JP2015206726A - レーダ信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間の積分に適し、従来のCINTとNCINTにおいて未検出であった領域についても目標検出を行うことで、SNR改善効果を得る。【解決手段】データを受信するデータ受信部1と、受信されたデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行うCPI振分け部2と、CPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータに対し、当該CPI毎にCINTによるドップラーフィルタ処理を行うCPI積分部3と、CPI毎にドップラーフィルタ処理が行われたデータに対し、ドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償するレンジウォーク補償部4と、レンジウォークが補償されたデータに対し、CPI間でCINTおよびNCINTを独立に行うCPI間積分部5と、CINT結果およびNCINT結果を、結合確率密度関数を用いて合成する合成部6と、合成されたデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行うCFAR処理部7とを備えた。【選択図】図1
Description
この発明は、観測時間を長く取ることによって信号対雑音電力比を改善し、目標の検出を行うレーダ信号処理装置に関するものである。
レーダ信号処理装置を用いた目標検出では、レンジドップラー方式が用いられる。
一般に、信号対雑音電力比(以下、SNR:Signal to Noise Ratio)の低い目標を観測する場合、目標の運動に依存する位相変化であるドップラー変調を補償した長時間積分が利用される。
一般に、信号対雑音電力比(以下、SNR:Signal to Noise Ratio)の低い目標を観測する場合、目標の運動に依存する位相変化であるドップラー変調を補償した長時間積分が利用される。
レーダ信号処理装置における長時間積分では、短い時間でフーリエ変換するコヒーレント積分(以下、CINT)を行い、その後、これらの二乗電力または振幅を積分するインコヒーレント積分(以下、NCINT)を行う縦続的な手法が代表的である(例えば特許文献1参照)。
ここで、CINTは位相を保持した積分であることから、その積分前に速度や加速度に伴う位相変調を補償する必要がある。そして、位相補償後に積分点数NのCINTを実施した場合、SNR改善効果はN倍となり、NCINTを実施した場合よりも高くなる。
一方、NCINTは位相を考慮せずに電力または振幅を積分するため、加速度によらず、おおよそ√N倍の入力SNR向上と同様の検出性能改善効果があることが知られている。
一方、NCINTは位相を考慮せずに電力または振幅を積分するため、加速度によらず、おおよそ√N倍の入力SNR向上と同様の検出性能改善効果があることが知られている。
特許文献1の従来技術では、2つ以上の異なるコヒーレント・パルス・インターバル(以下、CPI)間において独立にCINTと定誤警報検出(以下、CFAR処理)を実施している。そして、各CFAR処理後の検出結果のOR合成出力と、各CFAR処理で得られたレンジビンのNCINT結果に対する第2スレッショルド検定結果とのOR合成を得ている。これにより、位相変化が線形である目標にはCINTがよく効き、かつCPI間のOR合成によりグリント雑音にも耐性を得られる。一方、位相変化が非線形である目標にはNCINTがよく効く。また、CPI間の第2スレッショルド検定を併用することで、CINTとNCINTのうちSNR改善効果が高い方を常に得ることができ、常にNCINTベースの二重スレッショルド検定以上の性能で目標検出を実施することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、CINT結果およびNCINT結果のOR合成のみを考慮し、CINTとNCINTの各々の確率密度関数を独立に利用したCFAR処理を適用している。そのため、CINTとNCINTにおいて未検出の領域が存在するという課題があった。
また、上記従来技術では、目標のレンジウォーク補償を考慮していない。そのため、CPI以上での積分によるSNR改善には限界があるという課題があった。
また、上記従来技術では、目標のレンジウォーク補償を考慮していない。そのため、CPI以上での積分によるSNR改善には限界があるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、長時間の積分に適し、従来のCINTとNCINTにおいて未検出であった領域についても目標検出を行うことで、SNR改善効果を得ることができるレーダ信号処理装置を提供することを目的としている。
この発明に係るレーダ信号処理装置は、レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信するデータ受信部と、データ受信部により受信されたデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行うCPI振分け部と、CPI振分け部によりCPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータに対し、当該CPI毎にコヒーレント積分によるドップラーフィルタ処理を行うCPI積分部と、CPI積分部によりCPI毎にドップラーフィルタ処理が行われたデータに対し、ドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償するレンジウォーク補償部と、レンジウォーク補償部によりレンジウォークが補償されたデータに対し、CPI間でコヒーレント積分およびインコヒーレント積分を独立に行うCPI間積分部と、CPI間積分部によるコヒーレント積分結果およびインコヒーレント積分結果を、結合確率密度関数を用いて合成する合成部と、合成部により合成されたデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行うCFAR処理部とを備えたものである。
