レンズL6の像側の面形状が像側に対して凸形状から凹形状(または凹形状から凸形状)に切り替わる点を意味する。また、本明細書中において、「像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に」とは、像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側を意味する。また、第6レンズL6の像側の面に設けられた変曲点は、第6レンズL6の像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側の任意の位置に配置することができる。
また、上記撮像レンズLを構成する第1レンズL1乃至第6レンズL6を単レンズとした場合には、第1レンズL1乃至第6レンズL6のいずれかのレンズを接合レンズとした場合よりも、レンズ面数が多いため、各レンズの設計自由度が高くなり、好適に全長の短縮化を図ることができる。
上記撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、第1乃至第6レンズの各レンズ要素の構成を最適化したので、レンズ全長を短縮化し、高画素化の要求の満たす撮像素子に対応可能に中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第6レンズL6のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面を非球面形状とすることが好適である。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。なお、撮像レンズLは、下記各条件式について、各条件式のいずれか1つまたは任意の組合せを満足することが好ましい。満足する条件式は撮像レンズLに要求される事項に応じて適宜選択されることが好ましい。
第2レンズL2と第3レンズL3との合成焦点距離f23および全系の焦点距離fは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
f23/f<−2.5 (1)
条件式(1)は全系の焦点距離fに対する第2レンズL2と第3レンズL3との合成焦点距離f23の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の上限以上とならないように、第2レンズL2と第3レンズL3との合成屈折力を維持することにより、第2レンズL2と第3レンズL3の負の合成屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、第2レンズL2と第3レンズL3の屈折力のバランスを維持しつつ、レンズ全長を短縮化するために有利である。この効果をより高めるために、条件式(1−1)を満たすことが好ましい。
f23/f<−2.8 (1−1)
f23/f<−2.5 (1)
条件式(1)は全系の焦点距離fに対する第2レンズL2と第3レンズL3との合成焦点距離f23の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の上限以上とならないように、第2レンズL2と第3レンズL3との合成屈折力を維持することにより、第2レンズL2と第3レンズL3の負の合成屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、第2レンズL2と第3レンズL3の屈折力のバランスを維持しつつ、レンズ全長を短縮化するために有利である。この効果をより高めるために、条件式(1−1)を満たすことが好ましい。
f23/f<−2.8 (1−1)
また、第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離f34および全系の焦点距離fは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
2<f34/f<4.5 (2)
条件式(2)は全系の焦点距離fに対する第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離f34の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限以下とならないように、第3レンズL3と第4レンズL4との合成屈折力を維持することにより、第3レンズL3と第4レンズL4の正の合成屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差と非点収差を良好に補正することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第3レンズL3と第4レンズL4との合成屈折力を確保することにより、第3レンズL3と第4レンズL4の正の合成屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長を好適に短縮化することができる。この効果をより高めるために、条件式(2−1)を満たすことが好ましい。
2.2<f34/f<4.2 (2−1)
2<f34/f<4.5 (2)
条件式(2)は全系の焦点距離fに対する第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離f34の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限以下とならないように、第3レンズL3と第4レンズL4との合成屈折力を維持することにより、第3レンズL3と第4レンズL4の正の合成屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差と非点収差を良好に補正することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第3レンズL3と第4レンズL4との合成屈折力を確保することにより、第3レンズL3と第4レンズL4の正の合成屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長を好適に短縮化することができる。この効果をより高めるために、条件式(2−1)を満たすことが好ましい。
2.2<f34/f<4.2 (2−1)
また、第5レンズL5と第6レンズL6との合成焦点距離f56および全系の焦点距離fは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
−7.8<f56/f<−1.2 (3)
条件式(3)は全系の焦点距離fに対する第5レンズL5と第6レンズL6との合成焦点距離f56の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように、第5レンズL5と第6レンズL6との合成屈折力を確保することにより、第5レンズL5と第6レンズL6の負の合成屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長を好適に短縮化することができる。条件式(3)の上限以上とならないように、第5レンズL5と第6レンズL6との合成屈折力を維持することにより、第5レンズL5と第6レンズL6の負の合成屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、特に中間画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことが好ましい。
