JP2015199658A - 炭酸カルシウム微粒子と繊維との複合体を含む製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維の存在下で炭酸カルシウム微粒子を合成することによって、一次粒子径が1μm未満、好ましくは200nm以下の小さな炭酸カルシウム微粒子と繊維とが安定に複合した複合体を含む製品。炭酸カルシウム微粒子の平均一次粒径は1μm未満であるが、同500nm以下の炭酸カルシウムや、同200nm以下の炭酸カルシウムを製造することも出来、また一次粒子径は10nm以上とすることができる方法。
【選択図】図1
Description
(1) 平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子と繊維との複合体を含む製品。
(2) 炭酸カルシウム粒子の平均粒一次子径が200nm以下である、(1)に記載の製品。
(3) 前記繊維が、化学繊維、再生繊維または天然繊維である、(1)または(2)に記載の製品。
(4) 前記繊維がパルプ繊維である、(1)または(2)に記載の製品。
(5) 前記製品がシートである、(1)〜(4)のいずれかに記載の製品。
(6) 前記製品が、前記複合体を内添填料として配合した紙である、(1)〜(5)のいずれかに記載の製品。
(7) 前記製品が、前記複合体を樹脂に混練して得られる混練樹脂である、(1)〜(5)のいずれかに記載の製品。
(8) 前記複合体が改質されている、(1)〜(7)のいずれかに記載の製品。
本発明で使用する複合体は、繊維を含有する溶液においてキャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することによって得られる、炭酸カルシウム微粒子と繊維との複合体である。
本発明に係る複合体を製造する場合、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成する。本発明においてキャビテーションとは、流体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象であり、空洞現象とも言われる。キャビテーションによって生じる気泡(キャビテーション気泡)は、流体の中で圧力がごく短時間だけ飽和蒸気圧より低くなったとき、液体中に存在する100ミクロン以下のごく微小な「気泡核」を核として生じる。
本発明で用いる複合体を構成する繊維は特に制限されないが、例えば、セルロースなどの天然繊維はもちろん、石油などの原料から人工的に合成される合成繊維、さらには、レーヨンやリヨセルなどの再生繊維(半合成繊維)、さらには無機繊維などを制限なく使用することができる。天然繊維としては上記の他にウールや絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。セルロース系の原料としては、パルプ繊維(木材パルプや非木材パルプ)、バクテリアセルロースが例示され、木材パルプは、木材原料をパルプ化して製造すればよい。木材原料としては、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、ツガ、スギ、ヒノキ、カラマツ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、メルクシマツ、ラジアータパイン等の針葉樹、及びこれらの混合材、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワン、アカシア等の広葉樹及びこれらの混合材が例示される。
本発明において炭酸化反応の条件は、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、炭酸化反応の温度は0〜90℃とすることができ、10〜70℃とすることが好ましい。反応温度は、反応液の温度を温度調節装置によって制御することができ、温度が低いと反応効率が低下しコストが高くなる一方、90℃を超えると粗大な炭酸カルシウム粒子が多くなる傾向がある。
本発明に係る複合体を用いて、適宜、成形物(体)を製造することも可能である。例えば、本発明によって得られた複合体をシート化すると、高灰分においてもシートを得ることができる。シート製造に用いる抄紙機(抄造機)としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、ギャップフォーマ、ハイブリッドフォーマ、多層抄紙機、これらの機器の抄紙方式を組合せた公知の抄造機などが挙げられる。抄紙機におけるプレス線圧、後段でカレンダー処理を行う場合のカレンダー線圧は、いずれも操業性や複合体シートの性能に支障を来さない範囲内で定めることができる。また、形成されたシートに対して含浸や塗布により澱粉や各種ポリマー、顔料およびそれらの混合物を付与しても良い。
<炭酸カルシウム・繊維複合体の合成>
