JP2015215952A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】封止された有機EL素子から支持基材の剥離を容易とする有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機EL構造体に接着層を介して封止基材を貼合する有機EL素子の製造方法において、封止基材の前記有機EL構造体との貼合面の反対側に樹脂製フィルムである第1支持基材を剥離可能に貼合する工程と、基材の第1電極形成面の反対側に樹脂製フィルムである第2支持基材を剥離可能に貼合する工程と、第2支持基材が貼合した基材上に形成された有機EL構造体に、第1支持基材が貼合した封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の接着層を介して貼合する工程と、封止基材が基材上に形成された有機EL構造体に貼合した状態で接着層を硬化させる工程と、接着層の硬化後に支持基材を剥離する工程と、を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、自発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう)構造体を備える有機EL素子が注目されている。有機EL素子は、基材上に有機化合物の発光層(以下、有機発光層あるいは単に発光層ともいう)を第1電極(陽極)と第2電極(陰極)の2つの電極で挟持した構成の有機EL構造体を配置し、陰極および陽極間に電流を供給することにより、有機発光層の発光を行うものである。
有機EL素子を構成する有機化合物の発光層は、水分や酸素による影響を受けやすく、空気中に放置すると水分や酸素により品質の劣化を招くため、有機EL素子の製造過程では、封止と呼ばれる外界の影響を低減するための保護層を有機EL構造体上に形成する工程を付加している。有機EL構造体の封止技術として、シート状の封止基材を有機EL構造体に貼り合わせて封止を行う技術が知られている。
基材上に形成された有機EL構造体を封止する際に、有機EL構造体の配置に合わせてパターン化したシート状の封止基材の有機EL構造体対応部分のみに接着剤を塗工することは困難である。このため、接着剤付き封止基材(封止部材)をパターン化して有機EL構造体に貼合することが行われている。
最近では、有機EL素子の用途の拡大等に伴い、樹脂製フィルム等よりなる薄膜の基材上に有機EL構造体を形成した有機EL素子も登場している。薄膜の基材は、剛性がなく、そのままでは製造時や加工時の取扱いが難しいため、特許文献1、2に記載されるように剛性のある支持基材(サポート基材)を薄膜の基材に貼合して薄膜の基材上に有機EL構造体を構成した後に、支持基材を剥離することが知られている。
薄膜の基材上に有機EL構造体を形成する場合は、薄膜の基材の薄膜であるという特徴を生かすために封止基材も薄膜とすることが望ましく、薄膜の封止基材の使用が求められている。薄膜の封止基材も薄膜の基材と同様に剛性がないため、封止基材の有機EL構造体への貼合前に封止基材に対して支持基材を貼合して、薄膜の封止部材の加工等取り扱い性を向上させることが望ましい。又、有機EL構造体に貼合した後に、薄膜の封止基材についても支持基材を剥離することが望ましい。
特開平11‐219791号公報 特開2012‐186315号公報
しかし、支持基材が貼合された薄膜の封止基材で封止された、薄膜の基材上に形成された有機EL構造体から支持基材を剥離することは、封止された有機EL構造体、及び、薄膜の基材が剛性を有さないため困難である。支持基材に複数の有機EL構造体を形成した後、個別の有機EL素子の形状に断裁した場合には、有機EL素子が小さいため、特に困難である。この様に、支持基材を剥離することが困難であるため、薄膜の有機EL素子を得ることも難しい。
そこで、本発明は、薄膜の基材上に有機EL構造体を形成して薄膜の封止基材で封止した有機EL素子を得るために、封止基材で封止された有機EL素子から取扱い性向上のための支持基材の剥離を容易にする有機EL素子の製造方法を提供することを課題とする。
又、本発明は、支持基材の剥離を容易にする有機EL素子の製造方法により、封止性能に優れた薄膜の有機EL素子を得ることを課題とする。
本発明の上記課題は、下記構成により達成される。
1.基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機エレクトロルミネッセンス構造体に、硬化性接着剤を含む接着層を介して封止基材を貼合する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、前記封止基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、前記封止基材の前記有機エレクトロルミネッセンス構造体との貼合面の反対側に、樹脂製フィルムである第1支持基材を剥離可能に貼合する工程と、前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に、前記第1支持基材が貼合した前記封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の前記接着層を介して貼合する工程と、前記第1支持基材が貼合した前記封止基材が、前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に貼合した状態で、前記接着層を硬化させる工程と、前記接着層の硬化後に、封止基材から前記第1支持基材を剥離する工程と、を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機エレクトロルミネッセンス構造体に、硬化性接着剤を含む接着層を介して封止基材を貼合する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、前記封止基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、前記基材上に前記有機エレクトロルミネッセンス構造体を形成する前に、前記基材の第1電極形成面の反対側に、樹脂製フィルムである第2支持基材を剥離可能に貼合する工程と、前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に、前記封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の前記接着層を介して貼合する工程と、前記封止基材が、前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に貼合した状態で、前記接着層を硬化させる工程と、前記接着層の硬化後に、前記基材から前記第2支持基材を剥離する工程と、を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機エレクトロルミネッセンス構造体に、硬化性接着剤を含む接着層を介して封止基材を貼合する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、前記封止基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、前記封止基材の前記有機エレクトロルミネッセンス構造体との貼合面の反対側に、樹脂製フィルムである第1支持基材を剥離可能に貼合する工程と、前記基材上に前記有機エレクトロルミネッセンス構造体を形成する前に、前記基材の第1電極形成面の反対側に、樹脂製フィルムである第2支持基材を剥離可能に貼合する工程と、前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に、前記第1支持基材が貼合した前記封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の前記接着層を介して貼合する工程と、前記第1支持基材が貼合した前記封止基材が、前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に貼合した状態で、前記接着層を硬化させる工程と、前記接着層の硬化後に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から前記第1支持基材、及び、前記第2支持基材のうちの少なくとも一方を剥離する工程と、を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
