JP2015204638A - ブラシレスモータ及びブラシレスモータ用ロータの製造方法 - Google Patents

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成人 荻野
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庸人 金子
圭介 光岡
Keisuke Mitsuoka
圭介 光岡
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Abstract

【課題】ボンド磁石をロータ内に充填成形してマグネット層を形成するIPM型のブラシレスモータにて、ゲート径の制約を受けることなく、マグネット層数を増加させる。
【解決手段】ブラシレスモータ1は、ステータ2と、円弧状のスリット34を有するロータコア33及びスリット34内に埋設されたロータマグネット35を備えるロータ3を有する。ロータコア33にはセンサマグネット37が一体に設けられる。ロータマグネット35とセンサマグネット37は、金型42内に配置したロータコア33に対しボンド磁石を加圧供給して形成される。ロータマグネット35は、センサマグネット形成部45からスリット34内にボンド磁石を供給することにより、センサマグネット37と一体的に成形される。金型42には磁場配向用マグネット41が配されており、センサマグネット37とロータマグネット35は、互いに同極性となるよう極異方性に着磁されつつ成形される。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数のマグネット層を有するIPM(Interior Permanent Magnet)型のブラシレスモータに関し、特に、射出成形にてロータ内にマグネット層を形成するブラシレスモータに関する。
従来より、ロータ内にマグネットを埋め込み、マグネットトルクとリラクタンストルクによってロータを回転させるIPM型のブラシレスモータが知られている(例えば、特許文献1,2)。このようなIPM型のブラシレスモータでは、出力トルクTは、
T=Pn・Φa・Ia・cosβ+Pn・1/2・(Lq−Ld)・Ia・sin2β
(Pn:極対数、Φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、Ia:電機子電流の振幅、β:電流位相角、Lq:q軸インダクタンス、Ld:d軸インダクタンス)
にて表され、上式から分かるように、Lqが大きいほど、得られるトルクも大きくなる。
図5(a)は、特許文献1のように、円弧状のマグネットが複数層埋設されたIPM型ブラシレスモータにおけるマグネット層数とLqとの関係を示す説明図、図5(b)は、同モータにおけるマグネット層数とトルクとの関係を示す説明図である。図5(a)に示すように、Lqはマグネット層数が多くなるほど大きな値となり、Lqがマグネット層数と共に増大すると、上式の通り、出力トルクも増大する。従って、トルクアップを図るためには、Lqを増大すべく、マグネット層数をなるべく多くすることが求められる。
特開平8-331783号公報 特開2012-135177号公報
しかしながら、IPM型ブラシレスモータにて、ロータの外径を変えることなくマグネット層数を増加させようとすると、その分、マグネットの厚さは薄くせざるを得ない。マグネットの厚さが薄くなると、例えば、合成樹脂に磁性粉体を含有させた所謂ボンド磁石をロータ内に射出成形してマグネット層を形成する場合、それはボンド磁石が充填される空隙の幅が小さくなることを意味する。空隙の幅が狭いと、充填に際し空隙内でボンド磁石が目詰まりし易くなり、ボンド磁石を空隙内に十分に充填するためには、射出成形機のゲート径を大きくする必要がある。ところが、ゲート径を大きくすると、それに合わせてマグネット層の幅も大きくせざるを得ず、車載電装品用モータやコンプレッサなどのようにロータ径が小さいものでは、射出成形を考えた場合、マグネット層数を増加させることは困難であった。
