JP2015203654A - 分子数測定装置及び分子数測定方法 - Google Patents

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中尾 勇
Isamu Nakao
勇 中尾
祐己 渡部
Hiroki Watabe
祐己 渡部
悠策 中島
Yusaku Nakajima
悠策 中島
岸井 典之
Noriyuki Kishii
典之 岸井
拓哉 岸本
Takuya Kishimoto
拓哉 岸本
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Abstract

【課題】試料溶液に含まれる生体分子の数を精度よく計測することが可能な分子数測定装置及び分子数測定方法を提供する。【解決手段】測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射部と、前記励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出する第1検出器及び第2検出器、並びに前記励起光が照射された生体分子から発せられた光を分岐させて、前記第1検出器若しくは前記第2検出器又はその両方に入射させるハーフミラーを備える検出部を設けて、分子数測定装置とする。【選択図】図1

Description

本技術は、分子数測定装置及び分子数測定方法に関する。より詳しくは、試料溶液に含まれる生体分子の数を光学的に測定する技術に関する。
試料溶液に含まれる生体分子の濃度を測定する方法としては、例えば、基板にマトリクス状に微細な孔を形成し、その孔で測定対象の生体分子を捕獲して検出する方法がある(特許文献1参照)。また、本発明者は、ラマン分光法を用いて、血液中の成分の濃度を測定する方法を提案している(特許文献2参照)。
特表2013−521500号公報 特開2014−18599号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、基板に微細な孔を形成する加工が必要であり、また、孔の数で感度が決まるため、例えば希薄溶液を測定する場合は、非常に多くの孔を形成する必要があるという問題がある。また、試料溶液の測定単位空間(2次元も含む)に存在する生体分子の数は、下記数式1で示されるポアソン分布に従うため、試料溶液の平均濃度が高くなると、測定単位空間に2つ以上の生体分子が存在する確率が大きくなる。なお、下記数式1におけるλは測定単位空間平均分子数であり、nは測定分子数である。
Figure 2015203654
一方、従来の測定方法では、測定単位空間に存在する分子は、0個か1個と仮定しているため、特許文献1に記載されているような従来の生体分子濃度測定方法は、試料溶液が高濃度の場合は、測定誤差が大きくなるという問題もある。
そこで、本開示は、試料溶液に含まれる生体分子の数を精度よく計測することが可能な分子数測定装置及び分子数測定方法を提供することを主目的とする。
本開示に係る分子数測定装置は、測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射部と、前記励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出する第1検出器及び第2検出器、並びに前記励起光が照射された生体分子から発せられた光を分岐させて、前記第1検出器若しくは前記第2検出器又はその両方に入射させるハーフミラーを備える検出部と、を有する。
本開示の分子数測定装置は、前記第1検出器と前記第2検出器とは、前記ハーフミラーからの光路長が同じになる位置に配置されており、前記第1検出器から出力された検出信号と、前記第2検出器から出力された検出信号とを比較することにより、前記ハーフミラーに入射した光が単一光子か否かを判定する判定部を有していてもよい。
その場合、前記判定部は、例えば、前記第1検出器が光子を検出したときに前記第2検出器も光子を検出していた場合は、前記ハーフミラーに入射した光は複数の生体分子から発せられた複数個の光子を含むと判定し、前記第1検出器及び前記第2検出器のいずれか一方のみが光子を検出していた場合は、前記ハーフミラーに入射した光が、前記単一生体分子から発せられた単一光子であると判定する。
また、前記光照射部は、単一測定点に対して励起光を複数回照射し、前記判定部は、複数回の励起に伴う複数の検出結果に基づいて、単一光子であるか否かを判定することもできる。
