JP2015196340A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドットの形成が不良である不良ノズルにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能な記録装置を提供する。【解決手段】記録装置1は、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部U1と、該複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択する選択部U2と、を備える。複数の補完部U1は、近傍形成ノズルRN10を使用せず代替ノズルRN0により補完ドットを第一ラスターRA1に形成する代替ノズル補完部U1aと、前記補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する併用補完部U1cと、を含む。複数の補完部U1は、代替ノズル補完部U1aの代わりに、代替ノズルRN0を使用せず近傍形成ノズルRN10により前記補完ドットを第二ラスターRA2に形成する近傍補完部U1bを含んでもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置に関する。
インクジェットプリンターは、例えば、所定のノズル並び方向へ並んだ複数のノズルと被印刷物(被記録物)とをノズル並び方向と交差する相対移動方向へ相対移動させ、画素毎にドットの有無を表す記録データに従ってノズルからインク滴(液滴)を吐出して被印刷物にドットを形成する。インクジェットプリンターには、シリアルプリンターやラインプリンター等がある。
シリアルプリンターは、例えば、被印刷物に対して記録ヘッドを主走査方向へ走査させながらインク滴をノズルから吐出し、主走査間に被印刷物を前記主走査方向と交差する搬送方向へ搬送して、ドットによる画像を被印刷物に印刷する。シリアルプリンターには、主走査方向へ向いたラスターのドットを複数回の走査により形成するオーバーラップ印刷を行うものがある。オーバーラップ印刷には、1回の主走査でラスターのドットを形成する単独領域、及び、複数回の主走査でラスターのドットを形成するオーバーラップ領域を印刷する部分オーバーラップ印刷が含まれる。
ラインプリンターは、例えば、被印刷物の搬送方向と交差する幅方向のほぼ全体にわたって配置したノズルを移動させず被印刷物を搬送して、ドットによる画像を被印刷物に印刷する。被印刷物の幅方向のほぼ全体にわたってノズルを配置するため、ラインプリンターには、ノズル列を有する記録ヘッドを複数用い、隣接する2つの記録ヘッドの接合部においてノズルをオーバーラップさせたものがある。ノズルを部分的にオーバーラップさせる場合、印刷画像には、1つのノズルでラスターのドットを形成する単独領域、及び、複数のノズルでラスターのドットを形成するオーバーラップ領域が生じる。
目詰まり等によりノズルからインク滴が吐出しなかったり吐出インク滴が正しい軌跡を描かなかったりすると、ドットが形成されない画素が相対移動方向へ繋がった「ドット抜け」領域が形成され、印刷画像に白筋といった筋が生じてしまう。特許文献1には、この筋を抑制する吐出不良ノズル補完手段及び吐出不良ノズル緩和手段を備えるインクジェットプリンターが開示されている。このインクジェットプリンターは、複数のノズルを有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを案内レールに沿って走査し、適宜、案内レールに直交する方向へ被記録材を搬送し、マルチパス記録によって被記録材に画像を記録する。マルチパス記録の際、被記録材の先端部と後端部については、例外的に被記録材を搬送しないで記録を行う。ここで、搬送有りの状態で記録を行う通常時は、吐出不良ノズルで記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他のノズルで記録するように制御する吐出不良ノズル補完手段を用いて記録を行う。搬送無しの状態で記録を行う例外時は、吐出不良ノズルで記録すべきデータを、吐出不良ノズルに隣接するノズルで記録するように制御する吐出不良ノズル緩和手段を用いて記録を行う。
すなわち、特許文献1記載の技術は、被記録材を搬送する通常時には、吐出不良ノズルにより形成されるべきドットを補完する補完ドットを常に、他のパスで代替ノズルにより同じラスターに形成する。
特開2006−168104号公報
オーバーラップ印刷を行うシリアルプリンターにおいて、被印刷物が搬送される場合、不良ノズルによりドットが形成されるべきラスターに他のパスにおいて代替ノズルにより補完ドットを形成することができる。しかし、被印刷物の搬送に生じる誤差等により相対移動方向に沿った筋(バンディング)が残ることがある。このような問題は、被記録材を搬送する通常時において常に他のパスで代替ノズルにより補完ドットを同じラスターに形成する特許文献1記載の技術にもある。特に、プリンターが部分オーバーラップ印刷を行う場合、印刷画像に生じるオーバーラップ領域の端部にドットを形成するノズルが不良ノズルであると、前述の筋が目立ち易い。
また、ラインプリンターにおいて、不良ノズルによりドットが形成されるべきラスターに補完ドットを他の記録ヘッドにある代替ノズルにより形成することができる。しかし、隣接する記録ヘッドの位置関係の誤差等により相対移動方向に沿った筋が残ることがある。特に、印刷画像に生じるオーバーラップ領域の端部にドットを形成するノズルが不良ノズルであると、前述の筋が目立ち易い。
尚、上述した問題は、種々の記録装置について同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、ドットの形成が不良である不良ノズルにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能な記録装置を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、所定の並び方向へ並んだ複数のノズルと被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動し、前記相対移動方向へ向いたラスターのドットを複数回の走査により形成するオーバーラップ記録を行う記録装置であって、
前記複数のノズルには、ドットの形成が不良である不良ノズル、該不良ノズルにより記録すべき第一ラスターに他の走査でドットを形成する代替ノズル、及び、前記第一ラスターに隣接する第二ラスターにドットを形成する近傍形成ノズルが含まれ、
前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部と、
該複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する選択部と、を備え、
前記複数の補完部は、
前記近傍形成ノズルを使用せず前記代替ノズルにより前記補完ドットを前記第一ラスターに形成する代替ノズル補完部と、
前記補完ドットを、前記代替ノズルにより前記第一ラスターに形成し、且つ、前記近傍形成ノズルにより前記第二ラスターに形成する併用補完部と、を含む、態様を有する。
また、前記複数の補完部は、前記代替ノズル補完部の代わりに、前記代替ノズルを使用せず前記近傍形成ノズルにより前記補完ドットを前記第二ラスターに形成する近傍補完部を含んでもよい。
上述した態様は、ドットの形成が不良である不良ノズルにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能な記録装置を提供することができる。
さらに、本発明は、所定の並び方向へ複数のノズルが並んだノズル列を複数有し、該複数のノズル列に含まれる第一ノズル列及び第二ノズル列のノズルが前記並び方向において一部オーバーラップし、前記複数のノズル列と被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動し、前記相対移動方向へ向いたラスターのドットを形成する記録装置であって、
前記複数のノズルには、前記第一ノズル列に含まれドットの形成が不良である不良ノズル、前記第二ノズル列に含まれ前記不良ノズルにより記録すべき第一ラスターにドットを形成する代替ノズル、及び、前記第一ラスターに隣接する第二ラスターにドットを形成する近傍形成ノズルが含まれ、
前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部と、
前記第一ノズル列と前記第二ノズル列との前記並び方向における位置関係の誤差の量に基づいて、前記複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する選択部と、を備え、
前記複数の補完部は、
前記近傍形成ノズルを使用せず前記代替ノズルにより前記補完ドットを前記第一ラスターに形成する代替ノズル補完部と、
前記補完ドットを、前記代替ノズルにより前記第一ラスターに形成し、且つ、前記近傍形成ノズルにより前記第二ラスターに形成する併用補完部と、を含む、態様を有する。
さらに、前記複数の補完部は、前記代替ノズル補完部の代わりに、前記代替ノズルを使用せず前記近傍形成ノズルにより前記補完ドットを前記第二ラスターに形成する近傍補完部を含んでもよい。
上述した態様は、ドットの形成が不良である不良ノズルにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な記録装置を提供することができる。
さらに、本発明は、記録装置を含む複合装置、上述した各部に対応した工程を含む記録方法、この記録方法を含む複合装置用の処理方法、上述した各部に対応した機能をコンピューターに実現させる記録プログラム、この記録プログラムを含む複合装置用の処理プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
シリアルプリンターにおいてオーバーラップ部202の端部に不良ノズルLNがある場合に補完処理を切り換える概念を模式的に例示する図。 ノズル64と画素PXの対応関係の例を模式的に示す図。 記録装置1としてシリアルプリンターの構成例を模式的に示す図。 オーバーラップ記録の動作例を模式的に示す図。 オーバーラップ部202の内側に不良ノズルLNがある場合に補完処理を切り換える概念を模式的に例示する図。 (a)は記録装置1の要部を模式的に例示する図、(b)は振動板630の残留振動に基づく起電力曲線VRを模式的に例示する図。 (a)は不良ノズル検出ユニット48の電気回路例を示す図、(b)は増幅部701からの出力信号の例を模式的に示す図。 被記録物400の領域毎に誤差量を設定する例を模式的に示す図。 印刷処理の例を示すフローチャート。 補完処理の例を示すフローチャート。 別の補完処理の例を示すフローチャート。 別の補完処理の例を示すフローチャート。 ラインプリンターにおいてオーバーラップ部212の端部に不良ノズルLNがある場合に補完処理を切り換える概念を模式的に例示する図。 ノズル64と画素PXの対応関係の例を模式的に示す図。 記録装置1としてラインプリンターの構成例を模式的に示す図。 記録装置1としてラインプリンターの要部を模式的に例示する図。 オーバーラップ部202の内側に不良ノズルLNがある場合に補完処理を切り換える概念を模式的に例示する図。 印刷処理の例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、図1〜18を参照して本技術の概要を説明する。
図1〜11に例示する第一の技術の記録装置1は、所定の並び方向D1へ並んだ複数のノズル64と被記録物400とが前記並び方向D1とは異なる相対移動方向D2へ相対移動し、前記相対移動方向D2へ向いたラスターのドットDTを複数回の走査により形成するオーバーラップ記録を行う。前記複数のノズル64には、ドットの形成が不良である不良ノズルLN、該不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に他の走査でドットを形成する代替ノズルRN0、及び、前記第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2にドットを形成する近傍形成ノズルRN10が含まれる。本記録装置1は、前記不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部U1と、該複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択する選択部U2と、を備える。前記複数の補完部U1は、前記近傍形成ノズルRN10を使用せず前記代替ノズルRN0により前記補完ドットを前記第一ラスターRA1に形成する代替ノズル補完部U1aと、前記補完ドットを、前記代替ノズルRN0により前記第一ラスターRA1に形成し、且つ、前記近傍形成ノズルRN10により前記第二ラスターRA2に形成する併用補完部U1cと、を含む。図1では、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成され、第二ラスターRA2に補完ドットDT1が形成されていることが示されている。