一方、ゲート寸法も、ボンド磁石中の磁粉の粒径による制約を受け、一般には、ゲート径は1.0mm程度が下限と言われている。つまり、ゲート径の寸法にも限界がある上、成形条件的にもゲートを大きくせざるを得ない状況にある。このため、射出成形にてインサートされるマグネット層の幅は、結局のところ、成形機のゲートサイズに依存することになり、容易には縮小できない。この場合、ロータ外径を大きくすればマグネット層も多くできるが、前述のようにロータ径が元来小さいものでは外径拡大は困難であり、モータ小型化の要請に反するため、それも容易ではない。このため、高トルク化を図るべく、マグネット層の数を増やすのは、言うは易しいものの、行うは難しく、IPM型ブラシレスモータにて所望の性能を実現するための大きな障壁となっていた。
本発明の目的は、ボンド磁石をロータ内に射出成形してマグネット層を形成するIPM型のブラシレスモータにて、ゲート径の制約を受けることなく、マグネット層数を増加させることにある。
本発明のブラシレスモータは、複数相の電機子巻線を備えたステータと、前記ステータの内側に回転自在に配置され、円弧状に形成された複数のスリット群を有するロータコアと、前記各スリット群内に埋設されたロータマグネットとを備えるロータと、前記ロータと共に回転するセンサマグネットと、前記ステータ側に設けられ、前記センサマグネットの磁極変化を検知し前記ロータの回転位置を検出するロータ回転位置検出センサと、を有するブラシレスモータであって、前記ロータマグネット及び前記センサマグネットは、金型内に配置した前記ロータコアに対しボンド磁石を加圧供給することにより形成され、前記センサマグネットは、前記ロータコアと隣接して前記金型内に設けられるセンサマグネット形成部に前記ボンド磁石を供給することにより、前記ロータコアの一端側に該ロータコアと一体的に形成され、前記ロータマグネットは、前記センサマグネット形成部から前記スリット群内に前記ボンド磁石を供給することにより、前記センサマグネットと一体的に成形されることを特徴とすることを特徴とする。
本発明にあっては、金型内に配置したロータコアにボンド磁石を加圧供給し、ロータマグネットとセンサマグネットを一体的に形成する。この際、センサマグネットは、ロータコアと隣接して金型内に設けられるセンサマグネット形成部にボンド磁石を供給することにより、ロータコアの一端側にロータコアと一体的に形成される。また、ロータマグネットは、センサマグネット形成部からスリット群内にボンド磁石を供給することにより、センサマグネットと一体的に成形される。ロータコアのスリット群には、センサマグネット形成部からボンド磁石が供給されるため、スリット群の幅に関係なくゲート径を広げることができ、従来、ゲート径の制約により形成し得なかった細幅のマグネット層も成形可能となり、マグネット層数の増加によるスリット群の幅の減少にも対応可能となる。
前記ブラシレスモータにおいて、前記金型に、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部を閉鎖する形で取り付けられる上型と、を設けると共に、前記上型に、前記センサマグネット形成部と、該センサマグネット形成部と連通し前記ボンド磁石が流通する流路と、を設け、また、前記センサマグネット形成部に、前記上型を当該金型に取り付けたとき、前記スリット群と連通する開口部を設け、前記ボンド磁石を、前記センサマグネット形成部から前記開口部を介して、前記スリット群内に供給するようにしても良い。
また、前記金型に、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部の周囲に配置され該空洞部内に磁場を形成する磁場配向用マグネットと、を設け、前記センサマグネット及び前記ロータマグネットを、前記磁場配向用マグネットにより、互いに同極性となるように極異方性に着磁するようにしても良い。
一方、本発明のブラシレスモータ用ロータの製造方法は、円弧状に形成された複数のスリット群を有するロータコアと、前記各スリット群内に埋設されたロータマグネットとを備えてなるブラシレスモータ用ロータの製造方法であって、前記ロータは、該ロータの回転位置を検出するため前記ロータコアの一端側に該ロータコアと一体的に形成されるセンサマグネットを有し、前記ロータマグネット及び前記センサマグネットは、金型内に配置した前記ロータコアに対しボンド磁石を加圧供給することにより形成され、前記ロータマグネットは、前記金型内に形成され前記センサマグネットを形成するセンサマグネット形成部から前記スリット群内に前記ボンド磁石を供給することにより、前記センサマグネットと一体に成形されることを特徴とする。
