JP2016095460A - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置において、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差を良好に補正し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現する。
【解決手段】
撮像レンズが、物体側から順に、負の屈折力を有し、物体側の面が凹形状である第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、負の屈折力を有し、像側の面が凹形状であり、少なくとも1つの変曲点を有する第7レンズL7とから実質的に構成され、第1レンズL1と第5レンズL5との間に位置する開口絞りStを備え、予め定められた条件式を満足する。第2レンズL2と第3レンズL3のうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有し、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有する。
【選択図】図1
【解決手段】
撮像レンズが、物体側から順に、負の屈折力を有し、物体側の面が凹形状である第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、負の屈折力を有し、像側の面が凹形状であり、少なくとも1つの変曲点を有する第7レンズL7とから実質的に構成され、第1レンズL1と第5レンズL5との間に位置する開口絞りStを備え、予め定められた条件式を満足する。第2レンズL2と第3レンズL3のうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有し、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラや監視カメラ、カメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求に対して、5枚以上のレンズを備えたレンズ枚数が比較的多い撮像レンズが提案されており、特許文献1および2には、全長の短縮化と小さなFナンバーと広画角化の達成を図るために7枚構成の撮像レンズが提案されている。
一方で、特に携帯端末、スマートフォン、またはタブレット型端末などに用いられるようなレンズ全長が比較的短い撮像レンズにおいては、上記のような要求に加え、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差の十分な補正が求められている。
しかしながら、特許文献1に記載された撮像レンズは倍率色収差と歪曲収差の補正が十分でなく、特許文献2に記載された撮像レンズは軸上色収差の補正が十分でない。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差を良好に補正し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有し、物体側の面が凹形状である第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹形状であり、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点よりも半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する第7レンズとから構成される実質的に7個のレンズからなり、第1レンズと第5レンズとの間に位置する開口絞りを備え、第2レンズと第3レンズのうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有し、第5レンズと第6レンズのうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有し、下記条件式を満足することを特徴とする。
30<νP1−νN1<50 (1)
30<νP2−νN2<50 (2)
ただし、
νP1:第2レンズと第3レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN1:第2レンズと第3レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νP2:第5レンズと第6レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN2:第5レンズと第6レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
30<νP1−νN1<50 (1)
30<νP2−νN2<50 (2)
ただし、
νP1:第2レンズと第3レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN1:第2レンズと第3レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νP2:第5レンズと第6レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN2:第5レンズと第6レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
なお、本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に7個のレンズからなり、」とは、本発明の撮像レンズが、7個のレンズ以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明の撮像レンズにおいて、さらに、次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明の撮像レンズにおいて、開口絞りは、第3レンズと第4レンズとの間、または、第4レンズと第5レンズとの間に位置することが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第5レンズは負の屈折力を有し、第6レンズは正の屈折力を有することが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第6レンズは両凸形状であることが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第7レンズは両凹形状であることが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第2レンズは正の屈折力を有し、第3レンズは負の屈折力を有することが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第4レンズは、正の屈折力を有することが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズの物体側の面が、物体側の面と最大画角の主光線との交点よりも半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有することが好ましい。
本発明の撮像レンズは、以下の条件式(3)〜(7)、(1−1)〜(7−1)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
30<νP1−νN1<40 (1−1)
