JP2015207494A - 電槽及び金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、金属電極の取り出しや挿入に伴う損傷や摩耗を抑制することができる電槽および金属空気電池を提供する。
【解決手段】本発明の電槽は、空気極と、対向する側壁の間隔を変える変形機構とを備え、前記空気極は、前記対向する側壁の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする。また、本発明の金属空気電池は、本発明の電槽と、前記電槽に収容された電解質と、前記電槽に収容された金属電極とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電槽及び金属空気電池に関する。
金属空気電池は高いエネルギー密度を有するため、次世代の電池として注目されている。金属空気電池は、電極活物質を含み電解液中に配置される金属電極をアノードとし、空気極をカソードとすることにより放電する。
代表的な金属空気電池として、金属亜鉛を電極活物質とする亜鉛空気電池が挙げられる。亜鉛空気電池では、カソードにおいて以下の化学式1のような電極反応が進行すると考えられる。
(化学式1):O2+2H2O+4e-→4OH-
また、アノードにおいて以下の化学式2のような電極反応(亜鉛の溶解反応)が進行すると考えられる。
(化学式2):Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e-
化学式2において消費されるOH-イオンは、化学式1の電極反応により供給される。従って、アノード−カソード間距離が小さくなるほど、アノードにOH-イオンが供給されやすくなり、金属空気電池の出力特性が向上する。
なお、化学式2において生成したZn(OH)4 2-は、その濃度が高くなることにより酸化亜鉛又は水酸化亜鉛として電解液中に析出する。
このような電極反応が進行すると金属電極の電極活物質は消費され徐々に減少し、電極活物質がなくなると、放電は停止する。そこで、金属電極を交換し電極活物質を亜鉛空気電池に供給することにより、金属空気電池を再放電可能にする機械式充電が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、アノード−カソード間に配置したセパレータを移動させる機構を有する金属空気電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−45270号公報 特開2012−89328号公報
しかし、機械式充電の従来の金属空気電池では、金属電極の取り出しや挿入に伴い、金属電極が電槽に接触し金属空気電池の損傷するおそれや、金属電極の挿入箇所に摩耗が生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金属電極の取り出しや挿入に伴う損傷や摩耗を抑制することができる電槽を提供する。
本発明は、空気極と、対向する側壁の間隔を変える変形機構とを備え、前記空気極は、前記対向する側壁の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする電槽を提供する。
本発明によれば、電槽の対向する側壁の少なくとも一方に設けられた空気極を備えるため、対向する側壁間の電槽内に金属電極を挿入することにより金属空気電池を形成することができる。
本発明によれば、対向する側壁の間隔を変える変形機構を備えるため、対向する側壁の間隔が広くなるように電槽を変形させた後、電槽内に金属電極を挿入することができ、また、電槽内から金属電極を取り出すことができる。このことにより、金属電極の挿入、取り出しの際に金属電極と電槽とが接触することを抑制することができ、金属電極や電槽の損傷や摩耗を抑制することができる。また、金属電極の挿入後、対向する側壁の間隔が狭くなるように電槽を変形させ、金属空気電池により放電することができる。このことにより、アノード−カソード間距離を小さくすることができ、イオン伝導抵抗を小さくすることができる。このことにより、金属空気電池の出力特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の電槽および金属極カートリッジの概略断面図である。 (a)(b)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 (a)(b)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 (a)(b)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図であり、(b)は前記金属空気電池の概略側面図である。 (a)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図であり、(b)は前記金属空気電池の概略側面図である。 本発明の一実施形態の電槽および金属極カートリッジの概略断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図であり、(b)は前記金属空気電池の概略側面図である。 (a)(b)は、本発明の一実施形態の金属空気電池の概略上面図である。
本発明の電槽は、空気極と、対向する側壁の間隔を変える変形機構とを備え、前記空気極は、前記対向する側壁の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする。
本発明において、電槽とは、金属空気電池の構成部品であり、電解質および金属電極を収容できる電槽である。
本発明の電槽において、変形機構は伸縮構造を含むことが好ましい。
このような構成によれば、伸縮構造を伸縮させることにより、対向する側壁の間隔を変えることができる。
本発明の電槽において、対向する側壁の少なくとも一方に押圧部を備え、押圧部は、対向する側壁の間隔を狭くすることにより、電槽中の電解質を押圧するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、変形機構により対向する側壁の間隔を狭くすることにより電槽内の電解質を空気極と金属電極との間に供給することができる。また、変形機構により対向する側壁の間隔を広くすることにより金属電極が自己腐食することを抑制することができる。
本発明の電槽において、変形機構は、回転軸を有し、回転軸を中心とした回転に伴い変形する機構であることが好ましい。
このような構成によれば、回転軸を中心とした回転により電槽を変形させることにより、対向する側壁の間隔を変えることができる。また、金属電極又は金属極カートリッジと電槽とが接触する際に面内方向にかかる摩擦力を低減することができる。
本発明の電槽において、空気極の内側面を覆う第1セパレータをさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、電解質に含まれる負極活物質や負極反応生成物の極微細な粒子が空気極に付着することを抑制できる。また、電槽内に金属電極を挿入する際や電槽内から金属電極を取り出す際に電槽が摩耗することや損傷することを抑制することができる。
本発明は、本発明の電槽と、電槽に収容された電解質と、電槽に収容された金属電極とを備える金属空気電池も提供する。
また、本発明は、本発明の電槽と、少なくとも一部が電槽に収容された金属極カートリッジとを備え、金属極カートリッジは、金属電極と、電解質を収容した第2セパレータとを備える金属空気電池も提供する。
本発明の金属空気電池によれば、空気極を備える電槽と、電槽に収容された電解質と、電槽に収容された金属電極とを備えるため、金属電極においてアノード反応を進行させることができ、空気極においてカソード反応を進行させることができる。このことにより、金属電極と空気極との間に起電力を生じさせることができ、放電電流を流すことができる。