本発明にあっては、金型内に配置したロータコアにボンド磁石を加圧供給し、ロータマグネットとセンサマグネットを一体に形成する。この際、センサマグネットは、金型内に設けられるセンサマグネット形成部にボンド磁石を供給することにより、ロータコアの一端側にロータコアと一体的に形成される。また、ロータマグネットは、センサマグネット形成部からスリット群内にボンド磁石を供給することにより、センサマグネットと一体的に成形される。ロータコアのスリット群には、センサマグネット形成部からボンド磁石が供給されるため、スリット群の幅に関係なくゲート径を広げることができ、従来、ゲート径の制約により形成し得なかった細幅のマグネット層も成形可能となり、マグネット層数の増加によるスリット群の幅の減少にも対応可能となる。
前記ロータの製造方法において、前記金型に、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部を閉鎖する形で取り付けられる上型と、を設けると共に、前記上型に、前記センサマグネット形成部と、該センサマグネット形成部と連通し前記ボンド磁石が流通する流路と、を設け、また、前記センサマグネット形成部に、前記上型を前記金型に取り付けたとき、前記スリット群と連通する開口部を設け、該開口部を介して、前記ボンド磁石を前記センサマグネット形成部から前記スリット群内に供給するようにしても良い。
また、前記金型に、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部の周囲に配置され該空洞部内に磁場を形成する磁場配向用マグネットと、を設け、前記磁場配向用マグネットにより、前記センサマグネット及び前記ロータマグネットを互いに同極性かつ極異方性に着磁するようにしても良い。
本発明のブラシレスモータによれば、ステータと、複数のスリット群を有するロータコア及びスリット群内に埋設されたロータマグネットとを備えるロータと、ロータと共に回転するセンサマグネットと、を有するブラシレスモータにて、金型内に配置したロータコアにボンド磁石を加圧供給してロータマグネットとセンサマグネットを一体的に形成し、その際、センサマグネットを、ロータコアと隣接して金型内に設けられるセンサマグネット形成部にボンド磁石を供給することにより、ロータコアの一端側にロータコアと一体的に形成し、ロータマグネットを、センサマグネット形成部からスリット群内にボンド磁石を供給することにより、センサマグネットと一体的に成形するようにしたので、ロータコアのスリット群にセンサマグネット形成部からボンド磁石が供給され、スリット群の幅に関係なくゲート径を広げることが可能となる。このため、従来、ゲート径の制約により形成し得なかった細幅のマグネット層も成形可能となり、マグネット層数の増加によるスリット群の幅の減少にも対応可能となる。
本発明のブラシレスモータ用ロータの製造方法によれば、複数のスリット群を有するロータコア及びスリット群内に埋設されたロータマグネットとを備えてなるロータの製造方法にて、ロータコアの一端側にロータの回転位置を検出するためのセンサマグネットを設け、金型内に配置したロータコアにボンド磁石を加圧供給してロータマグネットとセンサマグネットを一体的に形成し、その際、ロータマグネットを、金型内に形成したセンサマグネット形成部からスリット群内にボンド磁石を供給することにより、センサマグネットと一体的に成形するようにしたので、ロータコアのスリット群にセンサマグネット形成部からボンド磁石が供給され、スリット幅に関係なくゲート径を広げることが可能となる。このため、従来、ゲート径の制約により形成し得なかった細幅のマグネット層も成形可能となり、マグネット層数の増加によるスリット群の幅の減少にも対応可能となる。
本発明の一実施形態であるブラシレスモータの断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図1のブラシレスモータに使用されるロータの構成を示す説明図である。 ロータの成形過程を示す説明図である。 (a)は、円弧状のマグネットが複数層埋設されたIPM型ブラシレスモータにおけるマグネット層数とLqとの関係を示す説明図、(b)は、同モータにおけるマグネット層数とトルクとの関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)の断面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。モータ1は、ロータ内にマグネットを埋め込み、マグネットトルクとリラクタンストルクによってロータを回転させるIPM型のブラシレスモータであり、電動パワーステアリング装置(EPS)の駆動源として使用される。モータ1は、図1に示すように、外側にステータ(固定子)2、内側にロータ(回転子)3を配したインナーロータ型のブラシレスモータとなっている。
