JP2015208023A - 虚像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】虚像表示装置1は、少なくともいずれか一方に画像形成装置が収納される一対の収納部材5と、画像形成装置からの画像光を外部の所定位置に導く導光部材と、各ヒンジ機構を介して一対の収納部材5にそれぞれ回動可能に取り付けられる一対のテンプルとを備える。収納部材5には、第1の方向D1に沿って移動可能に構成され、テンプルの回動を規制する当接部材21と、当接部材21に連結して第2の方向D2に沿う移動に当接部材21を連動させる位置調整部材22と、収納部材5に当接部材21及び位置調整部材22を取り付ける取付部材とが設けられている。位置調整部材22及び取付部材には、位置調整部材22を第2の方向D2に沿って並ぶ複数の設定位置P1〜P3のいずれかの設定位置に位置付ける係合構造24が設けられている。
【選択図】図9
Description
特許文献1に記載の虚像表示装置は、表示素子(LCD等)及び投射レンズ(対物レンズ)等を有し、眼鏡フレームのテンプルに固定される画像表示ユニットと、眼鏡フレームのフロントに固定される導光部材(基板)とを備える。
導光部材は、一端側及び他端側に導入ミラー及びコンバイナがそれぞれ設けられている。
導入ミラーは、表示素子から出射され投射レンズにて平行光として投射された画像光が導光部材内部で全反射されてコンバイナに導かれるように、当該画像光を反射させる。
そして、コンバイナは、導光部材内部での全反射により導かれた画像光を反射させて、導光部材外部の所定位置(観察者の左目または右目)に導く。
しかしながら、特許文献1に記載の虚像表示装置では、眼鏡フレームのフロントとテンプルとが固定され、一対のテンプルの間隔が一定となっている。このため、頭部の大きさの異なる種々の観察者に利用できるように構成されておらず、利便性の向上が図れない、という問題がある。
ここで、種々の観察者でも利用できるように、例えば、ヒンジ機構等を介して眼鏡フレームのフロントに対してテンプルを回動させる構成を採用することが考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の虚像表示装置では、画像表示ユニットがテンプルに固定されている。このため、上記のような構成を採用した場合には、テンプルとともに画像表示ユニットも回動することとなり、投射レンズ(光軸)と眼鏡フレームのフロントに固定された導光部材(導入ミラー)との位置関係がずれ、観察者の左目または右目に画像光を良好に導く(観察者に画像を良好に観察させる)ことができない。
なお、以下では、説明の便宜上、上記「収納部材及びテンプルのいずれか一方」を「収納部材」とし、上記「収納部材及びテンプルのいずれか他方」を「テンプル」として(当接部材、位置調整部材、及び取付部材が収納部材に設けられている構成として)説明する。
本発明では、収納部材には、一対のテンプルを拡げる方向(一方のテンプルを他方のテンプルから離間する方向)に回動させた場合に、テンプルに当接する当接部材が設けられている。このため、テンプルを拡げる方向に最大限回動できる角度(虚像表示装置が観察者に装着され、観察者の左目及び右目が水平方向に位置する状態で、当該水平方向に対するテンプルのなす角度、以下、テンプルの開き角と記載)は、当接部材により規制される。
したがって、当接部材及び位置調整部材を設けることでテンプルの開き角を調整できるので、頭部の大きさの異なる種々の観察者でも利用できる虚像表示装置を構成することができ、利便性の向上が図れる。
このことにより、テンプルを回動させた場合であっても、テンプルとともに画像形成装置が回動することがなく、投射レンズ及び導光部材の位置関係を良好に維持でき、観察者に画像を良好に観察させることができる。
このことにより、テンプルを拡げる方向に回動させ、テンプルにより当接部材を介して位置調整部材が押圧された場合であっても、当該係合構造により、第2の方向に沿う位置調整部材の移動を防止できる。
したがって、係合構造を利用して位置調整部材をいずれかの設定位置に位置付け、テンプルの開き角を所望の角度に設定した後、当該所望の角度を良好に維持でき、利便性の向上がさらに図れる。
また、位置調整部材を位置付ける設定位置が複数設けられているため、テンプルの開き角を多段階で調整でき、利便性の向上がさらに図れる。
このことにより、観察者は、操作部を操作することで、接続部を弾性変形させて、すなわち、係合突起部(基部)を移動させて、係合突起部と係合受け部とを非係合状態に設定できる。また、観察者は、操作部への操作を止めることで、接続部を元の形状に戻し、すなわち、係合突起部(基部)を移動させて、係合突起部と係合受け部とを係合状態に設定できる。
したがって、操作部への操作のみによって係合状態あるいは非係合状態に設定でき、当該係合状態あるいは非係合状態を実現するための構造を別途、必要とせず、係合構造を簡素な構造とすることができる。
本発明では、接続部が上述した方向に延びるように形成されているので、観察者は、操作部を突出方向と逆方向に押圧すれば、接続部を容易に弾性変形させることができる。すなわち、観察者は、係合突起部と係合受け部とを容易に非係合状態に設定できる。
また、接続部の長さを適宜、調整すれば、接続部を弾性変形させる際の力を適切な力に設定できる。
したがって、テンプルの開き角を調整する際の操作性を向上させることができる。
本発明では、接続部の延びる方向と第2の方向とは、同一方向に設定され、かつ、操作部の突出方向に直交する方向に設定されている。
このことにより、観察者は、操作部を突出方向と逆方向に押圧すれば係合突起部と係合受け部とを非係合状態に設定でき、さらに、操作部を突出方向に直交する方向に移動させれば位置調整部材を第2の方向に移動させ、すなわち、位置調整部材の移動に当接部材を連動させることができる。