また、この発明に係るレーダ信号処理装置は、レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信するデータ受信部と、データ受信部により受信されたデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行うCPI振分け部と、CPI振分け部によりCPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータに対し、当該CPI毎にコヒーレント積分によるドップラーフィルタ処理を行うCPI積分部と、CPI積分部によりCPI毎にドップラーフィルタ処理が行われたデータに対し、ドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償するレンジウォーク補償部と、レンジウォーク補償部によりレンジウォークが補償されたデータを複数組に分割した束のうち、対応する束のデータに対し、CPI間でコヒーレント積分およびインコヒーレント積分を独立に行う複数のCPI間積分部と、対応するCPI間積分部によるコヒーレント積分結果およびインコヒーレント積分結果を、結合確率密度関数を用いて合成する複数の合成部と、各合成部により合成されたデータに対してインコヒーレント積分による結合を行う結合処理部と、結合処理部により結合されたデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行うCFAR処理部とを備えたものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、長時間の積分に適し、従来のCINTとNCINTにおいて未検出であった領域についても目標検出を行うことで、SNR改善効果を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーダ信号処理装置の構成を示すブロック図である。
レーダ信号処理装置は、図1に示すように、データ受信部1、CPI振分け部2、CPI積分部3、レンジウォーク補償部4、CPI間積分部5、合成部6、CFAR処理部7および表示部8から構成されている。なお、CPI振分け部2、CPI積分部3、レンジウォーク補償部4、CPI間積分部5、合成部6およびCFAR処理部7は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーダ信号処理装置の構成を示すブロック図である。
レーダ信号処理装置は、図1に示すように、データ受信部1、CPI振分け部2、CPI積分部3、レンジウォーク補償部4、CPI間積分部5、合成部6、CFAR処理部7および表示部8から構成されている。なお、CPI振分け部2、CPI積分部3、レンジウォーク補償部4、CPI間積分部5、合成部6およびCFAR処理部7は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
データ受信部1は、外部装置であるレーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信するものである。なお、レーダ装置としては、音波レーダ装置または光レーダ装置などが挙げられる。このデータ受信部1により受信されたデータは自身内の格納部に格納され、また、CPI振分け部2に転送される。
CPI振分け部2は、データ受信部1からのデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行うものである。ここで、CPIは、レーダ装置による送信帯域幅の逆数であるパルス圧縮後のパルス幅に対して、想定される観測目標の最大速度がそのパルス幅以内となるように定義されている。このCPI振分け部2によりCPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータはCPI積分部3に出力される。
CPI積分部3は、複数のCINT部31を有し、CPI振分け部2からのデータに対し、CPI毎にCINTによるドップラーフィルタ処理(FFT)を行うものである。このCPI積分部3によりドップラーフィルタ処理されたデータはレンジウォーク補償部4に出力される。
レンジウォーク補償部4は、CPI間積分部5によるCPIをまたいだ積分のために、CPI積分部3からのデータに対し、CINT部31により生成されたドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償するものである。このレンジウォーク補償部4によりレンジウォークが補償されたデータはCPI間積分部5に出力される。
CPI間積分部5は、CINT部51およびNCINT部52を有し、レンジウォーク補償部4からのデータに対し、CPI間でCINTおよびNCINTをそれぞれ並列(独立)に行うものである。このCPI間積分部5により処理されたデータ(CINT結果およびNCINT結果)は合成部6に出力される。
合成部6は、CPI間積分部5からのデータ(CINT結果およびNCINT結果)を、結合確率密度関数を用いて合成するものである。この際、合成部6は、CINT結果およびNCINT結果について二乗検波を行い、その後、複数レンジセルおよび複数ドップラーセルを含む領域上でノイズに対する白色化を行い、さらに、当該白色化に起因する座標回転を補償する。この合成部6により合成されたデータはCFAR処理部7に出力される。
