JP2015201237A - 基板の製造方法および研磨用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板の製造方法が提供される。この製造方法は、研磨パッドをパッドドレッシングする工程(a)と;前記パッドドレッシングされた研磨パッドおよび研磨液を用いてダミー研磨する工程(b)と;研磨対象基板を研磨する工程(c)と;を含む。前記研磨液は、コロイダルシリカ砥粒とパッド表面調整剤とを含む。
【選択図】なし
Description
かかる構成によると、ダミー研磨工程(b)において研磨液中のパッド表面調整剤がコロイダルシリカのパッド表面への吸着を阻止する。これにより、研磨対象基板を研磨する工程(c)においてもパッド表面は良好な状態に維持され、基板表面の微小うねりは低減する。
ここに開示される技術は、基板を製造する方法を包含する。この製造方法は、研磨パッドをパッドドレッシングする工程(a)と;前記パッドドレッシングされた研磨パッドおよび研磨液を用いてダミー研磨する工程(b)と;研磨対象基板を研磨する工程(c)と;を含む。
ここに開示される研磨方法において、被研磨物となる基板は特に限定されない。例えば、磁気ディスク基板や、シリコンウエハ等の半導体基板のように、高精度な表面が要求される各種基板の製造に適用され得る。好ましい適用対象として、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板(Ni−P基板)が例示される。上記基材ディスクは、例えば、アルミニウム合金製、ガラス製等であり得る。このような基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層以外の金属層または金属化合物層を備えたディスク基板であってもよい。なかでも好ましい適用対象として、アルミニウム合金製の基材ディスク上にニッケルリンめっき層を有するNi−P基板が挙げられる。
ここに開示される方法に用いられる研磨パッドは、全体が発泡ポリウレタンにより構成されているパッド、発泡ポリウレタンの層が不織布等のパッド基材に支持されたパッド等のポリウレタン製研磨パッドであり得る。研磨パッドは、スウェードタイプのバフパッドであってもよいが、典型的には、表面をバフ加工していないノンバフ状態にある研磨パッド(いわゆるノンバフパッド)を用いることが好ましい。バフ加工とは、砥石等を利用し、表面を荒削りする処理であって、典型的には研磨パッドの表層部分を除去してポアの開口径や開口率を調整する処理のことをいう。発泡ポリウレタンとしては、例えば特開2005−335028号公報に記載されているような、湿式成膜法で形成されたスウェードタイプと呼ばれるものが好ましく用いられる。
工程(a)において、上記研磨パッドはパッドドレッシング処理される。この工程(a)は、典型的には、該研磨パッドが研磨装置に装着された状態で行われる。研磨装置としては、研磨パッドを用いる研磨の分野において公知の各種片面研磨装置、両面研磨装置等を用いることができ、特に限定されない。工程(a)は、このような研磨装置の定盤に研磨パッドが、例えば粘着テープや接着剤等を用いて固定された状態で好ましく実施され得る。
なお、研磨パッド表面の平均開口径は、走査電子顕微鏡(SEM)写真の画像解析によって求められる。具体的には、写真1枚当たりポアが10〜150個観察されるように倍率を調整し、50個以上のポアの開口径を測定し、その平均値を採用すればよい。上記平均開口径は、例えば150μm×250μmの区画内に存在するポアの平均開口径であり得る。
上記工程(a)を行った後、パッドドレッシングされた研磨パッドおよび研磨液を用いてダミー研磨を行う(工程(b))。具体的には、工程(b)は、研磨装置にダミー基板をセットして、該研磨装置に研磨液を供給して、上記工程(a)を経た研磨パッドによりダミー基板を研磨する工程である。上記研磨は常法により行えばよい。例えば、工程(a)を経た研磨パッドが装着された研磨装置にダミー基板をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記ダミー基板の表面(被研磨面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、ダミー基板の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。ダミー基板としては、被研磨物となる基板と同種のものを別途用意し、これをダミー基板として用いればよい。研磨液については後述する。研磨液の供給速度は特に限定されないが、ダミー基板1枚当たり毎分3〜15mL供給されることが好ましい。