4.前記基材、及び、前記封止基材のうちの少なくとも一方を構成する樹脂製フィルムが前記有機発光層の発光光を透過する樹脂製フィルムであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
5.前記封止基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ50μm以下の樹脂製フィルムであることを特徴とする前記1〜4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
6.前記基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ50μm以下の樹脂製フィルムであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
7.前記封止基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ20μm以上の樹脂製フィルムであることを特徴とする前記5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
8.前記基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ20μm以上の樹脂製フィルムであることを特徴とする前記6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
9.前記基材、前記有機エレクトロルミネッセンス構造体、前記接着層、及び、前記封止基材の厚さの合計が150μm以下であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
10.前記接着層が熱硬化性接着剤を含むことを特徴とする前記1〜9のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
11.前記1〜10のいずれか一つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、接着層を介して封止基材で基材上に形成された有機EL構造体を封止した後、接着層を硬化させることで有機EL素子の剛性が高まるため、封止した有機EL素子から取扱い性向上のための支持基材の剥離を容易に行うことができる。
又、本発明によれば、封止性能に優れた薄膜の有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
(a)〜(f)有機EL素子の作製状況変化を示す概略断面図である。 本発明に係る有機EL素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る有機EL素子の製造方法の一部を示す工程ライン図である。 (a)〜(f)変形例による有機EL素子の作製状況変化を示す概略断面図である。 (a)〜(h)変形例による有機EL素子の作製状況変化を示す概略断面図である。
次に、本発明に係る有機ELの製造方法について、図面を適宜参照して詳細に説明する。本発明は以下に限定されるものではない。
本発明は、有機EL素子の作製において、基材、及び、封止基材の取り扱い性を向上させるため、基材、及び、封止基材に支持基材を貼合した上で、有機EL構造体の封止を行っている。このため、基材、及び、封止基材を使用した有機EL素子の薄膜であるという特徴を発揮させるために支持基材を除去する必要がある。封止後の有機EL素子から支持基材を除去しやすくする方法はいくつか考えられるが、そのうちの1つとして、本発明においては、有機EL素子の剛性をあげて、有機EL素子から支持基材を剥離しやすくする方法を採用している。
有機EL素子の剛性をあげる手段としては、基材、及び、封止基材の膜厚を厚くして剛性をあげる手段が考えられる。この手段は、膜厚の制御も容易であるため行いやすいが、作製される有機EL素子も必然的に厚くなる。このため、薄膜の有機EL素子を作製する場合には採用することが困難である。
そこで、本発明では、基材、及び、封止基材の膜厚を薄く維持しつつ、有機EL素子の剛性を高めて有機EL素子から支持基材を剥離しやすくするため、封止基材による有機EL構造体の封止性能を維持しつつ接着層の厚さを厚くすることにより、有機EL素子の剛性をあげて、有機EL素子から支持基材を剥離しやすくしている。
<有機EL素子の構成>
図1(f)に有機EL素子1の一例を示す。なお、図1を含めこれ以降の各図面において、各図は模式的に表す。図1(f)に示す様に、本発明により製造される有機EL素子1は、基材18上に設けられた有機EL構造体4と、有機EL構造体4に接着層14により貼合された封止基材15を備える。有機EL構造体4は、少なくとも、基材18上に、第1電極11、第2電極13、有機発光層を構成要素として有している。第1電極11と、第2電極13は、陽極と陰極の対である。
封止部材2は、可撓性を有する封止基材15の一方の面に熱硬化性接着剤を含む接着層14を予め形成したものである。
封止基材15は、少なくとも一方の面にバリア層(図示省略)が形成されて、支持基材17が貼合される。
このような基材18上の多層構造を有する有機EL素子1の構成の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
1.基材/第1電極(陽極)/有機発光層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
2.基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機発光層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
3.基材/第1電極(陽極)/有機発光層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
4.基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
5.基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
6.基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
7.基材/第1電極(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
8.基材/第1電極(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/第2電極(陰極)/接着層/封止基材
有機EL素子1を構成する各材料は、以下で説明する材料の他、公知の材料を用いることが可能である。有機EL素子1を構成する各材料の製造方法(形成方法)は、以下で説明する製造方法の他、公知の製造方法を用いることが可能である。本発明の有機EL素子1の構成は、前記構成に限られない。
<基材>
基材18は、基板、透明基板等とも呼ばれ、有機EL素子1の支持体となる部材である。基材18は、長尺帯状であって可撓性を有する合成樹脂製フィルム、好ましくは有機機能層の発光光を透過する透明樹脂製フィルムが用いられる。
