JP2015207572A - 太陽電池モジュールとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光の有効利用波長範囲が広い、変換効率に優れた太陽電池モジュールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換素子101と、光電変換素子101と電気的に接続された電極104と、光電変換素子101を保護する透明樹脂102と、透明樹脂102の下部に位置するバックシート103と、透明樹脂102の上部の保護ガラス105と、保護ガラス105に設けられたゾルゲル硬化体層106と、ゾルゲル硬化体層に含有された蛍光体を備えた太陽電池モジュールを用いる。また、前記保護ガラスと前記ゾルゲル硬化体層との間に、透明樹脂層を設けた太陽電池モジュールを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子の前面に蛍光体を配置してなる太陽電池モジュールに関するものである。
太陽電池は一般に長波長領域において感度特性が低く、太陽光に含まれる紫外線などの短波長領域の光を有効に利用できていない。その課題を解決する手段として、従来からこの短波長領域の光を吸収し、長波長領域の蛍光を発する蛍光体、いわゆる波長変換材料を利用し、感度特性の高い長波長領域の光量を増加させ、太陽電池の変換効率を向上させる取組みが行われてきた。
例えば、特許文献1や特許文献2においては、ポリアクリレート系の透明樹脂中に有機蛍光体を溶解し、得られる重合体により、短波長部の光をより長波長の光へ効率よく変換できることを開示している。
また、特許文献3では、図7に示すようにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂といった有機系の透明樹脂11に蛍光体を含有させた波長変換層12を提案している。
また、特許文献4では、太陽電池モジュールにおいて光電変換素子の保護樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体中に、レアアース系の蛍光体を配合し、効率向上を行う提案がなされている。
特開昭57−28149号公報 特開昭57−189号公報 特開2010−219551号公報 WO2008/047427号公報
以上のような課題解決に向けた取組みは知られているものの、上記従来技術では波長変換層に含有させる蛍光体には、屋外使用という観点から高い耐候性が求められる。特に、有機化合物からなる蛍光体の場合、透明な波長変換層に溶存させることにより透明性の高い層とすることができるが、酸素や水などとの反応による劣化が早く、その性能を十分に維持することができない。
本願課題は、水や酸素との反応性の高い蛍光体を、架橋点密度が高く、水や酸素が透過できないゾルゲル硬化体中に含有させた構成とすることにより、従来、膜へ拡散侵入した水や酸素との反応性が高く、化学的に不安定であった有機系の蛍光体を、長寿命で使用することのできる太陽電池とその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、光電変換素子と、光電変換素子と電気的に接続された電極と、光電変換素子を保護する透明樹脂と、透明樹脂の下部に位置するバックシートと、透明樹脂の上部の保護ガラスと、保護ガラスに設けられたゾルゲル硬化体層と、前記ゾルゲル硬化体層に含有された蛍光体を備えた太陽電池モジュールを用いる。
また、電極を有する前記光電変換素子と、光電変換素子を保護する透明樹脂と、透明樹脂の下部に位置するバックシートと、透明樹脂の上部の保護ガラスと、保護ガラスに設けられたゾルゲル硬化体層と、をラミネートする太陽電池モジュールの製造方法であり、反応性有機官能基を有する第一のアルコキシシランを開環重合させ、オリゴマーとし、オリゴマーに、第二のアルコキシシランを加え加水分解しゾルとし、ゾルに蛍光体を入れて、保護ガラス上に塗布し乾燥させて、ゾルゲル硬化体層を作製する太陽電池モジュールの製造方法を用いる。
本発明の太陽電池モジュールでは、反応性有機官能基を有するアルコキシシラン化合物を少なくとも一種類原料とした、架橋密度の高いゾルゲル硬化体層を太陽電池のガラス表面に形成し、この架橋点密度の高いゾルゲル硬化体中に蛍光体を含有させる。このことで、蛍光体を水や酸素による反応劣化から保護することにより長寿命の波長変換膜とすることができる。
実施の形態1の太陽電池モジュールの断面図 (a)〜(c)実施の形態1の太陽電池モジュールの製造プロセスの組立工程を表す各工程の断面図 実施の形態2の太陽電池モジュールの断面図 (a)〜(c)実施の形態2の太陽電池モジュールの製造プロセスの組立工程を表す各工程の断面図 実施の形態3の太陽電池モジュールの断面図 (a)〜(c)実施の形態3の太陽電池モジュールの製造プロセスの組立工程を表す各工程の断面図 従来の波長変換層付き光電変換素子の断面図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。実施の形態1の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、保護ガラス上に形成され、蛍光体を含むゾルゲル硬化体層106を備えている。
電極104として、金属材料や合金材料とすることができる。