したがって、テンプルの開き角を調整する際の操作性をさらに向上させることができる。
本発明では、複数の係合受け部は、第2の方向に並設される複数の突起を備える。すなわち、係合突起部が隣り合う突起同士の間等に入り込むことで、係合状態に設定される。また、複数の突起は、操作部の突出方向と逆方向に突出している。
このことにより、観察者は、操作部を突出方向と逆方向に押圧すれば、係合突起部を隣り合う突起同士の間から外に移動させ、非係合状態に容易に設定できる。
したがって、テンプルの開き角を調整する際の操作性をさらに一層向上させることができる。
また、係合構造を利用して位置調整部材の位置を変更すれば、テンプルが観察者の頭部を押え付ける力も調整できる。すなわち、観察者自身で上記押え付ける力を調整でき、利便性の向上がさらに図れる。
本発明では、当接部材におけるテンプルとの当接面が凸曲面状に形成されているので、上記仮想線を中心としてテンプルを良好に回動させることができる。
本発明では、テンプルには上述したクッション部材が設けられているので、観察者に虚像表示装置が装着された状態では、クッション部材を観察者の頭部に応じて変形させ、観察者の頭部にクッション部材をフィットさせることができる。
したがって、観察者による虚像表示装置の装着感をさらに向上させることができる。
〔1.虚像表示装置の構成〕
図1は、虚像表示装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、虚像表示装置1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、虚像表示装置1の内部構成を示す斜視図である。
なお、図1ないし図3では、説明の便宜上、後述する投射レンズ81の光軸Ax(図2)に平行となる軸をZ軸とし、Z軸に直交する水平軸をX軸、Z軸に直交する鉛直軸をY軸とする。以降の図も同様である。また、Z軸において、観察者側を−Z軸側、観察者から離間する側を+Z軸側とする。
そして、図1ないし図3は、−Z軸側から見た図である。また、図2及び図3は、説明の便宜上、観察者の左目に対応する側のみを示している。
この虚像表示装置1は、図1ないし図3に示すように、画像形成装置2(図2、図3)と、導光部材3と、リム4と、収納部材としてのカバー5と、テンプル6とを備える。
なお、画像形成装置2、導光部材3、カバー5、及びテンプル6は、図1ないし図3に示すように、虚像表示装置1を装着する観察者の左目及び右目にそれぞれ対応して一対設けられ、YZ平面を基準として対称(左右対称)となるように配設されている。
一対の画像形成装置2、一対の導光部材3、一対のカバー5、及び一対のテンプル6については、左右で同一の構成を有しているため、以下では、観察者の左目に対応する側のみを説明する。
画像形成装置2は、画像光を形成して投射する部材であり、図2または図3に示すように、表示素子7と、投射光学装置8とを備える。
表示素子7は、図2または図3に示すように、入射した光を変調して画像光を形成する透過型の液晶表示デバイス71と、液晶表示デバイス71の光入射側に取り付けられ、液晶表示デバイス71に対して光を出射するバックライト72(図2)とを備える。
投射光学装置8は、図2または図3に示すように、表示素子7から出射された画像光を平行光として投射する投射レンズ81(図2)と、投射レンズ81を内部に収納する鏡筒82とを備える。
そして、表示素子7は、図2または図3に示すように、固定部材7Aを介して、鏡筒82における−Z軸側の端面に固定される。
また、各部材7,8が一体化された画像形成装置2は、図3に示すように、鏡筒82を介してリム4に固定される。
図4は、導光部材3の構成を示す図である。具体的に、図4(A)は+Z軸側から導光部材3を見た図であり、図4(B)は導光部材3をY軸に沿う下方側から見た図である。
導光部材3は、光透過性を有する樹脂材料等から構成され、画像形成装置2から投射された画像光を内部に取り込んだ後、外部の所定位置(観察者の左目または右目)に導く。
この導光部材3は、図2または図4に示すように、画像取込部31と、全反射部32と、画像取出部33とが一体形成されたものであり、Y軸に沿う方向から見た場合に略等脚台形状に形成されている。
画像取込部31は、図2または図4に示すように、Y軸に沿って延びる略三角柱状に形成され、虚像表示装置1を組み立てた状態で、他方の導光部材3から離間する側に位置付けられる。
そして、画像取込部31は、虚像表示装置1を組み立てた状態で、投射光学装置8に対向して配設され、投射光学装置8から投射された画像光を導光部材3内部に取り込む。
光入射面311は、XY平面に平行となる平坦状に形成され、投射レンズ81に対向して当該投射レンズ81から投射された画像光が入射される面である。
第1反射面312は、光入射面311に対向し、XY平面に対して傾斜する平坦状の斜面にアルミ蒸着等の成膜を施すことにより形成され、光入射面311を介して画像取込部31内部に取り込まれた画像光を全反射部32に向けて反射させる。
そして、全反射部32は、図4に示すように、第1,第2全反射面321,322を有し、第1反射面312にて反射された画像光を第1,第2全反射面321,322での全反射により画像取込部31から離間する方向(他方の導光部材3に近接する側)に導く。
第1全反射面321は、光入射面311を延長させた(XY平面に平行となる(光軸Axに直交する))平面で構成され、第2全反射面322に対して−Z軸側に位置する。
第2全反射面322は、第1全反射面321に平行となる平坦状に形成されている。