30<νP2−νN2<40 (2−1)
0<f/f67<2 (3)
0<f/f67<1 (3−1)
0<f/f12<2 (4)
0<f/f12<1 (4−1)
0.1<D2/(f・tanω)<0.3 (5)
−2<f/f1<0 (6)
−1<f/f1<0 (6−1)
−3<f/f7<0 (7)
−2.5<f/f7<−1 (7−1)
ただし、
νP1:第2レンズと第3レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN1:第2レンズと第3レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νP2:第5レンズと第6レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN2:第5レンズと第6レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
f:全系の焦点距離
f67:第6レンズと第7レンズの合成焦点距離
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
D2:第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の距離
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
f1:第1レンズの焦点距離
f7:第7レンズの焦点距離
30<νP1−νN1<40 (1−1)
30<νP2−νN2<40 (2−1)
0<f/f67<2 (3)
0<f/f67<1 (3−1)
0<f/f12<2 (4)
0<f/f12<1 (4−1)
0.1<D2/(f・tanω)<0.3 (5)
−2<f/f1<0 (6)
−1<f/f1<0 (6−1)
−3<f/f7<0 (7)
−2.5<f/f7<−1 (7−1)
ただし、
νP1:第2レンズと第3レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN1:第2レンズと第3レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νP2:第5レンズと第6レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN2:第5レンズと第6レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
f:全系の焦点距離
f67:第6レンズと第7レンズの合成焦点距離
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
D2:第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の距離
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
f1:第1レンズの焦点距離
f7:第7レンズの焦点距離
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
本発明の撮像レンズによれば、全体として7枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差を良好に補正し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、高い結像性能を有する本発明の撮像レンズのいずれかによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第6の実施形態に係る数値実施例(表3〜表12)のレンズ構成に対応する第2乃至第6の構成例の断面構成を、図2〜図6に示す。図1〜図6において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図6の構成例についても説明する。また、図7は図1に示す撮像レンズにおける光路図であり、無限遠物体に合焦した状態における軸上光束2、最大画角の光束3の各光路および最大画角の半値ωを示す。なお、最大画角の光束3において、最大画角の主光線4を一点鎖線で示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7を備えている。
図14に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1〜6参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(図1〜6における像面R18)に配置される。
図15に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1〜6参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
第7レンズL7と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていてもよい。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたもの、あるいは同様の効果を有する材料を使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第7レンズL7にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしてもよい。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLは、第1レンズL1と第5レンズL5との間に位置する開口絞りStを備える。なお、開口絞りStは第1レンズL1と第5レンズL5との間に位置するものであれば、第1レンズL1と第2レンズL2との間、第2レンズL2と第3レンズL3との間、第3レンズL3と第4レンズL4との間、第4レンズL4と第5レンズL5との間のいずれに位置するものであってもよい。開口絞りStを第1レンズL1と第5レンズL5との間に位置させた場合には、開口絞りStよりも物体側に配置された1枚以上のレンズの屈折力と開口絞りStよりも像側に配置されたその他のレンズの屈折力が、開口絞りStに対して互いに略対称となるように第1レンズL1乃至第7レンズL7をそれぞれ配することが容易となり、歪曲収差と倍率色収差を良好に補正することができる。この効果をさらに高めるために、開口絞りStは、第3レンズL3と第4レンズL4との間、または、第4レンズL4と第5レンズL5との間に位置することが好ましい。本実施の形態において、第1〜6の構成例のレンズ(図1〜6)が、開口絞りStが第3レンズL3と第4レンズL4との間に配置された構成例である。開口絞りStが第3レンズL3と第4レンズL4との間に配置されている場合には、開口絞りStが第4レンズL4と第5レンズL5との間に配置されている場合よりも特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、ここに示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z1上の位置を示すものである。