透明樹脂102としては、特に限定するものではないが、エチレン酢酸ビニル共重合体、ビスフェノールエポキシ樹脂硬化物、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。透明樹脂102は、光電変換素子101にとって、感度特性が低く劣化の原因となる350nm以下の光を吸収する紫外線吸収剤が含有されていても良い。
保護ガラス105は、特に限定するものではなく、透光性および遮水性を有する板状ガラスとすることができる。
光電変換素子101は、特に限定されるものではないが、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系などのシリコン半導体、ガリウム砒素、カドミウムテルルなどの化合物半導体などとすることができる。
保護ガラス105上に配置された、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層106は、本発明の骨子となる重要な部位であり、その詳細を以下に述べる。
<ゾルゲル硬化体層106>
ゾルゲル硬化体層106は、少なくとも1種類以上の金属アルコキシドの重合により形成されたゾルゲル重合体からなる。さらに金属アルコキシドの少なくとも1種類には、反応性有機官能基が含有される。金属アルコキシド由来のシラノール基同士の脱水縮合による架橋に加えて、反応性有機官能基同士も重合反応している。全体として架橋点密度が高い3次元ネットワークポリマー構造を形成している。
このため、空気が透過することができず、含有している蛍光体を水や酸素から保護することができる。また、ゾルゲル硬化体の屈折率は1.4〜1.5程度であり、入射光に対する反射防止効果による高効率化が期待できる。蛍光体による波長変換効果と併せて、さらに、光電変換効率を高くすることができる。
<ゾルゲル硬化体層106の製法>
(1)原料
ゾルゲル硬化体層106としては、限定するものではないが、少なくとも1種類の反応性有機官能基を有する第1のアルコキシシランを出発原料とする。シロキサン骨格を基本とした硬化物であり、シロキサン骨格中のシリコン原子に結合した反応性有機官能基同士もまた反応し重合した硬化体である。
出発原料として、非反応性有機官能基を有するアルコキシシランを適宜配合してもよい。ゾルゲル硬化体層106は、アルコキシシランのシリコン原子に結合した反応性有機官能基の反応と、それに続くアルコキシ基の加水分解と脱水縮合により、液相中でのゾル−ゲル法によって形成される。
反応性有機官能基としては、光や熱などにより重合反応するものであれば限定するものではなく、複数種類の反応性有機官能基の組合せでもよい。しかし、実施の形態1では反応性有機官能基がグシリドキシプロピル基であり、アルコキシ基がメトキシ基であるグリシドキシプロピルトリメトキシシランとしている。
(2)オリゴマー(ゾル)化
まず、第1のアルコキシシランである、グリシドキシプロピルトリメトキシシランを低濃度の塩基性触媒の存在下で、グリシドキシ基同士を開環重合させ、オリゴマーとする。
次に、オリゴマーに、第二のアルコキシシランを添加しゾルとし、加水分解を促進させるため、水や酸性触媒を添加しても良い。
(3)蛍光体の混入
このようにして得られたゾル中に蛍光体を添加し溶解する。蛍光体の溶解度を高めるために揮発性の有機溶媒を添加してもよく、蛍光体のゾル溶液を調整する。得られた蛍光体のゾル溶液をガラスに塗布し乾燥させ、ゾル溶液中のアルコキシ基の加水分解と、それによって生成したシラノール同士の脱水縮合反応を進行させることにより、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層106を得ることができる。
<第一のアルコキシシラン>
ここで、第一のアルコキシシランとしては反応性有機官能基を有するという観点からYnSi(OR)4−nにより表されるアルコキシシランであり、Yをたとえばグリシドキシプロピル基や、スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体、チオールプロピル基、アミノプロピル基とすることができ、光反応、熱反応あるいはそれらの組合せなど反応誘起方法を適宜選択することが出来る。またこれらの官能基の2種類以上を併用しても良い。特に、チオールプロピル基やアミノプロピル基は、グリシドキシプロピル基を重合させることができることから、グリシドキシプロピル基と好適に混合し用いることができる。
ゾルゲル硬化体の重合は一般に、アルコキシシランの場合、そのアルコキシ基の加水分解により生成するシラノール基同士の脱水縮合によって行われる。しかし、アルコキシシランの分子にこれらの官能基が結合していると、シラノール基同士の脱水縮合とは別に、これらの官能基が重合することで最終的に形成されるゾルゲル硬化体の架橋密度が高くなることとなり、酸素や水といった分子が透過しにくいゾルゲル硬化体となる。
たとえばグリシドキシプロピル基の場合には、加熱により3員環の開環重合でポリエーテル構造を形成することが出来るし、またスチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体はラジカル重合によりゾルゲル硬化体中にポリオレフィン構造を形成することができる。チオールプロピル基やアミノプロピル基の場合には前述のように、グリシドキシプロピル基と併用することにより、グリシドキシプロピル基の重合を促進させることができる。