なお、第1,第2全反射面321,322としては、表面上にミラーやハーフミラー等を施すことなく空気との界面により画像光を全反射させて導くものに限らず、第1,第2全反射面321,322の全体または一部にミラーコートや、ハーフミラー膜が形成されてなされる反射も含むものとする。例えば、画像光の入射角度が全反射条件を満たした上で、第1,第2全反射面321,322の全体または一部にミラーコート等が施され、実質的に全ての画像光を反射させる場合も含まれる。また、十分な明るさの画像光を得られるのであれば、多少透過性のあるミラーによって第1,第2全反射面321,322の全体または一部がコートされていてもよい。
そして、画像取出部33は、全反射部32に導かれた画像光を反射により外部の所定位置(観察者の左目または右目)に導く。
この画像取出部33の外面には、図4に示すように、光出射面331と、第2反射面332とが形成されている。
第2反射面332は、光出射面331に対向し、XY平面に対して傾斜する平坦状に形成され、全反射部32にて導かれた画像光を反射により外部の所定位置(観察者の左目または右目)に導く。
この第2反射面332は、ハーフミラー等で構成され、画像光を反射させるとともに、外界像をも透過可能に構成されている。
なお、画像取出部33としては、全反射部32にて導かれた画像光を外部の所定位置に導く機能を有していれば、ハーフミラー等の第2反射面332に限らず、偏光ビームスプリッターや、ホログラム回折格子等を採用しても構わない。
リム4は、光透過性を有する樹脂材料等から構成され、左右対称となる形状を有し、一対の導光部材3の画像取出部33同士が互いに近接する状態で一対の導光部材3を保持する(一体化する)。
このリム4は、図2に示すように、上フレーム部41と、一対の下フレーム部42と、架設部43とが一体形成されたものである。
上フレーム部41は、X軸に沿って延びる断面略矩形状の部材であり、一対の導光部材3の上方側を支持する。
一対の下フレーム部42は、X軸に沿って延びる断面略矩形状の部材であり、上フレーム部41に対して下方側に配設されるとともに、互いにX軸に沿って並設され、一対の導光部材3の下方側をそれぞれ支持する。
また、上フレーム部41及び下フレーム部42には、各部材7,8が一体化された画像形成装置2が鏡筒82を介して固定される。
この架設部43には、図1ないし図3に示すように、一対の下フレーム部42の間から上方側にかけてZ軸に沿う方向から見て略円弧状に切り欠かれた切り欠き部431が形成されている。
そして、この切り欠き部431には、観察者に虚像表示装置1が装着された状態で、観察者の鼻に当接する鼻パッド431A(図1)が着脱自在に取り付けられている。
また、架設部43における−Z軸側の左右両端部には、図2に示すように、一対の導光部材3における各第2反射面332に対応した斜面432がそれぞれ形成されている。
そして、導光部材3は、上フレーム部41、下フレーム部42、及び架設部43で囲まれるコ字状内側部分を埋めるように嵌合され、上フレーム部41、下フレーム部42、及び斜面432に接着剤を介して接合される。
カバー5は、図1ないし図3に示すように、他方のカバー5から離間する側に位置する第1カバー部5Aと、他方のカバー5に近接する側に位置する第2カバー部5Bとを組み合わせることで構成され、内部が中空のZ軸に沿って延びる全体略直方体形状を有する。
そして、このカバー5は、リム4の上フレーム部41及び下フレーム部42に固定され、画像形成装置2、導光部材3の一部(画像取込部31)、及びリム4の一部(上フレーム部41及び下フレーム部42の端部側)を覆う。
このカバー5において、−Z軸側の端部におけるY軸に沿う方向の略中央部分には、図1ないし図3に示すように、内外を連通する第1取付用孔51が形成されている。
テンプル6は、図1ないし図3に示すように、他方のテンプル6から離間する側に位置する第1テンプル部6Aと、他方のテンプル6に近接する側に位置する第2テンプル部6Bとを組み合わせることで構成され、内部が中空となり曲線的に延びる形状を有する。
そして、テンプル6は、一端側(+Z軸側の端部)が後述するヒンジ機構10を介してカバー5に対して回動自在に取り付けられ、虚像表示装置1が観察者に装着された際に、観察者の耳に係止される。
すなわち、テンプル6は、虚像表示装置1が観察者に装着された際に、観察者の頭部に倣う形状を有する。
また、本実施形態では、テンプル6には、図1または図2に示すように、他方のテンプル6(観察者側)に向けて膨出するように、クッション部材6Cが取り付けられている。
なお、第2取付用孔61は、第1,第2テンプル部6A,6Bを組み合わせることで構成されるものであり、図3では、第1テンプル部6Aに形成された第2取付用孔61の一部のみを図示している。
図5は、ヒンジ機構10の構成を示す分解斜視図である。
ヒンジ機構10は、図3または図5に示すように、回動軸11(図3)と、一対の支持部12と、一対の軸支部13と、付勢部材14(図3)とを備える。
回動軸11は、図3に示すように、円柱状に形成され、カバー5に対してテンプル6を回動させる軸である。
一対の支持部12は、図3または図5に示すように、カバー5に設けられている。
具体的に、一対の支持部12は、カバー5において、第1取付用孔51の縁部分からXZ平面に平行となるようにカバー5内部に向けて突出する板体状に形成され、Y軸に沿って並設されている。
なお、一対の支持部12(支持用孔121)は、第1,第2カバー部5A,5Bを組み合わせることで構成されるものであり、図3または図5では、第1カバー部5Aに形成された一対の支持部12(支持用孔121)の一部のみを図示している。
そして、一対の支持部12は、各支持用孔121にて回動軸11をY軸に沿う状態で支持する。