以上より、代替ノズル補完部U1aによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には、代替ノズル補完部U1aを選択することにより、補完ドット(DT0b)は、近傍形成ノズルRN10によっては形成されず代替ノズルRN0によって第一ラスターRA1に形成される。これにより、補完し過ぎるという過補完が抑制される。また、代替ノズル補完部U1aによるドット補完が不足するという補完不足が生じる場合には、併用補完部U1cを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成され、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2にも形成される。従って、本態様は、ドットの形成が不良である不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能な記録装置1を提供することができる。
ここで、複数のノズルと被記録物とが相対移動することには、被記録物が移動しないで複数のノズルが移動すること、複数のノズルが移動しないで被記録物が移動すること、及び、複数のノズルと被記録物の両方が移動することが含まれる。液滴を吐出してドットを形成するときに被記録物が移動しないで複数のノズルが移動する記録装置の代表例には、シリアルプリンターを挙げることができる。液滴を吐出してドットを形成するときに複数のノズルが移動しないで被記録物が移動する記録装置の代表例には、ラインプリンターが挙げられる。ノズルは、液滴(インク滴)が噴射する小孔のことである。液滴の吐出が不良であることは、ノズルが塞がれる現象である目詰まり(clogging)を含む。本技術において、ラスターは、相対移動方向へ線状に連続した画素の並びを意味する。画素は、色を独立に割り当てることができる、画像を構成する最小要素である。ドットは、被記録物上に液滴によって形成された記録結果の最小単位のことである。
ところで、前記複数の補完部U1は、前記代替ノズルRN0を使用せず前記近傍形成ノズルRN10により前記補完ドットを前記第二ラスターRA2に形成する近傍補完部U1bをさらに含んでもよい。図1では、第二ラスターRA2に補完ドットDT1,DT2が形成されていることが示されている。この場合、近傍補完部U1bによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には、近傍補完部U1bを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0によっては形成されず近傍形成ノズルRN10によって第二ラスターRA2に形成される。これにより、補完し過ぎるという過補完が抑制されるうえ、近傍補完部U1bによるドット補完の方が不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には近傍補完部U1bを選択することにより過補完がより適切に抑制される。従って、本態様は、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する効果をさらに向上させることが可能な記録装置1を提供することができる。
前記複数のノズル64と前記被記録物400とは、走査間に前記相対移動方向D2と交差する搬送方向D3へ相対移動してもよい。前記選択部U2は、前記搬送方向D3への前記被記録物400の相対移動に生じる誤差の量δに基づいて前記複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択してもよい。本態様は、誤差の量δに応じて補完部U1が選択されることによりドット補完の程度が変わる。代替ノズル補完部U1aによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完して上記誤差による筋800を十分に抑制することができる場合には、代替ノズル補完部U1aを選択することにより、補完ドットは、近傍形成ノズルRN10によっては形成されず代替ノズルRN0によって第一ラスターRA1に形成される。これにより、過補完が抑制される。また、上記誤差により代替ノズル補完部U1aによるドット補完が不足する場合には、併用補完部U1cを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成され、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2にも形成される。従って、本態様は、不良ノズルLNにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な記録装置1を提供することができる。
図10,11に例示するように、前記選択部U2は、前記誤差の量δが所定の許容範囲外である場合に前記併用補完部U1cを選択し、前記誤差の量δが前記許容範囲内である場合に前記複数の補完部U1のうち前記併用補完部U1cを除いた補完部U1を選択してもよい。誤差の量δが許容範囲外と大きい場合、相対移動方向D2に沿った筋800が目立ち易い。この場合、併用補完部U1cが選択されることにより、補完ドットは、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成され、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2にも形成される。誤差の量δが許容範囲内と小さい場合、併用補完部U1c以外の補完部U1が選択されることにより、補完ドットは、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成されるか、又は、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成される。これにより、過補完が抑制される。従って、本態様は、不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することが可能な記録装置1を提供することができる。
ところで、図12に例示する第二の技術の記録装置1も、複数の補完部U1、及び、選択部U2を備える。前記複数の補完部U1は、前記代替ノズルRN0を使用せず前記近傍形成ノズルRN10により前記補完ドットを前記第二ラスターRA2に形成する近傍補完部U1bと、前記補完ドットを、前記近傍形成ノズルRN10により前記第二ラスターRA2に形成し、且つ、前記代替ノズルRN0により前記第一ラスターRA1に形成する併用補完部U1cと、を含む。
以上より、近傍補完部U1bによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には、近傍補完部U1bを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0によっては形成されず近傍形成ノズルRN10によって第二ラスターRA2に形成される。これにより、補完し過ぎるという過補完が抑制される。また、近傍補完部U1bによるドット補完が不足するという補完不足が生じる場合には、併用補完部U1cを選択することにより、補完ドットは、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成され、且つ、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1にも形成される。従って、本態様は、ドットの形成が不良である不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能な記録装置1を提供することができる。
前記選択部U2は、前記搬送方向D3への前記被記録物400の相対移動に生じる誤差の量δに基づいて前記複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択してもよい。また、前記選択部U2は、前記誤差の量δが所定の許容範囲外である場合に前記併用補完部U1cを選択し、前記誤差の量δが前記許容範囲内である場合に前記複数の補完部U1のうち前記併用補完部U1cを除いた補完部U1を選択してもよい。本態様も、上述した作用及び効果が得られる。
ところで、第三の技術の記録装置1は、相対移動方向D2とは異なる並び方向D1へ複数のノズル64が並んだノズル列68を複数有し、該複数のノズル列68に含まれる第一ノズル列68a及び第二ノズル列68b(図14参照。)のノズル64が前記並び方向D1において一部オーバーラップし、前記複数のノズル列68と被記録物400とが前記相対移動方向D2へ相対移動し、前記相対移動方向D2へ向いたラスターのドットDTを形成する。尚、第三の技術は、図13〜18に例示している。複数のノズル列と被記録物とが相対移動することには、複数のノズル列が移動しないで被記録物が移動すること、被記録物が移動しないで複数のノズル列が移動すること、及び、複数のノズル列と被記録物の両方が移動することが含まれる。液滴を吐出してドットを形成するときに複数のノズル列が移動しないで被記録物が移動する記録装置の代表例には、ノズル列の一部をオーバーラップさせた複数のヘッドを備えたラインプリンターが挙げられる。液滴を吐出してドットを形成するときに被記録物が移動しないで複数のノズル列が移動する記録装置の代表例には、ノズル列の一部をオーバーラップさせた複数のヘッドをキャリッジに搭載したマルチヘッドタイプのシリアルプリンターが挙げられる。前記複数のノズル64には、前記第一ノズル列68aに含まれドットの形成が不良である不良ノズルLN、前記第二ノズル列68bに含まれ前記不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1にドットを形成する代替ノズルRN0、及び、前記第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2にドットを形成する近傍形成ノズルRN10が含まれる。本記録装置1は、前記不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部U1と、前記第一ノズル列68aと前記第二ノズル列68bとの前記並び方向D1における位置関係の誤差の量δに基づいて、前記複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択する選択部U2と、を備える。前記複数の補完部U1は、前記近傍形成ノズルRN10を使用せず前記代替ノズルRN0により前記補完ドットを前記第一ラスターRA1に形成する代替ノズル補完部U1aと、前記補完ドットを、前記代替ノズルRN0により前記第一ラスターRA1に形成し、且つ、前記近傍形成ノズルRN10により前記第二ラスターRA2に形成する併用補完部U1cと、を含む。図13では、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成され、第二ラスターRA2に補完ドットDT1が形成されていることが示されている。
以上より、誤差の量δに応じて補完部U1が選択されることによりドット補完の程度が変わる。代替ノズル補完部U1aによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完して上記誤差による筋800を十分に抑制することができる場合には、代替ノズル補完部U1aを選択することにより、補完ドットは、近傍形成ノズルRN10によっては形成されず代替ノズルRN0によって第一ラスターRA1に形成される。これにより、過補完が抑制される。また、上記誤差により代替ノズル補完部U1aによるドット補完が不足する場合には、併用補完部U1cを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成され、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2にも形成される。従って、本態様は、不良ノズルLNにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な記録装置1を提供することができる。