ここに開示される方法は、研磨対象基板を研磨する工程(c)をさらに含む。具体的には、工程(b)が終了すると、必要に応じて洗浄を行う等した後、ダミー基板を取り外し、研磨対象である基板を研磨装置にセットする。そして、研磨装置に研磨液を供給して、上記研磨パッドにより基板を研磨する。上記研磨は常法により行えばよい。例えば、上記研磨パッドが装着された研磨装置に研磨対象(被研磨物)としての基板をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記被研磨物の表面(被研磨面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、被研磨物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。かかる研磨工程を経て被研磨物の研磨が完了する。その後、必要に応じて洗浄、乾燥等を行うことで、基板は製造され得る。
次に、工程(b)に使用される研磨液(以下、研磨用組成物ともいう。)について説明する。この研磨液は、好ましくはさらに工程(c)に使用されるものであり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、コロイダルシリカ砥粒の1種または2種以上を含む。コロイダルシリカ砥粒の平均一次粒子径は、典型的には5nm以上、好ましくは10nm以上である。平均一次粒子径の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。上記砥粒の平均一次粒子径の上限は特に限定されない。より平滑性の高い表面を得る観点から、平均一次粒子径は、典型的には300nm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは60nm以下、さらに好ましくは30nm以下である。例えば、一次研磨を終えたNi−P基板を研磨する用途向けの研磨用組成物において、上記の平均一次粒子径を有する砥粒を好ましく採用し得る。小径のコロイダルシリカ砥粒はよりパッド表面に堆積しやすいと考えられることから、小径(例えば平均一次粒子径30nm以下)のコロイダルシリカ砥粒を含む態様において、後述のパッド表面調整剤を使用することの効果はよりよく発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、パッド表面調整剤を含むことによって特徴づけられる。研磨用組成物がパッド表面調整剤を含むことによって、基板の微小うねりは低減される。その理由を明らかにする必要はないが、例えば次のことが推察される。パッドドレッシング後の研磨パッドの表面は、平坦に削りとられることによって、気泡が開口してできたポアが多数存在し、毛羽立った部分(ナップ)も存在している状態となっている。このような表面状態の研磨パッドに対しダミー研磨を行うことで、毛羽立った部分(ナップ)は除去され、上記表面状態は整えられる。これにより、研磨パッド表面は、基板表面を均一にかつ好適なレートで研磨するうえで好ましい状態となり、微小うねりを低減するうえでも望ましい状態になると考えられる。上記のような表面状態を表面全体において均一に維持しながらパッド表面が摩耗し除去されていけば、微小うねりの低減は理想的に実現され得ると考えられる。しかし、コロイダルシリカ砥粒を用いる態様では、コロイダルシリカが研磨中にパッド表面に吸着して、シリカコーティングともいうべき硬質薄膜となり、これがパッド表面を微細なレベルで不均一な状態にしていることが判明した。より具体的には、通常であれば研磨において除去されていくべき部分が上記硬質被膜で覆われるために均一に除去されずポアを覆うように残存していると推察される。実際に、コロイダルシリカ砥粒を用いた従来の研磨後のパッド表面では、ポア開口の減少が認められており、上記推察を支持している。ここに開示されるパッド表面調整剤は、コロイダルシリカの吸着を阻止するようにパッド表面の状態を良好に調整するものである。具体的には、パッドドレッシングに続くダミー研磨工程において、コロイダルシリカのパッド表面への吸着を阻止し、シリカコーティングの発生を抑制することで、パッド表面の微細な不均一化を防止し、微小うねり低減の実現に寄与する。
研磨用組成物は、分散安定性向上等の目的で、水溶性ポリマー(典型的にはアニオン性水溶性ポリマー)等の分散剤を含んでもよい。分散剤としては、例えばポリスチレンスルホン酸およびその塩等が挙げられる。上記ポリスチレンスルホン酸系化合物の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。分散剤の他の例として、ポリアクリル酸およびその塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)等が挙げられる。分散剤を使用することで、パッド表面調整剤の効果がよりよく発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、アニオン性界面活性剤を含んでもよい。上記アニオン性界面活性剤は、典型的には分散剤と比べて比較的低分子量の化合物である。アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