本開示の分子数測定装置は、前記光照射部は二次元に走査しながら前記励起光を照射し、前記判定部における判定結果に基づいて単位体積あたりの生体分子数を算出する解析部をしていてもよい。
また、前記光照射部は、前記励起光をパルス照射してもよい。
その場合、前記励起光のパルス幅を、測定対象の生体分子の励起緩和過程の緩和時間以下とすることができる。
本開示に係る分子数測定方法は、測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射工程と、前記励起光が照射された生体分子から発せられた光をハーフミラーにより分岐し、単一光子を検出可能な第1検出器及び第2検出器のいずれか一方又は両方に入射させる検出工程と、を有する。
本開示によれば、試料溶液に含まれる生体分子の数を精度よく計測することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本開示の第1の実施形態の分子数測定装置の構成例を示す図である。 図1に示す検出部20の構成を示す拡大図である。 検出部20での検出結果を示す図である。 試料溶液の濃度と、複数分子を検出する確率との関係を示す図である。 本開示の第2の実施形態の分子数測定装置の構成例を示す図である。
以下、本開示を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。また、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態
(基板裏面側から励起光を照射する分子数測定装置の例)
2.第2の実施の形態
(基板表面側から励起光を照射する分子数測定装置の例)
(1.第1の実施の形態)
先ず、本開示の第1の実施形態に係る分子数測定装置について説明する。
従来、測定像の輝点を数える濃度測定方法では、単一の輝点が単一分子に起因するものとは限らなかった。そこで、本実施形態の分子数測定装置では、単一の輝点が単一分子に起因するものであることを補償する。単一の発光中心を有する蛍光分子や励起子発光する量子ドットは、1回の励起緩和過程で単一の光子を放出することが知られている。以下、この現象を「単一光子発光」という。そこで、本実施形態では、このような単一の蛍光分子や量子ドットで標識された単一の分子が、単一光子発光していることを確認することで、測定像の単一の輝点に単一の分子が存在することを補償する。
図1は本実施形態の分子数測定装置の構成例を示す図であり、図2はその検出部20の構成を示す拡大図である。本実施形態の分子数測定装置1は、測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射部10と、励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出する検出部20とを備える。また、本実施形態の分子数測定装置1には、必要に応じて、判定部30、解析部40及びフォーカス調整部50などが設けられる。
[光照射部10]
光照射部10は、例えば基板2などに保持された生体分子を含む試料溶液に、励起光3を照射するものである。そして、この光照射部10は、例えば、光源11、アイソレータ12、アナモルフィックプリズム13、光増幅器14、音響光学変調素子15、ミラー16などを備えている。
(光源11)
光源11は、励起光3の波長に応じて適宜選択することができるが、例えばモードロック半導体レーザ、モードロックチタンサファイアレーザ、自励発振半導体レーザ、パルス駆動の半導体レーザ、Qスイッチレーザなどを使用することができる。単一光子発光を得るため、光源11から出射される励起光3は、パルス光であることが好ましい。その際、励起光3のパルス幅が、測定対象の生体分子の励起緩和過程の緩和時間以下とすることが好ましい。これにより、精度よく単一光子発光を得ることができる。
(アイソレータ12)
アイソレータ12は、各光学部品の表面で生じた反射光が、光源11を構成するレーザに戻ることを防止するものである。このような戻り光がレーザに入射すると、レーザ発振が不安定になり、出力変動が起こるが、戻り光の進行方向において光源11の直前に、アイソレータ12を配置することにより、レーザの発振を安定化することができる。
(アナモルフィックプリズム13)
アナモルフィックプリズム13は、楕円形のビームを成形し、円形状にするものである。
(光増幅器14)
光増幅器14は、入射したレーザの強弱に応じて、波長をほとんど変えずに入射光を増幅して出力するものである。
(音響光学変調素子15)