基材18の厚さは、20μm以上50μm以下が望ましい。基材の厚さが50μm以下であると、薄膜の有機ELとしての物性(可撓性)を損なうことがない。又、基材18の厚さが20μmより薄いと搬送性、加工性が大幅に悪化するため、支持基材の貼合が困難であり、基材の厚さは20μm以上が望ましい。
本発明に使用する基材18は、可撓性を有するものであれば特に限定されない。基材18の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等が挙げられる。
この中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましい。
(バリア層)
基材18として、樹脂製フィルムを使用する場合は、樹脂製フィルムの少なくとも一方の面にバリア層を形成する。バリア層を形成する材料としては、水分や酸素等の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、無機物、有機物の被膜、又はその両者の複合被膜が挙げられる。
無機物のバリア層としては、例えば、無機蒸着膜が挙げられる。無機蒸着膜としては「薄膜ハンドブック」(日本学術振興会編オーム社発行、p879〜p901)、「真空技術ハンドブック」(日刊工業新聞社発行、p502〜p509、p612、p810)、「真空ハンドブック増訂版」(ULVAC 日本真空技術株式会社編オーム社発行、p132〜p134)に記載されているが如き無機膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO、Cr、単結晶Si、Si(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta、TiC、SiC、ZrN、PSG、Si、アモルファスSi、W等が用いられる。
バリア層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等公知の方法を用いる事が出来る。
<有機EL構造体>
有機EL構造体4は、第1電極(陽極)11、有機発光層を含む有機機能層12、第2電極(陰極)13から構成される、有機EL素子1の構成要素の一つである。
本発明において、有機EL構造体4の形成方法は、特に限定はなく、公知の技術により構成することができる。例えば、特開2010−103040号公報に記載の方法により構成することができる。
<封止基材>
封止基材15は、可撓性の樹脂基材が好ましく、例えば、樹脂製フィルム、有機発光層の発光光を透過する透明樹脂製フィルムが挙げられる。封止基材15は単体でもよいし、積層体であってもよく必要に応じて適宜選択することが可能である。封止基材15は、少なくとも一方の面にバリア層(図示省略)を有している。封止基材15は、有機EL構造体4と接する面側にバリア層(図示省略)を有していることが好ましい。バリア層は単体でもよいし、積層体であってもよく必要に応じて適宜選択することが可能である。本発明において、封止基材15は有機EL構造体4との貼合面(接着層14)の反対側に支持基材17が剥離性の接着剤で貼合されてもよい。又、剥離性接着剤を用いずに(第1剥離性接着層16を設けずに)静電気により封止基材15と第1支持基材17を貼合されてもよい(静電密着)。更に、バリア層の上に保護層(図示省略)を設けてもよい。
本発明に使用する封止基材15は、可撓性を有するものであれば特に限定されない。封止基材15の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PEN)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等が挙げられる。
この中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましい。
封止基材15の厚さは、20μm〜50μmが好ましい。封止基材15の厚さが50μm以下であると、薄膜の有機ELとしての物性(可撓性)を損なうことがない。又、封止基材の厚さが20μmより薄いと基材の搬送性、加工性が大幅に悪化するため、支持基材の貼合が困難である。よって、基材の厚さは20μm以上が望ましい。
封止基材15の水蒸気透過度は、有機EL素子として製品化する際に必要とするバリア性等を考慮し、0.01g/m・day以下であることが好ましい。水蒸気透過度は、JIS K7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値を示す。
封止基材15の酸素透過度は、0.01ml/m・day・atm以下であることが好ましい。酸素透過度は、JIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値である。
封止基材単体の剛性は、製造した有機EL素子1の搬送性・加工性から20μm以上が望ましい。
(バリア層)
封止基材15として、樹脂製フィルムを使用する場合は、樹脂製フィルムの少なくとも一方の面にバリア層が形成される。バリア層を形成する材料としては、水分や酸素等の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、無機物、有機物の被膜、又はその両者の複合被膜が挙げられる。
無機物のバリア層としては、例えば、無機蒸着膜が挙げられる。無機蒸着膜としては「薄膜ハンドブック」(日本学術振興会編オーム社発行、p879〜p901)、「真空技術ハンドブック」(日刊工業新聞社発行、p502〜p509、p612、p810)、「真空ハンドブック増訂版」(ULVAC 日本真空技術株式会社編オーム社発行、p132〜p134)に記載されているが如き無機膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO、Cr、単結晶Si、Si(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta、TiC、SiC、ZrN、PSG、Si、アモルファスSi、W等が用いられる。
バリア層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等公知の方法を用いる事が出来る。
バリア層の厚さは、膜厚は1μm〜100μm程度、好ましくは10μm〜50μm程度が望ましい。
(接着層)
本発明の有機EL素子の製造方法において、基材18及び有機EL構造体4と封止基材15とが接着剤で貼り合わされることで接着層14が形成される。有機EL構造体4と封止基材15とを貼り合わせる際に用いる接着剤は、樹脂厚の変動が少ない接着剤が好ましく、例えば、熱硬化性樹脂のシート状接着剤等が挙げられる。接着層に用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの熱硬化性樹脂の中でも、耐湿性、耐水性に優れ、樹脂厚の変動が少ないことから、エポキシ系熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂を使用することにより、加熱温度等硬化条件を選択して接着層を選択的に硬化させることが行いやすくなる。
接着層14の厚さは、基材18及び有機EL構造体4と封止基材15とが貼合されて、基材18、有機EL構造体4、接着層14、封止基材15の順に積層した状態において、20μm以上50μm以下とする。
有機EL構造体4と封止基材15とが貼合した状態で接着層14の厚さが20μm以上であると、接着層14の硬化後に基材18、有機EL構造体4、接着層14、封止基材15、剥離性接着層16、支持基材17の順に(基材18、有機EL構造体4、封止部材2、支持部材3の順に)積層した状態(図1(d)参照)から支持基材17(支持部材3)を剥離して(図1(e)参照)有機EL構造体4、接着層14、封止基材15の順に積層された状態(図1(f)参照)に容易に行うことが可能となる有機EL素子1の剛性が得られる。