第1レンズL1は、光軸近傍で負の屈折力を有する。また、第7レンズL7は負の屈折力を有する。撮像レンズLの最も物体側に位置する第1レンズL1と、撮像レンズLの最も像側に配置された第7レンズL7との双方を負の屈折力を有するものとして、撮像レンズLの最も物体側に位置するレンズの屈折力と撮像レンズLの最も像側に位置するレンズの屈折力とを開口絞りStを挟んで対称に構成することにより、第7レンズL7で生じる歪曲収差と倍率色収差を低画角において良好に補正することができる。
また、第1レンズL1の物体側の面は光軸近傍で凹形状である。また、第7レンズL7の像側の面は光軸近傍で凹形状である。このように、撮像レンズLの最も物体側に位置する第1レンズL1の物体側の面を物体側に凹面形状とし、撮像レンズLの最も像側に位置する第7レンズL7の像側の面を像側に凹面形状として、撮像レンズLの最も物体側の面形状と撮像レンズLの最も像側の面形状とを開口絞りStを挟んで対称に構成することにより、第7レンズL7の像側の面において生じる歪曲収差と倍率色収差を良好に補正することができる。
さらに、第1レンズL1は、物体側の面が物体側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状であることが好ましい。また、第7レンズL7は、像側の面が物体側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。第1レンズL1の物体側の面が上述の変曲点を有する非球面形状である場合には、撮像レンズLの最も物体側の面である第1レンズL1の物体側の面が光軸近傍で物体側に凹形状であって、変曲点を有する非球面形状であり、撮像レンズLの最も像側の面である第7レンズL7の像側の面が光軸近傍で像側に凹形状であって、変曲点を有する非球面形状であるため、撮像レンズLの最も物体側の面形状と撮像レンズLの最も像側の面形状とを開口絞りStを挟んで略対称に構成することができ、第7レンズL7の周辺部において生じる歪曲収差を良好に補正することができる。
なお、第1レンズL1の物体側の面における「変曲点」とは、第1レンズL1の物体側の面形状が像側に対して凸形状から凹形状(または凹形状から凸形状)に切り替わる点を意味する。また、本明細書中において、「物体側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に」とは、物体側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側を意味する。また、第1レンズL1の物体側の面に設けられた変曲点は、第1レンズL1の物体側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側の任意の位置に配置することができる。同様に、第7レンズL7の像側の面における「変曲点」とは、第7レンズL7の像側の面形状が像側に対して凸形状から凹形状(または凹形状から凸形状)に切り替わる点を意味する。また、第7レンズL7の像側の面に設けられた変曲点は、第7レンズL7の像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側の任意の位置に配置することができる。
また、第1レンズL1は光軸近傍で両凹形状であることが好ましい。この場合には、第1レンズL1を光軸近傍で像側に凹面を向けたものとすることにより、球面収差の発生を抑制することができる。
第2レンズL2と第3レンズL3のうち、一方は光軸近傍で正の屈折力を有し、他方は光軸近傍で負の屈折力を有する。正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズを隣接して位置させることにより、特に球面収差などの諸収差を良好に補正することができる。
例えば、第2レンズL2が光軸近傍で正の屈折力を有し、第3レンズL3が光軸近傍で負の屈折力を有するようにしてもよい。この場合には、第2レンズL2により、撮像レンズLの正の屈折力を確保することが容易となり、レンズ全長の短縮化に有利である。また、第2レンズL2は光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状であることが好ましい。この場合には、第2レンズL2の後側主点位置を物体側に寄せやすく、レンズ全長の短縮化にさらに有利である。
また、第3レンズL3が光軸近傍において負の屈折力を有する場合には、第2レンズL2において発生する球面収差を良好に補正することができる。また、第3レンズL3は光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状であることが好ましい。この場合には、非点収差と高次の球面収差の発生を抑制することができる。
第4レンズL4は、撮像レンズLを光線が通過する間に発生する諸収差をバランスよく補正できるものであれば、光軸近傍において負の屈折力を有するものとしてもよく、正の屈折力を有するものとしてもよい。第4レンズL4が光軸近傍で正の屈折力を有する場合には、7枚構成の撮像レンズLの光軸方向の略中央に位置する第4レンズL4が光軸近傍で正の屈折力を有することにより、歪曲収差の発生を抑制しつつ、撮像レンズLの正の屈折力を十分強めることができる。また、第4レンズL4は光軸近傍で両凸形状とすることが好ましい。この場合には、第4レンズL4の物体側の面と像側の面の両方で正の屈折力を好適に確保しつつ、第4レンズL4の各面における正の屈折力が大きくなりすぎることを抑制できるため、球面収差の発生を好適に抑制することができる。
また、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、一方は光軸近傍で正の屈折力を有し、他方は光軸近傍で負の屈折力を有する。正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズを隣接して位置させることにより、特に球面収差などの諸収差を良好に補正することができる。
例えば、第5レンズL5が光軸近傍で負の屈折力を有し、第6レンズL6が光軸近傍で正の屈折力を有するようにしてもよい。この場合には、第5レンズL5が光軸近傍で負の屈折力を有することにより、球面収差、非点収差を良好に補正することができる。また、第5レンズL5を、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。この場合には、非点収差の発生をさらに抑制することができる。
また、第6レンズL6が光軸近傍で正の屈折力を有する場合には、結像面(図1〜6におけるR18参照)に比較的近い位置に正の屈折力を配することができるため、負の屈折力を有する第7レンズL7を光線が通過する際に発生する歪曲収差と倍率色収差の補正に有利である。また、第6レンズL6は、光軸近傍において両凸形状であることが好ましい。この場合には、第6レンズL6の物体側の面と像側の面の両方で正の屈折力を好適に確保しつつ、第6レンズL6の各面における正の屈折力が大きくなりすぎることを抑制できるため、バランスよく非点収差を補正することができる。
また、第7レンズL7は、光軸近傍において負の屈折力を有する。撮像レンズLの最も像側に配置されたレンズである第7レンズL7を光軸近傍において負の屈折力を有するものとすることにより、撮像レンズLの後側主点位置を物体側に寄せることができ、好適にレンズ全長を短縮化することができる。また、第7レンズL7は光軸近傍において像側に凹面を向けている。このため、より好適にレンズ全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。また、第7レンズL7を光軸近傍において両凹形状としてもよい。この場合には、第7レンズL7の物体側の面と像側の面の両方で第7レンズL7の負の屈折力を好適に確保しつつ、第7レンズL7の各面における曲率の絶対値が大きくなりすぎることを抑制できるため、レンズ全長の短縮化に有利である。