−6.8<f56/f<−2.2 (3−1)
−7.8<f56/f<−1.2 (3)
条件式(3)は全系の焦点距離fに対する第5レンズL5と第6レンズL6との合成焦点距離f56の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように、第5レンズL5と第6レンズL6との合成屈折力を確保することにより、第5レンズL5と第6レンズL6の負の合成屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長を好適に短縮化することができる。条件式(3)の上限以上とならないように、第5レンズL5と第6レンズL6との合成屈折力を維持することにより、第5レンズL5と第6レンズL6の負の合成屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、特に中間画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことが好ましい。
−6.8<f56/f<−2.2 (3−1)
また、第2レンズL2の焦点距離f2および全系の焦点距離fは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
−1.75<f2/f<−1.3 (4)
条件式(4)は全系の焦点距離fに対する第2レンズL2の焦点距離f2の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力を確保することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、球面収差、色収差および非点収差を良好に補正することができる。また、条件式(4)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力を維持することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差、色収差および非点収差が補正過剰になることを抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(4−1)を満たすことが好ましい。
−1.7<f2/f<−1.35 (4−1)
−1.75<f2/f<−1.3 (4)
条件式(4)は全系の焦点距離fに対する第2レンズL2の焦点距離f2の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力を確保することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、球面収差、色収差および非点収差を良好に補正することができる。また、条件式(4)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力を維持することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差、色収差および非点収差が補正過剰になることを抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(4−1)を満たすことが好ましい。
−1.7<f2/f<−1.35 (4−1)
また、第3レンズL3の焦点距離f3および全系の焦点距離fは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
2<f3/f<9 (5)
条件式(5)は第3レンズL3の焦点距離f3に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第3レンズL3の屈折力を維持することにより、第3レンズL3の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、広画角化を図りつつ、好適にレンズ全長を短縮化することができる。また、条件式(5)の上限以上とならないように、第3レンズL3の屈折力を確保することにより、第3レンズL3の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、第1レンズL1、第3レンズL3、第4レンズL4で撮像レンズLの主たる結像機能を好適に分担して、小さなFナンバーを維持しつつ、球面収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことが好ましい。
2.3<f3/f<7 (5−1)
2<f3/f<9 (5)
条件式(5)は第3レンズL3の焦点距離f3に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第3レンズL3の屈折力を維持することにより、第3レンズL3の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、広画角化を図りつつ、好適にレンズ全長を短縮化することができる。また、条件式(5)の上限以上とならないように、第3レンズL3の屈折力を確保することにより、第3レンズL3の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、第1レンズL1、第3レンズL3、第4レンズL4で撮像レンズLの主たる結像機能を好適に分担して、小さなFナンバーを維持しつつ、球面収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことが好ましい。
2.3<f3/f<7 (5−1)
また、第4レンズL4の焦点距離f4および全系の焦点距離fは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
15<f4/f<120 (6)
条件式(6)は第4レンズL4の焦点距離f4に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を維持することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、倍率色収差などの諸収差を良好に補正することができる。また、条件式(6)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、第1レンズL1、第3レンズL3、第4レンズL4で撮像レンズの主たる結像機能を好適に分担して、球面収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(6−1)を満たすことが好ましい。
17<f4/f<100 (6−1)
15<f4/f<120 (6)