Rは限定するものではないが、炭素数1〜5のアルキル基とすることができ、具体的にはメトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が挙げられる。中でも加水分解が容易に起こり、反応を制御し易いという観点からメトキシシラン及びエトキシシランが好ましい。
<第二のアルコキシシラン>
ここで、第二のアルコキシシランとしては、そのアルコキシ基数が2〜4とすることができ、Si(OR1)x(R2)4−xにより表される(xは2〜4の整数である。)。R1は上記と同様の炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。R2としては限定するものではないが、例えば炭素数が1〜10の有機官能基とすることができる。炭素数が11より大きい官能基では、立体障害が大きくなり重合によりゾルゲル硬化体が形成される際に重合が阻害され、重合体の形成が困難となるためである。メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、アリル等の炭化水素基、及びγ−クロロプロピル、およびこれらの、水素がフッ素に置き換わったフルオロ炭化水素基、γ−メルカプトプロピル、γ−メタクリロイルオキシプロピル等の置換炭化水素基が挙げられる。
<太陽電池の製造方法>
実施の形態1の製造プロセスとしては限定するものではないが例えば次に説明するような、工法が可能である。図2(a)から図2(c)は、実施の形態1の組立プロセスを表す各工程の断面図であり、まずは反応性有機官能基を有するアルコキシシランからオリゴマーを調整し、次に、これに第二のアルコキシシランと水を添加し、これらのアルコキシ基を酸性条件下において加水分解したゾルを調整する。
具体的な製法を以下に述べる。
(1)オリゴマーの調製
反応性有機官能基として、第1のアルコキシシランであるグリシドキシ基を有するグリシドキシプロピルトリメトキシシラン30gとアミン触媒3gの混合溶液を作製し、密閉系において120時間室温で放置し、グリシドキシプロピル基同士の重合を促進させ、オリゴマーとした。反応性有機官能基としては限定するものではなく、他にスチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基、チオールプロピル基、アミノプロピル基などとすることが出来、2種類以上の組合せでも良い。
スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体の場合にはラジカル重合によりゾルゲル硬化体中にポリオレフィン構造を形成することができるのでよい。チオールプロピル基やアミノプロピル基の場合には、グリシドキシプロピル基と併用することにより、グリシドキシプロピル基の重合を促進させることができるのでよい。
(2)ゾルの調製
室温でオリゴマー22gに第二のアルコキシシランとしてジメチルジエトキシシラン9.67gを添加し、密閉系において24時間放置し、ゾルとした。
(3)蛍光体のゾル溶液の調製
次に適当な蛍光体を適当な溶媒に溶解させた蛍光体溶液を作製し、前述のゾル溶液に添加する。蛍光体としては組成、系統共に限定されるものではないが、無機化合物、有機化合物、無機−有機錯体化合物などを単独もしくは併用などし、適宜使用することができる。実施の形態1においては、太陽電池の感度特性の低い波長の光を吸収し、感度特性の高い波長の光を蛍光として発する。光電変換効率を向上させるという観点から、400nm以下の紫外光を吸収し、400nmより長い波長の蛍光を発することが好ましく、Eu(3価)錯体である(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)をジメチルホルムアミドに0.6重量%配合したものを、10g添加した。
<蛍光体>
また、2種類の蛍光体を使用する際には、第一の蛍光体が発した蛍光波長と第二の蛍光体の吸収波長が重なるように蛍光体を選択すると、より広い範囲の波長の蛍光を発することになり、光電変換効率向上の観点から好ましい。また蛍光体の濃度としては、蛍光体の各波長における吸光係数やゾルゲル硬化体層の厚みにもよるが、例えば各蛍光体の吸収ピーク波長における吸光度が0.1より大きく10より小さくなる濃度とすることができる。吸光度が0.1より小さいと蛍光の光量として十分な光量が得られず、また吸光度が10より大きいと蛍光体自身の吸収による濃度消光によって発光効率が低減するためである。
無機蛍光体としては、特に限定するものではなくものを使用することができ、一般的には母結晶に金属元素が発光イオンとして賦活した酸化物や窒化物、硫化物などとすることができる。B、Gd、O、S、Al、Ga、Ba、Sr、K、V、La、Cl、P、In、Zn、Y、Ca、Mg等の元素を1種類以上用い、発光イオンとしてZn、Ho、Tb、Nd、Ag、Mn、Ce、Eu、Dy、Tm等が1種類以上賦活され用いられている無機蛍光体が挙げられる。またシリカ粒子の表面に金属元素が発光イオンとして賦活した酸化物や窒化物、硫化物が吸着したものも、ゾルゲル硬化体との屈折率が近く、透明性を確保し易いという観点から好適に使用することができる。尚、本発明に無機蛍光体を使用する際には、その粒径としては300nmより小さく、30nmより大きいことが望ましい。