また、金属極カートリッジを備えることにより、使用済みの金属電極を電槽中から取り出し、新たな金属電極を電槽中に挿入することができ、金属電極を交換することができる。この交換により金属空気電池に電極活物質を供給することができ、金属空気電池により繰り返し放電を行うことができる。また、放電を中止した際に金属電極を電槽中から取り出すことにより電極活物質が自己腐食することを防止することができ、電極活物質を効率よく利用することができる。さらに、放電中に析出される金属酸化物を第2セパレータ内に留めることで、放電後、金属電極と同時に電槽中から金属酸化物を取り除くことができる。
さらに、本発明は、第2セパレータを袋状にした金属空気電池を提供する。第2セパレータを袋状にすることで、変形機構により、電槽の対向する側壁または押圧部から受ける押圧に反発することなく、容易に形状を変えることができるため、空気極と第2セパレータを密着させることができる。
本発明の金属空気電池において、外部接続端子をさらに備え、外部接続端子は、対向する側壁の間隔を狭くすることにより、金属電極及び空気極のうち少なくとも一方と電気的に接続するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、対向する側壁の間隔が狭くなるように電槽を変形させることにより金属空気電池の放電を開始することができ、対向する側壁の間隔が広くなるように電槽を変形させることにより金属空気電池の放電を停止させることができる。このことにより、放電の開始および停止に伴う操作を単純化することができる。また、金属空気電池の誤動作を抑制することができる。また、金属空気電池の安全性を向上させることができる。
本発明の金属空気電池において、対向する側壁の間隔を狭くするように電槽を変形させた状態で、第1及び第2セパレータは接触するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、アノード−カソード間距離を安定化することができ、金属空気電池の出力特性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
電槽の構成及び金属空気電池の構成
図1、図2、図4(a)(b)、図5(a)(b)、図6(a)(b)、図7(a)、図8(a)、図10(a)はそれぞれ本実施形態の金属空気電池の概略断面図である。図3、図9はそれぞれ本実施形態の電槽及び金属極カートリッジの概略断面図である。図7(b)、図8(b)、図10(b)は、それぞれ本実施形態の金属空気電池の概略側面図である。図11(a)(b)はそれぞれ本実施形態の金属空気電池の概略上面図である。
本実施形態の電槽32は、空気極9と、対向する側壁の間隔を変える変形機構12とを備え、空気極9は、前記対向する側壁の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする。
本実施形態の金属空気電池30は、電槽32と、電槽32に収容された電解質3と、電槽32に収容された金属電極5とを備える。
以下、本実施形態の電槽32及び金属空気電池30について説明する。
1.金属空気電池
本実施形態の金属空気電池30は、電極活物質となる金属を含む金属電極5を負極(アノード)とし、空気極9を正極(カソード)とする電池である。例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。また、本実施形態の金属空気電池30は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよい。また、本実施形態の金属空気電池30は、金属電極5を交換することにより電極活物質を金属空気電池に供給する機械式充電型の金属空気電池であってもよい。
また、金属空気電池30は、筐体1、空気極9などからなる電槽32と、電槽32に着脱可能な構造を有し、金属電極5、第2セパレータ14などからなる金属極カートリッジ20とから構成されてもよい。
2.セル
セル31は、金属空気電池30の構成単位であり、電槽32中に設けられかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極9とからなる電極対を有する。また、セル31は、空気極を含む電槽32と金属電極5とを含む。セル31は、例えば、1つの空気極9と1つの金属電極5とが電解質3を挟むように設けられた電極対を有してもよく、図1に示した金属空気電池30のように2つの空気極9が1つの金属電極5を挟むように設けられた電極対を有してもよい。なお、空気極9と金属電極5とに挟まれる電解質3は、電解液又は固体電解質であってもよく、セパレータに浸み込んだ電解液、セパレータ中の電解液であってもよい。
3.セル集合体
セル集合体は、複数のセル31で構成される。セル集合体は、セル31を重ねたスタック構造を有してもよい。また、セル集合体は、セル31に含まれる板状の金属電極5または空気極9が同一面上に位置するように複数のセル31を並べた構造を有してもよい。セル集合体は、複数のセル31が1つの筐体1内に設けられてもよく、それぞれのセル31が筐体1を有してもよい。なお、セル集合体を構成するセルの数は特に限定されず、必要となる発電能力に応じてセルの数量を決定すればよい。
4.電解質、電槽、変形機構
電解質3は、金属電極5と空気極9の間でイオンの伝導を担う電解質である。電解質3としては、電解液、ゲル化電解液、固体電解質又は電解質膜(イオン交換膜)であってもよく、セパレータにしみ込んだ電解液、セパレータ中の電解液であってもよい。
電解質3をゲル化電解液とすることにより、電解液に比べて、金属電極5の交換時に電解質3が漏洩することを抑制することができる。また、電解質3は、液体からゲルに任意のタイミングで変化させてもよい。また、ゲル化電解液は、流動性を有してもよく流動性を有さなくてもよい。
図1に示した実施形態に係る電解質3は、電槽32に収容された電解液3である。電解液3は、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する電解液である。
また、電解液3は、電槽32内で電解質粒子を水や有機系溶媒などに溶解させ調製してもよく、外部で調製した電解液3を電槽32に入れてもよい。また、電解液3は電槽32内でゲル化してもよく、外部でゲル化した電解液3を電槽32に入れてもよい。また、ゲル化した電解液3は、成形した後電槽32に入れてもよい。
図10に示した実施形態に係る電解質3は、第1セパレータ15及び第2セパレータ14を構成するアニオン交換膜などのイオン交換膜もしくは電解質を含浸した固体、ゲル、高分子の分子篩などである。なお、電解質3を第1セパレータ15又は第2セパレータ14とする場合、第1セパレータ15又は第2セパレータ14は、電極活物質層6と接触するように設けられる。このことにより、電極活物質層6と第1又は第2セパレータ15、14との界面においてアノード反応を進行させることができる。また、図10に示した金属空気電池30のように第1セパレータ15及び第2セパレータ14を電解質3として機能させると、金属空気電池30を液体を使わない構成とすることができ、金属空気電池30の安全性を向上させることができる。
また、固体系電解質としては、無機固体電解質または有機固体電解質に分別できる。無機固体電解質としては、例えば、イオン伝導性セラミックス、イオン伝導性ガラス、イオン性結晶などが挙げられる。また、有機固体電解質としては、高分子化合物(例えば、ポリエチレンオキサイドなど)に電解質塩(例えば、亜鉛塩やリチウム塩など)を分散させた有機固体電解質や、イオン交換膜などが挙げられる。イオン交換膜としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)など等が挙げられる。
電解液3は、電槽32内に溜めること、または電槽32内を流通させることができる。電解液3の種類は、金属電極5に含まれる電極活物質の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよい。