ここで、第1カバー部5Aにおいて、一対の支持部12間には、図5に示すように、後述する調整機構20を構成する第1当接部21が配設されている。
なお、調整機構20の具体的な構成については、後述する。
具体的に、一対の軸支部13は、第1テンプル部6Aにおいて、第2取付用孔61の縁部分からXZ平面に平行となるように外部に向けて突出する略円板状に形成され、Y軸に沿って並設されている。
ここで、一対の軸支部13の離間寸法は、一対の支持部12の離間寸法よりも小さく設定されている。
そして、一対の軸支部13は、カバー5に対してテンプル6が取り付けられた状態で、第1取付用孔51を介して一対の支持部12間に配設される。
これら挿通孔131は、カバー5に対してテンプル6が取り付けられた状態で、第1当接部21における当接面21A(第1当接部21と後述する第2当接部132(図5)との当接位置)を通り、Y軸に平行となる仮想線VA(図6参照)を中心とする回転方向に沿って延びるトラック孔で構成されている。
ここで、テンプル6において、一対の軸支部13には、図5に示すように、Y軸に沿う方向から見て挿通孔131に対して他方のテンプル6から離間する側に第2当接部132がそれぞれ形成されている。
第2当接部132は、軸支部13の外縁から突出し、テンプル6を拡げる方向に回動させた際に、第1当接部21(当接面21A)に当接する部分である。
付勢部材14は、図3または図6に示すように、引張コイルバネで構成され、一端及び他端が回動軸11及び第1テンプル部6Aにそれぞれ取り付けられ、テンプル6を回動軸11に近接する方向(テンプル6を狭める方向)に付勢する。
すなわち、テンプル6は、回動軸11を中心として拡がる方向に回動すると、第1当接部21に第2当接部132が当接する(図6(A))。
そして、テンプル6は、図6(A)に示す状態から、拡がる方向に押圧されると、付勢部材14による付勢力に抗して、挿通孔131内部での回動軸11の位置を変更させながら、仮想線VAを中心として回動する。
したがって、テンプル6は、観察者に虚像表示装置1が装着された状態では、付勢部材14による付勢力により、観察者の頭部に所定の力を及ぼす。
図7及び図8は、調整機構20の構成を説明するための図である。具体的に、図7は、第1カバー部5Aの内面に調整機構20が取り付けられた状態を他方のカバー5に近接する側から見た斜視図である。図8は、他方のカバー5に近接する側から見た調整機構20の分解斜視図である。
なお、テンプル6の開き角θとは、回動軸11を中心としてテンプル6を拡げる方向に最大限、回動できる角度であり、例えば、図10に示すように、X軸に対するテンプル6(回動軸11とテンプル6の他端とを結ぶ直線L)の角度θと定義できる。
この調整機構20は、図7または図8に示すように、当接部材としての第1当接部21と、位置調整部材としての調整レバー22と、取付部材23とを備える。
なお、本実施形態では、第1の方向D1は、Z軸に平行となるように設定されている。
この第1当接部21において、−Z軸側の端部は、図6に示すように、Y軸に沿う方向から見て−Z軸側に凸となり、X軸に沿って断面略円弧を構成する凸曲面状に形成されている。
また、この第1当接部21において、他方のカバー5に近接する側の板面には、図5または図8に示すように、外部に向けて突出する柱形状を有し、Y軸に沿って並設される一対の突出部211が形成されている。
これら一対の突出部211において、−Z軸側の側面は、−Z軸側に凸となり、Y軸に沿って断面略円弧を構成する凸曲面状に形成されている。一方、+Z軸側の側面は、XY平面に対して傾斜(上方側に向うにしたがって−Z軸側に向うように傾斜)した平坦状に形成されている。
なお、本実施形態では、第2の方向D2は、Y軸に沿う方向に設定されている。
すなわち、本実施形態では、第1,第2の方向D1,D2は、略直交するように交差している。
この調整レバー22は、図8に示すように、基部221と、連結部222と、接続部223とを備え、一対の支持部12に対して+Z軸側に位置し、かつ、第1当接部21に対して他方のカバー5に近接する側に配設される。
ここで、第1カバー部5Aにおいて、第1取付用孔51に対して下方側には、図7または図8に示すように、カバー5内外を連通し、第2の方向D2に沿って延びる操作用孔52が形成されている。
この基部221において、−Z軸側の端部には、図7または図8に示すように、Z軸に沿って−Z軸側に突出し、操作用孔52を介してカバー5外部に露出する操作部221Aが形成されている。
また、基部221において、他方のカバー5に近接する側の板面には、図8に示すように、他方のカバー5側に突出する円柱状の係合突起部24Aが形成されている。
この連結部222には、図8に示すように、第1当接部21における一対の突出部211がそれぞれ挿通される一対の連結用孔222Aが形成されている。
一対の連結用孔222Aは、Y軸に対して傾斜(上方側に向うにしたがって−Z軸側に向うように傾斜)した方向に延びるトラック孔で構成され、Y軸に沿って並設されている。
なお、連結用孔222Aの上述した傾斜角度は、突出部211における+Z軸側の側面の上述した傾斜角度と同一の角度に設定されている。
具体的に、接続部223は、Y軸に沿って延び、一端が基部221の上方側の端部に接続し、他端が連結部222の−Z軸側の端部に接続する。
すなわち、接続部223は、第2の方向D2に沿って延びるとともに、操作部221Aの突出方向(Z軸に沿う方向)に直交する方向に延びる。
そして、接続部223は、調整レバー22の材質、及び接続部223の形状等により、観察者による操作部221Aへの操作(+Z軸側への押圧)に応じて、弾性変形可能に構成されている。
この取付部材23において、基部221に対応する位置には、図8に示すように、表裏を貫通し、長手方向がY軸に沿う矩形状の開口部231が形成されている。