接着層14の厚さが50μm以下であると、接着層14の厚さが増加したことによる封止基材15(封止部材2)の封止能力の低下がみられず、封止基材15の封止能力が維持される。
しかし、接着層14の厚さが20μm未満であると、接着層14の硬化性接着剤が有機EL素子1(基材18、有機EL構造体4、封止部材2)の剛性を大きくする効果はあまり得られない。有機EL素子1の剛性を大きくする方法として、基材18や封止基材15を厚くする方法も考えられるが、有機EL素子1の厚みを増やさずに剛性を大きくするには、より基材18や封止基材15より剛性の高い硬化性接着剤を含む接着層14の厚さを調整する方が望ましい。
よって、有機EL素子1を構成する接着層14の塗布時における厚さは、20μm以上50μm以下とする。
なお、硬化性接着剤は硬化前後において、ほとんど体積変化しないため、塗布時の接着層の厚さと硬化後の接着層の厚さとは、ほとんど同一である。
(封止部材)
封止基材15の有機EL構造体4上への貼合は、封止基材15に有機EL構造体4と接着する接着剤を含む接着層14を設けた封止部材2を作製して行ってもよい。封止部材2は、封止基材15と同様に、有機EL構造体4を封止して水分や酸素等による有機EL構造体4の劣化を防ぐ部材である。封止基材15と接着層14との間にバリア層(図示省略)を設けるのが好ましい。本発明においては、封止部材2は有機EL構造体4との貼合面(接着層14)の反対側に第1支持基材17が剥離性の接着剤を含む第1剥離性接着層16を介して貼合される(図1(b)参照)。
封止部材2は、有機EL素子1の表示領域を覆う形状に裁断されていることが好ましい。封止部材2の大きさは、基材18上に形成された有機EL構造体4の発光領域、並びに、取り出し電極部の形成部分を除いた第1電極11、及び、第2電極13の一部を含む大きさであることが好ましい。又、封止部材2は、複数の有機EL素子1を覆う形状に裁断されていてもよい。なお、長尺の封止部材2が使用されてもよい。
<支持基材>
支持基材17は、有機EL素子1の製造時に封止基材15に有機EL構造体4との貼合面(接着層14)の反対側に貼合することにより、封止基材15(封止部材2)の取り扱い性を向上させるものである。
又、有機EL素子1の製造時に基材18の有機EL構造体4形成面と反対側に支持基材17を貼合して、基材18の取り扱い性を向上させてもよい。
支持基材17の封止基材15、又は、基材18への貼合は、剥離性接着剤により、又、剥離性接着剤を用いずに(剥離性接着層16を設けずに)静電気(静電密着)により、行うことが可能である。
なお、封止基材15に貼合する支持基材を第1支持基材とも記載し、基材18に貼合する支持基材を第2支持基材とも記載する。
支持基材17は、封止基材15、又は、基材18の取り扱い性が向上する材料であるかぎり、材料に制限はない。支持基材17は、単体でもよいし、積層体であってもよく必要に応じて適宜選択することが可能である。支持基材17の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET等、薄く強度を有しこしを備える材料が挙げられる。
封止基材15に貼合する支持基材17と、基材18に貼合する支持基材17とが同じ材料である必要はなく、異なる材料であってもよい。
支持基材17は最終的に廃棄するため、製造コストを考慮すると安価であるものが好ましい。
支持基材17の厚さは、封止基材15、又は、基材18の取り扱い性を確保することが可能であり、有機EL素子1の生産性を損なわない限り制限はない。支持基材17の厚さと、基材18又は封止基材15の厚さとの合計の厚さがおよそ100μm以上250μm以下の範囲であることが好ましい。例えば、支持基材17の厚さは、75μm以上200μm以下が好ましい。支持基材17の厚さが、75μm以上であれば、有機EL素子1から支持基材17を剥離することが容易となる。支持基材17の厚さと、基材18又は封止基材15の厚さとの合計の厚さが250μm以下であれば、支持基材17を封止基材15、又は、基材18に貼合しても、有機EL素子1の製造において支障となることもない。
(剥離性接着層)
剥離性接着層16は、支持基材17の封止基材15(封止部材2)、又は、基材18との貼合面側に形成される接着層であり、支持基材17を封止基材15(封止部材2)、又は、基材18に剥離可能な接着力で接着するものである。
なお、封止基材15に支持基材17を剥離可能に貼合する剥離性接着層を第1剥離性接着層とも記載し、基材18に支持基材17を剥離可能に貼合する剥離性接着層を第2剥離性接着層とも記載する。
剥離性接着層16に含まれる接着剤は、支持基材17を有機EL素子1から剥離可能である限り、制限はない。剥離性接着層16に含まれる接着剤は、公知の剥離性接着剤を用いればよく、接着層14に含まれる接着剤よりも接着力が弱いものが好ましい。
(支持部材)
支持基材17の封止基材15(封止部材2)、又は、基材18への貼合は、支持基材17の封止基材15(封止部材2)、又は、基材18への貼合面に封止基材15(封止部材2)、又は、基材18と剥離可能に接着する接着剤を含む剥離性接着層16を設けた支持部材3として行ってもよい(図1(b)参照)。
支持部材3は、有機EL素子1の製造時に封止基材15(封止部材2)の有機EL構造体4との貼合面(接着層14)の反対側に貼合することにより、封止基材15(封止部材2)の取り扱い性を向上させるものである。又、有機EL素子1の製造時に基材18の有機EL構造体4形成面と反対側に支持基材17を貼合して、基材18の取り扱い性を向上させるものである。
<有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法>
本発明に係る有機EL素子1の製造方法は、図2に示す様に、封止工程S104、剥離工程S108等を有している。まず、基材18上に有機EL構造体4を形成する(S112〜S115)。別途、薄膜の封止基材15に支持基材17を貼合する(S102)。その上で、封止基材15に接着層14を形成する(S103)。次に、封止工程S104にて支持基材17が貼合された封止部材2を有機EL構造体4に貼合して有機EL構造体4の封止を行う。そして、接着層硬化工程S105で封止部材2の接着層を硬化した後、断裁工程S106で素子毎に断裁する。更に、回収工程S107で有機EL素子1を回収した後、剥離工程S108において有機EL素子1から支持基材17を剥離する。
なお、図2には行うことが好ましい第2支持部材貼合工程S111も記載している。
図3に封止工程S104から回収工程S107までの製造工程を模式的に示す。図3においては、支持部材3が貼合された基材18上に形成された有機EL構造体4、及び、支持部材3が貼合された封止部材2を便宜上模式的に図示している。
以下、封止部材2、及び、支持部材3を使用した有機EL素子の製造方法を記載する。しかし、封止部材2、及び、支持部材3を形成しないで、例えば、支持基材17に剥離性接着剤、封止基材15、接着剤等を積層して有機EL構造体4に貼付することによって、有機EL素子1を製造することも当然可能である。
まず、本発明に係る有機EL素子1の製造方法において、有機EL構造体4の形成方法以外の工程の例を説明する。
(支持部材作製工程)
支持部材作製工程S101は、封止基材15に貼合することにより封止基材15の取り扱い性を向上させる支持部材3を作製する工程である。
支持部材3は、支持基材17表面に封止基材15と剥離可能に接着可能な剥離性接着層16を形成したものである。支持部材3を作製して使用することにより、剥離性接着剤を介して支持基材17を単独で封止基材15等に貼合する場合よりも貼合が行いやすくなり、作業性及び有機EL素子の生産性が向上する。
剥離性接着層16の形成方法に制限はなく、公知の方法で行うことが可能である。例えば、長尺帯状の支持基材17上にシート状接着剤を載置した後、ドライラミネート法により貼合する事により形成可能である。その他にも、液状接着剤を用いたウェットラミネート法により形成可能である。