水酸化カルシウム(消石灰:Ca(OH)2、和光純薬、2重量%)と繊維(0.5%)を含む水性懸濁液を準備した。この水性懸濁液9.5Lを、45L容のキャビテーション装置に入れ、反応容器中に炭酸ガスを吹き込んで炭酸ガス法によって炭酸カルシウム微粒子と繊維との複合体を合成した。反応温度は約25℃、炭酸ガスは市販の液化ガスを供給源とし、炭酸ガスの吹き込み量は12L/minであり、反応液のpHが約7になった段階で反応を停止した(反応前のpHは約12.8)。
(1)表面をミクロフィブリル化した広葉樹パルプ繊維(CV処理パルプ)
(2)セルロースナノファイバー(TEMPO酸化パルプ)
(3)サーモメカニカルパルプ(TMP)
(4)表面をミクロフィブリル化した麻パルプ繊維
(表面をミクロフィブリル化した広葉樹パルプ繊維) カナダ標準濾水度(CSF)が約400mLであるLBKPを水中に離解してパルプ懸濁液(濃度:0.5%)を調製した。このパルプ懸濁液を反応容器に入れ、反応容器内に噴流を導入することによってキャビテーション気泡を発生させた。ノズル(ノズル径:1.5mm)を介して高圧で反応溶液を噴射してキャビテーション気泡を発生させた。噴流速度は約70m/sであり、入口圧力(上流圧)は7MPa、出口圧力(下流圧)は0.3MPaとした。LBKPのCSFが100mL未満になるまで、このキャビテーション処理を約1時間行った。
(表面をミクロフィブリル化した麻パルプ繊維) 上記の広葉樹パルプ繊維と同様に、麻パルプに対してCSFが100mLより低くなるまでCV処理を行って、表面がミクロフィブリル化した麻パルプを得た。
得られた複合体の電子顕微鏡写真を図4〜7に示す。図4は、キャビテーションで処理した広葉樹パルプ繊維と炭酸カルシウム微粒子との複合体の電子顕微鏡写真である。図4から明らかなように、この複合体は繊維表面に多数の炭酸カルシウム微粒子が析出しており、炭酸カルシウムの一次粒子径は40〜100nm程度(平均:80nm程度)であった。特に、パルプ繊維のフィブリル部分に炭酸カルシウム微粒子が多く生成していた。
実験1で製造した複合体(CV処理パルプ/炭酸カルシウム複合体、TMP/炭酸カルシウム複合体、麻パルプ/炭酸カルシウム複合体)を以下の手順によりシート化した。複合体のスラリー(約0.5%)に、カチオン性歩留剤(ND300、ハイモ社製)を100ppm、アニオン性歩留剤(FA230、ハイモ社製)を100ppm添加し、500rpmにて撹拌して懸濁液を調成した。得られた懸濁液からJIS P 8222に基づいて坪量が約15〜150g/m2の複合体シートを製造し、ラボチルドレンダーにて65kgf/cmでカレンダー処理した。
種々の条件において、本発明に基づいて複合体を合成し、電子顕微鏡写真を撮影した。
繊維として広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:460mL、キャビテーション処理せず)を用いた他は、実験1と同様にして複合体を合成した。電子顕微鏡による観察の結果、一次粒径が40〜100nmの炭酸カルシウムが繊維表面に自己定着していた。灰分は83%であり、仕込み量から計算した理論値(84%)とほぼ同等であった。
繊維としてLBKP(CSF:460mL、キャビテーション処理せず)1250g、水酸化カルシウムを1250g使用し、Ca(OH)2の水性懸濁液の総量を100Lとした他は、実験1と同様にして合成した。電子顕微鏡による観察の結果、一次粒径が60〜90nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、56%であり、理論値(58%)とほぼ同等であった。
繊維としてLBKP/NBKPの混合パルプ(重量比:8/2、CSF:50ml、キャビテーション処理せず)8300g、水酸化カルシウムを8300g使用し、Ca(OH)2の水性懸濁液の総量を415L、二酸化炭素流量を40L/min、反応開始温度を16℃とした他は、実験1と同様にして複合体を合成した。電子顕微鏡による観察の結果、一次粒径が60〜90nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、56%であり、理論値(58%)とほぼ同等であった。
水酸化カルシウムの仕込み濃度を0.74%とし、二酸化炭素流量を5L/minとした以外は、実験1と同様にして複合体を合成した。電子顕微鏡による観察の結果、一次粒径が30〜80nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、いずれも48%であり、理論値(50%)とほぼ同等であった。
用いるキャビテーションノズルを2流体対応(ノズルから吐出される直前に水酸化カルシウム懸濁液が二酸化炭素ガスと混合される)に変えた以外は、サンプルC3と同様に合成した。電子顕微鏡による観察の結果、一次粒径が30〜80nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、いずれも48%であり、理論値(50%)とほぼ同等であった。