ステータ2は、有底円筒形状のモータケース11(以下、ケース11と略記する)の内側に固定されている。ステータ2は、ステータコア12と、ステータコア12のティース部13に巻装された電機子巻線14(以下、巻線14と略記する)及びステータコア12に取り付けられ巻線14と電気的に接続されるバスバーユニット(端子ユニット)15とから構成されている。ケース11は、鉄等にて有底円筒状に形成されており、その開口部には、図示しない固定ネジによってアルミダイキャスト製のブラケット16が取り付けられる。
ステータコア12は、鋼製の板材(例えば、電磁鋼板)を積層して形成されており、外側リング部17から、複数個(ここでは、24個)のティース部13が径方向内側に向かって突設されている。隣接するティース部13の間にはスロット18が形成されている。前述のように、モータ1では、ティース部13は24個設けられており、24スロット構成となっている。スロット18の中には、巻線14が分布巻きにて収容されている。ステータコア12には合成樹脂製のインシュレータ19が取り付けられており、インシュレータ19の外側に巻線14が巻装されている。
ステータコア12の一端側には、バスバーユニット15が取り付けられている。バスバーユニット15は、合成樹脂製の本体部内に銅製のバスバー21がインサート成形された構成となっている。バスバーユニット15の周囲には、複数個のバスバー端子22が径方向に突設されている。バスバーユニット15の取り付けに際し、バスバー端子22は、ステータコア12から引き出された巻線14の端部14aが溶接される。バスバーユニット15では、バスバーはモータ1の相数に対応した個数(ここでは、U相,V相,W相分の3個と各相同士の接続用の1個の計4個)設けられている。各巻線14は、その相に対応したバスバー端子22と電気的に接続される。巻線14に対しては、図示しないバッテリから、給電配線23を介して相電流(U,V,W)が供給される。ステータコア12は、バスバーユニット15を取り付けた後、ケース11内に圧入固定される。
ステータ2の内側にはロータ3が挿入されている。ロータ3は回転軸31を有しており、回転軸31はベアリング32a,32bによって回転自在に軸支されている。ベアリング32aはケース11の底部中央に、ベアリング32bはブラケット16の中央部にそれぞれ固定されている。回転軸31には、円筒形状のロータコア33が圧入により取り付けられている。図3に示すように、ロータコア33もまた、円板状の電磁鋼板を多数積層して形成されている。ロータコア33を構成する鋼板には、ロータ3の磁気抵抗を回転方向に沿って異ならせるためのフラックスバリアとして、複数のスリット群34が複数設けられている。
各スリット群34は円弧状に曲がっており、ロータ3の外周より外側に設定される図示しない仮想点を中心とする円弧に沿って設けられる。それぞれのスリット群34は、その凸側部位をロータ3の中心側に向けた形で径方向に沿って3層に形成され、それぞれ、最外層の第一スリット34a、中間層の第二スリット34b、最内層の第三スリット34cから構成されている。スリット群34内には、ボンド磁石が充填されており、ロータマグネット35が形成されている。これにより、ロータ3内にロータマグネット35が内装される形となり、モータ1はIPM構造のブラシレスモータとなる。ボンド磁石としては、例えば、異方性のネオジムボンド磁石など、ネオジム磁石等の希土類磁石の粉末をエポキシ等の合成樹脂に混ぜ合わせたものが使用され、射出成形にスリット34内に充填される。