ところで、前記複数の補完部U1は、前記代替ノズルRN0を使用せず前記近傍形成ノズルRN10により前記補完ドットを前記第二ラスターRA2に形成する近傍補完部U1bをさらに含んでもよい。図13では、第二ラスターRA2に補完ドットDT1,DT2が形成されていることが示されている。この場合、近傍補完部U1bによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完して誤差による筋800を十分に抑制することができる場合には、近傍補完部U1bを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0によっては形成されず近傍形成ノズルRN10によって第二ラスターRA2に形成される。これにより、過補完が抑制されるうえ、近傍補完部U1bによるドット補完の方が不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には近傍補完部U1bを選択することにより過補完がより適切に抑制される。従って、本態様は、不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することが可能な記録装置1を提供することができる。
前記選択部U2は、前記誤差の量δが所定の許容範囲外である場合に前記併用補完部U1cを選択し、前記誤差の量δが前記許容範囲内である場合に前記複数の補完部U1のうち前記併用補完部U1cを除いた補完部U1を選択してもよい。本態様は、上述した作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
ところで、第四の技術の記録装置1も、複数の補完部U1、及び、選択部U2を備える。前記複数の補完部U1は、前記代替ノズルRN0を使用せず前記近傍形成ノズルRN10により前記補完ドットを前記第二ラスターRA2に形成する近傍補完部U1bと、前記補完ドットを、前記近傍形成ノズルRN10により前記第二ラスターRA2に形成し、且つ、前記代替ノズルRN0により前記第一ラスターRA1に形成する併用補完部U1cと、を含む。
以上より、誤差の量δに応じて補完部U1が選択されることによりドット補完の程度が変わる。代替ノズル補完部U1aによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完して上記誤差による筋800を十分に抑制することができる場合には、近傍補完部U1bを選択することにより、補完ドットは、代替ノズルRN0によっては形成されず近傍形成ノズルRN10によって第二ラスターRA2に形成される。これにより、過補完が抑制される。また、上記誤差により近傍補完部U1bによるドット補完が不足する場合には、併用補完部U1cを選択することにより、補完ドットは、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成され、且つ、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1にも形成される。従って、本態様は、不良ノズルLNにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な記録装置1を提供することができる。
前記選択部U2は、前記誤差の量δが所定の許容範囲外である場合に前記併用補完部U1cを選択し、前記誤差の量δが前記許容範囲内である場合に前記複数の補完部U1のうち前記併用補完部U1cを除いた補完部U1を選択してもよい。本態様も、上述した作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
(2)第一及び第二の技術の具体例:
図1,5は、部分オーバーラップ印刷(部分オーバーラップ記録)を行うシリアルプリンターを例に、オーバーラップ部202に不良ノズルLNがある場合に補完処理を切り換える概念を模式的に示している。図2は、ノズル64と画素PXの対応関係の例を模式的に示している。図3は、記録装置1としてシリアルプリンターの構成例を模式的に示している。図4は、オーバーラップ印刷の動作例を模式的に示している。本明細書において、符号D1はノズル64の並び方向、符号D2はノズル64からインク滴を吐出するときにおけるヘッド61の相対移動方向、符号D3は被印刷物といった被記録物400の搬送方向、を示している。本具体例において、相対移動方向D2は主走査方向とも呼ばれ、搬送方向D3は副走査方向とも呼ばれる。図1等の例では並び方向D1と搬送方向D3が一致しているが、並び方向D1と搬送方向D3とは略45°ずれる等、ずれていてもよい。これらの方向D1,D3と相対移動方向D2は、異なる方向であればよく、互いに直交するのみならず、略45°で交差する等、直交しないで斜めに交差する場合も本発明に含まれる。むろん、二方向が交差することは、直交することを含めて二方向がずれていることを意味する。分かり易く示すため、各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。また、図1等に示すドットはあくまでも説明のため模式的に示されたものであり、実際に形成されるドットの大きさや形状等はこれらの図の通りになるとは限らない。図1〜6等に示すヘッド61もあくまでも説明のため模式的に示されたものであり、実際の大きさや形状等はこれらの図の通りになるとは限らない。さらに、図2等では画素のピッチが搬送方向D3と相対移動方向D2とでほぼ同じとされているが、搬送方向D3と相対移動方向D2とで画素のピッチが異なっていてもよい。
尚、被印刷物(print substrate)は、印刷画像を保持する素材のことである。形状は長方形のものが一般的であるが、円形(例えばCD−ROM、DVD等の光ディスク)、三角形、四角形、多角形などがあり、少なくとも、JIS(日本工業規格)P0001:1998(紙・板紙及びパルプ用語)に記載の紙・板紙の品種及び加工製品の全てを含む。樹脂シート、金属板、立体物、等も被印刷物に含まれる。
記録装置1は、実際には形成されないドット補完前の仮想の画像320を表す元データ300に基づいて不良ノズルLNにより形成されるべきドットを補完した印刷画像330を表す記録データ310を生成する。補完前後の画像320,330は、相対移動方向D2及び搬送方向D3へそれぞれ整然と並んだ画素PXのそれぞれについてドットDTの形成状況(有無を含む。)を表す多値又は二値の画像である。印刷画像330は、被記録物400に対して実際に形成される画像である。
まず、図4を参照して、部分オーバーラップ印刷を行うシリアルプリンターの動作を説明する。図4に示すように、ノズル列68の並び方向D1における長さをL0、相対移動方向D2と交差する搬送方向D3へ間欠的に搬送される被記録物400の1回の搬送距離をL3とするとき、オーバーラップ印刷においてはL3<L0であり、部分オーバーラップ印刷においては(L0/2)<L3<L0である。図4の例では、被記録物400の搬送が停止しているときにパスP1においてヘッド61が相対移動方向D2へ移動してインク滴(液滴)67によるドットDTが形成されると、被記録物400が距離L3搬送され、被記録物400の搬送が停止しているときに次のパスP2においてヘッド61が相対移動方向D2へ移動してインク滴67によるドットDTが形成されている。ここで、1回の走査を「パス」と呼んでいる。双方向(Bi−d)印刷ではパスP1,P2においてインク滴を吐出するときのヘッド61の移動方向が互いに異なり、単方向(Uni−d)印刷ではパスP1,P2においてインク滴を吐出するときのヘッド61の移動方向が同じである。以後のパスP3等でも、同様の動作が行われる。
以上の動作により、隣接するパス同士のノズル64には、並び方向D1における位置がオーバーラップしたオーバーラップ部202(図中はOL部と記載。)と、並び方向D1における位置がオーバーラップしていない単独部201とがある。被記録物400に形成される画像330には、2回の走査でドットDTが形成されるオーバーラップ領域352(図中はOL領域と記載。)と、1回の走査でドットDTが形成される単独領域351とが生じる。ここで、パスP1のオーバーラップ部202のノズルを丸1及び丸3で表し、パスP1の単独部201のノズルを丸2で表し、パスP2のオーバーラップ部202のノズルを丸4及び丸6で表し、パスP2の単独部201のノズルを丸5で表し、パスP3のオーバーラップ部202のノズルを丸7及び丸9で表し、パスP3の単独部201のノズルを丸8で表し、各丸付き数字のノズルに対応するドットを同じ丸付き数字で表すことにする。例えば、パスP1の単独領域351は、丸2のノズルによりドットが形成される。パスP1,P2のオーバーラップ領域352は、丸3及び丸4のノズルによりドットが形成される。また、オーバーラップ部202及びオーバーラップ領域352の端部の丸付き数字には、太字で示している。
尚、オーバーラップ部202及びオーバーラップ領域352の並び方向D1における長さをL2、単独部201及び単独領域351の並び方向D1における長さをL1とするとき、L1+L2=L3である。
図2に示すように、オーバーラップ部202に不良ノズルLNがある場合、不良ノズルLNによりドットを形成すべき第一ラスターRA1に他のパス(代替パス)でドットDT0を形成可能な代替ノズルRN0が存在する。代替ノズルが一つしか存在しない場合、この代替ノズルは不良ノズルの対ノズルということもできる。代替ノズルは複数存在してもよいし、代替パスも複数存在してもよい。被記録物400の搬送に誤差が生じていない場合、代替ノズルRN0により補完ドットを形成可能である。この代替ノズルRN0により補完ドットを形成するドット補完を「代替ノズル補完」と呼ぶことにする。
次に、ノズル64と画素PXの対応関係の例を説明する。図3に示す記録ヘッド61は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、及び、K(ブラック)のノズル64を有している。ヘッド61は、CMYKの色別に設けられてもよい。相対移動方向D2におけるノズル列の色の順番は、限定されない。図2等には、CMYKのうち1色分のヘッド61を示している。ヘッド61の各色のノズル列68は、インク滴67を吐出(噴射)するノズルが複数、所定の並び方向D1へ並んでいる。
尚、ノズルが千鳥状に配置されたノズル列であっても、複数のノズルが相対移動方向とは異なる所定の並び方向へ例えば2列に並んでおり、本技術に含まれる。この場合の並び方向は、千鳥状配置における各列のノズルの並びの方向を意味する。
図2等に示すヘッド61は、印刷画像330に合わせるため、ノズル64を有するノズル面とは反対側から模式的に示している。ノズル列68には、目詰まり等によりインク滴が吐出しなかったり吐出インク滴が正しい軌跡を描かなかったりする不良ノズルLNが生じることがある。不良ノズルLNがあると、ドットDTが形成されないドット欠落画素PXLが相対移動方向D2へ繋がった「ドット抜け」領域(第一ラスターRA1)が被記録物400に形成される。すなわち、形成される画像330を構成する複数の画素PXには、複数のノズル64に含まれる不良ノズルLNによる相対移動方向D2へ連続したドット欠落画素PXLが含まれる。第一ラスターRA1にドットが形成されないことにより、印刷画像330に被記録物400の地色の筋800(図1の画像339を参照。)が相対移動方向D2に沿って生じてしまう。被記録物400が白色であれば、白筋が生じることになる。
本技術では、オーバーラップ部202において不良ノズルLNが存在するパスを「注目パス」と呼び、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に他のパスでドットを形成可能なパスを「代替パス」と呼び、前記第一ラスターRA1に代替パスでドットを形成するノズルを代替ノズルRN0と呼び、並び方向D1において第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2にドットを形成するノズルを一次近傍形成ノズルRN1,RN2と呼び、第二ラスターRA2から第一ラスターRA1とは反対側において第二ラスターRA2に隣接する第三ラスターRA3にドットを形成するノズルを二次近傍形成ノズルRN3,RN4と呼び、搬送方向D3においてドット欠落画素PXLの両隣にある近傍画素を隣接画素PX1,PX2と呼び、これら隣接画素PX1,PX2からドット欠落画素PXLとは反対側において隣接画素PX1,PX2に隣接する近傍画素をそれぞれ二次隣接画素PX3,PX4と呼ぶことにしている。ここで、第二ラスターRA2にドットを形成するノズルRN1,RN2を近傍形成ノズルRN10と総称する。前記第一ラスターRA1は相対移動方向D2へ連続した画素PXLの領域であり、前記第二ラスターRA2は相対移動方向D2へ連続した隣接画素PX1,PX2の領域であり、前記第三ラスターRA3は相対移動方向D2へ連続した二次隣接画素PX3,PX4の領域である。ノズルRN0,RN1,RN2,RN3,RN4から吐出されるインク滴67によりそれぞれ画素PXL,PX1,PX2,PX3,PX4にドットDT0,DT1,DT2,DT3,DT4が形成されるものとする。