用いる原料を生石灰とした他は、サンプルC4と同様に合成した。電子顕微鏡による観察の結果、一次粒径が40〜80nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。
水酸化カルシウム280gとパルプ(LBKP、CSF:約460mL)70gを混合し、水道水を加えて14Lにした。珪酸ナトリウム(SiO2換算で約30%)400gを添加した後、混合物を反応容器に投入した。その後の手順や反応条件は実験1と同様であるが、pHが約6.7となった段階で反応を停止した。電子顕微鏡観察の結果、シリカと思われる一次粒子径20〜50nm程度の粒子が炭酸カルシウムの表面に析出している様子が観察された。また、サンプルC6について蛍光X線でシリカ(SiO2)と炭酸カルシウム(CaCO3)の存在比を分析したところ(表3)、シリカと炭酸カルシウムの両方が存在していることが確認された。
合成後のサンプルC6にpHが6.2になるまで硫酸バンド水溶液(アルミナ換算で0.8%)を添加した。電子顕微鏡観察の結果、シリカと思われる一次粒子径20〜50nm程度の粒子が炭酸カルシウムの表面に析出している様子が観察された。
サンプルC0の複合体1kgに珪酸ナトリウム(SiO2換算で約30%)29gを加えてラボミキサーで撹拌し、硫酸水溶液(10%)41gを添加して複合体を合成した。電子顕微鏡観察の結果、一次粒子形80nm程の炭酸カルシウムに混じって、同程度のサイズのシリカが存在していた。蛍光X線でシリカ(SiO2)と炭酸カルシウム(CaCO3)の存在比を分析したところ(表3)、シリカと炭酸カルシウムの両方が存在していることが確認された。
化学繊維であるポリビニルアルコール繊維(PVA繊維、フィブリボンド、クラレ製)を用いた以外は、実験1と同様にして炭酸カルシウムと繊維の複合体を合成した。電子顕微鏡観察の結果、一次粒径が30〜80nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、炭酸カルシウム量は83%であり、仕込み量から計算された理論値(84%)と同等の値であった。
用いる繊維をポリオレフィン(SWP E-400、デュポン帝人製)とし、繊維の仕込み濃度を0.25%とした以外は、サンプルC2と同様にして炭酸カルシウム微粒子と繊維の複合体を合成した。電子顕微鏡観察の結果、一次粒径が30〜80nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、炭酸カルシウム量は84%であり、仕込み量から計算された理論値(84%)と同等の値であった。
再生繊維であるリヨセル繊維(TENCEL 、LENZING製)を用い、繊維の仕込み濃度を0.1%とした以外は、サンプルC2と同様にして炭酸カルシウム微粒子と繊維の複合体を合成した。電子顕微鏡観察の結果、一次粒径が30〜80nmの炭酸カルシウムが繊維表面を覆い、自己定着している様子が観察された。灰分を測定した結果、炭酸カルシウム量は91%であり、仕込み量から計算された理論値(93%)と同等の値であった。
以下の各種材料を填料として内添して紙を製造し、紙の特性を分析した。
(1)実験1で製造したCV処理パルプ/炭酸カルシウム複合体
(2)軽質炭酸カルシウム微粒子(平均粒径:約100nm)
(3)軽質炭酸カルシウム(平均粒径:約3.5μm)
ここで、上記(2)の炭酸カルシウム微粒子は、以下のように合成した。水酸化カルシウム(消石灰:Ca(OH)2、和光純薬)の15%水性懸濁液9.5Lを、45L容のキャビテーション装置に入れ、反応容器内に炭酸ガスを吹き込んで炭酸ガス法によって炭酸カルシウム粒子を合成した。反応温度は約25℃、炭酸ガスの吹き込み量は12L/minであり、反応液のpHが約7になった段階で反応を停止した(反応前のpHは約12.8)。炭酸カルシウムの合成においては、図1に示すように反応溶液を循環させて反応容器内に噴射することよって、反応容器内にキャビテーション気泡を発生させた。具体的には、ノズル(ノズル径:1.5mm)を介して高圧で反応溶液を噴射してキャビテーション気泡を発生させたが、噴流速度は約70m/sであり、入口圧力(上流圧)は7MPa、出口圧力(下流圧)は0.3MPaとした。得られた炭酸カルシウム微粒子を分析したところ、BET比表面積は31.6m2/g、吸油量は126ml/100gだった。なお、吸油量の測定はJIS K5101の方法にしたがって行った。
LBKP(CSF:約400mL)を離解したパルプスラリーに各種填料をシート灰分が20〜50%になるような割合で混合し、カチオン性歩留剤(ND300、ハイモ社製)を100ppm、アニオン性歩留剤(FA230、ハイモ社製)を100ppm添加し、500rpmにて撹拌して紙料を調成した。
・坪量 :JIS P 8124:1998
・厚さ :JIS P 8118:1998
・密度 :厚さ、坪量の測定値より算出
・灰分 :JIS P 8251:2003
・白色度 :JIS P 8212:1998