例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液3には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池、ナトリウム空気電池の場合、電解液3には塩化ナトリウム水溶液などの中性水溶液を用いることができる。
また、リチウム空気電池またはナトリウム空気電池では、リチウムあるいはナトリウムなどを含む金属極が水との接触により激しい反応を伴うため、電解質膜など等を介して電解質水溶液を使用することができる。
また、電解液3は、電槽32内部の第2セパレータ14内に溜められてもよい。この場合、第2セパレータ14を袋状とし、電解液3をゲル化電解液とすることができる。このことにより、第2セパレータ14中に電解液3を溜めることができ、第2セパレータ14からの電解液3の漏洩を抑制することができる。例えば、図6(a)(b)に示した金属空気電池30では、第2セパレータ14中にゲル化電解液3が溜められている。また、第2セパレータ14中の電解液3は、負極活物質である金属粉末が混合されたゲル化電解液であってもよい。
また、電解液3は、金属電極5を電槽32内に挿入した後、電槽32内又は第2セパレータ14内に注入してもよい。
本実施形態の電槽32は、金属空気電池30の構成部品であり、電解質3および金属電極5を収容できる電槽である。また、電槽32は、筐体1と空気極9を含む構造を有してもよい。この場合、筐体1は容器形状を有することができ、空気極9は、容器形状の筐体1の側壁部に組み込むことができる。
電槽32は、電解液槽として電解質3を収容してもよく、電解質3を収容した第2セパレータ14を電槽32の内部に収容してもよい。また、電槽32は、その中に金属電極5又は第2セパレータ14を取り出し可能に設置することができる構造を有する。具体的には、電槽32は、金属極挿入口を有することができ、この金属極挿入口から金属極カートリッジ20に含まれる金属電極5及び第2セパレータ14を電槽32の内部に挿入できるように設けられる。
電槽32は、電解液3を溜める又は流通させる電解槽であってもよい。また、電槽32は、電解液室を有することができる。また、電解液3がゲル化電解液である場合、電槽32は、ゲル化電解液を収容する電解槽であってもよい。また、電槽32は、複数の電解液室を有してもよい。
また、電槽32に含まれる筐体1は、複数の部材が組み合わされた構造を有してもよい。また、筐体1は剛性を有してもよい。このことにより、金属空気電池32の取り扱いを容易にすることができる。また、筐体1が複数の部材から構成されるとき、複数の部材はそれぞれ剛性を有してもよい。
筐体1の材料は、電解液に対して耐食性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、またはこれらの混成樹脂などである。
電槽32は、対向する側壁の間隔を変える変形機構12を備える。また、空気極9は、この側壁に設けられ、金属電極5は、対向する側壁の間に設けられる。従って、変形機構12により対向する側壁の間隔を変えることにより、金属電極5と空気極9との間隔i(以下、電極間隔iという)を変えることができる。この変形機構12は、電槽32を構成する筐体1などに設けることができる。
なお、電極間隔iは、金属電極5の主要面と、この面に対向する空気極9の主要面の間隔をいう。例えば、図1、2、7に示した金属空気電池30のように、金属電極5の主要面と空気極9の主要面とが実質的に平行な場合、電極間隔iはこの平行な2つの主要面の間隔である。また、例えば、図8に示した金属空気電池30のように、金属電極5の主要面と空気極9の主要面とが平行でない場合、2つの主要面の最短距離が電極間隔iである。
変形機構12は、電槽32を変形させ電極間隔iを変えることができる機構であれば特に限定されないが、例えば、伸縮構造16、軸回転構造であってもよい。金属空気電池30に複数の電極間隔iがある場合、変形機構12は、複数の電極間隔iのうち少なくとも1つの電極間隔iを変えることができればよい。
変形機構12である伸縮構造16としては、例えば、筐体1が第1筐体1aと第2筐体1bとから構成され、第1筐体1aの一部が第2筐体1bの内部に設けられた空間に入り込むテレスコピック構造(入れ子構造)が挙げられる。また、伸縮構造16は、例えば、筐体1が第1筐体1aと第2筐体1bとから構成され、第2筐体1bがガイド部を有し、第1筐体1aがガイド部に導かれて移動することにより伸縮する構造(片持ち構造)であってもよく、ラチス構造であってもよく、蛇腹構造39であってもよく、積層スライド構造であってもよい。
例えば、図1〜3、図5(a)(b)、図6(a)(b)に示した金属空気電池30では、筐体1が第1筐体1aと第2筐体1bとから構成され、第2筐体1bが内部空間を有し、第1筐体1aの一部がこの内部空間に入り込む伸縮構造16(テレスコピック構造)を有している。なお、図1〜3などでは、電槽32の底部にのみ伸縮構造16を示しているが、電槽32の側部にも伸縮構造16は設けられる。
また、例えば、図4(a)(b)に示した金属空気電池30では、筐体1は、蛇腹構造39を有している。
なお、図1、図4(a)、図5(a)、図6(a)は、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図である。
図2は、図1に示した金属空気電池30を電極間隔iが広くなるように変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図であり、図3は、図2に示した金属空気電池30の金属極カートリッジ20を交換する際の電槽32及び金属極カートリッジ20の概略断面図である。図4(b)は、図4(a)に示した金属空気電池30を電極間隔iが広くなるように変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示した金属空気電池30を電極間隔iが広くなるように変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図であり、図6(b)は、図6(a)に示した金属空気電池30を電極間隔iが広くなるように変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図である。
変形機構12である軸回転構造は、例えば、図7,8に示したように、筐体1が第1筐体1aと第2筐体1bとから構成され、第1筐体1aと第2筐体1bとの接続部に回転軸25が設けられ、第2筐体1bが第1筐体1aに対し回転運動をすることにより筐体1が変形する構造であってもよい。また、第1筐体1aと第2筐体1bは、蛇腹構造などの伸縮構造16により接続されていてもよい。この伸縮構造16は、軸回転運動に伴い伸縮できるように設けることができる。なお、回転軸25は、筐体1の一部であってもよく、筐体1と別の部材であってもよい。
第1筐体1aと第2筐体1bは、取り外しが可能な接続箇所と、回転軸25の両方により接続されていてもよい。このことにより、前記接続箇所を取り外し、第2筐体1bを第1筐体1aに対し第1回転方向に回転運動させ電極間隔iが広くなるように筐体1を変形させることができる。また、第2筐体1bを第1筐体1aに対し第2回転方向に回転運動させ電極間隔iが狭くなるように筐体1を変形させ、前記接続箇所で第1筐体1aと第2筐体1bとを接続することができる。このような構成により、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30の形状を安定化させることができ、安定して放電させることができる。
取り外しが可能な接続箇所は、例えば、第1筐体1aと第2筐体1bのどちらか一方に設けた凸部が、他方に設けた凹部に嵌合する構造であってもよい。また、第1筐体1aと第2筐体1bにそれぞれ磁石を設け、磁石の引力により第1及び第2筐体1a、1bが接続する構造であってもよい。