本技術は、図1に例示するように、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する方法を切り換えるものである。図1に示す「代替ノズル補完」は、上述したように代替ノズルRN0により補完ドットを形成するドット補完である。「近傍補完」は、近傍形成ノズルRN10により補完ドットを形成するドット補完である。「併用補完」は、「代替ノズル補完」と「近傍補完」を併用するドット補完である。
図3に示す記録装置1は、コントローラー10、RAM(Random Access Memory)20、不揮発性メモリー30、不良ノズル検出ユニット48、機構部50、インターフェイス(I/F)71,72、操作パネル73、等を備える。コントローラー10、RAM20、不揮発性メモリー30、I/F71,72、及び、操作パネル73は、バス80に接続され、互いに情報を入出力可能とされている。
コントローラー10は、CPU(Central Processing Unit)11、解像度変換部41、色変換部42、ハーフトーン処理部43、複数の補完部U1、ラスタライズ処理部45、駆動信号送信部46、等を備える。コントローラー10は、不良ノズル検出ユニット48とともに不良ノズル検出部U3を構成する。コントローラー10は、SoC(System on a Chip)等により構成することができる。
CPU11は、記録装置1における情報処理や制御を中心的に行う装置である。
解像度変換部41は、ホスト装置100やメモリーカード90等からの入力画像の解像度を設定解像度(例えば、搬送方向D3を600dpi、相対移動方向D2を1200dpi)に変換する。入力画像は、例えば、各画素にRGB(赤、緑、青)の256階調の整数値を有するRGBデータで表現される。
色変換部42は、例えば、設定解像度のRGBデータを各画素にCMYKの256階調の整数値を有するCMYKデータに変換する。
ハーフトーン処理部43は、CMYKデータを構成する各画素の階調値に対して例えばディザ法や誤差拡散法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行って前記階調値の階調数を減らし、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する前のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況を表すデータであり、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、大中小の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。各画素について1ビットで表現可能な2値データは、例えば、ドット形成に1、ドット無しに0、を対応させるデータとすることができる。各画素について2ビットで表現可能な4値データとしては、例えば、大ドット形成に3、中ドット形成に2、小ドット形成に1、ドット無しに0、を対応させるデータとすることができる。大ドットを補完ドット専用にする場合、ハーフトーンデータは大ドットが形成されない多値データでもよい。
ラスタライズ処理部45は、ハーフトーンデータを機構部50でドットが形成される順番に並べ換えるラスタライズ処理を行ってラスタデータ(パス単位のイメージデータ)を生成する。ラスタデータも、ドットの形成状況を表すデータであり、2値データでもよいし、3階調以上の多値データでもよい。
オーバーラップ部202において各画素にどのパスのノズルを使用するかは、例えば、オーバーラップ部202の各パスについて設けたマスクパターンとハーフトーンデータとの論理積をとることにより決定することができる。前記マスクパターンは、例えば、各画素について、ハーフトーンデータを残す部分に「1」を格納し、ハーフトーンデータを消す部分に「0」を格納したデータとすることができる。
図3に示すラスタライズ処理部45は、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部U1、及び、該複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択する選択部U2を備えている。補完部U1によるドット補完は、ラスタライズ処理の前に行ってもよいし、ラスタライズ処理の後で行ってもよいし、ラスタライズ処理と同時に行ってもよい。ラスタライズ処理前にドット補完を行う場合、ハーフトーンデータがドット補完前の元データ300となり、ドット補完後のハーフトーンデータが記録データ310となる。ラスタライズ処理後にドット補完を行う場合、ラスタデータがドット補完前の元データ300となり、ドット補完後のラスタデータが記録データ310となる。ラスタライズ処理と同時にドット補完を行う場合、ハーフトーンデータがドット補完前の元データ300となり、ラスタデータが記録データ310となる。尚、ドット補完の際には、上記マスクパターンを変更することにより記録データ310を生成してもよい。
複数の補完部U1は、代替ノズル補完部U1a、近傍補完部U1b、併用補完部U1c、を含む。代替ノズル補完部U1aは、近傍形成ノズルRN10を使用せず代替ノズルRN0により補完ドットを第一ラスターRA1に形成する。図1に示す例では、本来、代替ノズルRN0が第一ラスターRA1にドットDT0aを形成し、不良ノズルLNが第一ラスターRA1にドットDT0bを形成すべきところ、後者のドットDT0bを代替ノズルRN0で形成することが示されている。近傍補完部U1bは、代替ノズルRN0を使用せず近傍形成ノズルRN10により補完ドットを第二ラスターRA2に形成する。図1に示す例では、本来、第一ラスターRA1の両側の第二ラスターRA2に近傍形成ノズルRN10が中ドットを形成すべきところ、中ドットよりも大きい大ドットを補完ドットDT1,DT2として形成することが示されている。尚、補完ドットには、補完前にはドットが形成されない画素に対して新たに形成するドットと、補完前にドットが形成される画素に対してより大きくして形成するドットと、のいずれも含まれる。併用補完部U1cは、補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する。
図3に示す選択部U2は、上述した補完部U1a,U1b,U1cの中からいずれか一つの補完部を選択し、元データ300に基づいてドットが補完される記録データ310を生成する補完処理を補完部U1に実行させる。むろん、記録データ310も、ドットの形成状況を表すデータであり、2値データでもよいし、3階調以上の多値データでもよい。選択部U2は、例えば、被記録物400の送り誤差(搬送方向D3への被記録物400の移動に生じる誤差)の量δに基づいて選択することができる。この誤差量δは、誤差の無い状態を基準とした0以上の数とし、搬送方向上流側への誤差が大きくなる場合も搬送方向下流側への誤差が大きくなる場合も誤差量δが大きくなるものとする。
オーバーラップ部202の端部に不良ノズルLNがある図1の例においては、誤差量δが閾値TH1以下と小さい場合、代替ノズル補完部U1aが選択され、代替ノズルRN0で第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成される印刷画像331が示されている。ここで、誤差量δが閾値TH1を超える場合に代替ノズル補完のみが行われると、第二ラスターRA2の一方のドット形成位置と第一ラスターRA1のドット形成位置とが離れることにより、印刷画像339に相対移動方向D2に沿った筋800が生じる。そこで、誤差量δが閾値TH1を超える場合に近傍補完部U1bを選択して近傍補完を行い、近傍形成ノズルRN10で第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成することにより、印刷画像332に筋800が目立たなくなる。ただ、誤差量δがさらに大きい閾値TH2を超える場合に近傍補完のみが行われると、再び筋800が目立ってくる。そこで、誤差量δが閾値TH2を超える場合に併用補完部U1cを選択して近傍補完と代替ノズル補完の両方を行い、第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1)を形成し、且つ、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bを形成することにより、印刷画像333に筋800が目立たなくなる。尚、図1に示す画像333では図2に示す隣接画素PX2への補完ドットDT2が形成されていないが、補完ドットDT2も形成されてよい。
オーバーラップ部202の内側に不良ノズルLNがある図5の例においては、括弧内に示すように、オーバーラップ領域352について、各パスのドット数比を1:1としないラスターを設けている。図5ではパスP1,P2のオーバーラップ領域352を例示しているが、パスP2,P3以降のオーバーラップ領域352についても同様の割合で各パスのドットが形成される。図5の例でも、誤差量δが閾値TH1以下と小さい場合、代替ノズル補完部U1aが選択され、代替ノズルRN0で第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成される印刷画像331が示されている。誤差量δが閾値TH1を超える場合に代替ノズル補完のみが行われると、第二ラスターRA2の一方のドット形成位置と第一ラスターRA1のドット形成位置とが離れることにより、印刷画像339に相対移動方向D2に沿った筋800が生じる。そこで、誤差量δが閾値TH1を超える場合に近傍補完部U1bを選択して近傍補完を行い、近傍形成ノズルRN10で第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成することにより、印刷画像332に筋800が目立たなくなる。ただ、誤差量δがさらに大きい閾値TH2を超える場合に近傍補完のみが行われると、再び筋800が目立ってくる。そこで、誤差量δが閾値TH2を超える場合に併用補完部U1cを選択して近傍補完と代替ノズル補完の両方を行い、第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成し、且つ、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bを形成することにより、印刷画像333に筋800が目立たなくなる。
誤差量δは、図8に例示するように、被記録物400の領域毎に誤差量δを設定してもよい。被記録物400を搬送方向D3へ搬送するとき、まず、ヘッド61から搬送方向上流側にある給紙ローラー53aに挟持され、次にヘッド61から搬送方向下流側にある排紙ローラー53bに挟持され、その後、給紙ローラー53aの挟持から解放され、最後に排紙ローラー53bの挟持から解放されることがある。給紙ローラー53aのみに挟持されて搬送されるときの被記録物400の搬送速度と、排紙ローラー53bのみに挟持されて搬送されるときの被記録物400の搬送速度とは、若干異なることがある。この場合、搬送方向D3における被記録物400の位置に応じて誤差量が変わることがある。そこで、被記録物上の領域を搬送方向D3において複数の領域401〜405に分割し、各領域401〜405について被記録物400の送り誤差の量を平均して領域別誤差量δ1〜δ5を求めると、各領域別誤差量δ1〜δ5に基づいていずれかの補完部U1を選択することができる。これにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することができる。
尚、誤差量δに基づいていずれかの補完部U1を選択する具体的な処理については、図10〜12を参照して後述する。
駆動信号送信部46は、ヘッド61の駆動素子63に印加する電圧信号に対応した駆動信号SGをラスタデータから生成して駆動回路62へ出力する。例えば、記録データ310が「大ドット形成」であれば大ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力し、記録データ310が「中ドット形成」であれば中ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力し、記録データ310が「小ドット形成」であれば小ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力する。