そして、取付部材23を第1カバー部5A内面に取り付けた状態では、開口部231に係合突起部24Aが挿通される。
また、開口部231における−Z軸側の縁部分には、図8に示すように、Z軸に沿って(第2の方向D2に沿って)並設され、+Z軸側に突出する2つの突起24Bが形成されている。
すなわち、2つの突起24Bは、操作部221Aの突出方向(−Z軸側)と逆方向(+Z軸側)に突出している。
そして、これら突起24Bの先端は、角部分が面取りされ、+Z軸側に向うにしたがって細くなるように形成されている。
なお、以下では、説明の便宜上、2つの突起24Bのうち、上方側に位置する突起24Bを上方側突起24B1とし、下方側に位置する突起24Bを下方側突起24B2とする。
次に、上述した調整機構20の動作について説明する。
図9ないし図11は、調整機構20の動作を説明するための図である。具体的に、図9(A)〜図9(C)は、係合突起部24Aが第1設定位置P1〜第2設定位置P2に移動する際の接続部223の挙動を示す図である。図10(A)は、係合突起部24Aが第1設定位置P1に位置付けられている状態でのテンプル6の開き角θを示す図である。図11(A)は、係合突起部24Aが第3設定位置P3に位置付けられている状態でのテンプル6の開き角θを示す図である。図10(B)及び図11(B)は、図10(A)及び図11(A)での第1,第2当接部21,132を上方側から見た図である。
また、第2設定位置P2は、開口部231内部において、上方側突起24B1と下方側突起24B2との間に位置するものである。
さらに、第3設定位置P3は、開口部231内部において、下方側突起24B2と開口部231における下方側の縁部分231D(図8)との間に位置するものである。
なお、以下では、縁部分231U及び上方側突起24B1を第1係合受け部24C1(図8)と記載する。
すなわち、調整レバー22は、係合突起部24Aと第1係合受け部24C1とが互いに係合することで、第1設定位置P1に位置付けられる。
調整レバー22が第1設定位置P1に位置付けられた状態では、各連結用孔222Aにて各突出部211が+Z軸側に案内され、第1当接部21が+Z軸側に最大限移動した状態となる。
そして、調整レバー22を第1設定位置P1に位置付け、図10に示すように、回動軸11を中心としてテンプル6を拡げる方向に回動させて第1当接部21に第2当接部132を当接させた場合には、テンプル6の開き角θは、比較的に大きな角度となる。
そして、接続部223の弾性変形に応じて、基部221(係合突起部24A)は、+Z軸側に移動する。すなわち、係合突起部24Aと第1係合受け部24C1とが非係合状態に設定される(係合状態が解除される)。このため、調整レバー22は、下方側に移動可能な状態となる。
したがって、観察者にて操作部221Aが+Z軸側に押圧されながら、下方側に操作されると、連結部222は、第1カバー部5Aの内面におけるY軸に沿って延びる側壁53(図8)等にて案内されながら下方側に移動する。
また、第1当接部21は、各連結用孔222Aにて各突出部211が−Z軸側に案内され、調整レバー22の移動に連動して−Z軸側に移動する。
この状態では、調整レバー22は、上方側突起24B1及び下方側突起24B2により第2の方向D2への移動が規制される。
なお、以下では、上方側突起24B1及び下方側突起24B2を第2係合受け部24C2(図8)と記載する。
すなわち、調整レバー22は、係合突起部24Aと第2係合受け部24C2とが互いに係合することで、第2設定位置P2に位置付けられる。
また、観察者による操作部221Aへの押圧が解除されると、係合突起部24Aは、第3設定位置P3に位置付けられることとなる。
この状態では、調整レバー22は、下方側突起24B2及び縁部分231Dにより第2の方向D2への移動が規制される。
なお、以下では、下方側突起24B2及び縁部分231Dを第3係合受け部24C3(図8)と記載する。
すなわち、調整レバー22は、係合突起部24Aと第3係合受け部24C3とが互いに係合することで、第3設定位置P3に位置付けられる。
以上説明した係合突起部24Aと第1〜第3係合受け部24C1〜24C3とが本発明に係る係合構造24(図8)に相当する。
すなわち、本実施形態では、虚像表示装置1は、係合構造24により、テンプル6の開き角θを3段階で調整可能に構成されている。
なお、テンプル6の開き角θは、係合突起部24Aが第1設定位置P1に位置付けられた状態が最大であり、第3設定位置P3に位置付けられた状態が最小である。
本実施形態では、カバー5には、回動軸11を中心としてテンプル6を拡げる方向に回動させた場合に、テンプル6(第2当接部132)に当接する第1当接部21が設けられている。このため、テンプル6の開き角θは、第1当接部21により規制される。
また、カバー5には、第1当接部21を第1の方向D1に沿って移動させる調整レバー22が設けられている。このため、調整レバー22により第1当接部21を第1の方向D1に沿って移動させることで、第1,第2当接部21,132の当接位置を変更させ、テンプル6の開き角θを調整できる。
したがって、第1当接部21及び調整レバー22を設けることでテンプル6の開き角θを調整できるので、頭部の大きさの異なる種々の観察者でも利用できる虚像表示装置1を構成することができ、利便性の向上が図れる。
このことにより、テンプル6を回動させた場合であっても、テンプル6とともに画像形成装置2が回動することがなく、投射レンズ81(光軸Ax)及び導光部材3(第1反射面312)の位置関係を良好に維持でき、観察者に画像を良好に観察させることができる。
このことにより、テンプル6を拡げる方向に回動させ、テンプル6により第1当接部21を介して調整レバー22が押圧された場合であっても、係合構造24により、第2の方向D2に沿う調整レバー22の移動を防止できる。