CFAR処理部7は、合成部6からのデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行うものである。この際、CFAR処理部7は、CPI間積分部5でのCINTおよびNCINTによるノイズが独立であると仮定したカイ二乗分布に基づく結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う。このCFAR処理部7によりCFAR処理されたデータは表示部8に出力される。
表示部8は、CFAR処理部7からのデータを自身内の格納部に格納し、また、モニタ(不図示)上に表示するものである。
次に、上記のように構成されたレーダ信号処理装置の動作について、図2〜7を参照しながら説明する。
レーダ信号処理装置の動作では、図2に示すように、まず、データ受信部1は、レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信する(ステップST1)。このデータ受信部1により受信されたデータは自身内の格納部に格納され、また、CPI振分け部2に転送される。
レーダ信号処理装置の動作では、図2に示すように、まず、データ受信部1は、レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信する(ステップST1)。このデータ受信部1により受信されたデータは自身内の格納部に格納され、また、CPI振分け部2に転送される。
次いで、CPI振分け部2は、データ受信部1からのデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行う(ステップST2)。このCPI振分け部2によりCPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータはCPI積分部3に出力される。
次いで、CPI積分部3のCINT部31は、CPI振分け部2からのデータに対し、CPI毎にCINTによるドップラーフィルタ処理(FFT)を行う(ステップST3)。このCPI積分部3によりドップラーフィルタ処理されたデータはレンジウォーク補償部4に出力される。
次いで、レンジウォーク補償部4は、CPI積分部3からのデータに対し、CINT部31により生成されたドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償する(ステップST4)。この際、レンジウォーク補償部4は、ドップラーフィルタ毎に、ドップラーフィルタの中心周波数が、ドップラーフィルタを通過した信号のドップラー周波数であると仮定する。そして、ドップラーフィルタ毎の中心周波数とCPI間の時間差とからCPI間での目標のレンジセル移動量が計算できることを利用して、レンジウォークを補償する。このレンジウォーク補償部4によりレンジウォークが補償されたデータはCPI間積分部5に出力される。
次いで、CPI間積分部5のCINT部51およびNCINT部52は、レンジウォーク補償部4からのデータに対し、CPI間でCINTおよびNCINTをそれぞれ並列(独立)に行う(ステップST5)。このCPI間積分部5により処理されたデータ(CINT結果およびNCINT結果)は合成部6に出力される。
次いで、合成部6は、CPI間積分部5からのデータ(CINT結果およびNCINT結果)を、結合確率密度関数を用いて合成する(ステップST6)。この際、合成部6は、CINT結果およびNCINT結果について二乗検波を行い、その後、複数レンジセルおよび複数ドップラーセルを含む領域上でノイズに対する白色化を行い、さらに、当該白色化に起因する座標回転を補償する。この合成部6により合成されたデータはCFAR処理部7に出力される。
以下、合成部6が利用する特性について、図3を参照しながら説明する。図3は本発明におけるCINTおよびNCINTの2次元分布を示す概念図である。
図3において、横軸は、カイ二乗分布で統計量を示すために、CINT結果をノイズ電力Nσ2で規格化した無次元量である。また、縦軸は、同様に、NCINT結果をノイズ電力σ2で規格化した無次元量である。また、Aは積分前の信号およびノイズの複素振幅であり、Nは積分点数であり、σは複素ガウスノイズの標準偏差である。同規格化により、CINTおよびNCINTにおける複素ガウスノイズの出力はカイ二乗分布で記述することが可能となる。
図3において、横軸は、カイ二乗分布で統計量を示すために、CINT結果をノイズ電力Nσ2で規格化した無次元量である。また、縦軸は、同様に、NCINT結果をノイズ電力σ2で規格化した無次元量である。また、Aは積分前の信号およびノイズの複素振幅であり、Nは積分点数であり、σは複素ガウスノイズの標準偏差である。同規格化により、CINTおよびNCINTにおける複素ガウスノイズの出力はカイ二乗分布で記述することが可能となる。
ここで、CINTにおける信号がマッチドフィルタを通過した場合、CINTとNCINTにおける信号電力はN倍の関係がある。このN倍の関係は、図3の横軸の規格化によりキャンセルされ、45degの傾きの直線(信号電力線)上に信号分布の期待値が存在することがわかる。
また、ノイズ電力の分布と期待値について、CINTは、自由度が2のカイ二乗分布を取ることから、期待値が2となる。一方、NCINTは、自由度が2Nのカイ二乗分布を取ることから、期待値が2Nとなる。信号電力についても、CINTはNの二乗に比例し、NCINTはNに比例して向上する。よって、CINTはNに比例したSNR改善が得られ、NCINTはSNR改善が得られないことがわかる。
図4〜6に、ノイズの期待値だけ原点シフトし、白色化した分布を示す。なお、αはドップラー周波数の変化率である。ここで、白色化によりカイ二乗分布は、自由度aを用いてその標準偏差である1/√(2a)倍に規格化される。また図4〜6では、ドップラー周波数の変化率αが各値の場合における、CINTとNCINTによる目標検出領域を示している。そして、図4ではCINTがよく効き、図6ではNCINTがよく効くことがわかる。
