JP2015215501A - 波長変換素子 - Google Patents

波長変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2015215501A
JP2015215501A JP2014098693A JP2014098693A JP2015215501A JP 2015215501 A JP2015215501 A JP 2015215501A JP 2014098693 A JP2014098693 A JP 2014098693A JP 2014098693 A JP2014098693 A JP 2014098693A JP 2015215501 A JP2015215501 A JP 2015215501A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength conversion
waveguide
conversion element
light
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014098693A
Other languages
English (en)
Inventor
忠永 修
Osamu Tadanaga
修 忠永
毅伺 梅木
Takeshi Umeki
毅伺 梅木
弘和 竹ノ内
Hirokazu Takenouchi
弘和 竹ノ内
圓佛 晃次
Kouji Enbutsu
晃次 圓佛
明雄 登倉
Akio Tokura
明雄 登倉
拓志 風間
Takushi Kazama
拓志 風間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2014098693A priority Critical patent/JP2015215501A/ja
Publication of JP2015215501A publication Critical patent/JP2015215501A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】基板上にリッジ型またはリブ型の導波路構造である2次非線形光学媒質を形成した波長変換素子において、導波路内の光により熱分布が生じ屈折率が変化して位相整合条件が満たされなくことを防止することにより、ハイパワー入力が可能で高い変換効率を得ることのできる波長変換素子を提供すること。
【解決手段】基板上に、周期的な分極反転構造が施されている二次非線形光学媒質をリッジ型またはリブ型の導波路構造として形成し、前記基板の導波路構造の形成面側に、二次非線形光学媒質よりも屈折率の低い誘電体膜を積層し、さらに該誘電体膜上に金属または導電性樹脂からなる熱伝導性材料を積層したことを特徴とする波長変換素子。
【選択図】図4

Description

本発明は非線形光学効果を用いた光学素子に関し、具体的には、光通信システムや光計測システムにおいて用いられる波長変換素子に関する。
波長変換技術は、光通信における光信号波長変換、光加工、医療、生物工学などの応用のための紫外域から可視域、赤外域、テラヘルツ域などにおいて半導体レーザでは直接出力できない波長域が必要な用途や、半導体レーザでは得られない高出力な強度が必要な用途において利用されている。特に2次非線形材料で大きな非線形定数を持つニオブ酸リチウム(LiNbO3)を用いた周期分極反転導波路は、効率の高さから既に市販されている光源に使用されている。
二次非線形光学効果では、波長λ、λの光を入力して新たな波長λを発生させる。 1/λ=1/λ+1/λ(式1)
を満たす波長変換を和周波発生(SFG)とよび、λ=λの場合、すなわち(式1)を変形して、
λ=λ/2(式2)
を満たす波長変換を第二高調波発生(SHG)と呼ぶ。さらに、
1/λ=1/λ―1/λ (式3)
を満たす波長変換を差周波発生(DFG)と呼ぶ。さらにはλのみ入力し式3を満たすλ、λを発生する光パラメトリック効果も存在する。
特にSHG、SFGは入力光に対して短波長の光、すなわちエネルギーの高い光を新たに発生し、可視光域の発生などに良く利用される。
これらの二次非線形光学効果を効率良く起こすためには、相互作用する3波長の位相不整合量が0であることが求められる。そこで二次非線形光学材料の分極を周期的に反転させることにより疑似的に位相不整合量を0にすることができる。その時の反転周期をΛとすると、式1で示される和周波発生において波長λ、λ、λに対して以下の(式4)を満たすΛを設定すれば良い。
/λ−n/λ−n/λ−1/Λ=0 (式4)
ここでnは波長λでの屈折率、nは波長λでの屈折率、nは波長λでの屈折率である。
このような周期分極反転構造を取り、さらに導波路化することにより狭い領域に光を高密度に閉じ込め長距離を伝搬させることができるので高効率な波長変換が可能である。
近年では波長変換素子としては非特許文献1に示される様に、結晶のバルクの特性をそのまま利用できることから、高光損傷耐性、長期信頼性、デバイス設計の容易性等の特徴を持つリッジ型の光導波路が研究開発されている。これは二枚の基板を接合して形成された光学素子の一方の基板を薄膜化した後リッジ加工をすることにより、リッジ型の光導波路を形成することができる。この基板を接合する場合に、接着剤等を用いずに、基板同士を強固に接合する技術として、直接接合技術が知られている。さらに非特許文献2に示される様に導波路化技術もドライエッチング技術が進展し小コア化に成功しており、効率は向上の一途をたどっている。
Y. Nishida, H. Miyazawa, M. Asobe, O. Tadanaga, and H. Suzuki, "Direct-bonded QPM-LN ridge waveguide with high damage resistance at room temperature," Electronics Letters, Vol.39, No.7, p.609-611, 2003. T. Umeki, O. Tadanaga, and M. Asobe, ‘Highly Efficient Wavelength Converter Using Direct-Bonded PPZnLN Ridge Waveguide’ IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol. 46, No. 8, pp. 1206-1213, 2010.