300nm以上の場合、光電変換素子にとって感度特性の高い波長の光を前記無機蛍光体の粒子による散乱で損失する。30nm以下であると無機蛍光体の表面欠陥の影響が大きくなり、発光効率が低下するためである。
有機蛍光体としては、特に限定するものではないが、例えば炭化水素系を使用することができる。一般に炭化水素は、a、b、cをそれぞれ、構造式に含まれる環の数、炭素同士の2重結合の数、炭素同士の3重結合の数として、CnH2n+2−2a−2b−4cで表されるが、nが5より大きく40より小さくかつ、蛍光を発するものを使用することができる。
5以下の場合には、炭化水素として紫外線を吸収し、感度特性の高い400nmより長波長の蛍光体を発する蛍光体として機能するものが少ない。
40以上の場合には吸収波長が長波長側にシフトし、感度特性の高い光をも吸収することとなり、光電変換素子の光電変換効率の低下を招くことになる。
尚、前記構造式の中で炭素に該当する箇所が適宜、酸素原子や窒素原子、硫黄原子に置き換わってもよく、イオン化されたものであるか否かは限定するものではないが、化学的安定性の観点から、例えばアントラセン、フェナントレン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、ベンツピレン、コロネンといった縮合環化合それ自身またはこれらの誘導体を好適に使用することが出来る。
その他有機蛍光体の具体例としては、ローダミン類、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、アリールアミン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、カルバゾール誘導体、シロール誘導体、スピロ化合物、トリフェニルアミン誘導体、ナフタルイミド誘導体、トリフマニルアミン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピリジン環化合物、フルオレン誘導体、ベンゾオキサジノン誘導体、フェナントロリン誘導体、キナゾリノン誘導体、キノフタロン誘導体、フェニレン化合物、ペリノン誘導体、ルブレン誘導体、スチリル誘導体(ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、スチルベン誘導体)、チオフェン誘導体(オリゴチオフェン誘導体)、ジエン系(シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタ誘導体)、アゾール誘導体(オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾアザトリアゾール誘導体)、ピラゾール誘導体(ピラゾリン誘導体)、ピロール誘導体(ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体)を1種類以上含む蛍光体等が挙げられる。
ここで述べる錯体蛍光体は、特に限定されるものではないが一般的な定義にもとづく、少なくとも1種以上の配位子が少なくとも1種類以上の中心金属原子に、配位結合または水素結合により少なくとも1つ以上配位されてなりかつ中心金属原子が発光中心となっている分子性化合物であり、中心金属原子がイオンであるか否かは限定されない。
発光中心となる中心金属原子としては、例えばFe、Cu、Zn、Al、Auなどの遷移金属が挙げられるが、特にランタノイド系に属するGd、Yb、Y、Eu、Tb、Yb、Nd、Er、Sm、Dy、Ceなどでは吸収する光の波長と、発光する光の波長の差が大きく蛍光の再吸収などによる発光効率の低下が小さい、量子効率が高いなどの利点があり好ましい。
蛍光体を溶解させる溶媒としては限定するものではないが、蛍光体が溶解し、ゾルと親和性を有し常温放置もしくは蛍光体の分解温度以下で揮発するものが好ましい。このような溶剤として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類やアセトン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ベンゼンなどといった溶媒を使用することができる。
本実施形態では、ジメチルホルムアミド溶液としている。溶液中における蛍光体の適切な濃度は、使用する蛍光体の内部量子効率などによって変化するが、例えば各蛍光体の吸収ピーク波長における吸光度が0.1より大きく10より小さくなる濃度とすることができる。吸光度が0.1より小さいと蛍光の光量として十分な光量が得られず、また吸光度が10より大きいと蛍光体自身の吸収による濃度消光によって発光効率が低減するためである。
(4)太陽電池モジュールの製法
上記蛍光体のゾル溶液を太陽電池用の保護ガラス105にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱した。図2(a)の断面図に示すような蛍光体を含有するゾルゲル硬化体層106が保護ガラス105の表面に配置された保護材料110を作製することができる。このようにして得られたゾルゲル硬化体層106は、屈折率が1.4であり、第1のアルコキシシランが有する反応性有機官能基同士の重合反応と、第1、第2のアルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合による重合反応によって、架橋密度の高い3次元ネットワークポリマー構造中に蛍光体が含有された構造となっている。