上記各部41〜43,45,46は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されてもよく、RAM20から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM20に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。
コントローラー10に制御される機構部50は、キャリッジモーター51、紙送り機構53、キャリッジ60、ヘッド61、等を備える。キャリッジモーター51は、図示しない複数の歯車及びベルト52を介してキャリッジ60を相対移動方向D2へ往復移動させる。紙送り機構53は、被記録物400を搬送方向D3へ搬送する。キャリッジ60には、例えばCMYKのインク滴67を吐出するヘッド61が搭載されている。ヘッド61は、駆動回路62、駆動素子63、等を備える。駆動回路62は、コントローラー10から入力される駆動信号SGに従って駆動素子63に電圧信号を印加する。駆動素子63には、ノズル64に連通する圧力室内のインク(液体)66に圧力を加える圧電素子、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズル64からインク滴67を吐出させる駆動素子、等を用いることができる。ヘッド61の圧力室には、インクカートリッジ(液体カートリッジ)65からインク66が供給される。インクカートリッジ65とヘッド61の組合せは、例えば、CMYKのそれぞれに設けられる。圧力室内のインク66は、駆動素子63によってノズル64から被記録物400に向かってインク滴67として吐出され、印刷用紙等といった被記録物400にインク滴67のドットDTが形成される。ヘッド61が相対移動方向D2へ移動することにより、すなわち、複数のノズル64と被記録物400とが相対移動方向へ相対移動することにより、記録データ310に対応した印刷画像330が複数のドットDTにより形成される。多値データが4値データであれば、多値データで表されるドットサイズに応じたドットの形成により画像330が印刷される。
RAM20は、大容量で揮発性の半導体メモリーであり、プログラムPRG2、元データ300、記録データ310、等が格納される。プログラムPRG2は、記録装置1の各部U1〜U3に対応する補完機能、選択機能、及び、不良ノズル検出機能を記録装置1に実現させる記録プログラムを含む。
不揮発性メモリー30には、プログラムデータPRG1、オーバーラップ印刷時に間欠的に搬送される被記録物400の1回の搬送に生じる誤差の量δに対応する情報、等が記憶されている。例えば、記録装置の製造工場の作業員が誤差量δを測定して不揮発性メモリー30に記憶させる作業を行う。むろん、記録装置のユーザーが誤差量δを測定して不揮発性メモリー30に記憶させる作業を行ってもよい。不揮発性メモリー30には、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクといった磁気記録媒体、等が用いられる。尚、プログラムデータPRG1を展開するとは、CPU11で解釈可能なプログラムとしてRAM20に書き込むことを意味する。
カードI/F71は、メモリーカード90にデータを書き込んだりメモリーカード90からデータを読み出したりする回路である。メモリーカード90は、データの書き込み及び消去が可能な不揮発性半導体メモリーであり、デジタルカメラといった撮影装置により撮影された画像等が記憶される。画像は、例えばRGB色空間の画素値で表され、RGBの各画素値は、例えば0〜255の8ビットの階調値で表される。
通信I/F72は、ホスト装置100の通信I/F172に接続され、ホスト装置100に対して情報を入出力する。通信I/F72,172には、USB(Universal Serial Bus)等を用いることができる。ホスト装置100には、パーソナルコンピューターといったコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンといった携帯電話、等が含まれる。
操作パネル73は、出力部74、入力部75、等を有し、ユーザーが記録装置1に対して各種の指示を入力可能である。出力部74は、例えば、各種の指示に応じた情報や記録装置1の状態を示す情報を表示する液晶パネル(表示部)で構成される。出力部74は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部75は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作キー(操作入力部)で構成される。入力部75は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。
不良ノズル検出ユニット48は、コントローラー10とともに各ノズル64の状態が正常であるか不良であるかを検出する不良ノズル検出部U3を構成する。
図6(a),(b)はノズル64の状態を検出する方法例を説明するための図であり、図6(a)は記録装置1の要部を模式的に示し、図6(b)は振動板630の残留振動に基づく起電力曲線VRを模式的に示している。図7(a)は検出ユニット48の電気回路例を示し、図7(b)はコンパレーター701bからの出力信号の例を模式的に示している。
図6(a)に示すヘッド61の流路基板610には、圧力室611、インクカートリッジ65から圧力室611へとインク66が流れるインク供給路612、圧力室611からノズル64へとインク66が流れるノズル連通路613、等が形成されている。流路基板610には、例えばシリコン基板等を用いることができる。流路基板610の表面は、圧力室611の壁面の一部を構成する振動板部634とされている。振動板部634は、例えば酸化シリコン等で構成することができる。振動板630は、例えば、振動板部634、この振動板部634上に形成された駆動素子63、等で構成することができる。駆動素子63は、例えば、振動板部634上に形成された下電極631、概ね下電極631上に形成された圧電体層632、概ね圧電体層632上に形成された上電極633、を有する圧電素子等とすることができる。電極631,633は、例えば白金や金等を用いることができる。圧電体層632は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛、化学量論比でPb(Zrx,Ti1-x)O3)といった強誘電体のペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。
図6(a)は、振動板630の残留振動に基づく圧電素子(駆動素子63)からの起電力状態を検出する検出ユニット48を設けた記録装置1の要部をブロック図により示している。検出ユニット48の一端は下電極631に対して電気的に接続され、検出ユニット48の他端は上電極633に対して電気的に接続されている。
図6(b)は、ノズル64からインク滴67を吐出するための駆動信号SGの供給後に生じる振動板630の残留振動に基づく駆動素子63の起電力曲線(起電力状態)VRを例示している。ここで、横軸は時間t、縦軸は起電力Vfである。起電力曲線VRは、正常なノズル64からインク滴67を吐出した例を示している。目詰まり等によりノズルからインク滴67が吐出しなかったり吐出インク滴67が正しい軌跡を描かなかったりすると、起電力曲線がVRからずれる。そこで、図7(a)に示すような検出回路を用いてノズル64が正常であるか不良であるかを検出することができる。
図7(a)に示す検出ユニット48は、増幅部701及びパルス幅検出部702を備えている。増幅部701は、例えば、オペアンプ701a、コンパレーター701b、コンデンサC1,C2、抵抗R1〜R5、を備える。駆動回路62から出力される駆動信号SGが駆動素子63に印加されると、残留振動が生じ、残留振動に基づく起電力が増幅部701に入力される。この起電力に含まれる低周波成分はコンデンサC1と抵抗R1とで構成される高域通過フィルターによって除去され、低周波成分除去後の起電力がオペアンプ701aにより所定の増幅率で増幅される。オペアンプ701aの出力は、コンデンサC2と抵抗R4とで構成される高域通過フィルターを通過し、コンパレーター701bによって基準電圧Vrefと比較され、基準電圧Vrefより高いか否かによってハイレベルHかローレベルLかのパルス状電圧に変換される。
図7(b)は、コンパレーター701bから出力されパルス幅検出部702に入力されるパルス状電圧の例を示している。パルス幅検出部702は、入力されるパルス状電圧の立ち上がり時にカウント値をリセットし、所定期間毎にカウント値をインクリメントし、次のパルス状電圧の立ち上がり時にカウント値を検出結果としてコントローラー10へ出力する。カウント値は残留振動に基づく起電力の周期に対応し、順次出力されるカウント値は残留振動に基づく起電力の周波数特性を示す。ノズルが不良ノズルLNである場合の起電力の周波数特性(例えば周期)は、ノズルが正常である場合の起電力の周波数特性とは異なる。そこで、コントローラー10は、順次入力されるカウント値が許容範囲内であれば検出対象のノズルが正常であると判定することができ、順次入力されるカウント値が許容範囲外であれば検出対象のノズルが不良ノズルLNであると判定することができる。
上述した処理を各ノズル64について行うことにより、コントローラー10は、各ノズル64の状態を把握することができ、不良ノズルLNの位置を表す情報を例えばRAM20又は不揮発性メモリー30に格納することができる。
むろん、不良ノズルLNの検出は、上述した方法に限定されない。例えば、複数のノズル64から対象のノズルを順次切り替えながらインク滴67を吐出させ、被記録物400にドットが形成されないノズルを識別する情報(例えばノズル番号)の操作入力を受け付けることも、不良ノズルLNの検出に含まれる。また、製造工場から出荷する前に不良ノズルLNを識別する情報を例えば不揮発性メモリー30に記憶させると、記録装置1に不良ノズル検出部U3を設ける必要が無くなる。
図9は、記録装置1で行われる印刷処理の例をフローチャートにより示している。ホスト装置100やメモリーカード90等からの入力画像に基づいて印刷画像330を形成するステップS102〜S114の処理は、上述した各部41〜43,45,46,50が順に行う。以下、「ステップ」の記載を省略する。印刷処理は、電気回路により実現されてもよいし、プログラムにより実現されてもよい。
まず、ラスタライズ処理の後に補完処理を行う場合について、説明する。
印刷処理が開始されると、解像度変換部41は、入力画像を表すRGBデータ(例えば256階調)を設定解像度(例えば600×1200dpi)に変換する(S102)。色変換部42は、設定解像度のRGBデータを同じ設定解像度のCMYKデータ(例えば256階調)に色変換する(S104)。ハーフトーン処理部43は、CMYKデータに対してハーフトーン処理を行ってハーフトーンデータを生成する(S106)。ラスタライズ処理部45は、ハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理を行って機構部50でドットが形成される順番に並べ換え、CMYKそれぞれのラスタデータを生成する(S110)。その後、補完部U1及び選択部U2により補完処理が行われ、ドット補完前のラスタデータ(元データ300)からドットが補完されるラスタデータ(記録データ310)が生成される(S112)。駆動信号送信部46は、ラスタデータに対応した駆動信号SGを生成してヘッド61の駆動回路62に出力し、ラスタデータに合わせて駆動素子63を駆動させてヘッド61のノズル64からインク滴67を吐出させて印刷を実行する(S114)。これにより、被記録物400上にドットの形成状況で表現された多値(例えば4値)の印刷画像が形成され、印刷処理が終了する。
図10は、第一の技術においてS112で行われる補完処理の例をフローチャートにより示している。この補完処理が開始されると、選択部U2は、被記録物400の送り誤差の量δと閾値TH1,TH2(TH1<TH2)とを対比して処理を分岐させる(S202)。この処理では、誤差量δが第一の許容範囲内(例えばδ≦TH1)である場合に代替ノズル補完を選択し、誤差量δが第二の許容範囲外(例えばTH2<δ)である場合に併用補完を選択し、第一の許容範囲外且つ第二の許容範囲内(例えばTH1<δ≦TH2)である場合に近傍補完を選択してもよい。尚、第一の許容範囲内はδ<TH1でもよく、第二の許容範囲外はTH2≦δでもよく、第一の許容範囲外且つ第二の許容範囲内はTH1≦δ<TH2等でもよい。ここで、第二の許容範囲は、併用補完部U1cを選択するか否かを決める「所定の許容範囲」に相当する。