したがって、係合構造24を利用して調整レバー22を第1〜第3設定位置P1〜P3のいずれかに位置付け、テンプル6の開き角θを所望の角度に設定した後、当該所望の角度を良好に維持でき、利便性の向上がさらに図れる。
また、調整レバー22を位置付ける設定位置P1〜P3が3つ設けられているため、テンプル6の開き角θを3段階で調整でき、利便性の向上がさらに図れる。
このことにより、観察者は、操作部221Aを操作することで、接続部223を弾性変形させて、すなわち、係合突起部24A(基部221)を+Z軸側に移動させて、係合突起部24Aと第1〜第3係合受け部24C1〜24C3とを非係合状態に設定できる。また、観察者は、操作部221Aへの操作を止めることで、接続部223を元の形状に戻し、すなわち、係合突起部24Aを−Z軸側に移動させて、係合突起部24Aと第1〜第3係合受け部24C1〜24C3とを係合状態に設定できる。
したがって、操作部221Aへの操作のみによって係合状態あるいは非係合状態に設定でき、当該係合状態あるいは非係合状態を実現するための構造を別途、必要とせず、係合構造24を簡素な構造とすることができる。
さらに、接続部223の長さを適宜、調整すれば、接続部223を弾性変形させる際の力を適切な力に設定できる。
したがって、テンプル6の開き角θを調整する際の操作性を向上させることができる。
このことにより、観察者は、操作部221Aを突出方向と逆方向(+Z軸側)に押圧すれば係合突起部24Aと第1〜第3係合受け部24C1〜24C3とを非係合状態に設定でき、さらに、操作部221Aを突出方向に直交する方向(Y軸に沿う方向)に移動させれば調整レバー22を第2の方向D2に移動させ、すなわち、調整レバー22の移動に第1当接部21を連動させることができる。
したがって、テンプル6の開き角θを調整する際の操作性をさらに向上させることができる。
このことにより、観察者は、操作部221Aを突出方向と逆方向(+Z軸側)に押圧すれば、係合突起部24Aを2つの突起24B間から外に移動させ、非係合状態に容易に設定できる。
したがって、テンプル6の開き角θを調整する際の操作性をさらに一層向上させることができる。
また、係合構造24を利用して調整レバー22の位置を変更すれば、テンプル6が観察者の頭部を押え付ける力も調整できる。すなわち、観察者自身で上記押え付ける力を調整でき、利便性の向上がさらに図れる。
さらに、第1当接部21の当接面21Aが凸曲面状に形成されているので、仮想線VAを中心としてテンプル6を良好に回動させることができる。
したがって、観察者による虚像表示装置1の装着感をさらに向上させることができる。
特に、付勢部材14による付勢力と、クッション部材6Cによるダンパーとを組み合わせることで、観察者の頭部へのフィット感をさらに向上させることができ、観察者による虚像表示装置1の装着感をさらに一層向上させることができる。
前記実施形態では、虚像表示装置1は、透過型の液晶表示デバイス71を採用していたが、これに限らず、その他の構成、例えば、反射型の液晶表示デバイスや、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を採用しても構わない。
前記実施形態では、調整機構20は、カバー5に設けられていたが、これに限らず、テンプル6に設けた構成を採用しても構わない。
また、取付部材23は、カバー5と別体で構成されていたが、これに限らず、カバー5に一体形成(例えば、第2カバー部5Bに一体形成)しても構わない。
なお、調整機構20をテンプル6に設けた構成を採用した場合でも同様に、取付部材23は、テンプル6と別体で構成してもよく、あるいは、テンプル6に一体形成しても構わない。
前記実施形態では、ヒンジ機構10は、付勢部材14を備え、付勢部材14による付勢力により、テンプル6を観察者の頭部に所定の力で押え付けるように構成していたが、これに限らない。例えば、テンプル6を予め弾性を有する部材で構成し、テンプル6自体の弾性力によって、テンプル6を観察者の頭部に所定の力で押え付けるように構成しても構わない。
前記実施形態では、係合構造24を利用してテンプル6の開き角θを3段階で調整可能とする構造を採用していたが、2段階、あるいは、4段階以上で調整可能とする構造としても構わない。
前記実施形態では、導光部材3は、画像形成装置2から投射された画像光を内部に取り込んだ後、外部の所定位置に導く機能を有していたが、これに限らず、画像形成装置2から投射された画像光を外部の所定位置に導く機能を有していれば、例えば、ミラー等を採用しても構わない。
本発明の虚像表示装置では、前記ヒンジ機構は、前記テンプルを回動させる回動軸と、前記テンプルを前記回動軸に近接する方向に付勢する付勢部材と、を備えることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記付勢部材は、前記回動軸及び前記テンプル間に架設されていることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記画像形成装置からの画像光を外部の所定位置に導く導光部材と、前記当接部材に連結して当該当接部材を移動させる位置調整部材と、前記収納部材及び前記テンプルの一方に対して前記当接部材及び前記位置調整部材を取り付ける取付部材と、を有し、前記当接部材は、前記収納部材及び前記テンプルの他方に対して近接隔離する第1の方向に沿って移動可能に構成され、前記位置調整部材は、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って移動可能に構成され、前記第2の方向に沿う移動に前記当接部材を連動させて前記第1の方向に沿