高強度の光を導波路中に入射する場合には、導波路内での結晶の光吸収により導波路が加熱され、結果として屈折率が変化してしまうという問題があった。結晶の光吸収係数はごくわずかではあるものの、完全にゼロではないことに起因して、導波路が光により暖まり屈折率が変化してしまう。これにより位相整合条件が満たされなくなり、高パワーの光入力の場合に変換効率が低下するという課題があった。
導波路の光の吸収には、入力した光パワーの吸収と、変換された光の吸収との両方が存在する。非特許文献1に記述されている通り、変換光が短波長の場合、変換光の吸収係数が基本波光よりも大きくなることが一般的に知られている。
変換光は、導波路長の2乗により変化するため、入力側よりも出力側の方が変換光パワーは強くなる。そのため、変換光に起因した導波路の加熱により出力側がより高い熱分布となってしまう。さらに、基本波光による熱分布の影響も加わるため、導波路内の熱分布は非常に複雑になる。基本波光パワーは、入力側が最大となる。導波路の長手方向に伝搬するにつれ、基本波光からのエネルギーの移行により変換光が生成されるため、基本波光パワーは出力側の方が入力側よりも小さくなる。さらに、光の吸収には、線形吸収と2光子吸収などの線形とは異なる吸収とが存在するため、導波路内の熱分布の把握は非常に難しい。特に導波路の小コア化による変換効率の向上による変換光の増大と基本波光自体の光密度向上も導波路の熱分布の影響を大きくしている。
ここで図1に直接接合法で作ったドライエッチング法により導波路形成した波長変換素子の概略図を示す。図1(a)は、波長変換素子の構造を示す斜視図であり、図1(b)はリッジ型の導波路構造を有する波長変換素子の断面構造を示し、図1(c)はリブ型の導波路構造を有する波長変換素子の断面構造を示す。ちなみに図1(a)に示した導波路はリッジ型であり、図1(a)中の矢印は分極の方向を示している。図1(b)に示すリッジ型導波路110は、基板111の上にリッジ部112が形成されている。リッジ型導波路110では、基板111の上面側において、リッジ部112の上面に相当する導波路上面113と、リッジ部112の側面に相当する導波路側面114と、リッジ部112の両脇に位置する導波路脇面115を有する。またリブ型導波路も波長変換素子では用いられることがある。図1(c)にリブ型導波路構造を示す。リブ型導波路120は、基板121上にリブ部122が形成されている。リブ型導波路120では、基板121の上面側において、リブ部122の凸構造の上面に相当する導波路上面123と、リブ部122の凸構造の側面に相当する導波路側面124と、その両脇に位置する導波路翼面125とを有している。
波長変換素子100はタンタル酸リチウム基板101の上にニオブ酸リチウム導波路102が形成されている。タンタル酸リチウムはニオブ酸リチウムよりも屈折率が低く、ニオブ酸リチウムの中に光を有効的に閉じ込めて伝搬できる。またニオブ酸リチウムには周期的に分極が反転されており、波長1560nmの光を効率的に波長780nmに波長変換が起こる様に設定されている。素子長は50mmとした。
図2は波長1560nmの基本波光の強度に対する第二高調波780nm光の光強度の依存性を示した図である。図2において実線は実験値であり、入力光を1Wの強度で入力しても約65%の変換効率で頭打ちになっていることが分かる。図2において点線は数mWの小入力時の効率から計算された理想的な波長変換が起きるときの曲線であり、理想値(点線)より実際の値(実線)は高光強度時に効率の低下がみられることが判る。そこで様々な入力光強度における波長変換特性の波長依存性を図3に示す。1mW時には理想的な波長依存性が見られたが、入力強度を増やすにつれ波形は乱れた。これは上記で説明した熱分布が原因だと考えられる。
この熱分布が、擬似位相整合を用いた波長変換素子に及ぼす影響を説明する。簡単のために第二高調波発生で考えることにする。例えば、素子長50mmの周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路を想定すると、波長1560nmの基本波光を入力して波長780nmの第二高調波を発生する場合、基本波波長に対する位相整合波長の帯域は0.2nm程度である。また、位相整合波長は、温度が1℃変わると0.1nm程度ずれてしまう。このことからもわかる通り、温度分布を1℃よりも十分小さい値に抑える必要がある。特に、100mW以上の光を入力する場合はこの導波路内の光による熱分布の影響が無視できないほど発生してしまっていた。