次に、図2(b)の断面図において、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層106が配置された保護ガラス105と、太陽電池における光電変換素子101の表側に配置する透明樹脂102aと、裏側に配置する透明樹脂102bと、電極104が電気的に接合された光電変換素子101と、バックシート103と、ラミネート処理する。結果、断面図の図2(c)で示す太陽電池モジュールが作製される。
<効果>
ゾルゲル硬化体層106により、蛍光体が保護され、蛍光体から発せられた蛍光が長時間、効率よく光電変換素子101に到達する。結果、長寿命で変換効率が下がらない太陽電池モジュールとなる。
さらに、保護ガラス105よりも屈折率の低いゾルゲル硬化体層106が入射面に配置されているため、反射防止効果により発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる。
また、ゾルゲル硬化体層106は、第一のアルコキシシランが有する反応性有機官能基を、予めゾルゲル反応の前に重合させたプロセスとしているため、架橋密度が高い。この結果、ポリマーのネットワークが密であり、長期の安定性がある。そのため、ゾルゲル硬化体層106は、ガスバリア性の高い膜であり、従来使用することのできなかった昇華性の高い蛍光体や、酸素や水蒸気の侵入により劣化を免れなかった蛍光体を使用することができる。
また以上の効果により硬化体層にエポキシ樹脂を使用した従来例よりも、さらに蛍光体を長寿命に保護することができる。気温85℃、湿度85%での放置試験において従来例では、初期からの発光強度が90%以上維持される時間が500時間であるのに対し、実施の形態1では、1200時間発光が維持される。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。実施の形態1と異なる点は、蛍光体を含有した透明樹脂層107が、保護ガラス105上に形成されており、さらに、蛍光体を含有した透明樹脂層107の光の入射方向に反応性有機官能基を有するアルコキシシラン化合物を少なくとも一種類原料とした、架橋密度の高いゾルゲル硬化体層108が形成されているという点である。その他は実施の形態1と同様である。
実施の形態2の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、波長変換材料を含有した透明樹脂層107と、反応性有機官能基を有するアルコキシシランを少なくとも1種類、出発物質として形成されたゾルゲル硬化体層108を備えている。
実施の形態2では、反応性有機官能基を有するアルコキシシランを少なくとも1種類、出発物質としたゾルゲル硬化体層108が、蛍光体を含有した透明樹脂層107上に配置されていれば良く、ゾルゲル硬化体層108には蛍光体を含有していても良いし、していなくても良い。
このような構成とすることにより、透明樹脂層107中の蛍光体は、ゾルゲル硬化体層108で保護される。また、透明材料として、保護ガラス105よりも屈折率が高く、ゾルゲル硬化体層108よりも屈折率が小さいものとすることで、蛍光体から発せられた蛍光のうち、より多くが光電変換素子101に向かうことになり、さらに高効率な太陽電池モジュールを形成できることになる。
<製造方法>
実施の形態2の製造プロセスとしては、限定するものではないが例えば次に説明するような工法が可能である。図4(a)から図4(d)は、実施の形態2の組立プロセスを表す各工程の断面図である。
<透明樹脂層107>
まず、蛍光体を含有した透明樹脂層107を、保護ガラス105上に形成する。
例えば、蛍光体を有機溶剤に溶解させ、さらに有機溶剤の蛍光体溶液中に透明樹脂を添加し、透明樹脂を蛍光体の有機溶剤溶液に膨潤させる。この膨潤液を保護ガラス105上に適量滴下し、スピンコートやダイコートなどの方法で塗布し、溶剤を乾燥させることで形成することができる。蛍光体および透明樹脂としては、限定するものではないが、本実施形態では、蛍光体として、(1,10-Phenanthroline)tris[4,4,4-trifluoro-1-(2-thienyl)-1,3-butanedionato]europium(III)を用い、ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液に屈折率が1.46のアクリル樹脂ポリマーを膨潤させ、塗布した。塗布後にジメチルホルムアミドを乾燥させた後、樹脂ポリマー中に(1,10-Phenanthroline)tris[4,4,4-trifluoro-1-(2-thienyl)-1,3-butanedionato]europium(III)の濃度が0.1mol/Lとなっている。
透明樹脂層107としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、ビスフェノールエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。また蛍光体としては、本発明における実施の形態1と同様とすることができる。
次に蛍光体を含有した透明樹脂層107上に、反応性有機官能基を有するアルコキシシランを少なくとも1種類、出発物質としたゾルゲル硬化体層108を形成する。詳細を以下に述べる。