条件式(6)は第4レンズL4の焦点距離f4に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を維持することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、倍率色収差などの諸収差を良好に補正することができる。また、条件式(6)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、第1レンズL1、第3レンズL3、第4レンズL4で撮像レンズの主たる結像機能を好適に分担して、球面収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(6−1)を満たすことが好ましい。
17<f4/f<100 (6−1)
また、第3レンズL3の焦点距離f3および第2レンズL2の焦点距離f2は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
−5<f3/f2<−1 (7)
条件式(7)は第2レンズL2の焦点距離f2に対する第3レンズL3の焦点距離f3の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力に対する第3レンズL3の屈折力を確保することにより、第2レンズL2の負の屈折力に対して第3レンズL3の正の屈折力が弱くなりすぎず、第2レンズL2と第3レンズL3の屈折力のバランスを好適に維持して諸収差の発生を抑制することができる。条件式(7)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力に対する第3レンズL3の屈折力を維持することにより、第2レンズL2の負の屈折力に対して第3レンズL3の正の屈折力が強くなりすぎず、第2レンズL2と第3レンズL3の屈折力のバランスを好適に維持して諸収差の発生を抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(7−1)を満たすことが好ましい。
−4<f3/f2<−1.5 (7−1)
−5<f3/f2<−1 (7)
条件式(7)は第2レンズL2の焦点距離f2に対する第3レンズL3の焦点距離f3の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力に対する第3レンズL3の屈折力を確保することにより、第2レンズL2の負の屈折力に対して第3レンズL3の正の屈折力が弱くなりすぎず、第2レンズL2と第3レンズL3の屈折力のバランスを好適に維持して諸収差の発生を抑制することができる。条件式(7)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力に対する第3レンズL3の屈折力を維持することにより、第2レンズL2の負の屈折力に対して第3レンズL3の正の屈折力が強くなりすぎず、第2レンズL2と第3レンズL3の屈折力のバランスを好適に維持して諸収差の発生を抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(7−1)を満たすことが好ましい。
−4<f3/f2<−1.5 (7−1)
まず、第1レンズL1の焦点距離f1と第5レンズL5の焦点距離f5は、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
1.15<f1/f5<3 (8)
条件式(8)は、第5レンズL5の焦点距離f5に対する第1レンズL1の焦点距離f1の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(8)の下限以下とならないように、第1レンズL1の正の屈折力に対する第5レンズL5の正の屈折力を確保することが好ましい。この場合には、第5レンズL5の正の屈折力を十分確保して、中間画角において、撮像レンズLを通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを好適に抑制することができる。また、条件式(8)の上限以上とならないように、第1レンズL1の正の屈折力に対する第5レンズL5の正の屈折力を維持することが好ましい。この場合には、第5レンズL5の正の屈折力に対して第1レンズL1の正の屈折力が弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化に有利である。この効果を更に高めるために、条件式(8−1)を満たすことが好ましい。
1.2<f1/f5<2 (8−1)
1.15<f1/f5<3 (8)
条件式(8)は、第5レンズL5の焦点距離f5に対する第1レンズL1の焦点距離f1の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(8)の下限以下とならないように、第1レンズL1の正の屈折力に対する第5レンズL5の正の屈折力を確保することが好ましい。この場合には、第5レンズL5の正の屈折力を十分確保して、中間画角において、撮像レンズLを通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを好適に抑制することができる。また、条件式(8)の上限以上とならないように、第1レンズL1の正の屈折力に対する第5レンズL5の正の屈折力を維持することが好ましい。この場合には、第5レンズL5の正の屈折力に対して第1レンズL1の正の屈折力が弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化に有利である。この効果を更に高めるために、条件式(8−1)を満たすことが好ましい。
1.2<f1/f5<2 (8−1)
また、第3レンズL3の光軸上の厚みCT3と第4レンズL4の光軸上の厚みCT4は、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
1<CT3/CT4<6 (9)
条件式(9)は、第4レンズL4の光軸上の厚みCT4に対する第3レンズL3の光軸上の厚みCT3の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(9)の下限以下とならないように第4レンズL4の光軸上の厚みCT4に対する第3レンズL3の光軸上の厚みCT3を確保することで、主光線が第4レンズL4の像側の面を射出する位置を、光軸から十分高い位置となるように構成しやすく、中心画角から周辺画角までバランスよく収差を補正するために有利である。また、条件式(9)の上限以上とならないように第4レンズL4の光軸上の厚みCT4に対する第3レンズL3の光軸上の厚みCT3を維持することで、軸上マージナル光線が第4レンズL4の像側の面を射出する位置を、光軸から十分高い位置となるように構成しやすく、球面収差を良好に補正するために有利である。この効果をより高めるために、条件式(9−1)を満たすことがより好ましい。
1.5<CT3/CT4<5 (9−1)
1<CT3/CT4<6 (9)
条件式(9)は、第4レンズL4の光軸上の厚みCT4に対する第3レンズL3の光軸上の厚みCT3の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(9)の下限以下とならないように第4レンズL4の光軸上の厚みCT4に対する第3レンズL3の光軸上の厚みCT3を確保することで、主光線が第4レンズL4の像側の面を射出する位置を、光軸から十分高い位置となるように構成しやすく、中心画角から周辺画角までバランスよく収差を補正するために有利である。また、条件式(9)の上限以上とならないように第4レンズL4の光軸上の厚みCT4に対する第3レンズL3の光軸上の厚みCT3を維持することで、軸上マージナル光線が第4レンズL4の像側の面を射出する位置を、光軸から十分高い位置となるように構成しやすく、球面収差を良好に補正するために有利である。この効果をより高めるために、条件式(9−1)を満たすことがより好ましい。