音響光学変調素子15は、超音波による光の一次屈折光を利用した光変調素子である。
(ミラー16)
ミラー16は、励起光3を基板2などに保持された生体分子を含む試料溶液に向けて反射するものである。
[検出部20]
検出部20は、励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出するものであり、単一光子を検出する2つの検出器(第1検出器21a、第2検出器21b)と、ハーフミラー22とを備えている。また、検出部20には、必要に応じて、対物レンズ23、ダイクロックミラー24、バンドパスフィルター25、レンズ26a,26b、ピンホール27などの各種光学部品が設けられていてもよい。
(検出器21a,21b)
第1検出器21aと第2検出器21bは、励起光3が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出可能なものであればよく、例えばハーフミラー22からの光路長が同じになる位置に配置される。なお、第1検出器21a及び第2検出器21bとして、アバランシェ増幅を行う検出器を使用する場合は、増幅されたキャリアが十分に消滅した後、次の光子を検出するようにタイミングを設定する。
(ハーフミラー22)
ハーフミラー22は、励起光3が照射された生体分子から発せられた光を分岐させて、第1検出器21a若しくは第2検出器21b又はその両方に入射させるものであり、透過率と反射率がそれぞれ50%となっている。
(対物レンズ23)
対物レンズ23は、生体分子から発せられた光などを集光するものである。また、対物レンズ23には、油浸レンズや水浸レンズを使用することもできる。
(ダイクロックミラー24)
ダイクロックミラー24は、波長特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過するものであり、本実施形態の分子数測定装置1の場合、生体分子から発せられた光を反射し、その他の光を透過するものを使用する。即ち、本実施形態の分子数測定装置1においては、ダイクロックミラー24により、励起光3と、生体分子から発せられた蛍光と、後述するフォーカス調整部50において使用するフォーカスサーボ光(近赤外光4)とを分離する。
(バンドパスフィルター25)
バンドパスフィルター25は、特定波長の光のみを透過するフィルターであり、本実施形態の分子数測定装置1の場合、生体分子から発せられた蛍光を透過し、その他の光を減衰させるものを使用する。即ち、本実施形態の分子数測定装置1においては、バンドパスフィルター25により、励起光3及びフォーカスサーボ光(近赤外光4)を除去し、生体分子から発せられた蛍光のみを抽出する。
(レンズ26a,26b)
レンズ26a,26bは、試料の共役像を形成し、その後方でビームを平行にするものである。
(ピンホール27)
ピンホール27は、入射した光を空間的にフィルタリングするものであり、迷光を除去してS/N比(信号雑音比)を向上させるために配置している。
[判定部30]
判定部30は、第1検出器21aから出力された検出信号と、第2検出器21bから出力された検出信号とを比較することにより、ハーフミラー22に入射した光が単一光子か否かを判定する。例えば、第1検出21aが光子を検出したときに第2検出器21bも光子を検出していた場合は、ハーフミラー22に入射した光は複数の生体分子から発せられた複数個の光子を含むと判定する。一方、第1検出器21a及び第2検出器21bのいずれか一方のみが光子を検出していた場合は、ハーフミラー22に入射した光が、単一生体分子から発せられた単一光子であると判定する。
また、単一光子であるか否かの判定は、光照射部10により単一測定点に対して励起光3を複数回照射し、複数回の励起に伴う複数の検出結果に基づいて行うことが好ましい。これにより、検出精度を更に向上させることができる。
[解析部40]
本実施形態の分子数測定装置は、光照射部10により励起光3を二次元に走査しながら照射し、解析部40により、判定部30における判定結果に基づいて単位体積あたりの生体分子数(生体分子濃度)を算出することもできる。
[フォーカス調整部50]
本実施形態の分子数測定装置は、更に、対物レンズ23に対する基板2の位置を調整するフォーカス調整部50を備えていてもよい。このフォーカス調整部50は、例えば近赤外半導体レーザ51、偏光ビームスプリッター52、1/4波長板53、レンズ54、円筒レンズ55、4分割ディテクタ56などで構成することができる。また、フォーカスサーボ方式には、例えば非点収差法を用いることができる。