例えば、図7〜10に示した金属空気電池30は、筐体1が第1筐体1aと第2筐体1bとから構成され、第1筐体1aの外側面下部と第2筐体1bの内側面下部との結合部に回転軸25が設けられ、第1筐体1aに対し第2筐体1bが回転運動することができる構造を有している。また、電槽32の側面に第1筐体1aと第2筐体1bとを接続する伸縮構造を設けてもよい。
なお、図7(a)(b)及び図10(a)(b)は、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図および概略側面図である。
図8(a)(b)は、図7(a)(b)に示した金属空気電池30を電極間隔iが広くなるように変形させた状態の金属空気電池30の概略断面図及び概略側面図であり、図9は、図8(a)(b)に示した金属空気電池30の金属極カートリッジ20を交換する際の金属空気電池30の概略断面図である。
図1、図4(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)(b)、図10(a)(b)、図11(a)のように、電極間隔が狭くなるように電槽32を変形させた状態において、金属空気電池30の放電を行うことができる。このことにより、アノード−カソード間距離を短くすることができ、イオン伝導抵抗を小さくすることができる。この結果、金属空気電池30の出力特性を向上させることができる。
また、電極間隔が狭くなるように電槽32を変形させた状態において、第2セパレータ14は第1セパレータ15と接触するように設けることができる。このことにより、アノード−カソード間距離を安定化することができる。また、第2セパレータ14を設けない場合、電極間隔が狭くなるように電槽32を変形させた状態において、金属電極5は第1セパレータ15と接触するように設けることができる。また、第1セパレータ15を設けない場合、電極間隔が狭くなるように電槽32を変形させた状態において、第2セパレータ14は、空気極9と接触するように設けることができる。
電極間隔が狭くなるように電槽32を変形させた状態において、第2セパレータ14は第1セパレータ15と密着するように設けることができる。また、第2セパレータ14は、金属電極5と密着してもよい。このことにより、電極間隔iを、実質的に第2セパレータ14の厚さと第1セパレータ15の厚さの和とすることができ、アノード−カソード間距離を安定化することができる。この結果、金属空気電池30の放電特性を向上させることができる。また、第2セパレータ14を第1セパレータ15によりしっかりと保持することができるため、金属空気電池30の信頼性を向上させることができる。
また、これらの場合、第1及び第2セパレータ15、14の材料は、絶縁性の多孔質材とすることができる。
なお、放電時に第2セパレータ14と第1セパレータ15とを接触させたとしても、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させると、第2セパレータ14と第1セパレータ15は非接触になるため、金属極カートリッジ20の取り出しの際に第2セパレータ14と第1セパレータ15が摩耗することを抑制することができ、金属空気電池30が損傷することを抑制することができる。
図2、図3、図4(b)、図5(b)、図6(b)、図8(a)(b)、図9のように、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させた状態において、電槽32内からの金属電極5の取り出し及び電槽32内への金属電極5の挿入を行うことができる。このことにより、金属電極5又は第2セパレータ14が、空気極9又は第1セパレータ15と接触することを抑制して金属電極5の取り出し及び挿入を行うことができる。このことにより、金属電極5の取り出し及び挿入の際に金属空気電池30が損傷することを抑制することができ、金属空気電池30の寿命特性を向上させることができる。また、金属電極5が膨張した場合でも、金属電極5を電槽32内から容易に取り出すことができる。
電槽32が電解液槽となる場合、電槽32が変形することにより電解液槽の容量が変化するように電槽32が設けられてもよい。例えば、図1の電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30では、電槽32の容量は小さいが、図2の電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30では、電槽32の容量は大きい。
このように、電槽32の変形に伴い電槽32の容量を変化させることにより、電解液3の水位を変化させることができる。このことにより、電極間隔iを広くし金属電極5の挿入又は取り出しを行う際には、図2に示した金属空気電池30のように、電解液3の水位を金属電極5よりも低くすることができ、金属電極5又は第2セパレータ14に付着した電解液3の量を少なくすることができる。このことにより、金属電極5の交換に伴う電解液3の漏洩を抑制することができる。
また、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30において、電解液3の水位が金属電極5の下部に位置してもよい。このことにより、金属電極5の交換に伴う電解液3の漏洩を抑制することができる。
また、図1に示した金属空気電池30のように、電槽32を変形させ電極間隔iを狭くし電解液3の水位を金属電極5よりも高くすることにより、金属電極5と空気極9との間に電解液3を供給することができ、金属空気電池30を放電可能な状態にすることができる。
金属空気電池30は、電槽32の変形を補助する変形補助構造を有してもよい。このことにより、電槽32を安定して変形させることができる。また、電槽32が損傷することを抑制することができる。
変形補助構造は、電槽32の変形を補助することができれば特に限定されないが、例えば、図5に示した金属空気電池30に含まれる変形補助部材24a、24bのように、2つの変形補助部材24a、24bが回転軸25aで連結され、一方の変形補助部材24aが回転軸25bで第1筐体1aに連結され、他方の変形補助部材24bが回転軸25cで第2筐体1bに連結された構造であってもよい。このような変形補助構造によれば、回転軸25a、25b、25cを軸とした回転運動により電槽32の変形を補助することができる。また、回転軸25aが設けられた部分を引くことにより、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させることができ、回転軸25aが設けられた部分を押すことにより、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させることができる。
なお、図5では、変形補助構造を金属空気電池30の下部に設けているが、変形補助構造は、金属空気電池30の側部に設けられてもよく、金属空気電池30の上部に設けられてもよい。
変形補助構造は、例えば、図4に示した金属空気電池30に含まれるバネ40及び変形防止部材42のように、筐体1に挟持されるようにバネ40を設け、バネ40の弾性を利用して電槽32の変形を補助する構造であってもよい。この場合、バネ40が縮んだ際に電槽32の変形を防止する変形防止部材42を設けることができる。このような変形補助構造によれば、バネ40の力を利用して電槽32の変形を自動化することができる。
電槽32が電解液槽となる場合、金属空気電池30は、例えば、図5(a)(b)に示した金属空気電池30のように、電槽32の内面上に防水シート37を有してもよい。このことにより、電槽32が有する伸縮構造16などから電解液3が漏洩することを抑制することができる。なお、防水シート37は、図5(a)(b)のように電槽32の変形に伴い変形するように設けることができる。
第2セパレータ14が電解液槽となる場合、金属空気電池30は、電極間隔iが狭くなるように電槽32が変形することにより第2セパレータ14を押圧する押圧部21を有することができる。このことにより、押圧部21により第2セパレータ14を変形させることができ、第2セパレータ14内の電解液3を上側に押し出すことができ、電解液3を金属電極5と空気極9との間に供給することができる。この結果、金属空気電池30を放電可能な状態にすることができる。
