JP2015214061A - エチレン系重合体からなる成形体の製造方法および成形体 - Google Patents

エチレン系重合体からなる成形体の製造方法および成形体 Download PDF

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武志 狩野
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Kotaro Suzuki
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Abstract

【課題】フィラーなどの添加なしで、本来の超高分子量エチレン系重合体の特徴を活かした非常に高い弾性率を有する超高分子量エチレン系重合体の成形体の製造方法および超高分子量エチレン系重合体からなる成形体を提供することである。
【解決手段】下記(a)、(b)の工程を含む、エチレン系重合体からなる成形体の製造方法。
(a)極限粘度[η](135℃デカリン中)が5〜50dl/gであるエチレン系重合体を充填する工程、
(b)前記の工程(a)で充填されたエチレン系重合体を、圧縮して、100〜135℃の押出温度で、絞りダイ金型を通して押出す工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、分子量がきわめて高いエチレン系重合体から成る成形体の製造方法ならびに成形体に関する。
分子量が極めて高いエチレン系重合体、所謂超高分子量エチレン系重合体は、汎用のエチレン系重合体に比して耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、強度に優れており、エンジニアリングプラスチックとして優れた特徴を有している。
このような超高分子量エチレン系重合体は、ハロゲン含有遷移金属化合物と有機金属化合物とからなる所謂チーグラー触媒やマグネシウム化合物担持型触媒などの公知の触媒によって得られることが知られている。
一方で、超高分子量エチレン系重合体はその分子量の高さ故に、一般的な樹脂の成形法である溶融成形を行うことが困難とされている。超高分子量エチレン系重合体の成形体作製法としてラム押出法はすでに一般的に使用されている方法である(特許文献1)。
しかしながら、ラム押出法では、押出を可能とし、かつ、均一な成形体を得るために、押出温度は樹脂の融点以上に設定して実施している。それ故、成形時に樹脂が溶融状態を経ることから、得られる成形体は機械物性が低下するのが一般的である。また、機械物性向上のためにフィラー等を添加する場合もあるが、フィラー等を添加した場合は、フィラー等に起因する成形品着色などの不具合の懸念や、フィラー等を含む添加物の添加が望ましくないこともある。
特開平6−155553号公報
前記背景技術から、本発明が解決しようする課題は、フィラーなどの添加なしで、本来の超高分子量エチレン系重合体の特徴を活かした非常に高い弾性率を有する超高分子量エチレン系重合体の成形体の製造方法および超高分子量エチレン系重合体からなる成形体を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の工程を経た製造方法によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、前記特許文献1をはじめとする一般的にはラム押出法による製造方法では、本発明の製造方法と組み合わせた例はない。
すなわち、本発明にかかるエチレン系重合体からなる成形体の製造方法は、
(a)極限粘度[η](135℃デカリン中)が5〜50dl/gであるエチレン系重合体を充填する工程、
(b)前記の工程(a)で充填されたエチレン系重合体を、圧縮して、100〜135℃の押出温度で、絞りダイ金型を通して押出す工程、
を含む方法である。
本発明に係るエチレン系重合体からなる成形体の製造方法は、フィラーなどの強化剤の添加なしでも、エチレン系重合体からなる成形体を製造することができ、しかも、得られるエチレン系重合体からなる成形体は、従来の押出成形では得られない、非常に高い曲げ弾性率を有する成形体を得ることができる。
以下、本発明に係るエチレン系重合体からなる成形体の製造方法および、該製造方法によって得られる成形体について詳細に説明する。
<エチレン系重合体からなる成形体の製造方法>
本発明のエチレン系重合体からなる成形体(以下、「成形体」と略称する場合がある。)の製造方法は、金型の先端(出口)の断面積が金型入口の断面積より小さい断面積を有する金型、いわゆる、絞りダイ金型を必要とすることが特徴である。
本発明の成形体の製造方法に用いる成形機は、通常、熱可塑性樹脂の押出成形に用いる成形機、例えば、スクリュー押出機、ラム押出機を用いることが可能である。
エチレン系重合体はまず押出機に充填され、次にスクリューあるいはピストン(プランジャー)で圧縮される。一例として、ラム押出機を用いる場合には、エチレン系重合体はラムシリンダーに充填され、プランジャーで圧縮される。エチレン系重合体を充填・圧縮される押出機の先端に絞りダイ金型を接続し、充填・圧縮されたエチレン系重合体は、当該絞りダイ金型を通してエチレン系重合体が押出され、成形体が得られる。押出成形に用いる絞りダイ金型は、絞りダイ金型の入口の断面積をA1、絞りダイ金型先端(出口)の断面積をA2とした場合に、A1>A2である。絞りダイ金型を通してエチレン系重合体が押出され、成形体が得られる。つまり、製造される成形体の断面積は絞りダイの入口の断面積よりも小さい。
断面積A1は一般的には0.01〜10000cm2、好ましくは1〜1000cm2である。また、絞りダイ金型の長さをL(cm)とした場合、断面積A1と長さLとの比(L/A1)(cm-1)は、一般的には0.01〜100、好ましくは0.05〜10である。
断面積比A1/A2は1.01以上150以下の範囲で選択され、好ましくは2以上120以下、より好ましくは5以上110以下である。断面積比A1/A2が大きい場合、得られる成形体の断面積が小さくなり、また、押出時の圧力が高くなり押出不良もしくは押出不可の可能性があるため、上限値以下が好ましい。逆に、断面積比A1/A2が1の場合、通常のラム押出と同様になるため、高曲げ弾性率の成形体を得ることができない。