次に、複素ガウスノイズのCINT後のノイズ分布について、解析的に考察する。ここで、パルス圧縮後に残留した複素ガウスノイズを次式(1)で与える。
ただし、N(0,1)は平均値が0、分散が1のガウス分布である。σはノイズ電力を決定する因子である。また、tはレンジ方向時間であり、nはレンジ方向時間をPRI毎に区切ったヒット方向サンプル番号である。
ただし、N(0,1)は平均値が0、分散が1のガウス分布である。σはノイズ電力を決定する因子である。また、tはレンジ方向時間であり、nはレンジ方向時間をPRI毎に区切ったヒット方向サンプル番号である。
ここで、ガウス分布N(0,1)の二乗の和集合は、ガンマ分布の一種であるカイ二乗分布を取ることが知られている。χa 2は自由度aのカイ二乗分布を表す。χa 2に従う確率変数zの確率密度関数p(z;a)は次式(4)で与えられる。
ただし、Γ(・)はガンマ関数である。
ただし、Γ(・)はガンマ関数である。
また、自由度aは二乗和における積分点数であり、CINTにおいてはa=2となる。よって、CINT後のノイズの確率密度関数は、ノイズ電力σ2と積分点数Nを考慮して次式(5)となる。この式(5)は指数分布とも呼ばれる。
次に、複素ガウスノイズのNCINT後のノイズ分布について、解析的に考察する。ここで、式(1)について、各ヒットにおける二乗検波後のN点積分によりNCINTを実施すると、NCINT結果y(t)は次式(6)となる。
次に、複素ガウスノイズのCINT後およびNCINT後の結合確率密度関数について、解析的に考察する。
ここで、もしCINTおよびNCINT後のノイズxとノイズyが独立である場合、ノイズ白色化後の結合確率密度関数は次式(8)で表される。
ただし、ノイズxとノイズyはその後、平均値aを引き、標準偏差√(2a)で除算される。ノイズが独立であってもその結合確率密度関数は円形とはならず、むしろ楕円形であることがわかる。
ここで、もしCINTおよびNCINT後のノイズxとノイズyが独立である場合、ノイズ白色化後の結合確率密度関数は次式(8)で表される。
ただし、ノイズxとノイズyはその後、平均値aを引き、標準偏差√(2a)で除算される。ノイズが独立であってもその結合確率密度関数は円形とはならず、むしろ楕円形であることがわかる。
次いで、CFAR処理部7は、合成部6からのデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う(ステップST7)。この際、CFAR処理部7は、CPI間積分部5でのCINTおよびNCINTによるノイズが独立であると仮定したカイ二乗分布に基づく結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う。このCFAR処理部7によりCFAR処理されたデータは表示部8に出力される。
次いで、表示部8は、CFAR処理部7からのデータを自身内の格納部に格納し、また、モニタ(不図示)上に表示する(ステップST8)。
これにより、従来のCINTとNCINTで未検出であった領域についても目標検出を行うことが可能となる。また、CFAR処理部7にて、CINT結果とNCINT結果の合成による結合確率密度関数の累積分布関数を考慮したしきい値設定をすることで、CINTとNCINTの効果が高く得られる。また、CINTとNCINTの効果が過渡を迎える程度の位相変化が生じるような状況(例えば目標は等速直線運動しているが、見込み角に伴うドップラー変調による検出性能劣化が生じるような状況)に際しては、図7に示すように、CINTとNCINTを上回る検出が可能である。
以上のように、この実施の形態1によれば、レンジウォーク補償部4にてレンジウォークを補償し、合成部6にて結合確率密度関数を考慮した合成を実施するように構成したので、より長時間の積分に適し、従来のCINTとNCINTにおいて未検出であった領域についても目標検出を行うことができ、SNR改善効果を得ることができる。
なお上記では、CPI積分部3のCINT部31にて、CPI振分け部2からのデータに対し、CPI毎にCINTによるドップラーフィルタ処理(FFT)を行うように構成した。それに対して、1つのCPIで構成されるレンジビンを複数に分割し、これらの間で差分処理などのMTI(Moving Target Induction)処理を実施するようにしてもよい。
また、CFAR処理部7において、静止クラッタと考えられるドップラー領域を検出後に抑圧するように構成してもよい。
また、CFAR処理部7において、静止クラッタと考えられるドップラー領域を検出後に抑圧するように構成してもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、CINTおよびNCINTにおいて二次元の空間に分布したうえで目標検出を行う場合について示した。それに対し、実施の形態2では、CINT結果およびNCINT結果を一つの指標に縮退させる場合について示す。図8はこの発明の実施の形態2に係るレーダ信号処理装置の構成を示すブロック図である。図8に示す実施の形態2に係るレーダ信号処理装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ信号処理装置の合成部6およびCFAR処理部7を合成部6bおよびCFAR処理部7bに変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