1.5<CT3/CT4<5 (9−1)
また、第5レンズL5の光軸上の厚みCT5と第6レンズL6の光軸上の厚みCT6は、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
1.7<CT5/CT6<5 (10)
条件式(10)は、第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対する第5レンズL5の光軸上の厚みCT5の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(10)の下限以下とならないように第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対する第5レンズL5の光軸上の厚みCT5を設定することで、歪曲収差を良好に補正することができる。また、条件式(10)の上限以上とならないように第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対する第5レンズL5の光軸上の厚みCT5を設定することで、第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対して第5レンズL5の光軸上の厚みCT5のバランスを維持することができ、レンズ全長の短縮化のため有利である。この効果をより高めるために、条件式(10−1)を満たすことがより好ましい。
1.9<CT5/CT6<4 (10−1)
1.7<CT5/CT6<5 (10)
条件式(10)は、第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対する第5レンズL5の光軸上の厚みCT5の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(10)の下限以下とならないように第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対する第5レンズL5の光軸上の厚みCT5を設定することで、歪曲収差を良好に補正することができる。また、条件式(10)の上限以上とならないように第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対する第5レンズL5の光軸上の厚みCT5を設定することで、第6レンズL6の光軸上の厚みCT6に対して第5レンズL5の光軸上の厚みCT5のバランスを維持することができ、レンズ全長の短縮化のため有利である。この効果をより高めるために、条件式(10−1)を満たすことがより好ましい。
1.9<CT5/CT6<4 (10−1)
また、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径L3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3rは、以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
2.3<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8.5 (11)
条件式(11)は、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径L3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(11)の下限以下とならないように構成することで、第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3rの絶対値が小さくなりすぎるのを防ぐことができ、球面収差を良好に補正することができる。条件式(11)の上限以上とならないように構成することで、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径L3fの絶対値が小さくなりすぎるのを防ぐことができ、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(11−1)を満たすことが好ましい。
2.5<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8 (11−1)
2.3<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8.5 (11)
条件式(11)は、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径L3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(11)の下限以下とならないように構成することで、第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3rの絶対値が小さくなりすぎるのを防ぐことができ、球面収差を良好に補正することができる。条件式(11)の上限以上とならないように構成することで、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径L3fの絶対値が小さくなりすぎるのを防ぐことができ、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(11−1)を満たすことが好ましい。
2.5<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8 (11−1)
また、第6レンズL6の物体側の面の近軸曲率半径L6fと第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径L6rは、以下の条件式(12)を満足することが好ましい。
−20<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−3.5 (12)
条件式(12)は、第6レンズL6の物体側の面の近軸曲率半径L6fと第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径L6rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(12)の下限以下とならないように構成することで、球面収差と軸上色収差を良好に補正することができる。条件式(12)の上限以上とならないように構成することで、第6レンズL6の負の屈折力を好適に確保することができ、好適にレンズ全長を短縮化することができる。この効果をより高めるために、条件式(12−1)を満たすことが好ましい。
−16<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−4.5 (12−1)
−20<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−3.5 (12)