(第1支持部材貼合工程)
第1支持部材貼合工程S102は、封止基材15の有機EL構造体4との貼合面の反対側に支持部材3を貼合する工程である。
封止基材15と支持部材3との貼合方法に制限はなく、公知の方法が適用可能である。例えば、ロールツーロール方式において、長尺帯状の封止基材15と長尺帯状の支持部材3(支持基材17)とを貼合装置に通すことで貼合する方法が挙げられる。
なお、例えば、支持基材17に剥離性接着剤を塗布して封止基材15(封止部材2)に貼合する方法であってもよい。
(封止部材作製工程)
封止部材作製工程S103は、公知の方法によりバリア層を接合(形成)した外部環境から水分や酸素等を遮断し保護する封止基材15表面に有機EL構造体4と接着する接着層14を形成して封止部材2を作製する工程である。封止部材2を作製することにより、封止基材15による有機EL構造体4の封止が容易となり、有機EL素子1の生産性が向上する。
封止基材15の表面に接着層14を形成する方法に制限はなく、公知の方法で行うことが可能である。例えば、長尺の封止基材15上にシート状接着剤を載置した後、ドライラミネート法により貼合する事により形成可能である。その他にも、液状接着剤を用いたウェットラミネート法により形成可能である。
封止基材15上にバリア層を形成する方法に制限はなく、公知の方法で行うことが可能である。例えば、ロールツーロール方式において、封止基材15上にシート状接着剤を載置した後、バリア層として金属薄膜を重ねてドライラミネート法により貼合する事により形成可能である。その他にも、液状接着剤を用いたウェットラミネート法により形成可能である。
(封止工程)
封止工程S104は、基材18上に形成された有機EL構造体4に、支持部材3が貼合した封止部材2を貼合して有機EL構造体4の封止を行う工程である。
封止は、有機EL構造体4が形成された基材18(図1(a)参照)、及び、支持部材3が貼合された封止部材2(図1(c)参照)を、例えば、ロールツーロール方式により、上下に貼合ロールを有する貼合装置により基材18上の有機EL構造体4に接着層14を介して貼合して封止する(図1(d)参照)。
封止の際に、基材18、及び、封止部材2上のアライメントマークにより位置合わせを行ってもよい。
(接着層硬化工程)
接着層硬化工程S105は、支持部材3が貼合した封止部材2と、有機EL構造体4が形成された基材18とが貼合されて、有機EL構造体4が封止部材2により封止された状態で、接着層14を硬化する工程である。
接着層14を構成している材料が熱硬化性樹脂である場合には、硬化手段105(図3参照)を用いて所望の温度に加熱することにより接着層14を選択的に硬化させることが、光硬化性樹脂の場合よりも容易となる。硬化手段105としては、例えば、加熱ファン、面ヒーター、加熱ローラ、加熱ベルト、ハロゲンヒーターや遠赤外線ヒーター等の輻射熱加熱などが挙げられる。
(断裁工程)
断裁工程S106は、接着層14が硬化した有機EL素子1を断裁手段106(図3参照)等により個々の有機EL素子毎に断裁する工程である。
基材18を有機EL素子1の大きさに合わせて裁断する方法に特に制限はなく、例えば、中空刃(例えば、トムソン型刃)方式、パンチダイ方式などを用いることができる。
(回収工程)
回収工程S107は、断裁工程S106において断裁した有機EL素子1を回収する工程である。有機EL素子1の回収に特に制限はなく、例えば、搬送手段上から断裁した有機EL素子1を取り出し保持する吸着板を先端に備えたロボットアームにより有機EL素子1を回収する方法が挙げられる。
(剥離工程)
剥離工程S108は、接着層を硬化させて、個々の有機EL素子毎に断裁した有機EL素子1から支持部材3を剥離する工程である(図1(e)参照)。
支持部材3の剥離は、有機EL素子1を損傷することなく支持部材3が剥離できる限り剥離方法に制限はない。例えば、図示しないが、吸引手段により封止した有機EL素子1を固定して別の吸引手段を備えたロボットアームにより支持部材3を吸着することにより封止基材15(封止部材2)から支持部材3を剥離することが可能である。又、例えば、表面に粘着性物質を有するロボットアームを用いて、支持部材3に接着して支持部材3を剥離することも可能である。
次に、基材18上に有機EL構造体4を形成する工程の例を中心に記載する。
(基材洗浄工程)
基材洗浄工程S112は、基材18を洗浄する工程である。
例えば、ロール状に巻かれた長尺の基材18は、繰り出されて、超音波洗浄槽、及び、プラズマ洗浄槽において、特に第1電極11形成面が、洗浄される。
(第1電極形成工程)
第1電極形成工程S113では、基材18上に、例えば、マスクパターン成膜法で、取り出し電極部を有する第1電極11(陽極)が形成される。マスクパターン成膜法とは、例えば、第1電極11(陽極)の材料としてITOをスパッタリング法で基材18の上に成膜する際、予め必要とする形状のマスクを使用し成膜する方法を言う。
(有機機能層形成工程)
有機機能層形成工程S114では、第1電極(陽極)上に有機機能層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、有機発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層)を形成する。
(正孔輸送層形成)
次に、取り出し電極となる部分を除き、第1電極11(陽極)の全面に有機化合物である正孔輸送層が積層される。
基材18の洗浄から正孔輸送層の形成まで、真空環境下で連続して行うことが好ましい。連続して行うとは、次の段階に移る時も真空環境下に置かれていることを指す。正孔輸送層の形成以降、発光層を形成する工程は真空環境下でなくても構わない。正孔輸送層の形成まで真空環境下で連続して行うことで、第1電極11(陽極)の上に異物の付着を防止することが可能となっている。
(有機発光層形成)
続けて、正孔輸送層までが形成された有機EL構造体4の取り出し電極部を除いた正孔輸送層上に有機機能層(発光層)形成塗布液が塗布され、乾燥を経て有機機能層(発光層)が形成される。
使用可能な湿式塗布機としては、例えば、ダイコート方式、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェット方式、ワイヤーバー方式、キャップコート法、スプレー塗布法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の塗布機の使用が可能である。これらの湿式塗布機の使用は発光層の材料に応じて適宜選択することが可能となっている。有機EL素子1がフルカラー方式の場合は、パターン化されて形成されている第1電極11(陽極)のパターンに合わせて第1電極11(陽極)上に発光層をパターン塗布するため、例えば、インクジェット方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、マスクを用いたスプレー塗布方式等に使用する各種塗布装置を使用することが可能である。
(電子注入層形成)
続けて、基材18上に既に形成されている発光層上に電子注入層をマスクパターン成膜する。電子注入層の厚さは、0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
(第2電極形成工程)
第2電極形成工程S115で、基材18に取り出し電極を有する第2電極13(陰極)を、既に形成されている電子注入層上にマスクパターン成膜する。第2電極13(陰極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
この段階で、第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2電極(陰極)の構成を有する有機EL構造体4が基材18上に作製される。