なお、本発明においては、絞りダイ金型の前部にエチレン系重合体を充填あるいは圧縮する金型を設置しておいてもよい。
エチレン系重合体の押出温度は100〜135℃の範囲で設定され、エチレン系重合体の融点以下での実施が好ましい。本発明の特徴である絞りダイ金型の使用により、押出時の圧力が、通常のラム押出に比べて高く、エチレン系重合体の運動性が高まり流動が可能である。
エチレン系重合体の押出時の圧力は、押出温度ならびに絞りダイ金型の断面積比A1/A2により任意に設定することができる。つまり、エチレン系重合体の押出温度が低い場合には絞りダイ金型の断面積比A1/A2を小さくし、逆に、エチレン系重合体の押出温度が高い場合には絞りダイ金型の断面積比A1/A2を大きくするなどの方法がある。エチレン系重合体の押出温度を融点以上に設定すると、絞りダイ金型による押出圧力の増加により、溶融状態での押出と同等となり、本発明のような高曲げ弾性率のエチレン系重合体の成形体を得ることは困難となる。
<エチレン系重合体>
本発明の成形体の製造方法に用いるエチレン系重合体は、極限粘度 [η](135℃デカリン中)が5〜50dl/g、好ましくは10〜40dl/g、より好ましくは20〜35dl/gの範囲にあるエチレン系重合体である。
本発明においてエチレン系重合体とは、エチレンを主成分とする重合体を意味し、エチレン単独重合体およびエチレンとα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等とを共重合体して得られるエチレンを主体とした結晶性の共重合体が挙げられる。α−オレフィンの含有量としては10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下、特に好ましくはエチレンの単独重合体である。
本発明に係るエチレン系重合体は、一般に市販されている超高分子量ポリエチレンパウダーを用いることが可能である。例えばセラニーズのGUR(商品名)、旭化成社のサンファイン(商品名)、三井化学のハイゼックスミリオン(商品名)などが挙げられる。
本発明に係るエチレン系重合体は、金型に充填することができ得る限り、そのパウダー形状は特に限定されない。
<エチレン系重合体の製法>
本発明に係るエチレン系重合体の製造方法は特に制限されるものではないが、好ましい例として、
(1)チーグラー・ナッタ触媒を用いる製造方法、例えば、WO2008/013144に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法
(2)シングルサイト触媒を用いる製造方法、例えば、WO2012/053261に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法
を挙げることができ、特に好ましい例としては、前記の(2)の製造方法を挙げることができる。
(1)チーグラー・ナッタ触媒を用いる製法例
[重合用触媒]
[A]マグネシウム、ハロゲン、チタンを含む固体状チタン触媒成分、および、
[B]周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分、を含むオレフィン重合用触媒が挙げられる。
[固体状チタン触媒成分[A]]
上記のチタン、マグネシウム、ハロゲンを含む固体状チタン触媒成分[A]は、公知の固体状チタン触媒成分を用いることができ、例えば、下記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物や必要に応じて電子供与体を接触させて得ることが出来る。
<マグネシウム化合物>
マグネシウム化合物としては、具体的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩
などの公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
これらのマグネシウム化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらのマグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
<チタン化合物>
チタン化合物としては、たとえば一般式(1);
Ti(OR)g4-g (1)
(一般式(1)中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。
好ましいものは、テトラハロゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<電子供与体>
固体状チタン触媒成分[A]には公知の電子供与体やその置換体が含まれても良く、好ましい例としては、芳香族カルボン酸エステル、脂環族カルボン酸エステル、複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物、即ちポリエーテル化合物から選ばれる電子供与体が挙げられる。
[有機金属化合物触媒成分[B]]
有機金属化合物触媒成分[B]としては、第13族金属を含む化合物、たとえば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物などを用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物触媒成分[B]としては、たとえば一般式(4)
a nAlX3-n (4)
(一般式(4)中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1≦n≦3である)
で示される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
上記一般式(4)において、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。この中でもn=3のトリアルキルアルミニウム、特に、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等が好ましい。これらの化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