誤差量δが第一の許容範囲内である場合に選択される代替ノズル補完部U1aは、近傍形成ノズルRN10を使用せず代替ノズルRN0により補完ドットを第一ラスターRA1に形成する代替ノズル補完を行う(S204)。これにより、図1,5に示すように、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に対して代替ノズルRN0により補完ドットDT0bが形成される。形成されるドットDT0bは、不良ノズルLNにより形成されるべきドットと同じ大きさ(例えば中ドット)とされる。被記録物400の送り誤差が少ない場合、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
誤差量δが第一の許容範囲外且つ第二の許容範囲内である場合に選択される近傍補完部U1bは、代替ノズルRN0を使用せず近傍形成ノズルRN10により補完ドットを第二ラスターRA2に形成する近傍補完を行う(S206)。これにより、図1,5に示すように、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2に対して近傍形成ノズルRN10により補完ドットDT1,DT2が形成される。形成されるドットDT1,DT2は、ドット補完を行わない場合の隣接画素PX1,PX2(第二ラスターRA2。図2参照。)のドットよりも大きいドット(例えば大ドット)とされる。被記録物400の送り誤差がある程度大きくなると、代替ノズル補完だけでは筋800が目立ってくるが、第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2に補完ドットDT1,DT2が形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
尚、図2を参照して、近傍補完の例を説明する。近傍補完は、例えば、以下の規則に従って行うことができる。この規則における画素PXL,PX1〜PX4は、相対移動方向D2において同じ位置の画素を意味する。
(規則1).元データ300の画素PXL,PX1がともに「1」(小ドット形成)又は「2」(中ドット形成)である場合、隣接画素PX1のデータに1を加え、ドット欠落画素PXLを「0」(ドット無し)に変える。補完後の隣接画素PX1が「3」(大ドット形成)であり、元データ300の二次隣接画素PX3に「2」が格納されている場合、二次隣接画素PX3を「1」に変える。
(規則2).元データ300の画素PXL,PX2がともに「1」又は「2」である場合、隣接画素PX2のデータに1を加え、ドット欠落画素PXLを「0」に変える。補完後の隣接画素PX2が「3」であり、元データ300の二次隣接画素PX4に「2」が格納されている場合、二次隣接画素PX4を「1」に変える。
(規則3).元データ300において、ドット欠落画素PXLが「1」又は「2」であり、且つ、隣接画素PX1,PX2がともに「0」である場合、隣接画素PX1をドット欠落画素PXLのデータに変え、ドット欠落画素PXLを「0」に変える。
(規則4).元データ300のドット欠落画素PXLが「0」である場合、画素PXL,PX1〜PX4のデータを変えない。
例えば、元データ300において、ドット欠落画素PXLが「2」(中ドット形成)であり、このドット欠落画素PXLに隣接する隣接画素PX1も「2」であるとする。この場合、近傍補完処理を経た記録データ310においては、ドット欠落画素PXLが「0」(ドット無し)であり、このドット欠落画素PXLに隣接する隣接画素PX1が「3」(大ドット形成)である。この大ドットが中ドットから変更された補完ドットである。尚、前記隣接画素PX1に隣接する二次隣接画素PX3は、元データ300における「2」から「1」(小ドット形成)に変わる。
また、元データ300において、ドット欠落画素PXLが「2」であり、このドット欠落画素PXLに隣接する隣接画素PX1が「0」であるとする。この場合、補完処理を経た記録データ310においては、ドット欠落画素PXLが「0」であり、このドット欠落画素PXLに隣接する隣接画素PX1が「2」(中ドット形成)である。この新たに形成される中ドットが補完ドットである。
さらに、元データ300において、ドット欠落画素PXLが「0」であり、このドット欠落画素PXLに隣接する隣接画素PX1が「2」であるとする。この場合、補完処理を経た記録データ310においては、ドット欠落画素PXLが「0」のままであり、このドット欠落画素PXLに隣接する隣接画素PX1が「2」のままである。
むろん、本技術は、上述した規則に限定されない。例えば、上記規則1では隣接画素PX1を「3」に変えてもよいし、上記規則2では隣接画素PX2を「3」に変えてもよい。
ところで、誤差量δが第二の許容範囲外である場合に選択される併用補完部U1cは、補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する併用補完を行う(S208)。これにより、図1,5に示すように、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に対して代替ノズルRN0により補完ドットDT0b(例えば中ドット)が形成され、第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2に対して近傍形成ノズルRN10により補完ドットDT1,DT2(例えば大ドット)が形成される。被記録物400の送り誤差がさらに大きくなると、近傍補完だけでは筋800が目立ってくるが、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
図11は、第一の技術においてS112で行われる補完処理の別の例をフローチャートにより示している。この補完処理が開始されると、選択部U2は、誤差量δと閾値TH3とを対比して処理を分岐させる(S202)。この処理では、誤差量δが所定の許容範囲内(例えばδ≦TH3)である場合に代替ノズル補完を選択し、誤差量δが前記許容範囲外(例えばTH3<δ)である場合に併用補完を選択してもよい。尚、所定の許容範囲内はδ<TH3でもよく、前記許容範囲外はTH3≦δでもよい。
誤差量δが所定の許容範囲内である場合に選択される代替ノズル補完部U1aは、近傍形成ノズルRN10を使用せず代替ノズルRN0により補完ドットを第一ラスターRA1に形成する代替ノズル補完を行う(S204)。被記録物400の送り誤差が少ない場合、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
誤差量δが前記許容範囲外である場合に選択される併用補完部U1cは、補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する併用補完を行う(S208)。被記録物400の送り誤差がある程度大きくなると、代替ノズル補完だけでは筋800が目立ってくるが、第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2に補完ドットDT1,DT2が形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
図12は、第二の技術においてS112で行われる補完処理の例をフローチャートにより示している。この補完処理が開始されると、選択部U2は、誤差量δと閾値TH4とを対比して処理を分岐させる(S202)。この処理では、誤差量δが所定の許容範囲内(例えばδ≦TH4)である場合に近傍補完を選択し、誤差量δが前記許容範囲外(例えばTH4<δ)である場合に併用補完を選択してもよい。尚、所定の許容範囲内はδ<TH4でもよく、前記許容範囲外はTH4≦δでもよい。
誤差量δが所定の許容範囲内である場合に選択される近傍補完部U1bは、代替ノズルRN0を使用せず近傍形成ノズルRN10により補完ドットを第二ラスターRA2に形成する近傍補完を行う(S206)。被記録物400の送り誤差が少ない場合、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2に補完ドットDT1,DT2が形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
誤差量δが前記許容範囲外である場合に選択される併用補完部U1cは、補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する併用補完を行う(S208)。被記録物400の送り誤差がある程度大きくなると、近傍補完だけでは筋800が目立ってくるが、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
図9に示す印刷処理では、ラスタライズ処理(S110)の前に補完処理を行ってもよい(S108)。この場合、補完部U1及び選択部U2により補完処理が行われ、ドット補完前のハーフトーンデータ(元データ300)からドットが補完されるハーフトーンデータ(記録データ310)が生成される(S112)。
また、図9に示す印刷処理では、ラスタライズ処理(S110)と同時に補完処理を行ってもよい。この場合、ラスタライズ処理と同時に補完部U1及び選択部U2により補完処理が行われ、ドット補完前のハーフトーンデータ(元データ300)からドットが補完されるラスタデータ(記録データ310)が生成される。
以上より、代替ノズル補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には、代替ノズル補完部U1aが選択されることにより、近傍形成ノズルRN10によっては補完ドットが形成されず代替ノズルRN0によって補完ドットDT0bが第一ラスターRA1に形成される。これにより、過補完が抑制される。また、近傍補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを十分に補完することができる場合には、近傍補完部U1bが選択されることにより、代替ノズルRN0によっては補完ドットが形成されず近傍形成ノズルRN10によって補完ドットDT1,DT2が第二ラスターRA2に形成される。これにより、過補完が抑制される。さらに、近傍補完でも補完不足が生じる場合には、併用補完部U1cが選択されることにより、代替ノズルRN0により補完ドットが第一ラスターRA1に形成され、且つ、近傍形成ノズルRN10により補完ドットが第二ラスターRA2にも形成される。従って、本記録装置1は、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能となる。また、被記録物400の送り誤差の量δが小さいと代替ノズル補完部U1aや近傍補完部U1bが選択され、誤差量δが大きいと併用補完部U1cが選択されるので、不良ノズルLNにより形成すべきドットがさらに適切に補完される。
尚、走査間にノズルのオーバーラップ部があれば、本技術を適用することができる。従って、本技術は、部分オーバーラップ印刷を行う記録装置のみならず、全てのノズルがオーバーラップ部となるフルオーバーラップ印刷を行う記録装置にも適用可能である。
(3)第三及び第四の技術の具体例:
また、本技術は、図13〜18に例示するラインプリンターにも適用することができる。
図13,17は、ヘッドユニット160に含まれる第一ヘッド及び第二ヘッドのノズル64が並び方向D1において一部オーバーラップしたラインプリンターを例に、オーバーラップ部202に不良ノズルLNがある場合に補完処理を切り換える概念を模式的に示している。図14は、ノズル64と画素PXの対応関係の例を模式的に示している。図15は、記録装置1としてラインプリンターの構成例を模式的に示している。図16は、記録装置1としてラインプリンターの要部を模式的に例示している。本具体例において、符号D1はノズル64の並び方向、符号D3は被記録物400の搬送方向、符号D2は搬送される被記録物400を基準にしたときのヘッド61の相対移動方向、符号D4は被記録物400の幅方向、を示している。紙送り機構53が被記録物400を搬送方向上流側から搬送方向下流側へ搬送するとき、ヘッド61は被記録物400に対して搬送方向下流側から搬送方向上流側へ相対移動することになる。図16等の例では並び方向D1と幅方向D4が一致しているが、並び方向D1と幅方向D4とは略45°ずれる等、ずれていてもよい。これらの方向D1,D4と相対移動方向D2(搬送方向D3)は、異なる方向であればよく、略45°で交差する等、互いに直交するのみならず、直交しないで斜めに交差する場合も本発明に含まれる。