これまでは、波長変換素子の基板の温度を一定にするように温度コントロールすることで位相整合波長を制御する方法が一般的に用いられてきた。均一な温度変化であれば、導波路全体を温度制御することで補正が可能であるが、導波路の長手方向に熱分布を発生させる光起因の熱分布を制御する方法はこれまで実現されていなかった。
そこでこの熱分布を回避する一つの方法として考えられるのが、バルク型周期分極素子を用いて光密度を低くし熱分布を緩やかにする方法である。しかし、これは変換効率を下げることとトレードオフにあり最適な方法とは言えない。また熱分布を回避する別の方法として、導波路直近に分割されたヒータ構造を取り入れることにより、熱分布を補償するように各ヒータの発熱量を制御する方法が考えられ、温度分布を直接的に均一化でき絶大な効果を発揮するが、これも制御が複雑で実用的だとは言えない。
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、基板上にリッジ型またはリブ型の導波路構造である2次非線形光学媒質を形成した波長変換素子において、導波路内の光により熱分布が生じ屈折率が変化して位相整合条件が満たされなくことを防止することにより、ハイパワー入力が可能で高い変換効率を得ることのできる波長変換素子を提供することにある。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載された発明は、基板上に、周期的な分極反転構造が施されている二次非線形光学媒質をリッジ型またはリブ型の導波路構造として形成し、前記基板の導波路構造の形成面側に、二次非線形光学媒質よりも屈折率の低い誘電体膜を積層し、さらに該誘電体膜上に金属または導電性樹脂の熱伝導性材料を積層したことを特徴とする波長変換素子である。
従来の波長変換素子の構成を示す図である。 従来の波長変換素子を用いた場合の入射光である基本波光強度に対する波長変換光強度依存性を示す図である。 従来の波長変換素子を用いた場合の様々な基本波光強度の場合の波長変換光強度の波長依存性を示す図である。 実施例1に係る波長変換素子の構成を示す図である。 SiO膜厚を変化させたときの波長変換光出力依存性を示す図。 比較例1に係る波長変換素子の構成を示す図である。 SiO膜厚を変化させたときの波長変換光出力依存性を示す図。 比較例2に係る波長変換素子の構成を示す図である。 金属膜厚を変化させたときの波長変換光出力依存性を示す図。 実施例3に係る波長変換素子の構成を示す図である。 SiO膜厚を変化させたときの波長変換光出力依存性を示す図。 実施例4に係る波長変換素子の構成を示す図である。 実施例5に係る波長変換素子の構成を示す図である。 金属または導電性樹脂の層のメイン材質とその材質の熱伝導率とその膜厚に対する変換効率とを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本実施形態の波長変換素子は、基板上に、リッジ型またはリブ型の導波路構造である二次非線形光学媒質を形成し、この基板の導波路構造の形成面側に、二次非線形光学媒質よりも屈折率の低い誘電体膜を積層し、さらにこの誘電体膜上に20(W/m/K)以上の熱伝導率を持つ金属または導電性樹脂の熱伝導性材料を積層して構成される。二次非線形光学媒質は、直接または誘電体もしくは接着剤を介して基板上に形成され、周期的な分極反転構造が施されている。ここで基板の導波路構造の形成面側とは、リッジ型の導波路構造の場合はリッジ構造の導波路の上面(下面は基板側)とリッジ構造の導波路の両側面とリッジ構造の導波路構造の両脇の基板面をいい、リブ型の導波路構造である場合はリブ構造の導波路の上面(下面は基板側)とリブ構造の導波路の両側面とその横に延びる導波層の薄い両翼をいう。
二次非線形光学媒質は、LiNbOまたはLiNbOに、Mg、Zn、Sc、およびInのうちの少なくとも一種が添加物として含有された材料により構成することができる。
積層される誘電体膜は、SiOを用いることができ、厚さが0.5μm以上3μm以下とすることができる。誘電体膜は、導波路構造に伝搬する光を閉じ込めて金属または導電性樹脂による光の吸収を回避するために設けられる。一方、この誘電体膜を厚くしすぎると放熱のための金属または導電性樹脂が導波路構造から離れてしまうため、放熱効率が低下してしまう。したがって、誘電体膜の厚さを適切に設定することにより、金属または導電性樹脂による光の吸収を回避しつつ高い放熱効率を得ることができる。
さらに本実施形態の波長変換素子においては、基板とは反対側の面に金属板が接していることが好ましい。