条件式(12)は、第6レンズL6の物体側の面の近軸曲率半径L6fと第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径L6rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(12)の下限以下とならないように構成することで、球面収差と軸上色収差を良好に補正することができる。条件式(12)の上限以上とならないように構成することで、第6レンズL6の負の屈折力を好適に確保することができ、好適にレンズ全長を短縮化することができる。この効果をより高めるために、条件式(12−1)を満たすことが好ましい。
−16<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−4.5 (12−1)
また、全系の焦点距離f、無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値ω、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径L6rは、以下の条件式(13)を満足することが好ましい。
0.5<f・tanω/L6r<20 (13)
条件式(13)は、近軸像高(f・tanω)に対する第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(13)の下限以下とならないように、第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径L6rの絶対値が大きくなりすぎず、レンズ全長の短縮化を実現しつつ、球面収差、軸上色収差、像面湾曲を十分に補正することができる。なお、各実施形態の撮像レンズLに示すように、第6レンズL6を像側に凹面を向け、少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とし、条件式(13)の下限を満たした場合には、中心画角から周辺画角まで像面湾曲を良好に補正することができるため、広角化を実現するために好適である。また、条件式(13)の上限以上とならないように、近軸像高(f・tanω)に対する第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rを設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rの絶対値が小さくなりすぎず、特に中間画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができ、また、像面湾曲の補正が過剰になることを抑制することができる。
0.5<f・tanω/L6r<20 (13)
条件式(13)は、近軸像高(f・tanω)に対する第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(13)の下限以下とならないように、第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径L6rの絶対値が大きくなりすぎず、レンズ全長の短縮化を実現しつつ、球面収差、軸上色収差、像面湾曲を十分に補正することができる。なお、各実施形態の撮像レンズLに示すように、第6レンズL6を像側に凹面を向け、少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とし、条件式(13)の下限を満たした場合には、中心画角から周辺画角まで像面湾曲を良好に補正することができるため、広角化を実現するために好適である。また、条件式(13)の上限以上とならないように、近軸像高(f・tanω)に対する第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rを設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズの像側の面の近軸曲率半径L6rの絶対値が小さくなりすぎず、特に中間画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができ、また、像面湾曲の補正が過剰になることを抑制することができる。
ここで、撮像レンズLにおいて、2つの好ましい構成例と、その効果について述べる。なお、これら2つの好ましい構成例はともに、上述した撮像レンズLの好ましい構成を適宜採用することができる。
まず、第1の構成例は、撮像レンズLにおいて、物体側から順に、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、条件式(1)を満足するものである。この第1の構成例によれば、特に条件式(1)を満足しているため、好適にレンズ全長を短縮化することができる。
第2の構成例は、撮像レンズLにおいて、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズと、正の屈折力を有し、像側に凸面を向けた第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなるものである。この第2の構成例によれば、特に第3レンズL3が光軸近傍において像側に凸面を向けているため、非点収差の発生を抑制しつつ、第3レンズL3の正の屈折力を確保しやすく、レンズ全長の短縮化に有利である。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、レンズ全長を短縮化し、高画素化の要求を満たす撮像素子に対応可能に中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
例えば、特許文献1〜5に開示された撮像レンズは、イメージサイズの半値であるImgHに対する第1レンズの物体側の面から結像面までの光軸上の距離TTL(バックフォーカスは空気換算長とする)の比TTL/ImgHが1.52〜2.02となるように構成されている。これに対し、本明細書の各実施例においてTTL/ImgHは、1.39〜1.42となるように構成されており、好適にイメージサイズに対するレンズ全長の短縮化が実現されている。また、例えば本明細書の各実施形態に係る撮像レンズのように無限遠物体に合焦した状態における最大画角が80度以上となるように上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第6レンズL6の各レンズ構成を設定した場合には、携帯電話端末などの撮像装置に撮像レンズLを好適に適用することができ、広画角化の要求に応えることができる。また、例えば本明細書の各実施形態に係る撮像レンズのように、Fナンバーが2.0以下となるように、上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第6レンズL6の各レンズ構成を設定した場合には、高画素化の要求の満たす撮像素子に撮像レンズLを好適に適用することができる。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側の光学要素の物体側の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。