って移動させ、前記位置調整部材及び前記取付部材には、互いに係合することで前記位置調整部材を前記第2の方向に沿って並ぶ複数の設定位置のいずれかに位置付ける係合構造が設けられていることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記位置調整部材は、操作部を有する基部と、前記当接部材に連結する連結部と、前記基部及び前記連結部を接続する接続部とを備え、前記係合構造は、前記基部に設けられた係合突起部と、前記複数の設定位置に対応して前記取付部材に設けられ、前記係合突起部に係合する複数の係合受け部とを備え、前記接続部は、弾性変形可能に構成されていることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記操作部は、前記収納部材及び前記テンプルのいずれか一方の内部から外部に向けて突出し、前記接続部は、前記操作部の突出方向に直交する方向に延びるように形成されていることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記接続部は、前記第2の方向に延びるように形成されていることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記操作部は、前記収納部材及び前記テンプルのいずれか一方の内部から外部に向けて突出し、前記複数の係合受け部は 前記第2の方向に沿って並設される複数の突起を備え、前記複数の突起は、前記操作部の突出方向と逆方向に突出していることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記導光部材は、前記投射レンズに対向して配設され、前記投射レンズからの画像光を前記導光部材内部に取り込む画像取込部と、前記投射レンズの光軸に直交する平坦状に形成され互いに平行となる一対の全反射面を有し、前記導光部材内部に取り込まれた画像光を前記一対の全反射面での全反射により前記画像取込部から離間する方向に導く全反射部と、前記全反射部にて導かれた画像光を外部の前記所定位置に導く画像取出部とを備えることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記付勢部材は、当該付勢部材の付勢力により観察者の頭部に応じて前記クッション部材を変形させることが好ましい。
本発明の虚像表示装置では、前記ヒンジ機構は、前記収納部材に設けられ、前記回動軸が挿通される挿通孔を有し、前記回動軸に回動自在に軸支される軸支部を備え、前記当接部材及び前記軸支部が当接した状態において、前記回動軸の回転方向に延びる挿通孔内を当該回動軸の位置を変更させつつ、回動することにより前記頭部に所定の力を及ぼすことが好ましい。
ここで、当接部材、位置調整部材、及び取付部材は、上述したように、ヒンジ機構を介して互いに接続される収納部材及びテンプルのいずれか一方に設けられていればよい。
なお、以下では、説明の便宜上、上記「収納部材及びテンプルのいずれか一方」を「収納部材」とし、上記「収納部材及びテンプルのいずれか他方」を「テンプル」として(当接部材、位置調整部材、及び取付部材が収納部材に設けられている構成として)説明する。
上記関連技術によれば、収納部材には、一対のテンプルを拡げる方向(一方のテンプルを他方のテンプルから離間する方向)に回動させた場合に、テンプルに当接する当接部材が設けられている。このため、テンプルを拡げる方向に最大限回動できる角度(虚像表示装置が観察者に装着され、観察者の左目及び右目が水平方向に位置する状態で、当該水平方向に対するテンプルのなす角度、以下、テンプルの開き角と記載)は、当接部材により規制される。
このことにより、観察者は、操作部を操作することで、接続部を弾性変形させて、すなわち、係合突起部(基部)を移動させて、係合突起部と係合受け部とを非係合状態に設定できる。また、観察者は、操作部への操作を止めることで、接続部を元の形状に戻し、すなわち、係合突起部(基部)を移動させて、係合突起部と係合受け部とを係合状態に設定できる。
したがって、操作部への操作のみによって係合状態あるいは非係合状態に設定でき、当該係合状態あるいは非係合状態を実現するための構造を別途、必要とせず、係合構造を簡素な構造とすることができる。
上記関連技術によれば、接続部が上述した方向に延びるように形成されているので、観察者は、操作部を突出方向と逆方向に押圧すれば、接続部を容易に弾性変形させることができる。すなわち、観察者は、係合突起部と係合受け部とを容易に非係合状態に設定できる。
また、接続部の長さを適宜、調整すれば、接続部を弾性変形させる際の力を適切な力に設定できる。
したがって、テンプルの開き角を調整する際の操作性を向上させることができる。
上記関連技術によれば、接続部の延びる方向と第2の方向とは、同一方向に設定され、かつ、操作部の突出方向に直交する方向に設定されている。
このことにより、観察者は、操作部を突出方向と逆方向に押圧すれば係合突起部と係合受け部とを非係合状態に設定でき、さらに、操作部を突出方向に直交する方向に移動させれば位置調整部材を第2の方向に移動させ、すなわち、位置調整部材の移動に当接部材を連動させることができる。
したがって、テンプルの開き角を調整する際の操作性をさらに向上させることができる。
上記関連技術によれば、複数の係合受け部は、第2の方向に並設される複数の突起を備える。すなわち、係合突起部が隣り合う突起同士の間等に入り込むことで、係合状態に設定される。また、複数の突起は、操作部の突出方向と逆方向に突出している。
このことにより、観察者は、操作部を突出方向と逆方向に押圧すれば、係合突起部を隣り合う突起同士の間から外に移動させ、非係合状態に容易に設定できる。