図16に示すヘッドユニット160は、Cのノズル列68C、Mのノズル列68M、Yのノズル列68Y、及び、Kのノズル列68Kを有する記録ヘッド61を備えている。ヘッド61は、CMYKの色別に設けられてもよい。各ノズル列68C,68M,68Y,68Kは、被記録物の搬送方向D3へ並べられている。各ノズル列68C,68M,68Y,68Kは、並び方向D1へノズル64C,64M,64Y,64Kが並んでいる。ヘッドユニット160は、被記録物400の幅方向D4の全体にわたってノズル64C,64M,64Y,64Kから吐出されるインク滴67により被記録物400にドットDTを形成することができるように複数のヘッド61が配置されている。ここで、ノズル列68C,68M,68Y,68Kをノズル列68と総称し、ノズル64C,64M,64Y,64Kをノズル64と総称する。
ヘッドユニット160は、所定の並び方向D1へ複数のノズル64が並んだノズル列68を複数有している。ここでいうノズル列68は、CMYKのいずれかのノズル列を意味する。この意味において、図14に示すように、複数のノズル列68に含まれる第一ノズル列68a及び第二ノズル列68bのノズル64が並び方向D1において一部オーバーラップしている。複数のノズル列68に対して被記録物400が搬送方向D3へ移動し、ノズル64からインク滴67が吐出されることにより、相対移動方向D2へ向いたラスターのドットDTが形成される。
図16において、ノズル列68の並び方向D1における長さをL0、隣接するヘッド61a,61b同士のノズル64において並び方向D1における位置がオーバーラップしたオーバーラップ部212の並び方向D1における長さをL2、隣接するヘッド61a,61b同士のノズル64において並び方向D1における位置がオーバーラップしていない単独部211の並び方向D1における長さをL1とする。ノズル列の長さL3は、L1+2×L2となる。印刷画像には、両ヘッド61a,61bのノズルによりドットが形成されるオーバーラップ領域352と、ヘッド61a,61bの一方のノズルによりドットが形成される単独領域351とが生じる。
図14に示すように、オーバーラップ部212に不良ノズルLNがある場合、不良ノズルLNによりドットを形成すべき第一ラスターRA1に他のヘッド(代替ヘッド)でドットDT0を形成可能な代替ノズルRN0が存在する。代替ノズルは複数存在してもよいし、代替ヘッドも複数存在してもよい。不良ノズルLNが存在する注目ヘッド61aにおける第一ノズル列68aと、隣接する代替ヘッド61bにおける第二ノズル列68bと、の並び方向D1における位置関係に誤差が生じていない場合、オーバーラップ部212において第二ノズル列68bに含まれる代替ノズルRN0により補完ドットを形成可能である。
本具体例では、オーバーラップ部212において不良ノズルLNが存在するヘッド61aを「注目ヘッド」と呼び、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1にドットを形成可能な他のヘッド61bを「代替ヘッド」と呼ぶことにしている。本具体例において、代替ノズルRN0はオーバーラップ部212において代替ヘッド61bに含まれ第一ラスターRA1にドットを形成するノズルであり、一次近傍形成ノズルRN1,RN2は並び方向D1において第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2にドットを形成するノズルであり、二次近傍形成ノズルRN3,RN4は第二ラスターRA2から第一ラスターRA1とは反対側において第二ラスターRA2に隣接する第三ラスターRA3にドットを形成するノズルであり、隣接画素PX1,PX2は幅方向D4においてドット欠落画素PXLの両隣にある近傍画素であり、二次隣接画素PX3,PX4は隣接画素PX1,PX2からドット欠落画素PXLとは反対側において隣接画素PX1,PX2に隣接する近傍画素である。本具体例も、第二ラスターRA2にドットを形成するノズルRN1,RN2を近傍形成ノズルRN10と総称する。
図15に示す記録装置1は、図3で示したラスタライズ処理部45の代わりに並べ換え処理部145があり、図3で示したキャリッジモーター51、ベルト52、及び、キャリッジ60の代わりにヘッドユニット160がある。図3で示した記録装置1と同様の要素には同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図15に示す並べ換え処理部145は、ハーフトーンデータを機構部50でドットが形成される順番に並べ換える並べ換え処理(例えば回転処理)を行ってノズルデータを生成する。ノズルデータは、ドットの形成状況を表すデータであり、2値データでもよいし、3階調以上の多値データでもよい。
オーバーラップ部212において各画素にどのヘッドのノズルを使用するかは、例えば、オーバーラップ部212の各ヘッドについて設けたマスクパターンとハーフトーンデータとの論理積をとることにより決定することができる。前記マスクパターンは、例えば、各画素について、ハーフトーンデータを残す部分に「1」を格納し、ハーフトーンデータを消す部分に「0」を格納したデータとすることができる。
図15に示す並べ換え処理部145は、不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部U1、及び、該複数の補完部U1の中からいずれかの補完部U1を選択する選択部U2を備えている。補完部U1によるドット補完は、並べ換え処理の前に行ってもよいし、並べ換え処理の後で行ってもよいし、並べ換え処理と同時に行ってもよい。並べ換え処理前にドット補完を行う場合、ハーフトーンデータがドット補完前の元データ300となり、ドット補完後のハーフトーンデータが記録データ310となる。並べ換え処理後にドット補完を行う場合、ノズルデータがドット補完前の元データ300となり、ドット補完後のノズルデータが記録データ310となる。並べ換え処理と同時にドット補完を行う場合、ハーフトーンデータがドット補完前の元データ300となり、ノズルデータが記録データ310となる。尚、ドット補完の際には、上記マスクパターンを変更することにより記録データ310を生成してもよい。
複数の補完部U1は、代替ノズル補完部U1a、近傍補完部U1b、併用補完部U1c、を含む。代替ノズル補完部U1aは、近傍形成ノズルRN10を使用せず代替ノズルRN0により補完ドットを第一ラスターRA1に形成する。近傍補完部U1bは、代替ノズルRN0を使用せず近傍形成ノズルRN10により補完ドットを第二ラスターRA2に形成する。併用補完部U1cは、補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する。選択部U2は、ヘッド61の取り付け誤差(第一ノズル列68aと第二ノズル列68bとの並び方向D1における位置関係の誤差)の量δに基づいて、補完部U1a,U1b,U1cの中からいずれか一つの補完部を選択し、元データ300に基づいてドットが補完される記録データ310を生成する補完処理を補完部U1に実行させる。本具体例における取り付け誤差の量δは、第一及び第二の具体例の送り誤差の量δとは異なるものであり、誤差の無い状態を基準とした0以上の数とし、並び方向D1の一方側への誤差が大きくなる場合も並び方向D1の他方側への誤差が大きくなる場合も誤差量δが大きくなるものとする。
オーバーラップ部212の端部に不良ノズルLNがある図13の例においては、誤差量δが閾値TH1以下と小さい場合、代替ノズル補完部U1aが選択され、代替ノズルRN0で第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成される印刷画像331が示されている。この場合、ヘッド61cが注目ヘッドであり、ヘッド61dが代替ヘッドである。誤差量δが閾値TH1を超える場合には、近傍補完部U1bを選択して近傍補完を行い、近傍形成ノズルRN10で第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成することにより、印刷画像332に筋800が目立たなくなる。この場合、ヘッド61dが注目ヘッドであり、ヘッド61eが代替ヘッドである。誤差量δが閾値TH2を超える場合には、併用補完部U1cを選択して近傍補完と代替ノズル補完の両方を行い、第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成し、且つ、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bを形成することにより、印刷画像333に筋800が目立たなくなる。
オーバーラップ部202の内側に不良ノズルLNがある図17の例においても、誤差量δが閾値TH1以下と小さい場合、代替ノズル補完部U1aが選択され、代替ノズルRN0で第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成される印刷画像331が示されている。誤差量δが閾値TH1を超える場合には、近傍補完部U1bを選択して近傍補完を行い、近傍形成ノズルRN10で第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成することにより、印刷画像332に筋800が目立たなくなる。誤差量δが閾値TH2を超える場合には、併用補完部U1cを選択して近傍補完と代替ノズル補完の両方を行い、第二ラスターRA2に大ドット(補完ドットDT1,DT2)を形成し、且つ、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bを形成することにより、印刷画像333に筋800が目立たなくなる。
尚、各ヘッド61間について位置別誤差量δを設定すれば、各位置別誤差量δに基づいていずれかの補完部U1を選択することができる。これにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することができる。
図18は、記録装置1で行われる印刷処理の例をフローチャートにより示している。S302〜S308,S312〜S314の処理は、図9で示したS102〜S108,S112〜S114の処理と同様である。
並べ換え処理の後に補完処理を行う場合、解像度変換処理、色変換処理、及び、ハーフトーン処理の後(S302〜S306)、並べ換え処理部145は、ハーフトーンデータに対して回転処理といった所定の並べ換え処理を行って機構部50でドットが形成される順番に並べ換え、CMYKそれぞれのノズルデータを生成する(S310)。その後、補完部U1及び選択部U2により補完処理が行われ、ドット補完前のノズルデータ(元データ300)からドットが補完されるノズルデータ(記録データ310)が生成される(S312)。駆動信号送信部46は、ノズルデータに対応した駆動信号SGを生成してヘッド61の駆動回路62に出力し、ノズルデータに合わせて駆動素子63を駆動させてヘッド61のノズル64からインク滴67を吐出させて印刷を実行する(S314)。これにより、被記録物400上にドットの形成状況で表現された多値(例えば4値)の印刷画像が形成され、印刷処理が終了する。
S312の補完処理は、図10〜12で示した処理と同様の処理を行うことができる。図10を参照して第三の技術における補完処理を説明すると、まず、選択部U2がヘッド61の取り付け誤差の量δと閾値TH1,TH2(TH1<TH2)とを対比して処理を分岐させる(S202)。この処理では、誤差量δが第一の許容範囲内(例えばδ≦TH1)である場合に代替ノズル補完を選択し、誤差量δが第二の許容範囲外(例えばTH2<δ)である場合に併用補完を選択し、第一の許容範囲外且つ第二の許容範囲内(例えばTH1<δ≦TH2)である場合に近傍補完を選択してもよい。尚、第一の許容範囲内はδ<TH1でもよく、第二の許容範囲外はTH2≦δでもよく、第一の許容範囲外且つ第二の許容範囲内はTH1≦δ<TH2等でもよい。ここで、第二の許容範囲が併用補完部U1cを選択するか否かを決める「所定の許容範囲」に相当する。
誤差量δが第一の許容範囲内である場合に選択される代替ノズル補完部U1aは、近傍形成ノズルRN10を使用せず代替ノズルRN0により補完ドットを第一ラスターRA1に形成する代替ノズル補完を行う(S204)。ヘッド61の取り付け誤差が少ない場合、不良ノズルLNにより記録すべき第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