[分子数測定方法]
次に、本実施形態の分子数測定装置1を用いて、生体分子の数を測定する方法について、生体分子が心筋炎症マーカーであるトロポニンを蛍光標識したものである場合を例にして説明する。本実施形態の分子数測定方法では、測定対象の生体分子に励起光3を照射する光照射工程と、励起光3が照射された生体分子から発せられた光をハーフミラー22により分岐し、第1検出器21a及び第2検出器21bのいずれか一方又は両方に入射させる検出工程とを行う。
光照射工程では、例えば、測定対象の生体分子を基板2上に分散し、この分散されている面を基板2の表面としたとき、基板2の裏面から全反射条件で励起光3を照射する。ここで、励起光3としては、例えば、Applied Physics Express 5 (2012) 022702に記載されている方法で生成される波長405nm、パルスエネルギー500pJ、パルス幅2ps、繰り返し周波数1GHzのパルスレーザを用いることができる。そして、この励起光3を、音響光学変調素子15を用いて10MHzに周波数を下げた後、基板2の裏面に照射する。
このとき、測定対象のトロポニンの励起緩和時間は、概ね1nsであるため、1パルス照射時間中に2回以上の励起緩和過程を繰り返すことはなく、1パルスに対し単一分子からの蛍光は1光子の放出に限定される。このように、励起光3をパルス光とし、更に、パルス幅を、測定対象の生体分子の励起緩和過程の緩和時間以下にすることにより、単一分子から複数の光子が放出されることを抑制できる。
一方、検出工程では、先ず、測定対象の生体分子分散面(基板2の表面)側に配置された例えば開口数(NA)0.9の対物レンズ23で、生体分子から放出された光子を捕獲する。次に、対物レンズ23で捕獲した光子を、例えばカットオフ波長が510nmm,700nmのダイクロイックミラー24a,24bと、例えばピーク値が535nm、バンド幅50nmのバンドパスフィルター25により励起光3を除去する。その後、結像レンズ26aにより、像面に対し10倍になるように像を形成する。
像の位置には、例えば開口が10μm径のピンホール27を配置し、これにより生体分子分散面で1μm径の範囲からの光子を捕獲するようにする。そして、再度、レンズ26bにより光線を平行光とし、図2に示すHanbury Brown Twiss干渉系に導入し、第1検出器21a及び第2検出器21bで検出する。
R. Hanbury Brown and R. Q. Twiss (1958). "Interferometry of the intensity fluctuations in light. II. An experimental test of the theory for partially coherent light". Proceedings of the Royal Society A 243 (1234): 291-319)によれば、素粒子である光子はハーフミラーでは2つに分けることはできない。本実施形態の分子数測定装置では、検出部にHanbury Brown Twissの干渉系を作製し、単一光子の強度でも十分信号が得られる光検出器を設置しているため、検出された光が単一光子か否かを精度よく判定することができる。
ここで、対物レンズ23に対する基板2の位置は、フォーカス調整部50により、励起光3や生体分子から発せられる蛍光とは別に、近赤外波長のレーザ光4による非点収差法を用いてフォーカスサーボを行うことができる。その場合、対物レンズ23は、フォーカスサーボに使用する光の波長に対して、色収差補正がなされているものを使用することが好ましい。
更に、本実施形態の分子数測定方法では、パルスレーザ光の繰り返しと同期させて、検出部20の検出結果を判定部40に入力し、自己相関を求めてもよい。図3は検出部20での検出結果を示す図である。図3に示すように、相関時間0では自己相関はショットノイズレベルとなっている場合、単一光子発光であることが確認でき、観測中の輝点が単一分子によるものであることが確認できる。
このような測定を、基板2上の生体分子が分散されている領域について全て観測することで、基板2上に結合された被測定分子数を数えることができる。即ち、光照射部10により基板2の分散領域を二次元に走査しながら前記励起光を照射し、判定部40における判定結果に基づいて単位体積あたりの生体分子数を算出することにより、試料溶液の濃度を算出することもできる。その場合、単一光子発光と確認できなかった輝点については、例えば2分子による発光として数えることができる。