本実施形態の波長変換素子によれば、波長変換素子の熱分布が誘電体を介して金属または導電性樹脂の熱伝導性材料に伝わり拡散し、その熱分布を緩和する。そのため波長変換素子の長手方向の特性に変化がなくなり変換効率の低下を招かず、高効率波長変換が可能になる。すなわち光による熱が発生する波長変換においても、高出力特性が得られる。また本実施形態の波長変換素子は、導波路の温度を均一化するために金属や導電性樹脂を用いているが、ヒータなどの役割をしているわけではないので、本質的にこの金属や導電性樹脂は電流を流すための電極ではない。また本構造では電流を流すための電極は必要でないため、複雑な電気制御が必要でなく簡便である。
図4に実施例1に係る波長変換素子の断面構造を示す。波長変換素子400はタンタル酸リチウムからなる基板401の上に、リッジ型の構造を有する導波路402としての周期分極反転構造が施されたニオブ酸リチウムが直接接合され、基板401上方から全面に誘電体膜403としてのSiOが成膜され、さらに熱伝導性材料404としての金属が全面に蒸着されている。導波路402としてのニオブ酸リチウムは、研削と研磨により10μmまで薄膜化され、ドライエッチングにより横方向の幅が制限された導波路構造になっている。熱伝導性材料404としての金属はTiとAuからなりTiは0.1μm、Auが0.4μmの厚さで全面に蒸着されている。波長変換素子400の周期分極反転周期は1560nmを効率よく780nmに第二高調波発生が起こる様に設定されている。また素子長は4cmとした。
図5は、図4に示す波長変換素子のSiO膜厚t1を種々に変化させた素子を作製し、1Wの波長1560nm光を導波路に入力して、その出力特性を調べた図である。四角がデータ点で曲線はフィッティング線である。SiO膜厚t1が0付近では、導波路コアに近接して金属が存在するために金属での吸収が大きくなり変換光出力は小さくなっている。SiO膜厚t1が1μm付近で最大になり、さらにSiO膜厚t1を増やしていくと、熱伝導率の良い金属が次第に離れていくため、熱の逃げが悪くなり出力は低下した。最大出力は変換効率が約65%の従来素子よりも明らかに大きな出力を得て、SiO膜厚t1が0.5μmから3μmの間で9割以上の変換効率が得られた。
また、図4で示した波長変換素子において熱伝導性材料404のメイン材質と(0.1μm程度のTiとAu0.4μmを形成した場合はAu)とその膜厚とを変化させてその変換効率を測定した。図14に金属または導電性樹脂の層のメイン材質とその材質の熱伝導率とその膜厚に対する変換効率とを示す。誘電体膜403の厚みは1.0μmと一定した。樹脂系材料は塗布により熱伝導性材料404層を形成したため膜厚は50μm程度と厚くなっている。図14より熱伝導性材料404の材質として9割以上の変換効率が得られる熱伝導率は20(W/m/K)であることが分かる。したがって、熱伝導性材料としては熱伝導率は20(W/m/K)のものを用いることが好ましい。
(比較例1)
次に比較例1として、基板の上方から一部のみに熱伝導性材料を設けたリッジ型の構造を有する導波路構造の波長変換素子を作製した。ここで作製した波長変換素子は実施例1の波長変換素子400とは熱伝導性材料の設けられている箇所が異なる。図6は、比較例1で作製した波長変換素子の断面構造を示す図である。比較例1において作製した波長変換素子は、図6に示すように、基板601上の導波路602に誘電体膜603を設け、リッジ状の導波路602上部の1面のみに熱伝導性材料604である金属を蒸着した構造をもつ。金属膜をフォトプロセスおよびウェットエッチングによりリッジ上面のみに残した点以外は実施例1とほぼ同様の構成である。誘電体膜603としてのSiO膜厚を1μm一定とし金属膜厚t2を種々に変化させた波長変換素子600を作製した。
図7は、金属膜厚t2を種々に変化させて作製した波長変換素子600において、1Wの波長1560nm光を導波路602に入力して、その出力特性を調べた図である。四角がデータ点で曲線はフィッティング線である。出力特性は実施例1とほぼ同様であるが、金属部604が上面にしか無い分、熱の逃げる方向が導波路と平行方向のみで金属部604厚みを1μm程度まで増やすと効率の上昇は実用的範囲に入るが、1μm以上の金属パターンを作製することは複雑な製造プロセスを経ることが必要なため得策ではない。
したがって、リッジ型の構造を有する導波路402においても、導波路402上面のみでなく、導波路402の側面や両脇にも誘電体膜403および熱伝導性材料404を設ける必要があることが判る。
(比較例2)