また、第7レンズL7は、先述したように、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。このことにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、第7レンズL7を、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とすることにより、歪曲収差を良好に補正することができる。
また、上記撮像レンズLを構成する第1レンズL1乃至第7レンズL7を単レンズとした場合には、第1レンズL1乃至第7レンズL7のいずれかのレンズを接合レンズとした場合よりも、レンズ面数が多いため、各レンズの設計自由度が高くなり、好適に全長の短縮化を図ることができる。
上記撮像レンズLによれば、全体として7枚というレンズ構成において、第1乃至第7レンズの各レンズ要素の構成を最適化したので、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差を良好に補正し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第7レンズL7のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面を非球面形状とすることが好適である。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。なお、撮像レンズLは、下記各条件式について、各条件式のいずれか1つまたは任意の組合せを満足することが好ましい。満足する条件式は撮像レンズLに要求される事項に応じて適宜選択されることが好ましい。
第2レンズL2と第3レンズL3のうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νP1と、第2レンズL2と第3レンズL3のうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νN1は、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
30<νP1−νN1<50 (1)
条件式(1)は、第2レンズL2と第3レンズL3のうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νP1と、第2レンズL2と第3レンズL3のうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νN1の差の好ましい数値範囲を規定するものである。第2レンズL2と第3レンズL3とを条件式(1)を満たすような分散率の材質により構成することにより、良好に軸上色収差を補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(1−1)を満たすことがより好ましい。
30<νP1−νN1<40 (1−1)
30<νP1−νN1<50 (1)
条件式(1)は、第2レンズL2と第3レンズL3のうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νP1と、第2レンズL2と第3レンズL3のうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νN1の差の好ましい数値範囲を規定するものである。第2レンズL2と第3レンズL3とを条件式(1)を満たすような分散率の材質により構成することにより、良好に軸上色収差を補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(1−1)を満たすことがより好ましい。
30<νP1−νN1<40 (1−1)
また、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νP2と、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νN2は、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
30<νP2−νN2<50 (2)
条件式(2)は、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νP2と、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νN2の差の好ましい数値範囲を規定するものである。第5レンズL5と第6レンズL6とを条件式(2)を満たすような分散率の材質により構成することにより、良好に軸上色収差を補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(2−1)を満たすことがより好ましい。
30<νP2−νN2<40 (2−1)
30<νP2−νN2<50 (2)
条件式(2)は、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νP2と、第5レンズL5と第6レンズL6のうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数νN2の差の好ましい数値範囲を規定するものである。第5レンズL5と第6レンズL6とを条件式(2)を満たすような分散率の材質により構成することにより、良好に軸上色収差を補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(2−1)を満たすことがより好ましい。
30<νP2−νN2<40 (2−1)
また、全系の焦点距離fおよび第6レンズL6と第7レンズL7との合成焦点距離f67は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0<f/f67<2 (3)
条件式(3)は、第6レンズL6と第7レンズL7との合成焦点距離f67に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように合成焦点距離f67に対する全系の焦点距離fの比を確保することにより、負の屈折力を有する第7レンズL7において発生する歪曲収差と倍率色収差を良好に補正することができる。条件式(3)の上限以上とならないように合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比を維持することにより、レンズ全系の屈折力に対して第6レンズL6と第7レンズL7による正の屈折力が強くなりすぎず、第6レンズL6と第7レンズL7による正の屈折力によって撮像レンズLの後側主点位置が像面側に寄せられることを抑制できるため、全長の短縮化に有利である。この効果をさらに高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましい。
0<f/f67<1 (3−1)
0<f/f67<2 (3)