第2電極形成工程S115、電子注入層(陰極バッファー層)形成の上記説明では蒸着装置の場合を示したが、第2電極13(陰極)及び陰極バッファー層(電子注入層)の形成方法については、特に限定はなく、例えば、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。
<変形例>
以下、変形例として、基材18に支持基材17(支持部材3)を貼合して有機EL素子1を製造する実施形態、及び、封止基材15、基材18の両方に支持基材17(支持部材3)を貼合して有機EL素子を製造する実施形態について説明する。
[変形例1]
基材18が薄膜である場合の取り扱い性を考慮すると、支持基材17(支持部材3)が有機EL構造体4の形成前に予め基材18に貼合されていることが好ましい。このため、支持部材作製工程S101と基材洗浄工程S112の間に第2支持部材貼合工程S111を行うことが好ましい(図2参照)。
なお、第2支持部材貼合工程S111は、基材洗浄工程S112の後であってもよい。
(支持部材作製工程)
支持部材作製工程S101は、変形例1においては、基材18に貼合することにより基材18の取り扱い性を向上させる支持部材3を作製する工程である。
支持部材3は、支持基材17表面に基材18と剥離可能に接着可能な剥離性接着層16を形成したものである。支持部材3を作製して使用することにより、剥離性接着剤を介して支持基材17を単独で基材18等に貼合する場合よりも貼合が行いやすくなり、作業性及び有機EL素子の生産性が向上する。
剥離性接着層16の形成方法に制限はなく、公知の方法で行うことが可能である。例えば、長尺帯状の支持基材17上にシート状接着剤を載置した後、ドライラミネート法により貼合する事により形成可能である。その他にも、液状接着剤を用いたウェットラミネート法により形成可能である。
(第2支持部材貼合工程)
第2支持部材貼合工程S111は、基材18の第1電極形成面の反対側に、剥離性接着剤を含む第2剥離性接着層16を介して、支持部材3を貼合する工程である(図4(a)参照)。基材18に支持基材17(支持部材3)を貼合することにより、基材18の取り扱い性が向上して、有機EL構造体4を封止することが容易となり、有機EL素子1の生産性が向上する。
基材18と支持部材3との貼合方法に制限はなく、公知の方法が適用可能である。例えば、ロールツーロール方式において、長尺帯状の基材18と長尺帯状の支持部材3を上下に貼合ロールを有する貼合装置に通すことで貼合することが可能である。
なお、支持基材17に剥離性接着剤を塗布して基材18に貼合してもよい。
基材18の少なくとも一方の面には、公知の方法により外部環境から水分や酸素等を遮断し保護するバリア層が接合(形成)されている。基材18上にバリア層を形成する方法に制限はなく、公知の方法で行うことが可能である。例えば、ロールツーロール方式において、長尺の基材18上にシート状接着剤を載置した後、バリア層として金属薄膜を重ねてドライラミネート法により貼合する事により形成可能である。その他にも、液状接着剤を用いたウェットラミネート法により形成可能である。
(基材洗浄工程)
基材洗浄工程S112は、変形例1においては、支持部材3が貼合された基材18を洗浄する工程である。
例えば、ロール状に巻かれ支持部材3が貼合された長尺の基材18は、繰り出されて、超音波洗浄槽、及び、プラズマ洗浄槽において、特に第1電極11形成面が、洗浄される。
(封止工程)
封止工程S104は、変形例1においては、支持部材3が貼合した基材18上に形成された有機EL構造体4に、封止部材2を貼合して有機EL構造体4の封止を行う工程である。
封止は、支持部材3が貼合され有機EL構造体4が形成された基材18、及び、封止部材2(図4(c)参照)を、例えば、ロールツーロール方式により、上下に貼合ロールを有する貼合装置により基材18上の有機EL構造体4に接着層14を介して貼合して封止する(図4(d)参照)。
封止の際に、基材18、及び、封止部材2上のアライメントマークにより位置合わせを行ってもよい。
(接着層硬化工程)
接着層硬化工程S105は、変形例1においては、封止部材2と、支持部材3が貼合し有機EL構造体4が形成された基材18とが貼合されて、有機EL構造体4が封止部材2により封止された状態で、接着層14を硬化する工程である。
[変形例2]
薄膜の基材18、及び、薄膜の封止基材15を用いて薄膜の有機EL素子1を製造する場合は、基材18、及び、封止基材15の取り扱い性を考慮して、基材18、及び、封止基材15の両方に支持基材17(支持部材3)が貼合されていることが好ましい。つまり、第2支持部材貼合工程S111、第1支持部材貼合工程S102の両方の工程を行うことが好ましい(図2参照)。
変形例2における製造工程は、図2に示す工程をすべて実施することになる。つまり、まず、支持部材作製工程S101で支持部材3を作製する。次に、第2支持部材貼合工程S111で基材18に支持部材3を貼合して(図5(a)参照)、基材18の取り扱い性が向上した状態で、基材洗浄工程S112、第1電極形成工程S113、有機機能層形成工程S114、第2電極形成工程S115の各工程を行うことで、基材18上に有機EL構造体4を作製することが好ましい(図5(b)参照)。一方、第1支持部材貼合工程S102で封止基材15に支持部材3を貼合して封止基材15の取り扱い性が向上した状態で、封止部材作製工程S103で封止部材2を作製することが好ましい。
そして、封止工程S104で、支持部材3が貼合した基材18上に形成された有機EL構造体4に、支持部材3が貼合した封止部材2を貼合して有機EL構造体4の封止を行い(図5(d)、(e)参照)、接着層硬化工程S105で、接着層14を硬化する。更に、断裁工程S106で、個々の有機EL素子毎に断裁し、回収工程S107で、断裁した有機EL素子1を回収する。最後に、剥離工程S108で、有機EL素子1から支持部材3を剥離することが好ましい(図5(f)、(g)参照)。
なお、各工程の内容は、前記説明内容と同様である。
以上、支持部材3を使用した有機EL素子の製造方法の実施形態を説明したが、支持部材3を貼合し有機EL構造体4を予め形成してロール状に巻き取った基材18、又は、支持部材3が貼合された封止部材2を使用して、有機EL構造体4の形成等他の工程と連続して封止することは、当然可能である。有機EL素子1の性能維持を考慮すると、基材18の洗浄、有機EL構造体4の形成から有機EL構造体4の封止まで連続して行うことがより好ましい。
又、ロールツーロール方式以外の方法により、支持基材17(支持部材3)を使用して有機EL素子1の製造を行うことも当然可能である。
更に、各工程の順番は前記に限られるものではなく、各工程の趣旨に反しない限り、適宜順番を入れ替えること等も可能である。例えば、封止部材2に貼合する支持部材3と、基材18に貼合する支持部材3とを、異なる材料により別工程で造り分けてもよい。
以下に、これら本発明の効果を確認した実施例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例>
以下に示す方法で、支持部材を作製し、基材、及び、封止基材に貼合した。次に、支持部材を貼合した基材上に第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極をこの順で形成した有機EL構造体を作製した。更に、支持部材が貼合した封止部材(封止基材)を作製して有機EL構造体を封止し、封止部材の接着層を硬化した後、有機EL素子毎に断裁した。そして、断裁した有機EL素子から支持部材を剥離する際の剥離容易性を測定した。併せて、有機EL素子から支持部材を剥離した後、有機EL素子のバリア性を測定した。
[有機EL素子の作製]
(支持部材の作製)
支持基材として、片面に剥離性接着剤層を形成した厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、以下適宜PETと略する)を用意した。