以上詳述したように、本実施形態の分子数測定装置は、光照射部10により、単一測定点に対して励起光3を複数回照射し、判定部40において、この複数回の励起に伴う複数の検出結果に基づいて、単一光子であるか否かを判定することもできる。これにより、検出感度を向上させ、誤差を低減することができる。
図4は試料溶液の濃度と、複数分子を検出する確率との関係を示す図である。従来の測定方法で分子数を測定した場合、図4に示す分子数0〜1の範囲で検出することになるが、本実施形態の分子数測定方法では、図4に示す分子数0〜2の範囲で検出することが可能となる。図4に示すように、平均分子数(濃度)が増加するに従い、2分子の観測確率が高くなるが、本実施形態の分子数測定方法は、従来の測定方法に比べて、高濃度側測定限界を大きくすることができるため、高濃度試料溶液における検出精度を向上させることができる。
このように、本実施形態の分子数測定装置は、励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出しているため、試料溶液に含まれる生体分子の数を精度よく計測することができる。また、本実施形態の分子数測定装置は、生体分子の数や濃度を測定するにあたり、従来よりも測定限界をより高濃度側にすることが可能である。
(2.第2の実施の形態)
次に、本開示の第2の実施形態に係る分子数測定装置について説明する。図5は本開示の第2の実施形態の分子数測定装置の構成例を示す図である。なお、図5においては、図1に示す第1の実施形態の分子数測定装置の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
[装置構成]
図5に示すように、本実施形態の分子数測定装置100では、基板20の表面側から励起光3を照射する構成となっている以外は、前述した第1の実施形態の分子数測定装置と同様である。このように、励起光3を基板20の表面側から照射する構成とすると、光学系を簡素化することができるため、装置をよりコンパクトにすることができる。
[分子数測定方法]
次に、本実施形態の分子数測定装置100を用いて、生体分子の数を測定する方法について、生体分子が癌マーカー分子である場合を例にして説明する。本実施形態の分子数測定装置100では、光源11に例えばパルスレーザを用い、偏光は紙面に平行な方向の直線偏光とすることができる。
光源11から出射された励起光3は対物レンズ23の手前に配置されたダイクロイックミラー24を透過し、対物レンズ23の焦点位置に焦点を結ぶ。即ち、分子数測定装置100では、光照射装置10の光学系が、第1検出器21a及び第2検出器21bの位置と共焦点の関係になる配置となっている。そして、偏光ビームスプリッター52を透過した励起光3は、1/4波長板53によって、測定対象の生体試料がある位置では円偏光にされ、戻り光路の偏光ビームスプリッター52の位置では紙面に垂直方向の偏光とされる。
これにより、光源11への戻り光を減少することができると共に、偏光ビームスプリッター52で反射する戻り光をフォーカスサーボに利用することができる。そして、第1の実施形態と同様の方法でフォーカスサーボを行い、基板20と対物レンズ23の距離を一定に保ちながら、ダイクロイックミラー24及びバンドパスフィルター25を用い、生体分子から放出された光子をHanbury Brown Twiss干渉系に導き、第1検出器21a及び第2検出器21bで検出する。また、判定部40により、2つの検出器21a,21bからの信号の自己相関を比較し、ハーフミラー22に入射した光が単一光子か否かを判定する。
本実施形態の分子数測定装置も、励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出しているため、試料溶液に含まれる生体分子の数を精度よく計測することができる。
また、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射部と、
前記励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出する第1検出器及び第2検出器、並びに前記励起光が照射された生体分子から発せられた光を分岐させて、前記第1検出器若しくは前記第2検出器又はその両方に入射させるハーフミラーを備える検出部と、
を有する分子数測定装置。
(2)
前記第1検出器と前記第2検出器とは、前記ハーフミラーからの光路長が同じになる位置に配置されており、