また、放電後に電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させることにより、金属電極5と空気極9との間の電解液3を第2セパレータ14の下部に下ろすことができる。このことにより金属電極5の自己腐食が進行することを抑制することができる。
なお、押圧部21は、筐体1の一部であってもよく、筐体1とは別の部材であってもよい。
例えば図6(b)に示した金属空気電池30では、第2セパレータ14内に電解液3が溜められており、電解液3の液面は金属電極5よりも低くなっている。また、第2セパレータ14の下部の両側に押圧部21a、21bが設けられている。そして、図6(a)に示した金属空気電池30のように電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させると、第2セパレータ14の下部の電解液3が溜められた部分は、押圧部21a、21bにより挟み込まれ、第2セパレータ14内の電解液3は、上向きに押し出され金属電極5と空気極9との間に供給される。そして、金属空気電池30は、放電可能な状態になる。また、放電後、図6(b)のように電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させることにより、金属電極5と電解液3とが接触しないようにすることができ、金属電極5の自己腐食が進行することを抑制することができる。また、第2セパレータ14を電槽32内に残し、金属電極5を電槽32内から取り出す場合、電解液3の漏洩を抑制することができる。
また、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30において、電解液3の上部が金属電極5の下部に位置してもよい。
5.金属電極、第2セパレータ、金属極カートリッジ
金属電極5は、アノードとなる電極であり、アノードの電極活物質である金属を含む。また、金属電極5は、電槽32中に取り出し可能に設けられる。
金属電極5は、例えば、電極活物質である金属を含む金属板であってもよい。また、金属電極5は、例えば、金属極集電体7と金属極集電体7上に設けられた電極活物質層6とを有してもよい。金属電極5又は電極活物質層6は、電析金属であってもよく、金属粉末を含む凝集体であってもよい。
金属電極5又は電極活物質層6が前記凝集体である場合、前記凝集体は、ゲル化した電解液3を含んでもよい。この場合、凝集体に含まれる金属粉末が金属電極5又は電極活物質層6となり、凝集体に含まれるゲル化した電解液が電解液3となる。このような構成とすることにより、金属電極5と電解液3との界面を広くすることができ、金属空気電池30の出力を大きくすることができる。
金属電極5又は電極活物質層6は、多孔質であってもよい。このことにより、反応表面積を増やすことができ、金属空気電池30の出力特性を向上させることができる。多孔質の電極活物質層6は、例えば、金属極集電体7上に、電極活物質である金属の粉と導電材料とバインダーとの混合物を塗布し、プレスを行うことにより形成することができる。導電材料は、電極活物質である金属の粉の表層に不導態膜が形成され導電性が低下した場合でも、電子伝導パスを残すために好ましく用いることができ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、黒鉛、活性炭などの導電性カーボン粒子を用いることができる。また、バインダーとしては耐薬に優れるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、好ましく用いることができる。
金属電極5に含まれる電極活物質は、例えば、アノード反応により金属電極5中に電荷を発生させ金属含有イオンとして電解液3に溶解する金属である。例えば、亜鉛空気電池の場合、電極活物質は金属亜鉛であり、電解液3中には水酸化亜鉛または酸化亜鉛が析出する。アルミニウム空気電池の場合、電極活物質は金属アルミニウムであり、電解液3中には水酸化アルミニウムが析出する。鉄空気電池の場合、電極活物質は金属鉄であり、電解液3中には酸化水酸化鉄または酸化鉄が析出する。マグネシウム空気電池の場合、電極活物質は金属マグネシウムであり、電解液3中には水酸化マグネシウムが析出する。
また、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、電極活物質はそれぞれ、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カルシウムであり、電解液3中にはこれらの金属の酸化物、水酸化物などが析出する。なお、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、金属電極5と電解液3との間に固体電解質膜を有してもよい。このことにより、電極活物質が電解液により腐食されることを抑制することができる。また、この場合、電極活物質は固体電解質膜をイオン伝導した後電解液に溶解する。
固体電解質膜を形成する固体電解質としては、無機固体電解質または有機固体電解質に分別できる。無機固体電解質としては、例えば、イオン伝導性セラミックス、イオン伝導性ガラス、イオン性結晶などが挙げられる。また、有機固体電解質としては、高分子化合物(例えば、ポリエチレンオキサイドなど)に電解質塩(例えば、亜鉛塩やリチウム塩など)を分散させた有機固体電解質やイオン交換膜などが挙げられる。 イオン交換膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系などの固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)などが挙げられる。
なお、電極活物質は、これらの例には限定されず、金属空気電池で一般的に使用されているものであればよい。また、金属電極5に含まれる電極活物質は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、金属電極5に含まれる電極活物質は合金であってもよい。
電極活物質が金属亜鉛である場合、金属電極5又は電極活物質層6は、例えば、インジウム、ビスマス、アルミニウム、カルシウムなどの添加物質を含んでもよい。このことにより、金属電極5又は電極活物質層6が自己腐食することを抑制することができる。
金属極集電体7は、導電性を有する。また、金属極集電体7の形状は板状、または板の厚み方向に貫通した孔が設けられた形状、またはエキスパンドメタルやメッシュが好ましい。また、この金属極集電体7は、例えば、電解液3に対して耐食性を有する金属により形成することができる。金属極集電体7の材料は、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、金属極集電体7は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理、錫めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
このことにより、アノード反応により金属電極5に生じた電荷を金属極集電体7により集電することができ、発生させた電荷を外部回路に出力することができる。金属極集電体7の主要面上への電極活物質層6の固定は、例えば、電極活物質である金属の粒子や塊を金属極集電体7の表面に押し付けて固定してもよく、金属極集電体7上にめっき法などにより金属を析出させてもよい。なお、金属極集電体7の形状に関して、めっき法で電極活物質を析出させる場合には導電性の観点で板形状が好ましく、金属の粒子や塊を固定させる場合には、粒子や塊の脱落を防止する観点で板に貫通孔が設けられたもの、またはエキスパンドメタルやメッシュが好ましい。