実施の形態1では、CINTおよびNCINTにおいて二次元の空間に分布したうえで目標検出を行う場合について示した。それに対し、実施の形態2では、CINT結果およびNCINT結果を一つの指標に縮退させる場合について示す。図8はこの発明の実施の形態2に係るレーダ信号処理装置の構成を示すブロック図である。図8に示す実施の形態2に係るレーダ信号処理装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ信号処理装置の合成部6およびCFAR処理部7を合成部6bおよびCFAR処理部7bに変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
合成部6bは、CPI間積分部5からのデータ(CINT結果およびNCINT結果)を、結合確率密度関数を用いて合成するものである。この際、合成部6bは、CINT結果およびNCINT結果の振幅に対し、いずれか一方をスケーリングした後にRMS(Root Mean Square)合成する。この合成部6bにより合成されたデータはCFAR処理部7bに出力される。
CFAR処理部7bは、合成部6bからのデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いたCFAR処理を行うものである。この際、CFAR処理部7bは、モンテカルロシミュレーションにより導出した結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う。このCFAR処理部7bによりCFAR処理されたデータは表示部8に出力される。
なお、合成部6bおよびCFAR処理部7bは、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
なお、合成部6bおよびCFAR処理部7bは、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
すなわち、実施の形態2では、合成部6bにおいて、二乗検波を適用せず、振幅をベースとした合成を実施する。また、CINTおよびNCINTは共に同じ確率変数の写像を用いることから、ある程度の相関が生じてしまう。そのため、最終的に、CFAR処理部7bにて、モンテカルロシミュレーションにより相関のある結合確率密度関数を求める。本方式では、同一の受信信号に対して並列に別の処理を実施することで異なるノイズ分布を取る点が異なる。
ここで、二乗検波してしまうと分布が円形から遠くなってしまうため、RMS合成に適さない。よって、白色化をせずに横軸にNCINT、縦軸にCINTにおけるノイズの振幅として結合確率密度関数をプロットする。両軸が独立と仮定した際の結合確率密度関数p(X,Y)をシミュレーションにより導出する。そして、横軸Xと縦軸Yに対して、次式(12)のようにRMS合成を行う。
ただし、βの決定は、ノイズの結合確率密度関数の3次元的な裾が円形になるように実施する。
ただし、βの決定は、ノイズの結合確率密度関数の3次元的な裾が円形になるように実施する。
その後、CFAR処理部7では、モンテカルロシミュレーションで導出した結合確率密度関数の累積分布関数を用いることでCFAR処理を実施する。
以上のように、この実施の形態2によれば、CINTとNCINTの結果を一つの指標に縮退させるように構成したので、実施の形態1における効果に加え、比較的簡単な実装で目標検出が可能になる。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係るレーダ信号処理装置の構成を示す図である。この図9に示す実施の形態3に係るレーダ信号処理装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ信号処理装置のCPI間積分部5を複数のCPI間積分部5bに変更し、合成部6を複数設け、NCINT処理部(結合処理部)9を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
図9はこの発明の実施の形態3に係るレーダ信号処理装置の構成を示す図である。この図9に示す実施の形態3に係るレーダ信号処理装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ信号処理装置のCPI間積分部5を複数のCPI間積分部5bに変更し、合成部6を複数設け、NCINT処理部(結合処理部)9を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
CPI間積分部5bは、CINT部51およびNCINT部52を有し、レンジウォーク補償部4からのデータを複数組に分割した束のうち、対応する束のデータに対し、CPI間でCINTおよびNCINTをそれぞれ並列(独立)に行うものである。このCPI間積分部5bにより処理されたデータ(CINT結果およびNCINT結果)は対応する合成部6に出力される。
なお、合成部6は、対応するCPI間積分部5bからのデータ(CINT結果およびNCINT結果)を、結合確率密度関数を用いて合成する。この合成部6による合成方法は実施の形態1と同様である。この合成部6により合成されたデータはNCINT処理部9に出力される。
NCINT処理部9は、各合成部6からのデータに対し、各レンジドップラー上でNCINTによる結合を行うものである。NCINT処理部9により結合されたデータはCFAR処理部7に出力される。
なお、CFAR処理部7は、NCINT処理部9からのデータに対し、結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う。このCFAR処理部7による処理方法は実施の形態1と同様である。このCFAR処理部7によりCFAR処理されたデータは表示部8に出力される。
また、CPI間積分部5bおよびNCINT処理部9は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
また、CPI間積分部5bおよびNCINT処理部9は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