比較例2の波長変換素子は、波長変換素子のリッジ型の構造を有する導波路上面以外の誘電体膜を除去した点以外は比較例1と同様にして作製した。図8は、本比較例の誘電体膜を除去した波長変換素子の断面構造を示す。実施例2とほぼ同様の素子を作製した。実施例2と異なるところは、リッジ上面のパターン化された金属膜をマスクにSiO膜をエッチングした点である。またSiO膜厚は1μm一定とした。
図9は、金属膜の膜厚を様々に設定し、1Wの波長1560nm光を導波路に入力して、その出力特性を調べた図である。四角がデータ点で曲線はフィッティング線である。金属が形成されていない膜厚0の時はほぼ従来素子と同じ出力を示したが、金属膜厚を増加させるにつれ出力は増加するが、図6で示した構造よりも上昇率は低く、1μm以上の膜厚を増やしても出力の明らかな増加は見られなかった。これは空気よりも熱伝導率の良いSiOを導波路の側面に配置した図6の構造ではSiOが少々熱の逃げに寄与していたが、そのSiO層を除去すると効果が表れなかったと考えられる。
実施例2に係る波長変換素子は、実施例1に示した構造におけるSiO膜厚を0.8μmとし、金属膜厚を0.5μmとした構成である。1Wの波長1560nm光を導波路に入力して、その出力特性を調べたところ約9割と大きな変換効率が得られた。
図10は実施例3に係る波長変換素子の断面構造を示す図である。波長変換素子1000はニオブ酸リチウムからなる基板1001の上に、周期分極反転構造が施されたニオブ酸リチウムが接着剤1002を介して接着接合されている。ニオブ酸リチウムは10μmまで研削と研磨により薄膜化され、ドライエッチングにより横方向の幅が制限されたリブ型の導波路構造1003になっている。この状態で、基板1001上方から全面に誘電体膜1004であるSiOが成膜され、さらに高熱伝導率の金属1005であるTiが0.1μm、Auが0.4μmの厚さで全面に蒸着されている。本実施例における波長変換素子の周期分極反転周期は、1560nmを効率よく780nmに第二高調波発生が起こる様に設定されている。また素子長は4cmとした。
図11は、このような波長変換素子のSiO膜厚t1を種々に変化させた素子を作製し、1Wの波長1560nm光を導波路に入力して、その出力特性を調べた図である。四角がデータ点で曲線はフィッティング線である。実施例1と同様にSiO膜厚t1が0付近では、導波路構造1003に近接して金属1005が存在するために金属1005での吸収が大きくなり変換光出力は小さくなっている。SiO膜厚t1が1μm付近で最大になり、さらにSiO膜厚t1を増やしていくと、熱伝導率の良い金属1005が次第に離れていき、熱伝導率のそれほど良くないため、熱の逃げが悪くなり出力は低下した。最大出力は従来素子よりも明らかに大きな出力を得たが、実施例1よりも出力は若干低下した。これは実施例1に示す直接接合法では、接着材よりは熱伝導の良いタンタル酸リチウム側に熱が逃げる効果があったためである。しかしながらSiO膜厚t1が0.5μmから3μmの間で9割以上の変換効率が得られた。
図12は実施例4に係る波長変換素子の断面構造を示す図である。金属膜の代わりに銀ペーストからなる導電性樹脂1204を塗布し焼き固めた点以外は、実施例1と同様の波長変換素子を作製した。この波長変換素子を実施例1と同様に波長変換素子の誘電体膜1203であるSiO膜厚t1を種々に変化させた素子を作製し、1Wの波長1560nm光を導波路1202に入力して、その出力特性を調べたところ、実施例1とほぼ同様の特性が得られた。
図13は実施例5に係る波長変換素子の断面構造を示す図である。誘電体膜1303であるSiO上に導電性樹脂1304を塗布した後に素子を上下さかさまに配置し、銅製の金属板1305に接触させ、金属板1305と共に焼き固め一体の素子とした点以外は、実施例4と同様の波長変換素子を作製した。この波長変換素子を実施例1と同様に波長変換素子のSiO膜厚t1を種々用意し、各素子の特性を調べた。1Wの波長1560nm光を導波路に入力して、その出力特性を調べたところ、実施例1とほぼ同様の特性が得られた。
上記に示した各実施例では、通信帯の波長1560nmを基本波光とする第二高調波発生のみ示したが、適切に導波路サイズおよび分極反転周期を設定し、波長1064nmの第二高調波や波長980nmの第二高調波、それ以外にも可視光を発生する和周波発生にも同様に用いることができることは言うまでもない。
また各実施例では導波路構造を持つ非線形光学媒質にニオブ酸リチウムを用いたが、ニオブ酸リチウムに添加元素を加えたもの、または他の非線形光学媒質であっても用いることができるのは言うまでもない。
実施例4では基板と導波路を接着材で接着したが、SiOなどの誘電体を用いてもよい。しかしながら非線形光学媒質からなる導波路に効率よく光を閉じ込めるために、この接着剤もしくは誘電体は非線形光学媒質よりも低い屈折率を持つ必要がある。