条件式(3)は、第6レンズL6と第7レンズL7との合成焦点距離f67に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように合成焦点距離f67に対する全系の焦点距離fの比を確保することにより、負の屈折力を有する第7レンズL7において発生する歪曲収差と倍率色収差を良好に補正することができる。条件式(3)の上限以上とならないように合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比を維持することにより、レンズ全系の屈折力に対して第6レンズL6と第7レンズL7による正の屈折力が強くなりすぎず、第6レンズL6と第7レンズL7による正の屈折力によって撮像レンズLの後側主点位置が像面側に寄せられることを抑制できるため、全長の短縮化に有利である。この効果をさらに高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましい。
0<f/f67<1 (3−1)
また、全系の焦点距離fおよび第1レンズL1と第2レンズL2との合成焦点距離f12は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0<f/f12<2 (4)
条件式(4)は、第1レンズL1と第2レンズL2との合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。また、条件式(4)の下限以下とならないように合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比を確保することにより、レンズ全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2による正の屈折力が弱くなりすぎず、全長の短縮化に有利である。条件式(4)の上限以上とならないように合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比を維持することにより、レンズ全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2による正の屈折力が強くなりすぎず、球面収差を良好に補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(4−1)を満たすことがより好ましい。
0<f/f12<1 (4−1)
0<f/f12<2 (4)
条件式(4)は、第1レンズL1と第2レンズL2との合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。また、条件式(4)の下限以下とならないように合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比を確保することにより、レンズ全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2による正の屈折力が弱くなりすぎず、全長の短縮化に有利である。条件式(4)の上限以上とならないように合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比を維持することにより、レンズ全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2による正の屈折力が強くなりすぎず、球面収差を良好に補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(4−1)を満たすことがより好ましい。
0<f/f12<1 (4−1)
また、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2と全系の焦点距離fと無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値ωは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.1<D2/(f・tanω)<0.3 (5)
条件式(5)は近軸像高(f・tanω)に対する第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2を確保することにより、負の屈折力を有する第1レンズL1による歪曲収差や倍率収差の補正効果を効果的に奏することができる。条件式(5)の上限以上とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2を抑制することにより、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2が全系の焦点距離fに対して大きくなりすぎず、レンズ全長を好適に短縮化することができる。
0.1<D2/(f・tanω)<0.3 (5)
条件式(5)は近軸像高(f・tanω)に対する第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2を確保することにより、負の屈折力を有する第1レンズL1による歪曲収差や倍率収差の補正効果を効果的に奏することができる。条件式(5)の上限以上とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2を抑制することにより、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離D2が全系の焦点距離fに対して大きくなりすぎず、レンズ全長を好適に短縮化することができる。
また、全系の焦点距離fおよび第1レンズL1の焦点距離f1は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
−2<f/f1<0 (6)
条件式(6)は、第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fを維持することにより、全系の屈折力に対して第1レンズL1の屈折力が強くなりすぎず、好適に全長の短縮化を実現することができる。条件式(6)の上限を満足するように第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fを確保することにより、歪曲収差、倍率色収差を良好に補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(6−1)を満たすことがより好ましい。
−1<f/f1<0 (6−1)
−2<f/f1<0 (6)
条件式(6)は、第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fを維持することにより、全系の屈折力に対して第1レンズL1の屈折力が強くなりすぎず、好適に全長の短縮化を実現することができる。条件式(6)の上限を満足するように第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fを確保することにより、歪曲収差、倍率色収差を良好に補正することができる。この効果をさらに高めるために、条件式(6−1)を満たすことがより好ましい。
−1<f/f1<0 (6−1)
また、全系の焦点距離fおよび第7レンズL7の焦点距離f7は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
−3<f/f7<0 (7)