以上のように、この実施の形態3によれば、レンジウォーク補償部4出力に対して複数のCPIを束にしてそれぞれCPI間積分を実施するように構成したので、実施の形態1における効果に加えて、振幅のCPI間のレンジビン移動は線形であるが、位相のCPI間の変調が非線形であるような加速度目標に対応でき、位相変調によるドップラーフィルタの中心周波数のずれによる積分ロスをなくすことができる。
なお上記の実施の形態3では、実施の形態1の合成部6およびCFAR処理部7を用いた場合について示したが、実施の形態2の合成部6bおよびCFAR処理部7bを用いるようにしてもよい。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 データ受信部、2 CPI振分け部、3 CPI積分部、4 レンジウォーク補償部、5,5b CPI間積分部、6,6b 合成部、7,7b CFAR処理部、8 表示部、9 NCINT処理部(結合処理部)、31 CINT部、51 CINT部、52 NCINT部。
Claims (5)
- レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部により受信されたデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行うCPI振分け部と、
前記CPI振分け部によりCPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータに対し、当該CPI毎にコヒーレント積分によるドップラーフィルタ処理を行うCPI積分部と、
前記CPI積分部によりCPI毎にドップラーフィルタ処理が行われたデータに対し、ドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償するレンジウォーク補償部と、
前記レンジウォーク補償部によりレンジウォークが補償されたデータに対し、CPI間でコヒーレント積分およびインコヒーレント積分を独立に行うCPI間積分部と、
前記CPI間積分部によるコヒーレント積分結果およびインコヒーレント積分結果を、結合確率密度関数を用いて合成する合成部と、
前記合成部により合成されたデータに対し、前記結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行うCFAR処理部と
を備えたレーダ信号処理装置。 - レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部により受信されたデータをCPI毎に振分けてパルス圧縮を行うCPI振分け部と、
前記CPI振分け部によりCPI毎に振分けられパルス圧縮されたデータに対し、当該CPI毎にコヒーレント積分によるドップラーフィルタ処理を行うCPI積分部と、
前記CPI積分部によりCPI毎にドップラーフィルタ処理が行われたデータに対し、ドップラーフィルタ毎にレンジウォークを補償するレンジウォーク補償部と、
前記レンジウォーク補償部によりレンジウォークが補償されたデータを複数組に分割した束のうち、対応する束のデータに対し、CPI間でコヒーレント積分およびインコヒーレント積分を独立に行う複数のCPI間積分部と、
対応する前記CPI間積分部によるコヒーレント積分結果およびインコヒーレント積分結果を、結合確率密度関数を用いて合成する複数の合成部と、
前記各合成部により合成されたデータに対してインコヒーレント積分による結合を行う結合処理部と、
前記結合処理部により結合されたデータに対し、前記結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行うCFAR処理部と
を備えたレーダ信号処理装置。 - 前記データ受信部は、前記レーダ装置として音波レーダ装置または光レーダ装置による目標の観測結果を示すデータを受信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ信号処理装置。 - 前記合成部は、前記CPI間積分部によるコヒーレント積分結果およびインコヒーレント積分結果について二乗検波を行い、ノイズに対する白色化および座標回転を行い、
前記CFAR処理部は、前記CPI間積分部でのコヒーレント積分およびインコヒーレント積分によるノイズが独立であると仮定した前記結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ信号処理装置。 - 前記合成部は、前記CPI間積分部によるコヒーレント積分結果およびインコヒーレント積分結果の振幅に対し、いずれか一方をスケーリングした後にRMS合成を行い、
前記CFAR処理部は、モンテカルロシミュレーションにより導出した前記結合確率密度関数の累積分布関数を用いてCFAR処理を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ信号処理装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017125749A (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | 株式会社東芝 | 信号処理装置、レーダ受信機、信号処理方法及びプログラム |
JPWO2021161504A1 (ja) * | 2020-02-14 | 2021-08-19 | ||
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2014
- 2014-04-22 JP JP2014088335A patent/JP2015206726A/ja active Pending
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