・不透明度 :JIS P 8149:2000
・透気抵抗度 :JIS P8117:2009
・平滑度 :JIS P 8155:2010
結果を以下の表に示すが、(1)の炭酸カルシウム/パルプ複合体を配合した場合は、(2)の炭酸カルシウム微粒子や(3)の軽質炭酸カルシウムを配合した場合に比べると配合率による不透明度の変化が小さく、灰分50%まで高配合してもLBKP100%の時とほぼ同等の不透明度であった。
<実験5−1>
サンプルC11、C12の複合体を用いて、実験2と同様にして複合体シートを作製した。また、C11、C12に加えてC1を併用して複合体シートを作製した。ただし、用いる薬品については、凝結剤(カチオファストSF、BASF製、対固形分600ppm添加)、カチオン性歩留剤(ND300、ハイモ製、対固形分100ppm添加)、アニオン性歩留剤(FA230、ハイモ製、対固形分100ppm添加)を使用した。
複合体C0およびC1を用いて、実験2と同様にして複合体シートを作製した。複合体C0については、セルロースナノファイバー(CNF:TEMPO酸化パルプを解繊処理したタイプ)を対固形分5%もしくは10%添加したシート、ならびにPVA繊維を25%もしくは10%添加したシートも作製した。また、対照として、LBKP(CSF=460mL)と軽質炭酸カルシウム(スカルノヘドラル型、粒径=3.6μm)からシートを作製した。
複合体C6〜C8を用いて、実験2と同様にして複合体シートを作製した。
<実験6−1>
抄紙機を用いて複合体シートを作製した。具体的には、サンプルC2およびLBKP/NBKPの混合パルプ(重量比:8/2、CSF:50ml)を長網抄紙機でシート化した。紙料には、両性の歩留剤(キースロックPR-AM7、協和産業)を対固形分で200ppm添加した。複合体を原料に用いることで、灰分約53%のシートを抄紙マシンで製造し、得られたシートを連続的に巻取り、ロール化することができた。また、得られた複合体シートは、パルプのみのシートに比べて地合いが良く、平滑度や透気抵抗度が高かった。
LBKP(CSF=400ml、4000g)と水酸化カルシウム(12400g)を用い、水性懸濁液の総量を400mlとした他は、C2と同様に複合体を合成し、サンプルXを得た。サンプルXとLBKP(CSF:400ml)を長網抄紙機でシート化した。紙料には、アニオン性歩留剤(FA230、ハイモ社製)を100ppmおよびカチオン性歩留剤(ND300、ハイモ社製)を100ppm添加した。複合体を原料に用いることで、灰分約69%のシートを抄紙マシンで製造し、得られたシートを連続的に巻取り、ロール化することができた。
炭酸カルシウムおよび炭酸カルシウム・繊維複合体をフィラーとして樹脂に添加し、混練樹脂を調製した。樹脂はポリプロピレン(PP、プライムポリマー製、J105G)を用い、樹脂6.2kgに対してフィラーを乾燥重量で3kg、相溶化剤(三洋化成製、ユーメックス1010)を0.8g添加した。また、この時、イオン交換水を加え、固形分が50%となるように調整した。十分に混合後、二軸混練機で水分を蒸発させながら溶融混錬し、複合物のペレットを作製した。
下記のサンプルに対して、90℃の温水(50mL)で溶解したオレイン酸ナトリウムを対固形分で3%添加し、ラボミキサーで5分間撹拌することによって、各サンプルの表面を疎水化した。本実験においては、このように疎水化したフィラーを使用した。
・軽質炭酸カルシウム微粒子(平均粒径:約100nm、上記実験4に記載)
・軽質炭酸カルシウム(粒径3.5μm)
・軽質炭酸カルシウム・繊維複合体(実験1−2で合成)
・軽質炭酸カルシウムおよびセルロースナノファイバー(それぞれを添加)
・セルロースナノファイバー(上記実験1に記載)
結果を以下の表に示す。表から明らかなように、本発明の炭酸カルシウム微粒子をフィラーとして樹脂に配合することによって、破断時の伸びを大きくすることができた。
Claims (8)
- 平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子と繊維との複合体を含む製品。
- 炭酸カルシウム粒子の平均一次粒子径が200nm以下である、請求項1に記載の製品。
- 前記繊維が、化学繊維、再生繊維または天然繊維である、請求項1または2に記載の製品。
- 前記繊維がパルプ繊維である、請求項1または2に記載の製品。
- 前記製品がシートである、請求項1〜4のいずれかに記載の製品。
- 前記製品が、前記複合体を内添填料として配合した紙である、請求項1〜5のいずれかに記載の製品。
- 前記製品が、前記複合体を樹脂に混練して得られる混練樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載の製品。
- 前記複合体が改質されている、請求項1〜7のいずれかに記載の製品。
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