条件式(7)は、第7レンズL7の焦点距離f7に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように第7レンズL7の焦点距離f7に対する全系の焦点距離fを維持することにより、全系の屈折力に対して第7レンズL7の屈折力が強くなりすぎず、ペッツバール和の絶対値を好適に小さくすることができる。また、条件式(7)の上限を満足するように第7レンズL7の焦点距離f7に対する全系の焦点距離fを確保することにより、全系の屈折力に対して第7レンズL7の屈折力が弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化に有利である。この効果をさらに高めるために、条件式(7−1)を満たすことがより好ましい。
−2.5<f/f7<−1 (7−1)
−3<f/f7<0 (7)
条件式(7)は、第7レンズL7の焦点距離f7に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように第7レンズL7の焦点距離f7に対する全系の焦点距離fを維持することにより、全系の屈折力に対して第7レンズL7の屈折力が強くなりすぎず、ペッツバール和の絶対値を好適に小さくすることができる。また、条件式(7)の上限を満足するように第7レンズL7の焦点距離f7に対する全系の焦点距離fを確保することにより、全系の屈折力に対して第7レンズL7の屈折力が弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化に有利である。この効果をさらに高めるために、条件式(7−1)を満たすことがより好ましい。
−2.5<f/f7<−1 (7−1)
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLによれば、全体として7枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差を良好に補正し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
また、例えば第1〜第6の実施形態に係る撮像レンズのように無限遠物体に合焦した状態における最大画角が75度以上となるように、上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第7レンズL7を構成した場合には、イメージサイズに対するレンズ全長の短縮化を実現しやすい。このため、撮像レンズLを、携帯端末などに用いられるようなレンズ全長が比較的短く、高解像化が求められる撮像レンズとして好適に採用することができる。また、例えば第1〜第6の実施形態に係る撮像レンズのように、Fナンバーが2.5より小さくなるように、上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第7レンズL7を構成した場合には、高解像化の要求に好適に応えることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側の光学要素の物体側の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(単位:mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(単位:mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。
表1には開口絞りStと光学部材CGも含めて示している。表1では開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載しており、像面に相当する面の面番号の欄には面番号と(IMG)という語句を記載している。曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。また、各レンズデータの枠外上部には、諸データとして、全系の焦点距離f(単位:mm)と、バックフォーカスBf(単位:mm)と、FナンバーFno.と、無限遠物体に合焦した状態における最大画角2ω(°)の値をそれぞれ示す。なお、このバックフォーカスBfは空気換算した値を表している。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第7レンズL7の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(単位:mm)を示す。
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2〜図6に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2乃至実施例6として、表3〜表12に示す。これらの実施例1〜6に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第7レンズL7の両面がすべて非球面形状となっている。
図8は、左から順に実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)を表す収差図をそれぞれ示している。球面収差、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示すが、球面収差図にはF線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)、g線(波長435.8nm)についての収差も示し、倍率色収差図には、F線、C線、g線についての収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値をそれぞれ示す。
同様に、実施例2乃至実施例6の撮像レンズについての諸収差を図9乃至図13に示す。図8乃至図13に示す収差図は全て物体距離が無限遠の場合のものである。
また、表13には、本発明に係る各条件式(1)〜(7)に関する値を、各実施例1〜6についてそれぞれまとめたものを示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、軸上色収差と倍率色収差および歪曲収差が良好に補正され、特に歪曲収差が非常に良好に補正されて中心画角から周辺画角まで高い結像性能が実現されている。
なお、本発明の撮像レンズには、実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
なお、上述した近軸曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数はいずれも光学測定に係わる専門家が以下の方法により測定して求めたものである。
近軸曲率半径は、超高精度三次元測定機UA3P(パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社製)を用いてレンズを測定し、以下の手順により求める。近軸曲率半径Rm(mは自然数)と円錐係数Kmを仮に設定してUA3Pに入力し、これらと測定データからUA3P付属のフィッティング機能を用いて非球面形状の式の第n次の非球面係数Anを算出する。上述した非球面形状の式(A)において、C=1/Rm、KA=Km−1と考える。Rm、Km、Anと非球面形状の式から、光軸からの高さhに応じた光軸方向の非球面の深さZを算出する。光軸からの各高さhにおいて、算出された深さZと実測値の深さZ’との差分を求め、この差分が所定範囲内であるか否かを判別し、所定範囲内の場合は設定したRmを近軸曲率半径とする。一方、差分が所定範囲外の場合は、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内になるまで、その差分の算出に用いられたRmおよびKmの少なくとも一方の値を変更してRm+1とKm+1として設定してUA3Pに入力し、上記同様の処理を行い、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内であるかを判別する処理を繰り返す。なお、ここで言う所定範囲内は、200nm以内とする。また、hの範囲としてはレンズ最大外径の0〜1/5以内に対応する範囲とする。