誤差量δが第一の許容範囲外且つ第二の許容範囲内である場合に選択される近傍補完部U1bは、代替ノズルRN0を使用せず近傍形成ノズルRN10により補完ドットを第二ラスターRA2に形成する近傍補完を行う(S206)。ヘッド61の取り付け誤差がある程度大きいと、代替ノズル補完だけでは筋800が目立ってくるが、第一ラスターRA1に隣接する第二ラスターRA2に補完ドットDT1,DT2が形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
誤差量δが第二の許容範囲外である場合に選択される併用補完部U1cは、補完ドットを、代替ノズルRN0により第一ラスターRA1に形成し、且つ、近傍形成ノズルRN10により第二ラスターRA2に形成する併用補完を行う(S208)。ヘッド61の取り付け誤差がさらに大きいと、近傍補完だけでは筋800が目立ってくるが、第一ラスターRA1に補完ドットDT0bが形成されることにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
尚、図11は、第三の技術においてS312で行われる補完処理の別の例がフローチャートにより示されている。図12は、第四の技術においてS312で行われる補完処理の別の例がフローチャートにより示されている。いずれの例も、不良ノズルLNにより形成すべきドットが特に好ましく補完される。
また、図18に示す印刷処理では、並べ換え処理(S310)の前に補完処理を行ってもよいし(S308)、並べ換え処理(S310)と同時に補完処理を行ってもよい。
以上より、代替ノズル補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完して誤差による筋800を十分に抑制することができる場合には、代替ノズル補完部U1aが選択されることにより、近傍形成ノズルRN10によっては補完ドットが形成されず代替ノズルRN0によって補完ドットDT0bが第一ラスターRA1に形成される。これにより、過補完が抑制される。また、近傍補完部U1bによるドット補完で不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完して誤差による筋800を十分に抑制することができる場合には、近傍補完部U1bが選択されることにより、代替ノズルRN0によっては補完ドットが形成されず近傍形成ノズルRN10によって補完ドットDT1,DT2が第二ラスターRA2に形成される。これにより、過補完が抑制される。さらに、上記誤差により近傍補完でも補完不足が生じる場合には、併用補完部U1cが選択されることにより、代替ノズルRN0により補完ドットが第一ラスターRA1に形成され、且つ、近傍形成ノズルRN10により補完ドットが第二ラスターRA2にも形成される。従って、本記録装置1は、不良ノズルLNにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能となる。また、ヘッド61の取り付け誤差の量δが小さいと代替ノズル補完部U1aや近傍補完部U1bが選択され、誤差量δが大きいと併用補完部U1cが選択されるので、不良ノズルLNにより形成すべきドットがさらに適切に補完される。
尚、ノズル列間にノズルのオーバーラップ部があれば、本技術を適用することができる。従って、本技術は、ノズル列間のノズルが部分的にオーバーラップした記録装置のみならず、ノズル列間のノズルが全てオーバーラップした記録装置にも適用可能である。
また、第三及び第四の技術を適用可能なプリンターは、ラインプリンターのみならず、ノズル列の一部をオーバーラップさせた複数のヘッド(例えば図16に示す配置のヘッド61a,61b)をキャリッジに搭載したマルチヘッドタイプのシリアルプリンターも含まれる。このシリアルプリンターは、インク滴を吐出してドットを形成するときに被記録物が移動しないで複数のヘッドが移動する。従って、複数のヘッドと被記録物との相対移動には、少なくとも、複数のヘッドが移動しないで被記録物が移動することと、被記録物が移動しないで複数のヘッドが移動することと、が含まれる。
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、本技術を適用可能な記録装置は、複写機、ファクシミリ、等も含まれる。
インクは、色を表現するための液体にとどまらず、光沢感を出す無着色の液体等、何らかの機能を付与する種々の液体が含まれる。従って、インク滴には、無着色の液滴等、種々の液滴が含まれる。
尚、不良ノズル検出部U3が設けられていない記録装置であっても、本技術の基本的な効果が得られる。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、不良ノズルにより形成すべきドットを補完する効果を向上させることが可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…記録装置、45…ラスタライズ処理部、48…検出ユニット、50…機構部、51…キャリッジモーター、52…ベルト、53…紙送り機構、60…キャリッジ、61…ヘッド、62…駆動回路、63…駆動素子、64…ノズル、65…インクカートリッジ(液体カートリッジ)、66…インク(液体)、67…インク滴(液滴)、68…ノズル列、68a…第一ノズル列、68b…第二ノズル列、145…並べ換え処理部、160…ヘッドユニット、201,211…単独部、202,212…オーバーラップ部、300…元データ、310…記録データ、320,330〜333…画像、351…単独領域、352…オーバーラップ領域、400…被記録物、D1…並び方向、D2…相対移動方向、D3…搬送方向、D4…幅方向、DT,DT0〜DT4…ドット、LN…不良ノズル、PX…画素、RA1…第一ラスター、RA2…第二ラスター、RA3…第三ラスター、RN0…代替ノズル、RN10…近傍形成ノズル、U1…補完部、U1a…代替ノズル補完部、U1b…近傍補完部、U1c…併用補完部、U2…選択部、U3…不良ノズル検出部。

Claims (8)

  1. 所定の並び方向へ並んだ複数のノズルと被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動し、前記相対移動方向へ向いたラスターのドットを複数回の走査により形成するオーバーラップ記録を行う記録装置であって、
    前記複数のノズルには、ドットの形成が不良である不良ノズル、該不良ノズルにより記録すべき第一ラスターに他の走査でドットを形成する代替ノズル、及び、前記第一ラスターに隣接する第二ラスターにドットを形成する近傍形成ノズルが含まれ、
    前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部と、
    該複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する選択部と、を備え、
    前記複数の補完部は、
    前記近傍形成ノズルを使用せず前記代替ノズルにより前記補完ドットを前記第一ラスターに形成する代替ノズル補完部と、
    前記補完ドットを、前記代替ノズルにより前記第一ラスターに形成し、且つ、前記近傍形成ノズルにより前記第二ラスターに形成する併用補完部と、を含む、記録装置。
  2. 前記複数の補完部は、前記代替ノズルを使用せず前記近傍形成ノズルにより前記補完ドットを前記第二ラスターに形成する近傍補完部をさらに含む、請求項1に記載の記録装置。
  3. 所定の並び方向へ並んだ複数のノズルと被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動し、前記相対移動方向へ向いたラスターのドットを複数回の走査により形成するオーバーラップ記録を行う記録装置であって、
    前記複数のノズルには、ドットの形成が不良である不良ノズル、該不良ノズルにより記録すべき第一ラスターに他の走査でドットを形成する代替ノズル、及び、前記第一ラスターに隣接する第二ラスターにドットを形成する近傍形成ノズルが含まれ、
    前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部と、
    該複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する選択部と、を備え、
    前記複数の補完部は、
    前記代替ノズルを使用せず前記近傍形成ノズルにより前記補完ドットを前記第二ラスターに形成する近傍補完部と、
    前記補完ドットを、前記近傍形成ノズルにより前記第二ラスターに形成し、且つ、前記代替ノズルにより前記第一ラスターに形成する併用補完部と、を含む、記録装置。
  4. 前記複数のノズルと前記被記録物とが走査間に前記相対移動方向と交差する搬送方向へ相対移動し、
    前記選択部は、前記搬送方向への前記被記録物の相対移動に生じる誤差の量に基づいて前記複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
  5. 所定の並び方向へ複数のノズルが並んだノズル列を複数有し、該複数のノズル列に含まれる第一ノズル列及び第二ノズル列のノズルが前記並び方向において一部オーバーラップし、前記複数のノズル列と被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動し、前記相対移動方向へ向いたラスターのドットを形成する記録装置であって、
    前記複数のノズルには、前記第一ノズル列に含まれドットの形成が不良である不良ノズル、前記第二ノズル列に含まれ前記不良ノズルにより記録すべき第一ラスターにドットを形成する代替ノズル、及び、前記第一ラスターに隣接する第二ラスターにドットを形成する近傍形成ノズルが含まれ、
    前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部と、
    前記第一ノズル列と前記第二ノズル列との前記並び方向における位置関係の誤差の量に基づいて、前記複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する選択部と、を備え、
    前記複数の補完部は、
    前記近傍形成ノズルを使用せず前記代替ノズルにより前記補完ドットを前記第一ラスターに形成する代替ノズル補完部と、
    前記補完ドットを、前記代替ノズルにより前記第一ラスターに形成し、且つ、前記近傍形成ノズルにより前記第二ラスターに形成する併用補完部と、を含む、記録装置。
  6. 前記複数の補完部は、前記代替ノズルを使用せず前記近傍形成ノズルにより前記補完ドットを前記第二ラスターに形成する近傍補完部をさらに含む、請求項5に記載の記録装置。
  7. 所定の並び方向へ複数のノズルが並んだノズル列を複数有し、該複数のノズル列に含まれる第一ノズル列及び第二ノズル列のノズルが前記並び方向において一部オーバーラップし、前記複数のノズル列と被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動し、前記相対移動方向へ向いたラスターのドットを形成する記録装置であって、
    前記複数のノズルには、前記第一ノズル列に含まれドットの形成が不良である不良ノズル、前記第二ノズル列に含まれ前記不良ノズルにより記録すべき第一ラスターにドットを形成する代替ノズル、及び、前記第一ラスターに隣接する第二ラスターにドットを形成する近傍形成ノズルが含まれ、
    前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する補完ドットを形成する複数の補完部と、
    前記第一ノズル列と前記第二ノズル列との前記並び方向における位置関係の誤差の量に基づいて、前記複数の補完部の中からいずれかの補完部を選択する選択部と、を備え、
    前記複数の補完部は、
    前記代替ノズルを使用せず前記近傍形成ノズルにより前記補完ドットを前記第二ラスターに形成する近傍補完部と、
    前記補完ドットを、前記近傍形成ノズルにより前記第二ラスターに形成し、且つ、前記代替ノズルにより前記第一ラスターに形成する併用補完部と、を含む、記録装置。
  8. 前記選択部は、前記誤差の量が所定の許容範囲外である場合に前記併用補完部を選択し、前記誤差の量が前記許容範囲内である場合に前記複数の補完部のうち前記併用補完部を除いた補完部を選択する、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
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