ロータ3では、スリット群34内のロータマグネット35により、磁極部36が形成される。磁極部36は、周方向に沿ってS極とN極が交互に4個配置されており、モータ1は4極24スロット(4P24S)構造となっている。各磁極部36のロータマグネット35は、径方向に沿って3層に配置される。ロータ3には、磁極部36によって、磁極がつくる磁束の方向のd軸と、d軸と磁気的に直交するq軸とが周方向に交互に複数形成される。ロータ3には、q軸磁束が通りやすい円弧状のスリット群34が設けられており、そこにロータマグネット35が充填配置されている。すなわち、ロータ3は、q軸の磁束が通りやすく、インダクタンスLqを大きく取ることができる構造となっている。また、図5から分かるように、Lqやトルクはマグネット層数が3層以上になると余り変化がない。そこで、ロータ3では、スリット幅とのバランスから、マグネット層数として、Lqやトルクを効果的に大きくできる3層を採用している。
一方、ロータ3の一端側には、センサマグネット37がロータコア33と一体に形成されている。モータ1では、このセンサマグネット37もボンド磁石にて形成されており、ロータマグネット35を充填形成する際に同時に射出成形される。センサマグネット37の外側には、ステータ2側の部材として、ホールセンサ等を用いたロータ回転位置検出センサ38が対向配置されている。モータ1は、ロータ回転位置検出センサ38の検出信号により、ロータ3の回転位置が検出される。そして、ロータ3の回転位置に基づき、巻線14への電流が適宜切り替えられ、ロータ3が回転駆動される。
図4は、ロータ3の成形過程を示す説明図である。図4に示すように、ロータ3は、複数の磁場配向用マグネット41が配された磁場配向金型42を用いて形成される。磁場配向用マグネット41としては、例えば、サマリウムコバルト磁石等の希土類磁石が使用され、ロータコア33は、磁場配向用マグネット41の内側に形成された空洞部43内に収容配置される。空洞部43の上には、射出成形機の図示しないノズルと接続される上型44が載置される。上型44には、キャビティとなる円筒形状のセンサマグネット形成部45と、このセンサマグネット形成部45に溶融状態のボンド磁石を供給する流路となるよう、一端がセンサマグネット成形部45の上面に等間隔に開口し、流路が径方向中心に向けて刻設された複数のランナー47と、各ランナー47の他端を集結するスプルー46が設けられている。センサマグネット形成部45とランナー47との接続部(開口)は複数のゲート48となっている。センサマグネット形成部45は、上型44の下端に突設された凸部44a内に設けられており、センサマグネット形成部45の下端部側は開放された開口部49となっている。センサマグネット成形部45の円筒部における径方向の幅R2は、スリット群34を構成する第一スリット34aの径方向外側壁から第三スリット34cの径方向内側壁までの幅R1と同じかそれより僅かに大きく設定されている。
ロータ3を形成する場合は、まず、磁場配向金型42の空洞部43内に積層工程の完了したロータコア33を収容する。次に、上型44をロータコア33上に載置する。その際、ロータコア33と凸部44aの端面同士が密接すると共に、ロータコア33のスリット34が開口部49によって覆われた状態となる。そして、この状態にて、射出成形機の図示しないノズルから、スプルー46に溶融状態のボンド磁石が射出される。スプルー46に加圧供給されたボンド磁石は、各ランナー47からゲート48を介してセンサマグネット形成部45内に流入する。センサマグネット形成部45に流入したボンド磁石はさらに、ロータコア33のスリット群34のそれぞれの内部に流入し、これにより、ロータマグネット35とセンサマグネット37が一体的に形成される。
前述のように、射出成形にてインサートされるマグネット層の幅は、成形機のゲートサイズに依存しており、従来のIPMモータ、特に、ロータ径の小さいモータでは、マグネットの多層化が困難であった。これに対し、本発明によるモータ1では、ゲート48は、比較的容積の大きいセンサマグネット形成部45に配され、スリット群34には、センサマグネット形成部45の開口部49からボンド磁石が供給される。つまり、センサマグネット形成部45は樹脂溜まりのような機能を有し、スリット群34にはこの樹脂溜まりからボンド磁石が送出される。これは、換言すれば、スリット群34にボンド磁石を供給するための大きな開口部49を金型内に設け、この部分の樹脂をセンサマグネット37として活用するようになっている。