研磨用組成物は、砥粒および水の他に、研磨促進剤として、酸または塩を含有することが好ましい。ここで、酸または塩を含むとは、酸および塩の少なくとも一方を含むことを指し、酸を含み塩を含まない態様、塩を含み酸を含まない態様、および酸と塩の両方を含む態様、のいずれをも包含する意味である。
無機酸の具体例としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ホウ酸等が挙げられる。
有機酸の具体例としては、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、クロトン酸、ニコチン酸、酢酸、アジピン酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロトン酸、メタクリル酸、グルタル酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グリコール酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、イソクエン酸、メチレンコハク酸、没食子酸、アスコルビン酸、ニトロ酢酸、オキサロ酢酸、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ニコチン酸、ピコリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
上述した無機酸または有機酸の金属塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;等が挙げられる。
その他、塩の例としては、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等。以下同じ。)、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。例えば、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウムを好ましく使用し得る。塩は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒および水の他に、研磨促進剤として、酸化剤を含有することが好ましい。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
研磨用組成物には、塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。例えば、アルカリ金属の水酸化物、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウムが挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
特に限定するものではないが、好ましい一態様に係る研磨用組成物は、砥粒含有量が6重量%となる濃度におけるイオン強度が0.150mol/L以下であり得る。イオン強度が0.150mol/L以下である研磨用組成物は、コロイダルシリカの分散安定性に優れる傾向がある。かかる観点から、イオン強度が0.110mol/L未満である研磨用組成物がさらに好ましい。イオン強度の下限は特に限定されず、研磨用組成物を所望のpHに調整できればよい。研磨速度の向上の観点から、通常は、イオン強度が0.01mol/L以上であることが好ましく、0.02mol/L以上であることがより好ましく、0.03mol/L以上であることがさらに好ましい。
例えば、研磨用組成物中でA−とH+に解離する物質AHの酸解離定数がpKaであり、上記物質AHが研磨用組成物中に1.0mol/L含まれており、その研磨用組成物のpHが3である場合には、A−の濃度mAは、(10−pKa×1.0[mol/L])/1.0×10−3の式で求められる。
研磨用組成物に塩を添加する場合には、その塩のカウンターイオンのモル濃度によってイオン強度を算出する。例えば、研磨用組成物中でA−とB+に解離する物質ABについては、研磨用組成物中AHまたはBOHについては、分けてイオン強度を算出する。
また、研磨用組成物中で一段階以上の多段階の解離をする物質を含む研磨用組成物においては、それぞれの段階で解離しているイオンについてイオン強度を求める。
なお、イオン強度の算出は、研磨用組成物の温度が25℃である場合について行うものとする。
研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、キレート剤や防腐剤等の、研磨用組成物(典型的には、Ni−P基板等のような磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物)に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