[触媒成分[C]]
また、オレフィン重合用触媒は、上記の有機金属化合物触媒成分[B]と共に、必要に応じて公知の触媒成分[C]を含んでいてもよい。触媒成分[C]として好ましくは、有機ケイ素化合物が挙げられる。他に有用な化合物としては、芳香族カルボン酸エステル、脂環族カルボン酸エステル、ポリエーテル化合物も好ましい例として挙げられる。
[重合]
エチレン系重合体は、上述したオレフィン重合用触媒を用いてエチレンを含むオレフィンの重合を行うことにより得られる。
前述のオレフィン重合用触媒の存在下にα−オレフィンを予備重合させて得られる予備重合触媒の存在下で、本重合を行うことも可能である。
(2)シングルサイト触媒を用いる製造法例
<重合用触媒>
エチレン系重合体の製造方法に用いるオレフィン重合用触媒は、
(A)特定の工程により得られる、平均粒径が1nm以上、300nm以下の微粒子と、
(B)一般式(I)または一般式(II)で表される遷移金属化合物
とを含むことを特徴とする。
以下、上記(A)、(B)成分、および、必要に応じて用いることのできるその他の成分について述べる。
[(A)平均粒径が1nm以上、300nm以下の微粒子]
平均粒径が1nm以上、300nm以下の微粒子は、少なくとも下記の2工程を経由して得られる。
(工程1)金属ハロゲン化物と、アルコールとを炭化水素溶媒中で接触させる工程、
(工程2)(工程1)で得られた成分と有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物とを接触させる工程、
以下、各工程の内容および各工程において用いられる化合物について説明する。
(工程1)
工程1は、金属ハロゲン化物とアルコールとを炭化水素溶媒中で接触させて、金属ハロゲン化物のアルコール錯体を形成させ、液状状態とする工程である。
〈金属ハロゲン化物〉
金属ハロゲン化物の好ましい例としては、CdCl2型またはCdI2型の層状結晶構造を有するイオン結合性化合物が挙げられる。より好ましくは、MnCl2、FeCl2、CoCl2、NiCl2、MgCl2であり、最も好ましくは、MgCl2である。
〈アルコール〉
アルコールとしては、炭素原子数1〜25のアルコールが挙げられる。
アルコールは1種単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。このうち、2種のアルコールを混合して用いることが好ましい。2種のアルコールを組み合わせて使用する場合、該2種のアルコールの炭素原子数の差が4以上であることが好ましい。具体的なアルコールの組み合わせとしては、炭素原子数が2〜12のアルコールと、炭素原子数が13〜25のアルコールとの組み合わせや、炭素原子数2〜12のアルコールから選ばれる2種のアルコールの組み合わせなどが挙げられる。
(工程2)
工程2は、工程1で得られた液状状態の金属ハロゲン化物のアルコール錯体に有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物を接触させて、溶解した金属ハロゲン化物を析出させ、微粒子を製造する工程である。
〈有機アルミニウム化合物〉
有機アルミニウム化合物としては、下記式(Al−1)、(Al−2)または(Al−3)で表される化合物が挙げられる。
a nAlX3-n (Al−1)
(式(Al−1)中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
また、下記式で表される有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
a nAlY3-n (Al−2)
(式(Al−2)中、Raは上記式(Al−1)と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。)
また、有機アルミニウム化合物として、第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物である下記式(Al−3)で表される化合物を用いることができる。
1AlRj 4 (Al−3)
(式(Al−3)中、M1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。)
具体的には、LiAl(C254、LiAl(C7154などが挙げられる。
上述した有機アルミニウム化合物のうち、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
〈有機アルミニウムオキシ化合物〉
有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンなどが挙げられる。
有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物も例として挙げることができる。
Figure 2015214061
(一般式(III)中、R21は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、4つのR22は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[(B)遷移金属化合物]
遷移金属化合物は、公知のメタロセン化合物や、いわゆるポストメタロセンなどの特定の有機遷移金属錯体化合物を制限なく使用することができる。
遷移金属化合物としては、いわゆるフェノキシイミン配位子を有する有機遷移金属錯体が好ましい。具体的には、下記一般式(I)の様な構造式を有する有機遷移金属錯体が好ましい態様として挙げられる。
Figure 2015214061
上記一般式(I)において、Mは周期表第4、5族の遷移金属原子を示し、好ましくは4族の遷移金属原子である。特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