このように、本発明によるモータ1では、ロータコア33に隣接してセンサマグネット37を設け、このセンサマグネット37をロータマグネット35と共に一体成形すると共に、金型内において、スリット群34にボンド磁石を供給するマニホールド部分をセンサマグネット37の形成部に充当する。この場合、ボンド磁石を注入するゲートはセンサマグネット形成部45に設けられるため、スリット群の幅に関係なくゲート径を広げることが可能となる。このため、従来、ゲート径の制約により形成し得なかった細幅のマグネット層も成形可能となり、マグネット層数の増加によるスリット幅の減少にも対応することが可能となる。従って、小径のロータにおいてもマグネットの多層化が可能となると共に、細幅マグネット層の採用により、ロータ外径の小径化も可能となる。
一方、スリット群34やセンサマグネット形成部45に流入したボンド磁石は、磁場配向用マグネット41により磁粉の方向を制御して着磁され、図3のような極性の磁極部36が形成される。磁場配向金型42では、この磁場配向用マグネット41により、異方性の磁粉を用いたボンド磁石に対し、極異方性にて着磁が行われ、磁粉の方向性が揃えられる。また、磁場配向金型42では、磁場配向用マグネット41により、フル着磁状態の概ね80%程度着磁される。ロータ3は、ボンド磁石の充填成形後に着磁機によってフル着磁を行うが、80%程度の着磁状態にて実用上差し支えない場合には、着磁機による追い着磁は省くことが可能である。なお、等方性の磁粉を用いる場合には、磁粉の方向性を合わせる目的での磁場配向用マグネット41は不要である。
また、スリット群34内及びセンサマグネット形成部45内のボンド磁石は、同じ磁場配向用マグネット41により着磁される。すなわち、ロータマグネット35とセンサマグネット37は、同じ磁場配向用マグネット41によって着磁されつつ成形される。このため、ロータマグネット35とセンサマグネット37は互いの極性が完全に一致し、別体のセンサマグネットを用いる場合と異なり、組み付け誤差による磁極の位置ずれなどの問題は生じない。従って、ロータ回転位置検出センサ38の検出信号とロータマグネット35の磁極位置が正確に一致し、コントローラ側にて、ロータマグネット35の磁極位置を正確に把握でき、精緻なロータ回転制御が可能となる。また、ロータマグネット35とセンサマグネット37を一体化することにより、部品点数の削減も図られる。
本発明は前述のような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、ロータ3内にロータマグネット35(スリット群34)を3層設けた構成のブラシレスモータを示したが、マグネット層数は3層には限定されず、3層未満、4層以上の構成のモータにも本発明は適用可能である。また、ボンド磁石の例として、ネオジムボンド磁石を挙げたが、サマリウム窒化鉄ボンド磁石等の他のボンド磁石も使用可能である。さらに、前述の実施形態では、本発明をEPS用モータに適用した例を示したが、その適用対象はEPSには限定されず、各種車載電装品や、電気自動車、ハイブリッド自動車、エアコン等の家電製品、各種産業機械等に使用されるモータにも本発明は適用可能である。
1 ブラシレスモータ
2 ステータ
3 ロータ
11 モータケース
12 ステータコア
13 ティース部
14 電機子巻線
14a 端部
15 バスバーユニット
16 ブラケット
17 外側リング部
18 スロット
19 インシュレータ
21 バスバー
22 バスバー端子
23 給電配線
31 回転軸
32a,32b ベアリング
33 ロータコア
34 スリット群
34a 第一スリット
34b 第二スリット
34c 第三スリット
35 ロータマグネット
36 磁極部
37 センサマグネット
38 ロータ回転位置検出センサ
41 磁場配向用マグネット
42 磁場配向金型
43 空洞部
44 上型
44a 凸部
45 センサマグネット形成部
46 スプルー
47 ランナー
48 ゲート
49 開口部

Claims (6)

  1. 複数相の電機子巻線を備えたステータと、
    前記ステータの内側に回転自在に配置され、円弧状に形成された複数のスリット群を有するロータコアと、前記各スリット群内に埋設されたロータマグネットとを備えるロータと、
    前記ロータと共に回転するセンサマグネットと、
    前記ステータ側に設けられ、前記センサマグネットの磁極変化を検知し前記ロータの回転位置を検出するロータ回転位置検出センサと、を有するブラシレスモータであって、