前記第1検出器から出力された検出信号と、前記第2検出器から出力された検出信号とを比較することにより、前記ハーフミラーに入射した光が単一光子か否かを判定する判定部を有する(1)に記載の分子数測定装置。
(3)
前記判定部は、前記第1検出器が光子を検出したときに前記第2検出器も光子を検出していた場合は、前記ハーフミラーに入射した光は複数の生体分子から発せられた複数個の光子を含むと判定し、前記第1検出器及び前記第2検出器のいずれか一方のみが光子を検出していた場合は、前記ハーフミラーに入射した光が、前記単一生体分子から発せられた単一光子であると判定する(2)に記載の分子数測定装置。
(4)
前記光照射部は、単一測定点に対して励起光を複数回照射し、
前記判定部は、複数回の励起に伴う複数の検出結果に基づいて、単一光子であるか否かを判定する(2)又は(3)に記載の分子数測定装置。
(5)
前記光照射部は二次元に走査しながら前記励起光を照射し、
前記判定部における判定結果に基づいて単位体積あたりの生体分子数を算出する解析部を有する(2)〜(4)のいずれかに記載の分子数測定装置。
(6)
前記光照射部は、前記励起光をパルス照射する(1)〜(5)のいずれかに記載の分子数測定装置。
(7)
前記励起光のパルス幅が、測定対象の生体分子の励起緩和過程の緩和時間以下である(6)に記載の分子数測定装置。
(8)
測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射工程と、
前記励起光が照射された生体分子から発せられた光をハーフミラーにより分岐し、単一光子を検出可能な第1検出器及び第2検出器のいずれか一方又は両方に入射させる検出工程と、
を有する分子数測定方法。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
1、100 分子数測定装置
2 基板
3 励起光
4 近赤外光
10 光照射部
20 検出部
30 判定部
40 解析部
50 フォーカス調整部

Claims (8)

  1. 測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射部と、
    前記励起光が照射された単一生体分子から発せられた単一光子を検出する第1検出器及び第2検出器、並びに前記励起光が照射された生体分子から発せられた光を分岐させて、前記第1検出器若しくは前記第2検出器又はその両方に入射させるハーフミラーを備える検出部と、
    を有する分子数測定装置。
  2. 前記第1検出器と前記第2検出器とは、前記ハーフミラーからの光路長が同じになる位置に配置されており、
    前記第1検出器から出力された検出信号と、前記第2検出器から出力された検出信号とを比較することにより、前記ハーフミラーに入射した光が単一光子か否かを判定する判定部を有する請求項1に記載の分子数測定装置。
  3. 前記判定部は、前記第1検出器が光子を検出したときに前記第2検出器も光子を検出していた場合は、前記ハーフミラーに入射した光は複数の生体分子から発せられた複数個の光子を含むと判定し、前記第1検出器及び前記第2検出器のいずれか一方のみが光子を検出していた場合は、前記ハーフミラーに入射した光が、前記単一生体分子から発せられた単一光子であると判定する請求項2に記載の分子数測定装置。
  4. 前記光照射部は、単一測定点に対して励起光を複数回照射し、
    前記判定部は、複数回の励起に伴う複数の検出結果に基づいて、単一光子であるか否かを判定する請求項3に記載の分子数測定装置。
  5. 前記光照射部は二次元に走査しながら前記励起光を照射し、
    前記判定部における判定結果に基づいて単位体積あたりの生体分子数を算出する解析部を有する請求項2に記載の分子数測定装置。
  6. 前記光照射部は、前記励起光をパルス照射する請求項1に記載の分子数測定装置。
  7. 前記励起光のパルス幅が、測定対象の生体分子の励起緩和過程の緩和時間以下である請求項6に記載の分子数測定装置。
  8. 測定対象の生体分子に励起光を照射する光照射工程と、
    前記励起光が照射された生体分子から発せられた光をハーフミラーにより分岐し、単一光子を検出可能な第1検出器及び第2検出器のいずれか一方又は両方に入射させる検出工程と、
    を有する分子数測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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