(封止部材の作製)
封止基材として、厚さ20μm、50μm、60μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用意し、バリア層を形成する側の反対側に作製した支持部材を剥離可能に貼合した。次に、支持部材を貼合した封止基材のバリア層を形成する側に、大気圧プラズマ放電処理装置を用いて連続して、SiNからなり厚さが30μmとなるようにバリア層を形成した。これにより、酸素透過度が0.001ml/m/day以下であり、水蒸気透過度が0.001ml/m/day以下である封止基材を作製した。
接着層として、硬化温度が120℃の熱硬化型のシート状接着剤(株式会社スリーボンド製1600シリーズ)を封止基材のバリア層側にラミネートして接着層を形成した。接着層の厚さは、10μm以上60μm以下の範囲において10μm毎に変更した。
(基材の作製)
基材として、厚さ20μm、50μm、60μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用意し、バリア層を形成する側(第1電極を形成する側)の反対側に作製した支持部材を貼合した。
次に、支持部材を貼合した基材の第1電極を形成する側に、大気圧プラズマ放電処理装置を用いて連続して、SiNからなり厚さが30μmとなるようにバリア層を形成した。これにより、酸素透過度が0.001ml/m/day以下であり、水蒸気透過度が0.001ml/m/day以下である基材を作製した。
(有機EL構造体の作製)
〈陽極の形成〉
作製した基材のバリア層上に、陽極としてITO膜を厚さ150nmでパターン成膜した。
〈正孔輸送層の形成〉
陽極が形成された基材表面の帯電除去処理を行った後、次に記載する溶液を塗布し、乾燥後、熱処理することにより正孔輸送層を形成した。塗布した溶液は、正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製Bytron P AI 4083)を65%メタノール水溶液で5%濃度に希釈した溶液とした。この溶液をエクストルージョンコート法により陽極上に塗布して正孔輸送層を形成した。
〈発光層の形成〉
ITOによる陽極、正孔輸送層が形成された基材の正孔輸送層の上に次に記載する溶液のパターン塗布を行って発光層を形成した。塗布した溶液は、ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)にドーパント材としてIr(ppy)、FIr(pic)、BtpIr(acac)(1:1:1混合物)を10質量%になるように混合し、1,2−ジクロロエタン中に溶解して、固形分濃度を1質量%溶液とした。この溶液を前記正孔輸送層上に、乾燥後の厚さが100nmになる様に成膜し、発光層を設けた。続いて、正孔輸送層と同様の乾燥炉を用い60℃にて乾燥を行い連続して100℃にて加熱処理を行った。
〈電子輸送層、陰極の形成〉
基材上の発光層まで製膜した段階の有機EL構造体に、5×10‐4Paの真空状態の真空槽で、フッ化リチウム入りのボートに通電して蒸着速度0.01nm/秒〜0.02nm/秒で膜厚0.5nmの電子輸送層を設けた。次いで、アルミニウムの入ったボートに通電して、電子輸送層上に蒸着速度1nm/秒〜2nm/秒で膜厚150nmの陰極をつけ、有機EL構造体を得た。
(有機EL構造体の封止)
作製した封止部材を、基材上に形成された有機EL構造体の発光領域並びに外部出力端子の形成部分を除いた第1電極及び第2電極の一部を含む大きさ(約80mm×約80mm)に切断した。切断には上記の大きさに加工したトムソン型刃を使用した。
次に、切断した支持部材が貼合した封止部材を基材上に作製した有機EL構造体に貼付した。貼付は、基材上のアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って行った。
基材上の有機EL構造体に支持部材付き封止部材が貼合した状態でこれを一対の貼合ロールを有する貼合装置にて押圧が0.3MPaになる様にロールの押圧を調整して、90℃に加熱したローラでロール加熱圧着して封止した。
(接着層の硬化)
第1電極形成面の反対側に剥離性接着層を介して剥離可能に支持部材が貼合した基材上に形成された有機EL構造体に、有機EL構造体との貼合面の反対側に剥離性接着層を介して剥離可能に支持基材が貼合した封止部材を、接着層を介して貼合して封止した。この状態で硬化手段により(オーブンで120℃30分間加熱して)、有機EL構造体と封止部材とを接着する接着層を硬化させた。
(断裁)
基材上のアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従ってトムソン型刃により個別の有機EL素子の大きさ(約100mm×約100mm)に合わせて断裁した。
(支持部材の剥離)
封止部材の接着層を加熱手段で加熱して硬化させた後、封止部材に貼合した支持部材の端部に粘着テープ(ニチバン製セロテープ(登録商標)クリーンルーム用 CRCT‐18)を貼り付けて、有機EL素子から封止部材に貼合した支持部材を剥離した。
作製した有機EL素子の接着層の厚さを表1に記載する。
Figure 2015215952
<評価>
(試験体)
封止部材の接着層の厚さを10μm以上60μm以下の範囲において10μm毎に変更した有機EL素子の各々を試験体として(試験体1〜13)、次の性能試験を行った。
(支持部材の剥離性)
支持部材が貼付した状態の有機EL素子から支持部材を剥離する際の剥離不良発生率を測定した。測定には、長野オートメーション社製の保護フィルム剥離装置を使用した。封止部材に貼合した支持基材を粘着テープ(ニチバン製セロテープクリーンルーム用 CRCT‐18)により剥離した有機EL素子200個について、基材に貼合した支持基材の剥離不良の測定を行い、基材からの支持基材の剥離不良発生率が0.5%未満を○、0.5%以上5%未満を△、5%以上を×として、表1に結果を示す。剥離不良発生率が5%未満を合格とし、5%以上を不合格とする。
有機EL素子の剛性は125μmのPETフィルム同等以上、好ましくは150μmのPETフィルム同等以上の剛性が望ましい。支持基材の剥離性の比較対象として、有機EL素子の変わりに、125μmPETフィルムの一面に支持基材を貼合したもの、及び、150μmPETフィルムの一面に支持基材を貼合したものを作製して、同様に基材からのPET製支持基材の剥離不良の測定を行った。
(バリア性能)
支持基材を使用して作製し、支持基材を剥離した有機EL素子を温度25℃、圧力33330Paの減圧環境下に24時間保存した。続けて、温度60℃、相対湿度90%の加速劣化条件下に250時間保存した。これら条件で保存された有機EL素子を発光させ、ダークスポット等の未発光部を除く発光部の面積を測定し、減圧環境下で24時間保存直後の初期発光面積との比率を計算した。発光面積測定は、発光状態の画像を撮影し画像処理することにより面積を算出した。
初期発光面積に対する発光面積の比率が95%以上100%未満を○、90%以上95%未満を△、90%未満を×、として表1に結果を示す。初期発光面積に対する比率が90%以上を合格とし、90%未満を不合格とした。
(結果)
表1に示す様に、有機EL素子の接着層の厚さが20μm以上60μm以下の試験体2〜6は、剥離不良発生率が5%未満であり、支持部材の剥離性が特に優れていた。
表1に示す様に、有機EL素子の接着層の厚さが10μm以上40μm以下の試験体1〜4は、初期発光面積に対する発光面積は95%以上であり、バリア性が特に優れていた。
有機EL素子の替わりに125μm厚、及び、150μm厚のPETフィルムを、125μm厚の支持基材(PET製フィルム)に接着層の厚さを10μmとして貼合して比較用試験体を作製した。作製した比較用試験体の剥離不良発生率は、125μm厚PETフィルムが0.5%以上5%未満(△)であり、150μm厚PETフィルムが0.5%未満(○)であった。