    前記ロータマグネット及び前記センサマグネットは、金型内に配置した前記ロータコアに対しボンド磁石を加圧供給することにより形成され、
    前記センサマグネットは、前記ロータコアと隣接して前記金型内に設けられるセンサマグネット形成部に前記ボンド磁石を供給することにより、前記ロータコアの一端側に該ロータコアと一体的に形成され、
    前記ロータマグネットは、前記センサマグネット形成部から前記スリット群内に前記ボンド磁石を供給することにより、前記センサマグネットと一体的に成形されることを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 請求項1記載のブラシレスモータにおいて、
    前記金型は、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部を閉鎖する形で取り付けられる上型と、を有し、
    前記上型は、前記センサマグネット形成部と、該センサマグネット形成部と連通し前記ボンド磁石が流通する流路と、を有し、
    前記センサマグネット形成部は、前記上型を当該金型に取り付けたとき、前記スリット群と連通する開口部を有し、
    前記ボンド磁石は、前記センサマグネット形成部から前記開口部を介して、前記スリット群内に供給されることを特徴とするブラシレスモータ。
  3. 請求項2記載のブラシレスモータにおいて、
    前記金型は、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部の周囲に配置され該空洞部内に磁場を形成する磁場配向用マグネットと、を有し、
    前記センサマグネット及び前記ロータマグネットは、前記磁場配向用マグネットにより、互いに同極性となるように極異方性に着磁されることを特徴とするブラシレスモータ。
  4. 円弧状に形成された複数のスリット群を有するロータコアと、前記各スリット群内に埋設されたロータマグネットとを備えてなるブラシレスモータ用ロータの製造方法であって、
    前記ロータは、該ロータの回転位置を検出するため前記ロータコアの一端側に該ロータコアと一体的に形成されるセンサマグネットを有し、
    前記ロータマグネット及び前記センサマグネットは、金型内に配置した前記ロータコアに対しボンド磁石を加圧供給することにより形成され、
    前記ロータマグネットは、前記金型内に形成され前記センサマグネットを形成するセンサマグネット形成部から前記スリット群内に前記ボンド磁石を供給することにより、前記センサマグネットと一体的に成形されることを特徴とするブラシレスモータ用ロータの製造方法。
  5. 請求項4記載のブラシレスモータ用ロータの製造方法において、
    前記金型は、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部を閉鎖する形で取り付けられる上型と、を有し、
    前記上型は、前記センサマグネット形成部と、該センサマグネット形成部と連通し前記ボンド磁石が流通する流路と、を有し、
    前記センサマグネット形成部は、前記上型を前記金型に取り付けたとき、前記スリット群と連通する開口部を有し、該開口部を介して、前記ボンド磁石を前記センサマグネット形成部から前記スリット群内に供給することを特徴とするブラシレスモータ用ロータの製造方法。
  6. 請求項5記載のブラシレスモータ用ロータの製造方法において、
    前記金型は、前記ロータコアが収容される空洞部と、前記空洞部の周囲に配置され該空洞部内に磁場を形成する磁場配向用マグネットと、を有し、
    前記磁場配向用マグネットにより、前記センサマグネット及び前記ロータマグネットを互いに同極性かつ極異方性に着磁することを特徴とするブラシレスモータ用ロータの製造方法。
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WO2023187436A1 (en) * 2022-03-30 2023-10-05 Abb Schweiz Ag Permanent magnet rotor for synchronous reluctance motors

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