表1には開口絞りStと光学部材CGも含めて示している。表1では開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載しており、像面に相当する面の面番号の欄には面番号と(IMG)という語句を記載している。曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。また、各レンズデータの枠外上部には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)と、バックフォーカスBf(mm)と、FナンバーFno.と、無限遠物体に合焦した状態における最大画角2ω(°)の値をそれぞれ示す。なお、このバックフォーカスBfは空気換算した値を表している。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2〜図6に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2乃至実施例6として、表3〜表12に示す。これらの実施例1〜6に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。
図8は、左から順に実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)を表す収差図をそれぞれ示している。球面収差、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示すが、球面収差図にはF線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)についての収差も示し、倍率色収差図には、F線、C線についての収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値をそれぞれ示す。
同様に、実施例2乃至実施例6の撮像レンズについての諸収差を図9乃至図13に示す。図9乃至図13に示す収差図は全て物体距離が無限遠の場合のものである。
また、表13には、本発明に係る各条件式(1)〜(13)に関する値を、各実施例1〜6についてそれぞれまとめたものを示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、レンズ全長の短縮化を実現しながらも高い結像性能が実現されている。
以下、図16〜19を用いて、特に携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末などの比較的コンパクトな撮像機器に、撮像レンズLを組み込むためのカメラモジュールの一例を説明する。
図16は、カメラモジュール40の外観を示す斜視図であり、図17は図16に示すカメラモジュール40のA−A断面の斜視断面図であり、図18は図16に示すカメラモジュール40のA−A断面図であり、図19は、図18中に円で示す部分の要部拡大図(切断面端面図)である。なお、図16において、撮像レンズLとして、図1に示す第1〜第6レンズL1〜L6および開口絞りStからなる撮像レンズLが適用されている。図16〜19では、第1〜第6レンズL1〜L6および開口絞りStからなる撮像レンズLを簡略化して1枚のレンズとして図示している。ここでは、重複記載を避けるため図1に示す撮像レンズLの各レンズL1〜L6の各光学面の形状および配置の詳細な構成については説明を省略し、カメラモジュールの他の構成について詳細に説明する。
図16〜19に示すように、カメラモジュール40は、撮像レンズLと、撮像レンズLを構成する各レンズL1〜L6と開口絞りStとを光軸が一致する状態で光軸方向における所望の位置に位置決めして支持する鏡胴20と、撮像レンズLと撮像レンズLの結像面(撮像面)との間に配置された略矩形の薄板形状の赤外線カットフィルタ31と、撮像レンズLの結像面に撮像面32Aが位置するように配置された略矩形の薄板形状の撮像素子32と、撮像素子32(および、不図示の必要な配線、電子部品など)が配置された基板30と、基板30を覆うように基板30に取り付けられ、鏡胴20と赤外線カットフィルタ31とを撮像レンズLの結像面(撮像素子32の撮像面)に対して位置決めして保持する保持部材10を備える。カメラモジュール40において、物体側からの光束は、鏡胴20の物体側に設けられた開口部20Aから入射し、撮像レンズLと赤外線カットフィルタ31を通過して、撮像素子32の撮像面32Aで受光される。
保持部材10は、鏡胴20を外周部分において保持する鏡胴保持部14と、鏡胴20の像側に位置し、詳細は後述するが光軸に平行な内周面13Aに向かう不要光を遮蔽する遮蔽部12と、遮蔽部12の像側に位置し、赤外線カットフィルタ31を外周部分において保持するフィルタ保持部13と、基板30上の撮像素子32等が配置される領域の外周において、当接面11Aにおいて基板30に接着固定されて基板30の物体側の表面を覆うカバー部11と、カバー部11と基板30とを接着した状態で、基板30上に配置されたCCDなどの撮像素子32、電子部品、および配線などの各必要な要素を収容する凹部15と、を備える。また、保持部材10は、樹脂材料を用いて射出成形によって一体的に成形されている。
鏡胴保持部14は、鏡胴20の外径より僅かに大きい内径を有する円筒形状に構成され、鏡胴保持部14の内周に形成された不図示の雌ネジ部に、鏡胴20の外周に形成された不図示の雄ネジ部を螺合させることにより鏡胴20を保持する。また、鏡胴保持部14は、保持部材10が基板30に固定された状態で、撮像素子32の撮像面に対して鏡胴20に保持された撮像レンズLの光軸が垂直になり、かつ、撮像素子32の撮像面を撮像レンズLの結像面に一致させるように配置されている。なお、ここでは、固定焦点式のカメラモジュール40の例を説明したが、カメラモジュールはオートフォーカス機能を備えたものであってもよく、カメラモジュールに所望のオートフォーカス機能を実現可能な任意の構成を採用してよい。例えば、上記のカメラモジュール40において、保持部材10から鏡胴保持部14を省略し、撮像レンズLが配置された鏡胴20を光軸方向に進退移動させる駆動手段と鏡胴20を光軸方向に進退移動可能に案内支持するガイド部とを備えた駆動ユニット(不図示)をさらに備えてもよい。
図19に示すように、フィルタ保持部13は、略矩形の薄板形状の赤外線カットフィルタ31を嵌め込み可能な筒形状に構成された内周面13Aと、赤外線カットフィルタ31の物体側の外縁部に当接する当接面13Bからなり、当接面13Bに塗布された接着剤により、赤外線カットフィルタ31の外縁部をそれぞれ保持する。また、内周面13Aは、光軸に平行な面であって、赤外線カットフィルタ31の外周面に対応する断面矩形の筒形状を構成している。また、フィルタ保持部13は、赤外線カットフィルタ31を撮像レンズLの結像面(撮像素子32の撮像面)に対して所定の位置に位置決めするように配置されている。
上記のように、赤外線カットフィルタ31のような各種光学フィルタをカメラモジュール40に組み込む際、光学フィルタを嵌め込んで係止させる構成として光学フィルタの外周を囲む内周面を備える場合があり、このような光学フィルタの外周を囲む内周面を光軸に平行な面とすることができる。しかしながら、撮像レンズLと撮像素子32との間に光軸に平行な内周面が存在すると、光軸に平行な内周面において不要光が反射して撮像素子32に入射し、ゴーストやフレアを発生させる場合がある。