なお、一般式(I)においてNとMとを繋ぐ点線は、一般的にはNがMに配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
上記一般式(I)において、mは1〜4の整数、好ましくは2〜4の整数、さらに好ましくは2を示す。
上記一般式(I)において、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基としては、炭素原子数1〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜30の環状炭化水素基、または炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜10の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜10のアリール基;
トリル基、iso−プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基;
などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、そのような水素原子がハロゲンで置換された炭化水素基として、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、そのような炭化水素基で置換された炭化水素基として、例えば、ベンジル基、クミル基などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;
アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;
アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;
ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;
メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;
ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基;
ケイ素含有基;ゲルマニウム含有基;またはスズ含有基を有していてもよい。
前記ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
前記ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、より具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などが好ましく、特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が好ましい。前記炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
前記ゲルマニウム含有基または前記スズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換した基が挙げられる。
上記炭化水素基が有していてもよい基として挙げた基のうち、アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、
アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられ、
エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられ、
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられ、
アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられ、
イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられ、
アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられ、
イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられ、
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられ、
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられ、
アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基などが挙げられ、
スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられ、
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
上記炭化水素基としては、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基が好ましい。
1〜R5は、前述のようにヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基になり得るが、これらの例としては、上記炭化水素基の説明にて例示したものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(I)のR1〜R5のうちR1については、オレフィン重合触媒活性の観点および高分子量のエチレン系重合体を与えるという観点から、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基、炭素原子数3〜20の脂環族炭化水素基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる基であることが好ましい。