金属極集電体7は、金属極端子11と電気的に接続することができる。このことにより、金属極端子11を介して金属電極5に生じた電荷を外部回路へ出力することができる。また、金属極集電体7は、外部接続端子45と電気的に接続したコネクタ48と電気的に接続することもできる。また、金属極端子11とコネクタ48が電気的に接続してもよい。
コネクタ48は、金属電極5及び空気極9と外部接続端子45とを電気的に接続するための接続部である。コネクタ48は、金属電極5及び空気極9のうち少なくとも一方が、電極間隔iが狭くするように電槽32を変形させることにより外部接続端子45と電気的に接続するように設けられる。また、コネクタ48は、電極間隔iを広くするように電槽32を変形させることにより、金属電極5及び空気極9のうち少なくとも一方と、外部接続端子45とが電気的に非接続となるように設けられる。このようなコネクタ48を設けることにより、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させることにより金属空気電池30の放電を開始することができ、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させることにより金属空気電池30の放電を停止させることができる。このことにより、放電の開始および停止に伴う操作を単純化することができる。また、金属空気電池30の誤動作を抑制することができる。また、金属空気電池30の安全性を向上させることができる。
コネクタ48は、筐体1上に設けてもよく、金属極カートリッジ20に設けてもよい。
図11(a)は、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30の概略上面図であり、図11(b)は、図11(a)に示した金属空気電池30を電極間隔iが広くなるように変形させた状態の金属空気電池30の概略上面図である。
図11(a)(b)に示した金属空気電池30では、筐体1上にコネクタ48が設けられている。コネクタ48は、空気極端子10aと外部接続端子45と電気的に接続している。そして、コネクタ48は、金属極端子11と電気的に接続するための金属極ソケット52と、空気極端子10bと電気的に接続するための空気極ソケット53とを有している。また、金属極端子11は、金属極ソケット52と電気的に接続するための金属極プラグ50を有し、空気極端子10bは、空気極ソケット53と電気的に接続するための空気極プラグ51を有している。
図11(b)のように、電極間隔iが広くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30では、金属極プラグ50および空気極プラグ51は、金属極ソケット52及び空気極ソケット53の外にあり、金属極端子11及び空気極端子10bと外部接続端子45は電気的に接続していない。従って、放電電流は流れることはできず、金属空気電池30の放電は停止している。
図11(a)のように、電極間隔iが狭くなるように電槽32を変形させた状態の金属空気電池30では、金属極プラグ50は金属極ソケット52に挿入され、空気極プラグ51は空気極ソケット53に挿入された状態にあり、空気極端子10と外部接続端子45は電気的に接続し、金属極端子11と外部接続端子45は電気的に接続している。従って、金属電極5及び空気極9と外部接続端子45とを電気的に接続することができ、金属空気電池30の放電電流を流すことができる。
金属電極5は、蓋部材35、第2セパレータ14などと共に金属極カートリッジ20を構成することができる。金属極カートリッジ20は、例えば板状の蓋部材35に、蓋部材35の主要面と実質的に垂直になるように金属電極5を取り付けた構造を有してもよい。このようなT字状の断面を有する構造を有する金属極カートリッジ20を電槽32に取り付けることにより、蓋部材35を操作部として金属電極5を電槽32内に挿入することができると共に蓋部材35により電槽32に蓋をすることができる。また、金属極カートリッジ20を電槽32から取り外す際、蓋部材35を操作部とすることができる。このように、金属空気電池30に含まれる金属極カートリッジ20を交換することにより、金属電極5を交換することができ、金属空気電池30に電極活物質を供給することができる。
また、金属極カートリッジ20は、第2セパレータ14を電槽32中に残し、金属電極5を電槽32中から取り出せるように設けることもできる。このような構成によると、金属電極5の交換作業を簡素化することができる。
金属極カートリッジ20は、金属電極5を収容するように設けられた第2セパレータ14を有してもよい。第2セパレータ14を設けることにより、金属電極5と空気極9との間にリーク電流が流れることを抑制することができる。また、第2セパレータ14を設けることにより、電槽32内に金属電極5を挿入する際や電槽32内から金属電極5を取り出す際に金属電極5や空気極9が損傷することを抑制することができる。また、第2セパレータ14を設けることにより、負極活物質の微粒子及び負極反応生成物が空気極9に付着することを抑制することができる。また、第2セパレータ14は、電解質3として機能させてもよい。
第2セパレータ14は、例えば、クリップ17などにより、蓋部材35、金属極集電体7又は電極活物質層6に固定することができる。また、第2セパレータ14は、金属電極5と接触するように設けてもよく、第2セパレータ14と金属電極5との間に電解液3が介在するように設けてもよい。また、第2セパレータ14を電解質3として機能させる場合、第2セパレータ14は、金属電極5と接触するように設けられる。例えば、図10に示した金属空気電池30のように第2セパレータ14を設けることができる。
また、第2セパレータ14は、袋状とすることができる。このことにより、第2セパレータ14を電解液3が収容される電解液槽とすることができ、放電後析出した金属酸化物を金属極カートリッジ20とともに取り除き回収することができる。さらに、袋状の第2セパレータ14は、変形機構12によって電槽32の対向する側壁の間隔を短くすることで、電槽32の側壁または押圧部12から受ける押圧に反発することなく、自在に形状を変えることができる。そのため、第2セパレータ14を袋状にすることで、第2セパレータ14と空気極9の密着させることができ、イオン伝導率を向上させることができる。さらに、第2セパレータ14が袋状にすることで、電槽32の側壁からの押圧で金属極カートリッジ20を固定することもできる。
また、第2セパレータ14を電解液槽とすると、金属極カートリッジ20を交換することにより、金属電極5と電解液3の両方を交換することができる。このことにより、金属極カートリッジ20の交換により、アノード反応により金属含有イオン濃度が高くなった電解液3を電槽32内から取り出し、新たな電解液3を電槽32内に供給することができる。また、金属電極5の交換時に電解液3が漏洩することを抑制することができる。
第2セパレータ14は、イオン透過性を有し、負極活物質の微粒子および負極反応生成物の透過を抑制できれば特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂膜、樹脂繊維の不織布又は分子篩とすることができる。また、第2セパレータ14は、複数枚のセパレータが積層された積層構造を有してもよい。また、第2セパレータ14はイオン交換膜であってもよい。
また、第2セパレータ14を電解質3として機能させる場合、第2セパレータ14の材料は、アニオン交換膜などのイオン交換膜、電解質を含浸した固体又はゲルとすることができる。
第2セパレータ14の材料は、絶縁性材料とすることができる。また、第2セパレータ14の材料は、多孔性の柔軟性材料であってもよい。
また、第2セパレータ14の材料は、多孔性の剛性材料であってもよい。この場合、第2セパレータ14を金属電極5の支持部材として機能させることができる。例えば、電極活物質層6を第2セパレータ14上に設けることができる。このことにより金属極集電体7を省略することが可能である。