<ゾルゲル硬化体層108>
(1)オリゴマーの調製
反応性有機官能基として、第一のアルコキシシランである、グリシドキシ基を有するグリシドキシプロピルトリメトキシシラン30gとアミン触媒3gの混合溶液を作製した。その後、密閉系において120時間室温で放置し、グリシドキシプロピル基同士の重合を促進させ、オリゴマーとした。
反応性有機官能基としては限定するものではなく、スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基、チオールプロピル基、アミノプロピル基などとすることが出来、2種類以上の組合せでも良い。
スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体の場合にはラジカル重合によりゾルゲル硬化体中にポリオレフィン構造を形成することができるのでよい。チオールプロピル基やアミノプロピル基の場合には、グリシドキシプロピル基と併用することにより、グリシドキシプロピル基の重合を促進させることができるのでよい。
(2)ゾルの調製
室温でオリゴマー22gに第二のアルコキシシランとしてジメチルジエトキシシラン9.67gを添加し、密閉系において24時間放置し、ゾルとした。
(3)ゾルゲル硬化体層108の形成
ゾルを先にのべた、蛍光体を含有した透明材料が配置された太陽電池用の保護ガラス105にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、図4(a)に示すような蛍光体を含有するゾルゲル硬化体層108が蛍光体を含有した透明樹脂層107上の表面に配置された保護材料111を作製することができる。
このようにして得られたゾルゲル硬化体層108は、第1のアルコキシシランが有する反応性有機官能基同士の重合反応と、第1、第2のアルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合による重合反応によって、架橋密度の高い3次元ネットワークポリマー構造となっている。また、屈折率は1.4である。
<組み立て>
次に、図4(b)において、透明樹脂層107、ゾルゲル硬化体層108が配置された保護ガラス105と、透明樹脂102aと、透明樹脂102bと、電極104が電気的に接合された光電変換素子101と、バックシート103と、をラミネート処理する。図4(c)の断面図で示す太陽電池モジュールが作製される。
ゾルゲル硬化体層108により、透明樹脂層107中に含有された蛍光体が保護される。蛍光体から発せられた蛍光が長寿命に効率よく光電変換素子101に到達する。さらに、透明樹脂層107よりも屈折率の低いゾルゲル硬化体層108が入射面に配置されていることにより、蛍光体から発せられた蛍光がより多く光電変換素子101に届き、より発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる。
また、ゾルゲル硬化体層108は第一のアルコキシシランが有する反応性有機官能基間を予めゾルゲル反応の前に重合させたプロセスとしているため、架橋密度が高く、従ってポリマーのネットワークが密である。結果として、ゾルゲル硬化体層108は、ガスバリア性の高い膜であり、従来使用することのできなかった昇華性の高い蛍光体や、酸素や水蒸気の侵入により劣化を免れなかった蛍光体を透明樹脂層107中に含有させることができる。
<効果>
実施の形態1ではゾルゲル硬化体層106中に蛍光体が含有され、さらにゾルゲル硬化体層106が大気と直接接触している。一方、実施の形態2では、蛍光体を含有する透明樹脂層107が、蛍光体を含有しないゾルゲル硬化体層108を挟んで大気と隔てられている。この結果、実施の形態2は、実施の形態1よりもさらに蛍光体を長寿命に保護することができる。
気温85℃、湿度85%での放置試験において、硬化体層にエポキシ樹脂を使用した従来例では初期からの発光強度が90%以上維持される時間が、従来例では500時間、実施の形態1では1200時間であるのに対し、実施の形態2では、1500時間発光が維持される。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。実施の形態1と異なる点は、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層109の出発原料の少なくとも一つである反応性有機官能基を有するアルコキシシランが、ラジカル重合性官能基を有するアルコキシシランとしていることである。その他は実施の形態1と同様である。
実施の形態3の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、波長変換材料を含有したゾルゲル硬化体層109を備えている。
実施の形態3では、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層109の出発原料として、光重合により重合する、ラジカル重合性官能基を有するアルコキシシランを少なくとも一種類含有している。
このような構成とすることにより、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層109は紫外線の照射などにより、より短い時間で反応性誘起官能基を有するアルコキシシラン同士の反応性誘起官能基を介して重合したオリゴマーを形成することができ、より生産性の高い波長変換機能付き太陽電池とすることができる。