上記一般式(I)において、R6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれる。これらのうち、オレフィン重合触媒活性の観点、高分子量のエチレン重合体を与えるという観点および重合時の水素耐性の観点から、炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、より好ましくはt−ブチル基などの分岐型炭化水素基;ベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基(クミル基)、1−メチル−1,1−ジフェニルエチル基、1,1,1−トリフェニルメチル基(トリチル基)などのアリール置換アルキル基;1位に炭化水素基を有するシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基などの炭素数6〜15の脂環族または複式環構造を有する脂環族炭化水素基が挙げられる。
上記一般式(I)においてnは、Mの価数を満たす数であり、
上記一般式(I)においてXは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Xにおいて、前記ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上記R1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子や炭化水素基である。
また、オレフィン重合用触媒に含まれる遷移金属化合物としては、下記一般式(II)で表されるメタロセン系化合物も挙げられる。
Figure 2015214061
一般式(II)中、Mは、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを示す。
一般式(II)において、R11〜R18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの隣接する2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
11〜R18において、前記ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上記一般式(I)のR1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
一般式(II)において、X1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、水素原子またはハロゲン原子を示す。
一般式(II)において、Yは、2価の炭化水素基、2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−P(R)−、−P(O)(R)−、−BR−または−AlR−〔ただし、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基である〕を示す。Yにおいて、前記炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子としては、上記一般式(I)のR1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
上記のようなメタロセン系化合物の好ましい例示としては、国際公開01/27124号パンフレットや、国際公開2004/029062号パンフレットなどに記載された構造の化合物が挙げられる。
[オレフィン重合用触媒に用いることのできるその他の成分]
当該エチレン系重合体粒子の製造方法をより高活性で行うことや、得られるエチレン系重合体粒子の物性を調整する目的において、当該オレフィン重合用触媒に(A),(B)成分以外のその他の成分を追加で用いることもできる。
当該その他の成分は、(A),(B)成分を含むオレフィン重合用触媒の性能を阻害させない限りにおいて、特に制限することなく用いることができる。それらのうち、代表的に用いられ得る、(C):(B)成分と反応してイオン対を形成する化合物、および(D)有機アルミニウムオキシ化合物について、以下に説明する。
[(C):(B)成分と反応してイオン対を形成する化合物]
(C)としては、有機アルミニウム化合物、ハロゲン化ホウ素化合物、ハロゲン化リン化合物、ハロゲン化イオウ化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化シラン化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化錫化合物などが挙げられる。
[(D)有機アルミニウムオキシ化合物]
(D)有機アルミニウムオキシ化合物としては、上述した(A)微粒子を製造する際の(工程2)で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物として説明したものと同様のものを用いることができる。
<エチレン系重合体の製造方法>
本発明に係るエチレン系重合体の製造方法は、上記のような(A)微粒子、(B)遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンを単独重合、もしくはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンとを共重合させる。
重合は、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
重合反応の条件を変えて二段以上に分けて反応を行う、いわゆる多段重合方法であってもよい。
得られるエチレン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度や重合圧力を変化させることによって調節することができる。さらに、オレフィン重合用触媒中に存在させる(C)成分または(D)成分の量により調節することもできる。
<エチレン系重合体からなる成形体>
本発明の製造方法で得られるエチレン系重合体からなる成形体(以下、「成形体」と略称する場合がある。)の形状としては、一般的に押出成形で成形可能なあらゆる形状態を取りうるが、好ましくは円筒状ロッドの形状である。成形体の曲げ弾性率は好ましくは2.0GPa〜15GPaの曲げ弾性率を有し、より好ましくは4.0GPa〜10GPaの曲げ弾性率を有する。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り下記の実施例に限定されないことは言うまでもない。