したがって、テンプルの開き角を調整する際の操作性をさらに一層向上させることができる。
また、係合構造を利用して位置調整部材の位置を変更すれば、テンプルが観察者の頭部を押え付ける力も調整できる。すなわち、観察者自身で上記押え付ける力を調整でき、利便性の向上がさらに図れる。
上記関連技術によれば、当接部材におけるテンプルとの当接面が凸曲面状に形成されているので、上記仮想線を中心としてテンプルを良好に回動させることができる。
上記関連技術によれば、テンプルには上述したクッション部材が設けられているので、観察者に虚像表示装置が装着された状態では、クッション部材を観察者の頭部に応じて変形させ、観察者の頭部にクッション部材をフィットさせることができる。
したがって、観察者による虚像表示装置の装着感をさらに向上させることができる。
Claims (9)
- 画像光を出射する表示素子、及び前記表示素子からの画像光を投射する投射レンズを有する少なくとも一つの画像形成装置と、
少なくともいずれか一方に前記画像形成装置が収納される一対の収納部材と、
前記画像形成装置からの画像光を外部の所定位置に導く導光部材と、
各ヒンジ機構を介して前記一対の収納部材にそれぞれ回動自在に取り付けられる一対のテンプルとを備え、
前記収納部材及び前記テンプルのいずれか一方には、
前記収納部材及び前記テンプルのいずれか他方に対して近接隔離する第1の方向に沿って移動可能に構成され、前記テンプルを回動させた際に、前記テンプルの回動を規制する当接部材と、
前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って移動可能に構成され、前記当接部材に連結して前記第2の方向に沿う移動に前記当接部材を連動させて前記第1の方向に沿って移動させる位置調整部材と、
前記収納部材及び前記テンプルのいずれか一方に対して前記当接部材及び前記位置調整部材を取り付ける取付部材とが設けられ、
前記位置調整部材及び前記取付部材には、
互いに係合することで前記位置調整部材を前記第2の方向に沿って並ぶ複数の設定位置のいずれかに位置付ける係合構造が設けられている
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項1に記載の虚像表示装置において、
前記位置調整部材は、
操作部を有する基部と、
前記当接部材に連結する連結部と、
前記基部及び前記連結部を接続する接続部とを備え、
前記係合構造は、
前記基部に設けられた係合突起部と、
前記複数の設定位置に対応して前記取付部材に設けられ、前記係合突起部に係合する複数の係合受け部とを備え、
前記接続部は、弾性変形可能に構成されている
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項2に記載の虚像表示装置において、
前記操作部は、
前記収納部材及び前記テンプルのいずれか一方の内部から外部に向けて突出し、
前記接続部は、
前記操作部の突出方向に直交する方向に延びるように形成されている
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項3に記載の虚像表示装置において、
前記接続部は、
前記第2の方向に延びるように形成されている
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の虚像表示装置において、
前記操作部は、
前記収納部材及び前記テンプルのいずれか一方の内部から外部に向けて突出し、
前記複数の係合受け部は、
前記第2の方向に沿って並設される複数の突起を備え、
前記複数の突起は、
前記操作部の突出方向と逆方向に突出している
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の虚像表示装置において、
前記導光部材は、
前記投射レンズに対向して配設され、前記投射レンズからの画像光を前記導光部材内部に取り込む画像取込部と、
前記投射レンズの光軸に直交する平坦状に形成され互いに平行となる一対の全反射面を有し、前記導光部材内部に取り込まれた画像光を前記一対の全反射面での全反射により前記画像取込部から離間する方向に導く全反射部と、
前記全反射部にて導かれた画像光を外部の前記所定位置に導く画像取出部とを備える
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の虚像表示装置において、
前記ヒンジ機構は、
前記収納部材に対して前記テンプルを回動させる回動軸と、
前記収納部材に設けられ、前記回動軸を支持する支持部と、
前記テンプルに設けられ、前記回動軸が挿通される挿通孔を有し、前記回動軸に回動自在に軸支される軸支部と、
前記回動軸及び前記テンプル間に架設され、前記テンプルを前記回動軸に近接する方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記挿通孔は、
前記当接部材と前記収納部材及び前記テンプルのいずれか他方との当接位置を通り前記回動軸に平行となる仮想線を中心とする回転方向に延びるトラック孔で構成されている
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項7に記載の虚像表示装置において、
前記当接部材は、
前記収納部材及び前記テンプルのいずれか他方との当接面が凸曲面状に形成されている
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の虚像表示装置において、
前記テンプルには、
他方の前記テンプルに向けて膨出するクッション部材が取り付けられている
ことを特徴とする虚像表示装置。
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