表1に示す様に、接着層の厚さが10μmの試験体において、有機EL素子の替わりに125μmPETフィルムとした比較例と同等の剥離性を示す試験体は、基材及び封止基材の厚さを60μmにした試験体13である。
つまり、接着層の硬化後の厚さが10μmの場合は、有機EL素子が望ましい剛性を得るためには、基材及び封止基材の厚さを60μm以上にする必要がある。従って、接着層の硬化後の厚さが10μmの場合は、硬化性樹脂を含む接着層が存在することによる剛性向上の効果が少ないことが分かる。
総合して、有機EL素子の接着層の厚さが20μm以上50μm以下であるとバリア性、及び、剥離性に優れ、20μm以上40μm以下であると特に優れていた。
したがって、封止基材で封止された有機EL素子から取扱い性向上のための支持基材の剥離が容易になることにより、薄膜の基材上に有機EL構造体を形成して薄膜の封止基材で封止した有機EL素子を得ることが出来ることも明らかである。支持基材の剥離を容易にする有機EL素子の製造方法により、封止性能に優れた有機EL素子を得ることができることも明らかである。
以上、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について、実施形態を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変や変更等することができることはいうまでもない。
1 有機EL素子
2 封止部材
3 支持部材
4 有機EL構造体
11 第1電極
12 有機機能層
13 第2電極
14 接着層
15 封止基材
16 剥離性接着層
17 支持基材
18 基材

Claims (11)

  1. 基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機エレクトロルミネッセンス構造体に、硬化性接着剤を含む接着層を介して封止基材を貼合する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、
    前記封止基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、
    前記封止基材の前記有機エレクトロルミネッセンス構造体との貼合面の反対側に、樹脂製フィルムである第1支持基材を剥離可能に貼合する工程と、
    前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に、前記第1支持基材が貼合した前記封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の前記接着層を介して貼合する工程と、
    前記第1支持基材が貼合した前記封止基材が、前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に貼合した状態で、前記接着層を硬化させる工程と、
    前記接着層の硬化後に、封止基材から前記第1支持基材を剥離する工程と、を含む
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機エレクトロルミネッセンス構造体に、硬化性接着剤を含む接着層を介して封止基材を貼合する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、
    前記封止基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、
    前記基材上に前記有機エレクトロルミネッセンス構造体を形成する前に、前記基材の第1電極形成面の反対側に、樹脂製フィルムである第2支持基材を剥離可能に貼合する工程と、
    前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に、前記封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の前記接着層を介して貼合する工程と、
    前記封止基材が、前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に貼合した状態で、前記接着層を硬化させる工程と、
    前記接着層の硬化後に、前記基材から前記第2支持基材を剥離する工程と、を含む
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 基材上に形成された、少なくとも第1電極、有機発光層、及び、第2電極がこの順番で積層した有機エレクトロルミネッセンス構造体に、硬化性接着剤を含む接着層を介して封止基材を貼合する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、
    前記封止基材は、樹脂製フィルムであって少なくとも一方の面にバリア層が形成されたものであり、
    前記封止基材の前記有機エレクトロルミネッセンス構造体との貼合面の反対側に、樹脂製フィルムである第1支持基材を剥離可能に貼合する工程と、
    前記基材上に前記有機エレクトロルミネッセンス構造体を形成する前に、前記基材の第1電極形成面の反対側に、樹脂製フィルムである第2支持基材を剥離可能に貼合する工程と、
    前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に、前記第1支持基材が貼合した前記封止基材を、厚さ20μm以上50μm以下の前記接着層を介して貼合する工程と、
    前記第1支持基材が貼合した前記封止基材が、前記第2支持基材が貼合した前記基材上に形成された前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に貼合した状態で、前記接着層を硬化させる工程と、
    前記接着層の硬化後に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から前記第1支持基材、及び、前記第2支持基材のうちの少なくとも一方を剥離する工程と、
    を含む
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記基材、及び、前記封止基材のうちの少なくとも一方を構成する樹脂製フィルムが前記有機発光層の発光光を透過する樹脂製フィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記封止基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ50μm以下の樹脂製フィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ50μm以下の樹脂製フィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記封止基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ20μm以上の樹脂製フィルムである
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 前記基材を構成する樹脂製フィルムが、厚さ20μm以上の樹脂製フィルムである
    ことを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 前記基材、前記有機エレクトロルミネッセンス構造体、前記接着層、及び、前記封止基材の厚さの合計が150μm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 前記接着層が熱硬化性接着剤を含む
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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