このように濃縮液の形態にある研磨用組成物は、所望のタイミングで希釈して研磨液を調製し、その研磨液を被研磨物に供給する態様で好適に使用することができる。
(研磨液の調製)
砥粒、パッド表面調整剤、酸または塩、塩基性化合物、31%過酸化水素水およびイオン交換水を混合して、表1に示す組成および性質を有する研磨液1〜8を調製した。酸または塩、塩基性化合物の使用量は、研磨液のイオン強度を見ながら適宜調整した。表1中、「−」は不使用を意味する。また、GLDA4NaはL−グルタミン酸二酢酸四ナトリウムの略称である。
研磨パッドとして、ポリウレタン製でスウェードタイプのノンバフパッドを用意した。上記研磨パッドのサイズは、外径640mm、内径232mmのドーナツ盤状であり、したがって研磨面の面積は2792cm2である。上記研磨パッド2枚を、両面研磨装置(スピードファム社製「9B−5P」)の上定盤と下定盤に各1枚ずつ固定した。ダイヤモンドドレッサーを2枚/キャリア×5キャリア(計10枚)装填し、1〜1.5L/分のレートでイオン交換水を供給しながら、研磨パッドの研磨面に対してパッドドレッシングを行った。
次いで、上記研磨パッドが引き続き定盤に固定された状態で、該研磨パッドの研磨面に高圧ジェット水流を吹き付けて洗浄した。そして、上記両面研磨装置にダミー基板をセットし、表2に示す研磨液を用いて下記の条件でダミー研磨を行った。
ダミー基板としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えた直径3.5インチ(約95mm)、厚さ1.27mmのハードディスク用アルミニウム基板を用いた。
[ダミー研磨条件]
研磨荷重:120g/cm2
基板装填枚数:2枚/キャリア×4キャリア(計8枚)
下定盤回転数:60rpm
研磨液の供給レート:83mL/分
研磨時間:5分
研磨回数:12回
ダミー研磨終了後、ダミー基板を取り外し、研磨対象基板をセットした。研磨対象基板としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えた直径3.5インチ(約95mm)、厚さ1.27mmのハードディスク用アルミニウム基板を、Schmitt Measurement System社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))の値が6Åとなるように予備研磨したものを使用した。表2に示す研磨液を用いて下記の条件で研磨対象基板を研磨した。
[研磨条件]
研磨荷重:120g/cm2
基板装填枚数:2枚/キャリア×4キャリア(計8枚)
下定盤回転数:60rpm
研磨液の供給レート:83mL/分
研磨時間:5分
[毛羽立ち]
パッドドレッシングを終えた後の研磨パッド表面およびダミー研磨を終えた後の研磨パッド表面について、SEMで観察を行い、以下の2水準で評価した。結果を表2に示す。
〇:パッドドレッシング後に存在していたパッド表面の毛羽立ちが、ダミー研磨後には除去されていた。
×:パッドドレッシング後に存在していたパッド表面の毛羽立ちが、ダミー研磨後にも除去されていなかった。
研磨対象基板の研磨を終えた後の研磨パッド表面につき、SEMで観察を行い、以下の2水準で評価した。結果を表2に示す。
〇:パッド表面に十分数のポアが認められた。すなわち気泡が十分に開口していた。
×:パッド表面のポアが塞がれており、開口状態は十分でなく、表面がコロイダルシリカによって覆われていた。
各実施例および各比較例に係る基板(研磨後の研磨対象基板)2枚の表裏、計4面につき、非接触表面形状測定機(商品名「NewView」、Zygo社製)を用いて、レンズ倍率2.5倍、ズーム倍率0.5倍、バンドパスフィルターを80〜500μmの条件で微小うねりを測定した。研磨後の基板の中心から径方向外側に37mmの位置に対し、90°ずつ4ヵ所を測定し、その平均値を微小うねり値(Å)として求めた。結果を表2に示す。
Claims (4)
- 研磨パッドをパッドドレッシングする工程(a)と;
前記パッドドレッシングされた研磨パッドおよび研磨液を用いてダミー研磨する工程(b)と;
研磨対象基板を研磨する工程(c)と;
を含み、
前記研磨液は、コロイダルシリカ砥粒とパッド表面調整剤とを含む、基板の製造方法。 - 前記工程(c)において前記工程(b)の研磨液を用いる、請求項1に記載の製造方法。
- 前記基板は磁気ディスク基板である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法において前記工程(b)の研磨液として用いられる研磨用組成物であって、
コロイダルシリカ砥粒と、パッド表面調整剤と、を含む、研磨用組成物。
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