<製造方法>
実施の形態3の製造プロセスとしては、限定するものではないが例えば次に説明するような、工法が可能である。
図6(a)から図6(c)は、実施の形態3の組立プロセスを表す各工程の断面図である。
まず、反応性有機官能基を有する第一のアルコキシシランからオリゴマーを調整し、次に、これに第二のアルコキシシランと水を添加し、これらのアルコキシ基を酸性条件下において加水分解したゾルを調整する。具体的な製法を以下に述べる。
<ゾルゲル硬化体層109の形成>
・ オリゴマーの調製
反応性有機官能基として、スチリル基を有するスチリルトリメトキシシラン30g(第一のアルコキシシラン)と、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.1gとの混合溶液を作製した。紫外線を約1分間照射し、スチリル基同士のラジカル重合を促進させ、オリゴマーとした。反応性有機官能基としてはラジカル重合が可能なものであれば限定するものではなく、他のラジカル重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルアリール基、ビニルエーテル基、ビニルオキシカルボニル基等のラジカル重合性基を1分子内に1つ以上有する化合物等を挙げることができ、2種類以上の組合せでも良い。
実施の形態3において、重合開始剤は添加してもよく、添加しなくともよい。重合開始剤としては、限定するものではないが熱重合開始剤、光重合開始剤などのラジカル重合を誘起するものを使用することができる。
熱重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物(アゾ系ラジカル重合開始剤)などが挙げられる。有機過酸化物としては、ケトンパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類(過酸化ベンゾイルなど)、パーカーボネート類、ハイドロパーオキシド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類などが例示される。アゾ化合物としては、例えば、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルなどが挙げられる。
これらの中でも、有機過酸化物、特にラジカル重合性樹脂組成物を硬化させる際に気泡が発生しないという観点から過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキシド類などのパーオキシド系ラジカル重合開始剤を好適に使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケトン、アセトフェノンベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジフェニルジサルファイト、ジメトキシフェニルアセトフェノン等を挙げることができ、2種以上を併用してもよい。 ラジカル重合性樹脂組成物に重合開始剤を添加する場合、その添加量としては、ラジカル重合性樹脂組成物中のラジカル重合性化合物(ラジカル重合性樹脂と他のラジカル重合性化合物の総重量)に対して0.01〜50重量%程度、好ましくは0.1〜20重量%程度である。
(2)ゾルの調製
室温でオリゴマー22gに、第二のアルコキシシランとしてジメチルジエトキシシラン9.67gを添加し、密閉系において24時間放置し、ゾルとした。
(3)蛍光体のゾル溶液の調製
次に適当な蛍光体を適当な溶媒に溶解させた蛍光体溶液を作製し、前述のゾル溶液に添加する。蛍光体としては組成、系統共に限定されるものではないが、無機化合物、有機化合物、無機−有機錯体化合物などを単独もしくは併用などし、適宜使用することができる。実施の形態3においては、太陽電池の感度特性の低い波長の光を吸収し、感度特性の高い波長の光を蛍光として発する。光電変換効率を向上させるという観点から、400nm以下の紫外光を吸収し、400nmより長い波長の蛍光を発することが好ましく、Eu(3価)錯体である(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)をジメチルホルムアミドに0.6重量%配合したものを、10g添加した。
その他蛍光体として選択できるものとしては、実施の形態1と同様である。
(4)蛍光体含有のゾルゲル硬化体層109の形成
蛍光体のゾル溶液を太陽電池用の保護ガラス105にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、図6(a)に示すような蛍光体を含有するゾルゲル硬化体層109が保護ガラス105の表面に配置された保護材料112を作製することができる。このようにして得られたゾルゲル硬化体層106は、第1のアルコキシシランが有する反応性有機官能基同士の重合反応と、第1、第2のアルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合による重合反応によって、密な3次元ネットワークポリマー構造中に蛍光体が含有された構造となっている。
<組み立て>