同様にして、導波路層の上層に設置する誘電体膜層も、効率よく光閉じ込めを行うためには、非線形光学媒質よりも屈折率が低い必要がある。
100、400,600、800、1000、1200、1300 波長変換素子
101、401、601、801、1001、1201、1301 基板
102、402、602、802、1003、1202,1302 導波路
403、603,803、1004、1203、1303 SiO
404 熱伝導性材料
604、804、1005 金属
1002 接着剤層
1304 導電性樹脂
1305 金属板

Claims (5)

  1. 基板上に、周期的な分極反転構造が施されている二次非線形光学媒質をリッジ型またはリブ型の導波路構造として形成し、前記基板の導波路構造の形成面側に、二次非線形光学媒質よりも屈折率の低い誘電体膜を積層し、さらに該誘電体膜上に金属または導電性樹脂からなる熱伝導性材料を積層したことを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記熱伝導性材料は、20(W/m/K)以上の熱伝導率を持つことを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 前記二次非線形光学媒質がLiNbOまたはLiNbOに、Mg、Zn、Sc、およびInのうちの少なくとも一種が添加物として含有された材料から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換素子。
  4. 前記誘電体はSiOであり、SiO厚さが0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の波長変換素子。
  5. 前記基板とは反対側の面が金属板に接していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の波長変換素子。
JP2014098693A 2014-05-12 2014-05-12 波長変換素子 Pending JP2015215501A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014098693A JP2015215501A (ja) 2014-05-12 2014-05-12 波長変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014098693A JP2015215501A (ja) 2014-05-12 2014-05-12 波長変換素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015215501A true JP2015215501A (ja) 2015-12-03

Family

ID=54752435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014098693A Pending JP2015215501A (ja) 2014-05-12 2014-05-12 波長変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015215501A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113168070A (zh) * 2018-11-20 2021-07-23 日本电信电话株式会社 波长转换装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326966A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Ngk Insulators Ltd 第二高調波発生装置
JP2000187192A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Kyocera Corp 温度制御型光導波路
JP2003270467A (ja) * 2002-01-09 2003-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光導波路デバイスの製造方法、光導波路デバイス並びに当該光導波路デバイスを用いたコヒーレント光源及び光学装置