カメラモジュール40において、保持部材10は、光軸に平行な内周面13Aに向かう不要光を遮蔽する遮蔽部12を備えている。遮蔽部12は、内周面13Aに向かう不要光を遮蔽可能に、内周面13Aの物体側に配置され、内周面13Aの全域にわたって内周面13Aから光軸に近づく向きに所定の高さ(図19のP参照)突出した畝形状部分である。また、遮蔽部12は、その内周端により、結像に寄与する光線を通過させるための開口部12Cを形成している。ここでは、遮蔽部12は、光軸に直交する断面において、内周面13Aによって形成される略矩形状と相似する略矩形状の開口部12Cを形成している。
上記のカメラモジュール40によれば、撮像レンズLと撮像素子32との間の不要光の到達可能な位置に位置する光軸に平行な内周面13Aに対して、撮像レンズLと内周面13Aの間に、内周面13Aに向かう不要光を遮蔽する遮蔽部12を設けたため、内周面13Aによって不要光が反射されることに起因するゴーストやフレアを低減し、ゴーストやフレアなどによる画像の劣化を抑制することができる。
また、遮蔽部12は、ゴーストやフレアの発生を防止するために、不要光の到達する可能性がある領域において、光軸に平行な面を可及的に低減する(光軸に平行な面をできるだけ備えないようにする)ように構成されることが好ましい。例えば、図17〜19に示すように、遮蔽部12の内周縁部を、光軸に対して傾きを有する傾斜面12Bで構成することが好ましい。この場合には、不要光の到達する可能性が高い内周縁部において、傾斜面12Bによって不要光を結像に寄与しない方向に反射または拡散させることができ、ゴーストやフレアの発生をより低減することができる。また、傾斜面12Bは、図17〜19に示すように、傾斜面12Bの法線ベクトルと光軸に平行に像側に向かう光軸ベクトルとの角度が鈍角となる傾きを有する場合には、より好適に不要光を結像に寄与しない方向に反射または拡散させることができる。傾斜面12Bは、傾斜面12Bの法線ベクトルと光軸に平行に像側に向かうベクトルとの角度が鋭角となる傾きを有してもよい。また、遮蔽部12の内周縁部を、互いに異なる傾きを有する複数の傾斜面によって構成してもよい。
また、遮蔽部12が内周縁部に先鋭なピークを有する形状である場合に、遮蔽部12の内周縁部のピーク位置を金型の合わせ目とするように、保持部材10の射出成形に用いる金型を設計することが好ましい。この場合には、遮蔽部12の内周縁端を所望形状に処理しやすく、金型の合わせ目に生じやすい余剰突起部(バリ)が保持部材10の意図しない位置に生じて不要光の反射の原因になることを抑制できる。
また、上記のカメラモジュール40に示すように、内周面13Aの物体側近傍に遮蔽部12を配置し、かつ、遮蔽部12の一部が赤外線カットフィルタ31を支持する当接面13Bとしての機能を兼ね備えるように構成した場合には、遮蔽部を、別部品の遮蔽板や赤外線カットフィルタ31への遮蔽塗料の塗装膜にて実現する場合と比較して、部品が少ないため、各部品の公差緩和、組み立ての公差緩和、製造工数の削減を出来、容易に製造するために有利である。
また、遮蔽部12において、不要光の到達する可能性のある領域に、不要光を吸収または拡散させる表面処理を施すことが好ましい。例えば、遮蔽部12の傾斜面12B(および/または遮蔽部12の物体側の面12A)に不要光の吸収作用を有する塗料を塗布することが好ましい。あるいは、遮蔽部12の傾斜面12B(および/または遮蔽部12の物体側の面12A)に不要光の拡散作用を有する微少な凹凸形状を設けてもよい。この場合には、遮蔽部12の傾斜面12B(および/または物体側の面12A)における不要光の反射を低減して、撮像素子32に不要光が入射することをさらに好適に抑制することができる。
なお、遮蔽部12は、結像に寄与する光線を通過させる開口部の大きさを確保しつつ、光軸に平行な内周面に到達する不要光を遮蔽可能に、光軸に平行な内周面から光軸に近づく向きに突出するものであれば、任意の形状、大きさおよび配置を採用可能である。
なお、フィルタ保持部13は、赤外線カットフィルタ31に代えて、他の光学フィルタを保持するものであってもよい。また、各種光学フィルタの厚さや、個数、形状、位置は、撮像レンズLおよび設計の要求に応じて適宜設定されてよい。
また、保持部材10は、遮蔽部12以外の表面領域においても、不要光が到達可能な表面領域に不要光を吸収または拡散可能な表面処理が施されていることが好ましい。例えば、不要光の反射を低減したい領域に、不要光の吸収作用を有する塗料を塗布することが好ましい。また、不要光の反射を低減したい領域に、不要光の拡散作用を有する微小な凹凸形状を設けてもよい。
また、カメラモジュール40に、本発明に係るいかなる撮像レンズLを適用してもよい。さらに、カメラモジュール40は、本発明の撮像レンズLを適用可能であるだけでなく、それぞれ任意のレンズ形状に構成された任意の枚数のレンズからなる撮像レンズにも好ましく適用可能である。また、カメラモジュール40を、種々の撮像装置に適用することができ、例えば、図14、15に示す撮像装置1、501などに好ましく適用することができる。
なお、本発明の撮像レンズには、実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
なお、上述した近軸曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数はいずれも光学測定に係わる専門家が以下の方法により測定して求めたものである。
近軸曲率半径は、超高精度三次元測定機UA3P(パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社製)を用いてレンズを測定し、以下の手順により求める。近軸曲率半径Rm(mは自然数)と円錐係数Kmを仮に設定してUA3Pに入力し、これらと測定データからUA3P付属のフィッティング機能を用いて非球面形状の式の第n次の非球面係数Anを算出する。上述した非球面形状の式(A)において、C=1/Rm、KA=Km−1と考える。Rm、Km、Anと非球面形状の式から、光軸からの高さhに応じた光軸方向の非球面の深さZを算出する。光軸からの各高さhにおいて、算出された深さZと実測値の深さZ’との差分を求め、この差分が所定範囲内であるか否かを判別し、所定範囲内の場合は設定したRmを近軸曲率半径とする。一方、差分が所定範囲外の場合は、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内になるまで、その差分の算出に用いられたRmおよびKmの少なくとも一方の値を変更してRm+1とKm+1として設定してUA3Pに入力し、上記同様の処理を行い、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内であるかを判別する処理を繰り返す。なお、ここで言う所定範囲内は、200nm以内とする。また、hの範囲としてはレンズ最大外径の0〜1/5以内に対応する範囲とする。