次に、図6(b)において、蛍光体を含有したゾルゲル硬化体層109が配置された保護ガラス105を、太陽電池における光電変換素子101の表側に配置する透明樹脂102aと裏側に配置する透明樹脂102bを方法で電極104が電気的に接合された光電変換素子101およびバックシート103と共に方法でラミネート処理する。
このことにより、ゾルゲル硬化体層により、蛍光体が保護され、蛍光体から発せられた蛍光が長寿命に効率よく光電変換素子101に到達し、さらに保護ガラス105よりも屈折率の低いゾルゲル硬化体層109が入射面に配置されていることによる、反射防止効果により発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる(図6(c))。
また、ゾルゲル硬化体層109は第一のアルコキシシランが有する反応性有機官能基間を予めゾルゲル反応の前に重合させたプロセスとしているため、架橋点密度が高く、従ってポリマーのネットワークが密である。結果として、ゾルゲル硬化体層109はガスバリア性の高い膜であり、従来使用することのできなかった昇華性の高い蛍光体や、酸素や水蒸気の侵入により劣化を免れなかった蛍光体を使用することができる。
<効果>
実施の形態1および2では、オリゴマーの調整に120時間を要する。しかし、実施の形態3では、紫外線の照射により1分間という短い時間で調整することができる。結果、生産性が高い。また、反応性有機官能基同士により形成される構造がポリオレフィンであることから、疎水性が高く水が浸入しにくい。
気温85℃、湿度85%での放置試験において硬化体層にエポキシ樹脂を使用した従来例では初期からの発光強度が90%以上維持される時間が500時間であるが、実施の形態1では1200時間、実施の形態3では1400時間である。
(なお書き)
実施の形態は、適時組み合わせることができる。
以上説明したように、本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池として広く使用される。
11 透明樹脂
12 波長変換層
85 湿度
101 光電変換素子
102 透明樹脂
102a 透明樹脂
102b 透明樹脂
103 バックシート
104 電極
105 保護ガラス
106 ゾルゲル硬化体層
107 透明樹脂層
108 ゾルゲル硬化体層
109 ゾルゲル硬化体層
110 保護材料
111 保護材料
112 保護材料

Claims (8)

  1. 光電変換素子と、
    前記光電変換素子と電気的に接続された電極と、
    前記光電変換素子と前記電極とを内部に含む第1透明樹脂と、
    前記透明樹脂の下部に位置するバックシートと、
    前記透明樹脂の上部に位置する保護ガラスと、
    前記保護ガラス表面に設けられたゾルゲル硬化体層と、を備え、
    前記ゾルゲル硬化体層は、蛍光体を含む、太陽電池モジュール。
  2. さらに、前記保護ガラスと前記ゾルゲル硬化体層との間に、第2透明樹脂層を設けた請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記ゾルゲル硬化体層の出発原料の少なくとも一つが、反応性有機官能基を有するアルコキシシランである請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記反応性有機官能基が、グシリドキシエーテル基を含む官能基である請求項3記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記反応性有機官能基が、ビニル基を含む官能基である請求項3または4記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記ゾルゲル硬化体層の出発原料の少なくとも一つが、ラジカル重合性官能基を有するアルコキシシランである請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記ラジカル重合性官能基を有するアルコキシシランは、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、ビニルアリール基、ビニルエーテル基、ビニルオキシカルボニル基のラジカル重合性基を1分子内に1つ以上有する化合物である請求項6記載の太陽電池モジュール。
  8. 電極を有する前記光電変換素子と、前記光電変換素子を保護する透明樹脂と、前記透明樹脂の下部に位置するバックシートと、前記透明樹脂の上部の保護ガラスと、前記保護ガラスに設けられたゾルゲル硬化体層と、をラミネートする太陽電池モジュールの製造方法であり、
    反応性有機官能基を有する第一のアルコキシシランを開環重合させ、オリゴマーとし、
    前記オリゴマーに、第二のアルコキシシランを加え加水分解しゾルとし、
    前記ゾルに蛍光体を入れて、前記保護ガラス上に塗布し乾燥させて、
    前記ゾルゲル硬化体層を作製する太陽電池モジュールの製造方法。

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JP2015212360A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂組成物およびその製造方法並びに半導体装置

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