第2セパレータ14に用いられる多孔性樹脂膜または樹脂繊維の不織布の材料としては、耐アルカリ性樹脂とすることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン66、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール系材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。また、第2セパレータ14の細孔の孔径は特に限定されないが、30μm以下であることが好ましい。電解液3の流通が良くなるように第2セパレータ14は親水化処理されていることが好ましい。
また、第2セパレータ14の細孔内にゲル化電解液を導入してもよい。このことにより、第2セパレータ14を電解液槽とした際に、電解液3の漏洩を抑制することができる。
第2セパレータ14に用いられるイオン交換膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系などの固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。
また、第2セパレータ14には、分子篩を利用することもできる。分子篩は、有機材料、無機材料を問わず、対象とする分子やイオンなど等各物質の大きさに応じて物質を分離する性質を持つ物質を用いることが可能である。分子篩は、一般的な分子篩であれば特に限定されないが、例えば、寒天、アガロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等などの有機材料や、ナトリウム、ケイ素、アルミニウムの酸化物を含む天然沸石、合成沸石材料など無機材料、あるいは有機材料、無機材料を基材とし各種材料により架橋もしくは元素置換した材料等を用いることができる。また、分子篩は、放電中に析出される金属酸化物を透過させない細孔を有するものであることが好ましく、孔径が1μm以下の細孔を有することが特に好ましい。
金属空気電池30により放電すると、金属電極5に含まれる電極活物質は、アノード反応により金属電極5中に電荷を発生させ金属含有イオンとして電解液3に溶解する。このため、金属電極5に含まれる電極活物質はアノード反応の進行に伴い徐々に消費されていく。金属電極5に含まれる電極活物質が少なくなると、金属電極5に発生する電荷が少なくなり金属電極5は使用済みとなる。この使用済みの金属電極5を電槽32中から取り出し新たな金属電極5を電槽32中に挿入することにより金属空気電池30による放電を続けることができる。
なお、金属電極5中に発生した電荷は、放電電流として外部出力された後、空気極9におけるカソード反応に利用される。
アノード反応により電解液3中に生じた金属含有イオンは、その濃度が飽和濃度を超えると電解液3中に金属酸化物または金属水酸化物の微粒子などとして析出する場合がある。また、金属含有イオンの濃度が不動態膜形成濃度に達すると、金属含有イオンは、金属電極5の表面上に金属酸化物または金属水酸化物の不動態膜として析出する場合がある。従って、負極反応生成物は、電解液中に浮遊する又は電槽32の底に沈降する微粒子として析出する場合と、金属電極5の表面上に付着した不動態膜として析出する場合とがある。
負極反応生成物が微粒子として析出し、この微粒子が電解液3中に過剰に存在すると、多孔性の空気極9の細孔に負極反応生成物の微粒子が付着することで酸素ガスの拡散が妨げられたり、セパレータ14、15の細孔に負極反応生成物の微粒子が付着することで、OH-イオンのイオン伝導パスが妨げられたりする結果、金属空気電池30の出力が低下する。このため、電解液3中に負極反応生成物の微粒子が蓄積すると、電解液3中からこの微粒子を除去する必要がある。
負極反応生成物が不動態膜として析出し、この不動態膜が金属電極5の表面の大部分を覆うと、金属電極5の表面におけるアノード反応は阻害され金属空気電池30の出力が低下する。このため、不動態膜が表面を覆った金属電極5を電槽32中から除去し新たな金属電極5を電槽32中に挿入することにより金属空気電池30による放電を続けることができる。
6.空気極、空気極集電体、第1セパレータ
空気極9は、空気極触媒を含むカソードとなる多孔性の電極である。また、空気極9は、電槽32の対向する側壁の少なくとも一方に設けられる。このため、電槽32内の電解液に含まれる水と、電槽32の外側の大気に含まれる酸素ガスとの両方を空気極に供給することができる。また、カソードにおいて生成した水酸化物イオンが電槽32中へ伝導することができる。また、空気極9は、電槽32の対向する側壁の両方に設けることができる。
なお、空気極9は、電槽32内に設けられた電解液室を仕切る側壁に設けられてもよい。また、空気極9は、容器形状の筐体1の側壁に空気極9を組み込むことにより、電槽32の側壁に設けることができる。
空気極9は、多孔性のガス拡散層と、ガス拡散層上に設けられた多孔性の空気極触媒層とを有してもよい。また、空気極9の細孔中にゲル層を配置してもよい。
空気極9では、空気極触媒上において電解液3などから供給される水と大気から供給される酸素ガスと電子とが反応し水酸化物イオン(OH-)を生成する(カソード反応)。つまり、空気極9の三相界面においてカソード反応が進行する。
また、空気極9は、空気極9に大気に含まれる酸素ガスが拡散できるように設けられる。例えば、空気極9は、少なくとも空気極9の表面の一部が大気に曝されるように設けることができる。例えば、空気極9の外側の筐体1に空孔23を設け、空孔23を介して空気極9に大気中の酸素ガスが拡散できるようにしてもよい。また、空気極9の外側に空気流路を設け、空気流路を流れる空気に含まれる酸素ガスが空気極9に拡散できるように設けてもよい。この場合、空気流路に加湿された空気を流し、空気流路から空気極9に水を供給してもよい。
空気極触媒層は、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒とを含んでもよい。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスと水と電子を共存する三相界面を形成することが可能になり、カソード反応を進行させることが可能になる。また、空気極触媒層は、バインダーを含んでもよい。また、空気極触媒層の細孔中に、水又は電解液をゲル化して形成したゲル層を配置してもよい。
また、空気極触媒層とガス拡散層とから構成される空気極9は、空気極触媒を担持した多孔性担体を導電性多孔性基材(ガス拡散層)に塗布することにより作製されてもよい。例えば、空気極9は、空気極触媒を担持したカーボンをカーボンペーパーやカーボンフェルトに塗布することにより作製することができる。このガス拡散層は、空気極集電体として機能してもよい。また、ガス拡散層は、カーボン繊維と、カーボンブラックと撥水高分子からなるマイクロポーラスレイヤーとから構成されてもよい。撥水性高分子は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。この撥水性高分子は、電解液3の漏洩を防ぐために設けられ、気液分離機能を有する。すなわち、電解液3が電槽32から漏洩するのを防ぎ、かつ空気極触媒層への酸素ガスの供給を妨げない。
空気極9の厚さは、例えば、300μm以上3mm以下とすることができる。
また、空気極9は、空気極端子10と電気的に接続することができる。このことにより、空気極9で生じた電荷を外部回路へと取り出すことができる。
金属空気電池30は、空気極9に生じた電荷を集電する空気極集電体8を備えてもよい。このことにより、空気極9で生じた電荷を効率よく、つまり低抵抗で外部回路へと取り出すことができる。また、空気極集電体8は、空気極端子10と電気的に接続することができる。また、空気極集電体8は、コネクタ48と電気的に接続してもよい。
空気極集電体8の材料としては、電解液3に対して耐食性を有すれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、空気極集電体8は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