面間隔は、組レンズ測長用の中心厚・面間隔測定装置OptiSurf(Trioptics製)を用いて測定して求める。
屈折率は、精密屈折計KPR-2000(株式会社島津製作所製)を用いて、被検物の温度を25°Cの状態にして測定して求める。d線(波長587.6nm)で測定したときの屈折率をNdとする。同様に、e線(波長546.1nm)で測定したときの屈折率をNe、F線(波長486.1nm)で測定したときの屈折率をNF、C線(波長656.3nm)で測定したときの屈折率をNC、g線(波長435.8nm)で測定したときの屈折率をNgとする。d線に対するアッベ数νdは、上記の測定により得られたNd、NF、NCをνd=(Nd−1)/(NF−NC)の式に代入して算出することにより求める。
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
Claims (20)
- 物体側から順に、
負の屈折力を有し、物体側の面が凹形状である第1レンズと、
第2レンズと、
第3レンズと、
第4レンズと、
第5レンズと、
第6レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凹形状であり、該像側の面が該像側の面と最大画角の主光線との交点よりも半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する第7レンズとから構成される実質的に7個のレンズからなり、
前記第1レンズと前記第5レンズとの間に位置する開口絞りを備え、
前記第2レンズと前記第3レンズのうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有し、
前記第5レンズと前記第6レンズのうち、一方は正の屈折力を有し、他方は負の屈折力を有し、
下記条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
30<νP1−νN1<50 (1)
30<νP2−νN2<50 (2)
ただし、
νP1:前記第2レンズと前記第3レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN1:前記第2レンズと前記第3レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νP2:前記第5レンズと前記第6レンズのうち、正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
νN2:前記第5レンズと前記第6レンズのうち、負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数 - 前記開口絞りが、前記第3レンズと前記第4レンズとの間、または、前記第4レンズと前記第5レンズとの間に位置する請求項1記載の撮像レンズ。
- 前記第5レンズが負の屈折力を有し、前記第6レンズが正の屈折力を有する請求項1または2記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0<f/f67<2 (3)
ただし、
f:全系の焦点距離
f67:前記第6レンズと前記第7レンズの合成焦点距離 - 前記第6レンズが両凸形状である請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- 前記第7レンズが両凹形状である請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- 前記第2レンズが正の屈折力を有し、前記第3レンズが負の屈折力を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0<f/f12<2 (4)
ただし、
f:全系の焦点距離
f12:前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.1<D2/(f・tanω)<0.3 (5)
ただし、
D2:前記第1レンズと前記第2レンズとの間の光軸上の距離
f:全系の焦点距離
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−2<f/f1<0 (6)
ただし、
f:全系の焦点距離
f1:前記第1レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−3<f/f7<0 (7)
ただし、
f:全系の焦点距離
f7:前記第7レンズの焦点距離 - 前記第4レンズが正の屈折力を有する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- 前記第1レンズの物体側の面が、該物体側の面と最大画角の主光線との交点よりも半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
30<νP1−νN1<40 (1−1) - さらに以下の条件式を満足する請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
30<νP2−νN2<40 (2−1) - さらに以下の条件式を満足する請求項1から15のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0<f/f67<1 (3−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f67:前記第6レンズと前記第7レンズの合成焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から16のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0<f/f12<1 (4−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f12:前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−1<f/f1<0 (6−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f1:前記第1レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から18のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−2.5<f/f7<−1 (7−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f7:前記第7レンズの焦点距離 - 請求項1から19のいずれか1項に記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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