JP2004219845A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光導波路デバイスならびにそれを用いたコヒーレント光源およびそれを備えた光学装置
WO2010035694A1 (ja) * 2008-09-26 2010-04-01 三菱電機株式会社 光波長変換素子、波長変換レーザ装置および画像表示装置
JP2011242436A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Citizen Holdings Co Ltd 光デバイス

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326966A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Ngk Insulators Ltd 第二高調波発生装置
JP2000187192A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Kyocera Corp 温度制御型光導波路
JP2003270467A (ja) * 2002-01-09 2003-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光導波路デバイスの製造方法、光導波路デバイス並びに当該光導波路デバイスを用いたコヒーレント光源及び光学装置
JP2004219845A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光導波路デバイスならびにそれを用いたコヒーレント光源およびそれを備えた光学装置
WO2010035694A1 (ja) * 2008-09-26 2010-04-01 三菱電機株式会社 光波長変換素子、波長変換レーザ装置および画像表示装置
JP2011242436A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Citizen Holdings Co Ltd 光デバイス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113168070A (zh) * 2018-11-20 2021-07-23 日本电信电话株式会社 波长转换装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5913662B2 (ja) 電磁波発振素子
JP5395930B2 (ja) 広帯域光源装置
JP2004219845A (ja) 光導波路デバイスならびにそれを用いたコヒーレント光源およびそれを備えた光学装置
JP2009217009A (ja) 高調波発生素子
JP3848093B2 (ja) 光導波路素子、光波長変換素子および光導波路素子の製造方法
JP3915145B2 (ja) 光波長変換素子および分極反転の製造方法
US20170017097A1 (en) Optical modulator that includes optical waveguide formed in ferroelectric substrate
JP2003270467A (ja) 光導波路デバイスの製造方法、光導波路デバイス並びに当該光導波路デバイスを用いたコヒーレント光源及び光学装置
KR100467320B1 (ko) 파장 변환기 및 그 제조방법 및 이를 이용한 광소자
JP2014211539A (ja) 波長変換素子
JP7160194B2 (ja) 波長変換素子
JP2015215501A (ja) 波長変換素子
US11815785B2 (en) Wavelength conversion optical element
JP6348439B2 (ja) 波長変換素子
JP4114694B2 (ja) 光波長変換素子および短波長光発生装置
JP2015210492A (ja) 波長変換素子
JP6774372B2 (ja) 光学素子
WO2022219687A1 (ja) 波長変換光学素子
WO2023042315A1 (ja) 波長変換素子
WO2022249234A1 (ja) 波長変換装置及び波長変換装置の製造方法
JP2017040810A (ja) 波長変換素子
JP6107331B2 (ja) 光導波路素子
WO2022157858A1 (ja) 波長変換装置
JP5181070B2 (ja) 波長変換素子およびその製造方法
JP5194882B2 (ja) 波長変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171003