また、空気極集電体8の形状は、例えば、板状、メッシュ状、パンチングメタルなどの複数の開口を有する形状とすることができる。空気極集電体8の複数の開口は大気に開放されていてもよい。このことにより、開口を介して大気中の酸素ガスを空気極9に供給することができる。
また、空気極集電体8と、多孔性担体又は導電性多孔性基材(ガス拡散層)とを接合する方法としては、フレームを介してネジ止めにより圧着する方法や、導電性接着剤を用いて結合させる方法などが挙げられる。
1つのセル31に含まれる空気極9は、金属電極5の一方側にのみ設けられてもよく、図1のように金属電極5の両側にそれぞれ設けられてもよい。
空気極触媒層に含まれる多孔性担体には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、黒鉛、活性炭などの導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどの炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒には、例えば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、ランタン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、例えば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト−ニッケル合金などが挙げられる。
また、空気極触媒層に含まれるバインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などである。
また、空気極触媒層に含まれる多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
また、空気極触媒層は、多孔性担体に担持されたアニオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、アニオン交換樹脂を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
電槽32内部側の空気極9の主要面上に第1セパレータ15を設けることができる。
第1セパレータ15は、電槽32の内側であって空気極9の主要面上に設けることができる。第1セパレータ15を設けることにより、電解液3が空気極9の細孔を介して金属空気電池30の外部へ漏洩することを抑制することができ、金属空気電池30の安全性を向上させることができる。また、電解液3に含まれる水は、第1セパレータ15を通過した後空気極9に浸透するため、空気極9に過剰な水が供給されることを抑制することができる。また、第1セパレータ15を設けることにより、電解液3に含まれる負極活物質や負極反応生成物の極微細な粒子が空気極9に付着することを抑制できる。また、第1セパレータ15を設けることにより、金属電極5と空気極9との間にリーク電流が流れることを抑制することができる。さらに、第1セパレータ15を設けることにより、電槽32内に金属電極5を挿入する際や電槽32内から金属電極5を取り出す際に金属電極5や空気極9が損傷することを抑制することができる。また、第1セパレータ15は、電解質3として機能させてもよい。
また、第1セパレータ15を電解質3として機能させる場合、第1セパレータ15は、金属電極5又は第2セパレータ14と接触するように設けられる。例えば、図10に示した金属空気電池30のように第1セパレータ15を設けることができる。
第1セパレータ15は、イオン透過性を有し、負極活物質の微粒子および負極反応生成物の透過を抑制できれば特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂膜、イオン交換膜、樹脂繊維の不織布又はゲル化電解液膜とすることができる。また、第1セパレータ15の材料は、絶縁性材料とすることができる。また、第1セパレータ15は、複数枚のセパレータが積層された積層構造を有してもよい。
また、第1セパレータ15を電解質3として機能させる場合、第1セパレータ15の材料は、アニオン交換膜などのイオン交換膜もしくは電解質を含浸した固体、ゲル、高分子の分子篩などとすることができる。
第1セパレータ15に用いられる多孔性樹脂膜または樹脂繊維の不織布の材料としては、耐アルカリ性樹脂とすることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン66、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール系材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。また、第1セパレータ15の細孔の孔径は特に限定されないが、30μm以下であることが好ましい。電解液の流通が良くなるように第1セパレータ15は親水化処理されていることが好ましい。また、第1セパレータ15の細孔内にゲル化電解液を導入してもよい。
第1セパレータ15に用いられるイオン交換膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。
また、第1セパレータ15には、第2セパレータ14と同じく、分子篩を利用することもできる。
1:筐体 1a:第1筐体 1b:第2筐体 3:電解質又は電解液 5:金属電極 6:電極活物質層 7:金属極集電体 8:空気極集電体 9:空気極 10、10a、10b:空気極端子 11:金属極端子 12:変形機構 14:第2セパレータ 15:第1セパレータ 16:伸縮構造 17:クリップ 19:シール部材 20:金属極カートリッジ 21、21a、21b:押圧部 23:空孔 24、24a、24b:変形補助部材 25、25a、25b、25c:回転軸 30:金属空気電池 31:セル 32:電槽 35:蓋部材 37:防水シート 39:蛇腹構造 40:バネ 42:変形防止部材 45:外部接続端子 46:電気コード 48:コネクタ 50:金属極プラグ 51:空気極プラグ 52:金属極ソケット 53:空気極ソケット

Claims (9)

  1. 空気極と、対向する側壁の間隔を変える変形機構とを備え、
    前記空気極は、前記対向する側壁の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする電槽。
  2. 前記変形機構は、伸縮構造を含む請求項1に記載の電槽。
  3. 前記対向する側壁の少なくとも一方に押圧部を備え、
    前記押圧部は、前記対向する側壁の間隔を狭くすることにより、電槽中の電解質を押圧するように設けられた請求項1又は2に記載の電槽。
  4. 前記変形機構は、回転軸を有し、前記回転軸を中心とした回転に伴い変形する機構である請求項1〜3のいずれか1つに記載の電槽。
  5. 前記空気極の内側面を覆う第1セパレータをさらに備える請求項1〜4のいずれか1つに記載の電槽。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の電槽と、前記電槽に収容された電解質と、前記電槽に収容された金属電極とを備える金属空気電池。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の電槽と、少なくとも一部が前記電槽に収容された金属極カートリッジとを備え、
    前記金属極カートリッジは、金属電極と、電解質を収容した第2セパレータとを備える金属空気電池。
  8. 第2セパレータが袋状である請求項7に記載の金属空気電池。
  9. 外部接続端子をさらに備え、
    前記外部接続端子は、前記対向する側壁の間隔を狭くすることにより、前記金属電極及び前記空気極のうち少なくとも一方と電気的に接続するように設けられた請求項6〜8のいずれか1つに記載の金属空気電池。
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