以下の実施例において、エチレン系重合体の極限粘度[η]および融点の測定、成形、成形体の物性測定は、下記の方法に拠って実施した。
(極限粘度[η])
エチレン系重合体の極限粘度[η]は、エチレン系重合体をデカリンに溶解させ、温度135℃のデカリン中で測定した値である。
より具体的には、測定サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、下記式(Eq-6)に示すように濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位;dl/g)として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0) -------- (Eq-6)
(融点)
エチレン系重合体の融点は、パーキンエルマー社製DSC7を用い、以下のようにして測定した。
窒素雰囲気下(20mL/min)、試料(約5mg)を(1)30℃から230℃まで昇温して5分間保持し、(2)10℃/分で30℃まで冷却して30℃で5分間保持した後、(3)10℃/分で200℃まで昇温させた。前記(3)の昇温過程における結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を決定した。
(成形体の製造方法)
東洋精機製作所製キャピラリーレオメーターIIBを用いて、エチレン系重合体をシリンダー内にセットした後、押込み棒を用いて押出す。凹型テーパー形状の絞りダイ金型を通過させることによって押出成形体を作製する。シリンダー直径は1cmで、シリンダー断面積は絞りダイ金型入り口断面積A1と一致し、すなわち0.79cm2であり、絞りダイ金型の出口面積A2を元に断面積比A1/A2を決定した。長さLはいずれも3cmの絞りダイ金型を使用した。
(成形体の曲げ弾性率測定)
引張試験機(島津製作所製、万能試験機AG−X)を用いて、温度23℃、3点曲げ治具を用いて、スパン間距離は64.0mm、試験速度2mm/minの条件で曲げ弾性率を測定した。
[実施例1]
WO2012/053261記載の実施例3の方法にて製造したエチレン系重合体を使用した。極限粘度[η]は34.8dl/g、融点134℃であった。係るエチレン系重合体を用い、押出温度を110℃とし、断面積比A1/A2が9の絞りダイ金型を用い、押出速度:50mm/minで円筒状ロッド形状の成形体を製造した。得られた成形体の曲げ弾性率は4.3GPaであった。なお、成形体の製造時には、押出不良は発生しなかった。
[実施例2]
実施例1で用いたエチレン系重合体を用い、押出温度を110℃とし、断面積比A1/A2が36の絞りダイ金型を用い、押出速度:10mm/minで円筒状ロッド形状の成形体を製造した。得られた成形体の曲げ弾性率は9.7GPaであった。なお、成形体の製造時には、押出不良は発生しなかった。
[実施例3]
実施例1で用いたエチレン系重合体を用い、押出温度を120℃とし、断面積比A1/A2が36の絞りダイ金型を用い、押出速度:10mm/minで円筒状ロッド形状の成形体を製造した。得られた成形体の曲げ弾性率は9.6GPaであった。なお、成形体の製造時には、押出不良は発生しなかった。
[実施例4]
チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたエチレン系重合体を使用した。具体的には、WO2008/013144の実施例1に記載の製法で得たエチレン系重合体を使用した。エチレン系重合体の極限粘度[η]は18.5dl/g、融点は136℃であった。係るエチレン系重合体を用い、押出温度を120℃とし、断面積比A1/A2が6の絞りダイ金型を用い、押出速度:5mm/minで円筒状ロッド形状の成形体を製造した。得られた成形体の曲げ弾性率は4.4GPaであった。なお、成形体の製造時には、押出不良は発生しなかった。
[比較例1]
実施例1で用いたエチレン系重合体を用い、押出温度を140℃とし、断面積比A1/A2が36の絞りダイ金型を用い、押出速度:5mm/minで円筒状ロッド形状の成形体を製造した。得られた成形体の曲げ弾性率は1.1GPaであった。なお、成形体の製造時には、押出不良は発生しなかった。
[比較例2]
実施例4で用いたエチレン系重合体を用い、押出温度を140℃とし、断面積比A1/A2が36の絞りダイ金型を用い、押出速度:5mm/minで円筒状ロッド形状の成形体の製造を試みたが、押出不良が発生し、押出不可であった。

Claims (6)

  1. 下記(a)、(b)の工程を含む、エチレン系重合体からなる成形体の製造方法。
    (a)極限粘度[η](135℃デカリン中)が5〜50dl/gであるエチレン系重合体を充填する工程、
    (b)前記の工程(a)で充填されたエチレン系重合体を、圧縮して、100〜135℃の押出温度で、絞りダイ金型を通して押出す工程。
  2. 前記成形体が円筒状ロッドの形状にある、請求項1に記載のエチレン系重合体からなる成形体の製造方法。
  3. 前記絞りダイ金型が、絞りダイ金型の入り口の断面積をA1、絞りダイ金型の先端の断面積をA2とした場合に、断面積比A1/A2=1.01〜150の範囲にある請求項1または2に記載のエチレン系重合体からなる成形体の製造方法。
  4. 前記の工程(b)における押出温度が、前記エチレン系重合体の融点以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン系重合体からなる成形体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに1項に記載の製造方法により得られるエチレン系重合体からなる成形体。
  6. エチレン系重合体からなる成形体が、2.0〜15GPaの曲げ弾性率を有する成形体である請求項5に記載のエチレン系重合体からなる成形体。
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