面間隔は、組レンズ測長用の中心厚・面間隔測定装置OptiSurf(Trioptics製)を用いて測定して求める。
屈折率は、精密屈折計KPR-2000(株式会社島津製作所製)を用いて、被検物の温度を25°Cの状態にして測定して求める。d線(波長587.6nm)で測定したときの屈折率をNdとする。同様に、e線(波長546.1nm)で測定したときの屈折率をNe、F線(波長486.1nm)で測定したときの屈折率をNF、C線(波長656.3nm)で測定したときの屈折率をNC、g線(波長435.8nm)で測定したときの屈折率をNgとする。d線に対するアッベ数νdは、上記の測定により得られたNd、NF、NCをνd=(Nd−1)/(NF−NC)の式に代入して算出することにより求める。
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
Claims (20)
- 物体側から順に、
正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、
負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズと、
正の屈折力を有する第3レンズと、
正の屈折力を有する第4レンズと、
正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズと、
負の屈折力を有する第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
f23/f<−2.5 (1)
ただし、
f23:前記第2レンズと前記第3レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離 - 前記第3レンズが像側に凸面を向けている請求項1に記載の撮像レンズ。
- 物体側から順に、
正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、
負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第2レンズと、
正の屈折力を有し、像側に凸面を向けた第3レンズと、
正の屈折力を有する第4レンズと、
正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第5レンズと、
負の屈折力を有する第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなることを特徴とする撮像レンズ。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
2<f34/f<4.5 (2)
ただし、
f34:前記第3レンズと前記第4レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−7.8<f56/f<−1.2 (3)
ただし、
f56:前記第5レンズと前記第6レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−1.75<f2/f<−1.3 (4)
ただし、
f2:前記第2レンズの焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
2<f3/f<9 (5)
ただし、
f3:前記第3レンズの焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
15<f4/f<120 (6)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−5<f3/f2<−1 (7)
ただし、
f3:前記第3レンズの焦点距離
f2:前記第2レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.15<f1/f5<3 (8)
ただし、
f1:前記第1レンズの焦点距離
f5:前記第5レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1<CT3/CT4<6 (9)
ただし、
CT3:前記第3レンズの光軸上の厚み
CT4:前記第4レンズの光軸上の厚み - さらに以下の条件式を満足する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.7<CT5/CT6<5 (10)
ただし、
CT5:前記第5レンズの光軸上の厚み
CT6:前記第6レンズの光軸上の厚み - さらに以下の条件式を満足する請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
2.3<(L3r−L3f)/(L3r+L3f)<8.5 (11)
ただし、
L3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L3f:前記第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−20<(L6r−L6f)/(L6r+L6f)<−3.5 (12)
ただし、
L6r:前記第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
L6f:前記第6レンズの物体側の面の近軸曲率半径 - 前記第2レンズの物体側の面より物体側に配置された開口絞りをさらに備えた請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から15のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.5<f・tanω/L6r<20 (13)
ただし、
f:全系の焦点距離
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
L6r:前記第6レンズの像側の面の近軸曲率半径 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から16のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
f23/f<−2.8 (1−1)
ただし、
f23:前記第2レンズと前記第3レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
2.2<f34/f<4.2 (2−1)
ただし、
f34:前記第3レンズと前記第4レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から18のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−6.8<f56/f<−2.2 (3−1)
ただし、
f56:前記第5レンズと前記第6レンズとの合成焦点距離
f:全系の焦点距離 - 請求項1から19のいずれか1項に記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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2015
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